特許第6245897号(P6245897)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6245897放射線断層撮影装置及び放射線断層撮影システム並びにプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6245897
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】放射線断層撮影装置及び放射線断層撮影システム並びにプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20171204BHJP
【FI】
   A61B6/03 375
   A61B6/03 330B
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-176261(P2013-176261)
(22)【出願日】2013年8月28日
(65)【公開番号】特開2015-43846(P2015-43846A)
(43)【公開日】2015年3月12日
【審査請求日】2016年8月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】300019238
【氏名又は名称】ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(72)【発明者】
【氏名】久保田 壮
(72)【発明者】
【氏名】関口 淳子
【審査官】 田中 洋行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−090979(JP,A)
【文献】 特開2012−090887(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/106941(WO,A2)
【文献】 特開2012−231816(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 − 6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の本撮影前の予備撮影により得られたデータに基づいて、本撮影時の放射線管の管電圧を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された管電圧と、前記被検体の体重とに基づいて、本撮影時の造影剤使用量を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された造影剤使用量を、造影剤注入装置に出力する出力手段と、を備え
前記算出手段は、本撮影時の管電圧が第1の管電圧であるときに適用される体重と造影剤使用量との関係を表す第1の関係と、前記第1の管電圧とは異なる第2の管電圧と該第1の関係における造影剤使用量に乗算する係数との関係を表す第2の関係とを参照して、前記本撮影時の造影剤使用量を算出する放射線断層撮影装置。
【請求項2】
前記第2の関係は、前記第2の管電圧が前記第1の管電圧より小さいときに、前記係数が1未満となるような関係である、請求項に記載の放射線断層撮影装置。
【請求項3】
前記決定手段は、前記データから得られた前記被検体の放射線吸収量に関する情報に基づいて、前記管電圧を決定する、請求項1又は2に記載の放射線断層撮影装置。
【請求項4】
前記決定手段は、前記データから得られた前記被検体のサイズに関する情報に基づいて、前記管電圧を決定する、請求項1又は2に記載の放射線断層撮影装置。
【請求項5】
前記決定手段は、前記データから得られた前記被検体の軟部組織の量または割合に関する情報に基づいて、前記管電圧を決定する、請求項1又は2に記載の放射線断層撮影装置。
【請求項6】
前記算出手段により算出された造影剤使用量を、操作者に提示する提示手段をさらに備えた、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の放射線断層撮影装置。
【請求項7】
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の放射線断層撮影装置と、前記造影剤注入装置とを備えた放射線断層撮影システム。
【請求項8】
コンピュータを、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の放射線断層撮影装置における各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線断層撮影において使用する造影剤量を最適化する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、X線CT(Computed Tomography)検査では、X線管の管電圧を、撮影部位や撮影条件に関係なく、慣習的に、特定の管電圧(以下、標準管電圧という)にほぼ固定して撮影することが多い。その理由は、初期のX線CT装置では管電圧が固定であったという歴史や、被検体の経過観察を容易にするために取得画像のコントラスト(contrast)描写を揃えたいといった事情と深い係りがある。現行のX線CT装置では、管電圧が可変であるが、取得画像に期待されるコントラスト描写が存在しているため、管電圧を変えて撮影することは稀である。
【0003】
しかしながら、被検体の撮影部位におけるX線吸収量や形状などによっては、慣習的に設定する標準管電圧とは異なる管電圧の方が、診断に必要な画質を確保しつつ、被検体への被曝量を低減できる場合があることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
そこで、近年では、被検体の予備撮影によって得られたデータから撮影部位におけるX線吸収量や形状に係る情報を取得し、その情報に基づいて、被検体の被曝が低減されるように、設定管電圧を自動で最適化するX線CT装置が提案されている(例えば、特許文献1,要約等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−90887号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Yoshiharu Nakayama, Kazuo Awai, et al. Abdominal CT with Low TubeVoltage. Radiology 2005, 237:945-951.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、取得画像のコントラスト描写は、X線管の管電圧に依存する。そのため、造影撮影を行う際の最適な造影剤使用量は、被検体に関する情報のほか、設定管電圧にも依存する。設定管電圧を標準管電圧から変える場合には、操作者の判断で、その設定管電圧に応じて最適と思われる造影剤使用量を決定することになる。
【0008】
しかしながら、この場合には、せっかく設定管電圧を自動で最適化できるにもかかわらず、操作者がその都度、造影剤使用量を計算し直さなければならず、検査のワークフロー(work flow)が悪くなる。特に、大型の病院などでは、過密なスケジュール(schedule)に沿って多くの患者のX線CT検査を行うため、検査のワークフローの悪化はより深刻である。
【0009】
このような事情により、放射線断層撮影装置において造影撮影を行う際に、放射線管電圧と造影剤使用量の両方の最適化を図りつつ、検査のワークフローの悪化を抑えることができる技術が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の観点の発明は、
被検体の本撮影前の予備撮影により得られたデータ(data)に基づいて、本撮影時の放射線管の管電圧を決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された管電圧と、前記被検体の体重とに基づいて、本撮影時の造影剤使用量を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された造影剤使用量を、造影剤注入装置に出力する出力手段と、を備えた放射線断層撮影装置を提供する。
【0011】
第2の観点の発明は、
前記算出手段が、本撮影時の管電圧が第1の管電圧であるときに適用される、体重と造影剤使用量との関係を表す第1の関係と、前記第1の管電圧とは異なる第2の管電圧と該第1の関係における造影剤使用量に乗算する係数との関係を表す第2の関係とを参照して、前記本撮影時の造影剤使用量を算出する、上記第1の観点の放射線断層撮影装置を提供する。
【0012】
第3の観点の発明は、
前記第2の関係が、前記第2の管電圧が前記第1の管電圧より小さいときに、前記係数が1未満となるような関係である、上記第2の観点の放射線断層撮影装置を提供する。
【0013】
第4の観点の発明は、
前記算出手段が、体重及び管電圧の組合せと造影剤使用量との関係を表す第3の関係を参照して、前記本撮影時の造影剤使用量を算出する、上記第1の観点の放射線断層撮影装置を提供する。
【0014】
第5の観点の発明は、
前記決定手段が、前記データから得られた前記被検体の放射線吸収量に関する情報に基づいて、前記管電圧を決定する、上記第1の観点から第4の観点のいずれか一つの観点の放射線断層撮影装置を提供する。
【0015】
第6の観点の発明は、
前記決定手段が、前記データから得られた前記被検体のサイズ(size)に関する情報に基づいて、前記管電圧を決定する、上記第1の観点から第4の観点のいずれか一つの観点の放射線断層撮影装置を提供する。
【0016】
第7の観点の発明は、
前記決定手段が、前記データから得られた前記被検体の軟部組織の量または割合に関する情報に基づいて、前記管電圧を決定する、上記第1の観点から第4の観点のいずれか一つの観点の放射線断層撮影装置を提供する。
【0017】
第8の観点の発明は、
前記算出手段により算出された造影剤使用量を、操作者に提示する提示手段をさらに備えた、上記第1の観点から第7の観点のいずれか一つの観点の放射線断層撮影装置を提供する。
【0018】
第9の観点の発明は、
上記第1の観点から第8の観点のいずれか一つの観点の放射線断層撮影装置と、前記造影剤注入装置とを備えた放射線断層撮像システムを提供する。
【0019】
第10の観点の発明は、
コンピュータ(computer)を、上記第1の観点から第8の観点のいずれか一つの観点の放射線断層撮影装置における各手段として機能させるためのプログラム(program)を提供する。
【発明の効果】
【0020】
上記観点の発明によれば、設定管電圧に応じて最適な造影剤使用量が自動で算出されるので、放射線断層撮影装置において造影撮影を行う際に、放射線管の管電圧と造影剤使用量の両方の最適化を図りつつ、検査のワークフローの悪化を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】発明の実施形態に係るX線CT装置の構成を概略的に示す図である。
図2】管電圧が標準管電圧である場合における被検体の体重と造影剤使用量との対応関係を示す図である。
図3】設定管電圧と標準管電圧下での造影剤使用量に乗算する係数との対応関係を示す図である。
図4】X線CT装置と造影剤注入装置との接続関係を示す図である。
図5】X線CT装置における処理の流れを示すフロー(flow)図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、発明の実施形態について説明する。なお、これにより本発明は限定されない。
【0023】
図1は、発明の実施形態に係るX線CT装置の構成を示す機能ブロック(block)図である。
【0024】
図1に示すように、X線CT装置1は、X線管2、アパーチャ(aperture)3、X線検出器4、及び撮影テーブル(table)5を備えている。
【0025】
撮影テーブル5は、クレードル(cradle)51を有している。被検体20は、クレードル51に載置される。クレードル51は、不図示の駆動部により、被検体20の体軸方向であるz方向に水平直線移動可能である。
【0026】
X線管2は、X線焦点からクレードル51に載置された被検体20にX線を照射する。
【0027】
アパーチャ3は、X線管2と被検体20との間に設けられている。アパーチャ3は、X線管2から照射されたX線21を、所定のファン(fan)角で広がる扇形のファンビーム(fan-beam)またはコーンビーム(cone-beam)に成形する。
【0028】
X線検出器4は、被検体20を挟むようにX線管2と対向して配置されている。X線検出器4は、複数の検出素子がチャネル(channel)方向および列方向(z方向)にマトリクス(matrix)状に配列された構成を有している。
【0029】
X線管2およびX線検出器4は、互いの位置関係を維持したまま被検体20の周りを回転することができるよう支持されている。
【0030】
図1に示すように、X線CT装置1は、さらに、データ収集部6、予備スキャン制御部7、本スキャン制御部8、基準スキャン条件設定部9、スキャン条件最適化部10、体重特定部11、造影剤量算出部12、対応表設定部13、造影剤量出力部14、及び画像再構成部15を備えている。なお、予備スキャン制御部7から画像再構成部15までの各部は、コンピュータに所定のプログラムを実行させることにより実現可能である。
【0031】
データ収集部6は、被検体20のスキャン(scan)を実施したときに、X線検出器4から出力されるアナログ(analog)信号をデジタル(digital)信号に変換し、スキャンデータとして収集する。
【0032】
予備スキャン制御部7は、X線管2、X線検出器4、及び撮影テーブル5を制御して、被検体20の本スキャン(本撮像)前の予備スキャン(予備撮像)を実施する。本例では、予備スキャンとして、スカウトスキャン(scout scan)を実施する。スカウトスキャンは、X線管2及びX線検出器4の回転角度位置を固定し、被検体20が載置されたクレードル51を水平直線移動させながら、低線量のX線を照射し、その透過X線をX線検出器4にて検出する。本例では、X線管2が被検体20の真上にくるときのX線管2の回転角度を0°として、X線管2を0°(または180°)に配置したスキャンと、X線管2を90°(または270°)に配置したスキャンとを行う。なお、予備スキャンとして、低線量のX線によるヘリカルスキャン(helical scan)を行ってもよい。
【0033】
本スキャン制御部8は、X線管2、X線検出器4、及び撮影テーブル5を制御して、被検体20の本スキャンを実施する。本例では、後述の造影剤注入装置16との連携により、被検体20の本スキャンとして、造影スキャンを行う。
【0034】
基準スキャン条件設定部9は、操作者21の操作に応じて、スキャン条件の直接入力を受け付ける、あるいは既存のスキャン条件を読み込むことにより、基準となるスキャン条件(以下、基準スキャン条件という)を設定する。基準スキャン条件には、スキャン部位(撮影部位)、スキャン範囲、X線管の管電圧V1、再構成画像に期待する所望のノイズレベルNI等が含まれる。
【0035】
スキャン条件最適化部10は、予備スキャンにより得られたデータ(以下、予備スキャンデータという)D1と基準スキャン条件C1とに基づいて、スキャン条件を最適化する。
【0036】
例えば、特許文献1にて提案されている手法と同様の手法を用いて行う。まず、予備スキャンデータD1から得られる被検体20のX線吸収量やサイズに関する情報と、管電圧V1を含む基準スキャン条件C1とに基づいて、自動露出機構を作動させる。これにより、管電圧V1と組み合わせて被検体20をスキャンした場合に所望のノイズレベル(noise level)NIの再構成画像が得られるようなX線管の管電流I1を算出する。管電流I1は、通常、被検体20の体軸方向、あるいは、その体軸方向及び断層面方向において変化する管電流として規定される。次いで、被検体20をスキャンした場合に管電圧V1及び管電流I1でスキャンした場合と実質的に同等のノイズレベルの再構成画像が得られるような管電圧V2及び管電流I2であって、被検体20の被曝量が管電圧V1及び管電流I1でスキャンした場合よりも低減される組合せを求める。基準スキャン条件において、管電圧V1を管電圧V2に更新し、管電流I2を追加して、最適化されたスキャン条件を設定する。
【0037】
また例えば、予備スキャンデータD1から得られる被検体20のサイズのしきい値判定により管電圧V2を決定し、自動露出機構により管電流I2を決定するようにしてもよい。具体的には、例えば、被検体20の断層面の輪郭を楕円近似したときの長軸半径及び短軸半径、被検体20の断層面における平均半径など、被検体20のサイズを表す代表的な長さを求める。そして、その長さが小さいほど、低い管電圧が選択されるようにして、管電圧を決定する。
【0038】
また例えば、予備スキャンデータD1から得られる被検体20の軟部組織の量または割合のしきい値判定により管電圧V2を決定し、自動露出機構により管電流I2を決定するようにしてもよい。具体的には、例えば、予備スキャンを、低線量のヘリカルスキャンとし、当該スキャンによって得られた被検体20の断層像において、CT値を基に軟部組織の量または割合を求める。そして、この軟部組織の量または割合が小さいほど、低い管電圧が選択されるようにして、管電圧を決定する。
【0039】
なお、本例では、管電圧V1及びV2は、80kV,100kV,120kV,140kVの4つの選択肢の中から選択するようにする。
【0040】
体重特定部11は、被検体20の体重を特定する。本例では、体重特定部10は、事前に登録されている被検体情報(例えば、病院で管理される患者情報)を外部メモリまたは内部メモリから読み込み、その被検体情報に含まれている被検体20の体重を読み出して特定する。なお、被検体20の体重は、操作者21が手動で直接入力した情報や、撮影テーブルに内蔵されている重量センサの出力、予備スキャンにより得られたデータの解析結果などから特定してもよい。
【0041】
造影剤量算出部12は、被検体20の体重と、設定管電圧V2とに基づいて、被検体20の本スキャンに適用する造影剤使用量を算出する。造影剤は、例えばヨード含有製剤である。本例では、造影剤量算出部12は、図2に示すような第1の対応表と、図3に示すような第2の対応表とを記憶している。第1の対応表は、管電圧が標準管電圧すなわち120kVであるときの、被検体20の体重と適用すべき造影剤使用量との対応関係を示したものである。また、第2の対応表は、設定管電圧と造影剤量比率(係数)との対応関係を示したものである。造影剤量比率とは、実際の設定管電圧において適用すべき造影剤使用量を、管電圧が120kVであるときに適用すべき造影剤使用量に対する比率で表したものである。まず、被検体20の体重に基づいて、第1の対応表を参照して、管電圧が120kVのときの造影剤使用量を特定する。次に、設定管電圧V2に基づいて、第2の対応表を参照して、造影剤量比率を特定する。そして、第1の対応表を用いて特定した造影剤使用量に、第2の対応表を用いて特定した造影剤量比率を乗算して、最終的な造影剤使用量を決定する。
【0042】
なお、被検体の体重及び設定管電圧の組合せと造影剤使用量との対応関係を表す第3の対応表を用意し、実際の被検体の体重及び設定管電圧に基づいて、第3の対応表を参照して、造影剤使用量を決めるようにしてもよい。
【0043】
また、第1及び第2の対応表、あるいは、第3の対応表は、スキャン部位もしくはスキャン範囲ごとに用意しておき、実際に本スキャンを実施するときのスキャン部位もしくはスキャン範囲に応じて、切り替えて用いるようにすることが好ましい。
【0044】
対応表設定部13は、操作者の操作に応じて、第1及び第2の対応表として、所望の対応表を予め設定する。造影剤使用量の決定に上記第3の対応表を用いる場合には、第3の対応表として、所望の対応表を予め設定する。造影剤使用量の算出方法は、検査を行う施設によって異なることが多いが、このような対応表設定部13を設けることで、そのような事情に対応することができる。
【0045】
造影剤量出力部14は、算出された造影剤使用量を、視聴覚的な提示手段により操作者に提示したり、後述の造影剤注入装置16にそのデータを送信したりする。
【0046】
画像再構成部15は、本スキャンにより得られたスキャンデータに基づいて、画像を再構成する。
【0047】
X線CT装置1には、造影剤注入装置16が接続されている。造影剤注入装置16は、造影剤を被検体20に自動で注入する装置である。
【0048】
図4は、X線CT装置1と造影剤注入装置16との接続関係を示した図である。図4に示すように、造影剤注入装置16は、注入制御部161と、注入条件設定部162と、ピストン(piston)駆動機構部163とを有している。注入制御部161は、注入条件設定部162によって設定された複数のパラメータにしたがって、ピストン駆動機構部163を制御する。ピストン起動機構部163は、造影剤が入っているシリンジ(syringe)のピストンを押すことにより、造影剤を被検体20に注入する。当該パラメータには、造影剤使用量、注入速度(注入時間)、注入開始タイミング(timing)(待機時間等)などが含まれる。注入制御部161は、X線CT装置1の造影剤量出力部14から送信される造影剤使用量を表すデータを、インタフェース(interface)(不図示)を介して受信し、その造影剤使用量のデータを注入条件設定部162に送信する。注入条件設定部162は、受信した造影剤使用量のデータに基づいて、造影剤使用量に関するパラメータを設定する。なお、造影剤量出力部14は、注入制御部161を経由せずに、直接的に注入条件設定部162を制御し、造影剤使用量に関するパラメータを設定するようにしてもよい。
【0049】
これより、第一実施形態に係るX線CT装置における処理の流れについて説明する。
【0050】
図5は、第一実施形態に係るX線CT装置における処理の流れを示すフロー図である。
【0051】
ステップ(step)S1では、準備段階として、対応表設定部13が、操作者21の操作に応じて、第1及び第2の対応表を設定する。
【0052】
ステップS2では、予備スキャン制御部7が、X線管2、X線検出器4、及び撮影テーブル5を制御して、被検体20の予備スキャンを実施する。
【0053】
ステップS3では、基準スキャン条件設定部9が、操作者21の操作に応じて、スキャン部位、スキャン範囲、管電圧、ノイズレベル等を含む基準スキャン条件を設定する。
【0054】
ステップS4では、スキャン条件最適化部10が、予備スキャンデータと基準スキャン条件とに基づいて、スキャン条件を最適化する。スキャン条件の最適化には、管電圧の更新が含まれる。
【0055】
ステップS5では、被検体体重特定部10が、被検体20の体重を特定する。
【0056】
ステップS6では、造影剤量算出部12が、被検体20の体重と、最適化されたスキャン条件における設定管電圧とに基づいて、本スキャンに適用する造影剤使用量を算出する。
【0057】
ステップS7では、造影剤量出力部14が、算出された造影剤使用量を操作者に提示するとともに、そのデータを造影剤注入装置16に送信する。造影剤注入装置16は、受信した造影剤使用量のデータに基づいて、造影剤使用量に関するパラメータを設定する。
【0058】
ステップS8では、本スキャン制御部8が、最適化されたスキャン条件に基づいて、X線管2、X線検出器4、撮影テーブル5、及び造影剤注入装置16を制御し、本スキャンとしての造影スキャンを実施する。
【0059】
ステップS9では、画像再構成部15が、本スキャンにより得られたデータに基づいて、画像を再構成する。
【0060】
以上、本実施形態によれば、設定管電圧に応じて最適な造影剤使用量が自動で算出されるので、X線CT装置において造影撮影を行う際に、X線管の管電圧と造影剤使用量の両方の最適化を図りつつ、検査のワークフローの悪化を抑えることができる。
【0061】
また、本実施形態によれば、X線CT装置1に接続された造影剤注入装置161に、造影剤使用量のデータを送信するので、造影剤注入装置16における造影剤使用量のパラメータに、最適な造影剤使用量を自動で設定することもできる。その結果、X線管2の管電圧の設定と、造影剤使用量の設定とをすべて自動で行うことができ、検査のワークフローを大きく改善することができる。
【0062】
また、本実施形態によれば、設定管電圧を標準管電圧とは異なる管電圧にした場合の最適な造影剤使用量の計算方法が定まっていない場合であっても、操作者21によって造影剤使用量が異なることがないので、造影撮影による取得画像の画質すなわちコントラスト描写を安定させることができる。
【0063】
また、本実施形態によれば、設定管電圧に応じて最適な造影剤使用量が自動で算出され、そのデータが出力されるので、操作者の負担が軽減されるだけでなく、計算ミス(mistake)による事故を防ぐこともできる。
【0064】
なお、本実施形態は、X線CT装置であるが、発明は、X線CT装置とPETまたはSPECTとを組み合わせたPET−CT装置やSPECT−CT装置などにも適用可能である。
【符号の説明】
【0065】
1 X線CT装置(放射線断層撮影装置)
2 X線管(放射線管)
3 アパーチャ
4 X線検出器
5 撮影テーブル
51 クレードル
6 データ収集部
7 予備スキャン制御部
8 本スキャン制御部
9 基準スキャン条件設定部
10 スキャン条件最適化部(決定手段)
11 体重特定部
12 造影剤量算出部(算出手段)
13 対応表設定部(設定手段)
14 造影剤量出力部(提示手段,出力手段)
15 画像再構成部
16 造影剤注入装置
161 注入制御部
162 注入条件設定部
163 ピストン駆動機構部
20 被検体
21 操作者
図1
図2
図3
図4
図5