特許第6245926号(P6245926)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6245926排ガス浄化装置、保持シール材及び保持シール材の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6245926
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】排ガス浄化装置、保持シール材及び保持シール材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/28 20060101AFI20171204BHJP
【FI】
   F01N3/28 311N
   F01N3/28 311S
   F01N3/28 311P
【請求項の数】29
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2013-214033(P2013-214033)
(22)【出願日】2013年10月11日
(65)【公開番号】特開2015-75083(P2015-75083A)
(43)【公開日】2015年4月20日
【審査請求日】2016年9月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】特許業務法人 安富国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】斎木 健蔵
【審査官】 今関 雅子
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許第00413998(EP,B1)
【文献】 特開2012−246759(JP,A)
【文献】 特開2002−013415(JP,A)
【文献】 特開昭49−049020(JP,A)
【文献】 特表2002−511124(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排ガス処理体と、
排ガス流入側に位置する第1の端部及び排ガス流出側に位置する第2の端部を有し、前記排ガス処理体を収容する筒状のケーシングと、
前記ケーシングの第1の端部側に配設された筒状部材であり、その径が前記ケーシングの第1の端部から離れるに従って次第に小さくなっている第1のコーン部材と、
前記ケーシングの第2の端部側に配設された筒状部材であり、その径が前記ケーシングの第2の端部から離れるに従って次第に小さくなっている第2のコーン部材と、
第2の排ガス処理体と、
排ガス流入側に位置する第1の端部及び排ガス流出側に位置する第2の端部を有し、前記第2の排ガス処理体を収容する筒状の第2のケーシングと、
前記第2のケーシングの第1の端部側に配設された筒状部材であり、その径が前記第2のケーシングの第1の端部から離れるに従って次第に小さくなっている第3のコーン部材と、前記第2のコーン部材の前記ケーシング側と反対の端部に、かつ、前記第3のコーン部材の前記第2のケーシング側と反対側の端部に配設された、その径が一定の筒状部材である直管部材と、
無機繊維を含むマットからなり、その一部が前記排ガス処理体の周囲及び前記第2の排ガス処理体の周囲に巻きつけられて、前記排ガス処理体及び前記ケーシングの間、並びに、前記第2の排ガス処理体及び前記第2のケーシングの間に配設されている保持シール材とを備えた排ガス浄化装置であって、
前記保持シール材は、
前記第1のコーン部材の内周面の少なくとも一部を覆う第1のコーン断熱部と、
前記排ガス処理体の周囲に巻きつけられた保持部と、
前記第2のコーン部材の内周面の少なくとも一部を覆う第2のコーン断熱部と、
前記直管部材の内周面の少なくとも一部を覆う短冊部と、
前記第3のコーン部材の内周面の少なくとも一部を覆う第3のコーン断熱部と、
前記第2の排ガス処理体の周囲に巻きつけられた第2の保持部とを備えており、
前記第1のコーン断熱部、前記保持部、前記第2のコーン断熱部、前記短冊部、前記第3のコーン断熱部及び前記第2の保持部が連続して繋がっていることを特徴とする排ガス浄化装置。
【請求項2】
前記第1のコーン断熱部の数は1つである請求項1に記載の排ガス浄化装置。
【請求項3】
前記第1のコーン断熱部の形状は、扇形からその扇形と中心点及び中心角が同じで半径の小さい扇形を除いた形状、又は、三日月形である請求項2に記載の排ガス浄化装置。
【請求項4】
前記第1のコーン断熱部の数は2つ以上である請求項1に記載の排ガス浄化装置。
【請求項5】
前記第1のコーン断熱部のそれぞれの形状は、三角形、台形又は扇形である請求項4に記載の排ガス浄化装置。
【請求項6】
前記第1のコーン断熱部により、前記第1のコーン部材の内周面の全部が覆われている請求項1〜5のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
【請求項7】
前記第1のコーン部材の中心軸が、前記ケーシングの中心軸とずれている請求項1〜6のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
【請求項8】
前記保持部と前記第1のコーン断熱部が連続して繋がっている部位には、保持シール材の厚さ方向にスリットが設けられている請求項1〜7のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
【請求項9】
前記保持部の表面が前記ケーシング内の空間に露出している部位には、繊維飛散抑制処理がされている請求項1〜8のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
【請求項10】
前記第1のコーン断熱部の表面及び/又は側面には、繊維飛散抑制処理がされている請求項1〜9のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
【請求項11】
前記第1のコーン部材の内側に、その径が前記第1のコーン部材の径より小さく、前記第1のコーン部材と対称の形状である第1の内コーン部材が設けられており、
前記第1のコーン断熱部は、前記第1のコーン部材及び前記第1の内コーン部材の間に配設されている請求項1〜10のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
【請求項12】
前記第2のコーン断熱部の数は1つである請求項1〜11のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
【請求項13】
前記第2のコーン断熱部の形状は、扇形からその扇形と中心点及び中心角が同じで半径の小さい扇形を除いた形状、又は、三日月形である請求項12に記載の排ガス浄化装置。
【請求項14】
前記第2のコーン断熱部の数は2つ以上である請求項1〜11のいずれかに記載の排ガス浄化装置。
【請求項15】
前記第2のコーン断熱部のそれぞれの形状は、三角形、台形又は扇形である請求項14に記載の排ガス浄化装置。
【請求項16】
無機繊維を含むマットからなり、
長手方向に伸びる長辺と前記長辺にほぼ直角な短辺とを有する平面視略矩形状の保持部と、
前記保持部の前記長辺側の側面の1つである第1の保持部側面と少なくとも一部が連続して繋がっている第1のコーン断熱部と
前記保持部の前記第1の保持部側面と反対側の長辺側の側面である第2の保持部側面と少なくとも一部が連続して繋がっている第2のコーン断熱部と、
前記第2のコーン断熱部の側面のうち前記保持部と繋がっている側面と反対側に位置する側面において連続して繋がっている、平面視略矩形状の短冊部と、
前記短冊部の側面の、前記第2のコーン断熱部と繋がっている側面と反対側の側面と連続して繋がっている第3のコーン断熱部と、
前記第3のコーン断熱部の側面のうち、前記短冊部と繋がっている側面と反対側に位置する側面と連続して繋がっており、長手方向に伸びる長辺と前記長辺にほぼ直角な短辺とを有する平面視略矩形状の第2の保持部と、
を備えた保持シール材であって、
前記保持部及び前記第2の保持部の2つの前記短辺同士が接するように保持シール材を筒状に丸めた際に、
前記第1のコーン断熱部により囲まれた空間として形成されるコーン筒状部の径が前記第1の保持部側面から離れるに従って次第に小さくなり、
前記第2のコーン断熱部により囲まれた空間として形成されるコーン筒状部の径が前記第2の保持部側面から離れるに従って次第に小さくなり、
前記第3のコーン断熱部により囲まれた空間として形成されるコーン筒状部の径が前記第2の保持部の前記長辺側の側面から離れるに従って次第に小さくなることを特徴とする保持シール材。
【請求項17】
前記第1のコーン断熱部の数は1つである請求項16に記載の保持シール材。
【請求項18】
前記第1のコーン断熱部の形状は、扇形からその扇形と中心点及び中心角が同じで半径の小さい扇形を除いた形状、又は、三日月形である請求項17に記載の保持シール材。
【請求項19】
前記第1のコーン断熱部の数は2つ以上である請求項16に記載の保持シール材。
【請求項20】
前記第1のコーン断熱部のそれぞれの形状は、三角形、台形又は扇形である請求項19に記載の保持シール材。
【請求項21】
前記第1のコーン断熱部の形状は、前記保持部の2つの前記短辺同士が接するように保持シール材を筒状に丸めた際に、前記コーン筒状部の中心軸が、前記保持部により囲まれた筒状部の中心軸とずれるようになっている請求項16〜20のいずれかに記載の保持シール材。
【請求項22】
前記保持部と前記第1のコーン断熱部が連続して繋がっている部位には、保持シール材の厚さ方向にスリットが設けられている請求項16〜21のいずれかに記載の保持シール材。
【請求項23】
前記保持部の表面のうち、前記保持部と前記第1のコーン断熱部が連続して繋がっている部位の近傍には、繊維飛散抑制処理がされている請求項16〜22のいずれかに記載の保持シール材。
【請求項24】
前記第1のコーン断熱部の表面及び/又は側面には、繊維飛散抑制処理がされている請求項16〜23のいずれかに記載の保持シール材。
【請求項25】
前記第2のコーン断熱部の数は1つである請求項16〜24のいずれかに記載の保持シール材。
【請求項26】
前記第2のコーン断熱部の形状は、扇形からその扇形と中心点及び中心角が同じで半径の小さい扇形を除いた形状、又は、三日月形である請求項25に記載の保持シール材。
【請求項27】
前記第2のコーン断熱部の数は2つ以上である請求項16〜24のいずれかに記載の保持シール材。
【請求項28】
前記第2のコーン断熱部のそれぞれの形状は、三角形、台形又は扇形である請求項27に記載の保持シール材。
【請求項29】
請求項16〜28のいずれかに記載の保持シール材の製造方法であって、
保持シール材を構成する全ての部位が繋がった状態となるように1枚のシートから保持シール材を打ち抜く工程を行うことを特徴とする、保持シール材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガス浄化装置、保持シール材及び保持シール材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジン等の内燃機関から排出された排ガス中に含まれる有害ガス等の有害物質を浄化するため、内燃機関の排気通路(排ガスが流通する排気管等)には、排ガス浄化装置が設けられている。
排ガス浄化装置は、内燃機関の排気通路にケーシングを設け、ケーシングの中に排ガス処理体を配置した構造となっている。排ガス処理体の一例としては、触媒担体又はディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)が挙げられる。
【0003】
排ガス処理体には無機繊維集合体からなる保持シール材が巻きつけられて、ケーシング内に配設される。この保持シール材は、自動車の走行等により生じる振動や衝撃により、排ガス処理体がその外周を覆うケーシングと接触して破損するのを防止することや、排ガス処理体とケーシングとの間から排気ガスが漏れることを防止すること等を主な目的として配設されている。
【0004】
排ガス処理体に触媒が担持された排ガス浄化装置による有害物質の浄化効率を高めるためには、内燃機関の排気通路及び排ガスの温度を触媒活性化に適した温度(以下、触媒活性化温度ともいう)に維持する必要がある。
【0005】
排ガス処理体に触媒が担持された排ガス浄化装置は、所定の触媒活性化温度に達するまで昇温した状態でないと、充分な触媒作用を奏することができない。
そのため、排ガス浄化装置には、排ガス処理体の温度が低下しないようにする保温性能が求められる。
【0006】
排ガス処理体に巻きつけられる保持シール材には、排ガス処理体を保持する機能の他に、排ガス処理体を保温する作用も期待されている。また、排ガス浄化装置の排ガス流入側に位置するコーン部からの放熱が問題になる場合があり、コーン部を2重管として、2重管内に断熱材を挿入することにより、コーン部からの放熱を抑制する技術が知られている。
【0007】
また、保持シール材による排ガス処理体の保持を、ケーシングの形状に合わせた3次元成形体により行う技術も知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−66331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
排ガス浄化装置の保温のために、排ガス処理体に保持シール材を巻きつけ、さらにコーン部の2重管に断熱材を挿入する方法であると、保持シール材と断熱材が別々の部材であるため、排ガス浄化装置の組み付けの際の工数が多く、作業性が悪い。また、断熱材の位置がずれやすく、断熱材の位置がずれると保持シール材と断熱材の間に隙間が生じて断熱性能が不充分になるという問題があった。
また、3次元成形体を用いる方法であると、3次元形状が嵩張るため保持シール材の製造後の保管時、搬送時に嵩張って、保管、搬送効率が低く、好ましくない。
【0010】
本発明は、排ガス浄化装置における断熱材の位置ずれが生じず、排ガス浄化装置の組み付けの作業性に優れた排ガス浄化装置を提供することを目的とする。
また、本発明は排ガス処理体とコーン部の断熱性能に優れ、排ガス処理体とコーン部の両方を位置ずれを生じることなく覆うことができ、かつ、保管、搬送効率の高い保持シール材を提供すること、及び、上記保持シール材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための、本発明の排ガス浄化装置は、排ガス処理体と、
排ガス流入側に位置する第1の端部及び排ガス流出側に位置する第2の端部を有し、上記排ガス処理体を収容する筒状のケーシングと、
上記ケーシングの第1の端部側に配設された筒状部材であり、その径が上記ケーシングの第1の端部から離れるに従って次第に小さくなっている第1のコーン部材と、
上記ケーシングの第2の端部側に配設された筒状部材であり、その径が上記ケーシングの第2の端部から離れるに従って次第に小さくなっている第2のコーン部材と、
無機繊維を含むマットからなり、その一部が上記排ガス処理体の周囲に巻きつけられて、上記排ガス処理体及び上記ケーシングの間に配設されている保持シール材とを備えた排ガス浄化装置であって、
上記保持シール材は、
上記排ガス処理体の周囲に巻きつけられた保持部と、
上記第1のコーン部材の内周面の少なくとも一部を覆う第1のコーン断熱部とを備えており、
上記保持部と上記第1のコーン断熱部は互いの側面の少なくとも一部が連続して繋がっていることを特徴とする。
【0012】
本発明の排ガス浄化装置では、保持シール材が、保持部及び第1のコーン断熱部を備えており、保持部が排ガス処理体の周囲に巻きつけられて排ガス処理体を保温し、第1のコーン断熱部が第1のコーン部材の内周面を覆って第1のコーン部材を保温する。
第1のコーン部材は排ガス流入側に位置しているため排ガスの温度が高く、保温の必要性が高い部分であるが、本発明の排ガス浄化装置では第1のコーン部材が第1のコーン断熱部で覆われるため、第1のコーン部材からの放熱を抑制することができる。
また、保持部及び第1のコーン断熱部は連続して繋がっているため位置ずれを生じることはなく、保持部と第1のコーン断熱部が1つの部材からなるため排ガス浄化装置の組み付けの作業性に優れる。
【0013】
本発明の排ガス浄化装置では、上記第1のコーン断熱部の数は1つであることが望ましい。
また、上記第1のコーン断熱部の形状は、扇形からその扇形と中心点及び中心角が同じで半径の小さい扇形を除いた形状、又は、三日月形であることが望ましい。
第1のコーン断熱部が上記形状であると、1つのコーン断熱部で、第1のコーン部材の内周面と略同じ形状を形作ることができ、第1のコーン部材の内周面を覆うことができる。
【0014】
本発明の排ガス浄化装置では、上記第1のコーン断熱部の数は2つ以上であることが望ましい。また、上記第1のコーン断熱部のそれぞれの形状は、三角形、台形又は扇形であることが望ましい。
第1のコーン断熱部が上記形状であると、2つ以上のコーン断熱部を組み合わせて、第1のコーン部材の内周面と略同じ形状を形作ることができ、第1のコーン部材の内周面を覆うことができる。
【0015】
本発明の排ガス浄化装置では、上記第1のコーン断熱部により、上記第1のコーン部材の内周面の全部が覆われていることが望ましい。
第1のコーン部材の内周面の全部が覆われていると、断熱性能がさらに優れた排ガス浄化装置とすることができる。
【0016】
本発明の排ガス浄化装置では、上記第1のコーン部材の中心軸が、上記ケーシングの中心軸とずれていることが望ましい。
第1のコーン部材の中心軸がケーシングの中心軸とずれている、偏心コーンを有する排ガス浄化装置とすると、車載時に排ガス浄化装置周囲のスペースを有効に活用でき、デザインの自由度が増すため好ましい。
【0017】
本発明の排ガス浄化装置では、上記保持部と上記第1のコーン断熱部が連続して繋がっている部位には、保持シール材の厚さ方向にスリットが設けられていることが望ましい。
上記スリットが設けられていると、保持部と第1のコーン断熱部が連続して繋がっている部位を容易に折り曲げることができるため、第1のコーン断熱部を第1のコーン部材の内周面に沿って配置させることが容易になる。
【0018】
本発明の排ガス浄化装置では、上記保持部の表面が上記ケーシング内の空間に露出している部位には、繊維飛散抑制処理がされていることが望ましい。
保持部の幅が排ガス処理体の長手方向の長さより大きい場合、保持部の表面の一部がケーシング内の空間に露出する。この部位に、無機バインダの塗布等の繊維飛散抑制処理がされていると排ガス浄化装置の組み付け作業時及び排ガス浄化装置の使用時に繊維飛散が抑制されるため好ましい。
【0019】
本発明の排ガス浄化装置では、上記第1のコーン断熱部の表面及び/又は側面には、繊維飛散抑制処理がされていることが望ましい。
第1のコーン断熱部の上記部位に、無機バインダの塗布等の繊維飛散抑制処理がされていると排ガス浄化装置の組み付け作業時及び排ガス浄化装置の使用時に繊維飛散が抑制されるため好ましい。
【0020】
本発明の排ガス浄化装置では、上記第1のコーン部材の内側に、その径が上記第1のコーン部材の径より小さく、上記第1のコーン部材と対称の形状である第1の内コーン部材が設けられており、
上記第1のコーン断熱部は、上記第1のコーン部材及び上記第1の内コーン部材の間に配設されていることが望ましい。
上記構成であると、第1のコーン断熱部が第1のコーン部材及び第1の内コーン部材の間に挟まれた状態となるので、第1のコーン断熱部の位置が排ガス浄化装置内で安定する。また、第1のコーン断熱部の表面が第1の内コーン部材で覆われるため第1のコーン断熱部からの繊維飛散が抑制される点でも好ましい。
【0021】
本発明の排ガス浄化装置において、上記保持シール材は、
上記第2のコーン部材の内周面の少なくとも一部を覆う第2のコーン断熱部をさらに備えており、
上記保持部と上記第2のコーン断熱部は互いの側面の少なくとも一部が連続して繋がっていることが望ましい。
上記構成であると、排ガス浄化装置の排ガス流出側に位置する第2のコーン部材からの放熱を第2のコーン断熱部により抑制することができる。
また、第2のコーン断熱部も保持部と連続して繋がっているため位置ずれを生じることはなく、保持部、第1のコーン断熱部及び第2のコーン断熱部が1つの部材からなるため排ガス浄化装置の組み付けの作業性に優れる。
【0022】
本発明の排ガス浄化装置では、上記第2のコーン断熱部の数は1つであることが望ましい。
また、上記第2のコーン断熱部の形状は、扇形からその扇形と中心点及び中心角が同じで半径の小さい扇形を除いた形状、又は、三日月形であることが望ましい。
【0023】
本発明の排ガス浄化装置では、上記第2のコーン断熱部の数は2つ以上であることが望ましい。また、上記第2のコーン断熱部のそれぞれの形状は、三角形、台形又は扇形であることが望ましい。
【0024】
本発明の排ガス浄化装置では、上記第2のコーン部材の、上記ケーシング側と反対の端部には、その径が一定の筒状部材である直管部材が配設されており、
上記保持シール材は、
上記直管部材の内周面の少なくとも一部を覆う短冊部をさらに備えており、
上記第2のコーン断熱部と上記短冊部は互いの側面の少なくとも一部が連続して繋がっていることが望ましい。
上記構成であると、第2のコーン部材からさらに排ガス流出側に位置する直管部材からの放熱を短冊部により抑制することができる。
また、短冊部も第2のコーン断熱部と連続して繋がっているため位置ずれを生じることはなく、保持部、第1のコーン断熱部、第2のコーン断熱部及び短冊部が1つの部材からなるため排ガス浄化装置の組み付けの作業性に優れる。
【0025】
本発明の保持シール材は、無機繊維を含むマットからなり、
長手方向に伸びる長辺と上記長辺にほぼ直角な短辺とを有する平面視略矩形状の保持部と、
上記保持部の上記長辺側の側面の1つである第1の保持部側面及び上記第1の保持部側面と反対側の長辺側の側面である第2の保持部側面を有し、上記第1の保持部側面と少なくとも一部が連続して繋がっている第1のコーン断熱部とを備えた保持シール材であって、
上記保持部の2つの上記短辺同士が接するように保持シール材を筒状に丸めた際に、上記第1のコーン断熱部により囲まれた空間として形成されるコーン筒状部の径が上記第1の保持部側面から離れるに従って次第に小さくなることを特徴とする。
【0026】
本発明の保持シール材を用いると、排ガス処理体とコーン部材の両方を位置ずれを生じることなく1枚の保持シール材を用いて覆うことができる。
また、保管時及び搬送時には平面状とすることができるので、保管、搬送効率の高い保持シール材となる。
【0027】
本発明の保持シール材において、上記第1のコーン断熱部の数は1つであることが望ましい。また、上記第1のコーン断熱部の形状は、扇形からその扇形と中心点及び中心角が同じで半径の小さい扇形を除いた形状、又は、三日月形であることが望ましい。
第1のコーン断熱部が上記形状であると、1つのコーン断熱部で、コーン部材の内周面と略同じ形状を形作ることができ、コーン部材の内周面を覆うことができる。
【0028】
本発明の保持シール材において、上記第1のコーン断熱部の数は2つ以上であることが望ましい。また、上記第1のコーン断熱部のそれぞれの形状は、三角形、台形又は扇形であることが望ましい。
第1のコーン断熱部が上記形状であると、2つ以上のコーン断熱部を組み合わせて、コーン部材の内周面と略同じ形状を形作ることができ、コーン部材の内周面を覆うことができる。
また、第1の保持部側面からコーン断熱部の最も遠い位置までの長さが、コーン断熱部の数を1つとした場合と比較して短くなるため、シートから打ち抜いて保持シール材を作成する際の材料歩留まりが向上する。
【0029】
本発明の保持シール材において、上記第1のコーン断熱部の形状は、上記保持部の2つの上記短辺同士が接するように保持シール材を筒状に丸めた際に、上記コーン筒状部の中心軸が、上記保持部により囲まれた筒状部の中心軸とずれるようになっていることが望ましい。
上記構成であると、コーン部材の中心軸がケーシングの中心軸とずれている偏心の排ガス浄化装置に対して好適に使用することができる。
【0030】
本発明の保持シール材において、上記保持部と上記第1のコーン断熱部が連続して繋がっている部位には、保持シール材の厚さ方向にスリットが設けられていることが望ましい。
上記スリットが設けられていると、保持部と第1のコーン断熱部が連続して繋がっている部位を容易に折り曲げることができるため、第1のコーン断熱部をコーン部材の内周面に沿って配置させることが容易になる。
【0031】
本発明の保持シール材において、上記保持部の表面のうち、上記保持部と上記第1のコーン断熱部が連続して繋がっている部位の近傍には、繊維飛散抑制処理がされていることが望ましい。
保持部と第1のコーン断熱部が連続して繋がっている部位の近傍は、ケーシング内の空間に露出することがある。この部位に、無機バインダの塗布等の繊維飛散抑制処理がされていると排ガス浄化装置の組み付け作業時及び排ガス浄化装置の使用時に繊維飛散が抑制されるため好ましい。
【0032】
本発明の保持シール材において、上記第1のコーン断熱部の表面及び/又は側面には、繊維飛散抑制処理がされていることが望ましい。
第1のコーン断熱部の上記部位に、無機バインダの塗布等の繊維飛散抑制処理がされていると排ガス浄化装置の組み付け作業時及び排ガス浄化装置の使用時に繊維飛散が抑制されるため好ましい。
【0033】
本発明の保持シール材は、上記第2の保持部側面と少なくとも一部が連続して繋がっている第2のコーン断熱部をさらに備えていることが望ましい。
上記構成であると、排ガス流入側に位置する第1のコーン部材及び排ガス流出側に位置する第2のコーン部材の両方を、位置ずれを生じることなくコーン断熱部により覆うことができる。
また、保持部、第1のコーン断熱部及び第2のコーン断熱部が1つの部材からなるため排ガス浄化装置の組み付けの作業性に優れる。
【0034】
本発明の保持シール材において、上記第2のコーン断熱部の数は1つであることが望ましい。
また、上記第2のコーン断熱部の形状は、扇形からその扇形と中心点及び中心角が同じで半径の小さい扇形を除いた形状、又は、三日月形であることが望ましい。
【0035】
本発明の保持シール材において、上記第2のコーン断熱部の数は2つ以上であることが望ましい。
また、上記第2のコーン断熱部のそれぞれの形状は、三角形、台形又は扇形であることが望ましい。
【0036】
本発明の保持シール材は、上記第2のコーン断熱部の側面のうち上記保持部と繋がっている側面と反対側に位置する側面において連続して繋がっている、平面視略矩形状の短冊部をさらに備えていることが望ましい。
上記構成であると、第2のコーン部材からさらに排ガス流出側に位置する直管部材の内周面も、位置ずれを生じることなく短冊部により覆うことができる。
また、保持部、第1のコーン断熱部、第2のコーン断熱部及び短冊部が1つの部材からなるため排ガス浄化装置の組み付けの作業性に優れる。
【0037】
本発明の保持シール材の製造方法は、本発明の保持シール材の製造方法であって、
保持シール材を構成する全ての部位が繋がった状態となるように1枚のシートから保持シール材を打ち抜く工程を行うことを特徴とする。
上記方法であると、排ガス処理体及びコーン部材の両方を覆うことのできる保持シール材を簡便な方法によって製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1図1は、本発明の保持シール材の一例を模式的に示す斜視図である。
図2図2は、図1に示す保持シール材の保持部の2つの短辺同士が接するように保持シール材を筒状に丸めた際の様子の一例を模式的に示す斜視図である。
図3図3は、本発明の排ガス浄化装置の一例を模式的に示す断面図である。
図4図4(a)は、図3に示す排ガス浄化装置の組み付けの様子を模式的に示す斜視図であり、図4(b)は組み付けられた排ガス浄化装置を模式的に示す斜視図である。
図5図5は、本発明の保持シール材の他の一例を模式的に示す上面図である。
図6図6は、本発明の保持シール材の他の一例を模式的に示す上面図である。
図7図7(a)及び図7(b)は、本発明の保持シール材の他の一例を模式的に示す上面図である。
図8図8は、偏心コーンを有する排ガス浄化装置の例を模式的に示す断面図である。
図9図9は、本発明の保持シール材の他の一例を模式的に示す上面図である。
図10図10(a)及び図10(b)は、本発明の保持シール材の他の一例を模式的に示す上面図である。
図11図11は、第1の内コーン部材を有する排ガス浄化装置の例を模式的に示す断面図である。
図12図12は、第2のコーン断熱部を備える本発明の保持シール材の一例を模式的に示す上面図である。
図13図13(a)は、第2のコーン部材の内周面が第2のコーン断熱部で覆われている本発明の排ガス浄化装置の一例を模式的に示す断面図であり、図13(b)は、第1の内コーン部材及び第2の内コーン部材が設けられた排ガス浄化装置の一例を模式的に示す断面図である。
図14図14は、短冊部を備える本発明の保持シール材の一例を模式的に示す上面図である。
図15図15は、直管部材の内周面が短冊部で覆われている本発明の排ガス浄化装置の一例を模式的に示す断面図である。
図16図16は、第2の内コーン部材及び内直管部材を有する本発明の排ガス浄化装置の一例を模式的に示す断面図である。
図17図17は、短冊部にさらに別のコーン断熱部及び別の保持部が繋がった本発明の保持シール材の一例を模式的に示す上面図である。
図18図18は、排ガス処理体を2つ備える本発明の排ガス浄化装置の一例を模式的に示す断面図である。
【0039】
(発明の詳細な説明)
以下、本発明の排ガス浄化装置及び本発明の保持シール材について具体的に説明する。しかしながら、本発明は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下において記載する本発明の個々の望ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
【0040】
本発明の排ガス浄化装置は、排ガス処理体と、
排ガス流入側に位置する第1の端部及び排ガス流出側に位置する第2の端部を有し、上記排ガス処理体を収容する筒状のケーシングと、
上記ケーシングの第1の端部側に配設された筒状部材であり、その径が上記ケーシングの第1の端部から離れるに従って次第に小さくなっている第1のコーン部材と、
上記ケーシングの第2の端部側に配設された筒状部材であり、その径が上記ケーシングの第2の端部から離れるに従って次第に小さくなっている第2のコーン部材と、
無機繊維を含むマットからなり、その一部が上記排ガス処理体の周囲に巻きつけられて、上記排ガス処理体及び上記ケーシングの間に配設されている保持シール材とを備えた排ガス浄化装置であって、
上記保持シール材は、
上記排ガス処理体の周囲に巻きつけられた保持部と、
上記第1のコーン部材の内周面の少なくとも一部を覆う第1のコーン断熱部とを備えており、
上記保持部と上記第1のコーン断熱部は互いの側面の少なくとも一部が連続して繋がっていることを特徴とする。
【0041】
図1は、本発明の保持シール材の一例を模式的に示す斜視図である。
後述するように、図1に示す保持シール材は本発明の排ガス浄化装置に用いることのできる保持シール材である。
図1に示す保持シール材10は、長手方向(図1中、両矢印aで示す方向)に伸びる長辺21及び長辺21にほぼ直角な短辺22を有する平面視略矩形状の保持部20を有する。
一方の短辺22には凸部23及び凹部24が形成されている。凸部23及び凹部24は、後述する排ガス浄化装置を組み付けるために排ガス処理体に保持部を巻き付けた際に、ちょうど互いに嵌合するような形状となっている。
保持部20の形状としての平面視略矩形状とは、凸部及び凹部の形状を考慮せず、保持部全体の形状を見たときに矩形状になっているという意味である。
短辺22には凸部23及び凹部24が形成されているため、短辺22は一本の直線からなる辺ではないが、保持シール材を平面視した際に短辺22は長辺21にほぼ直角な辺となっているといえる。
本明細書において、保持シール材の長さは長辺の長さとして定める。長辺の長さは、凸部及び凹部の形状を無視して定める長さであり、図1中に両矢印Lで定める長さである。
【0042】
保持部20の長辺21側の2つの側面は第1の保持部側面25及び第2の保持部側面26である。
これらのうち、第1の保持部側面25には、第1のコーン断熱部30が連続して繋がっている。
本発明の保持シール材では第1のコーン断熱部の数は1つでも2つ以上であってもよい。
保持シール材10では第1のコーン断熱部30は複数(6つ)設けられており、第1のコーン断熱部30のそれぞれの形状は台形である。台形の形状は、第1の保持部側面25と繋がる辺を長さの長い底辺31とし、第1の保持部側面25から離れた辺を長さの短い底辺32とし、台形の一方の脚にあたる辺33と他方の脚にあたる辺34とを有する形状である。
なお、本明細書において、「コーン断熱部の形状」とは、コーン断熱部を平面視した場合の形状を意味する。
本発明の保持シール材では、第1のコーン断熱部と保持部とは連続して繋がっていることから、通常は同じ材料であり、同じ厚さを有するマット状の部材である。
【0043】
また、保持シール材10の保持部20と第1のコーン断熱部30が連続して繋がっている部位には、保持シール材10の厚さ方向にスリット35が設けられていることが望ましい。
スリット35は保持シール材を筒状に丸めてコーン断熱部を折り曲げる際に、コーン断熱部の折り曲げを容易にするために設けられる切込みである。スリットの深さは保持シール材の厚さの20〜80%であることが望ましい。
【0044】
また、保持部の表面のうち、保持部と第1のコーン断熱部が連続して繋がっている部位の近傍には、繊維飛散抑制処理がされていることが望ましい。図1には繊維飛散抑制処理がされている繊維飛散抑制処理部27をハッチングを付して示している。
繊維飛散抑制処理部27は、保持部20を排ガス処理体に巻きつけて排ガス浄化装置に配置した際に、保持部20の表面がケーシング内の空間に露出する部位に設けられることが望ましい。
また、第1のコーン断熱部の表面及び/又は側面には繊維飛散抑制処理がされていることが望ましい。図1には、第1のコーン断熱部30の表面で繊維飛散抑制処理がされている繊維飛散抑制処理部37及び第1のコーン断熱部30の側面で繊維飛散抑制処理がされている繊維飛散抑制処理部38をハッチングを付して示している。
繊維飛散抑制処理としては、保持シール材への無機バインダ(アルミナゾル、シリカゾル)のコーティング等の処理が挙げられ、繊維飛散抑制処理を施すことによって、無機繊維の風蝕が防止される。
【0045】
本発明の保持シール材は、無機繊維を含むマットからなる。マットを構成する無機繊維としては、特に限定されず、アルミナ−シリカ繊維であってもよく、アルミナ繊維、シリカ繊維等であってもよい。また、ガラス繊維や生体溶解性繊維であってもよい。耐熱性や耐風蝕性等、マットに要求される特性等に応じて変更すればよく、各国の環境規制に適合できるような太径繊維や繊維長のものを使用するのが好ましい。
【0046】
この中でも、低結晶性アルミナ質の無機繊維が望ましく、ムライト組成の低結晶性アルミナ質の無機繊維がより望ましい。加えて、スピネル型化合物を含む無機繊維がさらに好ましい。高結晶性アルミナ質であると、硬く脆いため、クッション材として用いられるマットには不向きである。
【0047】
さらに低結晶性アルミナ質かつスピネル型化合物を含む無機繊維の場合、結晶化比率は0.1〜30%の範囲が好ましく、さらには結晶化率0.4〜20%の範囲がさらに好ましい。この範囲の無機繊維で製作されたマットの反発力および耐久試験後の復元面圧は高く、性能が良い。しかし、結晶化比率が0.1%未満または30%を超えると、急激に反発力や復元面圧は急激に低下してしまう。結晶化率の測定方法は、ムライト回析線(2θ=26.4°)とγアルミナ回析線(2θ=45.4°)の積分強度比より算出することができる。
【0048】
保持シール材を構成するマットは、種々の方法により得ることができるが、例えば、ニードリング法又は抄造法により製造することができる。
特に、無機繊維からなる素地マットに対してニードルパンチング処理を施して得られるニードルマットであることが望ましい。ニードルパンチング処理とは、ニードル等の繊維交絡手段を素地マットに対して抜き差しすることをいう。
【0049】
交絡構造を呈するために、ニードリング法により得られるマットを構成する無機繊維はある程度の平均繊維長を有しており、例えば、無機繊維の平均繊維長は、1〜150mmであることが好ましく、10〜80mmであることがより好ましい。
無機繊維の平均繊維長が1mm未満であると、無機繊維の繊維長が短すぎるため、無機繊維同士の交絡が不充分となり、排ガス処理体への巻き付け性が低下し、保持シール材が割れやすくなる。また、無機繊維の平均繊維長が150mmを超えると、無機繊維の繊維長が長すぎるため、保持シール材を構成する繊維本数が減少するため、マットの緻密性が低下する。その結果、保持シール材のせん断強度が低くなる。
【0050】
抄造法により得られるマットを構成する無機繊維の平均繊維長は、0.1〜20mmであることが好ましい。
無機繊維の平均繊維長が0.1mm未満であると、無機繊維の繊維長が短すぎるため、もはや繊維としての特徴を実質上示さなくなり、マット状繊維集合体にしたときに繊維同士に好適な絡み合いが起こらず、十分な面圧を得ることが困難になる。また、無機繊維の平均繊維長が20mmを超えると、無機繊維の繊維長が長すぎるため、抄造工程で水に繊維を分散したスラリー溶液中の繊維同士の絡み合いが強くなりすぎるため、マット状繊維集合体としたときに繊維が不均一に集積しやすくなる。
【0051】
また、保持シール材の目付量(単位面積当たりの重量)は、特に限定されないが、200〜4000g/mであることが望ましく、1000〜3000g/mであることがより望ましい。保持シール材の目付量が200g/m未満であると、保持力が充分ではなく、保持シール材の目付量が4000g/mを超えると、保持シール材の嵩が低くなりにくい。そのため、このような保持シール材を用いて排ガス浄化装置を製造する場合、排ガス処理体が脱落しやすくなる。
また、保持シール材の厚みは5〜15mmであることが望ましい。
【0052】
図2は、図1に示す保持シール材の保持部の2つの短辺同士が接するように保持シール材を筒状に丸めた際の様子の一例を模式的に示す斜視図である。
後述するように、本発明の保持シール材は保持部を排ガス処理体に巻きつけて使用される。
図2に示す形状は、保持部20を排ガス処理体に巻きつけて排ガス浄化装置内に配置した場合の、排ガス浄化装置内での保持シール材10の形状に相当する。
保持シール材10の保持部20の2つの短辺22には、凸部23と凹部24が設けられているため、短辺22同士が接するように保持シール材を筒状に丸めると、凸部23と凹部24が互いに嵌合した筒状となる。
第1のコーン断熱部30は、各第1のコーン断熱部30の形状である台形の一方の脚にあたる辺33と他方の脚にあたる辺34が、隣り合う台形間で接するように丸められて、その結果、第1のコーン断熱部30で囲まれた空間であるコーン筒状部36が形成される。コーン筒状部36の径は第1の保持部側面25において最大であり、保持部20が形成する筒の内径と同じであるが、第1の保持部側面25から離れるに従って次第に小さくなる。
【0053】
以下、図1及び図2に示す本発明の保持シール材を備えた排ガス浄化装置について説明する。
図3は、本発明の排ガス浄化装置の一例を模式的に示す断面図である。
図3に示す排ガス浄化装置100では、排ガス処理体120が筒状のケーシング130に収容されている。図3では排ガスの流れる向きを矢印Gで示しており、ケーシング130は排ガス流入側に位置する第1の端部131及び排ガス流出側に位置する第2の端部132を有している。
ケーシング130の第1の端部131には第1のコーン部材140が溶接等の接合手段により配設されている。第1のコーン部材140は、その径がケーシング130の第1の端部131から離れるにしたがって次第に小さくなる形状の筒状部材である。
また、ケーシング130の第2の端部132には第2のコーン部材150が溶接等の接合手段により配設されており、第2のコーン部材150は、その径がケーシング130の第2の端部132から離れるにしたがって次第に小さくなる形状の筒状部材である。
【0054】
図3に示す排ガス処理体120は、多孔質セラミック等のセラミック質のハニカム構造体であり、触媒担体として使用される。触媒担体においては、排ガス流入側端面120a及び排ガス流出側端面120bがともに開口した貫通孔125に排ガスが流入し、貫通孔125を隔てる隔壁126に担持させた触媒の作用により排ガスが浄化される。
また、排ガス処理体は貫通孔のいずれかの端部が交互に封止されてなるDPF(ディーゼルパティキュレートフィルター)であってもよい。
排ガス処理体を構成する素材は特に限定されないが、炭化ケイ素質及び窒化ケイ素質等の非酸化物、並びに、コージェライト及びチタン酸アルミニウム等の酸化物を用いることができる。
これら多孔質焼成体は、脆性材料であるので、機械的な衝撃等により破壊されやすい。しかし、本発明の排ガス浄化装置では、排ガス処理体120の側面の周囲には保持部20が介在し、衝撃を吸収するので、機械的な衝撃や熱衝撃により排ガス処理体120にクラック等が発生するのを防止することができる。
【0055】
排ガス浄化装置100の内部においては、排ガス処理体120の周囲には保持シール材10の一部である保持部20が巻きつけられており、保持シール材10の保持部20が排ガス処理体120とケーシング130の間に配設されている。
保持部20と連続して繋がっている第1のコーン断熱部30は、第1のコーン部材140の内周面141の少なくとも一部を覆っている。なお、第1のコーン断熱部30は、第1のコーン部材140の内周面141の全部を覆っていることが望ましく、図3に示す排ガス浄化装置100では、保持シール材10が図2に示す形状に丸められて排ガス浄化装置内に配置されているため、第1のコーン断熱部30により第1のコーン部材140の内周面141の全部が覆われる。
【0056】
排ガス浄化装置100において、保持シール材10のスリット35はケーシング130の第1の端部131の近傍に位置し、第1のコーン断熱部30が第1のコーン部材140の形状に沿って折り曲げられている。
また、保持部20の表面がケーシング内の空間に露出している部位には、繊維飛散抑制処理部27が設けられており、第1のコーン断熱部30の表面が第1のコーン部材内の空間に露出している部位にも繊維飛散抑制処理部37が設けられている。また、排ガス浄化装置100の入口で露出している部位である第1のコーン断熱部30の側面にも繊維飛散抑制処理部38が設けられている。
【0057】
図3に示す排ガス浄化装置100の組み付けは、例えば以下のように行うことができる。
図4(a)は、図3に示す排ガス浄化装置の組み付けの様子を模式的に示す斜視図であり、図4(b)は組み付けられた排ガス浄化装置を模式的に示す斜視図である。
図4(a)には、円筒形状のケーシング130の第1の端部に第1のコーン部材140を溶接等により接合させた部材を準備し、排ガス処理体120の周囲に保持シール材10の保持部20を巻きつけた巻付体155を準備した様子を示している。
排ガス浄化装置の組み付け時には、巻付体155を、第1のコーン断熱部30により囲まれたコーン筒状部36を先頭にして、ケーシングの第2の端部132側からケーシングに圧入することにより、排ガス処理体120をケーシング130内に収容させるとともに、第1のコーン断熱部30で第1のコーン部材141の内周面を覆うことができる。
圧入の後に、第2のコーン部材150をケーシングの第2の端部132と溶接等により接合して排ガス浄化装置100を組み付けることができる(図4(b)参照)。
なお、第2のコーン部材の形成は、円筒形状のケーシングとして、第2のコーン部材となる部分も含んだ長い円筒を準備しておき、巻付体の圧入を行った後にケーシングの第2の端部側をスピニング加工(絞り加工)によりコーン形状に加工することによって行ってもよい。
【0058】
図3に示すような排ガス浄化装置に用いることのできる本発明の保持シール材の他の例について、以下に説明する。
図5図6図7(a)及び図7(b)は、本発明の保持シール材の他の一例を模式的に示す上面図である。
図5に示す保持シール材11は、第1のコーン断熱部40のそれぞれの形状が三角形である他は、図1に示す保持シール材10と同様の形状である。
また、図6に示す保持シール材12は、第1のコーン断熱部41のそれぞれの形状が扇形である他は、図1に示す保持シール材10と同様の形状である。
第1のコーン断熱部の形状を三角形又は扇形にした場合には、保持シール材を筒状に丸めた際に、隣り合う第1のコーン断熱部の辺が互いに接しないように三角形又は扇形の形状を定めることが望ましい。隣り合う第1のコーン断熱部の辺が接するように三角形又は扇形の形状を定めると、コーン筒状部の先端が尖った形状となり、排ガス浄化装置に保持シール材を配置した際に排ガスの流入経路がコーン断熱部により塞がれてしまうためである。
保持シール材11及び保持シール材12において、保持シール材を筒状に丸めた際に、隣り合う第1のコーン断熱部の辺が互いに接しないようにすると、第1のコーン断熱部の間に隙間が生じる。そのため、これらの保持シール材を用いた排ガス浄化装置とした場合には、第1のコーン部材の内周面の全部ではなく内周面の一部が第1のコーン断熱部で覆われることになる。
【0059】
図7(a)に示す保持シール材13は、第1のコーン断熱部の数が1つである保持シール材の例である。その他は図1に示す保持シール材10と同様の形状である。
保持シール材13の第1のコーン断熱部42は、扇形からその扇形と中心点及び中心角が同じで半径の小さい扇形を除いた形状である。第1のコーン断熱部42は保持部20の第1の保持部側面25と一部でのみ繋がっている。
このような保持シール材13を筒状に丸めた際にも、第1のコーン断熱部42により囲まれた空間として形成されるコーン筒状部の径が第1の保持部側面25から離れるに従って次第に小さくなる形状となる。
【0060】
図7(b)には、図7(a)に示す保持シール材の変形例を示す。
図7(b)に示す保持シール材13´は、図7(a)に示す保持シール材13の第1のコーン断熱部42を、第1のコーン断熱部42が保持部20の第1の保持部側面25と繋がっている点で2つに分割し、分割した第1のコーン断熱部42a、42bを第1の保持部側面25の両端に配置した形状である。
このように、コーン断熱部の形状が、全体として扇形からその扇形と中心点及び中心角が同じで半径の小さい扇形を除いた形状となるようになっているものも、コーン断熱部の形状が「扇形からその扇形と中心点及び中心角が同じで半径の小さい扇形を除いた形状」になっているものに含まれる。また、この場合のコーン断熱部の数は1つと数える。
【0061】
本発明の排ガス浄化装置は、第1のコーン部材の中心軸が、ケーシングの中心軸とずれている、いわゆる偏心コーンを有する排ガス浄化装置であってもよい。偏心コーンを有する排ガス浄化装置及びそのような排ガス浄化装置に適した保持シール材について以下に説明する。
【0062】
図8は、偏心コーンを有する排ガス浄化装置の例を模式的に示す断面図である。
ケーシングの中心軸は、ケーシングの第1の端部及び第2の端部において、ケーシングの長手方向(図8中、両矢印bで示す方向であり、排ガスの流路方向と平行な方向)に垂直な断面でそれぞれ切断したケーシングの断面の形状の重心を繋いでなる軸である。
図8に示す排ガス浄化装置200では、ケーシング130の中心軸を一点鎖線133で示している。
【0063】
第1のコーン部材の中心軸は、第1のコーン部材の両端、すなわちケーシングの第1の端部側の端部及びケーシングの第1の端部から最も遠い側の端部において、上記ケーシングの長手方向に垂直な断面でそれぞれ切断した第1のコーン部材の断面の形状の重心を繋いでなる軸である。図8では、偏心コーンである第1のコーン部材240の中心軸を一点鎖線242で示している。
【0064】
ケーシングの中心軸である一点鎖線133の向きと、第1のコーン部材の中心軸である一点鎖線242の向きがずれているため、図8に示す排ガス浄化装置200は、偏心コーンを有する排ガス浄化装置である。
【0065】
図8に示す排ガス浄化装置200では、第2のコーン部材250も偏心コーンであり、その中心軸252はケーシングの中心軸である一点鎖線133の向きとずれている。
第2のコーン部材の中心軸は、第2のコーン部材の両端、すなわちケーシングの第2の端部側の端部及びケーシングの第2の端部から最も遠い側の端部において、上記ケーシングの長手方向に垂直な断面でそれぞれ切断した第2のコーン部材の断面の形状の重心を繋いでなる軸である。
排ガス浄化装置200のその他の構成は、図3に示す排ガス浄化装置100と同様である。
【0066】
偏心コーンを有する本発明の排ガス浄化装置に適した、本発明の保持シール材について以下に説明する。
図9図10(a)及び図10(b)は、本発明の保持シール材の他の一例を模式的に示す上面図である。
図9に示す保持シール材14は、偏心コーンを有する本発明の排ガス浄化装置に用いることのできる保持シール材である。保持シール材14では台形状の第1のコーン断熱部が計6つ設けられており、その内訳は、その台形の高さが高い第1のコーン断熱部43が2つ、台形の高さが中くらいの第1のコーン断熱部44が2つ、台形の高さが低い第1のコーン断熱部45が2つである。
このような保持シール材14を筒状に丸めると、第1のコーン断熱部43では第1の保持部側面25からの高さLが長く第1のコーン断熱部45では第1の保持部側面25からの高さLが短い、コーン筒状部が形成される。
そのため、図8に示す排ガス浄化装置200の断面図のように、第1のコーン断熱部43を第1のコーン部材240の上側(第1のコーン部材のケーシングの端面からの距離が長い側)に配置し、第1のコーン断熱部45を第1のコーン部材240の下側(第1のコーン部材のケーシングの端面からの距離が短い側)に配置することで、偏心コーンである第1のコーン部材240の内周面を第1のコーン断熱部で覆うことができる。
【0067】
図10(a)に示す保持シール材15は、第1のコーン断熱部の数が1つであり、偏心コーンを有する本発明の排ガス浄化装置に用いることのできる保持シール材の例である。
保持シール材15の第1のコーン断熱部46は、三日月型である。第1のコーン断熱部46は保持部20の第1の保持部側面25と一部でのみ繋がっている。
このような保持シール材15を筒状に丸めた際にも、第1のコーン断熱部46には第1の保持部側面25からの距離が長い部分と短い部分が生じるので、第1のコーン部材の形状に合わせて第1のコーン断熱部の上記距離が長い部分と短い部分を配置することで、偏心コーンである第1のコーン部材の内周面を第1のコーン断熱部で覆うことができる。
【0068】
図10(b)には、図10(a)に示す保持シール材の変形例を示す。
図10(b)に示す保持シール材15´は、図10(a)に示す保持シール材15の第1のコーン断熱部46を、第1のコーン断熱部46が保持部20の第1の保持部側面25と繋がっている点で2つに分割し、分割したコーン断熱部46a、46bを第1の保持部側面25の両端に配置した形状である。
このように、コーン断熱部の形状が、全体として三日月形となるようになっているものも、コーン断熱部の形状が三日月形になっているものに含まれる。また、この場合のコーン断熱部の数は1つと数える。
【0069】
本発明の排ガス浄化装置においては、第1のコーン部材の内側に、その径が第1のコーン部材の径より小さく、第1のコーン部材と対称の形状である第1の内コーン部材が設けられていてもよい。第1の内コーン部材を有する排ガス浄化装置について以下に説明する。
図11は、第1の内コーン部材を有する排ガス浄化装置の例を模式的に示す断面図である。
図11に示す排ガス浄化装置300には、第1の内コーン部材310が設けられている。第1の内コーン部材310は溶接部311によって第1のコーン部材140と溶接されて固定されている。
そして、第1の内コーン部材310と第1のコーン部材140の間に、第1のコーン断熱部30が配設されている。第1のコーン断熱部30がこのように配設されていると、第1のコーン断熱部30の位置が安定する。また、第1のコーン断熱部30の表面が第1の内コーン部材310で覆われて、排ガス浄化装置内で露出しないため、第1のコーン断熱部30からの繊維飛散が抑制される。そのため、図11に示す排ガス浄化装置300では第1のコーン断熱部30に繊維飛散抑制処理部(図3における繊維飛散抑制処理部37及び繊維飛散抑制処理部38)を設けていない。
排ガス浄化装置300のその他の構成は、図3に示す排ガス浄化装置100と同様である。
【0070】
第1の内コーン部材を有する排ガス浄化装置の組み付けは、第1の内コーン部材と第1のコーン部材の間に第1のコーン断熱部を挿入することによって行うことができる。
排ガス浄化装置の組み付けは、図4(a)に示すような圧入工程により行ってもよいが、第1のコーン断熱部を第1の内コーン部材と第1のコーン部材の間に挿入することが難しい。そのため、円筒形状のケーシングのみに巻付体を圧入し、ケーシングから第1のコーン断熱部が飛び出た状態にしておき、第1の内コーン部材と第1のコーン部材が溶接された部材を別途準備して、第1の内コーン部材と第1のコーン部材の間に第1のコーン断熱部を挿入しつつ、第1のコーン部材とケーシングの第1の端部を溶接等により接合する方法を用いることが望ましい。
第2のコーン部材の形成は、第2のコーン部材の形状に加工した部材の溶接により行ってもよく、巻付体の圧入の後にケーシングの第2の端部側をスピニング加工(絞り加工)によりコーン形状に加工することによって行ってもよい。
【0071】
本発明の排ガス浄化装置に用いることのできる本発明の保持シール材は、第2のコーン部材の内周面の少なくとも一部を覆う第2のコーン断熱部をさらに備えており、保持部と第2のコーン断熱部は互いの側面の少なくとも一部が連続して繋がっていることが望ましい。
このような保持シール材及び保持シール材を備える排ガス浄化装置について以下に説明する。
【0072】
図12は、第2のコーン断熱部を備える本発明の保持シール材の一例を模式的に示す上面図である。
図12に示す保持シール材16では、第2の保持部側面26には、第2のコーン断熱部50が連続して繋がっている。保持シール材16では第2のコーン断熱部50は複数(6つ)設けられており、第2のコーン断熱部のそれぞれの形状は台形である。
第2のコーン断熱部50の形態は、その位置が異なる他は、図1に示す第1のコーン断熱部30と同様にすることができる。
本発明の保持シール材では、第2のコーン断熱部と保持部とは連続して繋がっていることから、通常は同じ材料であり、同じ厚さを有するマット状の部材である。
スリット及び繊維飛散抑制処理については、図12では図示を省略しているが、図1に示す第1のコーン断熱部30において設けた位置と同様の位置に設けることができる。
【0073】
保持シール材16を筒状に丸めると、図2に示す形状と同様に、第2のコーン断熱部50で囲まれた空間であるコーン筒状部が形成される。第2のコーン断熱部50で囲まれたコーン筒状部の径は第2の保持部側面26において最大であり、保持部20が形成する筒の内径と同じであるが、第2の保持部側面26から離れるに従って次第に小さくなる。
なお、第2のコーン断熱部を備える本発明の保持シール材において、第2のコーン断熱部の数は1つでも2つ以上であってもよく、その形状も台形に限定されるものではなく、第1のコーン断熱部の形状と同様に、三角形、扇形、扇形からその扇形と中心点及び中心角が同じで半径の小さい扇形を除いた形状、又は、三日月形等とすることができる。
また、偏心コーンに対応した形状の第2のコーン断熱部としてもよい。
【0074】
図13(a)は、第2のコーン部材の内周面が第2のコーン断熱部で覆われている本発明の排ガス浄化装置の一例を模式的に示す断面図である。
図13(a)に示す排ガス浄化装置400では、図12に示す保持シール材16が用いられており、保持部20と連続して繋がっている第2のコーン断熱部50は、第2のコーン部材150の内周面151の少なくとも一部を覆っている。
第2のコーン断熱部50におけるスリット及び繊維飛散抑制処理については、図3に示す第1のコーン断熱部30において設けた位置と同様の位置に設けることができる。
【0075】
図13(a)に示す排ガス浄化装置400の組み付けは、図4(a)に示す排ガス浄化装置の組み付けと同様に行うことができる。
また、円筒形状のケーシング130の第2の端部に第2のコーン部材150を溶接等により接合させた部材を準備しておき、巻付体を、第2のコーン断熱部により囲まれたコーン筒状部を先頭にして、ケーシングの第1の端部131側から圧入するようにしてもよい。圧入の後に第1のコーン部材140をケーシングの第1の端部131と溶接等により接合して排ガス浄化装置400とすることができる。
【0076】
また、第2のコーン部材の内側に、その径が第2のコーン部材の径より小さく、第2のコーン部材と対称の形状である第2の内コーン部材が設けられていてもよい。
図13(b)は、第1の内コーン部材及び第2の内コーン部材が設けられた排ガス浄化装置の一例を模式的に示す断面図である。
図13(b)に示す排ガス浄化装置500には、第2の内コーン部材510が設けられている。第2の内コーン部材510は溶接部511によって第2のコーン部材150と溶接されて固定されている。
そして、第2の内コーン部材510と第2のコーン部材150の間に、第2のコーン断熱部50が配設されている。第2のコーン断熱部50がこのように配設されていると、第2のコーン断熱部50の位置が安定する。また、第2のコーン断熱部50の表面が第2の内コーン部材510で覆われて、排ガス浄化装置内で露出しないため、第2のコーン断熱部50からの繊維飛散が抑制される。そのため、図13(b)に示す排ガス浄化装置500では第2のコーン断熱部50に繊維飛散抑制処理部を設けていない。
排ガス浄化装置500のその他の構成は、図13(a)に示す排ガス浄化装置400と同様である。
【0077】
第1の内コーン部材及び第2の内コーン部材を有する排ガス浄化装置の場合、第1の内コーン部材を有する排ガス浄化装置の組み付けと同様に、円筒形状のケーシングのみに巻付体を圧入し、ケーシングから第1のコーン断熱部及び第2のコーン断熱部が飛び出た状態にしておき、第1の内コーン部材と第1のコーン部材が溶接された部材及び第2の内コーン部材と第2のコーン部材が溶接された部材を別途準備して、第1のコーン断熱部の挿入及び第1のコーン部材とケーシングの第1の端部の溶接、並びに、第2のコーン断熱部の挿入及び第2のコーン部材とケーシングの第2の端部の溶接をそれぞれ順次行う方法を用いることができる。
【0078】
本発明の排ガス浄化装置に用いることのできる本発明の保持シール材は、第2のコーン断熱部の側面と連続して繋がっている短冊部をさらに備えていることが望ましい。
このような保持シール材及び保持シール材を備える排ガス浄化装置について以下に説明する。
【0079】
図14は、短冊部を備える本発明の保持シール材の一例を模式的に示す上面図である。
図14に示す保持シール材17では、第2のコーン断熱部50の側面のうち、保持部20と繋がっている側面と反対側に位置する側面51において、平面視略矩形状の短冊部60が設けられている。短冊部60は、第2のコーン断熱部50の側面の一部と繋がっている。
本発明の保持シール材では、短冊部、第2のコーン断熱部と保持部とが連続して繋がっていることから、通常はこれらが同じ材料であり、同じ厚さを有するマット状の部材である。
スリットについては、図14では図示を省略しているが、第2のコーン断熱部と短冊部が繋がる部位を折り曲げた際に外側(伸ばされる側)に設けておくことが望ましい。
また、繊維飛散抑制処理は、短冊部が排ガス浄化装置内で露出する部位に設けておくことが望ましく、短冊部を筒状に丸めた際に内側になる表面に設けておくことが望ましい。
【0080】
保持シール材17を筒状に丸めると、短冊部60は円筒状に丸められる。
円筒状に丸められた短冊部60は、後述する排ガス浄化装置において、第2のコーン部材の端部に配設される直管部材の内周面を覆うことができる。
図15は、直管部材の内周面が短冊部で覆われている本発明の排ガス浄化装置の一例を模式的に示す断面図である。
図15に示す排ガス浄化装置600では、第2のコーン部材150の、ケーシング130側とは反対の端部152には、その径が一定の筒状部材である直管部材160が配設されている。
排ガス浄化装置600では、図14に示す保持シール材17が用いられており、第2のコーン断熱部50と連続して繋がっている短冊部60は、直管部材160の内周面161の少なくとも一部を覆っている。
第2のコーン断熱部50と短冊部60が繋がる部位におけるスリット65は排ガス浄化装置の内側に設けられている。短冊部60の表面で、排ガス浄化装置内に露出する部位には繊維飛散抑制処理が設けられることが望ましい。
【0081】
図15に示す排ガス浄化装置600の組み付けは、図13(a)に示す排ガス浄化装置400の組み付けの方法により、第2のコーン部材から短冊部が飛び出た状態にしておき、直管部材を第2のコーン部材に溶接する方法等により行うことができる。直管部材と第2のコーン部材を予め溶接等により接合した部材を使用してもよい。
【0082】
図16は、第2の内コーン部材及び内直管部材を有する本発明の排ガス浄化装置の一例を模式的に示す断面図である。
排ガス浄化装置700には、第2の内コーン部材510が設けられている。また、直管部材160の径よりも小さく、直管部材160と対称の形状である内直管部材710も設けられている。第2の内コーン部材510と内直管部材710は、内直管部材710の端部に設けられた溶接部711で直管部材160の端部と接合されている。
そして、第2のコーン断熱部50及び短冊部60は、第2の内コーン部材510と第2のコーン部材150の間及び内直管部材710と直管部材160の間にそれぞれ配設される。
このような構成であると、第2のコーン断熱部と短冊部の位置が排ガス浄化装置内で安定し、また、第2のコーン断熱部と短冊部の表面からの繊維飛散を抑制することができる。
【0083】
図16に示す排ガス浄化装置700のような、第1の内コーン部材、第2の内コーン部材及び内直管部材を有する排ガス浄化装置を組み付ける場合、円筒形状のケーシングのみに巻付体を圧入し、ケーシングから第1のコーン断熱部、並びに、第2のコーン断熱部及び短冊部が飛び出た状態にしておく。
別途、第1の内コーン部材と第1のコーン部材が溶接された部材を準備する。また、第2のコーン部材と直管部材が溶接され、第2の内コーン部材と内直管部材が溶接され、さらに内直管部材と直管部材が溶接された部材を準備しておく。
まず、第1のコーン断熱部の挿入及び第1のコーン部材とケーシングの第1の端部の溶接を行う。続いて、短冊部及び第2のコーン断熱部を、短冊部を先頭にして、第2のコーン部材と第2の内コーン部材の間の隙間に挿入していく。短冊部及び第2のコーン断熱部の挿入が進み、直管部材と内直管部材の間に短冊部が配設され、第2のコーン部材と第2の内コーン部材の間に第2のコーン断熱部が配設されたら、第2のコーン部材とケーシングの第2の端部を溶接する。
このような方法等によって、第1の内コーン部材、第2の内コーン部材及び内直管部材を有する排ガス浄化装置を組み付けることができる。
【0084】
本発明の排ガス浄化装置に用いることのできる本発明の保持シール材は、短冊部にさらに別のコーン断熱部及び別の保持部が繋がったものであってもよい。
このような保持シール材は、排ガス処理体を2つ備える排ガス浄化装置に好適に用いられる。
図17は、短冊部にさらに別のコーン断熱部及び別の保持部が繋がった本発明の保持シール材の一例を模式的に示す上面図である。
図17に示す保持シール材18は、2つ目の排ガス処理体を保持する部位である第2の保持部80と、第2の保持部80の側面と連続して繋がっている第3のコーン断熱部70を備えており、第3のコーン断熱部70は、短冊部60の側面の、第2のコーン断熱部50と繋がっている側面と反対側の側面61と連続して繋がっている。
すなわち、保持シール材18は、第1のコーン断熱部30、保持部20、第2のコーン断熱部50、短冊部60、第3のコーン断熱部70及び第2の保持部80が連続して繋がっている。
各部位の構成は、これまで説明した他の保持シール材の構成と同様であるためのその詳細な説明は省略するが、第2の保持部80と保持部20、第3のコーン断熱部70と第1のコーン断熱部30はそれぞれ同様の構成とすることができる。
また、第2の保持部80と第3のコーン断熱部70の関係は、保持部20と第1のコーン断熱部30の関係と同様にすることができる。
さらに、第3のコーン断熱部70と短冊部60の関係は、第2のコーン断熱部50と短冊部60の関係と同様にすることができる。
【0085】
図18は、排ガス処理体を2つ備える本発明の排ガス浄化装置の一例を模式的に示す断面図である。
排ガス浄化装置800には、排ガスの下流側に別の排ガス処理体220が設けられている。排ガス処理体220はDPFであり、多数のセル225がセル壁226を隔てて長手方向に並設された柱状のものである。セル225のいずれか一方の端部は、封止材228で封止されている。
排ガスは、排ガス処理体220の排ガス流入側端面220aに開口した一のセル225に流入し、セル225を隔てるセル壁226を通過する。この際、排ガス中のPMがセル壁226で捕集され、排ガスが浄化されることとなる。浄化された排ガスは、排ガス流出側端面220bに開口した他のセル225から流出し、外部に排出される。
【0086】
排ガス処理体220の周囲には、保持シール材18の一部である第2の保持部80が巻きつけられており、第2の保持部80が排ガス処理体220と第2のケーシング180の間に配設されている。
第2のケーシング180の排ガス流入側に位置する第1の端部181には第3のコーン部材170が配設されており、第3のコーン部材170の、第2のケーシング180側と反対側の端部には直管部材160が配設されている。
また、第2のケーシング180の排ガス流出側に位置する第2の端部182には第4のコーン部材190が配設されている。
【0087】
第2の保持部80と連続して繋がっている第3のコーン断熱部70は、第3のコーン部材170の内周面171の少なくとも一部を覆っている。
第3のコーン断熱部70と第3のコーン部材170の関係は、第1のコーン断熱部30と第1のコーン部材140の関係と同様にすることができる。
なお、図18中の左側に示す、第1のコーン部材140から直管部材160までの構成は、これまで説明した形態と同様にすることができるためその詳細な説明を省略する。
【0088】
図18に示す排ガス浄化装置の組み付けは、図4(a)に示すような圧入工程により行うことが難しいため、クラムシェル型のケーシング、コーン断熱部及び直管部材を用いて行うことが望ましい。
クラムシェル型とは、例えば半円筒等の、筒状部材が分割された形状の部材を意味する。クラムシェル型のケーシング等を用いた排ガス浄化装置の組み付けでは、排ガス処理体に保持シール材の保持部を巻きつけた巻付体の上下から、半円筒のケーシングをかぶせ、上下のケーシングを溶接等により固定することによってケーシング内に巻付体を収容する。ケーシングのみならず、コーン断熱部及び直管部材としてもクラムシェル型のものを用いることにより、図18に示す排ガス浄化装置の組み付けを行うことができる。
【0089】
以下、本発明の保持シール材の製造方法について説明する。
本発明の保持シール材の製造方法は、保持シール材を構成する全ての部位が繋がった状態となるように1枚のシートから保持シール材を打ち抜く工程を行うことを特徴とする。
【0090】
まず、無機繊維を含むマットを作製する。マットは、種々の方法により得ることができるが、例えば、ニードリング法又は抄造法により製造することができる。
ニードリング法の場合、例えば、以下の方法により製造することができる。すなわち、まず、例えば、塩基性塩化アルミニウム水溶液とシリカゾル等とを原料とする紡糸用混合物をブローイング法により紡糸して3〜10μmの平均繊維径を有する無機繊維前駆体を作製する。続いて、上記無機繊維前駆体を圧縮して所定の大きさの連続したシート状物を作製し、これにニードルパンチング処理を施し、その後、焼成処理を施すことによりマットの準備が完了する。
【0091】
抄造法の場合、アルミナ繊維、シリカ繊維等の無機繊維と、無機結合剤と、水とを原料液中の無機繊維の含有量が所定の値となるように混合し、攪拌機で攪拌することで混合液を調製する。混合液には、必要に応じて、高分子化合物や樹脂からなるコロイド溶液が含まれていてもよい。続いて、底面にろ過用のメッシュが形成された成形器に混合液を流し込んだ後に、混合液中の水を、メッシュを介して脱水することにより原料シートを作製する。その後、原料シートを所定の条件で加熱圧縮することによりマットの準備が完了する。
【0092】
上記マットには、必要に応じて、有機結合剤及び/又は無機結合剤を含む結合剤溶液を付与し、乾燥する処理を行ってもよい。
【0093】
上記マットは1枚の大きなシート状の部材として得られるので、これを保持シール材の形状に打ち抜くことによって、本発明の保持シール材を得ることができる。
保持シール材の打ち抜きは、トムソン刃、ギロチン刃等により行うことができる。
【0094】
以下に、本発明の排ガス浄化装置の作用効果について説明する。
【0095】
(1)本発明の排ガス浄化装置では、第1のコーン部材が第1のコーン断熱部で覆われるため、第1のコーン部材からの放熱を抑制することができる。
また、保持部及び第1のコーン断熱部は連続して繋がっているため位置ずれを生じることはなく、保持部と第1のコーン断熱部が1つの部材からなるため排ガス浄化装置の組み付けの作業性に優れる。
【0096】
(2)本発明の排ガス浄化装置は、偏心コーンを有する場合、第2のコーン部材を有する場合、直管部材を有する場合、第2の排ガス処理体を有する場合といった様々な形態で使用することができ、各形態において必要な場所に断熱部を設けることができるため、排ガス浄化装置からの放熱を抑制することができる。
【0097】
(3)本発明の保持シール材は、排ガス処理体とコーン部材の両方を位置ずれを生じることなく1枚の保持シール材を用いて覆うことができる。
また、保管時及び搬送時には平面状とすることができるので、保管、搬送効率の高い保持シール材となる。
【0098】
(実施例)
以下、本発明をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0099】
(シート製造例)
まず、以下の手順により無機繊維を含むマットを準備した。
アルミナ−シリカ組成を有するアルミナ繊維性の素地マットとして、組成比がAl:SiO=72:28(重量比)となる素地マットを用意した。この素地マットに対し、ニードリング処理を施すことにより、嵩密度が0.15g/cmであり、目付量が1500g/mであるニードル処理マットを作製した。
【0100】
別途、アクリル系ラテックスを水に充分に分散させることで、アクリル系ラテックスエマルジョンを調製しておき、これをバインダとして用いた。
【0101】
次に、ニードルマットを平面視寸法で全長1250mm×幅1200mmに裁断し、裁断したニードルマット100重量%に対するバインダ添着量が1.0重量%となるように、裁断したニードルマットをバインダ中に含浸した。
【0102】
その後、バインダを含浸させたニードルマットを140℃の温度で6分間通気乾燥させることにより、1枚のシート状物としてのマットを作製した。
マットの厚さは9.0mmであった。
【0103】
(実施例1〜8)
上記マットを所定の形状のトムソン刃を用いて打ち抜き加工して、下記形状の実施例1〜8に係る保持シール材を作製した。保持シール材の長手方向の長さ(長辺の長さ)は593mm、保持部の幅(短辺の長さ)は193mmとした。
【0104】
(実施例1〜6:スリットを設けない保持シール材の例)
実施例1:台形状の第1のコーン断熱部を6つ有する形状(図1の形状)。
台形は上底27mm、下底97mm、高さ160mmの等脚台形とした。
実施例2:実施例1と同じ台形状の第1のコーン断熱部及び第2のコーン断熱部を6つずつ有する形状(図12の形状)。
実施例3:三角形状の第1のコーン断熱部を6つ有する形状(図5の形状)。
三角形の形状は底辺97mm、高さ160mmの二等辺三角形とした。
実施例4:扇形からその扇形と中心点及び中心角が同じで半径の小さい扇形を除いた形状の第1のコーン断熱部を1つ有する形状(図7(a)の形状)。
大きい扇形の形状は中心角156°、半径214mm、小さい扇形の半径は50mmとした。
実施例5:高さの異なる台形状の第1のコーン断熱部を6つ有する形状(図9の形状)。
台形の高さはそれぞれ高い順に180mm、160mm、140mmとした。
各台形の下底は97mmであり、高さ160mmの等脚台形の上底は27mmであり、高さ180mm、140mmの台形は、それぞれの台形の脚と下底のなす角が高さ160mmの等脚台形と同じである台形である。
実施例6:三日月形の第1のコーン断熱部を1つ有する形状(図10(a)の形状)。
三日月形の形状は、外側の弧の半径が300mm、内側の弧の半径が1140mm、外側の弧の中心と内側の弧の中心の距離が1000mmとなる形状とした。
(実施例7:スリットを設けた保持シール材の例)
実施例7:実施例1において、保持部と第1のコーン断熱部が連続して繋がっている部位に深さ4mmのスリットを設けたもの。
(実施例8:短冊部を設けた保持シール材の例)
実施例8:実施例2における第2のコーン断熱部に繋がる短冊部をさらに有する形状(図14の形状)。短冊部の形状は長さ194mm、幅80mm。保持部と第1のコーン断熱部及び第2のコーン断熱部が連続して繋がっている部位のそれぞれ、並びに、第2のコーン断熱部と短冊部が連続して繋がっている部位には深さ4mmのスリットを設けた。
【0105】
(比較例1)
実施例4で用いた保持シール材につき、第1のコーン断熱部を保持部から分離したものを準備した。
(比較例2)
実施例1で用いた保持シール材を筒状に丸めた際の形状と同じになるように設計した3次元成形体を準備した。
【0106】
(評価)
(排ガス浄化装置の作製)
上記保持シール材又は3次元成形体を用いて、排ガス浄化装置を作製した。
排ガス浄化装置の構成は、排ガス処理体を上流側、下流側に1つずつ、計2つ備える構成とし、各実施例及び比較例の保持シール材は、上流側の排ガス処理体を保持する保持シール材として用いた。第1のコーン断熱部は第1のコーン部材側に配置した。
上流側の排ガス処理体を保持している排ガス浄化装置の構成は、実施例1、3、4、7及び比較例1については、図11に示すような第1の内コーン部材が設けられた排ガス浄化装置とした。
実施例2については、図13(b)に示すような第1の内コーン部材及び第2の内コーン部材が設けられた排ガス浄化装置とし、第2のコーン断熱部が第2のコーン部材の内周面を覆うように配置した。
実施例5、6については、図8に示すような偏心コーンを有する排ガス浄化装置であって、第1のコーン部材が保持シール材の形状に対応する偏心コーンであり、さらに第1の内コーン部材が設けられた排ガス浄化装置とした。
実施例8については、図16に示すような第1の内コーン部材、第2の内コーン部材及び直管部材が設けられた排ガス浄化装置とし、第2のコーン断熱部及び短冊部が第2のコーン部材及び直管部材の内周面を覆うように配置した。
比較例2については、内コーン部材を設けることは困難であるため、図3に示すような内コーン部材が設けられていない排ガス浄化装置とした。
下流側の排ガス処理体は、コーン断熱部を有さない保持シール材(保持部のみの保持シール材)を用いて保持し、ケーシング内に配置した。
【0107】
(組み付け時の作業性)
排ガス浄化装置の組み付け作業において、比較例1は、コーン断熱部の組み付けを別部材として行う必要があり、作業性が悪かった。
他の実施例及び比較例では、第1のコーン断熱部と保持部の組み付けを1つの部材として行うことができ、作業性が良かった。
表1には、作業性が良好なものを○、作業性が悪いものを×として示した。
【0108】
(コーン断熱部の位置ずれ)
排ガス浄化装置の組み付け作業において、比較例1は、コーン断熱部の位置と保持部の位置がずれてしまうことがあった。
実施例7では、保持シール材にスリットが設けられているために保持シール材の折り曲げが容易となり、第1のコーン断熱部の位置精度が極めて良好であった。
表1では、コーン断熱部の位置精度が極めて良好なものを◎、良好なものを○、悪いものを×として示した。
【0109】
(保温性)
排ガス浄化装置に、所定温度(600℃)の排ガスを流入させ、2つの排ガス処理体を経て排ガス浄化装置から流出した後の排ガスの温度を測定し、保温性の評価とした。
表1では、保温性が極めて良好なものを◎、良好なものを○として示した。
【0110】
(梱包時の積載性)
比較例2の3次元成形体は、保管時、梱包時に嵩張るものであった。他の実施例及び比較例では保持シール材はマット状であり嵩張ることはなかった。
表1では、特に嵩張らないものを◎、嵩張らないものを○、嵩張るものを×として示した。
【0111】
【表1】
【符号の説明】
【0112】
保持シール材 10、11、12、13、13´、14、15、15´、16、17、18
保持部 20
長辺 21
短辺 22
第1の保持部側面 25
第2の保持部側面 26
保持部表面に設けられた繊維飛散抑制処理 27
第1のコーン断熱部 30、40、41、42、42a、42b、43、44、45、46、46a、46b
スリット 35
コーン筒状部 36
第1のコーン断熱部の表面に設けられた繊維飛散抑制処理 37
第1のコーン断熱部の側面に設けられた繊維飛散抑制処理 38
第2のコーン断熱部 50
短冊部 60
排ガス浄化装置 100、200、300、400、500、600、700、800
排ガス処理体 120、220
ケーシング 130
ケーシングの第1の端部 131
ケーシングの第2の端部 132
ケーシングの中心軸 133
第1のコーン部材 140、240
第1のコーン部材の内周面 141
第2のコーン部材 150、250
第2のコーン部材の内周面 151
直管部材 160
直管部材の内周面 161
第1のコーン断熱部の中心軸 242
第1の内コーン部材 310
図1
図2
図3
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