特許第6245984号(P6245984)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6245984
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】工作機械および加工方法
(51)【国際特許分類】
   B23B 13/12 20060101AFI20171204BHJP
【FI】
   B23B13/12 B
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-531350(P2013-531350)
(86)(22)【出願日】2012年8月29日
(86)【国際出願番号】JP2012071810
(87)【国際公開番号】WO2013031818
(87)【国際公開日】20130307
【審査請求日】2015年4月16日
【審判番号】不服2016-10779(P2016-10779/J1)
【審判請求日】2016年7月15日
(31)【優先権主張番号】特願2011-188563(P2011-188563)
(32)【優先日】2011年8月31日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000137856
【氏名又は名称】シチズンマシナリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 光
【合議体】
【審判長】 栗田 雅弘
【審判官】 西村 泰英
【審判官】 平岩 正一
(56)【参考文献】
【文献】 独国特許発明第110247(DE,C)
【文献】 特開2011−98438(JP,A)
【文献】 実開平1−84902(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 13/12,B23B 5/36-5/48,B23B 5/18-5/22,B23B 31/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主軸の先端から突出した被工作物を前記主軸の軸心に対して偏心して撓んだ状態で支持する偏心ガイドブッシュを備え、
前記偏心ガイドブッシュを、前記主軸の前記軸心回りに回転させ、
前記被工作物の加工の際に、前記主軸の回転状態で、前記偏心ガイドブッシュが、前記主軸の前記軸心回りに回転した状態と、回転を停止した状態で維持された状態とに切り替えられ、前記主軸と前記偏心ガイドブッシュとをともに回転させた加工と、前記主軸の回転状態で前記偏心ガイドブッシュを回転停止状態で維持した加工とが切り替えて行われることを特徴とする工作機械。
【請求項2】
前記主軸をその軸心回りに回転させる主軸駆動部と、前記偏心ガイドブッシュを前記軸心回りに回転させるガイドブッシュ駆動部と、前記偏心ガイドブッシュが前記主軸に同期させて前記軸心回りに回転した状態と回転を停止した状態で維持された状態とに切り替えるように前記ガイドブッシュ駆動部を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の工作機械。
【請求項3】
前記偏心ガイドブッシュの、前記被工作物を偏心して支持する部分における、前記被工作物の位相を変更するように、前記偏心ガイドブッシュの回転と前記主軸の回転とを調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の工作機械。
【請求項4】
前記主軸を前記軸心回りに回転させる主軸駆動部と、前記偏心ガイドブッシュを前記軸心回りに回転させるガイドブッシュ駆動部と、前記偏心ガイドブッシュの、前記被工作物を偏心して支持する部分における、前記被工作物の位相を変更するように、前記主軸駆動部と前記ガイドブッシュ駆動部とのうち少なくとも一方を制御する位相制御部と、を備えたことを特徴とする請求項3に記載の工作機械。
【請求項5】
前記偏心ガイドブッシュの端面のうち前記主軸に向いた側の端面の、前記被工作物を支持する内周面と隣接する角部に、面取りが施されていることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項に記載の工作機械。
【請求項6】
主軸をその軸心回りに回転させるとともに、前記主軸の先端から突出した被工作物を前記主軸の軸心に対して偏心して撓んだ状態で支持する偏心ガイドブッシュを用いて、前記被工作物に対する加工を施すに際して、
前記偏心ガイドブッシュを、前記主軸の前記軸心回りに回転させ、
前記被工作物の加工の際に、前記主軸の回転状態で、前記偏心ガイドブッシュが、前記主軸の前記軸心回りに回転した状態と、回転を停止した状態で維持された状態とに切り替えられ、前記主軸と前記偏心ガイドブッシュとをともに回転させた加工と、前記主軸の回転状態で前記偏心ガイドブッシュを回転停止状態で維持した加工とが切り替えて行われることを特徴とする加工方法。
【請求項7】
前記偏心ガイドブッシュの、前記被工作物を偏心して支持する部分における、前記被工作物の位相を変更するように、前記偏心ガイドブッシュの回転と前記主軸の回転とを調整することを特徴とする請求項6に記載の加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械および加工方法に関し、詳細には、偏心ガイドブッシュを備えたものの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、旋盤などの工作機械は、丸棒等の被工作物(以下、ワークという。)を主軸に保持し、主軸の先端から突出した被工作物を回転させながら工具で加工するようにしている。
【0003】
また、工具の直近でワークを支持することでワークと工具との間の距離を常に精度よく確保し続けるとともに、ワークの撓みを確実に抑制するガイドブッシュを備えたものもある(特許文献1)。
【0004】
ここで、ワークの一部をその半径方向に偏心した形状に加工するときは、ワークの軸心を回転中心すなわち主軸の軸心からずらす必要がある。
【0005】
この場合、例えば、主軸にワークを固定するためのチャッキング装置(固定装置)を操作し、ワークの軸心を主軸の軸心に対して所望量だけオフセットさせている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−138007号公報
【特許文献2】実開昭59−12509号公報(実願昭57−107933号)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、偏心した形状の加工を行う際の、上述したチャッキング装置の操作は手間が掛かり、全体の加工時間が長くなるという問題がある。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、偏心した形状の加工を行う際の操作を簡単に行うことができる工作機械および加工方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る工作機械および加工方法は、主軸の先端から突出した被工作物を前記主軸の軸心に対して偏心した状態で支持する偏心ガイドブッシュを用いて偏心した形状の加工を行うことで、偏心した形状の加工を行う際の操作を簡単にするものである。
【0010】
すなわち、本発明に係る工作機械は、主軸の先端から突出した被工作物を前記主軸の軸心に対して偏心した状態で支持する偏心ガイドブッシュを備えたことを特徴とする。
【0011】
なお、本発明に係る工作機械は、偏心ガイドブッシュを、前記主軸の前記軸心回りに回転させた状態と停止させた状態とに切り替えるのが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る工作機械は、前記偏心ガイドブッシュの、前記被工作物を偏心して支持する部分における、前記被工作物の位相を変更するように、前記偏心ガイドブッシュの回転と前記主軸の回転とを調整するのが好ましい。
【0013】
本発明に係る加工方法は、主軸をその軸心回りに回転させるとともに、前記主軸の先端から突出した被工作物を前記主軸の軸心に対して偏心した状態で支持する偏心ガイドブッシュを用いて、前記被工作物に対する加工を施すことを特徴とする。
【0014】
なお、本発明に係る加工方法は、偏心ガイドブッシュを、前記主軸の前記軸心回りに回転させた状態と前記偏心ガイドブッシュを停止させた状態とに切り替えるのが好ましい。
【0015】
また、本発明に係る加工方法は、前記偏心ガイドブッシュの、前記被工作物を偏心して支持する部分における、前記被工作物の位相を変更するように、前記偏心ガイドブッシュの回転と前記主軸の回転とを調整するのが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る工作機械および加工方法によれば、偏心した形状の加工の操作を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る工作機械の具体的な実施の形態である自動旋盤の要部を示す模式図である。
図2A】偏心加工を行う場合の切り替え状態(ロータリーガイドブッシュを回転させた状態)を示す図であり、図1相当の側面図(ロータリーガイドブッシュは断面)である。
図2B】偏心加工を行う場合の切り替え状態(ロータリーガイドブッシュを回転させた状態)を示す図であり、図2Aにおける矢視Aによる図である。
図3A】通常加工を行う場合の切り替え状態(ロータリーガイドブッシュを停止させた状態)を示す図であり、図1相当の側面図(ロータリーガイドブッシュは断面)である。
図3B】通常加工を行う場合の切り替え状態(ロータリーガイドブッシュを停止させた状態)を示す図であり、図3Aにおける矢視Aによる図である。
図4】角部に面取りが施されたロータリーガイドブッシュを示す図である。
図5A】ワークの中心と工具の刃先との高さ位置の位置関係を示す図であり、高さ位置が一致している状態(その1)を示す。
図5B】ワークの中心と工具の刃先との高さ位置の位置関係を示す図であり、高さ位置が一致している状態(その2)を示す。
図5C】ワークの中心と工具の刃先との高さ位置の位置関係を示す図であり、高さ位置が一致していない状態を示す。
図6A】ロータリーガイドブッシュの回転位置(回転角度位置)を特定する手順を説明する図であり、任意の停止状態を示す図である。
図6B】ロータリーガイドブッシュの回転位置(回転角度位置)を特定する手順を説明する図であり、図6Aの停止状態から角度180度回転して停止させた状態である。
図7A】ロータリーガイドブッシュの孔におけるワークの位相が変化した状態を示す図2,3相当の図であり、最初の加工部分を表す図である。
図7B】ロータリーガイドブッシュの孔におけるワークの位相が変化した状態を示す図2,3相当の図であり、最初の加工部分と2番目の加工部分を表す図である。
図7C】ロータリーガイドブッシュの孔におけるワークの位相が変化した状態を示す図2,3相当の図であり、最初の加工部分と2番目の加工部分と3番目の加工部分を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る工作機械および加工方法の実施形態について図面を参照して説明する。
【0019】
(構成)
図1は、本発明に係る工作機械の一実施例としての自動旋盤の要部を示す模式図であり、後述するロータリーガイドブッシュ30(偏心ガイドブッシュ)については破断線によって部分断面図としている。
【0020】
この自動旋盤は、具体的には、ワーク200(被工作物)を保持してその軸心C1回りに回転可能とされた主軸10と、主軸10を軸心C1回りに回転させる主軸用モータ20(主軸駆動部)と、主軸10の先端から突出したワーク200を主軸10の軸心C1に対してその半径方向に長さEだけ偏心した状態で回転可能に支持するロータリーガイドブッシュ30と、ロータリーガイドブッシュ30を主軸10の軸心C1回りに回転させるガイドブッシュ用サーボモータ40(ガイドブッシュ駆動部)と、ロータリーガイドブッシュ30を主軸10とともに回転させた状態とこの回転を停止させた状態とに選択的に切り替えるようにガイドブッシュ用サーボモータ40の回転駆動を制御する制御部50と、ロータリーガイドブッシュ30の近傍に配置されて、ロータリーガイドブッシュ30から突出したワーク200を加工する刃物等の工具60とを備えている。
【0021】
ワーク200は、主軸10の先端からロータリーガイドブッシュ30までの間の距離の範囲で、少なくとも後述する偏心量Eに対応した撓みを生じ得る可撓性の材料により形成されたものである。
【0022】
主軸10には、ワーク200の中心が軸心C1に一致するように固定するためのコレットチャック等のチャッキング装置(図示を略す)が備えられていて、このワーク固定装置によってワーク200が主軸10に保持されている。
【0023】
制御部50には、上述した回転させた状態と停止させた状態とを切り替える指示が入力される入力部51を備えていて、この自動旋盤を操作する使用者等によって入力部51に入力された回転または停止の指示に応じて、制御部50はガイドブッシュ用サーボモータ40の回転駆動を制御する。
【0024】
具体的には、入力部51に回転の指示が入力されたときは、制御部50はガイドブッシュ用サーボモータ40に対して、ロータリーガイドブッシュ30を主軸10に同期させて主軸10の軸心C1回りに回転させるように回転駆動させ、一方、入力部51に停止の指示が入力されたときは、制御部50はガイドブッシュ用サーボモータ40に対して、ロータリーガイドブッシュ30を停止させた状態とするようにその回転駆動を停止させる。
【0025】
また、制御部50は主軸用モータ20の回転駆動も制御しているが、この制御は公知の一般的な制御である。
【0026】
そして、制御部50がガイドブッシュ用サーボモータ40を回転駆動させるように制御するときは、主軸用モータ20を回転駆動させる制御の処理を参照することにより、主軸用モータ20の回転と同期した回転となるように制御する。
【0027】
同期した回転とは、ガイドブッシュ用サーボモータ40と主軸用モータ20との回転角速度が一致した回転を意味する。したがって、ガイドブッシュ用サーボモータ40と主軸用モータ20とは回転中に位相差を生じない。
【0028】
ロータリーガイドブッシュ30は概略円筒形状を呈し、その円筒形状の外周面31の中心が主軸10の軸心C1と一致する位置に配置されるように、その外周面31がケース35によって回転自在に保持されている。
【0029】
一方、ロータリーガイドブッシュ30の内周面32の中心C2は、主軸10の軸心C1に対して前述した偏心量Eだけ偏心した位置に配置される構成となっている。
【0030】
この内周面32はワーク200の外周面200aが緩く接して貫通する程度の半径で形成されている孔32a(被工作物を偏心して支持する部分)の外縁であり、ワーク200の中心はロータリーガイドブッシュ30の内周面32の中心C2と略一致するとともに、ワーク200の外周面200aとロータリーガイドブッシュ30の内周面32との間では、ロータリーガイドブッシュ30に対するワーク200の相対的な回転を可能にしている。
【0031】
ガイドブッシュ用サーボモータ40は、モータ本体41とこのモータ本体41によって発生した回転駆動力をロータリーガイドブッシュ30の外周面31に伝達するベルト42とを備えていて、このベルト42によって回転駆動力が外周面31に伝達されたロータリーガイドブッシュ30は、主軸10と同期して外周面31の中心(主軸10の軸心C1)回りに回転する。
【0032】
ロータリーガイドブッシュ30の偏心量Eはワーク200の半径よりも小さい長さである。
【0033】
(作用、効果)
次に、本実施形態の自動旋盤の作用、効果について説明する。
なお、この自動旋盤の作用は、本発明に係る加工法の一実施形態である。
【0034】
まず、図1に示すようにワーク200が自動旋盤にセットされた状態において、ワーク200の中心に対して偏心量Eだけ偏心した形状の偏心加工を行うときは、使用者等によって、この偏心加工の実行に対応した回転の指示が入力部51に入力される。
【0035】
制御部50は、主軸10を軸心C1回りに所定の回転角速度で回転させるように主軸用モータ20に対して制御するとともに、入力部51に入力された回転の指示にしたがって、ロータリーガイドブッシュ30を主軸10と同一方向かつ同一回転角速度で、ロータリーガイドブッシュ30の外周面31の中心回りに回転させるように、ガイドブッシュ用サーボモータ40を制御する。
【0036】
これにより、主軸10は軸心C1回りに所定の回転角速度で回転するとともに、ロータリーガイドブッシュ30は図2A図2Bに示すように、その外周面31の中心回りに、主軸10と同一方向かつ同一回転角速度で回転する。
【0037】
このとき、ロータリーガイドブッシュ30の内周面32は、図2Bに示すように、主軸10の軸心C1回りに公転するような回転となる。
【0038】
一方、ワーク200は主軸10と一体的に回転するため、主軸10と同一方向かつ同一回転角速度で回転される。
【0039】
この結果、ロータリーガイドブッシュ30の内周面32と孔32aに貫通して支持されたワーク200の外周面200aとの間では相対的な回転がない状態、つまり位相差がない状態となり、ワーク200は図2Bに示すように主軸10の軸心C1回りに回転する。
【0040】
そして、この状態で工具60がワーク200に押し付けられることにより、ワーク200は、ワーク200の中心に対して偏心量Eだけ偏心した形状(断面が軸心C1を中心とする円形状;図2A図2Bにおいて二点鎖線で示す。)に加工される。
【0041】
一方、ワーク200の中心に対して偏心していない形状(断面がワーク200の中心を中心とする円形状)の加工を行うときは、使用者等によって、この偏心しない加工の実行に対応した停止の指示が入力部51に入力される。
【0042】
制御部50は、主軸10を軸心C1回りに所定の回転角速度で回転させるように主軸用モータ20に対して制御するとともに、入力部51に入力された停止の指示にしたがって、ロータリーガイドブッシュ30を回転させずに停止した状態とするように、ガイドブッシュ用サーボモータ40を停止させる制御を行う。
【0043】
これにより、ロータリーガイドブッシュ30は図3A図3Bに示した停止状態を維持するが、ワーク200は主軸10と一体的に同一方向かつ同一回転角速度で回転される。
【0044】
この結果、回転しないロータリーガイドブッシュ30の孔32a内で、ワーク200だけが主軸10と同じ回転角速度で回転する。
【0045】
すなわち、ワーク200は、図3Bに示すようにロータリーガイドブッシュ30の孔32aの中心C2回りに回転する。
【0046】
そして、この状態で工具60がワーク200に押し付けられることにより、ワーク200は、ワーク200の中心に対して偏心していない形状(図3A図3Bにおいて二点鎖線で示す。)に加工される。
【0047】
以上のように、本実施形態の自動旋盤によれば、ワーク200を偏心加工する場合、主軸10に備えられているチャッキング装置を偏心加工用のものに交換・変更する必要がないため、その交換等に要する操作の手間を省くことができ、チャッキング装置の交換等による加工時間の長時間化を防止することができる。
【0048】
また、本実施形態の自動旋盤によれば、ワーク200を偏心加工する場合と、偏心加工ではない通常加工(ワーク200の中心を中心とする形状への加工)する場合とで、主軸10のチャッキング装置を交換・変更する必要がないとともに、ワーク200を工具60の直近で支持するガイドブッシュを、偏心したロータリーガイドブッシュ30と偏心していない一般的なガイドブッシュとで交換する必要もない。
【0049】
したがって、偏心加工と通常加工とを切り替える際の、チャッキング装置の交換・変更の操作やガイドブッシュの交換の作業に要する手間を掛ける必要がなくなり、この自動旋盤による加工の全体の時間を短縮することができる。
【0050】
また、偏心加工と通常加工との切り替えは、ガイドブッシュ用サーボモータ40の回転と停止とを切り替えるだけの簡単な操作で実現することができるため、操作性を向上させることができる。
【0051】
なお、本実施形態は自動旋盤に適用した例であるが、本発明に係る工作機械はこの実施形態に限定されるものではなく、手動の旋盤であってもよいし、回転させて、偏心加工と通常加工とを行うものであれば、他の種類の工作機械であってもよい。
【0052】
また、本実施形態の自動旋盤は、図4に示すように、ロータリーガイドブッシュ30の端面のうち主軸10に向いた側の端面33の、内周面32と隣接する角部34には、面取りを行うことが好ましい。
【0053】
ロータリーガイドブッシュ30は、偏心量Eに対応した分だけワーク200を撓ませた状態で支持しているため、上記角部34には、他の部分よりも相対的に強い接触圧が作用している。
【0054】
特に、ロータリーガイドブッシュ30を停止させたままワーク200だけを回転させることがある本発明においては、角部34とワーク200とが強い接触圧で接触した状態で、相対的に動くことになるため、ワーク200の、角部34に接触する部分(ワーク200が回転するため、ワーク200の周方向に沿った円環状の部分)に、キズや摩耗が生じるおそれがある。
【0055】
これに対して、角部34に面取りを施しておくことにより、上述した接触圧を低減することができ、上述したキズや摩耗の発生を抑制することができる。
【0056】
なお、面取りを施す角部34は、端面33における内周面32との交線である円環の全体である必要はなく、ワーク200が撓んでいる方向に対応する部分、つまりワーク200と強い接触圧で接触する部分だけでよい。
【0057】
また、面取りの形状としては、図4に示した、断面で直線状(円錐形状における斜面の形状)となるものに限定されるものではなく、例えば、撓んだワーク200の外周面200aの形状に沿った形状としてもよい。
【0058】
このようなワーク200の外周面200aに沿った形状で面取りをしたものでは、その面取り後の面とワーク200の外周面200aとが広い面積で接触することになるため、特定の一部での接触が抑制され、接触圧を一層低減することができる。
【0059】
上述した実施形態においては、ロータリーガイドブッシュ30を、ロータリーガイドブッシュ30とは別体のガイドブッシュ用サーボモータ40と回転駆動力の伝達用のベルト42とで駆動する構成であるが、本発明に係る工作機械および加工方法はこの形態のものに限定されるものではなく、ロータリーガイドブッシュ30自体にロータリーガイドブッシュ30を駆動するモータが一体的に組み込まれた、いわゆるビルトインモータをガイドブッシュ駆動部として適用した構成を採用することもできる。
【0060】
また、ロータリーガイドブッシュ30の駆動専用のガイドブッシュ用サーボモータ40を設ける代わりに、主軸用モータ20の回転駆動力をロータリーガイドブッシュ30まで伝達する機械的な機構(伝達機構)を設け、この機構の一部に、主軸用モータ20で発生した回転駆動力をロータリーガイドブッシュ30に伝達する接続状態と伝達させない切断状態とを選択的に切り替えるクラッチ機構を設けた構成を適用することもできる。
【0061】
この場合、主軸用モータ20とクラッチ機構を含む伝達機構とが、ガイドブッシュ駆動部として機能する。
【0062】
また、上述した実施形態においては、制御部50の入力部51に対して入力されるのが使用者等の指示であったが、この指示としては、手動で入力される指示だけでなく、加工用プログラムの一部として記録された指令であってもよい。
【0063】
すなわち、工作機械のうち自動旋盤のような数値制御(NC)機械の場合、加工プログラムによって加工動作が制御されているため、そのような加工プログラムの指令によって、ロータリーガイドブッシュ30の回転と停止とを指示すればよい。
【0064】
具体的には、ロータリーガイドブッシュ30と主軸10との同期した回転状態からロータリーガイドブッシュ30の回転を停止させる場合は、同期した回転の制御状態からロータリーガイドブッシュ30の単独の制御状態に移行する旨の指令を与え、ロータリーガイドブッシュ30を所定の回転角度位置で停止させ、その停止した位置を保持させることにより、ロータリーガイドブッシュ30を停止状態にすることができる。
【0065】
本実施形態の自動旋盤は、主軸10に同期させてロータリーガイドブッシュ30を主軸10の軸心C1回りに回転させる、偏心ガイドブッシュとして機能させた状態と、主軸10が回転してもロータリーガイドブッシュ30を回転させずにワーク200だけを回転させる、固定ガイドブッシュとして機能させた状態とを切り替えることで、1つのロータリーガイドブッシュ30で、偏心加工と中心加工(非偏心加工)とを行うことができる。
【0066】
ワーク200を加工する工具60は、固定ガイドブッシュで支持されたワーク200に対しては、そのワーク200の外周面200aから主軸10の軸心C1の延長線に向かって直線的に進退するように配置されている。
【0067】
つまり、工具60の刃先60aは、例えば、図5A図5B図5Cに示すように、軸心C1と同一水平面内に配置されていて、ワーク200の外周面200aに対して、法線方向に進むように配置されていて、主軸10の軸心C1と工具60の刃先60aとの高さ位置Hを一致させている。
【0068】
本実施形態におけるロータリーガイドブッシュ30を偏心ガイドブッシュとして機能させた後に、固定ガイドブッシュとして機能させる場合は、偏心ガイドブッシュとして機能させた終了時点における、ロータリーガイドブッシュ30の孔32aの中心C2の位置が、図5A図5Bに示すように、軸心C1の位置と工具60の刃先60aの位置とを結ぶ線上にあるときは、固定ガイドブッシュとして機能させる際に、ワーク200の中心と工具60の刃先60aとの高さ位置Hが一致する。
【0069】
これに対して、偏心ガイドブッシュとして機能させた終了時点における、ロータリーガイドブッシュ30の孔32aの中心C2の位置が、図5Cに示すように、軸心C1の位置と工具60の刃先60aの位置とを結ぶ線上にないときは、固定ガイドブッシュとして機能させる際に、ワーク200の中心と工具60の刃先60aとの鉛直方向に沿った高さ位置Hが一致しない。
【0070】
ワーク200の中心と工具60の刃先60aとの高さ位置Hが一致しないと、工具60の軸心C1に向けた送り量と、ワーク200の半径の減少量とが一致しないため、加工後のワーク200の寸法が意図したものとならない。
【0071】
したがって、本実施形態におけるロータリーガイドブッシュ30を固定ガイドブッシュとして機能させるときは、ワーク200の中心と工具60の刃先60aとの高さ位置Hを一致させることが重要である。
【0072】
そこで、本実施形態の自動旋盤は、ロータリーガイドブッシュ30を固定ガイドブッシュとして機能させるときは、制御部50が、ロータリーガイドブッシュ30を常に一定の位置で停止させるようにガイドブッシュ用サーボモータ40の駆動を制御したり、ロータリーガイドブッシュ30の停止状態で、孔32aを貫通して支持されているワーク200に基づいて停止位置を検出し、その停止位置を一定の位置に補正するようにガイドブッシュ用サーボモータ40の駆動を制御すればよい。
【0073】
具体的には、ロータリーガイドブッシュ30を、常に一定の位置で停止させるように、ガイドブッシュ用サーボモータ40の駆動を制御する具体的な構成としては、ロータリーガイドブッシュ30が、孔32aの中心C2と工具60の刃先60aとの高さ位置Hが一致する図5Aに示した回転位置、または図5Bに示した回転位置で停止するように、ガイドブッシュ用サーボモータ40の駆動を制御するものであり、ロータリーガイドブッシュ30の回転位置を検出するロータリーエンコーダー等の回転位置検出器と、この回転位置検出器によって検出された回転位置に基づいて、図5Aに示した回転位置、または図5Bに示した回転位置で停止するように、ガイドブッシュ用サーボモータ40の駆動を制御する制御装置とを備えた構成とすればよい。
【0074】
なお、この構成における制御装置は制御部50で、その機能を兼ねる構成であってもよい。
【0075】
一方、ロータリーガイドブッシュ30を、停止時に制御するものでない場合は、停止位置不明の状態で、孔32aに支持されているワーク200の位置を、工具60の刃先60aをピックアップ代わりにしてワーク200の外周面200aに接しさせることで検出し、検出されたワーク200の位置に基づいて、ロータリーガイドブッシュ30の停止位置を特定し、特定された停止位置から、ロータリーガイドブッシュ30を、図5Aに示した回転位置、または図5Bに示した回転位置まで回転させるように、ガイドブッシュ用サーボモータ40の駆動を制御する制御装置を備えた構成とすればよい。
【0076】
より具体的には、ロータリーガイドブッシュ30が停止している状態で、図6Aに示すように、ワーク200の外周面200aのうち任意の異なる2点P1,P2に、工具60の刃先60aを当てる。
【0077】
そして、この刃先60aが当たった2点P1,P2の各座標を、工具60の移動量から求め、得られた2点P1,P2の座標が制御部50に入力される。工具60の移動量も制御部50において検出されている。
【0078】
制御部50は、入力された2点P1,P2の座標とワーク200の既知の半径Rとに基づいて、ワーク200の中心、つまり孔32aの中心C2の座標を算出する。
【0079】
次いで、制御部50は、ロータリーガイドブッシュ30を角度180[度]だけ回転させて停止させ、図6Bに示す状態とする。
【0080】
そして、上記と同様に、ワーク200の外周面200aのうち任意の異なる2点P3,P4に工具60の刃先60aを当てて2点P3,P4の各座標を求め、制御部50が2点P3,P4の座標とワーク200の既知の半径Rとに基づいて、ワーク200の中心、つまり孔32aの中心C2の座標を算出する。
【0081】
制御部50は、ロータリーガイドブッシュ30が角度180[度]回転する以前の孔32aの中心C2(図6A)の座標と回転した後の孔32aの中心C2(図6B)の座標との中点を、軸心C1の座標として算出し、軸心C1の座標と、ロータリーガイドブッシュ30が角度180[度]回転する以前の孔32aの中心C2の座標とに基づいて、制御部50は、ロータリーガイドブッシュ30の回転位置を特定する。
【0082】
そして、制御部50は、特定された停止位置から、ロータリーガイドブッシュ30を、図5Aに示した回転位置、または図5Bに示した回転位置まで回転させるように、ガイドブッシュ用サーボモータ40の駆動を制御する。
【0083】
このようにして、本実施形態の自動旋盤は、ロータリーガイドブッシュ30の孔32aの中心C2と工具60の刃先60aとの高さ位置Hを一致させることができる。
【0084】
(変形例)
上述した実施形態の自動旋盤は、制御部50が、ガイドブッシュ用サーボモータ40を回転させるときは、ガイドブッシュ用サーボモータ40を主軸用モータ20と同期するように回転させる制御を行うが、本発明に係る工作機械は、この形態に限定されるものではない。
【0085】
例えば、以下に説明する変形例のように、制御部50が、ガイドブッシュ用サーボモータ40を回転させるときに、ガイドブッシュ用サーボモータ40および主軸用モータ20のうち少なくとも一方を回転させ、ロータリーガイドブッシュ30とワーク200との間の位相をずらし、その後、ガイドブッシュ用サーボモータ40と主軸用モータ20とを同期させて回転させるように制御するものであってもよい。
【0086】
制御部50は、上述のようにガイドブッシュ用サーボモータ40と主軸用モータ20との駆動を制御することで、ロータリーガイドブッシュ30とワーク200との間の位相を変更するため、位相制御部として機能する。
【0087】
具体的には、制御部50が、ガイドブッシュ用サーボモータ40と主軸用モータ20とを同期して回転駆動させることで、図7Aに示すように、ロータリーガイドブッシュ30の孔32aに支持されたワーク200に、ワーク200の中心回りの所定の角度位置、つまり図示のものではワーク200の中心を通る水平面に対して角度θの位置に、ワーク200の中心に対して偏心した加工部分210が形成される。
【0088】
次いで、制御部50は、ガイドブッシュ用サーボモータ40と主軸用モータ20とを共に停止させ、その後、図7Bに示すように、ロータリーガイドブッシュ30の孔32aにおけるワーク200の中心回りのワーク200の位相を角度αだけ変更するように、主軸用モータ20だけを所定角度αだけ回転させ、位相が変更された後は、主軸用モータ20の回転を停止制御する。
【0089】
次に、制御部50が、ガイドブッシュ用サーボモータ40と主軸用モータ20とを同期して回転駆動させることで、図7Bに示すように、ロータリーガイドブッシュ30の孔32aに支持されたワーク200に、ワーク200の中心回りの所定の角度位置、つまり図示のものではワーク200の中心を通る水平面に対して角度θの位置に、ワーク200の中心に対して偏心した加工部分220が形成される。
【0090】
最初の加工で得られた加工部分210は、制御部50による位相変更の制御により、後の加工部分220に対して、ワーク200の中心回りに角度αだけ位相がずれた状態となる。つまり、加工部分210はワーク200の中心を通る水平面に対して角度θ′(=θ+α)の位置に偏心している。
【0091】
さらに、制御部50が、ガイドブッシュ用サーボモータ40と主軸用モータ20とを共に停止させ、その後、図7Cに示すように、ロータリーガイドブッシュ30の孔32aにおけるワーク200の中心回りの位相を角度αだけ変更するように、主軸用モータ20だけを所定角度αだけ回転させ、位相が変更された後は、主軸用モータ20の回転を停止制御する。
【0092】
次に、制御部50が、ガイドブッシュ用サーボモータ40と主軸用モータ20とを同期して回転駆動させることで、図7Cに示すように、ロータリーガイドブッシュ30の孔32aに支持されたワーク200に、ワーク200の中心回りの所定の角度θの位置に、ワーク200の中心に対して偏心した加工部分230が形成される。
【0093】
2番目の加工で得られた加工部分220は、制御部50による位相の制御により、後の加工部分230に対して、ワーク200の中心回りに角度αだけ位相がずれた状態となり、最初の加工で得られた加工部分210は、後の加工部分230に対して、ワーク200の中心回りに角度2αだけ位相がずれた状態となる。つまり、加工部分210はワーク200の中心を通る水平面に対して角度θ″(=θ+2α)の位置に偏心し、加工部分220はワーク200の中心を通る水平面に対して角度θ′(=θ+α)の位置に偏心している。
【0094】
このように、変形例の自動旋盤によれば、ロータリーガイドブッシュ30を、主軸10の軸心C1回りに主軸10と同期して回転させた状態と、ロータリーガイドブッシュ30の孔32aにおけるワーク200の位相を変更する状態とを組み合わせることで、偏心した方向が互いに異なる複数の加工部分210,220,230を、1つのロータリーガイドブッシュ30で簡単に形成することできる。
【0095】
このことは、ロータリーガイドブッシュ30とワークとの位相をずらすことで、ワーク200の加工部分間の偏心量を、ロータリーガイドブッシュ30自体の偏心量Eに限定されないことを意味する。
【0096】
そして、変形例の自動旋盤によれば、位相を180度ずらすことで、ワーク200の加工部分間の偏心量を、ロータリーガイドブッシュ30自体の偏心量Eの2倍まで設定することができる。
【0097】
また、変形例の自動旋盤によれば、位相を60度未満の範囲でずらすことで、ワーク200の加工部分間の偏心量を、ロータリーガイドブッシュ30自体の偏心量Eを下回る範囲に設定することもできる。
【0098】
したがって、変形例の自動旋盤によれば、1つのロータリーガイドブッシュ30だけで、複数の偏心量に対応した加工を行うことができる。
【0099】
以上のことを利用すると、加工部分210の偏心量が、所望とする偏心量よりも小さく形成されてしまった場合であっても、その足りない偏心量Δを補充するように、加工部分210に対して位相をずらせて次の加工部分220の加工を行うことで、加工部分220を基準とした加工部分210の偏心量を所望の偏心量にすることができる。
【0100】
同様に、加工部分210の偏心量が、所望とする偏心量よりも大きく形成されてしまった場合であっても、その超過した偏心量Δを削減するように、加工部分210に対して位相をずらせて次の加工部分220の加工を行うことで、加工部分220を基準とした加工部分210の偏心量を所望の偏心量にすることができる。
【0101】
なお、この変形例の自動旋盤では、制御部50が、ガイドブッシュ用サーボモータ40と主軸用モータ20とを同期して回転駆動させる制御と、ガイドブッシュ用サーボモータ40を停止し主軸用モータ20だけを回転駆動させる制御とを組み合わせることで、位相差のある加工部分210,220,230を形成するものである。
【0102】
これに対して、制御部50は、ガイドブッシュ用サーボモータ40を停止させることなく、ガイドブッシュ用サーボモータ40と主軸用モータ20との位相が連続的に変化する回転駆動をさせるように、これら両モータ40,20の制御を行うものとしてもよい。
【0103】
このように、ガイドブッシュ用サーボモータ40を停止させることなく、両モータ40,20の位相を連続的に変化するように回転駆動させることで、図7Cに示すような段付きを有する不連続な加工部分210,22,230ではなく、加工部分間の位相が連続的に変化した、例えば弦巻バネのような螺旋形状の加工部分を形成することもできるし、ワーク200の軸C1方向への送り量と、両モータ40,20間での位相のずれる程度を調整する制御部50で制御することにより、ワーク200を、より複雑な立体形状に形成することもできる。
【0104】
なお、本発明に係る工作機械は、少なくとも主軸10とともに回転可能なロータリーガイドブッシュ30を備えたものであればよく、上述した実施形態で説明したような、ロータリーガイドブッシュ30を主軸10とともに回転させた状態とこの回転を停止させた状態とに選択的に切り替えるものである必要はない。
【0105】
したがって、変形例の自動旋盤のように、制御部50が、ガイドブッシュ用サーボモータ40と主軸用モータ20との間で位相差を与えるものにおいては、制御部50が、ロータリーガイドブッシュ30を主軸10とともに回転させた状態とこの回転を停止させた状態とに選択的に切り替えるようにガイドブッシュ用サーボモータ40の回転駆動を制御するものではなく、主軸用モータ20に対してガイドブッシュ用サーボモータ40の回転速度を上昇させたり下降させることで、ガイドブッシュ用サーボモータ40と主軸用モータ20との間での位相差を変化させるものであってもよい。
【関連出願の相互参照】
【0106】
本出願は、2011年8月31日に日本国特許庁に出願された特願2011−188563に基づいて優先権を主張し、その全ての開示は完全に本明細書で参照により組み込まれる。
【符号の説明】
【0107】
10 主軸
20 主軸用モータ(主軸駆動部)
30 ロータリーガイドブッシュ(偏心ガイドブッシュ)
32a 孔(被工作物を偏心して支持する部分)
40 ガイドブッシュ用サーボモータ(ガイドブッシュ駆動部)
50 制御部(制御部、位相制御部)
200 ワーク(被工作物)
C1 軸心
C2 中心
E 長さ、偏心量


図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C