(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した道路の各地点の勾配が登録された地図データを用いて走行中の道路の勾配を算出する技術によれば、勾配が地図データに登録されていない道路については勾配を検出することができない。また、走行中の道路の勾配の検出を行うために、道路の各地点の勾配が登録された地図データや、現在位置を算出する手段が必要となる。
【0006】
一方、自動車の傾斜を検出する傾斜センサを用いて走行中の道路の勾配を算出する技術によれば、走行中の道路の現在自動車が位置している地点の勾配しか算出することができず、自動車が走行中の道路の前方区間の勾配を算出することができない。
【0007】
そこで、本発明は、道路の各地点の勾配が登録された地図データを必要とすることなしに、自動車が走行中の道路の前方区間の勾配を検出することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題達成のために、本発明は、自動車に搭載された道路勾配検出装置に、前記自動車前方を撮影するカメラと、前カメラが撮影した画像に含まれる鉛直に設置された物体の鉛直方向のエッジを垂直エッジとして抽出する垂直エッジ抽出部と、前記画像に含まれる前記垂直エッジの下端付近を通る道路境界の道路延伸方向の像のエッジを道路エッジとして抽出する道路エッジ抽出部と、前記垂直エッジが前記道路エッジに対して成す角の角度を検出角度として算出する角度算出部と、前記検出角度が、垂直エッジを抽出した前記物体が前記道路エッジを抽出した道路境界に対して成す、前記自動車の進行方向について手前方向側の角度である実角度が鈍角であることを表している場合に、走行中の道路の前方の前記物体が設置されている区間は上り坂であると判定し、前記検出角度が、前記実角度が鋭角であることを表している場合に、走行中の道路の前方の前記物体が設置されている区間は下り坂であると判定する勾配判定部とを備えたものである。
【0009】
ここで、このような道路勾配検出装置は、当該道路勾配検出装置に、前記画像上の各位置について、当該位置に前記自動車の前方が平坦である場合に投影される地点を通る鉛直方向のラインが、当該地点を通る前記自動車の前後方向のラインに対して成す、前記自動車の進行方向について手前方向側の角度に対応する、前記画像上の前記鉛直方向のラインの像が前記前後方向のラインの像に対して成す角度を、当該位置の参照値として定義する角度情報を予め記憶した記憶部を設け、前記勾配判定部において、前記垂直エッジが前記道路エッジに対して成す角が、前記垂直エッジと前記道路エッジの交点の位置の前記角度情報が定義する参照値より、所定レベル以上大きい場合に、走行中の道路の走行中の道路の前方の前記物体が設置されている区間は上り坂であると判定し、所定レベル以上小さい場合に走行中の道路の前方の前記物体が設置されている区間は下り坂であると判定するようにしてもよい。
【0010】
また、この場合には、前記勾配判定部において、前記垂直エッジが前記道路エッジに対して成す角と、前記垂直エッジと前記道路エッジの交点の位置の前記角度情報が定義する参照値との差分の大きさを走行中の道路の前方の前記物体が設置されている区間の勾配の大きさとして算出するようにしてもよい。
【0011】
以上のような道路勾配検出装置によれば、上り坂に鉛直に設置された物体は手前の路面に対して鈍角に傾き、下り坂に鉛直に設置された物体は手前の路面に対して鋭角に傾いていることを利用して、道路の前方区間の上り坂、下り坂を判定するので、道路の各地点の勾配が登録された地図データを必要とすることなしに、カメラで撮影した自動車前方の画像のみを用いて、自動車が走行中の道路の前方区間の上り坂、下り坂の勾配を検出することができる。
【0012】
ここで、本発明は、併せて、以上のような道路勾配検出装置と、前記道路勾配検出装置が上り坂であると判定した区間の開始地点に前記自動車が接近しているときに、前記自動車の前照灯の光軸の上下方向角度を、より上方の角度に変更する光軸制御部を備えた運転支援装置も提供する。
【0013】
また、本発明は、併せて、以上のような道路勾配検出装置と、前記道路勾配検出装置が上り坂であると判定した区間の開始地点に前記自動車が到達したときに、前記自動車の駆動力を増加する駆動力制御部を備えた運転支援装置も提供する。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、道路の各地点の勾配が登録された地図データを必要とすることなしに、自動車が走行中の道路の前方区間の勾配を検出することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1aに、本実施形態に係る運転支援装置1の構成を示す。
運転支援装置1は、自動車に搭載される装置であり、自動車の駆動系その他の各部の制御を行うECU2と、光軸の上下方向角度を調整可能に設けられている自動車の前照灯の光軸方向を変更する光軸方向変更アクチュエータ3とに接続している。
【0017】
そして、運転支援装置1は、
図1bに示すように自動車の前方を撮影するカメラ11、カメラ11が撮影した画像が格納される画像メモリ12、制御部13、記憶装置14を備えている。
【0018】
ただし、このような運転支援装置1は、CPUやメモリなどを備えたコンピュータを用いて構成してもよく、この場合、制御部13は、コンピュータが、所定のコンピュータプログラムを実行することにより実現されるものである。
【0019】
ここで、記憶装置14には予め垂直角度テーブルが記憶されている。
以下、この垂直角度テーブルの内容について説明する。
図2aに示すように、垂直角度テーブルは、カメラ11が撮影する画像上の各画素の座標を定める座標系Ix-Iy上の座標である画像空間座標(Ix、Iy)の各々に対して垂直対前後投影角度θを登録したものである。
【0020】
ここで、画像空間座標(Ix、Iy)に対して登録する垂直対前後投影角度θは、次のようにして求まる角度である。
すなわち、
図2bに示すように、XY平面を平坦な地面、Z方向を高さ方向として、XY平面の各XY座標にZ方向に延びる垂直物を立てて、XY平面上Y方向を前方向として配置した自動車のカメラ11で撮影を行った場合に得られる
図2cの画像を想定する。
【0021】
そして、このように想定した場合における、
図2cの画像中の垂直物の像の延伸方向と、垂直物の下端を通るXY平面上のY方向のラインの画像中の像の方向との角度θが、垂直物の下端の画像空間座標(Ixi、Iyj)に対して登録される垂直対前後投影角度θとなる。ただし、画像の左右方向中央より右側にある画像空間座標(Ixi、Iyj)に垂直対前後投影角度θとして登録する角度θは時計回りに測り、画像の左右方向中央より左側にある画像空間座標(Ixi、Iyj)に垂直対前後投影角度θとして登録する角度θは反時計回りに測る。
なお、実際には、各画像空間座標(Ixi、Iyj)に登録する角度θは、画像の各画素の画像空間座標(Ixi、Iyj)について、使用するカメラ11の実空間の画像への投影特性に従って計算により求めるようにしてよい。
【0022】
また、垂直角度テーブルに代えて、各画像空間座標(Ixi、Iyj)と、各画像空間座標(Ixi、Iyj)を通る垂直物の画像中の方向が、垂直物の下端を通るラインの方向に対して成す角度θ(垂直対前後投影角度θ)との関係を表す計算式を求め、記憶装置14に記憶しておくようにしてもよい。
【0023】
さて、
図1に戻り、制御部13は、このような垂直角度テーブルを用いて、走行中の道路の前方区間の勾配をカメラ11が撮影した画像に基づいて算出する。
以下、制御部13が走行中の道路の前方区間の勾配を算出するために行う道路勾配算出処理について説明する。
図3に、この道路勾配算出処理の手順を示す。
図示するように、制御部13は、自動車が直進中であるかどうかを、ECU2から自動車の舵角の情報取得して判定する(ステップ302)。
そして、自動車が直進中であれば(ステップ302)、画像メモリ12からカメラ11が撮影した最新の画像を取得し(ステップ304)、画像中に移り込んでいる、電柱やガードレール柱などの、ほぼ垂直な物体の像のエッジを垂直エッジVeとして抽出する(ステップ306)。
【0024】
そして、抽出した垂直エッジVeの各々について(ステップ308、328、330)、以下の処理を行う。
すなわち、まず、垂直エッジVeと、左右方向について同側にある、垂直エッジVeの下端付近を通る道路境界線や道路境界段差などの道路境界の像のエッジを道路エッジReとして抽出する(ステップ310)。ここで、垂直エッジVeと左右方向について同側にある道路境界の像とは、垂直エッジVeの下端が画像の左右方向中央より右側にあれば、画像の左右方向中央より右側にある道路境界の像を指し、垂直エッジVeの下端が画像の左右方向中央より左側にあれば、画像の左右方向中央より左側にある道路境界の像を指す。また、ここで、抽出する道路エッジReは、エッジを延長した場合に、垂直エッジVeの下端付近を通るものであればよい。また、抽出した垂直エッジVeと抽出した道路エッジReとが交わらない場合には、両者が交わるように各エッジを延長する。
【0025】
そして、垂直エッジVeの方向が道路エッジの方向に対して成す角度ANGを算出する(ステップ312)。ここで、角度ANGは、垂直エッジVeと道路エッジReの交点Pが画像の左右方向中央より右側にある場合には時計回りに、左側にある場合には反時計回りに測る。
【0026】
そして、垂直角度テーブルから、垂直エッジVeと道路エッジReの交点Pの画像空間座標(Ixi、Iyj)に対して登録されている垂直対前後投影角度θを取得する(ステップ314)。また、垂直エッジVeと道路エッジReの交点Pの画像空間座標(Ixi、Iyj)に対応する実空間のY座標Yd、すなわち、自動車前方が自動車に対して水平だと仮定して求めた垂直エッジVeの(垂直エッジVeを延長している場合には延長前の)下端の位置に写りこむ実空間上の地点までの前後方向距離を判定距離Ydに設定する(ステップ316)。
【0027】
そして、Mgnを予め固定的に定めたマージンとして、角度ANG>垂直対前後投影角度θ+ Mgnであれば(ステップ318)、前方に判定距離Yd進んだ走行中道路上の地点は上り坂であると判定すると共に、|角度ANG-垂直対前後投影角度θ|が大きいほど大きくなるように、前方に判定距離進んだ走行中道路上の地点の上り勾配の程度を判定し、判定距離Ydの地点勾配情報として上り坂である旨と上り勾配の程度を記憶装置14に保存する(ステップ324)。
【0028】
また、角度ANG<垂直対前後投影角度θ- Mgnであれば(ステップ320)、前方に判定距離Yd進んだ走行中道路上の地点は下り坂であると判定すると共に、|角度ANG-垂直対前後投影角度θ|が大きいほど大きくなるように、前方に判定距離進んだ走行中道路上の地点の下り勾配の程度を判定し、判定距離Ydの地点勾配情報として下り坂である旨と下り勾配の程度を記憶装置14に保存する(ステップ326)。
【0029】
また、垂直対前後投影角度θ- Mgn≦角度ANG≦垂直対前後投影角度θ+ Mgnであれば(ステップ318、320)、前方に判定距離Yd進んだ走行中道路上の地点は平坦路であると判定し、判定距離Ydの地点勾配情報として平坦である旨を記憶装置14に保存する(ステップ322)。
【0030】
そして、以上のようにして、抽出した垂直エッジVeの全てについて、ステップ308-326の処理が終了したならば(ステップ328)、ステップ302からの処理に戻る。
【0031】
以上、制御部13が走行中の道路の前方区間の勾配を算出するために行う道路勾配算出処理について説明した。
以下、このような道路勾配算出処理の処理例について説明する。
図4a1は、自動車が直進中であって、走行中の道路の前方が平坦である場合に自動車のカメラ11によって撮影された画像を表している。
道路勾配算出処理では、
図4a1に示した画像から、たとえば、
図4a2に示すように右側の電柱の像のエッジを垂直エッジVeとして抽出し、垂直エッジVeの下端付近を通る道路境界の段差の像のエッジを道路エッジReとして抽出する。
【0032】
走行中の道路の前方が平坦であるので、実世界において、垂直エッジVeを抽出した電柱は路面に対して垂直に起立している。また、自動車は直進中であるので、道路エッジReは自動車の前後方向に相当する画像中の方向に一致する。
【0033】
したがって、垂直エッジVeの道路エッジReに対する角度ANGは、垂直エッジVeと道路エッジReの交点Pの画像空間座標(Ixi、Iyj)に対して垂直テーブルに登録されている垂直対前後投影角度θnとほぼ一致する。したがって、垂直対前後投影角度θ- Mgn≦角度ANG≦垂直対前後投影角度θ+ Mgnとなり、道路勾配算出処理によって、垂直エッジVeを抽出した電柱が設置されている地点までの前後方向距離と同じ距離、自動車から前方に離れた地点において走行中道路は平坦であると判定される。
【0034】
次に、
図5a1は、自動車が直進中であって、走行中の道路の前方が上り坂である場合に自動車のカメラ11によって撮影された画像を表している。
道路勾配算出処理では、
図5a1に示した画像から、たとえば、
図5a2に示すように左側の電柱の像のエッジを垂直エッジVeとして抽出し、垂直エッジVeの下端付近を通る道路境界線の像のエッジを道路エッジReとして抽出する。
【0035】
走行中の道路の前方が上り坂であるので、
図5a3に示すように、実世界において、垂直エッジVeを抽出した電柱は路面に対して上り坂手前から見て鈍角に傾いている。また、自動車は直進中であるので、道路エッジReの方向は、上り坂走行中には自動車の前後方向に相当する画像中の方向に一致し、上り坂手前から上り坂を撮影した場合には自動車の前後方向に相当する画像中の方向よりも垂直に近い方向(垂直エッジVeの方向から離れる方向)となる。
【0036】
したがって、垂直エッジVeの道路エッジReに対する角度ANGは、垂直エッジVeと道路エッジReの交点Pの画像空間座標(Ixi、Iyj)に対して垂直テーブルに登録されている垂直対前後投影角度θnよりも大きくなり、角度ANG>垂直対前後投影角度θ+ Mgnとなり、道路勾配算出処理によって、垂直エッジVeを抽出した電柱が設置されている地点までの前後方向距離と同じ距離、自動車から前方に離れた地点において走行中道路は上り坂であると判定される。
【0037】
次に、
図5b1は、自動車が直進中であって、走行中の道路の前方が下り坂である場合に自動車のカメラ11によって撮影された画像を表している。
道路勾配算出処理では、
図5b1に示した画像から、たとえば、
図5b2に示すように右側の電柱の像のエッジを垂直エッジVeとして抽出し、垂直エッジVeの下端付近を通る道路境界の段差の像のエッジを道路エッジReとして抽出する。
【0038】
走行中の道路の前方が下り坂であるので、
図5b3に示すように、実世界において、垂直エッジVeを抽出した電柱は路面に対して下り坂手前から見て鋭角に傾いている。また、自動車は直進中であるので、道路エッジReの方向は、下り坂走行中には自動車の前後方向に相当する画像中の方向に一致し、下り坂手前から下り坂を撮影した場合には自動車の前後方向に相当する画像中の方向よりも水平に近い方向(垂直エッジVeの方向に近づく方向)となる。
【0039】
したがって、垂直エッジVeの道路エッジReに対する角度ANGは、垂直エッジVeと道路エッジReの交点Pの画像空間座標(Ixi、Iyj)に対して垂直テーブルに登録されている垂直対前後投影角度θnよりも小さくなり、角度ANG<垂直対前後投影角度θ- Mgnとなり、道路勾配算出処理によって、垂直エッジVeを抽出した電柱が設置されている地点までの前後方向距離と同じ距離、自動車から前方に離れた地点において走行中道路は下り坂であると判定される。
【0040】
以上、道路勾配算出処理の処理例について説明した。
以上のように道路勾配算出処理によれば、道路の各地点の勾配が登録された地図データを必要とすることなしに、カメラ11で撮影した自動車前方の画像のみを用いて、自動車が走行中の道路の前方区間の勾配を検出することができる。
【0041】
次に、以上のような道路勾配算出処理で算出され記憶装置14に保存された地点勾配情報を用いて制御部13が行う坂道運転支援処理について説明する。
図6に、この坂道運転支援処理の手順を示す。
図示するように、また、坂道運転支援処理では、自動車のECU2がオートクルーズ、すなわち、自動定速走行の制御を実行している期間中は(ステップ602)、自動車の上り坂の開始地点への到達(ステップ604)と、自動車の上り坂終了地点への到達(ステップ606)とを監視する。
【0042】
そして、上り坂の開始地点へ到達したならば(ステップ604)、ECU2に自動車の駆動力を所定量増加させる(ステップ608)。駆動力の増加は、アクセル開度を大きくしたり、アクセル開度を大きくすると共に変速機の変速比を大きくすること等により行う。
【0043】
一方、上り坂終了地点へ到達したならば(ステップ606)、ECU2に自動車の制動力を所定量増加させる(ステップ610)。駆動力の減少は、アクセル開度を小さくしたり、変速機の変速比を大きくしたり、ブレーキによる制動を加えることにより行う。
【0044】
ここで、以上のように、上り坂の開始地点へ到達した時点で、自動車の駆動力を所定量増加させることにより、上り坂に進んで車速が低下してからECU2のオートクルーズによって車速を定速まで増加させるのではなく、上り坂に進んで車速が低下すること自体を抑制することができる。また、これにより、いわゆるサグによる渋滞発の生を抑制することができるようになる。
【0045】
また、上り坂終了地点へ到達した時点で、自動車の制動力を所定量増加させることにより、上り坂から平坦路や下り坂に進んで車速が増加してからECU2のオートクルーズによって車速を定速まで減少させるのではなく、上り坂から平坦路や下り坂に進んで車速が増加すること自体を抑制することができる。
【0046】
また、坂道運転支援処理では、前照灯が点灯している期間中(ステップ612)には、自動車の前方の上り坂の開始地点への所定距離(たとえば、7m)以内への接近(ステップ614)、自動車の前方の下り坂開始地点への所定距離以内への接近(ステップ616)、上り坂開始点もしくは下り坂開始点の通過(ステップ618)を監視する。
【0047】
そして、上り坂の開始地点に所定距離以内に接近したならば(ステップ614)、光軸方向変更アクチュエータ3を制御して、前照灯の光軸の上下方向角度を標準角度よりも上方向の角度に変更する(ステップ620)。変更する角度は、所定の角度としてもよいし、前方の上り坂の上り勾配の程度に応じた角度としてもよい。
【0048】
また、下り坂の開始地点に所定距離以内に接近したならば(ステップ616)、光軸方向変更アクチュエータ3を制御して、前照灯の光軸の上下方向角度を標準角度よりも下方向の角度に変更する(ステップ622)。変更する角度は、所定の角度としてもよいし、前方の下り坂の下り勾配の程度に応じた角度としてもよい。
【0049】
そして、上り坂開始点もしくは下り坂開始点を通過したならば(ステップ626)、前照灯の光軸の上下方向角度を標準角度に復帰する(ステップ624)。
このように前照灯の光軸の上下方向角度を調整することにより、前方で開始する上り坂や下り坂を、より前方まで前照灯で照明することができるようになる。また、前方で開始する下り坂の対向車の運転者に与える眩光を抑制することができる。
【0050】
なお、以上の坂道運転支援処置において、制御部13は、上り坂開始点や、上り坂終了地点や、下り坂開始点や、上り坂の上り勾配の程度、下り坂の上り勾配の程度は、記憶装置14に保存されて各判定距離についての地点勾配情報から算出する。
【0051】
以上、本発明の実施形態について説明した。