【発明が解決しようとする課題】
【0004】
平底タイプのフライヤーは、加熱手段を構成する部材が油槽内に設けられていないため、油槽を清掃し易いので、フライヤーの清掃性に優れている。一方、調理油を加熱する加熱効率を向上するには、燃焼ガス通流室を広範囲に設けるには限度があるので、バーナの燃焼量を増大して、燃焼ガス通流室に通流させる燃焼ガス量を増大したり、燃焼ガス通流室内に燃焼ガスを蛇行状等に流動させる通流案内部材を設けて、燃焼ガスの通流経路を長くしたりする方法が想定されるが、いずれも、バーナが不完全燃焼になり易くなると共に、COガスが発生し易くなるため限界があるので、加熱効率を向上し難い。
浸管タイプのフライヤーは、複数の燃焼ガス通流管が油槽内の調理油に浸漬する状態で設けられているので、加熱効率に優れている。一方、フライヤーの清掃の際には、複数の燃焼ガス通流管が設けられた構造が複雑であり、又、油槽内の複数の燃焼ガス通流管が邪魔になるので、油槽を清掃し難い。
【0005】
又、平底タイプのフライヤー及び浸管タイプのフライヤー共に、バーナの高温の燃焼ガスを加熱媒体として燃焼ガス通流室や燃焼ガス通流管に通流させるので、熱疲労により、油槽、燃焼ガス通流室及び燃焼ガス通流管が劣化し易い。
そして、劣化により、万が一、油槽や燃焼ガス通流室や燃焼ガス通流管にクラックが入ると、燃焼ガスの温度は調理油の自然発火温度よりも高いため、油槽内の調理油が自然発火する虞がある。そこで、調理油の自然発火を防止するために、耐熱性に優れた高価な材料を用いて、油槽、燃焼ガス通流室及び燃焼ガス通流管を構成する必要があるので、フライヤーの価格が高くなるという問題があった。
【0006】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、清掃性及び加熱効率の向上並びに低廉化を図りながら、油槽内の調理油の自然発火を防止し得るフライヤーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るフライヤーは、調理油を収容する油槽と、その油槽内の調理油を加熱する加熱手段とが設けられたものであって、
第1特徴構成は、前記加熱手段が、過熱蒸気を生成する過熱蒸気生成装置と、その過熱蒸気生成装置にて生成された過熱蒸気を流動させる過熱蒸気通流部とを備えて構成され、
前記過熱蒸気通流部が、前記油槽の外側面を全周にわたって覆う状態で配置され、
前記過熱蒸気生成装置が、生成する過熱蒸気の温度を調整可能な蒸気温度調整部を備え、
前記蒸気温度調整部が、前記過熱蒸気の温度を前記油槽内の調理油の自然発火温度よりも低い温度に調整するように構成されている点にある。
【0008】
上記特徴構成によれば、蒸気温度調整部を備えた過熱蒸気生成装置により、調理油の自然発火温度よりも低い温度に温度が調整された過熱蒸気が生成され、そのように生成された過熱蒸気が、油槽の外側面を全周にわたって覆う状態で配置された過熱蒸気通流部に供給されて、その過熱蒸気通流部を流動することにより、油槽内の調理油が加熱される。
【0009】
つまり、過熱蒸気通流部を油槽の外側面を全周にわたって覆う状態で配置する構成であることから、例えば、油槽の外側面の全面にわたって配置する等、過熱蒸気通流部を、油槽の外側面に対して効果的に広範囲に配置することが可能であるので、油槽内の調理油を広範囲にわたって加熱することが可能となり、加熱効率を向上することができる。
又、加熱手段を構成する部材が油槽内に設けられることがないので、油槽を清掃し易く、フライヤーの清掃性を向上することができる。
【0010】
更に、加熱媒体として過熱蒸気通流部に供給される過熱蒸気の温度は、蒸気温度調整部により、調理油の自然発火温度よりも低い温度に調整されるので、従来のフライヤーで加熱媒体として用いられていたバーナの燃焼ガスの温度よりも低くなるため、油槽及び過熱蒸気通流部の熱疲労を効果的に抑制することができる。
そこで、加熱媒体として、調理油の自然発火温度よりも低い温度の過熱蒸気を用いることにより、加熱媒体としてバーナの燃焼ガスを用いる場合ほどには、油槽及び過熱蒸気通流部に高い耐熱性が要求されないので、熱疲労を効果的に抑制して、油槽及び過熱蒸気通流部にクラックが入るのを確実に防止しながら、油槽及び過熱蒸気通流部を熱伝導率が高くしかも比較的安価な材料を用いて構成することができる。
このことにより、フライヤーの低廉化を図ることができ、加熱効率も更に向上することができる。
従って、清掃性及び加熱効率の向上並びに低廉化を図りながら、油槽内の調理油の自然発火を防止し得るフライヤーを提供することができる。
【0011】
第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記過熱蒸気通流部が、前記油槽の外側面における上方側の部分を覆うように配置されて、前記油槽における底部側に、上方側の部分よりも調理油の温度が低いクールゾーンが形成される点にある。
【0012】
即ち、食材を油槽内に入れて揚げ調理を行う際に生じた油カスや食品カスは、油槽内の底部に集まる。
上記特徴構成によれば、油槽における底部側に、上方側の部分よりも調理油の温度が低いクールゾーンが形成されるので、油カスや食品カスが焦げ難い。
従って、調理油の劣化を低減しながら、揚げ調理を行うことができる。
【0013】
第3特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成に加えて、
前記過熱蒸気生成装置が、供給される水をバーナを熱源として加熱して飽和水蒸気を生成する蒸気発生器と、その蒸気発生器から供給される飽和水蒸気を電気式加熱部を熱源として加熱して過熱蒸気を生成する過熱蒸気生成器とを備えて構成され、
前記蒸気温度調整部が、前記電気式加熱部に供給する電力を調整することにより、前記過熱蒸気の温度を調整するように構成されている点にある。
【0014】
上記特徴構成によれば、蒸気発生器において、供給される水がバーナを熱源として加熱されて、飽和水蒸気が生成され、その飽和水蒸気が過熱蒸気生成器に供給されて、過熱蒸気生成器において、電気式加熱部を熱源として加熱されて、過熱蒸気が生成される。
そして、蒸気温度調整部により、電気式加熱部に供給する電力が調整されることにより、過熱蒸気の温度が調整される。
つまり、過熱蒸気生成器において過熱蒸気を生成するための熱源として、電気式加熱部を用いることにより、生成する過熱蒸気の温度を、調理油の自然発火温度よりも低い所定の温度に精度よく調整することができるようになる。このことにより、油槽内の調理油を、食材を揚げ調理するための所定の目標温度に精度良く加熱することができる。
従って、揚げ調理の調理品質を一層向上することができる。
【0015】
第4特徴構成は、上記第1〜第3特徴構成のいずれか1つに加えて、
前記過熱蒸気通流部から排出された排蒸気と前記過熱蒸気生成装置に供給される過熱蒸気生成用の水とを熱交換させて、その過熱蒸気生成用の水を予熱する予熱器が設けられている点にある。
【0016】
上記特徴構成によれば、予熱器により、過熱蒸気通流部から排出された排蒸気と過熱蒸気生成装置に供給される過熱蒸気生成用の水とが熱交換されて、過熱蒸気生成装置に供給される過熱蒸気生成用の水が予熱される。
つまり、過熱蒸気通流部から排出される排蒸気によって廃棄される熱の一部を回収して、過熱蒸気生成用の水を予熱することができるので、加熱効率を更に向上することができる。