特許第6246054号(P6246054)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6246054
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】フライヤー
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/12 20060101AFI20171204BHJP
【FI】
   A47J37/12 321
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-87438(P2014-87438)
(22)【出願日】2014年4月21日
(65)【公開番号】特開2015-205038(P2015-205038A)
(43)【公開日】2015年11月19日
【審査請求日】2016年12月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】西 教安
【審査官】 土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−034963(JP,A)
【文献】 特開平02−121612(JP,A)
【文献】 特開2004−089791(JP,A)
【文献】 特開2001−169929(JP,A)
【文献】 特開平10−155666(JP,A)
【文献】 特開2004−008255(JP,A)
【文献】 特開平04−327813(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0111072(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理油を収容する油槽と、その油槽内の調理油を加熱する加熱手段とが設けられたフライヤーであって、
前記加熱手段が、過熱蒸気を生成する過熱蒸気生成装置と、その過熱蒸気生成装置にて生成された過熱蒸気を流動させる過熱蒸気通流部とを備えて構成され、
前記過熱蒸気通流部が、前記油槽の外側面を全周にわたって覆う状態で配置され、
前記過熱蒸気生成装置が、生成する過熱蒸気の温度を調整可能な蒸気温度調整部を備え、
前記蒸気温度調整部が、前記過熱蒸気の温度を前記油槽内の調理油の自然発火温度よりも低い温度に調整するように構成されているフライヤー。
【請求項2】
前記過熱蒸気通流部が、前記油槽の外側面における上方側の部分を覆うように配置されて、前記油槽における底部側に、上方側の部分よりも調理油の温度が低いクールゾーンが形成される請求項1に記載のフライヤー。
【請求項3】
前記過熱蒸気生成装置が、供給される水をバーナを熱源として加熱して飽和水蒸気を生成する蒸気発生器と、その蒸気発生器から供給される飽和水蒸気を電気式加熱部を熱源として加熱して過熱蒸気を生成する過熱蒸気生成器とを備えて構成され、
前記蒸気温度調整部が、前記電気式加熱部に供給する電力を調整することにより、前記過熱蒸気の温度を調整するように構成されている請求項1又は2に記載のフライヤー。
【請求項4】
前記過熱蒸気通流部から排出された排蒸気と前記過熱蒸気生成装置に供給される過熱蒸気生成用の水とを熱交換させて、その過熱蒸気生成用の水を予熱する予熱器が設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載のフライヤー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理油を収容する油槽と、その油槽内の調理油を加熱する加熱手段とが設けられたフライヤーに関する。
【背景技術】
【0002】
かかるフライヤーは、加熱手段により油槽内の調理油を加熱する状態で、揚げ調理対象の食材を油槽内に入れて、食材を揚げ調理するものである。
このようなフライヤーにおいて、従来、バーナの燃焼ガスを通流させる燃焼ガス通流室を油槽の底部の外面を覆う状態で設けて、この燃焼ガス通流室を備えて加熱手段を構成したもの(以下、平底タイプと称する場合がある)があった(例えば、特許文献1参照。)。
又、バーナの燃焼ガスを通流させる複数の燃焼ガス通流管を油槽内の調理油に浸漬する状態で設けて、これら複数の燃焼ガス通流管を備えて加熱手段を構成したもの(以下、浸管タイプと称する場合がある)もあった(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−34963号公報
【特許文献2】特開2003−275105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
平底タイプのフライヤーは、加熱手段を構成する部材が油槽内に設けられていないため、油槽を清掃し易いので、フライヤーの清掃性に優れている。一方、調理油を加熱する加熱効率を向上するには、燃焼ガス通流室を広範囲に設けるには限度があるので、バーナの燃焼量を増大して、燃焼ガス通流室に通流させる燃焼ガス量を増大したり、燃焼ガス通流室内に燃焼ガスを蛇行状等に流動させる通流案内部材を設けて、燃焼ガスの通流経路を長くしたりする方法が想定されるが、いずれも、バーナが不完全燃焼になり易くなると共に、COガスが発生し易くなるため限界があるので、加熱効率を向上し難い。
浸管タイプのフライヤーは、複数の燃焼ガス通流管が油槽内の調理油に浸漬する状態で設けられているので、加熱効率に優れている。一方、フライヤーの清掃の際には、複数の燃焼ガス通流管が設けられた構造が複雑であり、又、油槽内の複数の燃焼ガス通流管が邪魔になるので、油槽を清掃し難い。
【0005】
又、平底タイプのフライヤー及び浸管タイプのフライヤー共に、バーナの高温の燃焼ガスを加熱媒体として燃焼ガス通流室や燃焼ガス通流管に通流させるので、熱疲労により、油槽、燃焼ガス通流室及び燃焼ガス通流管が劣化し易い。
そして、劣化により、万が一、油槽や燃焼ガス通流室や燃焼ガス通流管にクラックが入ると、燃焼ガスの温度は調理油の自然発火温度よりも高いため、油槽内の調理油が自然発火する虞がある。そこで、調理油の自然発火を防止するために、耐熱性に優れた高価な材料を用いて、油槽、燃焼ガス通流室及び燃焼ガス通流管を構成する必要があるので、フライヤーの価格が高くなるという問題があった。
【0006】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、清掃性及び加熱効率の向上並びに低廉化を図りながら、油槽内の調理油の自然発火を防止し得るフライヤーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るフライヤーは、調理油を収容する油槽と、その油槽内の調理油を加熱する加熱手段とが設けられたものであって、
第1特徴構成は、前記加熱手段が、過熱蒸気を生成する過熱蒸気生成装置と、その過熱蒸気生成装置にて生成された過熱蒸気を流動させる過熱蒸気通流部とを備えて構成され、
前記過熱蒸気通流部が、前記油槽の外側面を全周にわたって覆う状態で配置され、
前記過熱蒸気生成装置が、生成する過熱蒸気の温度を調整可能な蒸気温度調整部を備え、
前記蒸気温度調整部が、前記過熱蒸気の温度を前記油槽内の調理油の自然発火温度よりも低い温度に調整するように構成されている点にある。
【0008】
上記特徴構成によれば、蒸気温度調整部を備えた過熱蒸気生成装置により、調理油の自然発火温度よりも低い温度に温度が調整された過熱蒸気が生成され、そのように生成された過熱蒸気が、油槽の外側面を全周にわたって覆う状態で配置された過熱蒸気通流部に供給されて、その過熱蒸気通流部を流動することにより、油槽内の調理油が加熱される。
【0009】
つまり、過熱蒸気通流部を油槽の外側面を全周にわたって覆う状態で配置する構成であることから、例えば、油槽の外側面の全面にわたって配置する等、過熱蒸気通流部を、油槽の外側面に対して効果的に広範囲に配置することが可能であるので、油槽内の調理油を広範囲にわたって加熱することが可能となり、加熱効率を向上することができる。
又、加熱手段を構成する部材が油槽内に設けられることがないので、油槽を清掃し易く、フライヤーの清掃性を向上することができる。
【0010】
更に、加熱媒体として過熱蒸気通流部に供給される過熱蒸気の温度は、蒸気温度調整部により、調理油の自然発火温度よりも低い温度に調整されるので、従来のフライヤーで加熱媒体として用いられていたバーナの燃焼ガスの温度よりも低くなるため、油槽及び過熱蒸気通流部の熱疲労を効果的に抑制することができる。
そこで、加熱媒体として、調理油の自然発火温度よりも低い温度の過熱蒸気を用いることにより、加熱媒体としてバーナの燃焼ガスを用いる場合ほどには、油槽及び過熱蒸気通流部に高い耐熱性が要求されないので、熱疲労を効果的に抑制して、油槽及び過熱蒸気通流部にクラックが入るのを確実に防止しながら、油槽及び過熱蒸気通流部を熱伝導率が高くしかも比較的安価な材料を用いて構成することができる。
このことにより、フライヤーの低廉化を図ることができ、加熱効率も更に向上することができる。
従って、清掃性及び加熱効率の向上並びに低廉化を図りながら、油槽内の調理油の自然発火を防止し得るフライヤーを提供することができる。
【0011】
第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記過熱蒸気通流部が、前記油槽の外側面における上方側の部分を覆うように配置されて、前記油槽における底部側に、上方側の部分よりも調理油の温度が低いクールゾーンが形成される点にある。
【0012】
即ち、食材を油槽内に入れて揚げ調理を行う際に生じた油カスや食品カスは、油槽内の底部に集まる。
上記特徴構成によれば、油槽における底部側に、上方側の部分よりも調理油の温度が低いクールゾーンが形成されるので、油カスや食品カスが焦げ難い。
従って、調理油の劣化を低減しながら、揚げ調理を行うことができる。
【0013】
第3特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成に加えて、
前記過熱蒸気生成装置が、供給される水をバーナを熱源として加熱して飽和水蒸気を生成する蒸気発生器と、その蒸気発生器から供給される飽和水蒸気を電気式加熱部を熱源として加熱して過熱蒸気を生成する過熱蒸気生成器とを備えて構成され、
前記蒸気温度調整部が、前記電気式加熱部に供給する電力を調整することにより、前記過熱蒸気の温度を調整するように構成されている点にある。
【0014】
上記特徴構成によれば、蒸気発生器において、供給される水がバーナを熱源として加熱されて、飽和水蒸気が生成され、その飽和水蒸気が過熱蒸気生成器に供給されて、過熱蒸気生成器において、電気式加熱部を熱源として加熱されて、過熱蒸気が生成される。
そして、蒸気温度調整部により、電気式加熱部に供給する電力が調整されることにより、過熱蒸気の温度が調整される。
つまり、過熱蒸気生成器において過熱蒸気を生成するための熱源として、電気式加熱部を用いることにより、生成する過熱蒸気の温度を、調理油の自然発火温度よりも低い所定の温度に精度よく調整することができるようになる。このことにより、油槽内の調理油を、食材を揚げ調理するための所定の目標温度に精度良く加熱することができる。
従って、揚げ調理の調理品質を一層向上することができる。
【0015】
第4特徴構成は、上記第1〜第3特徴構成のいずれか1つに加えて、
前記過熱蒸気通流部から排出された排蒸気と前記過熱蒸気生成装置に供給される過熱蒸気生成用の水とを熱交換させて、その過熱蒸気生成用の水を予熱する予熱器が設けられている点にある。
【0016】
上記特徴構成によれば、予熱器により、過熱蒸気通流部から排出された排蒸気と過熱蒸気生成装置に供給される過熱蒸気生成用の水とが熱交換されて、過熱蒸気生成装置に供給される過熱蒸気生成用の水が予熱される。
つまり、過熱蒸気通流部から排出される排蒸気によって廃棄される熱の一部を回収して、過熱蒸気生成用の水を予熱することができるので、加熱効率を更に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】フライヤーの全体概略構成を示す図
図2】フライヤーの過熱蒸気生成装置及び制御構成を示すブロック図
図3】フライヤーの要部の縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
図1に示すように、フライヤーは、調理油Lを収容する油槽1、その油槽1内の調理油Lを加熱する加熱手段H、フライヤーの運転を制御する制御部2、その制御部2に各種制御情報を指令する操作部3、及び、フライヤーの作動状態等、各種情報を表示する表示部4(例えば、液晶ディスプレイ)等を備えて構成されている。図示を省略するが、操作部3には、フライヤーの起動及び停止を指令する運転スイッチ、油槽1内の調理油Lを加熱する目標温度である加熱目標温度を設定する温度設定部等が備えられている。
【0019】
図1及び図3に示すように、油槽1は、平面視が正方形状で、上部が略全体にわたって開口した容器状に形成され、この油槽1が、フライヤーの外装を形成する外装ケーシング5の上部開口部の縁部に吊り下げ支持された状態で、その外装ケーシング5に組み付けられている。
又、油槽1は、上方側の上方部分1uが、横断形状が正方形状で且つ横断面積が一定な四角筒状に形成され、底部側の底部部分1bが、横断形状が正方形状で且つ横断面積が下方ほど狭くなる截頭四角錐形状の器状に形成されて、全体として下窄まり状に構成されている。
そして、その油槽1の底部に、調理油Lを排出する管状の排油口6が設けられ、その排油口6には、その排油口6を開閉自在な排油コック7が設けられている。
【0020】
外装ケーシング5の上部の後端部には、上方に立ち上がる立ち上がり部5sが設けられ、その立ち上がり部5sに、前述の操作部3及び表示部4が装備された操作盤8が設けられている。
【0021】
図1及び図2に示すように、本発明では、加熱手段Hが、過熱蒸気Vaを生成する過熱蒸気生成装置Sと、その過熱蒸気生成装置Sにて生成された過熱蒸気Vaを流動させる過熱蒸気通流部Rとを備えて構成され、過熱蒸気通流部Rが、油槽1の外側面1sを全周にわたって覆う状態で配置されている。
又、過熱蒸気生成装置Sが、生成する過熱蒸気Vaの温度を調整可能な蒸気温度調整部Cを備え、その蒸気温度調整部Cが、過熱蒸気Vaの温度を油槽1内の調理油Lの自然発火温度よりも低い温度に調整するように構成されている。
【0022】
次に、過熱蒸気生成装置Sについて、説明を加える。
図1及び図3に示すように、過熱蒸気通流部Rは、油槽1の上方部分1uの外側面1sを全周にわたって覆う状態で配置されている。具体的には、上方部分1uの外側面1sを形成する側壁部分1wの全周にわたって、樋状の通流部形成部材9が、その開口縁部を側壁部分1wの外側面1sに当て付けた状態でその側壁部分1wに気密状に取り付けられている。そして、それら上方部分1uの側壁部分1wと通流部形成部材9とにより、過熱蒸気通流部Rが、油槽1の上方部分1uの外側面1sを全周にわたって覆う四角枠状に構成される。
【0023】
詳細は後述するが、過熱蒸気通流部Rに過熱蒸気Vaが供給されることにより、油槽1の上方部分1u内の調理油Lが集中的に加熱されることになり、上方部分1u内に、揚げ調理対象の食材(図示省略)の揚げ調理を行う揚げ調理ゾーンZfが形成され、油槽1の底部部分1b内に、調理油Lの温度が上方部分1u内に形成される揚げ調理ゾーンZfよりも低いクールゾーンZcが形成される。
つまり、過熱蒸気通流部Rが、油槽1の外側面1sにおける上方側の部分を覆うように配置されて、油槽1における底部側に、上方部分1uよりも調理油Lの温度が低いクールゾーンZcが形成されることになる。
そして、図2及び図3に示すように、油槽1における揚げ調理ゾーンZfの調理油Lの温度を検出する調理油温度センサ10が設けられている。
【0024】
図1及び図2に示すように、過熱蒸気生成装置Sが、給水路18を通して供給される水Wをガスバーナ31を熱源として加熱して飽和水蒸気Vbを生成する蒸気発生器30と、その蒸気発生器30から飽和水蒸気路11を通して供給される飽和水蒸気Vbを電気ヒータ41(電気式加熱部の一例)を熱源として加熱して過熱蒸気Vaを生成する過熱蒸気生成器40とを備えて構成されている。
【0025】
蒸気発生器30は、図2に詳細を示すように、両端が閉塞された円筒状の炉筒32内に、ガスバーナ31の燃焼ガスEを通流させる複数の円筒状の煙管33を、夫々の軸芯を炉筒32の軸心に沿わせた姿勢で環状に並べて配設して構成される。
炉筒32は、軸心を水平方向に沿わせた姿勢で配置され、その炉筒32の一端部には、複数の煙管33夫々の一端が連通する供給ヘッダ34が設けられ、炉筒32の他端部には、複数の煙管33夫々の他端が連通する排出ヘッダ35が設けられている。
ガスバーナ31は、燃焼ガスEを供給ヘッダ34に供給するように設けられている。
【0026】
ガスバーナ31には、ガス燃料(例えば、13A等の天然ガスベースの都市ガス)を供給する燃料供給路12、及び、空気ブロア13により燃焼用空気を供給する空気供給路14が接続されている。燃料供給路12には、ガスバーナ31へのガス燃料の供給を断続する燃料断続弁15、及び、ガス燃料の供給量を調整する燃料供給量調整弁16が設けられている。
又、炉筒32の底部には、給水ポンプ17により水Wを供給する給水路18が接続され、炉筒32の上部には、炉筒32内で生成された飽和水蒸気Vbを送出する飽和水蒸気路11が接続されている。
【0027】
つまり、ガスバーナ31が燃焼してその燃焼ガスEが複数の煙管33を通流することにより、炉筒32内の水Wが加熱されて飽和水蒸気Vbが生成され、その飽和水蒸気Vbが飽和水蒸気路11を通して過熱蒸気生成器40に供給されることになる。
【0028】
過熱蒸気生成器40は、図2に詳細を示すように、両端が閉塞された容器42内に、U字状の電気ヒータ41を容器42の一端部に支持させた状態で配設して構成され、更に、電気ヒータ41を駆動するヒータ駆動部43も備えている。
容器42の一端側の上部には、一端が蒸気発生器30の炉筒32に接続された飽和水蒸気路11の他端が接続されている。
つまり、飽和水蒸気路11を通して飽和水蒸気Vbが蒸気発生器30から容器42内に供給され、その容器42内で飽和水蒸気Vbが電気ヒータ41により加熱されることにより、過熱蒸気Vaが生成される。又、ヒータ駆動部43により電気ヒータ41に通電される電力が調整されて、電気ヒータ41の加熱温度が調整されることにより、過熱蒸気生成器40にて生成される過熱蒸気Vaの温度が調整される。
【0029】
図1及び図2に示すように、容器42における飽和水蒸気路11が接続された側とは反対側の端部の上部には、容器42内で生成された過熱蒸気Vaを送出する過熱蒸気路20の一端が接続され、図3にも示すように、この過熱蒸気路20の他端は、過熱蒸気通流部Rに接続され、更に、過熱蒸気通流部Rには、その過熱蒸気通流部Rから排蒸気Vcを排出させる排蒸気路21が接続されている。
図2に示すように、過熱蒸気路20における容器42側の部分には、内部を通流する過熱蒸気Vaの温度を検出する過熱蒸気温度センサ22が設けられている。
又、過熱蒸気通流部Rから排出されて排蒸気路21を通流する排蒸気Vcと給水路18を通流する過熱蒸気生成用の水Wとを熱交換させて、その過熱蒸気生成用の水Wを予熱する予熱器23が設けられている。
【0030】
次に、制御部2の制御動作について、説明する。
制御部2は、調理油温度センサ10にて検出される調理油Lの温度が操作部3の温度設定部にて設定された加熱目標温度になるように、ガスバーナ31へのガス燃料の供給量を調整すべく、燃料供給量調整弁16を制御すると共に、ガスバーナ31への燃焼用空気の供給量を燃料供給量調整弁16により調整されるガス燃料の供給量に応じて調整すべく、空気ブロア13を制御する。
又、制御部2は、炉筒32内の水Wの水位を検出する水位センサ(図示省略)の検出水位が予め設定された設定水位になるように、炉筒32への水Wの供給量を調整すべく、給水ポンプ17を制御する。
ちなみに、設定水位は、全ての煙管33が浸漬される状態で、炉筒32内の上部に気相部が形成される所定の水位に設定される。
【0031】
制御部2は、過熱蒸気温度センサ22にて検出される過熱蒸気Vaの温度が調理油Lの自然発火温度よりも低い温度に設定された生成目標温度になるように、ヒータ駆動部43へ通電する電力を調整するように構成されている。ちなみに、調理油Lの自然発火温度が350℃程度の場合、生成目標温度は、例えば、250℃に設定される。
つまり、制御部2及びヒータ駆動部43により、蒸気温度調整部Cが構成されることになる。
【0032】
次に、上述のように構成されたフライヤーの作動形態について、説明する。
給水路18を通して蒸気発生器30の炉筒32に供給されて炉筒32内に貯留される水Wが、炉筒32内で複数の煙管33により加熱されて、飽和水蒸気Vbが生成され、その飽和水蒸気Vbが飽和水蒸気路11を通して、過熱蒸気生成器40の容器42内に供給され、その容器42内で飽和水蒸気Vbが電気ヒータ41により加熱されることにより、温度が調理油Lの自然発火温度よりも低い生成目標温度に調整された過熱蒸気Vaが生成される。
【0033】
そのように生成された過熱蒸気Vaが容器42から過熱蒸気路20を通して過熱蒸気通流部Rに供給されて、過熱蒸気通流部Rを通流することにより、油槽1における上方部分1u内の揚げ調理ゾーンZfの調理油Lが集中的に加熱され、油槽1における底部部分1b内に、揚げ調理ゾーンZfよりも調理油Lの温度が低いクールゾーンZcが形成される。
この際、ガスバーナ31の燃焼量が調整されて、過熱蒸気通流部Rに供給される過熱蒸気Vaの供給量が調整されることにより、油槽1における揚げ調理ゾーンZf内の調理油Lの温度が加熱目標温度に調整される。
【0034】
過熱蒸気通流部Rを通流する過熱蒸気Vaは、調理油Lを加熱することにより温度が低下し、排蒸気Vcとして排蒸気路21を通して排出される。
そして、予熱器23において、排蒸気路21を通流する排蒸気Vcにより給水路18を通流する水Wが加熱されることにより、蒸気発生器30に供給される過熱蒸気生成用の水Wが予熱される。
【0035】
即ち、過熱蒸気通流部Rを油槽1の外側面1sを全周にわたって覆う状態で配置する構成とすることにより、油槽1の外側面1sに対して、過熱蒸気通流部Rを効果的に広範囲に配置することができるので、油槽1内の調理油Lを広範囲にわたって加熱することが可能となり、加熱効率を向上することができる。
又、過熱蒸気通流部Rに供給される過熱蒸気Vaの温度が、油槽1内の調理油Lの自然発火温度よりも低くなるように調整されるので、油槽1及び過熱蒸気通流部Rの熱疲労を効果的に抑制することができる。このことにより、熱疲労を効果的に抑制して、油槽1及び過熱蒸気通流部Rにクラックが入るのを確実に防止しながら、油槽1及び過熱蒸気通流部Rを熱伝導率が高くしかも安価な材料を用いて構成することができる。
従って、フライヤーの清掃性及び加熱効率の向上並びに低廉化を図りながら、油槽1内の調理油Lの自然発火を防止することができる。
【0036】
又、油カスや食品カスは、油槽1内の底部に集まるが、油槽1内の底部側に、上方側の揚げ調理ゾーンZfよりも調理油Lの温度が低いクールゾーンZcが形成されるので、油カスや食品カスが焦げ難く、調理油Lの劣化を低減できる。
【0037】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 油槽1の外側面1sを全周にわたって覆う状態で配置する過熱蒸気通流部Rの配置形態は、上記の実施形態において例示した形態、即ち、油槽1の上方部分1uの外側面1sを全周にわたって覆う配置形態に限定されるものではない。例えば、油槽1の外側面1sの全面を覆う配置形態でも良い。又、過熱蒸気通流部Rとして、油槽1の外側面1sを全周にわたって覆う状態の部分に加えて、油槽1の底部の外面を覆う状態の部分を追加しても良い。
【0038】
(ロ) 過熱蒸気生成装置Sを蒸気発生器30と過熱蒸気生成器40とを備えて構成する場合に、蒸気発生器30の熱源や過熱蒸気生成器40の熱源は、上記の実施形態において例示した熱源に限定されるものではない。例えば、蒸気発生器30の熱源として、上記の実施形態のガスバーナ31に代えて、電気ヒータ等の電気式加熱部を用いても良い。又、過熱蒸気生成器40の熱源として、上記の実施形態の電気ヒータ41に代えて、ガスバーナ等のバーナを用いても良い。
又、上記の実施形態では、蒸気発生器30と過熱蒸気生成器40とを別体に構成したが、一体的に構成しても良い。
【0039】
(ハ) 過熱蒸気通流部R内に、過熱蒸気Vaを蛇行状等に通流させる通流案内部材を設けて、過熱蒸気通流部R内における過熱蒸気Vaの通流経路を長くしても良い。このことにより、加熱効率を更に向上させることができる。
【0040】
(ニ) 油槽1の形状は、上記の実施形態において例示した形状、即ち、平面視形状が正方向で下窄まり状に限定されるものではない。例えば、平面視形状が長方形状や円状でも良い。そして、過熱蒸気通流部Rは、油槽1の形状に合わせて、油槽1の外周面のうち、少なくとも外側面1sを全周にわたって覆う状態で配置することになる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
以上説明したように、清掃性及び加熱効率の向上並びに低廉化を図りながら、油槽内の調理油の自然発火を防止し得るフライヤーを提供することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 油槽
1s 外側面
23 予熱器
30 蒸気発生器
31 ガスバーナ(バーナ)
40 過熱蒸気生成器
41 電気ヒータ(電気式加熱部)
C 蒸気温度調整部
H 加熱手段
L 調理油
R 過熱蒸気通流部
S 過熱蒸気生成装置
Va 過熱蒸気
Vb 飽和水蒸気
Vc 排蒸気
W 水
Zc クールゾーン
図1
図2
図3