(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1によれば、携帯端末が、ユーザの顔画像を取得し、取得したユーザの顔画像から特徴量を抽出し、抽出した特徴量をレコメンドサーバに送信し、レコメンドサーバは、携帯端末から特徴量を受信し、少なくとも複数の特徴量を格納し、受信した特徴量と格納された特徴量とのマッチング処理を行い、マッチング結果に基づいて、アプリケーション等のレコメンドを行って、レコメンド結果を携帯端末に送信する。そして、携帯端末が、レコメンドサーバからレコメンド結果を受信し、受信したレコメンド結果を表示する構成が開示されている。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、顔という属人的な情報に基づいた推薦しか行えないため、場所を初めとする環境の情報に基づくレコメンドを行う事ができないという問題が残っていた。
【0008】
本発明は、これらの要請を鑑み、携帯端末の無線通信に用いたIDからユーザの現在位置を特定した後、その位置に関連したコンテンツをユーザに提供し、かつ当該コンテンツの位置情報とユーザの現在位置に応じてコンテンツをパネルとして表示させることで、ユーザの位置情報に応じたコンテンツを提供できる携帯端末、位置情報関連コンテンツ提供サーバ、コンテンツパネル表示方法、携帯端末用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0010】
第1の特徴に係る発明は、位置情報関連コンテンツ提供サーバと通信可能に接続された携帯端末であって、
無線通信、又は近距離無線通信の少なくともいずれかを行う無線通信手段と、
前記無線通信に用いた相手方端末の
無線IDを取得する無線ID取得手段と、
前記取得した無線ID、又は無線IDから取得した位置情報の少なくともいずれかを前記位置情報関連コンテンツ提供サーバに送信する無線ID送信手段と、
前記位置情報関連コンテンツ提供サーバから、前記送信した無線IDにより特定される位置情報と関連したコンテンツ
へのリンクを受信するコンテンツ受信手段と、
前記位置情報関連コンテンツ提供サーバから、自身の前記コンテンツへの接触履歴に応じて当該コンテンツ内容を変化させた変化後コンテンツへのリンクを受信する変化後コンテンツ受信手段と、
前記コンテンツへのリンク
又は変化後コンテンツへのリンクを画面上にパネルとして表示するコンテンツパネル化手段と、
を備える事を特徴とする携帯端末を提供する。
【0011】
第1の特徴に係る発明によれば、位置情報関連コンテンツ提供サーバと通信可能に接続された携帯端末は、無線通信、又は近距離無線通信の少なくともいずれかを行い、前記無線通信に用いた相手方端末の
無線IDを取得し、前記取得した無線ID、又は無線IDから取得した位置情報の少なくともいずれかを前記位置情報関連コンテンツ提供サーバに送信し、前記位置情報関連コンテンツ提供サーバから、前記送信した無線IDにより特定される位置情報と関連したコンテンツ
へのリンクを受信し、
前記位置情報関連コンテンツ提供サーバから、自身の前記コンテンツへの接触履歴に応じて当該コンテンツ内容を変化させた変化後コンテンツへのリンクを受信し、前記コンテンツへのリンク
又は変化後コンテンツへのリンクを画面上にパネルとして表示する。
【0012】
ここで、第1の特徴に係る発明は携帯端末のカテゴリであるが、コンテンツパネル表示方法、携帯端末用プログラムのカテゴリにおいても、同様の作用・効果を発揮する。
【0013】
第2の特徴に係る発明は、前記無線ID取得手段において、近傍の携帯電波基地局の基地局IDを取得し、
前記無線ID送信手段において、前記取得した基地局IDを前記位置情報関連コンテンツ提供サーバに送信することを特徴とする第1の特徴に係る発明である携帯端末を提供する。
【0014】
第2の特徴に係る発明によれば、第1の特徴に係る発明である携帯端末は、前記無線ID取得手段において、近傍の携帯電波基地局の基地局IDを取得し、前記無線ID送信手段において、前記取得した基地局IDを前記位置情報関連コンテンツ提供サーバに送信する。
【0015】
第3の特徴に係る発明は、前記携帯端末の向いている方角を取得する方角取得手段と、
前記携帯端末の位置情報、及び前記方角と、前記取得したコンテンツの位置情報から、端末とコンテンツの位置関係を割り出す位置関係計算手段と、
前記位置関係に含まれる距離が
近い程、前記パネルの画面上の表示領域を広くするパネルサイズ決定手段と、
前記位置関係に含まれる方向と、画面上の基準点からのパネルの方向とを一致させるパネル位置決定手段と、
を備えることを特徴とする第1又は第2の特徴に係る発明である携帯端末を提供する。
【0016】
第3の特徴に係る発明によれば、第1又は第2の特徴に係る発明である携帯端末は、前記携帯端末の向いている方角を取得し、前記携帯端末の位置情報、及び前記方角と、前記取得したコンテンツの位置情報から、端末とコンテンツの位置関係を割り出し、前記位置関係に含まれる距離が
近い程、前記パネルの画面上の表示領域を広くし、前記位置関係に含まれる方向と、画面上の基準点からのパネルの方向とを一致させる。
【0017】
第4の特徴に係る発明は、前記パネル上に、当該パネルからリンクされている前記コンテンツまでの距離及び方角を表示することを特徴とする第3の特徴に係る発明である携帯端末を提供する。
【0018】
第4の特徴に係る発明によれば、第3の特徴に係る発明である携帯端末は、前記パネル上に、当該パネルからリンクされている前記コンテンツまでの距離及び方角を表示する。
第5の特徴に係る発明は、前記コンテンツへの接触後、当該コンテンツ毎に定められた所定の条件を満たした場合に、接触後メッセージを前記
位置情報関連コンテンツ提供サーバから受信するメッセージ受信手段と、
を備えることを特徴とする第1の特徴に係る発明である携帯端末を提供する。
第5の特徴に係る発明によれば、第1の特徴に係る発明である携帯端末は、前記コンテンツへの接触後、当該コンテンツ毎に定められた所定の条件を満たした場合に、接触後メッセージを前記
位置情報関連コンテンツ提供サーバから受信する。
【0019】
第
6の特徴に係る発明は、位置情報関連コンテンツ提供サーバと通信可能に接続された携帯端末が実行するコンテンツパネル表示方法であって、
無線通信、又は近距離無線通信の少なくともいずれかを行うステップと、
前記無線通信に用いた相手方端末の
無線IDを取得するステップと、
前記取得した無線ID、又は無線IDから取得した位置情報の少なくともいずれかを前記位置情報関連コンテンツ提供サーバに送信するステップと、
前記位置情報関連コンテンツ提供サーバから、前記送信した無線IDにより特定される位置情報と関連したコンテンツ
へのリンクを受信するステップと、
前記位置情報関連コンテンツ提供サーバから、自身の前記コンテンツへの接触履歴に応じて当該コンテンツ内容を変化させた変化後コンテンツへのリンクを受信するステップと、
前記コンテンツへのリンク
又は変化後コンテンツへのリンクを画面上にパネルとして表示するステップと、
を備える事を特徴とするコンテンツパネル表示方法を提供する。
【0020】
第
7の特徴に係る発明は、位置情報関連コンテンツ提供サーバと通信可能に接続された携帯端末に、
無線通信、又は近距離無線通信の少なくともいずれかを行うステップ、
前記無線通信に用いた相手方端末の
無線IDを取得するステップ、
前記取得した無線ID、又は無線IDから取得した位置情報の少なくともいずれかを前記位置情報関連コンテンツ提供サーバに送信するステップ、
前記位置情報関連コンテンツ提供サーバから、前記送信した無線IDにより特定される位置情報と関連したコンテンツ
へのリンクを受信するステップ、
前記位置情報関連コンテンツ提供サーバから、自身の前記コンテンツへの接触履歴に応じて当該コンテンツ内容を変化させた変化後コンテンツへのリンクを受信するステップ、
前記コンテンツへのリンク
又は変化後コンテンツへのリンクを画面上にパネルとして表示するステップ、
を実行させる事を特徴とする携帯端末用プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、携帯端末の無線通信に用いたIDからユーザの現在位置を特定した後、その位置に関連したコンテンツをユーザに提供し、かつ当該コンテンツの位置情報とユーザの現在位置に応じてコンテンツをパネルとして表示させることで、ユーザの位置情報に応じたコンテンツを提供できる携帯端末、位置情報関連コンテンツ提供サーバ、コンテンツパネル表示方法、携帯端末用プログラムを提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0024】
[位置情報関連コンテンツ提供システム1の概要]
図1は、本発明の好適な実施形態である位置情報関連コンテンツ提供システム1の概要を説明するための図である。位置情報関連コンテンツ提供システム1は、携帯端末10及び、位置情報関連コンテンツ提供サーバ200から構成される。
【0025】
位置情報関連コンテンツ提供システム1において、はじめに携帯端末10は、無線通信を開始するため、アクセスポイント20との接続を行う(ステップS01)。同時に、携帯端末10は無線通信を行うアクセスポイント20のIDとして、IPアドレスやSSIDを取得する。
【0026】
ここで、無線通信は無線LANへの接続に限られず、携帯電話通信網や、Bluetooth、iBeacon、NFCを介した通信であってよい。ここで、通信先の端末についてIDを取得することで、予め登録したデータベースや、無線通信IDによる位置特定サービスを用いて、無線IDから位置情報を取得することが可能である。
【0027】
なお、携帯端末10は、無線IDによる位置情報の推定のみならず、GPS通信を利用して位置情報を取得してよい(ステップS02)。GPS通信による位置情報の特定は、無線通信が利用できない場所でも利用可能であって、近距離無線通信には劣るものの、十分な精度があると言える。
【0028】
次に携帯端末10は、位置情報に関連するコンテンツを位置情報関連コンテンツ提供サーバ200から取得するため、受信した無線ID、無線IDから取得した位置情報、又はGPS等から取得した位置情報の少なくともいずれかを、位置情報関連コンテンツ提供サーバ200に送信する(ステップS03)。
【0029】
無線ID又は位置情報を受信した位置情報関連コンテンツ提供サーバ200は、受信した無線IDと関連付けられたコンテンツ、又は受信した位置情報から所定の範囲内にあるコンテンツを、位置情報関連コンテンツデータベース250から抽出する(ステップS04)。
【0030】
次に位置情報関連コンテンツ提供サーバ200は、抽出したコンテンツを位置情報とともに携帯端末10に送信する(ステップS05)。なお、抽出されたコンテンツがウェブ上にあるリソースの場合、リンクとアイコン等の送付でよい。また、コンテンツは、アプリ等の予め携帯端末内にあるリソースへのリンクであってもよい。
【0031】
コンテンツを受信した携帯端末10は、当該コンテンツをパネルとして画面上に表示する(ステップS06)。パネルとは、携帯端末10の画面表示部の所定領域に表示されるウィンドウである。このとき、各パネルの大きさは、携帯端末10の位置情報とコンテンツの位置情報の近さに応じて、近いほど大きく表示される。また、各パネルの位置は、携帯端末10の位置情報とコンテンツの位置情報に加え、携帯端末10が向いている方角に応じて、画面中央を基準に、実際の位置に該当する方向に配置される。さらに、パネルの形もコンテンツに応じて変化し、四角形以外の形、すなわち、丸型、楕円形等であってもよい。
【0032】
その後、携帯端末10が移動し、また何らかの無線通信を行うことで、携帯端末10がコンテンツへ接触したことを検知してよい。例えば、映画館のクーポンを使ったり、NFCによって店にチェックインしたりといった行動で、コンテンツへの接触を検知できる。携帯端末10は、接触を検知した時、その情報を位置情報関連コンテンツ提供サーバ200に送信してもよい。また、コンテンツを広告とみなして、接触履歴から広告効果を算出することも可能である。
【0033】
以上により、ユーザが何らかのURLを入力することなく、アクセスポイント20との接続を行うだけで、ユーザの現在位置に関するコンテンツを提供可能になる。位置情報関連コンテンツ提供システム1の概要である。
【0034】
[位置情報関連コンテンツ提供システム1のシステム構成]
図2は、本発明の好適な実施形態である位置情報関連コンテンツ提供システム1のシステム構成図である。位置情報関連コンテンツ提供システム1は、携帯端末10、位置情報関連コンテンツ提供サーバ200、及び、公衆回線網3(インターネット網や第3世代、第4世代通信網など)から構成される。
【0035】
携帯端末10は、後述の機能を備え、データ通信を行うことが可能であり、携帯して移動しながら利用される家庭用又は業務用の電化製品である。携帯端末10は、例えば、携帯電話、携帯情報端末に加え、スマートフォン、タブレット端末、ネットブック端末、スレート端末、電子書籍端末、携帯型音楽プレーヤ等の情報家電であってよい。
【0036】
位置情報関連コンテンツ提供サーバ200は、後述の機能を備え、携帯端末10が接続した無線通信端末のIDや位置情報に応じたコンテンツを提供するサーバである。
【0037】
[各機能の説明]
図3に基づいて、各装置の構成について説明する。
【0038】
携帯端末10は、制御部11として、CPU(Central Processing Unit),RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部12として、他の機器と通信可能にするためのデバイス、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi(Wireless Fidelity)対応デバイスを備える。
【0039】
また、携帯端末10は、入出力部13として、制御部で制御したデータや画像を出力表示する表示部を備え、かつ、ユーザやサポート者からの入力を受付けるタッチパネルやキーボード、マウス等を備えていてよい。
【0040】
携帯端末10において、制御部11が所定のプログラムを読み込むことで、通信部12と協働して、無線通信モジュール14、無線ID取得モジュール15、位置情報取得モジュール16、無線ID送信モジュール17、コンテンツ受信モジュール18、方角取得モジュール19、位置関係計算モジュール20、コンテンツ接触検知モジュール21を実現する。また、携帯端末10において、制御部11が所定のプログラムを読み込むことで、入出力部13と協働して、コンテンツパネル化モジュール22、パネルサイズ決定モジュール23、パネル位置決定モジュール24を実現する。
【0041】
位置情報関連コンテンツ提供サーバ200は、携帯端末10と同様に、制御部201として、CPU,RAM,ROM等を備え、通信部202として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi対応デバイス又は、有線ケーブルによる接続可能とするデバイス等の、他の電化製品、及び無線アクセスポイントとのデータ通信を実現するデバイスを備える。また、位置情報関連コンテンツ提供サーバ200は、データやファイルを記憶する記憶部203として、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部を備える。記憶部203には、位置情報関連コンテンツデータベース250、コンテンツ接触履歴データベース251が含まれる。
【0042】
位置情報関連コンテンツ提供サーバ200において、制御部201が所定のプログラムを読み込むことで、通信部202と協働して、無線ID受信モジュール204、位置情報特定モジュール205、コンテンツ送信モジュール206、接触検知受信モジュール207、接触後メッセージ送信モジュール208を実現する。また、位置情報関連コンテンツ提供サーバ200において、制御部201が所定のプログラムを読み込むことで、記憶部203と協働して、コンテンツ抽出モジュール209、接触履歴記憶モジュール210を実現する。
【0043】
[位置情報関連コンテンツ提供処理]
図4は、携帯端末10、位置情報関連コンテンツ提供サーバ200が実行する位置情報関連コンテンツ提供処理のフローチャートである。上述した各装置のモジュールが行う処理について、本処理にて併せて説明する。
【0044】
はじめに、携帯端末10の無線通信モジュール14は、無線通信を開始する(ステップS11)。ここで、無線通信は無線LANへの接続に限られず、携帯電話通信網や、Bluetooth、iBeacon、NFCを介した通信であってよい
【0045】
次に、携帯端末10の無線ID取得モジュール15は、携帯端末10が通信している相手方端末のIDを取得する(ステップS12)。ここで、IDはその種類に制限はなく、携帯端末10が接続している無線通信を特定するために必要な情報を広く指す。例えば、無線LANの場合、IDとしてIPアドレスやSSIDを利用してよい。携帯電話通信網の場合は、近傍の基地局IDをIDとして利用可能である。Bluetooth、iBeacon、NFCを介した通信においては、通信相手の端末や機器に設定されているIDを取得してそれを用いる。
【0046】
次に、携帯端末10の無線ID送信モジュール17は、取得した無線通信のIDを位置情報関連コンテンツ提供サーバ200に送信する(ステップS13)。なお、携帯端末10がこの時点で位置情報取得モジュール16により位置情報を取得可能である場合、直接位置情報を送信してもよい。
【0047】
次に、位置情報関連コンテンツ提供サーバ200の無線ID受信モジュール204は、無線IDを受信する(ステップS14)。そして、受信した無線IDを元に、携帯端末10の位置情報を特定する(ステップS15)。ここでは、予め登録したデータベースや、無線通信IDによる位置特定サービスを用いて、無線IDから位置情報を特定可能である。また、必ずしも緯度経度といったいわゆる位置情報に変換する必要はなく、後述のコンテンツ抽出の際に利用可能な形になっていれば、無線IDのままであってもよい。
【0048】
次に、位置情報関連コンテンツ提供サーバ200のコンテンツ抽出モジュール209は、特定した位置情報に基づいて、所定の範囲内にあるコンテンツを位置情報関連コンテンツデータベース250から抽出する(ステップS16)。ここで、コンテンツは一つに限られず、所定の範囲内の全てのコンテンツを抽出してよい。また、予め抽出する数が決まっている時には、後述の重みや位置情報の距離が近い順に、所定の数まで抽出を行ってよい。
【0049】
図9は、位置情報関連コンテンツデータベース250内の位置情報関連コンテンツテーブルの一例である。位置情報関連コンテンツテーブルにおいて、位置情報と、無線IDとしてアクセスポイントのIPアドレスと、コンテンツ名と、コンテンツのURLと、優先度としてコンテンツの重みとが関連付けられて記憶されている。ここで、無線I
DとしてIPアドレスを受信した場合、緯度経度に変換せずとも、アクセスポイント関連コンテンツテーブルによりIPアドレスを位置情報として扱うことが可能である。
【0050】
続けて、コンテンツ抽出モジュール209は、コンテンツ接触履歴データベース251を参照し、携帯端末が抽出コンテンツに対し
て接触していた場合、その接触履歴に応じてコンテンツ内容を変化させてよい(ステップS17)。例えば、初回限定クーポンの内容を二回目以降の内容に置き換えたり、ウェルカムメッセージを「再度のご訪問をお待ちしております」と書き換えたりしてよい。これらは、所定のルールによって実現されてもよいし、コンテンツごとに個別に接触回数に応じた変化が規定されていてもよい。
【0051】
次に、位置情報関連コンテンツ提供サーバ200のコンテンツ送信モジュール206は、抽出したコンテンツを、コンテンツが関連付けられている位置情報とともに、携帯端末10に送信する(ステップS18)。携帯端末10のコンテンツ受信モジュール18は、これを受信する(ステップS19)。
【0052】
次に、携帯端末10は、受信したコンテンツをパネルとして画面に表示するコンテンツパネル表示処理を実行する(ステップS20)。
【0053】
[コンテンツパネル表示処理]
図5は、携帯端末10が実行するコンテンツパネル表示処理のフローチャートである。上述した各装置のモジュールが行う処理について、本処理にて併せて説明する。
【0054】
はじめに、携帯端末10の位置情報取得モジュール16は、現在位置を取得する(ステップS31)。ここで、現在位置の取得は、前述のような無線IDによって行ってもよいし、GPS等の位置情報取得専用のサービスを利用して行っても良い。
【0055】
次に、携帯端末の方角取得モジュール19は、携帯端末が現在向いている方角を取得する(ステップS32)。主として電子コンパスにより実装されることが多いが、取得の方法はこれに限られない。
【0056】
次に、携帯端末10は、位置情報関連コンテンツ提供サーバ200から受信した全てのコンテンツについて、以下の処理を繰り返し行う(ステップS33)。
【0057】
はじめに、携帯端末10の位置関係計算モジュール20は、携帯端末10からコンテンツの位置までの距離と方角を計算する(ステップS34)。これは、位置情報同士の距離の算出と、携帯端末10の方角に基づくコンテンツの方角の算出の二ステップにより行われる。
【0058】
次に、携帯端末10のパネルサイズ決定モジュール23は、距離に応じたコンテンツのパネルサイズを決定する(ステップS35)。ここで、各コンテンツはパネルとして、四角形を初めとする多角形のアイコン画像として携帯端末10の画面に表示される。そこで、コンテンツまでの距離が近いほど、携帯端末10の画面上で大きく表示する。
【0059】
次に、携帯端末10のパネル位置決定モジュール24は、方角に応じたコンテンツの位置を決定する(ステップS36)。具体的には、携帯端末10の向きと方角で、ユーザの位置から見たコンテンツの方向を特定できる。そこで、画面中央を中心にして、実際のコンテンツの向きに該当する場所に、そのコンテンツのパネルを表示する。中心は画面中央に限られず、任意の場所であってもよい。
【0060】
最後に、携帯端末10のコンテンツパネル化モジュール22は、決定したパネルサイズと位置に従って、コンテンツをパネル画像として画面に表示する(ステップS37)。以上のステップS32以降の処理を、全てのコンテンツについて繰り返す(ステップS38)。なお、画面上のスペースがなくなった時点で、処理を終了してもよい。
【0061】
そのほか、実際に描画するタイミングまで、具体的なサイズ自体を決定するのではなく、距離の比率のみを算出し、あるいは距離順に並べた時の画面レイアウトが予め決まっている等して、描画自体は全て一斉に行っても良い。
【0062】
図6は、コンテンツをパネルとして表示した携帯端末10の表示画面の一例である。パネル61やパネル62のように、表示されているコンテンツへの位置の近さによってパネルの配置や大きさが変化してよい。すなわち、パネル63は、「XXコーヒー」が西に位置するため、パネルを携帯端末10の表示部の左側(携帯端末10の上方が北を向いていると仮定。携帯端末10の上方が南を向けば、表示部の右側に表示)に表示している。すなわち、パネルに表示するコンテンツの物理的な位置情報(コンテンツに予め対応付けられている住所などの位置情報)に応じて、表示されるパネルの場所を変化させる。さらに、コンパス画像64によって方角が、ラベル65によって具体的な距離が示されている。そのほか、パネル66のように、携帯端末10自体のアプリを特定のパラメータ付きで起動させるようなリンクになっていてもよい。
【0063】
図7は、方角を変えた後のコンテンツをパネルとして表示した携帯端末10の表示画面の一例である。パネル71、パネル72のように、所定の距離よりも近かったり、あるいは優先度が所定の値よりも高かったりする場合は、携帯端末10の方角に関わらず、重要なデータとして画面上部に表示して良い。一方で、パネル73は向きの変化により、表示位置が変化したことが分かる。同時に、コンパス画像74が示す向きや、ラベル75に書かれる方角も変化している。なお、位置情報が何らかの理由で利用できないときは、コンテンツの優先度等に従って、レイアウトを決定してもよい。
【0064】
ここで、上述したように、複数のパネルが表示画面に同時に表示されるときに、パネル同士の相対的な位置は、そのパネルが表示するコンテンツの内容に応じて、相対的な位置が決定されてもよい。
【0065】
以上が、コンテンツパネル表示処理の処理手順である。位置情報関連コンテンツ提供処理に戻り、携帯端末10のコンテンツ接触検知モジュール21は、コンテンツから所定の範囲に携帯端末10があると判断した場合、コンテンツへの物理的接触としてこれを検知する(ステップS21)。
【0066】
物理的接触の検知としては、例えば、単純にコンテンツと関連付けて設置されたタグとNFC通信を行った場合や、コンテンツとして配信されたクーポンが利用されたことによって、コンテンツから所定の範囲に携帯端末10があると判断し、物理的接触を検知してよい。
【0067】
ここで、コンテンツ接触検知モジュール21は、検知した接触を、接触したコンテンツと、携帯端末10自体の識別子とともに位置情報関連コンテンツ提供サーバ200に送信してよい(ステップS22)。
【0068】
位置情報関連コンテンツ提供サーバ200の接触検知受信モジュール207が、接触があったこととその詳細情報を受信すると、接触履歴記憶モジュール210が、コンテンツ接触履歴データベース251にこれを記憶させる(ステップS23)。
【0069】
図10は、コンテンツ接触履歴データベース251内の接触履歴テーブルの一例である。接触履歴テーブルにおいて、位置情報と、コンテンツ名と、接触を行った携帯端末のIDと、接触を行った時刻が記憶されている。ここではコンテンツ名と位置の組み合わせによってコンテンツを特定しているが、各コンテンツが識別子を持っている場合、識別子で管理してよい。これらの接触履歴は、前述のコンテンツ内容の変化に役立てられるほか、コンテンツを広告と見立てた場合、広告効果の測定やユーザ属性の抽出に利用可能である。
【0070】
なお、接触検知を受信した位置情報関連コンテンツ提供サーバ200の接触後メッセージ送信モジュール208は、接触後、コンテンツごとに定められた所定の条件を満たした際、接触後メッセージを送信することがある(ステップS24)。ここで、接触後メッセージを受信した携帯端末10は、これを表示する(ステップS25)。
【0071】
例えば、所定のコンテンツに接触した後、そこから所定の距離離れた場合に、来訪に関するアンケートを送付することが可能である。また、より詳細には、コンテンツたるクーポンの利用によって映画を見たとき、その上映時間経過後に、視聴した映画に関するメッセージを送信することが可能である。
【0072】
図8は、接触後メッセージを表示する携帯端末10の画面の一例である。
図8において、メッセージ81には、特定したコンテンツの名称が入る。また、感想の投稿を促すメッセージ82の下部に、感想を入力するテキストボックス83が設置され、投稿ボタン84を押し下げることで規定のホームページやソーシャルメディアに感想が投稿される。これにより、コンテンツに接触したユーザに対象を絞ってソーシャルメディアを利用した情報の拡散を効率的に図ることが可能となる。
【0073】
以上が、携帯端末10、及び位置情報関連コンテンツ提供サーバ200が実行する位置情報関連コンテンツ提供処理の処理手順である。
【0074】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU,情報処理装置,各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(CD−ROMなど)、DVD(DVD−ROM、DVD−RAMなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し記憶して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0075】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0076】
その他の実施例として、例えば、位置情報関連コンテンツ提供サーバと通信可能に接続された携帯端末であって、
公衆通信網に接続するために無線アクセスポイントと通信を行うアクセスポイント通信手段と、
前記携帯端末が通信する無線アクセスポイント又は当該無線アクセスポイントが接続されたルータのIPアドレスを取得するIPアドレス取得手段と、
前記取得したIPアドレスを前記位置情報関連コンテンツ提供サーバに送信するIPアドレス送信手段と、
前記位置情報関連コンテンツ提供サーバから、前記送信したIPアドレス又は当該IPアドレスにより特定される位置情報と関連したコンテンツのURLを受信するURL受信手段と、
前記受信したURLにより特定されるコンテンツを取得するコンテンツ取得手段と、
を備える事を特徴とする携帯端末を提供することが可能である。
【0077】
また、その他の実施例として、例えば、リクエスト元のIPアドレスとコンテンツのURLとが関連付けて記憶された位置情報関連コンテンツデータベースを記憶部に備え、携帯端末と通信可能に接続された位置情報関連コンテンツ提供サーバであって、
前記携帯端末から、当該携帯端末が接続している無線アクセスポイント又はルータのIPアドレスを受信するリクエスト元IPアドレス受信手段と、
前記受信したIPアドレスと関連付けて記憶されたコンテンツのURLを前記位置情報関連コンテンツデータベースから抽出する関連コンテンツ抽出手段と、
前記抽出されたURLを前記携帯端末に提供する位置情報関連コンテンツ提供手段と、
を備えることを特徴とする位置情報関連コンテンツ提供サーバを提供することが可能である。
【0078】
また、その他の実施例として、例えば、リクエスト元の位置情報とコンテンツのURLとが関連付けて記憶された位置関連コンテンツデータベースを記憶部に備え、
前記受信したIPアドレスから、前記携帯端末の位置を特定する位置情報特定手段と、
前記特定した位置情報を基準に、前記位置関連コンテンツデータベースから、所定の範囲内にある位置情報に関連付けられたURLを抽出する近傍コンテンツ抽出手段と、
を備え、前記抽出されたURLを前記携帯端末に提供することを特徴とする前項に記載の位置情報関連コンテンツ提供サーバを提供することが可能である。
【0079】
また、その他の実施例として、例えば、位置情報関連コンテンツ提供サーバと通信可能に接続された携帯端末が実行する位置情報関連コンテンツ取得方法であって、
前記携帯端末が公衆通信網に接続するために利用している無線アクセスポイント又はルータのIPアドレスを取得するステップと、
前記取得したIPアドレスを前記位置情報関連コンテンツ提供サーバに送信するステップと、
前記位置情報関連コンテンツ提供サーバから、前記送信したIPアドレス又は当該IPアドレスにより特定される位置情報と関連したコンテンツのURLを受信するステップと、
前記受信したURLにより特定されるコンテンツを取得するステップと、
を備えることを特徴とする位置情報関連コンテンツ取得方法を提供することが可能である。
【0080】
また、その他の実施例として、例えば、位置情報関連コンテンツ提供サーバと通信可能に接続された携帯端末に、
前記携帯端末が公衆通信網に接続するために利用している無線アクセスポイント又はルータのIPアドレスを取得するステップ、
前記取得したIPアドレスを前記位置情報関連コンテンツ提供サーバに送信するステップ、
前記位置情報関連コンテンツ提供サーバから、前記送信したIPアドレス又は当該IPアドレスにより特定される位置情報と関連したコンテンツのURLを受信するステップ、
前記受信したURLにより特定されるコンテンツを取得するステップ、
を実行させることを特徴とする携帯端末用プログラムを提供することが可能である。