【文献】
間邊 哲也,位置特定社会基盤のシステム創成学論的考察,電子情報通信学会技術研究報告 Vol.114 No.74,日本,一般社団法人電子情報通信学会 The Institute of Electronics,Information and Communication Engineers,2014年 5月31日,第114巻,pp.41-46
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記決定したメッセージを送信するタイミングが、一回であるか複数回であるか、また、複数回である場合、同一のメッセージを複数回送信するか、異なるメッセージを優先度の高いメッセージから順に送信するか、を設定可能である、請求項1に記載のメッセージ送信サーバ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1によれば、携帯端末が、ユーザの顔画像を取得し、取得したユーザの顔画像から特徴量を抽出し、抽出した特徴量をレコメンドサーバに送信し、レコメンドサーバは、携帯端末から特徴量を受信し、少なくとも複数の特徴量を格納し、受信した特徴量と格納された特徴量とのマッチング処理を行い、マッチング結果に基づいて、アプリケーション等のレコメンドを行って、レコメンド結果を携帯端末に送信する。そして、携帯端末が、レコメンドサーバからレコメンド結果を受信し、受信したレコメンド結果を表示する構成が開示されている。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、顔という属人的な情報に基づいた推薦しか行えないため、場所を初めとする環境の情報に基づくコンテンツ提供ができないという課題が残っていた。
【0008】
一方、現在のスマートフォン等の携帯端末では、無線方式としてWi−FiやLTEのみならず、NFC(Near Field Communication)と呼ばれる近距離無線方式、例えば、省電力ブルートゥース、iBeacon等の利用されるようになってきている。これらの無線方式は、ユーザの近距離での位置特定が可能となる特徴があるため、例えば、ウィンドウ・ショッピングが可能な店舗にこれらの端末を配置することで、どの商品をユーザが長時間、視認していたかを把握することが可能となる。したがって、このような近距離無線方式を利用したユーザへの新しいコンテンツ提供を行うことが可能であることが望ましい。
【0009】
本発明は、これらの要請に鑑み、携帯端末の無線通信に用いたIDからユーザが移動したルートを決定し、そのルートに関連したメッセージを適切なタイミングでユーザに提供することが可能なメッセージ送信サーバ、メッセージ送信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0011】
第1の特徴に係る発明は、携帯端末と通信可能に接続されたメッセージ送信サーバであって、
前記携帯端末が受信した無線IDと、前記無線IDを使用していたと推測される時間データを受信する無線ID受信手段と、
前記無線IDと
位置情報が予め対応付けられた位置情報テーブルを参照し、前記受信した無線IDに対応する位置情報と前記受信した時間データをもとに、前記携帯端末が移動したルートを決定するルート決定手段と、
前記決定されたルート及び、前記時間データに基づいて、前記携帯端末に送信するメッセージを決定するメッセージ決定手段と、
決定された前記メッセージが決済依頼データを含み、当該携帯端末から決済データを受信する決済データ受信手段と、
受信した前記決済データに基づいて、決済を実行又は他のサーバに決済の実行を依頼する決済実行手段と、
を備えるメッセージ送信サーバを提供する。
【0012】
第1の特徴に係る発明によれば、携帯端末と通信可能に接続されたメッセージ送信サーバが、携帯端末が受信した無線IDと、無線IDを使用していた時間データを受信し、無線IDと
位置情報が予め対応付けられた位置情報テーブルを参照し、前記受信した無線IDに対応する位置情報と前記受信した時間データをもとに、携帯端末が移動したルートを決定し、決定されたルート及び、時間データに基づいて、携帯端末に送信するメッセージを決定し、決定された前記メッセージは決済依頼データを含み、当該携帯端末から決済データを受信し、受信した前記決済データに基づいて、決済を実行又は他のサーバに決済の実行を依頼する。
【0013】
ここで、第1の特徴に係る発明はサーバのカテゴリであるが、方法等の他のカテゴリにおいても、そのカテゴリに応じた同様の作用・効果を発揮する。
【0014】
第2の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であって、
前記決定したメッセージを送信するタイミングが、一回であるか複数回であるか、また、複数回である場合、同一のメッセージを複数回送信するか、異なるメッセージを優先度の高いメッセージから順に送信するか、を設定可能であるメッセージ送信サーバを提供する。
【0015】
第2の特徴に係る発明によれば、第1の特徴に係る発明である携帯端末は、
前記決定したメッセージを送信するタイミングが、一回であるか複数回であるか、また、複数回である場合、同一のメッセージを複数回送信するか、異なるメッセージを優先度の高いメッセージから順に送信するか、を設定可能である。
【0016】
第3の特徴に係る発明は、第1又は第2の特徴に係る発明であって、当該携帯端末を操作するユーザの属性データを参照する参照手段と、
前記メッセージ送信手段は、参照した前記属性データに基づいてメッセージを変更するメッセージ送信サーバを提供する。
【0017】
第4の特徴に係る発明は、第1乃至第3の特徴に係る発明であって、当該携帯端末にインストールされたアプリケーションの操作履歴を参照する参照手段と、
前記メッセージ決定手段は、参照した前記アプリケーションの操作履歴に基づいてメッセージを決定するメッセージ送信サーバを提供する。
【0018】
第5の特徴に係る発明は、第1乃至第4の特徴に係る発明であって、前記メッセージを送信すべき位置の指定を地図上で受付ける送信範囲受信手段と、
前記ルート決定手段により、決定された前記ルートが、予め地図上で指定された範囲に該当するか否かを判断する指定範囲判断手段と、
前記メッセージ決定手段は、前記ルートが予め地図上で指定された範囲に該当した場合に、指定された位置に送信する予め対応付けられたメッセージを決定し、受付けた前記メッセージを送信すると決定するメッセージ送信サーバを提供する。
【0019】
第6の特徴に係る発明は、携帯端末と通信可能に接続されたメッセージ送信サーバが実行する方法であって、
前記携帯端末が受信した無線IDと、前記無線IDを使用していたと推測される時間データを受信するステップと、
前記無線IDと
位置情報が予め対応付けられた位置情報テーブルを参照し、前記受信した無線IDに対応する位置情報と前記受信した時間データをもとに、前記携帯端末が移動したルートを決定するステップと、
前記決定されたルート及び、前記時間データに基づいて、前記携帯端末に送信するメッセージを決定するステップと、
決定された前記メッセージが決済依頼データを含み、当該携帯端末から決済データを受信するステップと、
受信した前記決済データに基づいて、決済を実行又は他のサーバに決済の実行を依頼するステップと、
を備える方法を提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、携帯端末の無線通信に用いたIDからユーザが移動したルートを決定し、そのルートに関連したメッセージを適切なタイミングでユーザに提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0023】
[メッセージ送信システム1のシステム構成]
図1は、本発明の好適な実施形態であるメッセージ送信システム1のシステム構成図である。メッセージ送信システム1は、携帯端末10a、b(以下、単に10とする)、メッセージ送信サーバ200、及び、指示端末20、これらの機器を接続する公衆回線網3(インターネット網や第3世代、第4世代通信網など)から構成される。
【0024】
携帯端末10は、後述の機能を備え、データ通信を行うことが可能であり、携帯して移動しながら利用される家庭用又は業務用の電化製品である。携帯端末10は、例えば、携帯電話、携帯情報端末に加え、スマートフォン、タブレット端末、ネットブック端末、スレート端末、電子書籍端末、携帯型音楽プレーヤ等の情報家電であってよい。
【0025】
メッセージ送信サーバ200は、後述の機能を備えるサーバであって、携帯端末10が接続した無線通信端末のIDや位置情報に応じたメッセージを送信するサーバである。指示端末20は、メッセージ送信サーバ200に入出力を行うことで、メッセージ送信サーバ200を管理する端末である。
【0026】
[各機能の説明]
図2に基づいて、各装置の構成について説明する。
【0027】
携帯端末10は、制御部11として、CPU(Central Processing Unit),RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部12として、他の機器と通信可能にするためのデバイス、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi(Wireless Fidelity)対応デバイスを備える。さらに、GPS(Global Positioning System)が実現可能なインターフェースを備えていてもよい。
【0028】
さらに、携帯端末10は、近距離無線通信規格である、Bluetooth(登録商標)が実現可能なハードウェア及びソフトウェアのインターフェースを備える。本インターフェースは、クラス毎の電波出力に応じて、無線の到達距離が異なる。本インターフェースは、「TAGCAST」や「iBeacon」などのビーコンと通信可能なインターフェースであることが望ましい。さらに、携帯端末10は、NFC(Near Field Communication)を利用可能なハードウェア及びソフトウェアを備えることが望ましい。すなわち、すなわち、FelicaやMIFARE等の非接触ICカード、WirelessUSB等の無線通信規格、サービスを利用可能なハードウェア及びソフトウェアを備えることが望ましい。
【0029】
これらの無線通信は、それぞれ固有の無線IDに基づいて通信を行う。無線IDは、例えば、Wi-Fiであれば、アクセスポイントのグローバルIPアドレスやSSIDの文字列であってよい。携帯電話通信網の場合は、近傍の基地局IDをIDとして利用可能である。Bluetooth、iBeacon、NFCを介した通信においては、通信相手の端末や機器に設定されているIDを取得してそれを用いる。
【0030】
また、携帯端末10は、入出力部14として、制御部で制御したデータや画像を出力表示する表示部を備え、入出力部14は、メッセージ送信サーバ200から受信したメッセージを表示し、表示したメッセージに対する応答をユーザから入力として受付ける。
【0031】
携帯端末10において、制御部11が、所定のプログラムを読み込むことで、通信部12と協働して、無線ID取得・送信モジュール15、応答送信モジュール16を実現する。また、携帯端末10において、制御部11が所定のプログラムを読み込むことで、入出力部14と協働して、メッセージ出力モジュール17を実現する。
【0032】
携帯端末10において読み込まれるプログラムは、携帯端末10にインストールされるアプリケーション・プログラムであってよい。アプリケーション・プログラムは、インストール時に、携帯端末10を操作するユーザのユーザ情報を登録する機能を有してよい。すなわち、携帯端末10は、メッセージ送信サーバ200から送信されるメッセージを受信するためのメールアドレスやショートメッセージアドレス、電話番号、端末ID、アプリケーションと関係付けられたID等を、適宜、ユーザからの入力を受付け、メッセージ送信サーバ200に送信し、登録する。
【0033】
メッセージ送信サーバ200は、携帯端末10と同様に、制御部201として、CPU,RAM,ROM等を備え、通信部202として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi対応デバイス又は、有線ケーブルによる接続可能とするデバイス等の、他のコンピュータとのデータ通信を実現するデバイスを備える。また、メッセージ送信サーバ200は、データやファイル、データベーステーブルを記憶する記憶部203として、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部を備える。
【0034】
メッセージ送信サーバ200において、制御部201が所定のプログラムを読み込むことで、通信部202と協働して、無線ID受信モジュール204、決済データ受信モジュール205、メッセージ送信モジュール206を実現する。また、メッセージ送信サーバ200において、制御部201が所定のプログラムを読み込むことで、記憶部203と協働して、ルート決定モジュール207、メッセージ決定モジュール208、決済実行モジュール209、参照モジュール210、指定範囲判断モジュール211を実現する。
【0035】
指示端末20も同様に、制御部21、通信部22及び、指示端末20を操作する管理者から入力を受付け、画像やデータを表示する入出力部(図示せず)を備える。指示端末20の制御部21は、通信部22と協働して、指定範囲送信モジュール25を実現する。
【0036】
[メッセージ送信処理]
図3は、携帯端末10、メッセージ送信サーバ200が実行するメッセージ送信処理のフローチャートである。上述した各装置のモジュールが行う処理について、本処理にて併せて説明する。
【0037】
はじめに、携帯端末10の無線ID取得・送信モジュール15は、所定の無線規格で、無線通信を開始するために、相対する装置から無線IDを受信し、受信した無線IDを記録する(ステップS01)。ここで、無線通信は無線LANへの接続に限られず、携帯電話通信網や、Bluetooth、iBeacon、NFCを介した通信であってよい。
【0038】
ここでの記録とは、無線IDそのものの記録と、受信した時刻を記録する。例えば、
図6に示すような位置・時間データとして、無線IDを受信した時刻と、無線IDを、受信した無線規格ごとに記録していく。
【0039】
次に、携帯端末10の無線ID取得・送信モジュール15は、記録した無線IDと時間データをメッセージ送信サーバ200に送信する(ステップS02)。時間データとは、
図6に示すように無線IDを受信した時刻であってもよいし、その受信した時刻から次の無線IDを受信するまでの時刻までの時間であってもよい。また、時間データは、無線IDを取得して、切断されるまでの時間であってもよい。携帯端末10の時間データが無線IDを受信した時刻である場合は、次の無線IDを受信した時刻に基づいて、メッセージ送信サーバ200が、無線IDを使用していた時間を推測する。
【0040】
ここで、携帯端末10の無線ID取得・送信モジュール15が、メッセージ送信サーバ200に送信するデータは、複数の無線IDを記録した時点で送信される。複数の無線IDとは、同じ種類の無線IDであってもよいが、複数種類の無線を記録した時点で送信するほうが、後のルート決定処理において望ましい。タイミングの決定方法は、例えば、連続的に無線IDを受信していて、受信した複数の時間が、前で連続した時間と比べて少し時間が空いた場合に、その長時間空く前までの記録を送信する態様であってよい。例えば、
図6の10時10分から10時21分までの受信の頻度と、しばらく時間が空いて(20分程度)、10時45分に受信した場合は、10時45分の時点で、10時21分までの記録をメッセージ送信サーバ200に送信する。
【0041】
次に、メッセージ送信サーバ200の無線ID受信モジュール204は、携帯端末10が送信した無線IDと時間データを受信し、ルート決定モジュール207が、
図5に示すような、無線IDと位置情報が予め対応付けられた位置情報テーブルを参照して、携帯端末10が移動したルートを推測し決定する(ステップS03)。
【0042】
図5の位置情報テーブルは、無線IDと位置情報(緯度・経度)が対応付けられているテーブルである。位置情報テーブルは、メッセージ送信サーバ200の記憶部203に記憶されている。実際に、ユーザ5が10時10分から21分まで、
図7に示すようなルートを移動した場合は、
図6のような位置&時間データを携帯端末10が記録する。
【0043】
図7は、シューズSHOP Aの店内を、携帯端末10を保持するユーザ5が歩きまわった場合に、ルート決定モジュール207がルートを決定することを説明するための概念図である。数字に基づく矢印が、実際にユーザ5が歩いたルートである。
【0044】
ルート決定モジュール207が、ルートを決定するアルゴリズムを、
図6に基づいて説明する。この位置&時間データでは、10時10分の時点では、店舗のWi-Fiを検知したことを判断するため、この位置は(X1,Y1)となる。次に、10時12分00秒に、NFC(A)を受信するため、位置は(X9,Y9)となる。その後、10時12分30秒に、iBeacon(B)を受信するため、位置は(X4,Y4)となる。次に、10時13分に、iBeacon(A)を受信するため、位置は(X3,Y3)となる。次に、再度、10時17分に、iBeacon(A)を受信するため、位置は、同じく、(X3,Y3)となる。次に、10時21分に、iBeacon(B)を受信するため、位置は、(X4,Y4)となる。
【0045】
その後、ルート決定モジュール207は、無線IDを受信しなくなるため、ユーザ5は店舗を出たと推測する。なお、ここで、ルート決定モジュール207は、店舗のWi-Fiの接続が切断されたことから、店舗を出たと決定してもよい。この場合は、位置・時間データは、所定の無線を接続開始した時間のみではなく、切断された時間も、携帯端末10が記録し、メッセージ送信サーバ200に送信する。
【0046】
上記のように、ルート決定モジュール207が、おおよそのユーザ5のルートと各位置の滞在時間を決定する。次に、メッセージ決定モジュール208が携帯端末10に送信するメッセージ及びメッセージを送信するタイミングを決定する(ステップS04)。ステップS04は、詳細には、
図4に示すメッセージ&タイミング決定処理となる。
【0047】
最初に、指定範囲判断モジュール211は、決定したルートと、指定範囲の該当判断を行う(ステップS21)。メッセージ送信サーバ200の送信範囲受信モジュール(図示せず)は、事前に、指示端末20の指定範囲送信モジュール25から地図上の位置の指定を受付ける。具体的には、
図9に示すように、地図データ上の所定の位置に指定範囲30の入力を指示端末20にて受付け、その入力をメッセージ送信サーバ200に送信する。
【0048】
指定範囲判断モジュール211は、決定したルートが、予め指定した範囲に該当する場合には、処理をステップS22に移す。一方、決定したルートが、予め指定した範囲に該当しない場合には、処理を終了する。
【0049】
ステップS21の処理は、例えば、SHOP Aの位置の指定を受付けることで、SHOP Aの管理者が、SHOP Aに立ち寄ったユーザにのみメッセージを送信することが可能となる。
【0050】
次に、メッセージ決定モジュール208は、決定されたルートに基づいて、送信するメッセージの候補を決定する(ステップS22)。メッセージの候補の決定について説明する。
図5に示す位置情報テーブルの各無線IDには、予めユーザに送信するメッセージが対応付けられていてよい。したがって、
図6の位置&時間データに基づいて決定されたルートの場合、Wi-Fiの無線ID(200.168.1.4)に対応するメッセージA、NFC(A)(SHOP_A−010)に対応するメッセージB、iBeacon(B)(SHOES_RUN)に対応するメッセージC、iBeacon(A)(SHOES_リーガレ)に対応するメッセージDが、候補として決定される。
【0051】
メッセージの内容そのものは、指示端末20から予め店舗等の管理者により指定される。例えば、
図7の例では、iBeacon(A)は、紳士靴の近くに配置されたビーコンであるから、紳士服の広告や販売のための決済に関するメッセージであってよいし、iBeacon(B)は、運動靴の近くに配置されたビーコンであるから、運動靴の広告や販売のための決済に関するメッセージであってよい。
【0052】
次に、メッセージ送信サーバ200の参照モジュール210が、携帯端末10に予めインストールされたアプリケーション・プログラムの操作履歴を参照する(ステップS23)。ここで、操作履歴のデータは、所定のタイミングで携帯端末10からメッセージ送信サーバ200に送信され、メッセージ送信サーバ200が受信したデータに基づいて参照してもよいし、参照の都度、携帯端末10にアクセスして参照してもよい。
【0053】
ここで参照されるアプリケーション・プログラムは、任意のアプリケーション・プログラムであってよいが、例えば、インターネット経由での商品やサービスの購入に関するアプリケーション(例えば、ブラウザ)であってよい。この場合での操作履歴とは、例えば、所定の商品の閲覧や購入手続きのための操作履歴であって、2,3日前までの履歴であってよい。参照されるアプリケーション・プログラムと操作履歴の期間と内容は、指示端末20から予め指定される。
【0054】
次に、参照モジュール210は、ユーザ5の属性データを参照する(ステップ24)。ユーザ5の属性データは、性別、言語、身体情報(靴のサイズ等)に関するデータであってよい。ユーザ5の属性データは、ユーザ5が携帯端末10のアプリケーション・プログラムをインストールした際に、ユーザ5がユーザ情報として登録し、メッセージ送信サーバ200に記憶される。
【0055】
次に、メッセージ決定モジュール208は、アプリケーションの操作履歴、属性データ及び、時間を考慮したルートに基づいて、メッセージ候補のうち、携帯端末10に送信するメッセージを決定する(ステップS25)。
【0056】
時間を考慮したルートに基づいてメッセージを決定するとは、無線IDを受信した頻度や時間に応じて、対応するメッセージを優先的に送信すると決定することである。例えば、
図6の位置&時間データを参照すると、iBeacon(A)の受信時刻から、10時13分から10時20分59秒まで、ユーザ5がiBeacon(A)の周辺にいたことが推測される。したがって、シューズSHOP A内では、ユーザ5が、iBeacon(A)の周辺にいた時間のほうが、iBeacon(B)の周辺にいた時間(10時12分00秒から30秒まで)よりも長いと推測されるから、候補となるメッセージのうち、iBeacon(A)に対応付けられたメッセージ(メッセージD:紳士靴)を優先的に送信すると決定する。
【0057】
ここでのメッセージは、各無線IDに対応した運動靴や紳士服等の商品の決済を行うための決済依頼データを含んでいてもよい。
【0058】
さらに、アプリケーションの操作履歴に基づいて、メッセージを決定するとは、ユーザ5が、2,3日前に、例えば、紳士靴の販売サイトを閲覧している場合、参照モジュール210は、紳士靴の販売サイトの履歴を参照する。この履歴の中に、紳士靴のメーカや種類を特定する情報を取得し、これに基づいてメッセージを決定する。すなわち、メッセージ決定モジュール208は、特定された紳士服のメーカや種類に基づいた情報をメッセージDに付加する。
【0059】
さらに、属性データに基づき、メッセージの種類を変更する。例えば、ユーザ5の属性のうち、国籍が米国人であれば、メッセージの言語を英語に変更し、ユーザ6の靴のサイズが所定のサイズであれば、そのサイズの在庫の有無等を、メッセージに加える。
【0060】
次に、メッセージ決定モジュール208は、優先順位が決定されたメッセージを送信するタイミングを決定する(ステップS26)。送信するタイミングは、例えば、ルートが決定されてから所定時間経過後であってもよいし、予め設定された所定の無線IDを受信したタイミングであってもよい。所定の無声IDとは、例えば、ユーザ5の自宅や会社のWi−FiのSSIDやiBeaconの受信データであってよい。
【0061】
送信するタイミングは複数であってよい。すなわち、この場合、ユーザ5に継続的にメッセージを送り続ける。この際、メッセージは同一のメッセージを送ってもよいし、上述のようにメッセージの優先度の高いもの(メッセージD)を先に送り続け、低いもの(それ以外のメッセージ)を後から送信するように決定してよい。
【0062】
次に、
図3のメッセージ送信処理のステップS05に移り、メッセージ送信サーバ200のメッセージ送信モジュール206は、決定されたメッセージ内容と、送信するタイミングで、メッセージを送信する。
【0063】
携帯端末10は、メッセージ送信サーバ200から送信されたメッセージを受信し、メッセージ出力モジュール17がメッセージを出力する(ステップS06)。メッセージの出力は、メッセージが送信されるタイミングで、都度、出力されてよい。
図8は携帯端末10に出力されたメッセージの一例である。メッセージを出力するタイミングは、アプリケーションが管理してよく、すわなち、メッセージの出力が、メッセージがメッセージ送信サーバ200から受信したタイミングで、都度、出力する態様ではなく、出力するメッセージを全て予め受信しておき、携帯端末10の管理により、メッセージ送信サーバ200から受信したタイミング情報に基づいて、出力を都度行ってもよい。
【0064】
このメッセージ出力に応じて、ユーザ5は応答メッセージを入力する。例えば、メッセージに商品の決済依頼データが含む場合は、携帯端末10は、ユーザ5の購入依頼に関する入力に応じて、応答となる決済データを送信する(ステップS07)。これに応じて、メッセージ送信サーバ200の決済データ受信モジュール205が決済データを受信し、決済実行モジュール209が決済を行う又は、他のサーバに本決済の実行を依頼する。
【0065】
なお、以上で説明したルートの決定方法においては、携帯端末10が備えるGPS機能と組み合わせてもよい。すなわち、各無線IDの取得のみでは、ユーザのルートの決定が十分ではない場合もあり、この場合、GPSによって取得した位置情報に基づいて、ルートを補正してもよい。
【0066】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU,情報処理装置,各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(CD−ROMなど)、DVD(DVD−ROM、DVD−RAMなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し記憶して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0067】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。