(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6246253
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】塗装内容器
(51)【国際特許分類】
B65D 25/02 20060101AFI20171204BHJP
B05C 21/00 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
B65D25/02 Z
B05C21/00
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-76417(P2016-76417)
(22)【出願日】2016年4月6日
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3191051号
【原出願日】2014年3月26日
(65)【公開番号】特開2016-128334(P2016-128334A)
(43)【公開日】2016年7月14日
【審査請求日】2016年4月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】516116459
【氏名又は名称】株式会社MIZUKI
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(72)【発明者】
【氏名】木下 淳
【審査官】
長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2008/0116209(US,A1)
【文献】
米国特許第05007553(US,A)
【文献】
米国特許第06260730(US,B1)
【文献】
米国特許第07784145(US,B1)
【文献】
米国特許第07959030(US,B2)
【文献】
特開2005−200056(JP,A)
【文献】
米国特許第07644835(US,B2)
【文献】
米国特許第06105813(US,A)
【文献】
特開平07−117400(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0008377(US,A1)
【文献】
米国特許第05400916(US,A)
【文献】
米国特許第06105816(US,A)
【文献】
米国特許第02893030(US,A)
【文献】
実開平01−137300(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 25/02
B05C 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗装容器の内側に嵌合され、かつ、塗装作業に用いられるローラーの被回転部分から余剰の塗料を切るための壁面を有する塗装内容器であって、
平面視において略円形の開口部を成す上端縁と、
周方向に沿って前記上端縁の下端から下方に延びた側面部と、
前記側面部の下端部から前記塗装内容器の内方に延びた底面と
を有し、
ここで、
前記上端縁は、
一周に亘って、前記側面部から上方に向かうにつれて、外側に且つ上側に向けて傾斜し、その後に内側に且つ上方側に向けて傾斜しており、
前記側面部は、
前記上端縁と前記底面との間において、前記側面部の周方向の一部に設けられた段差部を備え、
前記段差部は、
内径方向に張り出した上面と、
前記上面の内径方向に張り出した先端から前記底面に向けて下方に延びた壁面と
を備え、
前記段差部の前記上面と前記壁面との境界部位は、径方向に対して直交する水平な一直線に沿っており、
前記段差部の前記壁面は、塗装作業に用いられるローラーの被回転部分を、押し当てつつ回転させて全体的に余剰の塗料を切るための平坦な壁面であり、
前記側面部のうち前記上端縁の下端から延びた部位と、前記段差部の上面との境界部位は、下方に向かうにつれて内径側に傾斜しており、
前記段差部の前記壁面の上には、ローラーの被回転部分を、押し当てつつ回転させる部位の上に複数の突起部を有する、
塗装内容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、使い捨て用の塗装内容器の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、塗装作業に於いては、作業者は、バケツの把手を有する金属製(スチール等)の塗装容器内に入れられた塗料(ペンキ)を当該容器内で刷毛に着けた上で、当該容器から取り出した刷毛を使用して塗料を壁面等に塗っていた。そして、塗装作業の終了後に於いては塗装容器内に残った塗料は固まってしまうため、当該塗料は塗装容器の内面に付着してしまう。別色の塗料を塗る場合には、このままの状態の塗装容器は使用できないので、内面に付着した塗料を除去する必要性がある。この場合、塗装容器を火であぶると、内面に付着した塗料は燃えてしまい、その後に有機溶液を用いて焼結した塗料を金属製タワシで擦ることで、内面に付着した塗料を除去することが可能である。この様な処理を施すことで、作業者は、塗装容器を使いまわすことが出来る。
【0003】
しかし、斯かる作業をその都度行うことは面倒であるため、現在では、金属製等の塗装容器の内面側に、ポリエチレン等の合成樹脂製の内容器を嵌め込んで、当該内容器内に調合済みの塗料を入れた上で、刷毛を当該塗料に浸して当該塗料を刷毛に含ませた後に、当該刷毛で塗料を塗る作業が行われることになった(特許文献1の段落0002の記載を参照。)。この場合には、内容器の内面に付着した塗料の残部をシンナーで洗うことによって当該塗料を溶かすことが出来、溶けた塗料を拭き取ることで、塗料の残部を除去することが可能であって、当該内容器を数回使った後に使い捨てにする。この様な樹脂製の内容器は、価格の面で、金属製等のバケツ状の塗装容器と比較して低廉であるので、使い手捨ての使用に適している。
【0004】
とは言え、作業者が内容器内の塗料に浸して当該塗料から取り出した刷毛を当該内容器より取り出す際に、当該刷毛内に多量に含まれた塗料が垂れ落ちて、金属製の塗装容器の表面上或いはその周囲の外部に付着する(特許文献1の段落0003の記載を参照。)。
【0005】
そこで、この点を改善すべく、内容器の開口部を成す上縁部は一周に亘って内側に向けて傾斜されている。この内容器の上縁部の反り返り部分に、作業者は塗料より取り出した刷毛をなすり付けることで塗料を切って、刷毛に含まれた多量の塗料の一部を内容器内に落とすことで、内容器より取り出した際の刷毛に含まれる塗料の量を適切な量に調整することが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平6−83400号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
塗装作業に於ける塗料を塗る道具としては、刷毛の他に、ローラーも用いられる。ローラー使用の場合には、刷毛使用の場合と比較して、塗料への浸漬によりローラーの先端部分(毛の部分)に含まれる塗料の量は格段に多いので、刷毛で塗料を塗るよりも、多くの部分を一度に且つ各部分を早く塗料で以って塗ることが出来る利点がある。
【0008】
ところが、ローラーの先端部分は、その把持部分との関係では横方向に該当する長手方向に延在している円柱体より成るため、上記内容器の開口縁の丸みがかった円周部分に対してローラーの先端部分を適切に変形させて当該先端部分をしごくことは容易ではない。そのため、上記の先端部分に多量の塗料が含まれたローラーを上記内容器より取り出す際に、刷毛の場合よりも多くの量の余剰の塗料が周囲の外部に流れ落ちて付着してしまうことになる。
【0009】
従って、刷毛のしごきを可能にするのみならず、ローラーの先端部の面も回転して当該ローラーのしごきをも可能にする、使い捨て可能な内容器の実現が求められるところである。
【0010】
この発明は、以上の問題点に鑑みて成されたものであり、その主目的は、塗装作業時に使用するローラーに含まれる塗料の量を、当該ローラーを用いた塗装作業に適切な量に調整可能な塗装内容器を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
ここで提案される塗装内容器は、塗装容器の内側に嵌合される塗装内容器であり、開口部を成す略円形の上端縁と、上端縁から下方に延びた側面部と、側面部の下端部から塗装内容器の内方に延びた底面とを有している。側面部の内面には、塗装内容器の内方に向けて張り出し、平面視に於いて前記略円形の上端縁の弦に沿った端部を有する上面と、上面の端部から底面に向けて延びた略長方形の壁面とを有している。
【0012】
壁面の内側面は、複数の凹部または凸部を有していてもよい。また、塗装内容器の外面は、前記上面および前記壁面に沿った裏面を有していてもよい。また、塗装内容器の上端縁は、一周に亘って外方に膨らんだ内側面を有していてもよい。また、塗装内容器の上端縁の直下部分には、上端縁の下端から下方に周方向に沿って延びた溝部と、塗装内容器の内側において、周方向の一部において当該溝部から当該塗装内容器の内方に突出した内面部分とを有していてもよい。
【0013】
換言すると、塗装内容器は、塗装作業時に用いる塗装容器の内側に嵌合されるバケツ状の容器であり且つ塗料が入れられる塗装内容器であって、平面視に於いて略円形の開口部を成す上端縁と底面との間の内面上に配設されている段差部を備えていてもよい。この段差部は、内面から塗装内容器の内側中心部に向けて突出している上面と、上面の一端に結合し且つ当該結合部分から前記底面に向けて延在して壁面を成す表面とを、有していてもよい。
【0014】
この場合、ローラーを、壁面等に塗料を塗るための道具として使用する場合において、塗装内容器内の塗料に浸漬された後に当該ローラーを塗装内容器より取り出して塗装作業を行う場合に、作業者は、ローラーの回転面を、塗装内容器内の段差部の壁面状の表面に擦り付けて当該ローラーを全体的に変形・しごくことが出来、刷毛の場合と比較して多量の余剰な塗料を塗装内容器内に流れ落とすことが出来る。このため、ローラーを塗装内容器より取り出して塗装作業を行う際に、塗装容器の周囲の外部にローラーに含まれた塗料の流れ落ちによる当該塗料の付着を防止することが出来る。
【0015】
更に、塗装内容器に於いては、前記段差部の前記表面は、複数の突起部を有していてもよい。
【0016】
この場合、複数の突起部がローラーの回転面の滑りを効果的に抑止して確実にローラーが回転することを促進し得るので、より一層に余剰な塗料の切れ具合を高めて、ローラーに含まれる塗料の量を最適化することが可能になる。
【0017】
以下、ここで提案される発明の様々な具体化を、添付図面を基に、その効果・利点と共に、詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る塗装内容器の内部構造を模式的に示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態1に係る塗装内容器の外部構造を模式的に示す斜視図である。
【
図3】
図1のA1−A2線に関する縦断面図である。
【
図4】本発明の実施の形態1に係る塗装内容器に於けるローラーの塗料を切る作業を模式的に示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施の形態1)
<本実施の形態の特徴点>
本実施の形態に係る塗装内容器(以下、単に「内容器」という。)の構造の中核部は、従来の内容器の構成に対して、段差部が上端縁と底面との間の内面上に配設されている点にある。そして、この段差部は、内面から当該内容器の内側中心部に向けて突出しており、且つ、全体的に平坦な垂直に立設した壁面状の表面(壁面)を有している点にある。しかも、壁面状の表面上には、複数の突起部が配設されている。塗装作業でローラーを使用する場合には、ローラーの先端部のローラー部分は、本内容器内に注入された塗料の溜まりに浸漬された上で、その後に、当該塗料溜まりより引き出される。その際に、塗料を多量に含んだローラーの上記ローラー部分は、上記の壁面に押し付けられて回転しながら当該壁面の上方に向けて移動され、以って、余剰な塗料が切られて内容器内に流れ落とされる。このローラーの上記ローラー部分に含まれた余剰の塗料を切り落とすための平面部が、上記の壁面である。
【0020】
<塗装内容器1の構造>
図1は、本実施の形態に係る内容器1の内面3IS側の構造を模式的に示す斜視図である。尚、
図1は、作業時に壁等に塗るために調合された塗料が内容器1内に未だ注入されていない状態に於ける構造を示す図である。又、
図2は、主として内容器1の外面3OS側の構造を、換言すれば、斜め方向に表側から内容器1を見た場合の構造を模式的に示す斜視図である。尚、
図2に於いては、内容器1内に調合された塗料が注入された場合の当該塗料の溜まりである塗料溜まりPSが、破線にて示されている。更に、
図3は、
図1の断線A1−A2に関する縦断面構造を模式的に示す断面図である。
【0021】
内容器1は、既述の「段差部2」を除いて、基本的には、従来の既述の内容器と同様の構成を備えている。従って、内容器1は、刷毛及びローラーの「しごき」による塗料調整の何れにも兼用可能な容器である。即ち、内容器1は、塗装作業時に於いて、スチール等の金属製又は合成樹脂のバケツ状の塗装容器(把持部を有する「提げ缶」に相当。図示せず。)の内側に嵌合される、同じくバケツ状の形状を有する容器であり、その内部に塗料が入れられる、使い捨て用の容器である。内容器1は、既述の通り、例えばポリエチレンの様な合成樹脂より構成されている。段差部2の構成は次の通りである。
【0022】
図1に於いて、段差部1は、内容器1の側面部3の内面3ISの内で、平面視に於いて略円形の開口部を成す上端縁ないしは開口縁3UEPよりも下方の部分と、内容器1の底面部4の内面4ISとの間の内面部分に、配設されている。ここで、
図1乃至
図3の各図に示される様に、側面部3の上端縁3UEPは、その一周に亘って、外側に且つ上側に向けて傾斜し、その後に内側に且つ上方側に向けて傾斜する構造を成している。この形状により、内容器1の内部に注入された塗料の溜まりPS(
図2及び
図3では破線で描かれている。)に浸漬された後に塗料溜まりPSより引き出された刷毛を、当該刷毛を内容器1から外部へ取り出す前に、一旦、上記の反り上がった上端縁3UEPに押し付けて刷毛をしならすことが出来る。この刷毛のしならせにより、刷毛に含まれる余剰の塗料は、内容器1内に、本例では内面3ISの内で上端縁3UEPの付近側の凹部乃至は溝部3ISR(側面部3の外側から見た場合には、
図2に例示される様に、凸部又は突出部3Cとなる。)内に流れ落ちた上で、最終的に塗料溜まりPS内に流れ落ちる。その結果、刷毛が内容器1より取り出された時点における、刷毛に含まれる塗料の量は、塗装作業に適した量に調整され得る。この点の構造及び作用効果は、従来の内容器の場合と同等である。尚、内容器1の内面3ISの内で上記の凹部3ISRで挟まれた内面部分3ISPの外側部分には、目盛3Mが配設されている。
【0023】
又、段差部2を、その上方に凹部3ISRを設けないで、内面3ISの内で、上端縁3UEPの直下部分から底面4の内面4ISに至るまでの内面部分上に配設しても良い。又は、段差部2の下端部の配設位置を、側面部3の内面3ISの内で底面部4の内面4ISよりも上方の部分に設定しても良い。それらの変形例の場合を含めて段差部2の配設位置を定義すると、段差部2は、上端縁と底面との間の内面上に配設されている。
【0024】
段差部2は、
図1及び
図3に例示される様に、1)上面2TSと、2)壁面状の平坦な表面2SSより構成されている。しかも、表面2SS上には、複数の突起部2PPが、設けられている。尚、複数の突起部2PPの形状は任意であり、又、表面2SS上の各突起部2PPの配設位置も任意である。
【0025】
ここで、
図3に示される様に、内容器1の側面部3の外面3OSの内で、段差部2の配設位置に対応する外面部分は切除されている。この点に関して、
図3の一点鎖線3OSAの表示が参照される。この構造により、次の利点が得られる。即ち、塗装作業以外のときには、段差部2を有する内容器1を順次に積層配置しておくことができ、内容器1の置き場所のスペースを比較的に大きく採らないで済ませることが可能となる。
【0026】
又は、本例の変形例として、
図3に一点鎖線3OSAとして描かれている様に、内容器1の側面部3の外面3OSの内の段差部2の配設位置に対応する外面部分を切除しないこととしても良い。
【0027】
段差部2の上面2TSは、側面部3の内面3ISの内の所定の一部分から内容器1の内側中心部に向けて突出している。そして、段差部2の全体的に平坦な表面2SSの一端部は、上面2TSの張り出した端部に結合しており、当該結合部分から底面部4の内面4ISに向けて垂直に切立って延在している。そのため、平坦な表面2SSは、内容器1の内側中心部から見て、即ち、正面視に於いて、底面4の内面4ISから垂直に切立った「壁面」を成している。この意味で、平坦な表面2SSは壁面2SSとも称される。
【0028】
尚、表面乃至は壁面2SSは、垂直面に代えて、全面的又は部分的に所定の角度で傾斜した傾斜面を成していても良い。又は、表面2SSは、多少の凹部又は/及び凸部がある様な、非平坦面であっても良い。
【0029】
既述の通り、段差部2の配設位置に対応した内容器1の側面部3の外面部分は切除された構成を有する。即ち、
図3に示される様に、側面部3の外面3OSは、1)段差部2の上面2TSに全面的に対向した平坦な下面2BSと、2)段差部2の表面2SSに全面的に対向した裏面2RSとを有する。この様な構造とすることの利点は、既述した通りである。
【0030】
<内容器1の使用方法・利点>
本実施の形態1に係る内容器1は、内側に張り出した壁面状の段差部2を有するので、塗料を塗りつける際の道具としてローラーを使用する場合に、その利点を奏する。その場合の余剰な塗料の切り取り処理を模式的に示す図が、
図4の縦断面図である。
【0031】
図4に拡大的に示す様に、ローラー5の先端部の円柱形状の被回転部分5Rは、内容器1内に注入された塗料溜まりPSに浸漬されて多量の塗料を含んだ状態にて、塗料溜まりPSより引き出される。そのままの状態でローラー5を内容器1より取り出したのでは、既述の通り、余剰な塗料が周囲の外部に流れ落ちて付着してしまう。この様な不具合を回避するためには、内容器1よりローラー5を取り出す前の段階に於いて、ローラー5の被回転部分5Rを回転させながら全体的にしごいて、余剰な塗料を内容器1内に流し出しておく必要性がある。即ち、ローラー5の被回転部分5Rに含まれる塗料の量の最適化の調整処理を必要とする。
【0032】
本実施の形態では、
図4に示される様に、塗料溜まりPSより取り出した後のローラー5の被回転部分5Rを、段差部2の平坦な表面2SSに押し当てつつ、回転させながら、上方に移動させる。この処理により、ローラー5の被回転部分5Rは、全体的に均一にしごかれる。しかも、本例では、複数の突起部2PPが表面2SS上に配設されているので、ローラー5の被回転部分5Rは、壁面2SSに押し当てられた状態のままでの上方への移動時に、突起部2PPからの作用を受ける。そのため、ローラー5の被回転部分5Rは、摺動状態にて上方へ移動することなく、ローラー5の回転面が常に回転しながら、均一にしごかれることとなり、余剰な塗料の切り取り量が多くなり、塗料の切り取り処理はより良好となる。勿論、突起部2PPが配設されていない場合でも、表面2SSの面は、完全なツルツルの平面ではなくて、微小な凹凸のある粗面であることが多いので、ローラー5の被回転部分5Rはしごかれて、余剰な塗料が内容器1内に流れ落とされる。
【0033】
以上の通り、本実施の形態に係る内容器1は、1)その段差部2の存在によって、ローラーに含まれる塗料の切り取り処理に適していると共に、2)斜め構造の上端縁3UEPの存在によって、刷毛の塗料の切り取り処理にも適している。
【0034】
(付記)
以上、本発明の実施の形態を詳細に開示し記述したが、以上の記述は本発明の適用可能な局面を例示したものであって、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、記述した局面に対する様々な修正及び/又は変形例を、この発明の範囲から逸脱することの無い範囲内で考えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、塗装作業時に用いる塗装容器に嵌合される塗装内容器に適用して好適なものである。
【符号の説明】
【0036】
1 塗装内容器
2 段差部
2TS 段差部の上面
2SS 段差部の表面
(壁面)
2PP 突起部
(凸部)
3 側面部
3IS 内面
3OS 外面
3UEP 上端縁
4 底面部
(底面)
4IS 内面
5 ローラー
PS 塗料溜まり