(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前方側の前記側壁が、前記底壁に連続形成された前方底側外壁と、該前方底側外壁に対向する前方底側内壁と、これら前方底側外壁及び前方底側内壁を上方側で連結する前方上壁と、を有し、
前方側の前記覆い壁が、前記天壁に連続形成された前方天側外壁と、該前方天側外壁に連続形成されかつ重ねられる前方天側内壁と、を有し、
前記前方側壁相当部が、前記前方底側外壁に相当する前方底側外壁相当部と、前記前方底側内壁に相当する前方底側内壁相当部と、前記前方上壁に相当する前方上壁相当部と、
を有し、
前記前方覆い壁相当部が、前記前方天側外壁に相当する前方天側外壁相当部と、前記前方天側内壁に相当する前方天側内壁相当部と、を有し、
前記第2折込片相当部と前記前方底側外壁相当部との境界を折り目として、前記第2折込片相当部と前記前方底側外壁相当部との裏面同士が対向するように折られ、
前記第3折込片相当部と前記前方天側外壁相当部との境界を折り目として、前記第3折込片相当部と前記前方天側外壁相当部との裏面同士が対向するように折られ、
前記前方底側外壁相当部と前記前方上壁相当部との境界を折り目として、前記前方上壁相当部が、前記第2折込片相当部を当該前記前方上壁相当部と前記前方底側外壁相当部との間に挟み込むように折られ、かつ、前記前方上壁相当部と前記前方底側内壁相当部との境界には、第2折り筋が設けられ、
前記前方天側外壁相当部と前記前方天側内壁相当部との境界を折り目として、前記前方天側内壁相当部が、前記第3折込片相当部を当該前方天側内壁相当部と前記前方天側外壁相当部との間に挟み込むように折られていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の包装用紙箱の展開体。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、組立作業性の向上を図りつつ、組立状態において、所定形状を安定的に維持しつつ箱形状が美しい包装用紙箱の展開体、包装用紙箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項
1記載の本発明は、1枚のシートが少なくとも折られることで形成された包装用紙箱の展開体であって、前後左右に4つの縁を有する矩形状の底壁と、該底壁の左右及び前方側の各縁から立設される3つの側壁と、を備え、上方に開口を有する箱本体と、前後左右に4つの縁を有し、前記開口を覆う天壁と、該天壁の各縁から立設されて前記箱本体の前記3つの側壁をそれぞれ覆う3つの覆い壁と、を有する蓋体と、前記底壁の後方側の縁から立設されて、前記天壁の後方側の縁と連結する連結壁と、前記連結壁の左右両側に連続形成された一対の第1折込片と、左右の前記側壁と前方側の前記側壁との間に設けられた一対の第2折込片と、左右の前記覆い壁と前方側の前記覆い壁との間に設けられた一対の第3折込片と、を備え、左右の前記側壁が、前記底壁に連続形成された底側外壁と、該底側外壁に対向する底側内壁と、これら底側外壁及び底側内壁を上方側で連結する上壁と、前記底側内壁の下方側に連続形成されて前記底壁の内面に貼付される底壁貼付部と、を有し、左右の前記覆い壁が、前記天壁に連続形成された天側外壁と、該天側外壁に連続形成されかつ重ねられる天側内壁と、前記天側内壁に連続形成されて前記天壁の内面に貼付される天壁貼付部と、を有する包装用紙箱の展開体において、前記シートが、その表面が前記包装用紙箱の外面を、その裏面が前記包装用紙箱の内面をそれぞれ構成するように設けられ、前記底壁に相当する底壁相当部、前記天壁に相当する天壁相当部、前記連結壁に相当する連結壁相当部、前方側の前記側壁に相当する前方側壁相当部、及び、前方側の前記覆い壁に相当する前方覆い壁相当部、が同一平面上に設けられ、前記底側外壁に相当する底側外壁相当部と前記底壁相当部との境界を折り目として、前記底側外壁相当部と前記底壁相当部との裏面同士が対向するように折られ、前記底側内壁に相当する底側内壁相当部と前記上壁に相当する上壁相当部との境界を折り目として、前記底側内壁相当部と前記上壁相当部との裏面同士が対向するように折られ、 前記底側内壁相当部と前記底壁貼付部に相当する底壁貼付相当部との境界を折り目として、前記底側内壁相当部と前記底壁貼付相当部との表面同士が対向するように折られ、この状態で、前記底壁貼付相当部の裏面が、前記底壁相当部と前記底側外壁相当部の境界よりも前記上壁相当部の左右方向の寸法分だけ内側で、前記底壁相当部の裏面に貼付され、前記上壁相当部と前記底側外壁相当部との境界には、第1折り筋が設けられ、前記天側外壁に相当する天側外壁相当部と前記天壁相当部との境界を折り目として、前記天側外壁相当部と前記天壁相当部との裏面同士が対向するように折られ、前記天側外壁相当部と前記天側内壁に相当する天側内壁相当部との境界を折り目として、前記天側外壁相当部と前記天側内壁相当部との裏面同士が対向するように折られ、前記天側内壁相当部と前記天壁貼付部に相当する天壁貼付相当部との境界を折り目として、前記天側内壁相当部と前記天壁貼付相当部との表面同士が対向するように折られ、この状態で、前記天壁貼付相当部の裏面が、前記天壁相当部と前記天側外壁相当部の境界よりも僅かに内側で、前記天壁相当部の裏面に貼付され、前記一対の第1折込片に相当する第1折込片相当部と前記連結壁相当部との境界を折り目として、前記第1折込片相当部と前記連結壁相当部との裏面同士が対向するように折られ、前記一対の第2折込片に相当する第2折込片相当部と前記前方側壁相当部との境界を折り目として、前記第2折込片相当部と前記前方側壁相当部との裏面同士が対向するように折られ、前記一対の第3折込片に相当する第3折込片相当部と前記前方覆い壁相当部との境界を折り目として、前記第3折込片相当部と前記前方覆い壁相当部との裏面同士が対向するように折られていることを特徴とする包装用紙箱の展開体である。
【0010】
請求項
2記載の本発明は、請求項
1記載の本発明において、前記一対の第1折込片相当部の裏面の一部が、前記連結壁相当部の裏面に貼付され、前記一対の第2折込片相当部の裏面の一部が、前記前方側壁相当部の裏面に貼付され、前記一対の第3折込片相当部の裏面の一部が、前記前方覆い壁相当部の裏面に貼付されていることを特徴とする。
【0011】
請求項
3記載の本発明は、請求項1
又は請求項2記載の本発明において、前方側の前記側壁が、前記底壁に連続形成された前方底側外壁と、該前方底側外壁に対向する前方底側内壁と、これら前方底側外壁及び前方底側内壁を上方側で連結する前方上壁と、を有し、前方側の前記覆い壁が、前記天壁に連続形成された前方天側外壁と、該前方天側外壁に連続形成されかつ重ねられる前方天側内壁と、を有し、前記前方側壁相当部が、前記前方底側外壁に相当する前方底側外壁相当部と、前記前方底側内壁に相当する前方底側内壁相当部と、前記前方上壁に相当する前方上壁相当部と、を有し、前記前方覆い壁相当部が、前記前方天側外壁に相当する前方天側外壁相当部と、前記前方天側内壁に相当する前方天側内壁相当部と、を有し、前記第2折込片相当部と前記前方底側外壁相当部との境界を折り目として、前記第2折込片相当部と前記前方底側外壁相当部との裏面同士が対向するように折られ、前記第3折込片相当部と前記前方天側外壁相当部との境界を折り目として、前記第3折込片相当部と前記前方天側外壁相当部との裏面同士が対向するように折られ、前記前方底側外壁相当部と前記前方上壁相当部との境界を折り目として、前記前方上壁相当部が、前記第2折込片相当部を当該前記前方上壁相当部と前記前方底側外壁相当部との間に挟み込むように折られ、かつ、前記前方上壁相当部と前記前方底側内壁相当部との境界には、第2折り筋が設けられ、前記前方天側外壁相当部と前記前方天側内壁相当部との境界を折り目として、前記前方天側内壁相当部が、前記第3折込片相当部を当該前方天側内壁相当部と前記前方天側外壁相当部との間に挟み込むように折られていることを特徴とする。
【0012】
請求項
4記載の本発明は、請求項1乃至請求項
3のうちいずれか一項記載の本発明において、前記各折り目が、機械を用いてプレスされることで形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項
5記載の本発明は、請求項1乃至請求項
4のうちいずれか一項記載の本発明において、一対の前記第1折込片相当部が、前記第1折込片相当部と前記天側外壁相当部との間にスリットを有し、前記底側外壁相当部に連続形成されている、又は、前記第1折込片相当部と前記底側外壁相当部との間にスリットを有し、前記天側外壁相当部に連続形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項
6記載の本発明は、請求項1乃至請求項
5のうちいずれか一項記載の包装用紙箱の展開体が折られて形成された包装用紙箱であって、左右の前記側壁に相当する左右側側壁相当部が、前記底壁相当部に対して、互いに離れる方向に折り起こされることにより、前記前方側壁相当部、及び、前記連結壁相当部が折り起こされて、3つの前記側壁が、前記底壁の左右及び前方側の縁に立設形成され、左右の前記覆い壁に相当する左右側覆い壁相当部が、前記天壁相当部に対して、互いに離れる方向に折り起こされることにより、前記前方覆い壁相当部が折り起こされて、3つの前記覆い壁が、前記天壁の左右及び前方側の縁に立設形成され、前記第1折込片相当部の中途を折り目として表面同士が対向するように折り込まれて、前記第1折込片が形成され、前記第2折込片相当部の中途を折り目として表面同士が対向するように折り込まれて、前記第2折込片が形成され、前記第3折込片相当部の中途を折り目として表面同士が対向するように折り込まれて、前記第3折込片が形成されていることを特徴とする包装用紙箱である。
【0015】
請求項
7記載の本発明は、請求項
6記載の本発明において、前記底壁と前記連結壁との境界位置で、左右の前記側壁を支持する支持板を備え、前記第1折込片が、第1三角片と、この第1三角片に連続形成された第2三角片と、を備え、前記第1三角片と前記第2三角片との境界を折り目として、前記第1三角片と前記第2三角片との表面同士が対向するように折られ、前記支持板が、前記連結壁の内面に対向して設けられる立設板と、この立設板に連続形成された一対の差込片と、を備え、前記立設板と前記一対の差込片とが対向するように折られ、前記一対の差込片が、それぞれ、前記第1三角片と前記第2三角片との間に上方から差し込まれて、前記支持板が前記箱本体に装着されていることを特徴とする。
請求項8記載の本発明は、1枚のシートが少なくとも折られることで形成された包装用紙箱であって、前後左右に4つの縁を有する矩形状の底壁と、該底壁の左右及び前方側の各縁から立設される3つの側壁と、を備え、上方に開口を有する箱本体と、前後左右に4つの縁を有し、前記開口を覆う天壁と、該天壁の各縁から立設されて前記箱本体の前記3つの側壁をそれぞれ覆う3つの覆い壁と、を有する蓋体と、前記底壁の後方側の縁から立設されて、前記天壁の後方側の縁と連結する連結壁と、前記連結壁の左右両側に連続形成された一対の第1折込片と、左右の前記側壁と前方側の前記側壁との間に設けられた一対の第2折込片と、左右の前記覆い壁と前方側の前記覆い壁との間に設けられた一対の第3折込片と、を備え、左右の前記側壁が、前記底壁に連続形成された底側外壁と、該底側外壁に対向する底側内壁と、これら底側外壁及び底側内壁を上方側で連結する上壁と、前記底側内壁の下方側に連続形成されて前記底壁の内面に貼付される底壁貼付部と、を有し、左右の前記覆い壁が、前記天壁に連続形成された天側外壁と、該天側外壁に連続形成されかつ重ねられる天側内壁と、を有し、前記シートが、その表面が前記包装用紙箱の外面を、その裏面が前記包装用紙箱の内面をそれぞれ構成するように設けられ、前記底壁に相当する底壁相当部、前記天壁に相当する天壁相当部、前記連結壁に相当する連結壁相当部、前方側の前記側壁に相当する前方側壁相当部、及び、前方側の前記覆い壁に相当する前方覆い壁相当部、が同一平面上に設けられ、前記底側外壁に相当する底側外壁相当部と前記底壁相当部との境界を折り目として、前記底側外壁相当部と前記底壁相当部との裏面同士が対向するように折られ、前記底側内壁に相当する底側内壁相当部と前記上壁に相当する上壁相当部との境界を折り目として、前記底側内壁相当部と前記上壁相当部との裏面同士が対向するように折られ、前記底側内壁相当部と前記底壁貼付部に相当する底壁貼付相当部との境界を折り目として、前記底側内壁相当部と前記底壁貼付相当部との表面同士が対向するように折られ、この状態で、前記底壁貼付相当部の裏面が、前記底壁相当部と前記底側外壁相当部の境界よりも前記上壁相当部の左右方向の寸法分だけ内側で、前記底壁相当部の裏面に貼付され、前記上壁相当部と前記底側外壁相当部との境界には、第1折り筋が設けられ、前記天側外壁に相当する天側外壁相当部と前記天壁相当部との境界を折り目として、前記天側外壁相当部と前記天壁相当部との裏面同士が対向するように折られ、前記天側外壁相当部と前記天側内壁に相当する天側内壁相当部との境界を折り目として、前記天側外壁相当部と前記天側内壁相当部との裏面同士が対向するように折られ、この状態で、前記天側外壁相当部の裏面の一部が、前記天側内壁相当部の裏面に貼付され、前記一対の第1折込片に相当する第1折込片相当部と前記連結壁相当部との境界を折り目として、前記第1折込片相当部と前記連結壁相当部との裏面同士が対向するように折られ、前記一対の第2折込片に相当する第2折込片相当部と前記前方側壁相当部との境界を折り目として、前記第2折込片相当部と前記前方側壁相当部との裏面同士が対向するように折られ、前記一対の第3折込片に相当する第3折込片相当部と前記前方覆い壁相当部との境界を折り目として、前記第3折込片相当部と前記前方覆い壁相当部との裏面同士が対向するように折られ、左右の前記側壁に相当する左右側側壁相当部が、前記底壁相当部に対して、互いに離れる方向に折り起こされることにより、前記前方側壁相当部、及び、前記連結壁相当部が折り起こされて、3つの前記側壁が、前記底壁の左右及び前方側の縁に立設形成され、左右の前記覆い壁に相当する左右側覆い壁相当部が、前記天壁相当部に対して、互いに離れる方向に折り起こされることにより、前記前方覆い壁相当部が折り起こされて、3つの前記覆い壁が、前記天壁の左右及び前方側の縁に立設形成され、前記第1折込片相当部の中途を折り目として表面同士が対向するように折り込まれて、前記第1折込片が形成され、前記第2折込片相当部の中途を折り目として表面同士が対向するように折り込まれて、前記第2折込片が形成され、前記第3折込片相当部の中途を折り目として表面同士が対向するように折り込まれて、前記第3折込片が形成され、前記底壁と前記連結壁との境界位置で、左右の前記側壁を支持する支持板を備え、前記第1折込片が、第1三角片と、この第1三角片に連続形成された第2三角片と、を備え、前記第1三角片と前記第2三角片との境界を折り目として、前記第1三角片と前記第2三角片との表面同士が対向するように折られ、前記支持板が、前記連結壁の内面に対向して設けられる立設板と、この立設板に連続形成された一対の差込片と、を備え、前記立設板と前記一対の差込片とが対向するように折られ、前記一対の差込片が、それぞれ、前記第1三角片と前記第2三角片との間に上方から差し込まれて、前記支持板が前記箱本体に装着されていることを特徴とする包装用紙箱である。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の包装用紙箱の展開体によれば、内側に折られた左右の側壁相当部を、底壁相当部に対して、左右方向の互いに離れる側に折り起こすことで、上壁相当部と底側外壁相当部との境界に設けられた第1折り筋を折り目として折られることとなり、底壁の左右の縁に立設される側壁が形成される。これと略同時に、左右の側壁を二重壁に形成することができる。このように、容易に左右の側壁を二重壁に形成することができるから、組立作業性の向上を図ることができる。
【0017】
さらに、蓋体は、内側に折られた左右の覆い壁相当部を、天壁相当部に対して、左右方向の互いに離れる側に折り起こすことで組み立てられるから、組立状態の包装用紙箱において、覆い壁には、箱本体の側壁に近付く方向に作用する復元力が生じる。即ち、覆い壁は側壁に近付けられる力が作用した状態で設けられることとなり、よって、組立状態の包装用紙箱において、所定形状を安定的に維持しつつ箱形状を美しいものとすることができる。即ち、組立作業性の向上を図りつつ、組立状態において、所定形状を安定的に維持しつつ箱形状が美しい包装用紙箱の展開体を提供することができる。
【0018】
また、請求項1記載の包装用紙箱の展開体は、1枚のシートから形成されるため、例えば、組立状態において低背の包装用紙箱を形成する場合には、シートを略長方形状に用いることができ、紙取りよく、紙(材料)を生産性よく用いることができる。
【0019】
また、請求項1記載の包装用紙箱の展開体は、全体として厚みの少ない板状に形成されているとともに、平面視における面積が小さくなるように設けられているため、完成品の包装用紙箱よりもコンパクトにされ、運送する際や保管する際のスペースの無駄を省くことができる。
【0020】
また、内側に折られた左右の側壁相当部を、底壁相当部に対して、左右方向の互いに離れる側に折り起こすことで、上壁相当部と底側外壁相当部との境界に設けられた第1折り筋を折り目として折られることとなり、底壁の左右の縁に立設される側壁が形成される。これと略同時に、左右の側壁を二重壁に形成することができる。このように、容易に左右の側壁を二重壁に形成することができるから、組立作業性の向上を図ることができる。
【0021】
また、包装用紙箱が、天側内壁に連続形成されて天壁の内面に貼付される天壁貼付部を備え、天側内壁相当部と天壁貼付部に相当する天壁貼付相当部との境界を折り目として、天側内壁相当部と天壁貼付相当部との表面同士が対向するように折られ、この状態で、天壁貼付相当部の裏面が、天壁相当部と天側外壁相当部の境界よりも僅かに内側で、天壁相当部の裏面に貼付される。即ち、天壁貼付相当部の裏面が、天壁相当部と天側外壁相当部の境界よりも僅かに内側で、天壁相当部の裏面に貼付されることにより、包装用紙箱の組立状態でかつ蓋体が箱本体の開口を覆った状態における左右の覆い壁の天壁側の根元から底壁側の先端に向かうに従って、左右の側壁に近付くように傾斜して設けられることとなる。即ち、覆い壁は側壁に近付けられるように僅かに傾斜した状態で設けられることとなる。さらに、蓋体は、内側に折られた左右の覆い壁相当部を、天壁相当部に対して、左右方向の互いに離れる側に折り起こすことで組み立てられるから、覆い壁は側壁に近付けられる力が作用した状態で設けられることとなり、よって、組立状態の包装用紙箱において、所定形状をより一層安定的に維持しつつ、箱形状をより一層美しいものとすることができる。
【0022】
請求項
2記載の包装用紙箱の展開体によれば、一対の第1折込片相当部の一部が、連結壁相当部に貼付され、一対の第2折込片相当部の一部が、前方側壁相当部に貼付され、一対の第3折込片相当部の一部が、前方覆い壁相当部に貼付されているから、内側に折られた左右の側壁相当部を、底壁相当部に対して、左右方向の互いに離れる側に折り起こすことで、連結壁相当部が、第1折込片相当部を介して折り起こされるとともに、前方側の側壁相当部が、第2折込片相当部を介して折り起こされ、これと同時に、上壁相当部と底側外壁相当部との境界に設けられた第1折り筋を折り目として折られることとなり、連結壁と、底壁の左右及び前方側の縁に立設される3つの側壁と、が形成される。これと略同時に、左右の側壁を二重壁に形成することができる。また、一対の第3折込片相当部の一部が、前方覆い壁相当部に貼付されているから、左右側覆い壁相当部を、天壁相当部に対して、左右方向の互いに離れる側に折り起こすことで、第3折込片相当部を介して前方側の覆い壁相当部が折り起こされて、天壁の左右及び前方側の縁に立設される3つの覆い壁が形成される。このように、一対の第1折込片相当部の一部が、連結壁相当部に貼付され、一対の第2折込片相当部の一部が、前方側壁相当部に貼付されていることにより、連結壁相当部が、第1折込片相当部に補助されてこの第1折込片相当部を介して折り起こされるとともに、前方側の側壁相当部が、第2折込片相当部に補助されてこの第2折込片相当部を介して折り起こされることとなり、連結壁相当部を折り起こす工程や、前方側の覆い壁相当部を折り起こす工程における作業量を低減することができ、かつ、容易に左右の側壁を二重壁に形成することができるから、組立作業性の向上を図ることができる。
【0023】
請求項
3記載の包装用紙箱の展開体によれば、左右の側壁相当部を、底壁相当部に対して、左右方向の互いに離れる側に折り起こすことで、連結壁相当部が、第1折込片相当部を介して折り起こされるとともに、前方側の側壁相当部が、第2折込片相当部を介して折り起こされ、これと同時に第2折り筋を折り目として折られて、前方底側外壁と、前方底側内壁と、前方上壁と、を有する前方側の側壁が形成されることとなり、よって、左右の側壁相当部を、底壁相当部に対して、左右方向の互いに離れる側に折り起こす一工程で、連結壁と、底壁の左右及び前方側の縁に立設される3つの側壁と、が略同時に形成される。これと略同時に、左右及び前方側の側壁を二重壁に形成することができる。
【0024】
また、左右側覆い壁相当部を、天壁相当部に対して、左右方向の互いに離れる側に折り起こすことで、第3折込片相当部を介して前方側の覆い壁相当部が折り起こされて、前方天側外壁と、前方天側内壁と、を有する前方側の側壁が形成されることとなり、よって、左右側覆い壁相当部を、天壁相当部に対して、左右方向の互いに離れる側に折り起こす一工程で、天壁の左右及び前方側の縁に立設される3つの覆い壁が形成される。つまり、工程数を増加させることなく前方側の側壁と、前方側の覆い壁とを形成することができる。これと略同時に、前方側の側壁を二重壁に形成することができる。従って、より一層、組立作業性の向上を図ることができる。
【0025】
請求項
4記載の包装用紙箱の展開体によれば、機械を用いずに、例えば手作業で種々の折り目を形成した場合よりも、生産性の向上を図りつつ、より大きな力が付与される。特に、組立状態において、覆い壁を、箱本体の側壁に近付く方向に作用する復元力をより大きくすることができる。従って、生産性の向上を図りつつ、より一層、組立状態における包装用紙箱を、所定形状を安定的に維持しつつ、箱形状を美しいものとすることができる。
【0026】
請求項
5記載の包装用紙箱の展開体によれば、一対の第1折込片相当部が、第1折込片相当部と天側外壁相当部との間にスリットを有し、底側外壁相当部に連続形成されている場合には、第1折込片相当部が、該第1折込片相当部と底側外壁相当部との境界を折り目として内側に折り込まれることとなり、包装用紙箱が組み立てられた状態で、蓋を開けた際にも、連結壁が、第1折込片を介して左右の側壁と連結して設けられていることとなり、底壁、3つの側壁及び連結壁からなる箱本体の形状を保持することができる。また、第1折込片相当部と底側外壁相当部との間にスリットを有し、天側外壁相当部に連続形成されている場合には、第1折込片相当部が、該第1折込片相当部と天側外壁相当部との境界を折り目として内側に折り込まれることとなり、包装用紙箱が組み立てられた状態で、天側外壁相当部の後端の切断線が露出されることがなくなるから、箱形状を美しいものとすることができる。
【0027】
請求項
6記載の包装用紙箱によれば、左右の側壁が二重壁に形成されているから、複数の包装用紙箱を、上下に積み重ねた際においても押し潰されることがなくなって、上下方向の強度を確保することができる。また、左右及び前方側の覆い壁が、左右及び前方側の側壁のそれぞれを覆うことにより、従来の包装箱のように、箱本体と蓋体との間に隙間が生じなくなって、箱本体内に収容された内容物が飛び出すことを防止することができる。このような包装用紙箱を、内側に折られた左右側側壁相当部を、底壁相当部に対して、左右方向の互いに離れる側に折り起こし、内側に折られた左右側覆い壁相当部を、天壁相当部に対して、左右方向の互いに離れる側に折り起こす容易な作業で形成することができる。さらに、包装用紙箱は、1枚のシートが折られることで形成されているので、低コストで製造することができる。
【0028】
さらに、蓋体は、内側に折られた左右側覆い壁相当部を、天壁相当部に対して、左右方向の互いに離れる側に折り起こすことで組み立てられるから、包装用紙箱が組み立てられた状態で、覆い壁は、箱本体の側壁に近付く方向に作用する復元力が生じる。即ち、覆い壁は側壁に近付けられる力が作用した状態で設けられることとなり、よって、組立状態の包装用紙箱を、所定形状を安定的に維持しつつ、箱形状を美しいものとすることができる。即ち、組立作業性の向上を図りつつ、組立状態において、所定形状を安定的に維持しつつ、箱形状が美しい包装用紙箱を提供することができる。
【0029】
請求項
7記載の包装用紙箱によれば、立設板が、左右の側壁が左右方向の互いに近づく側に倒れないように当該左右方向の側壁を支持することとなる。また、立設板が、連結壁の内面に対向して設けられていることにより、例えば、箱本体に内容物を収容して積み重ねた場合において、最も座屈し易い連結壁が補強されることとなり、包装用紙箱全体の上下方向の強度を向上させることができる。従って、例えば、包装用紙箱に内容物を収容して積み重ねた場合の耐荷重性を向上させることができる。また、立設板が設けられることにより、蓋が開いた状態においても箱本体内側の空間が維持されることとなり、開口状態の包装用紙箱の形状を、美しいものとすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明、例示的一態様である実施形態にかかる包装用紙箱及びその展開体、並びに、包装用紙箱の展開体の製造方法を、
図1〜
図8を参照して説明する。
【0032】
(包装用紙箱)
図1〜
図8において、符号1は、本発明の一実施の形態にかかる包装用紙箱である。この包装用紙箱1は、上方に開口を有する箱本体2と、この箱本体2の開口を覆う「覆う位置」と当該開口を露出する「露出位置」に回動自在な蓋体3と、これら箱本体2及び蓋体3とを連結する連結壁4と、この連結壁4に連続形成されて、蓋体3を「覆う位置」に向かって引き寄せる一対の第1折込片5と、箱本体2の前方側の内隅部に設けられた一対の第2折込片6と、蓋体3の前方側の内隅部に設けられた一対の第3折込片7と、を一体に備えて構成されている。この包装用紙箱1は、1枚の紙材に打ち抜き加工を施して形成されたシート101を、所定位置を折り目として折り畳んで全体として厚みの少ない板状に形成した「包装用紙箱の展開体1A(
図2に示す)」が、所定位置を折り目として折り起こされることで形成されている。
【0033】
箱本体2は、前後左右に4つの縁a、f、sを有する長方形状の底壁8と、この底壁8の左右及び前方側の各縁a、fから立設される3つの側壁9、10、11と、を備えて構成されている。ここで、本明細書では、包装用紙箱1の奥行き方向を矢印Yで示し、包装用紙箱1の幅方向を矢印Xで示し、底壁8の厚さ方向であるとともに、これらの矢印Yと矢印Xとの双方向に直交する方向を矢印Zで示す。さらに、矢印Y方向を前後方向と記し、矢印X方向を左右方向と記し、矢印Z方向を上下方向又は高さ方向と記す場合がある。また、前後方向のうち、
図1における手前側を「前方」と記し、奥側を「後方」と記す。なお、
図4は、包装用紙箱の展開体の製造前の、1枚の紙材に打ち抜き加工が施されて構成されたシートを示す平面図である。
図4においては、包装用紙箱1の内面側となるシート101の裏面が上方を向いており、包装用紙箱1の外面側となるシート101の表面が下方を向いている。ここで、本明細書において用いられる「折り目」や「折り筋」や「縁」や「境界」に付与する符号は、
図4のみに記載するものとし、同一部位に対して、例え名称が異なる場合であったとしても同じ符号を付す。また、本明細書において用いられる各「折り目」は、それぞれ、シート101にプレス加工が施されることで形成されるものであり、シート101の所定位置を折り易くするために形成されている。
【0034】
3つの側壁9、10、11のうち左右の側壁9、10は、それぞれ、底壁8の縁aに連続形成された第1、第2底側外壁(底側外壁)20、21と、各第1、第2底側外壁20、21に対向する第1、第2底側内壁(底側内壁)22、23と、これら第1、第2底側外壁20、21及び第1、第2底側内壁22、23を上方側で連結するとともに底壁8と対向する第1、第2上壁(上壁)24、25と、各第1、第2底側内壁22、23の下方側に連続形成され、かつ、底壁8の内面に貼付される第1、第2底壁貼付部(底壁貼付部)26、27と、を備えている。第1底壁貼付部26は、第2底壁貼付部27と左右対称に設けられている。このように、左右対称に設けられた部位にあっては、図面の角度により隠れて見えない場合がある。このような場合には、図面に現れる側のみ図示することで、他方の図示を省略する場合がある。また、符号26のように、図示を省略した部位にあっては、第1底壁貼付部26に相当する第1底壁貼付相当部26Aや、第1底壁貼付相当部26Aと成る第1底板貼付板126の図示を以ってこの図示を省略する場合がある。
【0035】
なお、包装用紙箱1における1桁番台、2桁番台の符号が示す部位は、包装用紙箱の展開体の製造方法における100番台の符号において下2桁が一致する符号が付された部位に相当する。従って、包装用紙箱の展開体の製造方法における100番台の符号が付された部位の図示を以て、包装用紙箱1の符号の図示を省略する場合がある。
【0036】
左右の側壁9、10は、それぞれ、底壁8と各第1、第2底側外壁20、21との境界を折り目aとして山折りに折られ、各第1、第2底側外壁20、21と各第1、第2上壁24、25との境界を折り目b(第1折り筋)として山折りに折られ、各第1、第2上壁24、25と各第1、第2底側内壁22、23との境界を折り目cとして山折りに折られ、各第1、第2底側内壁22、23と各第1、第2底壁貼付部26、27との境界を折り目dとして谷折りに折られて形成されている。
【0037】
ここで、本明細書における「山折り」とは、
図4に示すシート101における表面側から見て山型形状となるように折ること、「谷折り」とは、
図4に示すシート101における表面側から見て谷型形状となるように折ることをそれぞれ記す。
【0038】
各第1、第2底側外壁20、21は、底壁8の左右の各縁aから立設して設けられている。各第1、第2底側内壁22、23は、底壁8と各第1、第2底側外壁20、21との境界(底壁8の左右の縁a)よりも、各第1、第2上壁24、25の幅寸法(左右寸法)分だけ内側に、各第1、第2底側外壁20、21と平行状態で設けられている。各第1、第2底側内壁22、23の前後の両端には、それぞれ、一対の底側突出片28が設けられている。また、各第1、第2底側内壁22、23は、その前端が切り欠かれることで、各第1、第2上壁24、25の前端よりも後方側に設けられていて、一対の底側突出片28のうち、前方側の底側突出片28は、前方側の側壁11の第3底側内壁32よりも前側に重ねて設けられている。前方側の底側突出片28は、各第1、第2底側内壁22、23の前端部において、各第1、第2底側内壁22、23と底側突出片28との境界を折り目eとして谷折りに折られることで、各第1、第2底側内壁22、23の前方側の底側突出片28同士が左右方向(矢印X方向)の互いに近付く側に突出して設けられている。各前方側の底側突出片28は、底壁8から離間し上端側に偏って設けられている。また、各第1、第2底側外壁20、21と各第1、第2底側内壁22、23との間には、各第1、第2底壁貼付部26、27から各第1、第2底側外壁20、21に向かって延出して形成された延出片29が設けられている。この延出片29は、各第1、第2底側内壁22、23を、各第1、第2上壁24、25の幅寸法分(延出片29の延出方向分)だけ内側に位置決めするために形成されたものであり、その延出寸法が、各第1、第2上壁24、25の幅寸法(左右寸法)と略等しい寸法になるように形成されている。この延出片29は、各第1、第2底側内壁22、23に切込み129(
図4に示す)を形成することで得られたものであり、各第1、第2底壁貼付部26、27と各第1、第2底側内壁22、23との境界と平行な辺を有する台形状に形成されている。
【0039】
3つの側壁9、10、11のうち前方側の側壁11(以下、前方側壁11と記す)は、底壁8の前方側の縁fに連続形成された第3底側外壁31と、この第3底側外壁31に対向する第3底側内壁32と、これら第3底側外壁31及び第3底側内壁32を上方側で連結するとともに底壁8と対向する第3上壁33と、第3底側内壁32の下方側に連続形成され、かつ、底壁8に重なる底壁重ね部(前方底壁重ね部)34と、を備えている。
【0040】
前方側壁11は、底壁8と第3底側外壁31との境界を折り目fとして山折りに折られ、第3底側外壁31と第3上壁33との境界を折り目gとして山折りに折られ、第3上壁33と第3底側内壁32との境界を折り目hとして山折りに折られ、第3底側内壁32と底壁重ね部34との境界を折り目iとして谷折りに折られて形成されている。
【0041】
第3底側外壁31は、底壁8の前方の縁fから立設して設けられている。第3底側内壁32は、底壁8と第3底側外壁31との境界(底壁8の前方側の縁f)よりも、第3上壁33の幅寸法(前後寸法)分だけ内側に設けられている。第3底側外壁31と第3上壁33とは、左右寸法が、相互に略等しい寸法になるように、また、底壁8の左右の縁a間の寸法(第1、第2底側外壁20、21間の寸法)と略等しい寸法になるように形成されている。第3底側内壁32と底壁重ね部34とは、左右寸法が、第1、第2上壁24、25の合計の幅寸法分だけ、第3底側外壁31及び第3上壁33の左右寸法よりも小さくなるように形成されている。
【0042】
また、左右の側壁9、10と前方側壁11との内隅部には、各第1、第2底側内壁22、23と第3底側内壁32との係止状態を維持するための底側係止部35が設けられている。底側係止部35は、第3底側内壁32の下端部辺りから左右方向(矢印X方向)の互いに近付く側に延出形成された底側係止片36と、各第1、第2底側内壁22、23に設けられて底側係止片36を係止させる底側係止受け部37と、を備えている。底側係止受け部37は、各第1、第2底側内壁22、23の前方側の縁eの一部であり、各第1、第2底側内壁22、23の底側突出片28の下方側に設けられている。このような底側係止部35は、底側係止片36が、底側係止受け部37を乗り上げ、底側係止受け部37よりも前方側に乗り越えて、底側係止片36が底側係止受け部37を係止して、各第1、第2底側内壁22、23と第3底側内壁32との係止状態を維持している。
【0043】
蓋体3は、箱本体2の開口を覆う長方形状の天壁12と、この天壁12の左右及び前方側の各縁j、pから立設されて箱本体2の3つの側壁9、10、11をそれぞれ覆う3つの覆い壁13、14、15と、を備えて構成されている。天壁12は、その左右寸法及び前後寸法が、底壁8の左右寸法及び前後寸法よりも僅かに大きくなるように形成されている。
【0044】
3つの覆い壁13、14、15のうち左右の覆い壁13、14は、それぞれ、天壁12の各縁jに連続形成された第1、第2天側外壁(天側外壁)40、41と、各第1、第2天側外壁40、41に対向する第1、第2天側内壁(天側内壁)42、43と、各第1、第2天側内壁42、43の上方側に連続形成され、かつ、天壁12の内面に貼付される第1、第2天壁貼付部(天壁貼付部)44、45と、を備えている。天壁12は、その左右寸法が、底壁8の左右寸法よりも、少なくとも紙厚さ寸法分だけ大きくなるように形成されている。第1、第2天側内壁42、43は、その高さ寸法が、第1、第2天側外壁40、41の高さ寸法よりも僅かに小さくなるように形成されている。また、第1、第2天壁貼付部44、45の裏面が、天壁12と第1、第2天側外壁40、41との境界よりも僅かに内側(左右方向の互いに近付く側)で、天壁12の裏面に貼付されている。このように、第1、第2天側内壁42、43の高さ寸法が、第1、第2天側外壁40、41の高さ寸法よりも僅かに小さくなるように形成され、第1、第2天壁貼付部44、45の裏面が、天壁12と第1、第2天側外壁40、41との境界よりも僅かに内側で、天壁12の裏面に貼付されていることにより、包装用紙箱1の組立状態でかつ蓋体3が箱本体2の開口を覆った状態において、第1、第2天側外壁40、41は、その天壁12側の上端から底壁8側の下端に向かうに従って、左右の側壁9、10に近付くように傾斜して設けられている。
【0045】
左右の覆い壁13、14は、それぞれ、天壁12と各第1、第2天側外壁40、41との境界を折り目jとして山折りに折られ、各第1、第2天側外壁40、41と各第1、第2天側内壁42、43との境界を折り目kとして山折りに折られ、各第1、第2天側内壁42、43と各第1、第2天壁貼付部44、45との境界を折り目mとして谷折りに折られて形成されている。
【0046】
各第1、第2天側外壁40、41は、天壁12の左右の各縁jから立設して設けられている。各第1、第2天側内壁42、43は、その前端が、前方側の覆い壁15の第3天側外壁51の前端より僅かに後方側に設けられている。また、各第1、第2天側内壁42、43の前端には、前方側の覆い壁15の第3天側内壁52よりも前側に重ねて設けられる一対の天側突出片46が設けられている。一対の天側突出片46は、各第1、第2天側内壁42、43の前端部において、各第1、第2天側内壁42、43と天側突出片46との境界を折り目nとして谷折りに折られることで、一対の天側突出片46が左右方向(矢印X方向)の互いに近付く側に突出して設けられている。一対の天側突出片46は、天壁12から離間し下端側に偏って設けられている。
【0047】
3つの覆い壁13、14、15のうち前方側の覆い壁15(以下、前方覆い壁15と記す)は、天壁12の前方側の縁pに連続形成された第3天側外壁51と、この第3天側外壁51に対向する第3天側内壁52と、第3天側内壁52の上方側に連続形成され、かつ、天壁12に重なる天壁重ね部(前方天壁重ね部)53と、を備えている。
【0048】
前方覆い壁15は、天壁12と第3天側外壁51との境界を折り目pとして山折りに折られ、第3天側外壁51と第3天側内壁52との境界を折り目qとして山折りに折られ、第3天側内壁52と第3天側重ね部53との境界を折り目rとして谷折りに折られて形成されている。
【0049】
第3天側外壁51は、天壁12の前方の縁pから立設して設けられている。第3天側内壁52は、天壁12と第3天側外壁51との境界(天壁12の前方側の縁p)よりも、僅かに後方側に設けられている。第3天側外壁51と第3天側内壁52と天壁重ね部53は、左右寸法が、相互に略等しい寸法になるように、また、天壁12の左右の縁j間の寸法(第1、第2天側外壁40、41間の寸法)と略等しい寸法になるように形成されている。
【0050】
また、左右の覆い壁13、14と前方覆い壁15との内隅部には、各第1、第2天側内壁42、43と第3天側内壁52との係止状態を維持するための天側係止部54が設けられている。天側係止部54は、第3天側内壁52の上端部辺りから左右方向(矢印X方向)の互いに離れる側に延出形成された天側係止片55と、各第1、第2天側内壁42、43に設けられて天側係止片55を係止させる天側係止受け部56と、を備えている。天側係止受け部56は、各第1、第2天側内壁42、43の前方側の縁nの一部であり、各第1、第2天側内壁42、43の天側突出片46の上方側に設けられている。このような天側係止部54は、天側係止片55が、天側係止受け部56を乗り上げ、天側係止受け部56よりも前方側に乗り越えて、天側係止片55が天側係止受け部56を係止して、各第1、第2天側内壁42、43と第3天側内壁52との係止状態を維持している。
【0051】
連結壁4は、底壁8と天壁12との間に設けられ、これら壁8、12間に連続形成されている。また、連結壁4は、その左右寸法が、底壁8の左右の縁a間の寸法(第1、第2底側外壁20、21間の寸法)と略等しい寸法になるように形成されていて、上下寸法が、第1、第2底側外壁20、21の上下寸法と略等しい寸法になるように形成されている。
【0052】
連結壁4は、連結壁4と底壁8との境界を折り目sとして山折りに折られ、連結壁4と天壁12との境界を折り目tとして山折りに折られて形成されている。
【0053】
一対の第1折込片5は、左右の側壁9、10と連結壁4との間に設けられている。一対の第1折込片5は、それぞれ、各第1、第2底側外壁20、21の後方側の縁5b、及び、連結壁4の左右の縁5a、に連続形成されているとともに、連結壁4と第1折込片5との境界を折り目5aとして山折りに折られ、各第1、第2底側外壁20、21と第1折込片5との境界を折り目5bとして山折りに折られ、かつ、第1折込片5を対角線で2等分するようにその中心(中途)を折り目5cとして谷折りに折り込まれることで形成されている。第1折込片5を2等分するよう折られることで形成された一対の第1分割部50のうち、連結壁4側に設けられた一方は、連結壁4の裏面に接着固定されている。一対の第1分割部50の境界は、蓋体3が「覆い位置」に位置した状態で、底壁8の後方側の左右の角部から、左右方向(矢印X方向)の互いに近付く側に向かうに従って、底壁8の後方側の縁sから上方に向かって離隔するように延在して設けられている。
【0054】
一対の第2折込片6は、左右の側壁9、10と前方側壁11との間に設けられている。一対の第2折込片6は、それぞれ、各第1、第2底側外壁20、21の前方側の縁6b、及び、第3底側外壁31の左右の縁6a、に連続形成されているとともに、第3底側外壁31と第2折込片6との境界を折り目6aとして山折りに折られ、各第1、第2底側外壁20、21と第2折込片6との境界を折り目6bとして山折りに折られ、かつ、第2折込片6を対角線で2等分するようにその中心(中途)を折り目6cとして谷折りに折り込まれることで形成されている。第2折込片6を2等分するよう折られることで形成された一対の第2分割部60のうち、第3底側外壁31側に設けられた一方は、第3底側外壁31の裏面に接着固定されている。一対の第2分割部60の境界は、蓋体3が「覆い位置」に位置した状態で、底壁8の前方側の左右の角部から、左右方向(矢印X方向)の互いに近付く側に向かうに従って、底壁8の前方側の縁fから上方に向かって離隔するように延在して設けられている。
【0055】
また、各第2折込片6には、前方側壁11の第3底側外壁31と第3底側内壁32との間に設けられて、一対の第2分割部60が対角線を中心に折られた状態から開くことを防止する開き防止片61が設けられている。この開き防止片61の前後方向(矢印Y方向)の寸法は、第3上壁33の前後方向の寸法よりも僅かに小さくなるように形成されている。開き防止片61は、第2折込片6の他方の第2分割部60の上縁部に連続形成されるとともに、他方の第2分割部60との境界を折り目6dとして山折りに折られることで、後方に向かって延出して設けられている。
【0056】
このような開き防止片61は、第2折込片6の他方の第2分割部60の上縁部に連続形成されるとともに、後方に向かって延出して設けられているので、第3上壁33の下側に、この第3上壁33に対向した状態で、第3底側内壁32を後方に向かって押し出している。そして、包装用紙箱1の組立状態において、開き防止片61により第3底側内壁32が後方に押されることで、第3底側外壁31が後方に向かって引っ張られることとなる。そして、一対の第2分割部60の折りが折り戻されるように生じる復元力に抗して、一対の第2分割部60が対角線を中心に開くことを防止している。このように開き防止片61も、所定形状を安定的に維持しつつ、箱形状を美しいものとすることに貢献している。
【0057】
一対の第3折込片7は、左右の覆い壁13、14と前方覆い壁15との間に設けられている。一対の第3折込片7は、それぞれ、各第1、第2天側外壁40、41の前方側の縁7b、及び、第3天側外壁51の左右の縁7a、に連続形成されているとともに、第3天側外壁51と第3折込片7との境界を折り目7aとして山折りに折られ、各第1、第2天側外壁40、41と第3折込片7との境界を折り目7bとして山折りに折られ、かつ、第3折込片7を対角線で2等分するようにその中心(中途)を折り目7cとして谷折りに折り込まれることで形成されている。第3折込片7を2等分するよう折られることで形成された一対の第3分割部70のうち、第3天側外壁51側に設けられた一方は、第3天側外壁51の裏面に接着固定されている。一対の第3分割部70の境界は、蓋体3が「覆い位置」に位置した状態で、天壁12の前方側の左右の角部から、左右方向(矢印X方向)の互いに近付く側に向かうに従って、天壁12の前方側の縁pから下方に向かって離隔するように延在して設けられている。
【0058】
このように構成された包装用紙箱1は、箱本体2の開口を覆う「覆う位置」と当該開口を露出する「露出位置」に、蓋体3が箱本体2に対して回動自在に変位する。また、3つの側壁9、10、11は、それぞれ、第1、第2、第3底側外壁20、21、31及び第1、第2、第3底側内壁22、23、32が底壁8に立設して設けられ、第1、第2、第3上壁24、25、33が底壁8と対向して設けられた額縁状に形成されている。このように、3つの側壁9、10、11が額縁状に設けられているから、包装用紙箱1として、高級感を有し、外部からの衝撃を防ぐ緩衝性に優れたものを形成することができる。また、これら3つの側壁9、10、11は、第1、第2、第3底側外壁20、21、31及び第1、第2、第3底側内壁22、23、32を有する二重壁に設けられているから、上下方向の強度を向上させることができる。また、左右及び前方側の覆い壁13、14、15が、左右及び前方側の側壁9、10、11のそれぞれを覆うことにより、箱本体2内に収容された内容物が飛び出すことを防止することができる。
【0059】
(包装用紙箱の展開体)
続いて、本実施形態の包装用紙箱の展開体1Aを、
図2、
図3、
図4を参照して説明する。
【0060】
図2において、符号1Aは、本発明の一実施の形態にかかる包装用紙箱の展開体である。この包装用紙箱の展開体1Aは、前述したように、1枚の紙材に打ち抜き加工を施して形成されたシート101を、所定位置を折り目として折り畳んで全体として厚みの少ない板状に形成されている。このシート101は、その表面が、包装用紙箱1の外面を構成するように設けられ、その裏面が包装用紙箱1の内面を構成するように用いられている。
【0061】
包装用紙箱の展開体1Aは、底壁8に相当する底壁相当部8A、天壁12に相当する天壁相当部12A、連結壁4に相当する連結壁相当部4A、第3底側外壁31に相当する第3底側外壁相当部31A、第3天側外壁51に相当する第3天側外壁相当部51A、が同一平面上に設けられている。
【0062】
左右の側壁9、10に相当する左右側側壁相当部9A、10Aは、第1、第2底側外壁20、21に相当する第1、第2底側外壁相当部(底側外壁相当部)20A、21Aと、第1、第2底側内壁22、23に相当する第1、第2底側内壁相当部(底側内壁相当部)22A、23Aと、第1、第2上壁24、25に相当する第1、第2上壁相当部(上壁相当部)24A、25Aと、第1、第2底壁貼付部26、27に相当する第1、第2底壁貼付相当部26A、27Aと、を備えている。
【0063】
左右側側壁相当部9A、10Aは、第1、第2底側外壁相当部20A、21Aと底壁相当部8Aとの境界を折り目aとして、第1、第2底側外壁相当部20A、21Aが底壁相当部8Aの裏面に対向するように折られ、第1、第2底側内壁相当部22A、23Aと第1、第2上壁相当部24A、25Aとの境界を折り目cとして、第1、第2底側外壁相当部20A、21Aと第1、第2上壁相当部24A、25Aとの裏面同士が対向するように折られ、第1、第2底側内壁相当部22A、23Aと第1、第2底壁貼付相当部26A、27Aとの境界を折り目dとして、第1、第2底側内壁相当部22A、23Aと第1、第2底壁貼付相当部26A、27Aとの表面同士が対向するように折られ、この状態で、第1、第2底壁貼付相当部26A、27Aの裏面が、底壁相当部8Aと第1、第2底側外壁相当部20A、21Aとの境界よりも第1、第2上壁相当部24A、25Aの左右方向(矢印X方向)の寸法分だけ内側で、底壁相当部8Aの裏面に接着固定されている。また、底側突出片28に相当する底側突出片相当部28Aにおいて、前方側の底側突出片28に相当する底側突出片相当部28Aは、その表面が、底壁相当部8Aと第3底側外壁31に相当する第3底側外壁相当部31Aとの境界fを跨ぎつつこれらの裏面に対向して設けられている。また、延出片29に相当する延出片相当部29Aは、その裏面が、底壁相当部8Aの裏面における第1、第2底側内壁相当部22A、23Aと第1、第2底側外壁相当部20A、21Aとの間に接着固定されている。さらに、第1、第2上壁相当部24A、25Aと第1、第2底側外壁相当部20A、21Aとの境界には、折り目b(以下、第1折り筋bと記す場合がある)が設けられている。
【0064】
ここで、各第1、第2底壁貼付相当部26A、27Aには、その前端部に切欠き126a、127aが形成されている。このように、各第1、第2底壁貼付相当部26A、27Aに切欠き126a、127aが形成されて、後述する底壁重ね相当部34Aにもその左右方向(矢印X方向)の両端部に切欠き134aが形成されていることで、包装用紙箱1の組立状態、及び、包装用紙箱の展開体1Aにおいて、各第1、第2底壁貼付相当部26A、27Aと、底壁重ね相当部34Aと、が上下に重ならないようになっている。また、各第1、第2天壁貼付相当部44A、45Aには、その前端部に切欠き144a、145aが形成されている。このように、各第1、第2天壁貼付相当部44A、45Aに切欠き144a、145aが形成されて、後述する天壁重ね相当部53Aにもその左右方向(矢印X方向)の両端部に切欠き153aが形成されていることで、包装用紙箱1の組立状態、及び、包装用紙箱の展開体1Aにおいて、各第1、第2天壁貼付相当部44A、45Aと、天壁重ね相当部53Aと、が上下に重ならないようになっている。
【0065】
前方側壁11に相当する前方側壁相当部11Aは、第3底側外壁31に相当する第3底側外壁相当部31Aと、第3底側内壁32に相当する第3底側内壁相当部32Aと、第3上壁33に相当する第3上壁相当部33Aと、底壁重ね部34に相当する底壁重ね相当部34Aと、を備えている。
【0066】
前方側壁相当部11Aは、第3底側外壁相当部31Aと第3上壁相当部33Aとの境界を折り目gとして、第3底側外壁相当部31Aと第3上壁相当部33Aとの裏面同士が対向するように折られている。そして、第3底側外壁相当部31A、第3上壁相当部33A、及び、底壁重ね相当部34Aが、底壁相当部8Aとの間に、左右側側壁相当部9A、10A、及び、第2折込片相当部6Aを挟んで重ねて設けられている。
【0067】
また、第3上壁相当部33Aと第3底側内壁相当部32Aとの境界には、当該境界を折り目hとして山折りに折られることで形成された第2折り筋hが形成されている。即ち、第2折り筋hは、第3上壁相当部33Aと第3底側内壁相当部32Aとの裏面同士が対向するように一旦略90度折られ、その後、折り戻されることで形成されている。ここで、第2折り筋h以外の各折り目や第1折り筋bは、シート101にプレス加工を施すことで形成された折り目であるのに対し、第2折り筋hは、一旦折った後、折り戻すことで形成された折り癖だから、このような第2折り筋hが形成されていることにより、折り目hを折り込む作業を簡単にすることができ、箱本体2の組立作業を容易にすることができる。
【0068】
左右の覆い壁13、14に相当する左右側覆い壁相当部13A、14Aは、第1、第2天側外壁40、41に相当する第1、第2天側外壁相当部40A、41Aと、第1、第2天側内壁42、43に相当する第1、第2天側内壁相当部42A、43Aと、第1、第2天壁貼付部44、45に相当する第1、第2天壁貼付相当部44A、45Aと、を備えている。
【0069】
左右側覆い壁相当部13A、14Aは、第1、第2天側外壁相当部40A、41Aと天壁相当部12Aとの境界を折り目jとして、第1、第2天側外壁相当部40A、41Aが天壁相当部12Aの裏面に対向するように折られ、第1、第2天側外壁相当部40A、41Aと第1、第2天側内壁相当部42A、43Aとの境界を折り目kとして、第1、第2天側外壁相当部40A、41Aと第1、第2天側内壁相当部42A、43Aとの裏面同士が対向するように折られ、第1、第2天側内壁相当部42A、43Aと第1、第2天壁貼付相当部44A、45Aとの境界を折り目mとして、第1、第2天側内壁相当部42A、43Aと第1、第2天壁貼付相当部44A、45Aとの表面同士が対向するように折られ、この状態で、第1、第2天壁貼付相当部44A、45Aの裏面が、天壁相当部12Aと第1、第2天側外壁相当部40A、41Aの境界よりも僅かに内側で、天壁相当部12Aの裏面に接着固定されている。また、天側突出片46に相当する天側突出片相当部46Aは、その表面が、天壁相当部12Aと第3天側外壁51に相当する第3天側外壁相当部51Aとの境界pを跨ぎつつこれらの裏面に対向して設けられている。
【0070】
前方覆い壁15に相当する前方覆い壁相当部15Aは、第3天側外壁51に相当する第3天側外壁相当部51Aと、第3天側内壁52に相当する第3天側内壁相当部52Aと、天壁重ね部53に相当する天壁重ね相当部53Aと、を備えている。
【0071】
前方覆い壁相当部15Aは、第3天側外壁相当部51Aと第3天側内壁相当部52Aとの境界を折り目qとして、第3天側外壁相当部51Aと第3天側内壁相当部52Aとの裏面同士が対向するように折られている。そして、第3天側内壁相当部52A、及び、天壁重ね相当部53Aが、天壁相当部12Aとの間に、左右側覆い壁相当部13A、14A、及び、第3折込片相当部7Aを挟んで重ねて設けられている。
【0072】
一対の第1折込片5に相当する一対の第1折込片相当部5Aは、連結壁相当部4Aとの境界を折り目5aとして、第1折込片相当部5Aが連結壁相当部4Aの裏面に対向するように折られている。この状態で、一対の第1分割部50に相当する一対の第1分割相当部50Aのうち、連結壁相当部4A側に設けられた一方は、その裏面が、連結壁相当部4Aの裏面に接着固定されている。一対の第1分割部50は、請求項中の「第1三角片」と「第2三角片」とに相当する。
【0073】
一対の第2折込片6に相当する一対の第2折込片相当部6Aは、第3底側外壁相当部31Aとの境界を折り目6aとして、第2折込片相当部6Aが第3底側外壁相当部31Aの裏面に対向するように折られている。この状態で、一対の第2分割部60に相当する一対の第2分割相当部60Aのうち、第3底側外壁相当部31A側に設けられた一方は、その裏面が、第3底側外壁相当部31Aの裏面に接着固定されている。さらに、一対の第2折込片相当部6Aには、開き防止片61に相当する開き防止片相当部61Aが設けられている。
【0074】
一対の第3折込片7に相当する一対の第3折込片相当部7Aは、第3天側外壁相当部51Aとの境界を折り目7aとして、第3折込片相当部7Aが第3天側外壁相当部51Aの裏面に対向するように折られている。この状態で、一対の第3分割部70に相当する一対の第3分割相当部70Aのうち、第3天側外壁相当部51A側に設けられた一方は、その裏面が、第3天側外壁相当部51Aの裏面に接着固定されている。
【0075】
このような包装用紙箱の展開体1Aは、全体として厚みの少ない板状に形成されている。よって、包装用紙箱1よりもコンパクトにされるとともに、平面視における面積が小さくなるように設けられているため、運送する際や保管する際のスペースの無駄を省くことができる。また、包装用紙箱の展開体1Aは、1枚のシート101から形成されるため、例えば、組立状態において低背の包装用紙箱1を形成する場合には、シート101を略長方形状に用いることができ、紙取りよく、紙(材料)を生産性よく用いることができる。
【0076】
続いて、包装用紙箱の展開体1Aを用いて構成された包装用紙箱1の組立手順について、
図3を参照して説明する。
【0077】
まず、包装用紙箱の展開体1Aの左右側側壁相当部9A、10Aを、底壁相当部8Aに対して、左右方向(矢印X方向)の互いに離れる側に略直角まで折り起こす。すると、連結壁相当部4Aが、第1折込片相当部5Aを介して折り起こされるとともに、前方側壁相当部11Aが、第2折込片相当部6Aを介して折り起こされ、これと同時に、第1、第2上壁相当部24A、25Aと第1、第2底側外壁相当部20A、21Aとの境界に設けられた第1折り筋bを折り目として山折りに折られる。
【0078】
そして、底壁相当部8Aと第3底側外壁相当部31Aとの境界を折り目fとして山折りに折り、第3底側外壁相当部31Aと第3上壁相当部33Aとの境界を折り目gとして山折りに折り、第3上壁相当部33Aと第3底側内壁相当部32Aとの境界を折り目hとして山折りに折り、第3底側内壁相当部32Aと底壁重ね相当部34Aとの境界を折り目iとして谷折りに折って、底壁重ね相当部34Aを底壁相当部8Aの裏面に重ねる。これと同時に、底側係止片36を、底側係止受け部37に係止し、各前方側の底側突出片28が、第3底側内壁32よりも前側に重ねて設けられた状態とする。この際、折り目hには、第3底側内板132と第3上板133との境界hを山折りに折り、この後、折り戻すことにより形成された第2折り筋hが設けられていたから、折り目hとして折り込む作業を簡単にすることができ、箱本体2の組立作業を容易にすることができる。
【0079】
次に、左右側覆い壁相当部13A、14Aを、天壁相当部12Aに対して、左右方向(矢印X方向)の互いに離れる側に略直角まで折り起こす。すると、第3折込片相当部7Aを介して前方側の覆い壁相当部15Aが折り起こされる。そして、天壁相当部12Aと第3天側外壁相当部51Aとの境界を折り目pとして山折りに折り、第3天側内壁相当部52Aと天壁重ね相当部53Aとの境界を折り目rとして谷折りに折って、天壁重ね相当部53Aを天壁相当部12Aの裏面に重ねる。これと同時に、天側係止片55を、天側係止受け部56に係止し、一対の天側突出片46が、第3天側内壁52よりも前側に重ねて設けられた状態とする。
【0080】
この際、蓋体3が「露出位置」に位置して設けられているから、底壁相当部8Aと連結壁相当部4Aとの境界を折り目sとして山折りに折り、天壁相当部12Aと連結壁相当部4Aとの境界を折り目tとして山折りに折って、蓋体3を箱本体2に対して前方側に回動させる。こうして、蓋体3が「覆う位置」に位置した状態とされる。こうして、包装用紙箱1を組み立てる。
【0081】
このような包装用紙箱の展開体1Aは、一対の第1折込片相当部5Aの一部(一対の第1分割相当部50Aのうち、連結壁相当部4A側に設けられた一方)が、連結壁相当部4Aに貼付され、一対の第2折込片相当部6Aの一部(一対の第2分割相当部60Aのうち、第3底側外壁相当部31A側に設けられた一方)が、第3底側外壁相当部31Aに貼付され、一対の第3折込片相当部7Aの一部(一対の第3分割相当部70Aのうち、第3天側外壁相当部51A側に設けられた一方)が、第3天側外壁相当部51Aに貼付されているから、内側に折られた左右側側壁相当部9A、10Aを、底壁相当部8Aに対して、左右方向(矢印X方向)の互いに離れる側に折り起こすことで、連結壁相当部4Aが、第1折込片相当部5Aを介して折り起こされるとともに、前方側壁相当部11Aが、第2折込片相当部6Aを介して折り起こされ、これと同時に、上壁相当部24A、25Aと第1、第2底側外壁相当部20A、21A(底側外壁相当部)との境界に設けられた折り筋bを折り目として折られることとなり、連結壁4と、底壁8の左右及び前方側の縁a、fに立設される3つの側壁9、10、11と、が形成される。これと略同時に、左右及び前方側の側壁9、10、11を二重壁に形成することができる。また、一対の第3折込片相当部7Aの一部が、前方覆い壁相当部15Aに貼付されているから、左右側覆い壁相当部13A、14Aを、天壁相当部12Aに対して、左右方向(矢印X方向)の互いに離れる側に折り起こすことで、第3折込片相当部7Aを介して前方側の覆い壁相当部15Aが折り起こされて、天壁12の左右及び前方側の縁j、pに立設される3つの覆い壁13、14、15が形成される。このように、連結壁相当部4Aが、第1折込片相当部5Aに補助されてこの第1折込片相当部5Aを介して折り起こされるとともに、前方側壁相当部11A(前方側の側壁相当部)が、第2折込片相当部6Aに補助されてこの第2折込片相当部6Aを介して折り起こされることとなり、連結壁相当部4Aを折り起こす工程や、前方側壁相当部11A(前方側の側壁相当部)を折り起こす工程における作業量を低減することができ、かつ、容易に左右及び前方側の側壁9、10、11を二重壁に形成することができるから、組立作業性の向上を図ることができる。
【0082】
さらに、蓋体3は、内側に折られた左右側覆い壁相当部13A、14Aを、天壁相当部12Aに対して、左右方向(矢印X方向)の互いに離れる側に折り起こし、内側に折られた前方側の覆い壁相当部15Aを、天壁相当部12Aに対して、前向側(矢印Y方向)に折り起こすことで組み立てられるから、包装用紙箱1が組み立てられた状態で、覆い壁13、14は、箱本体2の側壁9、10に近付く方向に作用する復元力が生じる。即ち、覆い壁13、14は、側壁9、10に近付けられる力が作用した状態で設けられることとなり、よって、組立状態の包装用紙箱1を、所定形状を安定的に維持しつつ、箱形状を美しいものとすることができる。
【0083】
(包装用紙箱の展開体の製造方法)
続いて、包装用紙箱の展開体1Aの製造方法を、
図4、
図5を参照して説明する。
【0084】
包装用紙箱の展開体1Aは、1枚の紙材に打ち抜き加工を施して形成されたシート101から構成されている。シート101は、
図4における手前側に、その表面が設けられ、奥側に、その裏面が設けられるように配置されている。シート101は、
図4に示すように、箱本体2と成る箱本体群102と、蓋体3と成る蓋体群103と、連結壁相当部4Aと成る連結板104と、第1折込片相当部5Aと成る第1折込板105と、第2折込片相当部6Aと成る第2折込板106と、第3折込片相当部7Aと成る第3折込板107と、を一体に備えている。第1折込板105は、一対の第1分割板150を備えている。第2折込板106は、一対の第2分割板160と、開き防止板161と、を備えている。第3折込板107は、一対の第3分割板170を備えている。箱本体群102は、底壁相当部8Aと成る底板108と、第1、第2、第3底側外壁相当部20A、21A、31Aと成る第1、第2、第3底側外板120、121、131と、第1、第2、第3底側内壁相当部22A、23A、32Aと成る第1、第2、第3底側内板122、123、132と、第1、第2、第3上壁相当部24A、25A、33Aと成る第1、第2、第3上板124、125、133と、第1、第2底壁貼付相当部26A、27と成る第1、第2底板貼付板126、127と、底壁重ね相当部34Aと成る底板重ね板134と、を備えている。第1、第2底側内板122、123には、それぞれに、底側突出片相当部28Aと成る底側突出板128と、底側係止受け部37と成る部位137と、延出片相当部29Aを形成するための切込み129と、が設けられている。第3底側内板132には、底側係止片相当部36Aと成る底側係止板136が設けられている。
【0085】
蓋体3と成る蓋体群103は、天壁相当部12Aと成る天板112と、第1、第2、第3天側外壁相当部40A、41A、51Aと成る第1、第2、第3天側外板140、141、151と、第1、第2、第3天側内壁相当部42A、43A、52Aと成る第1、第2、第3天側内板142、143、152と、第1、第2天壁貼付相当部44A、45Aと成る第1、第2天板貼付板144、145と、天壁重ね相当部53Aと成る天板重ね板153と、を備えている。第1、第2天側内板142、143には、それぞれに、天側突出片相当部46Aと成る天側突出板146と、天側係止受け部56と成る部位156と、が設けられている。第3天側内板152には、天側係止片相当部55Aと成る天側係止板155が設けられている。
【0086】
ここで、シート101を折る際には、図示しないプレス機に設けられた一対のローラを用いて、シート101を矢印Y方向の一方(箱本体群102側)から他方(蓋体群103側)に移動させつつ、シート101の矢印X方向の両側から内側に折り畳むように、シート101の各折り目を折り込んで形成されている。
【0087】
<接着剤塗付工程>
図5(A)に示すように、第2折込板106の第3底側外板131側の一方の第2分割板160の裏面に接着剤を塗付し、そして、第1折込板105の連結板104側の一方の第1分割板150の裏面に接着剤を塗付し、この後、第3折込板107の第3天側外板151側の一方の第3分割板170の裏面に接着剤を塗付する。続いて、第1、第2底板貼付板126、127の各裏面それぞれに接着剤を塗付する。この後、第1、第2天板貼付板144、145の各裏面それぞれに接着剤を塗付する。ここで、接着剤は、これら位置の全域に塗付する必要はなく、少なくとも一部に塗付されていればよい。
【0088】
<接着固定工程>
この状態で、
図5(B)に示すように、接着剤が硬化する前、即ち接着剤により固定される前に、第1、第2底板貼付板126、127と第1、第2底側内板122、123との境界を折り目dとし、第1、第2底板貼付板126、127と第1、第2底側内板122、123との表面同士が対向するように(谷折り)、第1、第2底側内板122、123と第1、第2上板124、125との境界を折り目cとし、第1、第2底側内板122、123と第1、第2上板124、125との裏面同士が対向するように山折りに、それぞれプレスする。そして、第2折込板106と第3底側外板131との境界を折り目6aとし、第2折込板106を第3底側外板131の裏面に対向するように(山折り)、第1、第2底側外板120、121と底板108との境界を折り目aとし、第1、第2底側外板120、121を底板108の裏面に対向するように(山折り)、第1折込板105と連結板104との境界を折り目5aとし、第1折込板105を連結板104の裏面に対向するように山折りに、それぞれプレスする。続いて、第1、第2天板貼付板144、145と第1、第2天側内板142、143との境界を折り目mとし、第1、第2天板貼付板144、145と第1、第2天側内板142、143との表面同士が対向するように(谷折り)、第1、第2天側内板142、143と第1、第2天側外板140、141との境界を折り目kとし、第1、第2天側内板142、143と第1、第2天側外板140、141との裏面同士が対向するように山折りに、それぞれプレスする。そして、第1、第2天側外板140、141と天板112との境界を折り目jとして、第1、第2天側外板140、141を天板112の裏面に対向するように(山折り)、第3折込板107と第3天側外板151との境界を折り目7aとし、第3折込板107を第3天側外板151の裏面に対向するように(山折り)、それぞれプレスする。この際、第1、第2天板貼付板144、145は、第1、第2天板貼付板144、145と第1、第2天側内板142、143との境界mが、天板112と第1、第2天側外板140、141との境界jよりも、僅かに内側(矢印X方向の互いに近付く側)に動かされ、この状態で、天板112の裏面に接着固定される。これと略同時に、第3折込板107が第3天側外板151の裏面に接着固定され、第2折込板106が第3底側外板131の裏面に接着固定され、第1、第2底板貼付板126、127が、底板108の裏面に接着固定され、第1折込板105が連結板104の裏面に接着固定される。
【0089】
<折込工程>
第3底側内板132と第3上板133との境界を折り目hとして、第3底側内板132と第3上板133との裏面同士が対向するように山折りにプレスする。第3底側内板132と第3上板133とが山折りにプレスする前の展開状態に折り戻す。こうして、折り癖である第2折り筋hが形成される。続いて、第3底側外板131と第3上板133との境界を折り目gとして、第3底側外板131と第3上板133との間に第2折込板106を挟むように、第3底側外板131と第3上板133との裏面同士が対向するように山折りにプレスする。
【0090】
また、第3天側外板151と第3天側内板152との境界を折り目qとして、第3天側外板151と第3天側内板152との間に第3折込板107を挟むように、第3天側外板151と第3天側内板152との裏面同士が対向するように山折りプレスする。こうして、
図5(C)に示すように、包装用紙箱の展開体1Aが製造される。
【0091】
このように、包装用紙箱の展開体1Aは、各折り目が機械を用いてプレスされることで形成されている。よって、機械を用いずに、例えば手作業で種々の折り目を形成した場合よりも、生産性の向上を図りつつ、より大きな力が付与される。特に、組立状態において、蓋体3の左右の覆い壁13、14を、箱本体2の左右の側壁9、10に近付く方向に作用する復元力をより大きくすることができる。従って、生産性の向上を図りつつ、より一層、組立状態における包装用紙箱1を、所定形状を安定的に維持しつつ、箱形状を美しいものとすることができる。
【0092】
なお、上述した実施形態では、シート101を折る際には、図示しないプレス機により、シート101を矢印Y方向の一方(箱本体群102側)から他方(蓋体群103側)に移動させつつ、シート101の各折り目を折り込んで包装用紙箱の展開体1Aを製造していたが、本発明はこれに限定されるものではない。図示しないプレス機により、シート101を矢印Y方向の他方(蓋体群103側)から一方(箱本体群102側)に移動させつつ、シート101の各折り目を折り込んで包装用紙箱の展開体1Aを製造してもよい。
【0093】
また、上述した実施形態では、シート101を折る際には、図示しないプレス機に設けられた一対のローラを用いて、シート101を矢印Y方向の一方(箱本体群102側)から他方(蓋体群103側)に移動させつつ、シート101の矢印X方向の両側から内側に折り畳むように、シート101の各折り目を折り込んでいたが、本発明は、これに限定されるものではなく、種々の方法を用いて、シート101の各折り目を折り込んで、包装用紙箱の展開体1Aを製造してもよい。
【0094】
以上、本発明について、好ましい実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記実施形態の構成に限定されるものではない。
【0095】
上述した包装用紙箱1において、第1、第2天壁貼付部44、45は省略してもよい。即ち、包装用紙箱の展開体1Aにおける第1、第2天壁貼付相当部44A、45Aは省略してもよい。その場合には、第1、第2天側外壁相当部40A、41Aと第1、第2天側内壁相当部42A、43Aとの裏面同士がそれぞれ接着固定されていてもよい。
【0096】
また、上述した包装用紙箱1において、一対の第1折込片5は、各第1折込片5を2等分するよう折られることで形成された一対の第1分割部50のうち、連結壁4側に設けられた一方が、連結壁4の裏面に接着固定され、第2折込片6を2等分するよう折られることで形成された一対の第2分割部60のうち、第3底側外壁31側に設けられた一方が、第3底側外壁31の裏面に接着固定され、第3折込片7を2等分するよう折られることで形成された一対の第3分割部70のうち、第3天側外壁51側に設けられた一方が、第3天側外壁51の裏面に接着固定されていたが、本発明はこれらに限定されるものではなく、それぞれ接着固定されていなくともよい。即ち、一対の第1折込片相当部5Aはその一部が連結壁相当部4Aの裏面に、一対の第2折込片相当部6Aはその一部が第3底側外壁相当部31Aの裏面に、一対の第3折込片相当部7Aはその一部が第3天側外壁相当部51Aの裏面に、それぞれ接着固定されていなくともよい。この場合においても、蓋体3は、内側に折られた左右側覆い壁相当部13A、14Aを、天壁相当部12Aに対して、左右方向(矢印X方向)の互いに離れる側に折り起こし、内側に折られた前方側の覆い壁相当部15Aを、天壁相当部12Aに対して、前向側(矢印Y方向)に折り起こすことで組み立てられるから、包装用紙箱1が組み立てられた状態で、覆い壁13、14は、箱本体2の側壁9、10に近付く方向に作用する復元力が生じる。従って、覆い壁13、14は、側壁9、10に近付けられる力が作用した状態で設けられることとなり、よって、組立状態の包装用紙箱1を、所定形状を安定的に維持しつつ、箱形状を美しいものとすることができる。
【0097】
また、上述した包装用紙箱1において、天壁重ね部53は、各第1、第2天壁貼付部44、45と重ならないような、前後方向(矢印Y方向)の長さを有して形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。
図6は、
図1に示された包装用紙箱の変形例を示す斜視図であり、蓋が開いた状態を示すものである。
図6に示すように、天壁重ね部53の代わりに、これをさらに延出させて、天壁12の裏面の全体を覆うことが可能な大きさになる天壁覆い部57が形成されていてもよい。
図6において、上述した実施形態と同一の構造乃至機能を示す部材には、同一符号を付してその説明を省略する。このように、天壁重ね部53の代わりに天壁覆い部57が設けられ、天壁覆い部57の裏面と天壁11の裏面とが対向するように、第1、第2天壁貼付部44、45を介して重ねられることにより、天壁11が補強されることとなり、その強度を向上させることができる。さらに、天壁11の裏面が露出されなくなるから、蓋が開いた状態で、箱形状を美しいものとすることができる。
【0098】
また、上述した実施形態において、包装用紙箱1が、
図7に示すように、支持板80を備えていてもよい。
図7(A)は、
図1に示された包装用紙箱に組み付けられる支持板が包装用紙箱に組み付けられる様子を示す斜視図であり、(B)は、(A)に示された支持板が包装用紙箱に組み付けられた状態を示す斜視図である。
図7(A)(B)において、上述した実施形態と同一の構造乃至機能を示す部材には、同一符号を付してその説明を省略する。支持板80は、
図7(A)に示すように、1枚の紙材を打ち抜き、折られて成形されるものであり、左右の側壁9、10間に設けられて、これら側壁9、10を支持する。支持板80は、底壁8と連結壁4との境界位置において、連結壁4の内面(裏面)に対向して設けられる仕切り板(立設板)81と、仕切り板81の下端縁に連続形成されて、底壁8に重ねられる底壁重なり部82と、仕切り板81の上端縁に連続形成されて、仕切り板81と対向する対向板83と、を備えている。仕切り板81には、その下端部から左右方向(矢印X方向)の互いに離れる側に延出形成されて、各第1、第2底側内壁22、23の後端部に係止される支持板係止片84が設けられている。対向板83には、その左右方向の両端部に、各一対の第1分割部50間に差し込まれる一対の差込片85が設けられている。一対の差込片85は、それぞれ、その下端が三角形状に切り欠かれることで形成されている。
【0099】
支持板80は、
図7(A)に示されたように、一枚の紙材を打ち抜いて形成された打ち抜き部材からなる。ここで、打ち抜き部材は、
図7(A)における手前側に、その裏面が設けられ、奥側に、その表面が設けられるように配置されている。打ち抜き部材は、一対の差込片85を、それぞれ、各一対の第1分割部50間にそれぞれ差し込み、仕切り板81と底壁重なり部82との境界を折り目vとして、仕切り板81と底壁重なり部82との表面同士が対向するように谷折りに折られ、仕切り板81と対向板83との境界を折り目wとして、仕切り板81と対向板83との裏面同士が対向するように山折りに折られ、
図7(B)に示すように、箱本体2に組み付けられて、形成されている。ここで、支持板80を、打ち抜き部材から折り込みつつ、包装用紙箱に組み付けていたが、支持板80を、打ち抜き部材から折り込みつつ形成し、この後、一対の差込片85を、それぞれ、各一対の第1分割部50間にそれぞれ差し込んで、底壁重なり部82を底壁8に重ねて、支持板80を箱本体2に組み付けてもよい。
【0100】
また、
図8に示されたように、支持板80が、底壁重なり部82の代わりに、これにさらに延出させた収容品支持部86を備えていてもよい。
図8(A)は、
図7に示された支持板の変形例を示す図であり、(B)は、(A)に示された支持板の展開状態を示す図である。
図8(A)(B)において、上述した実施形態と同一の構造乃至機能を示す部材には、同一符号を付してその説明を省略する。収容品支持部86は、仕切り板81の下端縁に連続形成されるとともに、底壁8の略全面に重なる板状に形成され、任意の箇所に切込み86aが形成され、重なり部86の一部87を切り起こすことで形成されていてもよい。
【0101】
上述した実施形態では、第1折込片5(第1折込片相当部5A)が、第1、第2底側外壁20、21(第1、第2底側外壁相当部20A、21A)と、連結壁4(連結壁相当部4A)とに連続形成されて、第1折込片相当部5Aと第1、第2天側外壁相当部40A、41Aとの間にはスリット(不図示)が形成されている。これにより、包装用紙箱1の組立状態で、蓋を開けた際にも、連結壁4が、第1折込片5を介して左右の側壁9、10と連結して設けられていることとなり、底壁8、3つの側壁9、10、11及び連結壁4からなる箱本体2の形状が保持される。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。第1折込片5(第1折込片相当部5A)は、第1、第2天側外壁40、41(第1、第2天側外壁相当部40A、41A)と、連結壁4(連結壁相当部4A)とに連続形成されていて、第1折込片相当部5Aと第1、第2底側外壁相当部20A、21Aとの間にはスリット(不図示)が形成されていてもよい。この場合には、第1折込片相当部5Aが、該第1折込片相当部5Aと第1、第2天側外壁相当部40A、41Aとの境界を折り目として内側に折り込まれることとなり、包装用紙箱1が組み立てられた状態で、第1、第2天側外壁相当部40A、41Aの後端の切断線が露出されることがなくなるから、箱形状を美しいものとすることができる。
【0102】
前述した各実施形態は本発明の好ましい形態を示したに過ぎず、本発明は、これら実施形態に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々改変して実施することができる。かかる改変によってもなお本発明の包装用紙箱の展開体、及び、包装用紙箱の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。