特許第6246577号(P6246577)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6246577
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/12 20060101AFI20171204BHJP
   F21W 101/10 20060101ALN20171204BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20171204BHJP
【FI】
   F21S8/12 110
   F21S8/12 263
   F21W101:10
   F21Y115:10
【請求項の数】3
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-251632(P2013-251632)
(22)【出願日】2013年12月5日
(65)【公開番号】特開2015-109208(P2015-109208A)
(43)【公開日】2015年6月11日
【審査請求日】2016年11月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】関口 達也
(72)【発明者】
【氏名】四方 作刀志
【審査官】 竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−089317(JP,A)
【文献】 特開2003−068118(JP,A)
【文献】 特開2008−288010(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/12
F21W 101/10
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に延びる光軸を回転対称軸とした回転放物面を基調とするとともにその光軸上に前記回転放物面の焦点が設定された凹状の反射面を前面に有するリフレクターと、
前記反射面の前に前記光軸に沿って設けられ前記焦点又はその近傍に配置される後縁を有し、前記反射面の前の空間を二つの領域に区切る反射板と、
前記二つの領域のうちの一方の領域に設けられた発光素子及び集光レンズと、を備えた車両用灯具であって
前記反射板は、前記後縁の後方において前記一方の領域と他方の領域とが繋がるように形成されており、
前記リフレクターの反射面は、正面から見て前記一方の領域側と他方の領域側の両方の領域に及んで形成されており
前記集光レンズは、前記発光素子と前記焦点との間に設けられ、前記発光素子によって発せられた光を集光させ、光のスポットを前記焦点又はその近傍に形成するとともにその一部が前記反射板の前記後縁を照射するように形成され、
前記集光レンズによって集光された光のスポットのうち、前記後縁近傍の前記反射面を照射する光は、前記反射板によって反射されて前記一方の領域側の前記リフレクターの反射面へ進行して前記一方の領域側の反射面によって前方へ反射され、
前記集光レンズによって集光された光のスポットのうち、前記後縁の後ろの空間を通過する光は、前記他方の領域側の前記リフレクターの反射面へ進行し前記他方の領域側の反射面によって前方へ反射され
前記車両用灯具から前方に離れた仮想スクリーン上において、前記一方の領域側の反射面によって反射された光と前記他方の領域側の反射面によって反射された光との合成によって、前記光軸と前記仮想スクリーンの交点を通る水平面との交線よりも下側に明部を形成することを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前後方向に延びる光軸を回転対称軸とした回転放物面を基調とするとともにその光軸上に前記回転放物面の焦点が設定された凹状の反射面を前面に有するリフレクターと、
前記反射面の前に前記光軸に沿って設けられ、前記焦点又はその近傍に配置される前縁を有し、前記反射面の前の空間を二つの領域に区切る反射板と、
前記二つの領域のうちの一方の領域に設けられた発光素子及び集光レンズと、を備えた車両用灯具であって、
前記反射板は、前記前縁の後方において前記一方の領域と他方の領域とが繋がるように形成されており、
前記リフレクターの反射面は、正面から見て、前記一方の領域側と他方の領域側の両方の領域に及んで形成されており、
前記集光レンズは、前記発光素子と前記焦点との間に設けられ、前記発光素子によって発せられた光を集光させ、光のスポットを前記焦点又はその近傍に形成するとともにその一部が前記反射板の前記前縁を照射するように形成され、
前記集光レンズによって集光された光のスポットのうち、前記前縁近傍の前記反射面を照射する光は、前記反射板によって反射されて、前記一方の領域側の前記リフレクターの反射面へ進行して、前記一方の領域側の反射面によって前方へ反射され、
前記集光レンズによって集光された光のスポットのうち、前記前縁の前の空間を通過する光は、前記他方の領域側の前記リフレクターの反射面へ進行し、前記他方の領域側の反射面によって前方へ反射され、
前記車両用灯具から前方に離れた仮想スクリーン上において、前記一方の領域側の反射面によって反射された光と前記他方の領域側の反射面によって反射された光との合成によって、前記光軸と前記仮想スクリーンの交点を通る水平面との交線よりも下側に明部を形成することを特徴とす車両用灯具。
【請求項3】
前記他方の領域であって前記焦点よりも前側に設けられ、前記焦点に向けて設けられた第二発光素子と、
前記第二発光素子と前記焦点の間に設けられ、前記第二発光素子によって発せられた光を前記焦点又はその近傍に集光させる第二集光レンズと、を備え、
前記第二集光レンズによって集光された光の一部が前記前縁又は前記後縁近傍において前記反射板によって反射されて、前記反射面のうち前記一方の領域側の部分へ進行して、前記反射面のうち前記一方の領域側の部分によって前方へ反射され、
前記第二集光レンズによって集光された光の一部が前記前縁の前又は前記後縁の後ろを通過して、前記反射面のうち前記他方の領域側の部分へ進行し、前記反射面のうち前記他方の領域側の部分によって前方へ反射される、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前照灯等に利用することができる車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
リフレクター型の車両用灯具は、光源が放物面系リフレクターの焦点又はその近傍に配置されたものである。光源は従前よりバルブが主流であったが、最近になって発光ダイオードが用いられるようになってきている(例えば、特許文献1参照)。バルブはフィラメント又は放電部を発光源としており、光が発光源から全方位に放射状に出射する。一方、発光ダイオードは指向性を有する。つまり、発光ダイオードの光軸は発光ダイオードから発光ダイオードが向けられた方向へ延び、光がその光軸の方向を中心として放射状に出射するが、その反対方向へは光が出射しない。
【0003】
特許文献1に記載の車両用灯具では、一つの発光ダイオード(16)につき一つの放物面系リフレクター(18)が設けられている。その発光ダイオード(16)が放物面系リフレクター(18)の焦点又はその近傍に配置されており、正面から見てその発光ダイオード(16)が右向きに設けられ、その発光ダイオード(16)の出射方向が右方向である。一方、正面から見て、放物面系リフレクター(18)は発光ダイオード(16)から右へ広がりをもって設けられている。その発光ダイオード(16)によって発せられた光は左へ進行しないので、正面から見て、放物面系リフレクター(18)は発光ダイオード(16)の左側(発光ダイオード(16)の出射方向の反対側)には設けられていない。
仮に、正面から見て放物面系リフレクター(18)を発光ダイオード(16)の左側へ広がりをもって設けても、発光ダイオード(16)によって発せられた光は放物面系リフレクター(18)の右部では反射されるが、放物面系リフレクター(18)の左部では反射されない。つまり、仮に正面から見て放物面系リフレクター(18)を発光ダイオード(16)の左側へ広がりもって設けたものとしても、放物面系リフレクター(18)の光軸を通る鉛直面で放物面系リフレクター(18)を左右の二つ分けた場合、一つの発光ダイオード(16)では、放物面系リフレクター(18)の左部分を有効利用することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−303639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、発光ダイオードのように指向性のある発光素子を用いても、リフレクターの光軸を通る面の両側の部分を有効利用することができるようにするとともに、車両用灯具のデザイン性を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するべく、本発明は、前後方向に延びる光軸を回転対称軸とした回転放物面を基調とするとともにその光軸上に前記回転放物面の焦点が設定された凹状の反射面を前面に有するリフレクターと、
前記反射面の前に前記光軸に沿って設けられ前記焦点又はその近傍に配置される後縁を有し、前記反射面の前の空間を二つの領域に区切る反射板と、
前記二つの領域のうちの一方の領域に設けられた発光素子及び集光レンズと、を備えた車両用灯具であって
前記反射板は、前記後縁の後方において前記一方の領域と他方の領域とが繋がるように形成されており、
前記リフレクターの反射面は、正面から見て前記一方の領域側と他方の領域側の両方の領域に及んで形成されており
前記集光レンズは、前記発光素子と前記焦点との間に設けられ、前記発光素子によって発せられた光を集光させ、光のスポットを前記焦点又はその近傍に形成するとともにその一部が前記反射板の前記後縁を照射するように形成され、
前記集光レンズによって集光された光のスポットのうち、前記後縁近傍の前記反射面を照射する光は、前記反射板によって反射されて前記一方の領域側の前記リフレクターの反射面へ進行して前記一方の領域側の反射面によって前方へ反射され、
前記集光レンズによって集光された光のスポットのうち、前記後縁の後ろの空間を通過する光は、前記他方の領域側の前記リフレクターの反射面へ進行し前記他方の領域側の反射面によって前方へ反射され
前記車両用灯具から前方に離れた仮想スクリーン上において、前記一方の領域側の反射面によって反射された光と前記他方の領域側の反射面によって反射された光との合成によって、前記光軸と前記仮想スクリーンの交点を通る水平面との交線よりも下側に明部を形成する。
【0007】
また本発明は、前後方向に延びる光軸を回転対称軸とした回転放物面を基調とするとともにその光軸上に前記回転放物面の焦点が設定された凹状の反射面を前面に有するリフレクターと、
前記反射面の前に前記光軸に沿って設けられ、前記焦点又はその近傍に配置される前縁を有し、前記反射面の前の空間を二つの領域に区切る反射板と、
前記二つの領域のうちの一方の領域に設けられた発光素子及び集光レンズと、を備えた車両用灯具であって、
前記反射板は、前記前縁の後方において前記一方の領域と他方の領域とが繋がるように形成されており、
前記リフレクターの反射面は、正面から見て、前記一方の領域側と他方の領域側の両方の領域に及んで形成されており、
前記集光レンズは、前記発光素子と前記焦点との間に設けられ、前記発光素子によって発せられた光を集光させ、光のスポットを前記焦点又はその近傍に形成するとともにその一部が前記反射板の前記前縁を照射するように形成され、
前記集光レンズによって集光された光のスポットのうち、前記前縁近傍の前記反射面を照射する光は、前記反射板によって反射されて、前記一方の領域側の前記リフレクターの反射面へ進行して、前記一方の領域側の反射面によって前方へ反射され、
前記集光レンズによって集光された光のスポットのうち、前記前縁の前の空間を通過する光は、前記他方の領域側の前記リフレクターの反射面へ進行し、前記他方の領域側の反射面によって前方へ反射され、
前記車両用灯具から前方に離れた仮想スクリーン上において、前記一方の領域側の反射面によって反射された光と前記他方の領域側の反射面によって反射された光との合成によって、前記光軸と前記仮想スクリーンの交点を通る水平面との交線よりも下側に明部を形成する。
【0008】
好ましくは、前記車両用灯具が、前記他方の領域であって前記焦点よりも前側に設けられ、前記焦点に向けて設けられた第二発光素子と、前記第二発光素子と前記焦点の間に設けられ、前記第二発光素子によって発せられた光を前記焦点又はその近傍に集光させる第二集光レンズと、を備え、前記第二集光レンズによって集光された光の一部が前記前縁又は前記後縁近傍において前記反射板によって反射されて、前記反射面のうち前記一方の領域側の部分へ進行して、前記反射面のうち前記一方の領域側の部分によって前方へ反射され、前記第二集光レンズによって集光された光の一部が前記前縁の前又は前記後縁の後ろを通過して、前記反射面のうち前記他方の領域側の部分へ進行し、前記反射面のうち前記他方の領域側の部分によって前方へ反射される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、発光素子がリフレクターの反射面の焦点に配置されているのではなく、その発光素子が反射板によって区切られた反射面の前の空間のうち一方の領域に設けられているため、反射板の前縁又は後縁を反射面の焦点又はその近傍に配置することができる。そして、発光素子が焦点に向けて設けられ、発光素子によって発せられた光が集光レンズによって反射面の焦点又はその近傍に集光されるため、その光を反射板によって反射される光と反射板の前縁の前又は後縁の後ろを通過する光とに分けることができる。反射面の形成された範囲が光軸から反射板によって区切られた両方の領域側に及ぶので、反射板によって反射された光が反射面のうち一方の領域側の部分によって前方へ反射され、反射板の前縁の前又は後縁の後ろを通過した光が反射面のうち他方の領域側の部分によって前方へ反射される。そのため、反射面のうち一方の領域側の部分と他方の領域側の部分の両方を有効利用することができる。
反射面の前の空間が反射板によって一方の領域と他方の領域に区切られており、分けられた光が反射面のうち一方の領域側の部分と他方の領域側の部分とによってそれぞれ反射されるため、車両用灯具の見栄えが従来にない斬新なものとなる。また、車両用灯具が二灯のように見える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係る車両用灯具の縦断面図である。
図2】前記車両用灯具の要部の斜視図である。
図3】前記車両用灯具の要部の平面図である。
図4】前記車両用灯具の要部の正面図である。
図5】前記車両用灯具の要部を一部変更した場合の正面図である。
図6】前記車両用灯具に正対する仮想スクリーンに形成される明暗境界線の一例を説明するための図である。
図7】前記車両用灯具に正対する仮想スクリーンに形成される明暗境界線の別の一例を説明するための図である。
図8】前記車両用灯具に正対する仮想スクリーンに形成される明暗境界線の別の一例を説明するための図である。
図9】本発明の第2実施形態に係る車両用灯具の縦断面図である。
図10】本発明の第3実施形態に係る車両用灯具の縦断面図である。
図11】本発明の第4実施形態に係る車両用灯具の縦断面図である。
図12】本発明の第5実施形態に係る車両用灯具の縦断面図である。
図13】本発明の第6実施形態に係る車両用灯具の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているので、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0012】
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明の実施形態に係る車両用灯具1の縦断面図である。図1に示す断面は、車両用灯具1の光軸Axを通って水平面に直交する。図2は、この車両用灯具1の要部の斜視図である。図3は、この車両用灯具1の要部の平面図である。図4は、この車両用灯具1の要部の正面図である。
【0013】
この車両用灯具1はロービーム用の前照灯である。
この車両用灯具1は、ハウジング10、アウターレンズ12、発光素子20、集光レンズ30、反射板40、リフレクター60、装飾板70及びエクステンション80等を備える。
【0014】
ハウジング10が中空を有する箱形に形成され、ハウジング10の前面が開口する。アウターレンズ(透明カバー)12がハウジング10の前端に取り付けられ、ハウジング10の前面開口がアウターレンズ12によって塞がれており、ハウジング10及びアウターレンズ12の内側にはこれらによって囲われた灯室14が形成されている。
【0015】
灯室14内には、発光素子20、集光レンズ30、反射板40、リフレクター60、装飾板70及びエクステンション80が収容されており、これらは直接的又は間接的にハウジング10に固定されている。
【0016】
リフレクター60は放物面系リフレクターである。つまり、リフレクター60の前面に凹面状の反射面61が形成されており、その反射面61が回転放物面を基調とした面である。その回転放物面の回転対称軸は反射面61の中心(反射面61の頂点)から前方に延びており、その回転対称軸が車両用灯具1の光軸Axと一致する。反射面61には反射膜(例えば、蒸着、スパッタリングその他の気相成長法による金属膜)が成膜されている。反射面61の焦点F(反射面61が基調とする回転放物面の焦点F)は反射面61の光軸Ax上に設定されている。
【0017】
反射面61の形成されている範囲は、光軸Axを通る水平面から上側に及んでいるとともに、その水平面から下側に及んでいる。つまり、反射面61は、光軸Axを通る水平面よりも上側の上部反射面62と、その水平面よりも下側の下部反射面63と、からなる。
【0018】
また、リフレクター60はマルチリフレクターである。つまり、上部反射面62及び下部反射面63が複数の領域に区分けされ、それら各領域に放物柱面又は自由曲面等の小反射面が形成されており、それら小反射面が回転放物面に沿って配列されることによって反射面61が回転放物面を基調とした面となる。それら小反射面の集合体が反射面61である。
【0019】
リフレクター60の周縁には枠64が設けられており、その枠64がリフレクター60の周縁から前方へ延出する。
枠64の下部の前方にはエクステンション80が設けられている。枠64の下部がそのエクステンション80の裏に隠れる。
枠64の上部の前端には板状の固定部65が設けられており、その固定部65は枠64の上部の前端から前下がりに傾斜する。固定部65には開口66が形成されている。
【0020】
固定部65の前側の面には基板21が取り付けられており、その基板21が水平面を基準として前下がりに傾斜する。その基板21には発光素子20が実装され、その発光素子20が開口66内に位置する。この発光素子20は、反射面61の光軸Axから上にずれて配置されているとともに、反射面61の焦点Fにおいて光軸Axに直交する鉛直面よりも前側に配置されている。発光素子20は、枠64の上部よりも下に配置され、正面から見て枠64の内側に配置されている。発光素子20は、反射面61の光軸Axを通る鉛直面と交差する。発光素子20が反射面61の焦点Fに向けられている。発光素子20の光軸は、発光素子20から後ろ斜め下に延びているとともに、反射面61の光軸Axを通る鉛直面にある。
【0021】
固定部65の後ろ側の面には集光レンズ30が取り付けられており、その集光レンズ30が固定部65の開口66を通じて発光素子20に対向する。そして、この集光レンズ30は、反射面61の光軸Axから上にずれて配置されているとともに、発光素子20と反射面61の焦点Fとの間に配置されている。
【0022】
集光レンズ30の光軸は発光素子20と交差する。また、集光レンズ30の光軸は、発光素子20から後ろ斜め下に延びているとともに、反射面61の光軸Axを通る鉛直面にある。好ましくは、集光レンズ30の光軸と発光素子20の光軸が一致する。
【0023】
集光レンズ30の光軸は反射面61の焦点F又はその近傍において反射面61の光軸Axに交差する。集光レンズ30は、発光素子20によって発せられた光を集光して、その光のスポットを焦点F又はその近傍に形成する。
【0024】
リフレクター60の前には、反射板40が配置されている。この反射板40が光軸Axに沿って設けられており、反射面61の前の空間は、反射板40によって反射板40よりも発光素子20及び集光レンズ30側の上部領域と、反射板40に関して発光素子20及び集光レンズ30の反対側の下部領域とに仕切られている。反射板40の左右の側部に連結部49が設けられ、その連結部49が反射板40の左右側部から後方に延び出て、その連結部49が上部反射面62と下部反射面63の境界の左右両側においてリフレクター60に連結されている。これにより、リフレクター60、反射板40及び連結部49が一体成形されている。反射板40及び連結部49の表面には反射膜(例えば、蒸着、スパッタリングその他の気相成長法による金属膜)が成膜されている。そのため、反射板40の上面及び下面が反射面となっている。
【0025】
反射板40の後縁41が反射面61から前方に離れており、後縁41よりも後ろ側には反射板40、リフレクター60及び連結部49によって囲われた開口42が形成されている。
【0026】
反射板40の後縁41は上又は下か見て凹円弧状に形成されている。反射板40の後縁41の中央部が反射面61の焦点F又はその近傍に配置されている。そのため、集光レンズ30は、発光素子20によって発せられた光を反射板40の後縁41の中央部又はその近傍に集光する。
【0027】
反射板40の具体的形状は次の(1)〜(3)の何れかである。
(1) 図4に示すように、反射板40のうち光軸Axよりも自車線側の部分46は水平に設けられ、光軸Axよりも対向車線側の部分47は水平面に対して傾斜する。傾斜した部分47は、自車線側から対向車線側に向かって下りに傾斜する。後ろ又は前から見た反射板40の後縁41の形状は、水平な部分46及び傾斜した部分47にならう。なお、図1図4に示す反射板40の形状はこの(1)の場合である。
(2) 図5に示すように、反射板40のうち光軸Axよりも自車線側の部分46が水平に設けられ、光軸Axよりも対向車線側の部分のうち光軸Ax寄りの部分47が水平面に対して傾斜し、その傾斜した部分47よりも対向車線側の部分48が水平に設けられている。傾斜した部分47が自車線側から対向車線側に向かって下りに傾斜し、両方の水平な部分46,48が段違いとなっている。後ろ又は前から見た反射板40の後縁41の形状は、水平な部分46,48及び傾斜した部分47にならう。
(3) 反射板40全体が水平に設けられ、光軸Axよりも右側の部分と光軸Axよりも左側の部分が段違いになっていない。後ろ又は前から見た反射板40の後縁41は水平である。
【0028】
図4図5に示す反射板40の形状は、車両用灯具1が右側通行用の場合である。車両用灯具1が左側通行用である場合、図4図5に示す反射板40の形状を左右反転させる。
【0029】
反射板40の前には装飾板70が配置されている。装飾板70が光軸Axに沿って設けられている。そして、反射面61の前の空間は、装飾板70によって装飾板70よりも発光素子20及び集光レンズ30側の上部領域と、装飾板70に関して発光素子20及び集光レンズ30の反対側の下部領域とに仕切られている。装飾板70の左右両側がエクステンション80に連結され、装飾板70とエクステンション80が一体成形されている。
【0030】
図1に示すように、装飾板70が反射板40から前に離れている。なお、装飾板70と反射板40が連結され、装飾板70と反射板40が一体成形されていてもよい。
【0031】
続いて、発光素子20によって発せられた光の進行について説明する。
発光素子20によって発せられた光は集光レンズ30によって反射板40の後縁41の中央部に集光される。集光された光の一部は、反射板40の後縁41の近傍において反射板40の上面によって上部反射面62に向けて反射される。集光された光の他の一部は、反射板40の後縁41の後ろ側(つまり、開口42)を下方へ通過して、下部反射面63に向かって進行する。
【0032】
反射板40の上面によって反射された光は上部反射面62によって前方へ反射される。その反射光は反射板40及び装飾板70の上を前方へ進行する。反射面61の焦点F又はその近傍において反射板40の上面によって反射された光が上部反射面62によって反射されるので、上部反射面62によって反射された光が灯具前方の仮想スクリーン(図6図8参照)において照射される領域は光軸Axを通る水平面の下である。つまり、車両用灯具1に正対する仮想スクリーン(図6図8参照)では、H線の下側に明部が形成される。その明部の上縁には、その明部とそれよりも上側の暗部を区切る明暗境界線(カットオフライン)が形成される。その明暗境界線は、反射板40を後ろから見た場合の反射板40の後縁41の形状を上下及び左右に反転させた形状となる。
ここで、仮想スクリーンとは車両用灯具1から前方へ離れた仮想的な投影面であり、仮想スクリーンと光軸Axが直交する。図6図8に示す原点Oは光軸Axと仮想スクリーンの交点であり、H線は光軸Axを通る水平面と仮想スクリーンの交線であり、V線は光軸Axを通る鉛直面と仮想スクリーンの交線である。
【0033】
反射板40の後縁41の後ろ側を通過した光は下部反射面63によって前方へ反射される。その反射光は反射板40及び装飾板70の下を前方へ進行する。反射面61の焦点F又はその近傍において反射板40の後縁41の後ろを通過した光が下部反射面63によって反射されるので、その反射光が照射される領域は光軸Axを通る水平面の下である。そのため、車両用灯具1に正対する仮想スクリーンでは、H線の下側に明部が形成される。その明部の上縁には明暗境界線が形成される。その明暗境界線は、反射板40を後ろから見た場合の反射板40の後縁41の形状を上下及び左右に反転させた形状となる。
【0034】
上部反射面62によって反射された光の明部と、下部反射面63によって反射された明部が仮想スクリーンにおいて合成される。合成された明部の上縁には明暗境界線が形成される。合成された明部の上縁の明暗境界線は、反射板40を後ろから見た場合の反射板40の後縁41の形状を上下及び左右に反転させた形状となる。
【0035】
図6は、反射板40の具体的形状が上述の(1)である場合の明部B及び明暗境界線Cを示した図である。図4に示す自車線側の部分(水平部分)46の後縁の形状が仮想スクリーンのうち自車線側に投影され、図6に示すように、H線の僅か下に水平な明暗境界線が形成される。図4に示す対向車線側の部分(傾斜部分)47の後縁の形状が仮想スクリーンのうち自車線側に投影され、図6に示すように、H線に対して傾斜した明暗境界線が形成される。それらの明暗境界線を合成したものが図6に示す明暗境界線Cである。
【0036】
図7は、反射板40の具体的形状が上述の(2)である場合の明部B及び明暗境界線Cを示した図である。図5に示す自車線側の部分(水平部分)46の後縁の形状が仮想スクリーンのうち対向車線側に投影され、図7に示すように、H線の僅か下に水平な明暗境界線が形成される。図5に示す対向車線側の傾斜部分47の形状が仮想スクリーンのうち自車線側に投影され、図7に示すように、H線に対して傾斜した明暗境界線が形成される。図5に示す対向車線側の水平な部分48の後縁の形状が仮想スクリーンのうち自車線側に投影され、図7に示すように、H線に沿った明暗境界線が形成される。それらの明暗境界線を合成したものが図7に示す明暗境界線Cである。
【0037】
図8は、反射板40の具体的形状が上述の(3)である場合の明部B及び明暗境界線Cを示した図である。全体的に水平な反射板40の後縁41の形状が仮想スクリーンに投影され、図8に示すように、水平な明暗境界線がH線の僅か下に又はH線に重なって形成される。
【0038】
車両用灯具1単体で、又は車両用灯具1と他の灯具ユニットを組み合わせることで、図6図8に示す明部Bの配光がすれ違い用ヘッドランプの配光規格を満たす。
【0039】
以上の実施の形態によれば、以下のような効果を奏する。
(1) 発光素子20が反射面61の焦点Fに配置されているのではなく、発光素子20によって発せられた光が集光レンズ30によって反射板40の後縁41に集光される。そのため、その光を下部反射面63に向かう通過光と、上部反射面62に向かう反射光に分けることができる。よって、全方位に光を発しない発光素子20を用いた場合でも、反射面61のうち焦点Fよりも上側の領域(上部反射面62)と焦点Fよりも下側の領域(下部反射面63)のどちらも有効利用することができる。
【0040】
(2) 一つの発光素子20を用いたものでも、この車両用灯具1は二灯のような見栄えとなる。つまり、この車両用灯具1は、上部反射面62を利用した灯具と下部反射面63を利用した灯具があるように見える。特に、反射面61の前側の空間を反射板40及び装飾板70によって上下に仕切ったので、車両用灯具1が二灯のような見栄えになることがより顕著になる。
【0041】
(3) 反射面61が放物面を基調とした面であり、集光レンズ30によって光が反射面61の焦点F又はその近傍に集光されるから、反射面61によって反射された光が側面視でほぼ平行光となっている。そのため、反射面61によって反射された光は、装飾板70及び反射板40によって殆ど遮光されずに前方へ進行する。よって、光を有効利用することができる。また、上部反射面62によって反射された光の殆どが下部反射面63によって反射された光に交差しないので、車両用灯具1の二灯のような見栄えを実現することができる。
【0042】
〔第2の実施の形態〕
図9は、本発明の第2実施形態に係る車両用灯具1Aの縦断面図である。
第2実施形態の車両用灯具1Aと第1実施形態の車両用灯具1との間で互いに対応する部分が一致して同一に設けられている場合には、それらの説明を可能な限り省略する。以下では、第2実施形態の車両用灯具1Aと第1実施形態の車両用灯具1の間で相違する部分について主に説明する。
【0043】
この車両用灯具1Aはロービーム及びハイビームの切り替えが可能な前照灯である。この車両用灯具1Aは、第1実施形態の車両用灯具1の構成に加えて、発光素子120、基板121及び集光レンズ130を備える。
【0044】
発光素子120が基板121に実装されている。発光素子120は、反射面61の光軸Axから下にずれて配置されているとともに、反射面61の焦点Fにおいて光軸Axに直交する鉛直面よりも前側に配置されている。発光素子120は、反射面61の光軸Axを通る鉛直面と交差する。発光素子120は、反射面61の焦点Fに向けられている。発光素子120の光軸は、発光素子120から後ろ斜め上に延びているとともに、反射面61の光軸Axを通る鉛直面にある。
【0045】
集光レンズ130は、反射面61の光軸Axから下にずれて配置されているとともに、発光素子120と反射面61の焦点Fとの間に配置されている。集光レンズ130の光軸は発光素子120と交差する。また、集光レンズ130の光軸は、発光素子120から後ろ斜め上に延びているとともに、反射面61の光軸Axを通る鉛直面にある。好ましくは、集光レンズ130の光軸と発光素子120の光軸が一致する。
【0046】
集光レンズ130の光軸は反射面61の焦点F又はその近傍において反射面61の光軸Axに交差する。集光レンズ130は、発光素子120によって発せられた光を集光して、その光のスポットを焦点F又はその近傍に形成する。
【0047】
ロービーム(すれ違い用ビーム)の場合には、発光素子20が点灯し、発光素子120が消灯する。そのため、仮想スクリーンには図6図8の何れかに示すような明部Bが形成され、その明部Bの配光は第1実施形態の場合と同様である。
【0048】
ハイビーム(走行用ビーム)の場合には、発光素子20,120の両方が点灯する。発光素子120によって発せられた光は集光レンズ130によって反射板40の後縁41の中央部に集光される。集光された光の一部は反射板40の下面によって下部反射面63に向けて反射される。集光された光の他の一部は反射板40の後縁41の後ろ側(つまり、開口42)を上方へ通過して、上部反射面62に向かって進行する。
【0049】
反射板40の下面によって反射された光は下部反射面63によって前方へ反射される。その反射光は反射板40及び装飾板70の下を前方へ進行する。下部反射面63によって反射された光は、仮想スクリーンのH線よりも上側に照射されるか、又は、原点Oを中心にして原点Oから上下左右に広がった範囲に照射される。
【0050】
反射板40の後縁41の後ろ側を通過した光は上部反射面62によって前方へ反射される。その反射光は反射板40及び装飾板70の上を前方へ進行する。上部反射面62によって反射された光は、仮想スクリーンのH線よりも上側に照射されるか、又は、原点Oを中心にして原点Oから上下左右に広がった範囲に照射される。
【0051】
車両用灯具1A単体で、又は車両用灯具1Aと他の灯具ユニットを組み合わせることで、発光素子20,120の両方が発光することによって仮想スクリーンに形成された明部の配光は走行用ヘッドランプの配光規格を満たす。
【0052】
第2実施形態でも、第1実施形態と同様の効果を奏する。更に、第2実施形態では、ハイビームとロービームの切り替えが可能となる。
【0053】
〔第3の実施の形態〕
図10は、本発明の第3実施形態に係る車両用灯具1Bの縦断面図である。
第3実施形態の車両用灯具1Bと第2実施形態の車両用灯具1Aとの間で互いに対応する部分が一致して同一に設けられている場合には、それらの説明を可能な限り省略する。以下では、第3実施形態の車両用灯具1Bと第2実施形態の車両用灯具1Aの間で相違する部分について主に説明する。
【0054】
この車両用灯具1Bはハイビーム用の前照灯である。つまり、この車両用灯具1Bには、第2実施形態の車両用灯具1Aに設けられていた発光素子20、基板21及び集光レンズ30が設けられていない。
そして、車両用灯具1B単体で、又は車両用灯具1Bと他の灯具ユニットを組み合わせることで、発光素子120が発光することによって仮想スクリーンに形成された明部の配光は走行用ヘッドランプの配光規格を満たす。
【0055】
なお、光軸Axを回転軸として装飾板70、反射板40、発光素子120、基板121及び集光レンズ130を回転させることで、装飾板70、反射板40、発光素子120、基板121及び集光レンズ130を図10に示す位置から90°回転させた位置に配置してもよい。
【0056】
〔第4の実施の形態〕
図11は、本発明の第4実施形態に係る車両用灯具1Cの縦断面図である。
第4実施形態の車両用灯具1Cと第2実施形態の車両用灯具1Aとの間で互いに対応する部分が一致して同一に設けられている場合には、それらの説明を可能な限り省略する。以下では、第4実施形態の車両用灯具1Cと第2実施形態の車両用灯具1Aの間で相違する部分について主に説明する。
【0057】
この車両用灯具1Cには、第2実施形態の車両用灯具1Aに設けられた反射板40の代わりに反射板140が設けられている。
【0058】
反射板140が上部反射面62と下部反射面63の境界から光軸Axに沿って前方に延出しており、反射面61の前の空間は反射板140よりも上側の領域と下側の領域に仕切られている。反射板140は前縁141を有し、その前縁141が装飾板70の後端から後方へ離れている。そして、反射面61の焦点Fは反射板140の前縁141の中央部又はその近傍に設定されている。
【0059】
この車両用灯具1Cはロービーム及びハイビームの切り替えが可能な前照灯である。ロービームの場合には、発光素子120が点灯し、発光素子20が消灯する。
【0060】
発光素子120によって発せられた光は集光レンズ130によって反射板140の前縁141の中央部に集光される。集光された光の一部は、反射板140の前縁141の近傍において反射板140の下面によって下部反射面63に向けて反射される。集光された光の他の一部は、反射板140の前縁141の前側を上方へ通過して、上部反射面62に向かって進行する。
【0061】
反射板140の下面によって反射された光は下部反射面63によって前方へ反射される。その反射光は反射板140及び装飾板70の下を前方へ進行する。下部反射面63によって反射された光は仮想スクリーンのH線よりも下側に照射され、H線よりも下側に明部が形成され、その明部の上縁には明暗境界線が形成される。その明暗境界線は、反射板140を後ろから見た場合の反射板140の前縁141の形状を上下及び左右に反転させた形状となる。
【0062】
反射板140の前縁141の前を通過した光は上部反射面62によって前方へ反射される。その反射光は反射板140及び装飾板70の上を前方へ進行する。上部反射面62によって反射された光は仮想スクリーンのH線よりも下側に照射され、H線よりも下側に明部が形成され、その明部の上縁には明暗境界線が形成される。その明暗境界線は、反射板140を後ろから見た場合の反射板140の前縁141の形状を上下及び左右に反転させた形状となる。
【0063】
上部反射面62によって反射された光の明部と、下部反射面63によって反射された明部が仮想スクリーンにおいて合成される。合成された明部の上縁に明暗境界線が形成され、明暗境界線は後ろから見た反射板140の前縁141の形状を上下及び左右に反転させた形状となる。つまり、図6〜8に示すような明部Bが仮想スクリーンに形成される。
【0064】
発光素子120が点灯して、発光素子20が消灯したときには、車両用灯具1C単体で、又は車両用灯具1Cと他の灯具ユニットを組み合わせることで、仮想スクリーンに形成された明部の配光はすれ違い用ヘッドランプの配光規格を満たす。
【0065】
ハイビームの場合には、発光素子20,120の両方が点灯する。
発光素子20によって発せられた光は集光レンズ30によって反射板140の前縁141の中央部に集光される。集光された光の一部は、反射板140の前縁141近傍において反射板140の上面によって上部反射面62に向けて反射される。集光された光の他の一部は、反射板140の前縁141の前を下方へ通過して、下部反射面63に向かって進行する。
【0066】
反射板140の上面によって反射された光は上部反射面62によって前方へ反射される。その反射光は反射板140及び装飾板70の上を前方へ進行する。上部反射面62によって反射された光は、仮想スクリーンのH線よりも上側に照射されるか、又は、原点Oを中心にして原点Oから上下左右に広がった範囲に照射される。
【0067】
反射板140の前縁141の前側を通過した光は下部反射面63によって前方へ反射される。その反射光は反射板140及び装飾板70の上を前方へ進行する。下部反射面63によって反射された光は、仮想スクリーンのH線よりも上側に照射されるか、又は、原点Oを中心にして原点Oから上下左右に広がった範囲に照射される。
【0068】
車両用灯具1C単体で、又は車両用灯具1Cと他の灯具ユニットを組み合わせることで、発光素子20,120の両方が発光することによって仮想スクリーンに形成された明部の配光は走行用ヘッドランプの配光規格を満たす。
【0069】
〔第5の実施の形態〕
図12は、本発明の第5実施形態に係る車両用灯具1Dの縦断面図である。
第5実施形態の車両用灯具1Dと第4実施形態の車両用灯具1Cとの間で互いに対応する部分が一致して同一に設けられている場合には、それらの説明を可能な限り省略する。以下では、第5実施形態の車両用灯具1Dと第4実施形態の車両用灯具1Cの間で相違する部分について主に説明する。
【0070】
この車両用灯具1Dはロービーム用の前照灯である。つまり、この車両用灯具1Dには、第4実施形態の車両用灯具1Cに設けられていた発光素子20、基板21及び集光レンズ30が設けられていない。
そして、車両用灯具1D単体で、又は車両用灯具1Dと他の灯具ユニットを組み合わせることで、発光素子120が発光することによって仮想スクリーンに形成された明部の配光はすれ違い用ヘッドランプの配光規格を満たす。
【0071】
〔第6の実施の形態〕
図13は、本発明の第6実施形態に係る車両用灯具1Eの縦断面図である。
第6実施形態の車両用灯具1Eと第4実施形態の車両用灯具1Cとの間で互いに対応する部分が一致して同一に設けられている場合には、それらの説明を可能な限り省略する。以下では、第6実施形態の車両用灯具1Eと第4実施形態の車両用灯具1Cの間で相違する部分について主に説明する。
【0072】
この車両用灯具1Eはハイビーム用の前照灯である。つまり、この車両用灯具1Eには、第4実施形態の車両用灯具1Cに設けられていた発光素子120及び集光レンズ130が設けられていない。
そして、車両用灯具1E単体で、又は車両用灯具1Eと他の灯具ユニットを組み合わせることで、発光素子20が発光することによって仮想スクリーンに形成された明部の配光は走行用ヘッドランプの配光規格を満たす。
【0073】
なお、光軸Axを回転軸として装飾板70、反射板40、発光素子120、基板121及び集光レンズ130を回転させることで、装飾板70、反射板40、発光素子120、基板121及び集光レンズ130を図13に示す位置から90°回転させた位置に配置してもよい。
【符号の説明】
【0074】
1,1A,1B,1C,1D,1E 車両用灯具
20,120 発光素子
30,130 集光レンズ
40,140 反射板
41 反射板の後縁
60 リフレクター
61 反射面
62 上部反射面
63 下部反射面
70 装飾板
120 発光素子
141 反射板の前縁
Ax 光軸
F 焦点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13