(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
横方向に第1横貫通孔が形成された仕口部を有するプレキャストコンクリート製の第1柱を、先行配置された梁から突出された梁鉄筋を前記第1貫通孔に貫通させながら、横方向へ移動させて建て込む工程と、
1スパン分の梁長を備え、両端部に横方向へ第1横継手部材が埋め込まれたプレキャストコンクリート製の第1梁を横移動させ、前記第1横貫通孔から突出された梁鉄筋と前記第1横継手部材を接合する工程と、
横方向に第2横貫通孔が形成された仕口部を有するプレキャストコンクリート製の第2柱を、前記第1柱の隣に建て込む工程と、
1スパン分の梁長を備え、両端部から梁鉄筋が突出されたプレキャストコンクリート製の第2梁を横方向へ移動させ、前記梁鉄筋を、前記第2横貫通孔を貫通させて前記第1梁の前記第1横継手部材と接合する工程と、
を有する柱梁架構の構築方法。
両側面から横方向に梁鉄筋が突出された仕口部を有するプレキャストコンクリート製の第1柱を、横方向へ移動させて、先行配置された梁の端部に埋め込まれた横継手部材に前記梁鉄筋を挿入しながら建て込む工程と、
1スパン分の梁長を備え、両端部に横方向へ第1横継手部材が埋め込まれたプレキャストコンクリート製の第1梁を横移動させ、前記第1梁から突出された梁鉄筋と前記第1横継手部材を接合する工程と、
横方向に第1横貫通孔が形成された仕口部を有するプレキャストコンクリート製の第2柱を、前記第1柱の隣に建て込む工程と、
1スパン分の梁長を備え、前記第2柱側の端部から梁鉄筋が突出されたプレキャストコンクリート製の第2梁を横方向へ移動させ、前記梁鉄筋を、前記第2柱の前記第1横貫通孔を貫通させて前記第1梁の前記第1横継手部材と接合する工程と、
を有する柱梁架構の構築方法。
横方向に第1横貫通孔が形成された仕口部を有するプレキャストコンクリート製の第1柱を建て込み、前記第1横貫通孔へ梁接続鉄筋を貫通させ、先行配置された梁の端部に埋め込まれた横継手部材に、前記梁鉄筋を挿入する工程と、
1スパン分の梁長を備え、両端部に横方向へ第1横継手部材が埋め込まれたプレキャストコンクリート製の第1梁を横移動させ、前記第1横貫通孔から突出された前記梁接続鉄筋を前記第1横継手部材へ挿入して接合する工程と、
横方向に第2横貫通孔が形成された仕口部を有するプレキャストコンクリート製の第2柱を、前記第1柱の隣に建て込む工程と、
1スパン分の梁長を備え、前記第2柱側の端部から梁鉄筋が突出されたプレキャストコンクリート製の第2梁を横方向へ移動させ、前記梁鉄筋を、前記第2柱の前記第2横貫通孔に貫通させて前記第1梁の前記第1横継手部材と接合する工程と、
を有する柱梁架構の構築方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の技術では、仕口部が全てPCa製の柱に設けられ、PCa製の梁から水平方向に突出された梁用接続鉄筋で、水平方向に、全て同じ要領で連続して同じ向きに接続される。このように、特許文献1の柱梁架構は画一的な構成であるため、多様な架構形式や施工方法への対応が困難である。
【0006】
本発明は上記事実に鑑み、仕口部を、PCa製の柱とPCa製の梁に分散して設けたり、接続鉄筋の配筋方法や接続方向を変えることで、柱梁架構の、多様な架構形式や施工方法への対応を容易とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明に係る柱梁架構の構築方法は、仕口部がなく、上面に縦方向に第1縦継手部材が埋め込まれたプレキャストコンクリート製の第1柱を建て込む工程と、横方向に第1横貫通孔が形成された仕口部を有するプレキャストコンクリート製の第2柱を、前記第1柱の隣に建て込む工程と、縦方向に第1縦貫通孔が形成された仕口部と、1スパン分の梁長を備え、両端部から梁鉄筋が突出されたプレキャストコンクリート製の第1梁を横方向へ移動させ、前記梁鉄筋を、前記第2柱の前記第1横貫通孔を貫通させて接合する工程と、1スパン分の梁長を備え、両端部に横方向へ第1横継手部材が埋め込まれたプレキャストコンクリート製の第2梁を横方向へ移動させ、前記第1横継手部材へ前記第1梁の前記梁鉄筋を挿入させて接合する工程と、下面から柱鉄筋を突出させた上階の柱を下方へ移動させ、前記柱鉄筋を、前記第1梁の前記第1縦貫通孔を貫通させて前記第1柱の前記第1縦継手部材と接合する工程と、を有することを特徴としている。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、第2柱の仕口部に形成された第1横貫通孔へ、第1梁から突出された梁鉄筋が挿入され、第2柱と第1梁が接合される。また、第1梁の仕口部に形成された第1縦貫通孔へ、上階の柱から突出された梁鉄筋が挿入され、第1柱と第1梁が接合され、第1梁から突出された梁鉄筋で、第1梁と第2梁が接合される。
これにより、仕口部を第2柱と第1梁に分散させることができる。このとき、仕口部を貫通する接続鉄筋の接合方向を、縦方向と横方向にそれぞれ異ならせることができる。また、第1柱と第2柱、及び第1梁と第2梁の構成を、それぞれ異ならせることができる。この結果、柱梁架構の、多様な架構形式や施工方法への対応を容易とすることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明に係る柱梁架構の構築方法は、仕口部がなく、上面に縦方向に第1縦継手部材が埋め込まれたプレキャストコンクリート製の第1柱を建て込む工程と、横方向に第1横貫通孔が形成された仕口部を有するプレキャストコンクリート製の第2柱を、前記第1柱の隣に建て込む工程と、縦方向に第1縦貫通孔が形成された仕口部と、1スパン分の梁長を備え、前記仕口部側端部には横方向へ第1横継手部材が埋め込まれ、前記第2柱側端部からは梁鉄筋が突出されたプレキャストコンクリート製の第1梁を横方向へ移動させ、前記梁鉄筋を、前記第2柱の前記第1横貫通孔を貫通させて接合する工程と、1スパン分の梁長を備え、前記第1梁側の端部から梁鉄筋が突出されたプレキャストコンクリート製の第2梁を横移動させ、前記第1梁の前記第1横継手部材に前記梁鉄筋を挿入させて接合する工程と、下面から柱鉄筋を突出させた上階の柱を下方へ移動させ、前記柱鉄筋を、前記第1梁の前記第1縦貫通孔を貫通させて前記第1柱の前記第1縦継手部材と接合する工程と、を有することを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、第2柱の仕口部に形成された第1横貫通孔へ、第1梁から突出された梁鉄筋が挿入され、第2柱と第1梁が接合される。また、第1梁の仕口部に形成された第1縦貫通孔へ、上階の柱から突出された柱鉄筋が挿入され、第1柱と第1梁が接合され、第2梁から突出された梁鉄筋で、第1梁と第2梁が接合される。
これにより、仕口部を第2柱と第1梁に分散させることができる。このとき、仕口部を貫通する接続鉄筋の接合方向を、縦方向と横方向にそれぞれ異ならせることができる。また、第1柱と第2柱、及び第1梁と第2梁の構成を、それぞれ異ならせることができる。この結果、柱梁架構の、多様な架構形式や施工方法への対応を容易とすることができる。
【0011】
請求項3に記載の発明に係る柱梁架構の構築方法は、横方向に第1横貫通孔が形成された仕口部を有するプレキャストコンクリート製の第1柱を、先行配置された梁から突出された梁鉄筋を前記第1貫通孔に貫通させながら、横方向へ移動させて建て込む工程と、1スパン分の梁長を備え、両端部に横方向へ第1横継手部材が埋め込まれたプレキャストコンクリート製の第1梁を横移動させ、前記第1横貫通孔から突出された梁鉄筋と前記第1横継手部材を接合する工程と、横方向に第2横貫通孔が形成された仕口部を有するプレキャストコンクリート製の第2柱を、前記第1柱の隣に建て込む工程と、1スパン分の梁長を備え、両端部から梁鉄筋が突出されたプレキャストコンクリート製の第2梁を横方向へ移動させ、前記梁鉄筋を、前記第2横貫通孔を貫通させて前記第1梁の前記第1横継手部材と接合する工程と、を有することを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、第1柱の仕口部に形成された第1横貫通孔へ、先行配置された梁から突出された梁鉄筋が挿入され、第1柱と第1梁が接合される。また、第2梁から突出された梁鉄筋が、第2柱の仕口部に形成された第2横貫通孔を貫通して、第1梁と接合され、第2柱と第1梁、及び第2柱と第2梁が接合される。
これにより、仕口部は、いずれも第1柱と第2柱に設けられるものの、仕口部を貫通する接続鉄筋の接合方向を、正面視において、右方向からと左方向からにそれぞれ異ならせることができる。また、第1柱と第2柱、及び第1梁と第2梁の構成を、それぞれ異ならせることができる。この結果、柱梁架構の、多様な架構形式や施工方法への対応を容易とすることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明に係る柱梁架構の構築方法は、両側面から横方向に梁鉄筋が突出された仕口部を有するプレキャストコンクリート製の第1柱を、先行配置された梁の端部に埋め込まれた横継手部材に、前記梁鉄筋を挿入しながら横方向へ移動させて建て込む工程と、1スパン分の梁長を備え、両端部に横方向へ第1横継手部材が埋め込まれたプレキャストコンクリート製の第1梁を横移動させ、前記第1梁から突出された梁鉄筋と前記第1横継手部材を接合する工程と、横方向に第1横貫通孔が形成された仕口部を有するプレキャストコンクリート製の第2柱を、前記第1柱の隣に建て込む工程と、1スパン分の梁長を備え、前記第2柱側の端部から梁鉄筋が突出されたプレキャストコンクリート製の第2梁を横方向へ移動させ、前記梁鉄筋を、前記第2柱の前記第1横貫通孔を貫通させて前記第1梁の前記第1横継手部材と接合する工程と、を有することを特徴としている。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、第1柱の仕口部から突出された梁鉄筋が、第1梁の継手部材と接合され、第1柱と第1梁が接合される。また、第2梁から突出された梁鉄筋が、第2柱に形成された第1横貫通孔を貫通して第1梁と接合され、第2柱と第1梁、及び第1梁と第2梁が接合される。
これにより、仕口部は、いずれも第1柱と第2柱に設けられるものの、仕口部における接続鉄筋の配筋方法をそれぞれ異ならせることができる。また、第1柱と第2柱、及び第1梁と第2梁の構成を、それぞれ異ならせることができる。この結果、柱梁架構の多様な架構形式や施工方法への対応を容易とすることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明に係る柱梁架構の構築方法は、横方向に第1横貫通孔が形成された仕口部を有するプレキャストコンクリート製の第1柱を建て込み、前記第1横貫通孔へ梁接続鉄筋を貫通させ、先行配置された梁の端部に埋め込まれた横継手部材に、前記梁鉄筋を挿入する工程と、1スパン分の梁長を備え、両端部に横方向へ第1横継手部材が埋め込まれたプレキャストコンクリート製の第1梁を横移動させ、前記第1横貫通孔から突出された前記梁接続鉄筋を前記第1横継手部材へ挿入して接合する工程と、横方向に第2横貫通孔が形成された仕口部を有するプレキャストコンクリート製の第2柱を、前記第1柱の隣に建て込む工程と、1スパン分の梁長を備え、前記第2柱側の端部から梁鉄筋が突出されたプレキャストコンクリート製の第2梁を横方向へ移動させ、前記梁鉄筋を、前記第2柱の前記第2横貫通孔に貫通させて前記第1梁の前記第1横継手部材と接合する工程と、を有することを特徴としている。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、第1柱の仕口部に形成された第1横貫通孔へ、梁接続用の梁接続鉄筋が挿入され、第1柱と第1梁が接合される。また、第2梁から突出された梁鉄筋が、第2柱の仕口部に形成された第2横貫通孔を貫通して、第1梁と接合され、第2柱と第1梁、及び第1梁と第2梁が接合される。
これにより、仕口部は、いずれも第1柱と第2柱に設けられ、同じ構成になるものの、仕口部における接続鉄筋の配筋方法をそれぞれ異ならせることができる。また、第1梁と第2梁の構成を、それぞれ異ならせることができる。この結果、柱梁架構の多様な架構形式や施工方法への対応を容易とすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、上記構成としてあるので、仕口部を、PCa製の柱とPCa製の梁に分散して設けたり、接続鉄筋の配筋方法や接続方向を変えることができ、柱梁架構の、多様な架構形式や施工方法への対応を容易とすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る柱梁架構10の構築方法について、
図1〜
図4を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る構築方法で構築された柱梁架構10を示す正面から見た断面図であり、
図2〜
図4は各構築段階を示している。
【0020】
図1は、柱梁架構10の基準階nFにおける柱梁架構の一部を示している。柱梁架構10は、一方向(X軸方向)にのみ記載しているが、紙面の奥行方向(Y軸方向)にも、同様の柱梁架構が構築される。更に、上下方向(Z軸方向)にも構築され、多層構造とされた建物の柱梁架構を形成する。
【0021】
柱梁架構10は、端部に位置する柱梁架構26と、柱梁架構26に続いて構築される柱梁構築28を有している。柱梁構築28は、標準化された最少単位の柱梁架構12(12A、12B、…)を、必要な数だけ繰り返して構築される。
柱梁架構12(12A、12B、…)は、いずれも同じ構成であり、以後、柱梁架構12として説明する。
【0022】
先ず、端部に位置する柱梁架構26の構築方法について説明する。
柱梁架構26は、プレキャストコンクリート製(以下PCa製)の柱22と、PCa製の梁24で構築される。
図2(A)に示すように、最初に、柱22が所定の位置に建て込まれる。ここに、柱22は、階高分(以下、本実施形態では上下階の梁間の高さHをいう。)の柱長Hを有し、柱22の上部には、仕口部23が一体的に形成されている。柱22の下面には、柱用のスリーブ30が埋め込まれており、仕口部23の上面からは、柱用の接続鉄筋34が突出されている。また、仕口部23の一方の側面からは、梁用の接続鉄筋36が突出されている。
【0023】
柱22は、鉛直方向下方(矢印DV方向)へ移動され、下階に先行配置されたPCa製の柱22Dの上に建て込まれ、柱22Dと接合される。ここに、柱22Dは柱22と同じ構成であり、柱22Dの上面から突出された接続鉄筋(柱鉄筋)34Dが、柱22のスリーブ30内に挿入されて接合される。このとき、接続鉄筋(梁鉄筋)36を、柱梁架構12が構築される方向(X軸方向)へ向けておく。
【0024】
次に、PCa製の梁24が横方向(矢印H方向)に移動され、柱22の仕口部23と接合される。ここに、梁24は、1スパン分(以下、本実施形態では隣接する柱の側面間の距離Sをいう。)の長さSを有し、長手方向の両端部には、梁用のスリーブ32が埋め込まれている。これにより、柱22側のスリーブ32内へと柱22から突出された梁用の接続鉄筋36が挿入され、接合される。このとき、梁24の他方の端部は、必要に応じて、サポート38で支持される。
【0025】
なお、柱22と柱22Dの接合部、及び柱22と梁24の接合部は、目地及びスリーブ30、32にグラウトが注入、または圧入充填されて固定される。
以上の手順で、柱梁架構26が構築される(
図2(B)参照)。
【0026】
続いて、柱梁架構12の構築方法について説明する。
ここに、柱梁架構28は、PCa製の柱14、16と、PCa製の梁18、20で構築される。
【0027】
先ず、
図3(A)に示すように、柱(第1柱)14が、先行配置された下階の梁18Dの上に建て込まれる。ここに、柱14は、階高分の梁長Hを有し、仕口部は設けられていない。また、上面には、縦方向に柱用のスリーブ(第1縦継手部材)30が埋め込まれ、下面からは、柱用の接続鉄筋(柱鉄筋)42が突出されている。
なお、柱14は、後述するように、先行配置された下階の柱梁架構12Dの構築時に、鉛直方向下方(矢印D方向)へ移動させ、下階のPCa製の梁18Dの貫通孔44Dを貫通して、柱14Dのスリーブ30と接合されている。
【0028】
次に、柱(第2柱)16を、柱14の隣に1スパン分の距離Sを開けて建て込む。
ここに、柱16は、階高分の柱長さHを有し、上部に仕口部17が一体成型されている。また、仕口部17には、横方向に貫通孔(第1横貫通孔)40が形成され、仕口部17の上面からは、柱用の接続鉄筋34が突出されている。また、下面には、縦方向に柱用のスリーブ(第1縦継手部材)30が埋め込まれている。
【0029】
柱16は、矢印DVで示す鉛直方向下方へ移動され、下階のPCa製の柱16Dと接合される。柱16Dは、柱16と同じ構成であり、柱16Dの上面から突出された接続鉄筋34Dが、柱用のスリーブ30の内部に挿入されて接合される。このとき、柱16は、貫通孔40を、柱梁架構12が構築される方向(X軸方向)へ向けて建て込まれる。
【0030】
次に、
図3(B)に示すように、梁(第1梁)18が、柱16に取付けられる。
ここに、梁18は、1スパン分の梁長Sを有し、一方の端部には仕口部19が設けられている。梁18の仕口部19には、縦方向に貫通孔(第1貫通孔)44が形成されている。また、梁18の柱16側の端部からは、横方向へ、梁用の接続鉄筋46が突出されている。
【0031】
梁18は、柱14に乗せられた状態で、横方向(矢印HV方向)へ移動させられる。これにより、梁鉄筋46が、柱16の貫通孔40を貫通し、先端が梁24のスリーブ32と接合される。このとき、梁18は、必要に応じてサポート38で支持される。梁18が柱16と接合された状態では、仕口部19は柱14の上面に載置され、梁18の貫通孔44と、柱14のスリーブ30の位置が、鉛直方向に一致する。
【0032】
次に、
図4(A)に示すように、梁(第1梁)20が横方向(矢印HV方向)へ移動され、仕口部19に取付けられる。
ここに、梁20は、上述した梁24と同じ構成であり、1スパン分の梁長Sを有し、長手方向の両端部には、梁用のスリーブ32が埋め込まれている。梁20を、矢印HVの方向へ移動させることにより、仕口部19から突出された接続鉄筋36が、仕口部19側のスリーブ32内に挿入されて接合される。梁20は、必要に応じて、サポート38で支持される。
【0033】
最後に、
図4(B)に示すように、下面から接続鉄筋42Uを突出させた、上階の柱14Uが、下方(矢印DV方向)へ移動させられる。これにより、柱14Uの接続鉄筋42Uが、梁18の縦貫通孔44へ貫通され、柱14のスリーブ32内に挿入されて接合される。
なお、以上説明した柱梁接合部は、目地、貫通孔40、44、及びスリーブ30、32にグラウトが注入され、または圧入充填されて固定される。
以上の工程を、X軸方向、及びX軸と直交するY軸方向へ方向繰り返すことで、柱梁架構28が構築される。
【0034】
以上説明したように、本実施形態によれば、柱16の仕口部17に形成された貫通孔40へ、梁18から突出された接続鉄筋46が挿入され、柱16と梁18が接合される。また、梁18の仕口部19に形成された貫通孔44へ、上階の柱14Uから突出された接続鉄筋42Uが挿入され、柱14と梁18が接合され、梁18から突出された接続鉄筋36で、梁18と梁20が接合される。
【0035】
これにより、仕口部17、19を柱16と梁18に分散させることができる。このとき、仕口部17を貫通する接続鉄筋46の接合方向と、仕口部19を貫通する接続鉄筋42Uの接合方向を、縦方向と横方向にそれぞれ異ならせることができる。また、柱16と柱14、及び梁18と梁20の構成を、それぞれ異ならせることができる。
この結果、柱梁架構10の、多様な架構形式や施工方法への対応を容易とすることができる。
【0036】
更に、従来は、例えば特許文献1に示されているように、いずれのプレキャスト(PCa)製の梁も、PCa製の柱に載置させることはできず、鉄筋の定着が終わるまで、全てのPCa製の梁を、支保工などで仮保持する必要があった。このため、仮保持用の部材であるサポート38を多く必要としていた。
これに対し、本実施形態では、PCa製の梁の一部をPCa製の柱に載置させることができ、従来に比べてサポート38の数を少なくすることができる。
【0037】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る柱梁架構50の構築方法について、
図5、
図6を用いて説明する。柱梁架構50は、梁52と梁54の構成を第1実施形態に係る柱梁架構10と異ならせた構成である。相違点を中心に説明する。
ここに、
図5は、本実施形態に係る構築方法で構築された柱梁架構50を正面から見た断面図であり、
図6(A)、(B)は各構築段階を示している。
【0038】
柱梁架構50は、端部に位置する柱梁架構26と、柱梁架構26に続いて構築される柱梁架構51を有している。柱梁架構51は、標準化された最少単位の柱梁架構48(48A、48B、…)を、必要な数だけ繰り返して構築される。
柱梁架構48(48A、48B、…)は、いずれも同じ構成であり、以後、柱梁架構48として説明する。
【0039】
図6(A)に示すように、先ず、柱16が建て込まれ、PCa製の梁52と柱16が接合される。このとき、梁52は、柱14に乗せられた状態で矢印HVの方向(横方向)へ移動させられて接合される。
ここに、梁52は、1スパン分の梁長Sを有し、一方の端部には、仕口部53が一体的に形成されている。また、梁52の仕口部53には、縦方向に貫通孔(第1貫通孔)44が形成され、梁52の柱54側の側面には、スリーブ32が埋め込まれている。
【0040】
これにより、接続鉄筋46が、柱16の貫通孔40を貫通し、先端が梁24のスリーブ32内に挿入されて接合される。このとき、必要に応じて、サポート38で梁52が支持される。梁52を柱16と接合された状態では、仕口部53が柱14の上面に載置され、貫通孔44とスリーブ30の位置が鉛直方向に一致する。
【0041】
次に、PCa製の梁(第1梁)54が横方向(矢印H方向)へ移動させられ、仕口部53に取付けられる。ここに、梁54は、1スパン分の梁長Sを有し、仕口部53側の端部から、接続鉄筋36が突出されている。また、他方の端部には、スリーブ32が埋め込まれている。梁54は、必要に応じてサポート38で支持される。
【0042】
次に、
図6(B)に示すように、下面から接続鉄筋42Uを突出させた上階の柱14Uが、下方(矢印D方向)へ移動させられる。これにより、接続鉄筋42Uが、梁52の縦貫通孔44を貫通して、柱14のスリーブ32と接合させられる。
なお、以上説明した柱梁接合部は、目地、貫通孔40、44、及びスリーブ30、32にグラウトを注入、または圧入充填して固定される。他の工程は、第1実施形態と同じであり説明は省略する。
【0043】
本実施形態によれば、柱16の仕口部17に形成された貫通孔40へ、梁52から突出された接続鉄筋46が挿入され、柱16と梁52が接合される。また、梁52の仕口部に形成された貫通孔44へ、上階の柱14Uから突出された接続鉄筋42Uが挿入され、柱14と梁52が接合される。更に、梁54から突出された接続鉄筋36で、梁52と梁54が接合される。
【0044】
これにより、仕口部17、53を柱16と梁52に分散させることができる。このとき、仕口部17を貫通する接続鉄筋46の接合方向と、仕口部53を貫通する接続鉄筋42Uの接合方向を、縦方向と横方向にそれぞれ異ならせることができる。また、柱16と柱14、及び梁52と梁54の構成を、それぞれ異ならせることができる。
この結果、柱梁架構50の、多様な架構形式や施工方法への対応を容易とすることができる。
【0045】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態に係る柱梁架構60の構築方法について、
図7〜
図9を用いて説明する。ここに、
図7は、本実施形態に係る構築方法で構築された柱梁架構60を正面から見た断面図であり、
図8、
図9は、各構築段階を示す図である。
【0046】
図7に示すように、柱梁架構60は、端部の柱梁架構26と、柱梁架構62が繰り返し構築された柱梁架構68と、柱梁架構62と柱梁架構6の間に構築された柱梁架構66とを有している。第1実施形態に係る柱梁架構10との相違点を中心に説明する。
【0047】
先ず、柱梁架構66の構築方法について説明する。
図8(A)に示すように、PCa製の柱(第2柱)16を、梁24の隣であり、PCa製の柱16Dの上に建て込む。柱16は、建て込まれた状態で、仕口部17の貫通孔(第1横貫通孔)40が、梁24のスリーブ32と横方向に一致されている。
【0048】
続いて、梁64を横方向(矢印HV方向)へ移動させ、梁64を柱16に接合させる。
ここに、梁64は、1スパン分の梁長Sを有し、両端部から接続鉄筋36が突出た構成であり、接続鉄筋36を柱16の貫通孔40を貫通させて梁24のスリーブ32と接合させる。このとき、梁64は、必要に応じてサポート38で支持される。
これにより、柱梁架構66が構築される。
【0049】
続いて、柱梁架構62の構築方法について説明する。
図8(B)に示すように、先ず、柱78を横方向(矢印HV方向)へ移動させる。このとき、貫通孔40へ接続鉄筋36を貫通させ、移動後、下階のPCa製の柱78Dと接合させる。
ここに、柱78は、階高分の柱長Hを有し、上端部には、仕口部79が一体的に形成されている。仕口部79には、横方向へ貫通孔40が形成され、柱78の下端部にはスリーブ80が移動可能に取り付けられている。また、上端部にはスリーブ受け部82が設けられている。
【0050】
ここで、柱78と、柱78Dの接合方法について説明する。
図9(A)に示すように、柱78の下端部には上部柱継手100が設けられている。上部柱継手100は保護管84を有し、保護管84は、下端を柱78の下端部に開放して埋め込まれている。保護管84は、柱鉄筋88の周囲に、柱鉄筋88の方向に所定の深さに埋め込まれ、保護管84の内部には空間が形成されている。保護管84内部の空間には、スリーブ80が移動可能に挿入されている。柱鉄筋88は、柱78の下端からは突き出さない長さとされている。また、スリーブ80は、重力で落下しないように、吊紐92で空間に吊るされている。
【0051】
一方、柱78Dの上端部には、下部柱継手102が設けられている。下部柱継手102は、保護管86を有し、保護管86は、上端を柱78Dの上端部に開放して埋め込まれている。保護管86は、保護管84と対向する柱鉄筋88の周囲に埋め込まれている。また、保護管86は、柱鉄筋88の方向に、保護管84より浅く埋め込まれている。保護管86は、スリーブ80より大径とされ、保護管86の内部には空間が形成されている。また、柱鉄筋88は、柱78Dの上端から突出さない長さとされている。
なお、スリーブ80は、保護管86の埋め込み深さより長く形成されている。
【0052】
これにより、柱78を、横方向(矢印HV方向)へ移動させて、柱78Dの上に建て込むことができる。柱78を建て込み位置に移動させたとき、柱78の柱鉄筋88と柱78Dの柱鉄筋88、及び保護管84と保護管86が、それぞれ縦方向に配置される。
【0053】
次に、
図9(B)に示すように、柱78の建て込み位置が決定されたとき、吊紐92が切断される。これにより、スリーブ80が、柱78Dの保護管86の下端部まで落下する。この結果、スリーブ80が、柱78と柱78Dの柱鉄筋88の端部を跨いで、周囲を囲む位置に配置される。
【0054】
最後に、
図9(C)に示すように、目地91をシール材94で塞ぎ、開口部90を利用して空間内部へグラウト96を充填する。これにより、柱鉄筋88及び保護管84、86が一体化され、柱78と柱78Dが接合される。
【0055】
続いて、
図4(A)に示したように、梁20が、横方向(矢印H方向)へ移動され、仕口部79に取付けられる。このとき、梁20のスリーブ32には、梁64から突出された接続鉄筋36が、柱78の貫通孔40を通して接合される。梁20は、必要に応じてサポート38で支持される。
【0056】
次に、
図7に示すように、柱16が、柱78の隣に建て込まれる。柱16は、建て込まれた状態で、仕口部17の貫通孔40が、梁20のスリーブ32と横方向に一致される。
次に、梁64を横方向へ移動させ、接続鉄筋36を柱16の貫通孔40を貫通させて、梁20のスリーブ32と接合させる。
以上の工程を、X軸方向、及びX軸と直交するY軸方向へ方向繰り返すことで、柱梁架構68が構築される。
【0057】
以上説明したように、本実施形態によれば、柱78の仕口部79に形成された貫通孔40へ、先行配置された梁64から突出された接続鉄筋36が挿入され、柱78と梁20が接合される。また、梁64から突出された接続鉄筋36が、柱16の仕口部17に形成された貫通孔40を貫通して、梁20と接合され、柱16と梁20、及び梁20と梁64が接合される。
【0058】
これにより、仕口部17、79は、いずれも柱16と柱78に設けられるものの、仕口部17、79を貫通する接続鉄筋36の接合方向を、正面視において、右方向からと左方向からにそれぞれ異ならせることができる。また、柱16と柱78、及び梁20と梁64の構成を、それぞれ異ならせることができる。
この結果、柱梁架構60の、多様な架構形式や施工方法への対応を容易とすることができる。
【0059】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態に係る柱梁架構70の構築方法について、
図10〜12を用いて説明する。
図10は、本実施形態に係る構築方法で構築された柱梁架構70を示す正面から見た断面図であり、
図11、
図12は、いずれも各構築段階を示す図である。
【0060】
図10に示すように、柱梁架構70は、端部に構築された柱梁架構26と、柱梁架構71が繰り返し構築された柱梁架構72と、柱梁架構72と柱梁架構26の間に構築された柱梁架構78と、を有している。柱梁架構26は、第3実施形態に係る柱梁架構60の柱梁架構26と同じであり説明は省略し、柱梁架構78、71を中心に説明する。
【0061】
先ず、柱梁架構78の構築方法について説明する。
図11(A)に示すように、柱16が、梁24の隣であり、下階の柱16Dの上に建て込まれる。柱16は、建て込まれた状態で、仕口部17の貫通孔40が、梁24のスリーブ32と横方向に一致されている。
【0062】
続いて、PCa製の梁76が横方向(矢印HV方向)へ移動させられ、梁76と柱16が接合される。ここに、梁76は、1スパン分の梁長Sを有し、一方の端部から接続鉄筋36が突出され、他方の端部には、スリーブ32が埋め込まれた構成である。接続鉄筋36が、仕口部17の貫通孔40を貫通し、梁24のスリーブ32の内部に挿入されて接合される。このとき、梁64は、必要に応じて、サポート38で支持される。
これにより、柱梁架構78が構築される。
【0063】
続いて、柱梁架構71の構築方法について説明する。
図11(B)に示すように、先ず、PCa製の柱74が横方向(矢印HV方向)へ移動され、下階のPCa製の柱74Dと接合させられる。
ここに、柱74は、階高分の柱長Hを有し、上端部には、仕口部75が一体的に形成されている。柱74の下端部には、上部柱継手100が取り付けられ、柱74の上端部には下部柱継手102が設けられている。柱74の両側面からは、接続鉄筋98が突出されている。なお、上部柱継手100と上部柱継手100を用いた、柱74と、柱74Dの接合方法については、第3実施形態と同じであり、説明は省略する。
【0064】
次に、
図12(A)に示すように、梁20を、横方向(矢印H方向)へ移動させて仕口部75に取付ける。このとき、梁20のスリーブ32には、柱74から突出された接続鉄筋98が挿入されて接合される。梁20は、必要に応じてサポート38で支持される。
【0065】
次に、
図12(B)に示すように、柱74の隣に柱16が建て込まれる。柱16は、上端部に仕口部17が一体的に形成されており、建て込まれた状態で、仕口部17の貫通孔40を、梁20のスリーブ32と横方向に一致させている。
次に、梁76が横方向へ移動され、柱16と接合される。このとき、梁76の接続鉄筋36が、貫通孔40を貫通して、梁20のスリーブ32内に挿入されて接合される。
以上の工程を、X軸方向、及びX軸と直交するY軸方向へ方向繰り返すことで、柱梁架構72が構築される。他は、第3実施形態と同じであり、説明は省略する。
【0066】
以上説明したように、本実施形態によれば、柱74の仕口部75から突出された接続鉄筋98が、梁20のスリーブ32と接合され、柱74と梁20が接合される。また、梁76から突出された接続鉄筋36が、柱16に形成された貫通孔40を貫通して、梁20と接合され、柱16と梁20、及び梁20と梁76が接合される。
【0067】
これにより、仕口部17、75は、いずれも柱16と柱78に設けられるものの、仕口部17、75における接続鉄筋36、98の配筋方法を、それぞれ異ならせることができる。また、柱16と柱78、及び梁20と梁76の構成を、それぞれ異ならせることができる。
この結果、柱梁架構70の、多様な架構形式や施工方法への対応を容易とすることができる。
【0068】
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態に係る柱梁架構80の構築方法について、
図13、14を用いて説明する。ここに、
図13は、本実施形態に係る構築方法で構築された柱梁架構80を正面から見た断面図であり、
図14(A)、(B)は、いずれも構築段階を示す図である。
【0069】
図13に示すように、柱梁架構80は、端部の柱梁架構26と、柱梁架構81が繰り返し構築された柱梁架構82と、柱梁架構82と柱梁架構26の間に構築された柱梁架構78と、を有している。第4実施形態に係る柱梁架構60との相違点を中心に説明する。
なお、柱梁架構26、78の構築方法は、第4実施形態に係る柱梁架構60と同じであり、説明は省略し、柱梁架構81の構築方法について説明する。
【0070】
先ず、
図14(A)に示すように、柱16を、梁24の隣であり、下階の柱16Dの上に建て込む。柱16の上部には仕口部17が一体的に形成され、仕口部17には、貫通孔40が形成されている。貫通孔40は、梁16が建て込まれた状態で、梁24のスリーブ32と横方向に一致させている。
【0071】
次に、
図14(B)に示すように、貫通孔40に接続鉄筋99を挿入する。接続鉄筋99は、貫通孔40を貫通させ、且つ、両端部をスリーブ32に挿入させることができる長さLを有している。接続鉄筋99が横方向(矢印HV方向)へ移動され、柱16の貫通孔40を貫通させて梁24のスリーブ32と接合される。このとき、一端は、仕口部17から突き出されている。
【0072】
続いて、梁20が横方向へ移動され、梁20のスリーブ32へ接続鉄筋99が挿入されて接合される。次に、
図13に示すように、柱16と隣接して柱16が建て込まれる。柱16は、建て込まれた状態で、仕口部17の貫通孔40が、梁20のスリーブ32と横方向に一致させている。
【0073】
次に、2本目の梁76が横方向へ移動され、梁76から突出された接続鉄筋36が、柱16の貫通孔40を貫通させて、梁20のスリーブ32へ挿入されて接合される。
以上の工程を、X軸方向、及びX軸と直交するY軸方向へ方向繰り返すことで、柱梁架構82が構築される。他は、第4実施形態と同じであり説明は省略する。
【0074】
以上説明したしたように本実施形態によれば、柱16の仕口部17に形成された貫通孔40へ、梁接続用の梁接続鉄筋99が挿入され、柱16と梁20が接合される。また、梁76から突出された梁鉄筋が、柱16の仕口部17に形成された貫通孔40を貫通して、梁20と接合され、柱16と梁20、及び梁20と梁76が接合される。
【0075】
これにより、仕口部17は、いずれも同じ柱16に設けられ、同じ構成になる。しかし、仕口部17における接続鉄筋36、99の配筋方法を、それぞれ異ならせることができる。また、梁20と梁76の構成を、それぞれ異ならせることができる。
この結果、柱梁架構82の、多様な架構形式や施工方法への対応を容易とすることができる。