特許第6246611号(P6246611)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6246611
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】時計
(51)【国際特許分類】
   G04B 19/30 20060101AFI20171204BHJP
【FI】
   G04B19/30 Q
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-24901(P2014-24901)
(22)【出願日】2014年2月12日
(65)【公開番号】特開2015-152367(P2015-152367A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2016年12月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】396004970
【氏名又は名称】セイコークロック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】福田 功次
【審査官】 藤田 憲二
(56)【参考文献】
【文献】 特表2002−512727(JP,A)
【文献】 特表2008−522173(JP,A)
【文献】 特開2013−044898(JP,A)
【文献】 米国特許第02563537(US,A)
【文献】 実開平04−071191(JP,U)
【文献】 特開2013−029336(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 19/30
F21L 4/00
F21S 2/00
F21V 33/00
G01D 11/28,13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
指針と、
発光源と、
前記発光源からの光を拡散するための光拡散処理は施されていない周辺部、前記周辺部に囲まれており前記光拡散処理が施されており数字、文字、記号、図形、目盛、又は絵を表す表記部、を含み、前記指針の背面側に配置され前記発光源からの光が入射する導光板と
前記導光板の背面に配置されたシートと、を備え、
前記光拡散処理は、前記導光板の背面に複数のドットを印刷するドット印刷処理であり、
前記ドットと前記シートとは同色又は同系色である、時計。
【請求項2】
単一の前記表記部は、複数の前記ドットが印刷されたドット印刷領域、前記ドットと同色、同系色、又は前記ドットよりも反射率が高い色でベタ印刷されたベタ印刷領域、を含む、請求項1の時計。
【請求項3】
前記ドットの径は、前記発光源から離れるほど大きい、請求項1又は2の時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、数字が表記された導光板を文字板として用いた時計が開示されている。暗い環境下では発光源が点灯して光が導光板に入射する。これにより暗い環境下でも導光板に表記された数字が視認できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−91101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながらこの場合、数字等の表記自体を発光させることはできない。
【0005】
そこで本発明は、表記自体を発光させることができる時計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、指針と、発光源と、前記発光源からの光を拡散するための光拡散処理は施されていない周辺部、前記周辺部に囲まれており前記光拡散処理が施されており数字、文字、記号、図形、目盛、又は絵を表す表記部、を含み、前記指針の背面側に配置され前記発光源からの光が入射する導光板と、を備えた時計によって達成できる。
【発明の効果】
【0007】
表記自体を発光させることができる時計を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1Aは、本実施例の時計の正面図であり、図1Bは、本実施例の時計の背面図である。
図2図2は、本実施例の時計の内部構成を示したブロック図である。
図3図3Aは、図1BのA−A断面図である。図3Bは、図3Aの部分拡大図である。
図4図4Aは、文字板ユニットの正面図であり、図4Bは、文字板ユニットの分解斜視図である。
図5図5Aは、導光板にドットを印刷するためのドット印刷パターンの説明図であり、図5Bは、ドット印刷パターンの拡大図である。
図6図6A、6Bは、それぞれ明るい環境下と暗い環境下での文字板ユニットでの数字の見え方の説明図である。
図7図7A、7Bは、それぞれ明るい環境下と暗い環境下での第1変形例の文字板ユニットでの数字の見え方の説明図であり、図7C、7Dは、それぞれ明るい環境下と暗い環境下での第2変形例の文字板ユニットでの英字の見え方の説明図である。
図8図8A、8Bは、それぞれ明るい環境下と暗い環境下での第3変形例の文字板ユニットでの数字の見え方の説明図であり、図8C、8Dは、それぞれ明るい環境下と暗い環境下での第4変形例の文字板ユニットでの図形の見え方の説明図である。
図9図9A、9Bは、それぞれ明るい環境下と暗い環境下での第5変形例の文字板ユニットでの図形の見え方の説明図であり、図9C、9Dは、それぞれ明るい環境下と暗い環境下での第6変形例の文字板ユニットでの図形の見え方の説明図である。
図10図10A、10Bは、それぞれ明るい環境下と暗い環境下での第7変形例の文字板ユニットでの数字の見え方の説明図であり、図10C、10Dは、それぞれ明るい環境下と暗い環境下での第8変形例の文字板ユニットでの図形の見え方の説明図である。
図11図11は、第9変形例の文字板ユニットの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1Aは、本実施例の時計Aの正面図であり、図1Bは、時計Aの背面図である。時計Aは、壁掛け時計であるが、これに限定されず、置時計や目覚し時計、腕時計であってもよい。時計Aは、フロントケースFC及びリアケースRC(以下、共にケースと称する)、文字板ユニットDU、ガラスプレートP、時針HH、分針MH、秒針SH等を含む。文字板ユニットDUを正面側から見た場合、後述する光センサOS用の孔1hが視認できる。ケースFC、RCは互いに固定されている。文字板ユニットDUは、ケースFC、RC内に保持されている。ガラスプレートPは、光透過性を有し、文字板ユニットDUよりも正面側でケースFCに保持されている。時針HH等の指針は、文字板ユニットDUとプレートPとの間に配置されて回転する。光センサOSは、ケースFC、RCに保持されている。詳しくは後述する。ケースRCには、後述するバッテリBの交換用のカバーCVが着脱可能に設けられている。
【0010】
図2は、本実施例の時計Aの内部構成を示したブロック図である。時計Aは、制御部C、LEDL1〜L3、ムーブメントMM、バッテリB等を含む。制御部Cは、プリント基板に形成された電子回路によって実現され、例えばCPU、RAM、ROM等により実現される。ムーブメントMMは、時針HH等の指針を回転駆動させる機構であり、複数のギア等から構成されて、バッテリBから電力が供給されて駆動する。LEDL1〜L3もバッテリBから電力が供給されて点灯する。光センサOSは、時計A周囲の明るさを検知する。制御部Cは、光センサOSの検出信号に基づいてLEDL1〜L3の点灯状態を切り替える。具体的には、時計Aが明るい環境下にある場合には、制御部CはLEDL1〜L3を消灯し、時計Aが暗い環境下にある場合には、制御部CはLEDL1〜L3を点灯する。尚、LEDL1〜L3の輝度は同じである。LEDL1〜L3は発光源の一例である。
【0011】
図3Aは、図1BのA−A断面図である。図3Bは、図3Aの部分拡大図である。図3Aに示すように、ケースFC、RC内には、プリント基板PBが配置されている。プリント基板PBに、制御部Cを実現するROM等が実装されている。図3Bに示すように、LEDL1はプリント基板P1に実装されており、その他のLEDL2、L3についても同様である。プリント基板P1、PBは互いに電気的に接続されている。
【0012】
図4Aは、文字板ユニットDUの正面図であり、図4Bは、文字板ユニットDUの分解斜視図である。文字板ユニットDUは、略円形であり、背面側から正面側に順に重ねられているシート1、導光板3、フィルム5、光透過板7を含む。尚、シート1、導光板3、フィルム5、光透過板7の中心には、時針HH等の指針の回転軸を逃すための孔が設けられている。
【0013】
シート1は、光透過性を有しておらず、紙、合成樹脂、又は金属製である。シート1には、光センサOSを露出する孔1hが形成されている。
【0014】
導光板3は、光透過性を有した合成樹脂製である。導光板3の外周部には、LEDL1〜L3が180度毎に等角度間隔で配置されている。LEDL1〜L3は、導光板3の中心から等距離に配置されている。導光板3の外周部にはLEDL1〜L3とそれぞれ対向する凹部381〜383が形成されている。LEDL1〜L3が点灯すると、3にはLEDL1〜L3からの光が入射する。導光板3には、LEDL1〜L3から導光板3に入射した光を反射して導光板3の正面側に拡散する光拡散処理が部分的に施されている。詳しくは後述する。
【0015】
フィルム5は、光透過性を有した合成樹脂製であり、拡散板として機能する。尚、文字板ユニットDUは、フィルム5を備えていなくてもよい。
【0016】
光透過板7は、光透過性を有し、ガラス、又は合成樹脂製である。図4A、4Bには示していないが、光透過板7には時刻を示すための1〜12までの数字が印刷されている。
【0017】
シート1、導光板3、フィルム5、光透過板7が重なって配置されることにより、これらは文字板として機能する。また、LEDL1〜L3から導光板3に入射した光は、導光板3の光拡散処理が施された部分で反射してフィルム5、光透過板7を透過する。これにより、時計Aが暗い環境下にある場合には、文字板ユニットDUが発光する。
【0018】
次に、導光板3に施された光拡散処理について説明する。導光板3の背面にはLEDL1〜L3からの光を正面側に拡散するための光拡散処理、具体的には、導光板3の背面に複数のドットを印刷したドット印刷処理が施されている。これら複数のドットは、LEDL1〜L3から導光板3に入射した光を反射して導光板3の正面側に拡散する。これにより、導光板3の正面を発光させることができる。
【0019】
図5Aは、導光板3にドットを印刷するためのドット印刷パターンの説明図である。尚、実際には、図5Aに示すように導光板3の面全体にドット印刷パターンが印刷されるわけではなく、このドット印刷パターンに従って、導光板3に部分的にドットが印刷されない領域が形成される。詳しくは後述する。
【0020】
ドット印刷パターンは、領域32A1〜32A3、境界線32B1〜32B3に分けることができる。領域32A1〜32A3は、それぞれLEDL1〜L3に対向し、それぞれ扇状である。LEDL1から導光板3に入射した光は、領域32A1で主に反射される。同様に、LEDL2、L3のそれぞれから導光板3に入射した光は、それぞれ領域32A2、32A3で主に反射される。領域32A1〜32A3は、それぞれ第1、第2、及び第3扇状領域の一例である。
【0021】
導光板3に入射した光はドットで反射する。従って、ドットの径が大きいほど反射する光量が多い。このため、発光源からドットまでの距離が等しい場合、径の大きいドットの方が径の小さいドットよりも反射する光量が多くなる。また、導光板3に入射した光は、発光源から離れるほど減衰する。本実施例で採用されるドット印刷パターンでは、LEDL1〜L3に近いドットの径は比較的小さく、LEDL1〜L3から離れたドットの径は比較的大きい。例えば領域32A1内においても、LEDL1に近いドットの径は比較的小さくLEDL1から離れたドットの径は比較的大きい。領域32A2、32A3についても同様である。従って、LEDL1〜L3に近い領域で反射する光量が多くなりすぎることを抑制し、LEDL1〜L3から離れた領域で反射する光量が少なくなりすぎることを抑制している。このように本実施形態では、光源からの距離に応じた光量に基づいてドットの径を調整することで、導光板3を略均一の光量で発光させている。
【0022】
例えば、境界線32B1は2つのLEDL1、L2から略等距離に位置する。このため、境界線32B1にはLEDL1、L2の双方からの光が到達するが、境界線32B1にまで到達する光は減衰している。本実施例の導光板3では、境界線32B1でのドットの径は、境界線32B1における光量に基づいてドットの径が決定される。これにより、境界線32B1で反射する光量が小さくなることを抑制している。同様に、境界線32B2、32B3でのドットの径も、それぞれの領域における光量に基づいてドットの径が決定されている。これにより、導光板3を均一の光量で発光させることができる。
【0023】
図5Bは、ドット印刷パターンの拡大図である。このドット印刷パターンでは、隣接する3つのドットが正三角形状となるように複数のドットの配列が設定されている。また、LEDL1〜L3は、導光板3の中心周りに等角度間隔で配置されているため、LEDL1〜L3も正三角形状に配置されている。
【0024】
本実施形態では、図5Bに示すように、ドットは正三角形の頂点に配置されている。したがって、領域32A1と領域32A2とが接する境界線32B1を中心として領域32A1と領域32A2に配置されるドットは線対称の関係にある。このため、境界線32B1上に配置されるドットの密度は、領域32A1と領域32A2に配置されているドットの密度と同様である。
【0025】
また境界線32B2を中心として領域32A2と領域32A3とは線対称の関係にあり、境界線32B2上に配置されるドットの密度は、領域32A2と領域32A3に配置されているドットの密度と同様である。さらに境界線32B3を中心として領域32A3と領域32A1とは線対称の関係にあり、境界線32B2上に配置されるドットの密度は、領域32A3と領域32A1に配置されているドットの密度と同様である。
【0026】
図6Aは、明るい環境下での文字板ユニットDUでの数字の見え方の説明図である。上述したように明るい環境下ではLEDL1〜L3は消灯している。周辺部32は、光拡散処理が施され、具体的には、図5Aに示したドット印刷パターンに従って複数のドットが印刷されている。周辺部32のドットの色は白である。周辺部32に囲まれている表記部34には、ドットは印刷されておらず光拡散処理は施されていない。また、表記部34は数字を象っている。
【0027】
導光板3よりも正面側に配置された光透過板7の正面または背面あるいはフィルム5の正面側に、有色表記部74が黒でベタ印刷されている。有色表記部74と表記部34とは同じ数字を表記している。光透過板7は光透過性を有しているが有色表記部74では光は透過しない。有色表記部74は、表記部34内に位置して重なり、表記部34よりも細字であり、表記部34からはみ出していない。従って、表記部34は有色表記部74の周囲を縁取りしているように見える。従って、明るい環境下では有色表記部74の線の太さが数字の線の太さとして視認される。また、導光板3の背面側に配置されたシート1も白である。このため、周辺部32のドットとシート1とは同色であるため、明るい環境下ではドットを目立たなくすることができる。
【0028】
図6Bは、暗い環境下での文字板ユニットDUでの数字の見え方の説明図である。暗い環境下ではLEDL1〜L3は点灯する。LEDL1〜L3が点灯すると光拡散処理が施された周辺部32は発光するが、光拡散処理が施されていない表記部34、有色表記部74は発光しない。このため、暗い環境下では、表記部34、有色表記部74を合わせた太さの数字が視認される。このため、図6A、6Bに示すように、明るい環境下よりも暗い環境下での方が数字の線は太く見える。このように、明るい環境下よりも暗い環境下で数字を強調することができる。これにより暗い環境下での数字の視認性が向上している。また、明るい環境下と暗い環境下とで数字の見え方が異なっている。
【0029】
尚、有色表記部74の色は、明るい環境下では視認できる、有色であればよい。また、本実施形態は光透過板7およびフィルム5を備えなくてもよい。その場合は、光透過板7に有色表記部74を印刷する代わりに、シート1の正面又は導光板3の背面に有色表記部を印刷してもよい。
【0030】
周辺部32に印刷されたドットの色は光を反射できる色であれば、どのような色であってもよい。
【0031】
次に、変形例の文字板ユニットについて説明する。尚、以下の変形例では、類似する構成については類似する符号を付することにより重複する説明を省略する。図7A、7Bは、それぞれ明るい環境下と暗い環境下での第1変形例の文字板ユニットDUaでの数字の見え方の説明図である。表記部34aは、導光板3aの背面に白でベタ印刷されているベタ印刷処理が施されている。有色表記部74aは光透過板7aの正面または背面、あるいはフィルム5の正面に黒でベタ印刷されている。有色表記部74aは、上述した有色表記部74よりも字の太さが太い。有色表記部74aは、表記部34a内に位置して重なり、表記部34aよりも細字であり、表記部34aからはみ出してない。
【0032】
光透過板7aは導光板3aよりも正面側に配置されているので、有色表記部74aは白で印刷された表記部34aの一部を覆っている。即ち、白でベタ印刷された表記部34a全体のうち、表記部34aの外縁と有色表記部74aの外縁との間の部分のみが露出している。
【0033】
LEDL1〜L3が点灯すると、図7Bに示すように周辺部32と共に表記部34aも発光する。上述したように表記部34aでは背面に白でベタ印刷され、LEDL1〜L3からの光が表記部34aでも反射するからである。また、周辺部32のドットの色と表記部34aの色は同じ白である。このため、周辺部32よりも表記部34aの方が反射する光量が多い。このように、表記部34aには、周辺部32よりも強く光を反射する光反射処理が施されている。このため、暗い環境下では有色表記部74a周囲を周辺部32よりも強く発光させることができ、有色表記部74aが表記する数字を強調することができる。このように、明るい環境下よりも暗い環境下で数字を強調することができる。これにより暗い環境下での数字の視認性が向上している。また、明るい環境下と暗い環境下とで数字の見え方が異なっている。尚、理解を容易にするために図7Bでは表記部34aと周辺部32との境界線を示しているが、実際には視認できない。
【0034】
また、表記部34aの全てが白でベタ印刷されている必要はなく、有色表記部74aで覆われていない部分のみを白でベタ印刷してもよい。
【0035】
表記部34aにベタ印刷された色と周辺部32のドットの色は白であるが、これに限定されない。例えば、表記部34aにベタ印刷された色は、周辺部32のドットと同系色であってもよいし、周辺部32のドットよりも反射率が高い色であってもよい。何れの場合にも、周辺部32よりも表記部34aの方が強く光を反射できるからである。
【0036】
図7C、7Dは、それぞれ明るい環境下と暗い環境下での第2変形例の文字板ユニットDUa´での英字の見え方の説明図である。導光板3a´の表記部34a´、光透過板7a´の有色表記部74a´は英字を表している。このような場合も、有色表記部74a´周囲の表記部34a´を周辺部32よりも強く発光させることができ、英字を強調できる。これにより、暗い環境下で英字の視認性が向上している。尚、文字板ユニットDU、DUa、DUa´は、シートを備えていなくてもよい。
【0037】
図8A、8Bは、それぞれ明るい環境下と暗い環境下での第3変形例の文字板ユニットDUbでの数字の見え方の説明図である。導光板3bの周辺部32bにはドットも色も印刷されておらず、表記部34bにはドットが印刷されている。このように周辺部32bには光拡散処理は施されておらず表記部34bに光拡散処理を施されている。これにより、暗い環境下では、周辺部32bは発光せずに表記部34b自体を発光させることができ、暗い環境下での表記部34bの視認性を確保されている。
【0038】
また、導光板3bの背面側に配置されたシート1bと、表記部34bのドットとは同色又は同系色である。これにより、明るい環境下では周辺部32bと表記部34bとは同色又は同系色に見える。従って、明るい環境下では表記部34bが見えにくく文字板ユニットDUbには表記部34bが設けられていないように見える。これに対して、暗い環境下で表記部34bを発光させて表記部34bが表記する数字をユーザに視認させることができる。このように、明るい環境下と暗い環境下での文字板ユニットDUbの見え方を変更することができる。
【0039】
尚、表記部34bに印刷されたドットについても、図5Aに示したドットのパターンに従って印刷されている。従って、表記部34bを均一に発光させることができる。また、導光板3bに設けられた複数の表記部についても均一に発光させることができる。
【0040】
シート1bの色と表記部34bのドットの色とを同色、同系色以外にしてもよい。この場合、明るい環境下では、シート1bの色と表記部34bのドットの色との差により、表記部34bの視認性が向上する。またこの場合も暗い環境下では表記部34bのみが発光するので、暗い環境下での表記部34bの視認性も確保できる。
【0041】
図8C、8Dは、それぞれ明るい環境下と暗い環境下での第4変形例の文字板ユニットDUb´での図形の見え方の説明図である。表記部34b´は図形を表記している。この場合も、暗い環境下では導光板3b´の周辺部32b´は発光せずに表記部34b´のみが発光する。
【0042】
図9A、9Bは、それぞれ明るい環境下と暗い環境下での第5変形例の文字板ユニットDUb´aでの図形の見え方の説明図である。導光板3b´aの表記部34b´aは、ドットが印刷された領域34b´1、白でベタ印刷された領域34b´2を含む。領域34b´1、34b´2は、それぞれドット印刷領域、ベタ印刷領域の一例である。表記部34b´aに最も近いLEDからの距離は、領域34b´2の方が領域34b´1よりも離れている。このため、領域34b´2に到達するLEDからの光は、領域34b´1に到達する光よりも減衰している。しかしながら、領域34b´2では白でベタ印刷されており、到達した光を強く反射するので、表記部34b´aを均一に発光させることができる。尚、領域34b´2にベタ印刷される色は、導光板3b´aに入射した光をある程度反射させて発光させることができれば白以外であってもよい。また、領域34b´2にベタ印刷される色は、ドットと同色、同系色、又はドットよりも反射率が高い色であってもよい。
【0043】
図9C、9Dは、それぞれ明るい環境下と暗い環境下での第6変形例の文字板ユニットDUb´bでの図形の見え方の説明図である。導光板3b´bの表記部34b´bは、ドットが印刷された領域34b´3、白でベタ印刷された領域34b´4を含む。領域34b´3、34b´4は、それぞれドット印刷領域、ベタ印刷領域の一例である。領域34b´4は、領域34b´3の周囲に印刷されている。暗い環境下では、領域34b´4の方が領域34b´3よりも光を強く反射する。即ち、発光する図形の縁が強く発光する。このため、明るい環境下よりも暗い環境下での方が、図形が大きく見え強調することができる。尚、領域34b´4にベタ印刷される色は、導光板3b´bに入射した光をある程度反射させて発光させることができれば白以外であってもよい。また、領域34b´4にベタ印刷される色は、ドットと同色、同系色、又はドットよりも反射率が高い色であってもよい。尚、理解を容易にするために、図9Bでは領域34b´1、34b´2との境界線、図9Dでは領域34b´3、34b´4との境界線を示しているが、実際には視認できない。
【0044】
図10A、10Bは、それぞれ明るい環境下と暗い環境下での第7変形例の文字板ユニットDUcでの数字の見え方の説明図である。導光板3cの周辺部32cには複数のドットが印刷され、表記部34cにはドットも色も印刷されていない。このように表記部34cには光拡散処理は施されておらず周辺部32cに光拡散処理を施されている。暗い環境下では、表記部34cの周辺の周辺部32cのみを発光させることができる。
【0045】
また、導光板3cの背面側に配置されたシート1cと、周辺部32cのドットとは同色又は同系色である。これにより、明るい環境下では、周辺部32cと表記部34cは同色又は同系色に見える。従って、明るい環境下では表記部34cが見えにくく、文字板ユニットDUbには表記部34cが設けられていないように見える。これに対して、暗い環境下で周辺部32cを発光させて表記部34cが表記する数字をユーザに視認させることができる。このように文字板ユニットDUcは、明るい環境下と暗い環境下で数字の見え方が異なっている。
【0046】
尚、シート1cの色と周辺部32cのドットの色とを同色、同系色以外にしてもよい。この場合、明るい環境下では、シート1cの色と周辺部32cのドットの色との差により、表記部34cの視認性が向上する。またこの場合も暗い環境下では周辺部32cのみが発光するので、明るい環境下と暗い環境下とで数字の見え方は異なっている。
【0047】
尚、周辺部32cに印刷されたドットについても、図5Aに示したドットのパターンに従って印刷されている。従って、周辺部32cを均一に発光させることができる。
【0048】
図10C、10Dは、それぞれ明るい環境下と暗い環境下での第8変形例の文字板ユニットDUc´での図形の見え方の説明図である。導光板3c´の周辺部32c´には複数のドットが印刷され、表記部34c´にはドットも色も印刷されていない。文字板ユニットDUc´についても、明るい環境下と暗い環境下とで図形の見え方が異なっている。尚、文字板ユニットDUb、DUb´、DUb´a、DUb´b、DUc、DUc´は、光透過板は備えていなくてもよい。
【0049】
図11は、第9変形例の文字板ユニットDUdの説明図である。導光板3dの中心部にある非処理部36dには、色もドットも印刷されておらず光拡散処理は施されていない。また、非処理部36dの周囲に位置するリング状の周辺部32dにはドットが印刷され光拡散処理が施されている。導光板3dの表記部34dには、色もドットも印刷されていないが、導光板3dの正面側に配置された光透過板7dには表記部34dと重なるように有色表記部74dが印刷されている。従って、明るい環境下では光透過板7dに印刷された有色表記部74dを視認できる。
【0050】
また、暗い環境下では、表記部34dの周辺の周辺部32dは発光するが非処理部36dは発光しない。例えば、図11に示していないが、暗い環境下では発光する指針を時計に採用する場合があり得る。例えば、夜光塗料を塗布した指針や、発光源を搭載した指針、又は導光部材で作成した指針に発光源からの光を入射させる構成等を採用することが考えられる。このような場合には、暗い環境下において、指針の背面側にある導光板3dの光量が大きすぎると、指針を視認しにくい場合があり得る。このため、本実施例の文字板ユニットDUdでは、少なくとも指針の移動軌跡に重なる非処理部36dに光拡散処理は施されていない。これにより、暗い環境下での指針の視認性を向上させることができる。
【0051】
尚、光透過板7dの周辺部32dに印刷されたドットについても、図5Aに示したドット印刷パターンに従って印刷されている。このため、周辺部32dについても均一に発光させることができる。尚、文字板ユニットDUdは、シートやフィルムは設けられてなくてもよい。
【0052】
尚、上述した導光板3、3a、3a´、3c、3c´にも、少なくとも指針の移動軌跡と重なるように非処理部を設けてもよい。
【0053】
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、変形・変更が可能である。
【0054】
光拡散処理はドット印刷処理に限定されない。例えば、ドット印刷処理の代わりに、導光板の背面に複数の微細な凹凸部を形成する凹凸加工処理を施してもよい。この場合、凹凸部による粗さは、発光源から離れるほど大きく形成する。また、図5Aに示したドット印刷パターンに対応するように、境界線32B1〜32B3での凹凸部の粗さは、領域32A1〜32A3での凹凸部の粗さよりも大きく形成する。これにより、凹凸加工処理を施した場合でも導光板を均一の光量で発光させることができる。凹凸加工処理は、例えばシボ加工やディンプル加工である。
【0055】
上実施例及び変形例では、表記部、有色表記部が表記する例として、数字、英字、図形を示したが、これに限定されず、文字、記号、目盛、又は絵を表記したものであってもよい。
【符号の説明】
【0056】
A 時計
DU、DUa、DUa´、DUb、DUb´、DUb´a、DUb´b、DUc、DUc´、DUd 文字板ユニット
HH 時針(指針)
MH 分針(指針)
SH 秒針(指針)
OS 光センサ
C 制御部
L1〜L3 LED(発光源)
1、1a、1b、1c シート
3、3b、3b´、3b´a、3b´b、3c、3d 導光板
5 フィルム
7、7a、7d 透過板
32、32b、32b´、32c、32c´ 周辺部
34、34a、34a´、34b、34b´、34b´a、34b´b、34c、34c´、34d 表記部
36d 非処理領域
74、74a、74a´、74d 有色表記部
32A1〜32A3 領域(第1〜第3扇状領域)
32B1〜32B3 領域(第1〜第3直線状領域)
34b´1、34b´3 領域(ドット印刷領域)
34b´2、34b´4 領域(ベタ印刷領域)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11