特許第6246659号(P6246659)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6246659熱交換器の漏洩検知装置及び漏洩検知方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6246659
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】熱交換器の漏洩検知装置及び漏洩検知方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/26 20060101AFI20171204BHJP
【FI】
   G01M3/26 S
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-104044(P2014-104044)
(22)【出願日】2014年5月20日
(65)【公開番号】特開2015-219168(P2015-219168A)
(43)【公開日】2015年12月7日
【審査請求日】2017年2月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】100145816
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿股 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147315
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧本 十良三
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 聡十朗
(72)【発明者】
【氏名】恒吉 幸策
(72)【発明者】
【氏名】清國 寿久
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 学
【審査官】 安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−336705(JP,A)
【文献】 特開2012−202641(JP,A)
【文献】 特開2005−134057(JP,A)
【文献】 特開2008−255822(JP,A)
【文献】 特開平05−248269(JP,A)
【文献】 特開平02−309197(JP,A)
【文献】 特開2001−201419(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 3/00−3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンコンバインドサイクル発電設備における熱交換器の漏洩検知装置であって、
前記熱交換器内で燃料ガスとの間で熱交換を行う加温水配管の下流側の部位に接続した気体溜まり部と、
前記気体溜まり部に設けた水位検出器と、
を備えたことを特徴とする熱交換器の漏洩検知装置。
【請求項2】
前記気体溜まり部をバイパスするバイパス管路を、前記気体溜まり部に並設して設け、
前記バイパス管路に加温水を流す閉止弁を前記気体溜まり部側に設けたことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器の漏洩検知装置。
【請求項3】
前記請求項1又は請求項2に記載の熱交換器の漏洩検知装置を用いた漏洩検知方法であって、
前記水位検出器により、前記気体溜まり部内の水位を検知する段階と、
前記検出した水位が予め定めた所定の水位になったとき、燃料ガスの漏洩が発生していることを検出する段階と、
を備えたことを特徴とする熱交換器の漏洩検知方法。
【請求項4】
前記ガスタービンコンバインドサイクル発電設備のガスタービンが停止中に、前記燃料ガスの漏洩が発生していることを検出したとき、前記ガスタービンを起動できないようにしたことを特徴とする請求項3に記載の熱交換器の漏洩検知方法。
【請求項5】
前記ガスタービンコンバインドサイクル発電設備のガスタービンが運転中に、前記燃料ガスの漏洩が発生していることを検出したとき、前記ガスタービンを安全に停止させることを特徴とする請求項3に記載の熱交換器の漏洩検知方法。
【請求項6】
前記ガスタービンコンバインドサイクル発電設備のガスタービンが運転中に、前記燃料ガスの漏洩が発生していることを検出したとき、前記熱交換器の前後に設けた加温水遮断弁を閉止することを特徴とする請求項3に記載の熱交換器の漏洩検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、熱交換器の漏洩検知装置及び漏洩検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンコンバインドサイクル発電設備における燃料ガス系統には、ガスタービンでの熱効率上昇のため、ガスタービンに供給する燃料ガスの温度を上昇させる燃料ガス加熱器が設けられている。
【0003】
また、ガスタービンからの排熱を回収する排熱回収ボイラが設けられており、排熱回収ボイラには排熱を回収する水を循環させる加温水管が設けられている。加温水管を通って排熱回収ボイラ内に供給された水は、排熱回収ボイラ内で温められ、加温水となった状態で加温水管を通って排熱回収ボイラから排出される。この排熱回収ボイラで温められた加温水と、ガスタービンに供給される燃料ガスとの間での熱交換が、燃料ガス加熱器において行われ、ガスタービンに供給する燃料ガスの供給温度を昇温させることができる。
【0004】
一般的に燃料ガス加熱器としては、シェルアンドチューブ式の熱交換器が用いられている。シェルアンドチューブ式の熱交換器としては、次のような二つの構成が採用されている。一つの構成としては、熱交換器内に熱交換を行うガスを供給しながら充満させているガス室を形成し、このガス室内に加温水を流通させている加温水配管を配した構成であり、もう一つの構成は、熱交換器に加温水を供給しながら充満させている加温水室を形成し、この加温水室内にガスを流通させているガス配管を配した構成である。
【0005】
シェルアンドチューブ式の熱交換器において、万一の場合に熱交換器内のチューブ(熱交換器内の加温水管、又はガス配管)が損傷してチューブリークによる漏洩が生じると、燃料ガス配管側への加温水の混入、もしくは加温水管側への燃料ガスの混入が生じてしまう懸念がある。
【0006】
熱交換器にガスを充満させているガス室内に加温水配管を配した熱交換器において、燃料ガス配管側に加温水が混入した場合の対策としては、燃料ガス配管のガスタービン上流側の部位に設けられている燃料ガススクラバを利用した方法が採用されている。燃料ガススクラバは、燃料ガス中に含まれている水分やごみ等を除去する機器として燃料ガス配管に設けられている。
【0007】
そして、チューブリークが発生した際には、燃料ガスに混入した加温水が燃料ガススクラバ内に溜まることを利用して、燃料ガススクラバ内の水位を監視している。監視している水位が予め設定した水位に達した際には、警報及び保護インターロックを行っている。
【0008】
しかし、このガス室内に加温水配管を配した熱交換器において、加温水管側に燃料ガスが混入した場合に対する対策や検知機能は、従来から設けられていないのが現状である。そのため、万一の場合に、加温水に燃料ガスが混入することによって生じる事故の問題があった。
すなわち、燃料ガスが混入した状態で加温水が、排熱回収ボイラ内に供給されるときに発生する事故に対して問題があった。
【0009】
熱交換器に加温水を充満させている加温水室内にガス配管を配した熱交換器において、燃料ガス配管側に加温水が混入した場合の対策としては、燃料ガス配管に設けた燃料ガススクラバに設けた水位計を用いて、加温水の燃料ガスへの混入を監視している。
【0010】
また、この加温水室内にガス配管を配した熱交換器において、加温水側に燃料ガスが混入した場合の対策としては、密閉容器として構成された容器の上部に気体溜まり部を設けた構成が提案されている。この構成を備えたものとしては、例えば、ガス加温システム(特許文献1参照)や密閉容器型熱交換器の気体漏れ検知システム(特許文献2参照)などが提案されている。
【0011】
特許文献1に記載されたガス加温システムでは、図2に示すように、加温液体循環経路55に密閉容器として構成したポット50を設け、ポット50の上端部に気体溜まり部51を形成している。気体溜まり部51の上端部には、微細な孔として形成したピンホール52が穿設されており、ピンホール52から漏れ出るガスを、ピンホール52の上部に対向して配したガス検知手段53で検出する構成になっている。
また、気体溜まり部51における水位を液面検出手段54によって検出し、加温水側へのガスの漏れ量が多量であった場合に備えている。
【0012】
特許文献2に記載された気体漏れ検知システムでは、密閉容器の熱交換器の上部に気体溜まり部を形成して、気体溜まり部に水位計を設けている。気体溜まり部における水位を水位計で検出することにより、ガス配管から漏れ出て気体溜まり部内に溜まった燃料ガスのガス量を検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2012−202641号公報
【特許文献2】特開2005−134057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
特許文献1、2に記載されているような密閉容器としたポット50や熱交換器を用いて、この密閉容器の上端部に気体溜まり部を形成する構成では、気体溜まり部内にガスを溜まり易くするため、密閉容器を鉛直に立てた状態で配しておくことが必要になる。また、密閉容器の上端部における内面形状としても、ガス配管から漏れ出たガスが気体溜まり部内に集まり易くするため、上端側が先細り状になった内面形状に構成しておくことが必要になる。
【0015】
そのため、鉛直に立てた密閉容器に更に上方に突出する気体溜まり部を突設した構成になるため、この種の密閉容器を設置しておく場所には制限が加えられることになる。また、突出した気体溜まり部を備えた密閉容器の製造にも、高度の加工精度が要求されることになり、密閉容器の製造価格も高騰することになる。
【0016】
本発明に係る実施形態では、上述したような気体溜まり部を上端部に設けた密閉容器の熱交換器やポットを用いることなく、熱交換器にガスを充満させたガス室内に加温水配管を配した熱交換器において、簡単な構成で加温水管側への燃料ガスの混入を検知でき、しかも安価に製造することができる熱交換器の漏洩検知装置及び漏洩検知方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の実施形態に係る熱交換器の漏洩検知装置は、ガスタービンコンバインドサイクル発電設備における熱交換器の漏洩検知装置であって、前記熱交換器内で燃料ガスとの間で熱交換を行う加温水配管の下流側の部位に接続した気体溜まり部と、前記気体溜まり部に設けた水位検出器と、を備えたことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の実施形態に係る熱交換器の漏洩検知方法では、上記実施形態に係る熱交換器の漏洩検知装置を用いた漏洩検知方法であって、前記水位検出器により、前記気体溜まり部内の水位を検知する段階と、前記検出した水位が予め定めた所定の水位になったとき、燃料ガスの漏洩が発生していることを検出する段階と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の実施形態によって、燃料ガスが混入した加温水が排熱回収ボイラ内に供給されるのを防止でき、燃料ガスが混入した加温水が排熱回収ボイラ内に供給されることによって生じる事故を未然に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態1を示す概略系統図である。
図2】従来例を示す概略系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1を用いて、本発明に係る実施形態のガスタービンコンバインドサイクル発電設備中の熱交換器の構成について説明を行う。
【0022】
[実施形態]
図1に示すように、ガスタービンコンバインドサイクル発電設備1は、燃料ガス供給設備2、熱交換器4、燃料ガススクラバ5、ガスタービン燃焼器6、ガスタービン7を備えた構成になっている。
【0023】
燃料ガス供給設備2から燃料ガス配管3a内に流入した燃料ガスは、熱交換器4内において仕切り壁32で仕切られた第1ガス室30a内に流入する。第1ガス室30aに流入した燃料ガスは、開口31aを通って第3ガス室30c内に流入して、第3ガス室30c内に配管されているチューブ18内を流れる加温水との間で熱交換が行われる。
なお、チューブ18は、循環路として形成されている加温水配管9a〜9cの一部の構成であるが、熱交換器4内の第3ガス室30c内に配した部分をチューブ18として記載している。
【0024】
チューブ18を介して加温水の熱を燃料ガスに供給する熱交換が行われることによって、燃料ガスは所定温度まで加温されることになる。そして、熱交換によって加温された燃料ガスは、開口31bを通って第2ガス室30b内に流入する。
【0025】
第2ガス室30bから流出した燃料ガスは、燃料ガス配管3bを通って、燃料ガス中の水分を除去する燃料ガススクラバ5内に流入する。燃料ガススクラバ5は、加温された燃料ガスから水分除去および除塵を目的として配されている。
【0026】
燃料ガススクラバ5で水分を除去された燃料ガスは、燃料ガス配管3cを通ってガスタービン燃焼器6に供給される。このように構成されていることにより、ガスタービン燃焼器6に供給される燃料ガスを予め所定の温度まで加温しておくことができる。これによって、ガスタービン燃焼器6での燃焼効率を高めることができる。そして、ガスタービン燃焼器6で燃焼された燃焼ガスは、ガスタービン7に供給されて、ガスタービン7を駆動させることができる。
【0027】
ガスタービン7で発生した排熱を利用するため、ガスタービン7には排熱回収ボイラ8が接続されている。排熱回収ボイラ8内には、排熱によって加温される水を流す加温水配管9cが配管されている。加温水配管9c内を流れることによって水は加温されて加温水となり、加温水配管9aから熱交換器4内のチューブ18内に流入する。
【0028】
排熱回収ボイラ8内で加温された加温水がチューブ18内を流れることによって、第3ガス室30c内を流れている燃料ガスを加温することができる。また、加温水配管9a、9bには、それぞれ常時開状態とした弁21a、21bが設けられている。
【0029】
熱交換器4で熱交換が行われた加温水は、低温の水となって加温水配管9bを通って排熱回収ボイラ8内に加温水配管9c内に流入する。以下では、熱交換器4から出た加温水を水として称している。そして、水は再度加温されて加温水となる。このように、燃料ガスを加温する加温水は、排熱回収ボイラ8より加温水配管9aを経て熱交換器4へ送水され、燃料ガスとの間で熱交換を行い、再び排熱回収ボイラ8へ戻る一連の過程を繰り返し行うことになる。
【0030】
加温水配管9bには、空気抜き管13aが接続しており、加温水配管9b内に入っている空気を抜き出すことができる。即ち、熱交換器4内において、加温水に燃料ガスが混入した場合には、混入した燃料ガスを空気抜き管13aで捕集することができる。空気抜き管13aの先端部は、下向きのU字状に屈曲しており、大気中の空気が空気抜き管13aを通って、加温水配管9b内に流入するのを防止している。空気抜き管13aには、気体溜まり部を構成する水位検出管13bが接続しており、空気抜き管13aは水位検出管13bの気体溜まり部をバイパスするバイパス管として配設されており、水位検出管13bに対して並列に配されている。
【0031】
(水位検出器11の構成)
水位検出管13bには、水位検出管13b内に流入した水の水位を検出する水位検出器11が設けられている。水位検出器11の上流側と下流側における水位検出管13bには、常時開状態の弁20c、20bが設けられている。また、水位検出管13bの上流側の接続部と下流側の接続部との間に配されている空気抜き管13aの部位には、常時閉状態となっている弁20aが設けられている。即ち、弁20aは、バイパス管路として構成される空気抜き管13aに設けられた閉止弁として機能し、加温水配管9bから空気抜き管13aに流入した水を、気体溜まり部としての水位検出管13b側に流す閉止弁として機能している。
【0032】
弁20aを閉状態としておくことによって、熱交換器4から流出して空気抜き管13a側に分岐した水は、水位検出管13b内に流入することになる。そして、水位検出管13b内には、加温水配管9b内を流れる水の水圧と大気圧との関係によって、所定の高さまで水位が存在している。しかし、熱交換器4内で燃料ガスがチューブ18側に漏洩すると、加温水配管9b内では燃料ガスが混入した加温水が流れることになる。
【0033】
加温水に混入した燃料ガスは、加温水配管9bから空気抜き管13a内に流入して、水位検出管13b内の水の水位を低下させることになるが、水位検出管13b内での水位の低下を水位検出器11で検出することにより、熱交換器4内で加温水に燃料ガスが混入したことを検出できる。
【0034】
(水位検出器11による効果)
水位検出器11にて加温水(加温水配管9b内の水)に燃料ガスが混入したことを検知した場合には、熱交換器4内において燃料ガスの漏洩が発生しているものと判断することができる。
【0035】
即ち、水位検出器11からの検出信号を入力した図示せぬ制御装置が、水位の低下によって熱交換器4内において燃料ガスの漏洩が発生しているものと判断すると、弁21a、21bを閉弁させることができる。
【0036】
これによって、燃料ガスの加温水配管9bへの流出拡散を防止できる。そして、燃料ガスが混入した状態の加温水(加温水配管9b内の水)が、排熱回収ボイラ8に導入されるのを防止できる。また、水位検出器11からの検出信号によって、図示せぬ制御装置が加温水(加温水配管9b内の水)への燃料ガスの混入を判断したときには、ガスタービン7の起動を不可とする制御を行うことができる。
【0037】
即ち、ガスタービン7が停止中に水位検出器11からの検出信号によって、図示せぬ制御装置が加温水(加温水配管9b内の水)への燃料ガスの混入を判断したときには、ガスタービン7を起動できないように制御することができる。そして、ガスタービン7が運転中に、図示せぬ制御装置が加温水(加温水配管9b内の水)への燃料ガスの混入を判断したときには、ガスタービン7を安全に停止させる制御を行うことができる。それと同時に、熱交換器4の入口側と出口側に設けた加温水配管9a、9bにおける弁21a、21bを閉止させる制御を行うことができる。
これにより、安全にガスタービンコンバインサイクル発電設備1を停止させることができる。
【0038】
(ドレン管14aの構成)
熱交換器4には、熱交換器4内に溜まった水を抜くドレン管14aが接続しており、ドレン管14aには、熱交換器4内の水位を検出するために、ドレン管14aと並列に配管した水位検出管14bが接続している。そして、水位検出管14bには、熱交換器4内の水位を検出する水位検出器10が設けられている。
【0039】
水位検出器10の上流側と下流側における水位検出管14bには、常時開状態の弁22b、22cが設けられている。また、水位検出管14bを接続しているドレン管14aの部位には、常時閉状態となっている弁22aが設けられている。
【0040】
熱交換器4内に水分が溜まっていると、溜まった水はドレン管14a内を流れて外部に排出されることになる。ドレン管14aに設けた弁22aを閉じておくことにより、熱交換器4からドレン管14aに流入した水は、ドレン管14aから分岐した水位検出管14b内を流れて外部に排出されることになる。
【0041】
(水位検出器10による効果)
水位検出管14bに設けた水位検出器10では、水位検出管14b内での水位を検出することができる。そして、水位検出管14b内での水位を検出することによって、熱交換器4内に水が溜まっているか否かを検出することができる。
【0042】
即ち、熱交換器4内において、チューブ18側から燃料ガス側に管漏洩が発生した場合には、熱交換器4内に加温水が溜まり、熱交換器4の下部に接続したドレン管14a内に漏洩した加温水が溜まることになる。そして、ドレン管14aを介して外部に排出されることになる。ドレン管14aを介しての外部への水の排出量を水位検出管14bに取り付けられた水位検出器10で検出することによって、熱交換器4内に加温水が漏洩していることを検知できる。
【0043】
(燃料ガススクラバ5の構成)
燃料ガススクラバ5における水分除去により、燃料ガススクラバ5内に溜まった水の量を検出するため、水位検出管15が燃料ガススクラバ5に接続されている。水位検出管15は燃料ガススクラバ5に配されたインジケータとして機能しており、水位検出管15で水位を検出するため、水位検出管15には水位検出器12が設けられている。
また、水位検出器12の上流側と下流側における水位検出管15の部位には、常時開状態とした弁23a、23bが設けられている。
【0044】
(水位検出器10〜12の説明)
水位検出器10〜12の構成としては、例えば、水位によって上下方向に移動するフロートを用いた構成にしておくことができる。水位によるフロートの移動を電気手段や磁気手段等によって検出することで、検出した水位の情報を図示せぬ制御装置等に送信することができる。水位検出器10〜12によって検出した水位が、それぞれの検出器ごとに予め設定した所定の水位に達すると、あるいは予め設定した水位から低減すると、加温水の漏洩や燃料ガスの加温水側への漏洩を検出することができる。
【0045】
(本実施形態の効果)
上述したように、本発明からなる実施形態では、熱交換器4の加温水配管9bに接続した空気抜き管13aと水位検出管13bと水位検出器11とによって、空気抜き管13aの水位を検知する。
【0046】
従来技術のように、燃料ガスそのものを検出するためには、ガスを集め易く構成しておくことが必要になり、ガスを集める上端方向が先細り形状となるように形成していた。そのために、設置場所には制約が必要であった。しかし、本発明の実施形態では、燃料ガスの漏れ出しを水位検出管の水位変化により検出する構成であるので、高さ方向に張出す形状とはならない。そのため、燃料ガスが加温水側に混入している状態を簡単な構成によって、検出することができる。
【0047】
そして、燃料ガスの漏洩を検知した場合において、ガスタービンコンバインサイクル発電設備1が停止しているときには、ガスタービン7の起動を不可にすることができる。また、運転中のときには、ガスタービン7を安全に停止させたり、ガスタービン7に対して安全に負荷を降下させる機能を設けておくことにより、熱交換器4内での加温水側への燃料ガスの漏洩によって生じるおそれのある事故を未然に防ぐことができる。
【0048】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、組み合わせ、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0049】
1…ガスタービンコンバインドサイクル発電設備、3a〜3c…燃料ガス配管、4…熱交換器、5…燃料ガススクラバ、6…ガスタービン燃焼器、7…ガスタービン、8…排熱回収ボイラ、9a〜9c…加温水配管、10〜12…水位検出器、13a…空気抜き管、18…チューブ、30a〜30c…ガス室、50…ポット、51…気体溜まり部、52…ピンホール、53…ガス検出手段。
図1
図2