【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成23年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「低炭素社会を実現する超低電圧デバイスプロジェクト」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態の半導体装置を模式的に示す断面図である。
【
図2】
図2は、第1の半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図3】
図3は、
図2に続く第1の半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図4A】
図4Aは、第2の実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための平面図である。
【
図4B】
図4Bは、第2の実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図5A】
図5Aは、
図4Aに続く第2の実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための平面図である。
【
図5B】
図5Bは、
図4Bに続く第2の実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図6A】
図6Aは、
図5Aに続く第2の実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための平面図である。
【
図6B】
図6Bは、
図5Bに続く第2の実施形態半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図7A】
図7Aは、
図6Aに続く第2の実施形態半導体装置の製造方法を説明するための平面図である。
【
図7B】
図7Bは、
図6Bに続く第2の実施形態半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図8A】
図8Aは、
図7Aに続く第2の実施形態半導体装置の製造方法を説明するための平面図である。
【
図8B】
図8Bは、
図7Bに続く第2の実施形態半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図9A】
図9Aは、第3の実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための平面図である。
【
図9B】
図9Bは、第3の実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図14】
図14は、第4の実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図15】
図15は、
図14に続く第4の実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図16】
図16は、
図15に続く第4の実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図17】
図17は、
図16に続く第4の実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図18】
図18は、
図17に続く第4の実施形態の半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図19】
図19は、第4の実施形態の他の半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図20】
図20は、
図19に続く第4の実施形態の他の半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図21】
図21は、
図20に続く第4の実施形態の他の半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図22】
図22は、
図21に続く第4の実施形態の他の半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【
図23】
図23は、
図22に続く第4の実施形態の他の半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。図面において、同一符号は同一または相当部分を付してあり、重複した説明は必要に応じて行う。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の半導体装置を模式的に示す断面図である。
【0011】
本実施形態の半導体装置は、凝集層(下地層)100と、凝集層100上に形成された凸状(突起状)の領域201aを含む触媒層201と、凸状の領域201aに接して触媒層201上に形成されたグラフェン層301とを備えている。
【0012】
凝集層100は、互いに材料が異なる第1および第2の凝集層101,102を含む。第1および第2の凝集層101,102は互いに隣り合って接している。凝集層100の表面には第1および第2の凝集層101,102の境界103が現れている。
【0013】
触媒層201の凸状の領域201aは、境界103に対応する領域に形成されている。本実施形態では、凸状の領域201aは、境界103近傍の第2の凝集層102上にある。凸状の領域201aは、境界103近傍の第1および第2の凝集層101,102上にある場合もある。なお、凸状の領域201aに加えて、複数の微細な凸状の領域が境界103近傍以外の第2の凝集層102上に存在する場合もある。上記微細な凸状の領域は凸状の領域201aよりも小さい。
【0014】
グラフェン層301は、第1のグラフェン層301aおよび第2のグラフェン層301bを含む。第1のグラフェン層301aは、第1の凝集層101上の触媒層201上に形成されている。第1のグラフェン層301aは切れ目のない連続した層である。第2のグラフェン層301bは、第2の凝集層102上の触媒層201上に形成されている。第1のグラフェン層301aは第2のグラフェン層301bよりも厚い。
【0015】
以下、本実施形態の半導体装置をその製造方法に従いながらさらに説明する。
【0016】
[
図2]
基板(不図示)上に凝集層100、触媒層201が順次形成される。
【0017】
基板は、例えば、シリコン基板等の半導体基板と、半導体基板上に形成された層間絶縁膜とを含む。半導体基板上には、例えば、トランジスタやキャパシタ等の素子が形成されている。
【0018】
凝集層100は、第1の凝集層101および第2の凝集層102を含む。第1の凝集層101および第2の凝集層102は、同一の面内に形成され、かつ、互いに隣り合って接している。第2の凝集層102は第1の凝集層101よりも触媒層201の凝集を起こしやすい。言い換えれば、第2の凝集層102上の触媒層201は、第1の凝集層101上の触媒層201よりも動きやすい。
【0019】
触媒層201の材料は、例えば、Ni、Co、FeまたはCu等の金属(金属触媒)である。
【0020】
金属触媒を用いた場合、第1の凝集層101の材料は、例えば、Cr、Tc、Ru、Os、Re、C、Pd、Pt、Rh、Ir、Cd、W等の金属である。この種の金属は金属触媒中を拡散し、金属触媒の融点を高くする。その結果、第1の凝集層101上の触媒層201は凝集を起こしにくくなる。
【0021】
第2の凝集層102の材料は、例えば、Ti、TiN、Ta、TaN等の材料(バリアメタル)である。
【0022】
[
図3]
CVD(Chemical Vapor Deposition)プロセスを用いて触媒層201上にカーボンを堆積し、触媒層201上にグラフェンを成長させることで、切れ目のない連続したグラフェン301a、つまり、高品質の第1のグラフェン層301aが形成される。
【0023】
本願明細書において、グラフェンは、単層グラフェン、および、複数の単層グラフェンが堆積された層(積層グラフェン)の少なくとも一方を含む。また、グラフェン層は、グラフェンを含む層である。
【0024】
第1のグラフェン層301aが成長するメカニズムは、次のように考えられる。
【0025】
上記CVDプロセス中において、境界103近傍の第2の凝集層102は凝集によって凸状の領域201aを有するようになる。凸状の領域201aはグラフェンの成長起点として働く。より詳細には、グラフェンは、凸状の領域201aの側面を成長起点とした複数の単層グラフェンが側面に対して非平行な面、例えば側面に対して垂直方向の面に広がって成長することによって、形成される。そのため、例えば、グラフェン層301aは、凸状の領域201aの側面と平行な方向に複数の単層グラフェンが積層されることによって形成される。上記CVDプロセスで使用されるカーボンを含むソースガスは、カーボンの供給源となる。上記CVDプロセスが行われている間は、凸状の領域201aにはカーボンが供給される。その結果、凸状の領域201aを成長起点としたグラフェンの成長が続き、切れ目のない連続したグラフェン301a、つまり、高品質の第1のグラフェン層301aが得られる。
【0026】
一方、第2の凝集層102上の触媒層201の表面には図示しない複数の微細な凸状の領域(突起)が生じ、複数の微細な凸状の領域(突起)を成長起点として例えば複数のグラフェン301cがフレーク状に成長する(
図3)。このような成長が続き、複数のグラフェン301cが一体になることで、第2の凝集層102上の触媒層201上にもグラフェン層301bは形成される(
図1)。上記複数の微細な凸状の領域の一部または全ては、
図3の工程よりも後に行われる周知の工程で消滅する場合がある。また、
図3の工程後に、上記複数の微細な凸状の領域の一部または全てを除去することを目的とする工程が行われる場合もある。
【0027】
第1のグラフェン層301aは、第2のグラフェン層301bよりも厚く、例えば、配線として用いられる。第2のグラフェン層301bは、残しておいても構わないし、または、除去しても構わない。第2のグラフェン層301b下の触媒層201中に電流は流れるので、第2のグラフェン層301bの長さが短ければ、配線の一部として第2のグラフェン層301bを利用することができる。
【0028】
(第2の実施形態)
本実施形態の半導体装置では、開孔403を有する第1の凝集層101と、開孔403を埋める第2の凝集層102とを含む凝集層が用いられる。以下、
図4Aおよび
図4B〜
図8Aおよび
図8Bの平面図および断面図を参酌しながら、本実施形態の半導体装置をその製造方法に従いながら説明する。
【0029】
[
図4A、
図4B]
基板(不図示)上に層間絶縁膜401、バリアメタル膜402、第1の凝集層101が順次形成される。触媒層や第2の凝集層の材料によっては、バリメタル膜402は省くことも可能である。
【0030】
[
図5A、
図5B]
フォトリソグラフィプロセスおよびエッチングプロセスを用いて、第1の凝集層101中に開孔403が形成される。
【0031】
[
図6A、
図6B]
ダマシンプロセスを用いて、開孔403内に第2の凝集層102が埋め込まれるとともに、第1および第2の凝集層101,102の表面は平坦化される。第2の凝集層102の堆積と第2の凝集層102のエッチバックとによって、開孔403内に第2の凝集層102を埋め込んでも構わない。その後、第1および第2の凝集層101,102上に触媒層201が形成される。
【0032】
[
図7A、
図7B]
CVDプロセスを用いて、触媒層201上にグラフェン層301(301a,301b)が形成される。第1の実施形態と同様に、触媒層201の凸状(突起状)の領域201aを成長起点としてグラフェンが成長し、触媒層201上には切れ目のない連続した長い第1のグラフェン層301aが形成される。また、第1の実施形態と同様に、触媒層201上には第2のグラフェン層301bも形成される。
【0033】
[
図8A、
図8B]
触媒層201a、グラフェン層301上に図示しないレジストパターンが形成され、レジストパターンをマスクにして、グラフェン層301、触媒層201、第1の凝集層101およびバリアメタル膜402をエッチングすることにより、触媒層201およびグラフェン層301(301a,301b)を含むライン状の配線が形成される。
【0034】
ここで、第1のグラフェン層301aと第2のグラフェン層301bとの厚さの差(段差)は、例えば、17nmである。このような小さな段差は、レジストパターンを形成するためのフォリソグラフィプロセスの障害にはならない。
【0035】
本実施形態によれば、切れ目のない連続した長い第1のグラフェン層301aを配線に利用できるので、低抵抗の長い配線を実現できるようになる。長い配線は、例えば、ビット線である。
【0036】
(第3の実施形態)
本実施形態の半導体装置では、溝404を有する層間絶縁膜401上に形成された第1の凝集層101と、溝404内を第1の凝集層101を介して埋める第2の凝集層102とを含む凝集層が用いられる。以下、
図9Aおよび
図9B〜
図12Aおよび
図12Bの平面図および断面図を参酌しながら、本実施形態の半導体装置をその製造方法に従いながらさらに説明する。
【0037】
[
図9A、
図9B]
基板(不図示)上に層間絶縁膜401が形成され、層間絶縁膜401の表面に溝404が形成され、そして、層間絶縁膜401上にバリアメタル膜402、第1の凝集層101が順次形成される。バリアメタル膜402は、溝404の底面および側面を覆うように形成される。第1の凝集層101は、バリアメタル膜402を介して溝404の底面および側面を覆うように形成される。
【0038】
[
図10A、
図10B]
ダマシンプロセスを用いて、溝404内に第2の凝集層102が埋め込まれるとともに、第1および第2の凝集層101,102の表面は平坦化される。第2の凝集層102の堆積と第2の凝集層102のエッチバックとにより、溝404内に第2の凝集層102を埋め込んでも構わない。その後、第1および第2の凝集層101,102上に触媒層201が形成される。
【0039】
[
図11A、
図11B]
第2の凝集層102上に凸状(突起状)の触媒層201aが形成されるように、加熱処理により、触媒層を合金化させる。202は合金化した触媒層(合金層)を示している。触媒層201aの上部は合金層202の上面から突出している。すなわち、触媒層201aの上部が露出するように、溝404外の第1の凝集層101上に合金層202は形成される。
【0040】
合金層202は、第1の凝集層101中の金属(第1の金属)と触媒層中の金属(第2の金属)との合金を含む。上記加熱処理により、触媒層中に第1の金属が拡散し、第1の金属と第2の金属とが反応することにより、合金層202は形成される。
【0041】
上記加熱処理後は、溝404外の第1の凝集層101上には触媒層は存在せず、第2の凝集層102上にだけ触媒層201は存在する。本実施形態の場合、触媒層201は凸状の領域201aである。
【0042】
上記加熱処理によって、第1の凝集層101中の第1の金属は減少し、第1の凝集層101は薄くなるが、簡単のため、図面では、加熱処理の前後で、第1の凝集層101の厚さは変えていない。
【0043】
上記加熱処理は、アルゴンガス等の希ガスを含む雰囲気中や、窒素等の不活性ガスを含む雰囲気中で行われる。また、上記加熱処理は、例えば、300−1000℃の温度で行われる。
【0044】
[
図12A、
図12B]
CVDプロセスを用いて合金層202上にグラフェン層301が形成される。本実施形態の場合、触媒層201(凸状の領域201a)を成長起点としてグラフェンが成長し、合金層202上には、切れ目のないライン状の厚い第1のグラフェン層301aが形成される。
【0045】
[
図13A、
図13B]
グラフェン層301上に図示しないレジストパターンが形成され、レジストパターンをマスクにして、合金層202、触媒層201、第1の凝集層101およびバリアメタル膜401をエッチングすることにより、合金層202および第1のグラフェン層301aを含むライン状の配線が形成される。
【0046】
本実施形態によれば、薄い第2のグラフェン層301bを含まないグラフェン層301(301a)を備えた配線を実現できるので、より低抵抗の長い配線を実現できるようになる。
【0047】
(第4の実施形態)
第1〜第3の実施形態では、互いに材料が異なる第1および第2の凝集層を利用して凸状の領域を有する触媒層を形成し、凸状の領域をグラフェンの成長起点として用いたが、本実施形態では、溝を有する層間絶縁膜を利用して厚さの異なる領域を有する触媒層を形成し、厚さの異なる領域の境界付近の触媒層をグラフェンの成長起点として用いる。
【0048】
[
図14]
基板(不図示)上に層間絶縁膜401が形成され、層間絶縁膜401の表面に溝405が形成される。溝405のサイズ(直径または開口面積)は、例えば、第3の実施形態の溝404のサイズよりも大きい。
【0049】
[
図15]
層間絶縁膜401上に溝405の深さよりも厚い触媒層201が形成される。溝405は凝集層201によって埋められる。
【0050】
[
図16]
CMP(Chemical Mechanical Polishing)プロセスにより、層間絶縁膜401の表面が露出しない程度に触媒層201を薄くするともに、触媒層201の表面を平坦化する。CMPプロセスの代わりに、RIE(Reactive Ion Etching)プロセスを用いても構わない。
【0051】
溝405の外側の部分の触媒層201の厚さは、溝405の底面上の部分の触媒層201の厚さよりも小さい。薄い触媒層は厚い触媒層よりも凝集が起こりやすい。そのため、溝405の外側の部分の薄い触媒層201と溝405の底面上の部分の厚い触媒層201との境界付近の触媒層201bは、グラフェンの成長起点として用いることができる。
【0052】
触媒層201bをグラフェンの成長起点として利用するためには、溝405の底面上の部分の触媒層201の厚さd1と、溝405の外側の部分の層間絶縁膜40の表面上の触媒層201の厚さd2との差(d2−d1)は、例えば、25nmとする。
【0053】
なお、
図16の構造は次の方法でも得られる。すなわち、CMPプロセスまたはRIEプロセスを用いて、層間絶縁膜401の表面が露出するまで触媒層201を薄くし、その後、スパッタ法により、露出した層間絶縁膜401の表面および触媒層201の表面の上に触媒層を堆積することでも、
図16の構造は得られる。
【0054】
他の方法としては、RIEプロセスにより、層間絶縁膜401の表面が露出するまで触媒層201をエッチバックし、その後、スパッタ法により、露出した層間絶縁膜401の表面および触媒層201の表面の上に触媒層を堆積することでも、
図16の構造は得られる。
【0055】
[
図17]
CVDプロセスを用いて触媒層201上にグラフェン層301a,301bが形成される。触媒層201bを成長起点として、溝405およびその周囲の層間絶縁膜402の表面の上には、切れ目のない連続したサイズの大きい第1のグラフェン層301aが成長する。触媒層201bの外側の層間絶縁膜402の表面上には、薄い第2のグラフェン層301bが形成される。
【0056】
[
図18]
フォトリソグラフィプロセスおよびエッチングプロセスを用いて、第2のグラフェン層301bを除去するとともに、第1のグラフェン層301aを所定の形状に加工する。例えば、第1のグラフェン層301aは、アライメントマークの形状を有するように加工される。
【0057】
本実施形態によれば、表面に溝405が形成された層間絶縁膜401と、層間絶縁膜401の表面上に形成され、溝405の底面上の部分の第1の厚さd1が溝405の深さよりも厚く、溝405の外側の部分の第2の厚さd2が第1の厚さd1よりも薄い触媒層201と、触媒層201上に形成され、所定の形状を有する高品質の第1のグラフェン層301aを実現できるようになる。
【0058】
本実施形態の第1のグラフェン層301aをアライメントマークとして利用する場合、本実施形態の第1のグラフェン層301aは、第3の実施形態の第1のグラフェン層301aと同じ工程で形成することができる。
図19〜
図22の断面図を参酌してさらに説明する。
図19〜
図22において、破断線の左側は第3の実施形態の配線を形成する工程を示し、破断線の右側は本実施形態のアライメントマークを形成する工程を示している。以下、破断線の左側の領域を配線領域、破断線の右側の領域をマーク領域という。
【0059】
[
図19]
層間絶縁膜401の表面に溝404,405が形成される。
【0060】
[
図20]
マーク領域がレジスト等のマスク(不図示)で覆われた状態で、配線領域内にバリアメタル膜402、第1の凝集層101および第2の凝集層102が形成される。マーク領域の上記マスクが除去され、その後、配線領域およびマーク領域の上に触媒層201が形成され、そして、CMPプロセスにより触媒層201の表面は平坦化される。
【0061】
[
図21]
配線領域がレジスト等のマスク(不図示)で覆われた状態で、マーク領域の触媒層201を薄くすることにより、マーク領域内におけるグラフェンの成長起点である触媒層201bが形成される。その後、配線領域の上記マスクは除去される。
【0062】
[
図22]
加熱処理により、触媒層を合金化することにより、配線領域内におけるグラフェンの成長起点である触媒層201aが形成される。
【0063】
図21の工程と
図22の工程の順序は逆でも構わない。
【0064】
[
図23]
触媒層201aおよび触媒層201bを成長起点としてグラフェンを成長させ、成長したグラフェン(グラフェン層)を加工して、配線領域およびマスク領域内にそれぞれ配線を構成するグラフェン層301および合わせマークを構成するグラフェン層301が形成される。
【0065】
以上述べた実施形態の半導体装置およびその製造方法の上位概念、中位概念および下位概念の一部または全ては、例えば以下のような付記1−20で表現できる。
【0066】
[付記1]
互いに材料が異なる第1および第2の層を含み、表面に前記第1および第2の層の境界がある下地層と、
前記下地層の前記表面上に形成され、凸状の領域を含む触媒層と、
前記凸状の領域に接して形成されたグラフェン層と
を具備してなることを特徴とする半導体装置。
【0067】
[付記2]
前記触媒層の前記凸状の領域は、前記第1および第2の層の前記境界に対応する領域に形成されていることを特徴とする付記1に記載の半導体装置。
【0068】
[付記3]
前記触媒層は、前記第1および第2の層上に形成されていることを特徴とする付記1または2に記載の半導体装置。
【0069】
[付記4]
前記グラフェン層は、前記第1の層上の前記触媒層上に形成されていることを特徴とする付記3に記載の半導体装置。
【0070】
[付記5]
前記グラフェン層は、前記第1の層上の前記触媒層上に形成された第1のグラフェン層と、前記第2の層上の前記触媒層上に形成された第2のグラフェン層を含み、前記第1のグラフェン層は前記第2のグラフェン層よりも厚いことを特徴とする付記3に記載の半導体装置。
【0071】
[付記6]
前記第2の層は開孔を有し、前記第1の層は前記開孔内に形成されていることを特徴する付記3ないし5のいずれか1項に記載の半導体装置。
【0072】
[付記7]
表面に溝を有する絶縁膜をさらに具備してなり、
前記第2の層は、前記溝の内面および前記溝外の前記表面の上に形成され、
前記第1の層は、前記第2の層を介して前記溝を埋めるように、前記溝内に選択的に形成されていることを特徴とする付記3に記載の半導体装置。
【0073】
[付記8]
前記触媒層は前記第1の層上に選択的に形成されていることを特徴とする付記7に記載の半導体装置。
【0074】
[付記9]
前記溝外の前記第2の層上に形成された合金層をさらに具備してなることを特徴とする付記8に記載の半導体装置。
【0075】
[付記10]
前記触媒層の上部が露出するように前記溝外の前記第1の層上に前記合金層は形成されていることを特徴とする付記9に記載の半導体装置。
【0076】
[付記11]
前記合金層は、前記第1の層の材料と前記触媒層の材料との合金を含むことを特徴とする付記9または10に記載の半導体装置。
【0077】
[付記12]
前記グラフェン層は、前記触媒層の上部に接し、かつ、前記合金層上に形成されていることを特徴する付記9ないし11のいずれか1項に記載の半導体装置。
【0078】
[付記13]
前記第2の層は前記第1の層よりも前記触媒層の凝集を起こしやすいことを特徴とする付記1ないし12のいずれか1項に記載の半導体装置。
【0079】
[付記14]
前記第1の層の材料は、Cr、Tc、Ru、Os、Re、C、Pd、Pt、Rh、Ir、CdまたはWであり、
前記第2の層の材料は、Ti、TiN、TaまたはTaNであり、
前記触媒層の材料は、Ni、Co、FeまたはCuであることを特徴とする付記1ないし13のいずれか1項に記載の半導体装置。
【0080】
[付記15]
前記触媒層は、前記第1の層の前記材料を含むことを特徴とする付記14に記載の半導体装置。
【0081】
[付記16]
前記グラフェン層は配線を構成することを特徴とする付記1ないし15のいずれか1項に記載の半導体装置。
【0082】
[付記17]
表面に溝が形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜の前記表面上に形成され、前記溝の底面上の部分の第1の厚さが前記溝の深さよりも厚く、前記溝の外側の部分の第2の厚さが前記第1の厚さよりも薄い触媒層と、
前記触媒層上に形成されたグラフェン層と
を具備してなることを特徴とする半導体装置。
【0083】
[付記18]
前記グラフェン層は合わせマークを構成することを特徴とする付記17に記載の半導体装置。
【0084】
[付記19]
互いに材料が異なる第1および第2の層を含み、表面に前記第1および第2の層の境界がある下地層を形成する工程と、
前記下地層の前記表面上に、凸状の領域を含む触媒層を形成する工程と、
前記凸状の領域を成長起点としてグラフェンを成長させ、グラフェン層を形成する工程と
を具備してなることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0085】
[付記20]
前記グラフェンを成長させる工程は、CVD法を用いて行われることを特徴とする付記19に記載の半導体装置の製造方法。
【0086】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。