特許第6246688号(P6246688)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6246688鉄道用発光機制御装置、鉄道用発光機、鉄道用発光機制御システム、および、視認確認システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6246688
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】鉄道用発光機制御装置、鉄道用発光機、鉄道用発光機制御システム、および、視認確認システム
(51)【国際特許分類】
   B61L 5/18 20060101AFI20171204BHJP
【FI】
   B61L5/18 A
【請求項の数】18
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2014-190645(P2014-190645)
(22)【出願日】2014年9月19日
(65)【公開番号】特開2015-178354(P2015-178354A)
(43)【公開日】2015年10月8日
【審査請求日】2016年11月24日
(31)【優先権主張番号】特願2014-36526(P2014-36526)
(32)【優先日】2014年2月27日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000173784
【氏名又は名称】公益財団法人鉄道総合技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000144348
【氏名又は名称】株式会社三工社
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】アイアット国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】長峯 望
(72)【発明者】
【氏名】鵜飼 正人
(72)【発明者】
【氏名】杉本 経嗣
(72)【発明者】
【氏名】會田 学
(72)【発明者】
【氏名】田村 守
【審査官】 橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−137763(JP,A)
【文献】 特開2001−071907(JP,A)
【文献】 特開2013−001364(JP,A)
【文献】 特許第4925987(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61L1/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の発光部と第2の発光部を有する鉄道用発光機と1ペアのケーブルで接続され、前記鉄道用発光機を制御する鉄道用発光機制御装置において、
前記第1の発光部の点灯を制御する第1の信号を出力するとともに、前記第1の信号を出力しない場合には、前記第1の信号とは逆方向の電流が、前記ケーブルおよび前記鉄道用発光機に流れるか否かに基づいて断線検出処理を行う第1の発光制御手段と、
前記第1の信号とは逆方向の電流であって、前記断線検出処理を行うための電流とは区別可能な、前記第2の発光部の点灯を制御する第2の信号を生成して出力する第2の発光制御手段と、
前記ケーブルを介して前記鉄道用発光機に供給される信号を、前記第1の発光制御手段から出力される前記第1の信号と、前記第2の発光制御手段から出力される前記第2の信号とで切り替える切り替え手段と
を備えることを特徴とする鉄道用発光機制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の鉄道用発光機制御装置において、
前記第2の発光制御手段は、前記断線検出処理を行うための電流を発生させる電圧とは異なる電圧値の、前記第2の発光部の点灯を制御する第2の信号を生成して出力する
ことを特徴とする鉄道用発光機制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の鉄道用発光機制御装置において、
前記第2の発光制御手段は、前記断線検出処理を行うための電流とは異なる信号波形を用いて、前記第2の発光部の点灯を制御する第2の信号を生成して出力する
ことを特徴とする鉄道用発光機制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載の鉄道用発光機制御装置において、
前記第2の発光制御手段は、前記断線検出処理を行うための電流とは異なる周波数の、前記第2の発光部の点灯を制御する第2の信号を生成して出力する
ことを特徴とする鉄道用発光機制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の鉄道用発光機制御装置において、
前記第2の発光制御手段は、
それぞれ異なる周波数を発振する複数の発振手段を備え、
前記第2の発光部の点灯を制御する第2の信号を、前記断線検出処理を行うための電流とは異なる複数の周波数で生成して出力する
ことを特徴とする鉄道用発光機制御装置。
【請求項6】
請求項1に記載の鉄道用発光機制御装置において、
前記第1の発光制御手段は、前記第1の信号の生成を指令する第1の入力を受けて、前記第1の信号を生成し、
前記第2の発光制御手段は、前記第2の信号の生成を指令する第2の入力を受けて、前記第2の信号を生成し、
前記第2の入力は、前記第1の入力が発生しているとき、前記第2の発光制御手段に供給されない
ことを特徴とする鉄道用発光機制御装置。
【請求項7】
請求項1に記載の鉄道用発光機制御装置において、
前記第2の発光制御手段は、所定のパターンで前記第2の発光部を点滅発光させるための信号パターンを生成する
ことを特徴とする鉄道用発光機制御装置。
【請求項8】
請求項7に記載の鉄道用発光機制御装置において、
前記所定のパターンは、前記鉄道用発光機のそれぞれを固有に区別可能な情報を伝達するためのパターンである
ことを特徴とする鉄道用発光機制御装置。
【請求項9】
第1の方向の電流に基づいて発光する第1の発光と、
前記第1の方向とは異なる第2の方向の電流を通過させる電流通過手段と、
所定の条件に合致した前記第2の方向の電流を選択的に通過させる選択手段と、
前記選択手段により選択的に通過された前記第2の方向の電流により前記第1の発光による発光とは区別可能な光で発光する第2の発光
を備えることを特徴とする鉄道用発光機。
【請求項10】
請求項9に記載の鉄道用発光機において、
前記第1の方向の電流、および、前記所定の条件に合致した前記第2の方向の電流が供給されている場合を除いて、常に、前記所定の条件に合致しない前記第2の方向の電流の供給を受け、
前記所定の条件に合致しない前記第2の方向の電流の供給を受けた場合、前記電流通過手段は、前記第2の方向の電流を通過させ、前記選択手段は、前記第2の発光に対して前記第2の方向の電流を通過させない
ことを特徴とする鉄道用発光機。
【請求項11】
請求項9に記載の鉄道用発光機において、
前記所定の条件とは、所定の電圧値以上であることであり、
前記選択手段は、前記所定の電圧値以上の前記第2の方向の電流を通過させて前記第2の発光を発光させる
ことを特徴とする鉄道用発光機。
【請求項12】
請求項9に記載の鉄道用発光機において、
前記所定の条件とは、所定の信号波形を有することであり、
前記選択手段は、前記所定の信号波形を有する前記第2の方向の電流を通過させて前記第2の発光を発光させる
ことを特徴とする鉄道用発光機。
【請求項13】
請求項9に記載の鉄道用発光機において、
前記所定の条件とは、所定の周波数を有することであり、
前記選択手段は、前記所定の周波数を有する前記第2の方向の電流を通過させて前記第2の発光を発光させる
ことを特徴とする鉄道用発光機。
【請求項14】
請求項9に記載の鉄道用発光機において、
前記選択手段により選択的に通過された前記第2の方向の電流に対して所定のパターンで前記第2の発光部を点滅発光させるための信号パターンを生成する信号パターン生成手段
をさらに備えることを特徴とする鉄道用発光機。
【請求項15】
鉄道用発光機と前記鉄道用発光機を制御する鉄道用発光機制御装置により構成され、前記鉄道用発光機と前記鉄道用発光機制御装置とが1ペアのケーブルで接続される鉄道用発光機制御システムにおいて、
前記鉄道用発光機は、
第1の方向の電流に基づいて発光する第1の発光と、
前記第1の方向とは異なる第2の方向の電流を通過させる電流通過手段と、
所定の条件に合致した前記第2の方向の電流を選択的に通過させる選択手段と、
前記選択手段により選択的に通過された前記第2の方向の電流により前記第1の発光による発光とは区別可能な光で発光する第2の発光
を備え、
前記鉄道用発光機制御装置は、
前記第1の発光の点灯を制御する第1の信号を、前記第1の方向の電流により出力するとともに、前記第1の信号を出力しない場合には、前記2の方向の電流が、前記ケーブルおよび前記鉄道用発光機に流れるか否かに基づいて断線検出処理を行う第1の発光制御手段と、
前記第2の方向の電流であって、前記断線検出処理を行うための電流とは区別可能な、前記第2の発光の点灯を制御する第2の信号を生成して出力する第2の発光制御手段と、
前記ケーブルを介して前記鉄道用発光機に供給される信号を、前記第1の発光制御手段から出力される前記第1の信号と、前記第2の発光制御手段から出力される前記第2の信号とで切り替える切り替え手段と
を備えることを特徴とする鉄道用発光機制御システム。
【請求項16】
請求項15に記載の鉄道用発光機制御システムにおいて、
前記鉄道用発光機制御装置は、前記第1の信号および前記第2の信号が出力されていなければ、前記断線検出処理を行うための電流として、前記所定の条件に合致しない前記2の方向の電流を常に出力し、
前記鉄道用発光機が、前記断線検出処理を行うための電流の供給を受けた場合
前記電流通過手段は、前記第2の方向の電流を通過させ、
前記選択手段は、前記第2の発光に対して前記第2の方向の電流を通過させない
ことを特徴とする鉄道用発光機制御システム。
【請求項17】
鉄道用発光機の点灯または滅灯が、視認地点から確実に視認できることを確認するための視認確認システムにおいて、
前記鉄道用発光機は、
第1の方向の電流に基づいて発光する第1の発光と、
前記第1の方向とは異なる第2の方向の電流を通過させる電流通過手段と、
所定の条件に合致した前記第2の方向の電流を選択的に通過させる選択手段と、
前記選択手段により選択的に通過された前記第2の方向の電流の供給を受け、前記第1の発光による発光とは区別可能な光で、所定の発光パターンで発光する第2の発光
を備え、
前記鉄道用発光機を制御する前記鉄道用発光機制御装置は、
前記第1の発光の点灯を制御する第1の信号を、前記第1の方向の電流により出力するとともに、前記第1の信号を出力しない場合には、前記2の方向の電流が、前記ケーブルおよび前記鉄道用発光機に流れるか否かに基づいて断線検出処理を行う第1の発光制御手段と、
前記第2の方向の電流であって、前記断線検出処理を行うための電流とは区別可能な、前記第2の発光の点灯を制御する第2の信号を生成して出力する第2の発光制御手段と、
前記ケーブルを介して前記鉄道用発光機に供給される信号を、前記第1の発光制御手段から出力される前記第1の信号と、前記第2の発光制御手段から出力される前記第2の信号とで切り替える切り替え手段と
を備え、
前記鉄道用発光機の前記第2の発光の発光パターンを検出することにより、前記鉄道用発光機の前記第1の発光の点灯または滅灯が視認地点から確実に視認できることを確認する確認装置は、
前記鉄道用発光機の前記第2の発光の発光パターンを記憶する記憶手段と、
前記第2の発光の点灯を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により撮影された画像を画像処理し、撮影された発光パターンと前記記憶手段により記憶された前記第2の発光の発光パターンとの同一性を判定する判定手段と
を備えることを特徴とする視認確認システム。
【請求項18】
請求項17に記載の視認確認システムにおいて、
前記鉄道用発光機制御装置は、前記第1の信号および前記第2の信号が出力されていなければ、前記断線検出処理を行うための電流として、前記所定の条件に合致しない電流を常に出力し、
前記鉄道用発光機が、前記断線検出処理を行うための電流の供給を受けた場合
前記電流通過手段は、前記第2の方向の電流を通過させ、
前記選択手段は、前記第2の発光に対して前記第2の方向の電流を通過させない
ことを特徴とする視認確認システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道用発光機制御装置、鉄道用発光機、鉄道用発光機制御システム、および、視認確認システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特殊信号発光機、鉄道用信号機、合図器、および標識などの鉄道用発光機は、色灯の点灯又は滅灯により、列車の運転士に現示(信号や指示を表わすこと)等を伝達する装置である。現示等は、列車の運転士が、特殊信号発光機、鉄道用信号機、合図器、または標識などの鉄道用発光機の色灯の点灯又は滅灯を目視確認することで伝達されるので、運転士が信号を見落とした場合には、現示等が正しく伝達されず危険である。また、特殊信号発光機、鉄道用信号機、合図器、および標識などの鉄道用発光機は、線路脇に建植されるものであるため、設置場所に制約があるという問題もある。
【0003】
現在に至っても、特殊信号発光機、鉄道用信号機、合図器、または標識などの鉄道用発光機の色灯の点灯又は滅灯による現示情報を列車の運転士が目視確認することは、現行の列車運行に必要不可欠な情報伝達方法である。それだけに、列車の運転士に現示等を伝達する特殊信号発光機、鉄道用信号機、合図器、および標識などの鉄道用発光機は、その色灯の点灯又は滅灯が視認地点から列車の運転士が確実に視認できるように、その色灯の発光方向が適切な向きになるよう建植されていなければならない。また、特殊信号発光機、鉄道用信号機、合図器、または標識などの鉄道用発光機と視認地点とを結ぶ光路上に光を遮断する樹木等の障害物が存在しないようにしなければならない。また、何らかの障害物により、やむを得ず光路が遮断される場合には、現示等の情報を中継するための、中継用の特殊信号発光機、鉄道用信号機、合図器、または標識などの鉄道用発光機をさらに設けるなどの対策を行っている。
【0004】
そのために、特殊信号発光機、鉄道用信号機、合図器、および標識などの鉄道用発光機の視認可否が可として正しく確保されていることの確認が重要であるが、現状では、特殊信号発光機、鉄道用信号機、合図器、または標識などの鉄道用発光機の建植地点と視認地点のそれぞれに作業員を配置して手作業で行われている。建植地点の作業員は、特殊信号発光機、鉄道用信号機、合図器、または標識などの鉄道用発光機に付けられている視認可否確認用覗き穴から視認地点の方向を見ることで、その発光方向のおおよその角度を調節する。その後、目視地点の作業員が特殊信号発光機、鉄道用信号機、合図器、または標識などの鉄道用発光機の色灯の点灯又は滅灯を目視できた場合には特殊信号発光機、鉄道用信号機、合図器、または標識などの鉄道用発光機の視認可否が可であると確認する。目視できなかった場合には、特殊信号発光機、鉄道用信号機、合図器、または標識などの鉄道用発光機の視認可否は否であると言えるので、光路上に障害物がないかを調べ、あればそれを除去する。障害物がなければ、建植地点の作業員と携帯電話機または無線機等で連絡し合って、特殊信号発光機、鉄道用信号機、合図器、または標識などの鉄道用発光機の発光方向を調節する。この発光方向の調節は、建植地点の作業員が、覗き穴から視認地点の方向を覗きながら微調整することや、視認確認視点において作業員が目視確認することにより行われる。これまでの特殊信号発光機、鉄道用信号機、合図器、および標識などの鉄道用発光機の視認可否の確認は、このような手作業と作業員の目視による確認作業を伴うものであるため、作業効率が悪いという問題がある。
【0005】
そこで、従来、列車の運転士に影響を及ぼさないように、実際に信号機等の点灯又は滅灯することなく、特殊信号発光機、鉄道用信号機、合図器、または標識などの鉄道用発光機の視認可否を確認するために、特殊信号発光機、鉄道用信号機、合図器、または標識などの鉄道用発光機に取り付けられ、かつ、確認用ビットパターンの赤外線発光を行う赤外線発光機と、視認地点で前記赤外線発光を撮影する赤外線ビデオカメラとを用いて、赤外線ビデオカメラの撮影画像を画像処理して得られた発光パターンと確認用ビットパターンとの同一性を判定する技術がある(例えば、特許文献1)。
【0006】
また、上述の特許文献1に記載の技術を用いるような場合において、隣接する複数の鉄道用信号機、合図器、または標識やその他のノイズ成分の中から、目的の鉄道用信号機、合図器、または標識の視認可否の確認を行えるようにする技術がある(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4925987号公報
【特許文献2】特開2010−173597号公報
【0008】
特許文献1および特許文献2に記載の鉄道信号機の視認可否を確認する装置は、図1に示されるように、軌道5の近傍に設置されている鉄道信号機4の視認距離を、視認地点Aにおいて確認装置1で自動的に確認する装置である。視認地点Aは鉄道信号機4の建植地点Bからの所定の視認距離、すなわち、600mまたは800m離れた軌道5上の地点である。確認装置1は、鉄道信号機4に取り付けられた赤外線発光機2の所定パターンで点滅する赤外線3を検出し、視認可否の確認を行うものである。確認装置1は携帯型であって、作業員は視認地点Aにおいて確認装置1を保持し確認作業を行う。あるいは、確認装置1は試験列車に搭載されるものであって、視認地点Aに前記試験列車を一次停車させて作業員が確認装置1を操作して確認作業を行う。
【0009】
図2は、確認装置1と赤外線発光器2の構成を示すブロック図である。確認装置1は、赤外線ビデオカメラ11、A/D変換部12、および、画像データ蓄積部13を備える。確認装置1は、更に、画像データ蓄積部13に蓄積された画像データを画像処理し、鉄道信号機の視認可否を判定する画像処理部を備える。画像処理部は、プログラムに従って演算制御を行う制御部14、各種データなどを入力する入力部15、演算制御のための各種の設定を行う設定部16、演算制御プログラムが格納されたプログラム記憶部17、各種データが記憶されるデータ記憶部18、および、液晶表示パネルなどの表示部19で構成されている。
【0010】
赤外線発光器2は、所定の確認用ビットパターンの赤外線発光3を発生する装置であって、指向性の高い赤外線LEDなどの赤外線発光素子21、および所定の確認用ビットパターン信号を発生し、前記信号に従って赤外線発光素子21を点滅発光させるパターン信号発生回路22とで構成されている。パターン信号発生回路22は、図示しないが、ID点滅パターンと演算制御プログラムが記憶された記憶部と、前記演算制御プログラムに従って演算処理する制御部を備えている。
【0011】
特許文献1に記載の技術を用いることにより、鉄道用信号機、合図器、または標識に取り付けられ、かつ、確認用ビットパターンの赤外線発光を行う赤外線発光機と、視認地点で前記赤外線発光を撮影する赤外線ビデオカメラとを用いて、赤外線ビデオカメラの撮影画像を画像処理して得られた発光パターンと確認用ビットパターンとの同一性を判定することができる。また、特許文献2に記載の技術を用いることにより、隣接する複数の鉄道信号機やその他のノイズ成分の中から目的の鉄道信号機の視認可否の確認を視認地点で行うことができるとともに、日中などの全体的に明るい状況や、夕方などの全体的に暗い状況でも、隣接する複数の鉄道信号機やその他のノイズ成分の中から目的の鉄道信号機の視認可否の確認を視認地点で行うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従来の鉄道信号機4や、特殊信号発光機などの鉄道用発光機は、踏切近辺に設置されている器具箱内に収められている鉄道信号機4や特殊信号発光機などの鉄道用発光機を制御するための制御器と1ペアのケーブルで接続されて施工されている。ケーブルは、信号用トラフに収容されている。信号用トラフとは、電線を収容するために線路に沿って敷設されるコンクリート、陶磁器、または、FRP(Fiber Reinforced Plastics:繊維強化プラスティック)などで作られた細長い樋状の線路収容材であり、ケーブルを保護するため、簡単に移動することができないようになされている。
【0013】
例えば、特許文献1または特許文献2に記載の鉄道信号機4の視認性を確認するためには、鉄道信号機4近辺(例えば、図1に示されるように、鉄道信号機4の上部)に赤外線発光機2を設置するとともに、赤外線発光機2用の制御器を器具箱に追加するか、鉄道信号機4に代わって、鉄道信号機4と赤外線発光機2の両方の機能を有する新たな信号発光機を建植するとともに、器具箱内に収められている鉄道信号機4を制御するための制御器に代わって、信号発光機を制御するための制御器を設置する必要がある。
【0014】
現在の鉄道用信号機や特殊信号発光機などの鉄道用発光機を制御する制御システムに対して、赤外線発光機2と赤外線発光機2用の制御器を追加して設置する場合、赤外線発光機2と赤外線発光機2用の制御器を接続するケーブルを新たに追加して敷設する必要がある。また、現在の鉄道用信号機や特殊信号発光機などの鉄道用発光機を制御する制御システムに対して、現在の鉄道信号機4や特殊信号発光機などの鉄道用発光機に代わって新たな鉄道用発光機を建植し、現在の鉄道用発光機を制御するための制御器に代わって新たな鉄道用発光機を制御するための制御器を設置する場合、鉄道信号や停止現示の発光を指令するための従来の信号と、赤外線を発光するための新たな信号とをそれぞれ伝達するための、2ペア以上のケーブルを再敷設する必要があった。
【0015】
ケーブル施設工事は、自動化が困難であり、今に至っても、人が手作業によって行っている。また、ケーブルの新規敷設や再敷設を行うためには、信号用トラフの蓋を一旦開閉する必要があるため、非常に時間と手間がかかる作業となってしまう。すなわち、ケーブル施設工事には、非常に高いコストがかかってしまう。
【0016】
そこで、本発明は、上記課題を解決すること、すなわち、現行の特殊信号発光機用制御器と特殊信号発光機に、鉄道用発光機の視認可否を確認する機能を追加するにあたって、現存するケーブルをそのまま利用することを可能とするとともに、鉄道用発光機制御システムの移行の途中段階(発光機または制御器のどちらか一方のみの施工や、発光機または制御器の一部のみの施工しか行われていない段階)においても、現行の鉄道用発光機制御システムの機能に影響を与えない、鉄道用発光機制御装置、鉄道用発光機、鉄道用発光機制御システム、および、視認確認システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するために、本発明の鉄道用発光機制御装置の第1の側面は、第1の発光部の点灯を制御する第1の信号を出力するとともに、第1の信号を出力しない場合には、第1の信号とは逆方向の電流が、ケーブルおよび鉄道用発光機に流れるか否かに基づいて断線検出処理を行う第1の発光制御手段と、第1の信号とは逆方向の電流であって、断線検出処理を行うための電流とは区別可能な、第2の発光部の点灯を制御する第2の信号を生成して出力する第2の発光制御手段と、ケーブルを介して鉄道用発光機に供給される信号を、第1の発光制御手段から出力される第1の信号と、第2の発光制御手段から出力される第2の信号とで切り替える切り替え手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
本発明の鉄道用発光機制御装置の他の側面は、第2の発光制御手段が、断線検出処理を行うための電流を発生させる電源とは異なる電圧値の、第2の発光部の点灯を制御する第2の信号を生成して出力することを特徴とする。
【0019】
本発明の鉄道用発光機制御装置の他の側面は、第2の発光制御手段が、断線検出処理を行うための電流とは異なる信号波形を用いて、第2の発光部の点灯を制御する第2の信号を生成して出力することを特徴とする。
【0020】
本発明の鉄道用発光機制御装置の他の側面は、第2の発光制御手段が、断線検出処理を行うための電流とは異なる周波数の、第2の発光部の点灯を制御する第2の信号を生成して出力することを特徴とする。
【0021】
本発明の鉄道用発光機制御装置の他の側面は、第2の発光制御手段が、それぞれ異なる周波数を発振する複数の発振手段を備え、第2の発光部の点灯を制御する第2の信号を、断線検出処理を行うための電流とは異なる複数の周波数で生成して出力することを特徴とする。
【0022】
本発明の鉄道用発光機制御装置の他の側面は、第1の発光制御手段が、第1の信号の生成を指令する第1の入力を受けて、第1の信号を生成し、第2の発光制御手段が、第2の信号の生成を指令する第2の入力を受けて、第2の信号を生成し、第2の入力は、第1の入力が発生しているとき、第2の発光制御手段に供給されないことを特徴とする。
【0023】
本発明の鉄道用発光機制御装置の他の側面は、第2の発光制御手段が、所定のパターンで第2の発光部を点滅発光させるための信号パターンを生成することを特徴とする。
【0024】
本発明の鉄道用発光機制御装置の他の側面は、所定のパターンが、鉄道用発光機のそれぞれを固有に区別可能な情報を伝達するためのパターンであることを特徴とする。
【0025】
本発明の鉄道用発光機の第1の側面は、第1の方向の電流に基づいて発光する第1の発光手段と、前記第1の方向とは異なる第2の方向の電流を通過させる電流通過手段と、所定の条件に合致した前記第2の方向の電流を選択的に通過させる選択手段と、選択手段により選択的に通過された第2の方向の電流により第1の発光による発光とは区別可能な光で発光する第2の発光とを備えることを特徴とする。
【0026】
本発明の鉄道用発光機の他の側面は、第1の方向の電流、および、所定の条件に合致した第2の方向の電流が供給されている場合を除いて、常に、所定の条件に合致しない第2の方向の電流の供給を受け、所定の条件に合致しない第2の方向の電流の供給を受けた場合、電流通過手段、第2の方向の電流を通過させ、選択手段は、第2の発光に対して第2の方向の電流を通過させないことを特徴とする。
【0027】
本発明の鉄道用発光機の他の側面は、所定の条件とは、所定の電圧値以上であることであり、選択手段は、所定の電圧値以上の第2の方向の電流を通過させて第2の発光を発光させることを特徴とする。
【0028】
本発明の鉄道用発光機の他の側面は、所定の条件とは、所定の信号波形を有することであり、選択手段は、所定の信号波形を有する第2の方向の電流を通過させて第2の発光を発光させることを特徴とする。
【0029】
本発明の鉄道用発光機の他の側面は、所定の条件とは、所定の周波数を有することであり、選択手段は、所定の周波数を有する第2の方向の電流を通過させて第2の発光を発光させることを特徴とする。
【0030】
本発明の鉄道用発光機の他の側面は、選択手段により選択的に通過された第2の方向の電流に対して所定のパターンで第2の発光部を点滅発光させるための信号パターンを生成する信号パターン生成手段をさらに備えることを特徴とする。
【0031】
本発明の鉄道用発光機制御システムの第1の側面は、鉄道用発光機が、第1の方向の電流に基づいて発光する第1の発光と、第1の方向とは異なる第2の方向の電流を通過させる電流通過手段と、所定の条件に合致した第2の方向の電流を選択的に通過させる選択手段と、選択手段により選択的に通過された第2の方向の電流により第1の発光による発光とは区別可能な光で発光する第2の発光とを備え、鉄道用発光機制御装置が、第1の発光の点灯を制御する第1の信号を、第1の方向の電流により出力するとともに、第1の信号を出力しない場合には、2の方向の電流が、ケーブルおよび鉄道用発光機に流れるか否かに基づいて断線検出処理を行う第1の発光制御手段と、第2の方向の電流であって、断線検出処理を行うための電流とは区別可能な、第2の発光の点灯を制御する第2の信号を生成して出力する第2の発光制御手段と、ケーブルを介して鉄道用発光機に供給される信号を、第1の発光制御手段から出力される第1の信号と、第2の発光制御手段から出力される第2の信号とで切り替える切り替え手段とを備えることを特徴とする。
【0032】
本発明の鉄道用発光機制御システムの他の側面は、鉄道用発光機制御装置は、第1の信号および第2の信号が出力されていなければ、断線検出処理を行うための電流として、所定の条件に合致しない電流を常に出力し、鉄道用発光機が、断線検出処理を行うための電流の供給を受けた場合、電流通過手段は、第2の方向の電流を通過させ、選択手段は、第2の発光に対して第2の方向の電流を通過させないことを特徴とする。
【0033】
本発明の視認確認システムの第1の側面は、鉄道用発光機が、第1の方向の電流に基づいて発光する第1の発光手段と、第1の方向とは異なる第2の方向の電流を通過させる電流通過手段と、所定の条件に合致した第2の方向の電流を選択的に通過させる選択手段と、選択手段により選択的に通過された第2の方向の電流の供給を受け、第1の発光による発光とは区別可能な光で、所定の発光パターンで発光する第2の発光とを備え、鉄道用発光機を制御する鉄道用発光機制御装が、第1の発光の点灯を制御する第1の信号を、第1の方向の電流により出力するとともに、第1の信号を出力しない場合には、2の方向の電流が、ケーブルおよび鉄道用発光機に流れるか否かに基づいて断線検出処理を行う第1の発光制御手段と、第2の方向の電流であって、断線検出処理を行うための電流とは区別可能な、第2の発光の点灯を制御する第2の信号を生成して出力する第2の発光制御手段と、ケーブルを介して鉄道用発光機に供給される信号を、第1の発光制御手段から出力される第1の信号と、第2の発光制御手段から出力される第2の信号とで切り替える切り替え手段とを備え、鉄道用発光機の第2の発光の発光パターンを検出することにより、鉄道用発光機の第1の発光の点灯または滅灯が視認地点から確実に視認できることを確認する確認装置が、鉄道用発光機の第2の発光の発光パターンを記憶する記憶手段と、第2の発光の点灯を撮影する撮影手段と、撮影手段により撮影された画像を画像処理し、撮影された発光パターンと記憶手段により記憶された第2の発光の発光パターンとの同一性を判定する判定手段とを備えることを特徴とする。
【0034】
本発明の視認確認システムの他の側面は、鉄道用発光機制御装置は、第1の信号および第2の信号が出力されていなければ、断線検出処理を行うための電流として、所定の条件に合致しない電流を常に出力し、鉄道用発光機が、断線検出処理を行うための電流の供給を受けた場合、選択手段は、第2の発光に対して第2の方向の電流を通過させないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、特殊信号発光機用制御器と特殊信号発光機に、鉄道用発光機の視認可否を確認する機能を追加するにあたって、現存するケーブルをそのまま利用することが可能となるとともに、鉄道用発光機制御システムの移行の途中段階においても、現行の鉄道用発光機制御システムの機能に影響を与えない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】従来の確認装置および赤外線発光機について説明するための図である。
図2】従来の確認装置および赤外線発光機について説明するための図である。
図3】特殊信号発光機用制御器の外観構成を示す図である。
図4】赤色発光の機能のみを有する特殊信号発光機の外観構成を示す図である。
図5】赤色発光の機能のみを有する特殊信号発光機と、特殊信号発光機用制御器について説明するための図である。
図6】赤色発光の機能のみを有する特殊信号発光機と、特殊信号発光機用制御器について説明するための図である。
図7】特殊信号発光機の視認可否を確認する機能が追加された特殊信号発光機制御システムについて説明するための図である。
図8】特殊信号発光機の視認可否を確認する機能が追加された殊信号発光機と、特殊信号発光機用制御器について説明するための図である。
図9】電圧値に基づいて、断線検出用の信号と発光素子を発光させるための信号とを区別可能なようにした、殊信号発光機と特殊信号発光機用制御器について説明するための図である。
図10】周波数に基づいて、断線検出用の信号と発光素子を発光させるための信号とを区別可能なようにした、殊信号発光機と特殊信号発光機用制御器について説明するための図である。
図11】周波数に基づいて、断線検出用の信号と発光素子を発光させるための信号とを区別可能なようにした、殊信号発光機と特殊信号発光機用制御器について説明するための図である。
図12】特殊信号発光機の視認可否を確認する機能が追加された殊信号発光機と、特殊信号発光機用制御器の異なる構成例について説明するための図である。
図13】特殊信号発光機の視認可否を確認する機能が追加された殊信号発光機の外観構成例について説明するための図である。
図14】特殊信号発光機の視認可否を確認する機能が追加された殊信号発光機と、特殊信号発光機用制御器の異なる構成例について説明するための図である。
図15】特殊信号発光機の視認可否を確認する機能が追加された殊信号発光機の外観構成例について説明するための図である。
図16】特殊信号発光機の視認可否を確認する機能を追加するための追加用回路筐体の構成例について説明するための図である。
図17】特殊信号発光機の視認可否を確認する機能を追加するための追加用回路筐体の構成例について説明するための図である。
図18】特殊信号発光機の視認可否を確認する機能を追加するための追加用回路筐体の構成例について説明するための図である。
図19】特殊信号発光機の視認可否を確認する機能を追加するための追加用回路筐体の構成例について説明するための図である。
図20】確認装置の信号検査処理について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の一実施の形態の鉄道用発光機制御システムについて、図3図20を参照しながら説明する。鉄道用発光機とは、例えば、特殊信号発光機、鉄道用信号機、合図器、または標識などの、鉄道信号や停止現示などのための発光を行う各種発光機を示す。
【0038】
ここでは、踏切等で異常が発生したなどの情報を運転士などに伝える特殊信号発光機の視認性を確認することが可能な特殊信号発光機制御システムを例として説明する。踏切等で異常が発生したなどの情報を運転士などに伝える特殊信号発光機は、異常等が発生していない場合は点灯しておらず、異常が発生したなどの情報を運転士などに伝える場合にのみ、運転士に確認可能な光(例えば、赤色の発光)にて点灯または点滅を行う。
【0039】
特殊信号発光機は、それぞれの踏切から、視認距離と称される所定の第1の距離(例えば、800m)以内においては、どの距離からでも特殊信号発光機の発光の状態が確認可能な位置に設置されなければならない。また、それぞれの特殊信号発光機において中継を設けている場合は、複数の踏切に対する中継の特殊信号発光機を共用して用いても良いが、中継ではない特殊信号発光機については、共用が禁止され、それぞれの踏切ごとに異なる特殊信号発光機を用いなければならない。
【0040】
したがって、複数の踏切が近接されている場合、それぞれの踏切の状態を示すための特殊信号発光機も近接されて建植される。特に、複数の踏切が近接され、さらに、急カーブがあるような場合、所定の第1の距離(例えば、800m)以内においては、どの距離からでも特殊信号発光機の発光の状態が確認可能なようにするためには、複数の踏切それぞれの状態を示すために、多くの特殊信号発光機を近接して建植する必要がある。
【0041】
特殊信号発光機は、図3にその外観が示される特殊信号発光機用制御器31(図3においては、外観形状の異なる特殊信号発光機用制御器31−1と特殊信号発光機用制御器31−2とが図示されている)と、図4にその外観が示される特殊信号発光機41により構成される。ここでは、特殊信号発光機41は点滅型であり、その前面に配されたLED45を赤色に発光させて点滅することにより、踏切等で異常が発生したなどの情報を運転士などに伝える。特殊信号発光機用制御器31は、図5に示されるように、踏切付近に設置される器具箱51の中に設置され、特殊信号発光機41は、器具箱51から数m〜数100m離れた所定の地点に設置される。
【0042】
従来の、踏切等で異常が発生したなどの情報を運転士などに伝えるための特殊信号発光機用制御器31と特殊信号発光機41は、1ペアのケーブル52で接続されている。その回路構成図を図6に示す。踏切等で異常などが発生し、特殊信号発光機のLED45を赤色に発光させる際には、図6の実線で示したように電流が流れる。また、定常時には、ダイオード61を介して、点線で示したように逆向きの回路に電流が流れ、ケーブル52の断線をチェックしている。
【0043】
特殊信号発光機のLED45が赤色に発光していることを運転手が確実に視認することが可能なことを確認するためには、図5および図6を用いて説明した特殊信号発光機用制御器31と特殊信号発光機41に、図1および図2を用いて説明した特許文献1または特許文献2に記載の、鉄道信号機の視認可否を確認する装置と同等の機能を追加する必要がある。この時、ケーブルの新規敷設や再敷設を行うと、大幅に時間とコストがかかってしまう。
【0044】
次に、図7を参照して、図5および図6を用いて説明した特殊信号発光機用制御器31と特殊信号発光機41に、図1および図2を用いて説明した特許文献1に記載の鉄道信号機の視認可否を確認する装置の機能を追加するにあたって、ケーブル52をそのまま利用することが可能な特殊信号発光機制御システムについて説明する。
【0045】
この特殊信号発光機制御システムにおいては、踏切近辺に設置される器具箱51内に、特殊信号発光機用制御器71備えられ、器具箱51から数m〜数百m離れた所定の位置に特殊信号発光機72が、少なくとも1つ、また、多くの場合は複数建植される。特殊信号発光機用制御器71は、1ペアのケーブル52を介して、1つ、または、複数接続された特殊信号発光機72に、図6を用いて説明したように、LED45を赤色に発光させるための信号を送出するとともに、断線検出を常時行っている。さらに、特殊信号発光機用制御器71は、1ペアのケーブル52を介して、1つ、または、複数接続された特殊信号発光機72に、視認可否を確認するための、例えば、赤外線などの不可視光または乗務員が誤認する恐れがない可視光を発生させるための信号を送出する。また、特殊信号発光機72は、図5および図6を用いて説明した、LED45を赤色に点滅発光させる機能に加えて、さらに、図1および図2を用いて説明した赤外線発光器2の機能も有している。
【0046】
特殊信号発光機72の視認可否を点検し確認する場合、特殊信号発光機用制御器71は、接続されている1つまたは複数の特殊信号発光機72を、赤外線などの不可視光または乗務員が誤認する恐れがない可視光を用いて、それぞれ区別可能なパターン(例えば、どの踏切に対応する何番目の特殊信号発光機72であるかを区別可能なパターン)で点滅させる。例えば、検測車または営業列車などに、上述した特許文献1または特許文献2に記載の確認装置1を搭載し、運転士の視野と同等の視野となるように画像を撮像して解析させることにより、複数の特殊信号発光機72が連続して多数存在するような場合においても、誤ることなく、自動的に、特殊信号発光機72の視認可否を点検し確認することが可能となる。
【0047】
なお、図2を用いて説明した確認装置1においては、例えば、視認可否の判定結果などを運転士または保全関係社員などに知らせるために、表示部12を備えるものとして説明したが、確認装置1には、例えば、表示部19に代わって、または、表示部19に加えて、音声出力部などを備え、音声を用いて、例えば、視認可否の判定結果などを運転士または保全関係社員などに知らせる事ができるようにしても良い。
【0048】
次に、図8図12を参照して、図7を用いて説明した特殊信号発光機用制御器71および特殊信号発光機72が有する機能および動作について説明する。なお、図8図12においては、それぞれのリレーのコイルおよびコイルに接続されている電源部、各素子に必要に応じて接続されるCR(コンデンサおよびリアクタンス)回路、電流制限抵抗、並びに、グランドなど、回路の設計において自明である部分については、適宜、省略している。
ここで、請求項に記載の第1の信号は、LED45を赤色に発光させる信号、第2の信号は、視認可否を確認するための視認確認用信号、第1の発光部はLED45、第2の発光部は、発光素子112、第1の発光制御手段は、赤色発光制御部82、第2の発光制御手段は、視認確認用発光制御部84に対応する。また、切り替え手段は、リレー85、86に対応する。発振手段は、発振回路132に、信号パターン生成手段は、パターン信号生成部83、93に、電流通過手段は、ダイオード61、選択手段は、視認確認用信号判定部111に対応する。
【0049】
図8の特殊信号発光機用制御器71と特殊信号発光機72は、図6を用いて説明した、特殊信号発光機の視認可否を点検のための機能を有さない特殊信号発光機用制御器31と特殊信号発光機41とを接続していた1ペアのケーブル52を用いて接続される。
【0050】
特殊信号発光機用制御器71は、リレー81、赤色発光制御部82、リレー83、視認確認用発光制御部84、切り替えリレー85、切り替えリレー86、リレー87、ダイオード88、リレー89を含んで構成されている。
【0051】
リレー81は、通常は、接点が開放している状態であり、例えば、踏切内に異常が発生したことをセンサが検出したり、非常停止ボタンが押下された場合など、特殊信号発光機72のLED45を赤色に発光させるための指令の入力を受けた場合にON状態となって、接点が接続状態となるリレーである。
【0052】
赤色発光制御部82は、リレー81が接続状態において入力を受け、特殊信号発光機72のLED45を発光させるための信号を生成し、送出するとともに、リレー81が開放状態においては、LED45を発光させるための信号とは逆方向の電流を常時出力し、その電流が流れるか否かに基づいて、断線検出を行う機能を有している。
【0053】
リレー81および赤色発光制御部82は、図5および図6を用いて説明した特殊信号発光機用制御器31と基本的に同等の機能を有するものである。
【0054】
以下、特殊信号発光機72のLED45を発光させるための信号の送出方向を正方向、断線検出のための電流の方向を逆方向と称するものとする。
【0055】
リレー83は、通常は、接点が開放している状態であり、視認確認用発光指令が供給された場合にON状態となって、接点が接続状態となるリレーである。
【0056】
リレー89は、通常は、接点が接続されている状態であり、リレー81の出力がONとなった場合、すなわち、リレー81が接続状態となった場合にのみ、接点が開放状態となり、その両端の電気的接続を切断する。
【0057】
視認確認用発光制御部84は、電源回路91、および、視認確認用信号生成部92を含み、必要に応じて、パターン信号生成部93を含んで構成されている。
【0058】
電源回路91に視認確認用発光指令が供給されたことを示す信号が供給された場合、視認確認用信号生成部92は、断線確認用の逆方向電流に対して、電圧が異なる、周波数が異なる、または、信号波形が異なるなどの、後述する特殊信号発光機72の視認確認用信号判定部111が判定可能な信号を生成し、パターン信号生成部93に供給する。視認確認用信号生成部92が生成する信号と、特殊信号発光機72における視認確認用信号の判定の詳細については、図9図11を用いて後述する。
【0059】
パターン信号生成部93は、特殊信号発光機72をそれぞれ区別可能なパターン(例えば、どの踏切に対応する何番目の特殊信号発光機であるかを区別可能なパターン)で点滅させるためのパターン信号を生成して出力する。また、パターン信号生成部93は、必要な様々なパターン信号を生成して出力することが可能であり、例えば、上述した特許文献2に記載のように、隣接する複数の鉄道用信号機や特殊信号発光機、合図器、または標識やその他のノイズ成分の中から、目的の鉄道用信号機や特殊信号発光機、合図器、または標識の視認可否の確認を行えるようにするための所定のビットパターンを生成して出力するものであってもよいことは言うまでもない。
【0060】
切り替えリレー85は、通常は、赤色発光制御部82の入出力を端子101と接続する状態となっており、リレー83およびリレー89がいずれも接続状態となった場合に、その接点が切り替わり、視認確認用発光制御部84と端子101とを接続する。
【0061】
切り替えリレー86は、通常は、赤色発光制御部82の入出力を端子102と接続する状態となっており、リレー83およびリレー89がいずれも接続状態となって、リレー89の出力がONとなった場合に、その接点が切り替わり、視認確認用発光制御部84と端子102とを接続する。
【0062】
リレー87は、通常は、接点が開放している状態であり、リレー83およびリレー89がいずれも接続状態となった場合にON状態となって、接点を接続状態とし、赤色発光制御部82から出力される断線検出用の逆方向電流がダイオード88に流れるようにすることにより、回路の故障等を防ぐものである。
【0063】
特殊信号発光機72は、図6を用いて説明したLED45およびダイオード61に加えて、視認確認用信号判定部111および発光素子112を備えている。LED45は、列車の運転士に列車運行情報を伝達する赤色光を発光するものであり、発光素子112は、赤外線(例として波長850nmや940nm)または乗務員が誤認する恐れがない可視光を発光するものである。
【0064】
LED45は、特殊信号発光機用制御器71から、ケーブル52を介して、正方向電流の供給を受けて、赤色に点滅発光する。
【0065】
また、断線がない場合、特殊信号発光機用制御器71から、ケーブル52を介して、逆方向電流の供給を受けたとき、ダイオード61に電流が流れる。
【0066】
視認確認用信号判定部111は、特殊信号発光機用制御器71から、ケーブル52を介して、逆方向電流の供給を受けたとき、その電流が発光素子112を発光させるための信号であるか否かを判定する機能を有し、断線確認用の逆方向電流に対して、電圧が異なる、周波数が異なる、または、信号波形が異なるなどの所定の信号である場合に、発光素子112に電流を供給して、発光させる。視認確認用信号生成部92が生成する信号と、特殊信号発光機72における視認確認用信号の判定の詳細については、図9図11を用いて後述する。
【0067】
以下、列車の運転士に列車運行情報を伝達する赤色光を発光するLED41を備えた発光部を第1の発光部と称し、赤外線(例として波長850nmや940nm)または乗務員が誤認する恐れがない可視光を発光する発光素子112を備えた発光部を第2の発光部と称するものとする。
【0068】
次に、特殊信号発光機用制御器71と特殊信号発光機72の動作について説明する。
【0069】
特殊信号発光機用制御器71は、赤色発光指令や視認確認用発光指令を受けていない場合、リレー81およびリレー83の接点がそれぞれ接続されない。このとき、赤色発光制御部82により逆方向電流が出力される。切り替えリレー85および切り替えリレー86は、赤色発光制御部82と端子101および端子102を接続しているため、逆方向電流は、ケーブル52を介して、特殊信号発光機72に供給される。
【0070】
断線等がない場合、特殊信号発光機72の端子103に供給された逆方向電流は、ダイオード61を通過して、端子104から、ケーブル52を介して、特殊信号発光機用制御器71に供給される。また、視認確認用信号判定部111により、供給された逆方向電流が、その電流が発光素子112を発光させるための信号ではないことが判定されるので、発光素子112には、電流が流れない。そして、逆方向電流は、LED45を通過することができない。切り替えリレー85および切り替えリレー86は、赤色発光制御部82と端子101および端子102を接続しているため、ダイオード61を通過して、端子104から、ケーブル52を介して、特殊信号発光機用制御器71に供給された逆方向電流は、赤色発光制御部82に入力され、断線が発生していないことが検出される。
【0071】
例えば、踏切内に異常が発生したことをセンサが検出したり、非常停止ボタンが押下された場合など、特殊信号発光機72のLED45を赤色に発光させるための赤色発光指令が特殊信号発光機用制御器71に供給された場合、リレー81がONとなる。赤色発光制御部82は、特殊信号発光機72のLED45を赤色に発光させるための正方向電流の信号を出力する。このとき、切り替えリレー85および切り替えリレー86は、赤色発光制御部82と端子101および端子102を接続しているため、正方向電流は、ケーブル52を介して、特殊信号発光機72に供給される。
【0072】
特殊信号発光機72の端子104に供給された正方向電流は、LED45を赤色に発光させて、端子103から、ケーブル52を介して、特殊信号発光機用制御器71に供給される。特殊信号発光機72の端子104に供給された正方向電流は、ダイオード61および発光素子112を通過することはできない。
【0073】
そして、特殊信号発光機用制御器71に視認確認用発光指令が供給された場合、リレー83がONとなる。このとき、踏切内に異常が発生したことをセンサが検出したり、非常停止ボタンが押下された場合など、特殊信号発光機72のLED45を赤色に発光させるための赤色発光指令が特殊信号発光機用制御器71に供給されていなければ、リレー89の接点は接続状態であるので、視認確認用発光制御部84は、断線確認用の逆方向電流に対して、電圧が異なる、周波数が異なる、または、信号波形が異なるなどの視認確認用信号判定部111が判定可能な、所定のパターン信号を生成し、逆方向電流として出力する。
【0074】
リレー89を設けることにより、視認確認用発光指令が供給されている場合においても、赤色発光指令によるLED45の発光が優先されるので、列車の運行中に視認確認処理を行っても、列車の運行に支障をきたさない。なお、列車の運行中に視認確認処理を行わない場合、リレー89は省略可能である。
【0075】
リレー83およびリレー89がいずれも接続状態となった場合、切り替えリレー85および切り替えリレー86は、視認確認用発光制御部84と端子101および端子102を接続しているため、逆方向電流は、ケーブル52を介して、特殊信号発光機72に供給される。
【0076】
また、リレー83およびリレー89がいずれも接続状態となった場合、リレー87はON状態となって、接点が接続状態となる。これにより、断線検出用の逆方向電流がダイオード88に流れ、赤色発光制御部82に戻るので、必要でない電流が流れることを防止し、短絡等の、回路の故障を防ぐことができる。
【0077】
特殊信号発光機72に供給された逆方向電流は、視認確認用信号判定部111に供給される。視認確認用信号判定部111は、例えば、その電流の電圧値、信号周波数、または、信号波形に基づいて、発光素子112を発光させるための信号のみを発光素子112に供給し、所定のパターンで発光素子112を発光させる。換言すれば、発光素子112を発光させるための信号が供給されていない場合、視認確認用信号判定部111は、発光素子112に電流を供給しないため、発光素子112は発光しない。発光素子112は、通電電流と温度、紫外線の影響を受け、使用時間に比例して輝度が減衰し、素子が劣化してしまう。このようにして、必要な時以外は、発光素子112を発光させないようにすることにより、常時、断線検を行いつつ、発光素子112の輝度の低下、および素子の劣化を防止することができる。
【0078】
次に、視認確認用信号生成部92が生成する信号と、特殊信号発光機72における視認確認用信号の判定の詳細について、図9図11を用いて説明する。特殊信号発光機用制御器71および特殊信号発光機72の動作について、図8を用いて説明した場合と同様の部分については、その説明を適宜省略する。
【0079】
図9を参照して、特殊信号発光機72に供給される発光素子112を発光させるための逆方向電流を、断線検出用の逆方向電流に対して高電圧の電流とする場合について説明する。
【0080】
図9の視認確認用発光制御部84−1は、電圧を制御する機能を有する視認確認用信号生成部92−1により、発光素子112を発光させるための逆方向電流を、断線検出用の逆方向電流に対して高電圧であり、後述するツェナーダイオード122のツェナー電圧値よりも高電圧であるものとし、パターン信号生成部93によって、所定のパターン信号を生成して出力する。
【0081】
特殊信号発光機72−1の視認確認用信号判定部111−1は、例えば、逆方向電流のみを通過させるダイオード121と、所定の電圧値以上の電流が供給された場合にのみダイオード121と同方向の電流(すなわち、逆方向電流)を通過させるツェナーダイオード122により、供給された逆方向電流が、発光素子112を発光させるための信号であるか否かを判定する。視認確認用信号判定部111−1に供給された信号がツェナーダイオード122のツェナー電圧値以上の電圧値を有する逆方向電流であった場合、ダイオード121およびツェナーダイオード122を介して、発光素子112に所定のパターン信号が供給され、発光素子112が点滅発光する。
【0082】
また、視認確認用信号判定部111−1に供給された信号が、ツェナーダイオード122のツェナー電圧値以下の電圧値を有する逆方向電流であった場合、すなわち、逆方向電流が断線検出用の電流であった場合、その電流は、視認確認用信号判定部111−1のツェナーダイオード122を通過することができないので、発光素子112は発光しない。このようにして、必要な時以外は、発光素子112を発光させないようにすることにより、常時、断線検知を行いつつ、発光素子112の輝度の低下、および素子の劣化を防止することができる。
【0083】
ここでは、特殊信号発光機72−1の視認確認用信号判定部111−1が、ツェナーダイオード122を用いて、所定の電圧値以上の逆方向電流を選択的に通過させるものとして説明したが、視認確認用信号判定部111−1は、所定の電圧値以上の逆方向電流を選択的に通過させることが可能であれば、ツェナーダイオード122に代わって、例えば、ハイパスフィルタやバンドパスフィルタ、または、それらの機能を有する回路などを用いるようにしてもよい。また、発光素子112を含む回路の合成抵抗値と、ダイオード61を含む回路の合成抵抗値の差が大きくなるようにすることにより、ツェナーダイオード122を用いることなく、発光素子112を含む回路のみに所定の電圧値以上の逆方向電流を選択的に通過させるようにして、同様の機能を実現することも可能である。
【0084】
次に、図10を参照して、特殊信号発光機72に供給される発光素子112を発光させるための逆方向電流を、断線検出用の逆方向電流とは異なる所定の周波数の信号(その信号波形は、例えば、SIN波、ノコギリ波、方形波等の、断線検出のための逆方向電流とは異なる信号波形であってもよい)とする場合について説明する。
【0085】
図10の視認確認用発光制御部84−2は、発振回路131を備える視認確認用信号生成部92−2により、発光素子112を発光させるための逆方向電流を、断線検出用の逆方向電流とは異なる所定の周波数の信号であるものとし、パターン信号生成部93によって、所定のパターン信号を生成して出力する。
【0086】
特殊信号発光機72−2の視認確認用信号判定部111−2は、例えば、所定の周波数のみを通過させるフィルタ141を備えることにより、供給された逆方向電流が、発光素子112を発光させるための信号であるか否かを判定する。視認確認用信号判定部111−2に供給された信号が所定の周波数の逆方向電流であった場合のみ、フィルタ141を通過して発光素子112に所定のパターン信号が供給され、発光素子112が点滅発光する。
【0087】
また、視認確認用信号判定部111−2に供給された信号が、所定の周波数の逆方向電流ではなかった場合、すなわち、逆方向電流が断線検出用の電流であった場合、その電流は、視認確認用信号判定部111−2のフィルタ141を通過することができないので、発光素子112は発光しない。このようにして、必要な時以外は、発光素子112を発光させないようにすることにより、常時、断線検知を行いつつ、発光素子112の輝度の低下、および素子の劣化を防止することができる。
【0088】
また、特殊信号発光機72に供給される発光素子112を発光させるための逆方向電流
を、断線検出用の逆方向電流とは異なる所定の周波数の信号とした場合、複数の特殊信号発光機72に対応する視認確認用のパターン信号を、それぞれ異なる周波数の信号にすることにより、1つの視認確認用発光制御部84から、1ペアのケーブル52を介して、複数の特殊信号発光機72−2の発光素子112を、それぞれ固有のビットパターンで発光させることが可能となる。図11を参照して、複数の特殊信号発光機72−2の発光素子112を、それぞれ固有のビットパターンで発光させる場合について説明する。
【0089】
図11においては、図10に記載のリレーや端子等を省略して、発光素子112を発光させるための動作の説明に必要な部分、すなわち、視認確認用発光制御部84−2および特殊信号発光機72−2のみを図示している。省略した部分の構成は、図10を用いて説明した場合と同様である。
【0090】
視認確認用発光制御部84−2の出力には、1ペアのケーブル52を介して、複数の特殊信号発光機72−2が、直列、または、並列に接続されている。図11においては、3つの特殊信号発光機72−2−1、特殊信号発光機72−2−2、および、特殊信号発光機72−2−3が接続されている。
【0091】
視認確認用発光制御部84−2の視認確認用信号生成部92−2は、それぞれ異なる周波数を発振する複数の発振回路131を備えている。ここでは、視認確認用信号生成部92−2は、発振回路131−1、発振回路131−2、および、発振回路141−3の3つの発振回路131を備えているものとする。ここでは、発振回路131−1の発振周波数をAHz、発振回路131−2の発振周波数をBHz、そして、発振回路131−3の発振周波数をCHzであるものとする。
【0092】
パターン信号生成部93は、複数の特殊信号発光機72−2のそれぞれの発光素子112の発光パターン信号を生成する複数のビットパターン生成部151を備えている。ここでは、第1のビットパターン生成部151−1、第2のビットパターン生成部151−2、および、第3のビットパターン生成部151−3が、それぞれ異なる周波数の信号の供給を受け、特殊信号発光機72−2−1、特殊信号発光機72−2−2、および、特殊信号発光機72−2−3のそれぞれの発光素子112の発光パターン信号を生成し、逆方向電流として出力する。
【0093】
ケーブル52に送出される逆方向電流には、周波数AHzの特殊信号発光機72−2−1の発光素子112の発光パターン信号、周波数BHzの特殊信号発光機72−2−2の発光素子112の発光パターン信号、および、周波数CHzの特殊信号発光機72−2−3の発光素子112の発光パターン信号が混在する。
【0094】
特殊信号発光機72−2−1の視認確認用信号判定部111−2は、周波数AHzの信号のみを選択的に通過させるAHz通過フィルタ141−1を備えている。したがって、周波数AHzの特殊信号発光機72−2−1の発光素子112の発光パターン信号、周波数BHzの特殊信号発光機72−2−2の発光素子112の発光パターン信号、および、周波数CHzの特殊信号発光機72−2−3の発光素子112の発光パターン信号が混在している逆方向電流のうちの周波数AHzの信号のみが発光素子112に供給されるので、特殊信号発光機72−2−1の発光素子112は、特殊信号発光機72−2−1であることを伝達するための情報を含む所定のビットパターンで発光制御される。
【0095】
特殊信号発光機72−2−2の視認確認用信号判定部111−2は、周波数BHzの信号のみを選択的に通過させるBHz通過フィルタ141−2を備えている。したがって、周波数AHzの特殊信号発光機72−2−1の発光素子112の発光パターン信号、周波数BHzの特殊信号発光機72−2−2の発光素子112の発光パターン信号、および、周波数CHzの特殊信号発光機72−2−3の発光素子112の発光パターン信号が混在している逆方向電流のうちの周波数BHzの信号のみが発光素子112に供給されるので、特殊信号発光機72−2−2の発光素子112は、特殊信号発光機72−2−2であることを伝達するための情報を含む所定のビットパターンで発光制御される。
【0096】
特殊信号発光機72−2−3の視認確認用信号判定部111−2は、周波数CHzの信号のみを選択的に通過させるCHz通過フィルタ141−3を備えている。したがって、周波数AHzの特殊信号発光機72−2−1の発光素子112の発光パターン信号、周波数BHzの特殊信号発光機72−2−2の発光素子112の発光パターン信号、および、周波数CHzの特殊信号発光機72−2−3の発光素子112の発光パターン信号が混在している逆方向電流のうちの周波数CHzの信号のみが発光素子112に供給されるので、特殊信号発光機72−2−3の発光素子112は、特殊信号発光機72−2−3であることを伝達するための情報を含む所定のビットパターンで発光制御される。
【0097】
上述したように、特殊信号発光機41または特殊信号発光機72は、それぞれの踏切から、視認距離と称される所定の第1の距離(例えば、800m)以内においては、どの距離からでも特殊信号発光機41または特殊信号発光機72の発光の状態が確認可能な位置に設置されなければならない。例えば、急カーブがあるような場合、現状の特殊信号発光機用制御器31から、複数設置されている特殊信号発光機41の赤色発光を同時に制御している可能性がある。このような場合においても、図11を用いて説明した構成をとることにより、複数設置されている特殊信号発光機41が接続されているケーブル52を新規敷設または再敷設することなく、現状の特殊信号発光機用制御器31を特殊信号発光機用制御器71−2に更新し、特殊信号発光機41を特殊信号発光機72−2に更新することが可能となる。
【0098】
このような構成を有する場合であっても、省略した部分の構成は、図10を用いて説明した場合と同様であるので、AHz通過フィルタ141−1、BHz通過フィルタ141−2、および、CHz通過フィルタ141−3は、必要な時以外は、発光素子112に電流を供給せず、断線検知のための信号は、ダイオード61のみに流れる。このようにして、必要な時以外は、発光素子112を発光させないようにすることにより、常時、断線検知を行いつつ、発光素子112の輝度の低下、および素子の劣化を防止することができる。
【0099】
また、上述した視認確認用発光制御部84のパターン信号生成部93は、図12に示すように、視認確認用発光制御部84ではなく、特殊信号発光機72に備えるものとしてもよい。
【0100】
すなわち、図12の特殊信号発光機用制御器71−3の視認確認用発光制御部84−3においては、特殊信号発光機用制御器71に視認確認用発光指令が供給され、赤色発光指令が供給されていない場合、すなわち、電源回路91に視認確認用発光指令が供給されたことを示す信号が供給された場合、視認確認用信号生成部92は、断線確認用の逆方向電流に対して、電圧、周波数、または、信号波形が異なるなどの、後述する特殊信号発光機72の視認確認用信号判定部111が判定可能な信号を生成し、逆方向電流として出力する。
【0101】
この時、切り替えリレー85および切り替えリレー86は、視認確認用発光制御部84と端子101および端子102を接続しているため、逆方向電流は、ケーブル52を介して、特殊信号発光機72−3に供給される。
【0102】
特殊信号発光機72−3に供給された逆方向電流は、視認確認用信号判定部111に供給される。視認確認用信号判定部111は、例えば、その電流の電圧値、信号周波数、または、信号波形に基づいて、発光素子112を発光させるための信号のみをパターン信号生成部93に供給する。このようにして、必要な時以外は、発光素子112を発光させないようにすることにより、常時、断線検知を行いつつ、発光素子112の輝度の低下、および素子の劣化を防止することができる。
【0103】
パターン信号生成部93は、特殊信号発光機72をそれぞれ区別可能なパターン(例えば、どの踏切に対応する何番目の特殊信号発光機であるかを区別可能なパターン)で点滅させるためのパターン信号を生成して、発光素子112に供給し、所定のパターンで発光素子112を発光させる。また、パターン信号生成部93は、必要な様々なパターン信号を生成して出力することが可能であり、例えば、上述した特許文献2に記載のように、隣接する複数の鉄道用信号機や特殊信号発光機、合図器、または標識やその他のノイズ成分の中から、目的の鉄道用信号機や特殊信号発光機、合図器、または標識の視認可否の確認を行えるようにするための所定のビットパターンを生成して出力するものであってもよいことは言うまでもない。
【0104】
図12を用いて説明した構成においては、特殊信号発光機72をそれぞれ区別可能なパターン(例えば、どの踏切に対応する何番目の特殊信号発光機であるかを区別可能なパターン)の信号を生成する機能を、特殊信号発光機72−3がそれぞれ有する。すなわち、視認確認用発光制御部84が生成する信号は、断線検出用の逆方向電流とは異なることが判定可能な電流であって、ビットパターンによる情報を含んでおらず、ケーブル52を介して供給される信号には、発光素子112を発光させることを指令する情報のみが含まれる。そして、特殊信号発光機72−3が、自分自身が有する機能によって、自分自身を示す情報を伝達するための発光を制御する。
【0105】
したがって、現状の特殊信号発光機用制御器31が、複数設置されている特殊信号発光機41の赤色発光を同時に制御しているような場合においても、複数設置されている特殊信号発光機41が接続されているケーブル52を新規敷設または再敷設することなく、現状の特殊信号発光機用制御器31を特殊信号発光機用制御器71−3に更新し、特殊信号発光機41を特殊信号発光機72−3に更新することが可能となる
【0106】
図8図9図10、および、図12においては、特殊信号発光機72が、列車の運転士に列車運行情報を伝達する赤色光を発光するLED45を備えた第1の発光部と、赤外線(例として波長850nmや940nm)または乗務員が誤認する恐れがない可視光を発光する発光素子112を備える第2の発光部を同一筐体に備えているものとして説明したが、特殊信号発光機72は、第1の発光部および第2の発光部を同一筐体に備えてもよいし、第2の発光部を有する筐体を、従来の特殊信号発光機41に後付けするものとしてもよい。
【0107】
図13を参照して、第1の発光部および第2の発光部を同一筐体に備える特殊信号発光機72の、第1の発光部および第2の発光部の配置例について説明する。図13においては、第1の発光部および第2の発光部を同一筐体に備える特殊信号発光機72の例として、特殊信号発光機72−1〜特殊信号発光機72―4を図示している。
【0108】
特殊信号発光機72−1は、列車の運転士に列車運行情報を伝達する赤色光を発光するLED45を備えた第1の発光部の上部に、赤外線(例として波長850nmや940nm)または乗務員が誤認する恐れがない可視光を発光する発光素子112を備える第2の発光部を備えている。殊信号発光機72−2は、LED45を備えた第1の発光部の上部と下部に、発光素子112を備えた第2の発光部を備えている。殊信号発光機72−3は、LED45を備えた第1の発光部の下部に、発光素子112を備えた第2の発光部を備えている。殊信号発光機72−34においては、LED45−1〜LED45−mと、発光素子112−1〜発光素子112−nとが混在して配置されている。
【0109】
特殊信号発光機72−1〜特殊信号発光機72―4は、上述したように、1ペアのケーブル53を介して、順方向電流が流された場合に第1の発光部が発光するようになされている。また、特殊信号発光機72−1〜特殊信号発光機72―4は、上述したように、ケーブル53を介して、断線検知に用いる電圧とは異なる電圧値(例えば、断線検知に用いる電圧よりも高電圧)の電流、周波数の異なる信号、または、異なる信号波形(例えば、SIN波、ノコギリ波、方形波など)の逆方向電流が流された場合に第2の発光部が発光するようになされている。
【0110】
次に、図14および図15を参照して、第2の発光部を有する筐体を、従来の特殊信号発光機41に後付けする場合の特殊信号発光機72の例について説明する。
【0111】
図14および図15に示されるように、特殊信号発光機72は、従来の特殊信号発光機41に後付けの発光部追加筐体161を追加した構成となっている。図14に示されるように、発光部追加筐体161には、視認確認用信号判定部111と、発光素子112が備えられる。特殊信号発光機41には、正方向の電流を発光部追加筐体161に対して出力するための端子171、および、逆方向の電流を発光部追加筐体161に対して出力するための端子171が設けられ、端子171は、発光部追加筐体161の端子173と、端子172は、発光部追加筐体161の端子174と、それぞれ接続される。なお、端子171および端子172を新たに設けることなく、端子173を端子104と、端子174を端子103とそれぞれ接続するようにしてもよい。
【0112】
発光部追加筐体161の端子173から正方向の電流が供給されても、発光素子112には電流が流れない。また、発光部追加筐体161の端子174から断線検出用の逆方向電流が供給されても、視認確認用信号判定部111により電流が遮断されるため、発光素子112には電流が流れない。発光部追加筐体161の端子174から視認確認用信号判定部111により視認確認用信号であることが確認可能な信号が供給された場合のみ、逆方向電流は発光素子112に流れる。
【0113】
また、図15に示されるように、後付けの発光部追加筐体161は、従来の特殊信号発光機41の上部に取り付けたり、従来の特殊信号発光機41の下部に取り付けるようにすることができる。
【0114】
次に、図16図19を参照して、上述した特殊信号発光機72を制御する特殊信号発光機用制御器71を構成するために、図5および図6を用いて説明した特殊信号発光機用制御器31に対して行われる、装置の更新の例について説明する。図16においては、それぞれのリレーのコイルおよびコイルに接続されている電源部、各素子に必要に応じて接続されるCR(コンデンサおよびリアクタンス)回路、電流制限抵抗、並びに、グランドなど、回路の設計において自明である部分を適宜省略するとともに、回路配線のうち正方向電流が流れるラインと逆方向電流が流れるラインのペアを1本のラインを用いて図示するものとする。
【0115】
第1の装置更新例について、図16を用いて説明する。
【0116】
図5および図6を用いて説明した特殊信号発光機用制御器31には、リレー81および赤色発光制御部82がすでに備えられている。したがって、リレー83、視認確認用発光制御部84、切り替えリレー85、切り替えリレー86、リレー87、ダイオード88、リレー89と、それらを接続する配線を1つの追加用回路筐体に収め、追加することにより、特殊信号発光機用制御器31を特殊信号発光機用制御器71に更新することができる。
【0117】
特殊信号発光機用制御器31に備えられている赤色発光制御部82の出力が1系統のみである場合、図16の追加用回路筐体201が新たに備えられ、特殊信号発光機用制御器31に備えられている赤色発光制御部82の出力が2系統に分けられている場合、視認確認用発光制御部84の出力が2系統に分けられるとともに、切り替えリレー85および切り替えリレー86が2ペア備えられた追加用回路筐体202が新たに備えられる。
【0118】
追加用回路筐体201または追加用回路筐体202が新たに備えられる場合、特殊信号発光機用制御器31に備えられている赤色発光制御部82と端子101および端子102との接続配線途中に、追加用回路筐体201または追加用回路筐体202の入出力を接続し、視認確認用発光指令およびリレー81の出力が、追加用回路筐体201または追加用回路筐体202に入力されるような配線処理を行う必要がある。
【0119】
図16に示されるように、リレー83、視認確認用発光制御部84、切り替えリレー85、切り替えリレー86、リレー87、ダイオード88、および、リレー89と、それらを接続する配線を1つの追加用回路筐体に収めることにより、すでに利用されている特殊信号発光機用制御器31、すなわち、リレー81および赤色発光制御部82をそのまま利用するとともに、追加用回路筐体201または追加用回路筐体202の追加に伴う新たな配線数を比較的少なくすることができるので、装置の更新作業が容易となる。
【0120】
次に、第2の装置更新例について、図17を用いて説明する。
【0121】
鉄道運行上安全性を担保するために、リレーは、特に重要な素子であるため、特殊信号発光機用制御器71の使用者は、切り替えリレー85および切り替えリレー86には、追加用回路筐体の供給者が選択したものではなく、自分自身で選択したものを利用したいと考える場合が多い。
【0122】
そこで、リレー83、視認確認用発光制御部84、リレー87、ダイオード88、および、リレー89と、それらを接続する配線を1つの追加用回路筐体に収め、特殊信号発光機用制御器71の使用者が選択した切り替えリレー85および切り替えリレー86とともに追加することにより、特殊信号発光機用制御器31を特殊信号発光機用制御器71に更新するものとしてもよい。
【0123】
特殊信号発光機用制御器31に備えられている赤色発光制御部82の出力が1系統のみである場合、図17の追加用回路筐体211が新たに備えられ、特殊信号発光機用制御器31に備えられている赤色発光制御部82の出力が2系統に分けられている場合、視認確認用発光制御部84の出力が2系統に分けられた追加用回路筐体212が新たに備えられる。
【0124】
追加用回路筐体211または追加用回路筐体212が新たに備えられる場合、特殊信号発光機用制御器31に備えられている赤色発光制御部82と端子101および端子102との接続配線途中に、追加用回路筐体201または追加用回路筐体202、および、切り替えリレー85並びに切り替えリレー86を接続するとともに、視認確認用発光指令およびリレー81の出力が、追加用回路筐体211または追加用回路筐体212入力されるように配線処理を行う必要がある。
【0125】
図17に示される追加用回路筐体211または追加用回路筐体212を用いた場合、図16の追加用回路筐体201または追加用回路筐体202を用いた場合と比較して、切り替えリレー85および切り替えリレー86をさらに追加する必要がある分、配線数が多くなり、装置の更新作業が複雑になるが、すでに利用されている特殊信号発光機用制御器31、すなわち、リレー81および赤色発光制御部82をそのまま利用することができるとともに、特殊信号発光機用制御器71の使用者は、自分自身で選択した切り替えリレー85および切り替えリレー86を利用することが可能となる。
【0126】
次に、第3の装置更新例について、図18を用いて説明する。
【0127】
追加用回路筐体に、さらに、リレー81および赤色発光制御部82を含めることにより、特殊信号発光機用制御器31を特殊信号発光機用制御器71に更新するための配線作業を非常に簡単なものにすることができる。すなわち、リレー81、赤色発光制御部82、リレー83、視認確認用発光制御部84、切り替えリレー85、切り替えリレー86、リレー87、ダイオード88、および、リレー89と、それらを接続する配線を1つの追加用回路筐体に収め、図5および図6を用いて説明した特殊信号発光機用制御器31に代わって設置することにより、容易に特殊信号発光機用制御器31を特殊信号発光機用制御器71に更新することができる。
【0128】
特殊信号発光機用制御器31に備えられている赤色発光制御部82の出力が1系統のみである場合、図18の追加用回路筐体221が新たに備えられ、特殊信号発光機用制御器31に備えられている赤色発光制御部82の出力が2系統に分けられている場合、視認確認用発光制御部84の出力が2系統に分けられるとともに、切り替えリレー85および切り替えリレー86が2ペア備えられた追加用回路筐体222が新たに備えられる。
【0129】
このとき行われる配線処理は、取り外した特殊信号発光機用制御器31の入力を追加用回路筐体221または追加用回路筐体222の入力に接続し、特殊信号発光機用制御器31の出力が接続されていた回路を追加用回路筐体221または追加用回路筐体222の出力に接続するとともに、視認確認用発光指令を追加用回路筐体221または追加用回路筐体222に入力するための配線を追加するのみである。
【0130】
図18に示されるように、リレー81、赤色発光制御部82、リレー83、視認確認用発光制御部84、切り替えリレー85、切り替えリレー86、リレー87、ダイオード88、リレー89と、それらを接続する配線を1つの追加用回路筐体に収めることにより、追加用回路筐体221または追加用回路筐体222の追加に伴う新たな配線数を最小にすることができ、装置の更新作業が容易となるとともに、内部回路の配線も1つの筐体内で行うことができるため、装置の更新によるスペースの増加を最小限にすることが可能となる。
【0131】
次に、第4の装置更新例について、図19を用いて説明する。
【0132】
上述したように、鉄道運行上安全性を担保するために、リレーは、特に重要な素子であるため、特殊信号発光機用制御器71の使用者は、切り替えリレー85および切り替えリレー86には、追加用回路筐体の供給者が選択したものではなく、自分自身で選択したものを利用したいと考える場合が多い。
【0133】
そこで、リレー81、赤色発光制御部82、リレー83、視認確認用発光制御部84、リレー87、ダイオード88、リレー89と、それらを接続する配線を1つの追加用回路筐体に収め、特殊信号発光機用制御器71の使用者が選択した切り替えリレー85および切り替えリレー86とともに追加することにより、特殊信号発光機用制御器31を特殊信号発光機用制御器71に更新するものとしてもよい。
【0134】
特殊信号発光機用制御器31に備えられている赤色発光制御部82の出力が1系統のみである場合、図19の追加用回路筐体231が新たに備えられ、特殊信号発光機用制御器31に備えられている赤色発光制御部82の出力が2系統に分けられている場合、視認確認用発光制御部84の出力が2系統に分けられた追加用回路筐体232が新たに備えられる。
【0135】
このとき、取り外した特殊信号発光機用制御器31の入力を追加用回路筐体231または追加用回路筐体232の入力に接続し、切り替えリレー85および切り替えリレー86を追加して、特殊信号発光機用制御器31の出力が接続されていた回路と追加用回路筐体231または追加用回路筐体232の出力との間に接続し、視認確認用発光指令を追加用回路筐体231または追加用回路筐体232に入力するための配線を追加する配線処理を行う必要がある。
【0136】
図19に示されるように、リレー81、赤色発光制御部82、リレー83、視認確認用発光制御部84、リレー87、ダイオード88、リレー89と、それらを接続する配線を1つの追加用回路筐体に収め、切り替えリレー85、切り替えリレー86を新たに追加することにより、追加用回路筐体231または追加用回路筐体232の追加に伴う新たな配線数を削減しつつ、特殊信号発光機用制御器71の使用者は、自分自身で選択した切り替えリレー85および切り替えリレー86を利用することが可能となる。
【0137】
なお、図16図19を用いて説明した特殊信号発光機用制御器71と特殊信号発光機72との組み合わせが、図9図12を用いて説明したように、視認確認用信号判定部111が、供給された逆方向電流が、断線検出用の逆方向電流であるか、所定のビットパターンで発光素子112を発光させるための信号であるかを判定することができる組み合わせであれば、特殊信号発光機72が、図13を用いて説明した形状であっても、図15を用いて説明した形状であっても、それらが混在しているものであってもよい。
【0138】
また、特殊信号発光機41の一部または全部が特殊信号発光機72に更新され、特殊信号発光機用制御器71が更新されなかった場合、特殊信号発光機72の発光素子112の発光制御が行えないが、踏切等で異常が発生したなどの情報を運転士などに伝えるLED45による赤色の点灯発光は、問題なく実行可能である。
【0139】
そして、特殊信号発光機41が更新されず、特殊信号発光機用制御器31の一部または全部が特殊信号発光機用制御器71に更新された場合であっても、特殊信号発光機用制御器71は、特殊信号発光機用制御器31が有する機能を含んでいるため、踏切等で異常が発生したなどの情報を運転士などに伝えるLED45による赤色の点灯発光は、問題なく実行可能である。
【0140】
更に、特殊信号発光機41の一部が特殊信号発光機72に更新され、特殊信号発光機用制御器31の一部が特殊信号発光機用制御器71に更新された場合であっても、特殊信号発光機用制御器71は、特殊信号発光機用制御器31が有する機能を含み、特殊信号発光機72は、特殊信号発光機41が有する機能を含んでいるため、踏切等で異常が発生したなどの情報を運転士などに伝えるLED45による赤色の点灯発光は、問題なく実行可能である。
【0141】
すなわち、上述した特殊信号発光機用制御器71と特殊信号発光機72の更新作業は、特殊信号発光機制御システムの全体ではなく、その一部のみで行われても、図5および図6を用いて説明した特殊信号発光機用制御器31および特殊信号発光機41が有していた機能は保持される。
【0142】
これにより、特殊信号発光機制御システムの更新作業が、通常の列車運行に影響を与えることがない。
【0143】
特殊信号発光機41および特殊信号発光機用制御器31のうちの少なくとも一部が特殊信号発光機72および特殊信号発光機用制御器71に更新された場合、検測車または営業列車などに、上述した特許文献(特許第4925987号公報または特開2010−173597号公報)に記載の確認装置1を搭載し、運転士の視野と同等の視野となるように画像を撮像して、発光素子112による発光パターンを解析させることにより、複数の特殊信号発光機72が連続して多数存在するような場合においても、誤ることなく、自動的に、それぞれの特殊信号発光機72の視認可否を点検し確認することが可能となる。
【0144】
なお、図1および図2を用いて説明した特許文献1に記載の鉄道信号機の視認可否を確認する装置と同等の機能を追加する対象は、図5および図6を用いて説明した特殊信号発光機用制御器31と特殊信号発光機41以外であってもよく、あらゆる形態の鉄道用信号機や特殊信号発光機などの鉄道用発光機、または、鉄道用発光機や特殊信号発光機などの鉄道用発光機と、それらを制御する制御器に対して、同様の方法を用いて、図1および図2を用いて説明した特許文献1に記載の鉄道信号機の視認可否を確認する装置と同等の機能を追加することが可能であることは言うまでもない。
【0145】
次に、図14のフローチャートを参照して、確認装置1の信号検査処理について説明する。
【0146】
このとき、特殊信号発光機用制御器71は、視認確認用信号判定部111が、供給された逆方向電流が、断線検出用の逆方向電流であるか、所定のビットパターンで発光素子112を発光させるための信号であるかを判定することができる逆方向電流を生成し、出力して、特殊信号発光機72の発光素子112に、それぞれ、いずれの踏切の、何番目の発光機であるかを区別可能な信号検査用パターンを、赤外線などの不可視光または乗務員が誤認する恐れがない可視光を用いて発光させる。
【0147】
また、確認装置1においては、予め、入力部15から、検査区間中、いずれの踏切の、何番目の発光機であるかを区別可能な信号検査用パターンと、それらが確認されるべき順番や区間を示す情報が入力され、データ記憶部18に記憶されている。
【0148】
ステップS11において、制御部14は、データ記憶部18に記憶されている信号検査用パターンを読み込む。
【0149】
ステップS12において、制御部14は、ステップS11において読み込まれた信号検査用パターンから、次に取得するべき信号のパターンを抽出する。
【0150】
ステップS13において、A/D変換部12は、ビデオカメラ211により所定のサンプリングデータで撮像された画像を取得し、アナログの撮像データをデジタル画像データに変換し、画像データ蓄積部13に供給する。そして、画像データ蓄積部13は、A/D変換部12から供給されたデジタル画像データを蓄積する。
【0151】
ステップS14において、制御部14は、例えば、上述した特許文献(特許第4925987号公報または特開2010−173597号公報)に記載の処理などにより、画像データ蓄積部13に蓄積されているデジタル画像データを解析し、ステップS12において抽出された、次に取得するべき信号のパターンが正しく撮像されているか否かの判別処理を実行する。
【0152】
ステップS15において、制御部14は、ステップS14の判別処理の結果、所定の区間内で、対応する信号パターンに合致する点滅を検出できたか否かを判断する。
【0153】
ステップS15において、対応する信号パターンに合致する点滅を検出できたと判断された場合、ステップS16において、制御部14は、データ記憶部18に、いずれの踏切に対応する何番目の信号が視認できたかを示す検出済みログを記録する。
【0154】
ステップS15において、対応する信号パターンに合致する点滅を検出できなかったと判断された場合、ステップS17において、制御部14は、表示部19を制御して、いずれの踏切に対応する何番目の信号が視認できなかったかを示すエラー通知を行うとともに、データ記憶部18に、いずれの踏切に対応する何番目の信号が視認できなかったかを示すエラー検出ログを残す。
【0155】
ステップS18において、制御部14は、信号用検査パターンを用いた視認可否確認が全て終わったか否かを判断する。
【0156】
ステップS18において、視認可否確認が全て終わっていないと判断された場合、処理は、ステップS12に戻り、それ以降の処理が繰り返される。ステップS18において、視認可否確認が全て終わったと判断された場合、処理が終了される。
【0157】
このような処理により、複数の信号機や特殊信号発光機などの鉄道用発光機が連続して多数存在するような場合においても、誤ることなく、自動的に、信号機や特殊信号発光機などの鉄道用発光機の視認可否を点検し確認することが可能となる。
【0158】
図20を用いて説明した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0159】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0160】
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0161】
1…確認装置、 11…ビデオカメラ、 12…A/D変換部、 13…画像データ蓄積部、 14…制御部、 15…入力部、 16…設定部、 17…プログラム記憶部、 18…データ記憶部、 19…表示部、 31…特殊信号発光機用制御器、 41…特殊信号発光機、 45…LED、 51…器具箱、 52…ケーブル、 61…ダイオード、 71…特殊信号発光機用制御器、72…特殊信号発光機、 81…リレー、 82…赤色発光制御部、 83…リレー、 84…視認確認用発光制御部、 85,86…切り替えリレー、87…リレー、 88…ダイオード、 89…リレー、111…視認確認用信号判定部、112…発光素子、 121…ダイオード、 122…ツェナーダイオード、 131…発振回路、 141…フィルタ、 151…ビットパターン生成部、 201,202,211,212,221,222,231,232…追加用回路筐体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図20