(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
鉄道用発光機と前記鉄道用発光機を制御する鉄道用発光機制御装置により構成され、前記鉄道用発光機と前記鉄道用発光機制御装置とが1ペアのケーブルで接続される鉄道用発光機制御システムにおいて、
前記鉄道用発光機は、
第1の方向の電流に基づいて発光する第1の発光部と、
第1の方向とは異なる第2の方向の電流を通過させる電流通過手段と、
所定の条件に合致した前記第2の方向の電流を選択的に通過させる選択手段と、
前記選択手段により選択的に通過された前記第2の方向の電流により前記第1の発光手段による発光とは区別可能な光で発光する第2の発光部と
を備え、
前記鉄道用発光機制御装置は、
前記第1の発光部の点灯を制御する第1の信号を、前記第1の方向の電流により出力するとともに、前記第1の信号を出力しない場合には、前記第2の方向の電流が、前記ケーブルおよび前記鉄道用発光機に流れるか否かに基づいて断線検出処理を行う第1の発光制御手段と、
前記第2の方向の電流であって、前記断線検出処理を行うための電流とは区別可能な、前記第2の発光部の点灯を制御する第2の信号を生成して出力する第2の発光制御手段と、
前記ケーブルを介して前記鉄道用発光機に供給される信号を、前記第1の発光制御手段から出力される前記第1の信号と、前記第2の発光制御手段から出力される前記第2の信号とで切り替える切り替え手段と、
前記第1の発光制御手段により出力される前記第1の信号とは逆方向の電流が出力されないようにバイパスするバイパス回路と
を備え、
前記バイパス回路が接続状態になった後に、前記切り替え手段により、前記ケーブルを介して前記鉄道用発光機に供給される信号が、前記第1の信号から前記第2の信号に切り替えられるとともに、前記切り替え手段により、前記ケーブルを介して前記鉄道用発光機に供給される信号が、前記第2の信号から前記第1の信号に切り替えられた後に、前記バイパス回路が切断状態となる
ことを特徴とする鉄道用発光機制御システム。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施の形態の鉄道用発光機制御システムについて、
図3〜
図18を参照しながら説明する。鉄道用発光機とは、例えば、特殊信号発光機、鉄道用信号機、合図器、または標識などの、鉄道信号や停止現示などのための発光を行う各種発光機を示す。
【0025】
ここでは、踏切等で異常が発生したなどの情報を運転士などに伝える特殊信号発光機の視認性を確認することが可能な特殊信号発光機制御システムを例として説明する。踏切等で異常が発生したなどの情報を運転士などに伝える特殊信号発光機は、異常等が発生していない場合は点灯しておらず、異常が発生したなどの情報を運転士などに伝える場合にのみ、運転士に確認可能な光(例えば、赤色の発光)にて点灯または点滅を行う。
【0026】
特殊信号発光機は、それぞれの踏切から、視認距離と称される所定の第1の距離(例えば、800m)以内においては、どの距離からでも特殊信号発光機の発光の状態が確認可能な位置に設置されなければならない。また、それぞれの特殊信号発光機において中継を設けている場合は、複数の踏切に対する中継の特殊信号発光機を共用して用いても良いが、中継ではない特殊信号発光機については、共用が禁止され、それぞれの踏切ごとに異なる特殊信号発光機を用いなければならない。
【0027】
したがって、複数の踏切が近接されている場合、それぞれの踏切の状態を示すための特殊信号発光機も近接されて建植される。特に、複数の踏切が近接され、さらに、急カーブがあるような場合、所定の第1の距離(例えば、800m)以内においては、どの距離からでも特殊信号発光機の発光の状態が確認可能なようにするためには、複数の踏切それぞれの状態を示すために、多くの特殊信号発光機を近接して建植する必要がある。
【0028】
特殊信号発光機は、
図3にその外観が示される特殊信号発光機用制御器31(
図3においては、外観形状の異なる特殊信号発光機用制御器31−1と特殊信号発光機用制御器31−2とが図示されている)と、
図4にその外観が示される特殊信号発光機41により構成される。ここでは、特殊信号発光機41は点滅型であり、その前面に配されたLED45を赤色に発光させて点滅することにより、踏切等で異常が発生したなどの情報を運転士などに伝える。特殊信号発光機用制御器31は、
図5に示されるように、踏切付近に設置される器具箱51の中に設置され、特殊信号発光機41は、器具箱51から数m〜数100m離れた所定の地点に設置される。
【0029】
従来の、踏切等で異常が発生したなどの情報を運転士などに伝えるための特殊信号発光機用制御器31と特殊信号発光機41は、1ペアのケーブル52で接続されている。その回路構成図を
図6に示す。踏切等で異常などが発生し、特殊信号発光機のLED45を赤色に発光させる際には、
図6の実線で示したように電流が流れる。また、定常時には、ダイオード61を介して、点線で示したように逆向きの回路に電流が流れ、ケーブル52の断線をチェックしている。
【0030】
特殊信号発光機のLED45が赤色に発光していることを運転手が確実に視認することが可能なことを確認するためには、
図5および
図6を用いて説明した特殊信号発光機用制御器31と特殊信号発光機41に、
図1および
図2を用いて説明した特許文献1または特許文献2に記載の、鉄道信号機の視認可否を確認する装置と同等の機能を追加する必要がある。この時、ケーブルの新規敷設や再敷設を行うと、大幅に時間とコストがかかってしまう。
【0031】
次に、
図7を参照して、
図5および
図6を用いて説明した特殊信号発光機用制御器31と特殊信号発光機41に、
図1および
図2を用いて説明した特許文献1に記載の鉄道信号機の視認可否を確認する装置の機能を追加するにあたって、ケーブル52をそのまま利用することが可能な特殊信号発光機制御システムについて説明する。
【0032】
この特殊信号発光機制御システムにおいては、踏切近辺に設置される器具箱51内に、特殊信号発光機用制御器71備えられ、器具箱51から数m〜数百m離れた所定の位置に特殊信号発光機72が、少なくとも1つ、また、多くの場合は複数建植される。特殊信号発光機用制御器71は、1ペアのケーブル52を介して、1つ、または、複数接続された特殊信号発光機72に、
図6を用いて説明したように、LED45を赤色に発光させるための信号を送出するとともに、断線検出を常時行っている。さらに、特殊信号発光機用制御器71は、1ペアのケーブル52を介して、1つ、または、複数接続された特殊信号発光機72に、視認可否を確認するための、例えば、赤外線などの不可視光または乗務員が誤認する恐れがない可視光を発生させるための信号を送出する。また、特殊信号発光機72は、
図5および
図6を用いて説明した、LED45を赤色に点滅発光させる機能に加えて、さらに、
図1および
図2を用いて説明した赤外線発光器2の機能も有している。
【0033】
特殊信号発光機72の視認可否を点検し確認する場合、特殊信号発光機用制御器71は、接続されている1つまたは複数の特殊信号発光機72を、赤外線などの不可視光または乗務員が誤認する恐れがない可視光を用いて、それぞれ区別可能なパターン(例えば、どの踏切に対応する何番目の特殊信号発光機72であるかを区別可能なパターン)で点滅させる。例えば、検測車または営業列車などに、上述した特許文献1または特許文献2に記載の確認装置1を搭載し、運転士の視野と同等の視野となるように画像を撮像して解析させることにより、複数の特殊信号発光機72が連続して多数存在するような場合においても、誤ることなく、自動的に、特殊信号発光機72の視認可否を点検し確認することが可能となる。
【0034】
なお、
図2を用いて説明した確認装置1においては、例えば、視認可否の判定結果などを運転士または保全関係社員などに知らせるために、表示部12を備えるものとして説明したが、確認装置1には、例えば、表示部19に代わって、または、表示部19に加えて、音声出力部などを備え、音声を用いて、例えば、視認可否の判定結果などを運転士または保全関係社員などに知らせる事ができるようにしても良い。
【0035】
次に、
図8〜
図14を参照して、
図7を用いて説明した特殊信号発光機用制御器71および特殊信号発光機72が有する機能および動作について説明する。なお、
図8〜
図14においては、それぞれのリレーのコイルおよびコイルに接続されている電源部、各素子に必要に応じて接続されるCR(コンデンサおよび抵抗)回路、電流制限抵抗、並びに、グランドなど、回路の設計において自明である部分については、適宜、省略している。
ここで、請求項に記載の第1の信号は、LED45を赤色に発光させる信号、第2の信号は、視認可否を確認するための視認確認用信号、第1の発光部はLED45、第2の発光部は、発光素子112、第1の発光制御手段は、赤色発光制御部82、第2の発光制御手段は、視認確認用発光制御部84に対応する。また、切り替え手段は、リレー96に対応する。電流通過手段は、ダイオード61、選択手段は、視認確認用信号判定部111に対応する。
【0036】
図8の特殊信号発光機用制御器71と
図9の特殊信号発光機72は、
図6を用いて説明した、特殊信号発光機の視認可否を点検のための機能を有さない特殊信号発光機用制御器31と特殊信号発光機41とを接続していた1ペアのケーブル52を用いて接続される。
【0037】
特殊信号発光機用制御器71は、リレー回路部81、赤色発光制御部82、および、視認確認用発光制御部83を含んで構成されている。
【0038】
リレー回路部81に赤色発光指令が入力された場合、リレー91−aがON状態となり、これに伴って、リレー接点91−b−1および91−b−2が接続状態となる。
【0039】
リレー接点91−b−1が接続状態となった時、リレー92−aがOFF状態となる。その時、リレー接点92−bが開放状態となる。したがって、リレー回路部81に目視確認用発光指令が入力されていても、赤色発光指令が入力されている間は、リレー93−aはON状態とはならない。
【0040】
また、リレー接点91−b−2が接続状態であるか開放状態であるかによって、赤色発光制御部82は、異なる動作を行う。すなわち、赤色発光制御部82は、リレー接点91−b−2が接続状態において入力を受け、特殊信号発光機72のLED45を発光させるための信号を生成し、送出するとともに、リレー接点91−b−2が開放状態においては、LED45を発光させるための信号とは逆方向の電流を常時出力し、その電流が流れるか否かに基づいて、断線検出を行う機能を有している。
【0041】
リレー接点91−b−2および赤色発光制御部82は、
図5および
図6を用いて説明した特殊信号発光機用制御器31と基本的に同等の機能を有するものである。
【0042】
以下、特殊信号発光機72のLED45を発光させるための信号の送出方向を正方向、断線検出のための電流の方向を逆方向と称するものとする。
【0043】
リレー接点92−bが接続状態となっている、すなわち、赤色発光指令が入力されていない状態で、リレー回路部81に目視確認用発光指令が入力された場合、リレー93−aがON状態となり、これに伴って、リレー接点93−b−1および93−b−2が接続状態となる。
【0044】
リレー接点93−b−1が接続状態となった場合、リレー94−aがON状態となる。リレー94−aに対して平行にCR回路95が接続されており、リレー接点93−b−1が切断状態となってから、リレー94−aがOFF状態となるまでには、一定の遅延時間が発生する。遅延時間の長さは、CR回路95のコンデンサ容量および抵抗値によって決まる。
【0045】
リレー94−aがON状態となった場合、リレー接点94−b−1、94−b−2、および、94−b−3が接続状態となる。リレー接点93−b−2、および、リレー接点94−b−1が接続状態である場合、リレー96−aがON状態となる。リレー96−aがON状態であるとき、リレー接点96−b−1および96−b−2は、視認確認用発光制御部83の出力を接点101および102から特殊信号発光機72に出力し、リレー96−aがOFF状態であるとき、リレー接点96−b−1および96−b−2は、赤色発光制御部82の出力を接点101および102から特殊信号発光機72に出力するように、その接点が制御される。
【0046】
リレー接点94−b−2が接続状態である場合、目視確認用発光制御部83が動作を実行する。
【0047】
視認確認用発光制御部83は、電源回路97、および、視認確認用信号生成部98を含み、必要に応じて、パターン信号生成部99を含んで構成されている。
【0048】
電源回路97に視認確認用発光指令が供給されたことを示す信号が供給された場合、視認確認用信号生成部98は、断線確認用の逆方向電流に対して、電圧が異なる、周波数が異なる、または、信号波形が異なるなどの、後述する特殊信号発光機72の視認確認用信号判定部111が判定可能な信号を生成し、パターン信号生成部99に供給する。視認確認用信号生成部98が生成する信号と、特殊信号発光機72における視認確認用信号の判定の詳細については、
図11〜
図13を用いて後述する。
【0049】
パターン信号生成部99は、特殊信号発光機72をそれぞれ区別可能なパターン(例えば、どの踏切に対応する何番目の特殊信号発光機であるかを区別可能なパターン)で点滅させるためのパターン信号を生成して出力する。また、パターン信号生成部99は、必要な様々なパターン信号を生成して出力することが可能であり、例えば、上述した特許文献2に記載のように、隣接する複数の鉄道用信号機や特殊信号発光機、合図器、または標識やその他のノイズ成分の中から、目的の鉄道用信号機や特殊信号発光機、合図器、または標識の視認可否の確認を行えるようにするための所定のビットパターンを生成して出力するものであってもよいことは言うまでもない。
【0050】
リレー接点94−b−3が接続状態である場合、赤色発光制御部82から出力される断線検出用の逆方向電流がダイオード84に流れる。すなわち、断線検出用の逆方向電流は、バイパス回路に流れ、回路の後段には流れない。また、上述したように、リレー94−aには、CR回路95が並列に接続されているので、リレー93−aがOFFになり、リレー接点93−b−2が開放状態となってリレー96−aがOFF状態となるタイミングに対して、リレー94−aの接点であるリレー接点94−b−3の開放のタイミングが遅延される。すなわち、リレー96−aがOFF状態となり、リレー接点96−b−1および96−b−2が、赤色発光制御部82の出力を接点101および102から特殊信号発光機72に出力するように、その接点が切り換えられたのち、リレー接点94−b−3が開放状態となる。
【0051】
赤色発光指令が入力されていない状態で、目視確認用発光指令の入力が開始された場合、および、目視確認用発光指令の入力が終了された場合のリレー93−aおよびリレー94−aのON/OFFの動作、バイパス回路のリレー接点94−b−3の接続/開放、並びに、リレー接点96−b−1および96−b−2の切り替えのタイミングについては、
図10を用いて後述する。
【0052】
次に、
図9を参照して、特殊信号発光機72について説明する。
【0053】
特殊信号発光機72は、
図6を用いて説明したLED45およびダイオード61に加えて、視認確認用信号判定部111および発光素子112を備えている。LED45は、列車の運転士に列車運行情報を伝達する赤色光を発光するものであり、発光素子112は、赤外線(例として波長850nmや940nm)または乗務員が誤認する恐れがない可視光を発光するものである。
【0054】
LED45は、特殊信号発光機用制御器71から、ケーブル52を介して、正方向電流の供給を受けて、赤色に点滅発光する。
【0055】
また、断線がない場合、特殊信号発光機用制御器71から、ケーブル52を介して、逆方向電流の供給を受けたとき、ダイオード61に電流が流れる。
【0056】
視認確認用信号判定部111は、特殊信号発光機用制御器71から、ケーブル52を介して、逆方向電流の供給を受けたとき、その電流が発光素子112を発光させるための信号であるか否かを判定する機能を有し、断線確認用の逆方向電流に対して、電圧が異なる、周波数が異なる、または、信号波形が異なるなどの所定の信号である場合に、発光素子112に電流を供給して、発光させる。視認確認用信号生成部98が生成する信号と、特殊信号発光機72における視認確認用信号の判定の詳細については、
図11〜
図13を用いて後述する。
【0057】
以下、列車の運転士に列車運行情報を伝達する赤色光を発光するLED41を備えた発光部を第1の発光部と称し、赤外線(例として波長850nmや940nm)または乗務員が誤認する恐れがない可視光を発光する発光素子112を備えた発光部を第2の発光部と称するものとする。
【0058】
次に、特殊信号発光機用制御器71と特殊信号発光機72の動作について説明する。
【0059】
特殊信号発光機用制御器71は、赤色発光指令や視認確認用発光指令を受けていない場合、リレー91−aおよびリレー93−aはOFF状態であり、リレー接点91−b−2およびリレー接点94−b−2はそれぞれ接続されない。このとき、赤色発光制御部82により逆方向電流が出力される。リレー接点96−b−1およびリレー接点96−b−2は、赤色発光制御部82と端子101および端子102を接続しているため、逆方向電流は、ケーブル52を介して、特殊信号発光機72に供給される。
【0060】
断線等がない場合、特殊信号発光機72の端子103に供給された逆方向電流は、ダイオード61を通過して、端子104から、ケーブル52を介して、特殊信号発光機用制御器71に供給される。また、視認確認用信号判定部111により、供給された逆方向電流が、その電流が発光素子112を発光させるための信号ではないことが判定されるので、発光素子112には、電流が流れない。そして、逆方向電流は、LED45を通過することができない。リレー接点96−b−1およびリレー接点96−b−2は、赤色発光制御部82と端子101および端子102を接続しているため、ダイオード61を通過して、端子104から、ケーブル52を介して、特殊信号発光機用制御器71に供給された逆方向電流は、赤色発光制御部82に入力され、断線が発生していないことが検出される。
【0061】
例えば、踏切内に異常が発生したことをセンサが検出したり、非常停止ボタンが押下された場合など、特殊信号発光機72のLED45を赤色に発光させるための赤色発光指令が特殊信号発光機用制御器71に供給された場合、リレー91−aがONとなり、リレー接点91−b−2が接続される。赤色発光制御部82は、特殊信号発光機72のLED45を赤色に発光させるための正方向電流の信号を出力する。このとき、リレー接点96−b−1およびリレー接点96−b−2は、赤色発光制御部82と端子101および端子102を接続しているため、正方向電流は、ケーブル52を介して、特殊信号発光機72に供給される。
【0062】
特殊信号発光機72の端子104に供給された正方向電流は、LED45を赤色に発光させて、端子103から、ケーブル52を介して、特殊信号発光機用制御器71に供給される。特殊信号発光機72の端子104に供給された正方向電流は、ダイオード61および発光素子112を通過することはできない。
【0063】
そして、特殊信号発光機用制御器71に視認確認用発光指令が供給された場合、リレー92−bがONとなる。このとき、踏切内に異常が発生したことをセンサが検出したり、非常停止ボタンが押下された場合など、特殊信号発光機72のLED45を赤色に発光させるための赤色発光指令が特殊信号発光機用制御器71に供給されていなければ、リレー接点94−b−2は接続状態となるので、視認確認用発光制御部83は、断線確認用の逆方向電流に対して、電圧が異なる、周波数が異なる、または、信号波形が異なるなどの視認確認用信号判定部111が判定可能な、所定のパターン信号を生成し、逆方向電流として出力する。
【0064】
リレー92−aを設けることにより、視認確認用発光指令が供給されている場合においても、赤色発光指令によるLED45の発光が優先されるので、列車の運行中に視認確認処理を行っても、列車の運行に支障をきたさない。なお、列車の運行中に視認確認処理を行わない場合、リレー92−aは省略可能である。
【0065】
リレー接点94−b−2が接続状態となっているとき、リレー接点96−b−1およびリレー接点96−b−2は、視認確認用発光制御部83と端子101および端子102を接続しているため、逆方向電流は、ケーブル52を介して、特殊信号発光機72に供給される。
【0066】
特殊信号発光機72に供給された逆方向電流は、視認確認用信号判定部111に供給される。視認確認用信号判定部111は、例えば、その電流の電圧値、信号周波数、または、信号波形に基づいて、発光素子112を発光させるための信号のみを発光素子112に供給し、所定のパターンで発光素子112を発光させる。
【0067】
次に、
図10を参照して、リレー93−a、リレー87、リレー接点94−b−3、並びに、リレー接点96−b−1および96−b−2のそれぞれの接続と開放のタイミングの詳細について説明する。
【0068】
赤色発光指令が入力されていない状態で目視確認用発光指令が外部から入力されると、リレー93−aがON状態となり、続いて、リレー94−aがON状態となる。リレー94−aがON状態となることにより、バイパス回路のリレー接点94−b−3が接続され、赤色発光制御部82からの逆方向電流の出力は、リレー接点96−b−2に供給されず、バイパスされる。そして、その後、リレー接点96−b−1およびリレー接点96−b−2が切り換えられ、目視確認用発光制御部83からの出力信号が、外部に出力される。
【0069】
目視確認用発光指令が終了されると、リレー93−aがOFF状態となり、リレー接点93−b−2が開放状態となった場合、リレー96−aがOFFとなり、赤色発光制御部82からの出力信号が、外部に出力されるように、リレー接点96−b−1およびリレー接点96−b−2が切り換えられるが、リレー接点93−b−2が開放状態となっても、CR回路95の放電中は、リレー94−aはOFFにならない。そして、CR回路95の放電の終了後、リレー94−aがOFFとなり、リレー接点94−b−3が開放されて、赤色発光制御部82からの出力信号が、外部に出力される。
【0070】
これにより、特殊信号発光機用制御器71からの出力の切り替え時に、誤って断線検出が行われてしまうことを防ぐことができる。
【0071】
次に、視認確認用信号生成部98が生成する信号と、特殊信号発光機72における視認確認用信号の判定の詳細について、
図11〜
図13を用いて説明する。特殊信号発光機用制御器71および特殊信号発光機72の動作について、
図8および
図9を用いて説明した場合と同様の部分については、その説明を適宜省略する。
【0072】
図11を参照して、特殊信号発光機72に供給される発光素子112を発光させるための逆方向電流を、断線検出用の逆方向電流に対して高電圧の電流とする場合について説明する。
【0073】
図11の視認確認用発光制御部83−1は、電圧を制御する機能を有する視認確認用信号生成部98−1により、発光素子112を発光させるための逆方向電流を、断線検出用の逆方向電流に対して高電圧であり、後述するツェナーダイオード122のツェナー電圧値よりも高電圧であるものとし、パターン信号生成部99によって、所定のパターン信号を生成して出力する。
【0074】
特殊信号発光機72−1の視認確認用信号判定部111−1は、例えば、逆方向電流のみを通過させるダイオード121と、所定の電圧値以上の電流が供給された場合にのみダイオード121と同方向の電流(すなわち、逆方向電流)を通過させるツェナーダイオード122により、供給された逆方向電流が、発光素子112を発光させるための信号であるか否かを判定する。視認確認用信号判定部111−1に供給された信号がツェナーダイオード122のツェナー電圧値以上の電圧値を有する逆方向電流であった場合、ダイオード121およびツェナーダイオード122を介して、発光素子112に所定のパターン信号が供給され、発光素子112が点滅発光する。
【0075】
また、視認確認用信号判定部111−1に供給された信号が、ツェナーダイオード122のツェナー電圧値以下の電圧値を有する逆方向電流であった場合、すなわち、逆方向電流が断線検出用の電流であった場合、その電流は、視認確認用信号判定部111−1のツェナーダイオード122を通過することができないので、発光素子112は発光しない。
【0076】
ここでは、特殊信号発光機72−1の視認確認用信号判定部111−1が、ツェナーダイオード122を用いて、所定の電圧値以上の逆方向電流を選択的に通過させるものとして説明したが、視認確認用信号判定部111−1は、所定の電圧値以上の逆方向電流を選択的に通過させることが可能であれば、ツェナーダイオード122に代わって、例えば、ハイパスフィルタやバンドパスフィルタ、または、それらの機能を有する回路などを用いるようにしてもよい。
【0077】
次に、
図12を参照して、特殊信号発光機72に供給される発光素子112を発光させるための逆方向電流を、断線検出用の逆方向電流とは異なる所定の周波数の信号(その信号波形は、例えば、SIN波、ノコギリ波、方形波等の、断線検出のための逆方向電流とは異なる信号波形であってもよい)とする場合について説明する。
【0078】
図12の視認確認用発光制御部83−2は、発振回路131を備える視認確認用信号生成部98−2により、発光素子112を発光させるための逆方向電流を、断線検出用の逆方向電流とは異なる所定の周波数の信号であるものとし、パターン信号生成部99によって、所定のパターン信号を生成して出力する。
【0079】
特殊信号発光機72−2の視認確認用信号判定部111−2は、例えば、所定の周波数のみを通過させるフィルタ141を備えることにより、供給された逆方向電流が、発光素子112を発光させるための信号であるか否かを判定する。視認確認用信号判定部111−2に供給された信号が所定の周波数の逆方向電流であった場合のみ、フィルタ141を通過して発光素子112に所定のパターン信号が供給され、発光素子112が点滅発光する。
【0080】
また、視認確認用信号判定部111−2に供給された信号が、所定の周波数の逆方向電流ではなかった場合、すなわち、逆方向電流が断線検出用の電流であった場合、その電流は、視認確認用信号判定部111−2のフィルタ141を通過することができないので、発光素子112は発光しない。
【0081】
また、特殊信号発光機72に供給される発光素子112を発光させるための逆方向電流
を、断線検出用の逆方向電流とは異なる所定の周波数の信号とした場合、複数の特殊信号発光機72に対応する視認確認用のパターン信号を、それぞれ異なる周波数の信号にすることにより、1つの視認確認用発光制御部83から、1ペアのケーブル52を介して、複数の特殊信号発光機72−2の発光素子112を、それぞれ固有のビットパターンで発光させることが可能となる。
図13を参照して、複数の特殊信号発光機72−2の発光素子112を、それぞれ固有のビットパターンで発光させる場合について説明する。
【0082】
図13においては、
図12に記載のリレーや端子等を省略して、発光素子112を発光させるための動作の説明に必要な部分、すなわち、視認確認用発光制御部83−2および特殊信号発光機72−2のみを図示している。省略した部分の構成は、
図12を用いて説明した場合と同様である。
【0083】
視認確認用発光制御部83−2の出力には、1ペアのケーブル52を介して、複数の特殊信号発光機72−2が、直列、または、並列に接続されている。
図13においては、3つの特殊信号発光機72−2−1、特殊信号発光機72−2−2、および、特殊信号発光機72−2−3が接続されている。
【0084】
視認確認用発光制御部83−2の視認確認用信号生成部98−2は、それぞれ異なる周波数を発振する複数の発振回路131を備えている。ここでは、視認確認用信号生成部98−2は、発振回路131−1、発振回路131−2、および、発振回路141−3の3つの発振回路131を備えているものとする。ここでは、発振回路131−1の発振周波数をAHz、発振回路131−2の発振周波数をBHz、そして、発振回路131−3の発振周波数をCHzであるものとする。
【0085】
パターン信号生成部99は、複数の特殊信号発光機72−2のそれぞれの発光素子112の発光パターン信号を生成する複数のビットパターン生成部151を備えている。ここでは、第1のビットパターン生成部151−1、第2のビットパターン生成部151−2、および、第3のビットパターン生成部151−3が、それぞれ異なる周波数の信号の供給を受け、特殊信号発光機72−2−1、特殊信号発光機72−2−2、および、特殊信号発光機72−2−3のそれぞれの発光素子112の発光パターン信号を生成し、逆方向電流として出力する。
【0086】
ケーブル52に送出される逆方向電流には、周波数AHzの特殊信号発光機72−2−1の発光素子112の発光パターン信号、周波数BHzの特殊信号発光機72−2−2の発光素子112の発光パターン信号、および、周波数CHzの特殊信号発光機72−2−3の発光素子112の発光パターン信号が混在する。
【0087】
特殊信号発光機72−2−1の視認確認用信号判定部111−2は、周波数AHzの信号のみを選択的に通過させるAHz通過フィルタ141−1を備えている。したがって、周波数AHzの特殊信号発光機72−2−1の発光素子112の発光パターン信号、周波数BHzの特殊信号発光機72−2−2の発光素子112の発光パターン信号、および、周波数CHzの特殊信号発光機72−2−3の発光素子112の発光パターン信号が混在している逆方向電流のうちの周波数AHzの信号のみが発光素子112に供給されるので、特殊信号発光機72−2−1の発光素子112は、特殊信号発光機72−2−1であることを伝達するための情報を含む所定のビットパターンで発光制御される。
【0088】
特殊信号発光機72−2−2の視認確認用信号判定部111−2は、周波数BHzの信号のみを選択的に通過させるBHz通過フィルタ141−2を備えている。したがって、周波数AHzの特殊信号発光機72−2−1の発光素子112の発光パターン信号、周波数BHzの特殊信号発光機72−2−2の発光素子112の発光パターン信号、および、周波数CHzの特殊信号発光機72−2−3の発光素子112の発光パターン信号が混在している逆方向電流のうちの周波数BHzの信号のみが発光素子112に供給されるので、特殊信号発光機72−2−2の発光素子112は、特殊信号発光機72−2−2であることを伝達するための情報を含む所定のビットパターンで発光制御される。
【0089】
特殊信号発光機72−2−3の視認確認用信号判定部111−2は、周波数CHzの信号のみを選択的に通過させるCHz通過フィルタ141−3を備えている。したがって、周波数AHzの特殊信号発光機72−2−1の発光素子112の発光パターン信号、周波数BHzの特殊信号発光機72−2−2の発光素子112の発光パターン信号、および、周波数CHzの特殊信号発光機72−2−3の発光素子112の発光パターン信号が混在している逆方向電流のうちの周波数CHzの信号のみが発光素子112に供給されるので、特殊信号発光機72−2−3の発光素子112は、特殊信号発光機72−2−3であることを伝達するための情報を含む所定のビットパターンで発光制御される。
【0090】
上述したように、特殊信号発光機41または特殊信号発光機72は、それぞれの踏切から、視認距離と称される所定の第1の距離(例えば、800m)以内においては、どの距離からでも特殊信号発光機41または特殊信号発光機72の発光の状態が確認可能な位置に設置されなければならない。例えば、急カーブがあるような場合、現状の特殊信号発光機用制御器31から、複数設置されている特殊信号発光機41の赤色発光を同時に制御している可能性がある。このような場合においても、
図13を用いて説明した構成をとることにより、複数設置されている特殊信号発光機41が接続されているケーブル52を新規敷設または再敷設することなく、現状の特殊信号発光機用制御器31を特殊信号発光機用制御器71−2に更新し、特殊信号発光機41を特殊信号発光機72−2に更新することが可能となる。
【0091】
また、上述した視認確認用発光制御部83のパターン信号生成部99は、
図14に示すように、視認確認用発光制御部83ではなく、特殊信号発光機72に備えるものとしてもよい。
【0092】
すなわち、
図14の特殊信号発光機用制御器71−3の視認確認用発光制御部83−3においては、特殊信号発光機用制御器71に視認確認用発光指令が供給され、赤色発光指令が供給されていない場合、すなわち、電源回路97に視認確認用発光指令が供給されたことを示す信号が供給された場合、視認確認用信号生成部98は、断線確認用の逆方向電流に対して、電圧、周波数、または、信号波形が異なるなどの、後述する特殊信号発光機72の視認確認用信号判定部111が判定可能な信号を生成し、逆方向電流として出力する。
【0093】
この時、リレー接点96−b−1およびリレー接点96−b−2は、視認確認用発光制御部83と端子101および端子102を接続しているため、逆方向電流は、ケーブル52を介して、特殊信号発光機72−3に供給される。
【0094】
特殊信号発光機72−3に供給された逆方向電流は、視認確認用信号判定部111に供給される。視認確認用信号判定部111は、例えば、その電流の電圧値、信号周波数、または、信号波形に基づいて、発光素子112を発光させるための信号のみをパターン信号生成部99に供給する。
【0095】
パターン信号生成部99は、特殊信号発光機72をそれぞれ区別可能なパターン(例えば、どの踏切に対応する何番目の特殊信号発光機であるかを区別可能なパターン)で点滅させるためのパターン信号を生成して、発光素子112に供給し、所定のパターンで発光素子112を発光させる。また、パターン信号生成部99は、必要な様々なパターン信号を生成して出力することが可能であり、例えば、上述した特許文献2に記載のように、隣接する複数の鉄道用信号機や特殊信号発光機、合図器、または標識やその他のノイズ成分の中から、目的の鉄道用信号機や特殊信号発光機、合図器、または標識の視認可否の確認を行えるようにするための所定のビットパターンを生成して出力するものであってもよいことは言うまでもない。
【0096】
図14を用いて説明した構成においては、特殊信号発光機72をそれぞれ区別可能なパターン(例えば、どの踏切に対応する何番目の特殊信号発光機であるかを区別可能なパターン)の信号を生成する機能を、特殊信号発光機72−3がそれぞれ有する。すなわち、視認確認用発光制御部83が生成する信号は、断線検出用の逆方向電流とは異なることが判定可能な電流であって、ビットパターンによる情報を含んでおらず、ケーブル52を介して供給される信号には、発光素子112を発光させることを指令する情報のみが含まれる。そして、特殊信号発光機72−3が、自分自身が有する機能によって、自分自身を示す情報を伝達するための発光を制御する。
【0097】
したがって、現状の特殊信号発光機用制御器31が、複数設置されている特殊信号発光機41の赤色発光を同時に制御しているような場合においても、複数設置されている特殊信号発光機41が接続されているケーブル52を新規敷設または再敷設することなく、現状の特殊信号発光機用制御器31を特殊信号発光機用制御器71−3に更新し、特殊信号発光機41を特殊信号発光機72−3に更新することが可能となる
【0098】
図8、
図11、
図12、および、
図14においては、特殊信号発光機72が、列車の運転士に列車運行情報を伝達する赤色光を発光するLED45を備えた第1の発光部と、赤外線(例として波長850nmや940nm)または乗務員が誤認する恐れがない可視光を発光する発光素子112を備える第2の発光部を同一筐体に備えているものとして説明したが、特殊信号発光機72は、第1の発光部および第2の発光部を同一筐体に備えてもよいし、第2の発光部を有する筐体を、従来の特殊信号発光機41に後付けするものとしてもよい。
【0099】
図15を参照して、第1の発光部および第2の発光部を同一筐体に備える特殊信号発光機72の、第1の発光部および第2の発光部の配置例について説明する。
図15においては、第1の発光部および第2の発光部を同一筐体に備える特殊信号発光機72の例として、特殊信号発光機72−1〜特殊信号発光機72―4を図示している。
【0100】
特殊信号発光機72−1は、列車の運転士に列車運行情報を伝達する赤色光を発光するLED45を備えた第1の発光部の上部に、赤外線(例として波長850nmや940nm)または乗務員が誤認する恐れがない可視光を発光する発光素子112を備える第2の発光部を備えている。
特殊信号発光機72−2は、LED45を備えた第1の発光部の上部と下部に、発光素子112を備えた第2の発光部を備えている。
特殊信号発光機72−3は、LED45を備えた第1の発光部の下部に、発光素子112を備えた第2の発光部を備えている。
特殊信号発光機72−34においては、LED45−1〜LED45−mと、発光素子112−1〜発光素子112−nとが混在して配置されている。
【0101】
特殊信号発光機72−1〜特殊信号発光機72―4は、上述したように、1ペアのケーブル53を介して、順方向電流が流された場合に第1の発光部が発光するようになされている。また、特殊信号発光機72−1〜特殊信号発光機72―4は、上述したように、ケーブル53を介して、断線検知に用いる電圧とは異なる電圧値(例えば、断線検知に用いる電圧よりも高電圧)の電流、周波数の異なる信号、または、異なる信号波形(例えば、SIN波、ノコギリ波、方形波など)の逆方向電流が流された場合に第2の発光部が発光するようになされている。
【0102】
次に、
図16および
図17を参照して、第2の発光部を有する筐体を、従来の特殊信号発光機41に後付けする場合の特殊信号発光機72の例について説明する。
【0103】
図16および
図17に示されるように、特殊信号発光機72は、従来の特殊信号発光機41に後付けの発光部追加筐体161を追加した構成となっている。
図16に示されるように、発光部追加筐体161には、視認確認用信号判定部111と、発光素子112が備えられる。特殊信号発光機41には、正方向の電流を発光部追加筐体161に対して出力するための端子171、および、逆方向の電流を発光部追加筐体161に対して出力するための端子171が設けられ、端子171は、発光部追加筐体161の端子173と、端子172は、発光部追加筐体161の端子174と、それぞれ接続される。なお、端子171および端子172を新たに設けることなく、端子173を端子104と、端子174を端子103とそれぞれ接続するようにしてもよい。
【0104】
発光部追加筐体161の端子173から正方向の電流が供給されても、発光素子112には電流が流れない。また、発光部追加筐体161の端子174から断線検出用の逆方向電流が供給されても、視認確認用信号判定部111により電流が遮断されるため、発光素子112には電流が流れない。発光部追加筐体161の端子174から視認確認用信号判定部111により視認確認用信号であることが確認可能な信号が供給された場合のみ、逆方向電流は発光素子112に流れる。
【0105】
また、
図17に示されるように、後付けの発光部追加筐体161は、従来の特殊信号発光機41の上部に取り付けたり、従来の特殊信号発光機41の下部に取り付けるようにすることができる。
【0106】
また、上述した特殊信号発光機72を制御する特殊信号発光機用制御器71を構成するために、
図5および
図6を用いて説明した特殊信号発光機用制御器31に対して行われる装置の更新には、さまざまな方法が考えられる。
【0107】
図5および
図6を用いて説明した特殊信号発光機用制御器31には、赤色発光制御部82とその前段のリレーがすでに備えられている。したがって、視認確認用発光制御部83、ダイオード84、および、それらの動作を制御するためのリレーと、それらを接続する配線を1つの追加用回路筐体に収め、追加することにより、特殊信号発光機用制御器31を特殊信号発光機用制御器71に更新することができる。
【0108】
また、鉄道運行上安全性を担保するために、リレーは、特に重要な素子であるため、特殊信号発光機用制御器71の使用者は、追加用回路筐体の供給者が選択したリレーではなく、自分自身で選択したリレーを利用したいと考える場合が多い。
【0109】
そこで、リレー回路部81、視認確認用発光制御部83、および、ダイオード84と、それらを接続する配線を1つの追加用回路筐体に収め、特殊信号発光機用制御器71の使用者が選択したリレー接点96−b−1およびリレー接点96−b−2とともに追加することにより、特殊信号発光機用制御器31を特殊信号発光機用制御器71に更新するものとしてもよい。
【0110】
また、追加用回路筐体に、さらに、赤色発光制御部82を含めることにより、特殊信号発光機用制御器31を特殊信号発光機用制御器71に更新するための配線作業を非常に簡単なものにするものとしてもよい。
【0111】
また、特殊信号発光機41の一部または全部が特殊信号発光機72に更新され、特殊信号発光機用制御器71が更新されなかった場合、特殊信号発光機72の発光素子112の発光制御が行えないが、踏切等で異常が発生したなどの情報を運転士などに伝えるLED45による赤色の点灯発光は、問題なく実行可能である。
【0112】
そして、特殊信号発光機41が更新されず、特殊信号発光機用制御器31の一部または全部が特殊信号発光機用制御器71に更新された場合であっても、特殊信号発光機用制御器71は、特殊信号発光機用制御器31が有する機能を含んでいるため、踏切等で異常が発生したなどの情報を運転士などに伝えるLED45による赤色の点灯発光は、問題なく実行可能である。
【0113】
更に、特殊信号発光機41の一部が特殊信号発光機72に更新され、特殊信号発光機用制御器31の一部が特殊信号発光機用制御器71に更新された場合であっても、特殊信号発光機用制御器71は、特殊信号発光機用制御器31が有する機能を含み、特殊信号発光機72は、特殊信号発光機41が有する機能を含んでいるため、踏切等で異常が発生したなどの情報を運転士などに伝えるLED45による赤色の点灯発光は、問題なく実行可能である。
【0114】
すなわち、上述した特殊信号発光機用制御器71と特殊信号発光機72の更新作業は、特殊信号発光機制御システムの全体ではなく、その一部のみで行われても、
図5および
図6を用いて説明した特殊信号発光機用制御器31および特殊信号発光機41が有していた機能は保持される。
【0115】
これにより、特殊信号発光機制御システムの更新作業が、通常の列車運行に影響を与えることがない。
【0116】
特殊信号発光機41および特殊信号発光機用制御器31のうちの少なくとも一部が特殊信号発光機72および特殊信号発光機用制御器71に更新された場合、検測車または営業列車などに、上述した特許文献(特許第4925987号公報または特開2010−173597号公報)に記載の確認装置1を搭載し、運転士の視野と同等の視野となるように画像を撮像して、発光素子112による発光パターンを解析させることにより、複数の特殊信号発光機72が連続して多数存在するような場合においても、誤ることなく、自動的に、それぞれの特殊信号発光機72の視認可否を点検し確認することが可能となる。
【0117】
なお、
図1および
図2を用いて説明した特許文献1に記載の鉄道信号機の視認可否を確認する装置と同等の機能を追加する対象は、
図5および
図6を用いて説明した特殊信号発光機用制御器31と特殊信号発光機41以外であってもよく、あらゆる形態の鉄道用信号機や特殊信号発光機などの鉄道用発光機、または、鉄道用発光機や特殊信号発光機などの鉄道用発光機と、それらを制御する制御器に対して、同様の方法を用いて、
図1および
図2を用いて説明した特許文献1に記載の鉄道信号機の視認可否を確認する装置と同等の機能を追加することが可能であることは言うまでもない。
【0118】
次に、
図18のフローチャートを参照して、確認装置1の信号検査処理について説明する。
【0119】
このとき、特殊信号発光機用制御器71は、視認確認用信号判定部111が、供給された逆方向電流が、断線検出用の逆方向電流であるか、所定のビットパターンで発光素子112を発光させるための信号であるかを判定することができる逆方向電流を生成し、出力して、特殊信号発光機72の発光素子112に、それぞれ、いずれの踏切の、何番目の発光機であるかを区別可能な信号検査用パターンを、赤外線などの不可視光または乗務員が誤認する恐れがない可視光を用いて発光させる。
【0120】
また、確認装置1においては、予め、入力部15から、検査区間中、いずれの踏切の、何番目の発光機であるかを区別可能な信号検査用パターンと、それらが確認されるべき順番や区間を示す情報が入力され、データ記憶部18に記憶されている。
【0121】
ステップS11において、制御部14は、データ記憶部18に記憶されている信号検査用パターンを読み込む。
【0122】
ステップS12において、制御部14は、ステップS11において読み込まれた信号検査用パターンから、次に取得するべき信号のパターンを抽出する。
【0123】
ステップS13において、A/D変換部12は、ビデオカメラ211により所定のサンプリングデータで撮像された画像を取得し、アナログの撮像データをデジタル画像データに変換し、画像データ蓄積部13に供給する。そして、画像データ蓄積部13は、A/D変換部12から供給されたデジタル画像データを蓄積する。
【0124】
ステップS14において、制御部14は、例えば、上述した特許文献(特許第4925987号公報または特開2010−173597号公報)に記載の処理などにより、画像データ蓄積部13に蓄積されているデジタル画像データを解析し、ステップS12において抽出された、次に取得するべき信号のパターンが正しく撮像されているか否かの判別処理を実行する。
【0125】
ステップS15において、制御部14は、ステップS14の判別処理の結果、所定の区間内で、対応する信号パターンに合致する点滅を検出できたか否かを判断する。
【0126】
ステップS15において、対応する信号パターンに合致する点滅を検出できたと判断された場合、ステップS16において、制御部14は、データ記憶部18に、いずれの踏切に対応する何番目の信号が視認できたかを示す検出済みログを記録する。
【0127】
ステップS15において、対応する信号パターンに合致する点滅を検出できなかったと判断された場合、ステップS17において、制御部14は、表示部19を制御して、いずれの踏切に対応する何番目の信号が視認できなかったかを示すエラー通知を行うとともに、データ記憶部18に、いずれの踏切に対応する何番目の信号が視認できなかったかを示すエラー検出ログを残す。
【0128】
ステップS18において、制御部14は、信号用検査パターンを用いた視認可否確認が全て終わったか否かを判断する。
【0129】
ステップS18において、視認可否確認が全て終わっていないと判断された場合、処理は、ステップS12に戻り、それ以降の処理が繰り返される。ステップS18において、視認可否確認が全て終わったと判断された場合、処理が終了される。
【0130】
このような処理により、複数の信号機や特殊信号発光機などの鉄道用発光機が連続して多数存在するような場合においても、誤ることなく、自動的に、信号機や特殊信号発光機などの鉄道用発光機の視認可否を点検し確認することが可能となる。
【0131】
図18を用いて説明した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0132】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0133】
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。