特許第6246720号(P6246720)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6246720
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】アクリルポリマー製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 47/32 20060101AFI20171204BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20171204BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20171204BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20171204BHJP
   A61K 31/485 20060101ALI20171204BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20171204BHJP
   A61P 25/02 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
   A61K47/32
   A61K47/10
   A61K9/20
   A61K9/14
   A61K31/485
   A61P25/04
   A61P25/02
【請求項の数】31
【全頁数】57
(21)【出願番号】特願2014-536347(P2014-536347)
(86)(22)【出願日】2012年10月17日
(65)【公表番号】特表2014-532078(P2014-532078A)
(43)【公表日】2014年12月4日
(86)【国際出願番号】IB2012002093
(87)【国際公開番号】WO2013057570
(87)【国際公開日】20130425
【審査請求日】2015年10月15日
(31)【優先権主張番号】61/548,587
(32)【優先日】2011年10月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508150854
【氏名又は名称】パーデュー、ファーマ、リミテッド、パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100110663
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 共永
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】マッケンナ,ウィリアム
【審査官】 今村 明子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−528534(JP,A)
【文献】 特表2010−501543(JP,A)
【文献】 特表2010−539197(JP,A)
【文献】 特表2007−522196(JP,A)
【文献】 特開平02−091028(JP,A)
【文献】 特開平04−264019(JP,A)
【文献】 特開2006−206449(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 9/00− 9/72
A61K 31/00−31/80
A61K 33/00−33/44
A61K 47/00−47/69
A61P 1/00−43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも以下のステップ:
a)中性アクリルポリマーを含む分散液を乾燥し、精製中性アクリルポリマーを得るステップ、
b)精製中性アクリルポリマーと少なくとも活性薬剤とを混合し、ブレンドを得るステップであり、かつ同時および/または続いて
c)ブレンドをさらに加工して、固形経口剤形を得るステップ、
を含む、固形経口剤形を調製する方法であって、
ステップb)において、前記精製中性アクリルポリマーが、前記活性薬剤の他に、ポリエチレンオキシドおよび/または両端にポリオキシエチレンという2つの親水性鎖が位置しているポリオキシプロピレンの疎水性中央鎖からなる、非イオン性トリブロックコポリマーとさらに混合される、前記方法
【請求項2】
乾燥が、真空乾燥、凍結乾燥、鍋乾燥、オーブン乾燥、冷凍乾燥、および/または蒸発により行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップa)において得られた精製中性アクリルポリマーを続いてミル粉砕する、または続いてドライアイスの存在下でミル粉砕する、または続いてミル粉砕し、その後、スクリーンに通す、または続いてドライアイスの存在下でミル粉砕し、その後、スクリーンに通す、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記分散液が水性分散液である、及び/又は、前記分散液が20%(w/w)〜50%(w/w)の中性アクリルポリマーを含む水性分散液である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記中性アクリルポリマーが、遊離酸基、遊離アミノ基、または四級アンモニウム基を含有しない、ポリ(メタ)アクリレートである、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記中性アクリルポリマーが、構造式I
【化3】
(式中、RおよびRは、Hおよびメチルから独立して選択され、
およびRは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルまたはオクチルから独立して選択され、
nは、コポリマーが少なくとも100,000の相対平均分子量を有するように選択される)
を有するコポリマーである、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
ステップa)において中性アクリルポリマーを含む分散液の乾燥により得られる精製中性アクリルポリマーが、20%(w/w)未満の水を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
ステップc)において、ブレンドに、直接圧縮ステップ、押出ステップ、湿式造粒ステップ、乾式造粒ステップ、ホット成形ステップ、または熱圧縮ステップを施すことにより、さらに加工される、またはブレンドに直接圧縮ステップとその後に硬化ステップとを施すことにより、さらに加工される、またはブレンドに溶融押出ステップを施すことにより、さらに加工される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
ステップc)において、ブレンドに押出ステップを施して押出物を得ることにより、さらに加工され、ステップc)において得られた前記押出物が、続いて、単一剤形に、または多粒子物に、または錠剤の形態の単一剤形に、またはペレットもしくは球の形態の多粒子物に分割される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
活性薬剤が、ACE阻害剤、腺下垂体ホルモン、アドレナリン作動性ニューロン遮断剤、副腎皮質ステロイド、副腎皮質ステロイドの生合成阻害剤、アルファ−アドレナリン作動性作動薬、アルファ−アドレナリン作動性拮抗薬、選択的アルファ−2−アドレナリン作動性作動薬、鎮痛剤、解熱剤、抗炎症剤、男性ホルモン、局所および全身麻酔剤、抗耽溺剤、抗男性ホルモン、抗不整脈剤、抗喘息剤、抗コリン作動剤、抗コリンエステラーゼ剤、抗凝固剤、抗糖尿病剤、下痢止め剤、抗利尿薬、抗嘔吐剤、胃腸運動改善剤、抗てんかん薬、抗エストロゲン薬、抗真菌剤、抗高血圧剤、抗菌剤、抗片頭痛剤、抗ムスカリン剤、抗新生物剤、抗寄生虫剤、抗パーキンソン病剤、抗血小板剤、抗黄体ホルモン、抗統合失調剤、抗甲状腺剤、鎮咳剤、抗ウイルス剤、非定型抗うつ剤、アザスピロデカンジオン、バルビツレート、ベンゾジアゼピン、ベンゾチアジアジド、ベータ−アドレナリン作動性作動薬、ベータ−アドレナリン作動性拮抗薬、選択的ベータ−1−アドレナリン作動性拮抗薬、選択的ベータ−2−アドレナリン作動性作動薬、胆汁酸塩、体液の体積および組成に影響を及ぼす作用剤、ブチロフェノン、石灰化に影響を及ぼす作用剤、カルシウムチャネル遮断剤、心臓血管薬、カテコールアミンおよび交感神経作用薬、コリン作動性作動薬、コリンエステラーゼ再活性剤、避妊剤、皮膚用剤、ジフェニルブチルピペリジン、利尿薬、麦角アルカロイド、エストロゲン、神経節遮断剤、神経節刺激剤、ヒダントイン、胃酸制御剤および十二指腸潰瘍の治療剤、造血剤、ヒスタミン、ヒスタミン拮抗薬、ホルモン、5−ヒドロキシトリプタミン拮抗薬、高リポタンパク血症の治療薬、催眠薬、鎮静薬、免疫抑制剤、緩下剤、メチルキサンチン、モンカミン酸化酵素阻害剤、神経筋遮断剤、有機ニトレート、オピオイド作動薬、オピオイド拮抗薬、膵酵素、フェノチアジン、プロゲスチン、プロスタグランジン、精神障害を治療するための作用剤、レチノイド、ナトリウムチャネル遮断剤、痙性および急性筋痙攣用の作用剤、スクシンイミド、テストステロン、チオキサンチン、血栓溶解剤、甲状腺剤、三環系抗うつ剤、有機化合物の気管輸送阻害剤、子宮運動に影響を及ぼす薬物、血管拡張剤、ビタミンおよびそれらの混合物からなる群から選択される、または、
活性薬剤が、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、デソモルヒネ、デキストロモルアミド、デゾシン、ジアムプロミド、ジアモルホン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルアムブテン、ジオキサフェチルブチレート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルヒネ、ミロフィン、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルホン、パパベレツム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロヘプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、スフェンタニル、チリジン、トラマドール、それらの薬学的に許容できる塩およびそれらの混合物からなる群から選択されるオピオイド作動薬である、または、
活性薬剤が、アスピリン、セレコキシブ、イブプロフェン、ジクロフェナク、ナプロキセン、ベンゾキサプロフェン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、フルブフェン、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピロプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラモプロフェン、ムロプロフェン、トリオキサプロフェン、スプロフェン、アミノプロフェン、チアプロフェン酸、フルプロフェン、ブクロキシ酸、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ゾメピラク、チオピナク、ジドメタシン、アセメタシン、フェンチアザク、クリダナク、オキシピナク、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルム酸、トルフェナム酸、ジフルリサル、フルフェニサル、ピロキシカム、スドキシカム、イソキシカム、薬学的に許容できるそれらの塩およびそれらの混合物からなる群から選択される非ステロイド性抗炎症剤である、または、
活性薬剤が更にオピオイド拮抗薬を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも以下のステップ:(i)精製中性アクリルポリマーと活性薬剤とを押出成形器中で混合するステップ、または、精製中性アクリルポリマー、活性薬剤、およびポリエチレンオキシドを押出成形器中で混合するステップ、(ii)混合物をストランドとして押出するステップ、(iii)ストランドを冷却するステップ、および(iv)ストランドを単位用量に分割するステップを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の固形経口剤形を調製する方法。
【請求項12】
精製中性アクリルポリマー、および予防または治療有効量の活性薬剤を含む固形経口剤形であって、
前記精製中性アクリルポリマーは、70〜100%(w/w)の中性アクリルポリマー、0〜10%(w/w)の水、0〜5%(w/w)の有機溶媒、0〜2%(w/w)の乳化剤、並びにポリマー、ポロキサマー、膨張剤、放出調節剤、遅延剤、可塑剤、安定剤、希釈剤、充填剤、滑沢剤、結合剤、造粒助剤、着色剤、香味剤、および流動促進剤からなる群から選択される0〜5%(w/w)のさらなる成分を含み、
前記中性アクリルポリマーは、遊離酸基、遊離アミノ基、または四級アンモニウム基を含有しない、ポリ(メタ)アクリレートであり、
前記剤形は、50%(w/w)超の精製中性アクリルポリマーを含み、および
前記剤形は、ポリエチレンオキシドおよび/または両端にポリオキシエチレンという2つの親水性鎖が位置しているポリオキシプロピレンの疎水性中央鎖からなる、非イオン性トリブロックコポリマーを更に含む、固形経口剤形
【請求項13】
10%(w/w)〜50%(w/w)のポリエチレンオキシドを含む、請求項12に記載の固形経口剤形。
【請求項14】
15%(w/w)〜40%(w/w)のポリエチレンオキシドを含む、請求項13に記載の固形経口剤形。
【請求項15】
前記中性アクリルポリマーが、アクリル酸(C〜C)アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸(C〜C)アルキルエステルのコポリマーまたはホモポリマー、またはアクリル酸エチルおよびメタクリル酸メチルのコポリマー、または構造式I
【化2】
(式中、RおよびRは、Hおよびメチルから独立して選択され、
およびRは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルまたはオクチルから独立して選択され、
nは、コポリマーが少なくとも100,000の相対平均分子量を有するように選択される)
を有するコポリマーである、請求項12から14のいずれか一項に記載の固形経口剤形。
【請求項16】
前記中性アクリルポリマーが、600,000〜1,000,000の相対平均分子量を有する、請求項12から15のいずれか一項に記載の固形経口剤形。
【請求項17】
50%(w/w)超の精製中性アクリルポリマーを含む、請求項12から16のいずれか一項に記載の固形経口剤形。
【請求項18】
60%(w/w)〜90%(w/w)の精製中性アクリルポリマーを含む、及び/又は、1%(w/w)〜50%(w/w)の活性薬剤を含む、及び/又は、ポリマー、ポロキサマー、膨張剤、放出調節剤、可塑剤、安定剤、希釈剤、滑沢剤、結合剤、造粒助剤、着色剤、香味剤、および流動促進剤からなる群から選択される少なくとも1種の賦形剤を含む、及び/又は、ポリエチレンオキシドを含む、請求項12から17のいずれか一項に記載の固形経口剤形。
【請求項19】
−50%(w/w)〜90%(w/w)の精製中性アクリルポリマー、
−5%(w/w)〜50%(w/w)の活性薬剤、および
−5%(w/w)〜40%(w/w)のポリエチレンオキシド、
を含む、
請求項12から18のいずれか一項に記載の固形経口剤形。
【請求項20】
前記固形経口剤形が、精製中性アクリルポリマーおよび活性薬剤を含むマトリックス製剤を含む、請求項12から19のいずれか一項に記載の固形経口剤形。
【請求項21】
前記マトリックス製剤が、更にポリエチレンオキシドを含む、及び/又は、制御放出マトリックス製剤である、請求項20に記載の固形経口剤形。
【請求項22】
前記マトリックス製剤が、単一剤形の形態にある、または錠剤の形態にある、または多粒子の形態にある、またはペレットもしくは球の形態である、請求項20または21に記載の固形経口剤形。
【請求項23】
活性薬剤が、ACE阻害剤、腺下垂体ホルモン、アドレナリン作動性ニューロン遮断剤、副腎皮質ステロイド、副腎皮質ステロイドの生合成阻害剤、アルファ−アドレナリン作動性作動薬、アルファ−アドレナリン作動性拮抗薬、選択的アルファ−2−アドレナリン作動性作動薬、鎮痛剤、解熱剤、抗炎症剤、男性ホルモン、局所および全身麻酔剤、抗耽溺剤、抗男性ホルモン、抗不整脈剤、抗喘息剤、抗コリン作動剤、抗コリンエステラーゼ剤、抗凝固剤、抗糖尿病剤、下痢止め剤、抗利尿薬、抗嘔吐剤、胃腸運動改善剤、抗てんかん薬、抗エストロゲン薬、抗真菌剤、抗高血圧剤、抗菌剤、抗片頭痛剤、抗ムスカリン剤、抗新生物剤、抗寄生虫剤、抗パーキンソン病剤、抗血小板剤、抗黄体ホルモン、抗統合失調剤、抗甲状腺剤、鎮咳剤、抗ウイルス剤、非定型抗うつ剤、アザスピロデカンジオン、バルビツレート、ベンゾジアゼピン、ベンゾチアジアジド、ベータ−アドレナリン作動性作動薬、ベータ−アドレナリン作動性拮抗薬、選択的ベータ−1−アドレナリン作動性拮抗薬、選択的ベータ−2−アドレナリン作動性作動薬、胆汁酸塩、体液の体積および組成に影響を及ぼす作用剤、ブチロフェノン、石灰化に影響を及ぼす作用剤、カルシウムチャネル遮断剤、心臓血管薬、カテコールアミンおよび交感神経作用薬、コリン作動性作動薬、コリンエステラーゼ再活性剤、避妊剤、皮膚用剤、ジフェニルブチルピペリジン、利尿薬、麦角アルカロイド、エストロゲン、神経節遮断剤、神経節刺激剤、ヒダントイン、胃酸制御剤および十二指腸潰瘍の治療剤、造血剤、ヒスタミン、ヒスタミン拮抗薬、ホルモン、5−ヒドロキシトリプタミン拮抗薬、高リポタンパク血症の治療薬、催眠薬、鎮静薬、免疫抑制剤、緩下剤、メチルキサンチン、モンカミン酸化酵素阻害剤、神経筋遮断剤、有機ニトレート、オピオイド作動薬、オピオイド拮抗薬、非オピオイド鎮痛薬、膵酵素、フェノチアジン、プロゲスチン、プロスタグランジン、精神障害を治療するための作用剤、レチノイド、ナトリウムチャネル遮断剤、痙性および急性筋痙攣用の作用剤、スクシンイミド、テストステロン、チオキサンチン、血栓溶解剤、甲状腺剤、三環系抗うつ剤、有機化合物の気管輸送阻害剤、子宮運動に影響を及ぼす薬物、血管拡張剤、ビタミンおよびそれらの混合物からなる群から選択される、または、
活性薬剤が、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、デソモルヒネ、デキストロモラミド、デゾシン、ジアンプロミド、ジアモルホン(diamorphone)、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアンブテン、酪酸ジオキサフェチル、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルヒネ、ミロフィン、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルホン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロヘプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、スフェンタニル、チリジン、トラマドール、薬学的に許容できるそれらの塩およびそれらの混合物からなる群から選択されるオピオイド作動薬である、または、
活性薬剤が、アスピリン、セレコキシブ、イブプロフェン、ジクロフェナク、ナプロキセン、ベンゾキサプロフェン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、フルブフェン、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピロプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラモプロフェン、ムロプロフェン、トリオキサプロフェン、スプロフェン、アミノプロフェン、チアプロフェン酸、フルプロフェン、ブクロキシ酸、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ゾメピラク、チオピナク、ジドメタシン、アセメタシン、フェンチアザク、クリダナク、オキシピナク、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルム酸、トルフェナム酸、ジフルリサル、フルフェニサル、ピロキシカム、スドキシカム、イソキシカム、薬学的に許容できるそれらの塩およびそれらの混合物からなる群から選択される非ステロイド性抗炎症剤である、または、
活性薬剤が更にオピオイド拮抗薬を含む、請求項12から22のいずれか一項に記載の固形経口剤形。
【請求項24】
活性薬剤が、アミフェナゾール、ナルトレキソン、メチルナルトレキソン、ナロキソン、ナルブフィン、ナロルフィン、ジニコチン酸ナロルフィン、ナルメフェン、ナダイド、レバロルファン、シクロゾシン、薬学的に許容できるそれらの塩およびそれらの混合物からなる群から選択されるオピオイド拮抗薬をさらに含む、請求項12から23のいずれかに記載の固形経口剤形。
【請求項25】
活性薬剤がオピオイド作動薬であり、前記剤形が、USP装置IIを使用して、50rpmで40%EtOHを含む900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、1時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、USP装置IIを使用して、50rpmでEtOHを含まない900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、1時間目に放出されるオピオイド作動薬の量の25%(w/w)以内であるインビトロ溶出速度を提供する、請求項12から24のいずれかに記載の固形経口剤形。
【請求項26】
精製中性アクリルポリマー、活性薬剤、ポリエチレンオキシドおよび/または両端にポリオキシエチレンという2つの親水性鎖が位置しているポリオキシプロピレンの疎水性中央鎖からなる、非イオン性トリブロックコポリマーを含み、固形経口剤形の調製に使用されるブレンドであって、
前記精製中性アクリルポリマーは、70〜100%(w/w)の中性アクリルポリマー、0〜10%(w/w)の水、0〜5%(w/w)の有機溶媒、0〜2%(w/w)の乳化剤、並びにポリマー、ポロキサマー、膨張剤、放出調節剤、遅延剤、可塑剤、安定剤、希釈剤、充填剤、滑沢剤、結合剤、造粒助剤、着色剤、香味剤、および流動促進剤からなる群から選択される0〜5%(w/w)のさらなる成分を含み、
前記中性アクリルポリマーは、遊離酸基、遊離アミノ基、または四級アンモニウム基を含有しない、ポリ(メタ)アクリレートである、前記ブレンド。
【請求項27】
中性アクリルポリマーが、アクリル酸(C〜C)アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸(C〜C)アルキルエステルのコポリマーまたはホモポリマー、または、構造式I
【化4】
(式中、RおよびRは、Hおよびメチルから独立して選択され、
およびRは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルまたはオクチルから独立して選択され、
nは、コポリマーが少なくとも100,000の相対平均分子量を有するように選択される)
を有するコポリマーである、請求項26に記載のブレンド
【請求項28】
固形経口剤形の調製における、請求項26または27に記載のブレンドの使用。
【請求項29】
ブレンドが、バルク粉末の形態にある、または、
ブレンドが、20%(w/w)未満の水を含む、及び/又は、
ブレンドが、10%(w/w)未満の有機溶媒を含む、請求項28に記載の使用。
【請求項30】
請求項12から25のいずれか一項に記載の固形経口剤形の調製における、請求項28または29に記載の使用。
【請求項31】
疼痛治療のための医薬の製造における、請求項12から25のいずれか一項に記載の固形経口剤形の使用であって、固形経口剤形がオピオイド作動薬を含む、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬賦形剤、および医薬賦形剤を含む医薬剤形の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬製品は、時に、乱用の対象である。例えば、特定投与量のオピオイド作動薬は、経口で投与される同じ投与量と比較して非経口で投与される場合により強力であることがある。一部の製剤は、その中に含有されているオピオイド作動薬を不法使用に供するために不正改変されることがある。経口用途が意図されているオピオイド作動薬製剤は、時に、その中に含有されているオピオイドを非処方での不法使用(例えば、経鼻または非経口投与)に供するために薬物乱用者により破砕されるか溶媒(例えば、エタノール)での抽出を受ける。
【0003】
エタノールへの曝露により一部のオピオイドを遊離させることができる制御放出オピオイド作動薬剤形は、患者が、使用説明書を無視し、剤形と同時にアルコールを使用すれば、患者は、意図されたよりも速く投与量を服用するという結果をもたらすこともある。
【0004】
ポリマーは、医薬組成物の調製において使用されることが多い。制御放出製剤を調製する場合、あるポリマーを活性薬剤と共に相互混合して、活性薬剤の放出を遅延させることができる。あるポリマーはまた、医薬組成物の調製において使用され、不正改変抵抗特性(例えば、粉砕またはアルコール抽出に対する抵抗性)を付与することができる。例えば、医薬製剤に中性アクリルコポリマーを組み入れることにより、得られる製品は、ゴム様特性を示し、粉砕に対する抵抗性を一層高めることができる。中性アクリルコポリマーはまた、エタノールなどの溶媒により、活性薬剤の抽出に対して抵抗性を示す医薬製剤も作製することができる。不正改変抵抗性は、乱用されやすいオピオイド鎮痛薬または他の活性成分を含有する製品にとって特に重要である。
【0005】
Eudragit(登録商標)NEおよびEudragit(登録商標)NMなどの中性アクリルポリマーは、該ポリマー形成が溶媒中で起こり、かつ最終製品が水性分散液の形態となるよう、製造される。例えば、中性アクリルポリマーを含んだマトリックスを含む固形経口剤形の調製では、こうした中性アクリルポリマーの水性分散液が、湿式造粒法において他の賦形剤および/または活性薬剤と共に通常混合される。
【0006】
医薬混合物からの水の除去により、混合物中の物質間の化学結合が改変する恐れがあり、最終製品を得るために、調製に余計なステップを必要とすることにより、製剤化工程が遅れる恐れがある。過剰の液体および水分の存在はまた、多くの賦形剤および活性薬剤が水に不安定で、これにより規制当局から認可を取得するために必要な安定性を有していない最終製剤になる恐れがあるので、問題をはらみ得る。さらに、中性アクリルポリマーの水性分散液を有する中性アクリルポリマーを含んだマトリックスを含む経口剤形の加工は、剤形/マトリックス中に存在しているポリマーの量に制限を課す。多くの例では、市販の水性分散液を利用して、30重量%を超える中性アクリルポリマーを含有している剤形/マトリックスを実現するのは困難である。
【0007】
新規な中性アクリルポリマー組成物、および中性アクリルポリマーに基づく医薬組成物、例えば、マトリックス製剤の調製方法を改善する必要性が当技術分野において存在している。こうした組成物および方法により、最終製品の有益な特性を実現するのに有用であることを立証することができ、かつ押出のような工業的に有益な連続加工条件を可能にし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、医薬製剤(例えば、即時放出および制御放出固形経口剤形)中で利用するための賦形剤を提供することである。
【0009】
本発明の目的は、医薬製剤中で利用するための賦形剤を調製する方法を提供することである。
【0010】
本発明のある実施形態の目的は、不正改変抵抗性である、活性薬剤(例えば、オピオイド鎮痛薬)を含む固形経口剤形を提供することである。
【0011】
本発明のある実施形態の目的は、破砕に対して抵抗性である、活性薬剤(例えば、オピオイド鎮痛薬)を含む固形経口剤形を提供することである。
【0012】
本発明のある実施形態の目的は、他の剤形よりも非経口乱用されにくい、オピオイド鎮痛薬を含む固形経口剤形を提供することである。
【0013】
本発明のある実施形態の目的は、他の剤形よりも鼻腔内乱用されにくい、オピオイド鎮痛薬を含む固形経口剤形を提供することである。
【0014】
本発明のある実施形態の目的は、他の剤形よりも経口乱用されにくい、オピオイド鎮痛薬を含む固形経口剤形を提供することである。
【0015】
本発明のある実施形態のさらなる目的は、他の剤形よりも転用されにくい、オピオイド鎮痛薬を含む固形経口剤形を提供することである。
【0016】
本発明のある実施形態のさらなる目的は、剤形の乱用可能性を低減しながら、オピオイド鎮痛薬を含む固形経口剤形でヒト患者において疼痛を治療する方法を提供することである。
【0017】
本発明のある実施形態のさらなる目的は、本明細書に開示されている固形経口剤形をそれを必要としている患者に投与することにより疾患または状態(例えば、疼痛)を治療することである。
【0018】
本発明のある実施形態のさらなる目的は、本明細書に開示されている活性薬剤(例えば、オピオイド鎮痛薬)の経口剤形を製造する方法を提供することである。
【0019】
本発明のある実施形態のさらなる目的は、疾患状態(例えば、疼痛)を治療するための医薬品の製造における経口剤形(例えば、オピオイド鎮痛薬を含む)の使用を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明などの上記目的は、ある実施形態において、本明細書に開示されている精製中性アクリルポリマーの使用を対象とする、本発明により実現することができる。
【0021】
ある実施形態において、本発明は、精製中性アクリルポリマー、および予防または治療有効量の活性薬剤を含む固形経口剤形を対象とする。
【0022】
ある実施形態において、本発明は、本発明の固形経口剤形により状態または疾患を治療する方法であって、それを必要とする患者に、精製中性アクリルポリマー、および予防または治療有効量の活性薬剤を含む固形経口剤形を投与するステップを含む方法を対象とする。例えば本発明は、それを必要とする患者に、本発明の固形経口剤形を投与するステップを含む、疼痛を治療する方法であって、該固形経口剤形がオピオイド作動薬を含む、方法を対象とする。
【0023】
ある実施形態において、本発明は、疼痛治療のための医薬の製造における本発明の固形経口剤形の使用であって、該固形経口剤形がオピオイド作動薬を含む、使用を対象とする。
【0024】
ある実施形態において、本発明は、疼痛治療において使用するための本発明の固形経口剤形であって、オピオイド作動薬を含む、固形経口剤形を対象とする。
【0025】
ある実施形態において、本発明は、精製中性アクリルポリマーと予防または治療有効量の活性薬剤を混合する(例えば、押出)ステップを含む、本発明の固形経口剤形を調製する方法を対象とする。
【0026】
ある実施形態において、本発明は、少なくとも以下のステップ
a)中性アクリルポリマーを含む分散液(例えば、水性分散液)を乾燥し、精製中性アクリルポリマーを得るステップ、
b)上記精製中性アクリルポリマーと少なくとも活性薬剤とを混合し、ブレンドを得るステップであり、かつ同時および/または続いて
c)上記ブレンドをさらに加工して、固形経口剤形を得るステップ、
を含む、固形経口剤形を調製する方法を対象とする。
【0027】
ある実施形態において、本発明は、こうした方法により得られる固形経口剤形を対象とする。
【0028】
ある実施形態において、本発明は、精製中性アクリルポリマー、または精製中性アクリルポリマーおよび活性薬剤を含むバルク粉末を対象とする。
【0029】
ある実施形態において、本発明は、固形経口剤形の調製における精製中性アクリルポリマーの使用、または固形経口剤形の調製における精製中性アクリルポリマーおよび活性薬剤を含むブレンドの使用を対象とする。
【0030】
本発明を記載する際、以下に示される通り、以下の用語が使用されることになる。本明細書で使用する場合、単数形「a」「an」および「the」には、文脈が明白に特に示さない限り、複数の指定対象(reference)も含まれる。したがって、例えば、「活性薬剤」に対する言及には、単一の活性薬剤および2種以上の異なる活性薬剤の混合物が含まれ、また、「ポリマー」に対する言及には、単一ポリマーおよび2種以上の異なるポリマーの混合物などが含まれる。
【0031】
本明細書で使用する場合、用語「活性薬剤」、「活性成分」、「医薬剤」および「薬物」とは、その目的のため政府系機関により承認されているか否かに関わりなく、治療的、予防的、または他の所期の効果を生じることが意図されている任意の物質のことを指す。特定の薬剤に関するこれらの用語は、すべての薬学的な活性薬剤、薬学的に許容できるその塩のすべて、ならびにそのすべての錯体、立体異性体、結晶形態、共結晶、エーテル、エステル、水和物および溶媒和物、ならびにそれらの混合物が含まれる。
【0032】
本明細書で使用する場合、用語「治療有効な」とは、所望の治療結果を生じるのに必要な薬物量、または薬物投与速度のことを指す。
【0033】
本明細書で使用する場合、用語「予防有効な」とは、所望の予防結果を生じるのに必要な薬物量、または薬物投与速度のことを指す。
【0034】
本明細書で使用すると、「立体異性体」という用語は、空間中でそれらの原子の配向のみが異なる個々の分子のすべての異性体のための一般用語である。それは、エナンチオマーおよび互いの鏡像ではない1個または複数のキラル中心のある化合物の異性体(ジアステレオマー)を包含する。
【0035】
「エナンチオマー」または「エナンチオマーの」という用語は、その鏡像に重ね合わせることができず、それ故に、光学活性である分子を指し、エナンチオマーは、一方向に偏光面を回転させ、その鏡像は、反対方向に偏光面を回転させる。
【0036】
「キラル中心」という用語は、4個の異なる基が接続している炭素原子を指す。
【0037】
「ラセミの」という用語は、エナンチオマーの混合物を指す。
【0038】
「分割」という用語は、分子の2つのエナンチオマー形態のうちの1つの分離または濃縮または枯渇を指す。
【0039】
「患者」という用語は、治療の必要性を示唆する特定の症状または症状(複数)の臨床徴候を示し、状態のために予防的(preventatively)または予防的(prophylactically)に治療され、または治療されるべき状態と診断された対象を意味する。
【0040】
「対象」という用語は、「患者」という用語の定義を含み、すべての点でまたは特定の状態に関して全く正常である個体を除外しない。
【0041】
「薬学的に許容できる塩」は、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの無機酸塩;ギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩などの有機酸塩;メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などのスルホン酸塩;アルギネート(arginate)、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩などのアミノ酸塩;ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩などの金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;およびトリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩などの有機アミン塩を包含するが、それらに限定されるものではない。
【0042】
用語「ポリエチレンオキシド」は、分子量に関わらず、ポリエチレンオキシド(PEO)の組成物として本発明のために定義され、通常、ポリエチレングリコールと呼ばれる、より低分子量のPEOが含まれる。「高分子量ポリエチレンオキシド(PEO)」という用語は、本発明の目的のために、レオロジー的測定に基づいて、少なくとも1,000,000の近似分子量を有すると定義される。好ましくは、用語「高分子量ポリエチレンオキシド(PEO)」は、本発明の目的のために、レオロジー的測定に基づいて、少なくとも1,000,000および10,000,000未満の近似分子量を有するものと定義される。「低分子量ポリエチレンオキシド(PEO)」という用語は、本発明の目的のために、レオロジー的測定に基づいて、1,000,000未満の近似分子量を有すると定義される。好ましくは、用語「低分子量ポリエチレンオキシド(PEO)」は、本発明の目的のために、レオロジー的測定に基づいて、少なくとも1,000および1,000,000未満の近似分子量を有するものと定義される。より好ましくは、用語「低分子量ポリエチレンオキシド(PEO)」は、本発明の目的ために、レオロジー的測定に基づいて、少なくとも10,000(または、少なくとも100,000)および1,000,000未満の近似分子量を有するものと定義される。最も好ましくは、用語「低分子量ポリエチレンオキシド(PEO)」は、本発明の目的ために、レオロジー的測定に基づいて、少なくとも10,000(または、少なくとも100,000)および750,000未満の近似分子量を有するものと定義される。レオロジー的測定に基づいて、例えば100,000未満または25,000未満の近似分子量を有する、スペクトルの低級末端におけるポリエチレンオキシドもまた、ポリエチレングリコール(PEG)と呼ぶことができる。
【0043】
ポリエチレンオキシドは、25℃において、10rpmにて、ブルックフィールド粘度計RVF型、スピンドルNo.1を使用する前記ポリエチレンオキシドの2%(重量基準)水溶液が、400〜800mPas(cP)の粘度範囲を示す場合に、1,000,000の近似分子量を有すると見なされる。ポリエチレンオキシドは、25℃において、10rpmにて、ブルックフィールド粘度計RVF型、スピンドルNo.3を使用する前記ポリエチレンオキシドの2%(重量基準)水溶液が、2000〜4000mPas(cP)の粘度範囲を示す場合に、2,000,000の近似分子量を有すると見なされる。ポリエチレンオキシドは、25℃において、2rpmにて、ブルックフィールド粘度計RVF型、スピンドルNo.2を使用する前記ポリエチレンオキシドの1%(重量基準)水溶液が、1650〜5500mPas(cP)の粘度範囲を示す場合に、4,000,000の近似分子量を有すると見なされる。ポリエチレンオキシドは、25℃において、2rpmにて、ブルックフィールド粘度計RVF型、スピンドルNo.2を使用する前記ポリエチレンオキシドの1%(重量基準)水溶液が、5500〜7500mPas(cP)の粘度範囲を示す場合に、5,000,000の近似分子量を有すると見なされる。ポリエチレンオキシドは、25℃において、2rpmにて、ブルックフィールド粘度計RVF型、スピンドルNo.2を使用する前記ポリエチレンオキシドの1%(重量基準)水溶液が、7500〜10,000mPas(cP)の粘度範囲を示す場合に、7,000,000の近似分子量を有すると見なされる。ポリエチレンオキシドは、25℃において、2rpmにて、ブルックフィールド粘度計RVF型、スピンドルNo.2を使用する前記ポリエチレンオキシドの1%(重量基準)水溶液が、10,000〜15,000mPas(cP)の粘度範囲を示す場合に、8,000,000の近似分子量を有すると見なされる。低分子量ポリエチレンオキシドに関して;ポリエチレンオキシドは、25℃において、50rpmにて、ブルックフィールド粘度計RVT型、スピンドルNo.1を使用する前記ポリエチレンオキシドの5%(重量基準)水溶液が、30〜50mPas(cP)の粘度範囲を示す場合に100,000の近似分子量を有すると見なされ、また、ポリエチレンオキシドは、25℃において、2rpmにて、ブルックフィールド粘度計RVF型、スピンドルNo.2を使用する前記ポリエチレンオキシドの5%(重量基準)水溶液が、8800〜17,600mPas(cP)の粘度範囲を示す場合に900,000の近似分子量を有すると見なされる。
【0044】
「中性アクリルポリマー」という用語は、本発明の目的のために、遊離酸基、遊離アミノ基、または四級アンモニウム基を含有しないポリ(メタ)アクリレートのことを指す。特に、「中性アクリルポリマー」という用語は、本発明の目的のために、アクリル酸(C〜C)アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸(C〜C)アルキルエステルのコポリマーまたはホモポリマーを指す。本発明による中性アクリルポリマーに関する例は、Eudragit(登録商標)NE 30 DおよびEudragit(登録商標)NE 40 Dという商標で上市されている水性分散液として入手可能な、アクリル酸エチルとメタクリル酸メチルとのコポリマーである。対照的に、例えば、Eudragit(登録商標)RLまたはEudragit(登録商標)RSという商標で上市されているアクリルポリマーは、ある量のアンモニオアルキルエステルを含有しているので、本発明による「中性アクリルポリマー」という用語の定義に該当しない。
【0045】
用語「メチル」、「エチル」、「プロピル」、「ブチル」、「ペンチル」、「ヘキシル」、「ヘプチル」または「オクチル」は、本発明の目的のために、無置換または置換されていてもよい、個々のアルキルラジカル(複数可)を指す。例えば、アルキルラジカル(複数可)は、(C〜C)アルキル基、(C〜C)アルケニル基、(C〜C)アルキニル(alkinyl)基、(C〜C)ヒドロキシアルキル基、(C〜C)ヒドロキシアルケニル基、(C〜C)ヒドロキシアルキニル基、(C〜C)アルキルオキシ基、(C〜C)アルキルカルボニル基、(C〜C)アルキルオキシカルボニル基、(C〜C)アルキルカルボキシ基、ヒドロキシ基、またはケト基により置換され得る。好ましい実施形態において、アルキルラジカルは無置換である。アルキルラジカル(複数可)は、直鎖または分岐とすることができ、例えば「ブチル」は、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルを含むものと意図される。
【0046】
用語「(C〜C)アルキルエステル」は、本発明の目的のために、置換または無置換のメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルおよび/またはオクチルエステルを指す。例えば、置換基は、(C〜C)アルキル基、(C〜C)アルケニル基、(C〜C)アルキニル基、(C〜C)ヒドロキシアルキル基、(C〜C)ヒドロキシアルケニル基、(C〜C)ヒドロキシアルキニル基、(C〜C)アルキルオキシ基、(C〜C)アルキルカルボニル基、(C〜C)アルキルオキシカルボニル基、(C〜C)アルキルカルボキシ基、ヒドロキシ基、またはケト基から選択することができる。好ましい実施形態において、用語「(C〜C)アルキルエステル」は、無置換のメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルおよび/またはオクチルエステルを指す。
【0047】
用語「(C〜C)アルキルエステル」は、本発明の目的のために、置換または無置換のメチル、エチル、プロピルおよび/またはブチルエステルを指す。例えば、置換基は、(C〜C)アルキル基、(C〜C)アルケニル基、(C〜C)アルキニル基、(C〜C)ヒドロキシアルキル基、(C〜C)ヒドロキシアルケニル基、(C〜C)ヒドロキシアルキニル基、(C〜C)アルキルオキシ基、(C〜C)アルキルカルボニル基、(C〜C)アルキルオキシカルボニル基、(C〜C)アルキルカルボキシ基、ヒドロキシ基、またはケト基から選択することができる。好ましい実施形態において、用語「(C〜C)アルキルエステル」は、無置換のメチル、エチル、プロピルおよび/またはブチルエステルを指す。
【0048】
用語「精製中性アクリルポリマー」は、活性薬剤、または、例えば乾燥工程を促進するための追加賦形剤を使用することなく、固形経口剤形の調製に場合により使用される他の賦形剤(ポリマー、ポロキサマー、膨張剤、放出調節座剤、遅延剤、可塑剤、安定剤、希釈剤、充填剤、滑沢剤、結合剤、造粒助剤、着色剤、香味剤、流動促進剤など)と混合する前に、中性アクリルポリマーを含む分散液(例えば、水性分散液)を乾燥することにより得られる中性アクリルポリマーを含む組成物を指す。本発明において利用される乾燥の例には、真空乾燥、凍結乾燥、鍋乾燥、オーブン乾燥、冷凍乾燥、および蒸発が含まれる。本発明の精製中性アクリルポリマー(すなわち、中性アクリルポリマーを含む上記組成物)は、中性アクリルポリマーの他に、乳化剤(例えば、ノノキシノール100)などの市販の中性アクリルポリマー水性分散液、残留溶媒(例えば、エタノールおよびメタノール)および不可避少量不純物(中性アクリルポリマーのモノマーなど)の製造に通常含まれる追加成分を場合により含んでもよい。さらに、所望の乾燥レベルに応じて、ある比率の水が、精製中性アクリルポリマーに残存してもよい。精製中性アクリルポリマーは、固形または半固形形態で、例えば粉末、フィルム、顆粒、パステル、または濃縮湿潤物質として得ることができるか、かつ/または使用することができる。特に、本発明の精製中性アクリルポリマー(すなわち、中性アクリルポリマーを含む組成物)は、好ましくは約20%(w/w)未満の水、もしくは約15%(w/w)未満の水、または約10%(w/w)未満の水、あるいは約5%(w/w)未満の水を含む。例えば、本発明の精製中性アクリルポリマーは、0〜8%(w/w)の残留水、および/または0〜5%(w/w)の残留有機溶媒(エタノールまたはメタノールなど)、および/または0〜3%(w/w)の乳化剤をさらに含んでもよい。本発明の精製中性アクリルポリマー(すなわち、中性アクリルポリマーを含む組成物)は、さらなる成分(中性アクリルポリマーを含む水性分散液の製造に由来するさらなる賦形剤(exipient)または不純物など)を0〜5%(w/w)を追加的に含んでもよい。例えば、本発明の精製中性アクリルポリマー(すなわち、中性アクリルポリマーを含む組成物)は、70〜100%(w/w)の中性アクリルポリマー、0〜10%(w/w)の水、0〜5%(w/w)の有機溶媒(エタノールまたはメタノールなど)、0〜2%(w/w)の乳化剤、および場合により0〜5%(w/w)のさらなる成分を含む(または、これらから実質的になる)。上記の量は、乾燥後に得られるものとしての、および/または固形経口剤形を調製するためにさらに使用するものとしての、精製中性アクリルポリマーの組成物のことを指す。最終の固形経口剤形における精製中性アクリルポリマーの組成物は、例えば、固形経口剤形の調製中に水または残存溶媒をさらに蒸発させることにより、元々得られるおよび使用される組成物とは異なり得ることが十分理解される。したがって、固形経口剤形の組成は、精製中性アクリルポリマーの比率によって定義される場合、個々の値は、精製中性アクリルポリマーの乾燥含有率(固体含有率)、すなわち最終剤形中に残存している精製中性アクリルポリマーの含有率のことを指す。ある実施形態において、中性アクリルポリマーを含む水性分散液中に存在している乳化剤および/または残留溶媒は、溶媒抽出などの工程によって中性アクリルポリマーから分離、または部分的に分離することができる。精製中性アクリルポリマーは、医薬剤形の製造において、他の成分とのその後の加工前に得ることができる。ある実施形態において、(水性)分散液は、精製(乾燥)工程の前に、分散液に添加されるアルコール(例えば、メタノールまたはエタノール)をある量有してもよい。添加アルコールの量は、例えば、乾燥前の組成物の約30%(w/w)未満、約20%(w/w)未満、約10%(w/w)、または約5%(w/w)未満とすることができる。
【0049】
ある実施形態において、精製中性アクリルポリマー(例えば、フィルムまたは凍結乾燥製品の形態)は、顆粒または粉末にミル粉砕することができる。流動性および加工性を改善するために、コロイド状二酸化ケイ素またはステアリン酸マグネシウムなどの流動剤を顆粒または粉末に加えることができる。次に、これらの製品は、例えば、押出または直接圧縮により、医薬製剤にさらに加工することができる。
【0050】
用語「ストランド」または「ロッド」は、相互変換的に使用され、本発明の方法によって得られる長方形の押出物である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】実施例1の試料錠剤およびペレットの溶出データのグラフである。
図2】実施例4の、ミル粉砕前後のペレットを示す図である。図2Aは、1mm×1mmのペレットを示しており、また、図2Bは2mm×2mmのペレットを示している。
図3】(i)模擬胃液中、および(ii)模擬胃液とエタノール中の実施例5のペレットの溶出を示す図である。
図4】実施例5のペレットを、模擬胃液中、−4℃で凍結ハンマー打ちに供した際の、不正改変抵抗性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
本発明は、精製中性アクリルポリマー、およびそれを含む固形経口剤形を提供することによる、当技術分野における上記必要性に対処する。本発明はさらに、本発明の固形経口剤形を使用する状態または疾患を治療する方法;例えば押出による本発明の固形経口剤形を調製する方法;および、精製中性アクリルポリマーを含むバルク粉末を提供する。
【0053】
固形経口剤形
本発明は、精製中性アクリルポリマー、および予防または治療有効量の活性薬剤を含む固形経口剤形を提供する。精製中性アクリルポリマーは、活性薬剤、または、例えば乾燥工程を促進する追加成分を使用することなく、固形経口剤形(ポリマー、ポロキサマー、膨張剤、放出調節座剤、遅延剤、可塑剤、安定剤、希釈剤、充填剤、滑沢剤、結合剤、造粒助剤、着色剤、香味剤、流動促進剤など)の調製に場合により使用される他の賦形剤と混合する前に、中性アクリルポリマーを含む分散液(例えば、水性分散液)を乾燥することにより調製される。乾燥工程における追加成分の使用の一例は、ラクトースなどの賦形剤を有する中性アクリルポリマー分散液の造粒である。しかし、精製中性アクリルポリマーは、市販の中性アクリルポリマーの水性分散液(例えば、Eudragit(登録商標)NE 30 DおよびEudragit(登録商標)NE、40 D)を調製する際に通常使用される他の成分(水性分散液の商業供給業者により添加される乳化剤および他の成分など)、ならびに中性アクリルポリマーを含む水性分散液の調製に起因する少量不純物(例えば、少量の中性アクリルポリマーのモノマー)を含むことがある。
【0054】
精製中性アクリルポリマーは、乾燥剤などの追加成分の使用を必要としない任意の方法を使用して乾燥される。本発明において利用されるこうした乾燥技法には、真空乾燥、凍結乾燥、鍋乾燥、オーブン乾燥、冷凍乾燥、および蒸発が含まれるが限定されない。ある実施形態において、乾燥後に得られる精製中性アクリルポリマーは、ある量の水を含有し、かつ濃縮湿潤物質の形態にあってもよい。水の含有率は、検討される精製中性アクリルポリマーの加工ステップに依存し得る。例えば、濃縮湿潤物質の形態の精製中性アクリルポリマーは、引き続き、活性薬剤と一緒に共押出され得る。
【0055】
ある実施形態において、精製中性アクリルポリマーは乾燥後に得られ、かつ/または固体もしくは半固形形態でさらに使用される。ある実施形態において、精製中性アクリルポリマーは、約20%(w/w)未満の水、もしくは約15%(w/w)未満の水、または約10%(w/w)未満の水、あるいは5%(w/w)未満の水を含む。ある実施形態において、精製中性アクリルポリマーは、約3%(w/w)未満の水を含む。ある実施形態において、精製中性アクリルポリマーは、約1%(w/w)未満の水を含む。ある実施形態において、精製中性アクリルポリマーは、0〜8%(w/w)の水、および/または0〜5%(w/w)の残留有機溶媒(エタノールまたはメタノールなど)、ならびに/あるいは0〜3%(w/w)の乳化剤を含む。精製中性アクリルポリマーは、さらなる成分(中性アクリルポリマーを含む水性分散液の製造に由来するさらなる賦形剤または不純物など)を0〜5%(w/w)追加的に含んでもよい。ある実施形態において、精製中性アクリルポリマーは、70〜100%(w/w)の中性アクリルポリマー、0〜10%(w/w)の水、0〜5%(w/w)の有機溶媒(エタノールまたはメタノールなど)、0〜2%(w/w)の乳化剤、および場合により0〜5%(w/w)のさらなる成分を含む(または、好ましくは上記からなる)。ある実施形態において、精製中性アクリルポリマーは、90〜100%(w/w)の中性アクリルポリマー、0〜5%(w/w)の水、0〜3%(w/w)の有機溶媒(エタノールまたはメタノールなど)、0〜2%(w/w)の乳化剤、および場合により0〜2%(w/w)のさらなる成分を含む(または、好ましくは上記からなる)。上記の比率は、乾燥後得られた、および/または固形経口剤形にさらに加工するために使用される、精製中性アクリルポリマーの組成を指し、例えば、固形経口剤形の調製中に水または有機溶媒をさらに蒸発させるため、最終固形経口剤形中の精製中性アクリルポリマーの組成に反映しないことがある。
【0056】
ある実施形態において、精製中性アクリルポリマーは、活性薬剤または他の賦形剤と共に混合する前に、さらに加工される。こうしたさらなる加工の例には、精製中性アクリルポリマーを、固形経口剤形の調製に最適なサイズであるより小さな粒子へのミル粉砕、切り刻み、スライス、または裁断が含まれる。ミル粉砕は、ドライアイスの存在下で行うことができる。精製中性アクリルポリマーはまた、所望のサイズの粒子を得るために、スクリーンに通してもよい。
【0057】
上に開示される通り、精製中性アクリルポリマーは、中性アクリルポリマーを含む水性分散液に由来することができる。こうした水性分散液は、例えば、約20%(w/w)〜約50%(w/w)の中性アクリルポリマー、もしくは約30%(w/w)〜約40%(w/w)の中性アクリルポリマー、または、商業供給業者によって提供される他の任意の濃度レベルのものを含むことができる。
【0058】
ある実施形態において、本発明の固形経口剤形は、活性薬剤の制御放出を実現するのに有効な量の精製中性アクリルポリマーを含む。固形経口剤形(例えば、少なくとも精製中性アクリルポリマーおよび活性薬剤を含むマトリックス製剤)は、例えば、約10%(w/w)〜約90%(w/w)の精製中性アクリルポリマー、もしくは約20%(w/w)〜約80%(w/w)の精製中性アクリルポリマー、または約30%(w/w)〜約80%(w/w)の精製中性アクリルポリマー、あるいは約30%(w/w)〜約70%(w/w)の精製中性アクリルポリマー、あるいは約40%(w/w)〜約60%(w/w)の精製中性アクリルポリマーを含むことができる。好ましい実施形態において、固形経口剤形(例えば、少なくとも精製中性アクリルポリマーおよび活性薬剤を含むマトリックス製剤)は、約35%(w/w)超、もしくは約40%(w/w)超、または約50%(w/w)超、あるいは約60%(w/w)超の精製中性アクリルポリマーを含む。さらなる好ましい実施形態において、固形経口剤形(例えば、少なくとも精製中性アクリルポリマーおよび活性薬剤を含むマトリックス製剤)は、約35%(w/w)〜約90%(w/w)の精製中性アクリルポリマー、もしくは約40%(w/w)〜約90%(w/w)の精製中性アクリルポリマー、または約50%(w/w)〜約90%(w/w)の精製中性アクリルポリマー、あるいは約60%(w/w)〜約90%(w/w)の精製中性アクリルポリマーを含む。示されている比率は、精製中性アクリルポリマーの乾燥含有率を指す。
【0059】
ある実施形態において、中性アクリルポリマーは、遊離酸基、遊離アミノ基、または四級アンモニウム基を含有しない、ポリ(メタ)アクリレートである。ある実施形態において、中性アクリルポリマーは、アクリル酸(C〜C)アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸(C〜C)アルキルエステルのコポリマーまたはホモポリマーである。ある実施形態において、中性アクリルポリマーは、アクリル酸(C〜C)アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸(C〜C)アルキルエステルのコポリマーまたはホモポリマーである。
【0060】
ある実施形態において、中性アクリルポリマーは、構造式I
【0061】
【化1】
(式中、RおよびRは、Hおよびメチルから独立して選択され、
およびRは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルまたはオクチルから独立して選択され、
nは、コポリマーが少なくとも約100,000、好ましくは少なくとも約300,000、最も好ましくは約600,000〜約1,000,000の相対平均分子量を有するように選択される)
を有するコポリマーである。
【0062】
ある実施形態において、RおよびRは、メチル、エチル、プロピル、およびブチルから、好ましくは、メチルおよびエチルから独立して選択される。
【0063】
ある実施形態において、中性アクリルポリマーは、アクリル酸エチルおよびメタクリル酸メチルのコポリマーである。ある実施形態において、中性アクリルポリマーは、約600,000〜約1,000,000、好ましくは約600,000〜900,000、最も好ましくは約660,000、770,000または800,000の相対平均分子量を有する。ある実施形態において、中性アクリルポリマーは、約800,000の相対平均分子量を有するアクリル酸エチルおよびメタクリル酸メチルのコポリマーである。こうしたコポリマーは、Eudragit(登録商標)NE 30 DおよびEudragit(登録商標)NE 40 Dという商標で上市されている水性分散液として市販されている。
【0064】
本発明の固形経口剤形は、予防または治療有効量の活性薬剤を含む。ある実施形態において、固形経口剤形(例えば、少なくとも精製中性アクリルポリマーおよび活性薬剤を含むマトリックス製剤)は、約1%(w/w)〜約50%(w/w)の活性薬剤、もしくは約5%(w/w)〜約40%(w/w)の活性薬剤、または約10%(w/w)〜約30%(w/w)の活性薬剤、あるいは約15%(w/w)〜約25%(w/w)の活性薬剤を含む。固形経口剤形中に存在する活性薬剤の量は、例えば、活性薬剤の種類、所望の放出速度、および治療される状態により変動することになる。
【0065】
精製中性アクリルポリマーに加えて、本発明の製剤(例えば、少なくとも精製中性アクリルポリマーおよび活性薬剤を含むマトリックス製剤)は、追加的な制御放出材料(遅延剤)を含んでもよい。追加的な制御放出材料の例には、セルロースポリマー、例えば、これらに限定するものではないが、セルロースエステル、セルロースジエステル、セルローストリエステル、セルロースエーテル、セルロースエステル−エーテル、セルロースアシレート、セルロースジアシレート、セルローストリアシレート、酢酸セルロース、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロースおよびそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、このセルロースポリマーは、エチルセルロースなどのアルキルセルロースポリマーである。
【0066】
本発明の他の実施形態において、追加的な制御放出材料は、これらに限定するものではないが、アクリル酸およびメタクリル酸コポリマー、メタクリル酸メチルコポリマー、メタクリル酸エトキシエチル、メタクリル酸シアノエチル、メタクリル酸アミノアルキルコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミドコポリマー、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸)(無水物)、メタクリル酸メチル、ポリメタクリレート、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸メチル)コポリマー、ポリアクリルアミド、メタクリル酸アミノアルキルコポリマー、ポリ(メタクリル酸無水物)、メタクリル酸グリシジルコポリマーおよび前記の任意の混合物を含む、薬学的に許容できるアクリルポリマーである。
【0067】
本発明の他の実施形態において、本明細書に開示される剤形(例えば、少なくとも精製中性アクリルポリマーおよび活性薬剤を含むマトリックス製剤)は、ポリエチレンオキシド、例えば高分子量ポリエチレンオキシドをさらに含む。
【0068】
本発明の固形経口剤形(例えば、少なくとも精製中性アクリルポリマーおよび活性薬剤を含むマトリックス製剤)は、ポリマー、ポロキサマー、膨張剤、放出調節剤、可塑剤、安定剤、希釈剤、滑沢剤、結合剤、造粒助剤、着色剤、香味剤、および流動促進剤からなる群から選択される少なくとも1種の賦形剤をさらに含むことができる。ある実施形態において、この賦形剤はポリマーである。ある実施形態において、この賦形剤はポリエチレンオキシドである。ある実施形態において、この賦形剤は、低分子量ポリエチレンオキシド、高分子量ポリエチレンオキシド、またはそれらの混合物である。
【0069】
低分子量ポリエチレンオキシドを含む実施形態において、この低分子量ポリエチレンオキシドは、レオロジー的測定に基づいて、例えば、近似分子量が約10,000〜約750,000ダルトン、もしくは約50,000〜約500,000ダルトン、または約75,000〜約300,000ダルトンを有することができる。
【0070】
高分子量ポリエチレンオキシドを含む実施形態において、この高分子量ポリエチレンオキシドは、レオロジー的測定に基づいて、例えば、近似分子量が約1,000,000〜約10,000,000ダルトン、もしくは約2,000,000〜約8,000,000ダルトン、または約4,000,000〜約6,000,000ダルトンを有することができる。
【0071】
ある実施形態において、固形経口剤形(例えば、少なくとも精製中性アクリルポリマーおよび活性薬剤を含むマトリックス製剤)は、約5%(w/w)〜約60%(w/w)のポリエチレンオキシド、もしくは約10%(w/w)〜約50%(w/w)のポリエチレンオキシド、または約15%(w/w)〜約40%(w/w)のポリエチレンオキシド、あるいは約20%(w/w)〜約30%(w/w)のポリエチレンオキシドを含む。ポリエチレンオキシドに加えて、またはその代わりに、本発明の固形経口剤形(例えば、少なくとも精製中性アクリルポリマーおよび活性薬剤を含むマトリックス製剤)は、両端にポリオキシエチレン(ポリ(エチレンオキシド))という2つの親水性鎖が位置しているポリオキシプロピレン(ポリ(プロピレンオキシド))の疎水性中央鎖からなる、非イオン性トリブロックコポリマーを含むことができる。これらの化合物は、Lutrol(登録商標)およびPoloxamer(登録商標)という商標で市販されている。
【0072】
ある実施形態において、本発明の固形経口剤形(例えば、少なくとも精製中性アクリルポリマーおよび活性薬剤を含むマトリックス製剤)は、約10%(w/w)〜約90%(w/w)の精製中性アクリルポリマー、約1%(w/w)〜約50%(w/w)の活性薬剤(例えばオキシコドン塩酸塩)、および約5%(w/w)〜約60%(w/w)のポリエチレンオキシドを含む。
【0073】
ある実施形態において、本発明の固形経口剤形(例えば、少なくとも精製中性アクリルポリマーおよび活性薬剤を含むマトリックス製剤)は、約35%(w/w)〜約80%(w/w)の精製中性アクリルポリマー、約5%(w/w)〜約40%(w/w)の活性薬剤(例えばオキシコドン塩酸塩)、および約10%(w/w)〜約50%(w/w)のポリエチレンオキシドを含む。
【0074】
ある実施形態において、本発明の固形経口剤形(例えば、少なくとも精製中性アクリルポリマーおよび活性薬剤を含むマトリックス製剤)は、約50%(w/w)〜約70%(w/w)の精製中性アクリルポリマー、約10%(w/w)〜約30%(w/w)の活性薬剤(例えばオキシコドン塩酸塩)、および約15%(w/w)〜約40%(w/w)のポリエチレンオキシドを含む。
【0075】
ある実施形態において、本発明の固形経口剤形(例えば、少なくとも精製中性アクリルポリマーおよび活性薬剤を含むマトリックス製剤)は、約40%(w/w)〜約60%(w/w)の精製中性アクリルポリマー、約15%(w/w)〜約25%(w/w)の活性薬剤(例えばオキシコドン塩酸塩)、および約20%(w/w)〜約30%(w/w)のポリエチレンオキシドを含む。
【0076】
ある実施形態において、本発明の固形経口剤形(例えば、少なくとも精製中性アクリルポリマーおよび活性薬剤を含むマトリックス製剤)は、約35%(w/w)〜約90%(w/w)の精製中性アクリルポリマー、約1%(w/w)〜約50%(w/w)の活性薬剤(例えばオキシコドン塩酸塩)、および約5%(w/w)〜約60%(w/w)のポリエチレンオキシドを含む。
【0077】
ある実施形態において、本発明の固形経口剤形(例えば、少なくとも精製中性アクリルポリマーおよび活性薬剤を含むマトリックス製剤)は、約40%(w/w)〜約90%(w/w)の精製中性アクリルポリマー、約5%(w/w)〜約50%(w/w)の活性薬剤(例えばオキシコドン塩酸塩)、および約5%(w/w)〜約50%(w/w)のポリエチレンオキシドを含む。
【0078】
ある実施形態において、本発明の固形経口剤形(例えば、少なくとも精製中性アクリルポリマーおよび活性薬剤を含むマトリックス製剤)は、約50%(w/w)〜約90%(w/w)の精製中性アクリルポリマー、約5%(w/w)〜約50%(w/w)の活性薬剤(例えばオキシコドン塩酸塩)、および約5%(w/w)〜約40%(w/w)のポリエチレンオキシドを含む。
【0079】
ある実施形態において、固形経口剤形は、精製中性アクリルポリマーおよび活性薬剤を含むマトリックス製剤を含む。あるそのような実施形態において、マトリックス製剤は、制御放出(延長放出)マトリックス製剤である。本マトリックス製剤は、例えば、精製中性アクリルポリマーおよび活性薬剤を含むブレンドに直接圧縮ステップ、押出ステップ、湿式造粒ステップ、乾式造粒ステップ、ホット成形ステップ、または熱圧縮ステップを施すことにより得ることができる。
【0080】
あるそのような実施形態において、本マトリックス製剤は、ブレンドに直接圧縮ステップを施すことにより、好ましくは、そのブレンドに直接圧縮ステップとその後に硬化ステップとを施すことにより得られる。さらに好ましい実施形態において、本マトリックス製剤は、ブレンドに、押出ステップ、好ましくは溶融押出ステップを施すことにより得られる。
【0081】
ある実施形態において、固形経口剤形は、精製中性アクリルポリマー、活性薬剤およびポリエチレンオキシドを含むマトリックス製剤を含む。あるそのような実施形態において、マトリックス製剤は、制御放出(延長放出)マトリックス製剤である。本マトリックス製剤は、例えば、精製中性アクリルポリマー、活性薬剤、およびポリエチレンオキシドを含むブレンドに直接圧縮ステップ、押出ステップ、湿式造粒ステップ、乾式造粒ステップ、ホット成形ステップ、または熱圧縮ステップを施すことにより得ることができる。
【0082】
あるそのような実施形態において、本マトリックス製剤は、ブレンドに直接圧縮ステップを施すことにより、好ましくは、そのブレンドに直接圧縮ステップとその後に硬化ステップとを施すことにより得られる。さらに好ましい実施形態において、本マトリックス製剤は、ブレンドに、押出ステップ、好ましくは溶融押出ステップを施すことにより得られる。
【0083】
ある実施形態において、精製中性アクリルポリマーおよび活性薬剤は、押出されたブレンド(例えば、標準的な押出、またはホットメルト押出により形成される)の形態をしている。さらなる実施形態において、この押出されたブレンドは、ポリエチレンオキシドをさらに含む。ある実施形態において、押出されたブレンドは、単回用量に十分な活性薬剤を含有している単回剤形の形態にある。ある実施形態において、押出されたブレンドは、ペレットなどの多粒子の形態にある。こうしたペレットは、例えば、平均径が約0.1mm〜約5mmおよび平均高さが約0.1mm〜約5mm、もしくは平均径が約0.5mm〜約4mmおよび平均高さが約0.5mm〜約4mm、または平均径が約1mm〜約3mmおよび平均高さが約0.5mm〜約4mm、あるいは平均径が約1.5mm〜約2.5mmおよび平均高さが約1.5mm〜約2.5mmを有する。このペレットの粒子寸法は、例えば、活性薬剤、所望の放出速度、および特定の剤形に応じて変動し得ることが当業者により理解されよう。ある実施形態において、ペレットは球の形態にある。この球は、例えば、平均径が約0.1mm〜約5mm、もしくは平均径が約0.5mm〜約4mmまたは、平均径が約1mm〜約3mm、あるいは平均径が約1.5mm〜約2.5mmを有する。ある実施形態において、ペレットは、円筒形または正方形である。ある実施形態において、固形経口剤形は、薬学的に許容できるカプセルに含まれている多粒子物を含む。ある実施形態において、固形経口剤形は、例えば錠剤に圧縮されている多粒子物を含む。他の実施形態において、押出物は最終形状に射出成形される、ロッドまたは押出形状物から裁断することができる、またはフィルムもしくはスラブに押出して、最終形状に押し抜きするかまたは裁断することができる。他の実施形態において、製剤は共押出を含むことができ、コーティングがコアの周囲に押出されるか、または2つ以上の層が一緒に押出される。
【0084】
ある実施形態において、本発明の固形経口剤形において使用される活性薬剤は、とりわけ、ACE阻害剤、腺下垂体ホルモン、アドレナリン作動性ニューロン遮断剤、副腎皮質ステロイド、副腎皮質ステロイドの生合成阻害剤、アルファ−アドレナリン作動性作動薬、アルファ−アドレナリン作動性拮抗薬、選択的アルファ−2−アドレナリン作動性作動薬、鎮痛剤、解熱剤、抗炎症剤、男性ホルモン、局所および全身麻酔剤、抗耽溺剤、抗男性ホルモン、抗不整脈剤、抗喘息剤、抗コリン作動剤、抗コリンエステラーゼ剤、抗凝固剤、抗糖尿病剤、下痢止め剤、抗利尿薬、抗嘔吐剤、胃腸運動改善剤、抗てんかん薬、抗エストロゲン薬、抗真菌剤、抗高血圧剤、抗菌剤、抗片頭痛剤、抗ムスカリン剤、抗新生物剤、抗寄生虫剤、抗パーキンソン病剤、抗血小板剤、抗黄体ホルモン、抗統合失調剤、抗甲状腺剤、鎮咳剤、抗ウイルス剤、非定型抗うつ剤、アザスピロデカンジオン、バルビツレート、ベンゾジアゼピン、ベンゾチアジアジド、ベータ−アドレナリン作動性作動薬、ベータ−アドレナリン作動性拮抗薬、選択的ベータ−1−アドレナリン作動性拮抗薬、選択的ベータ−2−アドレナリン作動性作動薬、胆汁酸塩、体液の体積および組成に影響を及ぼす作用剤、ブチロフェノン、石灰化に影響を及ぼす作用剤、カルシウムチャネル遮断剤、心臓血管薬、カテコールアミンおよび交感神経作用薬、コリン作動性作動薬、コリンエステラーゼ再活性剤、避妊剤、皮膚用剤、ジフェニルブチルピペリジン、利尿薬、麦角アルカロイド、エストロゲン、神経節遮断剤、神経節刺激剤、ヒダントイン、胃酸制御剤および十二指腸潰瘍の治療剤、造血剤、ヒスタミン、ヒスタミン拮抗薬、ホルモン、5−ヒドロキシトリプタミン拮抗薬、高リポタンパク血症の治療薬、催眠薬、鎮静薬、免疫抑制剤、緩下剤、メチルキサンチン、モンカミン(moncamine)酸化酵素阻害剤、神経筋遮断剤、有機ニトレート、オピオイド作動薬、オピオイド拮抗薬、膵酵素、フェノチアジン、プロゲスチン、プロスタグランジン、精神障害を治療するための作用剤、レチノイド、ナトリウムチャネル遮断剤、痙性および急性筋痙攣用の作用剤、スクシンイミド、テストステロン、チオキサンチン、血栓溶解剤、甲状腺剤、三環系抗うつ剤、有機化合物の気管輸送阻害剤、子宮運動に影響を及ぼす薬物、血管拡張剤、ビタミンおよびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0085】
ある実施形態において、活性薬剤は、オピオイド作動薬である。そのような実施形態において、オピオイド作動薬は、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、デソモルヒネ、デキストロモルアミド、デゾシン、ジアムプロミド、ジアモルホン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルアムブテン、ジオキサフェチルブチレート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルヒネ、ミロフィン、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルホン、パパベレツム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロヘプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、スフェンタニル、チリジン、トラマドール、それらの薬学的に許容できる塩およびそれらの混合物からなる群から選択される。ある実施形態において、オピオイド作動薬は、コデイン、フェンタニル、ヒドロモルホン、ヒドロコドン、オキシコドン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、モルヒネ、トラマドール、オキシモルホン、薬学的に許容できるそれらの塩およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0086】
ある実施形態において、オピオイド作動薬は、コデイン、モルヒネ、オキシコドン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、オキシモルホン、タペンタドール、または薬学的に許容できる塩、その水和物および溶媒和物、ならびに前記のいずれかの混合物からなる群から選択される。ある実施形態において、オピオイド作動薬は、オキシコドンまたは薬学的に許容できるその塩である。ある好ましい実施形態において、オピオイド作動薬は、オキシコドン塩酸塩である。
【0087】
ある実施形態において、本発明の固形経口剤形は、オピオイド拮抗薬である活性薬剤を含んでおり、例えば、固形経口剤形は、オピオイド作動薬およびオピオイド拮抗薬を含む。そのような実施形態において、オピオイド拮抗薬は、アミフェナゾール、ナルトレキソン、メチルナルトレキソン、ナロキソン、ナルブフィン、ナロルフィン、ジニコチン酸ナロルフィン、ナルメフェン、ナダイド、レバロルファン、シクロゾシン、薬学的に許容できるそれらの塩およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0088】
ある実施形態において、本発明の固形経口剤形は、非オピオイド鎮痛薬である活性薬剤を含む。そのような実施形態において、非オピオイド鎮痛薬は、アスピリン、セレコキシブ、イブプロフェン、ジクロフェナク、ナプロキセン、ベンゾキサプロフェン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、フルブフェン、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピロプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラモプロフェン、ムロプロフェン、トリオキサプロフェン、スプロフェン、アミノプロフェン、チアプロフェン酸、フルプロフェン、ブクロキシ酸、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ゾメピラク、チオピナク、ジドメタシン、アセメタシン、フェンチアザク、クリダナク、オキシピナク、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルム酸、トルフェナム酸、ジフルリサル、フルフェニサル、ピロキシカム、スドキシカム、イソキシカム、薬学的に許容できるそれらの塩およびそれらの混合物からなる群から選択される非ステロイド性抗炎症剤である。
【0089】
本発明の固形経口剤形は、ある指定の条件下で、例えば、12時間(すなわち、1日2回)、または24時間(すなわち1日1回)用の製剤をもたらすよう、活性薬剤のある所望の放出速度を有するように製剤化され得る。
【0090】
12時間用の製剤の場合、剤形は、37℃において模擬胃液(SGF)700ml中、100rpmにてUSPバスケット法により1時間、およびその後に37℃でpH7.5においてリン酸緩衝液を含む模擬胃液(SGF)900mlに変更することにより測定した場合、活性薬剤の少なくとも約15重量%が1時間目に放出され、活性薬剤の約25重量%〜約65重量%が2時間目に放出され、活性薬剤の約45重量%〜約85重量%が4時間目に放出され、活性薬剤の少なくとも約60重量%が8時間目に放出される、活性薬剤(例えば、オキシコドン塩酸塩などのオピオイド鎮痛薬)のインビトロ溶出放出速度を、例えば実現することができる。
【0091】
24時間用の製剤の場合、剤形は、37℃において模擬胃液(SGF)700ml中、100rpmにてUSPバスケット法により1時間、およびその後に37℃でpH7.5においてリン酸緩衝液を含む模擬胃液(SGF)900mlに変更することにより測定した場合、活性薬剤の少なくとも約20重量%が4時間目に放出され、活性薬剤の約20重量%〜約65重量%が8時間目に放出され、活性薬剤の約45重量%〜約85重量%が12時間目に放出され、活性薬剤の少なくとも約80重量%が24時間目に放出される、活性薬剤(例えば、オキシコドン塩酸塩などのオピオイド鎮痛薬)のインビトロ溶出放出速度を、例えば実現することができる。
【0092】
ある実施形態において、本剤形は、アルコールの存在下で、それらの中に含有している活性薬剤の用量ダンピングに抵抗性を示す。例えば、オピオイド作動薬(オキシコドン塩酸塩など)を含むある実施形態において、USP装置IIを使用して、50rpmで40%EtOHを含む900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、1時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、USP装置IIを使用して、50rpmでEtOHを含まない900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、1時間目に放出されるオピオイド作動薬の量以下である。
【0093】
ある実施形態において、USP装置IIを使用して、50rpmで40%EtOHを含む900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、1時間目に放出されるオピオイド作動薬(例えば、オキシコドン塩酸塩)の量が、USP装置IIを使用して、50rpmでEtOHを含まない900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、1時間目に放出されるオピオイド作動薬の量未満である。
【0094】
ある実施形態において、USP装置IIを使用して、50rpmで40%EtOHを含む900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、1時間目に放出されるオピオイド作動薬(例えば、オキシコドン塩酸塩)の量が、USP装置IIを使用して、50rpmでEtOHを含まない900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、1時間目に放出されるオピオイド作動薬の量の25%(w/w)以内である。
【0095】
ある実施形態において、USP装置IIを使用して、50rpmで40%EtOHを含む900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、1時間目に放出されるオピオイド作動薬(例えば、オキシコドン塩酸塩)の量が、USP装置IIを使用して、50rpmでEtOHを含まない900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、1時間目に放出されるオピオイド作動薬の量の10%(w/w)以内である。
【0096】
ある実施形態において、USP装置IIを使用して、50rpmで40%EtOHを含む900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、2時間目に放出されるオピオイド作動薬(例えば、オキシコドン塩酸塩)の量が、USP装置IIを使用して、50rpmでEtOHを含まない900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、2時間目に放出されるオピオイド作動薬の量以下である。
【0097】
ある実施形態において、USP装置IIを使用して、50rpmで40%EtOHを含む900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、2時間目に放出されるオピオイド作動薬(例えば、オキシコドン塩酸塩)の量が、USP装置IIを使用して、50rpmでEtOHを含まない900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、2時間目に放出されるオピオイド作動薬の量未満である。
【0098】
ある実施形態において、USP装置IIを使用して、50rpmで40%EtOHを含む900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、2時間目に放出されるオピオイド作動薬(例えば、オキシコドン塩酸塩)の量が、USP装置IIを使用して、50rpmでEtOHを含まない900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、2時間目に放出されるオピオイド作動薬の量の25%(w/w)以内である。
【0099】
ある実施形態において、USP装置IIを使用して、50rpmで40%EtOHを含む900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、2時間目に放出されるオピオイド作動薬(例えば、オキシコドン塩酸塩)の量が、USP装置IIを使用して、50rpmでEtOHを含まない900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、2時間目に放出されるオピオイド作動薬の量の10%(w/w)以内である。
【0100】
ある実施形態において、USP装置IIを使用して、50rpmで40%EtOHを含む900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、4時間目に放出されるオピオイド作動薬(例えば、オキシコドン塩酸塩)の量が、USP装置IIを使用して、50rpmでEtOHを含まない900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、4時間目に放出されるオピオイド作動薬の量以下である。
【0101】
ある実施形態において、USP装置IIを使用して、50rpmで40%EtOHを含む900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、4時間目に放出されるオピオイド作動薬(例えば、オキシコドン塩酸塩)の量が、USP装置IIを使用して、50rpmでEtOHを含まない900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、4時間目に放出されるオピオイド作動薬の量未満である。
【0102】
ある実施形態において、USP装置IIを使用して、50rpmで40%EtOHを含む900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、4時間目に放出されるオピオイド作動薬(例えば、オキシコドン塩酸塩)の量が、USP装置IIを使用して、50rpmでEtOHを含まない900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、4時間目に放出されるオピオイド作動薬の量の25%(w/w)以内である。
【0103】
ある実施形態において、USP装置IIを使用して、50rpmで40%EtOHを含む900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、4時間目に放出されるオピオイド作動薬(例えば、オキシコドン塩酸塩)の量が、USP装置IIを使用して、50rpmでEtOHを含まない900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、4時間目に放出されるオピオイド作動薬の量の10%(w/w)以内である。
【0104】
ある実施形態において、1時間目に放出されるオピオイド作動薬(例えば、オキシコドン塩酸塩)の量が、37℃において酵素不含模擬胃液(SGF)900ml中で100rpmにてUSP装置1(バスケット)内のインビトロ溶出により測定すると、約10%(w/w)〜約30%(w/w)である。
【0105】
ある実施形態において、2時間目に放出されるオピオイド作動薬(例えば、オキシコドン塩酸塩)の量が、37℃において酵素不含模擬胃液(SGF)900ml中で100rpmにてUSP装置1(バスケット)内のインビトロ溶出により測定すると、約25%(w/w)〜約50%(w/w)である。
【0106】
ある実施形態において、4時間目に放出されるオピオイド作動薬(例えば、オキシコドン塩酸塩)の量が、37℃において酵素不含模擬胃液(SGF)900ml中で100rpmにてUSP装置1(バスケット)内のインビトロ溶出により測定すると、約40%(w/w)〜約80%(w/w)である。
【0107】
ある実施形態において、8時間目に放出されるオピオイド作動薬(例えば、オキシコドン塩酸塩)の量が、37℃において酵素不含模擬胃液(SGF)900ml中で100rpmにてUSP装置1(バスケット)内のインビトロ溶出により測定すると、約65%(w/w)〜約95%(w/w)である。
【0108】
ある実施形態において、12時間目に放出されるオピオイド作動薬(例えば、オキシコドン塩酸塩)の量が、37℃において酵素不含模擬胃液(SGF)900ml中で100rpmにてUSP装置1(バスケット)内のインビトロ溶出により測定すると、約80%(w/w)を超える。
【0109】
ある実施形態において、1時間目に放出されるオピオイド作動薬(例えば、オキシコドン塩酸塩)の量が、37℃において酵素不含模擬胃液(SGF)900ml中で100rpmにてUSP装置1(バスケット)内のインビトロ溶出により測定すると、約15%(w/w)〜約25%(w/w)である。
【0110】
ある実施形態において、2時間目に放出されるオピオイド作動薬(例えば、オキシコドン塩酸塩)の量が、37℃において酵素不含模擬胃液(SGF)900ml中で100rpmにてUSP装置1(バスケット)内のインビトロ溶出により測定すると、約30%(w/w)〜約40%(w/w)である。
【0111】
ある実施形態において、4時間目に放出されるオピオイド作動薬(例えば、オキシコドン塩酸塩)の量が、37℃において酵素不含模擬胃液(SGF)900ml中で100rpmにてUSP装置1(バスケット)内のインビトロ溶出により測定すると、約55%(w/w)〜約75%(w/w)である。
【0112】
ある実施形態において、8時間目に放出されるオピオイド作動薬(例えば、オキシコドン塩酸塩)の量が、37℃において酵素不含模擬胃液(SGF)900ml中で100rpmにてUSP装置1(バスケット)内のインビトロ溶出により測定すると、約75%(w/w)〜約85%(w/w)である。
【0113】
ある実施形態において、12時間目に放出されるオピオイド作動薬(例えば、オキシコドン塩酸塩)の量が、37℃において酵素不含模擬胃液(SGF)900ml中で100rpmにてUSP装置1(バスケット)内のインビトロ溶出により測定すると、約90%(w/w)を超える。
【0114】
ある実施形態において、37℃において酵素不含模擬胃液(SGF)900ml中で100rpmにてUSP装置1(バスケット)内のインビトロ溶出により測定すると、1時間目に放出されるオピオイド作動薬(例えば、オキシコドン塩酸塩)の量が、約10%(w/w)〜約30%(w/w)であり、2時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、約25%(w/w)〜約50%(w/w)であり、4時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、約40%(w/w)〜約80%(w/w)であり、8時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、約65%(w/w)〜約95%(w/w)であり、12時間目に放出されるオピオイド作動薬の量は、約80%(w/w)を超える。
【0115】
ある実施形態において、37℃において酵素不含模擬胃液(SGF)900ml中で100rpmにてUSP装置1(バスケット)内のインビトロ溶出により測定すると、1時間目に放出されるオピオイド作動薬(例えば、オキシコドン塩酸塩)の量が、約15%(w/w)〜約25%(w/w)であり、2時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、約30%(w/w)〜約40%(w/w)であり、4時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、約55%(w/w)〜約75%(w/w)であり、8時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、約75%(w/w)〜約85%(w/w)であり、12時間目に放出されるオピオイド作動薬の量は、約90%(w/w)を超える。
【0116】
ある実施形態において、本発明の固形経口剤形は、剤形に力を適用した場合(例えば、ハンマーによる打撃による)、破壊することがないまたは粉々にならない不正改変抵抗特性を実証する。代わりに、固形経口剤形は、破壊または粉々になることなく平坦化する。この特性により、粉々になった錠剤の粉末を吸引する、錠剤をかむ、または粉々になった錠剤から調製される溶液を注射することによる、固形経口剤形の乱用が一層困難になる。
【0117】
ある実施形態において、固形経口剤形を破壊することなく平坦化することができ、平坦化後の剤形の厚さが、平坦化前の剤形の厚さの約60%以下に相当する。
【0118】
ある実施形態において、剤形を破壊することなく平坦化することができ、平坦化後の剤形の厚さが、平坦化前の剤形の厚さの約50%以下に相当する。
【0119】
ある実施形態において、剤形を破壊することなく平坦化することができ、平坦化後の剤形の厚さが、平坦化前の剤形の厚さの約40%以下に相当する。
【0120】
ある実施形態において、剤形を破壊することなく平坦化することができ、平坦化後の剤形の厚さが、平坦化前の剤形の厚さの約30%以下に相当する。
【0121】
ある実施形態において、剤形を破壊することなく平坦化することができ、平坦化後の剤形の厚さが、平坦化前の剤形の厚さの約20%以下に相当する。
【0122】
ある実施形態において、平坦化剤形から0.5時間目に放出されるオピオイド作動薬の量は、37℃において酵素不含模擬胃液(SGF)900ml中、100rpmにてUSP装置1(バスケット)内のインビトロ溶出により測定すると、非平坦化剤形から約20%ポイント以下逸脱する。
【0123】
ある実施形態において、平坦化剤形から0.5時間目に放出されるオピオイド作動薬の量は、37℃において酵素不含模擬胃液(SGF)900ml中、100rpmにてUSP装置1(バスケット)内のインビトロ溶出により測定すると、非平坦化剤形から約15%ポイント以下逸脱する。
【0124】
ある実施形態において、平坦化剤形から0.5時間目に放出されるオピオイド作動薬の量は、37℃において酵素不含模擬胃液(SGF)900ml中、100rpmにてUSP装置1(バスケット)内のインビトロ溶出により測定すると、非平坦化剤形から約10%ポイント以下逸脱する。
【0125】
ある実施形態において、本発明による固形経口剤形は、以下にさらに記載される調製法により調製される。
【0126】
本発明はまた、以下にさらに記載される調製法により得られる固形経口剤形に関する。
【0127】
治療方法
本発明は、本明細書に記載されている固形経口剤形のいずれかを、それを必要とする患者に投与するステップを含む、疾患または状態を治療する方法をさらに対象とする。ある実施形態において、患者は、疼痛、下痢、または便秘のために治療される。固形経口剤形がオピオイド鎮痛薬(例えば、オキシコドン塩酸塩)を含むある実施形態において、患者は疼痛のために治療される。
【0128】
本発明の治療法は、本明細書に記載される固形経口剤形を、他の医薬組成物と一緒に投与するステップを含むことができる。ある実施形態において、他の医薬組成物は、同じ状態または疾患を治療するために投与される。他の実施形態において、他の医薬組成物は、異なる状態または疾患を治療するために投与される。
【0129】
ある実施形態において、本発明の治療法は、患者がどのように活性薬剤を代謝するか、または患者がどのように活性薬剤に応答するかを監視するステップをさらに含む。ある実施形態において、本治療法は、前記監視に応答して、固形経口剤形の用量を変更するステップをさらに含む。ある実施形態において、患者への固形経口剤形の投与前に、あるベースライン測定を行う。
【0130】
調製方法
本発明は、本明細書において開示されている固形経口剤形を調製する方法をさらに対象とする。ある実施形態において、本方法は少なくとも以下のステップ、
a)中性アクリルポリマーを含む分散(例えば、水性分散液)を乾燥し、精製中性アクリルポリマーを得るステップ、
b)上記精製中性アクリルポリマーと、少なくとも活性薬剤とを混合し、ブレンドを得るステップであり、かつ同時および/または続いて
c)上記ブレンドをさらに加工して、固形経口剤形を得るステップ、
を含む。
【0131】
あるそのような実施形態において、乾燥は、真空乾燥、凍結乾燥、鍋乾燥、オーブン乾燥、冷凍乾燥、および/または蒸発により行われる。好ましくは、この乾燥は、真空乾燥またはオーブン乾燥により行われる。好ましい一実施形態において、この乾燥は真空乾燥により行われる。他の好ましい実施形態において、この乾燥はオーブン乾燥によって行われる。
【0132】
所望の乾燥レベルに応じて、ある比率の水が、精製中性アクリルポリマーに残存してもよい。ある実施形態において、精製中性アクリルポリマー(乾燥によりステップa)において得られる、かつ/またはステップb)においてさらに使用される)は、固体または半固体の形態、例えば、粉末、フィルム、顆粒、パステル、または濃縮湿潤物質の形態とすることができる。
【0133】
好ましい実施形態において、中性アクリルポリマーを含む水性分散液を乾燥することにより、ステップa)で得られた精製中性アクリルポリマーは、約20%(w/w)未満の水、もしくは約15%(w/w)未満の水、好ましくは約10%(w/w)未満の水、もしくは約5%(w/w)未満の水、より好ましくは約3%(w/w)未満の水、および最も好ましくは約1%(w/w)未満の水を含む。例えば、本発明の精製中性アクリルポリマーは、0〜8%(w/w)の残留水、および/または0〜5%(w/w)の残留有機溶媒(エタノールまたはメタノールなど)、および/または0〜3%(w/w)の乳化剤を含んでもよい。
【0134】
乾燥状態に応じて、乾燥後に得られる精製中性アクリルポリマーは、例えば、シートの形態とすることができ、また、ステップb)において該ポリマーと、活性薬剤および場合により固形経口剤形の他の賦形剤とを混合する前に、精製中性アクリルポリマーのサイズを縮小するのが適することがある。こうして、ステップa)において、水性分散液を乾燥することにより得られる精製中性アクリルポリマーは、続いてミル粉砕することができる。ある実施形態において、ミル粉砕手順は、精製中性アクリルポリマーを裁断、スライスまたは破壊することにより加工される。
【0135】
ある実施形態においては、ミル粉砕はドライアイスの存在下で行われる。
【0136】
ステップa)が乾燥工程、およびその後のミル粉砕工程を含む、ある実施形態において、精製中性アクリルポリマーは、ミル粉砕した後にスクリーンに通される。例えば、精製中性アクリルポリマーは、適切なサイズのU.S.メッシュスクリーン、例えば、#14 U.S.メッシュスクリーンまたは#18 U.S.メッシュスクリーンに通すことができる。
【0137】
ステップb)において、場合によりにミル粉砕された、またはミル粉砕してスクリーンを通された精製中性アクリルポリマーは、活性薬剤の他に、ポリマー、ポロキサマー、膨張剤、放出調節剤、可塑剤、安定剤、希釈剤、滑沢剤、結合剤、造粒助剤、着色剤、香味剤、および流動促進剤からなる群から選択される少なくとも1種の賦形剤とさらに混合することができる。
【0138】
ある実施形態において、精製中性アクリルポリマーは、ステップb)において、ポリマーとさらに混合される。あるそのような実施形態において、このポリマーはポリエチレンオキシドである。このポリエチレンオキシドは、高分子量ポリエチレンオキシド、低分子量ポリエチレンオキシド、またはそれらの混合物である。好ましくは、ポリエチレンオキシドは、低分子量ポリエチレンオキシドである。例えば、ポリエチレンオキシドは、レオロジー的測定に基づいて、約10,000ドルトン〜約750,000ドルトンの近似分子量、好ましくはレオロジー的測定に基づいて約50,000ドルトン〜約500,000ドルトンの近似分子量、最も好ましくはレオロジー的測定に基づいて、約75,000ドルトン〜約300,000ドルトンの近似分子量を有する。
【0139】
ステップb)において混合される精製中性アクリルポリマー、活性薬剤、および任意選択のさらなる成分(例えばポリエチレンオキシド)の量は、固形経口剤形の上記組成の特徴(比率)が実現するよう、好ましくは選択される。
【0140】
ステップc)において得られる固形経口剤形は、錠剤などの単一剤形とすることができる。あるいは、固形経口剤形は、例えば、カプセルに充填されるか、または錠剤に圧縮される多粒子物(ペレットまたは球状)の形態をしている。
【0141】
好ましい実施形態において、固形経口剤形は、精製中性アクリルポリマーおよび活性薬剤を含むマトリックス製剤を含む。最も好ましくは、マトリックス製剤は、制御放出マトリックス製剤である。
【0142】
ある実施形態において、ブレンドは、ステップc)において、直接圧縮ステップ、押出ステップ、湿式造粒ステップ、乾式造粒ステップ、ホット成形ステップ、または熱圧縮ステップを施すことによりさらに加工される。
【0143】
一実施形態において、ブレンドは、ステップc)において、直接圧縮ステップを施すことにより、さらに加工され、錠剤または多粒子の形態のどちらかの単位固形経口剤形を生じる。
【0144】
ある実施形態において、ブレンドは、ステップc)において、直接圧縮ステップとその後に硬化ステップとを施すことにより、さらに加工される。硬化ステップの条件は、固形経口剤形中に存在している、精製中性アクリルポリマーおよび任意選択のポリエチレンオキシドの量にとりわけ依存する。適切な条件は、以下にさらに記載される。
【0145】
ある好ましい実施形態において、ブレンドは、ステップc)において、押出ステップを施すことによりさらに加工される。押出ステップは、溶融押出ステップ(例えば、約100℃〜約120℃の温度)とすることができる。得られた押出物は、その後に、好ましくは錠剤の形態の単一剤形に分割することができる。あるいは、ステップc)において得られる押出物は、その後に、好ましくはペレットまたは球の形態の多粒子物に分割される。多粒子物は、カプセルに充填することができ、または圧縮して錠剤にすることができる(例えば、充填剤または結合剤などの他の賦形剤と共に)。あるそのような実施形態において、押出物は、分割前に冷却させない。
【0146】
ある実施形態において、本方法は、少なくとも以下のステップ:(i)精製中性アクリルポリマーと活性薬剤とを(例えば、押出成形器中で)混合するステップ、(ii)該混合物をストランドとして押出するステップ;(iii)場合により、該ストランドを冷却するステップ、および(iv)該ストランドを単位用量に分割するステップを含む。分割済み単位用量は、単一錠剤(成形済みまたは未成形)の形態とするか、またはその後に錠剤に圧縮するか、またはカプセルに含有させる多粒子形態とすることができる。ある実施形態において、本方法は、少なくとも以下のステップ(i)精製中性アクリルポリマー、活性薬剤およびポリエチレンオキシドを(例えば、押出成形器中で)混合するステップ、(ii)該混合物をストランドとして押出するステップ;(iii)場合により、該ストランドを冷却するステップ、および(iv)該ストランドを単位用量に分割するステップを含む。上で説明した通り、本明細書に記載されている精製中性アクリルポリマーを使用する、本発明による固形経口剤形はさらに、押出以外の方法により調製することができる。例えば、成分をブレンドして直接圧縮することができ、または成分を湿式もしくは乾式造粒し、その後に圧縮するかもしくはカプセルに含有させることができる。
【0147】
押出が関与する実施形態において、押出されたストランドの形状は、例えば、該ストランドが押出される開口部の形状を変更することにより、または個々に分割されるストランドの各々の長さを変更することにより、変えることができる。押出したストランドを分割した後、様々な形状のペレットが様々なストランドの形状から生じることになり、これにより、活性薬剤の種類および特定の剤形に応じて、有益性が付与されることになろう。押出されたストランドは、室温、または室温よりも低い温度で冷却してもよい。押出されたストランドはまた、押出した後、特定の時間量の間、様々な温度で段階的に冷却してもよい。ストランドを冷却する速度および温度を制御することにより、冷却ストランドに対して(溶出プロファイルに影響を及ぼし得る)特定の形状を付与することができる。ある実施形態において、非常にわずかに、または全く冷却しない後にストランドに分割すると有利なことがある;分割ペレットは冷たいので、ペレットが膨張(または収縮)し、これによりほぼ球状をとるようになる。
【0148】
固形経口剤形の調製はまた、追加的な薬学的に許容できる成分、例えば、滑沢剤、結合剤、造粒助剤、希釈剤、着色剤、香味剤(例えば、苦味剤)および流動促進剤の組入れも含むことができる。
【0149】
バルク粉末
本発明は、精製中性アクリルポリマーおよび活性薬剤を含むバルク粉末をさらに対象とする。ある実施形態において、精製中性アクリルポリマーは、真空乾燥、凍結乾燥、鍋乾燥、冷凍乾燥、またはオーブン乾燥により乾燥される。本発明のバルク粉末は、例えば、本明細書に記載されている固形経口剤形を調製するために使用することができる。本発明のバルク粉末は、例えば、本明細書に記載されている調製方法(例えば押出を含む)において使用することができる。
【0150】
硬化製剤
ある実施形態において、特に、固形経口剤形が、精製中性アクリルポリマーおよび活性薬剤ならびに場合によりポリエチレンオキシドを含むブレンドを直接圧縮することにより調製される、ある実施形態において、本発明の方法は、ステップc)において、最終剤形を硬化するステップをさらに含んでもよい。硬化とは、剤形における機能的または物理的変化を得るために、指定時間、熱または電磁放射などの特定の条件に剤形をさらす工程のことである。機能的変化は、実質的に経時的な変化をしない溶出プロファイルを示す剤形とすることができる。物理的変化とは、特定のポリマー(例えば、ポリエチレンオキシド)の硬化、または剤形に含まれ得る特定のポリマー(例えば、中性アクリルポリマー)によりもたらされる安定な溶出プロファイルとすることができる。
【0151】
制御放出製剤中にポリエチレンオキシドを含む実施形態については、硬化ステップは、製剤中のポリエチレンオキシドを少なくとも部分的に融解することを含んでよい。ある実施形態において、製剤中のポリエチレンオキシドの少なくとも約20%または少なくとも約30%が融解する。好ましくは、製剤中のポリエチレンオキシドの少なくとも約40%、または少なくとも約50%、または少なくとも約60%、または少なくとも約75%、または少なくとも約90%が、硬化ステップ中に融解する。好ましい実施形態において、ポリエチレンオキシドの約100%が融解する。
【0152】
他の実施形態において、硬化ステップは、ある期間にわたって製剤を高温にさらすことを含む。そのような実施形態において、硬化温度は、ポリエチレンオキシドの軟化温度と少なくとも同じ高さである。ある実施形態によれば、硬化温度は、少なくとも約60℃、少なくとも約62℃、約62℃から約90℃まで、約62℃から約85℃まで、約62℃から約80℃まで、約65℃から約90℃まで、約65℃から約85℃まで、または約65℃から約80℃までの範囲である。硬化温度は、好ましくは、約68℃から約90℃まで、約68℃から約85℃まで、約68℃から約80℃まで、約70℃から約90℃まで、約70℃から約85℃まで、約70℃から約80℃まで、約72℃から約90℃まで、約72℃から約85℃までまたは約72℃から約80℃までの範囲である。硬化温度は、少なくとも約60℃、少なくとも約62℃、約90℃未満または約80℃未満であってよい。好ましくは、それは、約62℃から約72℃までまたは約68℃から約72℃までの範囲である。好ましくは、硬化温度は、ポリエチレンオキシドの軟化温度範囲の下限と少なくとも同じ高さ、または少なくとも約62℃、または少なくとも約68℃である。さらなる実施形態において、硬化温度は、ポリエチレンオキシドの軟化温度範囲の上限と少なくとも同じ高さであり、または少なくとも約72℃である。さらなる実施形態において、硬化温度は、ポリエチレンオキシドの軟化温度範囲の上限よりも高く、または少なくとも約75℃、または少なくとも約80℃である。
【0153】
硬化ステップが、ある期間にわたって製剤を高温にさらすものであるそれらの実施形態において、この期間は、以下で硬化時間と呼ばれる。硬化時間の測定のためには、硬化ステップの始点および終点が定義される。本発明の目的のために、硬化ステップの始点は、硬化温度に到達する時点であると定義される。
【0154】
ある実施形態において、硬化ステップ中の温度プロファイルは、硬化の始点と終点との間でプラトー様形態を示す。そのような実施形態において、硬化ステップの終点は、例えば、加熱を終わらせるか減らすことによりおよび/または続く冷却ステップを開始することにより、加熱が、停止されるか少なくとも減らされる時点であると定義され、温度は、続いて、約10℃を超えて硬化温度を下回るまでおよび/またはポリエチレンオキシドの軟化温度範囲の下限未満に、例えば、約62℃未満に降下する。硬化温度に到達し、したがって硬化ステップが開始される場合、硬化ステップの過程中に硬化温度からの逸脱が生じることがある。そのような逸脱は、それらが、約±10℃、好ましくは、約±6℃、より好ましくは、約±3℃の値を超えない限り容認される。例えば、少なくとも約75℃の硬化温度が維持される予定であれば、測定温度は、約85℃、約81℃、または約78℃の値まで一時的に増加してよく、測定温度は、約65℃、約69℃または約72℃の値まで一時的に低下してもよい。温度がより大きな減少の場合および/または温度が、ポリエチレンオキシドの軟化温度範囲の下限未満に、例えば、約62℃未満に降下する場合に、硬化ステップは中止され、すなわち、終点に到達する。硬化は、硬化温度に再び到達することにより再開することができる。
【0155】
他の実施形態において、硬化ステップ中の温度プロファイルは、硬化の始点と終点との間で放物線または三角形の形態を示す。このことは、始点、すなわち硬化温度に到達する時点の後に、温度が、さらに増加して最大値に到達し、次いで減少することを意味する。そのような実施形態において、硬化ステップの終点は、温度が硬化温度未満に降下する時点であると定義される。
【0156】
硬化のために使用される装置(すなわち、硬化装置)に応じて、硬化装置内の異なる温度を測定し、硬化温度を特徴付けることができる。
【0157】
ある実施形態において、硬化ステップは、オーブン中で生じてよい。そのような実施形態において、オーブン内部の温度が測定される。それに基づいて、硬化ステップが、オーブン中で生じる場合、硬化温度は、オーブンの目標内部温度であると定義され、硬化ステップの始点は、オーブンの内部温度が、硬化温度に到達する時点であると定義される。硬化ステップの終点は、(1)加熱が、停止されるか少なくとも減らされ、オーブン内部の温度が、続いて、プラトー様温度プロファイルで、約10℃を超えて硬化温度を下回るまでおよび/またはポリエチレンオキシドの軟化温度範囲の下限未満、例えば、約62℃未満に降下する時点、または(2)オーブン内部の温度が、放物線または三角形の温度プロファイルで硬化温度未満に降下する時点であると定義される。好ましくは、硬化ステップは、オーブン内部の温度が、少なくとも約62℃、少なくとも約68℃、少なくとも約70℃、少なくとも約72℃または少なくとも約75℃の硬化温度に到達する場合に開始する。好ましい実施形態において、硬化ステップ中の温度プロファイルは、プラトー様形態を示し、硬化温度、すなわち、オーブンの内部温度は、少なくとも約68℃、約70℃、約72℃、約73℃であるか、約70℃から約75℃までの範囲内にあり、硬化時間は、好ましくは、約30分から約20時間まで、約30分から約15時間まで、約30分から約4時間まで、または約30分から約2時間までの範囲である。ある実施形態において、硬化時間は、約30分から約90分までの範囲である。
【0158】
ある他の実施形態において、硬化は、空気流により加熱され、加熱空気供給(入口)および排気を含む硬化装置、例えば、コーティングパンまたは流動床中で生じる。そのような硬化装置は、以下、対流硬化装置と呼ばれるであろう。そのような硬化装置において、吸気の温度、すなわち、対流硬化装置に入る加熱空気の温度および/または排気の温度、すなわち、対流硬化装置を出る空気の温度を測定することが可能である。例えば、赤外線温度測定機器(IRガンなど)を使用することによりまたは製剤の近くの硬化装置内部に置かれた温度プローブを使用して温度を測定することにより、硬化ステップ中の対流硬化装置内部の製剤の温度を決定するか少なくとも推定することも可能である。それに基づいて、硬化ステップが、対流硬化装置中で生じる場合、硬化温度を定義することができ、硬化時間を下記の通り測定することができる。
【0159】
一実施形態(方法1)において、硬化温度は、目標吸気温度であると定義され、硬化ステップの始点は、吸気温度が硬化温度に到達する時点であると定義される。硬化ステップの終点は、(1)加熱が、停止されるか少なくとも減らされ、吸気温度が、続いて、プラトー様温度プロファイルで、約10℃を超えて硬化温度を下回るまでおよび/またはポリエチレンオキシドの軟化温度範囲の下限未満、例えば、約62℃未満に降下する時点、または(2)吸気温度が、放物線または三角形の温度プロファイルで硬化温度未満に降下する時点であると定義される。好ましくは、硬化ステップは、吸気温度が、少なくとも約62℃、少なくとも約68℃、少なくとも約70℃、少なくとも約72℃または少なくとも約75℃の硬化温度に到達する場合に、方法1に従って開始する。好ましい実施形態において、硬化ステップ中の温度プロファイルは、プラトー様形態を示し、硬化温度、すなわち、目標吸気温度は、好ましくは、少なくとも約72℃、例えば、約75℃であり、方法1に従って測定される硬化時間は、好ましくは、約15分から約2時間まで、例えば、約30分から約1時間の範囲である。
【0160】
別の実施形態(方法2)において、硬化温度は、目標排気温度であると定義され、硬化ステップの始点は、排気温度が硬化温度に到達する時点であると定義される。硬化ステップの終点は、(1)加熱が、停止されるか少なくとも減らされ、排気温度が、続いて、プラトー様温度プロファイルで、約10℃を超えて硬化温度を下回るまでおよび/またはポリエチレンオキシドの軟化温度範囲の下限未満、例えば、約62℃未満に降下する時点、または(2)排気温度が、放物線または三角形の温度プロファイルで硬化温度未満に降下する時点であると定義される。好ましくは、硬化ステップは、排気温度が、少なくとも約62℃、少なくとも約68℃、少なくとも約70℃、少なくとも約72℃または少なくとも約75℃の硬化温度に到達する場合に、方法2に従って開始する。好ましい実施形態において、硬化ステップ中の温度プロファイルは、プラトー様形態を示し、硬化温度、すなわち、目標排気温度は、好ましくは、少なくとも約68℃、少なくとも約70℃または少なくとも約72℃であり、例えば、目標排気温度は、約68℃、約70℃、約72℃、約75℃または約78℃であり、方法2に従って測定される硬化時間は、好ましくは、約1分から約2時間までまたは約5分から約90分までの範囲であり、例えば、硬化時間は、約5分、約10分、約15分、約30分、約60分、約70分、約75分または約90分である。より好ましい実施形態において、方法2に従って測定される硬化時間は、約15分から約1時間の範囲である。
【0161】
さらなる実施形態(方法3)において、硬化温度は、製剤の目標温度であると定義され、硬化ステップの始点は、例えば、IRガンにより測定することができる製剤の温度が、硬化温度に到達する時点であると定義される。硬化ステップの終点は、(1)加熱が、停止されるか少なくとも減らされ、製剤の温度が、続いて、プラトー様温度プロファイルで、約10℃を超えて硬化温度を下回るまでおよび/またはポリエチレンオキシドの軟化温度範囲の下限未満、例えば、約62℃未満に降下する時点、または(2)製剤の温度が、放物線または三角形の温度プロファイルで硬化温度未満に降下する時点であると定義される。好ましくは、硬化ステップは、製剤の温度が、少なくとも約62℃、少なくとも約68℃、少なくとも約70℃、少なくとも約72℃または少なくとも約75℃の硬化温度に到達する場合に、方法3に従って開始する。
【0162】
さらに別の実施形態(方法4)において、硬化温度は、製剤の近くにある硬化装置の内部に置かれているワイヤー熱電対などの温度プローブを使用して測定される目標温度であると定義され、硬化ステップの始点は、温度プローブを使用して測定される温度が、硬化温度に到達する時点であると定義される。硬化ステップの終点は、(1)加熱が、停止されるか少なくとも減らされ、温度プローブを使用して測定される温度が、続いて、プラトー様温度プロファイルで、約10℃を超えて硬化温度を下回るまでおよび/またはポリエチレンオキシドの軟化温度範囲の下限未満、例えば、約62℃未満に降下する時点、または(2)温度プローブを使用して測定される温度が、放物線または三角形の温度プロファイルで硬化温度未満に降下する時点であると定義される。好ましくは、硬化ステップは、温度プローブを使用して測定される温度が、少なくとも約62℃、少なくとも約68℃、少なくとも約70℃、少なくとも約72℃または少なくとも約75℃の硬化装置内の温度を記録する場合に開始する。好ましい実施形態において、硬化ステップ中の温度プロファイルは、プラトー様形態を示し、硬化温度は、少なくとも約68℃、例えば、約70℃であり、方法4に従って測定される硬化時間は、好ましくは、約15分から約2時間までの範囲または約60分もしくは約90分である。
【0163】
硬化が、対流硬化装置中で生じるならば、硬化時間は、上に記載されている方法のいずれかにより測定することができる。
【0164】
ある実施形態において、硬化温度は目標温度範囲と定義され、例えば、硬化温度は、目標吸気温度範囲または目標排気温度範囲と定義される。そのような実施形態において、硬化ステップの始点は、目標温度範囲の下限に到達する時点であると定義され、硬化ステップの終点は、加熱が、停止されるか少なくとも減らされ、温度が、続いて、約10℃を超えて目標温度範囲の下限を下回るまでおよび/またはポリエチレンオキシドの軟化温度範囲の下限未満、例えば、約62℃未満に降下する時点であると定義される。
【0165】
例えば、上に記載されている方法に従って測定することができる硬化時間、すなわち、製剤が、硬化温度にさらされる時間は、少なくとも約1分または少なくとも約5分である。硬化時間は、具体的な製剤および硬化温度に応じて、約1分から約24時間まで、約5分から約20時間まで、約10分から約15時間まで、約15分から約10時間まで、または約30分から約5時間まで変わることがある。ある実施形態によれば、硬化時間は、約15分から約30分まで変わる。硬化温度が、少なくとも約60℃、少なくとも約62℃、少なくとも約68℃、少なくとも約70℃、少なくとも約72℃または少なくとも約75℃であるか、約62℃から約85℃までまたは約65℃から約85℃まで変わるさらなる実施形態によれば、硬化時間は、好ましくは、少なくとも15分、少なくとも約30分、少なくとも約60分、少なくとも約75分、少なくとも約90分または少なくとも約120分である。硬化温度が、例えば、少なくとも約62℃、少なくとも約68℃、少なくとも約70℃、少なくとも約72℃または少なくとも約75℃であるか、約62℃から約80℃まで、約65℃から約80℃まで、約68℃から約80℃まで、約70℃から約80℃までまたは約72℃から約80℃までの範囲である好ましい実施形態において、硬化時間は、好ましくは、少なくとも約1分、少なくとも約5分、少なくとも約10分、少なくとも約15分または少なくとも約30分である。あるそのような実施形態において、硬化時間は、依然として望ましい結果(例えば、不正改変抵抗性の増加)を達成しながらできるだけ短いように選択することができる。例えば、硬化時間は、好ましくは、約5時間を超えず、約3時間を超えず、または約2時間を超えない。好ましくは、硬化時間は、約1分から約5時間まで、約5分から約3時間まで、約15分から約2時間まで、または約15分から約1時間の範囲である。本明細書に開示されるような硬化温度と硬化時間の任意の組合せは、本発明の範囲内にある。
【0166】
ある実施形態において、組成物は、製剤中に存在するポリエチレンオキシドが、その軟化温度に到達しかつ/または少なくとも部分的に融解するまで、硬化温度にさらされるに過ぎない。あるそのような実施形態において、硬化時間は、約5分未満であってよく、例えば、硬化時間は、0分超から約3時間まで、約1分から約2時間までまたは約2分から約1時間まで変わることがある。瞬間硬化は、ポリエチレンオキシドが、少なくとも部分的に融解するように、少なくともその軟化温度まで製剤中のポリエチレンオキシドの瞬間加熱を可能にする硬化装置を選択することにより可能である。そのような硬化装置は、例えば、マイクロ波オーブン、超音波装置、UV−照射装置などの光照射装置、超高周波(UHF)電磁界または当業者に知られている任意の他の装置である。
【0167】
製剤のサイズは、望ましい不正改変抵抗性を達成するために必要とされる硬化時間および硬化温度を決定することがある。
【0168】
ある実施形態において、硬化ステップは、製剤の密度の減少につながり、硬化製剤の密度が、硬化ステップに先立つ製剤の密度よりも低くなる。好ましくは、硬化製剤の密度は未硬化製剤の密度と比較して、少なくとも約0.5%減少する。より好ましくは、硬化製剤の密度は未硬化製剤の密度と比較して、少なくとも約0.7%、少なくとも約0.8%、少なくとも約1.0%、少なくとも約2.0%または少なくとも約2.5%減少する。
【0169】
ある実施形態において、固形制御放出剤形は、少なくとも1分、少なくとも5分または少なくとも15分にわたってポリエチレンオキシドの少なくとも軟化点の温度において硬化される。
【0170】
他の実施形態において、固形制御放出剤形は、約1分から約48時間まで、約5分から約24時間まで、約15分から約1時間または約30分までポリエチレンオキシドの少なくとも軟化点の温度において硬化される。
【0171】
固形制御放出剤形は、例えば、少なくとも約60℃、少なくとも約65℃、少なくとも約70℃、少なくとも約75℃の温度においてまたは約72℃の温度において硬化することができる。
【0172】
代替実施形態において、固形制御放出剤形は、約60℃から約90℃まで、約62℃から約72℃まで、約65℃から約85℃まで、約70℃から約80℃まで、約75℃から約80℃までまたは約70℃から約75℃までの温度において硬化することができる。
【0173】
平坦化手順
ある実施形態において、本発明の剤形は、活性物の放出または剤形の完全性を実質的に損なうことなく平坦化することができる。平坦度は、非平坦化形状の最小直径の厚さと比較した平坦化形状の最小直径の厚さの観点から記載される。この比較は、(i)初期形状が非球状である場合の非平坦化形状の最小直径の厚さかまたは(ii)初期形状が球状である場合の直径の厚さに基づいて、%厚さで表される。厚さは、厚さゲージ(例えば、デジタル厚さゲージまたはデジタルキャリパー)を使用して測定することができる。平坦化力は、任意の可能な方法により印加することができる。本発明の剤形を試験する目的のために、カーバー(carver)スタイルベンチプレスを(別段の規定がない限り)、目標平坦度/厚さ低減を達成するように使用することができる。本発明のある実施形態によれば、平坦化は、別々の断片への剤形の破壊をもたらすことはないが、エッジスプリットおよびクラックが起こることがある。
【0174】
本発明のある実施形態において、ハンマーを、剤形の平坦化のために使用することができる。そのようなプロセスにおいて、ハンマー打撃は、剤形の最も厚い寸法に実質的に垂直な方向から手動で印加することができる。次いで、平坦度は、上に開示されているのと同じように記載される。
【0175】
他の実施形態において、平坦化は、Schleuniger Apparatusを使用し、Remington's Pharmaceutical Sciences、第18版、1990年、第89章「Oral Solid Dosage Forms」1633〜1665頁に記載されているように、破壊強度または硬度試験に関連して測定することができる。そのような実施形態において、剤形は、力が、剤形の最も厚い寸法に実質的に垂直に印加され、それによって剤形を平坦化するように、平行に配置された一対の平板の間でプレスされる。剤形の平坦化は、破壊強度試験を実施する前の平坦化されている寸法の厚さを基準として、%平坦化の観点で記載することができる。破壊強度(または、硬度)は、試験剤形が破壊する時点での力と定義される。壊れないが、印加される力のために変形される剤形は、その特定の力において破壊抵抗性であると見なされる。
【0176】
「破砕に対して抵抗性の」という用語は、本発明のある実施形態の目的のために、約60%以下の厚さ、好ましくは、約50%以下の厚さ、より好ましくは、約40%以下の厚さ、さらにより好ましくは、約30%以下の厚さ、最も好ましくは、約20%以下の厚さ、10%の厚さまたは5%の厚さまで破壊せずに上に記載されているベンチプレスで平坦化することができる剤形を指すと定義される。
【0177】
ある実施形態において、平坦化剤形から0.5時間目に放出される活性薬剤(例えば、オピオイド鎮痛薬)の量は、37℃において酵素不含模擬胃液(SGF)900mL中で100rpmにてUSP装置1(バスケット)内のインビトロ溶出により測定すると、非平坦化剤形から0.5時間目に放出される量から約10%ポイント、15%ポイントまたは20%ポイント以下逸脱する。
【0178】
代替実施形態において、固形制御放出剤形は、破壊せずに平坦化することができ、平坦化後の剤形の厚さは、平坦化前の剤形の厚さの約60%以下、または平坦化前の剤形の厚さの約50%以下、または平坦化前の剤形の厚さの約40%以下、または平坦化前の剤形の厚さの約30%以下または平坦化前の剤形の厚さの約20%以下に相当する。
【0179】
使用
本発明は、好ましくは本明細書に記載されている通り、固形経口剤形の調製における、精製中性アクリルポリマーの使用をさらに対象とする。
【0180】
本発明は、好ましくは本明細書に記載されている通り、固形経口剤形の調製における、精製中性アクリルポリマー、および活性薬剤、ならびに場合によりポリエチレンオキシドを含むブレンドの使用も対象とする。
【0181】
ある実施形態において、ブレンドは、バルク粉末の形態にある。ある実施形態において、ブレンドは、20%(w/w)未満の水、もしくは10%(w/w)未満の水を含み、好ましくは5%(w/w)未満の水、または3%(w/w)未満の水を含む。ブレンドは、10%(w/w)未満の有機溶媒、好ましくは5%(w/w)未満の有機溶媒をさらに含み、最も好ましくは3%(w/w)未満または1%(w/w)未満の有機溶媒をさらに含む。
【0182】
本発明はまた、固形経口剤形の調製における、少なくとも1つの中性アクリルポリマー、少なくとも1つの活性薬剤、0〜8%(w/w)の水、および0〜5%(w/w)の有機溶媒(例えば、メタノールまたはエタノール)を含む組成物の使用も対象とする。好ましくは、本組成物は、ポリエチレンオキシドをさらに含む。
【0183】
本発明は、固形経口医薬剤形の調製に関する、少なくとも1つの中性アクリルポリマー、および少なくとも1つの活性薬剤を含む固形組成物の使用も対象とする。好ましくは、本組成物は、ポリエチレンオキシドをさらに含む。
【0184】
本発明は、疾患を治療するかまたは予防するための医薬の製造における、本明細書に記載されている固形経口剤形の使用も対象とする。本発明はまた、疼痛治療のための医薬の製造における本明細書に記載されている固形経口剤形の使用であって、該固形経口剤形がオピオイド作動薬を含む、使用も対象とする。
【0185】
本発明は、疼痛治療において使用するための本明細書に記載されている固形経口剤形であって、該固形経口剤形がオピオイド作動薬を含む、固形経口剤形も対象とする。
【0186】
さらなる実施形態
本発明はまた、以下の項目1〜102のさらなる実施形態も対象とする。
1.精製中性アクリルポリマー、および予防または治療有効量の活性薬剤を含む固形経口剤形。
2.精製中性アクリルポリマーが、中性アクリルポリマー水性分散液を乾燥したものに由来する、項目1の固形経口剤形。
3.精製中性アクリルポリマーが、中性アクリルポリマー水性分散液を真空乾燥したものに由来する、項目1の固形経口剤形。
4.精製中性アクリルポリマーが、中性アクリルポリマー水性分散液を凍結乾燥したものに由来する、項目1の固形経口剤形。
5.精製中性アクリルポリマーが、中性アクリルポリマー水性分散液を鍋乾燥したものに由来する、項目1の固形経口剤形。
6.精製中性アクリルポリマーが、中性アクリルポリマー水性分散液をオーブン乾燥したものに由来する、項目1の固形経口剤形。
7.精製中性アクリルポリマーが、ミル粉砕されている、項目2〜6のいずれかの固形経口剤形。
8.精製中性アクリルポリマーが、約20%(v/v)〜約50(w/w)の中性アクリルポリマーを含む水性分散液に由来する、項目1の固形経口剤形。
9.精製中性アクリルポリマーが、約30%(v/v)〜約40(w/w)の中性アクリルポリマーを含む水性懸濁液に由来する、項目1の固形経口剤形。
10.活性薬剤の制御放出を実現するのに有効な量の精製中性アクリルポリマーを含む、項目1の固形経口剤形。
11.約10%(w/w)〜約90%(w/w)の精製中性アクリルポリマーを含む、項目1の固形経口剤形。
12.約20%(w/w)〜約80%(w/w)の精製中性アクリルポリマーを含む、項目1の固形経口剤形。
13.約30%(w/w)〜約70%(w/w)の精製中性アクリルポリマーを含む、項目1の固形経口剤形。
14.約40%(w/w)〜約60%(w/w)の精製中性アクリルポリマーを含む、項目1の固形経口剤形。
15.精製中性アクリルポリマーが、約5%(w/w)未満の水を含む、項目1の固形経口剤形。
16.精製中性アクリルポリマーが、約3%(w/w)未満の水を含む、項目1の固形経口剤形。
17.精製中性アクリルポリマーが、約1%(w/w)未満の水を含む、項目1の固形経口剤形。
18.約1%(w/w)〜約50%(w/w)の活性薬剤を含む、項目1の固形経口剤形。
19.約5%(w/w)〜約40%(w/w)の活性薬剤を含む、項目1の固形経口剤形。
20.約10%(w/w)〜約30%(w/w)の活性薬剤を含む、項目1の固形経口剤形。
21.約15%(w/w)〜約25%(w/w)の活性薬剤を含む、項目1の固形経口剤形。
22.ポリマー、ポロキサマー、膨張剤、放出調節剤、可塑剤、安定剤、希釈剤、滑沢剤、結合剤、造粒助剤、着色剤、香味剤、および流動促進剤からなる群から選択される少なくとも1種の賦形剤をさらに含む、項目1の固形経口剤形。
23.賦形剤がポリマーである、項目22の固形経口剤形。
24.ポリマーがポリエチレンオキシドである、項目23の固形経口剤形。
25.ポリエチレンオキシドが低分子量ポリエチレンオキシドである、項目24の固形経口剤形。
26.ポリエチレンオキシドが、約10,000ダルトンから約750,000ダルトンの平均分子量を有する、項目25の固形経口剤形。
27.ポリエチレンオキシドが、約50,000ダルトンから約500,000ダルトンの平均分子量を有する、項目25の固形経口剤形。
28.ポリエチレンオキシドが、約75,000ダルトンから約300,000ダルトンの平均分子量を有する、項目25の固形経口剤形。
29.約5%(w/w)〜約60%(w/w)のポリエチレンオキシドを含む、項目24の固形経口剤形。
30.約10%(w/w)〜約50%(w/w)のポリエチレンオキシドを含む、項目24の固形経口剤形。
31.約15%(w/w)〜約40%(w/w)のポリエチレンオキシドを含む、項目24の固形経口剤形。
32.約20%(w/w)〜約30%(w/w)のポリエチレンオキシドを含む、項目24の固形経口剤形。
33.約10%(w/w)〜約90%(w/w)の精製中性アクリルポリマー、約1%(w/w)〜約50%(w/w)の活性薬剤、および約5%(w/w)〜約60%(w/w)のポリエチレンオキシドを含む、項目24の固形経口剤形。
34.約20%(w/w)〜約80%(w/w)の精製中性アクリルポリマー、約5%(w/w)〜約40%(w/w)の活性薬剤、および約10%(w/w)〜約50%(w/w)のポリエチレンオキシドを含む、項目24の固形経口剤形。
35.約30%(w/w)〜約70%(w/w)の精製中性アクリルポリマー、約10%(w/w)〜約30%(w/w)の活性薬剤、および約15%(w/w)〜約40%(w/w)のポリエチレンオキシドを含む、項目24の固形経口剤形。
36.約40%(w/w)〜約60%(w/w)の精製中性アクリルポリマー、約15%(w/w)〜約25%(w/w)の活性薬剤、および約20%(w/w)〜約30%(w/w)のポリエチレンオキシドを含む、項目24の固形経口剤形。
37.精製中性アクリルポリマーおよび活性薬剤が、押出したブレンドの形態にある、項目1の固形経口剤形。
38.精製中性アクリルポリマー、活性薬剤、およびポリエチレンオキシドは、押出したブレンドの形態にある、項目24の固形経口剤形。
39.押出したブレンドが、単一剤形の形態にある、項目37または項目38の固形経口剤形。
40.押出したブレンドが、多粒子の形態にある、項目37または項目38の固形経口剤形。
41.多粒子がペレットの形態にある、項目40の固形経口剤形。
42.ペレットが、平均径が約0.1mm〜約5mm、および平均高さが約0.1mm〜約5mmを有する、項目41の固形経口剤形。
43.ペレットが、平均径が約0.5mm〜約4mm、および平均高さが約0.5mm〜約4mmを有する、項目41の固形経口剤形。
44.ペレットが、平均径が約1mm〜約3mm、および平均高さが約0.5mm〜約4mmを有する、項目41の固形経口剤形。
45.ペレットが、平均径が約1.5mm〜約2.5mm、および平均高さが約1.5mm〜約2.5mmを有する、項目41の固形経口剤形。
46.粒子が球の形態にある、項目40の固形経口剤形。
47.球が、平均径が約0.1mm〜約5mmを有する、項目36の固形経口剤形。
48.球が、平均径が約0.5mm〜約4mmを有する、項目36の固形経口剤形。
49.球が、平均径が約1mm〜約3mmを有する、項目36の固形経口剤形。
50.球が、平均径が約1.5mm〜約2.5mmを有する、項目36の固形経口剤形。
51.多粒子が薬学的に許容できるカプセルに含有されている、項目40の固形経口剤形。
52.多粒子が圧縮されている、項目40の固形経口剤形。
53.活性薬剤が、ACE阻害剤、腺下垂体ホルモン、アドレナリン作動性ニューロン遮断剤、副腎皮質ステロイド、副腎皮質ステロイドの生合成阻害剤、アルファ−アドレナリン作動性作動薬、アルファ−アドレナリン作動性拮抗薬、選択的アルファ−2−アドレナリン作動性作動薬、鎮痛剤、解熱剤、抗炎症剤、男性ホルモン、局所および全身麻酔剤、抗耽溺剤、抗男性ホルモン、抗不整脈剤、抗喘息剤、抗コリン作動剤、抗コリンエステラーゼ剤、抗凝固剤、抗糖尿病剤、下痢止め剤、抗利尿薬、抗嘔吐剤、胃腸運動改善剤、抗てんかん薬、抗エストロゲン薬、抗真菌(antifingal)剤、抗高血圧剤、抗菌剤、抗片頭痛剤、抗ムスカリン剤、抗新生物剤、抗寄生虫剤、抗パーキンソン病剤、抗血小板剤、抗黄体ホルモン、抗統合失調剤、抗甲状腺剤、鎮咳剤、抗ウイルス剤、非定型抗うつ剤、アザスピロデカンジオン、バルビツレート(barbituate)、ベンゾジアゼピン、ベンゾチアジアジド、ベータ−アドレナリン作動性作動薬、ベータ−アドレナリン作動性拮抗薬、選択的ベータ−1−アドレナリン作動性拮抗薬、選択的ベータ−2−アドレナリン作動性作動薬、胆汁酸塩、体液の体積および組成に影響を及ぼす作用剤、ブチロフェノン、石灰化に影響を及ぼす作用剤、カルシウムチャネル遮断剤、心臓血管薬、カテコールアミンおよび交感神経作用薬、コリン作動性作動薬、コリンエステラーゼ再活性剤、避妊剤、皮膚用剤、ジフェニルブチルピペリジン、利尿薬、麦角アルカロイド、エストロゲン、神経節遮断剤、神経節刺激剤、ヒダントイン、胃酸制御剤および十二指腸潰瘍の治療剤、造血剤、ヒスタミン、ヒスタミン拮抗薬、ホルモン、5−ヒドロキシトリプタミン拮抗薬、高リポタンパク血症の治療薬、催眠薬、鎮静薬、免疫抑制剤、緩下剤、メチルキサンチン、モンカミン酸化酵素阻害剤、神経筋遮断剤、有機ニトレート、オピオイド作動薬、オピオイド拮抗薬、膵酵素、フェノチアジン、プロゲスチン、プロスタグランジン、精神障害を治療するための作用剤、レチノイド、ナトリウムチャネル遮断剤、痙性および急性筋痙攣用の作用剤、スクシンイミド、テストステロン、チオキサンチン、血栓溶解剤、甲状腺剤、三環系抗うつ剤、有機化合物の気管輸送阻害剤、子宮運動に影響を及ぼす薬物、血管拡張剤、ビタミンおよびそれらの混合物からなる群から選択される、項目1または項目24の固形経口剤形。
54.活性薬剤がオピオイド作動薬である、項目1または項目24の固形経口剤形。
55.オピオイド作動薬が、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、デソモルヒネ、デキストロモラミド、デゾシン、ジアンプロミド、ジアモルホン(diamorphone)、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアンブテン、酪酸ジオキサフェチル、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルヒネ、ミロフィン、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルホン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロヘプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、スフェンタニル、チリジン、トラマドール、薬学的に許容できるそれらの塩およびそれらの混合物からなる群から選択される、項目54の固形経口剤形。
56.オピオイド作動薬が、コデイン、フェンタニル、ヒドロモルホン、ヒドロコドン、オキシコドン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルヒネ、モルヒネ、トラマドール、オキシモルホン、薬学的に許容できるそれらの塩およびそれらの混合物からなる群から選択される、項目54の固形経口剤形。
57.オピオイド作動薬が、オキシコドンまたは薬学的に許容できるその塩である、項目54の固形経口剤形。
58.活性薬剤が、オピオイド拮抗薬である、項目1または項目24の固形経口剤形。
59.オピオイド拮抗薬が、アミフェナゾール、ナルトレキソン、メチルナルトレキソン、ナロキソン、ナルブフィン、ナロルフィン、ジニコチン酸ナロルフィン、ナルメフェン、ナダイド、レバロルファン、シクロゾシン、薬学的に許容できるそれらの塩およびそれらの混合物からなる群から選択される、項目58の固形経口剤形。
60.活性薬剤が、非オピオイド鎮痛薬である、項目1または項目24の固形経口剤形。
61.非オピオイド鎮痛薬が、アスピリン、セレコキシブ、イブプロフェン、ジクロフェナク、ナプロキセン、ベンゾキサプロフェン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、フルブフェン、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピロプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラモプロフェン、ムロプロフェン、トリオキサプロフェン、スプロフェン、アミノプロフェン、チアプロフェン酸、フルプロフェン、ブクロキシ酸、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ゾメピラク、チオピナク、ジドメタシン、アセメタシン、フェンチアザク、クリダナク、オキシピナク、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルム酸、トルフェナム酸、ジフルリサル、フルフェニサル、ピロキシカム、スドキシカム、イソキシカム、薬学的に許容できるそれらの塩およびそれらの混合物からなる群から選択される非ステロイド性抗炎症剤である、項目60の固形経口剤形。
62.USP装置IIを使用して、50rpmで40%EtOHを含む900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、1時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、USP装置IIを使用して、50rpmで900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、1時間目に放出されるオピオイド作動薬の量以下である、項目54の固形経口剤形。
63.USP装置IIを使用して、50rpmで40%EtOHを含む900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、1時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、USP装置IIを使用して、50rpmで900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、1時間目に放出されるオピオイド作動薬の量未満である、項目54の固形経口剤形。
64.USP装置IIを使用して、50rpmで40%EtOHを含む900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、1時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、USP装置IIを使用して、50rpmで900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、1時間目に放出されるオピオイド作動薬の量の25%(w/w)以内である、項目54の固形経口剤形。
65.USP装置IIを使用して、50rpmで40%EtOHを含む900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、1時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、USP装置IIを使用して、50rpmで900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、1時間目に放出されるオピオイド作動薬の量の10%(w/w)以内である、項目54の固形経口剤形。
66.USP装置IIを使用して、50rpmで40%EtOHを含む900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、2時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、USP装置IIを使用して、50rpmで900mLの0.1N HCl(pH 1.5)中において、2時間目に放出されるオピオイド作動薬の量以下である、項目54の固形経口剤形。
67.USP装置IIを使用して、50rpmで40%EtOHを含む900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、2時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、USP装置IIを使用して、50rpmで900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、2時間目に放出されるオピオイド作動薬の量未満である、項目54の固形経口剤形。
68.USP装置IIを使用して、50rpmで40%EtOHを含む900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、2時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、USP装置IIを使用して、50rpmで900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、2時間目に放出されるオピオイド作動薬の量の25%(w/w)以内である、項目54の固形経口剤形。
69.USP装置IIを使用して、50rpmで40%EtOHを含む900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、2時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、USP装置IIを使用して、50rpmで900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、2時間目に放出されるオピオイド作動薬の量の10%(w/w)以内である、項目54の固形経口剤形。
70.USP装置IIを使用して、50rpmで40%EtOHを含む900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、4時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、USP装置IIを使用して、50rpmで900mLの0.1N HCl(pH 1.5)中において、4時間目に放出されるオピオイド作動薬の量以下である、項目54の固形経口剤形。
71.USP装置IIを使用して、50rpmで40%EtOHを含む900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、4時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、USP装置IIを使用して、50rpmで900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、4時間目に放出されるオピオイド作動薬の量未満である、項目54の固形経口剤形。
72.USP装置IIを使用して、50rpmで40%EtOHを含む900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、4時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、USP装置IIを使用して、50rpmで900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、4時間目に放出されるオピオイド作動薬の量の25%(w/w)以内である、項目54の固形経口剤形。
73.USP装置IIを使用して、50rpmで40%EtOHを含む900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、4時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、USP装置IIを使用して、50rpmで900mLの0.1N HCl(pH1.5)中において、4時間目に放出されるオピオイド作動薬の量の10%(w/w)以内である、項目54の固形経口剤形。
74.1時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、37℃において酵素不含模擬胃液(SGF)900ml中で100rpmにてUSP装置1(バスケット)内のインビトロ溶出により測定すると、約10%(w/w)〜約30%(w/w)である、項目54の固形経口剤形。
75.2時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、37℃において酵素不含模擬胃液(SGF)900ml中で100rpmにてUSP装置1(バスケット)内のインビトロ溶出により測定すると、約25%(w/w)〜約50%(w/w)である、項目54の固形経口剤形。
76.4時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、37℃において酵素不含模擬胃液(SGF)900ml中で100rpmにてUSP装置1(バスケット)内のインビトロ溶出により測定すると、約40%(w/w)〜約80%(w/w)である、項目54の固形経口剤形。
77.8時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、37℃において酵素不含模擬胃液(SGF)900ml中で100rpmにてUSP装置1(バスケット)内のインビトロ溶出により測定すると、約65%(w/w)〜約95%(w/w)である、項目54の固形経口剤形。
78.12時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、37℃において酵素不含模擬胃液(SGF)900ml中で100rpmにてUSP装置1(バスケット)内のインビトロ溶出により測定すると、約80%(w/w)を超える、項目54の固形経口剤形。
79.1時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、37℃において酵素不含模擬胃液(SGF)900ml中で100rpmにてUSP装置1(バスケット)内のインビトロ溶出により測定すると、約15%(w/w)〜約25%(w/w)である、項目54の固形経口剤形。
80.2時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、37℃において酵素不含模擬胃液(SGF)900ml中で100rpmにてUSP装置1(バスケット)内のインビトロ溶出により測定すると、約30%(w/w)〜約40%(w/w)である、項目54の固形経口剤形。
81.4時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、37℃において酵素不含模擬胃液(SGF)900ml中で100rpmにてUSP装置1(バスケット)内のインビトロ溶出により測定すると、約55%(w/w)〜約75%(w/w)である、項目54の固形経口剤形。
82.8時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、37℃において酵素不含模擬胃液(SGF)900ml中で100rpmにてUSP装置1(バスケット)内のインビトロ溶出により測定すると、約75%(w/w)〜約85%(w/w)である、項目54の固形経口剤形。
83.12時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、37℃において酵素不含模擬胃液(SGF)900ml中で100rpmにてUSP装置1(バスケット)内のインビトロ溶出により測定すると、約90%(w/w)を超える、項目54の固形経口剤形。
84.37℃において酵素不含模擬胃液(SGF)900ml中で100rpmにてUSP装置1(バスケット)内のインビトロ溶出により測定すると、1時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、約10%(w/w)〜約30%(w/w)であり、2時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、約25%(w/w)〜約50%(w/w)であり、4時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、約40%(w/w)〜約80%(w/w)であり、8時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、約65%(w/w)〜約95%(w/w)であり、12時間目に放出されるオピオイド作動薬の量は、約80%(w/w)を超える、項目54の固形経口剤形。
85.37℃において酵素不含模擬胃液(SGF)900ml中で100rpmにてUSP装置1(バスケット)内のインビトロ溶出により測定すると、1時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、約15%(w/w)〜約25%(w/w)であり、2時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、約30%(w/w)〜約40%(w/w)であり、4時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、約55%(w/w)〜約75%(w/w)であり、8時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、約75%(w/w)〜約85%(w/w)であり、12時間目に放出されるオピオイド作動薬の量は、約90%(w/w)を超える、項目54の固形経口剤形。
86.剤形が、破壊せずに平坦化することができ、平坦化後の剤形の厚さが、平坦化前の剤形の厚さの約60%以下に相当する、項目54の固形経口剤形。
87.剤形が、破壊せずに平坦化することができ、平坦化後の剤形の厚さが、平坦化前の剤形の厚さの約50%以下に相当する、項目54の固形経口剤形。
88.剤形が、破壊せずに平坦化することができ、平坦化後の剤形の厚さが、平坦化前の剤形の厚さの約40%以下に相当する、項目54の固形経口剤形。
89.剤形が、破壊せずに平坦化することができ、平坦化後の剤形の厚さが、平坦化前の剤形の厚さの約30%以下に相当する、項目54の固形経口剤形。
90.剤形が、破壊せずに平坦化することができ、平坦化後の剤形の厚さが、平坦化前の剤形の厚さの約20%以下に相当する、項目54の固形経口剤形。
91.平坦化剤形から0.5時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、37℃において酵素不含模擬胃液(SGF)900mL中で100rpmにてUSP装置1(バスケット)内でのインビトロ溶出により測定すると、非平坦化剤形から約20%ポイント以下逸脱する、項目54の固形経口剤形。
92.平坦化剤形から0.5時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、37℃において酵素不含模擬胃液(SGF)900mL中で100rpmにてUSP装置1(バスケット)内でのインビトロ溶出により測定すると、非平坦化剤形から約15%ポイント以下逸脱する、項目54の固形経口剤形。
93.平坦化剤形から0.5時間目に放出されるオピオイド作動薬の量が、37℃において酵素不含模擬胃液(SGF)900mL中で100rpmにてUSP装置1(バスケット)内でのインビトロ溶出により測定すると、非平坦化剤形から約10%ポイント以下逸脱する、項目54の固形経口剤形。
94.それを必要とする患者に、項目1〜93のいずれかの固形経口剤形を投与するステップを含む、疾患または状態を治療する方法。
90.それを必要とする患者に、項目54〜57および項目60〜93のいずれかの固形経口剤形を投与するステップを含む、疼痛を治療する方法。
95.(i)精製中性アクリルポリマーおよび活性薬剤を押出成形器中で混合するステップ、(ii)該混合物をストランドとして押出するステップ、(iii)該ストランドを冷却するステップ、および(iv)該ストランドを単位用量に分割するステップを含む、項目1〜23、項目37、および項目39〜93のいずれかの固形経口剤形を調製する方法。
96.(i)精製中性アクリルポリマー、活性薬剤、およびポリエチレンオキシドを押出成形器中で混合するステップ、(ii)該混合物をストランドとして押出するステップ、および(iii)該ストランドを冷却するステップ、ならびに(iv)該ストランドを単位用量に分割するステップを含む、項目24〜36および項目38〜93のいずれかの固形経口剤形を調製する方法。
97.精製中性アクリルポリマー。
98.真空乾燥中性アクリルポリマー。
99.冷凍乾燥中性アクリルポリマー。
100.(i)精製中性アクリルポリマーおよび(ii)活性薬剤を含む、バルク粉末。
101.(i)真空乾燥中性アクリルポリマーおよび(ii)活性薬剤を含む、バルク粉末。
102.(i)冷凍乾燥中性アクリルポリマーおよび(ii)活性薬剤を含む、バルク粉末。
【0187】
下記の実施例は、本発明の理解を助けるために記載され、本明細書に記載されかつ特許請求の範囲に記載されている本発明を具体的に制限すると解釈されるべきではない。当業者の範囲内にある現在知られているか今後開発されるすべての等価体の置換を包含する本発明のそのような変形形態、および製剤の変更または実験デザインの小さな変更は、本明細書に組み込まれている本発明の範囲内にあると見なされるべきである。
(実施例)
【実施例1】
【0188】
実施例1の製剤は、以下の表1の成分に従って調製した。
【0189】
【表1】
製剤は、以下の手順に従って調製した。
【0190】
1.乾燥およびミル粉砕。
真空オーブン中、およそ1,750グラムの水性Eudragit NE 40D分散液を乾燥し、ポリマーシートを生成することにより、およそ700グラムのEudragit NE 40Dの固体を調製した。紙裁断器により、このポリマーシートを2.5インチの正方形体にスライスした。次に、この正方形体を、ドライアイスと共にワーリングブレンダー中でミル粉砕した。次に、600グラムのミル粉砕ポリマーを、#14メッシュのスクリーンに通した。
【0191】
2.ブレンド。
サブ−ロットA。上で示した量のEudragit NE 40DおよびPEO N10を、風袋を差し引いた16オンスのジャーに計量した。材料が十分にブレンドされるまで、このジャーを回転した。次に、100グラムのオキシコドンHClをジャーに加え、このジャーをさらに回転し、均一なブレンドが得られるようにした。
【0192】
サブ−ロットB。上で示した量のEudragit NE 40DおよびLutrolを、風袋を差し引いたプラスチック製袋に計量し、約20秒間ブレンドした。次に、100グラムのオキシコドンHClを加え、この混合物をさらに30秒間ブレンドした。
【0193】
3.押出。上記由来のブレンドを、表1A中の以下のパラメーターに従い、ZSE押出成形器を使用して押出した。
【0194】
【表2】
様々なラン由来のバルク押出物は、0.5インチのストランド、3mmのストランド、および1mmのストランドを含んだ。
【0195】
4.錠剤/ペレット調製。個々の用量は、以下の通り作製した:
サブ−ロットA。以下の錠剤/ペレットは、サブ−ロットAブレンド/押出物を使用して作製した:
・事前押出ブレンドを圧縮することにより、0.25インチの錠剤を4個作製した。これらの中から、2個の錠剤は、乾燥減量(LOD)試験器中、105℃で30分間硬化した。錠剤の重量は105.6mg〜113.5mgの範囲に及び、その厚さは3.83mm〜4.30mmの範囲に及んだ。
・サブ−ロットAのラン1由来の0.5インチストランドからのスライス裁断物から、高圧下、F3プレス器を使用し、0.25インチの錠剤を押し抜きした。錠剤の重量は74.1mg〜105.3mgの範囲に及び、その厚さは2.30mm〜3.24mmに及んだ。
・2mm×2mmのペレットを、径が約2mmを有する(ダイスウェルによる)、サブ−ロットAのラン2由来の1mmバルクストランドの断片から裁断した。
【0196】
サブ−ロットB。以下の錠剤/ペレットは、サブ−ロットB押出物を使用して作製した:
・サブ−ロットBのラン1由来の0.5インチのストランドからのスライス裁断物から、高圧下、F3プレス器を使用し、0.25インチの錠剤を押し抜きした。錠剤の重量は86.8mg〜112.8mgの範囲に及び、その厚さは2.72mm〜3.65mmに及んだ。
・サブ−ロットBのラン1由来の0.5インチストランドのスライス裁断物から、13/32インチ(0.4063インチ)の錠剤を押し抜きした。錠剤の重量は324.7mg〜536.7mgの範囲に及び、その厚さは3.75mm〜6.67mmに及んだ。
・2mm×2mmのペレットを、径を約2mmに延ばした(ダイスウェルによる)、サブ−ロットBのラン3由来の1mmバルク押出物の断片から裁断した。
【0197】
5.溶出試験。サブ−ロットAおよびサブ−ロットB由来の錠剤ならびにペレットに溶解試験を施し、その結果を表1Bに記載する。
溶出パラメーターは以下の通りであった。
媒体:実際のpHが1.15(目標1.2)のSGF。SGF900ml中、100RPMでのバスケット。システムは、UV透過性であった。試料Bのラン3由来の2mm×2mmペレットの360分に対するシグナルを100%放出に設定することにより、データを正規化した。他の曲線は、40mgの活性薬剤に相当する、サブロットBのラン3由来の2mm×2mmペレットの試料重量に対する試料重量によって調節した。これらはすべて、約20%の同一活性薬剤濃度を有した。
【0198】
【表3】
【0199】
図1は、サブ−ロットAおよびBの試料錠剤およびペレットの溶出データのグラフを示している。グラフ上に特定されている目標は、本検討で再製剤化したオキシコンチン(登録商標)である。サブ−ロットA調製物の溶出は、ブレンド後にスクリーンに通すステップの組入れにより向上させることができる。
【0200】
サブ−ロットB由来の13/32インチ錠剤の溶出は、サブ−ロットBからの0.25インチ錠剤の溶出よりも遅い。これにより、錠剤またはペレットの形状を選択および/または調節することにより、溶出を目標設定することができる。
【実施例2】
【0201】
実施例2の製剤は、以下の表2の成分に従って調製した。
【0202】
【表4】
製剤は、以下の手順により調製した。
【0203】
1.乾燥。
Eudragit NEは厚さ約2mmの層で、55℃で一晩、ホットパックオーブン中で乾燥した。
【0204】
2.ミル粉砕。
乾燥Eudragit NEは、約3cmの寸法の小片にスライスし、ワーリングブレンダー中、ドライアイスと共にミル粉砕した。次に、ミル粉砕したEudragit NEは、#18 U.S.メッシュのスクリーンに通した。
【0205】
3.ブレンド。
各サブ−ロットに関して、上で示した量のEudragit NEおよびPEO N10を32オンスの褐色ガラス瓶に加え、この瓶を30秒間、回転することによりブレンドした。次に、オキシコドンHClを上記瓶に加え、この瓶を30秒間さらに回転して、均一なブレンドを得た。各ブレンドは#12メッシュのスクリーンに通し、次に、押出する前に、追加で30秒間、さらにブレンドした。
【0206】
4.押出。
上記由来のブレンドを、表2A中の以下のパラメーターに従い、ZSE押出成形器を使用して押出した。
【0207】
【表5】
【0208】
【表6】
様々なラン由来のバルク押出物には、0.5インチのロッド、3mmのストランド、2mmのストランド、および1mmのストランドを含む、様々な厚さを含めた。
【0209】
5.錠剤/ペレット調製。
個々の用量は、以下の通り作製した:
【0210】
サブ−ロットB
・サブ−ロットBのラン1のバルク押出物から、0.25インチの錠剤を裁断した。錠剤は、161.3mg〜172.7mgの範囲の重量、および5.31mm〜5.73mmの範囲の厚さを有した。
・1mm×1mmのペレット、および2mm×2mmのペレットも、サブ−ロットBのラン2および3由来のバルク押出物のストランドから得た。
【0211】
サブ−ロットC
・サブ−ロットCのラン1由来の0.5インチのロッドを、0.25インチの錠剤に分割した。錠剤は、152.0mg〜185.8mgの範囲の重量、および4.95mm〜6.43mmの範囲の厚さを有した。
・1mm×1mmのペレット、および2mm×2mmのペレットも、サブ−ロットCのラン2および3由来のバルク押出物のストランドから得た。
【0212】
サブ−ロットD
・上のサブ−ロットDのラン1由来の0.5インチのロッドを、0.25インチの錠剤に分割した。錠剤は、148.9mg〜178.6mgの範囲の重量、および4.91mm〜5.66mmの範囲の厚さを有した。
・およそ1mm×1mmおよびおよそ2mm×2mmの寸法のペレットを、サブ−ロットDのラン2および3由来のバルク押出物のストランドからカミソリ刀により手作業で裁断した。
【0213】
サブ−ロットE
・およそ1mm×1mmおよびおよそ2mm×2mmの寸法のペレットを、サブ−ロットEのラン2および3由来のバルク押出物のストランドからカミソリ刀により手作業で裁断した。
・サブ−ロットEのラン1由来のバルク押出物の0.5インチのロッドから、0.25インチの錠剤も得た。
【0214】
サブ−ロットF
・サブ−ロットFのラン1由来の0.5インチのロッドを、0.25インチの錠剤に分割した。錠剤は、156.7mg〜180.2mgの範囲の重量、および5.37mm〜6.31mmの範囲の厚さを有した。
・サブ−ロットFのラン1由来の押出物から、0.25インチのホット成形錠剤も作製した。
【実施例3】
【0215】
実施例3の製剤は、以下の表3の成分に従って調製した。
【0216】
【表7】
製剤は、以下の手順により調製した。
【0217】
1.乾燥。
Eudragit NEを、ホットパックオーブン中、55℃で一晩、乾燥して薄化シートにした。
【0218】
2.ミル粉砕。
乾燥Eudragit NEをドライアイスと共にミル粉砕した。次に、ミル粉砕したEudragit NEを、#14メッシュのスクリーンに通した。
【0219】
3.ブレンド。
各サブ−ロットに関すると、上で示した量を、ジャー中でブレンドした。PEOおよびEudragit NEを20秒間、まずブレンドした。次に、オキシコドンHClを加え、この混合物をさらに20秒間ブレンドした。このブレンドは、押出の前に#8USメッシュのスクリーンに通した。
【0220】
4.押出。
上記由来のブレンドを、表3A中の以下のパラメーターに従い、ZSE押出成形器を使用して押出した。
【0221】
【表8】
【0222】
【表9】
様々なラン由来のバルク押出物には、0.5インチのロッド、2mmのストランド、および1mmのストランドを含めた。
【0223】
5.錠剤/ペレット調製。
個々の用量は、以下の通り作製した:
【0224】
サブ−ロットA
・サブ−ロットAのラン2の2mmストランド押出物から、およそ2mm×2mmの寸法のペレットをカミソリにより裁断した。
・サブ−ロットAのラン3の1mmストランド押出物から、およそ1mm×1mmの寸法のペレットをカミソリにより裁断した。
【0225】
サブ−ロットB
・サブ−ロットBのラン3由来の2mmストランド押出物から、およそ2mm×2mmの寸法のペレットをカミソリにより裁断した。
・サブ−ロットBのラン2由来の1mmストランド押出物から、およそ1mm×1mmの寸法のペレットをカミソリにより裁断した。
【0226】
サブ−ロットC
・サブ−ロットCのラン2の2mmストランド押出物から、およそ2mm×2mmの寸法のペレットをカミソリにより裁断した。
・サブ−ロットCのラン3の1mmストランド押出物から、およそ1mm×1mmの寸法のペレットをカミソリにより裁断した。
【0227】
サブ−ロットD
・サブ−ロットDのラン2の2mmストランド押出物から、およそ2mm×2mmの寸法のペレットをカミソリにより裁断した。
・サブ−ロットDのラン3の1mmストランド押出物から、およそ1mm×1mmの寸法のペレットをカミソリにより裁断した。
・サブ−ロットDのラン1の0.5インチのロッド押出物から、0.25インチの錠剤を裁断し、ホットプレスした。
【実施例4】
【0228】
実施例4の製剤は、以下の表4の成分に従って調製した。
【0229】
【表10】
製剤は、以下の手順により調製した。
【0230】
1.乾燥。
Eudragit NE 40Dをオーブン(例えば、Hotpack(登録商標))中、約50℃で透明になるまで(約6時間)乾燥した。乾燥ポリマーのシート(厚さ約1mm)は、紙裁断器により約0.5インチの寸法の正方形体に裁断した。
【0231】
2.ミル粉砕。
この正方形体を、ワーリングブレンダー中、ドライアイスと共にミル粉砕し、#14U.S.メッシュのスクリーンに通した。
【0232】
3.ブレンド。
各サブ−ロットに関して、上で示した量のミル粉砕したEudragitおよびPEOを32オンスの広口ジャーに加え、約1分間、ブレンドした。オキシコドンHClを加えてブレンドし、USメッシュのスクリーンに入れ、形成し得るいかなる塊も除去した。次に、このブレンドをジャーに戻し入れ、さらに1分間ブレンドした。
【0233】
4.押出。
上のブレンドを、表4A中の以下のパラメーターに従い、ZSE押出成形器を使用して押出した。
【0234】
【表11】
この押出物には0.5インチのロッド、1mmのストランド、および2mmのストランドを含めた。
【0235】
5.ペレット調製
個々の用量は、以下の通り作製した:
【0236】
サブ−ロットA
・およそ1mm×1mmおよび2mm×2mmの寸法のペレットを、サブ−ロットAのラン3および2の押出したストランドからカミソリにより手作業で裁断した。
【0237】
サブ−ロットB
・およそ1mm×1mmおよび2mm×2mmの寸法のペレットを、サブ−ロットBのラン3および2の押出したストランドからカミソリにより手作業で裁断した。
【0238】
サブ−ロットC
・およそ1mm×1mmおよび2mm×2mmの寸法のペレットを、サブ−ロットBのラン3および2の押出したストランドからカミソリにより手作業で裁断した。
【0239】
6.ペレットミル粉砕。
サブ−ロットC由来のペレットを、クルップミル(Krupps mill)中、10秒間の破裂を6回行いミル粉砕した。図2は、ミル粉砕前後のペレットを示している(図2Aは1mm×1mmペレットを示し、図2Bは2mm×2mmペレットを示している)。
【実施例5】
【0240】
実施例5の製剤は、以下の表5の成分に従って調製した。
【0241】
【表12】
製剤は、以下の手順により調製した。
【0242】
1.ブレンド。
実施例4由来の乾燥かつミル粉砕した材料を、上で示した量でガラス製ジャーに入れ、約1分間ブレンドした。次に、このブレンドを#8U.S.メッシュのスクリーンに通してジャーに戻し、さらに1分間ブレンドした。
【0243】
2.押出。
このブレンドは、表5A中の以下のパラメーターに従って20×1mmのダイプレートを使用して、ZSE押出成形器で押出した:
【0244】
【表13】
この実施例のパラメーターは、下部シアー軸(sheer screw)デザインを使用して機械によりペレット形成したことを除いて、実施例4のパラメーターと同様とした。
【0245】
3.ペレット調製;溶出および不正改変抵抗性試験。
2本の押出した、約1mm径のストランドをペレット形成器に供給し、個々のペレットを作製した。次に、このペレットに溶出試験および不正改変抵抗性試験を施した。図3は、(i)模擬胃液(SGF)中、および(ii)(SGF)およびエタノール(EtOH)中のこの実施例のペレットの溶出を示している。この溶出には、100RPMにて、メッシュサイズ40および高さ25mmのバスケットによる900mlのSGFを利用した。図4は、−4℃でSGF中のペレットを冷凍し、ハンマー打ちを施した、この実施例のペレットの不正改変抵抗性を示している。
【0246】
本発明は、本発明のわずかな態様の例証として意図されている実施例に開示されている具体的実施形態により範囲を制限されるべきではなく、機能的に等価である任意の実施形態は、本発明の範囲内にある。実際に、本明細書に示されかつ記載されているものに加えて本発明の様々な修正形態は、当業者に明らかになり、添付の特許請求の範囲の中にあることが意図されている。
図1
図2
図3
図4