(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記フルオロポリマー[ポリマー(F)]が0.01モル%〜10モル%の、式(I)を有する少なくとも1つの(メタ)アクリルモノマー(MA)に由来する繰り返し単位を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(FP)]。
(i)前記ポリマー(F)と前記化合物(I)との総重量を基準として、少なくとも50重量%の請求項1に定義されるような少なくとも1つのフルオロポリマー[ポリマー(F)]を、
(ii)前記ポリマー(F)と前記化合物(I)との総重量を基準として、50重量%未満の、少なくとも1つのイソシアネート官能基を含む少なくとも1つのイソシアネート化合物[化合物(I)]と、
(iii)任意選択的に1つまたは複数の鎖延長剤の存在下で
反応させることによって得られる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(FP)]。
式(II)で表される化合物が、ポリ(エチレンアジペート)−トリレン2,4−ジイソシアネート、ポリ(プロピレングリコール)−トリレン2,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、シクロヘキシル−1,4−ジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)もしくはその異性体、トルエン2,4−ジイソシアネートもしくはその異性体、キシリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネートから選択される化合物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(FP)]。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書において、用語「フルオロポリマー[ポリマー(F)]」とは、少なくとも1つのフッ素化モノマー(F)に由来する1つまたは複数の繰り返し単位を含むポリマーを意味することが意図される。
【0010】
フルオロポリマー[ポリマー(F)]は有利にはウレタン部分を含まない。本発明の目的のためには、「ウレタン部分」とは、式:
を有する部分を意味することを本明細書では意図する。
【0011】
ポリマー(F)は、1つまたは複数のウレタン部分を含む、上に記載されたような式(a)の少なくとも1つの前記橋架け基を、本質的な特徴として含む前記ポリマー(F
P)からこうして区別される。
【0012】
用語「フッ素化モノマー[モノマー(F)]」とは、少なくとも1個のフッ素原子を含むエチレン系不飽和モノマーを意味することを本明細書では意図する。
【0013】
最も好ましいフッ素化モノマー(F)は、フッ化ビニリデン(VDF)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、テトラフルオロエチレン(TFE)、トリフルオロエチレン(TrFE)およびフッ化ビニルである。
【0014】
ポリマー(F)は、少なくとも1つの水素化モノマー[モノマー(H)]に由来する1つまたは複数の繰り返し単位をさらに含んでもよい。
【0015】
用途「水素化モノマー[モノマー(H)]」とは、フッ素原子を含まないエチレン系不飽和モノマーを意味することを本明細書では意図する。
【0016】
好適な水素化モノマー(H)の非限定的な例には、とりわけ、エチレン、プロピレン、酢酸ビニルなどのビニルモノマーが挙げられる。
【0017】
フルオロポリマー[ポリマー(F)]は典型的には、上に記載されたような式(I)を有する少なくとも1つの(メタ)アクリルモノマー(MA)に由来する0.01モル%〜10モル%の繰り返し単位を含む。
【0018】
ポリマー(F)の(メタ)アクリルモノマー(MA)は、下記の式(I−ビス):
(式中:
− R
Hは、xが1〜5に含まれる整数である、xが好ましくは1に等しい、1〜5つのヒドロキシル基を含む、そして、任意選択的に、二重結合、エポキシ、エステル、エーテルおよびカルボン酸基から選択される1つまたは複数の官能基を含むC
1〜C
10炭化水素基である)
に好ましくは従う。
【0019】
(メタ)アクリルモノマー(MA)の非限定的な例には、とりわけ、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0020】
モノマー(MA)は、下記:
− 式:
のヒドロキシエチルアクリレート(HEA)
− 式:
の2−ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)
− およびそれらの混合物
からより好ましくは選択される。
【0021】
本発明の第1実施形態によれば、ポリマー(F)は、
− フッ化ビニリデン(VDF)に由来する繰り返し単位と、
− 上に記載されたような式(I)を有する少なくとも1つの(メタ)アクリルモノマー(MA)に由来する繰り返し単位と
を含むフルオロポリマー[ポリマー(F
1)]である。
【0022】
ポリマー(F
1)は、典型的には少なくとも70モル%、好ましくは少なくとも80モル%、より好ましくは少なくとも90モル%のフッ化ビニリデン(VDF)に由来する繰り返し単位を含む。
【0023】
ポリマー(F
1)は、典型的には少なくとも0.01モル%、好ましくは少なくとも0.05モル%、より好ましくは少なくとも0.1モル%の上に記載されたような式(I)を有する少なくとも1つの(メタ)アクリルモノマー(MA)に由来する繰り返し単位を含む。
【0024】
ポリマー(F
1)は、典型的には最大でも10モル%、好ましくは最大でも3モル%、より好ましくは最大でも1.5モル%の上に記載されたような式(I)を有する少なくとも1つの(メタ)アクリルモノマー(MA)に由来する繰り返し単位を含む。
【0025】
ポリマー(F
1)は、上に定義されたような少なくとも1つの他のフッ素化モノマー(F)に由来する繰り返し単位をさらに含んでもよい。
【0026】
1つまたは複数の他のフッ素化モノマー(F)が存在する場合には、ポリマー(F
1)は、典型的には0.1モル%〜10モル%、好ましくは0.2モル%〜8モル%、より好ましくは0.5モル%〜7.5モル%の前記フッ素化モノマー(F)に由来する繰り返し単位を含む。
【0027】
ポリマー(F
1)は好ましくは:
− 0.3モル%〜1.5モル%の上に記載されたような式(I)を有する少なくとも1つの(メタ)アクリルモノマー(MA)に由来する繰り返し単位と、
− 少なくとも80モル%、好ましくは少なくとも95モル%のフッ化ビニリデン(VDF)に由来する繰り返し単位と
を含む。
【0028】
ポリマー(F
1)はより好ましくは:
− 0.3モル%〜1.5モル%のヒドロキシエチルアクリレート(HEA)に由来する繰り返し単位と、
− 少なくとも80モル%、好ましくは少なくとも95モル%のフッ化ビニリデン(VDF)に由来する繰り返し単位と
を含む。
【0029】
本発明のこの第1実施形態の変形形態によれば、ポリマー(F
1)は、0.5モル%〜7.5モル%、好ましくは1.5モル%〜3.5モル%のヘキサフルオロプロピレン(HFP)に由来する繰り返し単位をさらに含んでもよい。
【0030】
本発明のこの第1実施形態の変形形態のポリマー(F
1)は、水性懸濁重合法によってか水性乳化重合法によって製造することができる。本発明のこの第1実施形態のポリマー(F
1)は好ましくは、国際公開第2008/129041号パンフレット(SOLVAY SOLEXIS S.P.A.、2008年0月30日)に記載されているような水性懸濁重合法によって製造される。
【0031】
本発明の第2実施形態によれば、ポリマー(F)は、
− エチレン(E)に由来する繰り返し単位と、
− テトラフルオロエチレン(TFE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)およびそれらの混合物から選択されるフッ素化モノマー(F)に由来する繰り返し単位と、
− 上に記載されたような式(I)を有する少なくとも1つの(メタ)アクリルモノマー(MA)に由来する繰り返し単位と
を含むフルオロポリマー[ポリマー(F
2)]である。
【0032】
本発明のこの第2実施形態のポリマー(F
2)は、典型的には0.01モル%〜10モル%の上に記載されたような式(I)を有する少なくとも1つの(メタ)アクリルモノマー(MA)に由来する繰り返し単位を含む。
【0033】
本発明のこの第2実施形態のポリマー(F
2)は好ましくは、10:90〜70:30の範囲のエチレン(E)とフッ素化モノマー(F)との間のモル比を有する。
【0034】
本発明のこの第2実施形態のポリマー(F
2)はより好ましくは:
− 30モル%〜65モル%、好ましくは35モル%〜55モル%のエチレン(E)に由来する繰り返し単位と、
− 65モル%〜35モル%、好ましくは60モル%〜45モル%のクロロトリフルオロエチレン(CTFE)におよび/またはテトラフルオロエチレン(TFE)に由来する繰り返し単位と、
− 0.01モル%〜10モル%、好ましくは0.5モル%〜8モル%の上に記載されたような式(I)を有する少なくとも1つの(メタ)アクリルモノマー(MA)に由来する繰り返し単位と
を含む。
【0035】
本発明のこの第2実施形態のポリマー(F
2)はさらにより好ましくは、ECTFEポリマー、すなわちフッ素化モノマー(F)がクロロトリフルオロエチレン(CTFE)であるものである。
【0036】
本発明のこの第2実施形態のポリマー(F
2)は、水性懸濁重合法によってか水性乳化重合法によって製造することができる。本発明のこの第2実施形態のポリマー(F
2)は好ましくは、米国特許第6,107,393号明細書(AUSIMONT S.P.A.2000年8月22日)に記載されているように製造される。
【0037】
イソシアネート化合物[化合物(I)]は典型的には、少なくとも1つのイソシアネート官能基を含む脂肪族もしくは芳香族化合物である。
【0038】
イソシアネート化合物[化合物(I)]は好ましくは、ポリイソシアネート化合物[化合物(I
P)]である。
【0039】
用語「ポリイソシアネート」とは、少なくとも2つのイソシアネート官能基を含む化合物を意味することを本明細書では意図する。
【0040】
ポリイソシアネート化合物[化合物(I
P)]は典型的には、少なくとも2つのイソシアネート官能基を含む脂肪族および芳香族ポリイソシアネートからなる群から選択される。
【0041】
非常に良好な結果は、
(i)上に定義されたような少なくとも1つのフルオロポリマー[ポリマー(F)]を
(ii)少なくとも2つのイソシアネート官能基を含む脂肪族および芳香族ポリイソシアネートから選択される少なくとも1つのポリイソシアネート化合物[化合物(I
P)]と、
(iii)任意選択的に1つまたは複数の鎖延長剤の存在下で
反応させることによって得られるポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(F
P)]で達成された。
【0042】
ポリイソシアネート化合物[化合物(I
P)]は好ましくは、下記の式(II):
O=C=N−E−N=C=O (II)
(式中、Eは、線状もしくは分岐の、任意選択的に1つまたは複数の芳香族もしくは脂環式基および/または1つまたは複数の官能基を含む、2価のポリ(炭化水素)基である)
を有するジイソシアネートである。
【0043】
上に記載されたような式(II)を有するジイソシアネートの2価の(ポリ)炭化水素基Eは、下記;
(式中:
− n
Hは、1〜12の整数であり、好ましく6に等しく;
− Jは、下記:単結合;メチレン基(−CH
2−);酸素原子(−O−);−C(CH
3)
2−基;−C(CF
3)
2−基;−SO
2−基;−C(O)−基;1つまたは複数の官能基を含んでもよい炭化水素基;1つまたは複数の官能基を含んでもよいポリ炭化水素基から選択される2価の橋架け基であり;
− それぞれ等しいか異なる、R
A、R
B、R
C、R
Dのそれぞれは独立して、ハロゲン原子(たとえばCl、Br、F)、C
1〜C
6炭化水素基(たとえばメチル、エチル)、とりわけ−OR
H、−NR
H’R
H’’、−C(O)−R
H’’’(ここで、互いに等しいか異なる、R
H、R
H’、R
H’’、R
H’’’はそれぞれ独立して、水素原子またはC
1〜C
6炭化水素基である)のような置換基であり;
− n
A、n
B、n
dは独立して、0〜4の整数であり;
− n
Cは、0〜10の整数である)
およびそれらの混合物
から選択されてもよい。
【0044】
上に記載されたような式(II)を有する好適なジイソシアネートの非限定的な例には、とりわけ、ポリ(エチレンアジペート)−トリレン2,4−ジイソシアネート、ポリ(プロピレングリコール)−トリレン2,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、シクロヘキシル−1,4−ジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)もしくはその異性体、トルエン2,4−ジイソシアネートもしくはその異性体、キシリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネートが挙げられる。
【0045】
鎖延長剤は典型的には、脂肪族および芳香族ポリオールならびにポリアミンから選択される。
【0046】
好適なポリオールの非限定的な例には、とりわけ、下記:
− 1,2−エタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの、式HO−R
ジオール−OH(式中、R
ジオールは、1つまたは複数のエーテル酸素原子を含んでもよいC
2〜C
6炭化水素基である)の脂肪族ジオール;および
− 典型的には200〜10000000、好ましくは1000〜5000000に含まれる平均分子量を有する、式HO−(CH
2CHRO)
n−R’(式中、Rは、HまたはC
1〜C
5アルキル基であり、R’は、HまたはCH
3であり、nは、4〜230000に含まれる整数である)のポリエチレングリコール
が挙げられる。
【0047】
好適なポリアミンの非限定的な例には、とりわけ、下記:
− エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、N−メチル−プロピレン−1,3−ジアミン、1,4−ブチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミンなどの、式H
2N−R
ジアミン−NH
2(式中、R
ジアミンは、C
2〜C
14炭化水素基である)の脂肪族ジアミン;および
− イソホロンジアミンなどの(脂)環式ジアミン
が挙げられる。
【0048】
本発明のポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(F
P)]は有利には:
− フルオロカーボン鎖[鎖(R
FC)]を含む少なくとも1つのフッ素化ブロックと、
− 炭化水素鎖[鎖(R
HC)]を含む少なくとも1つの水素化ブロックと
を含み、
前記ブロックは、1つまたは複数のウレタン部分で互いに連結されている。
【0049】
表現「フルオロカーボン鎖[鎖(R
FC)]を含む少なくとも1つのフッ素化ブロック」および「炭化水素鎖[鎖(R
HC)]を含む少なくとも1つの水素化ブロック」は、ポリマー(F
P)が1つまたは2つ以上のフッ素化ブロックと1つまたは2つ以上の水素化ブロックとを含んでもよいことを意味すると理解される。ポリマー(F
P)は一般に、幾つかのフッ素化ブロックと幾つかの水素化ブロックとを含む。任意選択的に、さらに、ポリマー(F
P)は、周知のポリウレタン変性剤に、たとえば鎖延長剤などに由来する追加の繰り返し単位を含んでもよい。
【0050】
ポリマー(F
P)のフルオロカーボン鎖[鎖(R
FC)]は有利には、上に定義されたような少なくとも1つのフッ素化モノマー(F)、上に定義されたような式(I)を有する少なくとも1つの(メタ)アクリルモノマー(MA)および、任意選択的に、上に定義されたような少なくとも1つの水素化モノマー(H)に由来する繰り返し単位を含み、前記繰り返し単位は、フルオロカーボン鎖に沿ってランダムに分布している。
【0051】
ポリマー(F
P)のフルオロカーボン鎖[鎖(R
FC)]は好ましくは、上に定義されたような少なくとも1つのフッ素化モノマー(F)、上に定義されたような式(I)を有する少なくとも1つの(メタ)アクリルモノマー(MA)および、任意選択的に、上に定義されたような少なくとも1つの水素化モノマー(H)に由来する繰り返し単位からなり、前記繰り返し単位は、フルオロカーボン鎖に沿ってランダムに分布している。
【0052】
ポリマー(F
P)の炭化水素鎖[鎖(R
HC)]は有利には、1つまたは複数の水素化モノマー[モノマー(H’)]に由来する繰り返し単位を含み、前記繰り返し単位は、炭化水素鎖に沿ってランダムに分布している。
【0053】
用語「水素化モノマー[モノマー(H’)]」とは、フッ素原子を含まない線状もしくは分岐の、飽和もしくは不飽和のモノマーを意味することを本明細書では意図する。
【0054】
ポリマー(F
P)の炭化水素鎖[鎖(R
HC)]の繰り返し単位は任意選択的に、エステル、エーテル、ウレタンおよびアミド基から選択される1つまたは複数の官能基で互いに連結されている。
【0055】
ポリマー(F
P)の炭化水素鎖[鎖(R
HC)]は好ましくは、フッ素原子を含まない。
【0056】
ポリマー(F
P)の炭化水素鎖[鎖(R
HC)]はより好ましくは、1つまたは複数の水素化モノマー[モノマー(H’)]に由来する繰り返し単位からなり、前記繰り返し単位は、炭化水素鎖に沿ってランダムに分布している。
【0057】
炭化水素鎖[鎖(R
HC)]は、典型的には2〜10000個の炭素原子、好ましくは2〜1000個の炭素原子、より好ましくは2〜500個の炭素原子を有する。
【0058】
炭化水素鎖[鎖(R
HC)]は任意選択的に、1つまたは複数の芳香族または脂環式基を含む。
【0059】
ポリマー(F
P)のフルオロカーボン鎖[鎖(R
FC)]は有利には、下記の式(b):
(式中、R
Hは、二重結合、エポキシ、エステル、エーテルおよびカルボン酸基から選択される1つまたは複数の官能基を任意選択的に含むC
1〜C
10炭化水素基である)
を有する鎖末端基を含む。
【0060】
フルオロカーボン鎖[鎖(R
FC)]の式(b)の鎖末端基は、1つまたは複数のウレタン部分によって炭化水素鎖[鎖(R
HC)]に結合している。
【0061】
ポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(F
P)]は好ましくは:
− 前記ポリマー(F
P)の重量を基準として、0.01重量%〜99.99重量%、好ましくは0.05重量%〜99.95重量%の、フルオロカーボン鎖[鎖(R
FC)]を含む少なくとも1つのフッ素化ブロックと、
− 前記ポリマー(F
P)の重量を基準として、99.99重量%〜0.01重量%、好ましくは99.95重量%〜0.05重量%の、炭化水素鎖[鎖(R
HC)]を含む水素化ブロックと
を含み、
前記ブロックは、1つまたは複数のウレタン部分で互いに連結されている。
【0062】
本出願人は、本発明の範囲のこの限定なしに、ポリマー(F)とイソシアネート化合物(I)との反応によって、ポリマー(F)骨格が、そのペンダントヒドロキシル基によって1つまたは複数のイソシアネート官能基と共有結合して式(a)の橋架け基を有利には有するポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(F
P)]であって、前記橋架け基が1つまたは複数のウレタン部分を含むポリマー(F
P)を提供すると考える。
【0063】
ポリマー(F
P)骨格中の橋架け基(a)の総数の結果として、ポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(F
P)]の分子量が、ウレタン部分を含まないフルオロポリマーよりも増加することに成功する。
【0064】
本発明のポリウレタンフルオロポリマー(F
P)はしたがって、多種多様な用途に有利に使用されるための増加した分子量を有することに成功する。
【0065】
ポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(F
P)]の分子量が増加するので、特定の溶媒へのポリマー(F
P)の溶解特性はその結果として有利には低下する。
【0066】
本発明の第1の好ましい実施形態によれば、ポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(F
P)]は、
(i)ポリマー(F)と化合物(I)との総重量を基準として、少なくとも50重量%の、下記の式(I):
(式中:
− 互いに等しいか異なる、R
1、R
2およびR
3は独立して、水素原子およびC
1〜C
3炭化水素基から選択され、
− R
Hは、xが1〜5に含まれる整数である、1〜5つのヒドロキシル基を含む、そして、任意選択的に、二重結合、エポキシ、エステル、エーテルおよびカルボン酸基から選択される1つまたは複数の官能基を含むC
1〜C
10炭化水素基である)
を有する少なくとも1つの(メタ)アクリルモノマー[モノマー(MA)]に由来する1つまたは複数の繰り返し単位を含む少なくとも1つのフルオロポリマー[ポリマー(F)]を、
(ii)ポリマー(F)と化合物(I)との総重量を基準として、50重量%未満の、少なくとも1つのイソシアネート官能基を含む少なくとも1つのイソシアネート化合物[化合物(I)]と、
(iii)任意選択的に1つまたは複数の鎖延長剤の存在下で
反応させることによって得られる。
【0067】
フルオロポリマー[ポリマー(F)]は、上記の通り定義される。
【0068】
本発明のこの第1の好ましい実施形態のポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(F
P)]は好ましくは:
− 前記ポリマー(F
P)の重量を基準として、少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも95重量%の、フルオロカーボン鎖[鎖(R
FC)]を含む少なくとも1つのフッ素化ブロックと、
− 前記ポリマー(F
P)の重量を基準として、最大でも20重量%、好ましくは最大でも5重量%の、炭化水素鎖[鎖(R
HC)]を含む少なくとも1つの水素化ブロックと
を含み、
前記ブロックは、1つまたは複数のウレタン部分で互いに連結されている。
【0069】
本発明のこの第1の好ましい実施形態による最も好ましいポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(F
P)]は、少なくとも1つのフルオロポリマー[ポリマー(F)]を、前記ポリマー(F)の重量を基準として、少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも0.5重量%の少なくとも1つのイソシアネート化合物[化合物(I)]と、任意選択的に1つまたは複数の鎖延長剤の存在下で反応させることによって得られる。
【0070】
本発明のこの第1の好ましい実施形態による最も好ましいポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(F
P)]は、少なくとも1つのフルオロポリマー[ポリマー(F)]を、前記ポリマー(F)の重量を基準として、最大でも20重量%、好ましくは最大でも10重量%の少なくとも1つのイソシアネート化合物[化合物(I)]と、任意選択的に1つまたは複数の鎖延長剤の存在下で反応させることによって得られる。
【0071】
本発明のこの第1の好ましい実施形態の変形形態によれば、ポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(F
P)]は、
(i)ポリマー(F)と、化合物(I)と鎖延長剤との総重量を基準として、少なくとも50重量%の、下記の式(I):
(式中:
− 互いに等しいか異なる、R
1、R
2およびR
3は独立して、水素原子およびC
1〜C
3炭化水素基から選択され、
− R
Hは、xが1〜5に含まれる整数である、1〜5つのヒドロキシル基を含む、そして、任意選択的に、二重結合、エポキシ、エステル、エーテルおよびカルボン酸基から選択される1つまたは複数の官能基を含むC
1〜C
10炭化水素基である)
を有する少なくとも1つの(メタ)アクリルモノマー[モノマー(MA)]に由来する1つまたは複数の繰り返し単位を含む少なくとも1つのフルオロポリマー[ポリマー(F)を、
(ii)ポリマー(F)と、化合物(I)と鎖延長剤との総重量を基準として、50重量%未満の、少なくとも1つのイソシアネート官能基を含む少なくとも1つのイソシアネート化合物[化合物(I)]、ならびに
(iii)ポリマー(F)と、化合物(I)と鎖延長剤との総重量を基準として、0.01重量%〜50重量%の、脂肪族および芳香族ポリオールならびにポリアミンから選択される1つまたは複数の鎖延長剤と
反応させることによって得られる。
【0072】
本発明のこの第1の好ましい実施形態のこの変形形態によれば、鎖延長剤は好ましくは、上に定義されたような脂肪族ジオールおよびポリエチレングリコールから選択される。
【0073】
本発明のこの第1の好ましい実施形態のこの変形形態のポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(F
P)]は、
− 前記ポリマー(F
P)の重量を基準として、少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%の、フルオロカーボン鎖[鎖(R
FC)]を含む少なくとも1つのフッ素化ブロックと、
− 前記ポリマー(F
P)の重量を基準として、最大でも20重量%、好ましくは最大でも10重量%の、炭化水素鎖[鎖(R
HC)]を含む少なくとも1つの水素化ブロックと
を含み、
前記ブロックは、1つまたは複数のウレタン部分で互いに連結されている。
【0074】
本発明のこの第1の好ましい実施形態のポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(F
P)]は有利には、ASTM D5725−99に従って25℃で測定されるときに、85.0度未満の、好ましくは84.0度未満の水に対する接触角を有する。
【0075】
本出願人はこうして、本発明のこの第1の好ましい実施形態によって得られるポリウレタンフルオロポリマー(F
P)が有利には、増加した分子量に加えて、傑出した親水特性を有していることを意外にも見いだした。
【0076】
本発明の第2の好ましい実施形態によれば、ポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(F
P)]は、
(i)ポリマー(F)と化合物(I
P)との総重量を基準として、50重量%未満の、下記の式(I):
(式中:
− 互いに等しいか異なる、R
1、R
2およびR
3は独立して、水素原子およびC
1〜C
3炭化水素基から選択され、
− R
Hは、xが1〜5に含まれる整数である、1〜5つのヒドロキシル基を含む、そして、任意選択的に、二重結合、エポキシ、エステル、エーテルおよびカルボン酸基から選択される1つまたは複数の官能基を含むC
1〜C
10炭化水素基である)
を有する少なくとも1つの(メタ)アクリルモノマー[モノマー(MA)]に由来する1つまたは複数の繰り返し単位を含む少なくとも1つのフルオロポリマー[ポリマー(F)を、
(ii)ポリマー(F)と化合物(I
P)との総重量を基準として、少なくとも50重量%の少なくとも1つのポリイソシアネート化合物[化合物(I
P)]と、
(iii)1つまたは複数の鎖延長剤の存在下で
反応させることによって得られる。
【0077】
フルオロポリマー[ポリマー(F)]は、上記の通り定義される。
【0078】
本発明のこの第2の好ましい実施形態のポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(F
P)]は好ましくは:
− 前記ポリマー(F
P)の重量を基準として、最大でも50重量%、好ましくは最大でも40重量%の、フルオロカーボン鎖[鎖(R
FC)]を含む少なくとも1つのフッ素化ブロックと、
− 前記ポリマー(F
P)の重量を基準として、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも60重量%の、炭化水素鎖[鎖(R
HC)]を含む少なくとも1つの水素化ブロックと
を含み、
前記ブロックは、1つまたは複数のウレタン部分で互いに連結されている。
【0079】
本発明のこの第2の好ましい実施形態のポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(F
P)]は有利には、ASTM D5725−99に従って25℃で測定されるときに、0度よりも高い、好ましくは20.0度よりも高いヘキサデカンに対する接触角を有する。
【0080】
本出願人はこうして、本発明のこの第2の好ましい実施形態によって得られるポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(F
P)]が有利には、増加した分子量に加えて、傑出した撥油分特性を有していることを意外にも見いだした。
【0081】
さらに、本発明のこの第2実施形態のポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(F
P)]は有利には、10℃/分の加熱速度で窒素下に熱重量分析(TGA)によって測定されるときに、550℃で0%よりも高いチャー収率を有する。
【0082】
熱分解で形成され得るチャー残渣の量が増加するにつれて、ポリマー材料の難燃性が向上することは、VAN KREVELEN,D.W.Some basic aspects of flame resistance of polymeric materials.Polymer.1975,vol.16,p.615−620にとりわけ記載されているように、当該技術分野で公知である。
【0083】
本発明のこの第2の好ましい実施形態のポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(F
P)]はさらに有利には傑出した難燃性を有していることがこのように見いだされた。
【0084】
本発明の別の目的は、上に定義されたようなポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(F
P)]の製造方法であって、前記方法が、少なくとも1つのポリマー(F)と、少なくとも1つのイソシアネート化合物(I)と、任意選択的に、1つまたは複数の鎖延長剤とを、20℃〜300℃、好ましくは20℃〜250℃に含まれる温度下に、任意選択的に液体媒体の存在下でブレンドする工程を含む方法である。
【0085】
用語「液体媒体」とは、25℃の温度で液体状態で入手可能である媒体を意味することを本明細書では意図する。
【0086】
液体媒体は典型的には、1つまたは複数の有機溶媒を含む。
【0087】
本発明のこの第2実施形態の方法に好適な液体媒体の非限定的な例には、とりわけ、N−メチル−2−ピロリドン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステルが挙げられる。
【0088】
本発明の方法の第1実施形態によれば、少なくとも1つのポリマー(F)と、少なくとも1つのイソシアネート化合物(I)と、任意選択的に、1つまたは複数の鎖延長剤とが、固体組成物を生成するために、100℃〜300℃、好ましくは100℃〜250℃に含まれる温度下にブレンドされる。
【0089】
この固体組成物は典型的には混合される。固体組成物は次に、ペレットを提供するために通常切断されるストランドを生成するために、一般に100℃〜300℃、好ましくは100℃〜250℃に含まれる温度でのダイによる押出などの、従来の溶融加工技術を用いて加工される。
【0090】
二軸スクリュー押出機が、固体組成物の溶融配合を成し遂げるための好ましい装置である。
【0091】
フィルムは次に、そのようにして得られたペレットを、伝統的なフィルム押出技術によって加工することによって製造することができる。
【0092】
本発明のこの第1実施形態の方法は、本発明の第1の好ましい実施形態によるポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(F
P)]の製造に特に好適である。
【0093】
本発明の方法の第2実施形態によれば、少なくとも1つのポリマー(F)と、少なくとも1つのイソシアネート化合物(I)と、任意選択的に、1つまたは複数の鎖延長剤とは、液体組成物を生成するために、20℃〜100℃、好ましくは20℃〜50℃に含まれる温度下に、液体媒体に分散させられる。
【0094】
液体組成物は次に通常、トレイに流し込まれ、典型的に少なくとも40℃、好ましくは少なくとも100℃、より好ましくは少なくとも150℃の温度に加熱される。
【0095】
本発明のこの第2実施形態の方法は、本発明の第2の好ましい実施形態によるポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(F
P)]の製造に特に好適である。
【0096】
また、本発明の別の目的は、膜を製造するためのポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(F
P)]の使用である。
【0097】
本発明はしたがってまた、上に定義されたような少なくとも1つのポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(F
P)]を含む膜の製造方法に、およびそのようにして得られる膜であって、前記膜が上に定義されたような少なくとも1つのポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(F
P)]を含む膜に関する。
【0098】
本発明の第1の好ましい実施形態によって得られるポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(F
P)]は、膜の製造に特に好適であることが分かった。
【0099】
本発明の目的のためには、用語「膜」は、それと接触する化学種の透過を抑える不連続の、一般に薄い界面を意味することを意図される。この界面は、均質であっても、すなわち、構造が完全に一様であってもよいし(稠密な膜)、またはそれは、たとえば、有限の寸法の空洞、細孔もしくは穴を含有して、化学的にもしくは物理的に不均一であってもよい(多孔質膜)。用語「細孔」、「空洞」および「穴」は、本発明の文脈内では同義語として用いられるであろう。
【0100】
本発明の膜は好ましくは多孔質膜である。
【0101】
多孔質膜は一般に、気孔率(ε)および平均孔径(d)で特徴づけられ、前記気孔率は、多孔質である膜の容積の分率の尺度である。
【0102】
本発明の多孔質膜は、有利には少なくとも1%、好ましくは少なくとも2%、より好ましくは少なくとも3%のそして有利には最大でも90%、好ましくは最大でも80%の気孔率(ε)を有する。
【0103】
これらの細孔は一般に、有利には少なくとも0.01μm、好ましくは少なくとも0.05μm、より好ましくは少なくとも0.1μmの、そして有利には最大でも50μm、好ましくは最大でも25μm、より好ましくは最大でも10μmの平均径(d)を有する。
【0104】
膜が多孔質膜である場合には、本発明の方法は有利には、照射、フィルム膨張、テンプレート浸出、溶液沈澱技術、エレクトロスピニング技術の少なくとも1つを含む。
【0105】
照射技術によれば、ポリマー(F
P)のフィルムは先ず、好適な放射線源からの荷電粒子で照射され、前記粒子は典型的にはポリマー鎖を断ち切り、感作/損傷トラックを残し;次に前記照射されたフィルムは、感作トラックに沿って優先的にエッチングする好適なエッチ溶液に通され、それによって細孔を形成する。
【0106】
フィルム膨張技術によれば、多孔質膜は、ポリマー(F
P)のフィルムの続いて起こる配向および延伸によって製造される;このように、ポリマー(F
P)の配向フィルムが典型的にはドローダウン下に押し出され;冷却後に、フィルムは有利には元の配向に対して直角に延伸され、その結果ポリマーの結晶構造が典型的には変形させられ、スリット様の空洞が有利には形成される。
【0107】
テンプレート浸出技術によれば、フィルムは、ポリマー(F
P)と浸出可能な成分との混合物から製造される。フィルムが形成された後に、浸出可能な成分が好適な溶媒で除去され、多孔質膜が得られる。浸出可能な成分は、可塑剤などの、可溶性の低分子量固体または液体、低分子量VDFポリマーなどであり得よう。
【0108】
可塑剤として、水素化可塑剤が一般に使用されてもよい。シトレート、フタレート、トリメリテート、セバケート、アジペート、アゼレートなどのエステルもしくはポリエステルをとりわけ挙げることができる。それらの例には、たとえば、アジピン酸−プロピレングリコール型、およびアジピン酸−1,3−ブチレングリコール型のアジピン酸ベースのポリエステル;たとえば、セバシン酸−プロピレングリコール型のセバシン酸ベースのポリエステル;たとえば、アゼライン酸−プロピレングリコール型、およびアゼライン酸−1,3−ブチレングリコール型のアゼライン酸ベースのポリエステル;たとえばジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレートのようなアルキルフタレート;アルキルおよびアシルシトレート、たとえばトリエチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート、アセチル−トリ−n−ブチルシトレート、トリオクチルシトレート、アセチル−トリ−オクチルシトレート トリヘキシルシトレート、アセチル−トリヘキシルシトレート、ブチリル−トリヘキシルシトレートまたはトリヘキシル−o−ブチリルシトレート;とりわけトリメチルトリメリテート、トリ−(2−エチルヘキシル)トリメリテート、トリ−(n−オクチル,n−デシル)トリメリテート、トリ−(ヘプチル,ノニル)トリメリテート、n−オクチルトリメリテートのような、アルキルトリメリテートが挙げられてもよい。
【0109】
ポリマー(F
P)のフィルムは典型的には、可塑剤を抽出するために抽出溶媒中へ浸漬される。抽出を室温にて実施し、厚さ、抽出溶媒の性質および攪拌に依存して、数分から数時間の範囲の時間に完全な可塑剤抽出を得ることが可能である。一般に数分の時間が可塑剤を完全に抽出するのに十分である。抽出後に、多孔質膜が得られる。
【0110】
抽出溶媒として、可塑剤が溶けるが、ポリマー(F)の膨潤を引き起こさないように、ポリマー(F)と相溶性ではない溶媒が一般に使用される。最も一般的に使用される部類の溶媒は、好ましくは短鎖、たとえば1〜6個の炭素原子を有する、脂肪族アルコールの部類、より好ましくはメタノールおよびイソプロパノールである。
【0111】
溶液沈澱技術によれば、ポリマー(F
P)を含む溶液は、2相、すなわち、膜のマトリックスを形成する固体の、ポリマーに富む相と、膜細孔を形成する液体の、ポリマーに乏しい相とへ沈澱させられる。溶液からのポリマー沈澱は、冷却、溶媒蒸発、非溶媒への浸漬による沈澱、気相からの非溶媒の吸収などの、幾つかの方法で達成することができる。
【0112】
エレクトロスピニング技術によれば、高電圧が、ポリマー(F
P)を含むポリマー溶液または溶融体の帯電ジェットを生み出すために用いられ、ポリマー(F
P)は乾燥するか凝固してポリマー繊維を残す。
【0113】
膜が稠密な膜である場合には、本発明の方法は有利には、ポリマー(F
P)のフィルムをキャスティングするおよび/または溶融成形する工程を含む。
【0114】
キャスティングは一般に、典型的にはキャスティングナイフまたはドローダウンバーが好適な支持体にわたって液体媒体中のポリマー(F
P)の適切な溶液の均一なフィルムを広げるために用いられる、溶液キャスティングを含む。キャスティングが行われた後に、液体は一般に蒸発して一様で稠密な膜を残す。
【0115】
溶融成形は一般的に、ダイからシートとしてのまたはブローンフィルムとしての押出のどちらかによって稠密な膜を製造するために用いられる。
【0116】
本発明の膜は、フラットシート膜の形態下にあっても、中空繊維膜を生成するための薄いチューブもしくは繊維の形態下に製造されてもよい。フラットシート膜は、高フラックスが必要とされるときに一般に好ましい。中空繊維膜は、高い表面積のコンパクトなモジュールが必要とされるときに特に好ましい。
【0117】
本発明のポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(F
P)]を使用して得ることができる膜の非限定的な例には、とりわけ、精密濾過膜および限外濾過膜、特に、水濾過用の多孔質中空繊維膜などの、様々な分離プロセスにおいて化学処理工業で使用することができる濾過膜が挙げられる。
【0118】
本発明のポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(F
P)]を使用して得ることができる膜はまた、生物医学用途で、たとえば血液透析用に、薬物の制御放出用に、腎臓、肺および膵臓などの、人工臓器用にも使用することができる。
【0119】
さらに、本発明の別の目的は、ポリウレタンフォーム材料を製造するためのポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(F
P)]の使用である。
【0120】
本発明はしたがってまた、上に定義されたような少なくとも1つのポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(F
P)]を含むポリウレタンフォーム材料の製造方法に関する。
【0121】
本発明の第2の好ましい実施形態によって得られるポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(F
P)]は、ポリウレタンフォーム材料の製造に特に好適であることが分かった。
【0122】
ポリウレタンフォーム材料は、可撓性ポリウレタンフォームまたは剛性ポリウレタンフォームであってもよい。
【0123】
ポリウレタンフォーム材料は有利には、家具、自動車座席、寝具類および梱包材料、建造物および建物、ペイントおよびコーティング、履き物ならびに生物医学用途などの多種多様な用途向けに使用することができる。
【0124】
そのようにして得られたポリウレタンフォーム材料は、とりわけ、本発明の第2の好ましい実施形態によって得られるポリウレタンフルオロポリマー[ポリマー(F
P)]の良好な難燃特性のために、建造物断熱パネルとしておよび建築用途での構造要素として特に有用である。
【0125】
参照により本明細書に援用される任意の特許、特許出願、および刊行物の開示が、それが用語を不明確にし得る程度に本出願の記載と矛盾する場合には、本記載が優先するものとする。
【実施例】
【0126】
本発明は、その目的が例示的であるにすぎず、本発明の範囲を限定しない以下の実施例に関してより詳細に今記載される。
【0127】
原材料
ポリマー(F1):VDF−HEA(HEA:1モル%)
ポリマー(F2):VDF−HFP−HEA(HFP:2.3モル%、HEA:1モル%)
ポリマー(F3):E−CTFE−HPA(40/55/5モル%)
ジイソシアネート(D1):式:
のポリ(エチレンアジペート)−トリレン2,4−ジイソシアネート(nは、数平均分子量が2700であるようなものである)
ジイソシアネート(D2):式:
のポリ(プロピレングリコール)−トリレン2,4−ジイソシアネート(mは、数平均分子量が2300であるようなものである)
PEO−1:式HO−(CH
2CH
2O)
n−H(式中、nは約2200〜3900であり、100000〜170000に含まれる平均分子量を有する)のポリエチレングリコール。
PEO−2:式HO−(CH
2CH
2O)
n−CH
3(式中、nは約45であり、約2000からなる平均分子量を有する)のポリエチレングリコール。
【0128】
接触角の測定
水またはヘキサデカンに対する接触角は、ASTM D 5725−99に従って、Dataphysics OCA 20装置を用いることによって25℃で評価した。測定値は、ポリマーの成形プラークに関して採った。
【0129】
水に対する接触角値は、ポリマーの親水特性の尺度である。水に対する接触角値が低下するにつれて、ポリマーの親水特性は増加する。
【0130】
ヘキサデカンに対する接触角値は、ポリマーの撥油分特性の尺度である。ヘキサデカンに対する接触角値が増加するにつれて、ポリマーの撥油分特性は増加する。
【0131】
溶融粘度の測定
溶融粘度は、230℃でASTM D 4440に従って、動的周波数スイープ試験で平行板配置(25mm)での、動的機械分光計、Rheometric RMS 800を用いて測定した。測定値は、ポリマーの成形プラークに関して採った。
【0132】
溶融粘度は、ポリマーの分子量の尺度である。溶融粘度値が増加するにつれ、ポリマーの分子量は増加する。
【0133】
不溶分の測定
15gのポリマーを、50℃で6時間磁気攪拌下に50gのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させて組成物を生成し、それを20000rpm/hで遠心分離した。次に、存在する場合、2つの相を分離し、固体部分をDMFで洗浄し、130℃で2日間乾燥させた。
【0134】
不溶分試験は、ポリマーの分子量の尺度である。DMFへのポリマーの溶解度が減少するにつれて、ポリマーの分子量は増加する。
【0135】
チャー収率(Y
c)の測定
チャー収率(Y
c)は、10℃/分の加熱速度でPerkin Elmer TGA7熱重量分析計を用いる窒素下での熱重量分析(TGA)によって550℃で測定した。
【0136】
チャー収率(Y
c)は、ポリマーの難燃性の尺度である。チャー収率値が増加するにつれて、ポリマーの燃焼性は低下する。
【0137】
流れの測定
ガラス管の片側を膜の小片によって塞ぎ、脱塩水(約90ml)で満たした。次に、管の自由端側に1バールの圧力を窒素でかけ、流れを次に所与の時間に測定した。試験は25℃で行った。下に与えられるような値は、約10の測定値の平均である。
水流値は、ポリマーの親水特性の尺度である。水流値が増加するにつれて、ポリマーの親水特性は増加する。
【0138】
気孔率の測定
11.3cm
2の表面を有する膜の検体を乾燥させ、秤量した(W1)。膜をイソプロパノール中に16時間浸漬した。湿潤検体を次にイソプロパノールから取り出し、それらの表面を乾燥させ、秤量した(W2)。W2値とW1値との間の差は、膜の内部細孔中へ拡散したアルコールの重量を表す。膜構造中の空洞空間または膜気孔率は、イソプロパノールの密度およびポリマーの密度を用いて計算した。
【0139】
ポリマー(F1)の製造
300rpmの速度で動作する羽根車を備えた80リットルの反応器に、順に52335gの脱塩水および17.9gのMETHOCEL(登録商標)K100 GR懸濁化剤を導入した。
反応器を次にガス抜きし、窒素で1バールに加圧した。ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)(21.5g)を反応器に導入し、これにイソドデカン中のt−アミルパーピバレートの136gの75重量%溶液および22646gのVDFが続いた。反応器を次に徐々に、120バールの最終圧力に相当する、52℃に加熱し、その圧力を15リットルのHEAの20g/l水溶液を供給することによって一定に維持した。
590分後に、重合作業を、大気圧に達するまで懸濁液を脱ガスすることによって停止させた。ポリマーを濾過によって集め、脱塩水に懸濁させ、再び濾過した。50℃でオーブン乾燥後に、NMRによって測定されるように、1モル%のHEA含有率を有する、18.3KgのVDF−HEAコポリマーが得られた。
【0140】
ポリマー(F2)の製造
880rpmの速度で動作する羽根車を備えた4リットルの反応器に、順に2455gの脱塩水および0.63gのMETHOCEL(登録商標)K100 GR懸濁化剤を導入した。
反応器をガス抜きし、窒素で1バールに加圧し、次にイソドデカン中のt−アミルパーピバレート開始剤の8.55gの75重量%溶液を反応器へ導入し、これに107gのHFPおよび947gのVDFが続いた。反応器を次に徐々に52℃に、110バールの最終圧力に加熱した。温度を全試行の初めから終わりまで55℃で一定に維持した。圧力を、合計709mlまでHEAモノマーの19.96g/l水溶液を供給することによって全試行の初めから終わりまで110バールで一定に維持した。510分後に、重合作業を、大気圧に達するまで懸濁液を脱ガスすることによって停止させた。そのようにして得られたポリマーを次に回収し、脱塩水で洗浄し、50℃でオーブン乾燥させた(814g)。
そのようにして得られたポリマーは、NMRによって測定されるように、2.3モル%のHFPと1.0モル%のHEAとを含有した。
【0141】
ポリマー(F3)の製造
邪魔板と450rpmの速度で動作する攪拌機とを備えたエナメル引きオートクレーブに、3リットルの脱塩水と、63gのクロロホルムと、95mlのヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)(50容積%)および水(50容積%)と7Kgのクロロトリフルオロエチレンとを導入した。次に温度を15℃にし、エチレンを8.2バールの圧力まで供給した。ラジカル開始剤を次に、−17℃に維持されるイソオクタン中のトリクロロアセチルペルオキシド(TCAP)の溶液(0.12gのTCAP/ml)の形態下で重合作業の間オートクレーブに連続的に供給した。さらに、ヒドロキシプロピルアクリレートおよび水の95mlの溶液を、20、40、60、80、100、120、140、160、および180gのエチレンの消費時に供給した。
圧力を、200gの消費までエチレンを反応器に連続的に供給することによって、298分の間一定に維持した。
オートクレーブから排出された生成物を120℃で約16時間乾燥させた。177.2℃の融点および40/55/5のモル組成E/CTFE/HPAを有する1280gのポリマーがそのようにして得られた。
【0142】
実施例1:ポリマー(F1)とジイソシアネート(D1)(ポリマー(F1)の1.95重量%)とのブレンド
ポリマー(F1)とジイソシアネート(D1)とを、3分間300rpmで高速ミキサー中でブレンドして粉末混合物を生成し、この混合物を次に、6つの温度域および4mm−2ホールダイを備えた、二軸スクリュー30〜34押出機(LEISTRITZ)での押出によって加工した。
温度設定点を次の通り設定した:
【0143】
【0144】
スクリュー速度を、約6Kg/hの押出量、および約230℃の溶融温度をもたらすように、20%の送り速度で、100rpmに設定した。押出ストランドを水浴中で冷却し、乾燥させ、調整し、ペレタイザーで切断した。
【0145】
FT−IR分光分析は、そのようにして得られたポリウレタンフルオロポリマー中にウレタンピークを示した(1535cm
−1)。
ポリウレタンフルオロポリマーは、67.9度の水に対する接触角および1 rad/sで100000Pa・sの溶融粘度を有した。
【0146】
実施例2:ポリマー(F1)とジイソシアネート(D1)(ポリマー(F1)の6.5重量%)とのブレンド
実施例1の下で詳述されたのと同じ手順に従ったが、ポリマー(F1)をポリマー(F1)の6.5重量%のジイソシアネート(D1)とブレンドした。
FT−IR分光分析は、そのようにして得られたポリウレタンフルオロポリマー中にウレタンピークを示した(1535cm
−1)。
ポリウレタンフルオロポリマーは、押出が可能でないほどに高い溶融粘度があった。
【0147】
実施例3:ポリマー(F1)とジイソシアネート(D1)(ポリマー(F1)の0.65重量%)とのブレンド
実施例1の下で詳述されたのと同じ手順に従ったが、ポリマー(F1)をポリマー(F1)の0.65重量%のジイソシアネート(D1)とブレンドした。
FT−IR分光分析は、そのようにして得られたポリウレタンフルオロポリマー中にウレタンピークを示した(1535cm
−1)。
ポリウレタンフルオロポリマーは、77.8度の水に対する接触角を有した。
【0148】
実施例4:ポリマー(F1)とジイソシアネート(D2)(ポリマー(F1)の0.65重量%)とのブレンド
実施例1の下で詳述されたのと同じ手順に従ったが、ポリマー(F1)をポリマー(F1)の0.65重量%のジイソシアネート(D2)とブレンドした。
FT−IR分光分析は、そのようにして得られたポリウレタンフルオロポリマー中にウレタンピークを示した(1535cm
−1)。
ポリウレタンフルオロポリマーは、65.9度の水に対する接触角を有した。
【0149】
比較例1
ウレタン部分を含まないポリマー(F1)は、90度の水に対する接触角および1 rad/sで10000Pa・sの溶融粘度を有した。
【0150】
比較例2
ヒドロキシル基をおよびウレタン部分を含まないSOLEF(登録商標)6008 VDFホモポリマーは、87.1度の水に対する接触角および1 rad/sで2000Pa・sの溶融粘度を有した。
【0151】
比較例3:SOLEF(登録商標)6008 VDFホモポリマーとジイソシアネート(D1)(SOLEF(登録商標)6008 VDFホモポリマーの6.5重量%)とのブレンド
実施例1の下で詳述されたのと同じ手順に従ったが、SOLEF(登録商標)6008 VDFホモポリマーをSOLEF(登録商標)6008 VDFホモポリマーの6.5重量%のジイソシアネート(D1)とブレンドした。
FT−IR分光分析は、そのようにして得られたポリマー中にウレタンピークをまったく示さなかった。ヒドロキシル基を含まない、SOLEF(登録商標)6008 VDFホモポリマーは、ジイソシアネート化合物(D1)と反応せず、その結果生じたポリマーは1つまたは複数のウレタン部分を含む橋架け基を含まなかった。
そのようにして得られたポリマーは、87.1度の水に対する接触角および1 rad/sで1000Pa・sの溶融粘度を有した。
【0152】
実施例5:ポリマー(F3)とジイソシアネート(D1)(ポリマー(F3)の2.0重量%)とのブレンド
ポリマー(F3)(57.7g)とジイソシアネート(D1)(1.3g)とを室温にてブレンドした。ポリマー(F3)中のアクリレート基とジイソシアネート(D1)中のイソシアネート基との間のモル比は28:1であった。混合物を次に、加熱ミキサーに装入し、210℃で6分間攪拌した(30rpm)。ブレンドを最後に排出させ、室温に冷却した。
FT−IR分光分析は、そのようにして得られたポリウレタンフルオロポリマー中にウレタンピークを示した(1535cm
−1)。
ポリウレタンフルオロポリマーは、82.8度の水に対する接触角および1 rad/sで60000Pasの溶融粘度を有した。
【0153】
比較例4
ウレタン部分を含まないポリマー(F3)は、93.2度の水に対する接触角および1 rad/sで9000Pa・sの溶融粘度を有した。
【0154】
実施例6
26.75g(0.204当量)の4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)と、アセトン中の90gの10重量%ポリマー(F2)溶液(0.134当量のポリマー(F2))と1gの1,4−ブチレンジアミンとを室温にて磁気攪拌機で分散させ、混合した。20分後に、粘稠な、乳白色の組成物が得られ、それをトレイに流し込み、3時間50℃でのオーブンに入れた。次にオーブン温度を100℃に4時間、その後150℃で30分間上げた。ポリマースラブを酢酸エチルで、溶媒が無色透明になるまで十分に洗浄した。スラブを再び100℃でのオーブンに1時間入れて残留溶媒を除去した。
【0155】
そのようにして得られたポリウレタンフルオロポリマーは、34重量%のポリマー(F2)に由来する繰り返し単位と66重量%のポリウレタン繰り返し単位とを含有した。
FT−IR分光分析は、範囲1690〜1710cm
−1にポリウレタンフルオロポリマー中のウレタンピークを示した。
そのようにして得られたポリウレタンフルオロポリマーは、40度のヘキサデカンに対する接触角および550℃で約30%のチャー収率を有した。
そのようにして得られたポリウレタンフルオロポリマーのDMFでの不溶分の量は、約75重量%であった。
【0156】
比較例5
ウレタン部分を含まないポリマー(F2)は、DMFに可溶であった。
【0157】
実施例7
実施例6の下で詳述されたのと同じ手順に従ったが、40.26g(0.307当量)gの4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)と、アセトン中の7.15gの10重量%ポリマー(F2)溶液(0.011当量のポリマー(F2))と、8.38g(0.270当量)の1,2−エタンジオールと1gの1,4−ブチレンジアミンとを室温にて磁気攪拌機で分散させ、混合した。
そのようにして得られたポリウレタンフルオロポリマーは、1.6重量%のポリマー(F2)に由来する繰り返し単位と98.4重量%のポリウレタン繰り返し単位とを含有した。
FT−IR分光分析は、範囲1690〜1710cm
−1にポリウレタンフルオロポリマー中のウレタンピークを示した。
そのようにして得られたポリウレタンフルオロポリマーは、29度のヘキサデカンに対する接触角を有した。
【0158】
比較例6
実施例6の下で詳述されたのと同じ手順に従ったが、40.13g(0.306当量)gの4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)と、8.87g(0.286当量)の1,2−エタンジオールと1gの1,4−ブチレンジアミンとを室温にて磁気攪拌機で分散させ、混合した。
FT−IR分光分析は、範囲1690〜1710cm
−1にポリウレタンポリマー中のウレタンピークを示した。
フッ素化ブロックを含まない、そのようにして得られたポリウレタンポリマーは、0度のヘキサデカンに対する接触角および550℃で0%のチャー収率を有した。
【0159】
実施例8:ポリマー(F1)(92.97重量%)とジイソシアネート(D2)(7.00重量%)および1,2−エタンジオール(0.03重量%)とのブレンド
実施例1の下で詳述されたのと同じ手順に従ったが、ポリマー(F1)(92.97重量%)をジイソシアネート(D2)(7.00重量%)および1,2−エタンジオール(0.03重量%)とブレンドした。
【0160】
実施例9:ポリマー(F1)(95.16重量%)とジイソシアネート(D2)(1.00重量%)およびPEO−1(3.84重量%)とのブレンド
実施例1の下で詳述されたのと同じ手順に従ったが、ポリマー(F1)(95.16重量%)をジイソシアネート(D2)(1.00重量%)およびPEO−1(3.84重量%)とブレンドした。
【0161】
実施例10:ポリマー(F1)(95.16重量%)とジイソシアネート(D2)(1.00重量%)およびPEO−2(3.84重量%)とのブレンド
実施例1の下で詳述されたのと同じ手順に従ったが、ポリマー(F1)(95.16重量%)をジイソシアネート(D2)(1.00重量%)およびPEO−2(3.84重量%)とブレンドした。
【0162】
実施例11:膜の製造
実施例8で得られたペレット(30重量%)とSOLEF(登録商標)1015 PVDFホモポリマー粉末(70重量%)とのブレンドを、14重量%の溶液濃度に達するNMPに溶解させた。この溶液を次に、Elcometer 4340フィルムアプリケーターでキャストしてフィルムを形成し、それを後で室温の水浴に入れた。多孔質膜は86%の気孔率を有し、水流は890L/h×m
2であった。
【0163】
比較例7:膜の製造
実施例11の下で詳述されたのと同じ手順に従ったが、SOLEF(登録商標)1015 PVDFホモポリマー粉末のみを使用した。多孔質膜は83%の気孔率を有し、水流は112L/h×m
2であった。
【0164】
このように、本発明のポリウレタンフルオロポリマーを使用することによって得られた膜は純フルオロポリマーを使用することによって得られる標準的な膜よりも有利には親水性であることが示された。