(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
太陽光発電出力装置と、インバータ装置と、ACインターフェイス装置と、制御装置と、AC負荷と、を備え、前記AC負荷の電源端子が前記インバータ装置のAC出力側に接続され、前記AC負荷の制御端子が前記制御装置に接続された太陽光発電システムの、前記制御装置に適用される太陽光発電システム制御方法であって、
前記インバータ装置が配電網から切断された状態を維持するように前記ACインターフェイス装置を制御するステップと、
前記インバータ装置を起動し、その後に前記AC負荷を起動するステップと、
前記太陽光発電システムのグリッド接続条件が満たされているかどうかを判定するステップと、
前記太陽光発電システムの前記グリッド接続条件が満たされていると判定された場合、前記インバータ装置を前記配電網に接続するように前記ACインターフェイス装置を制御するステップと、を含み、
前記グリッド接続条件は、前記太陽光発電出力装置によって出力された電力が前記インバータ装置及び前記AC負荷の安定動作を維持できるかどうかを判定するために使用される、ことを特徴とする太陽光発電システム制御方法。
前記AC負荷は、前記インバータ装置の前記AC出力側にスイッチを介して接続され、該スイッチの制御端子が前記制御装置に接続され、前記太陽光発電システム制御方法は、前記インバータ装置を前記配電網に接続するように前記ACインターフェイス装置を制御するステップの後に、前記スイッチをオフになるように制御するステップをさらに含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の太陽光発電システム制御方法。
前記ACインターフェイス装置は、グリッド接続スイッチを有し、該グリッド接続スイッチの制御端子が前記制御装置に接続される、請求項8又は9に記載の太陽光発電システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この従来の技術的解決策では追加のDC負荷が必要であり、従って太陽光発電システムのコストが増し、DC負荷が場所を取るので太陽光発電システムの容量が増加する。
【0005】
このため、本開示の目的は、太陽光発電システムのヒカップ現象の発生回数を減少させる太陽光発電システム及びその制御方法を提供することであり、DC負荷をさらに設ける必要はない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、本開示では以下の技術的解決策を提供する。太陽光発電出力装置と、インバータ装置と、ACインターフェイス装置と、制御装置と、AC負荷とを備え、AC負荷の電源端子がインバータ装置のAC出力側に接続され、AC負荷の制御端子が制御装置に接続された太陽光発電システムの、制御装置に適用される太陽光発電システム制御方法であって、
インバータ装置が配電網から切断された状態を維持するようにACインターフェイス装置を制御するステップと、
インバータ装置を起動し、その後にAC負荷を起動するステップと、
太陽光発電システムのグリッド接続条件が満たされているかどうかを判定するステップと、
太陽光発電システムのグリッド接続条件が満たされていると判定された場合、インバータ装置を配電網に接続するようにACインターフェイス装置を制御するステップと、
を含み、グリッド接続条件は、太陽光発電出力装置によって出力された電力がインバータ装置及びAC負荷の安定動作を維持できるかどうかを判定するために使用される太陽光発電システム制御方法を提供する。
【0007】
太陽光発電システムのグリッド接続条件が満たされているかどうかを判定するステップは、
インバータ装置のDC側の入力電圧が電圧閾値よりも高いかどうかを判定するステップと、
インバータ装置のDC側の入力電圧が電圧閾値よりも高い場合、太陽光発電システムのグリッド接続条件が満たされていると判定し、或いは、
インバータ装置のDC側の入力電圧が電圧閾値よりも高くない場合、予め設定した時間期間遅延後に、インバータ装置のDC側の入力電圧が電圧閾値よりも高いかどうかを再び判定するステップと、
を含むことが好ましい。
【0008】
太陽光発電システムのグリッド接続条件が満たされているかどうかを判定するステップは、
インバータ装置及びAC負荷が、第1の予め設定した時間期間内にパワーダウンせずに動作しているかどうかを判定するステップと、
インバータ装置及びAC負荷が、第1の予め設定した時間期間内にパワーダウンせずに動作している場合、太陽光発電システムのグリッド接続条件が満たされていると判定し、或いは、
インバータ装置及びAC負荷が、第1の予め設定した時間期間内にパワーダウンしている場合、第2の予め設定した時間期間遅延後にインバータ装置及びAC負荷を起動し、インバータ装置及びAC負荷が、第1の予め設定した時間期間内にパワーダウンせずに動作しているかどうかを再び判定するステップと、
を含むことが好ましい。
【0009】
太陽光発電システムのグリッド接続条件が満たされているかどうかを判定するステップは、
インバータ装置のDC側の入力電圧が所定値になるように制御するステップと、
インバータ装置のAC側の出力が電力閾値よりも高いかどうかを判定するステップと、
インバータ装置のAC側の出力が電力閾値よりも高い場合、太陽光発電システムのグリッド接続条件が満たされていると判定し、或いは、
インバータ装置のAC側の出力が電力閾値よりも高くない場合、予め設定した時間期間遅延後に、インバータ装置のAC側の出力が電力閾値よりも高いかどうかを再び判定するステップと、
を含むことが好ましい。
【0010】
太陽光発電システムのグリッド接続条件が満たされているかどうかを判定するステップは、
インバータ装置によって消費されている電力とAC負荷によって消費されている電力の合計が所定値になるように制御するステップと、
インバータ装置が現在の電力点で動作できるかどうかを判定するステップと、
インバータ装置が現在の電力点で動作できる場合、太陽光発電システムのグリッド接続条件が満たされていると判定し、或いは、
インバータ装置が現在の電力点で動作できない場合、予め設定した時間期間遅延後に、インバータ装置が現在の電力点で動作できるかどうかを判定するステップと、
を含むことが好ましい。
【0011】
制御装置が、太陽光発電システムのDC側によって給電を受けている場合、太陽光発電システム制御方法は、インバータ装置及びAC負荷が起動した後に、制御装置がパワーダウンするのを防ぐようにインバータ装置の動作電力及びAC負荷の動作電力を制限するステップを含むことが好ましい。
【0012】
AC負荷は、インバータ装置のAC出力側にスイッチを介して接続され、スイッチの制御端子が制御装置に接続され、太陽光発電システム制御方法は、インバータ装置を配電網に接続するようにACインターフェイス装置を制御した後に、スイッチをオフになるように制御するステップをさらに含むことが好ましい。
【0013】
本開示では、太陽光発電システムをさらに開示する。この太陽光発電システムは、インバータ装置と、ACインターフェイス装置と、制御装置と、AC負荷とを含み、AC負荷の電源端子がインバータ装置のAC出力側に接続され、AC負荷の制御端子が制御装置に接続され、制御装置は、インバータ装置が配電網から切断された状態を維持するようにACインターフェイス装置を制御し、インバータ装置を起動し、その後にAC負荷を起動し、太陽光発電システムのグリッド接続条件が満たされている場合、インバータ装置を配電網に接続するようにACインターフェイス装置を制御し、具体的には、グリッド接続条件は、太陽光発電出力装置によって出力された電力がインバータ装置及びAC負荷の安定動作を維持できるかどうかを判定するために使用される。
【0014】
AC負荷は、ファン、ヒータ及び除湿機のうちのいずれか1つ又はそれ以上を含むことが好ましい。
【0015】
ACインターフェイス装置は、グリッド接続スイッチを有し、グリッド接続スイッチの制御端子が制御装置に接続されることが好ましい。
【0016】
以上より、本開示は、以下の有利な効果を有する。本開示による太陽光発電システム制御方法では、インバータ装置が配電網から切断された場合、太陽光発電出力装置によって出力された電力が、太陽光発電システム内のAC負荷によって消費され、太陽光発電出力装置によって生成された電力がインバータ装置及びAC負荷の安定動作を維持するのに十分な場合、インバータ装置が、配電網内に接続されるように制御され、太陽光発電出力装置が大量の電力を生成するので、制御装置は、配電網から切断されて停止せずに連続動作することができる。従来技術に比べ、DC負荷をさらに提供する必要なく太陽光発電システムのヒカップ現象の発生回数を減少させることができ、太陽光発電システムのコスト及び容量が増加することはない。さらに、インバータ装置が配電網に接続される前に、太陽光発電出力装置によって生成された電力をAC負荷が十分に利用することができ、配電網からの電力の引き出しが避けられる。
【0017】
以下、本開示の実施形態又は従来技術による技術的解決策がより明確になるように、本開示の実施形態又は従来技術の説明で使用すべき図面について簡単に説明する。以下の説明における図面には、本開示のいくつかの実施形態しか示していないことが明らかである。当業者であれば、創造的作業を伴わずにこれらの図面に従って他の図面を取得することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本開示の実施形態の図面と共に、本開示の実施形態による技術的解決策を明確かつ完全に説明する。実際には、説明する実施形態は、本開示の実施形態の全てではなく一部にすぎない。当業者が本開示の実施形態に基づいて創造的作業を伴わずに取得する他の実施形態は、本開示の保護範囲に該当する。
【0020】
本開示では、太陽光発電システム制御方法を開示する。従来技術に比べ、DC負荷をさらに提供する必要なくヒカップ現象の発生回数を減少させることができる。
【0021】
本開示による太陽光発電システムは、
図7に示すような構造を有し、太陽光発電出力装置100、インバータ装置200、ACインターフェイス装置300、制御装置400、及びAC負荷500を含む。太陽光発電出力装置100は、インバータ装置200のDC入力側に接続され、インバータ装置200のAC出力側は、ACインターフェイス装置300を介して配電網(電力系統)に接続され、AC負荷500の電源端子は、インバータ装置200のAC出力側に接続される。さらに、インバータ装置200、ACインターフェイス装置300及びAC負荷500の制御端子は、制御装置400に接続される。太陽光発電出力装置100は、太陽エネルギーを電力に変換するように構成され、インバータ装置200は、太陽光発電出力装置100によって出力されたDC電力をAC電力に変換し、このAC電力は、ACインターフェイス装置300を介して配電網に送信される。さらに、AC負荷500は、インバータ装置200によって給電を受けることができる。なお、太陽光発電システムの安定動作を確実にするには、太陽光発電システム内にファン、除湿機又はヒータなどのAC負荷を提供する必要がある。従来の太陽光発電システムでは、AC負荷が配電網に接続され、配電網によって給電を受けている。本開示では、AC負荷500の電源端子が、インバータ装置200のAC出力側に接続される。
【0022】
図2は、本開示による太陽光発電システム制御方法のフローチャートである。この太陽光発電システム制御方法は、太陽光発電システム内の制御装置に適用され、方法はステップS21〜S23を含む。
【0023】
ステップS21において、ACインターフェイス装置を、インバータ装置が配電網から切断された状態を維持するように制御する。
【0024】
太陽光発電システムが最初に起動した場合、インバータ装置は配電網から切断されている。制御装置は、インバータ装置が配電網から切断された状態を維持するようにACインターフェイス装置を制御し、すなわち、インバータ装置は、配電網から切断されるように制御される。
【0025】
ステップS22において、インバータ装置を起動し、その後にAC負荷を起動する。
【0026】
制御装置は、インバータ装置を配電網から切断されるように制御した後、インバータ装置が起動するように制御する。この場合、インバータ装置は、太陽光発電出力装置によって出力されたDC電力をAC電力に変換する。その後、制御装置は、AC負荷が起動するように制御し、AC負荷は、インバータ装置によって出力されたAC電力を消費する。
【0027】
ステップS23において、太陽光発電システムのグリッド接続条件が満たされていると判定された場合、ACインターフェイス装置を、インバータ装置を配電網に接続するように制御する。具体的には、このグリッド接続条件は、太陽光発電出力装置によって出力された電力がインバータ装置及びAC負荷の安定動作を維持できるかどうかを判定するために使用される。
【0028】
インバータ装置及びAC負荷の起動後、制御装置は、太陽光発電システムのグリッド接続条件が満たされているかどうかを判定する。太陽光発電システムのグリッド接続条件が満たされていると判定された場合、ACインターフェイス装置を、インバータ装置を配電網に接続するように制御し、すなわちインバータ装置は、グリッド接続モードで動作するように制御され、或いは太陽光発電システムのグリッド接続条件が満たされていないと判定された場合、制御装置は、予め設定した時間期間遅延後に、太陽光発電システムのグリッド接続条件が満たされているかどうかを再び判定する。
【0029】
なお、太陽光発電システムのグリッド接続条件が満たされている場合、太陽光発電出力装置によって出力される電力がインバータ装置及びAC負荷の安定動作を維持できると判断することができる。すなわち、太陽光発電出力装置が、ヒカップ現象の発生を伴わずに太陽光発電インバータのグリッド接続を維持するのに十分な電力を出力している場合、太陽光発電インバータは、配電網内に接続されるように制御される。
【0030】
本開示による太陽光発電システム制御方法では、インバータ装置が配電網から切断されている場合、太陽光発電出力装置によって出力される電力は、太陽光発電システム内のAC負荷によって消費され、太陽光発電出力装置によって生成される電力が、インバータ装置及びAC負荷の安定動作を維持するのに十分な場合、インバータ装置は配電網内に接続されるように制御され、太陽光発電出力装置が大量の電力を生成するので、制御装置が配電網から切断されて停止することなく連続動作することができる。従来技術に比べ、DC負荷をさらに提供する必要なく太陽光発電システムのヒカップ現象の発生回数を減少させることができ、太陽光発電システムのコスト及び容量が増加することはない。さらに、インバータ装置が配電網に接続される前に、太陽光発電出力装置によって生成される電力をAC負荷が十分に利用することができ、配電網からの電力の引き出しが避けられる。
【0031】
実際には、太陽光発電システムのグリッド接続条件が満たされているかどうかを判定するための様々な実装方法が存在し、以下、これらの方法について説明する。
【0032】
図3は、本開示による太陽光発電システム制御方法のフローチャートである。この太陽光発電システム制御方法は、太陽光発電システム内の制御装置に適用され、方法はステップS31〜S35を含む。
【0033】
ステップS31において、ACインターフェイス装置を、インバータ装置が配電網から切断された状態を維持するように制御する。
【0034】
ステップS32において、インバータ装置を起動し、その後にAC負荷を起動する。
【0035】
ステップS33において、インバータ装置のDC側の入力電圧が電圧閾値よりも高いかどうかを判定し、インバータ装置のDC側の入力電圧が電圧閾値よりも高い場合にはステップS34を実行し、一方でインバータ装置のDC側の入力電圧が電圧閾値よりも高くない場合にはステップS35を実行する。
【0036】
インバータ装置及びAC負荷を動作するように制御した後、インバータ装置のDC側の入力電圧が依然として電圧閾値よりも高くなり得る場合、例えばインバータ装置のDC側の入力電圧が配電網の電圧ピークよりも高い場合、太陽光発電システムのグリッド接続条件が満たされていると判断することができる。
【0037】
ステップS34において、太陽光発電システムのグリッド接続条件が満たされていると判断し、ACインターフェイス装置を、インバータ装置を配電網に接続するように制御する。
【0038】
ステップS35において、予め設定した時間期間遅延後に再びステップS35を実行する。
【0039】
図3に示すような本開示による太陽光発電システム制御方法では、インバータ装置及びAC負荷の起動後に、インバータ装置のDC側の入力電圧が依然として電圧閾値よりも高くなり得る場合、インバータ装置の出力がインバータ装置自体の動作の電力消費要件を満たし、グリッド接続後に配電網から電力が引き出されるのではなく、配電網に電力を送信できるということになる。従って、太陽光発電システムのグリッド接続条件が満たされ、インバータ装置は、ヒカップ現象の発生を伴わずに配電網内で接続されるように制御される。
【0040】
図4は、本開示による太陽光発電システム制御方法のフローチャートである。この太陽光発電システム制御方法は、太陽光発電システム内の制御装置に適用され、方法はステップS41〜S45を含む。
【0041】
ステップS41において、ACインターフェイス装置を、インバータ装置が配電網から切断された状態を維持するように制御する。
【0042】
ステップS42において、インバータ装置を起動し、その後にAC負荷を起動する。
【0043】
ステップS43において、インバータ装置及びAC負荷が、第1の予め設定した時間期間内にパワーダウンせずに動作しているかどうかを判定し、インバータ装置及びAC負荷が、第1の予め設定した時間期間内にパワーダウンせずに動作している場合にはステップS44を実行し、一方でインバータ装置及びAC負荷が、第1の予め設定した時間期間内にパワーダウンしている場合にはステップS45を実行する。
【0044】
インバータ装置及びAC負荷を動作するように制御した後、インバータ装置及びAC負荷が、予め設定した時間期間内にパワーダウンせずに動作できている場合、太陽光発電システムのグリッド接続条件が満たされていると判断することができる。
【0045】
ステップS44において、太陽光発電システムのグリッド接続条件が満たされていると判断し、ACインターフェイス装置を、インバータ装置を配電網に接続するように制御する。
【0046】
ステップS45において、第2の予め設定した時間期間遅延後にインバータ装置及びAC負荷を起動し、再びステップS43を実行する。
【0047】
図4に示すような本開示による太陽光発電システム制御方法では、インバータ装置及びAC負荷の起動後に、インバータ装置及びAC負荷が、予め設定した時間期間内にパワーダウンせずに動作できている場合、インバータ装置の出力がインバータ装置自体の動作の電力消費要件を満たしており、グリッド接続後に配電網から電力が引き出されるのではなく、配電網に電力を送信できるということになる。従って、太陽光発電システムのグリッド接続条件が満たされ、インバータ装置は、ヒカップ現象の発生を伴わずに配電網内で接続されるように制御される。
【0048】
図5は、本開示による太陽光発電システム制御方法のフローチャートである。この太陽光発電システム制御方法は、太陽光発電システム内の制御装置に適用され、方法はステップS51〜S56を含む。
【0049】
ステップS51において、ACインターフェイス装置を、インバータ装置が配電網から切断された状態を維持するように制御する。
【0050】
ステップS52において、インバータ装置を起動し、その後にAC負荷を起動する。
【0051】
ステップS53において、インバータ装置のDC側の入力電圧を所定値になるように制御する。
【0052】
ステップS54において、インバータ装置のAC側の出力が電力閾値よりも高いかどうかを判定し、インバータ装置のAC側の出力が電力閾値よりも高い場合にはステップS55を実行し、一方でインバータ装置のAC側の出力が電力閾値よりも高くない場合にはステップS56を実行する。
【0053】
インバータ装置及びAC負荷を動作するように制御した後、インバータ装置のDC側の入力電圧を所定値になるように制御する。インバータ装置のAC側の出力が電力閾値よりも高い場合、例えばインバータ装置のAC側の出力が、インバータ装置自体のグリッド接続の損失電力よりも高い場合、インバータ装置のグリッド接続後にインバータ装置が配電網から電力を引き出すことなく電力を出力すると保証することができ、従って太陽光発電システムのグリッド接続条件が満たされていると判断される。
【0054】
ステップS55において、太陽光発電システムのグリッド接続条件が満たされていると判断し、ACインターフェイス装置を、インバータ装置を配電網に接続するように制御する。
【0055】
ステップS56において、予め設定した時間期間遅延後に再びステップS53を実行する。
【0056】
図5に示すような本開示による太陽光発電システム制御方法では、インバータ装置及びAC負荷の起動後に、インバータ装置のDC側の入力電圧が所定値になるように制御され、インバータ装置のAC側の出力が電力閾値よりも高い場合、インバータ装置によって出力される電力がインバータ装置自体の動作の電力消費要件を満たすことができ、グリッド接続後に配電網から電力が引き出されるのではなく、配電網に電力を送信できるということになる。従って、太陽光発電システムのグリッド接続条件が満たされ、インバータ装置は、ヒカップ現象の発生を伴わずに配電網内に接続されるように制御される。
【0057】
図6は、本開示による太陽光発電システム制御方法のフローチャートである。この太陽光発電システム制御方法は、太陽光発電システム内の制御装置に適用され、方法はステップS61〜S66を含む。
【0058】
ステップS61において、ACインターフェイス装置を、インバータ装置が配電網から切断された状態を維持するように制御する。
【0059】
ステップS62において、インバータ装置を起動し、その後にAC負荷を起動する。
【0060】
ステップS63において、インバータ装置によって消費されている電力とAC負荷によって消費されている電力の合計を所定値になるように制御する。
【0061】
ステップS64において、インバータ装置が現在の電力点で動作できるかどうかを判定し、インバータ装置が現在の電力点で動作できる場合にはステップS65を実行し、一方でインバータ装置が現在の電力点で動作できない場合にはステップS66を実行する。
【0062】
インバータ装置及びAC負荷を動作するように制御した後、インバータ装置によって消費されている電力とAC負荷によって消費されている電力の合計を所定値になるように制御する。インバータ装置が現在の電力点で動作できる場合には、インバータ装置がグリッド接続後に配電網から電力を引き出すことなく電力を出力していると保証することができ、従って太陽光発電システムのグリッド接続条件が満たされていると判断される。
【0063】
ステップS65において、太陽光発電システムのグリッド接続条件が満たされていると判断し、ACインターフェイス装置を、インバータ装置を配電網に接続するように制御する。
【0064】
ステップS66において、予め設定した時間期間遅延後に再びステップS63を実行する。
【0065】
図6に示すような本開示による太陽光発電システム制御方法では、インバータ装置及びAC負荷の起動後に、インバータ装置によって消費されている電力とAC負荷によって消費されている電力の合計を所定値になるように制御する。インバータ装置が現在の電力点で動作できる場合、インバータ装置によって出力される電力がインバータ装置自体の動作の電力消費要件を満たすことができ、グリッド接続後に配電網から電力が引き出されるのではなく、配電網に電力を送信できるということになる。従って、太陽光発電システムのグリッド接続条件が満たされ、インバータ装置は、ヒカップ現象の発生を伴わずに配電網内で接続されるように制御される。
【0066】
太陽光発電システムの制御装置が、太陽光発電システムのDC側によって給電を受けている場合、インバータ装置及びAC負荷の起動後に、上述した本開示による太陽光発電システム制御方法は、制御装置がパワーダウンするのを防ぐようにインバータ装置の動作電力及びAC負荷の動作電力を制限するステップをさらに含む。例えば、ステップS64において、インバータ装置が現在の電力点で動作できない場合、インバータ装置の動作電力及びAC負荷の動作電力を所定の電力よりも低くなるように制限するステップを追加してインバータ装置がパワーダウンするのを防ぐことができる。その後、ステップS66を実行する。
【0067】
或いは、太陽光発電システムのAC負荷がスイッチを介してインバータ装置のAC出力側に接続され、スイッチの制御端子が制御装置に接続されている場合、インバータ装置を配電網に接続するようにACインターフェイスを制御した後に、上述の本開示による太陽光発電システム制御方法は、スイッチをオフになるように制御するステップをさらに含む。
【0068】
なお、太陽光発電システムのAC負荷が複数の装置を含む場合、これらの装置の各々をインバータ装置のAC出力側にスイッチを介して接続されるように構成することができ、インバータ装置を配電網に接続するようにACインターフェイスを制御した後、システムの動作要件に基づいてこれらのスイッチのいくつかをオフにすることができ、すなわち太陽光発電システムのAC負荷のいくつかがインバータ装置から切断され、AC負荷のいくつかは、依然として太陽光発電出力装置によって生成された電力を供給される。例えば、太陽光発電システムが高温環境内に存在する場合、熱の放散に役立つようにファンが必要とされ、太陽光発電出力装置が大量の電力を生成している場合、太陽光発電出力装置によって生成された電力をファンに供給することができる。
【0069】
本開示では、太陽光発電システムをさらに開示する。この太陽光発電システムは、
図7に示すような構造を有し、太陽光発電出力装置100、インバータ装置200、ACインターフェイス装置300、制御装置400、及びAC負荷500を含む。
【0070】
太陽光発電出力装置100は、インバータ装置200のDC入力側に接続され、インバータ装置200のAC出力側は、ACインターフェイス装置300を介して配電網に接続され、AC負荷500の電源端子は、インバータ装置200のAC出力側に接続される。さらに、インバータ装置200、ACインターフェイス装置300及びAC負荷500の制御端子は、制御装置400に接続される。太陽光発電出力装置100は、太陽エネルギーを電力に変換するように構成され、インバータ装置200は、太陽光発電出力装置100によって出力されたDC電力をAC電力に変換し、このAC電力は、ACインターフェイス装置300を介して配電網に送信される。さらに、AC負荷500は、インバータ装置200によって給電を受けることができる。なお、太陽光発電システムの安定動作を確実にするには、太陽光発電システム内にファン、除湿機又はヒータなどのAC負荷を提供する必要がある。従来の太陽光発電システムでは、AC負荷が配電網に接続され、配電網によって給電を受ける。本開示では、AC負荷500の電源端子が、インバータ装置200のAC出力側に接続される。
【0071】
なお、AC負荷500のタイプは、上述したAC負荷500の3つのタイプに限定されるものではない。
【0072】
太陽光発電システムの起動後、制御装置400は、インバータ装置200が配電網から切断された状態を維持するようにACインターフェイス装置300を制御する。次に、制御装置400は、インバータ装置200及びAC負荷500を起動し、太陽光発電システムのグリッド接続条件が満たされていると判断される場合、インバータ装置を配電網に接続するようにインターフェイス装置300を制御する。このグリッド接続条件は、太陽光発電出力装置100によって出力された電力が、インバータ装置200及びAC負荷500の安定動作を維持できるかどうかを判定するために使用される。
【0073】
本開示による太陽光発電システムでは、インバータ装置が配電網から切断された場合、太陽光発電出力装置によって出力された電力が、太陽光発電システム内のAC負荷によって消費され、太陽光発電出力装置によって生成された電力がインバータ装置及びAC負荷の安定動作を維持するのに十分な場合、インバータ装置が、配電網内で接続されるように制御され、太陽光発電出力装置が大量の電力を生成するので、制御装置は、配電網から切断されて停止せずに連続動作することができる。従来技術に比べ、DC負荷をさらに提供する必要なく太陽光発電システムのヒカップ現象の発生回数を減少させることができ、太陽光発電システムのコスト及び容量が増加することはない。さらに、インバータ装置が配電網に接続される前に、太陽光発電出力装置によって生成される電力をAC負荷が十分に利用することができ、配電網からの電力の引き出しが避けられる。
【0074】
さらに、本開示による太陽光発電システムでは、太陽光発電出力装置100、インバータ装置200、ACインターフェイス装置300、及びAC負荷500の各々が様々な構造を有し、以下、これについて説明する。
【0075】
太陽光発電出力装置100は、単一の太陽光発電モジュール、複数の太陽光発電モジュール、単一の太陽光発電ストリング、複数の太陽光発電ストリング、又は太陽光発電アレイとすることができる。
【0076】
インバータ装置200は、入力されたDC電力をAC電力に変換して出力するDC/ACコンバータを含む。インバータ装置200は、ACリアクトルなどのフィルタ装置をさらに含むことが好ましい。
【0077】
ACインターフェイス装置300は、制御端子が制御装置400に接続されたグリッド接続スイッチを含む。グリッド接続スイッチは、制御装置400の制御下で、インバータ装置200を配電網に接続し、又はインバータ装置200を配電網から切断するように構成される。グリッド接続スイッチは、ACリレー又はAC接触器とすることができる。
【0078】
好ましい実施形態として、ACインターフェイス装置300は、ACフィルタ装置、AC保護装置、母線配電装置及び産業用周波数変換器のうちの1つ又はそれ以上をさらに含むことができる。
【0079】
ACフィルタ装置は、AC波形の品質又はEMI環境を改善するように構成され、ACリアクトル、ACコンデンサ、差動モードインダクタ、共通モードインダクタ、Xコンデンサ又はYコンデンサとすることができる。
【0080】
AC保護装置は、装置、人的安全性及び配電網の安全保護を行うように構成され、避雷装置、変化保護装置、ACヒューズ及びAC回路ブレーカのうちの1つ又はそれ以上を含む。
【0081】
母線配電装置は、複数の入力AC電力線をより少ない出力AC電力線に収束させるように構成され、入力AC電力線と出力AC電力線を接続又は切断することもできる。
【0082】
産業用周波数変換器は、太陽光発電システムを配電網から電気的に絶縁して電圧レベルを変換するように構成される。
【0083】
AC負荷500は、ファン、ヒータ及び除湿機のうちのいずれか1つ又はそれ以上を含む。
【0084】
好ましい実施形態として、太陽光発電出力装置100とインバータ装置200の間にDCインターフェイス装置を提供することもできる。
【0085】
DCインターフェイス装置は、母線配線装置を含む。母線配線装置は、太陽光発電出力装置の複数の入力DC電力線を並列に接続し、複数の入力DC電力線をより少ない出力DC電力線に収束させるように構成され、DCインターフェイス装置は、入力DC電力線と出力DC電力線を接続又は切断することもできる。
【0086】
DCインターフェイス装置内には、DC変換装置、DCフィルタ装置及びDC保護装置のうちの1つ又はそれ以上を提供することが好ましい。
【0087】
DC変換装置は、DC電力を異なる特性のDC出力に変換する絶縁型DC変換装置又は非絶縁型DC変換装置を含み、例えば、太陽光発電出力装置100によって出力された可変電圧のDC電力が安定電圧のDC電力に変換される。
【0088】
DCフィルタ装置は、DC波形の品質又はEMI(電磁障害)環境を改善するように構成され、DCリアクトル、DCコンデンサ、差動モードインダクタ、共通モードインダクタ、Xコンデンサ又はYコンデンサとすることができる。
【0089】
DC保護装置は、装置及び人的安全性の安全保護を行うように構成され、避雷装置、変化保護装置、GFDI(漏電検出遮断器)、アンチリバースダイオード、DCヒューズ及びDC回路ブレーカのうちの1つ又はそれ以上を含む。
【0090】
図8は、本開示による太陽光発電システムの一部の概略構造図である。インバータ装置200は、DC/ACコンバータ201及びフィルタリアクトル202を含む。ACインターフェイス装置300は、グリッド接続スイッチ301、EMIフィルタ302及び絶縁変換器303を含む。AC負荷500は、ACファン501、ヒータ502及び除湿機503を含む。
【0091】
なお、AC負荷500のタイプは、上述したAC負荷500の3つのタイプに限定されるものではない。
【0092】
最後に、本明細書では、「第1の」、「第2の」などの関係用語を使用しているが、これらはエンティティ間又は動作間に実際の関係又は順序が存在することを必要としたり、又はそのことを意味するためのものではなく、1つのエンティティ又は動作を別のエンティティ又は動作と区別するためのものにすぎない。さらに、「含む」、「備える」、又はこれらの他のいずれかの変化形は、包括的であることを意図している。従って、一連の要素を含む処理、方法、物品又は装置は、開示している要素のみならず、明確に列挙していない他の要素も含み、或いは処理、方法、物品又は装置の内在要素をさらに含む。別途明確に限定していない限り、「〜を含む(including a ...)」という記載は、処理、方法、物品又は装置内に列挙する要素以外の同様の要素が存在できる事例を除外するものではない。
【0093】
本明細書では、本開示の実施形態を、各実施形態と他の実施形態の間の相違を説明することに重点を置いて進歩的に説明した。実施形態間の同一又は同様の部分は、互いに参照し合うことができる。これらの実施形態で開示した装置については、実施形態で開示した方法に対応するので、対応する説明は比較的単純である。これらの関連部分については、方法部分の説明を参照することができる。
【0094】
上記の本明細書における実施形態の説明は、当業者による本開示の実施又は使用を可能にするものである。当業者には、これらの実施形態に対する数多くの修正が明らかであり、本明細書に定める一般原理は、本開示の思想又は範囲から逸脱することなく他の実施形態でも実現することができる。従って、本開示は、本明細書で説明した実施形態に限定されるものではなく、本明細書で開示した原理及び新規の特徴と矛盾しない最も広い範囲に従う。