特許第6246890号(P6246890)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6246890UV−Cカテーテルハブ滅菌及びデータ取得システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6246890
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】UV−Cカテーテルハブ滅菌及びデータ取得システム
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/10 20060101AFI20171204BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20171204BHJP
   A61M 5/00 20060101ALI20171204BHJP
   G06Q 50/24 20120101ALI20171204BHJP
【FI】
   A61L2/10
   A61M25/00
   A61M5/00 500
   G06Q50/24
【請求項の数】14
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-501823(P2016-501823)
(86)(22)【出願日】2014年3月13日
(65)【公表番号】特表2016-518872(P2016-518872A)
(43)【公表日】2016年6月30日
(86)【国際出願番号】US2014025340
(87)【国際公開番号】WO2014159855
(87)【国際公開日】20141002
【審査請求日】2015年9月14日
(31)【優先権主張番号】61/783,768
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509055013
【氏名又は名称】テレフレックス メディカル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TELEFLEX MEDICAL INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(72)【発明者】
【氏名】ヴィクター ジョン シー
(72)【発明者】
【氏名】ロウ デイヴィッド トロイ
【審査官】 松井 一泰
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−035673(JP,A)
【文献】 特開2002−325826(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0257910(US,A1)
【文献】 特開2000−229115(JP,A)
【文献】 実開昭57−023861(JP,U)
【文献】 特表2005−508664(JP,A)
【文献】 特表2010−530773(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0281523(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/00− 2/28
A61L 11/00− 12/14
A61F 2/82− 2/97
A61M 25/00− 29/04
A61M 35/00− 36/08
A61M 37/00
A61M 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手持ち式カテーテルハブ滅菌及びデータ取得装置であって、
医療装置を受け入れるための開口部を有するハウジングと、
前記ハウジング内に形成された滅菌チャンバと、
前記滅菌チャンバへのアクセスを提供するための前記滅菌チャンバの遠位端部のヒンジ式のアクセスドアと、
前記滅菌チャンバ内に配置された、前記滅菌チャンバ内へのUV−C放射線の均一な放出のためのUV放射線源と、
ユーザインタフェースと、
前記ハウジング内に構成されたRFIDスキャナと、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記UV放射線は、2つの紫外波長を生成する高電圧管形ランプである
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記UV放射線源は、190nm波長生成を妨げ、254nm主波長に対して最小限の減衰を与える、シリカ石英エンベロープを含む2つのUV−Cランプである
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記滅菌チャンバは、シリカ石英管である
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記滅菌チャンバを囲み、外方に向けられたUV−Cエネルギーの高い反射効率を与える、アルミニウム円筒をさらに含む
ことを特徴とする請求項1、3または4の何れか1項に記載の装置。
【請求項6】
安全インタロック機構をさらに含む
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記安全インタロック機構は、ホールセンサ及び希土類磁石を含み、
前記ホールセンサは、前記アクセスドアが閉じているときの前記磁石の磁場を検知し、前記放射線源の励起のための準備が完了した状態を示す信号を前記ユーザインタフェースに送る
ことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
バーコード・モジュールをさらに含む
ことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記バーコード・モジュールは、コードの向きに関して全方向デコードが可能なCMOS 2Dイメージャを使用する
ことを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記医療装置は、ハブ及び弁組立体を有するカテーテル延長ラインである
ことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の装置。
【請求項11】
患者ケアシステムであって、
手持ち式カテーテルハブ滅菌及びデータ取得装置、及び、RFID対応医療装置を備え、
手持ち式カテーテルハブ滅菌及びデータ取得装置は、
医療装置を受け入れるための開口部を有するハウジングと、
前記ハウジング内に形成された滅菌チャンバと、
前記滅菌チャンバへのアクセスを提供するための前記滅菌チャンバの遠位端部のヒンジ式のアクセスドアと、
前記滅菌チャンバ内に配置された、前記滅菌チャンバ内へのUV−C放射線の均一な放出のためのUV放射線源と、
ユーザインタフェースと、
前記ハウジング内に構成されたRFIDスキャナと、を含む、システム。
【請求項12】
前記RFID対応医療装置は、ポートである
ことを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
装置充電及びダウンロード/アップロードステーションをさらに含む
ことを特徴とする請求項11または12に記載のシステム。
【請求項14】
電子医療記録データインタフェースをさらに含む
ことを特徴とする請求項11乃至13の何れか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に紫外照射システムに関し、より具体的には、カテーテルハブ滅菌及び組み合わされたデータ取得のための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
血管内カテーテルは、多くの状況で、特に集中治療室(ICU)で一般に用いられる必要不可欠な最新の医療装置である。これらのカテーテルの使用は、患者に対して重要な治療及び診断サービスを提供するために必須であるが、同時に、患者を様々なカテーテル関連血流感染(CRBSI)の重大なリスクに曝すことにもなる。治療物質を導入するためにカテーテルにアクセスするときには常に、外来の病原性微生物もまたカテーテルの管腔に、そして最終的には血流に導入され得る可能性がある。通例、アクセス部位は、イソプロピルアルコール(IPA)又は他の抗菌剤を含む溶液でこすり洗いされることが必要とされる。これらの予防手段は、時間がかかることが多く、有効性は最小限であり、あまり遵守されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
病原性微生物がカテーテル管腔に導入される可能性を最小化する、アクセス前に無菌のアクセス部位を保証する方法及びシステムに対する要求が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の要求は本発明によって満たされ、特定の態様によれば、手持ち式ハブ滅菌及びデータ取得装置は、医療装置を受け入れるための開口部を有するハウジングと、ハウジング内に形成された滅菌チャンバと、滅菌チャンバ内に配置された、滅菌チャンバ内へのUV−C放射線の均一な放出のためのUV放射線源と、ハウジング内に構成されたRFIDスキャナと、を含む。
【0005】
本発明の他の態様によれば、手持ち式ハブ滅菌及びデータ取得装置のためのUV放射線源は、2つの紫外波長を生成する高電圧管形ランプである。本発明のさらに他の態様によれば、手持ち式ハブ滅菌及びデータ取得装置のためのUV放射線源は、190nm波長生成を妨げ、254nm主波長に対して最小限の減衰を与える、シリカ石英エンベロープを含む2つのUV−Cランプである。
【0006】
本発明の他の態様によれば、滅菌チャンバは、シリカ石英管であり、外方に向けられたUV−Cエネルギーの高い反射効率を与えるように、アルミニウム円筒が、滅菌チャンバを囲むことができる。
【0007】
本発明の他の態様によれば、ハウジングは、医療装置を滅菌チャンバの中に受け入れるためのアクセスドアを含むことができる。
【0008】
さらに他の実施形態によれば、手持ち式ハブ滅菌及びデータ取得装置は、安全インタロック機構をさらに含むことができる。安全インタロック機構は、ホール(Hall)センサ及び希土類磁石を含むことができ、ホールセンサは、アクセスドアが閉じているときの磁石の磁場を検知し、放射線源の励起のための準備が完了した状態を示す信号をユーザインタフェースに送る。
【0009】
本発明の他の態様によれば、手持ち式ハブ滅菌及びデータ取得装置は、バーコード・モジュールをさらに含むことができる。バーコード・モジュールは、コードの向きに関して全方向デコードが可能なCMOS 2Dイメージャを使用することができる。
【0010】
本発明の他の態様によれば、手持ち式ハブ滅菌及びデータ取得装置は、ハブ及び弁組立体を有するカテーテル延長ラインを滅菌のために受け入れることができる。
【0011】
本発明の他の態様によれば、患者ケアシステムは、医療装置を受け入れるための開口部を有するハウジングと、ハウジング内に形成された滅菌チャンバと、滅菌チャンバ内に配置された、滅菌チャンバ内へのUV−C放射線の均一な放出のためのUV放射線源と、ユーザインタフェースと、ハウジング内に構成されたRFIDスキャナとを含む手持ち式ハブ滅菌用及びデータ取得用装置、並びにRFID対応医療装置を含むことができる。
【0012】
本発明のさらに他の態様によれば、RFID対応医療装置は、ポートとすることができる。
【0013】
本発明のさらに他の態様によれば、患者ケアシステムは、装置充電及びダウンロード/アップロードステーション、及び/又は電子医療記録データインタフェースを含むことができる。
【0014】
本明細書の詳細な説明をより良く理解できるように、及び当該分野に対するこの寄与をより良く認識できるように、ここで本開示の特定の態様をどちらかといえば広範に概説した。
【0015】
この点で、本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の説明で述べられる又は図面において示される構造の詳細及び構成要素の配置に限定されるものではないことを理解されたい。本発明は、記載された実施形態に加えてさらにほかの実施形態とすること、並びに種々の方法で実施すること及び実行することができる。また、本明細書、並びに要約において使用される表現法及び用語は、説明を目的としたものであり、限定とみなすべきではないことも理解されたい。
【0016】
そのため、当業者は、本開示の基礎をなす概念を、本発明の幾つかの目的を実行するための他の構造、方法及びシステムを設計するための基礎として利用することができることを認めるであろう。従って、特許請求の範囲は、本発明の真意及び範囲から逸脱しない限り、そのような均等な構成を含むものとみなされることが重要である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本開示の態様による、UV−Cカテーテルハブ滅菌及びデータ取得システムを示す。
図2】本開示の態様による、図1に示すシステムの構成部品を示す分解図である。
図3】本開示の態様による、別のUV−Cカテーテルハブ滅菌及びデータ取得システムを示す。
図4】本開示の態様による、図3に示すシステム内に設けられた特徴の機能図である。
図5】本開示の態様による、使用状態の図3のシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の態様による手持ち式ハブ滅菌及びデータ取得装置10を示す。滅菌装置10は、ハンドル部分12及び滅菌チャンバ部分14を形成するように構成されたハウジング11を含む。滅菌チャンバ部分14は、UV−C滅菌チャンバ18へのアクセスを可能にするためのヒンジ式ドア16を含むことができる。チャンバ18は、例えばルアーハブ及び弁組立体を含むカテーテル延長ラインの遠位端部分を受け入れるように構成することができる。
【0019】
図2に示すように、ハウジング11は、熱可塑性材料で構成された、細長い、本質的に中空の構造体とすることができる。ハウジング11は、上部フレーム構成要素20と、該上部フレーム構成要素20と嵌合する及び/又はこれに固定される下部フレーム構成要素22とを含むことができる。ハウジング11のハンドル部分12は、例えば、バッテリ24と、バッテリ充電回路、マイクロコントローラ電力調整回路、マイクロコントローラ、高電圧ランプ安定器及び変調回路、出力電力センサ、及び/又は種々のユーザインタフェース構成要素(LEDディスプレイ又はメンブレンスイッチ組立体など)を含む種々の電子部品26とを含む重要な構成要素の、装着、固定及び保護のための実質的に中空の領域を形成することができる。滅菌チャンバ部分14は、滅菌チャンバ内にUV−Cランプ30を収納するように構成することができる。ばね32はロッカアーム34と協働してヒンジ式ドア16を閉位置に付勢することができる。ロッカアーム34の近位端を押して、ばね32によって印加されるばね力に打ち勝つと、ユーザはヒンジ式ドア16を例えばクラムシェル方式で開くことが可能になる。チャンバ閉鎖検出器36を設けて、ヒンジ式ドア16が閉ざされ滅菌チャンバ18が封鎖されて滅菌用量のUV−C放射線の適用が安全になった場合を指示することができる。本発明の他の態様において、光シールをヒンジ式ドア16とハウジング11との境界又はその付近に設けて、実質的な滅菌チャンバ18の光遮蔽シールを形成することができる。
【0020】
滅菌装置10は、無菌のアクセス部位を保証するために必要な抗菌効果を与える紫外C光子エネルギーに依存する。紫外C光子エネルギーは、〜140nmから280nmまでの不可視範囲の波長の光学スペクトルを含む。図2に示すように、滅菌装置10は、2つの紫外波長190nm及び254nmを生成することができる高電圧管形ランプ30を含む。本発明の他の態様によれば、ランプ30は、単一波長を生成することができ、又は広範なスペクトルの光源を生成するように構成することができる。装置10は、ルアーハブ及び弁組立体を含むカテーテル延長ラインを収容するのに適した封鎖可能な照射及び酸化容積を提供する。
【0021】
二重波長作用は、CRBSIの発生を最小化する又は防止する2つの互いに異なる抗菌機構を提供することができる。254nm波長は、病原性微生物の遺伝物質に直接作用して、重要な分子結合を開裂させ、病原体の再生又は正常な細胞活動ができないようにする。第2の波長(190nm)は、二原子酸素(O2)を分解し、得られる一原子酸素からのオゾン(O3)の発生を促進する。オゾンは、接触するいずれの有機物質も迅速に酸化する。2波長放射線を用いる実施形態において、254nm機序では十分に変性しない何らかの病原性微生物を、オゾンによる酸化で消滅させることができる。
【0022】
優れた抗菌作用機構を提供することに加えて、臨床医の遵守の問題もまた改善することもできる。滅菌を保証するためのUV−C/オゾン曝露の見積持続時間は、10秒未満である。これは、例えば適用時間及び乾燥時間の両方を含むイソプロピルアルコールによる処置からの顕著な短縮を表す。UV−C装置10はまた、音声及び視覚的な進行及びプロセス完了の指示を含むこともできる。短縮されたプロセス時間と組み合わされたこの臨床医に対するフィードバック機構を用いて、臨床医による手順遵守を改善することができる。
【0023】
図3は、本発明の態様による手持ち式ハブ滅菌装置100の別の実施形態を示す。滅菌装置100は、ハンドル部分112及び滅菌チャンバ部分114を形成するように構成された本体111を含むことができる。滅菌チャンバ部分114は、UV−C滅菌チャンバ118へのアクセスを可能にするためのヒンジ式ドア116を遠位端に含むことができる。チャンバ118は、例えばルアーハブ及び弁組立体を含むカテーテル延長ラインの遠位端部分を受け入れるように構成することができる。
【0024】
本発明の態様によれば、装置100は、190nm波長/オゾン生成を妨げ、254nm主波長に対する最小限の減衰(<5%)を与える、シリカ石英エンベロープを含む2つのUV−Cランプを用いて構成することができる。滅菌チャンバ118は、シリカ石英管を含むことができ、UV−Cランプは、滅菌チャンバ118全体にわたって放射線を均等に分散させるような方式で滅菌チャンバ118内に装着することができる。ランプ及び滅菌チャンバ118は、外方に向けられたUV−Cエネルギーの高い反射効率を与えるように加工されたアルミニウム円筒によって囲むことができ、統合効果がもたらされる。
【0025】
装置100のUV−C滅菌チャンバ118は、滅菌プロセス中にユーザ及び患者が可能なUV−C曝露から保護されることを保証するための安全インタロック機構を含むことができる。希土類磁石をヒンジ式ドア116上に装着することができ、ホールセンサが、閉鎖及び封鎖位置においてヒンジ式ドア116と共に希土類磁石が配置されることになる場所の近くの、滅菌チャンバ118内の適切な位置に設けられる。このようにして、ホールセンサは、ヒンジ式ドア116が閉ざされている場合に磁石の磁場を検知し、UV−Cランプの励起を続行することが安全であることを示す電圧信号を制御電子機器に送信する。UV−Cフルエンス値(uw/cm2)は、滅菌チャンバ118内に恒久的に装着された炭化ケイ素光検出器によって監視されることになる。
【0026】
例えば入力ボタン120、及びグラフィック・ディスプレイ122のような他のユーザインタフェースを設けて、ユーザが、ハブ滅菌装置100内に設けられた種々の機能と相互作用すること及びこれを制御すること、並びに装置100からデータを受け取ること又は送り出すことを可能にすることができる。
【0027】
図4は、ハブ滅菌装置100内に設けることができる種々の特徴を示す機能図である。例えば、装置100は、滅菌チャンバ118と、グラフィック・ディスプレイ122及び入力ボタン120から成るユーザインタフェースと、無線周波数識別子(RFID)及びバーコード・デコード・エンジン130と、制御、データストレージ及び充電回路140と、リチウムポリマーバッテリ150と、UV−C統合空間組立体160と、UV−Cランプ励起用高電圧インバータ電子機器170とを含むことができる。
【0028】
装置100は、ユーザ又は患者識別パラメータに関連付けられた全ての1D及び2Dバーコードをデコードすることが可能なものとすることができる。さらに、バーコードエンジンは、コードの向きに関して全方向のデコードが可能なCMOS 2Dイメージャを利用することが可能であろう。
【0029】
本発明の他の態様によれば、RFIDエンジンは、2.4GHz規格で動作し、全ての使用可能な医療装置に関して読取り及び書込み能力を有する。RFIDチップは、ロバストであり、受動的であり、サイズが小さい。チップは、種々のデータによりプログラムすることができ、応答指令信号を受けること又は再プログラムされることができる。図5に示すように、RFIDチップ200は、埋め込み可能な皮下ポート210のような医療装置に付加することができる。ユーザは、装置100のRFID機能を用いて、皮膚212の下のポート210上のRFIDチップ200に応答指令信号を送って、その装置の示された能力、例えば圧力注入可能性を識別する。臨床的使用のために付加的なデータをRFIDに追加することができる。これらのデータは、例えば、製造者名称、製品番号、ロット番号、埋め込みデータ、装置能力、患者データ、注入履歴等を含むことができるがそれらに限定されない。これらのデータは、装置100でRFIDチップ200の近傍を走査することによって格納され及び/又は変更され、次にデータを病院の電子医療記録(EMR)データベースと同期することができる。
【0030】
RFID対応装置に帰属されるデータは、GS1製造情報、患者ID、最終ユーザID、最終使用日時、埋め込みデータ、埋め込み施設ID、増分アクセス回数、及び滅菌統計量を含むが、それらに限定されない。電子医療記録のアップロードのために装置100内に格納されるデータは、日時スタンプ付きユーザIDログ、埋め込みデータ付き装置IDログ、患者データ及び日時スタンプ付き使用ログ、故障状態ログ、及び滅菌統計量を含むが、それらに限定されない。
【0031】
装置100のユーザインタフェースは、例えば、以下の情報、すなわち、バッテリ充電レベル、並びに、可能性のあるユーザ/患者のUV−C曝露に起因する危険な状况、適正な滅菌には不十分なUV−Cフルエンス値、バーコート読取り誤り、RFID読取り誤り、電源異常、及び/又はユーザ入力誤りを含む、故障状態、シーケンス状態(これは、準備完了、ユーザ走査、患者走査、滅菌、UV−C進行中(完了までの時間)、滅菌完了、故障を含むことができる)をユーザに提供することができる。
【0032】
滅菌装置100は、複数装置充電及びダウンロード/アップロードステーション、単一装置ベッドサイド充電及びダウンロード/アップロードステーション、RFID対応医療装置、例えばカテーテル、ポート又は適切な使い捨て医療装置など、装置制御及びデータ取得ソフトウェア、充電ステーション制御及び電子医療記録データインタフェースソフトウェアを含む患者ケアシステム内に組み込むことができる。
【0033】
いずれか1つの態様との関連で説明されるいずれの特徴も、単独で、若しくは説明された他の特徴との組合せで用いることができ、そしてまた、その他のいずれかの開示された態様の1つ若しくはそれ以上の特徴との組合せ、又はその他のいずれかの開示された態様のいずれかの組合せで用いることもできることを理解されたい。
【0034】
いずれか1つの態様との関連で説明されるいずれの特徴も、単独で、若しくは説明された他の特徴との組合せで用いることができ、そしてまた、その他のいずれかの開示された態様の1つ若しくはそれ以上の特徴との組合せ、又はその他のいずれかの開示された態様のいずれかの組合せで用いることもできることを理解されたい。
【0035】
本発明の多くの特徴及び利点は、詳細な明細書から明らかであり、それゆえ添付の特許請求の範囲によって本発明の真意及び範囲内に入る本発明のそのような全ての特徴及び利点がカバーされることが意図される。さらに、多数の変更及び変形が当業者には容易に想到できるので、本発明を、例証され、説明されたそのままの構成及び動作に限定することは望むところではなく、従って、本発明の範囲内に入る全ての適切な変更及び均等物を用いることができる。
【符号の説明】
【0036】
10、100 手持ち式ハブ滅菌及びデータ取得装置
11、111 ハウジング、本体
12、112 ハンドル部分
14、114 滅菌チャンバ部分
16、116 ヒンジ式ドア
18、118 UV−C滅菌チャンバ
20 上部フレーム構成要素
22 下部フレーム構成要素
24 バッテリ
26 電子部品
30 UV−Cランプ
32 ばね
34 ロッカアーム
36 チャンバ閉鎖検出器
120 入力ボタン
122 グラフィック・ディスプレイ
200 RFIDチップ
210 ポート
212 皮膚
図1
図2
図3
図4
図5