(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6246896
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】可動家具部品用の駆動装置
(51)【国際特許分類】
A47B 88/453 20170101AFI20171204BHJP
A47B 88/40 20170101ALI20171204BHJP
【FI】
A47B88/00 H
A47B88/04 E
【請求項の数】13
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-506720(P2016-506720)
(86)(22)【出願日】2014年3月26日
(65)【公表番号】特表2016-514575(P2016-514575A)
(43)【公表日】2016年5月23日
(86)【国際出願番号】AT2014000059
(87)【国際公開番号】WO2014165877
(87)【国際公開日】20141016
【審査請求日】2015年11月10日
(31)【優先権主張番号】A293/2013
(32)【優先日】2013年4月12日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルム ゲー エム ベー ハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブランマイヤー,ハラルド
(72)【発明者】
【氏名】ブルム,ミハエル
【審査官】
大谷 純
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−190310(JP,A)
【文献】
特開2004−041616(JP,A)
【文献】
特表2009−506847(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3153765(JP,U)
【文献】
米国特許第04657292(US,A)
【文献】
特開2007−002556(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/00−88/994
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動家具部品(2)用の駆動装置(1)であって、
閉じ位置(SS)から開き位置(OS)に可動家具部品(2)を取り出すためのロック可能な取り出し装置(3)を備えており、当該取り出し装置(3)は、閉じ方向(SR)において閉じ位置(SS)の後ろにある超過押圧位置(US)に向けて可動家具部品(2)を超過押圧することでロック解除可能である、可動家具部品(2)用の駆動装置(1)において、
該駆動装置(1)はブロック要素(4)を備え、このブロック要素(4)は、
前記可動家具部品(2)が超過押圧位置(US)に到達したときでも、当該ブロック要素(4)が前記取り出し装置(3)のロック解除を防止するところのブロック位置(B)と、
前記可動家具部品(2)が超過押圧位置(US)に到達したときに前記取り出し装置(3)がロック解除され得るところのリリース位置(F)との間を切替え配置可能であり、
該駆動装置(1)は更にリセット装置(5)を備え、このリセット装置(5)によって前記ブロック要素(4)は前記ブロック位置(B)から前記リリース位置(F)に移動可能である、ことを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
前記ブロック要素(4)は、前記可動家具部品(2)が閉じ位置(SS)に到達する前に前記ブロック位置(B)に移動可能である、ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記可動家具部品(2)は、前記ブロック要素(4)が前記リリース位置(F)に戻るときに前記閉じ位置(SS)にある、ことを特徴とする請求項2に記載の駆動装置。
【請求項4】
取り出し力貯蔵手段(6)により強制作動される取り出しレバー(7)、及び、
ロックベースプレート(8)に沿って移動可能であると共に、閉じ位置(SS)において前記取り出しレバー(7)がもたれかかるところのロック要素(9)
を備え、
前記閉じ位置(SS)では、ロック位置(V)にある前記ロック要素(9)は前記取り出しレバー(7)の取り出し部(A)への移動の経路をブロックし、
前記超過押圧位置(US)では、リリース位置(G)にある前記ロック要素(9)は前記取り出しレバー(7)の取り出し部(A)への移動の経路を有効にする、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記ブロック要素(4)は、前記ロック要素(9)上に移動可能に取り付けられている、ことを特徴とする請求項4に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記ブロック要素(4)は、閉じ動作において、前記取り出し装置(3)によって前記ブロック位置(B)に移動可能である、ことを特徴とする請求項4又は5に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記ブロック位置(B)にある前記ブロック要素(4)は、前記ロック要素(9)の前記リリース位置(G)への移動を防止する、ことを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記ブロック要素(4)は、前記ロックベースプレート(8)に設けられたガイド経路(10)内を制限的に移動可能に設けられている、ことを特徴とする請求項4〜7のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項9】
前記ブロック要素(4)は、前記ガイド経路(10)のブロック位置(B)に保持されている、ことを特徴とする請求項8に記載の駆動装置。
【請求項10】
前記取り出しレバー(7)によって形成される引き込み装置(35)を備えている、ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項11】
前記駆動装置(1)は、制御経路(12)を有しており、
可動家具部品(2)の取り出し時に、前記取り出しレバー(7)は、前記制御経路(12)の取り出し部(A)にもたれかかり、
前記取り出し力貯蔵手段(6)のストレス付与時に、それは、前記制御経路(12)のストレス付与部(S)にもたれかかり、
引き込み装置(35)としての機能時において、可動家具部品(2)の前記閉じ位置(SS)への引き込み時に、それは、前記制御経路(12)の引き込み部(E)にもたれかかる、ことを特徴とする請求項10に記載の駆動装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の駆動装置(1)を有してなる家具製品(13)。
【請求項13】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の駆動装置(1)を具備した可動家具部品(2)を開閉する方法であって、該可動家具部品(2)を開くためのステップとして次のステップ、即ち、
ロック可能な取り出し装置(3)によって可動家具部品(2)を閉じ位置(SS)から開き位置(OS)に取り出すステップであって、前記取り出し装置(3)は、閉じ方向(SR)において閉じ位置(SS)の後ろにある超過押圧位置(US)に向けて可動家具部品(2)を超過押圧することでロック解除されるものである、取り出しステップを備えており、
この取り出しステップは、次の二つのステップ、つまり、
可動家具部品(2)を閉じるときの駆動装置(1)のブロック要素(4)を、超過押圧位置(US)に到達したときでも、取り出し装置(3)のロック解除が防止されるところのブロック位置(B)に動かすステップ、及び、
前記ブロック要素(4)を、前記ブロック位置(B)から、超過押圧位置(US)に到達したときに取り出し装置(3)のロック解除が起きるところのリリース位置(F)に動かすステップ、
によって特徴づけられる、ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動家具部品用の駆動装置であって、閉じ位置から開き位置に可動家具部品を取り出すためのロック可能な取り出し装置を備えており、当該取り出し装置は、閉じ方向において閉じ位置の後ろにある超過押圧位置に向けて可動家具部品を超過押圧することでロック解除可能である、可動家具部品用の駆動装置に関する。
本発明はまた、そのような駆動装置を有してなる家具製品に関する。
更に、本発明は、駆動装置を具備した可動家具部品を開閉する方法であって、ロック可能な取り出し装置によって可動家具部品を閉じ位置から開き位置に取り出すステップを備え、前記取り出し装置は、閉じ方向において閉じ位置の後ろにある超過押圧位置に向けて可動家具部品を超過押圧することでロック解除されるものである、可動家具部品の開閉方法に関する。
【背景技術】
【0002】
駆動装置、つまり、可動家具部品(例えば引き出し)を押すことで可動家具部品が家具カーカス(家具枠体)からロック解除され、可動家具部品が開く又は能動的に取り出し(エジェクト)されることに用いられる駆動装置が、家具用取り付け器具産業において既に長年にわたり知られている。その目的のためのそのような駆動装置は、いわゆるタッチラッチ機構を有している。その機構では、引き出しを開き位置から閉じる動作と、引き出しを閉じ位置からロック解除する又は開く動作は、同じ方向、つまり閉じ方向である。(手動での又は引き込み装置(retraction device)による)通常のソフトな閉鎖の場合、引き出し即ち可動家具部品は、ロック装置によって閉じ位置における閉じ動作の端部に保持される。しかしながら、引き出しが過度に固く押し閉められるならば、あるいは、引き出しが末端当接部(end abutment)(これは超過押圧位置に相当する)の所まで押されるならば、取り出し装置(ejection device)は、もはや全くロックすることができないか、又は、再び即座にトリガー(起動)され、可動家具部品のそのような不適切な作動の場合には、確実に閉じることを保証することができない。
【0003】
この問題を解決するために、オーストリア特許出願A 52/2012(これは、より早い優先日を持つが先行公報(公知刊行物)ではない)によって、過度に早い閉じ動作の場合に超過押圧位置への動きを防止するべく、ブロック要素が知られている。
【0004】
こうして、可動家具部品の超過押圧動作は、前記ブロック要素によって閉じ位置で止められ、超過押圧や、閉じ位置を超えての押圧は、起き得ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】オーストリア特許出願A 52/2012
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、閉じ位置を超えた動きに際して、取り出し装置の起動(トリガー)を防止する代替的な手法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、請求項1の特徴を有する駆動装置によって達成される。
本発明によれば、ブロック要素が設けられており、当該ブロック要素は、超過押圧位置に到達したときに当該ブロック要素が前記取り出し装置のロック解除(アンロック)を防止するところのブロック位置を有すると共に、超過押圧位置に到達したときに前記取り出し装置がロック解除され得るところのリリース位置(解放位置)を有している。
それ故、前記ブロック要素は、前述の特許出願A 52/2012とは対照的に、「可動家具部品が、閉じ位置を超えて押圧されたときも閉じ位置には保持されず、しかし、閉じ位置を超えて末端当接部の所まで、即ち超過押圧位置へ移動することが許容される」ということをもたらす。とりわけ、このように、可動家具部品が閉じ位置を超えて押圧されたとき、可動家具部品の超過押圧位置への移動が確実に可能であるが、ブロック要素がブロック位置にある場合における取り出し装置のロック解除が防止される。
【0008】
可動家具部品の開き方向への移動において、ブロック要素が既にブロック位置に移動されていることは、可能である(又は、あり得ることである)。しかしながら、可動家具部品の閉じ方向への移動において、ブロック要素がブロック位置に移動可能であることは、好ましい。閉じ位置に到達する前に、あるいは、遅くとも閉じ位置に到達した場合に、ブロック要素がブロック位置に移動可能であることは、取りも直さず重要である。
【0009】
超過押圧による駆動装置全体のノーマルなトリガー(普通の起動)を許容するためにも、ブロック要素は、ブロック位置からリリース位置に再び復帰移動可能であるように設けられている。基本的に、ブロック要素のブロック位置からリリース位置への復帰移動に伴い、可動家具部品は、閉じ位置と超過押圧位置との間の超過押圧領域に配置され得る。しかしながら、ブロック要素がリリース位置に戻るときに、可動家具部品が閉じ位置にあることは、好ましい。
【0010】
ブロック位置とリリース位置との間での切替えを機械的に簡素なものとするために、ブロック要素が、リセット装置によってブロック位置からリリース位置に移動可能であることは、好ましい。
【0011】
原理上、リセット動作が閉じ圧力または閉じ速度に依存してもたらされることは、可能である(又は、あり得ることである)。換言すれば、可動家具部品を閉じ位置から超過押圧位置へ強引に又は素早く動かす場合、ブロック要素は、取り出し装置のロック解除を防止することができる。しかし、可動家具部品が固く押し閉じられるときに可動家具部品がロック解除されることが望まれることもあり得るので、リセット装置のリセット動作が時間遅延した関係でもたらされることは、好ましい。換言すれば、閉じ位置に達した後のある時間(所定時間)、取り出し装置のロック解除は不可能となり、これにより、可動家具部品が超過押圧位置に直接的に押し込まれた場合でもロック解除が防止される。その目的のために、リセット動作が0.2秒〜4秒の間、好ましくは0.3秒〜1秒の間、続くことが好ましい。それ故、少なくともその期間においては、ブロック位置又は閉じ位置に達した後も、取り出し装置のロック解除は不可能である。
【0012】
原理上、ロック可能な取り出し装置は、心臓形(ハート形)のガイド経路においてラッチ可能(掛止可能)なロックピンを有するように設計することも可能である。しかしながら、次のことが理解されよう、即ち、本発明の好ましい実施態様は、
取り出し力貯蔵手段により力で作動される(強制作動される)取り出しレバー、及び、
ロックベースプレートに沿って移動可能であると共に、閉じ位置において前記取り出しレバーがもたれかかるところのロック要素を備えており、
前記閉じ位置では、ロック位置にある前記ロック要素は前記取り出しレバーの取り出し部への移動の経路をブロックし、前記超過押圧位置では、リリース位置にある前記ロック要素は前記取り出しレバーの取り出し部への移動の経路を有効にする(enable)。
それ故、ロックされる要素(つまり取り出しレバー)もまた同時に、取り出し用の強制作動されるコンポーネントを形成する。それら二つのコンポーネントは、心臓形(ハート形)経路を伴ったタッチラッチ機構の場合に常に分離して設けられている。
【0013】
原理上、ブロック要素は、駆動装置の任意の位置に設けられることができ、又は駆動装置から分離して設けられることもできる。ただし、ブロック要素は、ロック要素上に移動可能に(好ましくは回転可能に)取り付けられている、ことが好ましい。
【0014】
ブロック要素をブロック位置に移動させるために、前記ブロック要素は、閉じ動作において、前記取り出し装置によって(好ましくはその取り出しレバーによって)、ブロック位置に移動可能である、ことが好ましい。
【0015】
また、ブロック位置にあるブロック要素が、ロック要素のリリース位置への移動を防止することで、超過押圧位置に達したときに、ブロック要素が取り出し装置のロック解除を防止する、ことは更に好ましい。
【0016】
また、ブロック要素が、好ましくはロックベースプレートに設けられたガイド経路内を制限的に移動可能に設けられることで、ブロック要素が実現されることは好ましく、そこでは、ブロック要素は、ガイド経路のブロック位置に保持されており、好ましくはくさび留めされている(be wedged)。
【0017】
駆動装置の機能範囲を広げると共に、作動の快適さ及び利便性を高めるために、駆動装置は、(好ましくは取り出しレバーによって形成される)引き込み装置(retraction device)を備えてもよい。好ましくは、引き込み装置は減衰装置によって減衰されてもよい。従って、特に好ましくは、駆動装置は、制御経路を有しており、/可動家具部品の取り出し時に、前記取り出しレバーは、前記制御経路の取り出し部にもたれかかり、/取り出し力貯蔵手段のストレス付与時に、それは、前記制御経路のストレス付与部にもたれかかり、/引き込み装置としての機能時において可動家具部品の閉じ位置への引き込み時に、それは、前記制御経路の引き込み部にもたれかかる。
【0018】
発明の保護はまた、家具カーカス(家具枠体)、家具カーカスにおいて移動可能な家具部品、及び、本発明に従う駆動装置を有してなる家具製品に対しても要求されている。
【0019】
駆動装置を具備した可動家具部品を開閉する方法については、本発明に従う目的は、次の手順(によって実現される)、即ち、
可動家具部品を閉じるときの駆動装置のブロック要素を、超過押圧位置に到達したときに取り出し装置のロック解除が防止されるところのブロック位置に動かすこと、及び、
ブロック要素を、ブロック位置から、超過押圧位置に到達したときに取り出し装置のロック解除が起きるところのリリース位置に動かすこと、によって実現される。
そして、ブロック要素のブロック位置からリリース位置への移動が、リセット装置により時間遅延(好ましくは0.2〜4秒の時間遅延)させて、閉じ位置にある可動家具部品と共にもたらされる、ことが特に好ましい。
【0020】
本発明の更なる詳細および利点は、図示された例による実施形態を参照した具体的な説明によって、以下に、更に十分に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、延出ガイド手段および駆動装置を具備した家具製品を示す。
【
図2a】
図2aは、駆動装置付きの延出ガイド手段を示す。
【
図3a】
図3a〜3cは、閉じ位置における駆動装置を示す。
【
図3b】
図3a〜3cは、閉じ位置における駆動装置を示す。
【
図3c】
図3a〜3cは、閉じ位置における駆動装置を示す。
【
図4a】
図4a,4bは、超過押圧時の駆動装置を示す。
【
図4b】
図4a,4bは、超過押圧時の駆動装置を示す。
【
図5a】
図5a〜5c,6,7は、取り出し時の駆動装置を示す。
【
図5b】
図5a〜5c,6,7は、取り出し時の駆動装置を示す。
【
図5c】
図5a〜5c,6,7は、取り出し時の駆動装置を示す。
【
図6】
図5a〜5c,6,7は、取り出し時の駆動装置を示す。
【
図7】
図5a〜5c,6,7は、取り出し時の駆動装置を示す。
【
図8】
図8は、自由走行条件下での駆動装置を示す。
【
図10】
図10は、力貯蔵手段が十分にストレス付与された状態での駆動装置を示す。
【
図12a】
図12a〜cは、ブロック要素をブロック位置に移動させたときの駆動装置を示す。
【
図12b】
図12a〜cは、ブロック要素をブロック位置に移動させたときの駆動装置を示す。
【
図12c】
図12a〜cは、ブロック要素をブロック位置に移動させたときの駆動装置を示す。
【
図13a】
図13a〜cは、ブロック要素をブロック位置に移動させたときの駆動装置を示す。
【
図13b】
図13a〜cは、ブロック要素をブロック位置に移動させたときの駆動装置を示す。
【
図13c】
図13a〜cは、ブロック要素をブロック位置に移動させたときの駆動装置を示す。
【
図14】
図14は、閉じ位置に到達したときの駆動装置を示す。
【
図15a】
図15a,bは、ブロック要素によってロック解除が防止されたときの駆動装置を示す。
【
図15b】
図15a,bは、ブロック要素によってロック解除が防止されたときの駆動装置を示す。
【
図16】
図16は、通常の閉じ及び始動時における可動家具部品の移動についての時間−移動(位置)のグラフである。
【
図17】
図17は、閉じ位置を超えて移動した場合における可動家具部品の移動についての時間−移動(位置)のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、家具カーカス(家具枠体)14、及びそこに移動可能に取り付けられた家具部品2を備えた家具製品13を示す。引き出しの形態をなしたこれらの可動家具部品2は、家具カーカス14上の延出ガイド手段16を介して線形的(直線的)に変位可能に支持されている。延出ガイド手段16は、カーカスレール18、引き出しレール(ここでは図示略)、及び、場合によっては中央レールを有している。駆動装置1は、延出ガイド手段16又は可動家具部品2に固定されている。
【0023】
その点に関して
図2aから見て取れるように、本質的なコンポーネント(構成要素)としての駆動装置1は、取り出しレバー7、及び、取り出し力貯蔵手段6(これは同時に引き込み力貯蔵手段11としても機能する)を有している。減衰装置19も存在する。
【0024】
図2bから詳しく見て取れるように、取り出しレバー7は、取り出しローラ20を介して取り出し当接部(ejection abutment)27にもたれかかっている。取り出しローラ20は、回転ベアリング29を介して取り出しレバー7に対し回転可能に取り付けられている。原理上、取り出しレバーは、取り出しベースプレート26に対し回転軸Xを中心として回転可能に取り付けられている。この実施形態では、取り出しベースプレート26は、可動家具部品2の下側の引き出し底に取り付けられている。取り出し力貯蔵手段6は、引張りバネの形態をなしている。取り出しベースプレート26とは対照的に、ロックベースプレート8は、カーカスレール18に取り付けられている。取り出し当接部27は、当該ロックベースプレート8上に設けられている。
加えて、制御要素21が、ロックベースプレート8上にリリース方向(解放方向)Rに移動可能に取り付けられている。制御要素21は、力貯蔵手段(ここでは図示略)によるリリース方向Rの力によって作動される。加えて、力作動式(強制作動式)のフラップ片23が、制御要素20に対し回動可能に取り付けられている。減衰装置19は減衰ピストン28を有し、その減衰ピストン28はスライダー34にもたれかかっている。スライダー34は、閉じ位置SSに達する前、とりわけ直前において、取り出しレバー7にもたれかかり、引き込み力貯蔵手段11として機能する取り出し力貯蔵手段6の引き込み動作を減衰する。開き方向ORでの可動家具部品2の動きについて、可動家具部品2は、その可動家具部品2上に設けられた取り出しレバー7を介して、家具カーカス14に形成され又は設けられた取り出し当接部27にもたれかかる。
【0025】
図3a〜3cは、駆動装置1の位置が可動家具部品2の閉じ位置SSに対応するところの、駆動装置1の各種図面を示す。制御要素21に回動可能に取り付けられたブロック要素4がリリース位置(解放位置)Fにあることも見て取れる。
図3a〜3cにおいてロック位置Vにあるところのロック要素9は、制御要素21に接続されているか、又は、それと一体で設けられている。そのロック位置Vでは、取り出しレバー7は、取り出しローラ20を介してロック要素9にもたれかかっている。ロックベースプレート8と制御要素21との間で作動する力貯蔵手段(図示略)は、ロック要素9をリリース方向Rに明らかに動かそうとするが、それ(そのこと)は、取り出し力貯蔵手段6の力が、ロック要素9又は制御要素21とロックペースプレート8との間にある力貯蔵手段(図示略)の力よりも大きくなるにつれて、ロック要素9にもたれかかる取り出しレバー7によって防止される。
【0026】
可動家具部品2に対し閉じ方向SRに圧力が付与されると、可動家具部品2は超過押圧位置USに到り、その場合には、駆動装置1は
図4a,4bに示す位置になる。可動家具部品2の閉じ方向への動きのために、取り出しベースプレート26もまた、ロックベースプレート8に対して相対移動する。但し、閉じ位置SSに従い、取り出しレバー7の取り出しローラ20は既に閉じ位置において取り出し当接部27にもたれかかっているので、可動家具部品2が超過押圧位置USに移動するときでも、取り出しローラ20は閉じ方向SRに更に移動することができないが、回動軸X周りでの取り出しレバー7の旋回動作が開始(起動)される。
確かに、その旋回動作のおかげで、取り出しローラ20は、閉じ方向で見る限り同じ位置にとどまるが、その状況は、閉じ方向SR又は開き方向ORに対して横方向(横断する方向)での取り出しローラ20の動きを含む。その結果、力貯蔵手段(図示略)のおかげで、ロック要素9と共に制御要素21が取り出しローラ20を通過してリリース方向Rに動くことが可能になるまで、取り出しローラ20は、ロック要素9から離されてロック要素9との接触を断たれる。従って、ロック要素9は、ロック位置Vからリリース位置Gに移動し、これにより、取り出しレバー7はもはやロック要素9に保持されず、取り出し部Aへの移動経路がフリー(自由な状態、開かれた状態)になる。
【0027】
取り出し部Aがもはやロック要素9によってロックされなくなるや否や、取り出し力貯蔵手段6は解放されて、取り出しレバー7を反時計方向に
図5a〜5cの位置に旋回させる。その旋回動作と共に、取り出しレバー7は取り出しローラ20を介して取り出しベースプレート26の取り出し当接部27にもたれかかり、可動家具部品2を家具カーカス4に対して開き方向ORに動かす。従って、可動家具部品2は
図5a〜5cに示す開き位置OSに配置される。ロック要素9は依然としてリリース位置Gにある。
【0028】
取り出し力貯蔵手段6は更に解放されるため、駆動装置1は更に
図6及び7に示す位置に動く。
【0029】
取り出し装置3の慣性によって、又は、可動家具部品2を開き方向ORに手動で引っぱり続けることにより、駆動装置は更に
図8に示す位置に移動する。その位置では、可動家具部品2は自由走行状態となる。可動家具部品2が
図8から更に開き方向ORに動かされると、フラップ片23は、時計方向への旋回を伴って、取り出しローラ20が通過するのを許容する。
【0030】
可動家具部品2が再び閉じ方向SRに動かされるとき、取り出しローラ20は、フラップ片23及び制御要素21上に設けられたストレス付与部S(
図9参照)と接触するようになる。取り出しローラ20が制御要素21又はフラップ片23に接触するや否や、制御要素の全体が、力貯蔵手段(図示略)の力に抗してリリース方向Rとは反対の関係で動かされ、これにより、ロック要素9がロック位置Vにいたる。
【0031】
可動家具部品2の閉じ方向SRへの更なる移動に際して、取り出しローラ20は、ストレス付与部Sに沿って
図10に示す位置(その位置では取り出し力貯蔵手段6が十分にストレス付与される)に配置され又は転動する。ストレス付与部Sは、引き込み部E及び取り出し部Aと共に、制御経路12の本質的な要素を形成する。
【0032】
図10に示す位置を超えて閉じ方向SRに移動後、取り出しレバー7は、
図11に示すような引き込み部Eに移動する。なお、その場合、取り出しレバー7は、引き込み力貯蔵手段11と協動する引き込み装置35として働く(作動する)。取り出しローラ20と制御要素20との機械的な接触のおかげで、制御要素21はリリース方向Rとは反対の関係で押圧され、その結果、ロック要素9はロック位置Vにとどまる。
【0033】
更なる結果として、
図12a〜12cに示すように、取り出しローラ20はブロック要素4の回転レバー30と接触する。その接触によって、ブロック要素4は、回転ベアリング32を中心として時計回り方向に回転される。結果的に、ブロックカム31もまた、ロックベースプレート8のガイド経路内に配置される。その回転動作と同時に、引張ばねの形態をなしたリセット装置5もまた、ストレス付与される。その引張ばねは、一方において制御要素21に固定され、他方においてブロック要素4に固定されている。
図12a〜12cに示すように、ブロック要素4は既にブロック位置Bにある。
【0034】
引き込み力貯蔵手段11の解放によって、駆動装置1は更に
図13a〜13cに示す位置(その位置では、可動家具部品2は依然として開き位置OSにある)に動かされる。その引き込み動作中、減衰装置19の効果も生じ、引き込み力貯蔵手段11のばね力と対抗する。
図13a〜13cに示すように、ブロック要素は更に時計方向に回転し、その結果、ブロックカム31がガイド経路10の端部に到達する。その位置で、リセット装置5は十分に荷重付与される。
【0035】
取り出しローラ20がもはや回転レバー30と接触しなくなった直後に、取り出しローラ20及び取り出しレバー7は、可動家具部品2の閉じ位置SSに対応するところの
図14に示す位置にいたる。その場合、取り出しローラ20はロック要素9に対しもたれかかる。ブロック要素4はもはや取り出しローラによって接触されないが、それでもなお、それは依然としてブロック位置Bにあり、ただし、それは既に、リセット装置5によるリセット動作Tの一部をカバーしている。しかしながら、そのリセット動作Tは遅延装置によって時間的に遅延される。そのような遅延装置は例えば、回転ベアリング32における回転ダンパーの形態をなしてもよい。その遅延装置は、ブロック位置Bからリリース位置Fへのブロック要素4の移動が0.2秒〜4秒の間持続することをもたらす。取り出し装置3は、その期間中、ロック解除されることができない。なお、この点については、後ほど
図15a,15bで説明する。
【0036】
特に
図4aとの比較で、
図15aにおいてより具体的に見て取れることは、可動家具部品2の超過押圧位置USへの移動によって、取り出しレバー7が再び、旋回軸Xの周りで時計方向に回転するという点である。その結果、取り出しローラ20は、ロック要素9から離れ、これによりロック要素9が、力貯蔵手段(図示略)によって制御要素21を介してリリース方向Rに実際に動こうとする。しかしながら、リリース方向への動きは、
図15bに示されるように、ロックベースプレート8のガイド経路10のブロック側片(blocking flank)33にもたれかかっているブロック要素4のブロックカム31によって防止されている、ことに気づくであろう。こうして最大限でも(せいぜい)、ロック要素9のリリース方向への僅かな動きは可能ではあるが、取り出しローラ20を取り出し部Aに解放するには十分ではない。このように、可動家具部品2の超過押圧位置USへの超過押圧時には、ブロック要素4がブロック位置にある限り、取り出し装置3はロック解除されることができない。オペレータ(操作者)によって、超過押圧位置USにある引き出し(可動家具部品)に圧力が依然として付与される限り、ブロック要素4は、リセット装置5によってリリース位置Fに動かされることができない。それは、(閉じ位置SSにある場合のように)「十分に」、取り出しローラ20がロック要素9にもたれかかっていないが、力貯蔵手段(図示略)のおかげでロック要素9が、閉じ位置SSに対してリリース方向Rに短い距離だけ変位している、からである。この変位のおかげで、回転ベアリング32の回転軸は、ガイド経路10の構成とはもはや一致(又は適合)せず、ブロックカム31は、ガイド経路10に沿って反時計方向に動くことができず、但し、ブロック側片33に対してくさび留め(be wedged)されている(
図15b参照)。このことは、超過押圧位置USにあるときの可動家具部品2を操作者が押し続ける限り、ブロック要素4のリリース位置Fへの移動は起こり得ないことを意味する。
【0037】
取り出し力貯蔵手段6が再び幾分か解放されて取り出しレバー7を反時計方向に旋回可能とし、その結果、ロック要素9が取り出しローラ20を介して再び
図14に示す位置に移動できるようになるのは、可動家具部品2が(操作者から)解放されたときだけである。その
図14の位置においては、回転ベアリング32の回転軸が再び、ガイド経路10の半径と一致(又は整合)し、その結果、リセット装置5は、ブロック要素4を反時計方向に時間遅延した関係で、
図3cに示すリリース位置Fに移動させることが可能になる。
図3cでは、ブロックカム31がブロック側片33を乗り越えており、可動家具部品2が超過押圧位置USに超過押圧された場合のブロック要素4が、制御要素21及びロック要素9と共にリリース方向Rにガイド経路10のストレート部36に沿って動かされることができ、その結果、
図4bに示されるように、取り出し部Aが、取り出しローラ20のために開通される(be cleared)。
【0038】
図16は、閉じ位置を超えて押されることがない状態での閉じ操作時における可動家具部品2の位置を示した時間−移動(位置)グラフを模式的に示す。閉じ動作の開示時点では、ブロック要素4はまだリリース位置Fにある。同時に、駆動装置1は、ストレス付与の行程距離Sに沿って移動され、引き込み部Eに到達する。引き込み部Eにある可動家具部品2の移動時、ブロック要素4は、リリース位置Fからブロック位置Bに移動され、又は切替え配置される。閉じ位置SSに到達したとき、ブロック要素4もブロック位置Bにある。通常閉じ時に、閉じ位置SSに到達した場合、可動家具部品2の外部(外側)から力は及ぼされないので、遅くとも閉じ位置SSに到達したときにリセット動作Tが始まる。そのリセット動作Tの終わりと共に、再びブロック要素4もブロック位置Bからリリース位置Fに移動する。すると、(グラフ中に)破線で示したように、所望される限りの間、ロック解除を待つことが可能になる。操作者(オペレータ)が可動家具部品2を開けたくなるや否や、彼は可動家具部品2を閉じ方向SRに押圧し、これにより可動家具部品は、閉じ位置SSと超過押圧位置USとの間の超過押圧領域Uにいたる。このようにして、取り出し装置3はロック解除され、可動家具部品2が開き方向ORに取り出される(エジェクトされる)。
【0039】
上記との比較において、
図17は、可動家具部品が閉じ位置を超えて押圧されたことに対する、本発明によってもたらされる保護を模式的に示す。もう一度説明すると、最初に、閉じ動作の開始時には、可動家具部品2は自由走行部(図示略)を移動する。取り出しローラ20が制御要素21に接触するや否や、駆動装置1のストレス付与部Sに達する。引き込み部Eに沿っての移動時、ブロック要素4は、リリース位置Fからブロック位置Bに移動される。続いて、閉じ位置SSへの到達時に、可動家具部品2は停止されず、即座に超過押圧位置USに向けて押し込まれる。ブロック要素4はブロック位置Bにあるので、取り出し装置3はロック解除されることができず、可動家具部品の超過押圧作用にもかかわらず、可動家具部品2の開き方向ORへの取り出しはない。可動家具部品2が超過押圧位置USに残ったままである限り、ブロック要素4もブロック位置Bに居座る(グラフ中の破線を参照)。取り出し力貯蔵手段6及び取り出しレバー7によって可動家具部品2が再び閉じ位置SSに移動するのは、可動家具部品2が解放(リリース)されたときだけである(グラフのリリース部Lを参照)。可動家具部品2が閉じ位置SSになるや否や、リセット装置5によって生み出されるリセット動作Tもまた再び始まる。
図16と同じ期間の後、そのリセット動作Tは終了され、ブロック要素4が再び、ブロック位置Bからリリース位置Fに移動する。すると、
図16でのように、所望される限りの間、トリガー(動作開始)ないしロック解除を待つことが可能になる。超過押圧位置USへの超過押圧によって再びロック解除がなされ、取り出し装置3による開き方向ORへの可動家具部品2の取り出しがなされる。
【0040】
図18〜
図23bは、本発明の更なる実施形態を示し、特にブロック要素4の構成が異なる実施形態を示す。それに関して、先ず
図18に注意を向けられたし。
その
図18は、
図9に示すような駆動装置1の位置に相当する。換言すれば、可動家具部品2が丁度閉じられたところであり、取り出しローラ20が、制御要素21のストレス付与部Sにもたれかかっている。そのことは、制御要素21の全体が
図8から
図9へ(の動き)と同様に動かされることをもたらす。この動きに伴い、ブロックカム(blocking cam)31もまた、ロックベースプレート8のガイド経路10に沿って左に向かって、
図18に示すようにブロックカム31が転換エッジ(diversion edge)38に接触するまで、動かされる。
図18では、可動家具部品2は開き位置にある。ロック要素9は既にロック位置Vにある。この実施形態では、ロック要素9は同時にブロック要素4を形成し、回転ベアリング32を中心として回転可能である。
【0041】
図19に示すように制御要素21がストレス付与のフェーズ(局面)で更に動かされた場合、ブロックカム31は転換エッジ38によって偏向させられ、これによりブロック要素4が反時計方向に回転する。回転ベアリング32又はブロック要素4の領域には、リセット装置5の機能を引き受ける減衰媒体が配置されている。こうしてブロック要素4は、
図19のブロック位置にくる。
【0042】
図20a,20bに示すように、更なる閉じプロセスでは、取り出しローラ20は、ロック要素9又はブロック要素4を超えて通過し、これにより、可動家具部品2の閉じ位置SSにいたる。
【0043】
仮に可動家具部品2が即座に超過押圧位置USに向けて更に押圧されたならば、
図21a,21bに示すように、取り出しローラ20はロック要素9を持ち上げるが、しかし、制御要素21全体の短い移動だけがある、というのも、その移動は、制御側片(control flank)33と会合する制御カム31によって即座に止められるからである。こうして、ブロック位置Bは、少なくとも一時的に超過押圧位置USに維持される。
【0044】
数秒の短い期間の後、減衰媒体の降伏力によってブロック要素4は再び時計方向に回動され、これによりブロック要素4は
図22a,22bに示すリリース位置Fにいたる。しかしながら、取り出しローラ20は依然としてブロック要素4又はロック要素9にもたれかかっており、その理由のために、現行のロック位置Vに基づいて、ロック解除も取り出しも起こらない。
【0045】
図3及び
図4に関して既に説明したようなロック解除および取り出しが起こるのは、その位置から始まる「通常の」又は所望の超過押圧がもたらされたときだけである。その場合、
図23a,23bに示すように、取り出しローラ20は取り出し部Aにいたる、というのも、そのことが制御要素21によって可能とされたからである。制御要素21の右の方への当該移動に際し、ブロックカム31もガイド経路10に沿って移動する。
【0046】
このように本発明は、可動家具部品が閉じ位置を超えて押圧されることに対する代替的な保護をもたらすものであり、そこでは、取り出し装置3のロック解除が、閉じ位置SSに到達した後の所定時間の間、防止される。可動家具部品2が閉じ位置を超えて押圧された後、まだ超過押圧位置USにある限り、完全にロック解除が防止される。
【0047】
本願に開示した実施形態では、取り出しレバー7は、可動家具部品2と関連しており、家具カーカス14と関連した取り出し当接部27にもたれかかっている。しかしながら、特に、逆の変形形態(変形態様)も考えられるところであり、家具カーカス14と関連した取り出しレバー7が可動家具部品2を取り出し(エジェクト)してもよい。個々のコンポーネント(構成部品)は、それらの全て若しくはそれらのいくつかに関して延出ガイド装置16に固定可能であり、又は、それらのいずれも延出ガイド装置16に固定可能ではない。従って、超過押圧に対する保護の変形形態(変形態様)は、全ての変形的構成に適用される。特に、この超過押圧に対する保護は、旋回可能な取り出しレバー7を具備した取り出し装置3に必ずしも限定されなければならないものではなく、ごく当然に、心臓形(ハート形)のガイド経路を備えた線形的に移動可能な取り出し要素のケース(事例)で実施することも可能である。引き出しの他に、可動家具部品2は、家具用のフラップ片や家具用のドアなどであってもよい。
【符号の説明】
【0048】
OR (可動家具部品2の)開き方向
SR (可動家具部品2の)閉じ方向
OS 開き位置(可動家具部品2)
SS 閉じ位置(可動家具部品2)
US 超過押圧位置(可動家具部品2)
B ブロック位置(ブロック要素4)
F リリース位置(ブロック要素4)