特許第6246905号(P6246905)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6246905多結晶シリコンを製造する反応器、およびそのような反応器の構成部品上のシリコン含有層を除去する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6246905
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】多結晶シリコンを製造する反応器、およびそのような反応器の構成部品上のシリコン含有層を除去する方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 33/02 20060101AFI20171204BHJP
   C23C 16/442 20060101ALI20171204BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
   C01B33/02 E
   C23C16/442
   C23C16/44 J
【請求項の数】11
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-513284(P2016-513284)
(86)(22)【出願日】2014年5月6日
(65)【公表番号】特表2016-521246(P2016-521246A)
(43)【公表日】2016年7月21日
(86)【国際出願番号】EP2014059166
(87)【国際公開番号】WO2014184043
(87)【国際公開日】20141120
【審査請求日】2015年12月22日
(31)【優先権主張番号】102013209076.5
(32)【優先日】2013年5月16日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390008969
【氏名又は名称】ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Wacker Chemie AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベックエッサー,ディルク
【審査官】 小野 久子
(56)【参考文献】
【文献】 特表平11−510560(JP,A)
【文献】 特開平06−216036(JP,A)
【文献】 特開平09−272979(JP,A)
【文献】 特表2004−505445(JP,A)
【文献】 特開2012−101984(JP,A)
【文献】 特表2010−502542(JP,A)
【文献】 特開平02−006317(JP,A)
【文献】 特開2014−002224(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 33/00−33/193
C23C 16/00−16/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
応器の構成部品上のシリコン含有堆積物を除去する方法であって
当該反応器は、該反応器に添加されたシリコン種粒子上への多結晶シリコンの蒸着により多結晶シリコン顆粒を製造する流動床反応器であり、
縁の鋭いシリコン含有粒子により該堆積物を機械的に除去し、
反応器が動作中に、即ち多結晶シリコンが製造されている最中に堆積物が除去され、
堆積物が除去される反応器の構成部品がオフガス管であり、および
堆積物を除去するためのシリコン含有粒子が、シリコン種粒子ならびに/または反応ガスおよび/もしくは流動化ガスとは別々に流動床反応器に供給される、
ことを含む
方法。
【請求項2】
オフガス管がオフガス熱交換器である、請求項に記載の方法。
【請求項3】
オフガス熱交換器がリービッヒ管である、請求項に記載の方法。
【請求項4】
シリコン含有粒子が、オフガス熱交換機での冷却後に、周期的または連続的にオフガスからサイクロンまたは表面フィルタにより分離され、次いでダストにまみれた反応器オフガスを入れた直後にオフガス熱交換器に戻される、請求項に記載の方法。
【請求項5】
堆積物を除去するシリコン含有粒子が、1μm<x50.3<400μmの中央粒径を有する、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
堆積物を除去するシリコン含有粒子が、純粋なシリコン、SiC、またはSiOである、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
エッチングガスが堆積物の除去のために混合される、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
多結晶シリコンを製造する反応器であって、反応容器(1)、その上に多結晶シリコンを蒸着させるのに適した、反応容器(1)内のシリコンからなる複数の基板、反応ガスを反応容器(1)に供給するための1つ以上のノズル(19、20)、反応器オフガス(9)を反応容器(1)から除去する装置、除去された反応器オフガスを冷却するオフガス熱交換器(10)、および反応器オフガスおよびシリコン含有粒子をオフガス熱交換器(10)に供給するのに適した、縁の鋭いシリコン含有粒子のための供給装置(16)を備えた反応器であって、
反応器は、顆粒ポリシリコンを製造する流動床反応器であり、基板がシリコン種粒子であり、反応容器(1)内の、顆粒ポリシリコンを有する流動床のための内部反応器管(2)および反応器底部、内部反応器管(2)内の流動床を加熱する加熱装置(5)、流動化ガスを供給するための少なくとも1つの底部ガスノズル(19)および反応ガスを供給するための少なくとも1つの反応ガスノズル(20)、シリコン種粒子を供給するための供給装置(11)、ならびに顆粒ポリシリコンのための取り出し導管(14)を備える、
反応器
【請求項9】
オフガス熱交換器(10)の下流に接続され、粒子およびガスを分離するのに適したフィルタ(21)をさらに備える、請求項に記載の反応器。
【請求項10】
反応器オフガスから粒子を連続的に分離するためにオフガス熱交換器(10)の下流に接続され、シリコン含有粒子のための供給装置(16)と連通可能に接続されたサイクロン(24)をさらに備える、請求項に記載の反応器。
【請求項11】
反応器オフガスダスト(27)を分離するための、サイクロン(24)の下流に接続されたフィルタ(26)をさらに備える、請求項に記載の反応器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多結晶シリコンを製造する反応器、およびそのような反応器の構成部品上のシリコン含有堆積物を除去する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多結晶シリコン(ポリシリコンと略す)は、チョクラルスキー(CZ)法または帯域溶融法(FZ)により、半導体用の単結晶シリコンを製造するための、および太陽光発電用の太陽電池の製造のために、種々の引き上げ法および流涎法により単結晶または多結晶シリコンを製造するための出発物質として機能する。
【0003】
多結晶シリコンは一般にシーメンス法により製造される。
【0004】
この方法では、ベル型反応器(「シーメンス反応器」)中で、基板、通常はシリコンの細いフィラメントロッド(薄い棒)が電流の直接の通過により加熱され、水素および1つ以上のシリコン含有成分を含む反応ガスが導入される。
【0005】
通常、シリコン含有成分として、トリクロロシラン(SiHCl、TCS)またはトリクロロシランとジクロロシラン(SiHCl、DCS)および/またはテトラクロロシランと(SiCl、STC)との混合物が使用される。モノシラン(SiH)の使用も知られている。
【0006】
細い棒は通常、反応器底部に位置する電極に垂直に埋め込まれ、該電極は電源への接続を提供する。各場合において、2つの細い棒は水平のブリッジ(同様にシリコン製)を介して結合され、シリコン蒸着のための基板を形成する。ブリッジ結合により、典型的なU字型の基板が生成される。
【0007】
高純度のポリシリコンは、加熱された細い棒および水平ブリッジ上に堆積され、その結果その直径が時間と共に増加する。
【0008】
多結晶シリコンの顆粒、即ち略してポリシリコンの顆粒は、シーメンス法において製造されるポリシリコンに対する代替物である。シーメンス法でのポリシリコンは円筒状のシリコン棒として製造され、これは、さらなる加工の前に、時間と費用のかかる方式で粉砕してチップポリと呼ばれるものを形成する必要があり、また再び精製する必要があるかもしれないのに対し、ポリシリコン顆粒はバルク製品特性を有しており、例えば、太陽光発電およびエレクトロニクス産業用の単結晶を生成するための原料として直接使用することができる。
【0009】
ポリシリコン顆粒は流動床反応器内で製造される。これは流動床におけるガスの流れによるシリコン粒子の流動化によって進み、流動床は加熱装置によって高温に加熱される。シリコン含有反応ガスを添加することにより、熱分解反応が高温の粒子表面で進む。この方法では、元素シリコンはシリコン粒子上に堆積され、個々の粒子の直径が成長する。成長した粒子の定期的な除去および種粒子(シード)としてのより小さいシリコン粒子の添加により、この方法は、すべての関連する利点を伴いつつ連続的に動作させることができる。このため、このような蒸着技術および装置は、例えば、米国特許第4786477号明細書から知られている。
【0010】
これらの方法において、高温の反応器部品上、例えば、反応器壁、内部部品およびノズルにシリコンの堆積が生じることがわかった。これは、第一に、反応器部品に堆積したシリコンに関係する。第二に、これは高温の反応器部品上で成長するシリコンダストに関係する。
【0011】
米国特許出願公開第2002/0102850号明細書は、HCl+不活性ガス(H、N、He、Ar)または不活性ガスHの連続的、不連続的または制御された添加により、反応物質ガスノズル上のシリコン堆積物を回避または除去する方法を開示する。
【0012】
米国特許出願公開第2002/0081250号明細書は、エッチングによる壁の堆積物の分離または部分的な除去が、流動床反応器の動作温度でまたは動作温度付近で、塩化水素、塩素ガスまたは四塩化ケイ素のようなハロゲン含有ガス状エッチャントを用いて進む方法を記載する。
【0013】
しかし、このような方法手順は運転コストの増加に関連する。
【0014】
米国特許第7922990号明細書は、高温の表面を有する反応器内で、ガス状シリコン化合物を含む反応ガスが、600から1100℃の反応温度で、流動化ガスにより流動床内で流動化され、反応温度まで加熱されたシリコン粒子上にシリコン金属として堆積され、堆積されたシリコンが与えられた粒子、未反応の反応ガスおよび流動化ガスが反応器から除去される方法であって、反応器の表面において、99.5から95モル%の水素および0.5から5モル%のガス状シリコン化合物を含むガス組成物が存在し、反応器の表面は700から1400℃の温度を有し、この温度はシリコン粒子の温度に対応するか、またはシリコン粒子の温度よりも高いことを特徴とする方法を請求する。
【0015】
高反応器表面温度を99.5から95モル%の水素および0.5から5モル%のガス状シリコン化合物を含有するガス組成物と組み合わせることにより、反応平衡を反応器表面で確立することができ、ここで反応器の表面へのシリコンの堆積は実際にはもはや起こらず、そのため、連続の方法手順が可能である。
【0016】
米国特許出願公開第2008/299291号明細書は、流動床の2つの流動化域における平均ガス速度、ノズルシステムの出口でのガスまたはガス混合物の局所的なガス速度、流動床の圧力および温度、ノズルを互いに対しておよび流動床収容壁に対して配置すること、ならびに流動床の流動化域内のガスの滞留時間といった方法パラメータを適切に選択することにより、どのように反応経路、ひいては濃度プロファイルを生じることができ、該プロファイルは反応ガスが流動床収容壁または流動床表面のいずれかに到達する前に、化学平衡転化速度まで反応ガスを実際に反応させることを確実にするかを開示する。その結果、流動床収容壁上の壁堆積は非常に低いレベルまで低減され、そのことにより長時間の反応域の領域における流動床のスムーズな加熱が可能になる。
【0017】
したがって、反応器壁上のシリコンの堆積は適切な方法手順により減少させることができるようである。
【0018】
しかし、これは、製品取り出し管またはオフガス管のような、反応器内または反応器周辺の他の内部部品上の堆積物には当てはまらない。特に、このことは、堆積物がSiダスト(流動床から排出される)からなる場合に当てはまる。
【0019】
ここで、この従来技術では、エッチングによる壁の堆積物の除去が推奨される。
【0020】
米国特許第5358603号明細書は、製品取り出し管上のシリコン堆積物をエッチングする方法であって、反応器は停止され、シリコン堆積物は加熱され、次いでHClのような鉱酸を使用してエッチングされる方法を開示する。
【0021】
第一に、反応器を停止させる必要性のために、この方法は複雑且つ不経済なものとなっている。また、動作媒体の費用が増加する。
【0022】
特有の問題は、流動床反応器の比較的長い運転中に、堆積物形成のせいで、オフガス熱交換器における伝熱が悪化するという事実である。オフガスはもはや十分に冷却することができない。CVDシーメンス反応器およびそのオフガス(リービッヒ)管において、当業者は同様の問題に直面している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】米国特許第4786477号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2002/0102850号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2002/0081250号明細書
【特許文献4】米国特許第7922990号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2008/299291号明細書
【特許文献6】米国特許第5358603号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
本発明の目的は上述した問題により生じた。
【課題を解決するための手段】
【0025】
この目的は、その中で多結晶シリコンが製造される反応器の構成部品上のシリコン含有堆積物を除去する方法であって、シリコン含有粒子によりこの堆積物を機械的に除去する方法により達成される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に関連して使用される流動床反応器の好ましい実施形態を概略的に示す。
図2】本発明に関連して使用される流動床反応器のさらに好ましい実施形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
好ましくは、シリコン含有粒子は、1μm<x50.3<400μm、特に好ましくは30μm<x50.3<300μmの平均粒径を有する。好ましくは、これらは縁の鋭い粒子である。壁の堆積物の除去は、そのため特に効果的に進むことがわかった。
【0028】
FEM2581において「マテリアルハンドリングの欧州連盟(Federation Europeene de la Manutention)」の国際標準は、バルク製品を検討すべき態様の下で概要を説明する。標準FEM2582では、一般的および具体的なバルク特性を等級ごとに定義する。製品の一貫性および状態を記載する特性値は、例えば、粒子形状および粒度分布(FEM2.581/FEM2.582:その等級およびその象徴ごとのバルク製品の一般的な特性(General characteristics of bulk products with regard to their classification and their symbolization))である。
【0029】
また、DIN ISO 3435に従って、バルク製品は粒子エッジの特性に応じて6つの異なる粒子形状にさらに分けることができる。即ち、
I 三次元でほぼ等しい空間を有する鋭いエッジ(例:立方体)
II 鋭いエッジであって、その1つが他の2つより著しく長いエッジ(例:角柱、ブレード)
III 鋭いエッジであって、その1つが他よりも著しく小さいエッジ(例:パネル、薄片)
IV 三次元でほぼ等しい空間を有する丸まったエッジ(例:球)
V 繊維状、糸状、カール状、絡み合っている。
【0030】
バルク製品のこの分類によれば、壁堆積物を除去するためのシリコン含有粒子は好ましくは、粒子形状I、IIおよびIIIの粒子である。
【0031】
粒子は好ましくは0.9未満の真球度を有する。
【0032】
特に好ましくは、粒子は0.8未満の真球度を有する。
【0033】
真球度は、規格ISO/DIS 13322−2に従って動画像解析を介して決定される。
【0034】
真球度は次のように定義される。
【0035】
【数1】
【0036】
粒子の投影Aの面積および投影周囲Uを有すること
【0037】
粒子の傾斜度のさらなる特性は、ヤンケ(ジークフリート・ヤンケ(Siegfried Janke)、Untersuchung der Zusammendruckbarkeit und Scherfestigkeit von Sanden und Kiesen sowie der sie bestimmenden Einflusse=An invesitigation in the compressibility and shear strength of sands and gravels and in the influences governing them、カールスルーエ:Federal Waterways Engineering and Research Institute、1969年、Mitteilungsblatt der Bundesanstalt fur Wasserbau, 28)に従った粗度と呼ばれるものである。
【0038】
この定義に従って、粒子は好ましくは0.6より大きい粗度を有する。
【0039】
好ましくは、エッチングガスは堆積物を除去するために混合される。
【0040】
エッチングガスとしては、例えば、HClが適切である。
【0041】
堆積物は好ましくはインサイチューで除去される。そのため、反応器は好ましくは運転中であり、堆積物を除去するために停止されない。
【0042】
好ましくは、反応器のオフガス熱交換器には堆積物がない。これらは、流動床反応器およびCVDシーメンス反応器の両方で使用される。
【0043】
オフガス熱交換器は好ましくはリービッヒ管である。
【0044】
この場合、これは、より大きな管に囲まれている、両端で開放された管である。その冷却水は内管および外管の間を流れ、オフガスは内管内を流れる。
【0045】
同様に、被覆管、プレート、管束、層または渦巻き式熱交換器または冷却バッテリを使用することが好ましい。
【0046】
反応器は、好ましくはフィラメント棒上に多結晶シリコンを蒸着させるCVD反応器である。
【0047】
好ましくは、反応器は、反応器に添加されたシリコン種粒子上に多結晶シリコンを蒸着させることにより、多結晶シリコン顆粒を製造する流動床反応器である。
【0048】
顆粒を製造する流動床反応器の場合には、シリコン含有粒子は好ましくは種粒子(シード)に添加され、この場合連続的に反応器に供給される。
【0049】
種粒子の中央径は好ましくは少なくとも400μmである。
【0050】
同様に、シリコン含有粒子はインサイチューで別々に反応器に供給することができる。
【0051】
好ましくは、シリコン含有粒子はインサイチューで別々に反応器に供給され、それらは、冷却後に周期的または連続的にオフガスからサイクロンまたは表面フィルタにより分離され、次いでダストにまみれた反応器オフガスを入れた直後にオフガス熱交換器に戻される。
【0052】
シリコン含有粒子は、最も単純な場合、純粋なシリコン粒子である。
【0053】
必要とされる粒子サイズを有するシリコン粒子は、高純度シリコン、例えば、多結晶シリコン顆粒を粉砕し、引き続いて移動することによって提供することができる。
【0054】
しかし、SiC粒子を使用することも好ましい。
【0055】
また、SiOの粒子を使用することも同様に好ましい。この場合、これらは、高分散シリカを形成するために、四塩化ケイ素の燃焼からの粒子とすることができる。
【0056】
好ましくは、オフガス熱交換器は、並流、向流または交差流モードで動作する。
【0057】
この場合、洗浄粒子のパラメータ粒子サイズ、速度、および粒子形状ならびにオフガス流に洗浄粒子を充填することが決定的な役割を果たす。
【0058】
規定された粒子サイズおよび粒子形状を有する粒子の規定された質量流を添加することによって、規定されたガス速度で、壁の堆積物の形成が驚くべきことに抑制され、流動床反応器の冷却作用および適切な動作が初めて可能になる。
【0059】
中央シード質量流は0.5と15kg/時間の間である。シード質量流における縁の鋭い研磨粒子の細粒分は、1と30重量%の間に及ぶ。流動床反応器の拡大ヘッドにおける表面ガス速度は、0.01と10m/秒の間、好ましくは0.1と1m/秒の間である。リービッヒ管中では10と1000m/秒の間のガス速度が生じる。
【0060】
本発明の方法の実質的な利点は、壁の堆積物の除去は、蒸着の間連続的に進むことである。
【0061】
リービッヒ管では、堆積物を除去することによって、オフガスが十分に冷却されることが確保される。
【0062】
堆積物の除去は追加の物質による汚染なしに進む。
【0063】
オフガスは、後続のオフガスの濾過のために冷却することができる。技術的に複雑で費用のかかる熱濾過は必要ではない。
【0064】
シード質量流を有する粒子がシード測定チャネルを介して供給され、オフガスダストと共にプロセスから従来の冷濾過を介して排出される場合、さらなる構造的対策は必要ではない。
【0065】
本発明はまた、多結晶シリコンを製造する反応器であって、反応容器(1)、その上に多結晶シリコンを蒸着させるのに適した、反応容器(1)内のシリコンからなる複数の基板、反応ガスを反応容器(1)に供給するための1つ以上のノズル(19、20)、反応器オフガス(9)を反応容器(1)から除去する装置、除去された反応器オフガスを冷却するオフガス熱交換器(10)、および反応器オフガスおよびシリコン含有粒子をオフガス熱交換器(10)に供給するのに適した、シリコン含有粒子のための供給装置(16)を備えた反応器にも関する。
【0066】
好ましくは、反応器は、棒状の多結晶シリコンを製造するCVD反応器であり、基板はシリコンのフィラメント棒であり、フィラメント棒の電源が存在し、電流の直接通過によってフィラメント棒を加熱するのに適している。
【0067】
それは、反応器が顆粒ポリシリコンを製造する流動床反応器であり、基板がシリコン種粒子である場合特に好ましく、反応容器(1)内の、顆粒ポリシリコンを有する流動床のための内部反応器管(2)および反応器底部、内部反応器管(2)内の流動床を加熱する加熱装置(5)、流動化ガスを供給するための少なくとも1つの底部ガスノズル(19)および反応ガスを供給するための少なくとも1つの反応ガスノズル(20)、シリコン種粒子を供給するための供給装置(11)、ならびに顆粒ポリシリコンのための取り出し導管(14)を備える。
【0068】
好ましくは、流動床反応器は、さらに、オフガス熱交換器(10)の下流に接続され、粒子およびガスを分離するのに適したフィルタ(21)を備える。
【0069】
好ましくは、流動床反応器は、さらに、反応器オフガスから粒子を連続的に分離するためにオフガス熱交換器(10)の下流に接続され、シリコン含有粒子のための供給装置(16)と連通可能に接続されたサイクロン(24)を備える。好ましくは、流動床反応器は、さらに、反応器オフガスダスト(27)を分離するための、サイクロン(24)の下流に接続されたフィルタ(26)を備える。
【0070】
該方法を実施するために使用される装置は、図1および図2を参照して以下に説明する。
【0071】
流動床反応器は反応容器1からなり、反応容器1には内部反応管2が挿入される。
【0072】
反応器の内壁および内部管の外壁の間には中間空間3が位置する。
【0073】
反応管の内部には、ポリシリコン顆粒を有する流動床4が位置する。
【0074】
流動床は加熱装置5によって加熱される。
【0075】
供給ガスとして、流動化ガス7および反応ガス混合物6が反応器に供給される。
【0076】
この場合、ガス供給はノズルを介した特定の方式で行われる。
【0077】
流動化ガス7は底部ガス供給ノズル19を介して供給され、反応ガス混合物は二次ガスノズル(反応ガスノズル)20と呼ばれるものを介して供給される。
【0078】
二次ガスノズルの高さは底部ガスノズルの高さと異なっていてもよい。
【0079】
反応器内で、ノズルの配置のために、追加の垂直二次ガス注入を有する気泡形成流動床が形成される。
【0080】
反応器ヘッド8において、流動床の温度を測定する高温計18が取り付けられる。
【0081】
シード12はシード供給装置11を介して反応器ヘッドで反応器に供給される。
【0082】
ポリシリコン顆粒生成物13は、取り出し導管14を介して反応器底部15において取り出される。
【0083】
反応器ヘッド8では、反応器オフガス9が取り出され、オフガス熱交換器10に供給される。
【0084】
オフガス熱交換器の上流には、シリコン含有粒子17が供給装置16によってオフガス流に供給される。
【0085】
今や冷たいオフガスがオフガス熱交換器10の下流のフィルタ21を介して供給される。
【0086】
フィルタ21は、反応器オフガスダストおよび洗浄のために供給された粒子17からなる粒子流22を、粒子を含有しないガス流23から分離する。
【0087】
図1は、洗浄のために使用される粒子の再循環のない単純化された図を示す。この場合、粒子はガス流からオフガスダストフィルタを介して分離される。
【0088】
さらに好ましい実施形態が図2に示される。
【0089】
これは、洗浄に使用される粒子をオフガス流9から連続的に除去し、ダストにまみれた反応器オフガスの入り口のすぐ下流のオフガス熱交換器10にそれらを戻すサイクロン24による装置の拡張である。
【0090】
シリコン含有粒子25は、一旦システムに添加される。
【0091】
サイクロン24の下流では、反応器オフガスダストを含んだオフガス流9が、反応器オフガスダスト27がその中で粒子を含まないガス流23から分離されるフィルタ26を通る。
【実施例】
【0092】
以下の例は流動床反応器に関する。
【0093】
10kg/時間の蒸着速度でのポリシリコン顆粒の蒸着のための方法において、平均シード測定速度は1.5kg/時間であった。縁の鋭いシリコン粒子がシード質量流の中に18重量%で存在した。これらの研磨粒子はx50.3=125μmの中央粒径、0.55の真球度および0.74の粗度を有していた。縁の鋭い粒子は鋭利な粒子が、0.4m/秒の流動床反応器の拡大ヘッド内の表面ガス速度によって、反応器からオフガス流と共に排出され、オフガス熱交換器内で連続的にシリコン含有堆積物を除去した。リービッヒ管におけるガス速度は70m/秒であった。オフガス熱交換器は、オフガスを700℃から100℃まで冷却した。
【符号の説明】
【0094】
1 反応器
2 内部反応管
3 中間空間
4 流動床
5 加熱装置
6 反応ガス混合物
7 流動化ガス
8 反応器ヘッド
9 反応器オフガス
10 オフガス熱交換器
11 シード供給装置
12 シード
13 生成物(ポリシリコン顆粒)
14 取り出し導管
15 反応器底部
16 供給装置
17 洗浄粒子
18 高温計
19 底部ガスノズル
20 反応ガスノズル
21 フィルタ
22 粒子流
23 粒子を含まないガス流
24 サイクロン
25 シリコン含有粒子(粒子洗浄)
26 フィルタ
27 反応器オフガスダスト
図1
図2