(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記発電装置と、前記第1供給経路切替スイッチおよび前記第2供給経路切替スイッチとの間に、前記確認のタイミングを検出する為の第3電流センサをさらに設ける請求項3に記載の電力供給システム。
前記第1供給経路切替スイッチは前記連系運転スイッチの閉塞と連動して閉塞し、前記第2供給経路切替スイッチは、前記連系運転スイッチの閉塞と連動して開放する回路素子を有する、請求項1に記載の電力供給システム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以降、諸図面を参照しながら、本発明の実施態様を詳細に説明する。
【0014】
本発明の実施形態に係る電力供給システムについて説明する。本実施形態に係る電力供給システムは、系統から供給される電力の他に、売電可能な電力を供給する分散電源および/または売電不可能な電力を供給する分散電源を備える。売電可能な電力を供給する分散電源は、例えば太陽光発電などによって電力を供給するシステムである。一方売電不可能な電力を供給する分散電源は、例えば電力を充放電することができる蓄電池システム、SOFC(Solid Oxide Fuel Cell)などの燃料電池を含む燃料電池システム、およびガス燃料によって発電するガス発電システムなどである。本実施の形態においては、売電可能な電力を供給する分散電源として太陽電池、および売電不可能な電力を供給する分散電源として蓄電池と、燃料電池またはガス発電機である発電装置とを備える例を示す。
【0015】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電力供給システム100の概略構成を示すブロック図である。本実施形態に係る電力供給システム100は、電力供給装置101と、専用分電盤102と、蓄電池1と、発電装置13とを備える。また、電力供給システム100と接続して使用される、太陽電池12、系統14、分電盤15、負荷16A乃至16Cを
図1にあわせて示す。ここで、発電装置13は、燃料電池またはガス発電機によって構成されるものである。
【0016】
電力供給装置101は、DCDCコンバータ2,3と、インバータ4と、第1連系運転スイッチ5と、自立運転スイッチ6と、制御部7とを備える。電力供給装置101は、外部に配置した蓄電池1および太陽電池12からの電力を直流のまま接続して電力制御をおこなう、いわゆるマルチDCリンクシステムを構成する。電力供給装置101は、太陽電池12および蓄電池1から供給される直流の電力と、系統14および発電装置13から供給される交流の電力との変換を行うとともに、連系運転および自立運転の切り替え制御を行う。なお、本実施形態では、蓄電池1、太陽電池12および発電装置13を電力供給装置101の外部に配置し、電力供給装置101と接続して使用するように構成したが、本発明はこの態様には限定されない。これらの一部または全てを電力供給装置101の内部に設けてもよい。
【0017】
専用分電盤102は、第2連系運転スイッチ8と、第1供給経路切替スイッチ9と、第2供給経路切替スイッチ10と、第1電流センサ11とを備える。第2連系運転スイッチ8は、第1連系運転スイッチ5に連動してオン/オフ制御される。第1供給経路切替スイッチ9および第2供給経路切替スイッチ10は、分散電源の間での効率的な運転制御を、分散電源側の汎用性を崩すことなく管理するためのスイッチであり、本実施形態の特徴的な構成である。なお、詳細については後述する。
【0018】
電力供給システム100は、通常は系統14との連系運転を行い、系統14から供給される電力と、各分散電源(太陽電池12、蓄電池1、発電装置13)からの電力とを負荷16A乃至16Cに供給する。また、電力供給システム100は、停電時など系統14からの電力供給がない場合は自立運転を行い、各分散電源(太陽電池12、蓄電池1、発電装置13)からの電力を負荷16A乃至16Cに供給する。電力供給システム100が自立運転を行う場合には、各分散電源(太陽電池12、蓄電池1、発電装置13)は系統14から解列した状態であり、電力供給システム100が連系運転を行う場合には、各分散電源(太陽電池12、蓄電池1、発電装置13)は系統14と並列した状態となる。
【0019】
図1において、各機能ブロックを結ぶ実線は電力の流れる配線を表し、各機能ブロックを結ぶ破線は、制御信号または通信される情報の流れを表す。当該破線が示す通信は有線通信としてもよいし、無線通信としてもよい。制御信号および情報の通信には、各階層含め、様々な方式を採用可能である。例えば、ZigBee(登録商標)などの近距離通信方式による通信を採用することができる。また、赤外線通信、電力線搬送通信(PLC:Power Line Communication)など、様々な伝送メディアを使用することができる。またそれぞれの通信に適した物理層を含む下位の層の上で、各種プロトコル、例えばZigBee SEP2.0(Smart Energy Profile2.0)、ECHONET Lite(登録商標)などのような論理層だけ規定される通信プロトコルを動作させてもよい。
【0020】
太陽電池12は、太陽光のエネルギーを直流の電力に変換するものである。太陽電池12は、例えば光電変換セルを有する発電部がマトリクス状に接続され、所定の短絡電流(たとえば10A)を出力するように構成される。太陽電池12は、シリコン系多結晶太陽電池、シリコン系単結晶太陽電池、またはCIGS等薄膜系太陽電池等、光電変換可能なものであればその種類は制限されない。
【0021】
蓄電池1は、リチウムイオン電池またはニッケル水素電池等の蓄電池から構成される。蓄電池1は、充電された電力を放電することによって、電力を供給可能である。また、蓄電池1は、系統14、太陽電池12から供給される電力に加え、後述の通り、発電装置13から供給される電力を充電可能である。
【0022】
DCDCコンバータ2,3は、太陽電池12および蓄電池1からの直流電力を一定の電圧まで昇圧する。各DCDCコンバータ2,3における昇圧比は、あらかじめ設定された固定値を用いてもよいし、制御部7によって適宜制御を行ってもよい。なお、本実施形態では、太陽電池12および蓄電池1からの直流電力はDCリンクされているので、同一の電圧まで昇圧する必要がある。
【0023】
インバータ4は、双方向インバータであって、太陽電池12および蓄電池1から供給される直流の電力を交流の電力に変換し、また、系統14および発電装置13から供給される交流の電力を直流の電力に変換する。
【0024】
第1,第2連系運転スイッチ5,8、自立運転スイッチ6は、それぞれリレー、トランジスタなどによって構成され、オン/オフ制御される。図示の通り、自立運転スイッチ6は、発電装置13と蓄電池1との間に配される。第1,第2連系運転スイッチ5,8と自立運転スイッチ6とは、同時にオンとならないように、双方がオフの状態を経由して切り替えられる。より詳しくは、自立運転から連系運転へ切り替える際は、自立運転スイッチ6をオフ状態とした後に、第1,第2連系運転スイッチ5,8をオン状態へと制御する。また、連系運転から自立運転へ切り替える際は、第1,第2連系運転スイッチ5,8をオフ状態とした後に、自立運転スイッチ6をオン状態へと制御する。第1,第2連系運転スイッチ5,8および自立運転スイッチ6の上記制御は、例えば、制御部7によってソフトウェア的に実現することが可能である。ただし、上記制御の例外として、各分散電源からの電力供給がオフの状態においては、第2連系運転スイッチ8のみをオンとして、第1連系運転スイッチ5および自立運転スイッチ6をいずれもオフとすることによって系統14から分電盤15への電力供給のみをおこなう。
【0025】
制御部7は、例えばマイクロコンピュータで構成され、系統電圧の上昇または停電の状態等に基づいて、インバータ4、第1,第2連系運転スイッチ5,8、自立運転スイッチ6、第1供給経路切替スイッチ9および第2供給経路切替スイッチ10等の各部の動作を制御する。制御部7は、連系運転時には、第1,第2連系運転スイッチ5,8をオン、自立運転スイッチ6をオフに切り替える。また、制御部7は、自立運転時には、第1,第2連系運転スイッチ5,8をオフ、自立運転スイッチ6をオンに切り替える。
【0026】
第1供給経路切替スイッチ9および第2供給経路切替スイッチ10は、それぞれリレー、トランジスタなどによって構成され、オン/オフ制御される。制御部7は、各分散電源等の動作状態に応じて、第1供給経路切替スイッチ9または第2供給経路切替スイッチ10のいずれか一方のみがオン、他方がオフとなるように制御を行う。
【0027】
第1電流センサ11は、系統14と発電装置13との間を流れる電流を検出するものであり、第2連系運転スイッチ8と、負荷16A乃至16Cとの間に配置される。日本では、発電装置13が発電する電力は売電不可と規定されているため、第1電流センサ11が系統14側への逆潮流(売電方向の電流)を検出した場合には、発電装置13は発電を停止する。第1電流センサ11が順潮流を検出する間、発電装置13は負荷16A乃至16Cに自身から電力を供給できるものとして負荷追従運転または定格運転での発電を実行する。
【0028】
発電装置13は、燃料電池またはガス発電機によって構成される。燃料電池は、水素を用いて空気中の酸素との化学反応によって直流の電力を発電するセルと、発電された直流電力を100Vあるいは200Vの交流電力に変換するインバータと、その他補機類とを備える。ここで、発電装置13としての燃料電池は、電力供給装置101を介さずとも負荷16A乃至16Cに対する交流電力の供給を可能とするシステムであり、必ずしも電力供給装置101との接続を想定して設計されたものではなく、汎用性を有するシステムであってよい。また、ガス発電機は、所定のガスなどを燃料とするガスエンジンで発電するものである。
【0029】
発電装置13は、対応する第1電流センサ11が順潮流(買電方向の電流)を検出する間発電を行うものであり、発電時には負荷16A乃至16Cの消費電力に追従する負荷追従運転または所定の定格電力値による定格運転を行う。負荷追従運転時の追従範囲は、例えば200〜700Wであり、定格運転時の定格電力値は、例えば700Wである。発電装置13は、連系運転時は負荷16A乃至16Cの消費電力に追従する負荷追従運転を行い、自立運転時に、定格電力値による定格運転を行うものとしてもよい。
【0030】
分電盤15は、連系運転時に系統14より供給される電力を複数の支幹に分岐させて負荷16A乃至16Cに分配する。また、分電盤15は、自立運転時に複数の分散電源(太陽電池12、蓄電池1、発電装置13)から供給される電力を、複数の支幹に分岐させて負荷16A乃至16Cに分配する。ここで、負荷16A乃至16Cとは、電力を消費する電力負荷であり、たとえば家庭内で使用されるエアコン、電子レンジ、テレビ等の各種電器製品または、商工業施設で使用される空調機もしくは照明器具などの機械、照明設備等である。
【0031】
これ以降、本実施形態に係る電力供給システム100における制御例を図面によって詳述する。
【0032】
(連系運転時の制御例)
図2は、連系運転時の電力供給システム100の制御例を示す図である。この場合には、各スイッチは、第1,第2連系運転スイッチ5,8がオン、自立運転スイッチ6がオフに制御される。供給経路切替のための各スイッチは、第1供給経路切替スイッチ9がオン、第2供給経路切替スイッチ10がオフに制御される。
【0033】
連系運転時には、太線矢印で示すように、系統14より交流100V(あるいは200V)が供給されて、負荷16A乃至16Cに給電される。また、電力供給装置101は、蓄電池1の充電が完了していない場合には、系統14からの交流電力を直流電力に変換して蓄電池1を充電する。また、電力供給装置101は、太陽電池12の発電電力を交流電力に変換して系統14に逆潮流することによって、余剰電力を売電することができる。第1電流センサ11には、系統14から順潮流(買電方向の電流)が流れるため、発電装置13は第1電流センサ11における順潮流検出がある目標値になるように負荷追従発電を行う。その結果、発電装置13の発電電力は、太線矢印で示すように第1供給経路切替スイッチ9および分電盤15を経て負荷16A乃至16Cに供給される。なお、
図2において負荷16A乃至16Cに給電されるトータルの電流をαとして表している。
【0034】
(自立運転時の制御例)
次に、
図3によって自立運転時の電力供給システム100の制御例を説明する。各スイッチは、第1,第2連系運転スイッチ5,8がオフ、自立運転スイッチ6がオンに制御される。また、供給経路切替のための各スイッチは、第1供給経路切替スイッチ9がオフ、第2供給経路切替スイッチ10がオンに制御される。
【0035】
図3は、自立運転時において、負荷16A乃至16Cが常に一定以上の電力を消費している場合に、発電装置13が定格運転発電を行う制御例である。第2供給経路切替スイッチ10がオンであるため、発電装置13の発電電力は、第1電流センサ11を経由して負荷16A乃至16Cに供給される。つまり、各分散電源(太陽電池12、蓄電池1、発電装置13)からの電力は第1電流センサ11および分電盤15を経由して負荷16A乃至16Cに供給されるため、第1電流センサ11において常に順潮流方向の電流が検出され、発電装置13は発電を行うことができる。この時、第1電流センサ11における順潮流検出をある目標値に追従させるために発電電力を増加させても、順潮流検出は目標値まで下がらないため、発電装置13は定格運転発電をおこなうことになる。そして、発電装置13における発電電力は、
図3に太線で示すように負荷16A乃至16Cに供給されるが、発電電力が負荷16A乃至16Cにおける消費電力を上回る場合には、その余剰電力は蓄電池1に充電される。
【0036】
図3の制御例において蓄電池1が満充電状態になると、制御部7は
図4に示すように第1供給経路切替スイッチ9がオン、第2供給経路切替スイッチ10がオフとなるように制御をおこなう。そして、制御部7は、蓄電池1に放電を開始させる。これによって、発電装置13による発電電力は第1電流センサ11を経由せずに負荷16A乃至16Cに供給される。そして蓄電池1から放電された電力が第1電流センサ11を経由して流れる。発電装置13は、第1電流センサ11における順潮流検出がある目標値となるように発電電力を抑えて運転をおこなう。すなわち、発電電力を、負荷16A乃至16Cにおける消費電力に追従させる負荷追従運転をおこなう。
【0037】
図4の制御例において、蓄電池1の充電量が所定の閾値を下回ると、制御部7は、再び第1供給経路切替スイッチ9がオフ、第2供給経路切替スイッチ10がオンになるように制御をおこない、発電装置13から蓄電池1に充電を開始する。
【0038】
なお、第2連系運転スイッチ8がオンの状態で、第2供給経路切替スイッチ10が誤ってオンになると、発電装置13から系統14への逆潮流が第1電流センサ11で検出されない可能性がある。そのため、第2連系運転スイッチ8がオンになるのと連動して、第1供給経路切替スイッチ9がオン、第2供給経路切替スイッチ10がオフに切り替えられる回路構成を有することが好ましい。
【0039】
ところで、本実施形態は、負荷16A乃至16Cでの電力消費によって、発電装置13が発電を開始することができる閾値以上の電流αが負荷16A乃至16Cに流れることを想定している。しかし、負荷16A乃至16Cに流れる電流αが発電装置13の運転基準に満たない場合には、発電装置13が発電を開始できないことになる。
【0040】
そこで、自立運転時に、第1供給経路切替スイッチ9がオフ、第2供給経路切替スイッチ10がオンになるように制御をおこなうと共に、第1電流センサ11に順潮流方向の疑似電流を検出させてもよい。
図5は、第1電流センサ11に順潮流方向の疑似電流を検出させるための構成の一例を示す。単層3線200Vの電力線20に接続された擬似出力線19を、第1電流センサ11に所定回数だけ巻回する。これによって、電力線20を流れる電流の方向に関わらず、第1電流センサ11に順潮流方向の電流を擬似的に検出させることができる。なお、この疑似電流の値は、擬似出力線19が接続される電力線20の電圧値と、擬似電流抵抗18と、擬似出力線19の第1電流センサ11への巻回数とによって定まる。また、擬似電流のオン/オフ制御は、制御部7が擬似電流スイッチ17を制御することによって行われる。
【0041】
このように、本実施形態では、自立運転時に、発電装置13からの発電電力を逆潮流検出用の第1電流センサ11を経由させずに蓄電池1に送電することができる。このため、自立運転時に発電装置13における余剰電力を蓄電池1に充電することが可能である。
【0042】
また、本実施形態では、自立運転時に、蓄電池1の充電状態に応じて第1供給経路切替スイッチ9または第2供給経路切替スイッチ10のいずれか一方のみがオンとなるように構成したので、蓄電池1が充電可能なときに、発電装置13における余剰電力を蓄電池1に充電することが可能である。
【0043】
また、本実施形態では、自立運転時に、分散電源(太陽電池12、蓄電池1、発電装置13)からの電源供給によって第1電流センサ11に順潮流方向の疑似電流を検出させるように構成した。これによって、自立運転時に発電装置13に確実に発電させることができ、余剰電力を蓄電池1に充電することが可能となる。
【0044】
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施形態に係る電力供給システム200の概略構成を示すブロック図である。本実施形態に係る電力供給システム200は、電力供給装置201と、専用分電盤202と、蓄電池1と、発電装置13とを備える。また、電力供給システム200と接続して使用される、太陽電池12、系統14、分電盤15、負荷16A乃至16Cを
図6にあわせて示す。この電力供給システム200の構成は、専用分電盤202において、系統14と第2連系運転スイッチ8との間に第2電流センサ60を配置し、制御部7が第2電流センサ60の検出結果を取得可能に構成した他は、第1の実施形態に係る電力供給システム100の構成と同一である。従って、ここでの重複する説明は省略する。なお、この電力供給システム200は、第1の実施形態に係る電力供給システム100の構成を全て含むため、第1の実施形態と同一の動作をさせることが可能である。
【0045】
専用分電盤202は、第2連系運転スイッチ8と、第1供給経路切替スイッチ9と、第2供給経路切替スイッチ10と、第1電流センサ11と、第2電流センサ60とを備える。第2電流センサ60は、電力供給装置201または専用分電盤202から系統14に流れる逆潮流を検出するために設けられたセンサである。
【0046】
これ以降、本実施形態に係る電力供給システム200における制御例を図面によって詳述する。
【0047】
(連系運転時の制御例)
図7は、連系運転時の電力供給システム200の制御例を示す図である。この場合には、各スイッチは、第1,第2連系運転スイッチ5,8がオン、自立運転スイッチ6がオフに制御される。また、供給経路切替用の各スイッチは、第1供給経路切替スイッチ9がオン、第2供給経路切替スイッチ10がオフに制御される。
【0048】
連系運転時には、太線矢印で示すように、系統14より交流100V(あるいは200V)が供給されて、負荷16A乃至16Cに給電される。第1電流センサ11には、系統14から順潮流(買電方向の電流)が流れるため、発電装置13は第1電流センサ11における順潮流検出がある目標値になるように負荷追従発電を行う。その結果、発電装置13の発電電力は、太線矢印で示すように第1供給経路切替スイッチ9および分電盤15を経て負荷16A乃至16Cに電力を供給する。
【0049】
この時、第2電流センサ60は、系統14から負荷16A乃至16Cへの順潮流方向の電流を検出する。制御部7は、第2電流センサ60が順潮流を検出すると、第1供給経路切替スイッチ9がオフ、第2供給経路切替スイッチ10がオンになるように各スイッチの制御をおこなうと共に、第2電流センサ60における検出結果を継続して観測する。このときの電力供給システム200の状態を
図8に示す。
【0050】
図8において、第1供給経路切替スイッチ9がオフ、第2供給経路切替スイッチ10がオンとなっているため、発電装置13で発電された電力は、第2供給経路切替スイッチ10および第1電流センサ11を経由して負荷16A乃至16Cに供給される。従って、負荷16A乃至16Cに供給される電流は全て第1電流センサ11を経由することになるため、第1電流センサ11は常に順潮流を検出することができる。そして発電装置13は、常に定格運転を行うことができる。また、発電装置13における発電量が、負荷16A乃至16Cにおける消費電力を上回る場合には、制御部7は、
図8に太線で示すように、発電装置13における余剰電力を、第2連系運転スイッチ8および第1連系運転スイッチ5経由で蓄電池1に充電することができる。なお、発電装置13の発電電力を蓄電池1に充電する間、制御部7は、第2電流センサ60を流れる電流の監視を行い、第2電流センサ60に常に一定以上の順潮流が流れるように、蓄電池1への充電量の制御をおこなう。そして、万一順潮流方向の電流がある所定の閾値を下回った場合には、制御部7は、再び第1供給経路切替スイッチ9がオン、第2供給経路切替スイッチ10がオフになるように各スイッチの制御を行う。これによって発電装置13は、再び
図7の負荷追従運転をおこない、蓄電池1への充電は停止する。
【0051】
(自立運転時の制御例)
第2の実施形態における自立運転時の制御は、第1の実施形態と同一であるので、ここでの説明は省略する。
【0052】
このように、本実施形態では、連系運転時に、発電装置13から系統14へ逆潮流させることなく、発電装置13における余剰電力を蓄電池1へ充電することができる。
【0053】
(第3の実施形態)
図9は、本発明の第3の実施形態に係る電力供給システム300の概略構成を示すブロック図である。本実施形態に係る電力供給システム300は、電力供給装置301と、専用分電盤302と、蓄電池1と、発電装置13とを備える。また、電力供給システム300と接続して使用される、太陽電池12、系統14、分電盤15、負荷16A乃至16Cを
図9にあわせて示す。この電力供給システム300の構成は、
図9に示すように発電装置13の出力部に第3電流センサ90を設置し、制御部7が第3電流センサ90の検出結果を取得可能とし、そして制御部7が発電装置13からのセルフチェック信号を受信可能に構成した他は、第2の実施形態に係る電力供給システム200の構成と同一である。従って、ここでの重複する説明は省略する。なお、この電力供給システム300は、第1および第2の実施形態に係る電力供給システム100,200の構成を全て含むため、第1および第2の実施形態と同一の動作をさせることが可能である。
【0054】
専用分電盤302は、第2連系運転スイッチ8と、第1供給経路切替スイッチ9と、第2供給経路切替スイッチ10と、第1電流センサ11と、第2電流センサ60と、第3電流センサ90とを備える。第3電流センサ90は、発電装置13が電流センサのセルフチェックを行ったことを検出するために設けられた電流センサである。
【0055】
この発電装置13が行うセルフチェックは、発電装置から系統への逆潮流を監視するための電流センサのチェックであり、本実施形態では、発電装置13が出力電力を意図的に変化させ、第1電流センサ11に流れる電流がその出力電力の変化に対応して変化するか否かをチェックするものである。この出力電力の意図的変化は、例えば発電装置13が発電を一旦停止させ、または発電量を減らして、一時的に系統14から電力の供給を受けて電流を変化させることによって行われる。
【0056】
これ以降、本実施形態に係る電力供給システム300における制御例を図面によって詳述する。
【0057】
(連系運転時の制御例)
図10は、連系運転時の電力供給システム300の制御例を示す図である。各スイッチは、第1,第2連系運転スイッチ5,8がオン、自立運転スイッチ6がオフに制御される。また供給経路切替スイッチは、第1供給経路切替スイッチ9がオフ、第2供給経路切替スイッチ10がオンに制御される。
【0058】
この連系運転時には、太線矢印で示すように、系統14より交流100V(あるいは200V)が供給されて、負荷16A乃至16Cに給電される。また、発電装置13で発電された電力は、第2供給経路切替スイッチ10および第1電流センサ11を経由して負荷16A乃至16Cに供給される。従って、負荷16A乃至16Cに供給される電流は全て第1電流センサ11を経由することになるため、第1電流センサ11は常に順潮流を検出することができる。そして発電装置13は、定格運転を行うことができる。また、発電装置13における発電電力が、負荷16A乃至16Cにおける消費電力を上回る場合には、制御部7は、
図10に太線で示すように、発電装置13における余剰電力を、第2連系運転スイッチ8および第1連系運転スイッチ5を経由して蓄電池1に充電を行う。なお、発電装置13の発電電力を蓄電池1に充電する間、制御部7は、第2電流センサ60を流れる電流の監視を行い、第2電流センサ60に常に一定以上の順潮流が流れるように、蓄電池1への充電量の制御をおこなう。
【0059】
図10の制御例において、制御部7は、第3電流センサ90における電流に変化が生じて発電装置13がセルフチェックを開始したと判定すると、第1供給経路切替スイッチ9をオン、第2供給経路切替スイッチ10をオフに切り替え制御をおこなう。これによって第1電流センサ11は、系統14から負荷16A乃至16Cに流れる電流のみを検出するようになる。このとき発電装置13から蓄電池1への電力供給は行われないため、蓄電池1は充電を停止する。発電装置13が系統14から一時的に電力の供給を受けることによって、第1電流センサ11には、対応した順潮流方向の電流が流れる。発電装置13は、この順潮流方向の電流検出によってセルフチェック動作を終了する。この時の電力供給システム300の制御状態を
図11に示す。
【0060】
その後、制御部7は、第3電流センサ90における電流の変化が終了してセルフチェックが完了したと判定すると、再び第1供給経路切替スイッチ9をオフ、第2供給経路切替スイッチ10をオンに切り替え制御をおこなう。これによって、発電装置13は、蓄電池1への余剰電力の充電を再開する。
【0061】
なお、発電装置13によるセルフチェックの開始および終了の判定は、第3電流センサ90を用いる以外に様々な手法を用いることができる。例えば、発電装置13がセルフチェック実行中であることを通知する信号を出力するように構成し、制御部7がその発電装置13からの信号に基づいて第1供給経路切替スイッチ9および第2供給経路切替スイッチ10のオン/オフ制御を行ってもよい。また、制御部7が発電装置13と通信を行うことによってセルフチェック中であることを認識してもよい。
【0062】
(自立運転時の制御例)
次に、
図12によって自立運転時の電力供給システム300の制御例を説明する。各スイッチは、第1,第2連系運転スイッチ5,8がオフ、自立運転スイッチ6がオンに制御される。また、供給経路切替用の各スイッチは、第1供給経路切替スイッチ9がオフ、第2供給経路切替スイッチ10がオンに制御される。
【0063】
図12は、自立運転時において、負荷16A乃至16Cが常に一定以上の電力を消費している場合に、発電装置13が定格運転発電を行う制御例である。第2供給経路切替スイッチ10がオンであるため、発電装置13の発電電力は、第1電流センサ11を経由して負荷16A乃至16Cに供給される。結局、各分散電源(太陽電池12、蓄電池1、発電装置13)からの電力は第1電流センサ11および分電盤15を経由して負荷16A乃至16Cに供給されるため、第1電流センサ11では常に順潮流が検出され、発電装置13は定格運転発電をおこなうことができる。そして、発電装置13における発電電力は、
図12に太線で示すように負荷16A乃至16Cに供給されるが、発電電力が負荷16A乃至16Cにおける消費電力を上回る場合には、その余剰電力は蓄電池1に充電される。
【0064】
図12の制御例において、制御部7は、第3電流センサ90における電流に変化が生じて発電装置13がセルフチェックを開始したと判定すると、第1供給経路切替スイッチ9をオン、第2供給経路切替スイッチ10をオフに切り替え制御をおこなうと共に蓄電池1に放電を開始させる。蓄電池1から放電された電力は、第1電流センサ11を経由して流れ、発電装置13は一時的に蓄電池1から電力供給をうける。第1電流センサ11には、この蓄電池1から発電装置13への電力供給に対応した順潮流方向の電流が流れ、発電装置13は、この順潮流方向の電流検出によって、セルフチェックを完了する。
【0065】
このように、本実施形態では、発電装置13がセルフチェックを行うタイミングで、系統14または蓄電池1から発電装置13へ流れる電流を第1電流センサ11が検出可能となるように第1供給経路切替スイッチ9をオン、第2供給経路切替スイッチ10をオフへと切り替えを行う。この構成によって、発電装置13から蓄電池1への余剰電力の充電を可能にしつつ、発電装置13のセルフチェック機能にも対応させることができる。
【0066】
また、本実施形態では、発電装置13の出力部に第3の電流センサを設けてセルフチェック動作を検出するように構成したので、発電装置13から蓄電池1への余剰電力の充電を可能にしつつ、簡素な構成で発電装置13のセルフチェック機能にも対応させることができる。
【0067】
また、本実施形態では、発電装置13がセルフチェック実行中であることを通知する信号を出力し、制御部7がその発電装置13からの信号を受信してセルフチェック動作を検出するように構成したので、発電装置13から蓄電池1への余剰電力の充電を可能にしつつ、簡素な構成で発電装置13のセルフチェック機能にも対応させることができる。
【0068】
本発明を諸図面および実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形または修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形または修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各部材、各手段、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段またはステップなどを1つに組み合わせたり、あるいは分割したりすることが可能である。
【0069】
本開示内容の多くの側面は、プログラム命令を実行可能なコンピュータシステムその他のハードウェアによって実行される、一連の動作として示される。コンピュータシステムその他のハードウェアには、例えば、汎用コンピュータ、PC(パーソナルコンピュータ)、専用コンピュータ、ワークステーション、PCS(Personal Communications System、パーソナル移動通信システム)、RFID受信機、電子ノートパッド、ラップトップコンピュータ、GPS(Global Positioning System)受信機またはその他のプログラム可能なデータ処理装置が含まれる。各実施形態では、種々の動作は、プログラム命令(ソフトウェア)で実装された専用回路(例えば、特定機能を実行するために相互接続された個別の論理ゲート)または、1つ以上のプロセッサによって実行される論理ブロックもしくはプログラムモジュール等によって実行されることに留意されたい。論理ブロックまたはプログラムモジュール等を実行する1つ以上のプロセッサには、例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ、CPU(中央演算処理ユニット)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子機器、ここに記載する機能を実行可能に設計されたその他の装置および/またはこれらいずれかの組合せが含まれる。ここに示す実施形態は、例えば、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコードまたはこれらいずれかの組合せによって実装される。命令は、必要なタスクを実行するためのプログラムコードまたはコードセグメントであってもよい。そして、命令は、機械読取り可能な非一時的記憶媒体その他の媒体に格納することができる。コードセグメントは、手順、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェアパッケージ、クラスまたは命令、データ構造もしくはプログラムステートメントのいずれかの任意の組合せを示すものであってもよい。コードセグメントは、他のコードセグメントまたはハードウェア回路と、情報、データ引数、変数または記憶内容の送信および/または受信を行い、これによって、コードセグメントが他のコードセグメントまたはハードウェア回路と接続される。
【0070】
ここで用いられるネットワークには、他に特段の断りがない限りは、インターネット、アドホックネットワーク、LAN(Local Area Network)、セルラーネットワーク、WPAN(Wireless Personal Area Network ) もしくは他のネットワークまたはこれらいずれかの組合せが含まれる。無線ネットワークの構成要素には、例えば、アクセスポイント(例えば、Wi−Fiアクセスポイント)およびフェムトセル等が含まれる。さらに、無線通信器機は、Wi−Fi、Bluetooth(登録商標)、セルラー通信技術(例えばCDMA(Code Division Multiple Access)、TDMA(Time Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、SC−FDMA(Single-Carrier Frequency Division Multiple Access)またはその他の無線技術および/または技術標準を用いた無線ネットワークに接続することができる。
【0071】
ここで用いられる機械読取り可能な非一時的記憶媒体は、さらに、ソリッドステートメモリ、磁気ディスクおよび光学ディスクの範疇で構成されるコンピュータ読取り可能な有形のキャリア(媒体)として構成することができる。かかる媒体には、ここに開示する技術をプロセッサに実行させるためのプログラムモジュールなどのコンピュータ命令の適宜なセットおよび、データ構造が格納される。コンピュータ読取り可能な媒体には、1つ以上の配線を備えた電気的接続、磁気ディスク記憶媒体、磁気カセット、磁気テープ、その他の磁気および光学記憶装置(例えば、CD(Compact Disk)、レーザーディスク(登録商標)、DVD(登録商標)(Digital Versatile Disc)、フロッピー(登録商標)ディスクおよびブルーレイディスク(登録商標))、可搬型コンピュータディスク、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read-Only Memory)、EPROM、EEPROMもしくはフラッシュメモリ等の書換え可能でプログラム可能なROMもしくは情報を格納可能な他の有形の記憶媒体またはこれらいずれかの組合せが含まれる。メモリは、プロセッサ/プロセッシングユニットの内部および/または外部に設けることができる。ここで用いられるように、「メモリ」という語は、あらゆる種類の長期記憶用、短期記憶用、揮発性、不揮発性その他のメモリを意味し、特定の種類もしくはメモリの数または記憶が格納される媒体の種類は限定されない。
【0072】
ここでは、特定の機能を実行する種々のモジュールおよび/またはユニットを有するものとしてのシステムを開示しており、これらのモジュールおよびユニットは、その機能性を簡略に説明するために模式的に示されたものであって、必ずしも特定のハードウェアおよび/またはソフトウェアを示すものではないことに留意されたい。その意味において、これらのモジュール、ユニット、その他の構成要素は、ここで説明された特定の機能を実質的に実行するように実装されたハードウェアおよび/またはソフトウェアであればよい。異なる構成要素の種々の機能は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアのいかなる組合せまたは分離したものであってもよく、それぞれ別々に、またはいずれかの組合せによって用いることができる。また、キーボード、ディスプレイ、タッチスクリーン、ポインティングデバイス等を含むが、これらに限られない入力/出力もしくはI/Oデバイスまたはユーザインターフェースは、システムに直接にまたは介在するI/Oコントローラを介して接続することができる。このように、本開示内容の種々の側面は、多くの異なる態様で実施することができ、それらの態様はすべて本開示内容の範囲に含まれる。