(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6246959
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】窒素含有炭素電極の製造方法及びレドックスフロー電池
(51)【国際特許分類】
H01M 4/88 20060101AFI20171204BHJP
H01M 4/86 20060101ALI20171204BHJP
H01M 4/96 20060101ALI20171204BHJP
H01M 8/18 20060101ALI20171204BHJP
H01M 8/02 20160101ALI20171204BHJP
H01M 8/10 20160101ALI20171204BHJP
【FI】
H01M4/88 C
H01M4/86 B
H01M4/96 M
H01M8/18
H01M8/02 P
H01M8/10
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-10659(P2017-10659)
(22)【出願日】2017年1月24日
(65)【公開番号】特開2017-139222(P2017-139222A)
(43)【公開日】2017年8月10日
【審査請求日】2017年7月5日
(31)【優先権主張番号】105103166
(32)【優先日】2016年2月1日
(33)【優先権主張国】TW
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514024712
【氏名又は名称】台湾ナノカーボンテクノロジー股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】TAIWAN CARBON NANO TECHNOLOGY CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110002295
【氏名又は名称】特許業務法人森脇特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 光哲
(72)【発明者】
【氏名】黄 健曜
(72)【発明者】
【氏名】彭 志偉
(72)【発明者】
【氏名】蔡 群賢
(72)【発明者】
【氏名】蔡 群栄
(72)【発明者】
【氏名】李 庭鵑
【審査官】
守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2016−085901(JP,A)
【文献】
特表2016−532274(JP,A)
【文献】
国際公開第2014/128949(WO,A1)
【文献】
特開昭61−086411(JP,A)
【文献】
特開2017−027919(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/88
H01M 4/86
H01M 4/90
H01M 4/96
H01M 8/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量割合30−80%の炭素材料と、重量割合15−60%の高分子材料と、重量割合3−25%の改質剤(但し、前記改質剤は窒素を含有するアミン類、アミド類、窒素含有複素環式有機化合物、アンモニウム塩からなる群から選択される)とを混合させることにより、予備成形体を形成するステップと、
前記予備成形体に対して成形プロセスを行うことで成形体を得るステップと、
前記成形体に対して高温焼結を行うことで、前記高分子材料の一部を分解除去し、複数の孔隙を含有する骨格構造を形成し、また、前記改質剤中の前記窒素を前記骨格構造に付着させることにより、窒素含有炭素電極を形成するステップを含む、
窒素含有炭素電極の製造方法。
【請求項2】
前記炭素材料は、カ−ボンナノチュ−ブ、グラフェン、カ−ボンブラック、炭素繊維、活性炭、石墨、中空炭、軟炭、及び硬炭からなる群から選択される請求項1記載の窒素含有炭素電極の製造方法。
【請求項3】
前記高分子材料は、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、フラン樹脂、エポキシ化合物、フェノ−ル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコ−ル、セルロ−ス、ポリフッ化ビニリデン、及び4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体からなる群から選択される請求項1記載の窒素含有炭素電極の製造方法。
【請求項4】
前記アミン類は、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、3−メチル−2−アミノペンタン、エチレンジアミン、アニリン、トルイジン、ナフチルアミン、ベンジジン、ジアミノビフェニル、フェニレンジアミン、トルエンジアミン、及び2,6−ジアミノトルエンからなる群から選択される請求項1記載の窒素含有炭素電極の製造方法。
【請求項5】
前記アミド類は、アセトアミド、尿素、及びアセトアニリドからなる群から選択される請求項1記載の窒素含有炭素電極の製造方法。
【請求項6】
前記窒素含有複素環式有機化合物は、ピロリジン、ピロ−ル、ピリジン、ヘキサヒドロピリジン、4−アミノ−2−オキソピリミジン、2,4−ジオキソピリミジン、メラミン、及び5−メチル−2,4−ジオキソピリミジンからなる群から選択される請求項1記載の窒素含有炭素電極の製造方法。
【請求項7】
前記アンモニウム塩は、カルバミン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、及び炭酸アンモニウムからなる群から選択される請求項1記載の窒素含有炭素電極の製造方法。
【請求項8】
前記成形プロセスにおいて、前記予備成形体を100−220℃の受熱温度及び5−200Kgf/cm2の成形圧力の環境に配置する請求項1記載の窒素含有炭素電極の製造方法。
【請求項9】
前記高温焼結において、前記成形体を400−1200℃の加熱温度の環境に配置する請求項1記載の窒素含有炭素電極の製造方法。
【請求項10】
前記窒素含有炭素電極は、10−85%の孔隙率を有する請求項1記載の窒素含有炭素電極の製造方法。
【請求項11】
隔膜、
前記隔膜の片側に設置される第1電池セル、
前記隔膜の前記第1電池セルから離間する側に設置される第2電池セル、及び
前記隔膜の対向する両側に設置される2つの炭素電極を含み、
前記炭素電極は、請求項1に記載の方法で製造され、
前記炭素電極は、前記第1電池セルに設置される第1炭素電極及び前記第2電池セルに設置される第2炭素電極、
前記第1炭素電極に接触する第1電流コレクタ、
前記第2炭素電極に接触する第2電流コレクタ、
前記第1電流コレクタ及び前記第2電流コレクタに電気的に接続される導電性部品、
前記第1電池セルに連通し、且つ第1電解液を前記第1電池セルに輸送する第1電解液貯蔵部品、及び
前記第2電池セルに連通し、且つ第2電解液を前記第2電池セルに輸送する第2電解液貯蔵部品を含む、
レドックスフロー電池。
【請求項12】
前記隔膜の材料は、パ−フルオロスルホン酸膜、部分フッ化膜、非フッ素系イオン交換膜、及び多孔質のイオン導電性隔膜からなる群から選択される請求項11記載のレドックスフロー電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭素電極の製造方法に関し、特に窒素含有炭素電極の製造方法及びレドックスフロー電池に関する。
【背景技術】
【0002】
レドックスフロー電池(Electrochemical flow cell、またはRedox flow battery)は、電気化学的エネルギ−貯蔵装置であり、主にバナジウム系レドックスフロー電池及び亜鉛−臭素系レドックスフロー電池の2種類がある。正極電解液と負極電解液が分離しており、それぞれ循環している高性能蓄電池であり、容量が大きく、幅広い分野で利用でき、耐用年数が長く、関連素子の設計に関する制限が少ないなどの特徴を有する。
【0003】
米国特許出願公開(US2012/0045680)「Redox flow battery」は、レドックスフロー電池を開示しており、それは、電池セル、電池セル内に設置される隔膜、及び隔膜の両側にそれぞれ設置される正極電極と負極電極を含み、また、正極電解液及び負極電解液を電池セルに供給し、更に、正極電解液はマンガンイオンを含有し、負極電解液は、チタンイオン、バナジウムイオン、クロムイオン、亜鉛イオン、及びスズイオンから選択される少なくとも1種の金属イオンを含有し、MnO
2の析出抑制手段として、正極電解液に更にチタンイオンを含有している。
【0004】
一般的に、電極は炭素繊維不織布を改質させて製造され、しかしながら、炭素繊維不織布は水平方向の導電性が優れるが、垂直方向の導電性が劣り、且つ比表面積が小さいので、酸化還元性能が低く、放電出力が低下する。よって、いかにして電極の垂直方向の導電性向上及び比表面積の増加を実現できるかは、大きな課題となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2012/0045680号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、電極の垂直方向の導電性が劣り、比表面積が小さいために、酸化還元性能が低く、放電出力が低下するという課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る窒素含有炭素電極の製造方法は、
重量割合30−80%の炭素材料と、重量割合15−60%の高分子材料と、重量割合3−25%の改質剤(但し、前記改質剤は窒素を含有するアミン類、アミド類、窒素含有複素環式有機化合物、アンモニウム塩からなる群から選択される)とを混合させることにより、予備成形体を形成するステップと、
前記予備成形体に対して成形プロセスを行うことで成形体を得るステップと、
前記成形体に対して高温焼結を行うことで、前記高分子材料の一部を分解除去し
、複数の孔隙を含有する骨格構造を形成し、また、前記改質剤中の前記窒素を前記骨格構造に付着させ
ることにより、窒素含有炭素電極を形成するステップを含む。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係るレドックスフロー電池は、隔膜、隔膜の片側に設置される第1電池セル、隔膜の第1電池セルから離間する側に設置される第2電池セル、及び隔膜の対向する両側に設置される2つの炭素電極を含み、炭素電極は、前記方法で製造され、炭素電極は、第1電池セルに設置される第1炭素電極及び第2電池セルに設置される第2炭素電極、第1炭素電極に接触する第1電流コレクタ、第2炭素電極に接触する第2電流コレクタ、第1電流コレクタ及び第2電流コレクタに電気的に接続される導電性部品、第1電池セルに連通し、且つ第1電解液を第1電池セルに輸送する第1電解液貯蔵部品、及び第2電池セルに連通し、且つ第2電解液を第2電池セルに輸送する第2電解液貯蔵部品を含む。
【発明の効果】
【0009】
1.成形体に対して高温焼結を行うことで高分子材料の一部を分解除去し、高分子材料のもう一部は、炭素材料とともに骨格構造及び複数の孔隙を形成することで、窒素含有炭素電極の比表面積を増やし、これにより第1電解液及び第2電解液はその中で酸化還元反応を充分に行い、放電出力を高めることができる。
【0010】
2.改質剤を添加することで、窒素含有炭素電極に窒素含有官能基を持たせて、垂直方向に優れる導電性を有するようになり、内部抵抗が下がり、放電出力が高められ、窒素含有炭素電極の親水性、バナジウムイオンの反応特性をより向上させるとともに、細孔特性などの性質を変更させ、これにより使用上の優位性がより顕著になる。
【0011】
3.成形プロセスにより高分子材料を、炭素材料を一時支持する構造体にし、更に高温焼結を行うことで高分子材料を除去して、独立する窒素含有炭素電極を形成し、他の材料と結合せずに、様々な用途で使用することができる。
【0012】
4.本発明による窒素含有炭素電極は、剛性を有し、塊状であるのに対し、周知技術の電極はシ−ト状の積層構造であり、よって、電極の体積が同じである条件では、本発明は、炭素電極を厚くする方式で大きな体積を実現して、第1電流コレクタ及び第2電流コレクタの使用面積を減らし、更に材料の使用量を削減することができる。よって、金属製電流コレクタの使用量及びコストを大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明による窒素含有炭素電極の製造フローチャ−トである。
【
図2】本発明の第1実施例によるレドックスフロー電池の応用における局所の断面概略図である。
【
図3】本発明の第2実施例によるレドックスフロー電池の応用の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の詳細及び技術的内容について説明する。
【0015】
図1は、本発明の好適な実施例の製造フローチャ−トであり、窒素含有炭素電極の製造方法を提供し、以下のステップを含む。
【0016】
ステップ1(S1):
炭素材料、高分子材料、及び改質剤を混合させて予備成形体を形成し、予備成形体において、例えば炭素材料の重量割合30−
80%、高分子材料の重量割合15−60%、改質剤の重量割合3−25%とし、更に、改質剤は窒素を含有する。この実施例において、炭素材料をカ−ボンナノチュ−ブ、グラフェン、カ−ボンブラック、炭素繊維、活性炭、石墨、中空炭、軟炭、硬炭、またはそれらの組合わせとすることできる。高分子材料をポリ塩化ビニル(Polyvinyl chloride、PVC)、ポリテトラフルオロエチレン(Polytetrafluoroethene、PTFE)、フラン樹脂(Furan resin)、エポキシ化合物(Epoxy)、フェノ−ル樹脂(Phenol formaldehyde resin)、ポリアクリロニトリル(Polyacrylonitrile、PAN)、ポリビニルアルコ−ル(Polyvinyl alcohol、PVA)、セルロ−ス(Cellulose)、ポリフッ化ビニリデン(Polyvinylidene fluoride、PVDF)、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体(Fluorinated ethylene propylene、FEP)、またはそれらの組合わせとすることできる。また、改質剤をアミン類、アミド類、窒素含有複素環式有機化合物、アンモニウム塩、またはそれらの組合わせとすることができる。
【0017】
この実施例において、アミン類の一般式はR1−NH
2、またはNH
2−R1−NH
2であり、ここで、R1をC3−C24のアルキル基にしてプロピルアミン、イソプロピルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、3−メチル−2−アミノペンタン、エチレンジアミンなどとし、また、R1をアリ−ル基にしてアニリン、トルイジン、ナフチルアミン、ベンジジン、ジアミノビフェニル、フェニレンジアミン、トルエンジアミン、2,6−ジアミノトルエンなどとすることができる。アンモニウム塩の一般式はR2−CONH
2であり、ここで、R2をC1−C18のアルキル基、シクロアルキル基など、またはフェニル基、ナフチル基などのアリ−ル基、またはアミノ基とすることができる。アミド類をアセトアミド、尿素、アセトアニリドなどとすることができる。 窒素含有複素環式有機化合物をピロリジン、ピロ−ルなどの5員複素環、またはピリジン、ヘキサヒドロピリジン、4−アミノ−2−オキソピリミジン、2,4−ジオキソピリミジン、メラミン、5−メチル−2,4−ジオキソピリミジンなどの6員複素環とすることができる。アンモニウム塩の一般式はNH
4COO−R3であり、ここで、R3を水酸基にして炭酸水素アンモニウムとし、または、アミノ基にしてカルバミン酸アンモニウムとし、またはR3を水素、若しくはメチル基で直接置換して炭酸アンモニウム、酢酸アンモニウムとし、または、R3をアンモニウム根にして炭酸アンモニウムとすることができる。
【0018】
ステップ2(S2):
予備成形体に対して成形プロセスを行うことで成形体を得る。成形プロセスにおいて、予備成形体を、100−220℃の受熱温度及び5−200Kgf/cm
2の成形圧力の環境に配置する。受熱温度及び成形圧力により、予備成形体の緻密度及び立体構造を調整して、成形体を形成することができ、また、成形体の体積は従来の炭素繊維不織布電極より小さい。本実施例において、成形プロセスを、受熱温度及び成形圧力を同時適用する熱プレスとし、またはまず受熱温度を適用し、続いて成形圧力を適用するようにしてもよいが、これらに限定されない。
【0019】
ステップ3(S3):
成形体に対して高温焼結を行うことで窒素含有炭素電極を形成し、高温焼結において、成形体を400−1200℃の加熱温度及び不活性気体の環境に配置し、高分子材料を成形体内で燃焼分解させることで、高分子材料の一部を分解除去し、高分子材料のもう一部は、接着剤として機能し、炭素材料とともに複数の孔隙を含有し、且つ三次元的な立体網状構造を呈する骨格構造を形成し、これにより炭素材料の重量割合が添加直後より高くなり、つまり、窒素含有炭素電極の大部分は炭素材料で構成されるようになり、更に、改質剤中の窒素を骨格構造に付着させて窒素含有官能基を形成して、窒素含有炭素電極を形成する。
【0020】
本実施例において、孔隙の割合(孔隙率)は10−85%であり、窒素含有炭素電極の比表面積及び内部空間が大幅に増加し、導電性及び放電出力がより高められる。また、改質剤に含まれる窒素を用いて、成形体を高温焼結過程で窒素含有官能基を形成することで、親水性、バナジウムイオンの反応特性を向上させるとともに、細孔特性を変更させることができる。本発明において、不活性気体をアルゴンガスまたは窒素ガスとすることができる。
【0021】
尚、高温焼結のステップにおいて、炭素材料の間に付着する添加炭素材料が更に生成し、添加炭素材料は、高分子材料または改質剤が燃焼分解した後に炭素材料に残留すること、または別途流し込む炭素含有気体により供給することができ、また、炭素の残留は、炭素材料の導電性を高めることができる。
【0022】
図2及び
図3は、窒素含有炭素電極を応用したレドックスフロー電池であり、レドックスフロー電池としては、バナジウム系レドックスフロー電池でも、亜鉛−臭素系レドックスフロー電池でもよいが、本発明はこれらに限定されない。レドックスフロー電池は、隔膜10、第1電池セル20、第2電池セル30、第1炭素電極40、第2炭素電極50、第1電解液貯蔵部品60、第2電解液貯蔵部品70、第1炭素電極40に接触する第1電流コレクタ100、第2炭素電極50に接触する第2電流コレクタ110、第1電流コレクタ100及び第2電流コレクタ110に電気的に接続される導電部品80、及び導電部品80に電気的に接続される負荷90を含む。第1炭素電極40及び第2炭素電極50は、前記方法で製造され、第1電池セル20及び第2電池セル30は、隔膜10の両側にそれぞれ設置され、第1炭素電極40は第1電池セル20に設置され、第2電極50は第2電池セル30に設置され、第1電解液貯蔵部品60は第1電池セル20に連通し、且つ第1ポンプ61を用いて第1電解液を第1電解液貯蔵部品60から第1電池セル20に輸送することで、第1炭素電極40、第1電流コレクタ100を第1電解液に接触させ、第2電解液貯蔵部品70は第2電池セル30に連通し、且つ第2ポンプ71を用いて第2電解液を第2電解液貯蔵部品70から第2電池セル30に輸送することで、第2炭素電極50、第2電流コレクタ110を第2電解液に接触させ、更に、隔膜10を介してイオン交換を行って放電する。
【0023】
図2は、本発明の第1実施例であり、第1電流コレクタ100及び第2電流コレクタは、第1炭素電極40及び第2炭素電極50内にそれぞれ埋設される。
図3は、本発明の第2実施例であり、この実施例において、第1電流コレクタ100が第1炭素電極40の隔膜10から離間する側に設置され、第2電流コレクタ110が第2炭素電極50の隔膜10から離間する側に設置されるが、これに限定されるものではなく、隔膜10に隣接する側に設置されてもよい。更に、隔膜10の材料は、パ−フルオロスルホン酸膜、部分フッ化膜、非フッ素系イオン交換膜、または多孔質のイオン導電性隔膜などから選択でき、部分フッ化膜をエチレン‐テトラフルオロエチレン共重合体膜、ポリフッ化ビニリデンなどとすることができ、非フッ素系イオン交換膜を炭化水素系イオン樹脂とすることができ、多孔質のイオン導電性隔膜をポリエチレン、ポリプロピレンなどとすることができる。第1電流コレクタ100及び第2電流コレクタ110の材質を銅、アルミニウムなどの金属とすることができる。
【0024】
このように窒素含有炭素電極に複数の孔隙を持たせることで、第1電解液及び第2電解液は、複数の孔隙内で酸化還元を行うことができ、且つ窒素含有炭素電極も異なる種類の炭素で構成され、絶縁接着剤を一切含有しないため、垂直方向に優れる導電性を有し、これによりレドックスフロー電池の内部抵抗が下がり、放電出力が高められる。また、周知技術の電極はシ−ト状の積層構造であるが、電極の体積が同じである条件では、本発明による新規な第1電流コレクタ100及び第2電流コレクタ110の使用面積が比較的小さいため、材料の使用量を減らして、関連プロセスのコストをより削減することができる。
【0025】
図4は、サイクリックボルタンメトリー(Cyclic voltammetry、CV)を用いてプロットしたデ−タ図である。曲線Aは、従来の炭素繊維不織布電極で製造されるレドックスフロー電池のデ−タ、曲線Bは、本発明による窒素含有炭素電極で製造されるレドックスフロー電池のデ−タである。比較した結果、本発明の方の電流は従来の炭素繊維不織布電極の2倍となり、放電出力も倍単位で増加した。
総じて、本発明は、以下の特徴を有する。
【0026】
1.成形プロセスにより、予備成形体の緻密度及び立体構造を調整して、成形体を形成することができ、且つ成形体の体積を従来の炭素繊維不織布電極より小さくすることができる。
2.高温焼結により高分子材料を除去し、高分子材料の一部を分解除去し、高分子材料のもう一部は、炭素材料とともに複数の孔隙及び骨格構造を形成し、これにより炭素材料の重量割合が添加した直後よりも高められ、複数の孔隙により窒素含有炭素電極の比表面積及び内部空間が大幅に増加し、導電性及び放電出力がより向上する。
3.高温焼結により、添加炭素材料は炭素材料の間に残留し、炭素材料の導電性を高めることができる。
4.高温焼結により高分子材料を除去した後、剛性構造を有し且つ独立する窒素含有炭素電極が形成され、他の材料と結合せずに、様々な用途で使用することができる。
5.改質剤の添加により、窒素含有炭素電極に窒素含有官能基を持たせて、垂直方向に優れる導電性を有するようになり、内部抵抗が下がり、放電出力が高められ、窒素含有炭素電極の親水性、バナジウムイオンの反応特性をより向上させるとともに、細孔特性などの性質を変更させ、これにより使用上の優位性がより顕著になる。
6.窒素含有炭素電極をレドックスフロー電池に応用すると、第1電解液及び第2電解液は、複数の孔隙内で酸化還元を行うことができ、且つ垂直方向に優れる導電性を有し、レドックスフロー電池の内部抵抗を下げ、放電出力を高めることができる。
7.第1電流コレクタ及び第2電流コレクタの使用面積を減らすことで、材料の使用量を減らして、関連プロセスのコストを更に削減することができる。
【0027】
以上、本発明について詳細に説明したが、上記内容は本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明の実施範囲について限定するものではない。つまり、本発明の請求範囲に基づいてなされた等価な変更及び潤色などは、すべて本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0028】
10 隔膜
20 第1電池セル
30 第2電池セル
40 第1炭素電極
50 第2炭素電極
60 第1電解液貯蔵部品
61 第1ポンプ
70 第2電解液貯蔵部品
71 第2ポンプ
80 導電性部品
90 負荷
100 第1電流コレクタ
110 第2電流コレクタ
A、B 曲線
S1−S3 ステップ