(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記内部ノードプルダウン部は、4相のクロック信号に含まれる位相の異なる複数のクロック信号に基づいて、クロック周期のおよそ4分の1の期間に前記内部ノードをプルダウンさせることを特徴とする、請求項1に記載のシフトレジスタ回路。
前記内部ノードプルダウン部は、自段の内部ノードと前段の出力ノードとの間に直列に接続された2個のトランジスタによって構成されていることを特徴とする、請求項2に記載のシフトレジスタ回路。
前記出力ノードプルダウン部は、前記出力制御用クロック信号とは逆位相のクロック信号に基づいて、クロック周期のおよそ2分の1の期間に前記出力ノードをプルダウンさせることを特徴とする、請求項4に記載のシフトレジスタ回路。
前記出力ノードプルダウン部は、前記出力制御用クロック信号とは逆位相のクロック信号が制御端子に与えられ、前記出力ノードに第1の導通端子が接続され、前記出力制御用クロック信号が第2の導通端子に与えられる出力ノードプルダウン用トランジスタによって構成されていることを特徴とする、請求項5に記載のシフトレジスタ回路。
各段を構成する単位回路は、前記内部ノードに第1の導通端子が接続され、前記出力ノードに第2の導通端子が接続された第3の内部ノードプルダウン用トランジスタを更に含むことを特徴とする、請求項1に記載のシフトレジスタ回路。
前記内部ノードプリチャージ部は、前記内部ノードを、2段前の段の内部ノードのレベルを示す信号と前段の出力ノードから出力される信号とに基づいてプリチャージすることを特徴とする、請求項1に記載のシフトレジスタ回路。
前記内部ノードプリチャージ部は、前段の出力ノードに制御端子および第1の導通端子が接続され、自段の内部ノードに第2の導通端子が接続された内部ノードプリチャージ用トランジスタを含むことを特徴とする、請求項1に記載のシフトレジスタ回路。
各段を構成する単位回路は、前記内部ノードおよび前記出力ノードの双方をプルダウンさせる初期化部を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載のシフトレジスタ回路。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置等の表示装置において、ゲートバスライン(走査信号線)を駆動するためのゲートドライバ(走査信号線駆動回路)のモノリシック化が進んでいる。従来、ゲートドライバは表示パネルを構成する基板の周辺部にIC(Integrated Circuit)チップとして搭載されることが多かったが、近年、基板上に直接的にゲートドライバを形成することが徐々に多くなされている。このようなゲートドライバは「モノリシックゲートドライバ」などと呼ばれている。モノリシックゲートドライバを備えた表示装置では、従来、典型的には、アモルファスシリコン(a−Si)を用いた薄膜トランジスタが駆動素子として採用されていた。しかしながら、近年、多結晶シリコン,微結晶シリコン,酸化物半導体(例えば、酸化インジウムガリウム亜鉛)などを用いた薄膜トランジスタが駆動素子として採用されつつある。特に酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタを駆動素子として採用することにより、低消費電力化や高精細化が進められている。
【0003】
ところで、アクティブマトリクス型の表示装置の表示部には、複数本のソースバスライン(映像信号線)と、複数本のゲートバスラインと、それら複数本のソースバスラインと複数本のゲートバスラインとの交差点にそれぞれ対応して設けられた複数個の画素形成部とを含む画素回路が形成されている。上記複数個の画素形成部はマトリクス状に配置されて画素アレイを構成している。例えば、液晶表示装置においては、各画素形成部は、対応する交差点を通過するゲートバスラインにゲート端子が接続されるとともに当該交差点を通過するソースバスラインにソース端子が接続されたスイッチング素子である薄膜トランジスタや、画素電圧値を保持するための画素容量などを含んでいる。また、液晶表示装置には、上述したゲートドライバと、ソースバスラインを駆動するためのソースドライバ(映像信号線駆動回路)とが設けられている。
【0004】
画素電圧値を示す映像信号はソースバスラインによって伝達されるが、各ソースバスラインは複数行分の画素電圧値を示す映像信号を一時(同時)に伝達することができない。このため、マトリクス状に配置された上述の画素形成部内の画素容量への映像信号の書き込み(充電)は1行ずつ順次に行われる。そこで、複数本のゲートバスラインが所定期間ずつ順次に選択されるように、ゲートドライバは複数段からなるシフトレジスタ回路によって構成されている。そして、シフトレジスタ回路の各段(以下、シフトレジスタ回路の各段を構成する回路のことを「単位回路」という)から順次にアクティブな走査信号が出力されることによって、上述のように、画素容量への映像信号の書き込みが1行ずつ順次に行われる。
【0005】
図21は、従来の単位回路の最も簡単な構成を示す回路図である。この単位回路は、4個の薄膜トランジスタM81〜M84と、1個のブートストラップ容量Cbとを備えている。また、この単位回路は、ローレベルの直流電源電位VSS用の入力端子のほか、3個の入力端子
81〜83と1個の出力端子88とを有している。ここで、入力信号Sを受け取る入力端子には符号81を付し、クロック信号CKAを受け取る入力端子には符号82を付し、リセット信号Rを受け取る入力端子には符号83を付し、出力信号Qを出力する出力端子には符号88を付している。薄膜トランジスタM81のソース端子,薄膜トランジスタM82のドレイン端子,薄膜トランジスタM83のゲート端子,およびブートストラップ容量Cbの一端は互いに接続されている。なお、これらが互いに接続されている領域(配線)のことを「内部ノード」という。この内部ノードには符号VCを付している。
【0006】
以上のような構成において、内部ノードVCがプリチャージされた状態の時にクロック信号CKAがローレベル(オフレベル)からハイレベル(オンレベル)に変化すると、ブートストラップ容量Cbによるブートストラップ効果によって内部ノードVCの電位が大きく上昇し、薄膜トランジスタM
83のゲート端子には大きな電圧が印加される。これにより、ハイレベルのクロック信号CKAがそのままのレベルで薄膜トランジスタM83を通過して出力端子88に与えられる。このようにして、この単位回路の出力端子88に接続されたゲートバスラインが選択状態となる。
【0007】
ところが、クロック信号CKAはクロック動作を繰り返しているので、この単位回路の出力端子88に接続されたゲートバスラインが非選択状態で維持されるべき期間(以下、「非選択期間」という。)に、薄膜トランジスタM83の寄生容量の存在に起因してクロック信号CKAのノイズ(クロックノイズ)が内部ノードVCに混入することがある。これにより内部ノードVCの電位が上昇すると、薄膜トランジスタM83にリーク電流が流れて出力端子88の電位が上昇する。その結果、動作不良が生じる。
【0008】
そこで、一般的には、動作不良の発生を防止するために、内部ノードVCの電位や出力端子88の電位を適宜のタイミングでローレベルに引き込むための回路素子が単位回路内に設けられている。しかしながら、近年、高精細化や狭額縁化の要求が高まっている。例えば、400ppiを超える解像度を有する高精細パネルや1mm未満の額縁を有する狭額縁パネルの実現が望まれている。そこで、比較的少ない数の回路素子によってクロックノイズへの対策を施した(シフトレジスタ回路の)単位回路の構成として、
図22に示すような構成が提案されている。
【0009】
図22に示す単位回路は、クロック信号CKAに基づいて内部ノードVC−出力端子98間の電気的な接続状態を制御する薄膜トランジスタM94と、クロック信号CKAとは逆位相のクロック信号CKBに基づいて内部ノードVC−入力端子91間の電気的な接続状態を制御する薄膜トランジスタM93とを有することを特徴とする。このような構成において、クロック信号CKAがハイレベルの期間中には、薄膜トランジスタM94がオン状態となり、内部ノードVC−出力端子98間が電気的に接続された状態となる。また、クロック信号CKAがローレベルの期間中には、薄膜トランジスタM93がオン状態となり、内部ノードVC−入力端子91間が電気的に接続された状態となる。このようにして、クロックノイズによる内部ノードVCの電位の上昇が抑制されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところが、
図22に示した構成によれば、薄膜トランジスタM95がデプレッション特性を有する場合に動作不良が生じることがある。これについて、
図23を参照しつつ、以下に説明する。ここでは、n段目の内部ノードVCに着目する。なお、(n−1)段目にクロック信号CKAとして与えられる信号とn段目にクロック信号CKBとして与えられる信号とは同じ信号であり、(n−1)段目にクロック信号CKBとして与えられる信号とn段目にクロック信号CKAとして与えられる信号とは同じ信号である。
【0012】
薄膜トランジスタM95がデプレッション特性を有する場合、(n−1)段目において、クロック信号CKAがハイレベルになると、薄膜トランジスタM95にリーク電流が流れる。これにより、(n−1)段目の出力端子98の電位が上昇する。このとき、n段目では、クロック信号CKBがハイレベルとなっているため薄膜トランジスタM93はオン状態となる。これにより、上記リーク電流がn段目の内部ノードVCに流れ込む(
図23で符号901で示す矢印を参照)。また、各単位回路内の薄膜トランジスタM96のゲート端子にはリセット信号(次段の出力端子98から出力される出力信号)Rが与えられているので、薄膜トランジスタM96がオン状態となるのは1垂直走査期間中に1回だけである。従って、n段目の内部ノードVCが(n−1)段目の薄膜トランジスタM96を介してプルダウンされることは期待できない(
図23で符号902で示す矢印を参照)。以上より、(n−1)段目からn段目に上記リーク電流が流れることにより、n段目の内部ノードVCの電位が上昇する。同様の動作が繰り返されることにより、後段に大きなノイズが与えられる。以上のように、
図22に示した構成によれば、動作不良を生ずるおそれがある。
【0013】
そこで本発明は、できるだけ少ない素子数で動作不良を生ずることなく表示装置の高精細化を可能とするシフトレジスタ回路を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の局面は、表示装置の表示部に配設された複数の走査信号線を駆動するための複数の段からなるシフトレジスタ回路であって、
各段を構成する単位回路は、
内部ノードと、
対応する走査信号線に接続された出力ノードと、
前記内部ノードに制御端子が接続され、出力制御用クロック信号が第1の導通端子に与えられ、前記出力ノードに第2の導通端子が接続された出力制御用トランジスタと、
自段よりも前の段の出力ノードから出力されるオンレベルの信号に基づいて前記内部ノードをプリチャージする内部ノードプリチャージ部と、
前記内部ノードをプルダウンさせるための内部ノードプルダウン部と、
前記出力ノードをプルダウンさせるための出力ノードプルダウン部と
を含み、
前記内部ノードプルダウン部は、
前段の出力ノードがプルダウンされている期間の少なくとも一部の期間に、自段の内部ノードと前段の出力ノードとを電気的に接続することによって自段の内部ノードをプルダウンさせ、
前段の出力制御用トランジスタの第1の導通端子に与えられる出力制御用クロック信号がオンレベルとなっている期間を通じて、自段の内部ノードと前段の出力ノードとを電気的に非接続とすることを特徴とする。
【0015】
本発明の第2の局面は、本発明の第1の局面において、
前記内部ノードプルダウン部は、4相のクロック信号に含まれる位相の異なる複数のクロック信号に基づいて、クロック周期のおよそ4分の1の期間に前記内部ノードをプルダウンさせることを特徴とする。
【0016】
本発明の第3の局面は、本発明の第2の局面において、
前記内部ノードプルダウン部は、自段の内部ノードと前段の出力ノードとの間に直列に接続された2個のトランジスタによって構成されていることを特徴とする。
【0017】
本発明の第4の局面は、本発明の第3の局面において、
前記内部ノードプルダウン部は、前記2個のトランジスタとして、
前段の出力制御用トランジスタの第1の導通端子に与えられる出力制御用クロック信号とは逆位相のクロック信号が制御端子に与えられる第1の内部ノードプルダウン用トランジスタと、
前段の出力制御用トランジスタの第1の導通端子に与えられる出力制御用クロック信号よりも位相が90度遅れているクロック信号が制御端子に与えられる第2の内部ノードプルダウン用トランジスタと
を含むことを特徴とする。
【0018】
本発明の第5の局面は、本発明の第4の局面において、
前記出力ノードプルダウン部は、前記出力制御用クロック信号とは逆位相のクロック信号に基づいて、クロック周期のおよそ2分の1の期間に前記出力ノードをプルダウンさせることを特徴とする。
【0019】
本発明の第6の局面は、本発明の第5の局面において、
前記出力ノードプルダウン部は、前記出力制御用クロック信号とは逆位相のクロック信号が制御端子に与えられ、前記出力ノードに第1の導通端子が接続され、前記出力制御用クロック信号が第2の導通端子に与えられる出力ノードプルダウン用トランジスタによって構成されていることを特徴とする。
【0020】
本発明の第7の局面は、本発明の第1の局面において、
各段を構成する単位回路は、前記内部ノードに第1の導通端子が接続され、前記出力ノードに第2の導通端子が接続された第3の内部ノードプルダウン用トランジスタを更に含むことを特徴とする。
【0021】
本発明の第8の局面は、本発明の第7の局面において、
前記第3の内部ノードプルダウン用トランジスタの制御端子には、前記出力制御用クロック信号が与えられることを特徴とする。
【0022】
本発明の第9の局面は、本発明の第1の局面において、
前記内部ノードプリチャージ部は、前記内部ノードを、2段前の段の内部ノードのレベルを示す信号と前段の出力ノードから出力される信号とに基づいてプリチャージすることを特徴とする。
【0023】
本発明の第10の局面は、本発明の第1の局面において、
前記内部ノードプリチャージ部は、前段の出力ノードに制御端子および第1の導通端子が接続され、自段の内部ノードに第2の導通端子が接続された内部ノードプリチャージ用トランジスタを含むことを特徴とする。
【0024】
本発明の第11の局面は、本発明の第1の局面において、
各段を構成する単位回路は、前記内部ノードおよび前記出力ノードの双方をプルダウンさせる初期化部を更に含むことを特徴とする。
【0025】
本発明の第12の局面は、本発明の第11の局面において、
前記初期化部は、
初期化信号が制御端子に与えられ、前記内部ノードに第1の導通端子が接続され、前記出力ノードに第2の導通端子が接続された第1の初期化用トランジスタと、
初期化信号が制御端子に与えられ、前記出力ノードに第1の導通端子が接続され、前記出力制御用クロック信号が第2の導通端子に与えられる第2の初期化用トランジスタとによって構成されていることを特徴とする。
【0026】
本発明の第13の局面は、本発明の第1の局面において、
前記出力制御用トランジスタは、酸化物半導体によりチャネル層が形成された薄膜トランジスタであることを特徴とする。
【0027】
本発明の第14の局面は、本発明の第1の局面に係るシフトレジスタ回路を備えた表示装置である。
【0028】
本発明の第15の局面は、表示装置の表示部に配設された複数の走査信号線を駆動するための複数の段からなるシフトレジスタ回路であって、
各段を構成する単位回路は、
内部ノードと、
対応する走査信号線に接続された出力ノードと、
前記内部ノードに制御端子が接続され、出力制御用クロック信号が第1の導通端子に与えられ、前記出力ノードに第2の導通端子が接続された出力制御用トランジスタと、
自段よりも前の段の出力ノードから出力されるオンレベルの信号に基づいて前記内部ノードをプリチャージする内部ノードプリチャージ部と、
前記内部ノードをプルダウンさせるための内部ノードプルダウン部と、
前記出力ノードをプルダウンさせるための出力ノードプルダウン部と
を含み、
前記内部ノードプルダウン部は、
前段の出力制御用トランジスタの第1の導通端子に出力制御用クロック信号として与えられるクロック信号を受け取るクロック端子を含み、
前段の出力制御用トランジスタの第1の導通端子に与えられる出力制御用クロック信号がオフレベルになっている期間の少なくとも一部の期間に、前記内部ノードと前記クロック端子とを電気的に接続することによって前記内部ノードをプルダウンさせ、
前段の出力制御用トランジスタの第1の導通端子に与えられる出力制御用クロック信号がオンレベルとなっている期間を通じて、前記内部ノードと前記クロック端子とを電気的に非接続とすることを特徴とする。
【0029】
本発明の第16の局面は、本発明の第15の局面に係るシフトレジスタ回路を備えた表示装置である。
【発明の効果】
【0030】
本発明の第1の局面によれば、或る段において出力制御用クロック信号がオンレベルとなっている期間には、当該段の出力ノードと次段の内部ノードとは電気的に切り離された状態となる。このため、出力制御用トランジスタがデプレッション特性を有している場合でも、出力制御用トランジスタに生じたリーク電流は次段の単位回路の動作に影響を及ぼさない。また、或る段の内部ノードと前段の出力ノードとが電気的に接続されている時には、前段の出力ノードがプルダウンされている。このため、前段のクロックノイズや前段の出力ノードに生じたノイズに関わらず、自段の内部ノードのプルダウンが確実に行われる。以上より、比較的簡易な構成でクロックノイズなどのノイズに起因する動作不良の発生を抑制することのできるシフトレジスタ回路が実現される。
【0031】
本発明の第2の局面によれば、本発明の第1の局面と同様の効果が得られる。
【0032】
本発明の第3の局面によれば、少ない素子数で動作不良を生ずることなく表示装置の高精細化を可能とするシフトレジスタ回路が実現される。
【0033】
本発明の第4の局面によれば、本発明の第3の局面と同様の効果が得られる。
【0034】
本発明の第5の局面によれば、各単位回路において2分の1クロック周期毎に出力ノードがプルダウンされるので、ノイズに起因する動作不良の発生が抑制される。
【0035】
本発明の第6の局面によれば、単位回路に設けられる端子の数を少なくしつつノイズに起因する動作不良の発生を抑制することが可能となる。
【0036】
本発明の第7の局面によれば、非選択期間中に随時内部ノード−出力ノード間を電気的に接続された状態にすることにより、非選択期間中に出力制御用トランジスタをオフ状態で維持することが可能となる。これにより、出力制御用トランジスタの特性劣化が抑制される。
【0037】
本発明の第8の局面によれば、内部ノードの電位が上昇しようとするタイミングで内部ノード−出力ノード間が電気的に接続された状態となるので、出力制御用トランジスタの特性劣化が効果的に抑制される。
【0038】
本発明の第9の局面によれば、単位回路内の内部ノードは、ダイオード接続のトランジスタを介することなく充電される。このため、ブートストラップ動作が行われる前の内部ノードの充電電圧がきわめて高くなる。これにより、充分な大きさの電圧マージンが確保され、表示装置の信頼性を向上させることが可能となる。
【0039】
本発明の第10の局面によれば、ブートストラップ動作が行われる際に内部ノードからの電流のリークが防止される。
【0040】
本発明の第11の局面によれば、例えばシフトレジスタ回路の動作開始直前あるいは動作
終了直後に、全ての単位回路を初期化すること(内部ノードや出力ノードの電荷を除去すること)が可能となる。これにより、単位回路内のトランジスタの特性劣化が抑制され、シフトレジスタ回路に関して安定した回路動作が実現される。
【0041】
本発明の第12の局面によれば、少ない数の回路素子で単位回路内のトランジスタの特性劣化を抑制することが可能となる。
【0042】
本発明の第13の局面によれば、低消費電力化や高精細化が可能となる。
【0043】
本発明の第14の局面によれば、本発明の第1の局面の効果を奏するシフトレジスタ回路を備えた表示装置が実現される。
【0044】
本発明の第15の局面によれば、前段の出力制御用トランジスタの第1の導通端子に出力制御用クロック信号として与えられるクロック信号を受け取るクロック端子と内部ノードとの電気的な接続状態を適宜に制御することにより、ノイズが生じても内部ノードのプルダウンが確実に行われる。また、各単位回路の出力ノードの負荷が小さくなる。これにより、動作電圧マージンを大きくすることが可能となり、シフトレジスタ回路の信頼性が向上する。
【0045】
本発明の第16の局面によれば、本発明の第15の局面の効果を奏するシフトレジスタ回路を備えた表示装置が実現される。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明においては、薄膜トランジスタのゲート端子(ゲート電極)は制御端子に相当し、ドレイン端子(ドレイン電極)は第1の導通端子に相当し、ソース端子(ソース電極)は第2の導通端子に相当する。また、シフトレジスタ内に設けられている薄膜トランジスタはすべてnチャネル型であるものとして説明する。また、一般的には、ドレインとソースのうち電位の高い方がドレインと呼ばれているが、本明細書の説明では、一方をドレイン,他方をソースと定義するので、ドレイン電位よりもソース電位の方が高くなることもある。
【0048】
<1.第1の実施形態>
<1.1 全体構成および動作>
図2は、本発明の第1の実施形態に係るアクティブマトリクス型の液晶表示装置の全体構成を示すブロック図である。
図2に示すように、この液晶表示装置は、電源100とDC/DCコンバータ110と表示制御回路200とソースドライバ(映像信号線駆動回路)300とゲートドライバ(走査信号線駆動回路)400と共通電極駆動回路500と表示部600とを備えている。なお、ゲートドライバ400は、アモルファスシリコン,多結晶シリコン,微結晶シリコン,酸化物半導体(例えば、酸化インジウムガリウム亜鉛)などを用いて、表示部600を含む表示パネル上に形成されている。すなわち、本実施形態においては、ゲートドライバ400と表示部600とは同一基板(液晶パネルを構成する2枚の基板のうちの一方の基板であるアレイ基板)上に形成されている。
【0049】
表示部600には、複数本(j本)のソースバスライン(映像信号線)SL1〜SLjと複数本(i本)のゲートバスライン(走査信号線)GL1〜GLiとが配設されている。ソースバスラインSL1〜SLjとゲートバスラインGL1〜GL
iとの各交差点に対応して、画素を形成する画素形成部6が設けられている。すなわち、表示部600には、複数個(i×j個)の画素形成部6が含まれている。上記複数個の画素形成部6はマトリクス状に配置されてi行×j列の画素マトリクスを構成している。各画素形成部6には、対応する交差点を通過するゲートバスラインGLにゲート端子が接続されると共に当該交差点を通過するソースバスラインSLにソース端子が接続されたスイッチング素子であるTFT60と、そのTFT60のドレイン端子に接続された画素電極61と、上記複数個の画素形成部6に共通的に設けられた共通電極64および補助容量電極65と、画素電極61と共通電極64とによって形成される液晶容量62と、画素電極61と補助容量電極65とによって形成される補助容量63とが含まれている。液晶容量62と補助容量63とによって画素容量66が構成されている。なお、
図2における表示部600内には、1つの画素形成部6に対応する構成要素のみを示している。
【0050】
電源100は、DC/DCコンバータ110と表示制御回路200と共通電極駆動回路500とに所定の電源電圧を供給する。DC/DCコンバータ110は、ソースドライバ300およびゲートドライバ400を動作させるための所定の直流電圧を電源電圧から生成し、それをソースドライバ300およびゲートドライバ400に供給する。共通電極駆動回路500は、共通電極64に所定の電位Vcomを与える。
【0051】
表示制御回路200は、外部から送られる画像信号DATおよび水平同期信号や垂直同期信号などのタイミング信号群TGを受け取り、デジタル映像信号DVと、ソースドライバ300の動作を制御するためのソース制御信号SCTLと、ゲートドライバ400の動作を制御するためのゲート制御信号GCTLとを出力する。典型的には、ソース制御信号SCTLには、ソーススタートパルス信号,ソースクロック信号,ラッチストローブ信号などが含まれている。また、典型的には、ゲート制御信号GCTLには、ゲートスタートパルス信号,ゲートクロック信号などが含まれている。
【0052】
ソースドライバ300は、表示制御回路200から出力されるデジタル映像信号DVおよびソース制御信号SCTLを受け取り、各ソースバスラインSLに駆動用映像信号を印加する。このとき、ソースドライバ300では、ソースクロック信号のパルスが発生するタイミングで、各ソースバスラインSLに印加すべき電圧を示すデジタル映像信号DVが順次に保持される。そして、ラッチストローブ信号のパルスが発生するタイミングで、上記保持されたデジタル映像信号DVがアナログ電圧に変換される。その変換されたアナログ電圧は、駆動用映像信号として全てのソースバスラインSLに一斉に印加される。
【0053】
ゲートドライバ400は、表示制御回路200から出力されるゲート制御信号GCTLに基づいて、アクティブな走査信号の各ゲートバスラインGLへの印加を1垂直走査期間を周期として繰り返す。なお、このゲートドライバ400についての詳しい説明は後述する。
【0054】
以上のようにして、ソースバスラインSL1〜SLjに駆動用映像信号が印加され、ゲートバスラインGL1〜GLiに走査信号が印加されることにより、外部から送られた画像信号DATに基づく画像が表示部600に表示される。なお、以下においては、各ゲートバスラインに印加される走査信号にはゲートバスラインと同じ符号を付す。例えば、1行目のゲートバスラインGL1に印加される走査信号には符号GL1を付す。
【0055】
ところで、本実施形態においては、表示部600内のTFT60はすべてnチャネル型である。また、本実施形態においては、TFT60には、酸化物TFT(酸化物半導体をチャネル層に用いた薄膜トランジスタ)が採用されている。但し、本発明は、酸化物TFT以外のTFTの使用を排除するものではない。
【0056】
以下、酸化物TFTに含まれる酸化物半導体層について説明する。酸化物半導体層は、例えば、In−Ga−Zn−O系の半導体層である。酸化物半導体層は、例えばIn−Ga−Zn−O系の半導体を含む。In−Ga−Zn−O系半導体は、In(インジウム)、Ga(ガリウム)、Zn(亜鉛)の三元系酸化物である。In、GaおよびZnの割合(組成比)は、特に限定されない。例えばIn:Ga:Zn=2:2:1、In:Ga:Zn=1:1:1、In:Ga:Zn=1:1:2などでもよい。
【0057】
In−Ga−Zn−O系半導体層を有するTFTは、高い移動度(アモルファスシリコンTFTに比べて20倍を超える移動度)と低いリーク電流(アモルファスシリコンTFTに比べて100分の1未満のリーク電流)を有するので、表示部600内のTFT60として好適に用いられる。In−Ga−Zn−O系半導体層を有するTFTを用いれば、表示装置の消費電力を大幅に削減することができる。
【0058】
In−Ga−Zn−O系半導体は、アモルファスでもよく、結晶質部分を含み、結晶性を有していてもよい。結晶質In−Ga−Zn−O系半導体としては、c軸が層面に概ね垂直に配向した結晶質In−Ga−Zn−O系半導体が好ましい。このようなIn−Ga−Zn−O系半導体の結晶構造は、例えば日本の特開2012−134475号公報に開示されている。
【0059】
酸化物半導体層は、In−Ga−Zn−O系半導体に代えて、他の酸化物半導体を含んでいてもよい。例えばZn−O系半導体(ZnO)、In−Zn−O系半導体(IZO(登録商標))、Zn−Ti−O系半導体(ZTO)、Cd−Ge−O系半導体、Cd−Pb−O系半導体、CdO(酸化カドニウム)、Mg−Zn−O系半導体、In―Sn―Zn―O系半導体(例えばIn
2O
3−SnO
2−ZnO)、In−Ga−Sn−O系半導体などを含んでいてもよい。
【0060】
<1.2 ゲートドライバの構成および動作>
次に、
図3〜
図5を参照しつつ、本実施形態におけるゲートドライバ400の構成および動作の概要について説明する。
図3に示すように、ゲートドライバ400は複数段からなるシフトレジスタ回路410によって構成されている。表示部600にはi行×j列の画素マトリクスが形成されているところ、それら画素マトリクスの各行と1対1で対応するようにシフトレジスタ回路410の各段(各単位回路)が設けられている。すなわち、シフトレジスタ回路410は、i個の単位回路SR(1)〜SR(i)で構成されている。各単位回路SRは、対応するゲートバスラインGLに接続されている。
【0061】
図4は、本実施形態におけるゲートドライバ400を形成するシフトレジスタ回路410の構成を示すブロック図である。上述したように、このシフトレジスタ回路410はi個の単位回路SR(1)〜SR(i)で構成されている。なお、
図4には、1段目から4段目までの単位回路SR(1)〜SR(4)を示している。各単位回路SRには、クロック信号CKAを受け取るための入力端子と、クロック信号CKBを受け取るための入力端子と、クロック信号CKCを受け取るための入力端子と、入力信号Sを受け取るための入力端子と、出力信号Qを出力するための出力端子とが設けられている。なお、各単位回路SRには、後述するようにローレベルの直流電源電位VSS用の入力端子も設けられているが、当該入力端子は
図4では省略している(
図8についても同様)。
【0062】
シフトレジスタ回路410には、ゲートクロック信号として、4相のクロック信号CK1〜CK4が与えられる。
図5に示すように、クロック信号CK1とクロック信号CK2とは互いに位相が180度ずれており、クロック信号CK3とクロック信号CK4とは互いに位相が180度ずれている。クロック信号CK1の位相は、クロック信号CK3の位相よりも90度進んでいる。また、全てのクロック信号CK1〜CK4のデューティ比はほぼ50パーセントとなっている。
【0063】
次に、シフトレジスタ回路410の各段(各単位回路)の入出力信号について説明する。各単位回路SRには、次のようにクロック信号が入力される(
図4参照)。1段目の単位回路SR(1)については、クロック信号CK1がクロック信号CKAとして与えられ、クロック信号CK2がクロック信号CKBとして与えられ、クロック信号CK3がクロック信号CKCとして与えられる。2段目の単位回路SR(2)については、クロック信号CK3がクロック信号CKAとして与えられ、クロック信号CK4がクロック信号CKBとして与えられ、クロック信号CK2がクロック信号CKCとして与えられる。3段目の単位回路SR(3)については、クロック信号CK2がクロック信号CKAとして与えられ、クロック信号CK1がクロック信号CKBとして与えられ、クロック信号CK4がクロック信号CKCとして与えられる。4段目の単位回路SR(4)については、クロック信号CK4がクロック信号CKAとして与えられ、クロック信号CK3がクロック信号CKBとして与えられ、クロック信号CK1がクロック信号CKCとして与えられる。以上のような構成が、シフトレジスタ回路410の全ての段を通して4段ずつ繰り返される。各単位回路SRからは、出力信号Qが出力される。また、1段目以外の全ての段の単位回路SR(2)〜SR(i)には、前段から出力される出力信号Qが入力信号Sとして与えられる。1段目の単位回路SR(1)には、ゲートスタートパルス信号SPが入力信号Sとして与えられる。
【0064】
以上のような構成において、シフトレジスタ回路410の1段目の単位回路SR(1)に入力信号Sとして与えられるゲートスタートパルス信号SPのパルスが立ち上がると、上記クロック信号CK1〜CK4に基づいて、ゲートスタートパルス信号SPに含まれるパルス(このパルスは各段の単位回路SRから出力される出力信号Qに含まれる)が1段目の単位回路SR(1)からi段目の単位回路SR(i)へと順次に転送される。そして、このパルスの転送に応じて、1〜i段目の単位回路SR(1)〜SR(i)から出力される出力信号Qが順次にハイレベルとなる。そして、それら1〜i段目の単位回路SR(1)〜SR(i)から出力される出力信号Qは、走査信号GL1〜GLiとしてゲートバスラインGL1〜GLiに与えられる。これにより、
図5に示すように、順次にハイレベル(アクティブ)となる走査信号GLが表示部600内のゲートバスラインGLに与えられる。
【0065】
<1.3 単位回路の構成>
図1は、本実施形態における単位回路SRの構成(シフトレジスタ回路410の一段分の構成)を示す回路図である。
図1に示すように、この単位回路SRは、6個の薄膜トランジスタM1〜M6と、1個のブートストラップ容量Cbとを備えている。また、この単位回路SRは、ローレベルの直流電源電位VSS用の入力端子のほか、4個の入力端子41,43,44,および45と、1個の出力端子(出力ノード)48とを有している。ここで、入力信号Sを受け取る入力端子には符号41を付し、クロック信号CKAを受け取る入力端子には符号43を付し、クロック信号CKBを受け取る入力端子には符号44を付し、クロック信号CKCを受け取る入力端子には符号45を付し、出力信号Qを出力する出力端子には符号48を付している。なお、薄膜トランジスタM3のゲート端子および薄膜トランジスタM6のゲート端子には、ともにクロック信号CKBが与えられるが、
図1では、便宜上、クロック信号CKB用の入力端子44を別々に図示している。同様に、薄膜トランジスタM4のゲート端子および薄膜トランジスタM5のドレイン端子には、ともにクロック信号CKAが与えられるが、
図1では、便宜上、クロック信号CKA用の入力端子43を別々に図示している。
【0066】
次に、この単位回路SR内における構成要素間の接続関係について説明する。薄膜トランジスタM1のソース端子,薄膜トランジスタM3の
ドレイン端子,薄膜トランジスタM4のドレイン端子,薄膜トランジスタM5のゲート端子,およびブートストラップ容量Cbの一端は内部ノードVCを介して互いに接続されている。
【0067】
薄膜トランジスタM1については、ゲート端子およびドレイン端子は入力端子41に接続され(すなわち、ダイオード接続となっている)、ソース端子は内部ノードVCに接続されている。薄膜トランジスタM2については、ゲート端子は入力端子45に接続され、ドレイン端子は薄膜トランジスタM3のソース端子に接続され、ソース端子は入力端子41に接続されている。薄膜トランジスタM3については、ゲート端子は入力端子44に接続され、ドレイン端子は内部ノードVCに接続され、ソース端子は薄膜トランジスタM2のドレイン端子に接続されている。薄膜トランジスタM4については、ゲート端子は入力端子43に接続され、ドレイン端子は内部ノードVCに接続され、ソース端子は出力端子48に接続されている。薄膜トランジスタM5については、ゲート端子は内部ノードVCに接続され、ドレイン端子は入力端子43に接続され、ソース端子は出力端子48に接続されている。薄膜トランジスタM6については、ゲート端子は入力端子44に接続され、ドレイン端子は出力端子48に接続され、ソース端子はローレベルの直流電源電位VSS用の入力端子に接続されている。ブートストラップ容量Cbについては、一端は薄膜トランジスタM5のゲート端子に接続され、他端は薄膜トランジスタM5のソース端子に接続されている。
【0068】
なお、本実施形態においては、薄膜トランジスタM1によって内部ノードプリチャージ部が実現され、薄膜トランジスタM2および薄膜トランジスタM3によって内部ノードプルダウン部が実現され、薄膜トランジスタM6によって出力ノードプルダウン部が実現されている。また、薄膜トランジスタM1によって内部ノードプリチャージ用トランジスタが実現され、薄膜トランジスタM
3によって第1の内部ノードプルダウン用トランジスタが実現され、薄膜トランジスタM
2によって第2の内部ノードプルダウン用トランジスタが実現され、薄膜トランジスタM4によって第3の内部ノードプルダウン用トランジスタが実現され、薄膜トランジスタM5によって出力制御用トランジスタが実現され、薄膜トランジスタM6によって出力ノードプルダウン用トランジスタが実現されている。
【0069】
<1.4 単位回路の動作>
次に、
図1および
図6を参照しつつ、本実施形態における単位回路SRの動作について説明する。ここでは、n段目の単位回路に着目する。なお、
図6では、時点t2から時点t4までの期間が、n行目の画素形成部6で駆動用映像信号に基づく充電が行われるべき期間(選択期間)である。
【0070】
時点t1以前の期間には、入力信号Sの電位,内部ノードVCの電位,および出力信号Qの電位はローレベルで維持されている。時点t1になると、(n−1)段目の単位回路SR(n−1)から出力される出力信号Qがローレベルからハイレベルに変化する。すなわち、n段目の単位回路SR(n)において、入力信号Sがローレベルからハイレベルに変化する。これにより、薄膜トランジスタM1はオン状態となり、t1〜t2の期間中にブートストラップ容量Cbへの充電が行われて内部ノードVCの電位が上昇する。なお、このときの充電電圧は、入力信号Sの電圧よりも薄膜トランジスタM1の閾値電圧だけ低い電圧となる。
【0071】
時点t2になると、クロック信号CKAがローレベルからハイレベルに変化する。これにより、入力端子43の電位の上昇に伴い薄膜トランジスタM5のドレイン電位が上昇する。このとき、薄膜トランジスタM5はオン状態となっているので、出力信号Qの電位(出力端子48の電位)も上昇する。出力端子48の電位が上昇すると、ブートストラップ容量Cbを介して、内部ノードVCの電位も上昇する(内部ノードVCがブーストされた状態となる)。その結果、薄膜トランジスタM5のゲート端子には大きな電圧が印加され、ハイレベルのクロック信号CKAがそのままのレベルで薄膜トランジスタM5を通過して出力端子48に与えられる。これにより、出力信号Qはハイレベルとなる。そして、出力信号Qがハイレベルになっている状態は時点t4まで維持される。なお、本実施形態においては、薄膜トランジスタM1がダイオード接続の形態で構成されているので、ブートストラップ動作が行われる際に薄膜トランジスタM1を介した内部ノードVCからの電流のリークが防止される。
【0072】
時点t3になると、入力信号Sがハイレベルからローレベルに変化する。また、時点t3には、クロック信号CKCがローレベルからハイレベルに変化する。これにより、薄膜トランジスタM2がオン状態となる。この時点t3には、クロック信号CKBはローレベルであるので、薄膜トランジスタM3はオフ状態となっている。従って、薄膜トランジスタM2がオン状態になることは、内部ノードVCの状態には影響を及ぼさない。
【0073】
時点t4になると、クロック信号CKAがハイレベルからローレベルに変化する。このとき、薄膜トランジスタM5はオン状態となっているので、入力端子43の電位の低下とともに出力信号Qの電位(出力端子48の電位)は低下する。出力端子48の電位が低下することによって、ブートストラップ容量Cbを介して内部ノードVCの電位も低下する。また、時点t4には、クロック信号CKBがローレベルからハイレベルに変化する。これにより、薄膜トランジスタM6,M3がオン状態となる。薄膜トランジスタM6がオン状態となることにより、出力信号Qの電位はローレベルへと引き込まれる。また、t4〜t5の期間には、薄膜トランジスタM3および薄膜トランジスタM2の双方がオン状態となっている。従って、内部ノードVCの電位は、t4〜t5の期間における入力信号Sのレベルすなわちローレベルへと引き込まれる。
【0074】
ここで、
図7を参照しつつ、非選択期間(t2〜t4の期間以外の期間)においてクロック信号CKAがハイレベルになった時の単位回路SRの動作について説明する。なお、n段目には、クロック信号CK1がクロック信号CKAとして与えられ、クロック信号CK2がクロック信号CKBとして与えられ、クロック信号CK3がクロック信号CKCとして与えられ、(n−1)段目には、クロック信号CK4がクロック信号CKAとして与えられ、クロック信号CK3がクロック信号CKBとして与えられ、クロック信号CK1がクロック信号CKCとして与えられるものと仮定する。
【0075】
薄膜トランジスタM5がデプレッション特性を有する場合、クロック信号CK4がハイレベルになると、(n−1)段目の単位回路SR(n−1)の薄膜トランジスタM5にリーク電流が流れる。これにより、(n−1)段目の単位回路SR(n−1)の出力端子48の電位が上昇する。このとき、
図5から把握されるようにクロック信号CK4がハイレベルとなっている期間にはクロック信号CK3はローレベルとなっているので、n段目の単位回路SR(n)の薄膜トランジスタM2はオフ状態となっている。従って、(n−1)段目の単位回路SR(n−1)の薄膜トランジスタM5のリーク電流は、n段目の単位回路SR(n)の動作に影響を及ぼさない(
図7で符号71で示す矢印を参照)。
【0076】
換言すれば、或る段に着目したとき、前段の薄膜トランジスタM5(出力制御用トランジスタ)のドレイン端子(第1の導通端子)に与えられる出力制御用クロック信号がオンレベルとなっている期間を通じて、自段の内部ノードVCと前段の出力端子48とは電気的に非接続の状態となる。このため、前段の薄膜トランジスタM5に生じたリーク電流は自段の単位回路SRの動作に影響を及ぼさない。
【0077】
また、ゲートバスラインGLとソースバスラインSLとのカップリング容量等の存在に起因して(n−1)行目のゲートバスラインGLn−1にノイズが生じた場合、(n−1)段目の単位回路SR(n−1)の出力端子48からノイズが混入しようとする。しかしながら、n段目の単位回路SR(n)の薄膜トランジスタM2がオン状態になっている時には(n−1)段目の単位回路SR(n−1)の薄膜トランジスタM6もオン状態になっているので、(n−1)段目の単位回路SR(n−1)の薄膜トランジスタM6を介したローレベルへの引き込みが確実に行われ(
図7で符号72で示す矢印を参照)、n段目の単位回路SR(n)の内部ノードVCが当該ノイズの影響を受けることはない。
【0078】
換言すれば、或る段に着目したとき、前段の出力端子48がプルダウンされている期間の少なくとも一部の期間に、自段の内部ノードVCと前段の出力端子48とが電気的に接続されることによって自段の内部ノードがプルダウンされる。このため、前段に生じたノイズに関わらず、自段の内部ノードVCのプルダウンが確実に行われる。
【0079】
さらに、n段目の単位回路SR(n)において、クロック信号CKAがハイレベルになった時には、薄膜トランジスタM4がオン状態となる。このようにして非選択期間中に随時内部ノードVC−出力端子48間を電気的に接続された状態にすることにより、薄膜トランジスタM5のゲート端子(内部ノードVC)とドレイン端子(第1の導通端子)との間のカップリング容量に起因して内部ノードVCの電位が上昇することを防止できる。つまり、非選択期間中に薄膜トランジスタM5をオフ状態で維持することが可能となる。これにより、シフトレジスタの誤動作を防止することができるとともに、薄膜トランジスタM5の特性劣化が防止される。
【0080】
さらにまた、クロック周期の4分の1の期間に薄膜トランジスタM3および薄膜トランジスタM2の双方がオン状態となる。すなわち、非選択期間中、4分の1クロック周期毎に内部ノードVCの電位がローレベルへと引き込まれる。これにより、クロックノイズに起因する動作不良の発生が効果的に抑制される。
【0081】
<1.5 効果>
本実施形態によれば、出力制御用トランジスタとして機能する薄膜トランジスタM5がデプレッション特性を有していて或る段において当該薄膜トランジスタM5にリーク電流が流れても、当該リーク電流は次の段の単位回路の動作に影響を及ぼさない。また、或る段の出力端子48からノイズが混入しても、その段の薄膜トランジスタM6を介して、次段の内部ノードVCのプルダウンが行われる。このため、或る段の出力端子48から混入したノイズが次段の単位回路の動作に影響を及ぼすことはない。また、非選択期間中に薄膜トランジスタM5をオフ状態で維持することが可能となるので、薄膜トランジスタM5の特性劣化が防止される。また、非選択期間中に内部ノードVCの電位が随時ローレベルへと引き込まれるので、クロックノイズに起因する動作不良の発生が効果的に抑制される。ここで、各単位回路SRは、6個の薄膜トランジスタM1〜M6および1個のブートストラップ容量Cbによって構成されている。以上より、本実施形態によれば、少ない素子数で動作不良を生ずることなく表示装置の高精細化を可能とするシフトレジスタ回路が実現される。
【0082】
<2.第2の実施形態>
<2.1 構成>
本発明の第2の実施形態について説明する。全体構成および動作概要については、上記第1の実施形態と同様であるので説明を省略する(
図2参照)。
図8は、本実施形態におけるゲートドライバ400を形成するシフトレジスタ回路410の構成を示すブロック図である。各単位回路SRには、上記第1の実施形態(
図4参照)で設けられている入出力端子の他、入力信号VSを受け取るための入力端子と出力信号VCを出力するための出力端子とが設けられている。なお、出力信号VCは、内部ノードVCのレベルを表す信号である。
【0083】
各単位回路SRから出力される出力信号VCは、2段後の段に入力信号VSとして与えられる。但し、1段目の単位回路SR(1)には、ゲートスタートパルス信号VSPが入力信号VSとして与えられ、2段目の単位回路SR(2)には、ゲートスタートパルス信号VSP2が入力信号VSとして与えられる。
【0084】
以上のような構成において、上記第1の実施形態と同様、順次にハイレベル(アクティブ)となる走査信号GLが表示部600内のゲートバスラインGLに与えられる。
【0085】
図9は、本実施形態における単位回路SRの構成(シフトレジスタ回路410の一段分の構成)を示す回路図である。上記第1の実施形態においては、薄膜トランジスタM1のゲート端子には入力信号S(前段の出力信号Q)が与えられていた。これに対して、本実施形態においては、薄膜トランジスタM1のゲート端子には入力信号VS(2段前の内部ノードVCのレベルを表す信号)が与えられる。また、内部ノードVCのレベルを表す出力信号VCを出力するための出力端子49が設けられている。その他の点については、上記第1の実施形態と同様である。
【0086】
<2.2 単位回路の動作>
次に、
図9および
図10を参照しつつ、本実施形態における単位回路SRの動作について説明する。ここでも、n段目の単位回路に着目する。時点t0には、(n−2)段目の単位回路SR(n−2)の内部ノードVCがブーストされた状態となる。従って、入力信号VSの電位は、
図10に示すように極めて高い電位となる。これにより、薄膜トランジスタM1はオン状態となる。
【0087】
時点t1になると、(n−1)段目の単位回路SR(n−1)から出力される出力信号Qがローレベルからハイレベルに変化する。すなわち、n段目の単位回路SR(n)において、入力信号Sがローレベルからハイレベルに変化する。薄膜トランジスタM1は既にオン状態となっているので、入力信号Sがローレベルからハイレベルに変化したことによってブートストラップ容量Cbへの充電が行われて内部ノードVCの電位が上昇する。このとき、上記第1の実施形態とは異なり、充電電圧は、クロック信号のハイレベル電圧に相当する電圧となる。すなわち、薄膜トランジスタM1の閾値電圧分の低下はない。時点t2以降については、単位回路SRは、上記第1の実施形態と同様に動作する。
【0088】
<2.3 効果>
本実施形態によれば、単位回路SR内の薄膜トランジスタM1がダイオード接続とはなっていないため、ブートストラップ動作が行われる前の内部ノードVCの充電電圧が、薄膜トランジスタM1の閾値電圧に依存することなく、クロック信号のハイレベル電圧に相当する電圧となる。薄膜トランジスタは、ゲート端子に電圧が繰り返し印加されると閾値電圧が変動するという特性を有しているが、薄膜トランジスタM1の素子劣化が進んだ状態においても、本実施形態によれば、充分な大きさの電圧マージンが確保され、液晶表示装置の信頼性を向上させることが可能となる。なお、上記第1の実施形態と同様の効果も得られる。
【0089】
<3.第3の実施形態>
<3.1 構成など>
本発明の第3の実施形態について説明する。全体構成および動作概要については、上記第1の実施形態と同様であるので説明を省略する(
図2参照)。シフトレジスタ回路410の構成については、上記第2の実施形態と同様であるので説明を省略する(
図8参照)。
【0090】
図11は、本実施形態における単位回路SRの構成(シフトレジスタ回路410の一段分の構成)を示す回路図である。上記第1の実施形態および上記第2の実施形態においては、薄膜トランジスタM6のソース端子は、ローレベルの直流電源電位VSS用の入力端子に接続されていた。これに対して、本実施形態においては、薄膜トランジスタM6のソース端子は、クロック信号CKAが与えられる入力端子43に接続されている。その他の点については、上記第2の実施形態と同様である。
【0091】
薄膜トランジスタM6のゲート端子に与えられるクロック信号CKBがハイレベルになっている時には、入力端子43に与えられるクロック信号CKAはローレベルになっている。従って、薄膜トランジスタM6のソース端子が入力端子43に接続されていても、
図10の時点t4に薄膜トランジスタM6がオン状態になると、出力信号Qの電位はローレベルへと引き込まれる。このように、
図9に示した構成からVSS端子を除去した構成を採用することができる。
【0092】
<3.2 効果>
本実施形態によれば、シフトレジスタ回路410の各段を構成する単位回路SRの端子数を少なくすることが可能となる。また、VSSバスライン(ローレベルの直流電源電位用の信号線)を従来よりも削減することが可能となるので、より狭額縁の液晶表示装置が実現される。表示装置自体の端子数を少なくできる点も考慮すると、より小型の表示装置の製造が可能になるという効果が得られる。なお、上記第1の実施形態および上記第2の実施形態と同様の効果も得られる。
【0093】
<3.3 変形例>
上記第3の実施形態においては、上記第2の実施形態と同様、薄膜トランジスタM1のゲート端子には入力信号VSが与えられていた。しかしながら、
図12に示すように、上記第1の実施形態と同様に薄膜トランジスタM1のゲート端子に入力信号Sが与えられる構成を採用することもできる。
【0094】
<4.第4の実施形態>
<4.1 構成など>
本発明の第4の実施形態について説明する。全体構成および動作概要については、上記第1の実施形態と同様であるので説明を省略する(
図2参照)。
図13は、本実施形態におけるゲートドライバ400を形成するシフトレジスタ回路410の構成を示すブロック図である。各単位回路SRには、上記第2の実施形態(
図8参照)で設けられている入出力端子の他、クリア信号CLRを受け取るための入力端子が設けられている。クリア信号CLRは、全ての段の単位回路SR(1)〜SR(i)に共通的に与えられる。
【0095】
図14は、本実施形態における単位回路SRの構成(シフトレジスタ回路410の一段分の構成)を示す回路図である。なお、
図14では、クリア信号CLRを受け取る入力端子に符号47を付している。この単位回路SRには、上記第3の実施形態における単位回路SR(
図11参照)の構成要素に加えて、薄膜トランジスタM7および薄膜トランジスタM8が設けられている。薄膜トランジスタM7については、ゲート端子は入力端子47に接続され、ドレイン端子は内部ノードVCに接続され、ソース端子は出力端子48に接続されている。薄膜トランジスタM8については、ゲート端子は入力端子47に接続され、ドレイン端子は出力端子48に接続され、ソース端子は入力端子43に接続されている。その他の点については、上記第3の実施形態と同様である。
【0096】
なお、本実施形態においては、薄膜トランジスタM7および薄膜トランジスタM8によって初期化部が実現されている。また、薄膜トランジスタM7によって第1の初期化用トランジスタが実現され、薄膜トランジスタM8によって第2の初期化用トランジスタが実現されている。
【0097】
以上のような構成において、例えばシフトレジスタ回路410の動作開始直前あるいは動作終了直後の一定期間にクリア信号CLRがハイレベルとされる。クリア信号CLRがハイレベルになると、薄膜トランジスタM7および薄膜トランジスタM8はオン状態となる。このときクロック信号CK1〜CK4を全てローレベルにしておくことによって、シフトレジスタ回路410の全ての段の単位回路SR(1)〜SR(i)において、クロック信号CKAはローレベルとなるので、内部ノードVCの電位および出力信号Qの電位はローレベルへと引き込まれる(
図15で符号73で示す矢印を参照)。このようにして、シフトレジスタ回路410を構成する全ての単位回路SR(1)〜SR(i)を初期化することが可能となる。
【0098】
<4.2 効果>
薄膜トランジスタは、ゲート端子に電圧が繰り返し印加されると閾値電圧が変動するという特性を有している。このため、内部ノードVCに電荷が蓄積された状態が継続すると、薄膜トランジスタM5の特性は大きく劣化する。特にオフリーク電流の小さい酸化物TFTが採用されている場合には、装置の動作停止後にも内部ノードVCに電荷が残りやすいので、薄膜トランジスタM5の特性劣化が懸念される。この点、本実施形態によれば、例えばシフトレジスタ回路410の動作開始直前あるいは動作
終了直後に、全ての単位回路SR(1)〜SR(i)を初期化することが可能となる。これにより、単位回路SR内の薄膜トランジスタの特性劣化が抑制され、シフトレジスタ回路410に関して安定した回路動作が実現される。また、
図14に示す構成によれば、出力端子48を除く内部的なノードは内部ノードVCのみ(すなわち1系統のみ)であるので、単位回路SRを初期化するための構成を少ない数の回路素子で実現することができる。これにより、薄膜トランジスタの特性劣化の抑制が可能な狭額縁の表示装置が実現される。なお、上記第1〜第3の実施形態と同様の効果も得られる。
【0099】
<4.3 変形例>
上記第4の実施形態における単位回路SRの構成は、上記第3の実施形態における単位回路SRの構成(
図11参照)に薄膜トランジスタM7および薄膜トランジスタM8を付加した構成となっている。しかしながら、
図16に示すように、上記第1の実施形態における単位回路SRの構成(
図1参照)に薄膜トランジスタM7および薄膜トランジスタM8を付加した構成を採用することもできる。
【0100】
<5.第5の実施形態>
<5.1 構成>
本発明の第5の実施形態について説明する。全体構成および動作概要については、上記第1の実施形態と同様であるので説明を省略する(
図2参照)。
図17は、本実施形態におけるゲートドライバ400を形成するシフトレジスタ回路410の構成を示すブロック図である。各単位回路SRには、上記第4の実施形態(
図13参照)における入力信号S用の入力端子に代えて、クロック信号CKDを受け取るための入力端子が設けられている。1段目の単位回路SR(1)については、クロック信号CK4がクロック信号CKDとして与えられる。2段目の単位回路SR(2)については、クロック信号CK1がクロック信号CKDとして与えられる。3段目の単位回路SR(3)については、クロック信号CK3がクロック信号CKDとして与えられる。4段目の単位回路SR(4)については、クロック信号CK2がクロック信号CKDとして与えられる。以上のような構成が、シフトレジスタ回路410の全ての段を通して4段ずつ繰り返される。
【0101】
図18は、本実施形態における単位回路SRの構成(シフトレジスタ回路410の一段分の構成)を示す回路図である。上記第4の実施形態においては、薄膜トランジスタM1のドレイン端子および薄膜トランジスタM2のソース端子には入力信号S(前段の出力信号Q)が与えられていた。これに対して、本実施形態においては、薄膜トランジスタM1のドレイン端子および薄膜トランジスタM2のソース端子にはクロック信号CKDが与えられる。その他の点については、上記第4の実施形態と同様である。
【0102】
<5.2 単位回路の動作>
次に、
図18および
図19を参照しつつ、本実施形態における単位回路SRの動作について説明する。ここでも、n段目の単位回路に着目する。時点t0には、(n−2)段目の単位回路SR(n−2)の内部ノードVCがブーストされた状態となる。従って、入力信号VSの電位は、
図19に示すように極めて高い電位となる。これにより、薄膜トランジスタM1はオン状態となる。
【0103】
時点t1になると、クロック信号CKDがローレベルからハイレベルに変化する。薄膜トランジスタM1は既にオン状態となっているので、クロック信号CKDがローレベルからハイレベルに変化したことによってブートストラップ容量Cbへの充電が行われて内部ノードVCの電位が上昇する。このとき、上記第2の実施形態と同様、充電電圧は、クロック信号のハイレベル電圧に相当する電圧となる。すなわち、薄膜トランジスタM1の閾値電圧分の低下はない。時点t2以降については、単位回路SRは、上記第1の実施形態と同様に動作する。
【0104】
<5.3 効果>
本実施形態によれば、各段の単位回路の出力端子は次段の単位回路の入力端子には接続されていない。このため、各単位回路SRの出力端子48の負荷が小さくなる。これにより、動作電圧マージンを大きくすることが可能となり、シフトレジスタ回路410の信頼性が向上する。また、上記第4の実施形態においては、内部ノードVCをプルダウンさせるための経路上には3つの薄膜トランジスタ(自段の薄膜トランジスタM3,自段の薄膜トランジスタM2,および前段の薄膜トランジスタM5)が存在していた。これに対して、本実施形態においては、内部ノードVCをプルダウンさせるための経路上には2つの薄膜トランジスタ(自段の薄膜トランジスタM3および自段の薄膜トランジスタM2)のみが存在する。すなわち、本実施形態によれば、内部ノードVCをプルダウンさせる動作に関する動作マージンも大きくすることができ、より安定性の高いシフトレジスタ回路410が実現される。
【0105】
<5.4 変形例>
上記第5の実施形態においては、上記第4の実施形態における単位回路SRの構成(
図14参照)を基準として入力信号Sの代わりにクロック信号CKDを用いていた。しかしながら、
図20に示すように、上記第1の実施形態における単位回路SRの構成(
図1参照)を基準として入力信号Sの代わりにクロック信号CKDを用いた構成を採用することもできる。
【0106】
<6.その他>
上記各実施形態および上記各変形例においては液晶表示装置を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。有機EL(Electro Luminescence)等の他の表示装置にも本発明を適用することができる。