特許第6247021号(P6247021)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6247021
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】取水装置
(51)【国際特許分類】
   E03B 3/28 20060101AFI20171204BHJP
【FI】
   E03B3/28
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-104174(P2013-104174)
(22)【出願日】2013年5月16日
(65)【公開番号】特開2014-224398(P2014-224398A)
(43)【公開日】2014年12月4日
【審査請求日】2016年3月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】516338958
【氏名又は名称】株式会社MIZUHA
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(72)【発明者】
【氏名】丸山 英一
【審査官】 西田 光宏
(56)【参考文献】
【文献】 特許第4593698(JP,B2)
【文献】 登録実用新案第3181375(JP,U)
【文献】 特開2012−012805(JP,A)
【文献】 特表2000−513994(JP,A)
【文献】 特開平04−250231(JP,A)
【文献】 特表2008−519189(JP,A)
【文献】 株式会社シックノンコーポレーション,【シックノン事業の御案内】,日本,株式会社シックノンコーポレーション,2011年 1月 7日,第2-10頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/06
E03B 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
大気取入装置と、
この大気取入装置によって取り入れられる大気圧力を低減する機構を備えると共に取入れられた大気を冷却して湿分を取出す冷却部を内蔵した大気湿度変換機と、
この大気取入装置で取り入れた大気を昇温するための加温装置と、
前記大気湿度変換機によって得られる水を取出す取水口とを備えた取水装置において、
前記大気取入装置によって取り入れられる大気から菌、ウイルス、塵等の異物を除去可能なエアフィルタが前記大気取入装置より上流側に設けられ、
前記エアフィルタの下流側に前記加温装置が設けられていることを特徴とする取水装置。
【請求項2】
前記取水口より上流側に設けられ、前記大気湿度変換機によって得られる水から異物を除去するフィルタ装置と、前記大気湿度変換機によって得られる水を貯水する貯水タンクと、この貯水タンク内の水をUV殺菌するUV殺菌灯とを備え、前記貯水タンクは前記フィルタ装置の上流側に設けられ、
前記フィルタ装置の下流側に当該フィルタ装置を通過した水を貯留するタンクが設けられ、このタンクに水をUV殺菌するUV殺菌灯が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の取水装置。
【請求項3】
前記フィルタ装置は、水中の固形沈殿物を除去する第1フィルタと、水中の菌、有機化学物質、化合物質等を除去する第2フィルタと、水中の異臭を除去する第3フィルタと、逆浸透膜を有する第4フィルタと、少なくとも、カルシウムを添加してpHを安定化させる機能を有し、かつ水を通す最下流に配置された第5フィルタとを備えていることを特徴とする請求項2に記載の取水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は取水装置に係り、特に大気中の湿分を採取する取水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の取水装置の例として特許文献1および特許文献2に記載のものが知られている。
特許文献1に記載の取水装置は、大気吸引装置と、この大気吸引装置によって取り入れられる大気圧力を低減する機構を備えると共に取入れられた大気を冷却して湿分を取出す冷却部を内蔵した大気湿度変換機と、この大気湿度変換機によって得られる水を取出す取水口とを備えている。
このような取水装置によれば、大気吸引装置を駆動することにより、大量の大気を装置内部に取入れ、大気湿度変換機によって、その時の大気の湿分に応じた量の水を凝縮させて取水口から取り出すことができる。
【0003】
特許文献2に記載の取水装置は、大気取入装置と、取り入れた大気を昇温可能な加温装置と、前記大気取入装置によって取り入れられる大気圧力を低減する機構を備えると共に取り入れられた大気を冷却して湿分を取出す冷却部を内蔵した大気湿度変換機と、この大気湿度変換機によって得られる水を取出す取水口とを有する。
このような取水装置によれば、冬季のように大気が低温であっても、加温装置によって、大気中の湿分を増大させることができ、しかも、採り入れる大気の温度を高くできるため、大気圧力を小さくする必要がない。従って、採り入れる大気量を大きくして、大量の大気の中に存在する湿分から取水が可能となる。したがって、特許文献1に記載の取水装置より取水効率が高まり、冬季のように基本が低い場合でも大気中から水分を取り入れることができるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−250231号公報
【特許文献2】特許4593698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、大気中には細かい埃等の塵芥が含まれているため、引用文献1に記載の取水装置では、大気圧力低減機構を大気取入口に設けたられた多孔質通気体で構成することによって、この多孔質通気体で前記塵芥を除去することができる。
しかしながら、大気中には塵芥の他に、カビ菌等の菌や、インフルエンザウイルス等のウイルスが含まれている場合がある。この菌やウイルス等は前記多孔質通気体によって除去することができないため、これら菌やウイルスが取水された水に含まれる場合があり、特に当該水を飲み水等として使用する場合、好ましくない。
【0006】
また、引用文献2に記載の取水装置では、大気圧力低減機構を大気取入口に設けたられた多孔質通気体で構成することによって、この多孔質通気体で塵芥を除去することができるとともに、この多孔質通気体の上流側にフィルタを設けて、このフィルタによっても大気中の塵芥を除去することができる。
しかしながら、このようなフィルタを設けても菌やウイルス等を除去することは困難である。
【0007】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、大気取入装置によって取り入れられる大気から菌、ウイルス、塵等の異物を除去して、大気中から水分を取水できる取水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の取水装置は、大気取入装置と、
この大気取入装置で取り入れた大気を昇温するための加温装置と、
前記大気取入装置によって取り入れられる大気圧力を低減する機構を備えると共に取入れられた大気を冷却して湿分を取出す冷却部を内蔵した大気湿度変換機と、
この大気湿度変換機によって得られる水を取出す取水口とを備えた取水装置において、
前記大気取入装置によって取り入れられる大気から菌、ウイルス、塵等の異物を除去可能なエアフィルタが前記大気取入装置より上流側に設けられ、
前記エアフィルタの下流側に前記加温装置が設けられていることを特徴とする。
【0009】
ここで、前記エアフィルタとしては、例えば、木炭や竹炭、籾殻炭を集積してなるボード(株式会社シックノンコーポレーション製:バイオソルボード)を使用することができる。このバイオソルボードの中には、「バイオソル」というナノ・ミクロンサイズの粒子が存在し、この粒子によって埃等の塵埃だけでなく、菌やウイルスをキャッチして不活性化(ウィルスの繁殖を阻害し感染力を無力化させる)させることができる。
また、このバイオソルボードは、洗浄するだけで効果が持続する。例えば約60℃のお湯に入れて約30分つけ置き洗いし、直射日光を避け風通しのよい場所で感想させるだけで効果が回復する。
【0010】
本発明においては、大気から菌、ウイルス、塵等の異物を除去可能なエアフィルタが前記大気取入装置より上流側に設けられているので、大気取入装置によって取り入れられる大気から菌、ウイルス、塵等の異物を除去して、大気中から水分を取水できる。
【0011】
本発明の前記構成において、前記取水口より上流側に設けられ、前記大気湿度変換機によって得られる水から異物を除去するフィルタ装置と、前記大気湿度変換機によって得られる水を貯水する貯水タンクと、この貯水タンク内の水をUV殺菌するUV殺菌灯とを備え、前記貯水タンクが前記フィルタ装置の上流側に設けられ、
前記フィルタ装置の下流側に当該フィルタ装置を通過した水を貯留するタンクが設けられ、このタンクに水をUV殺菌するUV殺菌灯が設けられていることが好ましい。
【0012】
このような構成によれば、貯水タンク内に水を貯水しておく場合に、当該貯水タンク内での菌の繁殖をUV殺菌灯によるUV殺菌によって防止できるため、安心して貯水できる。そして、貯水されている水は取水口から取水できる。
【0013】
本発明の前記構成において、前記大気取入装置によって取入れられた大気を20〜50℃の温度範囲になるように昇温可能な加温装置を備えることが好ましい。
【0014】
このような構成によれば、冬季のように大気が低温であっても、加温装置によって、大気中の湿分を増大させることができ、しかも、採り入れる大気の温度を高くできるため、大気圧力を小さくする必要がない。従って、採り入れる大気量を大きくして、大量の大気の中に存在する湿分から取水が可能となる。したがって、冬季のように気温が低い場合でも大気中から水分を効率的に取り入れることができる
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、大気取入装置によって取り入れられる大気から菌、ウイルス、塵等の異物を除去して、大気中から水分を取水できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施の形態の取水装置を示すもので、その概略構成を示す図である。
図2】同、取水装置の概略構成を示す断面図である。
図3】同、取水装置の内部の部品の配置状態を示すもので、(a)は左側面図、(b)背面図、(c)は右側面である。
図4】同、フィルタ装置と貯水タンクの概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は飲料水を得るための取水装置の概略構成を示す図、図2は同取水装置の概略構成を示す断面図、図3は同取水装置の内部の部品の配置状態を示すもので、(a)は左側面図、(b)背面図、(c)は右側面である。また、図4はフィルタ装置と貯水タンクの概略構成を示す図である。
【0018】
図1に示すように、取水装置は、取り入れた大気中の湿分を取出すための大気湿度変換機1と、この大気湿度変換機1に大量の大気を取り入れるための大気取入装置たる吸引ポンプ2と、大気湿度変換機1に取り入れられた大気を冷却する冷媒を送込む冷却機構3と、大気湿度変換機1によって得られる水から異物を除去するフィルタ装置4とを備えている。
【0019】
吸引ポンプ2には、取り入れる大気を昇温するための加温装置2aが設けられている。この加温装置2aは、電熱線などからなるヒータを内蔵していて、温度センサ(図示略)で大気の加温状態をモニターしながら、大気が一定温度以上になるように制御されている。この場合の温度制御は、制御装置Cによってなされる。加温は、例えば、冬などの寒冷期に大気が0℃近い場合に、大気を20〜50℃、より好ましくは40〜50℃に加熱することにより、大気中の飽和水分量(飽和水蒸気量)を高めて、季節に関わらず効率よく大気中から取水を可能とするものである。したがって、この加温装置2aを備えることにより、本実施形態の取水装置を寒冷地方でも効率的に使用することができる。しかも、取り入れられる大気が加温されているので、従来の取水装置に比べて取水効率が極めて高いものに実現できた。なお、前記加温装置2aとしては赤外線輻射ヒータのような構成のものでもよい。
また、加温装置2aは吸引ポンプ2に設けているが、図2および図3(c)に示すように、大気取入装置2をファン20によって構成し、このファン20を大気湿度変換機1の後方に配置した場合、加温装置2aは、大気湿度変換機1の前方に配置するのが好ましい。
【0020】
図1に示すように、吸引ポンプ2により吸引された大量の大気を一時に送給することによる弊害を緩和するため、吸引した大気を2〜4に分岐する風量調節機5に送給し、ここで複数の大気流として分岐され、幾分整流されて変動幅の少ない大気が次のフィルタ6に送給される。つまり、風量調節機5の内部には、図示はしないが、風量を調節可能に開閉するダンパーが装着されており、前記制御装置Cの指示により次のフィルタ6に送給される各分岐管内の風量を均一になるように、ダンパの開閉量を制御するようになっている。
なお、風量調節機5は必ずしも必要ではないが、安定して大量の大気を送給し、取水効率を上げるためには、設けることが好ましい。風量調節機5によって分岐される数、分岐管のサイズ等は適宜選択することができる。
【0021】
また、図1図3に示すように、大気を取水装置のケーシングK内に取り込む取込口16aには、エアフィルタ7が大気取入装置(吸引ポンプ、ファン等)1より上流側に設けられている。
このエアフィルタ7は、大気取入装置2によって取り入れられる大気から菌、ウイルス、塵等の異物を除去可能なものである。
前記エアフィルタ7としては、例えば、木炭や竹炭、籾殻炭を集積してなるボード(株式会社シックノンコーポレーション製:バイオソルボード)を使用することができる。このバイオソルボードの中には、「バイオソル」というナノ・ミクロンサイズの粒子が存在し、この粒子によって埃等の塵埃だけでなく、菌やウイルスをキャッチして不活性化(ウィルスの繁殖を阻害し感染力を無力化させる)させることができる。
また、このバイオソルボードは、洗浄するだけで効果が持続する。例えば約60℃のお湯に入れて約30分つけ置き洗いし、直射日光を避け風通しのよい場所で感想させるだけで効果が回復する。
【0022】
図1に示すように、フィルタ6およびエアフィルタ7によって塵芥や菌、ウイルス等の異物が除去された大気は、大気取入装置2(20)から取り入れられた大量の大気から効率よく湿分を取出すために大気圧力を低減するための大気圧力低減機構たる多孔質通気体8に送給される。多孔質通気体8は、種々の形態のものを採用できるが、大気が加温されて温風になっているので、発泡ポリウレタン製、発泡ポリプロピレン製などの通気体(50〜120メッシュ)を使用することが好ましい。
【0023】
前記大気湿度変換機1は、多孔質通気体8と、大気取入装置2から取り入れられた大気を冷却して湿分を取出す冷却部9とを備えている。
冷却部9は前記冷却機構3に接続されている。この冷却機構3は、一般に用いられている冷却装置をそのまま使用することができ、例えば、冷媒を圧縮する圧縮器11と、ファン14を有する凝縮器12と、減圧機構(図示せず)と冷熱を蓄熱する蓄熱槽(図示せず)等とからなっていて、冷熱を有する冷媒(冷媒としては、アンモニア、フレオン、水等種々のものを使用することができる)を、配管13を介して大気湿度変換機1の冷却部9に搬送するようになっている。
冷却部9には、多数のフィンを有する凝結器10が設けられており、冷却部9によって冷却された大気は、凝結器10によって凝縮されて水となる。これによって、取り入れられた大量の大気を効果的に凝縮して、水を得ることができるのである。
なお、水が取水された大気(空気)は、空気排出口16bから外部に排出される。この空気排出口16bから排出された空気は、フィルタ6およびエアフィルタ7によって塵芥や菌、ウイルス等の異物が除去されているので、取水装置を空気清浄装置としても使用できる。
【0024】
このようにして得られた水は、飲料用に供するため、更に、殺菌装置15に送られる。この殺菌装置15は、図2および図3(c)に示すように、前記水を貯水する貯水タンク15aと、この貯水タンク15a内の水をUV殺菌するUV殺菌灯15bとを備えている。貯水タンク15aは前記フィルタ装置4の上流側で、かつ前記凝結器10の直下に設けられている。したがって、凝結器10によって凝縮された水は、下方に落下して、貯水タンク15a内に貯水されたうえで、UV殺菌灯15bによってUV殺菌される。
【0025】
UV殺菌された水はポンプ17によって前記フィルタ装置4に送り込まれ、当該フィルタ装置4を通過する。
このフィルタ装置4は、図3(a)および図4に示すように、第1フィルタ4aと、第2フィルタ4bと、第3フィルタ4cと、第4フィルタ4dと、第5フィルタ4eとを備えている。なお、本実施の形態では、これらフィルタ4a〜4eは、上流側から順にこの順番で配置されているが、フィルタ4a〜4eの順番は適宜変更してもよい。ただし、第5フィルタ4eは最下流に配置する。
また、フィルタ4a〜4eは全て交換可能なカートリッジ状となっており、交換、補修が容易となっている。
【0026】
第1フィルタ4aは、水中の固形沈殿物を除去するものであるが、具体的には、水中の5μm以上の大きさの固形沈殿物を除去できるものが好ましく、例えば、ポリプロピレン(PP)繊維を使用したPPフィルタが好適に使用される。
第2フィルタ4bは、水中の菌、有機化学物質、化合物質等を除去するものであるが、活性炭を使用した活性炭フィルタが好適に使用される。
第3フィルタ4bは、水中の異臭を除去するものであるが、塩素(Chlorine)、味(Taste)、臭い(Odor)を除去できるCTOフィルタが好適に使用される。
第4フィルタ4dは、逆浸透膜を有するものであり、ウイルス等も除去できる。この逆浸透膜の孔の大きさは約2ナノメートルであり、ウイルスで現在最も小さいピコルナウイルスやパルボウイルスでも大きさは約20ナノメートルであるから、ほぼ全ての病原菌やウイルスを除去できる。
【0027】
第5フィルタ4eは、多孔質体、具体的にはセラミックで構成されたセラミックフィルタであり、少なくともカルシウムを添加してpHを安定化させる機能を有する。
セラミックフィルタは、例えば、6種類のセラミックを使用している。
第1のセラミックは、水を活性化できるものである。水は、水の分子どうしが、水素結合することによって、分子集団(クラスタ)をつくり葡萄の房のようなコミュニティを形成しており、一般的にきれいな水のクラスタは小さく、汚れた水ほどクラスタが肥大化していると言われている。水のクラスタを小さくして、水を活性化するには、例えば、水をセラミック材と接触し、セラミックより放射される遠赤外線と水との接触を効果的に上げることによって、連なった水分子を分裂させて、小さなクラスタを得ることができる。このようにして、水を活性化することによって、体内に無理なく吸収させることができる、活力のある水となる。
第2のセラミックは、雑菌の繁殖を抑制できる抗菌セラミックで構成されており、安全な水にすることができる。
第3のセラミックは、ビタミンCなどの大切な栄養素を崩壊させにくくする酸化セラミックで構成されている。
第4のセラミックは、天然石セラミックで構成されており、各種天然ミネラルを調整し、からだに優しい水にする。
第5のセラミックは、リン酸カルシウムセラミックで構成されており、カルシウムと各種ミネラルを添加して、pHを安定化させる。
第6のセラミックは、pHを弱アルカリ性に安定させるセラミックで構成されている。
【0028】
このようなフィルタ装置4を通った水は、第1フィルタ4aによって水中の固形沈殿物が除去され、第2フィルタ4bによって水中の菌、有機化学物質、化合物質等が除去され、第3フィルタ4cによって水中の異臭が除去され、第4フィルタ4dによってウイルスを等が除去される。このように、第1〜第4フィルタによって、水中に混入している殆どの異物を除去したうえで、第5フィルタ4eによって、水を活性化したり、水のミネラル分やpHを調整したりして、からだに優しい水を得ることができるので、より飲み水として好ましいものとなる。
【0029】
このような水は、図3(a)〜(c)に示すように、取水装置内部の上部に設けられたタンク18に貯留される。タンク18は、温水タンク18aと冷水タンク18bとを備えている。温水タンク18aは、自動煮沸機能を搭載しており、約80℃〜90℃のお湯を貯留可能となっている。冷水タンク18bは、冷却機能を搭載しており、約5℃〜12℃の冷水を貯留可能となっている。なお、図2に示すように、タンク18にUV殺菌灯15cを設けてもよい。
【0030】
温水タンク18aと冷水タンク18bとには、それぞれ取水口としての取水コック19a,19bが取り付けられており、当該取水コック19a,19bから温水や冷水を取水できるようになっている。
【0031】
以上のように、本実施の形態の取水装置によれば、大気湿度変換機1によって得られる水に異物が混入した場合でも、当該水からフィルタ装置4によって異物を除去したうえで、取水コック19a,19bから取水できるので、大気取入装置2によって取り入れられる大気から飲み水等としても使用できる水を容易に取水できる。
また、貯水タンク15a内での菌の繁殖をUV殺菌によって防止できるため、安心して貯水できる。そして、貯水されている水は上述したように、フィルタ装置4によって異物を除去したうえで、取水コック19a,19bから取水できる。
【0032】
さらに、エアフィルタ7が大気取入装置2より上流側に設けられているので、大気から菌、ウイルス、塵等の異物を除去して、大気中から水分を取水できる。
加えて、冬季のように大気が低温であっても、加温装置2aによって、大気中の湿分を増大させることができ、しかも、採り入れる大気の温度を高くできるため、大気圧力を小さくする必要がない。従って、採り入れる大気量を大きくして、大量の大気の中に存在する湿分から取水が可能となる。したがって、冬季のように気温が低い場合でも大気中から水分を効率的に取り入れることができる。
【0033】
なお、上述の実施の形態では、大気圧力を低減するための多孔質通気体8としては、ある程度の連続加温状態に耐えられるものであれば、各種エアフィルター等を用いることもできる。多孔質通気体の代わりに、大気取り入れ通路に邪魔板を多数配置するように構成してもよく、オリフィスのような構成としてもよい。要は、取り入れる大気圧力を低減するために、圧損を大きくできる構成であればよい。前記多孔質通気体が多孔質焼結材のようなものでもよい。大気圧力低減機構が、取り入れた大気をらせん管のような細長い通路を通過させた後、体積の大きな室に導入することにより大気圧力を低減させるようにしたものであってもよい。
【0034】
また、取り入れられた大量の大気を効果的に凝縮させるため、露結を容易にさせる触媒作用を備えた凝縮剤のようなものを添加してもよい。さらに、大気を冷却して取水した後は外部に逃がす大気中の湿分をできるだけ少なくするために、出口部分の大気圧力を高めるように出口の大きさを小さく絞るようにしてもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 大気湿度変換機
2 吸引ポンプ(大気取入装置)
20 ファン(大気取入装置)
3 冷却機構
4 フィルタ装置
4a 第1フィルタ
4b 第2フィルタ
4c 第3フィルタ
4d 第4フィルタ
4e 第5フィルタ
7 エアフィルタ
8 多孔質通気体(大気圧力を低減する機構)
9 冷却部
15a 貯水タンク
15b UV殺菌灯
19a,19b 取水コック(取水口)
図1
図2
図3
図4