特許第6247033号(P6247033)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6247033
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】IRカットフィルタ
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/28 20060101AFI20171204BHJP
【FI】
   G02B5/28
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-139287(P2013-139287)
(22)【出願日】2013年7月2日
(65)【公開番号】特開2015-11333(P2015-11333A)
(43)【公開日】2015年1月19日
【審査請求日】2016年7月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】394023182
【氏名又は名称】光伸光学工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000177690
【氏名又は名称】山一電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】薄井 良孝
(72)【発明者】
【氏名】小林 伸幸
【審査官】 岩井 好子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/015303(WO,A1)
【文献】 特開2013−178338(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/104370(WO,A1)
【文献】 特開2010−078714(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0139912(US,A1)
【文献】 国際公開第2013/042738(WO,A1)
【文献】 特開2006−23601(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な基板と、
前記基板の片面に形成され、設計中心波長のλ/10以下の膜厚である超薄膜であって、波長550nmの光に対する屈折率が2.0以上である高屈折率材料膜および、前記超薄膜であって、波長550nmに対する屈折率が1.3から1.6までである低屈折率材料膜の3層以上の奇数層の交互層で構成された超薄膜交互層構造と、設計中心波長のλ/2からλ/4の膜厚である通常の膜厚の前記高屈折率材料膜とを交互に積層したか、あるいは、前記超薄膜の前記低屈折率材料膜と、前記通常の膜厚の前記高屈折率材料膜とを交互に積層した超薄膜交互層を含む、第1のIRカットフィルタ層と、
前記基板の前記第1のIRカットフィルタ層の反対側の面に形成され、前記通常の膜厚の前記高屈折率材料膜と、前記通常の膜厚の前記低屈折率材料膜とを交互に積層した第2のIRカットフィルタ層と
を備えることを特徴とするIRカットフィルタ。
【請求項2】
前記第1のIRカットフィルタ層は、さらに、前記超薄膜交互層の前記ガラス基板側に前記通常の膜厚の前記低屈折率材料膜と、前記通常の膜厚の前記高屈折率材料膜とを交互に積層した調整層をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のIRカットフィルタ。
【請求項3】
前記第1のIRカットフィルタ層の阻止域と第2のIRカットフィルタ層の阻止域が重なり、全体として赤外線領域を遮断するように設定されることを特徴とする請求項1に記載のIRカットフィルタ。
【請求項4】
前記高屈折率材料がTiO2、Nb25、Ta25のいずれか、またはTiO2、Nb25、Ta25のいずれかを主成分とした複合酸化物を含み、前記低屈折率材料がSiO2、または、SiO2の複合酸化物を含むことを特徴とする請求項1に記載のIRカットフィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外線(IR)カットフィルタに係わり、特に、光線の光学特性の入射角度による依存性を低減したIRカット用の誘電体多層膜フィルタ層により形成される、IRカットフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラ、複写機、プリンタ等の光学機器に使用されるカメラモジュールは、レンズとセンサからなり、近年、スマートフォン、タブレットなどに使用されることから低背化が進んでいる。
【0003】
図1(a)、(b)に、このカメラモジュールの一般的な構成の模式図を示す。図1(b)において、カメラモジュール110は、図1(a)に示されるカメラモジュール100を低背化した場合を示し、カメラモジュール100、110は、それぞれ、レンズ101、111と、IRカットフィルタ102、112と、センサ103、113とを備えている。図1(a)、(b)において、IRカットフィルタ102、112は、それぞれ、レンズ101、111と、センサ103、113との間に配置される部品であり、人間の目で感知できない赤外線を遮断する作用がある。IRカットフィルタ102、112がなければ、赤外線を含む光は、センサ101、111で検知され、赤い画像となって現れることになり、画像の色再現性が損なわれることとなる。
【0004】
カメラモジュールに使用される一般的なIRカットフィルタは、基板であるガラス(あるいは樹脂)に誘電体多層膜をコーティングすることにより作成され、以下に示すように、Aタイプ、Bタイプのように分類される。
【0005】
図2(a)、(b)に、一般的なIRカットフィルタの構成の模式図を示す。図2(a)に示すように、IRカットフィルタ(Aタイプ)200は、ガラス201の両面にIRカットフィルタ層202、203がコーティングされて構成され、また、図2(b)に示されるIRカットフィルタ(Bタイプ)210は、ガラス211の片面にIRカットフィルタ層212がコーティングされ、ガラス211のもう一方の面に反射防止(AR)フィルタ層213がコーティングされて構成される。Bタイプは、AR面が、特定の波長においてIRカットフィルタよりも反射を抑える効果があり、反射光による弊害を特に重要視するカメラモジュールで使用される。以下、AタイプのIRカットフィルタについて、説明する。
【0006】
図3に、一般的なIRカットフィルタの光学特性を示す。図3において、光学特性300は、横軸が光の波長(単位:nm)を示し、縦軸が透過率(単位:%)を示している。また、この光学特性300は、光がIRフィルタを通過した際に、何%の光がこのIRフィルタを通り抜けるかを波長毎に示している。光学特性300は、光の入射角度が、ガラス(IRカットフィルタ)に対して垂直である場合の特性を示している。
【0007】
可視帯域を透過し、近赤外線帯域を阻止するIRカットフィルタとして、高屈折率材料膜と低屈折率材料膜をそれぞれ、設計中心波長λの1/4の光学的膜厚で交互に積層した多層膜構成のIRカットフィルタが知られている。
【0008】
しかし、このようなIRカットフィルタでは、透過帯域と阻止帯域の間の50%透過波長(半値波長)は、光線の入射角の増加とともに、短波長側へシフトする傾向がある。特に、IRカットフィルタ全体での見た目の屈折率が小さいほど、半値波長のシフト量が増加する。このようなIRカットフィルタを光学機器に使用すると、光線の入射角度差による色むらの問題が発生する。
【0009】
図4(a)、(b)に、入射角度が変更された場合のIRカットフィルタの模式図を示し、図5に、入射角度が変更された場合のIRカットフィルタの光学特性を示す。図4(a)において、IRカットフィルタ400は、入射角度が垂直の場合を模式的に示しており、図4(b)に示されるIRカットフィルタ410は、入射角度が45°の場合を模式的に示している。図5に示すように、一般的なIRカットフィルタでは、入射角度が垂直から見て大きく傾くことにより、光学特性が、短波長側にシフトする。このことにより、通常は透過するべき波長が透過しなくなることがわかる。また、近年のカメラモジュールの低背化により、IRカットフィルタへの入射角度が大きくなり、この現象が顕著になっており、入射角度に対する、波長のシフト量を小さくすることが、近年のIRカットフィルタの課題となっている。
【0010】
また、上述の問題を解決するために、IRカットフィルタにおける材料として、高屈折率材料と中間屈折率材料の交互層を使用する方法もある。このような、カットフィルタは、例えば、特許文献1、特許文献2に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2007−183525号公報
【特許文献2】特開平11−202127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、特許文献1、特許文献2では、材料としてAl、ZrO、la等の中間屈折率材料を使用しており、この際に使用する中間屈折率材料と高屈折率材料の組み合わせ、膜厚、成膜方法などにより、膜にクラックが発生する等の問題が発生し、多重積層の膜を安定的に生産するのが難しいという問題があった。
【0013】
また、この構成で作成された膜は、高屈折材率材料と中間屈折率材料の屈折率比により阻止帯域を決定する為、設計の自由度が低いという問題もあった。
【0014】
したがって、本発明の目的は、上記の従来技術では未解決であった、光線の入射角度が増加した場合に、半値波長のシフトを減少させ、かつ、高屈折率材料と低屈折材料のみを使用した、IRカットフィルタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明のIRカットフィルタは、透明な基板と、上記基板の片面に形成され、設計中心波長のλ/10以下の膜厚である超薄膜であって、波長550nmの光に対する屈折率が2.0以上である高屈折率材料膜および、上記超薄膜であって、波長550nmに対する屈折率が1.3から1.6までである低屈折率材料膜の3層以上の奇数層の交互層で構成された交互層構造と、設計中心波長のλ/2からλ/4の膜厚である通常の膜厚の上記高屈折率材料膜とを交互に積層したか、あるいは、上記超薄膜の上記低屈折率材料膜と、上記通常の膜厚の上記高屈折率材料膜とを交互に積層した超薄膜交互層を含む、第1のIRカットフィルタ層と、上記基板の上記第1のIRカットフィルタ層の反対側の面に形成され、上記通常の膜厚の上記高屈折率材料膜と、上記通常の膜厚の上記低屈折率材料膜とを交互に積層した第2のIRカットフィルタ層とを備えることを特徴とする。
【0016】
また、上記第1のIRカットフィルタ層は、さらに、上記超薄膜交互層の上記ガラス基板側に通常の膜厚の低屈折率材料膜と、通常の膜厚の高屈折率材料膜とを交互に積層した調整層をさらに備えるものとしてもよい。
【0017】
また、上記第1のIRカットフィルタ層の阻止域と第2のIRカットフィルタ層の阻止域が重なり、全体として赤外線領域を遮断するように設定されるものとしてもよい。
【0019】
また、上記高屈折率材料がTiO、Nb、Taのいずれか、またはTiO、Nb、Taのいずれかを主成分とした複合酸化物を含み、上記低屈折率材料がSiO、または、SiOの複合酸化物を含むものとしてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、超薄膜の交互層は、3層以上の奇数層で構成され、その超薄膜交互層を超薄膜交互層構造と定義した場合、超薄膜交互層構造と、通常の膜厚の高屈折率材料膜との交互層により、あるいは、超薄膜の低屈折率材料膜と、通常の膜厚の高屈折率材料膜との交互層により、IRカットフィルタを形成することにより、入射角度の変化に伴う、光学特性の変化が少なく、かつ表面品位も高いIRフィルタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】(a)、(b)は、それぞれ、一般的なカメラモジュールの構成の模式図である。
図2】(a)、(b)は、それぞれ、一般的なIRカットフィルタの構成の模式図である。
図3】一般的なIRカットフィルタの光学特性を示す図である。
図4】(a)、(b)は、それぞれ、入射角が変更された場合のIRカットフィルタの模式図である。
図5】入射角が変更された場合のIRカットフィルタの光学特性を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係るIRカットフィルタの構成を示す図である。
図7】本発明の実施例1に係るIRカットフィルタの低角度依存IRカットフィルタ層の光学特性を示す図である。
図8】本発明の実施例1に係るIRカットフィルタの阻止域調整IRカットフィルタ層の光学特性を示す図である。
図9】本発明の実施例1に係るIRカットフィルタ全体の光学特性を示す図である。
図10】本発明の実施例2に係るIRカットフィルタの低角度依存IRカットフィルタ層の光学特性を示す図である。
図11】本発明の実施例2に係るIRカットフィルタの阻止域調整IRカットフィルタ層の光学特性を示す図である。
図12】本発明の実施例2に係るIRカットフィルタ全体の光学特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0024】
図6は、本発明の一実施形態に係るIRカットフィルタの構成を示す図である。
【0025】
図6において、IRカットフィルタ600は、ガラス基板610と、その片面にコーティングされた阻止域調整IRカットフィルタ層620と、その反対側の面にコーティングされた低角度依存IRカットフィルタ層630と、を備えている。なお、阻止域調整IRカットフィルタ層620と、低角度依存IRカットフィルタ層630とは、光源に対してどちらの側に配置されても、同様の効果を奏する。
【0026】
ガラス基板610は、BK7等の光学ガラス製の基板であり、ガラスに限らず樹脂でも使用できる。
【0027】
阻止域調整IRカットフィルタ層620は、通常の膜厚である設計中心波長のλ/4からλ/2までの膜厚を有する低屈折率材料膜621と、通常の膜厚の高屈折率材料膜622との交互層により構成される。阻止域調整IRカットフィルタ層620は、後述する図7図8図9等からわかるように、IRカットフィルタ600の全体の光学特性のうち、赤外(IR)領域(阻止域)の光を遮断する効果を有する。
【0028】
低角度依存IRカットフィルタ層630は、ガラス基板610側から、調整層631と、超薄膜交互層634と、通常膜厚交互層638とから構成される。調整層631は、通常の膜厚の低屈折率材料膜632と、通常の膜厚の高屈折率材料膜633との交互層により構成される。調整層631は、IRカットフィルタ600の全体の光学特性のうち、可視光領域の特性をフラットにする効果を有する。
【0029】
超薄膜交互層634は、通常の膜厚の高屈折率材料膜637と、3層以上の奇数層の超薄膜層の交互層からなる超薄膜交互層構造と、を複数(単数も可)交互に積層して構成される。超薄膜交互層構造は、通常の膜厚より薄い設計中心波長のλ/10以下の膜厚を有する超薄膜低屈折率材料膜635と、超薄膜高屈折率材料膜636との3層以上の奇数層の交互層から構成される。超薄膜交互層634は、超薄膜交互層構造635、636と、高屈折率材料637との交互層により、光線の入射角度が増加した場合に、半値波長のシフトを減少させる効果を有する。なお、超薄膜交互層634として、超薄膜の低屈折率材料膜と、通常の膜厚の高屈折率材料膜とを交互に積層したものを使用しても同様の効果が得られる。
【0030】
通常膜厚交互層638は、通常の膜厚の低屈折率材料膜639と、通常の膜厚の高屈折率材料膜640との交互層により構成される。
【0031】
なお、高屈折率材料は、TiO、Nb、Taのいずれか、またはTiO、Nb、Taのいずれかを主成分とした複合酸化物を含み、低屈折率材料は、SiO、または、SiOの複合酸化物を含む。また、高屈折率材料は、ここでは、波長550nmの光に対する屈折率が2.0以上であり、低屈折率材料は、波長550nmに対する屈折率が1.3から1.6までであり、中間屈折率材料は、その間の屈折率を有するものとする。また、通常の膜厚は、ここでは、設計中心波長のλ/4からλ/2までの膜厚を示し、超薄膜は、設計中心波長のλ/10以下の膜厚を示す。
【0032】
[実施例1]
次に、具体的な実施例について説明する。
【0033】
実施例1は、上述の図6に示すIRカットフィルタ600の構成のうち、低屈折率材料621、632、635、639をSiO、高屈折率材料622、633、636、637、640をTiOにし、通常の膜厚を設計中心波長のλ/4からλ/2までに設定し、超薄膜をλ/10以下に設定したものである。
【0034】
図7は、本発明の実施例1に係るIRカットフィルタの低角度依存IRカットフィルタ層630の光学特性を示す図であり、図8は、本発明の実施例1に係るIRカットフィルタの阻止域調整IRカットフィルタ層620の光学特性を示す図であり、図9は、本発明の実施例1に係るIRカットフィルタ600全体の光学特性を示す図である。
【0035】
図7図8図9からわかるように、低角度依存IRカットフィルタ層630は、光線の入射角度が増加した場合の半値波長のシフトを減少させる効果を有し、阻止域調整IRカットフィルタ層620は、赤外(IR)領域(阻止域)の光を遮断する効果を有し、全体として、入射角度の変化に伴う、光学特性の変化が少ない、IRフィルタを提供することができることがわかる。
【0036】
[実施例2]
実施例2は、上述の図6に示すIRカットフィルタ600の構成のうち、低屈折率材料621、632、635、639をSiO、高屈折率材料622、633、636、637、640をNbにし、通常の膜厚を設計中心波長のλ/4からλ/2までに設定し、超薄膜をλ/10以下に設定したものである。
【0037】
図10は、本発明の実施例2に係るIRカットフィルタの低角度依存IRカットフィルタ層630の光学特性を示す図であり、図11は、本発明の実施例2に係るIRカットフィルタの阻止域調整IRカットフィルタ層620の光学特性を示す図であり、図12は、本発明の実施例2に係るIRカットフィルタ600全体の光学特性を示す図である。
【0038】
図10図11図12からもわかるように、低角度依存IRカットフィルタ層630は、光線の入射角度が増加した場合の半値波長のシフトを減少させる効果を有し、阻止域調整IRカットフィルタ層620は、赤外(IR)領域(阻止域)の光を遮断する効果を有し、全体として、入射角度の変化に伴う、光学特性の変化が少ない、IRフィルタを提供することができることがわかる。
【0039】
以上のように、本発明によれば、超薄膜層の交互層が、3層以上の奇数層で構成され、その超薄膜交互層を超薄膜交互層構造と定義した場合、超薄膜交互層構造と、通常の膜厚の高屈折率材料との交互層により、あるいは、超薄膜の低屈折率材料膜と、通常の膜厚の高屈折率材料膜との交互層により、IRカットフィルタを形成することにより、入射角度の変化に伴う、光学特性の変化が少なく、かつ表面品位も高いIRフィルタを提供することができる。
【符号の説明】
【0040】
600 IRカットフィルタ
610 ガラス基板
620 阻止域調整IRカットフィルタ層
621、632、639 低屈折率材料膜
622、633、637、640 高屈折率材料膜
630 低角度依存IRカットフィルタ層
631 調整層
634 超薄膜交互層
635 超薄膜低屈折率材料膜
636 超薄膜高屈折率材料膜
638 通常膜厚交互層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12