特許第6247041号(P6247041)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社美和テックの特許一覧

<>
  • 特許6247041-橋梁用一方向可動支承装置 図000002
  • 特許6247041-橋梁用一方向可動支承装置 図000003
  • 特許6247041-橋梁用一方向可動支承装置 図000004
  • 特許6247041-橋梁用一方向可動支承装置 図000005
  • 特許6247041-橋梁用一方向可動支承装置 図000006
  • 特許6247041-橋梁用一方向可動支承装置 図000007
  • 特許6247041-橋梁用一方向可動支承装置 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6247041
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】橋梁用一方向可動支承装置
(51)【国際特許分類】
   E01D 19/04 20060101AFI20171204BHJP
【FI】
   E01D19/04 A
   E01D19/04 Z
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-159152(P2013-159152)
(22)【出願日】2013年7月31日
(65)【公開番号】特開2015-30993(P2015-30993A)
(43)【公開日】2015年2月16日
【審査請求日】2016年5月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】391051256
【氏名又は名称】株式会社美和テック
(74)【代理人】
【識別番号】100119220
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 武彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139103
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 卓志
(74)【代理人】
【識別番号】100139114
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 貞嗣
(72)【発明者】
【氏名】合田 裕一
【審査官】 須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−235846(JP,A)
【文献】 特開2009−121101(JP,A)
【文献】 特開2011−153483(JP,A)
【文献】 特開平09−078529(JP,A)
【文献】 特開2006−193932(JP,A)
【文献】 特開2007−332664(JP,A)
【文献】 特開2008−169548(JP,A)
【文献】 米国特許第05597240(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01D 1/00−24/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下構造側の一方の側に固定され一方向に伸びる長穴と、前記長穴の周囲を取り囲むように突設し上下構造の一方の側に形成された凹部の内壁と係合するせん断キーを形成し、一方の面をスライド面としたスライド板と、
前記上下構造の他方の側に一端を固定され前記長穴を貫通するせん断拘束部材と、
一方の面に前記スライド板の前記スライド面と接するスライド面を有し、前記スライド板と当接する面の中央に前記長穴の内壁面と面接触する断面形状のガイド部が突設され、前記せん断拘束部材が嵌合する貫通穴を前記ガイド部に形成した可動ブロックと、
を備えることを特徴とする橋梁用一方向可動支承装置。
【請求項2】
前記スライド板のスライド面に低摩擦材を配置することを特徴とする請求項1に記載の橋梁用一方向可動支承装置。
【請求項3】
前記上下構造のいずれか他方の側に弾性支承を配し、前記せん断拘束部材が前記弾性支承を貫通して配され、前記弾性支承に前記可動ブロックの他方の面が接するように配置することを特徴とする請求項1又は2に記載の橋梁用一方向可動支承装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋梁用可動支承装置に関し、さらに詳しくは、橋軸方向への移動を許容し、これと直角な方向への移動を制限する橋梁用一方向可動支承装置の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、橋梁の橋桁は、温度の変化等によって、桁方向(橋軸方向)に伸縮を受ける。したがって、橋桁の建設にあっては、橋軸方向の橋桁の移動を許容し、これと直角な方向への移動を制限する機構を有する橋梁用可動支承装置がこれまで広く使用されてきた。
【0003】
これによれば、橋梁の下部橋梁側に固定されたゴム支承体の上部に固定された上沓部材の橋軸と直角な方向の両側面を、下部橋梁に固定された下沓部材に固定されたサイドブロックに当接させ、これにより橋桁の橋軸方向への移動を許容し、これと直角な方向への移動を制限するものであった(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、本出願人が出願した案件(特許文献2)には、橋軸方向と直角方向の移動をせん断拘束部材で阻止し、橋軸方向に伸びる長穴を形成したスライド板に対して可動ブロックを長穴に沿って移動可能とした橋梁用一方向可動支承装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−207020号公報
【特許文献2】特開2009−235846号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1で開示された橋梁用可動支承装置は、橋軸と直角な方向の移動を制限するためにサイドブロックを下部構造側に固定しなければならず、狭いスペースにサイドブロックを配置することで、他の支承構造の配置の自由度が制限されるという問題を有する。
【0007】
また、特許文献2で開示された橋梁用可動支承装置は、可動ブロックの形状が複雑でスライド板と可動ブロックとの間のスライドに多少問題がある点と、長穴に塵埃が入る込みスライドしにくくなるという問題を有するものであった。
【0008】
本発明は、従来技術のもつ課題を解決する、構造が簡単で設置スペースを節約でき、耐久性のある橋梁用一方向可動支承装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の橋梁用一方向可動支承装置は、前記課題を解決するために、上下構造側の一方の側に固定され一方向に伸びる長穴と、前記長穴の周囲を取り囲むように突設し上下構造の一方の側に形成された凹部の内壁と係合するせん断キーを形成し、一方の面をスライド面としたスライド板と、前記上下構造の他方の側に一端を固定され前記長穴を貫通するせん断拘束部材と、一方の面に前記スライド板の前記スライド面と接するスライド面を有し、前記スライド板と当接する面の中央に前記長穴の内壁面と面接触する断面形状のガイド部が突設され、前記せん断拘束部材が嵌合する貫通穴を前記ガイド部に形成した可動ブロックと、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の橋梁用一方向可動支承装置は、前記スライド板のスライド面に低摩擦材を配置することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の橋梁用一方向可動支承装置は、前記上下構造のいずれか他方の側に弾性支承を配し、前記せん断拘束部材が前記弾性支承を貫通して配され、前記弾性支承に前記可動ブロックの他方の面が接するように配置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
上下構造側の一方の側に固定され一方向に伸びる長穴と、前記長穴の周囲を取り囲むように突設し上下構造の一方の側に形成された凹部の内壁と係合するせん断キーを形成し、一方の面をスライド面としたスライド板と、前記上下構造の他方の側に一端を固定され前記長穴を貫通するせん断拘束部材と、一方の面に前記スライド板の前記スライド面と接するスライド面を有し、前記スライド板と当接する面の中央に前記長穴の内壁面と面接触する断面形状のガイド部が突設され、前記せん断拘束部材が嵌合する貫通穴を前記ガイド部に形成した可動ブロックと、を備えることで、橋軸直角方向の水平力に対してスライド板の長穴を貫通するせん断拘束部材で対応するのでサイドブロックの設置スペースを節約することができ、部材の配置の自由度を確保することができる。その際、上部構造からの橋軸直角方向の水平力は、直接せん断拘束部材に負荷されるのではなく、せん断拘束部材に嵌合された可動ブロックとの面接触部を介してせん断拘束部材に均等に伝達されるので、せん断拘束部材の一部に応力が集中することがなく、せん断拘束部材の径を小さくすることができる。また、橋軸方向の水平力に対しては、スライド板の長穴に沿って可動ブロックのガイド部がスライドすることにより対応する。その際、スライドに伴う摩擦力を可動ブロックとスライド板とのスライド面がスムーズにスライドすることにより負担し、せん断拘束部材の摩擦力による負荷をなくすことができ、せん断拘束部材の長寿命化を図ることができる。
スライド板に上下構造の一方の側に形成されたキー溝の嵌合するせん断キーを長穴の周囲を取り囲むように突設することで、せん断キーが橋軸直角方向の水平力に対するせん断キーとして機能し、長穴に塵埃が侵入するのを防止できる。
スライド板のスライド面に低摩擦材を配置することで、橋軸方向の水平力に対するスライド板と可動ブロックとのスライドがスムーズに実施でき、その際発生する摩擦力を大幅に減少することができる。
可動ブロックのガイド部が記長穴の内壁面に面接触する断面形状とすることで、長穴に沿った可動ブロックの移動がスムーズに実施することができる。
上下構造のいずれか他方の側に弾性支承を配し、前記せん断拘束部材が前記弾性支承を貫通して配され、前記弾性支承に前記可動ブロックの他方の面が接するように配置することで、せん断拘束部材に伝達された橋軸直角方向の水平力を弾性支承のせん断変形により吸収でき、圧縮力に対しては可動ブロックの弾性支承の当接面積が大きく弾性支承が負担する支圧力を少なくすることができ弾性支承の平面形状を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態を示す図である。
図2】(a)(b)本発明の実施形態を示す図である。
図3】(a)(b)本発明の実施形態を示す図である。
図4】(a)(b)本発明の実施形態を示す図である。
図5】(a)(b)本発明の実施形態を示す図である。
図6】(a)(b)本発明の実施形態を示す図である。
図7】(a)(b)本発明の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施の形態を図により説明する。図1は、本発明の橋梁用一方向可動支承装置の一実施形態を示す図である。
【0017】
橋梁用一方向可動支承装置1は、橋脚等のコンクリート製の下部構造2と鋼桁からなる上部構造3の間に設置される。下部構造2に埋設されたアンカーボルト5にカプラー11を介してベースプレート4が固定される。
【0018】
ベースプレート4上には弾性支承6が一体に固定される。ベースプレート4に一端を固定されたせん断拘束部材7が、弾性支承6を貫通して上方に垂直に立設される。せん断拘束部材7のベースプレート4への固定は、螺着又は溶接等により行う。
【0019】
弾性支承6上にせん断拘束部材7に対して上下動可能に嵌挿する貫通穴8aを形成した平板状の可動ブロック8が設置される。可動ブロック8の上面にせん断拘束部材用貫通穴8aが形成されたガイド部8bが突設される。
【0020】
一方、鋼桁からなる上部構造3に予め溶接により固定されソールプレート10に、スライド板9が、複数のセットボルト12を介して上部構造3に固定される。スライド板9の下面と可動ブロック8の上面とが橋軸方向のスライド面を形成する。
【0021】
図2(a)(b)は、ベースプレート4の平面図とA−A線切断面図である。ベースプレート4は、鋼製の部材でそのコーナ部に下部構造に埋設さてアンカーボルト5と螺着するためのカプラー11を挿通するための固定用貫通穴4aが形成される。ベースプレート4の中央部から垂直に上方に伸びるせん断拘束部材7の一端をベースプレート4に形成した雌ねじ穴に螺着して固定される。せん断拘束部材7のベースプレート4への固定は溶接によっても良い。
【0022】
ベースプレート4上にせん断拘束部材7が貫通する弾性支承6が設置される。図5は、弾性支承6の断面図である。弾性支承6は、ゴム6aと補強鋼板6bを鉛直方向に複数積層した積層ゴムで構成される。積層ゴムの上下に上下連結鋼板6c、6dが配置される。積層ゴムと上下連結鋼板6c、6dは加硫一体成形により一体化される。下連結鋼板6dを省略しベースプレート4に直接積層ゴムを設置し、加硫一体成形によりベースプレート4と積層ゴムを一体化しても良い。積層ゴムと上下連結鋼板6c、6dを貫通するせん断拘束部材7を嵌合するせん断拘束部材用貫通穴6eが形成される。
【0023】
図3(a)(b)は、可動ブロック8の平面図とB−B線切断面図である。可動ブロック8は平板状の部材で上面に4フッ化エチレン等の低摩擦材8cを設置する。可動ブロック8の上面中央から上方に伸びる断面矩形のガイド部8bが突設される。可動ブロック8の下面からガイド部8bの先端まで貫通するせん断拘束部材7を嵌合するせん断拘束部材用貫通穴8aが形成される。
【0024】
図4(a)(b)は、スライド板9の平面図とC−C線切断面図である。スライド板9の下面は可動ブロック8の上面と橋軸方向のスライド面を形成するため摩擦係数の小さいステンレススチール製とするのが望ましい。スライド板9のコーナ部には、上部構造3と固定のためのセットボルト12を螺着するためのセットボルト用雌ねじ穴9aが形成される。スライド板の中央部には橋軸方向に伸びる長穴9bが形成される。長穴9bの橋軸直角方向の幅と可動ブロック8のガイド部8bの橋軸直角方向の幅をほぼ同じとし、断面矩形のガイド部8bの側壁と長穴9bの内壁面が面接触する。可動ブロック8のガイド部8bの高さは、スライド板8の上面からわずかに突出する高さとする。長穴9bの周囲を取り囲むように連続したせん断キー9cを所定高さで突設する。
【0025】
可動ブロック8の貫通穴8aの嵌挿されたせん断拘束部材7の先端部は、ガイド部8bの上端面及びスライド板9の表面より上部に突き出すようにする。図6(a)(b)は、上楊力阻止部材13の平面図とE−E線切断面図である。上楊力阻止部材13は、長穴9bの橋軸直角方向の幅より大きな外径を有し、せん断拘束部材7の上端部に形成した雄ねじ部と螺着のための雌ねじ穴13aが形成される。上楊力阻止部材13の下面はガイド部8bの上端面と接する位置にするのが望ましい。上楊力阻止部材13のせん断拘束部材7への固定は螺着でなく溶接により固定しても良い。
【0026】
図5(a)(b)は、上部構造3に予め溶接で固定されるソールプレート10の平面図とD−D線切断面図である。ソールプレート10のコーナ部にはスライド板9を上部構造3に固定するためのセットボルト挿入穴10aが形成される。ソールプレート10の下面には、上楊力阻止部材の外径より若干大きい幅で、長さがスライド板9の長穴とほぼ同じ長さで、上楊力阻止部材13の上端面より上の位置になる深さを有する凹部10bを形成する。凹部10bの内壁にせん断キー9cが嵌合する。
【0027】
図7(a)(b)(c)は、可動ブロック8、スライド板9をソールプレート10に組み込んだ状態を示す平面図とE−E線切断面図とF−F線切断面図である。
【0028】
本発明の実施形態の橋梁用一方向可動支承装置1の作用について図7により説明する。先ず、上部構造3の橋軸方向の水平力に対しては、上部構造3に固定されたスライド板9が、その橋軸方向(X−X)に形成した長穴9bの内壁面と面接触する可動ブロック8のガイド部8b両側部をガイドとして、スライド板9の下面と可動ブロック8の上面をスライド面として橋軸方向にスライドすることにより吸収する。可動ブロック8の上面には低摩擦材8cが設置され、スライド板9は摩擦係数の小さいステンレススチール製としているため小さな摩擦でスライドすることが可能となる。
【0029】
上部構造3の橋軸方向と直角方向(Y−Y)の水平力に対しては、ソールプレート10とスライド板9を固定するセットボルト12と、ソールプレート10の凹部10bの内壁とスライド板9のせん断キー9cとの係合部を介して水平力がスライド板11に伝達される。スライド板9に伝達された水平力は、スライド板11の長穴14の内壁面と可動ブロック8のガイド部8bとの面接触した当接部から可動ブロック8に伝達される。可動ブロック8に伝達された水平力はせん断拘束部材7伝達される。上部構造3の橋軸直角方向の水平力は、直接せん断拘束部材9に伝達されるのではなく、せん断拘束部材9に嵌合した可動ブロック18との面接触部を介してせん断拘束部材7に伝達される。そのため、橋軸直角方向の水平力によりせん断拘束部材7の一部に応力が集中することがなく、せん断拘束部材7の径を小径化することができる。
【0030】
上部構造3の上揚力に対しては、せん断拘束部材7に上下動可能に嵌挿された可動ブロック8が上部構造3の上昇により一緒に上昇し、可動ブロック8のガイド部8bが上楊力阻止部材13により上方向の移動を阻止され、可動ブロック8の上面とスライド板9の下面との面接触部により上揚力に対応する。
【0031】
スライド板9の長穴9bの上方は長穴9bの周囲がせん断キー9cと凹部10bの内壁との係合により外部と遮断され、長穴9bの下側は可動ブロック8の上面により外部と遮断されるので長穴9bからの塵埃の浸入を阻止することが可能となる。
【0032】
この実施形態では、上部構造3を鋼桁としたが、上部構造3がコンクリート製桁の場合、コンクリート製桁に埋設したアンカーバーとソールプレート10を溶接により固定し、スライド板9とソールプレート10をスライド板9側からセットボルト12で固定しても良い。上部構造3が鋼桁の場合でもコンクリート製桁の場合も、弾性支承6を上部構造3に固定し、スライド板9を下部構造2に固定しても良い。
【0033】
以上のように本発明の橋梁用一方向可動支承装置1は、上部構造3の橋軸直角方向の水平力が、スライド板9の長穴9bと面接触する可動ブロック8のガイド部8bを貫通するせん断拘束部材9で対応するのでサイドブロックの設置スペースを節約することができる各種部材の配置の自由度を確保できる。その際、上部構造3からの橋軸直角方向の水平力は、直接せん断拘束部材7に負荷されるのではなく、せん断拘束部材7に嵌合した可動ブロック8のガイド部8bとの面接触部を介して伝達されるので、せん断拘束部材7に均等に負荷されるので、せん断拘束部材7の一部に応力が集中することがなく、せん断拘束部材7の径を小さくすることができる。また、橋軸方向の水平力に対しては、上部構造3に固定されたスライド板9が、その橋軸方向(X−X)に形成した長穴9bの内壁面と面接触する可動ブロック8のガイド部8b両側部をガイドとして、スライド板9の下面と可動ブロック8の上面をスライド面として橋軸方向にスライドすることにより吸収する。可動ブロック8の上面には低摩擦材8cが設置され、スライド板9は摩擦係数の小さいステンレススチール製としているため小さな摩擦でスライドすることが可能となる。上部構造3の圧縮力に対しては、可動ブロック8の下面から弾性支承6に伝達され、弾性支承が圧縮変形して対応する。また、可動ブロック8と弾性支承6の支圧面積が大きいので弾性支承6の平面形状を小さくすることが可能となる。スライド板9の長穴9bの上方は長穴9bの周囲がせん断キー9cと凹部10bの内壁との係合により外部と遮断され、長穴9bの下側は可動ブロック8の上面により外部と遮断されるので長穴9bからの塵埃の浸入を阻止することが可能となる。
【符号の説明】
【0034】
1:橋梁用位置方向可動支承装置、2:下部構造、3:上部構造、4:ベースプレート、4a:固定用貫通穴、5:アンカーボルト、6:弾性支承、6a:ゴム、6b:補強鋼板、6c:上連結鋼板、6d:下連結鋼板、6e:せん断拘束部材用貫通穴、7:せん断拘束部材、8:可動ブロック、8a:せん断拘束部材用貫通穴、8b:ガイド部、8c:低摩擦材、9:スライド板、9a:セットボルト用雌ねじ穴、9b:長穴、9c:せん断キー、10:ソールプレート、10a:セットボルト挿入穴、10b:凹部、11:カプラー、12:セットボルト、13:上楊力阻止部材、13a:雌ねじ穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7