特許第6247050号(P6247050)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6247050
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び、位置検出方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/00 20060101AFI20171204BHJP
   H03K 17/78 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
   G01B11/00 C
   H03K17/78 S
【請求項の数】8
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2013-176702(P2013-176702)
(22)【出願日】2013年8月28日
(65)【公開番号】特開2015-45565(P2015-45565A)
(43)【公開日】2015年3月12日
【審査請求日】2016年7月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】関山 茂
【審査官】 梶田 真也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−003110(JP,A)
【文献】 実開昭53−023567(JP,U)
【文献】 特開昭57−076714(JP,A)
【文献】 特開2011−185810(JP,A)
【文献】 特開2008−249340(JP,A)
【文献】 米国特許第04747689(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00 − 11/30
G01B 5/00 − 5/30
G01B 7/00 − 7/34
G01B 9/00 − 9/10
G01B 15/00 − 15/08
G01B 21/00 − 21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を発する発光手段と、
前記光を複数の光路の光に分ける光分岐手段と、
前記光分岐手段と所定の距離だけ離れて配置され、前記複数の光路の光を集める集光手段と、
前記集光手段で集めた光を受ける受光手段と、
前記受光手段での受光量の変化を基に前記光分岐手段と前記集光手段との間の光路を遮光する物体の位置を判定する判定手段と
含み、さらに
前記光分岐手段が分ける光路の少なくとも一部の光路の光量が、他の光路の光量と異なり、
前記判定手段が、光路の光量の違いに基づく前記受光手段での受光量の変化を基に前記物体の位置を判定する
情報処理装置。
【請求項2】
前記光分岐手段が
前記光を複数の光路に分ける光学部品と、光路の方向を変更する光学部品とを含み、
前記集光手段が、
光路の方向を変更する光学部品と、光を集める光学部品とを含む
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記光分岐手段又は前記集光手段の少なくとも一つが、一体に成形された光学部品である
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記光分岐手段が含む前記光を複数の光路に分ける光学部品が
前記光の一部を透過する間隙部を含む
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記発光手段が
偏光を発する
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記光分岐手段が分けた光路の少なくとも一部の光路の方向が、他の光路の方向と異なる
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
光を発し、
前記光を複数の光路の光を分け、
前記複数の光路の少なくとも一部の光路の光量が、他の光路の光量と異なり、
前記複数の光路の光を集め、
前記集めた光の光量を検出し、
前記集めた光の光量の変化と前記光路の光量の違いに基づく受光量の変化とを基に前記光路を遮光する物体の位置を判定する
位置検出方法。
【請求項8】
光を発する発光手段と、
前記光を複数の光路の光に分ける光分岐手段と、
前記光分岐手段と所定の距離だけ離れて配置され、前記複数の光路の光を集める集光手段と、
前記集めた光を受ける受光手段とを含み、
さらに、前記光分岐手段が分ける光路の少なくとも一部の光路の光量が、他の光路の光量と異なる光センサに接続されるコンピュータに、
前記受光手段での受光量の変化と光路の光量の違いに基づく前記受光手段での受光量の変化とを基に前記光分岐手段と前記集光手段との間の光路を遮光する物体の位置を判定する処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置の検出に関し、特に、光を用いた位置の検出に関する。
【背景技術】
【0002】
物体の位置を検出する情報処理装置として、光センサを用いる情報処理装置がある(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。
【0003】
ここで、光センサとは、光を発する発光素子と、光を検出する受光素子とを備えたセンサである。
【0004】
発光素子と受光素子との間に物体がない場合、光センサの受光素子は、発光素子が発した光を検出する。
【0005】
一方、発光素子と受光素子と間に物体がある場合、物体は、発光素子が発した光を遮る。そのため、受光素子は、発光素子が発した光を検出できない。
【0006】
このように、光センサを含む情報処理装置は、光センサの受光素子の光の検出の有無を基に、物体の有無、又は、物体の位置を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−232283
【特許文献2】特開2003−124791
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
物体の検出したい場所は、複数となる場合がある。
【0009】
特許文献1及び特許文献2に記載の発明において、光センサが物体を検出できる場所は、1つである。
【0010】
そのため、複数の場所を検出する場合、特許文献1及び特許文献2に記載の発明は、複数の光センサを備えることが必要である。
【0011】
図20を参照して、説明する。
【0012】
図20は、関連技術の情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0013】
情報処理装置90は、2箇所の位置を検出する。
【0014】
そのため、情報処理装置90は、光センサ91と、光センサ92と、判定部93と、駆動部94とを含む。
【0015】
光センサ91は、発光部911と、受光部912とを含む。
【0016】
同様に、光センサ92は、発光部921と、受光部922とを含む。
【0017】
駆動部94は、発光部911と発光部921とを駆動、つまり、発光させる。
【0018】
判定部93は、受光部921と受光部922との光の検出状態を基に、物体80の位置を検出する。
【0019】
例えば、物体80が、図20の左から右に動くとする。
【0020】
物体80の移動に対応して、受光素子921が受光する状態から、受光しない状態に変化した場合、判定部93は、物体80が、光センサ91の位置に到着したことが分かる。さらに、受光素子922が受光する状態から、受光しない状態に変化した場合、判定部93は、物体80が、光センサ92の位置に到着したことが分かる。
【0021】
このように、本発明に関連する情報処理装置90は、複数の光センサ(光センサ91及び光センサ92)を基に、物体80の複数の位置を検出する。
【0022】
しかし、上記の通り、特許文献1及び特許文献2に記載の発明は、複数の場所を検出する場合、複数の発光素子と複数の受光素子が必要であるという問題点があった。
【0023】
本発明の目的は、上記問題点を解決し、発光素子と受光素子などの部品点数を削減する情報処理装置、及び、位置検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明の情報処理装置は、光を発する発光手段と、前記光を複数の光路の光に分ける光分岐手段と、前記光分岐手段と所定の距離だけ離れて配置され、前記複数の光路の光を集める集光手段と、前記集光手段で集めた光を受ける受光手段と、前記受光手段での受光量の変化を基に前記光分岐手段と前記集光手段との間の光路を遮光する物体の位置を判定する判定手段とを含む。
【0025】
本発明の位置検出方法は、光を発し、前記光を複数の光路の光を分け、前記複数の光路の光を集め、前記集めた光の光量を検出し、前記集めた光の光量の変化を基に前記光路を遮光する物体の位置を判定する。
【0026】
本発明のプログラムは、光を発する発光手段と、前記光を複数の光路の光に分ける光分岐手段と、前記光分岐手段と所定の距離だけ離れて配置され、前記複数の光路の光を集める集光手段と、前記集めた光を受ける受光手段とを含む光センサに接続されるコンピュータに、前記受光手段での受光量の変化を基に前記光分岐手段と前記集光手段との間の光路を遮光する物体の位置を判定させる。
【発明の効果】
【0027】
本発明に基づけば、複数の位置に検出において、発光部及び受光部の数を削減する効果を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、本発明における第1の実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、第1の実施形態の光センサの構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る判定部の構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る情報処理装置の動作を説明するための図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る情報処理装置の動作を説明するための図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る情報処理装置の動作を説明するための図である。
図7図7は、第1の実施形態に係る情報処理装置の動作を説明するための図である。
図8図8は、第1の実施形態に係る情報処理装置の動作を説明するための図である。
図9図9は、第1の実施形態に係る受光部の出力状態の一例を示す図である。
図10図10は、第1の実施形態に係る光センサの別の構成の一例を示すブロック図である。
図11図11は、第1の実施形態に係る判定部の別の構成の一例を示すブロック図である。
図12図12は、第1の実施形態に係る光センサの別の構成の一例を示すブロック図である。
図13図13は、第1の実施形態に係る光センサの別の構成の一例を示すブロック図である。
図14図14は、第1の実施形態に係る光センサの別の構成の一例を示すブロック図である。
図15図15は、第1の実施形態に係る光センサの別の構成の一例を示すブロック図である。
図16図16は、第1の実施形態に係る光センサの別の構成の一例を示すブロック図である。
図17図17は、第2の実施形態に係る受光部の出力状態の一例を示す図である。
図18図18は、第3の実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図19図19は、第3の実施形態に係る受光部の出力状態の一例を示す図である。
図20図20は、本発明に関連する情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0030】
なお、各図面は、本発明の実施形態を説明するものである。そのため、本発明は、各図面の記載に限られるわけではない。また、各図面の同様の構成には、同じ番号を付し、その繰り返しの説明を、省略する場合がある。
【0031】
また、以下の説明に用いる図面において、本発明の説明に関係しない部分の構成については、記載を省略し、図示しない場合もある。
【0032】
<第1の実施形態>
図1は、本発明のおける第1の実施形態に係る情報処理装置10の構成の一例を示すブロック図である。
【0033】
情報処理装置10は、光センサ20と判定部30とを含む。
【0034】
光センサ20は、発光部201と、受光部202と、光分岐部203と、集光部204とを含む。
【0035】
発光部201は、検出のための光を発する。本発明の発光部201の構成は、特に制限はない。例えば、発光部201は、LED(Light Emitting Diode)と、LEDの駆動回路とで構成されても良い。さらに、発光部201は、光を成形又は導光する光学部品を含んでも良い。また、発光部201は、LED以外の光源、例えば、LD(Laser Diode)、又は、OLED(Organic Light Emitting Diode)を含んでも良い。また、発光部201は、半導体光源以外の光源、例えば、白熱電灯又は蛍光灯のようなランプを含んでも良い。
【0036】
光分岐部203は、発光部201が発した光を、複数の光路の光に分ける。本実施形態において、光分岐部203が分ける光路の数は、特に制限はない。ただし、以下では、説明の便宜のため、光分岐部203は、光を2つ光路(光路401と光路402)に分けるとして説明する。
【0037】
集光部204は、光分岐部203と所定の距離離れて配置される。ここで、所定の距離とは、後ほど説明するように、光分岐部203と集光部204との間に、検出用の物体が移動できる空間を確保するための距離である。
【0038】
そして、集光部204は、受けた複数の光路の光を受光部202に集める。なお、後ほど説明するように、移動する物体が1つの光路を除き他の光路を塞いだ場合、集光部204は、1つの光路からの光量を、受光部202に送る。また、物体がすべての光路を塞いだ場合、集光部204及び受光部202に、光が届かないため、集光部204は、受光部202に光を集めない。
【0039】
受光部202は、受けた光に応じた信号又はデータを、判定部30に送る。本実施形態の受光部202と判定部30と間の信号の形態は、特に制限はない。例えば、受光部202は、フォトダイオード又はフォトトランジスタと電気回路とを含み、受けた光の量に対応した電流を判定部30に送っても良い。あるいは、受光部202が、光の量に対応した電流の値をデジタルデータに変換し、判定部30に送っても良い。
【0040】
判定部30は、光センサ20の受光部202の受光量に対応した信号又はデータ(受光量情報)を受け取り、受光部202の受光量の状態を判定する。
【0041】
そして、判定部30は、受光量の変化を基に、後ほど説明するように、光センサ20の検出対象である物体(図1には図示せず。例えば、図4図9を参照。)の位置を検出する。
【0042】
続いて、光分岐部203及び集光部204について、図面を参照して、さらに説明する。
【0043】
図2は、光センサ20の構成の一例を示すブロック図である。
【0044】
光分岐部203は、反射器203aと、反射器203bと、反射器203cと、反射器203dとを含む。
【0045】
反射器203a及び反射器203bは、発光部201が発した光を、互いに反対方向の2つの光路に分ける。つまり、反射器203aと反射器203bは、光を複数の光路に分ける光学部品の一例である。なお、既に説明したとおり、2つの光路の光量の比率(分配比率)は、特に制限はない。
【0046】
反射器203c及び反射器203dは、2つの光路の光の方向を、集光部204の方向に変更する。つまり、反射器203cと反射器203dは、光路の方向を変更する光学部品の一例である。
【0047】
集光部204は、反射器204aと、反射器204bと、反射器204cと、反射器204dとを含む。
【0048】
反射器204c及び反射器204dは、集光部204に入ってきた光の方向を、反射器204a及び反射器204bの方向に変更する。つまり、反射器204cと反射器204dとは、光路を変更する光学部品の一例である。
【0049】
反射器204a及び反射器204bは、2つの光路の光の方向を、受光部202の方向に変更する。つまり、反射器204aと反射器204bとは、光を集める光学部品の一例である。
【0050】
このように、光分岐部203は、発光部201が発した光を、2つの光路に分ける。そして、集光部204は、2つの光路の光を、受光部202に集める。
【0051】
なお、発光部201が発する光は、光分岐部203に入る段階では分かれていない。しかし、理解を容易にするため、図2において、発光部201が発する光を、2本の光路として示した。
【0052】
次に、判定部30について図面を参照して説明する。
【0053】
図3は、判定部30の構成の一例を示すブロック図である。
【0054】
図3に示す判定部30は、受光部202から、電流を受ける場合の構成の一例である。
【0055】
判定部30は、電流電圧変換部310と、比較部320とを含む。
【0056】
電流電圧変換部310は、受光部202から、受けた光に対応した電流を受け取り、電圧に変換する。
【0057】
比較部320は、変換された電圧を所定の閾値と比較し、光センサ20の受光量を判定する。さらに、比較部320は、受光量の変化を基に、物体の位置を判定する。
【0058】
なお、既に説明したとおり、判定部30は、受光部202から、光量に対応したデータを受信しても良い。この場合、判定部30は、データ(受光量情報)と所定の閾値との比較を基に、受光量を判定すれば良い。
【0059】
次に、判定部30の判定動作について、図面を参照して、更に説明する。
【0060】
なお、以下の説明において、光分岐部203は、光を半分に分けるとして説明する。
【0061】
なお、情報処理装置10の光分岐部203は、後ほど説明するように、判定部30が光路の数に対応した判定ができるように光を分ければ良く、厳密に半分に分ける必要はない。つまり、光分岐部203は、光を約半分に分ければ良い。なお、以下では、約半分を含め、半分として説明する。
【0062】
図4ないし図8は、光センサ20に対する、検出対象の物体80の相対的な位置の変化を示す図である。
【0063】
本実施形態の情報処理装置10と物体80とは、どちらが移動してもよい。
【0064】
例えば、情報処理装置10が固定され、移動する物体80の位置を検出してもよい。
【0065】
あるいは、情報処理装置10が移動し、固定された物体80に対する位置を検出しても良い。
【0066】
さらに、情報処理装置10及び物体80とも、移動しても良い。この場合、情報処理装置10は、物体80との相対位置を検出できる。
【0067】
なお、以下の説明では、情報処理装置10が固定され、物体80が移動するとして説明する。
【0068】
図4ないし図8に示すように、物体80は、図の左から右に移動するとする。
【0069】
図9は、物体80の位置に対応する、受光部202の出力状態(受光量)を示す図である。
【0070】
図4に示すように、最初、物体80は、第1の光路401と第2の光路402のどちらも、遮光しない。したがって、受光部202は、発光部201が発する光をすべて受け、図9の「範囲1」に示す高い値を出力する。
【0071】
図5に示すように、物体80が第1の光路401に達した場合、物体80は、第1の光路401を遮光する。その結果、受光部202は、発光部201が発する光の半分を受け、図9の「範囲2」に示す中間の値を出力する。
【0072】
図6に示すように、物体80が第2の光路402に達した場合、物体80は、第1の光路401と第2の光路402とを遮光する。その結果、受光部202は、発光部201が発する光を、受けない。そのため、受光部202は、図9の「範囲3」に示す、低い値(例えば、出力「0」)を出力する。
【0073】
図7に示すように、物体80が第1の光路401を過ぎた場合、物体80は、第1の光路401を遮光しなくなる。その結果、受光部202は、発光部201が発する光の半分を受け、図9の「範囲4」に示す中間の値を出力する。
【0074】
図8に示すように、物体80が第2の光路402を過ぎた場合、物体80は、第2の光路402も遮光しなくなる。その結果、受光部202は、発光部201が発する光を全て受け、図9の「範囲5」に示す高い値を出力する。
【0075】
判定部30は、図9に示す光センサ20の受光部202の出力状態(受光量)の変化を基に、図4ないし図8に示す物体80の位置又は移動を判定できる。
【0076】
例えば、既に説明したとおり、判定部30が、受光部202から、光に対応したデータを受信する場合、判定部30は、予め2つの閾値(図9の閾値1及び閾値2)を有し、閾値とデータとの比較を基に、物体80の位置を判定すれば良い。
【0077】
このように、本実施形態の情報処理装置10は、発光部201及び受光部202の数を削減する効果を得ることができる。
【0078】
その理由は、次のとおりである。
【0079】
情報処理装置10の光分岐部203は、発光部201が発した光を複数の光路に分ける。また、集光部204は、複数の光路の光を受光部202に集める。
【0080】
そのため、本実施形態の情報処理装置10は、発光部201及び受光部202の数より多い位置を検出できる。
【0081】
つまり、本実施形態の情報処理装置10は、光分岐部203及び集光部204を備えるため、発光部201及び受光部202の数より多くの位置を検出できるためである。
【0082】
さらに、本実施形態の情報処理装置10は、故障率を低下する効果を得ることができる。
【0083】
その理由は、次のとおりである。
【0084】
発光部201及び受光部202は、電気素子(例えば、LED、電気回路、フォトダイオード)を含んでいる。
【0085】
一方、光分岐部203及び集光部204は、光学素子(例えば、鏡)を含んでいる。
【0086】
光学素子は、電気素子に比べ故障が少ない。例えば、鏡は、物理的な衝撃を加えない限り、通常の使用状態において劣化することはない。これに対し、電気素子は、通電時間に応じて劣化する。
【0087】
本実施形態の情報処理装置10は、本発明に関連する装置(例えば、図20に示す情報処理装置90)と比べ、電気素子が少ない。
【0088】
そのため、本実施形態の情報処理装置10は、故障率が低くなる。
【0089】
(変形例1)
なお、情報処理装置10の構成は、これまでの説明に限らない。
【0090】
情報処理装置10は、複数の構成を1つの構成としても良い。
【0091】
例えば、情報処理装置10は、反射器203aと反射器203bとを一つの構成としても良い。
【0092】
図10は、本実施形態に係る光センサ21の構成の一例を示すブロック図である。
【0093】
図10において、光分岐部213は、反射部213aと、反射部213bと、反射部213cと、反射部213dとを含む光学部品で構成されている。例えば、光分岐部213は、一般的なプリズム又はビームスプリッタの材質(例えば、光学ガラス又は合成石英)を用いて実現可能である。反射部213aと、反射部213bと、反射部213cと、反射部213dは、反射器203aと、反射器203bと、反射器203cと、反射器203dと同様に機能する。
【0094】
また、集光部214は、反射部214aと、反射部214bと、反射部214cと、反射部214dとを含む光学部品で構成されている。集光部214は、光分岐部213と同様に、一般的なプリズム又はビームスプリッタの材質を用いて実現可能である。反射部214aと、反射部214bと、反射部214cと、反射部214dは、反射器204aと、反射器204bと、反射器204cと、反射器204dと同様に機能する。
【0095】
本変形例の情報処理装置10も、上記と同様の効果を実現できる。
【0096】
その理由は、次のとおりである。
【0097】
光分岐部213と集光部214は、光分岐部203と集光部204と同様に機能するためである。
【0098】
(変形例2)
また、情報処理装置10は、各構成を複数の構成に分けても良い。
【0099】
また、情報処理装置10は、1つの装置で構成される必要はない。例えば、情報処理装置10は、光センサ20を含むセンサ装置と判定部30を含む判定装置とを、ネットワーク又はバスを介して接続して、構成されても良い。
【0100】
その場合、判定部30を含む装置は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、入出力接続回路(IOC:Input/Output Circuit)と、インターフェース回路(IFC:Network Interface Circuit)とを含むコンピュータ装置として実現しても良い。
【0101】
図11は、本変形例に係る判定部30としての機能を含む判定装置60の構成の一例を示すブロック図である。
【0102】
判定装置60は、CPU610と、ROM620と、RAM630と、内部記憶部640と、IOC650と、IFC680とを含み、コンピュータを構成している。
【0103】
CPU610は、ROM620からプログラムを読み込む。そして、CPU610は、読み込んだプログラムに基づいて、RAM630と、内部記憶部640と、IOC650と、IFC680とを制御する。そして、CPU610は、これらの構成を制御し、図1に示す、判定部30としての機能を実現する。CPU610は、機能を実現する際に、RAM630又は内部記憶部640を、プログラムの一時記憶として使用しても良い。
【0104】
また、CPU610は、コンピュータで読み取り可能にプログラムを記憶した記憶媒体700が含むプログラムを、図示しない記憶媒体読み取り装置を用いて読み込んでも良い。あるいは、CPU610は、IFC680を介して、図示しない外部の装置からプログラムを受け取っても良い。
【0105】
ROM620は、CPU610が実行するプログラム及び固定的なデータを記憶する。ROM620は、例えば、P−ROM(Programable-ROM)又はフラッシュROMである。このように、ROM620は、プログラムを非一時的に記憶する記憶装置である。
【0106】
RAM630は、CPU610が実行するプログラム及びデータを一時的に記憶する。RAM630は、例えば、D−RAM(Dynamic-RAM)である。このように、RAM630は、プログラムを一時的に記憶する記憶装置である。
【0107】
内部記憶部640は、判定装置60が長期的に保存するデータ及びプログラムを記憶する。また、内部記憶部640は、CPU610の一時記憶装置として動作しても良い。内部記憶部640は、例えば、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、SSD(Solid State Drive)又はディスクアレイ装置である。このように、内部記憶部640は、プログラムを非一時的に記憶する記憶装置である。
【0108】
なお、判定装置60は、ROM620又は内部記憶部640のいずれかに、受光部202の受光量(出力状態)を判定する閾値を保持しても良い。
【0109】
IOC650は、CPU610と、入力機器660及び表示機器670とのデータを仲介する。IOC650は、例えば、IOインターフェースカードである。
【0110】
入力機器660は、判定装置60の操作者からの入力指示を受け取る機器である。入力機器660は、例えば、キーボード、マウス又はタッチパネルである。
【0111】
表示機器670は、判定装置60の操作者に情報を表示する機器である。表示機器670は、例えば、液晶ディスプレイである。
【0112】
IFC680は、光センサ20の受光部202の受光量に対応する信号又はデータを受信し、CPU610に送る。IFC680は、例えば、電流電圧変換回路と、電圧をデジタルデータに変換するA/D変換回路とを含む回路で実現可能である。あるいは、IFC680は、LAN(Local Area Network)カードでも良い。
【0113】
このように構成された判定装置60は、判定部30と同様の効果を得ることができる。
【0114】
その理由は、次のとおりである。
【0115】
判定装置60のCPU610は、プログラムに基づいて判定部30と同様の機能を実現できるためである。
【0116】
(変形例3)
本実施形態の情報処理装置10の光センサ20の変形例について図面を参照して、さらに説明する。
【0117】
なお、各変形例の説明は、相違点を中心に説明する。
【0118】
本実施形態の情報処理装置10は、光路の方向の変更回数に特に制限はない。
【0119】
図12は、光センサ22の構成の一例を示すブロック図である。
【0120】
光センサ22は、発光部201と、受光部202と、光分岐部223と、集光部224とを含む。
【0121】
光センサ22の発光部201からの光の出射方向と受光部202の受光方向とは、光分岐部223と集光部224との間の光路と直行する方向であり、相互に反対方向となっている。
【0122】
そのため、光分岐部223及び集光部224は、それぞれの光の方向を1回変更すれば良い。
【0123】
そのため、光分岐部223は、反射器223aと反射器223bとを含む。
【0124】
反射器223a及び反射器223bは、各々、発光部201が発した光の半分の方向を、集光部224の方向に変更する。
【0125】
このうち、反射器223bは、光を分ける機能と、光路の方向を変更する機能とを兼ね備えた光学部品である。また、反射器223aは、光路の方向を変更する機能を備えた光学部品である。
【0126】
集光部224は、反射器224aと反射器224bとを含む。
【0127】
反射器224a及び反射器224bは、各光路の光の方向を、受光部202の方向に変更する。
【0128】
つまり、反射器224aと反射器224bとは、光路の方向を変更する機能と、光を集める機能とを兼ね備えた光学部品である。
【0129】
このように、光センサ22は、光センサ20と比べ、光路の方向の変更回数が異なる。
【0130】
なお、本変形例は、図12において、集光部224の反射器224a及び反射器224bの方向を左右反対にし、受光部202を集光部224の左に配置しても良い。
【0131】
また、情報処理装置10は、物体80を検出する光路を平行にする必要はない。
【0132】
図13は、光センサ23の構成の一例を示すブロック図である。
【0133】
光センサ23は、発光部201と、受光部202と、光分岐部233と、集光部234とを含む。
【0134】
光分岐部233は、発光部201が発した光の半分の光の方向を変更する。光分岐部233は、残りの半分の光の方向を変更しないで通過させる。
【0135】
そのため、光分岐部233は、反射器233aを含む。
【0136】
つまり、反射器233aは、光を分ける機能と、光路の方向を変更する機能とを兼ね備えた光学部品である。
【0137】
集光部234は、第1の光路401又は第2の光路402のどちらか、つまり、半分の光の方向を変更する。
【0138】
そのため、集光部234は、反射器234aを含む。
【0139】
つまり、反射器234aは、光路の方向を変更する機能と、光を集める機能とを兼ね備えた光学部品である。
【0140】
図13に示す光センサ23は、光分岐部233(反射器223a)と集光部234(反射器234a)とが異なる光路の方向を変更する構成である。
【0141】
これに対し、光分岐部233と集光部234とは、同じ光路の方向を変更しても良い。
【0142】
図14は、同じ光路を変更する光センサ24の構成の一例を示すブロック図である。
【0143】
光センサ24は、発光部201と、受光部202と、光分岐部233と、集光部244とを含む。
【0144】
光分岐部233の反射器233aは、図13と同様に、発光部201が発した光の半分の光の方向を変更する。光分岐部233は、残りの半分の光の方向を変更しないで通過させる。
【0145】
集光部244の反射器244aは、反射器233aが方向を変更した光路の光の方向を変更する。
【0146】
つまり、反射器244aは、光路の方向を変更する機能と、光を集める機能とを兼ね備えた光学部品である。
【0147】
このように、発光部201が発した光の半分は、方向を変更しないで受光部202に到達しても良い。
【0148】
なお、図13の集光部234又は図14の集光部244は、受光部202に集める光を平行にするための光学部品を含んでも良い。
【0149】
図15は、光センサ24の別の構成の一例を示す図である。
【0150】
集光部244は、反射器244aに加え、反射器244bを含む。そして、集光部244は、反射器244aと反射器244bと用いて、受光部202に対する第2の光路402の方向を、第1の光路401と同じ方向にする。
【0151】
また、情報処理装置10は、光の分割に偏光を用いても良い。
【0152】
図16は、偏光を用いた光センサ25の構成の一例を示すブロック図である。
【0153】
光センサ25は、発光部251と、受光部252と、光分岐部253と、集光部254とを含む。
【0154】
発光部251は、所定の方向の直線偏光を発する。
【0155】
光分岐部253は、λ/2板253aと、偏光ビームスプリッタ253bと、反射器253cとを含む。
【0156】
λ/2板253aは、発光部251が発した偏光を、円偏光に変換する。
【0157】
偏光ビームスプリッタ253bは、円偏光のs偏光(s波)又はp偏光(p波)のいずれかを反射し、残りを透過させる。
【0158】
反射器253cは、偏光ビームスプリッタ253bが反射した偏光の光路を変更する。
【0159】
円偏光においてs偏光とp偏光の割合は、50%である。そのため、光分岐部253は、発光部251が発した光を、光量が同じ2つの光路に分ける。
【0160】
このように、λ/2板253aと偏光ビームスプリッタ253bは、光を分ける光学部品の一例である。また、反射器253cは、光路の方向を変更する光学部品の一例である。
【0161】
なお、以下では、一例として、偏光ビームスプリッタ253bが透過した光の光路を、第1の光路401とし、反射した光の光路を、第2の光路402として説明する。
【0162】
集光部254は、反射器254aと偏光ビームスプリッタ254bとを含む。
【0163】
反射器254aは、第1の光路401の方向を、偏光ビームスプリッタ254bの方向に偏光する。
【0164】
偏光ビームスプリッタ254bは、反射器254aが反射した光(偏光)に対しては反射器として機能し、反射器253cからの光(偏光)を透過させるように、偏光面が設定されている。
【0165】
その結果、偏光ビームスプリッタ254bは、第1の光路401の光路を、受光部252の方向に変更する。また、偏光ビームスプリッタ254bは、第2の光路402の光を、受光部252に透過させる。
【0166】
このように、反射器244aは、光路の方向を変更する光学部品の一例である。また、偏光ビームスプリッタ254bは、光を集める光学部品の一例である。
【0167】
なお、集光部254は、反射器254aと偏光ビームスプリッタ254bとの位置を入れ替えても良い。この場合、反射器254aと偏光ビームスプリッタ254bの反射面の向きは、図16の反対となる。また、偏光ビームスプリッタ254bの偏光面の方向は、上記の反対となる。つまり、偏光ビームスプリッタ254bの偏光面は、第1の光路401を透過させ、第2の光路402を反射するように設定される。
【0168】
また、光分岐部253の構成は、図16に限らない。
【0169】
例えば、光分岐部253は、偏光ビームスプリッタ253bに替えて、入射光の50%を反射するビームスプリッタを含んでも良い。あるいは、光分岐部253は、発光部251が発する直線偏光の向きに対して、45度傾いた偏光の向きとなる偏光面を備えた偏光ビームスプリッタ253bを含んでも良い。この場合、光分岐部253は、λ/2板253aを含まなくても良い。
【0170】
また、発光部251が、円偏光を発する場合、光分岐部253は、λ/2板253aを含まなくても良い。
【0171】
受光部252は、光センサ20の受光部202と同様に動作する。
【0172】
本変形例の光センサ22ないし光センサ25を含む情報処理装置10は、光センサ20を含む情報処理装置10と同様の効果を得ることができる。
【0173】
その理由は、光センサ22ないし光センサ25が、光センサ20と同様の機能を実現するためである。
【0174】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について説明する。
【0175】
第2の実施形態の情報処理装置10は、光分岐部203が、少なくとも一部の光路の光量を、他の光路の光量と異なるように分ける。
【0176】
第1の実施形態との差異について、具体的な値を用いて説明する。
【0177】
例えば、第1の実施形態の光分岐部203は、光をほぼ半分に分ける。そのため、第1の実施形態の受光部202は、次に示す3つの場合の光量を受ける。
【0178】
[第1の実施形態の受光部202の場合(均等分割の場合)]
(1)受光部202が、2つの光路の光を受ける(100%)。
(2)受光部202が、1つの光路の光を受ける(約50%)。
(3)受光部202が、光を受けない(0%)。
【0179】
一方、本実施形態の光分岐部203は、2つの光路における光量を均等に分けず、2つの光路で異なる光量に分ける。そのため、本実施形態の受光部202は、次のように4つの場合の光量を受ける。ただし、以下の説明では、光分岐部203が、第1の光路401の光量を第2の光路402の光量より少なく(具体的には、1:2の比に)分けるとして説明する。
【0180】
[第2の実施形態の受光部202の場合(不均等分割の場合)]
(1)受光部202が、2つの光路の光を受ける(100%)。
(2)受光部202が、第1の光路401の光を受ける(約33%)。
(3)受光部202が、第2の光路402の光を受ける(約67%)。
(4)受光部202が、光を受けない(0%)。
【0181】
なお、本実施形態の光分岐部203は、第1の光路401の光量を多くしてもよい。その場合、以下の説明において、第1の光路401と第2の光路402とを入れ替えればよい。また、光分岐部203は、後ほど説明する判定部30が、上記の(2)と(3)との場合の区別できれば、光を分ける比率も、上記に限る必要はない。
【0182】
なお、その他の構成は、第1の実施形態と同様のため、構成の詳細な説明は省略する。例えば、本実施形態の情報処理装置10の判定部30は、図11に示すコンピュータを用いて実現しても良い。
【0183】
次に、第2の実施形態の情報処理装置10の動作について説明する。
【0184】
図17は、図9と同様に、物体80の位置に対応する、受光部202の出力状態(受光量)の一例を示す図である。
【0185】
なお、第1の光路401の光量は、第2の光路402の光量より少ない。つまり、物体80が第1の光路401を遮光した場合に受光部202が受ける光量は、物体80が第2の光路402を遮光した場合の光量に比べ、多くなる。そのため、図17の範囲2の出力は、範囲4の出力より高くなっている。
【0186】
判定部30は、図17に示す3つの閾値(図17の閾値1、閾値2及び閾値3)を保持し、閾値とデータとの比較を基に、物体80の位置を判定する。
【0187】
第1の光路401の光量と第2の光路402の光量とは、異なる。そのため、判定部30は、図17の範囲2と範囲4、つまり、図5の物体80の位置と図7の物体80の位置とを区別できる。
【0188】
そのため、例えば、情報処理装置10は、図6の状態の物体80が、図5に示す位置に移動したか、図7に示す位置に移動したかを判別できる。
【0189】
つまり、情報処理装置10は、光路の光量の違いを基に、物体80の移動方向を判定できる。
【0190】
本実施形態の効果について説明する。
【0191】
本実施形態の情報処理装置10は、第1の実施形態の情報処理装置10の効果に加え、物体80の移動方向を検出できる。
【0192】
その理由は、次のとおりである。
【0193】
本実施形態の光分岐部203は、第1の光路401と第2の光路402との異なる光量になるように、発光部201が発した光を分ける。
【0194】
そのため、判定部30は、物体80が第1の光路401を遮光した場合と、物体80が第2の光路402を遮光した場合とを判別できるためである。
【0195】
<第3の実施形態>
既に説明したおとおり、情報処理装置10は、光路の数を2つに限る必要はない。
【0196】
そこで、一例として、光路を3つとした場合の実施形態について説明する。
【0197】
図18は、第3の実施形態に係る情報処理装置12の構成の一例を示すブロック図である。
【0198】
情報処理装置12は、光センサ26と、判定部30とを含む。
【0199】
光センサ26は、発光部201と、受光部202と、光分岐部263と、集光部264とを含む。
【0200】
発光部201と受光部202は、第1の実施形態と同様のため、詳細な説明を省略する。
【0201】
光分岐部263は、反射器263aと、反射器263bと、反射器263cと、反射器264dと、間隙部263eとを含む。
【0202】
反射器263aと反射器263bと間隙部263eは、発光部201が発した光を、3つの光路に分ける。
【0203】
具体的には、光分岐部263は、次のように光を分ける。
【0204】
反射器263aは、1/3の光を第1の光路401に分ける。反射器263bは、1/3の光を第2の光路402に分ける。間隙部263eは、残りの光、つまり1/3の光を透過させ、第3の光路403とする。このように、反射器263aと反射器263bと間隙部263eは、発光部201が発した光を分ける光学部品の一例である。
【0205】
反射器263cは、第1の光路401の光の方向を変更する。反射器263dは、第2の光路402の光の方向を変更する。つまり、反射器263cと反射器263dは、光路の方向を変更する光学部品の一例である。
【0206】
また、集光部264は、反射器264aと、反射器264bと、反射器264cと、反射器264dと、間隙部264eとを含む。
【0207】
反射器264cは、第1の光路401の光の方向を、反射器264aの方向に変更する。反射器264dは、第2の光路402の光の方向を、反射器264bの方向に変更する。つまり、反射器264cと反射器264dは、光路を変更する光学部品の一例である。
【0208】
反射器264aは、第1の光路401の光の方向を、受光部202の方向に変更する。反射器264bは、第2の光路402の光の方向を、受光部202の方向に変更する。間隙部264eは、第3の光路403の光を、受光部202に透過させる。つまり、反射器264aと反射器264bと間隙部264eとは、光を集める光学部品の一例である。
【0209】
なお、光分岐部263は、間隙部263eを含まず、図示しない光学部品を用いて、光を分けても良い。同様に、集光部264は、間隙部264eを含まず、図示しない光学部品を用いて光を集めても良い。
【0210】
判定部30は、受光部202の出力状態(光量)の変化を基に、物体80の位置を判定する。
【0211】
図19は、第3の実施形態に係る受光部202の出力状態(受光量)の一例を示す図である。
【0212】
図19に示すように、受光部202は、物体80の位置に対応した出力状態(受光量)を、判定部30に出力する。
【0213】
図19に示す各範囲は、次のとおりの物体80の位置に対応する。
【0214】
範囲11は、物体80が、情報処理装置12の光路を遮光しない位置である。
【0215】
範囲12は、物体80が、情報処理装置12の1つの光路(第1の光路401)を遮光する位置である。
【0216】
範囲13は、物体80が、情報処理装置12の2つの光路(第1の光路401と第3の光路403)を遮光する位置である。
【0217】
範囲14は、物体80が、情報処理装置12の全ての光路を遮光する位置である。
【0218】
範囲15は、物体80が、情報処理装置12の第1の光路401の通過し、2つの光路(第3の光路403と第2の光路402)を遮光する位置である。
【0219】
範囲16は、物体80が、情報処理装置12の2つの光路(第1の光路401と第3の光路403)を通過し、1つの光路(第2の光路402)を遮光する位置である。
【0220】
範囲17は、物体80が、情報処理装置12の全ての光路を通過した位置である。
【0221】
判定部30は、図19に示すような受光部202の出力(光量)の変化を基に、物体80の位置を判定できる。
【0222】
なお、図19において、受光部202が、範囲12並びに範囲16、及び、範囲13並びに範囲15を概ね同じ値に光を分けるとして説明した。しかし、情報処理装置12は、これに限る必要はない。例えば、光分岐部263は、第1の光路401、第2の光路402、及び、第3の光路403の光量を異なる値に分けても良い。つまり、情報処理装置12は、範囲12並びに範囲16、及び、範囲13並びに範囲15の、いずれか、又は、両方を異なる値としても良い。
【0223】
このように、本実施形態は、第1の実施形態の効果に加え、物体80の位置をより詳細に判定できる効果を得ることができる。
【0224】
その理由は、次のとおりである。
【0225】
光分岐部263が、発光部201が発した光を、第1の実施形態の光分岐部203より多くの光路に分ける。そして、集光部264が、光路に分けられた光を、受光部202に集める。
【0226】
そのため、本実施形態の判定部30は、第1の実施形態の判定部30に比べ、物体80の位置に対応したより多くの出力状態(受光量)を受信できるためである。
【0227】
なお、図14及び図13を用いて説明した光分岐部233の反射器233aに反射されずに透過した光路は、本実施形態の間隙部263eの第3の光路403と同様に分けられているとも言える。したがって、第1の実施形態の光分岐部233は、光分岐部263と同様に、間隙部を備えているとも言える。
【0228】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成及び詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0229】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0230】
(付記1)
光を発する発光手段と、
前記光を複数の光路の光に分ける光分岐手段と、
前記光分岐手段と所定の距離だけ離れて配置され、前記複数の光路の光を集める集光手段と、
前記集光手段で集めた光を受ける受光手段と、
前記受光手段での受光量の変化を基に前記光分岐手段と前記集光手段との間の光路を遮光する物体の位置を判定する判定手段と
を含む情報処理装置。
【0231】
(付記2)
前記光分岐手段が
前記光を複数の光路に分ける光学部品と、光路の方向を変更する光学部品とを含み、
前記集光手段が、
光路の方向を変更する光学部品と、光を集める光学部品とを含む
付記1に記載の情報処理装置。
【0232】
(付記3)
前記光分岐手段又は前記集光手段の少なくとも一つが、一体に成形された光学部品である
付記1又は付記2に記載の情報処理装置。
【0233】
(付記4)
前記光分岐手段が分ける光路の少なくとも一部の光路の光量が、他の光路の光量と異なり、
前記判定手段が、光路の光量の違いに基づく前記受光手段での受光量の変化を基に前記物体の位置を判定する
付記1ないし付記3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【0234】
(付記5)
前記光分岐手段が含む前記光を複数の光路に分ける光学部品が
前記光の一部を透過する間隙部を含む
付記1ないし付記4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【0235】
(付記6)
前記発光手段が
偏光を発する
付記1ないし付記5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【0236】
(付記7)
前記光分岐手段が分けた光路の少なくとも一部の光路の方向が、他の光路の方向と異なる
付記1ないし付記6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【0237】
(付記8)
光を発し、
前記光を複数の光路の光を分け、
前記複数の光路の光を集め、
前記集めた光の光量を検出し、
前記集めた光の光量の変化を基に前記光路を遮光する物体の位置を判定する
位置検出方法。
【0238】
(付記9)
光を発する発光手段と、
前記光を複数の光路の光に分ける光分岐手段と、
前記光分岐手段と所定の距離だけ離れて配置され、前記複数の光路の光を集める集光手段と、
前記集めた光を受ける受光手段とを含む光センサに接続されるコンピュータに、
前記受光手段での受光量の変化を基に前記光分岐手段と前記集光手段との間の光路を遮光する物体の位置を判定させるプログラム。
【符号の説明】
【0239】
10 情報処理装置
12 情報処理装置
20 光センサ
21 光センサ
22 光センサ
23 光センサ
24 光センサ
25 光センサ
26 光センサ
30 判定部
60 判定装置
80 物体
90 情報処理装置
91 光センサ
92 光センサ
93 判定部
94 駆動部
201 発光部
202 受光部
203 光分岐部
203a 反射器
203b 反射器
203c 反射器
203d 反射器
204 集光部
204a 反射器
204b 反射器
204c 反射器
204d 反射器
213 光分岐部
213a 反射部
213b 反射部
213c 反射部
213d 反射部
214 集光部
214a 反射部
214b 反射部
214c 反射部
214d 反射部
223 光分岐部
223a 反射器
223b 反射器
224 集光部
224a 反射器
224b 反射器
233 光分岐部
233a 反射器
234 集光部
234a 反射器
244 集光部
244a 反射器
244b 反射器
251 発光部
252 受光部
253 光分岐部
253a λ/2板
253b 偏光ビームスプリッタ
253c 反射器
254 集光部
254a 反射器
254b 偏光ビームスプリッタ
263 光分岐部
263a 反射器
263b 反射器
263c 反射器
263d 反射器
263e 間隙部
264 集光部
264a 反射器
264b 反射器
264c 反射器
264d 反射器
264e 間隙部
310 電流電圧変換部
320 比較部
401 第1の光路
402 第2の光路
403 第3の光路
610 CPU
620 ROM
630 RAM
640 内部記憶部
650 IOC
660 入力機器
670 表示機器
680 IFC
700 記憶媒体
911 発光部
912 受光部
921 発光部
922 受光部
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
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図20