(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
燃焼バーナと、前記燃焼バーナからの燃焼排気ガスの熱を利用して水を加熱するための熱交換器と、前記熱交換器に加熱すべき水を供給するための給水流路と、前記熱交換器にて加熱された水を出湯するための出湯流路と、を備え、
前記熱交換器は、燃焼排気ガスの流れ方向上流側に配設された主熱交換器部と、燃焼排気ガスの流れ方向下流側に配設された副熱交換器部と、を有し、
前記副熱交換器に関連して、前記副熱交換器にて生じた凝縮水を捕集するためのドレンパンと、前記ドレンパンにより捕集された凝縮水を中和するための中和器と、前記中和器にて中和された凝縮水を貯めるドレンタンクと、前記ドレンタンクに貯まった中和凝縮水を排出するためのドレン流路と、前記ドレン流路に配設された排水ポンプと、前記排水ポンプを制御するための制御手段と、前記ドレンタンクに貯められた中和凝縮水の水位を検知するための水位検知手段とが設けられ、前記排水ポンプが排水運転されて前記ドレンタンクに貯まった中和凝縮水が前記ドレン流路を通して排水され、
前記制御手段は、前記水位検知手段の検知信号を利用して中和凝縮水の排水速度を演算する排水速度演算手段と、前記排水運転後の中和凝縮水の残水量及び前記排水速度演算手段による演算排水速度に基づいて追加排水時間を演算する追加排水時間演算手段と、を含んでおり、
前記制御手段は、前記排水運転後前記追加排水時間にわたって前記排水ポンプをパージ運転させて前記ドレンタンク内に残留する中和凝縮水を前記ドレン流路を通してパージすることを特徴とする給湯器。
燃焼バーナと、前記燃焼バーナからの燃焼排気ガスの熱を利用して水を加熱するための熱交換器と、前記熱交換器に加熱すべき水を供給するための給水流路と、前記熱交換器にて加熱された水を出湯するための出湯流路と、を備え、
前記熱交換器は、燃焼排気ガスの流れ方向上流側に配設された主熱交換器部と、燃焼排気ガスの流れ方向下流側に配設された副熱交換器部、を有し、
前記副熱交換器に関連して、前記副熱交換器にて生じた凝縮水を捕集するためのドレンパンと、前記ドレンパンにより捕集された凝縮水を中和するための中和器と、前記中和器にて中和された凝縮水を貯めるドレンタンクと、前記ドレンタンクに貯まった中和凝縮水を排出するためのドレン流路と、前記ドレン流路に配設された排水ポンプと、前記排水ポンプを制御するための制御手段と、前記ドレンタンクに貯められた中和凝縮水の水位を検知するための水位検知手段とが設けられ、前記排水ポンプが排水運転されて前記ドレンタンクに貯まった中和凝縮水が前記ドレン流路を通して排水され、
前記ドレンタンクに関連して、更に、前記ドレンタンクに給水するための給水流路が設けられ、前記給水流路に給水開閉弁が配設され、前記給水開閉弁が開状態になると、前記給水流路を通して前記ドレンタンクに給水され、
前記制御手段は、前記水位検知手段の検知信号を利用して中和凝縮水の排水速度を演算する排水速度演算手段と、前記排水運転後の中和凝縮水の残水量及び前記排水速度演算手段による演算排水速度に基づいて追加排水時間を演算する追加排水時間演算手段と、を含んでおり、
前記制御手段は、前記排水運転後前記追加排水時間にわたって前記排水ポンプをパージ運転させて前記ドレンタンクに残留する中和凝縮水を前記ドレン流路を通してパージすることを特徴とする給湯器。
前記水位検知手段は、前記ドレンタンク内の中和凝縮水の上限水位を検知する上限水位検知センサ及び前記ドレンタンク内の中和凝縮水の下限水位を検知する下限水位センサを有し、更に、前記制御手段は、前記排水ポンプの排水運転時間を計時する排水運転タイマ手段を含んでおり、
前記上限水位検知センサが凝縮水の前記上限水位を検知すると、前記制御手段は前記ドレンポンプを作動して前記排水運転を行い、その後前記下限水位検知センサが中和凝縮水の前記下限水位を検知すると、前記制御手段は前記排水ポンプの前記排水運転を終了し、前記排水運転タイマ手段は前記排水ポンプの前記排水運転時間を計時し、前記排水速度演算手段は、前記上限水位から前記下限水位までの中和凝縮水の体積量及び前記排水運転タイマ手段により計時された前記排水運転時間に基づいて前記排水速度を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の給湯器。
前記制御手段は、前記追加排水時間を記憶するためのメモリ手段を備え、前記追加排水時間演算手段により演算された前記追加排水時間が前記メモリ手段に記憶され、前記排水ポンプの前記パージ運転の運転時間として、前記メモリ手段に記憶された前記追加排出時間が用いられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の給湯器。
前記制御手段は、前回の前記排水ポンプの前記排水運転からの経過時間をカウントする排水間隔タイマ手段を含み、前記排水間隔タイマ手段が所定排水間隔時間を計時すると、前記制御手段は、前記排水ポンプを作動させて前記排水運転及び前記パージ運転を行うことを特徴とする請求項1、3及び4のいずれかに記載の給湯器。
前記制御手段に関連して、凝縮水の排水を行うための排水操作部が設けられており、前記排水操作部を排水操作すると、前記制御手段は、前記排水運転ポンプを作動させて前記排水運転及び前記パージ運転を行うことを特徴とする請求項1、3、4及び5のいずれかに記載の給湯器。
前記給水流路には、前記給水路を通して給水される流量を検知するための流量検知手段が設けられ、前記制御手段は、前記排水運転中又は前記排水運転後に前記給水開閉弁を開状態にして前記ドレンタンク内に所定量の給水を行った後に前記給水開閉弁を閉状態にし、作動中の前記排水ポンプにより又は前記排水ポンプを作動させて前記排水運転及び前記パージ運転を行うことを特徴とする請求項2に記載の給湯器。
前記制御手段は、前回の前記排水ポンプの前記排水運転からの経過時間をカウントする排水間隔タイマ手段を含み、前記排水間隔タイマ手段が前記所定排水間隔時間を計時すると、前記制御手段は前記給水開閉弁を開状態にして前記ドレンタンク内への給水が行われ、その後、前記制御手段は、前記排水ポンプを作動させて前記排水運転及び前記パージ運転を行うことを特徴とする請求項2又は7に記載の給湯器。
前記制御手段に関連して、凝縮水の排水を行うための排水操作部が設けられており、前記排水操作部を排水操作すると、前記制御手段は、前記給水開閉弁を開状態にして前記給水流路を通して前記ドレンタンク内に給水を行い、その後前記排水ポンプを作動させて前記排水運転及び前記パージ運転を行うことを特徴とする請求項2、7及び8のいずれかに記載の給湯器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような給湯器では、パージ運転の初期においては、ドレンタンク及びこのドレンタンクから排水ポンプまでの間に残留する中和残留水が排水されるが、パージ運転終期においては、残留水がなくなってドレンタンク内の空気が排水ポンプに送給され、この空気の流れとともに残留する中和凝縮水がパージされる。
【0007】
しかし、排水ポンプとしてキャンドモーターポンプ(中和残留水の如き搬送媒体により軸受の潤滑を保つ形態のポンプ)などを利用する場合、中和残留水がなくなって空気が送られるようになると、排水ポンプが空運転状態となり、軸受の焼付けによるポンプの固着故障が生じるおそれがある。
【0008】
本発明の目的は、排水ポンプへの空気の送給を抑えながら残留中和凝縮水を確実にパージすることができる給湯器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1に記載の給湯器は、燃焼バーナと、前記燃焼バーナからの燃焼排気ガスの熱を利用して水を加熱するための熱交換器と、前記熱交換器に加熱すべき水を供給するための給水流路と、前記熱交換器にて加熱された水を出湯するための出湯流路と、を備え、
前記熱交換器は、燃焼排気ガスの流れ方向上流側に配設された主熱交換器部と、燃焼排気ガスの流れ方向下流側に配設された副熱交換器部と、を有し、
前記副熱交換器に関連して、前記副熱交換器にて生じた凝縮水を捕集するためのドレンパンと、前記ドレンパンにより捕集された凝縮水を中和するための中和器と、前記中和器にて中和された凝縮水を貯めるドレンタンクと、前記ドレンタンクに貯まった中和凝縮水を排出するためのドレン流路と、前記ドレン流路に配設された排水ポンプと、前記排水ポンプを制御するための制御手段と、前記ドレンタンクに貯められた中和凝縮水の水位を検知するための水位検知手段とが設けられ、前記排水ポンプが排水運転されて前記ドレンタンクに貯まった中和凝縮水が前記ドレン流路を通して排水され、
前記制御手段は、前記水位検知手段の検知信号を利用して中和凝縮水の排水速度を演算する排水速度演算手段と、前記排水運転後の中和凝縮水の残水量及び前記排水速度演算手段による演算排水速度に基づいて追加排水時間を演算する追加排水時間演算手段と、を含んでおり、
前記制御手段は、前記排水運転後前記追加排水時間にわたって前記排水ポンプをパージ運転させて前記ドレンタンク内に残留する中和凝縮水を前記ドレン流路を通してパージすることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項2に記載の給湯器では、燃焼バーナと、前記燃焼バーナからの燃焼排気ガスの熱を利用して水を加熱するための熱交換器と、前記熱交換器に加熱すべき水を供給するための給水流路と、前記熱交換器にて加熱された水を出湯するための出湯流路と、を備え、
前記熱交換器は、燃焼排気ガスの流れ方向上流側に配設された主熱交換器部と、燃焼排気ガスの流れ方向下流側に配設された副熱交換器部、を有し、
前記副熱交換器に関連して、前記副熱交換器にて生じた凝縮水を捕集するためのドレンパンと、前記ドレンパンにより捕集された凝縮水を中和するための中和器と、前記中和器にて中和された凝縮水を貯めるドレンタンクと、前記ドレンタンクに貯まった中和凝縮水を排出するためのドレン流路と、前記ドレン流路に配設された排水ポンプと、前記排水ポンプを制御するための制御手段と、前記ドレンタンクに貯められた中和凝縮水の水位を検知するための水位検知手段とが設けられ、前記排水ポンプが排水運転されて前記ドレンタンクに貯まった中和凝縮水が前記ドレン流路を通して排水され、
前記ドレンタンクに関連して、更に、前記ドレンタンクに給水するための給水流路が設けられ、前記給水流路に給水開閉弁が配設され、前記給水開閉弁が開状態になると、前記給水流路を通して前記ドレンタンクに給水され、
前記制御手段は、前記水位検知手段の検知信号を利用して中和凝縮水の排水速度を演算する排水速度演算手段と、前記排水運転後の中和凝縮水の残水量及び前記排水速度演算手段による演算排水速度に基づいて追加排水時間を演算する追加排水時間演算手段と、を含んでおり、
前記制御手段は、前記排水運転後前記追加排水時間にわたって前記排水ポンプをパージ運転させて前記ドレンタンクに残留する中和凝縮水を前記ドレン流路を通してパージすることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項3に記載の給湯器では、前記水位検知手段は、前記ドレンタンク内の中和凝縮水の上限水位を検知する上限水位検知センサ及び前記ドレンタンク内の中和凝縮水の下限水位を検知する下限水位センサを有し、更に、前記制御手段は、前記排水ポンプの排水運転時間を計時する排水運転タイマ手段を含んでおり、
前記上限水位検知センサが凝縮水の前記上限水位を検知すると、前記制御手段は前記ドレンポンプを作動して前記排水運転を行い、その後前記下限水位検知センサが中和凝縮水の前記下限水位を検知すると、前記制御手段は前記排水ポンプの前記排水運転を終了し、前記排水運転タイマ手段は前記排水ポンプの前記排水運転時間を計時し、前記排水速度演算手段は、前記上限水位から前記下限水位までの中和凝縮水の容積量及び前記排水運転タイマ手段により計時された前記排水運転時間に基づいて前記排水速度を算出することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項4に記載の給湯器では、前記制御手段は、前記追加排水時間を記憶するためのメモリ手段を備え、前記追加排水時間演算手段により演算された前記追加排水時間が前記メモリ手段に記憶され、前記排水ポンプの前記パージ運転の運転時間として、前記メモリ手段に記憶された前記追加排出時間が用いられることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項5に記載の給湯器では、前記制御手段は、前回の前記排水ポンプの前記排水運転からの経過時間をカウントする排水間隔タイマ手段を含み、前記排水間隔タイマ手段が所定排水間隔時間を計時すると、前記制御手段は、前記排水ポンプを作動させて前記排水運転及び前記パージ運転を行うことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項6に記載の給湯器では、前記制御手段に関連して、凝縮水の排水を行うための排水操作部が設けられており、前記排水操作部を排水操作すると、前記制御手段は、前記排水運転ポンプを作動させて前記排水運転及び前記パージ運転を行うことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項7に記載の給湯器では、前記給水流路には、前記給水路を通して給水される流量を検知するための流量検知手段が設けられ、前記制御手段は、前記排水運転中又は前記排水運転後に前記給水開閉弁を開状態にして前記ドレンタンク内に所定量の給水を行った後に前記給水開閉弁を閉状態にし、作動中の前記排水ポンプにより又は前記排水ポンプを作動させて前記排水運転及び前記パージ運転を行うことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項8に記載の給湯器では、前記制御手段は、前回の前記排水ポンプの前記排水運転からの経過時間をカウントする排水間隔タイマ手段を含み、前記排水間隔タイマ手段が前記所定排水間隔時間を計時すると、前記制御手段は前記給水開閉弁を開状態にして前記ドレンタンク内への給水が行われ、その後、前記制御手段は、前記排水ポンプを作動させて前記排水運転及び前記パージ運転を行うことを特徴とする。
【0017】
更に、本発明の請求項9に記載の給湯器では、前記制御手段に関連して、凝縮水の排水を行うための排水操作部が設けられており、前記排水操作部を排水操作すると、前記制御手段は、前記給水開閉弁を開状態にして前記給水流路を通して前記ドレンタンク内に給水を行い、その後前記排水ポンプを作動させて前記排水運転及び前記パージ運転を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
0 本発明の請求項1に記載の給湯器によれば、熱交換器は、燃焼排気ガスの流れ方向上流側に配設された主熱交換器部と、燃焼排気ガスの流れ方向下流側に配設された副熱交換器部と、を有し、この副熱交換器に関連して、凝縮水を捕集するためのドレンパンと、ドレンパンにより捕集された凝縮水を中和するための中和器と、中和器にて中和された凝縮水を貯めるドレンタンクと、ドレンタンクに貯まった中和凝縮水を排出するためのドレン流路と、ドレン流路に配設された排水ポンプと、を備えているので、ドレンパンに捕集された凝縮水は中和器にて中和された後にドレンタンクに貯められ、この貯まった中和凝縮水が排水ポンプの作用によってドレン流路を通して排水される。また、排水ポンプを制御するための制御手段は、水位検知手段の検知信号を利用して中和凝縮水の排水速度を演算する排水速度演算手段と、この排水速度及び中和凝縮水の残水量を用いて排水運転後の追加排水時間を演算する追加排水時間演算手段と、を含んでいるので、追加排水時間を正確に演算することができる。従って、排水運転後この追加排水時間にわたって排水ポンプをパージ運転させることにより、ドレンタンクなどに残留する中和凝縮水を実質上全部パージすることができる。また、このパージ運転においては、排水ポンプが空回りすることがなく、この排水ポンプの固着(即ち、軸受の焼付き)による故障を防止することができる。尚、中和凝縮水の残水量とは、ドレンタンク内に残留する残留量とこのドレンタンクから排水ポンプまでの間の流路に残留する残留量とを加えた量である。
【0019】
また、本発明の請求項2に記載の給湯器によれば、請求項1の給湯器の構成に加えて、中和凝縮水を貯めるドレンタンクに関連して、このドレンタンクに給水するための給水流路が設けられ、給水流路に給水開閉弁が配設されているので、給水開閉弁を開状態にすることによって、ドレンタンクに給水して中和凝縮水の濃度を薄めて洗浄することができる。また、排水ポンプを制御するための制御手段は、水位検知手段の検知信号を利用して中和凝縮水の排水速度を演算する排水速度演算手段と、この排水速度を用いて排水運転後の追加排水時間を演算する追加排水時間演算手段と、を含んでいるので、追加排水時間を正確に演算することができる。従って、排水運転後この追加排水時間にわたって排水ポンプをパージ運転させることにより、ドレンタンクなどに残留する中和凝縮水を実質上全部パージすることができる。
【0020】
また、本発明の請求項3に記載の給湯器によれば、ドレンタンク内の水位を検知するための水位検知手段は、中和凝縮水の上限水位を検知する上限水位検知センサ及び中和凝縮水の下限水位を検知する下限水位センサを有し、排水速度演算手段は、上限水位から下限水位までの容積量と排水運転タイマにより計時した排水運転時間に基づいて排水速度を演算するので、給湯器設置場所の配管施工により排水抵抗が異なる場合でも中和凝縮水の排水速度を正確に算出することでき、この排水速度を利用することによってパージ運転を行う追加排水時間を正確に演算することができる。また、この排水速度の演算は、上限水位検知センサ及び下限水位検知センサからの検知信号を用いて行うので、専用の検知センサを設けることなく行うことができる。
【0021】
また、本発明の請求項4に記載の給湯器によれば、追加排水時間演算手段により演算された追加排水時間がメモリ手段に記憶され、排水ポンプのパージ運転の運転時間として、メモリ手段に記憶された追加排出時間が用いられるので、追加排水時間の演算後におけるパージ運転の制御を簡単に行うことができる。
【0022】
また、本発明の請求項5に記載の給湯器によれば、排水間隔タイマ手段が所定排水間隔時間(例えば、30日程度)を計時すると、制御手段は、排水ポンプを作動させて排水運転及びパージ運転を行うので、中和凝縮水がドレンタンク内に長期にわたって貯まった状態となるのを防ぎ、これによって、排水ポンプの固着故障に至り易い条件を回避することができる。
【0023】
また、本発明の請求項6に記載の給湯器によれば、制御手段に関連して排水操作部が設けられているので、この排水操作部を任意のタイミングで排水操作することによって、排水運転ポンプを作動させて排水運転及びパージ運転を行うことができる。例えば、試運転や電源を抜く前などにおいて排水操作部を操作してドレンタンク内の中和凝縮水を排水することができる。
【0024】
また、本発明の請求項7に記載の給湯器によれば、給水路に流量検知手段が設けられ、排水運転中(排水運転開始時又は開始後)又は排水運転後に給水開閉弁を開状態にしてドレンタンク内に所定量の給水を行うので、ドレンタンク内の中和凝縮水の濃度が下がり、この濃度が下がった中和凝縮水が排水されるようになり、従って、この排水される凝縮水で排水ポンプを洗浄することができる。尚、排水運転中に給水する場合、排水ポンプを止めることなく洗浄を行うことができ、中和凝縮水の排水、洗浄を短時間で行うことができる。また、排水運転後に給水を行う場合、ドレンタンク内の中和凝縮水の濃度が大きく下がり、排水ポンプをよりきれいに洗浄することができる。
【0025】
また、本発明の請求項8に記載の給湯器によれば、排水間隔タイマ手段が所定排水間隔時間(例えば、30日程度)を計時すると、制御手段は給水開閉弁を開状態にしてドレンタンク内への給水を行うので、ドレンタンク内を洗浄することができる。また、この給水の後、制御手段は排水ポンプを作動させて排水運転及びパージ運転を行うので、ドレンタンク内に中和凝縮水が長期にわたって貯まった状態となるのを防止することができる。
【0026】
更に、本発明の請求項9に記載の給湯器によれば、制御手段に関連して排水操作部が設けられ、この排水操作部を任意のタイミングで排水操作すると、給水開閉弁が開状態になってドレンタンク内に給水が行われるので、ドレンタンクの洗浄を行うことができる。また、この給水の後に、排水ポンプが作動して排水運転及びパージ運転が行われるので、ドレンタンク内の中和凝縮水を排水することができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う給湯器の実施形態について説明する。
図1において、図示の給湯器2は給湯本体4を備え、この給湯本体4内に燃焼室6が配設され、この燃焼室6の上端部に横方向(
図1において左方)に延びる排気流路8が設けられている。燃焼室6の下部には燃焼バーナ10が配設され、この燃焼バーナ10にはガス供給流路12が接続され、このガス供給流路12にガス開閉弁14が設けられている。ガス開閉弁14が開状態になると、ガス供給流路12を通して燃料用ガスが燃焼バーナ10に供給され、燃焼バーナ10の燃焼により生成された燃焼排気ガスは燃焼室6内を上方に流れ、排気流路8を通して外部に排出される。
【0029】
燃焼室6内の燃焼バーナ10の上方には熱交換器16及びドレンパン18が配設されている。ドレンパン18はプレート状であり、熱交換器16の上下方向中間部に配置され、熱交換器16は、このドレンパン18の下側(燃焼バーナ10側)に位置する主熱交換器部20(顕熱熱交換器部)と、ドレンパン18の上側(燃焼バーナ10と反対側)に位置する副熱交換器部22(潜熱熱交換器部)とから構成されている。熱交換器16の流入側、この実施形態では副熱交換器部22の上流側端部に、例えば給水パイプから構成される給水流路24が接続されている。また、熱交換器16の流出側、この実施形態では主熱交換器部20の下流側端部に、例えば出湯パイプから構成される出湯流路28が接続され、この出湯流路28に出湯開閉弁26が配設されている。また、給水流路24と出湯流路28との間にバイパス流路30が接続され、このバイパス流路30と出湯流路28との接続部に分配弁31が配設されている。出湯開閉弁26が開放されると、水道管などからの水が給水流路24を通して熱交換器16に供給される。水が熱交換器16を通して流れる間に、副熱交換器部22においては、燃焼排気ガスとの熱交換によりその潜熱が吸収され、また主熱交換器部20においては、燃焼排気ガスとの熱交換によりその顕熱が吸収され、このような熱交換により加温されて温水となり、この温水が出湯流路28を通して流れる。分配弁31は、出湯流路28を流れる温水とバイパス流路30を流れる水とを混合して所望温度の温水を生成し、かく温度調整された温水が出湯流路28を通し例えば浴槽78(
図1)などに送給される。
【0030】
ドレンパン18には、凝縮水を中和器32に導くための捕集流路34が接続され、副熱交換器部22にて凝縮した凝縮水は、ドレンパン18に流下して捕集された後に捕集流路34を通して中和器32に送給される。この中和器32にて中和された中和凝縮水は、ドレン水として送給流路36を通して排水ユニット38に流れ、この排水ユニット38から後述する如くドレン流路40を通して排水される。
【0031】
この実施形態では、中和器32と排水ユニット38とを別個に構成し、中和器32については給湯本体4内に内蔵し、排水ユニット38については給湯本体4の外部に設けているが、この中和器32及び排水ユニット38を例えば中和ユニットとして一体的に構成し、この中和ユニットを給湯本体4に内蔵するようにしてもよい。
【0032】
次に、主として
図2を参照して、この給湯本体4に設けられる中和器32及び排水ユニット38について説明する。中和器32は中和ハウジング42を備え、この中和ハウジング42内が中間仕切り壁44によって第1及び第2中和室46,48に仕切られている。第1及び第2中和室46,48内には、凝縮水を中和するための中和剤(例えば、炭化カルシウムなど)(図示せず)が充填され、それらの底部が連通開口50を通して連通されている。また、排水ユニット38は、ドレン水を貯めるドレンタンク52を備え、このドレンタンク52内の貯め空間54に中和凝縮水が収容される。
【0033】
中和器32の流入部には捕集流路34が接続され、ドレンパン18からの凝縮水は、捕集流路34を通して中和ハウジング42の第1中和室46に送給される。また、中和ハウジング42の第2中和室48には送給流路36の一端側が接続され、その他端側はドレンタンク52に接続され、中和器32の第1及び第2中和室46,48を通して流れる間に中和された凝縮水は、送給流路36を通してドレンタンク52の貯め空間54に貯められる。
【0034】
ドレン流路40はドレンタンク52の排出部に接続され、貯め空間54内の中和凝縮水(本明細書では、「ドレン水」とも称する)は、ドレン流路40を通して排水される。このドレン流路40には排水ポンプ56が配設され、この排水ポンプ56によって、ドレンタンク52内に貯まった中和凝縮水(即ち、ドレン水)が排水される。
【0035】
この実施形態では、凝縮水の水位を検知するための水位検知手段60がドレンタンク52内に設けられている。図示の水位検知手段60は、下限水位を検知するための下限水位検知センサ62と、上限水位を検知するための上限水位検知センサ64とから構成されている。下限水位検知センサ62は、ドレンタンク52内の下限水位、即ち中和凝縮水を排水したことを検知するためのものであり、貯め空間54の底部まで延びるグランド電極68及び低レベル検知電極70から構成される。また、上限水位検知センサ64は、ドレンタンク52の上限水位、即ち中和凝縮水が貯まったことを検知するためのものであり、貯め空間54の上端部に設けられた高レベル検知電極72及び上記グランド電極68から構成される。
【0036】
ドレンタンク52内の中和凝縮水の水位の上昇によって、高レベル検知電極72が中和凝縮水を検知すると、上限水位検知センサ64は、ドレンタンク52内に中和凝縮水が溜まったことを検知する。また、ドレンタンク52内の中和凝縮水の水位の低下によって、低レベル検知電極70が中和凝縮水を検知しなくなると、下限水位検知センサ62は、ドレンタンク52に貯まった中和凝縮水が排水されたことを検知する。
【0037】
この形態では、
図1に示すように、給湯本体4は屋外に配設され、例えば集合住宅の外壁74などに取り付けられ、給湯本体4からのドレン流路40(ドレン配管)は、例えば、外壁74及び浴室壁76を貫通して浴槽78の排水口80付近まで延びており、ドレンタンク52からの中和凝縮水は、ドレン流路40を通して排水口80から排水される。
【0038】
この給湯器2は、
図3に示す制御系によって制御される。給湯器2を制御する制御系は、例えばマイクロプロセッサから構成される制御手段82を備え、この制御手段82は、作動制御手段84、排水速度演算手段86、追加排水時間演算手段88、排水運転タイマ手段90、パージ運転タイマ手段92及び排水間隔タイマ手段94を含んでいる。作動制御手段84は、燃焼バーナ10、ガス開閉弁14、出湯開閉弁26及び分配弁31を上述したように作動制御するとともに、排水ポンプ56を後述する如く作動制御する。排水速度演算手段86は、後述する如くして中和凝縮水(ドレン水)の排水速度を演算し、追加排水時間演算手段88は、後述する如くして追加排水時間を演算する。また、排水運転タイマ手段90は、排水ポンプ56の排水運転の時間を計時し、パージ運転タイマ手段92は、排水ポンプ56のパージ運転の時間を計時し、排水間隔タイマ手段94は、前回の排水ポンプの排水運転(即ち、ドレン水の排水動作)からの経過時間を計時する。
【0039】
この制御手段82は、更に、各種データを登録するための第1メモリ手段96(固定メモリ手段)と、各種データを記憶するための第2メモリ手段98(更新メモリ手段)を含んでいる。第1メモリ手段96には、排水体積(即ち、上限水位検知センサ64が検知する上限水位から下限水位検知センサ62が検知する下限水位までのドレン水の容積量)に関するデータ、及び残留体積(即ち、排水運転後にドレンタンク52の底部に残留するドレン水及びこのドレンタンク52から排水ポンプ56までの間の流路部に残留するドレン水の容積量)に関するデータなどが登録される。また、第2メモリ手段98には、排水運転時間データ、追加排水時間データ及び排水間隔時間データなどが記憶される。
【0040】
また、この制御手段82に関連して、排水操作部100が設けられ、この排水操作部100に排水スイッチ102が設けられている。この排水スイッチ102は、ドレンタンク52内の中和凝縮水を強制的に排水するときに手動操作される。水位検知手段60及び排水操作部100からの信号は制御手段82に送給され、これら信号に基づいて次の通りに制御される。
【0041】
次に、上述した制御系による制御について説明する。主として
図2〜
図4を参照して、ドレンタンク52が中和凝縮水(ドレン水)により満水になったときの制御、即ち第1排水動作の流れについて説明する。ドレンタンク52内の中和凝縮水は、水位検知手段60(上限水位検知センサ64及び下限水位検知センサ62)により検知される(ステップS1)。ドレンパン18からの凝縮水が捕集流路34を通して中和器32に流入すると、この中和器32にて中和された後に送給流路36を通してドレンタンク52に流入する。この中和凝縮水の流入により水位が上昇して上限水位まで達すると、上限水位検知センサ64がこの上限水位を検知し、ステップS2からステップS3に進み、この上限水位検知センサ64からの信号に基づいて排水ポンプ56の排水運転が開始される。即ち、作動制御手段84が排水ポンプ56を作動し(ステップS4)、この排水ポンプ56の作用によってドレンタンク52内の中和凝縮水がドレン流路40を通して排水される。また、この排水運転が開始されると、排水運転タイマ手段90の計時が開始される(ステップS5)。
【0042】
そして、中和凝縮水の排水によりその水位が下がって下限水位まで低下すると、下限水位検知センサ62がこの下限水位を検知し、ステップS6からステップS7に進む。かくすると、排水ポンプ56が作動停止し、排水運転タイマ手段90が計時を終了し(ステップS8)、計時された排水運転時間データが第2メモリ手段98に記憶され、その後排水運転タイマ手段90がリセットされて排水ポンプ56の排水運転が終了する(ステップS9)。
【0043】
このように排水運転が終了すると、追加排水時間の演算が行われる(ステップS10)。排水速度演算手段86は、ドレンタンク52の上限水位から下限水位までの容積W1(即ち、上限水位から下限水位までの中和凝縮水の容積量)と排水運転タイマ手段90の計時時間T1(即ち、排水運転時間)に基づいて排水速度S(S=W1/T1)を演算し、このように演算することにより、現場の配管施工により排水抵抗が異なる場合でも中和凝縮水の排水速度を正確に算出することできる。この容積W1(即ち、排水運転における排水体積データ)については、設計段階で予め判っていて第1メモリ手段96に登録されているので、この第1メモリ手段96に登録されたデータが用いられ、また排水運転時間データについては、第2メモリ手段98に記憶されているので、この第2メモリ手段98に記憶されたデータが用いられる。
【0044】
次いで、この排水速度Sを用いて追加排水時間の演算が行われる(ステップS11)。追加排水時間演算手段88は、ドレンタンク52の中和残留水の残水量W2(具体的には、ドレンタンク52の底部に残留する量とドレンタンク52から排水ポンプ56までの間のドレン流路40に残留する量との合計残留量)と排水速度演算手段86により演算された排水速度Sに基づいて追加排水時間T2(T2=W2/S)を演算し、演算された追加排水時間データが第2メモリ手段98に記憶される。
【0045】
このように追加排水時間が演算されると、排水ポンプ56の追加排水運転が行われる(ステップS12)。即ち、排水ポンプ56が作動されてドレンタンク52に残留する中和凝縮水の排水が行われ(ステップS13)、この排水の開始とともにパージ運転タイマ手段92が計時を開始する(ステップS14)。そして、このパージ運転タイマ手段92がタイムアップすると、ステップS15からステップS16に進み、排水ポンプ56が作動停止し、パージ運転タイマ手段92がリセットされる(ステップS17)。かくすると、ドレンタンク52の残留水の排水が終わって追加排水運転、即ちパージ運転が終了し(ステップS18)、中和凝縮水の排水が終了し(ステップS19)、その後ステップS1に戻って、ドレンタンク52における中和凝縮水の水位検知が再開されて上述した動作が繰り返し遂行される。このように追加排水時間にわたって排水ポンプ56をパージ運転することにより、ドレンタンク52の中和凝縮水の残留量を確実にパージすることができ、またこのパージ運転の際に排水ポンプ56が空転状態となること(中和凝縮水がない状態で回転すること)もない。
【0046】
尚、この実施形態の制御の流れでは、ステップS1〜ステップS19が繰返し遂行されるので、排水ポンプ56の排水運転毎に排水速度及び追加排水時間の演算が行われるが、必ずしもこのように構成する必要はなく、追加排水時間演算手段88により追加排水時間が演算され、この追加排水時間が第2メモリ手段98に記憶された後は、追加排水演算時間として、第2メモリ手段98に登録された追加排水時間を用いるようにしてもよく、このように構成した場合、ステップS10及びステップS11が省略され、その制御を簡単にすることができる。
【0047】
また、この制御系では、排水間隔タイマ手段94が所定排水時間間隔(例えば、20〜40日程度であって、例えば30日に設定される)を計時する、或いは排水スイッチ102を手動操作すると、次のようにして第2排水動作が遂行される。
【0048】
主として
図2、
図3及び
図5を参照して、上述したようにして中和凝縮水の排水が終了すると、ステップS21からステップS22に進み、排水間隔タイマ手段94が計時を開始し、この計時中に排水スイッチ102を操作すると、ステップS23からステップS24を経て
図4のステップS3に移り、上述したようにして排水ポンプ56の排水運転及びパージ運転が行われる。このように、排水スイッチ102を排水操作することによって、ドレンタンク52内の中和凝縮水を強制的に排水することができる。尚、このときのパージ運転における追加運転時間については、第2メモリ手段98に登録された追加排水時間データが用いられる。
【0049】
また、排水間隔タイマ手段94が所定排水時間間隔を計時するまでは、ステップS23及びステップS24が繰り返し遂行される。そして、この排水間隔タイマ手段94が排水時間間隔を計時してタイムアップすると、ステップS23からステップS25に進み、この排水間隔タイマ手段94がリセットされた後に
図4のステップS3に移り、排水スイッチ102を操作したときと同様に、排水ポンプ56の排水運転及びパージ運転が行われる。このように前回の中和凝縮水の排水から所定排水時間間隔を経過した時点でドレンタンク52内の中和凝縮水を排水するので、このドレンタンク52内に中和凝縮水が長期にわたって溜まった状態になるのを防止することができる。
【0050】
次に、
図6〜
図10を参照して、給湯器の第2の実施形態について説明する。尚、第2の実施形態では、上述した第1の実施形態と相違している構成について説明する。尚、この第2の実施形態において、上述の第1の実施形態と実質上同一の構成については同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
【0051】
図6及び
図7において、この第2の実施形態においては、ドレンタンク52に関連して、このドレンタンク52に給水するための給水流路112が設けられ、この給水流路112に給水開閉弁114が配設されている。従って、給水開閉弁114が開状態になると、給水流路112を通して水がドレンタンク52に供給される。
【0052】
また、このことに関連して、制御手段82Aは、中和凝縮水判定手段116を含んでいる。この中和凝縮水判定手段116は、ドレンタンク52の上限水位が中和凝縮水によるものかを判定するものであり、給水開閉弁114が閉状態のときに上限水位に達すると中和凝縮水による上限水位と判定し、また給水開閉弁114が開状態のときに上限水位に達すると中和凝縮水でないと判定する。この第2の実施形態の給湯器のその他の構成は、上述した第1の実施形態と実質上同一である。
【0053】
次に、第2の実施形態における制御系による制御について説明する。
図6〜
図9、主として
図7〜
図9を参照して、ドレンタンク52が中和凝縮水(ドレン水)により満水になったときの制御、即ち第1排水動作の流れについて説明する。ドレンタンク52内の中和凝縮水は、水位検知手段60(上限水位検知センサ64及び下限水位検知センサ62)により検知される(ステップS31)。そして、上限水位検知センサ64がこの上限水位を検知すると、ステップS32からステップS33に進み、この上限水位が中和凝縮水によるものかの判定が行われる。即ち、中和凝縮水判定手段116は、給水開閉弁114が閉状態に保持されているので中和凝縮水による上限水位と判定し、ステップS34に進んで排水ポンプ56による排水運転が行われる。この排水運転並びにその後の排水速度及び追加排水時間の演算の流れ、即ちステップS34〜ステップSS42の動作は、第1の実施形態におけるステップS3〜ステップS11の動作と実質上同一であり、このようにして追加排水時間演算手段88により演算された追加排水時間は、追加排水時間データとして第2メモリ手段98に登録される(ステップS43)。
【0054】
このようにして排水ポンプ56による排水運転が終了すると、次いで、給水流路112を通しての給水が開始される(ステップS44)。給水開閉弁114が開放され(ステップS45)、給水流路114を通して水がドレンタンク52に送給され、ステップS32に戻る。そして、給水によって上限水位検知センサ64が上限水位を検知すると、中和凝縮水判定手段116は、この上限水位は中和凝縮水によるものかを再度判定する(ステップS33)。この場合、給水開閉弁114が開放された状態で上限水位に達したので、中和凝縮水判定手段116は中和凝縮水による上限水位でない(換言すると、給水による上限水位である)と判定し、ステップS32からステップS33を経てステップS46に進む(
図9参照)。かくすると、給水開閉弁114が閉状態となり、ドレンタンク52への給水が終了する(ステップ47)。
【0055】
ドレンタンク52への給水が終了すると、次に、排水ポンプ56の排水運転が再開され、給水された水の排水が行われる。即ち、排水ポンプ56が作動してドレンタンク52内の水の排水が行われ(ステップS49)、その水位が下限水位まで低下すると、ステップS50からステップS51に進んで排水ポンプ56が作動停止し、排水運転が終了する(ステップS52)。この給水後においては、追加排水時間データについては、追加排水時間演算手段88により演算されて第2メモリ手段98に登録されており、それ故に、その後においては登録された追加排水時間データが用いられるために再演算されず、そのための動作(即ち、排水運転タイマ手段90の作動、排水速度演算手段86による排水速度の演算、追加排水時間演算手段88による追加排水時間の演算など)については省略される。
【0056】
そして、この排水運転の後に、排水ポンプ56の追加排水運転が開始される(ステップS53)。この追加排水運転の開始に際し、第2メモリ手段98に登録された追加排水時間データの読出しが行われ(ステップS54)、読み出された追加排水時間の間にわって排水ポンプ56のパージ運転が行われる。即ち、排水ポンプ56が作動されてドレンタンク52内に残留する残留水が排水され、この排水が追加排水時間にわたって行われ、このような追加排水運転(パージ運転)の流れ、即ちステップS55〜ステップS61の動作は、第1の実施形態におけるステップS7〜ステップS19の動作と実質上同一である。
【0057】
この第2の実施形態では、上述した作用効果に加えて、中和凝縮水の排水の後にドレンタンク52に水が送給されるので、給水された水よってドレンタンク52内がきれいに洗浄され、またこの洗浄液もドレンタンク52に残ることがないようにパージされるので、ドレンタンク52内を非常にきれいな状態に保つことができる。
【0058】
次いで、主として
図7、
図8及び
図10を参照して、排水間隔タイマ手段94が所定排水時間間隔(例えば、20〜30日程度に設定される)を計時する、或いは排水スイッチ102を手動操作したときの制御、即ち第2排水動作の流れについて説明する。
【0059】
上述したようにして中和凝縮水の排水が終了すると、ステップS71からステップS72に進み、排水間隔タイマ手段94が計時を開始し、この計時中に排水スイッチ102を操作すると、ステップS73からステップS74を経てステップS75に進む。また、排水間隔タイマ手段94が所定排水時間間隔を計時するまでは、ステップS73及びステップS74が繰り返し遂行される。そして、この排水間隔タイマ手段94が排水時間間隔を計時してタイムアップすると、ステップS73からステップS76に進み、この排水間隔タイマ手段94がリセットされた後にステップS75に移る。
【0060】
ステップS75に進むと、給水流路112を通しての給水が開始される。給水開閉弁114が開放されて給水流路112を通してドレンタンク52への給水が行われ(ステップS77)、この給水によってドレンタンク52内の中和凝縮水の水位が上昇して上限水位に達すると、ステップSS78からステップS79に進み、給水開閉弁114が閉状態となって給水流路112を通しての給水が終了する(ステップS80)。
【0061】
このようにして給水が終了すると、
図9のステップS48に移り、上述したようにして排水ポンプ56の排水運転及びパージ運転が行われる。このように制御することによって、上述したと同様の作用効果が達成されるとともに、前回の中和凝縮水の排水から所定排水時間間隔経過した(及び排水スイッチ102を排水操作した)ときにドレンタンク52内に水が加えられる故に、この水によって中和凝縮水の濃度が薄められ、このように中和凝縮水を薄めることによって、ドレンタンク52内を洗浄することができる。
【0062】
この第2の実施形態では、給水流路112を通しての水の供給を、上限水位検知センサ64が上限水位を検知するまで行っているが、必ずしもこのように構成する必要はなく、前回の排水ポンプ56の排水運転からの経過時間に応じて給水流路112を通して送給される水の給水量を制御するようにしてもよい。この場合、前回の排水運転からの経過時間をカウントする排水間隔計時手段が設けられるとともに、給水流路112を流れる水の流量を検知するための流量検知手段が給水流路112に設けられる。そして、排水間隔計時手段により計時された時間間隔に対応した給水量となるように、流量検知手段の検知流量に基づいて給水開閉弁114が作動制御され、例えば、排水間隔計時手段により計時された時間間隔が長くなる(又は短くなる)に伴って、水の給水量が多くなる(又は少なくなる)ように制御される。この給水量については、前回の排水運転からの経過時間に関係なく、所定量を給水するようにしてもよい。
【0063】
また、この第2の実施形態では、ドレンタンク52が満水状態になって排水運転をした後に給水を行っているが、このような構成に代えて、排水ポンプ56による排水運転開始時に給水開閉弁114を開状態にして給水を行うようにしてもよく、或いは排水運転開始後に給水開閉弁114を開状態にして給水を行うようにしてもよく、これら排水運転中に給水する場合、予め設定された所定量を給水するようにすればよい。
【0064】
また、この第2の実施形態では、ドレンタンク52が満水状態になって排水運転を行った後に給水を行うとともに、排水間隔タイマ手段94が所定排水時間間隔を計時した(及び排水スイッチ102を排水操作した)ときに給水を行っているが、これらの双方のときに行う必要はなく、排水運転の終了後又は前回の中和凝縮水の排水から所定排水時間間隔を経過した(及び排水スイッチ102を操作した)ときのいずれか一方のときのみに給水を行うようにしてもよい。
【0065】
また、この第2の実施形態では、排水間隔タイマ手段94が所定排水時間間隔を計時した(及び排水スイッチ102を排水操作した)ときに給水を行った後に排水運転及びパージ運転を行っているが、このような制御動作に代えて、排水間隔タイマ手段94が所定排水時間間隔を計時した(及び排水スイッチ102を排水操作した)ときに排水運転を行った後に給水を行い、その後排水運転及びパージ運転を行うようにしてもよい。
【0066】
以上、本発明に従う給湯器の実施形態について説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0067】
例えば、上述した第1及び第2の実施形態では、排水間隔タイマ手段94が所定排水時間間隔を計時したときに排水運転する機能と、排水スイッチ102を排水操作したときに排水運転する機能の双方の機能を備えているが、これら二つの機能を備える必要はなく、これら二つの機能のいずれか一つの機能のみを採用するようにしてもよい。