特許第6247192号(P6247192)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6247192
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】スイッチング電源装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20171204BHJP
【FI】
   H02M3/28 F
【請求項の数】6
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-206027(P2014-206027)
(22)【出願日】2014年10月7日
(65)【公開番号】特開2016-77084(P2016-77084A)
(43)【公開日】2016年5月12日
【審査請求日】2016年10月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000103208
【氏名又は名称】コーセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079359
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 進
(72)【発明者】
【氏名】塚田 賢一
【審査官】 北嶋 賢二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−177940(JP,A)
【文献】 特開2014−121229(JP,A)
【文献】 特開2014−176241(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1次側回路として、直流電源と並列に、第1スイッチング素子と第2スイッチング素子の直列回路および第3スイッチング素子と第4スイッチング素子の直列回路を接続し、前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子の接続点と前記第3スイッチング素子と前記第4スイッチング素子の接続点の間にトランスの1次巻線とコンデンサの直列回路を接続したフルブリッジのスイッチング回路を設け、
2次側回路部として、出力コンデンサとチョークコイルの直列回路と並列に、第1整流素子と第2整流素子の直列回路および第3整流素子と第4整流素子の直列回路を接続し、前記第1整流素子と前記第2整流素子の接続点と前記第3整流素子と前記第4整流素子の接続点の間に前記トランスの2次巻線を接続し、前記出力コンデンサの両端に負荷を接続したフルブリッジ同期整流回路を設け、
1周期を第1期間乃至第4期間に分けた場合、前記第1期間で前記スイッチング回路の前記第1及び第4スイッチング素子をオンすると共に前記第2及び第3スイッチング素子をオフし、前記第2期間で前記第1乃至第4スイッチング素子をオフし、前記第3期間で前記第2及び第3スイッチング素子をオンすると共に前記第1及び第4スイッチング素子をオフし、前記第4期間で前記第1乃至第4スイッチング素子をオフするように制御するスイッチング制御部とを設けたスイッチング電源装置に於いて、
前記第1期間で前記フルブリッジ同期整流回路の第1整流素子と第4整流素子をオンすると共に前記第2整流素子と第3整流素子をオフし、前記第2期間及び前記第4期間で前記第3整流素子と前記第4整流素子をオンすると共に前記第1整流素子と前記第2整流素子をオフし、前記第3期間で前記第2整流素子と第3整流素子をオンすると共に前記第1整流素子と第4整流素子をオフする同期整流タイミング制御部を設けたことを特徴とするスイッチング電源装置。
【請求項2】
請求項1記載のスイッチング電源装置に於いて、
前記同期整流タイミング制御部は、
前記スイッチング制御部から前記第4スイッチング素子に出力する制御信号を所定時間遅延して前記第1スイッチング素子に出力する第1遅延回路と、
前記スイッチング制御部から前記第3スイッチング素子に出力する制御信号を所定時間遅延して前記第2スイッチング素子に出力する第2遅延回路と、
前記第4スイッチング素子に前記スイッチング制御部から入力する制御信号により第1駆動トランスを駆動する第1トランス駆動部と、
前記第3スイッチング素子に前記スイッチング制御部から入力する制御信号により第2駆動トランスを駆動する第2トランス駆動部と、
前記トランスの補助巻線の電圧に基づいて前記第1乃至第2整流素子の各々を駆動する第1及び第2整流駆動部と、
前記トランスの補助巻線と前記第1駆動トランスの伝達電圧に基づいて前記第3整流素子を駆動する第3整流駆動部と、
前記トランスの補助巻線と前記第2駆動トランスの伝達電圧に基づいて前記第4整流素子を駆動する第4整流駆動部と、
を設け、
前記第1期間で、前記トランスの補助巻線に発生する電圧を前記第1整流駆動部で検出して前記第1整流素子をオンすると共に、前記第1期間の直前の第4期間で前記第1スイッチング素子がターンオンする直前に前記第1トランス駆動部で前記第1駆動トランスの1次巻線を駆動し、その2次巻線に発生するタイミング信号を第3整流駆動部で検出して前記第3整流素子をオフさせ、
前記第2期間で、前記第1整流駆動部が前記トランスの補助巻線の電圧低下を検出して前記第1整流素子をオフすると共に、前記第3整流駆動部が前記トランスの補助巻線の電圧低下を検出して前記第3整流素子をオンさせ、
前記第3期間で、前記第2整流駆動部が前記トランスの補助巻線に発生する電圧を検出して前記第2整流素子をオンさせると共に、前記第2スイッチング素子がターンオンする直前に前記第2トランス駆動部で前記第2駆動トランスの1次巻線を駆動し、その2次巻線に発生するタイミング信号を前記第4整流駆動部で検出して前記第4整流素子をオフさせ、
前記第4期間で、前記第2整流駆動部が前記トランスの補助巻線の電圧低下を検出して前記第2整流素子をオフすると共に、前記第4整流駆動部が前記トランスの補助巻線の電圧低下を検出して前記第4整流素子をオンさせることを特徴とするスイッチング電源装置。
【請求項3】
請求項1記載のスイッチング電源装置に於いて、
前記第2期間及び第4期間でオフする前記第1及び第2整流素子を、基板の一方の面に配置し、
前記第2期間及び第4期間でオンする前記第3及び第4整流素子を、前記基板の他方の面に配置してヒートシンクで放熱する構造を設けたことを特徴とするスイッチング電源装置。
【請求項4】
1次側回路として、直流電源と並列に、第1スイッチング素子と第2スイッチング素子の直列回路および第1コンデンサと第2コンデンサの直列回路を接続し、第1スイッチング素子と第2スイッチング素子の接続点と第1コンデンサと第2コンデンサの接続点の間にトランスの1次巻線を接続したハーフブリッジのスイッチング回路部を設け、
2次側回路部として、出力コンデンサとチョークコイルの直列回路と並列に、第1整流素子と第2整流素子の直列回路および第3整流素子と第4整流素子の直列回路を接続し、第1整流素子と第2整流素子の接続点と第3整流素子と第4整流素子の接続点の間に前記トランスの2次巻線を接続し、前記出力コンデンサの両端に負荷を接続したフルブリッジ同期整流回路部を設け、
1周期を第1期間乃至第4期間に分けた場合、前記第1期間で前記スイッチング回路の前記第1スイッチング素子をオンすると共に前記第2スイッチング素子をオフし、前記第2期間で前記第1及び第2スイッチング素子をオフし、前記第3期間で前記第2スイッチング素子をオンすると共に前記第1スイッチング素子をオフし、前記第4期間で前記第1及び第2スイッチング素子をオフするように制御するスイッチング制御部とを設けたスイッチング電源装置に於いて、
前記第1期間で前記フルブリッジ同期整流回路の第1整流素子と第4整流素子をオンすると共に前記第2整流素子と第3整流素子をオフし、前記第2期間及び前記第4期間で前記第3整流素子と前記第4整流素子をオンすると共に前記第1整流素子と前記第2整流素子をオフし、前記第3期間で前記第2整流素子と第3整流素子をオンすると共に前記第1整流素子と第4整流素子をオフする同期整流タイミング制御部を設けたことを特徴とするスイッチング電源装置。
【請求項5】
請求項4記載のスイッチング電源装置に於いて、
前記同期整流タイミング制御部は、
前記スイッチング制御部から前記第1スイッチング素子に出力する制御信号を所定時間遅延して出力する第1遅延回路と、
前記スイッチング制御部から前記第2スイッチング素子に出力する制御信号を所定時間遅延して出力する第2遅延回路と、
前記第1遅延回路に前記スイッチング制御部から入力する制御信号により第1駆動トランスを駆動する第1トランス駆動部と、
前記第2遅延回路に前記スイッチング制御部から入力する制御信号により第2駆動トランスを駆動する第2トランス駆動部と、
前記トランスの補助巻線の電圧に基づいて前記第1乃至第2整流素子の各々を駆動する第1及び第2整流駆動部と、
前記トランスの補助巻線と前記第1駆動トランスの伝達電圧に基づいて前記第3整流素子を駆動する第3整流駆動部と、
前記トランスの補助巻線と前記第2駆動トランスの伝達電圧に基づいて前記第4整流素子を駆動する第4整流駆動部と、
を設け、
前記第1期間で、前記トランスの補助巻線に発生する電圧を前記第1整流駆動部で検出して前記第1整流素子をオンすると共に、前記第1期間の直前の前記第4期間で前記第1スイッチング素子がターンオンする直前に第1トランス駆動部で前記第1駆動トランスの1次巻線を駆動し、その2次巻線に発生するタイミング信号を前記第3整流駆動部で検出して前記第3整流素子をオフさせ、
前記第2期間で、前記第1整流駆動部が前記トランスの補助巻線の電圧低下を検出して第1整流素子をオフすると共に、前記第3整流駆動部が前記トランスの補助巻線の電圧低下を検出して前記第3整流素子をオンさせ、
前記第3期間で、前記第2整流駆動部が前記トランスの補助巻線に発生する電圧を検出して前記第2整流素子をオンさせると共に、前記第2スイッチング素子がターンオンする直前に前記第2トランス駆動部で前記第2駆動トランスの1次巻線を駆動し、その2次巻線に発生する信号を前記第4整流駆動部で検出して第4整流素子をオフさせ、
前記第4期間で、前記第2整流駆動部が前記トランスの補助巻線の電圧低下を検出して前記第2整流素子をオフすると共に、前記第4整流駆動部が前記トランスの補助巻線の電圧低下を検出して前記第4整流素子をオンさせることを特徴とするスイッチング電源装置。
【請求項6】
請求項4記載のスイッチング電源装置に於いて、
前記第2期間及び第4期間でオフする前記第1及び第2整流素子を、基板の一方の面に配置し、
前記第2期間及び第4期間でオンする前記第3及び第4整流素子を、前記基板の他方の面に配置してヒートシンクで放熱する構造を設けたことを特徴とするスイッチング電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次側をフルブリッジの同期整流回路としたスイッチング電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2次側をフルブリッジの同期整流回路としたスイッチング電源装置としては、例えば図9に示すものがある。
【0003】
図9は従来の2次側をフルブリッジの同期整流回路としたスイッチング電源装置のパワー回路部を示しており、1次側はフルブリッジのスイッチング回路12であり、直流電源10に対し並列に、ハイサイド側のスイッチング素子12aとグランド側のスイッチング素子12bの直列回路と、ハイサイド側のスイッチング素子12cとグランド側のスイッチング素子12dの直列回路とを接続し、スイッチング素子12a,12bの接続点とスイッチング素子12c,12dの接続点との間に、トランス14の1次巻線14aと直流偏磁を抑制するコンデンサ15の直列回路を接続している。
【0004】
また、2次側は、フルブリッジの同期整流回路16であり、出力コンデンサ18とチョークコイル20の直列回路と並列に、ハイサイド側の整流素子16aとグランド側の整流素子16bの直列回路と、ハイサイド側の整流素子16cとグランド側の整流素子16dの直列回路とを接続し、整流素子12a,12bの接続点と整流素子12c,12dの接続点との間に、トランス14の2次巻線14bを接続し、出力コンデンサ18の両端を負荷22に接続している。
【0005】
図10図9のスイッチング電源装置の動作波形を示したタイムチャートであり、図10(a)〜(g)に、スイッチング素子12a,12dのゲート・ソース間電圧VGS1,4、スイッチング素子12b,12cのゲート・ソース間電圧VGS2,3、トランス14の伝達電圧VT、整流素子16a〜16dのゲート・ソース間電圧VGS5〜VGS8を示している。
【0006】
図10の動作波形に示すスイッチング電源装置の動作は、1周期を第1期間A、第2期間B、第3期間C及び第4期間Dに分けることができ、図11に各期間に分けて動作を示す。
(第1期間A)
図11(第1期間A)に示すように、1次側のスイッチング回路12は、スイッチング素子12a,12dがオンし、直流電源10のプラス側、スイッチング素子12a、トランス14の1次巻線14a、コンデンサ15、スイッチング素子12d及び直流電源10のマイナス側となる経路で電流が流れ、トランス14のドット方向に電圧を発生させて1次側から2次側へ電圧伝達を行う。
【0007】
このとき2次側のフルブリッジの同期整流回路16は、整流素子16a,16dがオンし、トランス14の2次巻線のドット側、整流素子16a、負荷22、チョークコイル20、整流素子16d及びトランス14の2次巻線14bの非ドット側となる経路で負荷22に電流が流れる。
【0008】
(第2期間B)
図11(第2期間B)に示すように、1次側のスイッチング回路12は、スイッチング素子12a、12b、12c、12dが全てオフしており、電流は流れず、トランス14による1次側から2次側へ電圧伝達を停止する。
【0009】
このとき2次側のフルブリッジの同期整流回路16は、整流素子16a〜16dが全てオンしており、チョークコイル20の非ドット側から整流素子16a,16bの経路と整流素子16c,16dの経路に分流した後に合流し、負荷22及びチョークコイル20のドット側となる経路で負荷22に電流が流れる。
【0010】
(第3期間C)
図11(第3期間C)に示すように、1次側のスイッチング回路12は、スイッチング素子12b,12cがオンし、直流電源10のプラス側、スイッチング素子12c、コンデンサ15、トランス14の1次巻線14a、スイッチング素子12b及び直流電源10のマイナス側となる経路で電流が流れ、トランス14の非ドット方向に電圧を発生させて1次側から2次側へ電圧伝達を行う。
【0011】
このとき2次側のフルブリッジの同期整流回路16は、整流素子16b,16cがオンしており、トランス14の2次巻線の非ドット側、整流素子16c、負荷22、チョークコイル20、整流素子16b及びトランス14の2次巻線14bのドット側となる経路で負荷22に電流が流れる。
【0012】
(第4期間D)
図11(第4期間D)に示すように、1次側のスイッチング回路12は、スイッチング素子12a、12b、12c、12dが全てオフしており、電流は流れず、トランス14による1次側から2次側へ電圧伝達を停止する。
【0013】
このとき2次側のフルブリッジの同期整流回路16は、整流素子16a〜16dが全てオンしており、チョークコイル20の非ドット側から整流素子16a,16bの経路と整流素子16c,16dの経路に分流した後に合流し、負荷22及びチョークコイル20のドット側となる経路で負荷22に電流が流れる。
【0014】
図12図9のスイッチング電源装置を駆動制御する従来回路の一例を示す。図12(A)に示すように、2次側のフルブリッジの同期整流回路16に設けた整流素子16a〜16dを図9及び図10の第1期間A〜第4期間Dのように動作させるため、1次側のスイッチング回路12のスイッチング素子12a,12bを駆動する駆動部100a,100bに続いて2次側のフルブリッジ同期整流回路16を駆動するための駆動トランス102,104の1次巻線102a,104aを設ける。また、2次側のフルブリッジの同期整流回路16には、駆動トランス102,104の2次巻線102b,104b,102c,104cと整流駆動部106c,106a,106b,106dを設けている。
【0015】
なお、駆動トランスの符号102,104は図示していないが、1次巻線102aと2次巻線102b,102cで駆動トランス102を構成し、1次巻線104aと2次巻線104b,104cで駆動トランス104を構成している。
【0016】
駆動トランス102は、図12(B)に示すように、1次巻線102aに対し2次巻線102b,102cを設けた構造とするか、或いは、図12(C)に示すように、1次巻線102aと2次巻線102bを備えた駆動トランス102−1,102−2の2台とする。この点は駆動トランス104についても同様である。
【0017】
このように複数の駆動トランスを設けることにより、トランス14により1次側から電圧が2次側に伝送される第1期間A又は第3期間Cの直前にターンオフさせるデッドタイムを持ったタイミング信号を1次側から2次側に伝送し、第1期間Aの直前ではオン状態にある整流素子16b,16cをターンオフさせ、また、第3期間Cの直前ではオン状態にある整流素子16a,16dをターンオフさせるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2002−354799号公報
【特許文献2】特開2012−239341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、従来の2次側をフルブリッジ同期整流回路としたスイッチング電源装置にあっては、図9(A)に示したように、1次側のスイッチング回路12のスイッチング制御に基づき2次側のフルブリッジ同期整流回路16を制御するタイミング信号を伝送するために、図9(B)の駆動トランスを使用する場合は2台の駆動トランスが必要であり、また図9(C)の駆動トランスを使用する場合は4台の駆動トランスが必要であり、複数の駆動トランス及び伝達元と伝達先の駆動回路を設ける必要があるため、回路及び装置が大型化し、コストアップになる問題がある。
【0020】
本発明は、2次側のフルブリッジ同期整流回路に1次側からタイミング信号を伝送する駆動トランスの数を低減して回路及び装置の小型化と軽量化を可能とするスイッチング電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
(1次側回路をフルブリッジ)
本発明は、
1次側回路として、直流電源と並列に、第1スイッチング素子と第2スイッチング素子の直列回路および第3スイッチング素子と第4スイッチング素子の直列回路を接続し、第1スイッチング素子と第2スイッチング素子の接続点と第3スイッチング素子と第4スイッチング素子の接続点の間にトランスの1次巻線とコンデンサの直列回路を接続したフルブリッジのスイッチング回路を設け、
2次側回路として、出力コンデンサとチョークコイルの直列回路と並列に、第1整流素子と第2整流素子の直列回路および第3整流素子と第4整流素子の直列回路を接続し、第1整流素子と第2整流素子の接続点と第3整流素子と第4整流素子の接続点の間にトランスの2次巻線を接続し、出力コンデンサの両端に負荷を接続したフルブリッジ同期整流回路を設け、
1周期を第1期間乃至第4期間に分けた場合、第1期間でスイッチング回路の第1及び第4スイッチング素子をオンすると共に第2及び第3スイッチング素子をオフし、第2期間で第1乃至第4スイッチング素子をオフし、第3期間で第2及び第3スイッチング素子をオンすると共に第1及び第4スイッチング素子をオフし、第4期間で第1乃至第4スイッチング素子をオフするように制御するスイッチング制御部とを設けたスイッチング電源装置に於いて、
第1期間でフルブリッジ同期整流回路の第1整流素子と第4整流素子をオンすると共に第2整流素子と第3整流素子をオフし、第2期間及び第4期間で第3整流素子と第4整流素子をオンすると共に第1整流素子と第2整流素子をオフし、第3期間第2整流素子と第3整流素子をオンすると共に第1整流素子と第4整流素子をオフする同期整流タイミング制御部を設けたことを特徴とする。
【0022】
(同期整流タイミング制御部)
同期整流タイミング制御部は、次の構成を備える。なお、括弧内に図1の符号を示す。
【0023】
即ち、同期整流タイミング制御部は、
スイッチング制御部(30)から第4スイッチング素子(12d)に出力する制御信号を所定時間遅延して第1スイッチング素子(12a)に出力する第1遅延回路(25a)と、
スイッチング制御部(30)から第3スイッチング素子(12c)に出力する制御信号を所定時間遅延して第2スイッチング素子(12b)に出力する第2遅延回路(25b)と、
第4スイッチング素子(12d)にスイッチング制御部(30)から入力する制御信号により第1駆動トランス(26)を駆動する第1トランス駆動部(24a)と、
第3スイッチング素子(12c)にスイッチング制御部(30)から入力する制御信号により第2駆動トランス(28)を駆動する第2トランス駆動部(24b)と、
トランス(14)の補助巻線(14c,14d)の電圧に基づいて第1乃至第2整流素子(16a,16b)の各々を駆動する第1及び第2整流駆動部(32a,32b)と、
トランス(14)の補助巻線(14e)と第1駆動トランス(26)の伝達電圧に基づいて第3整流素子(16c)を駆動する第3整流駆動部(32c)と、
トランス(14)の補助巻線(14f)と第2駆動トランス(28)の伝達電圧に基づいて第4整流素子(16d)を駆動する第4整流駆動部(32d)と、
を設け、
第1期間Aで、トランス(14)の補助巻線(14c)に発生する電圧を第1整流駆動部(32a)で検出して第1整流素子(16a)をオンすると共に、第1期間Aの直前の第4期間Dで第1スイッチング素子(12a)がターンオンする直前に第1トランス駆動部(24a)で第1駆動トランス(26)の1次巻線(26a)を駆動し、その2次巻線(26b)に発生するタイミング信号を第3整流駆動部(32c)で検出して第3整流素子(16c)をオフさせ、
第2期間Bで、第1整流駆動部(32a)がトランス(14)の補助巻線(14c)の電圧低下を検出して第1整流素子(16a)をオフすると共に、第3整流駆動部(32c)がトランス(14)の補助巻線(14e)の電圧低下を検出して第3整流素子(16c)をオンさせ、
第3期間Cで、第2整流駆動部(32b)がトランス(14)の補助巻線(14d)に発生する電圧を検出して第2整流素子(16b)をオンさせると共に、第2スイッチング素子(12b)がターンオンする直前に第2トランス駆動部(24b)で第2駆動トランス(28)の1次巻線(28a)を駆動し、その2次巻線(28b)に発生するタイミング信号を第4整流駆動部(32d)で検出して第4整流素子(16d)をオフさせ、
第4期間Dで、第2整流駆動部(32b)がトランス(14)の補助巻線(14d)の電圧低下を検出して第2整流素子(16b)をオフすると共に、第4整流駆動部(32d)がトランス(14)の補助巻線(14f)の電圧低下を検出して第4整流素子(16d)をオンさせる。
【0024】
(基板の実装構造)
第2期間及び第4期間でオフする第1及び第2整流素子を基板の一方の面に配置し、第2期間及び第4期間でオンする第3及び第4整流素子を基板の他方の面に配置してヒートシンクで放熱する構造を設ける。
【0025】
(1次側回路をハーフブリッジ)
本発明は、
1次側回路として、直流電源と並列に、第1スイッチング素子と第2スイッチング素子の直列回路および第1コンデンサと第2コンデンサの直列回路を接続し、第1スイッチング素子と第2スイッチング素子の接続点と第1コンデンサと第2コンデンサの接続点の間にトランスの1次巻線を接続したハーフブリッジのスイッチング回路を設け、
2次側回路部として、出力コンデンサとチョークコイルの直列回路と並列に、第1整流素子と第2整流素子の直列回路および第3整流素子と第4整流素子の直列回路を接続し、第1整流素子と第2整流素子の接続点と第3整流素子と第4整流素子の接続点の間にトランスの2次巻線を接続し、出力コンデンサの両端に負荷を接続したフルブリッジ同期整流回路を設け、
1周期を第1期間乃至第4期間に分けた場合、第1期間でスイッチング回路の第1スイッチング素子をオンすると共に第2スイッチング素子をオフし、第2期間で第1及び第2スイッチング素子をオフし、第3期間で第2スイッチング素子をオンすると共に第1スイッチング素子をオフし、第4期間で第1及び第2スイッチング素子をオフするように制御するスイッチング制御部とを設けたスイッチング電源装置に於いて、
第1期間でフルブリッジ同期整流回路の第1整流素子と第4整流素子をオンすると共に記第2整流素子と第3整流素子をオフし、第2期間及び第4期間で第3整流素子と第4整流素子をオンすると共に第1整流素子と第2整流素子をオフし、第3期間第2整流素子と第3整流素子をオンすると共に第1整流素子と第4整流素子をオフする同期整流タイミング制御部を設けたことを特徴とする。
【0026】
(1次側ハーフブリッジに対応した同期整流タイミング制御部)
同期整流タイミング制御部は、次の構成を備える。なお、括弧内に図8の符号を示す。
【0027】
即ち、同期整流タイミング制御部は、
スイッチング制御部(30)から第1スイッチング素子(12a)に出力する制御信号を所定時間遅延して出力する第1遅延回路(25a)と、
スイッチング制御部(30)から第2スイッチング素子(12b)に出力する制御信号を所定時間遅延して出力する第2遅延回路(25b)と、
第1遅延回路(25a)にスイッチング制御部(30)から入力する制御信号により第1駆動トランス(26)を駆動する第1トランス駆動部(24a)と、
第2遅延回路(25b)にスイッチング制御部(30)から入力する制御信号により第2駆動トランス(28)を駆動する第2トランス駆動部(24b)と、
トランス(14)の補助巻線(14c,14d)の電圧に基づいて第1乃至第2整流素子(16a,16b)の各々を駆動する第1及び第2整流駆動部(32a,32b)と、
トランス(14)の補助巻線(14e)と第1駆動トランス(26)の伝達電圧に基づいて第3整流素子(16c)を駆動する第3整流駆動部(32c)と、
トランス(14)の補助巻線(14f)と第2駆動トランス(28)の伝達電圧に基づいて第4整流素子(16d)を駆動する第4整流駆動部(32d)と、
を設け、
第1期間Aで、トランス(14)の補助巻線(14c)に発生する電圧を第1整流駆動部(32a)で検出して第1整流素子(16a)をオンすると共に、第1期間Aの直前の第4期間Dで第1スイッチング素子(12a)がターンオンする直前に第1トランス駆動部(24a)で第1駆動トランス(26)の1次巻線(26a)を駆動し、その2次巻線(26b)に発生するタイミング信号を第3整流駆動部(32c)で検出して第3整流素子(16c)をオフさせ、
第2期間Bで、第1整流駆動部(32a)がトランス(14)の補助巻線(14c)の電圧低下を検出して第1整流素子(16a)をオフすると共に、第3整流駆動部(32c)がトランス(14)の補助巻線(14e)の電圧低下を検出して第3整流素子(16c)をオンさせ、
第3期間Cで、第2整流駆動部(32b)がトランス(14)の補助巻線(14d)に発生する電圧を検出して第2整流素子(16b)をオンさせると共に、第2スイッチング素子(12b)がターンオンする直前に第2トランス駆動部(24b)で第2駆動トランス(28)の1次巻線(28a)を駆動し、その2次巻線(28b)に発生するタイミング信号を第4整流駆動部(32d)で検出して第4整流素子(16d)をオフさせ、
第4期間Dで、第2整流駆動部(32d)がトランス(14)の補助巻線(14f)の電圧低下を検出して第2整流素子(16b)をオフすると共に、第4整流駆動部(32d)がトランス(14)の補助巻線(14f)の電圧低下を検出して第4整流素子(16d)をオンさせる。
【0028】
(基板の実装構造)
第2期間及び第4期間でオフする第1及び第2整流素子を基板の一方の面に配置し、第2期間及び第4期間でオンする第3及び第4整流素子を基板の他方の面に配置してヒートシンクで放熱する構造を設ける。
【発明の効果】
【0029】
(基本的な効果)
本発明の2次側をフルブリッジ同期整流回路としたスイッチング電源装置によれば、1周期内で1次側スイッチング回路のスイッチング素子を全てオフとしている期間に、2次側のフルブリッジ同期整流回路の4つの整流素子を全てオンとせずに、その内の2つの整流素子を負荷電流が流れるようにオンするように制御することで、1次側から2次側に
タイミング信号を伝送する駆動トランスの数を低減し、回路及び装置の小型軽量化及びコスト低減を可能とする。
【0030】
この効果は、1次側のスイッチング回路をフルブリッジ回路とした場合およびハーフブリッジ回路とした場合にいずれも同様に得られ、1次巻線と2次巻線を備えた駆動トランスを2台設けるだけで良く、従来は4台必要としたものを半分に低減でき、駆動トランスに対応して設けている伝達元の駆動回路及び伝達先の駆動回路も半分に低減できる。
【0031】
(基板の実装構造による効果)
また、1次側のスイッチング回路に設けた全てのスイッチング素子をオフする第2期間及び第4期間でオンする第3及び第4整流素子は、この期間でオフする第1及び第2整流素子に比べ導通時間が長く、部品発熱が大きくなることから、第3及び第4整流素子にヒートシンクで放熱する構造を設けて、部品温度を下げて動作を安定させる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】1次側回路をフルブリッジ回路とし、2次側回路をフルブリッジ同期整流回路としたスイッチング電源装置の実施形態を示した回路ブロック図
図2図1のトランス駆動部24aの実施形態を遅延回路と共に示した説明図
図3図1の整流駆動部32aの実施形態を示した説明図
図4図1の整流駆動部32dの実施形態を示した説明図
図5図1の動作波形を示した説明図
図6図5に示す1周期を第1期間A〜第4期間Dに分けてスイッチング電源装置の動作を示した回路ブロック図
図7】2次側整流素子の基板実装構造を示した説明図
図8】1次側回路をハーフブリッジ回路とし、2次側回路をフルブリッジ同期整流回路としたスイッチング電源装置の実施形態を示した回路ブロック図
図9】2次側回路をフルブリッジ同期整流回路とした従来のスイッチング電源装置を示した回路ブロック図
図10図9の動作波形を示した説明図
図11図9の動作を第1期間A〜第4期間Dに分けて示した回路ブロック図
図12】従来の同期整流タイミング制御部の概略を示した回路ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0033】
[スイッチング電源装置の概要]
図1は、1次側回路をフルブリッジ回路とし、2次側回路をフルブリッジ同期整流回路としたスイッチング電源装置の実施形態を示した回路ブロック図である。
【0034】
(パワー回路)
図1に示すように、1次側のパワー回路として設けたフルブリッジ型のスイッチング回路12が設けられる。スイッチング回路12は、MOS−FETを使用した第1乃至第4スイッチング素子12a〜12dを備える。
【0035】
即ち、スイッチング回路12は、直流電源10に対し並列に、ハイサイド側の第1スイッチング素子12aとグランド側の第2スイッチング素子12bの直列回路と、ハイサイド側の第3スイッチング素子12cとグランド側の第4スイッチング素子12dの直列回路とを接続し、第1及び第2スイッチング素子12a,12bの接続点と第3及び第4スイッチング素子12c,12dの接続点との間に、トランス14の1次巻線14aと直流偏磁を抑制するコンデンサ15の直列回路を接続している。なお、以下の説明では、第1乃至第4スイッチング素子12a〜12dを、単に、スイッチング素子12a〜12dとして説明する。
【0036】
スイッチング電源装置の2次側のパワー回路として、フルブリッジ同期整流回路16が設けられる。フルブリッジ同期整流回路16は、MOS−FETを使用した第1乃至第4整流素子16a〜16dを備える。
【0037】
即ち、フルブリッジ同期整流回路16は、出力コンデンサ18とチョークコイル20の直列回路と並列に、ハイサイド側の第1整流素子16aとグランド側の第2整流素子16bの直列回路と、ハイサイド側の第3整流素子16cとグランド側の整流素子16dの直列回路とを接続し、第1及び第2整流素子16a,16bの接続点と第3及び第4整流素子16c,16dの接続点との間に、トランス14の2次巻線14bを接続し、更に出力コンデンサ18の両端を負荷22に接続している。なお、以下の説明では、第1乃至第4整流素子16a〜16dを、単に、整流素子16a〜16dとして説明する。
【0038】
(スイッチング制御部)
図1に示すように、1次側のスイッチング回路12に対してスイッチング制御部30が設けられる。スイッチング制御部30は固定周波数方式であり、負荷22に対する出力電圧を入力して所定の基準電圧との誤差電圧を検出し、誤差電圧を零とするように、スイッチング回路12のスイッチング素子12a〜12dをオン、オフしてトランス14を駆動するオンデューティを制御する制御信号を出力する。
【0039】
スイッチング制御部30からの制御信号はスイッチング素子12c,12dへ直接供給されると共に、第1及び第2遅延回路25a,25bで所定の遅延を行った後にスイッチング素子12a,12bに供給される。
【0040】
(同期整流タイミング制御部)
図1に示すように、2次側のフルブリッジ同期整流回路16を制御するため、同期整流タイミング制御部が設けられる。同期整流タイミング制御部は、スイッチング制御部30から第4スイッチング素子12dに出力する信号を所定時間遅延して第1スイッチング素子12aに出力する第1遅延回路25a、スイッチング制御部30から第3スイッチング素子12cに出力する信号を所定時間遅延して第2スイッチング素子12bに出力する第2遅延回路25b、スイッチング制御部30からスイッチング素子12dに出力する制御信号を入力した第1トランス駆動部24a、スイッチング制御部30からスイッチング素子12cに出力する制御信号を入力した第2トランス駆動部24b、2次側のフルブリッジ同期整流回路16の整流素子16a〜16dに対応して設けた第1整流駆動部32a、第2整流駆動部32b、第3整流駆動部32c及び第4整流駆動部32dを備える。
【0041】
(遅延回路とトランス駆動部)
第1トランス駆動部24aは、スイッチング制御部30からスイッチング回路12のスイッチング素子12a,12dに出力する制御信号により第1駆動トランス26の1次巻線26aを駆動する。ここで、スイッチング制御部30からの制御信号は、スイッチング素子12dに直接出力し、スイッチング素子12aに対しては第1遅延回路25aで遅延して出力している。
【0042】
また、第2トランス駆動部24bは、スイッチング制御部30からスイッチング回路12のスイッチング素子12b,12cに出力する制御信号により第2駆動トランス28の1次巻線28aを駆動する。ここで、スイッチング制御部30からの制御信号は、スイッチング素子12cに直接出力し、スイッチング素子12bに対しては第2遅延回路25bで遅延して出力している。
【0043】
図2図1の第1トランス駆動部の実施形態を第1遅延回路と共に示した説明図であり、図2(a)に回路ブロック図を示し、図2(b)〜(e)のタイムチャートは、スイッチング制御部30から出力する制御信号E1、第1遅延回路25aの遅延動作、第1遅延回路25aで遅延して出力する制御信号E2、及び駆動トランス26の伝達電圧を示している。
【0044】
図2(a)に示すように、第1トランス駆動部24aは、抵抗42とコンデンサ44を直列接続した回路40と直列に、ダイオード45を並列接続した第1駆動トランス26の1次巻線26aを接続している。なお、回路40はダイオード45を並列接続した1次巻線26aと合わせて微分回路を構成する。また、第1遅延回路25aは、CR積分回路を備え、抵抗Rと並列に放電用のダイオードを接続している。
【0045】
図2(b)に示すように、スイッチング制御部30からの制御信号E1がLレベルからHレベルに立ち上がると、制御信号E1はスイッチング素子12dに出力されてターンオンする。また、制御信号E1は、図2(c)に示すように、第1遅延回路25aに設けたCR積分回路のコンデンサを充電して上昇し、所定の遅延時間ΔT後に閾値THに達して遅延回路25aの出力となる制御信号E2がLレベルからHレベルに立ち上がり、スイッチング素子12aをターンオンする。
【0046】
続いて、スイッチング制御部30からの制御信号E1がHレベルからLレベルに立ち下がると、スイッチング素子12aをターンオフする。ここで、第1遅延回路25aはCR積分回路の抵抗Rと並列に放電用のダイオードを接続していることから、制御信号E1がHレベルからLレベルに立ち下がると、第1遅延回路25aが出力する制御信号E2もHレベルからLレベルに立下り、スイッチング素子12dに同期してスイッチング素子12aをターンオフする。
【0047】
一方、トランス駆動部24aは、スイッチング制御部30からの制御信号E1がLレベルからHレベルに立ち上がると、図2(e)に示すように、微分回路40による所定時間のパルス的なタイミング信号を生成して第1駆動トランス26に電流を流し、タイミング信号を2次巻線26bに生成させる。
【0048】
このように制御信号E1によりスイッチング素子12dをターンオンし、制御信号E1を第1遅延回路25aにより遅延してスイッチング素子12aをターンオンすることで、スイッチング素子12aがターンオンする直前に、制御信号E1により第1トランス駆動部24aが1次巻線26aを駆動してタイミング信号を2次巻線26bに生成させ、後述するように、整流駆動部32cにより整流素子16cをオフさせる制御を可能とする。
【0049】
なお、第1遅延回路25aを設けたことで、スイッチング素子12aがターンオンする前にスイッチング素子12dがターンオンするが、スイッチング素子12a,12dは直列接続しているため、スイッチング素子12dが先にターンオンしても、スイッチング素子12aがターンオンするまで電流が流れることはなく、実質的にスイッチング素子12a,12dを同時にターンオンしたと同じ動作となる。
【0050】
また、第2トランス駆動部24bも第1トランス駆動部24aと同じ回路構成であり、スイッチング素子12bがターンオンする直前に、第2トランス駆動部24bが第2駆動トランス28の1次巻線28aを駆動してタイミング信号を2次巻線28bに生成させ、後述するように、整流駆動部32dにより整流素子16dをオフさせる制御を可能とする。
【0051】
(整流素子16a,16bの整流駆動部)
図1に示すように、2次側のフルブリッジ同期整流回路16の整流素子16aに対応して設けた第1整流駆動部32aは、トランス14の補助巻線14cの電圧に基づいて整流素子16aを駆動する。
【0052】
また、整流素子16bに対応して設けた第2整流駆動部32bは、トランス14の補助巻線14dの電圧に基づいて整流素子16bを駆動する。図3図1の第1整流駆動部32aの実施形態を示した回路ブロック図である。図3に示すように、第1整流駆動部32aは、トランス14の補助巻線14cにドッド側をプラスとする電圧が発生した場合に、ダイオード50を介して抵抗51に電流を流してHレベルとなる電圧を発生し、入力の共通接続によりドライバとして機能するアンドゲート48の出力をLレベルからHレベルとして整流素子16aをターンオンする。
【0053】
なお、整流素子16bに対応して設けた第2整流駆動部32bも、図3の第1整流駆動部32aと基本的に同じ回路構成となる。
【0054】
(整流素子16c,16dの整流駆動部)
図1に示すように、2次側のフルブリッジ同期整流回路16の整流素子16cに対応して設けた第3整流駆動部32cは、トランス14の補助巻線14eと第1駆動トランス26の2次巻線26bの電圧に基づいて整流素子16cを駆動する。
【0055】
また、整流素子16dに対応して設けた第4整流駆動部32dは、トランス14の補助巻線14fと第2駆動トランス28の2次巻線28bの電圧に基づいて整流素子16dを駆動する。
【0056】
図4図1の第4整流駆動部32dの実施形態を示した回路ブロック図である。図4に示すように、トランス14の補助巻線14fはスイッチ駆動部54に接続され、補助巻線14fに発生した電圧の立下りを検出してスイッチ駆動部54は一定時間に亘りスイッチ56を閉じ、整流素子16dをオンさせる。
【0057】
また、第2駆動トランス28の2次巻線28bはドライバとして機能するアンドゲート60に入力接続しており、補助巻線28bにドッド側をプラスとする電圧が発生した場合に、アンドゲート48の出力をLレベルからHレベルとしてスイッチング素子62をオンし、これにより整流素子16aをターンオフする。
【0058】
なお、整流素子16cに対応して設けた第3整流駆動部32cも、図3の第4整流駆動部32dと基本的に同じ回路構成となる。
【0059】
また、以下の説明において、第1トランス駆動部24a、第2トランス駆動部24b、及び第1乃至第4整流駆動部32a〜32dは、単に、トランス駆動部24a、トランス駆動部24b、及び整流駆動部32a〜32dとして説明する。
【0060】
[スイッチング電源装置の動作]
図5は、図1の動作波形を示した説明図であり、図5(a)〜(j)に、スイッチング素子12a,12dのゲート・ソース間電圧VGS1,4、スイッチング素子12b,12cのゲート・ソース間電圧VGS2,3、トランス14の伝達電圧VT、駆動トランス26の伝達電圧VDT1、駆動トランス28の伝達電圧VDT2、整流素子16a〜16dのゲート・ソース間電圧VGS5〜VGS8を示している。なお、図5(a)のスイッチング素子12dの立上りを点線で示し、スイッチング素子12aの立上りを実線で示し、また、図5(b)のスイッチング素子12cの立上りを点線で示し、スイッチング素子12bの立上りを実線で示している。
【0061】
また、図6は、図5に示す1周期を第1期間A〜第4期間Dに分けてスイッチング電源装置の動作を、示した回路ブロック図であり、その動作は次のようになる。
(第1期間A)
第1期間Aでは、1次側のスイッチング回路12は、スイッチング素子12a、12b、12c、12dが全てオフの状態からスイッチング制御部30からの制御信号により、図5(a)に示すスイッチング素子12a,12dのVGS1,4がHレベルとなり、スイッチング素子12a,12dがターンオンする。
【0062】
このため図6の第1期間Aに示すように、直流電源10のプラス側、スイッチング素子12a、トランス14の1次巻線14a、コンデンサ15、スイッチング素子12d及び直流電源10のマイナス側となる経路で電流が流れ、トランス14のドット方向に電圧を発生させ、1次側から2次側へ電圧伝達を行う。
【0063】
このとき2次側のフルブリッジ同期整流回路16は、トランス14の巻線14cのドット方向に発生する電圧で整流駆動部32aが図5(f)に示すように整流素子16aのVGS5をHレベルとし、整流素子16aをターンオンさせる。
【0064】
また、スイッチング素子12aがターンオンする直前に、図5(d)の駆動トランス26のVDT1に示すように、トランス駆動部24aが駆動トランス26の1次巻線26aをパルス的に駆動してデッドタイムをもったタイミング信号を2次側に伝達し、その2次巻線26bに発生するタイミング信号を整流駆動部32cが検出し、図5(h)に示すように、整流素子16cのVGS7をHレベルからLレベルとし、整流素子16cをターンオフさせる。このとき整流素子16dはオン状態を維持する。
【0065】
このため図6の第1期間Aに示すように、トランス14の2次巻線14bのドット側、整流素子16a、負荷22、チョークコイル20、整流素子16d及びトランス14の2次巻線14bの非ドット側となる経路で負荷22に電流が流れる。
【0066】
(第2期間B)
第2期間Bでは、1次側のスイッチング回路12は、スイッチング制御部30からの制御信号により、図5(a)に示すスイッチング素子12a,12dのVGS1,VGS4がLレベルとなり、スイッチング素子12a、12dがターンオフし、このためスイッチング素子12a、12b、12c、12dが全てオフとなって電流は流れず、トランス14による1次側から2次側へ電圧伝達を停止する。
【0067】
このとき2次側のフルブリッジ同期整流回路16は、スイッチング素子12a,12dのターンオフによりトランス14の電圧が低下するため、整流駆動部32aが補助巻線14cの電圧低下を検出し、図5(f)に示すように、整流素子16aのVGS5をHレベルからLレベルとしてターンオフする。また、整流駆動部32cがトランス14の補助巻線14eの電圧低下を検出し、図5(h)に示すように、整流素子16cのVGS7をLレベルからHレベルとしてターンオンする。
【0068】
このため図6の第2期間Bに示すように、チョークコイル20の非ドット側、整流素子16d、整流素子16c、負荷22及びチョークコイル20のドット側となる経路で負荷22に電流が流れる。
【0069】
(第3期間C)
第3期間Cでは、1次側のスイッチング回路12は、第2期間Bのスイッチング素子12a、12b、12c、12dがオフの状態から、スイッチング制御部30からの制御信号により、図5(b)に示すように、スイッチング素子12b,12cのVGS2,3がLレベルからHレベルとなってターンオンする。
【0070】
このため図6の第3期間Cに示すように、直流電源10のプラス側、スイッチング素子12c、コンデンサ15、トランス14の1次巻線14a、スイッチング素子12b及び直流電源10のマイナス側となる経路で電流が流れ、トランス14の非ドット方向に電圧を発生させ、1次側から2次側へ電圧伝達を行う。
【0071】
このとき2次側のフルブリッジ同期整流回路16は、整流駆動部32bがトランス14の補助巻線14dのドット逆方向に発生する電圧を検出し、図5(g)に示すように、整流素子16bのVGS6をLレベルからHレベルとしてターンオンさせる。
【0072】
また、スイッチング素子12bがターンオンする直前にトランス駆動部24bが、図5(e)の駆動トランス28のVDT2に示すように、駆動トランス28の1次巻線28aをパルス的に駆動してデッドタイムをもったタイミング信号を2次側に伝達し、その2次巻線28bに発生する信号を整流駆動部32dが検出し、図5(i)に示すように、整流素子16dのVGS8をHレベルからLレベルとしてターンオフさせる。このとき整流素子16cはオン状態を維持する。
【0073】
このため図6の第3期間Cに示すように、トランス14の2次巻線14bの非ドット側、整流素子16c、負荷22、チョークコイル20、整流素子16b及びトランス14の2次巻線14bのドット側となる経路で負荷22に電流が流れる。
【0074】
(第4期間D)
第4期間Dでは、1次側のスイッチング回路12は、スイッチング制御部30からの信号により、図5(b)に示すように、スイッチング素子12b、12cのVGS2,3がHレベルからLレベルとなってターンオフし、スイッチング素子12a、12b、12c、12dが全てオフとなり、電流は流れず、トランス14による1次側から2次側へ電圧伝達を停止する。
【0075】
このとき2次側のフルブリッジ同期整流回路16は、スイッチング素子12b,12cのターンオフにより、図5(c)に示すように、トランス14の電圧が低下するため、整流駆動部32bが補助巻線14dの電圧低下を検出し、図5(g)に示すように、整流素子16bのVGS6をHレベルからLレベルとしてターンオフする。また、整流駆動部32dがトランス14の補助巻線14fの電圧低下を検出し、図5(i)に示すように、整流素子16dのVGS8をLレベルからHレベルとしてターンオンする。
【0076】
このため図6の第4期間Dに示すように、チョークコイル20の非ドット側、整流素子16d、整流素子16c、負荷22及びチョークコイル20のドット側となる経路で負荷22に電流が流れる。
【0077】
[基板実装構造]
図7は、2次側整流素子の基板実装構造を示した説明図である。図1の2次側のフルブリッジ同期整流回路16に設けた整流素子16a〜16dの内、整流素子16aは第1期間Aで導通し、整流素子16bは第3期間で導通するのに対し、整流素子16cは第2期間B、第3期間C及び第4期間の3期間で導通し、また、整流素子16dは第1期間A、第2期間B及び第4期間の3期間で導通し、整流素子16b,16cの導通時間が長く、部品発熱が大きくなる。
【0078】
そこで図7に示すように、基板34の裏面34bに導通時間の短い整流素子16a,16bを配置し、基板34の筐体側となる表面34aに導通時間の長い整流素子16c,16dを配置する。
【0079】
また導通時間の長い整流素子16c,16dの外側には、放熱シート36を介して放熱板38を配置したヒートシンクとして機能する放熱構造を設けて、整流素子16c,16dの部品温度を下げて動作を安定させる。
【0080】
[1次側をハーフブリッジ回路とした実施形態]
図8は、1次側回路をハーフブリッジ回路とし、2次側回路をフルブリッジ同期整流回路としたスイッチング電源装置の実施形態を示した回路ブロック図である。
【0081】
(パワー回路)
図8に示すように、1次側のパワー回路として設けたハーフブリッジ型のスイッチング回路12は、MOS−FETを使用した第1乃至第2スイッチング素子12a,12bを備える。
【0082】
即ち、スイッチング回路12は、直流電源10に対し並列に、ハイサイド側の第1スイッチング素子12aとグランド側の第2スイッチング素子12bの直列回路と、直流偏磁を抑制する第1コンデンサ15aと第2コンデンサ15bの直列回路とを接続し、第1及び第2スイッチング素子12a,12bの接続点と第1及び第2コンデンサ15a,15bの接続点との間に、トランス14の1次巻線14aを接続している。なお、以下の説明では、第1乃至第2スイッチング素子12a,12bと第1及び第2コンデンサ15a,15bを、単に、スイッチング素子12a,12b及びコンデンサ15a,15bとして説明する。
【0083】
また、スイッチング電源装置は、2次側のパワー回路として、フルブリッジ同期整流回路16を設けている。フルブリッジ同期整流回路16は、MOS−FETを使用した第1乃至第4整流素子16a〜16dを備え、その構成及び機能は図1の実施形態と同じになる。
【0084】
(スイッチング制御部)
1次側のスイッチング回路12に対してスイッチング制御部30が設けられる。スイッチング制御部30は固定周波数方式であり、負荷22に対する出力電圧を入力して所定の基準電圧との誤差電圧を検出し、誤差電圧を零とするように、スイッチング回路12のスイッチング素子12a,12bをオン、オフしてトランス14を駆動するオンデューティを制御する制御信号を出力する。
【0085】
スイッチング制御部30からの制御信号は第1及び第2遅延回路25a,25bの各々で所定の遅延を行った後にスイッチング素子12a,12bに供給される。
【0086】
(同期整流タイミング制御部)
2次側のフルブリッジ同期整流回路16を制御するため、同期整流タイミング制御部が設けられる。同期整流タイミング制御部は、スイッチング制御部30からスイッチング素子12aに供給する制御信号を入力した第1トランス駆動部24a、スイッチング制御部30からスイッチング素子12bに供給する制御信号を入力した第2トランス駆動部24b、2次側のフルブリッジ同期整流回路16に設けた整流素子16a〜16dに対応して設けた第1整流駆動部32a、第2整流駆動部32b、第3整流駆動部32c及び第4整流駆動部32dを備え、図1の実施形態と基本的に同じになる。
【0087】
(スイッチング電源装置の動作)
図8の1次側をハーフブリッジ型のスイッチング回路12としたスイッチング電源装置の動作は、図5(a)をスイッチング素子12aのゲート・ソース間電圧VGS1とし、図5(b)をスイッチング素子12bのゲート・ソース間電圧VGS2とした場合に相当し、図5(c)〜(j)は同じになる。
【0088】
図8のスイッチング電源装置の動作を第1期間A〜第4期間Dに分けて説明すると次のようになる。
(第1期間A)
第1期間Aでは、1次側のスイッチング回路12は、スイッチング素子12a、12b、がオフの状態からスイッチング制御部30からの制御信号によりスイッチング素子12aのゲート・ソース間電圧がHレベルとなり、スイッチング素子12aがターンオンする。
【0089】
このため、直流電源10のプラス側、スイッチング素子12a、トランス14の1次巻線14a、コンデンサ15b及び直流電源10のマイナス側となる経路で電流が流れ、トランス14のドット方向に電圧を発生させ、1次側から2次側へ電圧伝達を行う。
【0090】
このとき2次側のフルブリッジ同期整流回路16は、トランス14の巻線14cのドット方向に発生する電圧で整流駆動部32aが整流素子16aのゲート・ソース間電圧をHレベルとし、整流素子16aをターンオンさせる。
【0091】
また、スイッチング素子12aがターンオンする直前に、トランス駆動部24aが駆動トランス26の1次巻線26aをパルス的に駆動してデッドタイムをもったタイミング信号を2次側に伝達し、その2次巻線26bに発生するタイミング信号を整流駆動部32cが検出し、整流素子16cのゲート・ソース間電圧をHレベルからLレベルとし、整流素子16cをターンオフさせる。このとき整流素子16dはオン状態を維持する。
【0092】
このため図6の第1期間Aに示したと同様に、トランス14の2次巻線のドット側、整流素子16a、負荷22、チョークコイル20、整流素子16d及びトランス14の2次巻線14bの非ドット側となる経路で負荷22に電流が流れる。
【0093】
(第2期間B)
第2期間Bでは、1次側のスイッチング回路12は、スイッチング制御部30からの制御信号により、スイッチング素子12aのゲート・ソース間電圧をLレベルとし、スイッチング素子12aがターンオフし、このためスイッチング素子12a、12bが全てオフとなって電流は流れず、トランス14による1次側から2次側へ電圧伝達を停止する。
【0094】
このとき2次側のフルブリッジ同期整流回路16は、スイッチング素子12aのターンオフによりトランス14の電圧が低下するため、整流駆動部32aが補助巻線14cの電圧低下を検出し、整流素子16aのゲート・ソース間電圧をHレベルからLレベルとしてターンオフする。また、整流駆動部32cがトランス14の補助巻線14eの電圧低下を検出し、整流素子16cのゲート・ソース間電圧をLレベルからHレベルとしてターンオンする。
【0095】
このため図6の第2期間Bに示したと同様に、チョークコイル20の非ドット側、整流素子16d、整流素子16c、負荷22及びチョークコイル20のドット側となる経路で負荷22に電流が流れる。
【0096】
(第3期間C)
第3期間Cでは、1次側のスイッチング回路12は、第2期間Bのスイッチング素子12a、12bがオフの状態から、スイッチング制御部30からの制御信号によりスイッチング素子12bのゲート・ソース間電圧がLレベルからHレベルとなってスイッチング素子12bをターンオンする。
【0097】
このため直流電源10のプラス側、コンデンサ15a、トランス14の1次巻線14a、スイッチング素子12b及び直流電源10のマイナス側となる経路で電流が流れ、トランス14の非ドット方向に電圧を発生させ、1次側から2次側へ電圧伝達を行う。
【0098】
このとき2次側のフルブリッジ同期整流回路16は、整流駆動部32bがトランス14の補助巻線14dのドット逆方向に発生する電圧を検出し、整流素子16bのゲート・ソース間電圧をLレベルからHレベルとしてターンオンさせる。
【0099】
また、スイッチング素子12cがターンオンする直前にトランス駆動部24bが駆動トランス28の1次巻線28aをパルス的に駆動してデッドタイムをもったタイミング信号を2次側に伝達し、その2次巻線28bに発生する信号を整流駆動部32dが検出し、整流素子16dのゲート・ソース間電圧をHレベルからLレベルとしてターンオフさせる。このとき整流素子16cはオン状態を維持する。
【0100】
このため図6の第3期間Cに示したと同様に、トランス14の2次巻線14bの非ドット側、整流素子16c、負荷22、チョークコイル20、整流素子16b及びトランス14の2次巻線14bのドット側となる経路で負荷22に電流が流れる。
【0101】
(第4期間D)
第4期間Dでは、1次側のスイッチング回路12は、スイッチング制御部30からの信号により、スイッチング素子12bのゲート・ソース間電圧をHレベルからLレベルとしてターンオフし、スイッチング素子12a、12bが全てオフとなり、電流は流れず、トランス14による1次側から2次側へ電圧伝達を停止する。

【0102】
このとき2次側のフルブリッジ同期整流回路16は、スイッチング素子12bのターンオフにより、トランス14の電圧が低下するため、整流駆動部32bが補助巻線14dの電圧低下を検出し、整流素子16bのゲート・ソース間電圧をHレベルからLレベルとしてターンオフする。また、整流駆動部32dがトランス14の補助巻線14fの電圧低下を検出し、整流素子16dのゲート・ソース間電圧をLレベルからHレベルとしてターンオンする。
【0103】
このため図6の第4期間Dに示したと同様に、チョークコイル20の非ドット側、整流素子16d、整流素子16c、負荷22及びチョークコイル20のドット側となる経路で負荷22に電流が流れる。
【0104】
[本発明の変形例]
図2乃至図4に示したトランス駆動部及び整流駆動部の実施形態は、これに限定されず、同じ機能をもつ適宜の回路とすることができる。
【0105】
また、本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含む。更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0106】
10:直流電源
12:スイッチング回路
12a〜12d:スイッチング素子
14:トランス
14a:1次巻線
14b:2次巻線
14c〜14f:補助巻線
15,15a,15b:コンデンサ
16:フルブリッジ同期整流回路
16a〜16d:整流素子
18:出力コンデンサ
20:チョークコイル
22:負荷
24a:第1トランス駆動部
24b:第2トランス駆動部
25a:第1遅延回路
25b:第2遅延回路
26:第1駆動トランス
28:第2駆動トランス
30:スイッチング制御部
32a〜32d:整流駆動部
34:基板
36:放熱シート
38:放熱板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12