(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1判断手段によって前記顧客の顔を検出していないと判断された場合に、前記カメラによって撮像された顔画像から、前記顧客誘導手段によって誘導された前記顔を検出したか否かを判断する第2判断手段、
をさらに備え、
前記属性判断手段は、前記第2判断手段によって前記顔を検出したと判断された場合に、検出した当該顔の顔情報に基づいて当該顔情報に対応する属性を判断する、
請求項2に記載の販売データ処理装置。
前記第2判断手段によって前記顔を検出していないと判断した場合に、オペレータの操作により前記顧客の属性情報の入力を促すメッセージを前記オペレータに報知する報知手段と、
前記オペレータの操作によって前記顧客の属性を示す属性情報入力する属性入力手段と、
をさらに備えた、
請求項3に記載の販売データ処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、
図1〜
図9を参照して、実施形態に係る販売データ処理装置およびプログラムを詳細に説明する。実施形態では、販売データ処理装置としてPOS(Point of Sales)端末を用いて説明する。また、実施形態では、販売対象として商品を用いて説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0009】
図1は、実施形態のPOS端末が店舗内に設置された状態を示す平面模式図である。店舗内には、店舗内に陳列された商品を販売する精算所が設けられている。
図1は、この精算所に複数台の長尺状のカウンタ4のうちの1台を示している。このカウンタ4は、上面に平坦状の平面5が形成されており、この平面5には、POS端末1が設置されている。
【0010】
POS端末1は、店内で販売されている商品の販売に係る売上登録を行う。オペレータであるオペレータCHがPOS端末1を操作することで、POS端末1は、販売される商品の売上登録処理および決済処理を実行する。売上登録処理とは、販売される商品に付されたバーコード等のコードを光学的に読み取って商品コードを入力し、入力した商品コードに基づいて読み出した、当該商品の商品名や価格(商品情報)を表示するとともに、商品情報をバッファに記憶する処理をいう。決済処理とは、売上登録処理に伴いバッファに記憶された商品情報に基づいて、当該取引に係る合計金額の表示、顧客から預かった預り金に基づいて釣銭を計算して表示する処理、釣銭の発行を釣銭機に指示する処理、商品情報や決済情報(合計金額、預り金額、釣銭額等)を印字したレシートを発行する処理等をいう。なお、売上登録処理と決済処理を合わせた処理を取引処理という。
【0011】
POS端末1は、詳細は
図2と
図3で説明するが、オペレータCHが操作するキーボード等の操作部17、オペレータCHに対して情報を表示するオペレータ用表示部18、顧客Cに対して情報を表示する顧客用表示部19を備えている。オペレータCHは、カウンタ4のオペレータ側でPOS端末1を操作する。顧客Cは、カウンタ4の顧客C側に立つ。
【0012】
顧客用表示部19の外枠上部には、カメラ191が設けられている。カメラ191は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等で構成されている。カメラ191は、顧客C側に向けて設置されており、POS端末1の顧客C側のC1で囲まれたエリアに位置する顧客Cが、顧客用表示部19に表示される表示を見る位置に設けられている。
【0013】
カメラ191は、取引する顧客C等の動画または連続静止画(総称して「画像」という)を撮像する。実施形態では、例えば1秒間に10枚顧客Cの画像を撮像する。カメラ191が撮像した顧客Cの画像は、顔以外に顧客Cが着ている衣服等も撮像する。
【0014】
図2は、実施形態のPOS端末1の、オペレータCH側から見た外観を示す斜視図である。
図2において、POS端末1は、本体2と金銭収納箱3とを有する。金銭収納箱3は、ドロワを有し、顧客Cから預かった紙幣や貨幣の金銭や商品券等の有価証券類、および顧客Cに手渡す釣銭等を収納している。
【0015】
本体2は、操作部17、オペレータ用表示部18、顧客用表示部19、読取部20を備えている。操作部17は数字を入力する置数キー、売上登録の終了を宣言する小計キー、取引の終了を宣言する預/現計キー(いずれも
図4を参照)等のキーを備えたキーボードである。オペレータ用表示部18は、液晶表示器等で構成され、操作者に情報を表示する。顧客用表示部19は、液晶表示器等で構成され、顧客Cに情報を表示する。
【0016】
読取部20は、CCDラインセンサ等を有し、商品に付されたバーコードや2次元コード等のコードを読取って、商品を特定する商品コードを入力する。実施形態では、ハンディタイプの読取部20を用いており、オペレータCHは、手に取った読取部20を商品に付されたコードに近づけるか接触させることでコードを読取る。なお、読取部20は、発光された光をポリゴンミラー等で走査し、コードで反射した光を受光する構成のスキャナであってもよい。
【0017】
また、本体2は、内部に、POS端末1の制御部(
図6を参照)や、印字部21を備えている。印字部21は、本体2内に収納されたロール状のレシート用紙を引き出して、例えば熱転写型の印字ヘッドを備えたサーマルプリンタ等で商品情報や決済情報等を印字し、レシートとして発行する。
【0018】
図3は、POS端末1を顧客C側から見た外観を示す斜視図である。
図3において、POS端末1は、顧客用表示部19の表示面側の上部に、CCDイメージセンサ等で構成されるカメラ191が設けられている。
【0019】
図4は、POS端末1の操作部17の一部を示す平面図である。
図4において、操作部17は、置数キー171、小計キー172、預/現計キー173、属性キーである客層キー174を備えている。置数キー171は、「0」〜「9」までの数字を置数して、例えば商品の数等を入力するキーである。小計キー172は、商品の売上登録の終了および決済処理の開始を宣言するキーである。預/現計キー173は、当該顧客との取引の終了を宣言するキーである。客層キー174は、顧客の属性(性別や年齢層)を入力するキーである。実施形態の場合、操作部17は、便宜上8個の客層キー174を示しているが、実際には
図7に示す客層に対応した14個の客層キーを備えている。各客層キー174は、それぞれ異なる属性に対応しており、操作された客層キー174に対応した属性が出力される。例えば属性1の客層キー174が操作されると、性別(男)で年齢層(10歳代)の属性が出力される。
【0020】
次に、
図5を用いて、顧客用表示部19の視野角を切り換える原理について説明する。
図5において、顧客用表示部19は、メインパネル192と、メインパネル192上に設けられたスイッチパネル193を有する構造である。メインパネル192は、電圧を印加することで文字や図形等を広角に表示する液晶パネルである。スイッチパネル193は、所定の電圧を印加することで液晶分子の配向を制御して、光を正面方向のみ透過させ周辺方向へは透過させない。
【0021】
そのため、スイッチパネル193に電圧を印加していない状態では、スイッチパネル193は光をあらゆる方向に透過させるため、メインパネル192の視野角は広角である。すなわち顧客用表示部19は視野角が広く、周辺方向からでも顧客用表示部19の表示をクリアに見ることができる。一方、スイッチパネル193に所定の電圧を印加すると、スイッチパネル193は光を正面方向のみ透過させ周辺方向へは透過させないため、メインパネル192の視野角は正面方向のみの狭角となる。すなわち顧客用表示部19の視野角は狭く、正面方向からは顧客用表示部19の表示をクリアに見ることができるが、周辺方向からは顧客用表示部19の表示をクリアに見ることができない。
【0022】
図5において、スイッチパネル193に電圧を印加していない状態では、顧客用表示部19は、視野角θ1の広角をもって情報を表示する。この場合、視野角θ1の範囲内にいる顧客Cは、顧客用表示部19に表示された情報を見ることができる。
図5の場合、顧客用表示部19に正対する位置にいる顧客C1と顧客用表示部19の周辺位置にいる顧客C2が顧客用表示部19の表示をクリアに見ることができる。一方、スイッチパネル193に所定の電圧を印加している状態では、顧客用表示部19は、視野角θ2の狭角をもって情報を表示する。この場合、顧客用表示部19に対して視野角θ2内(カメラ191に正対する位置)にいる顧客C1は顧客用表示部19の表示をクリアに見ることができるが、顧客用表示部19に対して視野角θ2より外側の周辺位置にいる顧客C2は顧客用表示部19の表示をクリアに見ることができない。
【0023】
次に、
図6および
図7を用いて、POS端末1のハードウェアについて説明する。
図6は、POS端末1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図6において、POS端末1は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、メモリ部14等を備えている。CPU11は制御主体となる。ROM12は各種プログラムを記憶する。RAM13はプログラムや各種データを展開する。メモリ部14は各種プログラムを記憶する。CPU11、ROM12、RAM13、メモリ部14は、互いにデータバス15を介して接続されている。CPU11とROM12とRAM13が、制御部100を構成する。すなわち、制御部100は、CPU11がROM12やメモリ部14に記憶されRAM13に展開された制御プログラム141に従って動作することによって、後述する制御処理を実行する。
【0024】
制御部100は、スイッチパネル193に電圧を印加せずに顧客用表示部19を広角に表示させる。また、制御部100は、スイッチパネル193に所定の電圧を印加して顧客用表示部19を狭角に表示させる。すなわち制御部100は、広角に表示されている顧客用表示部19のスイッチパネル193に所定の電圧を印加することで、顧客用表示部19の視野角を狭角に切換える制御を実行する。また、制御部100は、狭角に表示されている顧客用表示部19のスイッチパネル193への電圧の印加を停止することで、顧客用表示部19の視野角を広角に切換える制御を実行する。
【0025】
RAM13は、商品情報部131と画像記憶部132を備えている。商品情報部131は、読取部20で読み取った商品コードに対応して売上登録処理された商品の商品情報(商品名、商品の価格、等)を記憶する。画像記憶部132は、カメラ191が撮像した撮像画像から顔を検出した顧客Cの顔画像を記憶する。顔を検出する顔検出技術は、カメラ191が撮像した画像から後述する顔の各パーツ(目、鼻、口、耳、顎等)のすべてを検出することで、人物の顔であることを検出する公知の技術である。
【0026】
メモリ部14は、電源を切っても記憶情報が保持されるHDD(Hard Disc Drive)やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成され、制御プログラム141を含むプログラム等を記憶する。また、メモリ部14は、顔マスタ142(
図7を参照)、属性集計部143を備えている。
【0027】
属性集計部143は、POS端末1で売上登録処理した商品(すなわち顧客が購入した商品)の商品情報を、商品を購入した顧客の属性情報と対応させて、属性別(性別や年齢層別)に集計して記憶する。属性集計部143に記憶された商品情報に基づいて、属性別の購買商品の傾向やトレンドを分析することができる。
【0028】
また、データバス15には、操作部17、オペレータ用表示部18、顧客用表示部19、読取部20、印字部21、カメラ191が、コントローラ16を介して接続されている。コントローラ16は、制御部100からの指示を受けて、操作部17、オペレータ用表示部18、顧客用表示部19、読取部20、印字部21、カメラ191を制御する。ただ、説明の都合上、コントローラ16が行う制御を制御部100が行うとして説明する。
【0029】
また、データバス15は、通信I/F(Interface)24を接続している。通信I/F24は、通信回線25を介して、店内に設置された他のPOS端末1や店舗サーバ(図示せず)と電気的に接続している。店舗サーバは、店舗に設置されているすべてのPOS端末1と電気的に接続しており、各POS端末1から商品情報や決済情報を収集する。店舗サーバは、POS端末1から収集した商品情報や決済情報を、本部に設置された本部サーバ(図示せず)に送信する。
【0030】
図7は、メモリ部14の顔マスタ142を示すメモリマップである。
図7において、顔マスタ142は、10歳代から70歳以上までの性別毎・年齢層毎に対応付けて、顔情報である顔パーツ情報を記憶する顔パーツ情報部1421を備えている。各顔パーツ情報部1421は、それぞれの属性(年齢層や性別)を特定できる顔パーツ情報を記憶している。なお、顔マスタ142は、POS端末1以外の、例えばストアサーバ(図示せず)等が備えていてもよい。
【0031】
顔パーツ情報とは、人の顔をパーツや特徴に合わせて分類した、属性毎の各パーツや特徴を示すデータであり、例えば、人の目、鼻、口、耳、顎といったパーツの特徴や、笑顔、真面目顔、目を閉じている、目を開いている、といった顔の変形特徴を表すデータをいう。属性毎に記憶した顔パーツ情報は、他の属性とは異なるその属性の特徴を表す情報である。例えば、10歳代(男)の顔パーツ情報部1421には、10歳代男性の特徴を示す目、鼻、口、耳の情報、10歳代男性の特徴を示す笑顔、真面目顔の情報が記憶されている。この属性別の顔パーツ情報は、多数の統計データに基づいて作成された、その属性を顕著に表す情報である。
【0032】
続いて、
図8および
図9を用いて、POS端末1の制御処理について説明する。
図8は、POS端末1の機能構成を示す機能ブロック図である。制御部100が、ROM12やメモリ部14に記憶された制御プログラム141を含む各種プログラムに従うことで、顧客誘導手段101、属性判断手段102、関連付け手段103、第1判断手段104、第2判断手段105、報知手段106、属性入力手段107を機能させる。
【0033】
顧客誘導手段101は、取引処理された販売対象の情報の顧客用表示部19への表示に際し、顧客用表示部19の視野角を広角から狭角に切り換えることで、カメラ191に正対する位置に顧客の顔を誘導する機能を有する。
【0034】
属性判断手段102は、顧客誘導手段101によって誘導された顔を撮像して得られた顔情報に基づいて当該顔情報に対応する属性を判断する機能を有する。
【0035】
関連付け手段103は、属性判断手段102によって判断された属性の属性情報を、取引処理された商品の商品情報と関連付ける機能を有する。
【0036】
第1判断手段104は、カメラ191によって撮像された顔から顧客Cの顔を検出したか否かを判断する機能を有する。
【0037】
第2判断手段105は、第1判断手段104によって顧客Cの顔を検出していないと判断された場合に、カメラ191によって撮像された顔画像から、顧客誘導手段101によって誘導された顧客Cの顔を検出したか否かを判断する機能を有する。
【0038】
報知手段106は、第2判断手段105によって顔を検出していないと判断した場合に、オペレータの操作により顧客の属性情報の入力を促すメッセージをオペレータに報知する機能を有する。
【0039】
属性入力手段107は、オペレータの操作によって顧客の属性を示す属性情報を入力する機能を有する。
【0040】
図9は、POS端末1の制御処理の流れを示すフローチャートである。
図9において、制御部100は、読取部20で商品に付されたコードが読み取られて商品コードが入力されたか否かを判断する(S11)。商品コードが読み取られたと判断した場合は(S11のYes)、制御部100は、S11で入力された商品コードが当該取引における最初の商品の商品コードであるか否かを判断する(S12)。制御部100は、商品情報部131に、商品の商品情報が記憶されていない場合は当該取引における最初の入力であると判断する。
【0041】
当該取引における最初の入力であると判断した場合は(S12のYes)、制御部100は、カメラ191を起動して、カメラ191による顧客Cの撮像を開始する(S13)。そして、制御部100は、入力された商品コードに基づいて売上登録処理を実行して商品情報を商品情報部131に記憶する(S14)。そして制御部100(広角表示手段101)は、商品情報部131に記憶した商品情報を、オペレータ用表示部18と顧客用表示部19に共に広角に表示する(S15)。そして制御部100は、S11に戻る。
【0042】
一方、商品コードが入力されていないと判断した場合は(S11のNo)、制御部100は、上記顔検出技術を用いて、カメラ191によって撮像された画像から顔を検出したか否かを判断する(S21)。検出されたと判断した場合は(S21のYes)、制御部100は、検出した顔の顔画像を画像記憶部132に記憶する(S22)。そして制御部100は、S11に戻る。
【0043】
また、カメラ191によって撮像された画像から顔を検出していないと判断した場合は(S21のNo)、制御部100は、小計キー172が操作されたか否かを判断する(S31)。操作されたと判断した場合は(S31のYes)、制御部100は、カメラ191による顧客Cの撮像を終了する(S32)。そして制御部100は、商品情報部131に記憶された商品情報に基づいて、当該取引における各商品の商品情報および合計金額を表示する(S33)。なお、S33において、必ずしも商品情報を表示しなくてもよく、合計金額のみを表示するようにしてもよい。
【0044】
次に制御部100(第1判断手段104)は、画像記憶部132に顔検出した顧客Cの顔画像が記憶されているか否かを判断する(S34)。記憶されていると判断した場合は(S34のYes)、制御部100(属性判断手段102)は、記憶されている顔画像に基づいて、顧客Cの属性を判断する(S35)。すなわち、制御部100は、画像記憶部132に記憶された顧客Cの顔画像に含まれる顔パーツ情報を顔パーツ情報部1421に記憶されている各顔パーツ情報と照合する。そして制御部100は、顔パーツ情報部1421で一致した顔パーツ情報と対応した属性の属性情報を抽出して、当該属性を顧客Cの属性と判断する。
【0045】
次に制御部100は、オペレータCHによって預/現計キー173が操作されたか否かを判断する(S36)。操作されるまで待機し(S36のNo)、操作されたと判断した場合は(S36のYes)、制御部100は、取引の終了に向けてS37〜S39の処理を実行する。
【0046】
すなわち制御部100(関連付け手段103)は、商品情報部131に記憶されている商品情報とS35で判断した属性を示す属性情報を関連付けて属性集計部143に記憶する(S37)。記憶された属性が蓄積され、客層分析や商品の売上分析等に活用される。次に制御部100は、商品情報部131に記憶した商品情報に基づいて、決済処理を実行する(S38)。決済処理が終了したら、制御部100は、商品情報部131に記憶した商品情報を消去する(S39)。そして制御部100は、S11に戻る。
【0047】
一方、画像記憶部132に顔検出した顧客Cの顔画像が記憶されていないと判断した場合は(S34のNo)、制御部100(顧客誘導手段101)は、顧客用表示部19のスイッチパネル193に電圧を印加して顧客用表示部19の視野角を広角から狭角に切換えて表示する(S51)。このとき広角に表示されている各商品の商品情報および合計金額は狭角に表示される。このように、制御部100が顧客用表示部19の視野角を広角から狭角に切換えて表示することで、視野角θ2の外側にいる顧客C(すなわち顧客Cの顔)は、顧客用表示部19の表示がクリアに見えるように、カメラ191が顧客Cの顔を正面方向から撮像可能な、カメラ191に正対する位置(視野角θ2の内側の位置)に誘導される。なお、カメラ191に正対する位置として、カメラ191の真正面が最適な位置であるが、必ずしも真正面でなくてもよく、視野角θ2の内側の位置であれば、カメラ191に正対する位置である。
【0048】
以降制御部100は、取引情報を視野角θ2の狭角に表示する。そして制御部100は、カメラ191を再起動して、カメラ191による顧客Cの撮像を開始する(S52)。そして制御部100(第2判断手段105)は、上記顔検出技術を用いて、カメラ191によって撮像された画像から顔を検出したか否かを判断する(S53)。
【0049】
S51において、顧客用表示部19の視野角がθ2に狭くなっているため、顧客C2(すなわち顧客Cの顔)は、顧客用表示部19の表示がよりよく見える、カメラ191に正対する位置まで誘導される。そのため、カメラ191は、顧客Cの顔をほぼ正面から撮像することができる。したがって、カメラ191の撮像画像から顧客Cの顔を検出し易くなる。
【0050】
検出されたと判断した場合は(S53のYes)、制御部100は、検出した顔の顔画像を画像記憶部132に記憶する(S54)。そして制御部100は、カメラ191による顧客Cの撮像を終了する(S55)。そして制御部100は、スイッチパネル193への電圧の印加を停止して顧客用表示部19の視野角を広角に切換える(S56)。以降制御部100は、取引情報を広角に表示する。そして制御部100は、S35以降を実行する。
【0051】
また、カメラ191によって撮像された画像から顔を検出していないと判断した場合は(S53のNo)、制御部100は、顔を検出しないまま所定時間経過したか否かを判断する(S61)。経過していないと判断した場合は(S61のNo)、制御部100は、S53に戻る。一方、所定時間経過したと判断した場合は(S61のYes)、制御部100は、制御部100(報知手段106)は、オペレータ用表示部18に、客層キー174を操作することを示すメッセージを表示することで、オペレータCHに属性情報の入力を促すように報知する(S62)。
【0052】
このメッセージは、POS端末1は、現在取引している顧客の属性を判断できないため、オペレータCHに対し、オペレータCHが顧客Cの属性を判断して、該当する客層キー174を操作して属性情報の入力を促すメッセージである。この表示を見たオペレータCHは、顧客Cの属性を判断して、該当すると思われる客層キー174を操作する。すると操作された客層キー174に対応する客層情報が入力される。
【0053】
制御部100(属性入力手段107)は、いずれかの客層キー174が操作されたか否かを判断する(S63)。操作されるまで待機し(S63のNo)、操作されたと判断した場合(S63のYes)、制御部100は、カメラ191による顧客Cの撮像を終了する(S64)。そして制御部100は、スイッチパネル193への電圧の印加を停止して顧客用表示部19の視野角を広角に切換える(S65)。客層キー174の操作は、当該取引の終了の宣言の意味もあるため、その後制御部100は、取引の終了に係るS37〜S39の処理を実行する。S37では、制御部100は、商品情報部131に記憶されている商品情報(販売対象情報)とS63で入力した属性を示す属性情報を関連付けて属性集計部143に記憶する。なお、S31において、小計キー172が操作されていないと判断した場合は(S31のNo)、制御部100は、S11に戻る。
【0054】
このような実施形態によれば、制御部100は、広角に表示された顧客用表示部19に取引情報を表示するとともに、この取引情報を見た顧客Cの顔検出できたかを判断する。そして制御部100は、顧客Cの顔を検出できなかった場合は顧客用表示部19の視野角を狭角にして取引情報を表示する。顧客C(すなわち顧客Cの顔)は、視野角が狭くなった顧客用表示部19の表示を見ようとして、顧客用表示部19に設けられたカメラ191が前記顧客の顔を正面方向から撮像する、カメラ191に正対する位置に誘導される。すると、カメラ191はより正面から顧客Cを撮像できるので、制御部100は、顧客Cの顔をより高い確率で検出できる。換言すると、このようなPOS端末1は、より高い確率で顔検出ができるため、顔検出の取りこぼしを軽減することができる。制御部100は、検出した顔の顔情報に基づいて顧客Cの属性を判断する。
【0055】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0056】
例えば、実施形態では、小計キー172が操作され商品情報および合計金額を表示したタイミングで顔画像の記憶の有無を判断して、顧客用表示部19の視野角を広角から狭角に切り換えたが、例えばカメラ191を起動して顧客Cの撮像を開始するタイミング(S13)で、顧客用表示部19の視野角を広角から狭角に切り換えるようにしてもよい。この場合、早期に顧客C(すなわち顧客Cの顔)をカメラ191に正対する位置に誘導することができるため、S21による顔検出できる確率が高くなる。なお、カメラ191を起動して顧客Cの撮像を開始するタイミングは任意であってよい。また、カメラ191を起動して顧客Cの撮像を開始するタイミングを任意に設定できるようにしてもよい。
【0057】
また、実施形態では、商品情報および合計金額情報を、取引処理された販売対象の情報の一例として説明したが、これに限らず、取引処理された販売対象の情報は、顧客Cからの預り金額情報や顧客Cに手渡す釣銭額情報等を含んでいてもよい。
【0058】
また例えば、実施形態では、カメラ191で連続静止画を撮像するようにしたが、動画を撮像するようにしてもよい。
【0059】
また、実施形態では、商品を販売対象の一例として説明したが、商品以外の販売対象(例えばサービス)であってもよい。
【0060】
なお、実施形態の販売データ処理装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0061】
また、実施形態の販売データ処理装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、実施形態の販売データ処理装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0062】
また、実施形態の販売データ処理装置で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。