(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6247258
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】金型回転装置を具備する射出成形機
(51)【国際特許分類】
B29C 45/06 20060101AFI20171204BHJP
B29C 45/80 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
B29C45/06
B29C45/80
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-153983(P2015-153983)
(22)【出願日】2015年8月4日
(65)【公開番号】特開2017-30278(P2017-30278A)
(43)【公開日】2017年2月9日
【審査請求日】2016年11月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】大野 大
【審査官】
中山 基志
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−283701(JP,A)
【文献】
特開平03−224013(JP,A)
【文献】
特開2011−240598(JP,A)
【文献】
特開2005−271468(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C33/00−33/76
B29C45/00−45/84
B22D15/00−17/32
B23Q16/00−16/12
G05D3/00−3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転量検出手段を備えたモータと、
該モータで駆動し、回転盤を備えた金型回転装置を具備する射出成形機において、
前記金型回転装置は、
前記回転盤に設けた被検出部位と、
前記被検出部位との距離を検出する距離検出手段と、
前記回転量検出手段が検出した回転量に基づくフィードバック制御により前記回転盤を回転させる第1の回転制御部と、
前記距離検出手段が検出した距離に基づくフィードバック制御により前記回転盤を回転させる第2の回転制御部と、
前記回転盤の回転開始から回転終了までの間の所定の回転角度において、前記第1の回転制御部による回転制御から前記第2の回転制御部による回転制御に切換える回転制御切換部と、
金型の型閉じ時の前記金型の位置を基準位置として、前記距離検出手段の距離検出の基準補正をする基準補正手段と、
を有することを特徴とした射出成形機。
【請求項2】
前記金型回転装置は前記回転盤の少なくとも2つの異なる位相で位置決めを行ない、
前記位置決めを行なう各位相において、前記距離検出手段が検出する距離を調整する調整手段を有することを特徴とした請求項1に記載の射出成形機。
【請求項3】
前記第1の回転制御部による回転制御から前記第2の回転制御部による回転制御に切換える時に前記距離検出手段が検出した距離が予め設定した範囲から外れている場合、異常と判断することを特徴とした請求項1に記載の射出成形機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は射出成形機に関し、特に金型回転装置を具備する射出成形機に関する。
【0002】
一般的に射出成形機は金型を備え、金型内に溶融された樹脂を射出した後、型締めを行うことによって成形を行っている。この成形の工程において、金型の型閉じ及び型締めを行うときには通常は特段回転させることなく型閉じ及び型締めを行うが、成形にあたって複数色や複数種類の樹脂を用いて成形を行う場合があり、そのような場合には、異なる色や種類の樹脂を射出するために、ロータリーテーブル(回転盤)を用いて金型の可動側を回転させる必要がある場合がある。
【0003】
そのように金型を回転させる必要がある場合には、いずれの射出元からも樹脂の射出を適切に行うために、金型の回転位置を繰り返し精度よく位置決めする必要がある。しかしながら、大きな装置になってくると、バックラッシの影響が大きくなり、金型を駆動する駆動モータに備えられたエンコーダによる位置決めだけでは精度を確保することが難しくなる場合がある。
【0004】
特許文献1には、ロータリーテーブルの回転位置割出装置において、ロータリーテーブルの回転位置を検出して、ロータリーエンコーダの分解能に応じてロータリーテーブルを設定回転位置に回転移動させる技術が開示されている。
特許文献2には、テーブル回転装置の下部に位置決めブロックを設けた金型回転装置において、位置決め手段による停止位置の微調整を行い、回転部が回転開始から高速状態、低速状態へと減速制御されて、最終的な停止位置において位置決めブロックと位置決め手段のストッパが機械的に当たるようにして位置決めを行う技術が開示されている。
【0005】
特許文献3には、金型の少なくとも一方をラム軸を介して移動させるサーボモータと、サーボモータのエンコーダの信号もしくはラム軸の位置を監視するリニアセンサの信号を制御入力として、リニアセンサが金型の位置を検出できない区間ではエンコーダの信号によって位置のフィードバック制御を行い、リニアセンサが金型の位置を検出できる区間ではリニアセンサの信号によって位置のフィードバック制御を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実願昭63−26620号(実開平1−132344号)のマイクロフィルム
【特許文献2】特開2000−296532号公報
【特許文献3】特開2014−121717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されている技術は、エンコーダを取り付けて位置情報をフィードバックする技術であるが、エンコーダの取り付けに高価な装置が必要となることがある。また、装置内部に測定器を組み込む必要があるため、測定器を後付けすることが困難な場合がある。
特許文献2に開示されている技術は、停止位置の変更のためには、位置決めブロックを機械的に調整する必要があるため、短時間で正確な調整を行うことが困難となるおそれがある。
特許文献3に開示されている技術は、リニアセンサとエンコーダを用いた制御であるため、金型の直線状の移動にしか適用できないといったことがある。
【0008】
そこで本発明は、射出成形機における金型の回転位置の制御において、コストを高くすることなく、位置決め精度の高い制御を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願の請求項1に係る発明では、回転量検出手段を備えたモータと、該モータで駆動し、回転盤を備えた金型回転装置を具備する射出成形機において、前記金型回転装置は、前記回転盤に設けた被検出部位と、前記被検出部位との距離を検出する距離検出手段と、前記回転量検出手段が検出した回転量に基づくフィードバック制御により前記回転盤を回転させる第1の回転制御部と、前記距離検出手段が検出した距離に基づくフィードバック制御により前記回転盤を回転させる第2の回転制御部と、前記回転盤の回転開始から回転終了までの間の所定の回転角度において、前記第1の回転制御部による回転制御から前記第2の回転制御部による回転制御に切換える回転制御切換部と、
金型の型閉じ時の前記金型の位置を基準位置として、前記距離検出手段の距離検出の基準補正をする基準補正手段と、を有することを特徴とした射出成形機が提供される。
【0010】
請求項1に係る発明では、モータの回転量検出手段が検出した回転量に基づく第1の回転制御部と、距離検出手段が検出した距離に基づくフィードバック制御による第2の回転制御部とを備え、所定位置において第1の回転制御部による回転制御から第2の回転制御部による回転制御に切り換えるようにしたことによって、当初は高速で目標の移動量まで移動し、その後距離検出手段の変位センサの信号によって正確な位置決めを行うことが可能となる。そのため、低コストで位置決め精度の高く、調整が容易で、生産効率の高い装置を提供することが可能となる。
また、金型の型閉じ時の金型の位置を基準として、距離検出手段の距離検出の基準補正を行うことにより、適宜距離検出手段の距離検出の基準補正を行うことができ、ドリフト等によるずれの修正を行うことが可能となる。
【0012】
本願の請求項
2に係る発明では、前記金型回転装置は前記回転盤の少なくとも2つの異なる位相で位置決めを行い、前記位置決めを行う各位相において、前記距離検出手段が検出する距離を調整する調整手段を有することを特徴とした請求項1に記載の射出成形機が提供される。
請求項
2に係る発明では、少なくとも2つの異なる位相で位置決めを行う際に、それぞれの変位センサや被検出部位の個体差や取り付け誤差による検出誤差を調整することが可能となり、異なる位相において正確に位置決めを行うことが可能となる。
【0013】
本願の請求項
3に係る発明では、前記第1の回転制御部による回転制御から前記第2の回転制御部による回転制御に切換える時に前記距離検出手段が検出した距離が予め設定した範囲から外れている場合、異常と判断することを特徴とした請求項1に記載の射出成形機が提供される。
請求項
3に係る発明では、第1の回転制御部による回転制御から第2の回転制御部による回転制御に切り換えるときに、距離検出手段が検出した距離があらかじめ設定した範囲から外れていることによって、モータが所定の回転量
を回転しても金型が正しく回転していない異常状態を判断することが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、射出成形機における金型の回転位置の制御において、コストを高くすることなく、位置決め精度の高い制御を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態の可動プラテン、回転盤、駆動プーリ等の関係を示した図である。
【
図2】本発明の実施形態の可動プラテン、回転盤、駆動プーリ等の関係の変形例を示した図である。
【
図3】本発明の実施形態の可動プラテン、回転盤、駆動プーリ等の関係で、被検出部位を2つ設けた例を示した図である。
【
図4】本発明の実施形態の可動プラテン、回転盤、駆動プーリ等の関係で、変位センサを2つ設けた例を示した図である。
【
図5】本実施形態の信号の流れを示したブロック図である。
【
図6】本実施形態の動作の流れを示したフローチャートである。
【
図10】第4の実施形態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の可動プラテンと回転盤、駆動プーリとの関係を示した図である。可動プラテン12上に回転可能な回転盤10が設けられ、回転盤10の駆動源である駆動プーリ14と回転盤10との間はタイミングベルト16が掛け回され、駆動プーリ14の駆動により回転盤10が回転するように構成されている。駆動プーリ14は図示しないモータによって駆動されており、モータに設けられたエンコーダ等の回転検出装置によって回転位置が検出可能とされている。
【0017】
また、可動プラテン12には変位センサ20が設けられ、回転盤10には被検出部位22が設けられている。これらの変位センサ20と被検出部位22とで距離検出手段が構成され、変位センサ20からの信号が射出成形機の制御装置に帰還されている。変位センサ20としては、接触式のセンサを用いることもできるし、LED、レーザ、超音波等を用いた非接触式のセンサを用いることもできる。また、被検出部位22としては、回転盤10に取り付け取り外し可能で、変位センサ20で検知可能な部材でもよいし、回転盤10の一部に除去加工をして形成してもよい。
射出成形機の制御装置は、変位センサ20からの信号が設定された目標値となるように、回転盤10の位置制御を行う。
【0018】
変位センサ20と被検出部位22は適宜変更することが可能である。
図2は、
図1において被検出部位22を表面曲線状に変形した例である。また、
図3は回転盤10の対角状に2つの被検出部位22(22a、22b)を設け、半回転ごとに位置検出を行うようにした例である。ここでは、180度ごとに2つの被検出部位22を設けた例を説明したが、後述するように3つ以上の被検出部位22を設けるようにすることもできる。
図4は、
図3のさらなる変形例であり、被検出部位22を2つ設ける代わりに、変位センサ20を可動プラテン12の対角状に2つ設けた例である。
【0019】
図5は、本実施形態の信号の流れを示したブロック図である。モータの回転速度制御部15からの速度指令が電流制御部17に入力され、電流制御部17からの信号によりモータ18が駆動される。モータ18の位置情報は帰還され、位置指令と合わせて回転速度制御部15にフィードバックされる。
また、距離速度制御部25にも位置指令と、変位センサ20からの変位情報が入力される。そして、入力切換部40における切り換えによって、回転速度制御部15からの速度指令信号と、距離速度制御部25からの速度指令信号の入力の切り換えを行う。
【0020】
図6のフローチャートに基づき、本実施形態の動作を説明する。
・(ステップSA1)モータ、駆動プーリ、回転盤を回転させて、金型回転装置を回転させる。
・(ステップSA2)回転検出装置による検出により、モータの回転量があらかじめ設定された回転数の後に所定の設定位置に到達したか否かを判定する。設定位置に到達した場合(YES)はステップSA3に進み、到達していない場合(NO)はステップSA2を繰り返す。
【0021】
・(ステップSA3)距離検出手段による制御に移行し、変位センサからの信号が設定値となるように位置決めを行う。
・(ステップSA4)変位センサからの位置検出信号が設定範囲に入ったか否かを判定する。設定範囲に入った場合(YES)は終了し、入っていない場合(NO)はステップSA4を繰り返す。
【0022】
これにより、金型回転の工程において、金型回転装置は回転検出装置による制御によって、まず高速で目標の移動量まで移動して、その後距離検出手段による制御に移行して、変位センサからの信号によって位置決めを行うため、コストを高くすることなく、位置決め精度の高い制御を可能とすることができる。また、変位センサは比較的容易に組み付けることが可能であるため、容易に構成することが可能となる。
【0023】
(第2の実施形態)
長時間連続して射出成形機を運転させる場合、運転による温度の上昇等の要因により、変位センサ20にドリフトが生じ、精密な位置決めに影響を及ぼすことがある。射出成形機の金型回転装置は、周期的に設定された位置に回転して位置決めを繰り返し、型閉じする際に、金型は正しい位置になるような方向への力を受ける。これを利用して、型閉じした際の金型の位置に基づいて、距離検出手段の基準値の補正を行う。
【0024】
図7は、本実施形態を説明するための図である。中央の0の位置が位置ずれがない位置であり、上下方向は位置ずれの量を示している。上下の点線間は、位置ずれがあっても、型閉じ時の締め込みにより、型閉じが可能で、型閉じにより金型がおおよそ正しい位置となる範囲を示している。
図7に示された例では、1回目については位置ずれは発生していないが、2回目以降は位置ずれが発生している。位置ずれの原因としては、変位センサ20のドリフト等による基準値のずれが考えられるため、例えば2回目の型閉じの際に金型がおおよそ正しい位置となった時に変位センサ20の基準値が位置ずれなしとなるように、基準値の補正を行う。これによりドリフトの影響を小さくすることができる。
【0025】
基準値の補正は、ずれが生じるたびに行ってもよいが、型閉じの所定回数ごとに行うことも可能である。
図7に示された例では、毎回基準値の補正を行っているわけではなく、2回目、3回目となるに従い、徐々に位置ずれの量が増加している。4回目までであれば、位置ずれの量が型閉じできる範囲に収まっているため、型閉じすることによって金型をおおよそ正しい位置として、変位センサ20の基準値の補正をすることが可能であるが、5回目の位置となると、位置ずれが大きくなりすぎて、型閉じすることができなくなるため、位置ずれの量が大きくなる前に基準値の補正を行うことが望ましい。
【0026】
(第3の実施形態)
金型回転装置が例えば、0度、180度と、少なくとも2つの位相で位置決めを行う場合、被検出部位22をそれぞれの位相に設置して、変位センサ20は1つとすることができる(
図3参照)。しかし被検出部位22の個体差や取り付け誤差によって、位置決めを行いたい金型回転装置の実際の位置は、変位センサ20が検出する距離とずれる可能性がある。そのため、あらかじめ各位相における調整量を把握しておき、変位センサ20からの出力信号を各位相でそれぞれ調整する。
これらの調整は、被検出部位22の個体差や取り付け誤差などが原因となって、回転盤を例えば、設計上の0度の位置や180度の位置などに位置決めした時に変位センサ20の検出値が0度や180度に一致しない場合に対応するための調整で、主に回転盤10を組み立てた時や、変位センサ20を交換した時などに行う。
【0027】
なお、上記のようにして調整を行ったとしても、実際に金型を回転盤10に搭載して回転盤10を回転させ、金型を閉じると、回転盤10上での金型の取付け位置の違いや金型のガイドピンなどの嵌合状態の違いなどもあり、依然としてわずかなずれが生じる場合がある。その場合には、第2の実施形態の手法を用いて、型閉じした状態における変位センサ20の検出距離があらかじめ定められた所定の距離となるよう基準補正を行うとよい。
【0028】
図8は、本実施形態における調整を説明するための図である。
図8においては、変位センサ20が1つで、被検出部位22が3つ設けられた例が示されている。
図8(a)は、3つの被検出部位22のうち、第1の被検出部位22aが変位センサ20に接近する例であり、
図8(b)は第2の被検出部位22bが変位センサ20に接近する例であり、
図8(c)は第3の被検出部位22cが変位センサ20に接近する例である。
【0029】
ここで、
図8に示されているように、被検出部位22の高さが、第1の被検出部位22a、第2の被検出部位22b、第3の被検出部位22cで異なっている。それにより、変位センサ20が検出する変位の値もそれぞれの被検出部位22の高さの違いに応じて異なってくるため、その違いをパラメータとしてそれぞれ有しており、パラメータの値を加えることによって、変位センサ20が検出する変位の値が同一となるように調整を行う。
【0030】
図9は、
図8の例の変形例であり、被検出部位22が1つで、それを検出する変位センサ20が3つ設けられた例が示されている。
図9(a)は、3つの変位センサ20のうち、第1の変位センサ20aが被検出部位22に接近する例であり、
図9(b)は第2の変位センサ20bが被検出部位22に接近する例であり、
図9(c)は第3の変位センサ20cが被検出部位22に接近する例である。
【0031】
図9の例においても
図8の例と同様に、変位センサ20ごとに、変位センサ20と被検出部位22との間の距離が異なっている。それにより、変位センサ20ごとに検出する変位の値も異なってくるため、その違いをパラメータとしてそれぞれ有しており、パラメータの値を加えることによって、それぞれの変位センサ20が検出する変位の値が同一となるように調整を行う。
【0032】
(第4の実施形態)
金型回転装置と制御装置に不具合がない場合、モータに備えられた回転検出装置からなる第1の回転制御部による回転制御で所定の位置まで回転すると、被検出部位22は変位センサ20の距離検出範囲内に入り、制御装置に一定範囲に入る検出距離に応じた信号が入り、その時点で次の工程である変位センサ20と被検出部位22からなる第2の回転制御部による回転制御に移行できる。タイミングベルトの歯とび、動力伝達機構部のすべり、変位センサが正しく位置を検出できていないなど不具合が起きた場合、モータが所定の回転量回転しても、金型は正しく回転していないことが想定される。そのため、第1の回転制御部による回転制御から第2の回転制御部による回転制御に切り換える時に、変位センサ20と被検出部位22との距離があらかじめ設定された範囲からはずれている場合に、異常状態として判断して、操作者に異常状態を示して運転を停止させるようにする。
【0033】
図10は、本実施形態を説明するための図であり、モータに備えられた回転検出装置からなる第1の回転制御部による回転制御から、変位センサ20と被検出部位22とからなる第2の回転制御部による回転制御に移行した時点の状態を示している。ここで、30は変位センサ20と被検出部位22との間の距離の、あらかじめ設定された所定の範囲を示す仮想線である。
図10に示された例においては、第1の回転制御部による回転制御から、変位センサ20と被検出部位22とからなる第2の回転制御部による回転制御に移行した時点において、変位センサ20と被検出部位22との間の距離が、あらかじめ設定された所定の範囲以内であるため、正常動作状態であると判断されるが、第1の回転制御部による回転制御から、変位センサ20と被検出部位22とからなる第2の回転制御部による回転制御に移行した時点において、被検出部位22の位置が、変位センサ20と被検出部位22との間の距離が、あらかじめ設定された所定の範囲外である場合には、なんらかの異常が発生したものと判断して、操作者に異常状態を示して運転を停止させるようにする。
【符号の説明】
【0034】
10 回転盤
12 可動プラテン
14 駆動プーリ
15 (モータの)回転速度制御部
16 タイミングベルト
17 電流制御部
18 モータ
20 変位センサ
22 被検出部位
25 距離速度制御部
30 所定の範囲を示す仮想線
40 入力切換部