特許第6247267号(P6247267)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6247267
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】多層菓子の形成システムおよび形成方法
(51)【国際特許分類】
   A23G 3/00 20060101AFI20171204BHJP
   A23G 4/00 20060101ALI20171204BHJP
   A23G 3/02 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
   A23G3/00
   A23G3/30
   A23G3/02
【請求項の数】14
【外国語出願】
【全頁数】74
(21)【出願番号】特願2015-196927(P2015-196927)
(22)【出願日】2015年10月2日
(62)【分割の表示】特願2013-557853(P2013-557853)の分割
【原出願日】2012年3月8日
(65)【公開番号】特開2016-34278(P2016-34278A)
(43)【公開日】2016年3月17日
【審査請求日】2015年10月6日
(31)【優先権主張番号】61/451,805
(32)【優先日】2011年3月11日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508351303
【氏名又は名称】インターコンチネンタル グレート ブランズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116872
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 和子
(72)【発明者】
【氏名】ヤニ バラット
(72)【発明者】
【氏名】ミラディノフ ヴェッセリン ディー.
【審査官】 戸来 幸男
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2003/0161914(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0185961(US,A1)
【文献】 国際公開第2005/089255(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23G 3/00−3/56
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/FSTA/
WPIDS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1形成ドラムセットを有する第1形成ステーションを用いて平均厚さ0.3mm〜10mmを有する第1の菓子シートを形成する工程、
第2形成ドラムセットを有する第2形成ステーションを用いて平均厚さ0.3mm〜10mmを有する第2の菓子シートを形成する工程、および
前記第1の菓子シートと前記第2の菓子シートとを、第2形成ドラムセットの形成ドラムのうちの少なくとも1つを用いて、前記第2の菓子シートが前記第1の菓子シート上に移動されるときに前記第2の菓子シートに圧縮力を加えることによって、積層して多層菓子シートを形成する工程、を含み、
前記第1形成ドラムセットは、垂直方向に隣接して配置された第1上部形成ドラムおよび第1下部形成ドラムを包含し、
前記第2形成ドラムセットは、垂直方向に隣接して配置された第2上部形成ドラムおよび第2下部形成ドラムを包含し、
前記第1形成ステーションは、前記第2形成ステーションの上流に一連に配置され、
前記第1の菓子シートおよび前記第2の菓子シートのうちの少なくとも1つはチュ−インガムである、多層菓子シートを形成する方法。
【請求項2】
ガム成分を混合してガム構造物を産出する工程、および第1形成ステーションおよび第2形成ステーションのうちの少なくとも1つに前記ガム構造物を供給してガムシートを形成する工程をさらに包含し、ここで、前記ガム構造物が平均厚さ20mm超有する非均一の塊または均一な形の形態で供給される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ガムシートが2mm〜6mmの厚さかつ10%未満の前記ガム構造物から前記ガムシートに形成された際の、前記ガムシートの目的の厚さからサイズ決定化厚さへの厚さの変動を意味する厚さの変動係数を有し、さらに、前記ガムシートを形成するために、第1形成ドラムセットおよび第2形成ドラムセットのうちの少なくとも1つを40℃〜60℃の表面温度に熱する工程をさらに包含する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
第1形成ドラムセットおよび第2形成ドラムセットにおいて、逆回転している隣接する上部形成ドラムおよび下部形成ドラムが菓子を上部形成ドラムおよび下部形成ドラムの間のギャップを通して引っ張って前記菓子シートを圧縮形成し、第1形成ドラムセットおよび第2形成ドラムセットが一連にコンベヤーベルト上に配置され、前記コンベヤーベルト上第1菓子シートを第2形成ドラムセットの方に運び、第2形成ドラムセットの形成ドラムの1つを用いて前記コンベヤーベルト上運ばれる第2菓子シートを第1菓子シートの上部に積層する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも2つの形成ドラムを含む第3形成ドラムセットを用いて0.3mm〜10mmの厚さを有する第3菓子シートを形成する工程、第1形成ドラムセット、第2形成ドラムセットおよび第3形成ドラムセットの隣接形成ドラム間を引っ張られる菓子を圧縮し、第1菓子シート、第2菓子シートおよび第3菓子シートを形成する工程で、圧縮する工程が厚さの10%未満の変動係数および0.6m超の幅を有する第1菓子シート、第2菓子シート、および第3菓子シートを形成する菓子に対し均一なクロスウェブ圧縮力をかけることを包含し、および第2菓子シート上部に第3形成ドラムセットの形成ドラムの1つを用いて、前記第3の菓子シートが前記第2の菓子シート上に移動されるときに前記第3の菓子シートに圧縮力を加えることによって、第3菓子シートを積層する工程、をさらに包含する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
第2形成ドラムセットの下流に配置されるローラーを用いて表面の凹凸を滑らかにする工程をさらに包含し、ここで、前記ローラーが前記コンベヤーベルト上にそれらの間にギャップを伴って配置され、ギャップが多層菓子シートの平均厚さと実質的に等しく、前記多層菓子シートのクロスウェブ厚さを平らにする、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
第1菓子シートと第2菓子シートの温度を調整する工程をさらに包含し、第1菓子シートの粘度と第2菓子の粘度を実質的に一致させる、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
大きい吐出オリフィスを有する低せん断押出機を用いて、30mm超の平均厚さを有する前記ガム構造物の連続的なウェブへとガム構造物を予備形成して、前記押出機中において前記ガム構造物に加えられるせん断力を最小にする工程をさらに含み、ここで、前記形成ドラムセットを用いて前記ガムシートを形成する工程が、圧縮力をかけて前記ガム構造物の連続的なウェブの厚さを2mm〜6mmの厚さに減少させる工程を包含する、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
第1形成ドラムセットおよび第2形成ドラムセットを冷却したコンベヤーベルト上にセットアップする段階をさらに含み、前記する形成ドラムのうちの少なくとも1つが冷却され、
セットアップする段階が、上部ドラムと下部ドラムとを水平方向にずれている関係に配置される工程、
前記菓子シートの所望の厚さに対応する前記上部ドラムと下部ドラムとの間のギャップを与える工程、
前記上部ドラムを前記下部ドラムの垂直方向上方に配置し、菓子注入口領域を前記下部ドラムの垂直方向上方に設ける工程、
前記上部ドラムと下部ドラムとのそれぞれにモータを設けて各ドラムを独立して駆動させる工程、
前記上部ドラムおよび下部ドラムを逆回転させ、前記ギャップを通して菓子を引っ張り、前記菓子に圧縮力を加えて前記する菓子シートを形成する工程、を包含する請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記上部ドラムおよび前記下部ドラムが同じまたは異なる線速度で駆動され、ここで、第1形成ドラムセットおよび第2形成ドラムセットを、形成中0.5mm未満で前記上部ドラムおよび下部ドラムの間に最大たわみを維持するように構成する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第1形成ドラムセットが第1菓子の非均一な塊から第1菓子シートを形成し、ここで、第1形成ドラムセットの上部ドラムおよび下部ドラムは逆回転して、そのドラム間のギャップを通して第1菓子の非均一な塊を引っ張って第1菓子シートを形成し、第2形成ドラムセットが30mm超の平均厚さを有する第2菓子の連続的なウェブから第2菓子シートを形成し、第2形成ドラムセットの上部ドラムと下部ドラムとが逆回転してそのドラム間のギャップを通して第2菓子の連続的なウェブを引っ張り、連続的なウェブの厚さを減少させ第2菓子シートを形成する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
上部ドラムおよび下部ドラムを水平方向にずれている関係に配置して第3形成ドラムセットをセットアップする工程、前記菓子シートの所望の厚さに対応する前記上部ドラムと下部ドラムとの間のギャップを備える工程、前記上部ドラムを前記下部ドラムの垂直方向上方に配置する工程、前記上部ドラムと下部ドラムのそれぞれにモータを備えて各ドラムを独立して駆動する工程、前記上部ドラムおよび下部ドラムを逆回転させて、前記ギャップを通して第3菓子を引っ張り、第3菓子に圧縮力を加えて第3菓子シートを形成する工程、をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
第1形成ドラムセット、第2形成ドラムセットおよび第3形成ドラムセットがコンベヤーベルト上に一連に配置され、ここで第1形成ドラムセットは第2形成ドラムセットの上流に配置され、および第2形成ドラムセットは第3形成ドラムセットの上流に配置され、ならびにガム構造物を調製する工程、および第1形成ドラムセットと第3形成ドラムセットとに前記ガム構造物を供給する工程、ならびにチューイーキャンディーを調製する工程、および前記チューイーキャンディーを第2形成ドラムセットに供給する工程を包含し、第1形成ドラムセットが第1ガムシートを形成し、第2形成ドラムセットがチューイーキャンディーシートを形成し、第1ガムシートの最上部に前記チューイーキャンディーシートを積層し、および第3形成ドラムセットが第2ガムシートを形成し、前記チューイーキャンディーシートの最上部に第2ガムシートを積層し、これによりガム−チューイーキャンディーガムシートを形成する工程、をさらに包含する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
第1形成ドラムセットがガムシートを形成し、第2形成ドラムセットがコーティング物質を形成するコーティングフィルムを形成し、および前記ガムシート上にコーティングフィルムに圧力をかけながら積層し、ここで、前記コーティング物質が固体糖アルコールまたは砂糖、および粘り気のある砂糖液体結合剤を含み、第2形成ドラムセットの上部ドラムおよび下部ドラムが前記するコーティング物質に圧縮力を加え、前記コーティングフィルムを形成する、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層菓子製品の製造システムおよび製造方法に関し、より具体的には、少なくとも2つの菓子層を包含している多層菓子製品の形成システムおよび形成方法ならびに/または温度変換システムおよび温度変換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
市場で購入できるいくつかの菓子は、複数の異なる菓子組成物を包含するが、菓子製品の異なる組成物のすべてが消費者に明らかであるわけではない。そのような菓子製品の例は、チューインガムを中心に包みハードキャンディ外殻を包含するチューインガム中心充填キャンディーを包含する。残念ながら、そのような菓子製品は、2つの異なる菓子組成物が同時に供給されている視覚的な利点を消費者に提供しない。
【0003】
最近、本願の譲受人は、チューイーキャンディー層と2つのチューインガム層を包含する多層菓子製品を発している。この多層菓子製品は、3つの視覚的に異なる菓子層を与え、消費者がフレーバーおよび異なる菓子組成物の感覚的な利益を同時に楽しむことを可能とする。
【0004】
しかしながら、そのような多層菓子製品の製造は、独特の課題を提起する。例えば、異なる特徴を有する異なる菓子組成物のいくつかの層を積層するとき、他の層より低粘度を有する層は滲み出るかもしれず、またはそのような層は互いに十分に接着しないかもしれず、そして互いにずれるかもしれない。
【0005】
さらに、チューインガム層を包含する多層菓子製品の製造工程は、ガム製造プロセスが典型的には時間消費であり、大量の機械を含むとき、追加のプロセス課題を導入することができる。従来のガム製造形成工程は、非均一産出として加工済みガムを混合かつ製造する工程、加工済みガムを塊に押出しかつ形成する工程、加工済みガムの塊を調整する工程、加工済みガムの連続的な薄いシートに塊を押し出す工程、連続的なシートを一連のローラーを通して転がし均一に減少した厚さにする工程、シートの点数をつけかつ個々の点数シートに分離する工程、および個々のシートを調整室中で調整する工程を含有しうる。そのようなガム製品の製造プロセスおよび形成プロセスは、特許文献1、特許文献2および特許文献3に開示され、本願譲受人が注目する先行技術に当たり、特許文献4は本願譲受人に指定され、それらの教示および開示は、本開示と矛盾しない範囲においてその全体を参照により本願明細書に援用する。
【0006】
伝統的なのサイズ決定(サイジング、sizing)設備は、小さい矩形のオリフィス(例えば約25mm×457mmの寸法を有する矩形のオリフィス)を通してチューインガムを押し進めるサイズ決定押出機を包含する。オリフィスのサイズが小さくなるにつれて、比較的大きい量の力が必要とされる。典型的には、サイズ決定押出機を出る製品は、依然としてかなり厚い。結果として、多くの先行のシステムは、典型的には、およそ25mmから典型的には約2〜6mmまでガムの厚さを漸進的に減少させるために、伝統的なローラーやスコアリングシステム、複数のサイズ決定ローラーのようなコンベヤーベルトの上に順番に配置された一連のサイズ決定ローラーを採用する。さらにローラーへのガムの付着を防止するために、好適な粉末剤を用いたダスティング(粉付け、dusting)が用いられることが典型的である。このあと、スコアリングロールおよび分割ロールが使用されて薄い板ガム、またはいくらか短くおよびずんぐりした厚板のガム、またはペレットが生成されてもよい。暖かい柔軟な製品は上手く包装できないので、このような従来のラインは、典型的には、梱包の前にかなりの量の、後に続く冷却および/または調整を必要とすることにもなろう。さらに、そのような従来のラインの清掃は、大きな労働力を要し、例えば、最大10時間続きうる。
【0007】
それゆえ、本発明は、形成システムと形成方法の改善および/または多層菓子製品の冷却システムと冷却方法に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願第4,882,175号明細書
【特許文献2】米国特許出願第6,254,373号明細書
【特許文献3】米国特許出願第7,112,345号明細書
【特許文献4】米国特許出願第12/352,110号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のことを考慮して、本発明の実施形態は、当該技術分野で存在している1以上の問題を克服する多層菓子製品の新しくかつ改善されたシステムおよび方法を提供する。より具体的には、本発明の実施形態は、各層を個々に形成するシステムと方法、および/または各層の温度を個々に変更するシステムと方法ならびに層を積層して多層菓子製品を形成するシステムと方法を提供する。プロセスパラメータは各層独立して調節することができるので、本発明のシステムおよび方法は、異なる特徴を有する複数の異なる菓子組成物を包含する多層菓子製品を製造することに特に有利である。さらに、本発明のシステムおよび方法は、従来のガム形成工程およびサイズ決定を改善した代替技術を提供することにより少なくとも1つのチューインガム層を含有する多層菓子製品に追加の利点を提供しうる。このように、多層菓子プロセスの範囲全体にわたる新しい可能性が種々の発明態様とともに提供され、以下に集約されおよび/または本開示全体にわたって説明されるように、独立にまたは組み合わせて用いられてよい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの発明態様は、複数の形成ドラムセットを用いて多層菓子製品を形成する装置および方法に向けられる。各セットの形成するドラムは、一般的にギャップに対応する均一な厚さを有する菓子組成物のシートを形成するために採用されるギャップを有する。
【0011】
利点を有する種々の工程のアレンジが実現されてよい。例えば、いくつかの実施形態において、形成ドラムの各セットは菓子シートの所望の厚さ(他の層と同じまたは異なってよい)を形成するように設計され得る。さらに、いくつかの形成ドラムまたは全形成ドラムは、伝熱ドラムであり、層に形成されるときに菓子組成物を加熱または冷却してよい。このような実施形態において、菓子組成物の各層は、その層の特徴に応じて独立して冷却または加熱され得、滲み出し、ずれおよび異なる特性を有する菓子組成物の複数の層の形成工程および形成かつ積層する他のプロセス課題を回避しまたは最小にする各菓子組成物の最適な粘度を得る。
【0012】
さらに、少なくとも1つのチューインガム層を包含している多層菓子製品のため、形成ドラムは、1つの形成段階で所望のチューインガム厚さを生成するために使用されうる。例えば、一連のローラーおよび進行性の厚さ削減圧延操作はガム形成プロセスから除去されてよい。一実施形態において、形成ドラム間の感覚は、1mm〜6mmで設定され、所望の厚さである最終的なチューインガム厚さに実質的に対応(同じまたは同程度)し得る。形成ドラムを通過させる場合、ガムは一般的に20%未満、より典型的には10%未満、好ましくは約5%未満またはそれ以下の不一致の厚さを伴う均一な厚さを有する。同様に、他の菓子類は、所望の厚さを有する菓子組成物の層を製造するために形成ドラムを用いて形成されうる。
【0013】
好ましくは、下流の圧縮ローラーは、種々の組成変化およびプロセス変化に起因する多層菓子シートの表面の凹凸を滑らかにするために用いられる。下流の圧縮ローラーは、多層間の接着性も増強しうる。圧縮ローラーは多層菓子製品の所望な全体厚さに対応する間隔またはわずかに大きいまたは小さい(例えば、0.0〜0.3ミリメートルの差異)を伴うコンベヤーベルト上に配置されうる。好ましくは、圧縮ローラーは、多層菓子製品を加熱または冷却しうる伝熱ローラーである。いくつかの実施形態において、圧縮ローラーの温度は、多層菓子製品の表面の質および厚さの制御工程で重要な変数である。圧縮ローラー、代替の圧縮ローラーも、多層菓子製品の上面に分散キャンディーまたは他の菓子成分に圧縮する目的を与えてよい。
【0014】
別の発明態様は、いくつかの実施形態における形成ドラムは、従来のガム製造ラインの高せん断サイズ決定タイプの事前押出機と置き換えることができる。従来のガム製造ラインにおいて、事前押出機は、比較的薄い連続リボン(例えば、厚さ約1インチ×幅18 インチ)を産出するために典型的に使用される。本発明は、サイズ決定タイプの事前押出機および下流の複数のサイズ削減圧延ローラーの変わりに形成ドラムを用いることを検討する。そのような実施形態の優位点は、著しく少ないせん断力がチューインガムにかけられるということである。結果として、特定のせん断に敏感な成分ははるかにより無傷なままである可能性が高く、その結果、得られた製品が、より多くのせん断に敏感な成分を無傷のまま最終生成物の中に含有する可能性があるか、または最終の成分含有量を伴うガムを達成するためにガム混合操作中に添加される必要とされるせん断に敏感な成分の量をより少ない量とすることができ、これにより、費用削減の潜在的可能性がもたらされる。
【0015】
さらに、さらに幅のある層(少なくとも24インチ幅および優に最大36〜50インチ幅または所望に応じてできる幅)が形成ドラム(従来のサイズ決定タイプの事前押出機より150%〜300%またはそれ以上幅のある)を用いて形成されうる。そのような幅のある積層菓子層は実質的に製造効率を改善し得る。
【0016】
本発明の実施形態のシステムに応じたシステムの個々の利点は、システムの低エネルギーシステムであり、具体的にはサイズ決定タイプの事前押出機および下流の複数のサイズ削減圧延ローラーを包含する従来のガム製造ラインと比較したときにである(エネルギー動力において60%〜80%削減)。
【0017】
本発明の一実施形態において、多層菓子シートを形成する方法が提供される。当該方法は、第1形成ドラムセットを用いて約0.3mm〜10mmの平均厚さを有する第1菓子シートを形成する工程、第2形成ドラムセットを用いて約0.3mm〜10mmの平均厚さを有する第2の菓子シートを形成する工程、および第1菓子シートと第2菓子シートとを積層して多層菓子シートを形成する工程、の段階を包含する。
【0018】
本発明の別の実施形態において、各菓子層の粘度を調節しながら多層菓子の形成する方法が提供される。当該方法は、第1形成ドラムセットを用いて一般的な均一な厚さを有する第1菓子シート内に第1菓子を形成する工程、第2形成ドラムセットを用いて一般的な均一な厚さを有する第2菓子シート内に第1菓子を形成する工程、第1形成ドラムセットまたは第2形成ドラムセットを用いて第1菓子類および第2菓子類のうちの少なくとも1つの粘度を調節し、第1菓子シートおよび第2菓子シートの間に十分な接着性を与えかつ滲み出しを最小にする工程、および第1菓子シートと第2菓子シートとを積層して多層菓子シートを形成する工程、の段階を包含する。
【0019】
さらに別の本発明の実施形態において、多層菓子の形成装置が提供される。当該装置は少なくとも2つの一連に配置された形成ドラムセットを含有し得る。各形成ドラムセットは、その間にギャップを伴って配列された少なくとも2つの形成ドラムおよび形成ドラムの少なくとも1つの位置を調整して約0.3mm〜10mmのギャップに設定するするギャップ設定装置を包含する。各形成ドラムセットは約0.3mm〜10mmの平均厚さを有する菓子シートを形成し、形成ドラムのうちの少なくとも1つはコンベヤーベルト上に菓子シートを積層し多層菓子シートを形成する。
【0020】
本発明の他の態様、目的および優位点は、添付の図面と併せて解釈するとき、以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本願明細書に組み込まれて本願明細書の一部を形成する添付の図面は、本発明のいくつかの態様を具現化し、説明と一緒になって、本発明の技術思想を説明する役割を果たす。
【0022】
図1】3層菓子組成物を製造するための3つの菓子形成ステーションを包含する本発明の一実施形態における多層菓子製品製造工程の一部概略図および一部斜視図である。
図2】3つの菓子形成ステーションを包含し、2つの菓子形成ステーションが共通の上流の菓子混合押出機を共有し、他の菓子形成ステーションが独立した混合押出機から供給を受ける、本発明の他の実施形態における多層菓子製品製造工程の一部概略図および一部斜視図である。
図3】3つの菓子形成ステーションを包含し、大理石模様のガムキャンディー−大理石模様のガム層が共に積層されている、本発明の他の実施形態における多層菓子製品製造工程の一部概略図および一部斜視図である。
図4】大理石模様のガムシートを形成する図3の製造工程の形成ステーションの概略図である。
図5】本発明の一実施形態における2層菓子製品の製造用システムの一部概略図および一部斜視図である。
図6】本発明の一実施形態における4層菓子製品の製造用システムの一部概略図および一部斜視図である。
図7】本発明の一実施形態における3層菓子製品の製造用システムであり、いくつかの形成ステーションが3つの形成ドラムを包含するシステムの一部概略図および一部斜視図である。
図8】本発明の一実施形態における一対のフィードローラーを包含するホッパーの上面斜視図である。
図9】構造フレームに固定された形成ドラムセットを包含する糖菓形成ステーションであって、一般的に均一なクロスウェブ間隔が1対の形成ドラムの間に備えられるステーションのクロスウェブ図の概略図である。
図10図9の糖菓形成ステーションの1対の形成ドラムの間のたわみを示すクロスウェブ図の概略図である。
【0023】
本発明は、特定の好ましい実施形態に関連して記載されるが、本発明をそれらの実施形態に限定することは意図されていない。逆に、添付の特許請求の範囲によって定められる本発明の趣旨および範囲の中に包含されるすべての代替の態様、改変物および均等物を包含することが意図されている。
【発明を実施するための形態】
【0024】
多層菓子製品、特に視覚的に異なる層を包含する多層菓子製品は、消費者に独特の視覚的な楽しみを与える。さらに、多層菓子製品は、一成分系菓子製品に得られないかもしれない新しくかつ改善された感覚的な楽しみを与えうる。例えば、多層菓子製品は少なくとも1つのチューインガム層を包含するように形成され、長期かつ持続するフレーバープロファイルを与え、および少なくとも1つのキャンディータイプ菓子層を含有するように形成され、フレーバーまたは甘味の初期噴出のフレーバーのより早い放出を与える。さらに、多層菓子製品層は新しい食感の特徴(例えば、釣り合った食感または不釣り合いの食感)を包含するように形成され、消費者の新しい感覚的な楽しみを与えうる。
【0025】
それゆえ、市場には異なる菓子成分を包含する種々の多層菓子製品を開発する需要がある。しかしながら、多層菓子製品のような製造工程は上で論じたように独特のプロセス課題、具体的には、異なるプロセスパラメータを必要とする異なる特徴を有する多層菓子組成物を包含する製品のプロセス課題を提起する。さらに、従来の菓子製造装置およびプロセスは、多層菓子製品を生成するために使用することができる菓子形成の範囲を限定しうる。
【0026】
本発明は、製造システムおよびプロセスに存在する課題および調節に対処する多層菓子製品を生産する新しくかつ改善されたシステムおよび方法を提供する。本発明の実施形態におけるシステムおよび方法は、各菓子層を個々に形成しおよび積層する複数の形成ドラムセットを包含し、多層菓子製品を形成する。
【0027】
各層は分離した形成ドラムセットを用いて形成されるので、形成ドラムセットのプロセスパラメータは、層形成に最適な各菓子層の組成特徴において独立に調節されうる。さらに、各層の温度も、同じ形成ドラムまたは分離した伝熱ドラムを用いて独立に調整される。形成ドラムはサイズ決定ドラム、積層ドラム、形成ドラム、サイズ決定ローラー、または他の同様の用語でも称される。
【0028】
本発明の種々の実施形態に係る形成ドラムを包含するシステムは、他の従来の菓子製造システムに対して多くの利点を提供しうる。形成ドラムセットは、一般的に菓子層を所望の厚さおよび幅に一段階で形成かつサイズ化し得、そのため従来のガム製造システムの押出成形機および/または圧延ローラーのように重くかつ長いプロセス段階の装置を置換しうる。このように、そのようなシステムおよび方法は、形成ドラムが所望の厚さおよび幅を有するガム層の一段階の低せん断形成を提供し得、これにより従来のガム製造ライン中の高せん断サイズ決定タイプの事前押出機(押出成形機とも呼ばれる)および複数のサイズ削減圧延ローラーを置換するので少なくとも1つのチューインガム層を包含する多層化し製品を形成するのに特に有利である。
【0029】
さらに、形成ドラムは、低エネルギーおよび低せん断システムを提供する。いくつかの実施形態において、従来の任意のガム製造システムと比較したとき、当該システムに送られるエネルギーは60%〜80%削減される。さらに、低せん断システムは、長く持続する甘味料のようなせん断官能性成分および/または活性物の完全性を保ちうる。多層菓子製品を形成するために使用することができる菓子製剤の範囲も改善されうる。例えば、当該システムは、低弾性結合剤製剤と少しプロセスパラメータを変換する弾性ガム製剤とを取扱いうる。
【0030】
形成ドラムは、野菜または鉱油のような非粉末剥離剤を用いて潤滑にされえ、これにより、粉末剥離剤を用いる従来のシステムで必要とされる高価な粉末収集設備を取り除くことができる。粉末剥離剤を取り除くことにより、粉末の外観のない新しい菓子製品は製造されえ、増強された食味も提供するかもしれない。さらに、粉末剥離剤を使用しないこと、形成ドラムによって形成する単一段階に起因して簡素化された設備の必要性、菓子組成物またはフレーバー間の変更時間は、最小の清掃の必要性により大きく減少する。一実施形態において、フレーバー間の変更時間は、5〜10分に短縮され、数時間かかる従来のガム製造ラインの変更時間と比較したとき、かなり大きく短縮される。
【0031】
いくつかの実施形態において、形成ステーションは核の菓子層を形成し、核の菓子層の片側または両側にコーティング層を圧縮しながら積層しうる。例えば、パン生地のようなコーティング物質はチューインガム層に圧縮され、たった一回の利用で、硬さまたは柔らかさの望ましいコーティングを形成する。そのようなコーティングプロセスは、数秒または数分かかる。この新規コーティングプロセスは、核に砂糖シロップコーティング物質の多くの薄層を塗布し、典型的には数時間かかる従来のパンニングコーティング技術とは異なる。形成ドラムを用いてコーティング層を圧縮積層することにより、本願実施形態は、時間や経費削減だけでなく、製品形態により大きな柔軟性を与える。例えば、柔らかい菓子の核が使用され得、核の異なる表面に異なるコーティングが形成され得、および/または異なる形状製品が生産されうる、などである。さらに形成ローラーによって形成されるコーティングは、押出コーティングプロセスのような他のシステムと比較して均一性、滑らかさ、および外観に優れた表面を製造しうる。
【0032】
(形成システムおよび形成方法の総括)
本発明の種々の実施形態に係るシステムおよび方法は、それぞれが菓子成分の各層を個別に形成および/または条件を調整し、一緒に積層する形成ドラムセットを包含する複数の形成ステーションを提供することによりそのような多層菓子製品を生産する課題を解決する。そのようなものとして、菓子成分の各層は、所望の厚さおよび幅に形成されならびに/またはその物理的特性に応じた所望の温度に調整されうる。
【0033】
多層菓子製品を生産するためのシステムの一実施形態は、図1に図示される。製造工程100は3層菓子製品を形成するために設計される。示されるように、システム100は一般的に、菓子の各層を調製する3つの上流混合システム102、104、106、3つの菓子形成ステーション108、110、112、圧縮ローラー114、スコアローラー116、コンベヤーベルト118、冷却トンネル120および包装ステーション122を包含する。
【0034】
各上流混合システム102、104、106は、図1に箱として概略的に図示されている。各上流混合システム102、104、106は、選択された菓子を調製するために必要とされる設備を包含する。例えば、各上流混合システム102、104、106は、混合機(バッチ混合機および/または連続混合機)、調理器、および/または所望の菓子に応じた他の設備を包含してよい。各上流混合システム102、104、106は、同じ菓子組成物または異なる菓子組成物を調製してよい。各上流混合システム102、104、106は、対応する形成ステーション108、110、112を供給する。各形成ステーションは形成ドラムセット124、126、128およびホッパー130、132、134を包含する。
【0035】
各形成ドラムセット124、126、128は2つの形成ドラムを包含する。各形成ドラムセット124、126、128は、約25%未満、より典型的には約20%未満、および好ましくは約10%、5%、3%または1%未満の厚さの変動係数を伴う約0.3mm〜25mm、典型的には約0.3mm〜15mm、および好ましくは約0.3〜10mm、およびより好ましくは約2mm〜6mmの厚さを有する菓子シートを形成し得る。形成ドラムセット124は、形成ドラム148、154を用いて所望の幅および厚さを有する第1菓子層142を形成する。第2菓子層144は、形成ドラムセット126の形成ドラム150、156によって形成かつサイズ決定される。第2菓子層144は、形成ドラム156の底部により第1菓子層142の上部に積層されている。同様に、第3菓子層146は、形成ドラム152、158によって形成かつサイズ決定され第2菓子層144の上面に積層されている。圧縮ローラー114は、任意の表面の凹凸を滑らかにし得、および/もしくはさらに多層菓子の厚さを削減させ、ならびに/または菓子層142、144、146の間の接着を強くする。
【0036】
実施形態のより詳細な考察に移る前に、ある程度限定を意図しないが、種々の多層菓子製品を形成するために用いることができる、チューインガムおよびキャンディーの構成の情報および特徴が提供されるだろう。
【0037】
(チューインガム)
チューインガムは、通常は決して飲み込まれない成分の大部分に、ゴムのような咀嚼成分であるガムベースを含む。チューインガムは、甘味料、フレーバーなどを含む消費される部分をも含み、また層にまたは成分にチューインガムに組み込まれる他のキャンディーまたは食品も包含する。このガムベースは、ガムベースは、その材料に加工に対する弾力性および弾性を導入し、および、熱をあまりよく伝えない比較的非伝導性のまたは絶縁性の材料を与えるという点で、食品加工において比較的独特である。これは、特有の加工の困難さをもたらす。加工に対して、加工されるガム製品の温度は、粘度に、ならびに弾性および弾力性などの他の加工の特徴に大きい影響を及ぼす。
【0038】
さらに、異なるタイプのガムのレシピも、加工の考慮事項を変えるであろうが、一般に、同じ装置またはラインで異なるガムのレシピを運転する要望がある。成分のいくつかは、まったく良好に加工に対応する。フレーバーなどの他の成分は、熱による短時間の放出(flash off)にさらされるかもしれず、これにより、最終の消費できる製品中のフレーバーの量が少なくするかもしれない。封入された甘味料などの他の成分は、せん断力(例えば、かなりの圧力、強力な混合、加工する力などに起因する)に敏感であり、従って加工中に損傷を受けうる。これらの要因は、すべて、ガムを形成とサイズ決定することおよび多層製品を生産するため他の菓子成分を積層することに対して、異なる課題を与える。理解する目的で、いくつかの用語の定義および典型的なガム組成物成分が以下に論じられる。
【0039】
本願明細書で使用する場合、「ガム構造物」は、限定されないが、包括的なコンパウンディングされたエラストマーから、加工済みガムの範囲に及ぶ(コンパウンディングされたエラストマーも加工済みガムも包含される)組成物が挙げられ、この加工済みガムは、いくつかのコンパウンディング助剤に加えてコンパウンディングされたエラストマーを、マスターバッチのガムベースを、いくつかの後続のガム成分に加えてコンパウンディングされたエラストマーを、いくつかのガムベース成分およびいくつかの後続のガム成分に加えてコンパウンディングされたエラストマーを、ガムベースを、いくつかの後続のガム成分に加えてガムベースを、マスターバッチの加工済みガムを、ならびに加工済みガムを含んでもよい。
【0040】
「加工済みガム」は、本願明細書で使用する場合、製品を消費者へと流通させるための準備がほぼ整っているガム構造物を指す。従って、加工済みガムは、温度調節、形成、成形、コーティングおよび梱包をまだ必要とする可能性がある。しかしながら、このガム組成物自体は、ほぼ完成している。加工済みガムのすべてが、同じ成分または同じ量の個々の成分を有するわけではない。成分および成分の量を変えることにより、とりわけ質感、香味および感覚は、異なる特徴を与えるように変えることができ、使用者のニーズを満たすことができる。一般に周知のように、加工済みガムは、一般に、水溶性のバルク部分、水不溶性のガムベース部分、および1以上の着香剤を含む。水溶性部分は、噛んでいる間に、長期にわたって消散する。ガムベース部分は、咀嚼プロセス全体にわたって、口腔中に保持される。
【0041】
本願明細書で使用する場合、「加工済みガムベース」は、後のガム成分と結合され加工済みガムを形成するためだけに必要な十分なガムベース成分の組み合わせを包含するガム構造物を言及する。加工済みガムベースは、少なくとも粘性成分、弾性成分、および軟化成分を包含する咀嚼可能な粘弾性物質である。例えば、典型的なガムベースは、エラストマーと充填剤、樹脂および/または可塑剤、ポリ酢酸ビニル、ならびに軟化剤(油、脂肪またはワックスなど)を少なくともいくつかを含んでよい。例えば、任意の軟化剤の添加物を含まないコンパウンディングされたエラストマーは、不可能とまでは行かないが、咀嚼するのが困難なため加工済みのガム構造中に使用できるとは考えられないだろうため加工済みガムベースではないであろう。
【0042】
(成分)
ガム構造物は、種々のカテゴリーの非常に多くの成分を含んでもよい。本発明の種々の実施形態に係るガム混合システムおよび方法は、以下の成分カテゴリー、すなわちエラストマー、増量剤、エラストマー可塑剤(樹脂を含む)、エラストマー溶剤、可塑剤、脂肪、ワックス、充填剤、抗酸化物質、甘味料(例えばバルク甘味料および高甘味度甘味料)、シロップ/液体、フレーバー、感覚剤(センセート)、増強剤、酸、乳化剤、着色料、および機能性成分、の中の成分を含む(これらに限定されない)、いずれかおよびすべての公知の成分を混合するために使用されてもよい。
【0043】
不溶性のガムベースは、一般に、以下のカテゴリーに属する成分を含む:エラストマー、エラストマー可塑剤(樹脂または溶剤)、可塑剤、脂肪、油、ワックス、軟化剤および充填剤。各カテゴリーの中の代表的な成分のさらなる考察は、このあと与えられる。このガムベースは、加工済みガムの5〜95重量%、より典型的には加工済みガムの10〜50重量%、最も一般的には加工済みガムの20〜30重量%を構成してもよい。
【0044】
加工済みガムの水溶性部分は、以下のカテゴリーに属する、後続のガム成分を含んでもよい:軟化剤、バルク甘味料、高甘味度甘味料、着香剤、酸、追加充填剤、機能性成分およびこれらの組み合わせ。軟化剤は、ガムの咀嚼性および口あたりを最適化するために、ガムに加えられる。軟化剤(可塑剤としても知られている)、可塑化剤または乳化剤は、一般にガム構造物の約0.5〜15重量%を構成する。バルク甘味料は、ガム構造物の5〜95重量%、より典型的にはガムの20〜80重量%、最も一般的にはガムの30〜60重量%を構成する。高甘味度甘味料は、シュガーレス甘味料とともに存在してもよく、そして、実際にシュガーレス甘味料とともに一般に使用される。使用されるとき、高甘味度甘味料は、典型的には、ガム構造物の0.001〜5重量%、好ましくはチューインガムの0.01〜3重量%を構成する。典型的には、高甘味度甘味料は、スクロースよりも少なくとも20倍甘い。
【0045】
フレーバーは、一般に、チューインガムの約0.1〜15重量%、好ましくはガムの約0.2〜5重量%、最も好ましくはガムの約0.5〜3重量%の範囲の量でガムの中に存在するべきである。天然および人工の着香剤ha
用いられてよく、任意の感覚的な許容様式で組み合わされてもよい。
【0046】
含まれるとき、酸は、典型的には、ガム構造物の約0.001〜5重量%を構成する。
【0047】
着色料、機能性成分および追加着香剤などの任意の成分も、ガム構造物の中に包含されてよい。
【0048】
一般的な共通成分に関してより一般的な概説が提供されたので、個々のカテゴリーの成分についてのさらなる詳細および種々のカテゴリーの中の具体的な成分の例が以下に提供される。
【0049】
(エラストマー)
ガム構造物に用いられるエラストマー(ゴム類)は、所望のガム構造物のタイプ、所望のガム構造物の粘稠度、およびガム構造物で使用される他の成分などの様々な因子に応じて大幅に変更されよう。エラストマーは、当該技術分野で公知のいずれの水不溶性ポリマーでもよく、チューインガムおよび風船ガムに利用されるような水不溶性ポリマーが含まれる。ガム構造物、特にガムベースに好適なポリマーの具体例としては、天然のエラストマーおよび合成エラストマーの両方が挙げられる。例えば、ガム構造物で好適なそれらポリマーとしては、これらに限定されないが、カプシ(caspi)、チクル、天然ゴム、クラウンガム、ニスペロ(nispero)、ロシジンハ(rosidinha)、ジェルトング(jelutong)、グアユール、ペリーロ(perillo)、ニガーグッタ(niger gutta)、ツヌ(tunu)、バラタ(balata)、ガッタパーチャ、レチカプシ(lechi capsi)、ソルヴァ(sorva)、グッタカイ(gutta kay)などの(植物由来の)天然物、およびこれらの組み合わせが挙げられる。これらに限定されないが、合成エラストマーの例としては、スチレン−ブタジエンコポリマー(SBR)、ポリイソブチレン、イソブチレン−イソプレンコポリマー、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニルなど、およびこれらの組み合わせが挙げられる。エラストマーは、当該ガム構造物の約10%〜約60重量%、より一般的には約35〜40重量%を構成する。
【0050】
さらなる有用なポリマーとしては、架橋ポリビニルピロリドン、ポリメチルメタクリレート、乳酸のコポリマー、ポリヒドロキシアルカノエート、可塑化エチルセルロース、ポリビニルアセテートフタレートおよびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0051】
(エラストマー可塑剤)
ガム構造物は、エラストマー物質の軟化を補助するエラストマー溶剤(本願明細書中ではエラストマー可塑剤とも呼ばれる)を含有してもよい。このようなエラストマー溶剤として、当該技術分野で公知のエラストマー溶剤、例えば、α−ピネン、β−ピネンまたはd−リモネンのポリマーなどのテルピネン樹脂、ロジンのメチル、グリセロールおよびペンタエリスリトールエステルならびに水素化、二量化および重合ロジンなどの変性されたロジンおよびガム、ならびにそれらの混合物を挙げることができる。本発明での使用に適切なエラストマー溶剤の例として、部分的に水素化したウッドおよびガムロジンのペンタエリスリトールエステル、ウッドおよびガムロジンのペンタエリスリトールエステル、ウッドロジンのグリセロールエステル、部分的に二量体化したウッドおよびガムロジンのグリセロールエステル、重合したウッドおよびガムロジンのグリセロールエステル、トール油ロジンのグリセロールエステル、ウッドおよびガムロジンならびに部分的に水素化したウッドおよびガムロジンのグリセロールエステル、ならびにウッドおよびロジンの部分的に水素化したメチルエステルなど、ならびにそれらの混合物を挙げてもよい。エラストマー溶剤は、ガム構造物の約2重量%〜約15重量%、好ましくは約7重量%〜約11重量%の量でガム構造物の中で用いてもよい。
【0052】
(可塑剤)
ガム構造物はまた、様々な望ましい質感と粘稠特性をもたらすように、下記のワックスのカテゴリーにも該当する、可塑剤または軟化剤を含んでもよい。これらの成分が低分子量であることから、可塑剤および軟化剤はガム構造物の基本構造に侵入でき、これを可塑性、かつ低粘度にすることになる。有用な可塑剤および軟化剤としては、トリアセチン、水素化されていないの中鎖トリグリセリド、部分的に水素化された綿実油、大豆油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、サフラワー油、獣脂油、カカオバター、α−ピネンから誘導されるテルペン(terepene)樹脂、ラノリン、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、グリセリルトリアセテート、グリセリルレシチン、グリセリルモノステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、アセチル化モノグリセリド、グリセリンなど、およびこれらの混合物が挙げられる。ワックス、例えば、天然および合成のワックス、硬化植物油、ポリウレタンワックス、ポリエチレンワックスなどの石油ワックス、パラフィンワックス、ソルビタンモノステアレート、獣脂、プロピレングリコール、それらの混合物なども、ガム構造物に組み込んでよい。可塑剤および軟化剤は通常、ガム構造物の約20重量%までの量、さらに具体的にはガム構造物の約9重量%〜約17重量%の量でガム構造物に用いられる。
【0053】
可塑剤としては、硬化植物油も挙げられてもよく、これには大豆油および綿実油が含まれ、単独または組み合わせて用いてよい。これらの可塑剤により、ガム構造物に良好な質感および柔らかい噛感特性がもたらされる。これらの可塑剤および軟化剤は通常、ガム構造物の約5重量%〜約14重量%の量、さらに具体的には約5重量%〜約13.5重量%の量で用いられる。
【0054】
(脂肪)
好適な油脂としては、部分的に水素化された植物性または動物性の脂肪、とりわけヤシ油、パーム核油、牛脂、およびラードなどが挙げられる。これらの成分を使用する場合、一般に、ガム構造物の重量の約7重量%まで、好ましくは約3.5重量%までの量で存在する。
【0055】
(ワックス)
いくつかの実施形態では、当該ガム構造物はワックスを含んでよい。使用されるワックスとしては、合成ワックス(分枝状のアルカンを含有し単量体と共重合されたワックスなど。例えば、限定されないが、ポリプロピレンおよびポリエチレンおよびFischer−Tropschタイプのワックス、石油ワックス(パラフィンなど))、ならびに微結晶性ワックス、ならびに天然ワックス(ビーズワックス、カンデリラ、カルナウバ)、およびポリエチレンワックスなど、米糠ならびに石油を挙げてもよい。
【0056】
これは、ポリマー混合物を軟化させ、かつガム構造物の弾性を改善する。存在する場合、用いるワックスは、約60℃未満、好ましくは約45℃〜約55℃の融点を有するであろう。低融点ワックスは、パラフィンワックスであってよい。ワックスは、ガム構造物の約6重量%〜約10重量%、好ましくは約7重量%〜約9.5重量%の量でガム構造物に存在してよい。
【0057】
低融点ワックスに加えて、ガム構造物の約5重量%を上限とする量で、高融点を有するワックスをガム構造物中に用いてもよい。このような高融点ワックスとして、ビーズワックス、植物性ワックス、カンデリラロウ、カルナウバロウ、ほとんどの石油ワックスなど、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0058】
(充填剤)
いくつかの実施形態では、本発明の教示に係るシステムおよび方法を使用して形成されるガム構造物は、有効量の、充填剤および質感付与剤(textural agent)として働きうる無機質アジュバントなどの増量剤も含んでよい。有用な無機質アジュバントとしては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、タルク、クレー、酸化チタン、微粉砕石灰石、リン酸一カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウムなど、およびそれらの混合物が挙げられる。これらの充填剤またはアジュバントは、ガム構造物において様々な量で使用してよい。充填剤の量は、ガム構造物の約0〜約40重量%まで、さらに具体的には約0〜約30重量%の量で存在してよい。いくつかの実施形態では、充填剤の量は、約0〜約15%まで、さらに具体的には約3%〜約11%とされよう。
【0059】
(抗酸化物質)
抗酸化物質としては、フリーラジカルを捕捉除去する物質を挙げることができる。いくつかの実施形態では、抗酸化物質としては、これらに限定されないが、アスコルビン酸、クエン酸(クエン酸は封入されてもよい)、ローズマリー油、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンEリン酸エステル、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、トコフェロール、ジ−α−トコフェリルホスフェート、トコトリエノール、αリポ酸、ジヒドロリポ酸、キサントフィル、βクリプトキサンチン、リコピン、ルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチン、β−カロチン、カロチン、混合カロテノイド、ポリフェノール、フラボノイド、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0060】
(後続の成分)
当該ガム構造物は、ある量の、甘味剤(バルク甘味料および高甘味度甘味料)、軟化剤、乳化剤、充填剤、増量剤(担体、増量剤(エクステンダー)、バルク甘味料)、着香剤(フレーバー、香味物質)、着色剤(着色料、着色剤(coloring))、機能性成分など、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される従来の添加剤も含んでよい。これらの添加剤のうちのいくつかは、複数の目的を果たしてもよい。例えば、シュガーレスガム構造物では、マルチトールまたは他の糖アルコールなどの甘味料は、増量剤、特に水溶性の増量剤としても機能してもよい。
【0061】
(バルク甘味料)
好適な増量剤としては、キシロース、リブロース、グルコース(デキストロース)、ラクトース(乳糖)、マンノース、ガラクトース、フルクトース(果糖)、スクロース(砂糖)、マルトース、転化糖、部分的に加水分解したデンプンおよびコーンシロップ固形物などの単糖、二糖、多糖、糖アルコール類、ポリデキストロースに対する商品名Litesse(商標)として流通しており、41−51 Brighton Road、Redhill、Surryey、RHl6YS、イギリスのDanisco Sweeteners,Ltd.により製造されているポリマーなどの無秩序に結合したグルコースポリマー、イソマルト(Gotlieb−Daimler−Strause12 a、68165 Mannheim、ドイツのPalatinit Sussungsmittel GmbHにより商品名PALATINIT(商標)として製造されているα−D−グルコピラノシル−1,6−マンニトールおよびα−D−グルコピラノシル−1,6−ソルビトールのラセミ混合物)、マルトデキストリン類、水素化デンプン加水分解物、水素化ヘキソース類、水素化二糖、炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、リン酸二カルシウムなどのミネラル、セルロース類、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0062】
好適なシュガーレスバルク甘味料としては、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、ガラクチトール、ラクチトール、マルチトール、エリスリトール、イソマルトおよびこれらの混合物が挙げられる。好適な水素化デンプン加水分解物としては、米国特許第4,279,931号明細書に開示されるもの、ならびにソルビトール、マルチトール、水素化二糖、水素化されたより高次の多糖、もしくはこれらの混合物を含有する種々の水素化されたグルコースシロップおよび/または粉末が挙げられる。水素化デンプン加水分解物は、コーンシロップの調節された接触水素化によって主に調製される。得られた水素化デンプン加水分解物は、単糖類、二糖類、および多糖類の混合物である。これらの異なる糖類の比は、異なる水素化デンプン加水分解物に異なる特性を与える。フランスのロケット・フルーレ(Roquette Freres)製造の市販品LYCASIN(登録商標)、およびデラウェア州、ニューカッスルのエスピーアイ・ポリオール(SPI Polyols,Inc.)製造の市販品HYSTAR(登録商標)などの、水素化デンプン加水分解物の混合物も有用である。
【0063】
いくつかの実施形態では、当該ガム構造物は、このガム構造物の約30%〜約80重量%、特に50%〜約60%である少なくとも1つのポリオールを含む特定のポリオール組成物を含んでもよい。いくつかの実施形態では、このようなガム構造物は、低吸湿性を有してもよい。このポリオール組成物としては、マルチトール、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、イソマルト、ラクチトールおよびこれらの組み合わせなどの(これらに限定されない)当該技術分野で公知のいずれのポリオールを挙げてもよい。ソルビトールおよびマルチトールを含む水素化デンプン加水分解物であるLycasin(商標)も使用してよい。
【0064】
ガム構造物で用いるポリオール組成物またはポリオール類の組み合わせの量は、ガム構造物で用いるエラストマーのタイプおよび使用される当該特定のポリオールを含む多くの因子に依存することになる。例えば、ポリオール組成物の総量が、ガム構造物の重量に基づき、約40重量%〜約65重量%の範囲に入っている場合、約0〜約10重量%までの量のソルビトールに加えてイソマルトの量は、約40重量%〜約60重量%であってもよく、さらに具体的には、イソマルトの量は、ガム構造物の重量に基づき、約5重量%〜約10重量%のソルビトールと組み合わせて、約45重量%〜約55重量%であってよい。
【0065】
1以上の異なるポリオールを含んでよいポリオール組成物は、遺伝子的に改変した生物(「GMO」)またはGMO不含材料に由来するものであってよい。例えば、マルチトールは、GMO不含マルチトールであってもよく、または水素化デンプン加水分解物によって提供されてもよい。本発明の目的について、「GMO不含」の用語は、遺伝子的に改変した生物を利用しないプロセスに由来している組成物をいう。
【0066】
本発明の教示に係るシステムおよび方法を使用して形成されるいくつかのガム構造物に配合してよい甘味剤は、当該技術分野で公知の種々の甘味料のいずれであってもよく、これらは、甘味の初期噴出および/または甘味の実感の長期化をもたらす、当該技術分野で周知の多くの別個のz態で使用してよい。限定しないが、このような物理的形状として、スプレードライ、粉末、ビーズ形状などの遊離型、カプセル封入型、およびそれらの混合形態が挙げられる。
【0067】
(高甘味度甘味料)
望ましくは、甘味料は、アスパルテーム、ネオテーム、スクラロース、モナチン、およびアセスルファムカリウム(Ace−K)などの高甘味度甘味料である。高甘味度甘味料は、封入型、遊離型、またはこれらの両方の形態にあることができる。
【0068】
一般的に、有効な量の強化甘味料を利用して、所望のレベルの甘みをもたらしてもよく、この量は選択した甘味料によって変動してよい。いくつかの実施形態では、甘味料の量は、使用する甘味料または甘味料の組み合わせに応じ、ガムの約0.001重量%〜約3重量%の量にて存在してよい。各タイプの甘味料の量の正確な範囲は、当業者によって選択されうる。
【0069】
含まれる甘味料は、水溶性甘味料、水溶性人工甘味料、天然に存在する水溶性甘味料から誘導される水溶性甘味料、ジペプチド系甘味料、およびタンパク質系甘味料(これらの混合物を含む)などの広い範囲の物質から選択されてもよい。特定の甘味料に限定されず、代表的なカテゴリーおよび例としては以下のものが挙げられる。
【0070】
(a)ジヒドロカルコン、モネリン、ステビオシド、羅漢果(lo han quo)および羅漢果誘導体、グリチルリジン、ジヒドロフラベノール、ならびにソルビトール、マンニトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトールなどの糖アルコール類、ならびにL−アミノジカルボン酸アミノアルケン酸エステルアミドで、米国特許第4,619,834号明細書に開示のものなど(この開示は本願に引用して援用する)、ならびにこれらの混合物などの水溶性甘味剤、
【0071】
(b)可溶性サッカリン塩、すなわちナトリウムまたはカルシウムサッカリン塩、シクラメート塩、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのナトリウム、アンモニウムまたはカルシウム塩、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのカリウム塩(アセスルファム−K)、サッカリンの遊離酸型、およびこれらの混合物などの水溶性人工甘味料、
【0072】
(c)L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル(アスパルテーム)、N−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステル(ネオテーム)、および米国特許第3,492,131号明細書に記載の物質、L−α−アスパルチル−N−(2,2,4,4−テトラメチル−3−チエタニル)−D−アラニンアミド水和物(アリテーム)、L−アスパルチル−L−フェニルグリセリンおよびL−アスパルチル−L−2,5−ジヒドロフェニル−グリシンのメチルエステル、L−アスパルチル−2,5−ジヒドロ−L−フェニルアラニン、L−アスパルチル−L−(1−シクロヘキセン)−アラニン、およびこれらの混合物などのL−アスパラギン酸由来甘味料などのジペプチド系甘味料、
【0073】
(d)普通の砂糖(スクロース)の塩素化誘導体、例えば、スクラロースの品名で知られている、例えばクロロデオキシスクロースまたはクロロデオキシガラクトスクロースの誘導体などといったクロロデオキシ糖誘導体などの天然由来の水溶性甘味料から誘導される水溶性甘味料、クロロデオキシスクロースおよびクロロデオキシガラクトスクロース誘導体の例として、限定しないが、以下のものが挙げられる:1−クロロ−1’−デオキシスクロース、4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−α−D−フルクトフラノシド、または4−クロロ−4−デオキシガラクトスクロース、4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−1−クロロ−1−デオキシ−β−D−フルクトフラノシド、または4,1’−ジクロロ−4,1’−ジデオキシガラクトスクロース、1’,6’−ジクロロ−1’,6’−ジデオキシスクロース、4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フルクトフラノシド、または4,1’,6’−トリクロロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトスクロース、4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−6−クロロ−6−デオキシ−β−D−フルクトフラノシド、または4,6,6’−トリクロロ−4,6,6’−トリデオキシガラクトスクロース、6,1’,6’−トリクロロ−6,1’,6’−トリデオキシスクロース、4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−ガラクト−ピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フルクトフラノシド、または4,6,1’,6’−テトラクロロ−4,6,1’,6’−テトラデオキシガラクト−スクロース、および4,6,1’,6’−テトラデオキシ−スクロース、ならびにこれらの混合物、
【0074】
(e)タウマッコスダニエリ(thaumaoccous danielli)(タウマチンIおよびII)ならびにタリンなどのタンパク質系甘味料、ならびに
【0075】
(f)甘味料モナチン(2−ヒドロキシ−2−(インドール−3−イルメチル)−4−アミノグルタル酸)およびその誘導体。
【0076】
これらの高甘味度甘味料は、当該技術分野で周知の様々な異なる物理的形状で用いて、甘味の初期噴出および/または甘味の感覚の長期化を提供するようにしてよい。限定しないが、このような物理的形状には、遊離型、(例えば、スプレードライ型、粉末型)、ビーズ型、封入型、およびこれらの混合形態が含まれる。一実施形態では、甘味料は、アスパルテーム、スクラロース、およびアセスルファムカリウム(例えば、Ace−Kまたはアセスルファム−K)などの高甘味度甘味料である。封入された甘味料のいくつかの代表的な形態および甘味料を封入する方法は、米国特許第7,244,454号明細書、同第7,022,352号明細書、同第6,759,066号明細書、同第5,217,735号明細書、同第5,192,561号明細書、同第5,164,210、同第4,997,659および同第4,981,698号明細書、ならびに米国特許出願公開第2007/0231424号明細書、同第2004/0096544号明細書、同第2005/0112236号明細書、および同第2005/0220867号明細書に例示されており、これらの特許文献の教示および開示は、参照によりその全体を本願明細書に援用したものとする。
【0077】
当該送達システムの一部である有効成分(例えば、甘味料)は、有効成分の使用に関連する所望の効果(例えば、甘味)を与えるのに必要な量にて用いてよい。一般的に、有効な量の強化甘味料を利用して、所望のレベルの甘みをもたらしてもよく、この量は選択した甘味料によって変動してよい。強化甘味料は、使用する甘味料または甘味料の組み合わせに応じ、組成物の約0.001重量%〜約3重量%の量にて存在してよい。各タイプの甘味料の量の正確な範囲は、当業者によって選択されうる。
【0078】
(シロップ)
市販の米国薬局方(USP)等級のグリセリンなどの無水グリセリンもまた、軟化剤として用いてよい。グリセリンは、甘く好ましい味のシロップ状の液体であり、甘蔗糖の約60%の甘味を有する。グリセリンは吸湿性であるため、無水グリセリンはガム構造物の調製の間中、無水条件下に保たれてもよい。他のシロップとして、コーンシロップおよびマルチトールシロップを挙げてもよい。
【0079】
(香味料)
いくつかの実施形態では、香味料としては天然および人工のフレーバーなどの当業者に公知のフレーバーを挙げることができる。これらの香味物質は、合成フレーバー油および香味のある芳香物質および/または油、植物、葉、花、果実など由来のオレオレジンおよびエキス、ならびにこれらの組み合わせから選ばれてもよい。非限定的な代表的なフレーバー油としては、スペアミント油、シナモン油、ウィンターグリーンの油(サリチル酸メチル)、ペパーミント油、和種はっか油、チョウジ油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、ニオイヒバ油、ナツメグの油、オールスパイス、セージの油、メース、クヘントウの油、およびケイヒ油が挙げられる。バニラ、およびレモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ、ユズ、スダチを含めた柑橘油、ならびにリンゴ、西洋ナシ、モモ、ブドウ、ブルーベリー、イチゴ、ラズベリー、サクランボ、プラム、パイナップル、アプリコット、バナナ、メロン、アプリコット、ウメ、サクランボ、ラズベリー、ブラックベリー、トロピカルフルーツ、マンゴー、マンゴスチン、ザクロ、パパイヤなどを含めたフルーツエッセンスなどの人工、天然および合成のフルーツ香料も有用な香味物質である。放出プロファイルを管理することができる他の可能性のある香料としては、ミルクフレーバー、バターフレーバー、チーズフレーバー、クリームフレーバー、およびヨーグルトフレーバー、バニラフレーバー、緑茶フレーバー、ウーロン茶フレーバー、紅茶フレーバー、ココアフレーバー、チョコレートフレーバー、およびコーヒーフレーバーなどのティまたはコーヒー香料、ペパーミントフレーバー、スペアミントフレーバー、および和種はっかフレーバーなどのミント香料、アサフェティーダフレーバー、アジョワンフレーバー、アニスフレーバー、アンゼリカフレーバー、フェンネルフレーバー、オールスパイスフレーバー、シナモンフレーバー、カモミールフレーバー、マスタードフレーバー、カルダモンフレーバー、キャラウェーフレーバー、クミンフレーバー、チョウジフレーバー、コショウフレーバー、コリアンダーフレーバー、サッサフラスフレーバー、セイボリーフレーバー、山椒フレーバー、エゴマフレーバー、ジュニパーベリーフレーバー、ショウガフレーバー、スターアニスフレーバー、セイヨウワサビフレーバー、タイムフレーバー、タラゴンフレーバー、ディルフレーバー、トウガラシフレーバー、ナツメグフレーバー、バジルフレーバー、マジョラムフレーバー、ローズマリーフレーバー、ベイリーフフレーバー、およびワサビ(日本ワサビ)フレーバーなどの香辛香料、ワインフレーバー、ウィスキーフレーバー、ブランディフレーバー、ラムフレーバー、ジンフレーバー、およびリキュールフレーバーなどのアルコール香料、フローラル香料、ならびにオニオンフレーバー、ガーリックフレーバー、キャベツフレーバー、ニンジンフレーバー、セロリフレーバー、マッシュルームフレーバー、およびトマトフレーバーなどの植物香料、が挙げられる。これらの着香剤は液体または固体の形態で使用されてもよく、個々にまたは混合物として使用されてもよい。一般に使用される香料としては、個々に用いられるかまたは混合物として用いられるかにかかわらず、ペパーミント、メントール、スペアミント、人工バニラ、シナモン誘導体などのミント類、および種々のフルーツ香料が挙げられる。香料、特にこのミント香料は、本願明細書で以下に記載される冷感剤と組み合わせて使用される場合、呼気清涼化特性をももたらしてよい。いくつかの実施形態では、香料は、ゲラニオール、リナロール、ネロール、ネロリドール、シトロネロール、ヘリオトロピン、メチルシクロペンテロン、エチルバニリン、マルトール、エチルマルトール、フラネオール、ネギ系化合物、バラのタイプの化合物(フェネタノール、フェニル酢酸、ネロール、リナリルエステルなど)、ジャスミン、サンドルウッド(sandlewood)、パチョリ、および/またはシダーウッドから選ばれてもよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、他の香味物質としては、酢酸シンナミル、シンナムアルデヒド、シトラールジエチルアセタール、酢酸ジヒドロカルビル、ギ酸オイゲニル、p−メチルアミソール(methylamisol)などのアルデヒドおよびエステルなどが挙げられ、使用されてもよい。一般に、全米科学アカデミー(the National Academy of Sciences)による「Chemicals Used in Food Processing」、刊行物1274、63−258頁に記載されているものなどの、いずれの香味物質または食品添加物も使用されてもよい。この刊行物は、参照により本願明細書に援用したものとする。これらは、天然香料および合成香料を含んでもよい。
【0081】
アルデヒド香味物質のさらなる例としては、これらに限定されないが、アセトアルデヒド(リンゴ)、ベンズアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、アニスアルデヒド(カンゾウ(リコリス)、アニス)、ケイ皮酸アルデヒド(シナモン)、シトラール、すなわち、α−シトラール(レモン、ライム)、ネラール、すなわち、β−シトラール(レモン、ライム)、デカナール(オレンジ、レモン)、エチルバニリン(バニラ、クリーム)、ヘリオトロープ、すなわち、ピペロナール(バニラ、クリーム)、バニリン(バニラ、クリーム)、α−アミルシンナムアルデヒド(スパイシーなフルーツ様の風味)、ブチルアルデヒド(バター、チーズ)、バレルアルデヒド(バター、チーズ)、シトロネラール(変性、多くの種類)、デカナール(シトラスフルーツ)、アルデヒドC8(シトラスフルーツ)、アルデヒドC9(シトラスフルーツ)、アルデヒドC12(シトラスフルーツ)、2−エチルブチルアルデヒド(ベリーフルーツ)、ヘキセナール、すなわち、trans−2(ベリーフルーツ)、トリルアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、ベラトルアルデヒド(バニラ)、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、すなわちメロナール(メロン)、2,6−ジメチルオクタナール(緑色フルーツ)、および2−ドデセナール(シトラス、マンダリン)、サクランボ、ブドウ、ブルーベリー、ブラックベリー、イチゴショートケーキ、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0082】
いくつかの実施形態では、着香剤は、知覚できる感覚的経験を与えるレベル、すなわちその閾値レベル以上で使用される。他の実施形態では、着香剤は、その着香剤は独立の知覚できる感覚的経験を与えないように、その閾値レベルよりも低いレベルで使用される。閾値より低いレベルで、この着香剤は香味の増進または増強などの副次的恩恵を与える可能性がある。
【0083】
いくつかの実施形態では、着香剤は液体形態および/または乾燥形態のいずれで用いられてもよい。乾燥形態で用いられる場合、その液体を噴霧乾燥するなどの適切な乾燥手段が使用されてもよい。あるいは、その着香剤は、セルロース、デンプン、砂糖、マルトデキストリン、アラビアガムなどの水溶性物質に吸収されてもよいし、または封入されてもよい。さらに他の実施形態では、この着香剤はシリカ、ゼオライトなどに吸収されてもよい。
【0084】
いくつかの実施形態では、この着香剤は多くの異なる物理的形状で使用されてもよい。このような物理的形状としては、これらに限定されないが、スプレードライ、粉末、ビーズ形態などの遊離型、カプセル封入型、およびこれらの混合形態が挙げられる。
【0085】
香料および他のさらなる構成成分の封入の説明は、本願明細書に提示される実施例に認めることができる。典型的には、構成成分の封入は、(例えば、ガム構造物に成分として添加される送達システムの一部として)封入された構成成分を含むガム構造物の消費の間での、構成成分の過半量の放出の遅延をもたらすことになる。いくつかの実施形態では、成分、成分を含有する送達システム、および/もしくはこの送達システムを含有するガム構造物の様々な特性、ならびに/または送達システムの製造法を管理することによって、成分(例えば、香料、甘味料など)の放出プロファイルを管理できる。例えば、特性としては、送達システムの引張強度、成分の水溶性、封入材料の水溶性、送達システムの水溶性、送達システム中の封入材料に対する成分の比、成分の平均粒子径または最高粒子径、粉砕した送達システムの平均粒径または最大粒径、ガム構造物中の成分または送達システムの量、1以上の成分を封入するのに用いる異なるポリマーの比、1以上の成分を封入するのに用いる1以上のポリマーの疎水性、送達システムの疎水性、送達システム上のコーティングのタイプまたは量、封入前の成分への成分のコーティングのタイプまたは量、などの1種以上が含まれるであろう。
【0086】
(感覚剤成分)
感覚剤化合物としては、冷感剤、温感剤、刺激剤、発泡剤、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。様々な周知の冷感剤を用いてよい。例えば、とりわけ有用な冷感剤として、キシリトール、エリスリトール、デキストロース、ソルビトール、メンタン、メントン、ケタール、メントンケタール、メントングリセロールケタール、置換p−メンタン、非環状カルボキシアミド、グルタル酸モノメンチル、置換シクロヘキサンアミド、置換シクロヘキサンカルボキシアミド、置換尿素およびスルホンアミド、置換メンタノール、p−メンタンのヒドロキシメチルおよびヒドロキシメチル誘導体、2−メルカプト−シクロ−デカノン、2〜6個の炭素原子を有するヒドロキシカルボン酸、シクロヘキサンアミド、酢酸メンチル、サリチル酸メンチル、N,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミド(WS−23)、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド(WS−3)、イソプレゴール、3−(l−メントキシ)プロパン−1,2−ジオール、3−(l−メントキシ)−2−メチルプロパン−1,2−ジオール、p−メンタン−2,3−ジオール、p−メンタン−3,8−ジオール、6−イソプロピル−9−メチル−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−メタノール、コハク酸メンチルおよびそのアルカリ土類金属塩、トリメチルシクロヘキサノール、N−エチル−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキシアミド、和種はっか油、ペパーミント油、3−(l−メントキシ)エタン−1−オール、3−(l−メントキシ)プロパン−1−オール、3−(l−メントキシ)ブタン−1−オール、1−メンチル酢酸N−エチルアミド、4−ヒドロキシペンタン酸l−メンチル、3−ヒドロキシ酪酸l−メンチル、N,2,3−トリメチル−2−(1−メチルエチル)−ブタンアミド、n−エチル−t−2−c−6−ノナジエンアミド、N,N−ジメチルメンチルスクシンアミド、置換p−メンタン、置換p−メンタン−カルボキシアミド、2−イソプロパニル−5−メチルシクロヘキサノール(久光製薬株式会社製、以下「イソプレゴール」)、メントングリセロールケタール(FEMA3807、商品名 FRESCOLAT(登録商標)タイプMGA)、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール(Takasago製、FEMA3784)、および乳酸メンチル、(Haarman & Reimer製、FEMA3748、商品名FRESCOLAT(登録商標)タイプML)、WS−30、WS−14、ユーカリエキス(p−メンタ−3,8−ジオール)、メントール(その天然もしくは合成の誘導体)、メントール−PG−カーボネート、メントール−EG−カーボネート、メントールグリセリルエーテル、N−tertブチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド、p−メンタン−3−カルボン酸グリセロールエステル、メチル−2−イソプロピル−ビシクロ(2.2.1)、ヘプタン−2−カルボキシアミド、メントールメチルエーテル、およびメンチルピロリドンカルボキシレートが挙げられる。これらのおよび他の適切な冷感剤は、以下の米国特許(それらのすべては、参照によりその全体を援用したものとする)にさらに記載されている:米国特許第4,230,688号明細書、同第4,032,661号明細書、同第4,459,425号明細書、同第4,136,163号明細書、同第5,266,592号明細書、同第6,627,233号明細書。
【0087】
いくつかの実施形態では、温感成分は、使用者に温感の感覚信号をもたらすことが知られている多種多様な化合物から選択することができる。これらの化合物は、特に口腔内で暖かみを認知する感覚を与え、香料、甘味料、およびその他の感覚受容性成分の知覚を増強することが多い。いくつかの実施形態では、有用な温感化合物としては、高砂香料工業株式会社、日本、東京により供給されるバニリルアルコールn−ブチルエーテル(TK−1000)や、バニリルアルコールn−プロピルエーテル、バニリルアルコールイソプロピルエーテル、バニリルアルコールイソブチルエーテル、バニリルアルコールn−アミノエーテル、バニリルアルコールイソアミルエーテル、バニリルアルコールn−ヘキシルエーテル、バニリルアルコールメチルエーテル、バニリルアルコールエチルエーテル、ジンゲロール、ショウガオール、パラドール、ジンゲロン、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン、エタノール、イソプロピルアルコール、イソ−アミルアルコール、ベンジルアルコール、グリセリン、およびそれらの組み合わせを挙げることができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、刺激感覚を提供することができる。1つのこのような刺激感覚は、ジャンブー、オレオレジン、またはスピラントールをいくつかの例に加えることによりもたらされる。いくつかの実施形態では、ジャンブーなどの材料から抽出されるアルキルアミドまたはサンショオールが含まれていてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、感覚は発泡に起因して生み出される。このような発泡性は、アルカリ性物質を酸性物質と組み合わせることによって生み出される。いくつかの実施形態では、アルカリ性物質として、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸水素塩およびそれらの混合物を挙げることができる。いくつかの実施形態では、酸性物質として、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グリコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸およびそれらの組み合わせを挙げることができる。「刺激」型感覚剤の例は、米国特許第6,780,443号明細書に見出すことができ、この特許文献の内容全体は、参照により、あらゆる目的のために本願明細書に援用したものとする。
【0089】
感覚剤成分は、本願に引用して援用する米国特許出願公開第205/0202118号明細書に開示されるものなど、「三叉神経刺激剤」と称されることもある。三叉神経刺激剤は、三叉神経を刺激する経口摂食製品または薬剤として定義される。三叉神経刺激剤である冷感剤の例として、メントール、WS−3、N−置換p−メンタンカルボキシアミド、非環状カルボキシアミド(WS−23が含まれる)、コハク酸メチル、およびメントングリセロールケタール、キシリトール、エリスリトール、デキストロース、およびソルビトールなどのバルク甘味料、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。三叉神経刺激剤は、香料、刺激剤、ジャンブーエキス、バニリルn−ブチルエーテルなどのバニリルアルキルエーテル、スピラントール、エキナセアエキス、キタサンショウエキス、カプサイシン、トウガラシオレオレジン、赤コショウオレオレジン、黒コショウオレオレジン、ピペリン、ショウガオレオレジン、ジンゲロール、ショウガオール、シナモンオレオレジン、ケイヒオレオレジン、シンナムアルデヒド、オイゲノール、バニリンおよびメントールグリセリンエーテルの環状アセタール、不飽和アミド、ならびにそれらの組み合わせも含むことができる。
【0090】
いくつかの実施形態では、感覚剤成分は、知覚できる感覚的経験をもたらすレベル、すなわちそれらの閾値レベル以上で使用される。他の実施形態では、感覚剤成分は、独立した知覚できる感覚的経験をもたらさないように、それらの閾値レベルより下のレベルで使用される。閾値レベルより低いレベルでは、この感覚剤は、香味または甘味の増進もしくは増強などの副次的恩恵をもたらすことがある。
【0091】
(増強剤成分)
増強剤は、それら自体の特徴的な食味および/または芳香の知覚を導くことなく、原材料の食味および/または芳香の知覚を増感、補充、改変または増強しうる物質からなることができる。いくつかの実施形態では、香味、甘味、酸味、旨み、コクみ、塩味およびそれらの組み合わせの知覚を増感、補充、改変または増強するように設計された増強剤を含むことができる。
【0092】
いくつかの実施形態では、食味増強剤としても知られる好適な増強剤の例としては、限定しないが、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、クロロゲン酸、アラピリデイン(alapyridaine)、シナリン、ミラクリン、グルピリデイン、ピリジニウム−ベタイン化合物、グルタミン酸一ナトリウム、グルタミン酸一カリウムなどのグルタミン酸塩、ネオテーム、タウマチン、タガトース、トレハロース、塩化ナトリウムなどの塩、グリチルリジン酸モノアンモニウム、バニラエキス(エチルアルコール中)、糖酸、塩化カリウム、重硫酸ナトリウム、加水分解植物性タンパク質、加水分解動物性タンパク質、酵母エキス、アデノシン一リン酸(AMP)、グルタチオン、イノシン一リン酸などのヌクレオチド、イノシン酸二ナトリウム、キサントシン一リン酸、グアニル酸一リン酸、アラピリデイン(N−(1−カルボキシエチル)−6−(ヒドロキシメチル)ピリジニウム−3−オール分子内塩、甜菜エキス(アルコール抽出液)、サトウキビ葉エッセンス(アルコール抽出液)、クルクリン、ストロジン、マビンリン、ギムネマ酸、ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロ安息香酸、2,4−ジヒドロ安息香酸、シトラスアウランチウム、バニラオレオレジン、サトウキビ葉エッセンス、マルトール、エチルマルトール、バニリン、甘草グリチルリジン酸、Gタンパク質共役型受容体(T2RおよびT1R)に応答する化合物、ならびにコクみを付与する、Kurodaらの米国特許第5,679,397号明細書(これを、参照によりその全体を本願明細書に援用したものとする)に開示された食味増強剤組成物が挙げられる。「コクみ」とは、「広がり」および「こく」を付与する物質をいう。
【0093】
食味増強剤の一種である甘味料増強剤は、甘味の食味を増強する。いくつかの実施形態では、例示的な甘味料増強剤としては、これらに限定されないが、グリチルリジン酸モノアンモニウム、甘草グリチルリジン酸、シトラスアウランチウム、アラピリデイン、アラピリデイン(N−(1−カルボキシエチル)−6−(ヒドロキシメチル)ピリジニウム−3−オール)分子内塩、ミラクリン、クルクリン、ストロジン、マビンリン、ギムネマ酸、シナリン、グルピリデイン、ピリジニウム−ベタイン化合物、甜菜エキス、ネオテーム、タウマチン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ヒドロキシ安息香酸、タガトース、トレハロース、マルトール、エチルマルトール、バニラエキス、バニラオレオレジン、バニリン、甜菜エキス(アルコール抽出液)、サトウキビ葉エッセンス(アルコール抽出液)、Gタンパク質共役型受容体(T2RおよびT1R)に応答する化合物、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0094】
塩味を増強するための増強剤のさらなる例に、本願に引用して援用する、米国特許第6,974,597号明細書に開示されたもののような酸性ペプチドが含まれる。酸性ペプチドには、リジン、アルギニンおよびヒスチジンなどの塩基性アミノ酸よりも数多くの、アスパラギン酸およびグルタミン酸などの酸性アミノ酸を有するペプチドが含まれる。酸性ペプチドは、ペプチド合成、またはエンドペプチダーゼを用いてタンパク質を加水分解に付し、必要に応じ脱アミド化することによって得られる。酸性ペプチド、またはタンパク質を加水分解および脱アミド化に付すことによって得られるペプチドの作製における使用に好適なタンパク質として、植物タンパク質(例えば小麦グルテン、トウモロコシタンパク質(例えば、ゼインおよびグルテンミール)、大豆タンパク質単離物)、動物タンパク質(例えば、ミルクカゼインおよびミルク乳清タンパク質などの乳タンパク質、食肉タンパク質および魚肉タンパク質などの筋肉タンパク質、卵白タンパク質およびコラーゲン)、ならびに微生物タンパク質(例えば、微生物細胞タンパク質および微生物により産生されるポリペプチド)が挙げられる。
【0095】
温感または冷感の効果の感覚は、参照によりその全体を本願明細書に援用したものとする米国特許出願公開第2003/0072842(A1)号明細書に記載のように、疎水性甘味料の使用によっても延長されるかもしれない。
【0096】
(食用酸成分)
酸としては、これらに限定されないが、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グリコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、アスパラギン酸、安息香酸、カフェオタンニン酸(caffeotannic acid)、イソ−クエン酸、シトラマル酸、ガラクツロン酸、グルクロン酸、グリセリン酸、グリコール酸、ケトグルタル酸、α−ケトグルタル酸、ラクトイソクエン酸(lactoisocitric acid)、オキサル酢酸、ピルビン酸酸、キナ酸、シキミ酸、コハク酸、タンニン酸、ヒドロキシ酢酸、スベリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ピメリン酸、カプリン酸およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0097】
(乳化剤)
当該ガム構造物は、単一安定系に非混和性の構成成分を分散させる補助をする乳化剤をも含んでもよい。本発明で有用な乳化剤としては、単独でまたは混合物として使用されるグリセリルモノステアレート、レシチン、脂肪酸モノグリセリド、ジグリセリド、プロピレングリコールモノステアレート、メチルセルロース、アルギン酸塩もしくはアルギン酸エステル、カラギーナン、キサンタンガム、ゼラチン、イナゴマメ、トラガント、ローカストビーンガム、ペクチン、アルギン酸塩もしくはアルギン酸エステル、ガラクトマンナン(グアーガム、イナゴマメガム、グルコマンナンなど)、ゼラチン、デンプン、デンプン誘導体、デキストリン類およびセルロース誘導体(カルボキシメチルセルロースなど)、酸味料(リンゴ酸、アジピン酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸など)などが挙げられる。乳化剤は、ガム構造物の約2重量%〜約15重量%、さらに具体的には、約7重量%〜約11重量%の量で用いてよい。
【0098】
(着色料)
着色剤は、所望の色を生じさせるのに有効な量で使用してよい。着色剤として色素を挙げてもよく、これは当該ガムの重量の約6重量%を上限とする量で配合してもよい。例えば、二酸化チタンは、当該ガム構造物の約2重量%を上限とする量で、好ましくは約1重量%未満の量で配合してもよい。着色剤は、天然食品着色料、ならびに食品、薬物および化粧品での適用に適切な染料も含んでよい。これらの着色剤は、F.D.&C.染料およびレーキ類として公知である。上記の使用に許容できる物質は、好ましくは水溶性である。例示できる限定的でない例として、5,5−インジゴスズジスルホン酸の二ナトリウム塩である、F.D.&C.Blue No.2として公知のインジゴイド染料が例示される。同様に、F.D.&C.Green No.1として公知の染料は、トリフェニルメタン染料を含み、これは4−[4−(N−エチル−p−スルホニウムベンジルアミノ)ジフェニルメチレン]−[1−(N−エチル−N−p−スルホニウムベンジル)−δ−2,5−シクロヘキサジエンイミン]の一ナトリウム塩である。F.D.&C.着色剤、およびそれらの対応する化学構造のすべての完全な詳説は、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第3版、第5巻、857〜884頁に見出すことができ、この本文を本願明細書に引用して援用する。
【0099】
米国食品医薬品化粧品法(United States Food,Drug,and Cosmetic Act)(21C.F.R.73)による分類のとおり、着色料として、認証免除着色料(合成により製造される可能性があるとしても「天然」と称する場合がある)、および認証着色料(「人工」と称する場合がある)、またはこれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、認可免除または天然着色料としては、これらに限定されないが、アナットーエキス、(E160b)、ビキシン、ノルビキシン、アスタキサンチン、脱水ビート(ビート粉末)、赤色ビート根/ベタニン(E162)、ウルトラマリンブルー、カンタキサンチン(E161g)、クリプトキサンチン(E161c)、ルビキサンチン(E161d)、ビオランキサンチン(E161e)、ロドキサンチン(E161f)、キャラメル(E150(a−d))、β−アポ−8’−カロテナール(E160e)、β−カロチン(E160a)、αカロチン、γカロチン、β−アポ−8−カロテナールのエチルエステル(E160f)、フラボキサンチン(E161a)、ルテイン(E161b)、コチニールエキス(E120)、カルミン(E132)、カルモイシン/アゾルビン(E122)、ナトリウム銅クロロフィリン(E141)、クロロフィル(E140)、焼成し部分的に脱脂し加熱調理した綿実粉、グルコン酸第一鉄、乳酸第一鉄、ブドウ色エキス、ブドウ果皮エキス(エノシアニナ)、アントシアニン(E163)、ヘマトコッカスアルガエ(haematococcus algae)粗粉、合成鉄酸化物、鉄酸化物および水酸化物(E172)、フルーツジュース、野菜ジュース、乾燥藻類粗粉、マンジュギク(Aztec marigold)粗粉およびエキス、キャロット油、トウモロコシ胚乳油、パプリカ、パプリカオレオレジン、パフィア(phaffia)酵母、リボフラビン(E101)、サフラン、二酸化チタン、ウコン(E100)、ウコンオレオレジン、アマランサス(E123)、カプサンチン/カプソルビン(E160c)、リコピン(E160d)、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0100】
いくつかの実施形態では、認定着色料としては、これらに限定されないが、FD&C blue #1、FD&C blue #2、FD&C green #3、FD&C red #3、FD&C red #40、FD&C yellow #5およびFD&C yellow #6、タートラジン(E102)、キノリンイエロー(E104)、サンセットイエロー(E110)、紅色(E124)、エリスロシン(E127)、パテントブルーV(E131)、二酸化チタン(E171)、アルミニウム(E173)、銀(E174)、金(E175)、顔料ルビン/リソールルビンBK(E180)、炭酸カルシウム(E170)、カーボンブラック(E153)、ブラックPN/ブリリアントブラックBN(E151)、グリーンS/酸ブリリアントグリーンBS(E142)、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、認定着色料としてはFD&Cアルミニウムレーキを挙げることができる。これらは、アルミナ水和物の不溶性基材上に伸展するFD&C染料のアルミニウム塩からなる。さらに、いくつかの実施形態では、認証着色料は、カルシウム塩として配合できる。
【0101】
(機能性成分)
機能性成分を含むさらなる添加剤としては生理的冷感剤、咽頭無痛化剤、スパイス、温感剤、歯白色化剤または他の歯科ケア成分、呼気清涼化剤、ビタミン、栄養補助食品、植生化学物質、ポリフェノール、抗酸化物質、活性成分、ミネラル、カフェイン、薬物が挙げられ、そして他の活性物も当該ガム組成物の中に含まれてもよい。このような成分は、それらの意図された効果を成し遂げるのに十分な量で使用されてもよく、これらは、このあと、より十分に論じられることになる。
【0102】
(呼気清涼化成分)
呼気清涼化剤としては、精油、ならびに種々のアルデヒド、アルコール、および類似物質を挙げることができる。いくつかの実施形態では、精油としては、スペアミント、ペパーミント、ウィンターグリーン、サッサフラス、クロロフィル、シトラール、ゲラニオール、カルダモン、チョウジ、セージ、カルバクロール、ユーカリ、カルダモン、コウボクエキス、マジョラム、シナモン、レモン、ライム、グレープフルーツ、およびオレンジのオイルを挙げることができる。いくつかの実施形態では、ケイ皮アルデヒドおよびサリチルアルデヒドなどのアルデヒドを使用することができる。加えて、メントール、カルボン、イソ−ガリゴール(iso−garrigol)、およびアネトールなどの化学物質は、呼気清涼化剤として機能することができる。これらのうちで、最も一般に用いられるものは、ペパーミント、スペアミントおよびクロロフィルのオイルである。
【0103】
精油およびそれら由来の化学物質に加えて、いくつかの実施形態では、呼気清涼化剤としては、これらに限定されないが、クエン酸亜鉛、酢酸亜鉛、フッ化亜鉛、硫酸亜鉛アンモニウム、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、フルオロケイ酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、酒石酸亜鉛、コハク酸亜鉛、ギ酸亜鉛、クロム酸亜鉛、フェノールスルホン酸亜鉛、ジチオン酸亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸銀、サリチル酸亜鉛、グリセロリン酸亜鉛、硝酸銅、クロロフィル、銅クロロフィル、クロロフィリン、硬化綿実油、二酸化塩素、ベータシクロデキストリン、ゼオライト、シリカ系物質、炭素系物質、ラッカーゼなどの酵素、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0104】
いくつかの実施形態では、プロバイオティクスの放出プロファイルは、Bacillus coagulans(バチルス・コアグランス)、Bacillus subtilis(バチルス・スブチリス、枯草菌)、 Bacillus laterosporus(バチルス・ラテロスポルス)、Bacillus laevolacticus(バチルス・ラエボラクティカス)、Sporolactobacillus inulinus(スポロラクトバチルス・イヌリナス)、Lactobacillus acidophilus(ラクトバチルス・アシドフィルス、アシドフィルス菌)、Lactobacillus curvatus(ラクトバチルス・クルヴァトゥス)、Lactobacillus plantarum(ラクトバチルス・プランタルム)、Lactobacillus jenseni(ラクトバチルス・ジェンセニイ)、Lactobacillus casei(ラクトバチルス・カゼイ、カゼイ菌)、Lactobacillus fermentum(ラクトバチルス・ファーメンタム、ファーメンタム菌)、Lactococcus lactis(ラクトコッカス・ラクティス)、Pedioccocus acidilacti(ペディオコッカス・アシディラクチシ)、Pedioccocus pentosaceus(ペディオコッカス・ペントサセウス)、Pedioccocus urinae(ペディオコッカス・ウリナエ)、Leuconostoc mesenteroides(ロイコノストック・メセンテロイデス)、Bacillus coagulans(バチルス・コアグランス)、Bacillus subtilis(バチルス・スブチリス、枯草菌)、Bacillus laterosporus(バチルス・ラテロスポルス)、Bacillus laevolacticus(バチルス・ラエボラクティカス)、Sporolactobacillus inulinus(スポロラクトバチルス・イヌリナス)およびこれらの混合物などの(これらに限定されない)乳酸を産生する微生物を含むガム構造物について管理することができる。呼気清涼化剤は、以下の商品名でも知られている:Retsyn(商標)、Actizol(商標)およびNutrazin(商標)。悪臭制御組成物の例は、Staplerらの米国特許第5,300,305号明細書、および米国特許出願公開第2003/0215417号明細書および第2004/0081713号明細書にも挙げられ、これら文献は、参照により全体をあらゆる目的で本願明細書に援用したものとする。
【0105】
(歯科ケア成分)
歯科ケア成分(口腔ケア成分としても知られる)としては、これらに限定されないが、歯の白色化剤、汚れ除去剤、口腔洗浄剤、漂白剤、減感剤、歯科再石灰化剤、抗菌剤、虫歯予防剤、プラーク酸緩衝剤、界面活性剤および歯石予防剤を挙げてもよい。このような成分の非限定例として、タンパク質分解酵素を含む加水分解剤、水和シリカ、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムおよびアルミナなどの研磨剤、限定しないがステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、硫酸化ブチルオレエート、オレイン酸ナトリウム、フマル酸の塩、グリセロール、ヒドロキシル化レシチン、ラウリル硫酸ナトリウムなどの陰イオン界面活性剤を含む表面活性剤、および一般に歯石コントロール成分として用いられるポリリン酸塩などのキレート剤などといった他の活性汚れ除去構成成分を挙げることができる。いくつかの実施形態では、歯科ケア成分は、ピロリン酸四ナトリウムおよびトリ−ポリリン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、キシリトール、ヘキサメタリン酸ナトリウムも含むことができる。
【0106】
いくつかの実施形態では、過酸化カルバミド、過酸化カルシウム、過酸化マグネシウム、過酸化ナトリウム、過酸化水素、およびペルオキシジホスフェートなどの過酸化物が含まれる。いくつかの実施形態では、硝酸カリウムおよびクエン酸カリウムが含まれる。他の例として、カゼイングリコマクロペプチド、カルシウムカゼインペプトン−リン酸カルシウム、カゼインホスホペプチド、カゼインホスホペプチド−非晶質リン酸カルシウム(CPP−ACP)、および非晶質リン酸カルシウムを挙げることができる。さらに他の例として、パパイン、クリラーゼ、ペプシン、トリプシン、リゾチーム、デキストラナーゼ、ミュータナーゼ、グリコアミラーゼ、アミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、およびそれらの組み合わせを挙げることができる。
【0107】
さらなる例として、いくつかの実施形態で予防効果を高め、また歯科ケア成分をさらに美容上受け入れられるようにするために用いる、ステアリン酸ナトリウム、リシノール酸ナトリウム、およびラウリル硫酸ナトリウム界面活性剤などの界面活性剤を挙げることができる。界面活性剤は、好ましくは組成物に洗浄性および発泡特性を付与する洗浄性物質であることができる。界面活性剤の好適な例は、硬化ヤシ油脂肪酸のモノ硫酸化モノグリセリドのナトリウム塩などの高級脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸の水溶性塩、ラウリル硫酸ナトリウムなどの高級アルキル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホネート、ナトリウムラウリルスルホアセテートなどの高級アルキルスルホアセテート、1,2−ジヒドロキシプロパンスルホネートの高級脂肪酸エステル、および12〜16個の炭素を有する脂肪酸、アルキルまたはアシル基を有するものなど、低級脂肪族アミノカルボン酸化合物の実質的に飽和した高級脂肪族アシルアミドなどである。最後に記載のアミドの例は、N−ラウロイルサルコシン、およびN−ラウロイル、N−ミリストイル、またはN−パルミトイルサルコシンのナトリウム、カリウム、およびエタノールアミン塩である。
【0108】
界面活性剤に加えて、歯科ケア成分は、限定しないが、トリクロサン、クロルヘキシジン、クエン酸亜鉛、硝酸銀、銅、リモネン、および塩化セチルピリジニウムなどの抗菌剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、さらなる虫歯予防剤は、フッ化物イオンまたは無機フッ化物塩などのフッ素をもたらす構成成分を含むことができる。いくつかの実施形態では、可溶性アルカリ金属塩、例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、フルオロケイ酸アンモニウム、モノフルオロリン酸ナトリウムや、フッ化第一スズなどのフッ化スズおよび塩化第一スズを配合することができる。いくつかの実施形態では、例えば、酸へのエナメル溶解性の減少、および齲食に対する歯の保護など、口腔のケアおよび衛生に対して有益な効果を持つフッ素含有化合物も、成分として配合してよい。その例として、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズ、フッ化カリウム、フッ化第一スズカリウム(SnF−KF)、ヘキサフルオロ第二スズナトリウム、塩化フッ化第一スズ、フルオロジルコン酸ナトリウム、およびモノフルオロリン酸ナトリウムが挙げられる。いくつかの実施形態では、尿素が配合される。
【0109】
さらなる例は、以下の米国特許、および米国特許出願公開に記載されており、それらすべての内容全体を、あらゆる目的で本願に引用して援用する:米国特許(Reynoldsの第5,227,154号明細書、Greenbergの第5,378,131号明細書、Luoらの第6,846,500号明細書、Luoらの第6,733,818号明細書、Luoらの第6,696,044号明細書、Holmeらの第6,685,916号明細書、Luoらの第6,485,739号明細書、Holmeらの第6,479,071号明細書、Luoらの第6,471,945号明細書)、米国特許出願公開(Holmeらの第20050025721号明細書、Gebreselassieらの第2005008732号明細書、およびHolmeらの第20040136928号明細書)。
【0110】
(活性成分)
活性物とは一般に、使用者にそれらがもたらす所望の有益な結果のためにチューインガム組成物に配合される成分をいう。いくつかの実施形態では、活性物は、薬品、栄養素、栄養補給剤、ハーブ類、栄養補給剤、医薬品、薬物など、およびそれらの組み合わせを含むことができる。
【0111】
有用な薬物の例としては、ACE阻害剤、抗狭心症薬、抗不整脈薬、抗喘息薬、高コレステロール血症治療薬(anti−cholesterolemic)、鎮痛剤、麻酔薬、抗痙攣薬、抗うつ剤、抗糖尿病薬、下痢止め、解毒剤、抗ヒスタミン薬、血圧降下薬、抗炎症剤、抗高脂血症薬(anti−lipid agent)、抗躁薬、制嘔吐剤、抗卒中薬、抗甲状腺製剤、抗腫瘍薬、抗ウイルス剤、座瘡抑制薬、アルカロイド、アミノ酸製剤、鎮咳薬、抗尿酸血薬、抗ウイルス薬、同化製剤(anabolic preparation)、全身性抗感染薬および非全身性抗感染薬、抗新生物薬、抗パーキンソン病薬、抗リウマチ薬、食欲刺激薬、生物反応修飾物質、血液修飾物質、骨代謝調節因子、心血管作動薬、中枢神経系刺激薬、コリンエステラーゼ阻害剤、避妊薬、充血除去剤、栄養補助食品、ドーパミン受容体作動薬、子宮内膜症管理薬(endometriosis management agent)、酵素、勃起不全療法(例えば、現在バイアグラ(Viagra)(商標)として市販のクエン酸シルデナフィル)、排卵誘発剤、胃腸薬、同種療法、ホルモン、高カルシウム血症管理薬(hypercalcemia management agent)および低カルシウム血症管理薬(hypocalcemia management agent)、免疫刺激剤、免疫抑制剤、偏頭痛用製剤、乗り物酔い治療薬、筋肉弛緩剤、肥満症管理薬(obesity management agent)、骨粗しょう症製剤、子宮収縮薬、副交感神経遮断薬、副交感神経興奮薬、プロスタグランジン、精神治療薬、呼吸器官用薬、鎮静剤、禁煙補助薬(ブロモクリプチンまたはニコチンなど)、交感神経抑制剤、抗振戦製剤(tremor preparation)、尿路用薬、血管拡張薬、緩下剤、制酸剤、イオン交換樹脂、解熱剤、食欲抑制薬、去痰剤、抗不安薬、抗潰瘍薬、抗炎症性物質、冠動脈拡張薬、脳血管拡張薬(cerebral dilator)、末梢血管拡張薬、向精神薬、刺激薬、血圧降下薬、血管収縮薬、偏頭痛治療薬、抗生物質、精神安定剤、抗精神病薬、抗腫瘍薬、抗凝固剤、抗血栓剤、催眠薬、制吐剤(anti−emetic)、制嘔吐剤(anti−nauseant)、抗痙攣薬、神経筋薬、血糖上昇薬および血糖降下薬、甲状腺用製剤および抗甲状腺製剤、利尿薬、鎮痙薬、テリン弛緩剤(terine relaxant)、肥満防止薬、赤血球増殖剤、気管支喘息治療薬、鎮咳薬、粘液溶解薬、DNA修飾因子および遺伝子修飾因子、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0112】
いくつかの実施形態での使用が企図される活性成分の例としては、制酸剤、H2拮抗薬、および鎮痛剤が挙げられる。例えば、制酸剤投与量は、成分の炭酸カルシウムのみを使用してまたは水酸化マグネシウム、および/または水酸化アルミニウムと組み合わせて使用して調製することができる。さらに、制酸剤はH2拮抗薬と併用して使用することができる。
【0113】
鎮痛剤としては、アヘン剤およびアヘン剤誘導体(オキシコンチン(Oxycontin)(商標)など)、イブプロフェン、アスピリン、アセトアミノフェン、およびこれらの組み合わせ(必要に応じてカフェインを含んでいてもよい)が挙げられる。
【0114】
実施形態において使用するための他の薬物活性成分としては、下痢止め(イモジウム(商標)ADなど)、抗ヒスタミン薬、鎮咳薬、充血除去剤、ビタミン、および呼気清涼化剤を挙げることができる。抗不安薬(ザナックス(Xanax)(商標)など)、抗精神病薬(クロザリル(Clozaril)(商標)およびハルドール(Haldol)(商標)など)、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)(イブプロフェン、ナプロキセンナトリウム、ボルタレン(Voltaren)(商標)およびロジン(Lodine)(商標)など)、抗ヒスタミン薬(クラリチン(Claritin)(商標)、ヒスマナル(Hismanal)(商標)、レラフェン(Relafen)(商標)、およびタビスト(Tavist)(商標)など)、制吐剤(キトリル(Kytril)(商標)およびセサメット(Cesamet)(商標)など)、気管支拡張薬(ベントリン(Bentolin)(商標)、プロベンティル(Proventil)(商標)など)、抗うつ剤(プロザック(Prozac)(商標)、ゾロフト(Zoloft)(商標)、およびパキシル(Paxil)(商標)など)、抗偏頭痛薬(イミグラ(Imigra)(商標)など)、ACE阻害剤(バソテック(Vasotec)(商標)、カポテン(Capoten)(商標)およびゼストリル(Zestril)(商標)など)、抗アルツハイマー病薬(ニセルゴリン(Nicergoline)(商標)など)、ならびにCaH拮抗薬(プロカルディア(Procardia)(商標)、アダラート(Adalat)(商標)、およびカラン(Calan)(商標)など)も、本発明における使用が想定される。
【0115】
本発明において使用することが企図される普及したH2拮抗薬としては、シメチジン、塩酸ラニチジン、ファモチジン、ニザチジン、エブロチジン(ebrotidine)、ミフェンチジン(mifentidine)、ロキサチジン、ピサチジン(pisatidine)およびアセロキサチジン(aceroxatidine)が挙げられる。
【0116】
活性な制酸剤成分としては、これらに限定されないが、水酸化アルミニウム、アミノ酢酸ジヒドロキシアルミニウム、アミノ酢酸、リン酸アルミニウム、ジヒドロキシアルミニウム炭酸ナトリウム、炭酸水素塩、アルミン酸ビスマス、炭酸ビスマス、次炭酸ビスマス、次没食子酸ビスマス、次硝酸ビスマス、次サリチル酸ビスマス(bismuth subsilysilate)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、クエン酸イオン(酸または塩)、アミノ酢酸、硫酸アルミン酸マグネシウム水和物(hydrate magnesium aluminate sulfate)、マガルドレート(magaldrate)、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、グリシン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、乳固形分、アルミニウム第一リン酸カルシウムまたはアルミニウム第二リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、炭酸水素カリウム、酒石酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アルミノケイ酸マグネシウム、酒石酸および塩が挙げられる。
【0117】
事実上いずれのビタミンまたはミネラルなどの種々の他の栄養補給剤もまた活性成分として使用することができる。例えば、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB6、ビタミンB12、チアミン、リボフラビン、ビオチン、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、硫黄、塩素、鉄、銅、ヨウ素、亜鉛、セレン、マンガン、コリン、クロム、モリブデン、フッ素、コバルトおよびこれらの組み合わせを使用することができる。
【0118】
活性成分として使用できる栄養補給剤の例は、米国特許出願公開第2003/0157213(A1)号明細書、同第2003/0206993号明細書および同第2003/0099741(A1)号明細書に示されている。これらは、参照によりその全体をあらゆる目的で本願に援用したものとする。
【0119】
種々の医薬としての特性または栄養補助特性を有するものなど種々のハーブもまた活性成分として使用できる。ハーブは医薬としてまたは香味物質として使用することができる一般に香りの強い植物もしくは植物の一部またはその抽出液である。適切なハーブは、単独で使用することもでき、種々の混合物として使用することもできる。一般に使用されるハーブとしては、エキナセア、ヒドラスチス、キンセンカ、ローズマリー、タイム、カバカバ、アロエ、赤根草、グレープフルーツ種子エキス、ブラックコホッシュ、朝鮮人参、ガラナ、クランベリー、イチョウ、セイヨウオトギリソウ、月見草油、ヨヒンベ樹皮、緑茶、マオウ、マカ、ビルベリー、ルテイン、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0120】
(発泡システム成分)
発泡システムは、1以上の食用酸および1以上の食用アルカリ性物質を含んでよい。食用酸(複数可)および食用アルカリ性物質(複数可)は、一緒に反応して発泡しうる。
【0121】
いくつかの実施形態では、塩基性物質(単数種または複数種)は、限定しないが、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸水素塩、およびそれらの組み合わせから選択してよい。食用酸(単数種または複数種)は、限定しないが、クエン酸、リン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、およびそれらの組み合わせから選択してよい。いくつかの実施形態では、発泡システムは、例えば、二酸化炭素、口腔ケア成分、香味物質などの、1以上の他の成分を含んでよい。
【0122】
ガムでの発泡システムの使用の例については、発明の名称「Effervescent Pressed Gum Tablet Compositions」で、2004年10月13日に出願の米国仮特許第60/618,222号明細書(その内容を、参照によりあらゆる目的のために本願明細書に援用したものとする)を参照されたい。他の例は米国特許第6,235,318号明細書に見出すことができ、この内容を、参照によりあらゆる目的のために本願明細書に援用したものとする。
【0123】
(食欲抑制成分)
食欲抑制薬は、食品を摂取したいという欲求を抑圧するように機能する、繊維およびタンパク質などの成分でありうる。食欲抑制薬はまた、ベンズフェタミン、ジエチルプロピオン、マジンドール、フェンジメトラジン、フェンテルミン、フーディア(P57)、オリブラ(Olibra)(商標)、エフェドラ、カフェインおよびそれらの組み合わせも含むことができる。食欲抑制薬は、以下の商品名でも知られている:アディペックス(Adipex)(商標)、アディポスト(Adipost)(商標)、ボントリル(Bontril)(商標)PDM、ボントリル(Bontril)(商標)スローリリース(Slow Release)、ディドレックス(Didrex)(商標)、ファスティン(Fastin)(商標)、アイオナミン(Ionamin)(商標)、マザノール(Mazanor)(商標)、メルフィアット(Melfiat)(商標)、オベニックス(Obenix)(商標)、フェンダイエット(Phendiet)(商標)、フェンダイエット(Phendiet)−105(商標)、フェンテルコット(Phentercot)(商標)、フェノトリド(Phentride)(商標)、プレギン(Plegine)(商標)、プレル(Prelu)−2(商標)、プロ−ファスト(Pro−Fast)(商標)、PT105(商標)、サノレックス(Sanorex)(商標)、テヌエート(Tenuate)(商標)、サノレックス(Sanorex)(商標)、テヌエート(Tenuate)(商標)、テヌエートドスパン(Tenuate Dospan)(商標)、テパニル(Tepanil)Ten−Tab(商標)、テラミン(Teramine)(商標)およびザントリル(Zantryl)(商標)。以上およびその他の好適な食欲抑制薬はさらに、以下の米国特許に記載されており、すべてを本願に引用してその全体を援用する:Portmanの米国特許第6,838,431号明細書、Portmanの米国特許第6,716,815号明細書、Portmanの米国特許第6,558,690号明細書、Portmanの米国特許第6,468,962号明細書、Portmanの米国特許第6,436,899号明細書。
【0124】
(微量栄養素成分)
微量栄養素は、タンパク質、炭水化物、および脂肪などの多量栄養素と比較して、所望の効果をもたらすのに生物が要求する量が少なくても、生物の栄養上の健康状態に対する影響を有する物質を含むことができる。微量栄養素には、限定しないが、ビタミン、ミネラル、酵素、植生化学物質、抗酸化物質、およびそれらの組み合わせを含むことができる。
【0125】
いくつかの実施形態では、ビタミンは、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、およびビタミンKおよびそれらの組み合わせなどの脂溶性ビタミンを含むことができる。いくつかの実施形態では、ビタミンは、ビタミンC(アスコルビン酸)、B型ビタミン(チアミンすなわちB1、リボフラビンすなわちB2、ナイアシンすなわちB3、ピリドキシンすなわちB6、葉酸すなわちB9、シアノコバラミンすなわちB12、パントテン酸、ビオチン)、およびそれらの組み合わせなどの水溶性ビタミンを含むことができる。
【0126】
いくつかの実施形態では、ミネラルは、限定しないが、ナトリウム、マグネシウム、クロム、ヨウ素、鉄、マンガン、カルシウム、銅、フッ化物、カリウム、リン、モリブデン、セレン、亜鉛、およびそれらの組み合わせを含むことができる。
【0127】
いくつかの実施形態では、微量栄養素は、限定しないがL−カルニチン、コリン、コエンザイムQ10、α−リポ酸、ω−3−脂肪酸、ペプシン、フィターゼ、トリプシン、リパーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、およびそれらの組み合わせを含むことができる。
【0128】
いくつかの実施形態では、植生化学物質は、限定しないが、カルテノイド、クロロフィル、クロロフィリン、繊維、フラボノイド、アントシアニン、シアニジング(cyaniding)、デルフィニジン、マルビジン、ペラルゴニジン、ペオニジン、ペチュニジン、フラバノール、カテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、没食子酸エピガロカテキン、テアフラビン、テアルビジン、プロアントシアニン、フラボノール、ケルセチン、ケンフェロール、ミリセチン、イソラムネチン、フラボノンシェスペレチン(flavononeshesperetin)、ナリンゲニン、エリオジクチオール、タンゲレチン、フラボン、アピゲニン、ルテオリン、リグナン、フィトエストロゲン、レスベラトロール、イソフラボン、ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテイン、ダイズイソフラボン、およびそれらの組み合わせを含むことができる。
【0129】
(口内湿潤化成分)
口内湿潤剤は、限定しないが、酸および塩ならびにそれらの組み合わせなどの唾液刺激剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、酸は、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グリコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸およびそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、塩としては、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、海塩、クエン酸ナトリウム、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0130】
口内湿潤剤はまた、水和して口腔表面に付着し、口内湿潤化の感覚をもたらすかもしれない親水コロイド材料も含むことができる。親水コロイド材は、植物滲出液、種子菓子、および海藻エキスなどの天然由来の材料を含むことができ、またはそれらは、セルロース、デンプン、または天然菓子誘導体などの化学的に変性された物質であることができる。いくつかの実施形態では、親水コロイド材料は、ペクチン、アラビアガム、アカシアガム、アルギン酸塩もしくはアルギン酸エステル、寒天、カラギーナン、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ゼラチン、ジェランガム、ガラクトマンナン、トラガントガム、カラヤガム、カードラン、コンニャク、キトサン、キシログルカン、ベータグルカン、フルセララン、ガッティガム、タマリン、細菌ガム、およびそれらの組み合わせを含むことができる。さらに、いくつかの実施形態では、プロピレングリコールアルギネート、カルボキシメチルローカストビーンガム、低メトキシルペクチン、およびそれらの組み合わせなどの、変性天然ガムを含むことができる。いくつかの実施形態では、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPCM)、およびヒドロキシプロピルセルロース(MPC)、およびそれらの組み合わせなどの、変性セルロースを含めることができる。
【0131】
同様に、口内に水和の知覚をもたらすことができる湿潤剤を含めることができる。このような湿潤剤としては、限定しないが、グリセロール、ソルビトール、ポリエチレングリコール、エリスリトール、およびキシリトール含むことができる。さらに、いくつかの実施形態では、脂肪は口内湿潤化を知覚させることができる。このような脂肪としては中鎖トリグリセリド、植物油、魚油、鉱油、およびそれらの組み合わせを挙げることができる。
【0132】
(咽頭ケア成分)
咽頭無痛化成分は、鎮痛薬、麻酔薬、粘滑薬、防腐剤、およびそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、鎮痛薬/麻酔薬は、メントール、フェノール、ヘキシルレゾルシノール、ベンゾカイン、ジクロニン塩酸塩、ベンジルアルコール、サリチルアルコール、およびそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、粘滑薬としては、限定しないが、スリッペリーニレ樹皮、ペクチン、ゼラチン、およびそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、防腐剤成分は、塩化セチルピリジニウム、臭化ドミフェン、塩化デカリニウム、およびそれらの組み合わせを含むことができる。
【0133】
いくつかの実施形態では、塩酸クロフェジアノール、コデイン、リン酸コデイン、硫酸コデイン、デキストロメトルファン、臭化水素酸デキストロメトルファン、クエン酸ジフェンヒドラミン、および塩酸ジフェンヒドラミン、ならびにそれらの組み合わせなどの鎮咳成分を含むことができる。
【0134】
いくつかの実施形態では、ハチミツ、プロポリス、アロエベラ、グリセリン、メントールおよびそれらの組み合わせなどの咽頭無痛化剤を含むことができる。さらに他の実施形態では、鎮咳剤を含むことができる。このような鎮咳剤は、2つの群、すなわち:粘液溶解薬および去痰薬など、痰の粘稠度または産生を変化させるもの、ならびにコデイン(麻薬性鎮咳剤)、抗ヒスタミン薬、デキストロメトルファンおよびイソプロテレノール(非麻薬性鎮咳剤)などの咳反射を抑制するものの2群に分類できる。いくつかの実施形態では、片方または双方の群からの成分を含めることができる。
【0135】
さらに他の実施形態では、鎮咳薬は、限定しないが、コデイン、デキストロメトルファン、デキストロファン、ジフェンヒドラミン、ヒドロコドン、ノスカピン、オキシコドン、ペントキシベリンおよびそれらの組み合わせからなる群を挙げることができる。いくつかの実施形態では、抗ヒスタミン薬は、限定しないが、アクリバスチン、アザタジン、ブロモフェニラミン、クロロフェニラミン、クレマスチン、シプロヘプタジン、デキスブロモフェニラミン、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン、ドキシルアミン、ヒドロキシジン、メクリジン、フェニンダミン、フェニルトロキサミン、プロメタジン、ピリラミン、トリペレナミン、トリプロリジンおよびそれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、非鎮痛性の抗ヒスタミン薬としては、限定しないが、アステミゾール、セチリジン、エバスチン、フェキソフェナジン、ロラチジン、テルフェナジン、およびそれらの組み合わせを挙げることができる。
【0136】
いくつかの実施形態では、去痰薬としては、限定しないが、塩化アンモニウム、グアイフェネシン、トコン流エキス、ヨウ化カリウムおよびそれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、粘液溶解薬としては、限定しないが、アセチルシステイン、アンブロキソール、ブロモヘキシンおよびそれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、鎮痛薬、解熱薬および抗炎症薬として、限定しないが、アセトアミノフェン、アスピリン、ジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ケトロラク、ナブメトン、ナプロキセン、ピロキシカム、カフェインおよびそれらの混合物を挙げることができる。いくつかの実施形態では、局所麻酔薬として、限定しないが、リドカイン、ベンゾカイン、フェノール、ジクロニン、ベンゾノテートおよびそれらの混合物を挙げることができる。
【0137】
いくつかの実施形態では、鼻腔鬱血除去薬および鼻腔内清掃の知覚をもたらす成分を配合できる。いくつかの実施形態では、鼻腔鬱血除去薬としては、限定しないが、フェニルプロパノールアミン、シュードエフェドリン、エフェドリン、フェニレフリン、オキシメタゾリン、およびそれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、鼻腔内清掃の知覚をもたらす成分としては、限定しないが、メントール、ショウノウ、ボルネオール、エフェドリン、ユーカリ油、ペパーミント油、サリチル酸メチル、酢酸ボルニル、ラベンダー油、ワサビエキス、セイヨウワサビエキス、およびそれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、鼻腔内清掃の知覚は、発香性精油、木、菓子、花および他の植物性物質からのエキス、樹脂、動物分泌物、および合成芳香族物質によって、もたらすことができる。
【0138】
いくつかの実施形態では、任意の成分または機能性成分としては、呼気清涼化剤、歯科ケア成分、活性物、ハーブ類、発泡システム、食欲抑制薬、ビタミン、微量栄養素、口内湿潤化成分、咽頭ケア成分、活力増強剤、集中力増強剤、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0139】
いくつかの実施形態では、改変される放出成分としては、香料、甘味料、感覚剤、呼気清涼化剤、歯科ケア成分、活性物、ハーブ類、発泡システム、食欲抑制薬、増強剤、食用酸、微量栄養素、口内湿潤化成分、咽頭ケア成分、およびこれらの組み合わせを含む群から選択される少なくとも1つの成分が挙げられる。これらの成分は、封入型、遊離型、またはこれらの両方の形態にあることができる。
【0140】
加工済みチューインガム組成物の例
【表1】
ガムベースは3重量%〜11重量%の充填剤、例えば、タルク、リン酸二カルシウム、および炭酸カルシウムを含んでもよい(このガムベース中の充填剤の量は、ガム領域組成物の重量%に基づき、例えば上記の組成物において、ガム領域組成物が5%充填剤を含む場合、ガムベースの量は、表の中に記載されている範囲よりも5%少ない範囲、すなわち、23〜37%の範囲となることになる)。
【0141】
当該チューインガムのための組成物は、最初に、約85℃の加熱下でタルク(存在する場合)をガムベースと組み合わせることにより調製される。この組み合わせ物は、次いで、バルク甘味料、レシチン、および甘味料シロップと6分間混合される。香料および冷感剤のプレミックスを含む香料ブレンドが加えられ、1分間混合される。最後に、酸および強化甘味料が加えられ、5分間混合される。
【0142】
(キャンディー)
キャンディータイプの菓子組成物は、チューイーキャンディー、クランチ質キャンディー、ロー・ボイルド・キャンディー、ハードボイルドキャンディー、フォンダン、キャラメル、ゼリー、グミ、ヌガー、およびそれらの混合物を包含してよい。いくつかの実施形態において、キャンディー層は、本願明細書に開示されるようなフォンダンを含有する菓子組成物から調整される。
【0143】
本願明細書で使用する場合、用語「キャンディー」は、砂糖を包含する菓子組成物または糖類ポリオールおよびエラストマー成分を含まない他の任意成分を含有する砂糖を含まない菓子組成物を包含する。キャンディーは時々、「キャンディー部分」、「キャンディー成分」、または「キャンディー組成物」と言及されうる。糖類ポリオールは、口腔中で細菌によって代謝されないと知られており、そのため虫歯の一因とならない。このように、糖類ポリオールを包含してキャンディー組成物を含まない砂糖は、ガム成分を包含している多層菓子製品に望まれうる。砂糖を含まない組成物の詳細は以下に説明される。しかしながら、本発明の種々の実施形態における多層菓子製品は、砂糖を包含している多くの伝統的な菓子類を含有して形成されうる。
【0144】
いくつかの実施形態において、キャンディー組成物は、歯ごたえのある食感があるように調製されうるが、同時に結晶化度(時々、粒の量とも言及される)を含有し短い食感である。粒は柔らかい初期咬合を可能とし、チューインガム層に柔らかい咬合経験を与える。粒化工程はキャンディー組成物中のポリオールを結晶化することにより影響されうる。一実施形態において、ポリオールを結晶化する傾向は、製造中のより硬い食感から消費中のより柔らかい食感に調整して徐々に結晶化する部分を含有するポリオールを植えつけることによって利用されうる。別の実施形態において、粒化工程は、キャンディー組成物を調製するプロセス中の機械的撹拌を用いることにより、例えば、機械的混合スピードおよび/またはプロセス中のせん断を調節することにより、混合時間を調節することにより、またはテンパリングプロセスを調節することにより、実施される。
【0145】
一実施形態において、キャンディー組成物は、糖類ポリオールを含むベース部分および糖類ポリオールを含むフォンダン部分を包含し得、ベース部分およびフォンダン部分は、混合されて砂糖を含まないキャンディー組成物を形成しうる。
【0146】
キャンディー組成物のベース部分は、一般的に1以上の糖類ポリオールおよび水から調製されうる。一実施形態において、ベース部分は、1以上の糖類ポリオールおよび水の混合物から調理される。ベース部分において使用する糖類ポリオールの種類および量は、以下にさらに詳細に説明されている。さらにベース部分は、後述するように任意に追加ベース部分の成分を含有してよい。
【0147】
キャンディー組成物のフォンダン部分は、キャンディー組成物に食感の概念を付与するために与えられる。フォンダンは、キャンディー組成物の粒を調節し、よってキャンディー組成物の食感を調節する糖類ポリオールの結晶性の粒子を含有するように調製されうる。一実施形態において、フォンダンは、50μm未満、具体的には約1〜約45μmの平均粒径を有する糖類ポリオールの結晶性の粒子を含み、キャンディー組成物が咀嚼されとき滑らかな口当たりを与える。別の実施形態において、フォンダンは、さらに本願明細書に記載されるように平均30μm以下、具体的には約1〜約25μmの長さを有する毛細管の微細結晶を含む。フォンダン部分は、一般的に1以上の糖類ポリオールおよび水から調製されうる。フォンダンに使用する糖類ポリオールの種類および量は以下でさらに詳細に説明される。
【0148】
いくつかの実施形態において、フォンダンは、引っ張りプロセスを用いて調製されるとき、キャンディー部分の約2.0〜約15.0%(重量/重量)、具体的には約4.0〜約12.0%(重量/重量)、より具体的には約5.0〜約10.0%(重量/重量)、さらにより具体的には約6.0〜約7.5%(重量/重量)の量でキャンディー組成物中に存在する。より高濃度のフォンダンはキャンディーに増加した噛み応えおよび柔らかさを与える。チューインガム層およびキャンディー層の組み合わせを含有する多層菓子製品において、これらの量のフォンダンは、結果的に、低温流れ、具体的には、層部分からキャンディー部分の滲み出しの原因となる所望しない形状変形を最小化するチューイーキャンディー組成物の層を与える。より低濃度のフォンダンは使用され得、キャンディー組成物の噛み応えは増加した機械的引き出しまたは常温でのより長い貯蔵時間として粒状化に用いることによって、なお成し遂げられうる。
【0149】
一実施形態において、ベース部分と組み合わせる前のフォンダンの水分含量は、フォンダンの約6.5〜約11.0%(重量/重量)、具体的にはフォンダンの約8.0〜約9.5%(重量/重量)、およびさらにより具体的には約8.5〜約9.0%(重量/重量)であり得る。
【0150】
ベース部分またはフォンダン部分は、一般的に糖類ポリオールを含有し、具体的には2以上の糖類ポリオールを含有する。ベース部分に用いられる糖類ポリオールは、フォンダン部分に用いられる糖類ポリオールと同じであり得、または異なり得る。好適な糖類ポリオールは、これらに限定されないが、エリスリトール、ガラクチトール、水素化イソマルチュロース(イソマルト)、水素化デンプン加水分解物、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ポリグリシトール、ソルビトール、キシリトールおよびこれらの混合物を含有する。
【0151】
糖類ポリオールは、結晶形状または非晶形状中に使用され得る。具体的には、結晶性糖類ポリオールは、結晶性のエリスリトール、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、およびこれらの組み合わせを包含する。結晶性糖類ポリオールがキャンディー組成物中に使用されるとき、または糖類ポリオールが組成物中で結晶化するとき、得られる食感は、より粒であるまたは短くなりうる。一実施形態において、キャンディー組成物は、粒状の食感を伴いフレーバーを消費者に素早く届けることを可能とする噛み応えである。
【0152】
例となる非晶性ポリオールは、エリスリトールシロップ、水素化デンプン加水分解物シロップ、イソマルトシロップ、ラクチトールシロップ、マルチトールシロップ、マンニトールシロップ、ソルビトールシロップ、キシリトールシロップ、およびこれらの組み合わせを包含する。
【0153】
一実施形態において、ベース部分またはフォンダン部分は、マンニトールなどの結晶性ポリオールを含有する。別の実施形態において、ベース部分またはフォンダン部分は、水素化デンプン加水分解物シロップなどの非晶性ポリオールを含有する。
【0154】
さらに別の実施形態において、ベース部分またはフォンダン部分は、結晶性ポリオールおよび非晶性ポリオールを含有する。一実施形態において、結晶性ポリオールは、マンニトールであり、非晶性ポリオールは水素化デンプン加水分解物シロップ(リカジン(登録商標)80/55など)である。
【0155】
ベース部分およびフォンダン部分の両方が同じ結晶性ポリオール(例えば、両方ともマンニトールを含有しまたは両方ともイソマルトを含有する)とき、フォンダン形状の種結晶はベース部分中での粒化を促進する利点がある。そのような粒化は、チューイーキャンディー組成物中で増加した塊および少なくなった低温流れ形状変形を提供し、そしてより柔らかい咀嚼食感を与えうる。選択的に、ベース部分を有することにより、ポリオールはフォンダンポリオールとは異なり(例えば、マンニトールベースおよびイソマルトフォンダン、またはイソマルトベースおよびマンニトールフォンダン)、粒化工程は、異なる食感を与えるまたは変化せずに残存するベース部分の食感を有することが、これにより抑制されうる。
【0156】
一実施形態において、ベース部分は、第一糖類ポリオールとしてイソマルトまたはマンニトールを含み、第二糖類ポリオールとして水素化デンプン加水分解物シロップを含む。別の実施形態において、フォンダン部分は、第一糖類ポリオールとしてイソマルトまたはマンニトールを含み、第二糖類ポリオールとして水素化デンプン加水分解物シロップを含む。
【0157】
イソマルトは二糖アルコールである。イソマルトは、イソマルチュロースを水素化することにより調製されうる。水素化した生成物は、6−O−α−D−グルコピラノシル−D−ソルビトール(1,6−GPS)、1−O−α−D−グルコピラノシル−D−ソルビトール(1,1−GPS)、1−O−α−D−グルコピラノシル−D−マンニトール(1,1−GPM)、6−O−α−D−グルコピラノシル−D−マンニトール(1,6−GPM)、およびこれらの混合物を包含しうる。いくつかの市販のイソマルト物質は、1,6−GPS、および1,1−GPMのほとんど等モル量の混合物を包含する。他のイソマルト物質は、純粋な1,6−GPS、1,1−GPS、1,6−GP、および1,1−GPMを包含しうる。さらに他のイソマルト物質は、1,6−GPS、1,1−GPS、1,6−GPM、および1,1−GPMを任意の割合での混合物を包含する。例となる市販のイソマルトは、SudzuckerグループのBENEO−パラチニットから入手できるイソマルトST、イソマルトGS、イソマルトM、イソマルトDC、およびイソマルトLMを包含する。
【0158】
好適な水素化デンプン加水分解物は、米国特許第4,279,931号明細書に開示されるものおよび種々の水素化されたグルコースシロップならびに/またはソルビトール、水素化二糖、高水素化多糖、またはこれらの混合物を含有する粉末を包含する。水素化デンプン加水分解物は、コーンシロップの調節された接触水素化により主に調製される。得られた水素化デンプン加水分解物は、単糖類、二糖類、多糖類の混合物である。これらの異なる糖類の割合は、異なる水素化デンプン加水分解物に異なる特性を付与する。水素化デンプン加水分解物の混合物(フランスのロケットフレール(Roquette Freres)によって製造される市販のリカジン(登録商標)などおよびニュージャージのフェアローン(Fairlawn)のロンザ社(Lonza,Inc.)によって製造される市販のHYSTARTM)も有用であり得る。リカジン(登録商標)は、ソルビトールおよびマルチトールを包含している水素化デンプン加水分解物である。
【0159】
例となる水素化デンプン加水分解物は、約75%固体を有し、約4%(重量/重量)のソルビトール、約53%(重量/重量)のマルチトール、約22%(重量/重量)のDP3−5、および約21%(重量/重量)のDP6およびより大きい重合度(DP)であるポリオールを含有するリカジン(登録商標)80/55である。別の例となる水素化デンプン加水分解物は、約85%固体を有し、約4%(重量/重量)のソルビトール、約53%(重量/重量)のマルチトール、約22%(重量/重量)のDP3−5、および約21%(重量/重量)のDP6およびより大きい重合とであるリカジン(登録商標)80/55HDSである。
【0160】
キャンディー組成物中に存在する糖類ポリオールの全量はキャンディー組成物の約50〜約95%(重量/重量)、具体的にはキャンディー組成物の約70〜約90%(重量/重量)、およびより具体的にはキャンディー組成物の約75〜約85%(重量/重量)である。
【0161】
一実施形態において、ベース部分は、ベース部分(乾燥重量)の約30〜約50%(重量/重量)のイソマルトおよび約50〜約70%(重量/重量)の水素化デンプン加水分解物シロップ、具体的にはベース部分(乾燥重量)の約35〜約45%(重量/重量)のイソマルトおよび約55〜約65%(重量/重量)の水素化デンプン加水分解物シロップを含む。
【0162】
一実施形態において、フォンダン部分は、フォンダン部分(乾燥重量)の約65〜約80%(重量/重量)のイソマルトおよび約20〜約35%(重量/重量)の水素化デンプン加水分解物シロップ、具体的にはフォンダン部分(乾燥重量)約70〜約75%(重量/重量)のイソマルトおよび約25〜約30%(重量/重量)の水素化デンプン加水分解物シロップを含む。
【0163】
一実施形態において、イソマルト:水素化デンプン加水分解物シロップの割合は、キャンディー組成物に基づき約30:70〜約50:50、具体的にはキャンディー組成物に基づき約35:65〜約45:55、およびより具体的にはキャンディー組成物に基づき約40:60である。さらなる実施形態において、上述の割合であるキャンディー組成物はチューイーキャンディーである。
【0164】
別の実施形態において、イソマルト:水素化デンプン加水分解物シロップの割合は、キャンディー組成物に基づき約75:25〜約55:45、具体的にはキャンディー組成物に基づき約70:30〜約60:40、およびより具体的にはキャンディー組成物に基づき約65:35である。さらなる実施形態において、上述の割合であるキャンディー組成物は、あまり咀嚼が必要ではなく、よりクランチ質のキャンディーである。
【0165】
菓子組成物のイソマルトは、イソマルトの総重量に基づき1,6−GPSを50%(重量/重量)超、具体的にはイソマルトの総重量に基づき1,6−GPSを約75〜約80%(重量/重量)含有しうる。一実施形態において、ベース部分、フォンダン部分、または両方の部分は、1,6−GPSをイソマルトの総重量に基づき50%(重量/重量)超、具体的には1,6−GPSをイソマルトの総重量に基づき約75〜約80%(重量/重量)を有するイソマルトを含有する。
【0166】
別の実施形態において、キャンディー組成物は、ベース部分、フォンダン部分、または両方の部分に存在する1,6−GPS:1,1−GPMを約1:1の割合で有するイソマルトを含む。
【0167】
一実施形態において、ベース部分およびフォンダン部分は、第一糖類ポリオールとしてマンニトールを含み、第二糖類ポリオールとして水素化デンプン加水分解物シロップを含む。マンニトールの量が多くなればなるほど、粒状のキャンディー組成物はより粒状になり、多層形態のキャンディー組成物の低温流れ形状変形を最小にするのに十分な塊であるクランチ質物質が少なくなるだろう。引っ張り段階が用いられる場合、チューイーキャンディー中十分な粒状化および塊を達成するマンニトールの量は、キャンディー質量に通気するのに十分キャンディーの塊を引っ張る能力によってバランスが取られる。マンニトールが多すぎる場合、キャンディーの塊が引っ張られる前に迅速に結晶化することとなる。この潜在的な問題を避けるため、マンニトールの量は迅速な結晶化を避けるために限定され、または引っ張りプロセスは、シグマ混合機を用いるなど、高エネルギーを要する混合器と置換される。引っ張り段階がチューイーキャンディー組成物を調製するのに望ましいとき、キャンディー組成物中に存在するマンニトールの全量はキャンディー組成物(ベース部分およびフォンダン部分を包含している)の総重量に基づき約6〜約22%(重量/重量)、具体的には約8〜約18%(重量/重量)、およびより具体的には約10〜約15%(重量/重量)の乾燥重量であり得、キャンディー組成物の総重量に基づく水素化デンプン加水分解物シロップの総量は、約65〜約85%(重量/重量)、具体的には約70〜約80%(重量/重量)、およびより具体的には約73〜約77%(重量/重量)である。マンニトールの量が多くなればなるほど、高エネルギー、激しい混合がプロセス中で採用される。
【0168】
一実施形態において、フォンダンは、毛細管の微細結晶を含むマンニトールフォンダンであり、主に平均長さ30μm以下のマンニトールが未審査の特開第2007−215450号公報(Michihide Obaraの出願日2006年2月15日で2007年8月30日に公開された特願第2006−37910号公報に記載され、その全体を参照により本願明細書に援用したものとする。マンニトールフォンダンは、砂糖フォンダンと等価であり、高結晶性濃度を有し滑らかさおよび性能安定性を有するように調整されうることが見出された。用語「性能安定性」は、舌触り、滑らかさ、硬さ、水分保持(離漿防止効果と称される場合がある)が安定であり、これらの性質は普通の貯蔵、輸送および取扱いの間よく維持される。
【0169】
毛細管の微細結晶を含むマンニトールフォンダンは、一般的に、マンニトールおよびマンニトール以外の非晶性炭水化物(例えば、非晶性ポリオール)を結晶沈殿調整剤として含有する。非晶性炭水化物の使用はマンニトールの結晶化速度を調節することを可能とし、砂糖フォンダンと同様の滑らかさを有するマンニトールフォンダンを提供する。非晶性炭水化物および従来の方法を用いたマンニトールフォンダンの調製工程を用いることなく、マンニトールの大きな結晶は結果的に粗いフォンダンとして得られる。
【0170】
毛細管の微細結晶を含むマンニトールフォンダン中のマンニトール:非晶性炭水化物の質量比は、約80:20〜約10:90、具体的には約70:30〜約20:80である。マンニトールの質量比が80を超えるとき、結晶化速度は速く、粗く、大きな結晶の沈殿物となり、フォンダンは粗く硬くなる。マンニトールの質量比が10未満になるとき、結晶濃度は低く、良好なフォンダンを与えない。加えて、マンニトール:非晶性炭水化物の質量比が80:20〜10:90の範囲であるとき、マンニトールの質量比が高くなればなるほど、その沸点は低くなるかもしれない。マンニトールは、D−マンニトール、L−マンニトール、またはD,L−マンニトールであり得、具体的にはD−マンニトールであり得る。
【0171】
毛細管の微細結晶を含むマンニトールフォンダンの非晶性炭水化物は、水の状態にある任意の濃度または温度領域で結晶化しない炭水化物を意味し、得られたマンニトールフォンダンの製造または製造後の質の安定性を悪化させない。例となる非晶性炭水化物は、デンプンシロップ(例えば、グルコースシロップ、コーンシロップ)、還元デンプンシロップ(例えば、水素化デンプン加水分解物)、還元マルトースデンプンシロップ(例えば、マルチトールシロップ)、カップリング−シュガー(例えば、オリゴGGF(商標)(D−ガラクトース、D−グルコースおよびD−フルクトースからなるトリサッカリド)のようなオリゴ糖)、オリゴマー(例えば、ラクトスクロース、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖など)、食物繊維(例えば、グルコマンナン、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、セルロース、アラビアガム、プルラン、寒天寒天、アルギン酸ナトリウム、およびデンプン、デキストリンなどの多糖類など)、およびこれらの組み合わせを包含する。
【0172】
特定の非晶性炭水化物は、平均長さ30μm以下の毛細管の微細結晶を含むマンニトールフォンダンの調製に好適であるが、粒子状の利用のため不十分な水分保持(離漿防止効果)を示すかもしれない。これらの非晶性炭水化物は、例えば、デンプンシロップおよび還元デンプンシロップを包含する。水分保持改良剤をデンプンシロップまたは還元デンプンシロップと組み合わせての使用は、所望の水分保持を与えるために使用することができる。例となる水分保持改良剤は、ゼラチン、セルロース類(結晶性セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなど)、ガム、アルギン、寒天−寒天、グルコマンナンなど、およびこれらの組み合わせのような特定の非晶性炭水化物を包含する。水分保持改良剤の量は、毛細管の微細結晶を含むマンニトールフォンダンの総重量に基づき、約0〜約30重量%、具体的には0.05〜30重量%、およびより具体的には0.5〜10重量%であり得る。
【0173】
一実施形態において、乳化剤は、結晶調整剤として添加されかつ用いられてもよい。例となる乳化剤は、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチンなど、およびこれらの組み合わせを包含する。
【0174】
乳化剤の量は、毛細管の微細結晶を含むマンニトールフォンダンの総重量に基づき、約0.01〜約2重量%、およびより具体的には約0.1〜約1重量%であり得る。別の実施形態において、乳化剤および水分保持改良剤の組み合わせは、毛細管の微細結晶を含むマンニトールフォンダンの総重量に基づき約0.05〜約30重量%、およびより具体的には約0.1〜約10重量%の総量で用いられる。
【0175】
追加の添加剤は、平均長さ30μm以下の毛細管の微細結晶が形成される場合に毛細管の微細結晶を含むマンニトールフォンダンに添加されてよい。例となる追加の添加剤は、酸味料、着香剤、着色剤など、およびこれらの組み合わせを包含する。
【0176】
毛細管の微細結晶を含むマンニトールフォンダンを調製するために一般化されたプロセスは、マンニトール、非晶性炭水化物、および水の液体混合物を沸騰させる工程、主にマンニトールからなりかつ平均長さ30μm以下である毛細管の微細結晶を得るために、高速で液体混合物を撹拌し、引き続き液体を冷却する工程を含む。沸点はマンニトールおよび非晶性炭水化物の質量比に基づいて選択される。例となる沸点は約100〜約134℃である。そして大気圧下では、具体的には約120〜約132℃である。沸点はフォンダンの水分(30重量%以下、具体的には約10〜約20重量%)を調節するために規定されてよい。濃度は減圧下で任意に実施されてよい。
【0177】
液体混合物は沸騰したあとで、〜約95〜約100℃に冷却され、次いで高速で撹拌され、冷却は継続され、毛細管の微細結晶を形成する。高速撹拌は、約30分〜約1時間、大気圧下、55〜594rpmで実施されうる。
【0178】
一実施形態において、それぞれ主にマンニトールからなり平均長さ30μm以下である毛細管の微細結晶を有するマンニトールフォンダンは、700gのマンニトール粉末(東和化成株式会社から入手できる)および300gの還元デンプンシロップ(林原株式会社から入手できるHS−300)に40gの水を添加して液体混合物を形成し調製される。当該液体混合物は最大128℃で沸騰され、95℃に冷却され、微細結晶が得られるまで撹拌機(KENMIX社製のKM−800)を用いて30分間、132rpm〜594rpmで高速撹拌された。同様のフォンダンは、還元デンプンシロップに対するマンニトールの質量比を変更して調製された。D−マンニトール粉末:還元デンプンシロップの比20:80、30:70、40:60、50:50、60:40、および70:30が、それぞれ主にマンニトールからなりおよび平均長さ30μm以下であるからなる毛細管の微細結晶を有し、かつ粗くなく、滑らかで砂糖フォンダンのそれらと等価である性能安定性を有するフォンダンを与えた。D−マンニトール粉末:還元デンプンシロップの比10:90および80:20は、粗さが少しあるが、また砂糖フォンダンと等価の滑らかさおよび性能安定性を有するフォンダンを与えた。これらのフォンダンの顕微鏡分析により、30μm以下の平均長さである毛細管を微細結晶を90%以上含有するフォンダンが明らかとなった。D−マンニトール粉末:還元デンプンシロップの比70:30は、顕微鏡分析によって平均長さが50μm以上である毛細管の微細結晶を90%以上含有するより粗いフォンダンを与えた。
【0179】
一実施形態において、フォンダンは結晶性のマンニトール、水素化デンプン加水分解物シロップから調製されうる。チューイー菓子組成物は、ソルビトールを大量に含有する水素化デンプン加水分解物シロップを含有するフォンダンから調製されうることが見出され、そのため、マンニトールの結晶化は、調製中フォンダンに大量のマンニトールを組み入れることを十分長い間阻害されうるが、一度キャンディー組成物が調製された場合、十分粒状化を可能とする。水素化デンプン加水分解物シロップは、一般的にソルビトール:マルチトールを約1:0.5〜1:1.5、具体的には約1:0.8〜1:1.2、より具体的には約1:0.9〜約1:1.1、およびさらにより具体的には約1:1で含有しうる。ソルビトール:マルチトールの比が所望の比でない水素化デンプン加水分解物シロップが用いられるとき、少量のソルビトールを有する水素化デンプン加水分解物シロップとより大量のソルビトール(ソルビトールシロップ)を含有する水素化デンプン加水分解物シロップとの組み合わせが結果的に所望の比とするために使用されうる。例えば、約50〜約55%のマルチトールおよび約8%のソルビトールを含有する水素化デンプン加水分解物シロップは、約45〜約54%のソルビトールを含有するソルビトールシロップと混合されうる。ソルビトールシロップは、ソルビトールシロップ(約28.5〜31.5%(重量/重量)の水)の約70%の個体であり得、約45.0〜約54.0%(重量/重量)D−ソルビトール(例えば、ロケット:アメリカ社(Roquette America、Inc)から入手できるポリオール70/100)を含有しうる。フォンダンを調製するために使用される水素化デンプン加水分解物シロップの量は、ソルビトールシロップを用いるとき、水を伴ったフォンダンの約15〜約30%(重量/重量)であり得、またはソルビトールシロップが用いられないとき水を伴うフォンダンの約35〜約60%(重量/重量)でありうる。ソルビトールシロップを用いる場合、水素化デンプン加水分解物シロップの量は、フォンダンの約7〜約12%(重量/重量)の量で存在しうる。
【0180】
マンニトールフォンダンの中でのソルビトールシロップの使用によってより高い調理温度でのチューイー菓子組成物の調製が可能になり、結果的に良好な塊、クランチ質の欠如、および多層の様式からの最小の低温流れによる形状の変形(「滲みだし」)を有するチューイー菓子が得られる。ソルビトールシロップを用いずに調製されたマンニトールベースフォンダンは、そのフォンダンを調製するために掃引式(swept)または掻き取り式(scraped)表面混合設備が使用される場合は、このフォンダンの重量に基づいて最大約57%(重量/重量)のマンニトールを含有することができる。チューイーキャンディーの調製においてシグマブレード(sigma blade)または他の類似の高エネルギーの、強力な混合設備が使用される場合には、より低い量のマンニトール、フォンダンの重量に基づいて約33〜約48%(重量/重量)は、ソルビトールシロップの不存在下でフォンダンを調製するために使用されうる。ソルビトールシロップを含まないマンニトールフォンダンを使用して引っ張り工程が用いられる場合、マンニトールの量はこのフォンダンの約22%(重量/重量)へと減らされる。ソルビトールシロップを用いて調製されたマンニトールフォンダンは、このフォンダンの約35〜約60%(重量/重量)(乾燥重量)、水を含むフォンダンの約25〜約40%(重量/重量)の量のマンニトールを含有しうる。
【0181】
別の実施形態では、チューイー菓子組成物は、結晶性ポリオールが、レーザー光回折技法により測定したときに、40μm以下、特定すれば約1〜約35μm、さらにより特定すれば約10〜約30μmの粒径中央値を有するマンニトールを含むマンニトールフォンダンを用いて調製することができる。
【0182】
いくつかの実施形態では、菓子組成物の粒形成を促進するために十分な量の結晶性ポリオールが使用される場合は、チューイー菓子組成物は、フォンダンの使用なしに調製することができる。一実施形態では、これまでに記載したもののようなこの結晶性ポリオールは、滑らかな口当たりを有するざらざらした菓子製品を提供するためにこの結晶性ポリオールの少なくとも実質的な部分が非常に小さい粒径を有するように、選択される。一実施形態では、この結晶性ポリオールは、顕微鏡分析により決定した場合の30μm以下の平均長さの結晶を有する、特定すれば約1〜約25μmの平均長さの結晶を有するマンニトールである。
【0183】
一実施形態では、フォンダンなしで、しかし非常に小さい粒径を有する結晶性ポリオールを用いて製造されるチューイー菓子は、最小の低温流れを呈するチューイー製品が製造されることを確実にするために、シグマミキサーなどの高エネルギー混合機を使用して調製される。
【0184】
ある一実施形態では、フォンダンは、高エネルギー混合機を使用する連続プロセスの開始時にチューイー菓子を調製するために用いられるが、ひとたびそのプロセスがその混合機の中に同時にいくらかの早期の物質および後期の物質を連続的に有して、より早期の物質がより後期の物質を粒状にすることができるようになると、その後は使用されない。
【0185】
実に様々な1以上の従来の添加物を、当該菓子組成物の中に存在するさらなる成分として使用することができ、その添加物としては、脂肪、油、質感付与剤、乳化剤、食用酸、さらなる甘味料、高甘味度甘味料、香味調節物質または香味増強剤、香料、着色剤、医薬品、口腔ケア剤、咽頭ケア剤、呼気清涼化剤、無機質補助剤、増量剤、酸味料、緩衝剤、感覚剤(例えば、温感剤、冷感剤、刺激剤、発泡剤)、増粘剤、口内湿潤化剤、香味増進組成物、抗酸化物質(例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、または没食子酸プロピル)、防腐剤、機能性成分(例えば、呼気清涼化剤、歯科ケア成分、活性物、薬草、発泡システム、食欲抑制薬、ビタミン、微量栄養素、口内湿潤化成分、咽頭ケア成分、活力増強剤、集中力増強剤)、気体、これらの混合物などが挙げられる。これらの添加物のうちのいくつかは、当該菓子組成物内で複数の目的を果たしてもよい。さらには、これらの添加物のうちのいくつかは、少なくとも部分的に封入されていてもよい。
【0186】
一実施形態では、このさらなる成分は、フォンダン部分の導入に先立ってベース部分と合わされる。
【0187】
別の実施形態では、このさらなる成分は、ベース部分へのフォンダン部分の導入とともに、または導入の後に加えられる。
【0188】
さらに別の実施形態では、このさらなる成分は、ベース部分の任意の成分である。
【0189】
当該菓子組成物は、柔らかく柔軟なチューイー組成物から硬く脆い物質までの範囲の所望の食感の特徴を完成した菓子製品に与えるために、ある種およびある量の質感付与剤をさらに含んでもよい。より高い量の質感付与剤(ゼラチンなど)がチューイー菓子組成物で使用される場合、その組成物はより大きい粘りを有し、そして多層の様式へと調製されたときに、より少ない低温流れによる形状の変形を呈する傾向がある。
【0190】
この質感付与剤は、ゼラチン(豚肉、牛肉など)、他の親水コロイド物質、およびこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0191】
ゼラチンのゲル強度は、約125bloom以上、特定すれば約200bloom以上、より特定すれば約130bloom〜約250bloomであることができる。
【0192】
例示となる親水コロイド物質としては、ペクチン、アラビアガム、アカシアガム、アルギネート、寒天、カラギーナン、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ゼラチン、ジェランガム、ガラクトマンナン、トラガントガム、カラヤガム、カードラン、コンニャク、キトサン、キシログルカン、ベータグルカン、フルセララン、ガッティガム、タマリン、および細菌ガムが挙げられる。
【0193】
使用される場合、当該菓子組成物の中の質感付与剤、特定すればゼラチンの量は、この菓子組成物の約0.5〜約3.0%(重量/重量)、特定すれば約1.0〜約2.5%(重量/重量)、より特定すれば約1.5〜約2.0%(重量/重量)であることができる。
【0194】
当該菓子組成物は、油または脂肪をさらに含有してもよい。この菓子組成物で使用するための適切な油および脂肪としては、部分的にまたは完全に硬化された植物性または動物性脂肪、とりわけヤシ油、コーン油、綿実油、パーム核油、落花生油、ゴマ油、大豆油、牛脂、およびラードなど、ならびにココアバター、乳脂肪、グリセリドなどが挙げられる。
【0195】
当該菓子組成物の油または脂肪は、トランス脂肪酸、非トランス脂肪酸、またはこれらの組み合わせを含有することができる。一実施形態では、この油または脂肪は、トランス脂肪酸を含まない。
【0196】
一実施形態では、この脂肪/油のヨウ素価は約10以下、特定すれば5以下であることができる。別の実施形態では、この脂肪/油のヨウ素価は約45〜約55、特定すれば約48〜約53であることができる。この実施形態の範囲内で、脂肪/油は一価不飽和脂肪酸を含有してもよい。
【0197】
当該菓子組成物の中に存在する油/脂肪の量は、この菓子組成物の約2.0〜約6.0%(重量/重量)、特定すれば約3.0〜約5.0%(重量/重量)であることができる。
【0198】
一実施形態では、チューイー菓子組成物は、この菓子組成物が消費されるときに、香味の良好な放出および良好な噛んだ食感を可能にするために、体温と同程度の融点を有する油/脂肪を含有する。この融点は約35〜約40℃、特定すれば約36〜約39℃、より特定すれば約37〜約38℃であることができる。
【0199】
一実施形態において、油脂は、パーム油、水素化ヤシ油、およびこれらの組み合わせであり得る。
【0200】
菓子組成物は、さらに乳化剤を含有してよい。チューイー菓子組成物中に用いられるとき、乳化剤は、菓子組成物の全体に分散した菓子を成し遂げることができる空気混和の程度の一因となる。増加した塊は、結果的として、加工および貯蔵中、多層様式からチューイー菓子組成物の低温流れ形状変形を最小化する。好適な乳化剤は、グリセリルモノステアレート、レシチン、脂肪酸モノグリセリド、ジグリセリド、プロピレングリコールモノステアレート、およびこれらの組み合わせを包含する。
【0201】
乳化剤は、菓子組成物の約0.1〜約1.0%(重量/重量)、具体的には約0.15〜約0.8%(重量/重量)、およびより具体的には約0.2〜約0.6%(重量/重量)で菓子組成物中に存在しうる。
【0202】
一実施形態において、具体的な乳化剤は、レシチン:グリセリルモノステアレートの割合が約1:1〜約1:50、具体的には約1:2〜約1:20、およびより具体的には約1:5〜約1:7のレシチンおよびグリセリルモノステアレートの組み合わせである。
【0203】
チューイー菓子組成物に存在するレシチンの量は、約0.001〜約0.1%(重量/重量)、具体的には約0.01〜約0.06%(重量/重量)、およびより具体的には約0.03〜約0.04%(重量/重量)であり得る。チューイー菓子組成物に存在するグリセリルモノステアレートの量は、0.01〜約0.7%(重量/重量)、具体的には約0.1〜約0.5%(重量/重量)、およびより具体的には約0.2〜約0.4%(重量/重量)であり得る。
【0204】
一実施形態において、菓子組成物は、乳化剤および質感付与剤を含み、質感付与剤の全量:乳化剤の全量の割合は、約1:6〜約1:9である。
【0205】
菓子組成物は、さらに食用酸またはその塩を包含してよい。例となる食用酸および食用酸塩は、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グリコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、およびこれらの組み合わせ、ならびにそれらのアルカリ金属塩(例えば、クエン酸ナトリウム二水和物)を包含する。
【0206】
一実施形態において、菓子組成物は、2以上の異なる食用酸/塩、例えばクエン酸およびリンゴ酸を含有する。一実施形態において、食用酸は、クエン酸:リンゴ酸の割合が、約2:1、具体的には約1.5:1、およびより具体的には約1:1の割合で存在するクエン酸およびリンゴ酸の組み合わせである。
【0207】
食用酸またはその塩は、菓子組成物中に、菓子組成物の約0.5〜約4.0%(重量/重量)、具体的には約1.0〜約3.75%(重量/重量)、およびさらにより具体的には約1.5〜約3.0%(重量/重量)の量で存在しうる。
【0208】
本願明細書で使用する場合、「高甘味度甘味料」は、スクロースの甘味より大きい甘味を有する甘味料を意味する。いくつかの実施形態において、高甘味度甘味料は、重量基準につき砂糖(スクロース)の甘味の少なくとも100倍の甘味、具体的には重量基準につき砂糖(スクロース)の甘味の少なくとも500倍の甘味を有する。一実施形態において、高甘味度甘味料は、重量基準につき砂糖の甘味の少なくとも1,000倍、より具体的には重量基準につき砂糖の甘味の少なくとも5,000倍である。高甘味度甘味料は、水溶性甘味料、水溶性人工甘味料、天然に存在する水溶性甘味料由来の水溶性甘味料、ジペプチドベース甘味料、およびタンパク質ベース甘味料を包含する広範囲の物質から選択されうる。1以上の甘味料または1以上の上述タイプの甘味料を含む混合物は使用され得る。特定の甘味料に限定されないが、代表的なカテゴリーおよび例は以下を包含する:
例えば、米国特許第4,619,834号明細書に開示されるジヒドロカルコン、モネリン、ステビオシド、レバウディオサイド、グリチルリジン、ジヒドロフラベノール、モナチン、およびL−アミノジカルボン酸アミノアルケン酸エステルアミドおよびこれらの組み合わせの水溶性甘味剤、
例えば、溶解性サッカリン塩、すなわち、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのナトリウム、アンモニウムまたはカルシウム塩、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのカリウム塩(アセスルファム−K)などのナトリウムまたはカルシウムサッカリン塩、シクラメート塩、アセスルファム塩、サッカリンの遊離酸、およびこれらの組み合わせの水溶性人工甘味料、
L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル(アスパルテーム)ならびにL−α−アスパルチル−N−(2,2,4,4−テトラメチル−3−チエタニル)−D−アラニンアミド水和物(アリテーム)、L−アスパルチル−L−フェニルグリセリンおよびL−アスパルチル−L−2,5−ジヒドロフェニル−グリシンのメチルエステル、L−アスパルチル−2,5−ジヒドロ−L−フェニルアラニンの米国特許第3,492,131号明細書に開示される物質、L−アスパルチル−L−(1−シクロヘキセン)−アラニン,ネオテームなどのL−アスパラギン酸類の甘味料およびこれらの組み合わせのジペプチドベース甘味料、
ステビオシド、レバウディオサイドなどの天然に存在する水溶性甘味料由来の水溶性甘味料、例えば、スクラロースの製品指定のもと公知のクロロデオキシスクロースまたはクロロデオキシガラクトスクロースの誘導体のクロロデオキシ糖誘導体である普通の糖(スクロース)の塩素化誘導体、これらに限定されないが、1−クロロ−1’−デオキシスクロース、4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−α−D−フルクトフラノシド、または4−クロロ−4−デオキシガラクトスクロース、4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−1−クロロ−1−デオキシ−β−D−フルクト−フラノシド、または4,1’−ジクロロ−4,1’−ジデオキシガラクトスクロース、1’,6’−ジクロロ−1’,6’−ジデオキシスクロース、4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フルクトフラノシド、または4,1’,6’−トリクロロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトスクロース、4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−6−クロロ−6−デオキシ−β−D−フルクトフラノシド、または4,6,6’−トリクロロ−4,6,6’−トリデオキシガラクトスクロース、6,1’,6’−トリクロロ−6,1’,6’−トリデオキシスクロース、4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−ガラクト−ピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フルクトフラノシド、または4,6,1’,6’−テトラクロロ−4,6,1’,6’−テトラデオキシガラクト−スクロース、4,6,1’,6’−テトラデオキシ−スクロース、およびこれらの組み合わせを包含するクロロデオキシスクロースおよびクロロデオキシガラクトスクロース誘導体の具体例、
サウマオカウス・ダニエリ(thaumaoccous danielli)、タリン、およびこれらの組み合わせなどのタンパク質ベース甘味料、およびアミノ酸ベース甘味料。
【0209】
高甘味度甘味料は、様々な独特の物理的形状で使用され得、例えば、甘味の初期噴出および/または甘味の長期の感覚を与える当該技術分野で公知の物である。そのことに限定されないが、そのような物理的形状は、遊離型(例えば、スプレードライまたは粉末)、ビーズ形状、カプセル封入型、およびこれらの組み合わせを包含する。
【0210】
菓子における甘味は、甘味料だけでなくフレーバー調節因子もしくはフレーバー増強剤および/または香味料にも由来しうる。フレーバー増強剤は、独特の食味または芳香感覚を与えることなく元物質の食味または芳香感受を増感、補完、修飾、または増強する物質からなりうる。フレーバー調節因子は、他の成分の特徴を補完または無効とするそれ自身の特徴を与えうる。いくつかの実施形態において、フレーバー調節因子またはフレーバー増強剤は、含有されうるフレーバー、甘味、酸味、旨み、コクみ、塩味およびこれらの組み合わせを増感、補完、修飾、または増強するように設計される。このように、フレーバー調節因子またはフレーバー増強剤の添加は食料品に食味全体を与えうる。例えば、フレーバーは、フレーバー調節因子またはフレーバー増強剤(バニラ、バニリン、エチルマルトール、フルフラール(furfual)、プロピオン酸エチル、ラクトンなど、およびこれらの組み合わせ)を包含することにより追加の甘い香気を有するように混ぜ合わ(カンパウンド)されうる。
【0211】
例示となるフレーバー調節物質または香味増強剤は、グリチルリジン酸モノアンモニウム、甘草グリチルリジン酸、シトラスアウランチウム、アラピリダイン(alapyridaine)、アラピリダイン(N−(1−カルボキシエチル)−6−(ヒドロキシメチル)ピリジニウム−3−オール)分子内塩、ミラクリン、クルクリン、ストロジン、マビンリン、ギムネマ酸、シナリン、グルピリデイン、ピリジニウム−ベタイン化合物、ネオテーム、タウマチン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、タガトース、トレハロース、マルトール、エチルマルトール、バニラエキス、バニラオレオレジン、バニリン、甜菜エキス(アルコール抽出液)、サトウキビ葉エッセンス(アルコール抽出液)、G−タンパク質共役型受容体(T2RおよびT1R)に反応する化合物、およびこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、糖酸、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸水素ナトリウム、およびこれらの組み合わせが使用される。他の実施形態では、グルタミン酸一ナトリウム、グルタミン酸一カリウムなどのグルタミン酸塩、加水分解植物性タンパク質、加水分解動物性タンパク質、酵母エキス、およびこれらの組み合わせが含まれる。さらなる例としては、アデノシン一リン酸(AMP)、グルタチオン、およびイノシン一リン酸、イノシン酸二ナトリウム、キサントシン一リン酸、グアニル酸一リン酸などのヌクレオチド、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。コクみを付与する香味増強剤組成物のさらなる例は、Kurodaらの米国特許第5,679,397号明細書に含まれている。
【0212】
本発明で使用されるフレーバー調節物質、フレーバー増強剤、および香料の量は、最終の食品製品組成物の種類、個々の香料、用いられる菓子ベース、および所望のフレーバーの強さなどの要因によって決められる好みの問題としてよい。従って、香味物質の量は、最終生成物において所望される結果を得るために変えてよく、そのような変更は、過度の実験の必要性がない当業者の能力の範囲内である。
【0213】
使用することができる香料としては、当該技術分野で公知の人工または天然の香料、例えば合成フレーバー油、天然の香味のある香味物質および/または油、オレオレジン、植物、葉、花、果実など由来のエキス、およびこれらの組み合わせが挙げられる。限定しない代表的な香料としては、スペアミント油、シナモン油、ウィンターグリーンの油(サリチル酸メチル)、ペパーミント油、チョウジ油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、ニオイヒバ油、ニクズクの油、オールスパイス、セージの油、メース、クヘントウの油、ケイヒ油、および柑橘油(レモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ、バニラが挙げられる)、フルーツエッセンス(リンゴ、西洋ナシ、モモ、ブドウ、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー、サクランボ、プラム、パイナップル、アプリコット、バナナ、メロン、トロピカルフルーツ、マンゴー、マンゴスチン、ザクロ、パパイヤ、ハチミツレモンが挙げられる)などの油など、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。特定の香料は、ペパーミント、スペアミントなどのミント類、人工バニラ、シナモン誘導体、および種々のフルーツ香料である。
【0214】
他の種類の香料としては、酢酸シンナミル、シンナムアルデヒド、シトラールジエチルアセタール、酢酸ジヒドロカルビル、ギ酸オイゲニル、p−メチルアミソール(methylamisol)、アセトアルデヒド(リンゴ)、ベンズアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、アニスアルデヒド(カンゾウ(リコリス)、アニス)、ケイ皮酸アルデヒド(シナモン)、シトラール、すなわち、α−シトラール(レモン、ライム)、ネラール、すなわち、β−シトラール(レモン、ライム)、デカナール(オレンジ、レモン)、エチルバニリン(バニラ、クリーム)、ヘリオトロープ、すなわち、ピペロナール(バニラ、クリーム)、バニリン(バニラ、クリーム)、α−アミルシンナムアルデヒド(スパイシーなフルーツ様の風味)、ブチルアルデヒド(バター、チーズ)、バレルアルデヒド(バター、チーズ)、シトロネラール(変性、多くの種類)、デカナール(シトラスフルーツ)、アルデヒドC−8(シトラスフルーツ)、アルデヒドC−9(シトラスフルーツ)、アルデヒドC−12(シトラスフルーツ)、2−エチルブチルアルデヒド(ベリーフルーツ)、ヘキセナール、すなわち、trans−2(ベリーフルーツ)、トリルアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、ベラトルアルデヒド(バニラ)、2,6−ジメチル−5−ヘプテナール、すなわち、メロナール(メロン)、2,6−ジメチルオクタナール(緑色フルーツ)、および2−ドデセナール(シトラス、マンダリン)などの種々のアルデヒドおよびエステルが挙げられる。
【0215】
これらの着香剤は液体または固体の形態で使用することができる。固体(乾燥)形態で使用される場合、油を噴霧乾燥するなどの適切な乾燥手段を使用することができる。あるいは、この着香剤は、当該技術分野で公知の手段によって、例えばセルロース、デンプン、砂糖、マルトデキストリン、アラビアガムなどの水溶性物質へと封入され、吸収されてもよい。いくつかの実施形態では、着香剤は、香味の初期噴出または香味の長期の感覚をもたらすのに有効な物理的形状で使用することができる。
【0216】
感覚剤化合物は、冷感剤、温感剤、刺激剤、発泡剤、およびこれらの組み合わせを含むことができる。冷感剤は、口腔中で、鼻腔の中で、または皮膚上で冷却または元気回復効果をもたらす添加物である。例えば、とりわけ有用な冷感剤として、メンタン、メントン、ケタール、メントンケタール、メントングリセロールケタール、置換p−メンタン、非環状カルボキシアミド、グルタル酸モノメンチル、置換シクロヘキサンアミド、置換シクロヘキサンカルボキシアミド、置換尿素およびスルホンアミド、置換メンタノール、p−メンタンのヒドロキシメチルおよびヒドロキシメチル誘導体、2−メルカプトシクロデカノン、2〜6個の炭素原子を有するヒドロキシカルボン酸、シクロヘキサンアミド、酢酸メンチル、サリチル酸メンチル、N,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミド(WS−23)、N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミド、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド(WS−3)、N−[[5−メチル−2−(1−メチルエチル)シクロヘキシル]カルボニル]グリシンのエチルエステル(WS5)、およびErmanらに対する米国特許第7,189760号明細書(これを、参照によりその全体を本願明細書に援用したものとする)に開示されるN−[[5−メチル−2−(1−メチルエチル)シクロヘキシル]カルボニル]グリシンの実質的に純粋なエチルエステル、イソプレゴール、メンチルオキシプロパンジオール、3−(l−メントキシ)プロパン−1,2−ジオール、3−(l−メントキシ)−2−メチルプロパン−1,2−ジオール、p−メンタン−2,3−ジオール、p−メンタン−3,8−ジオール、6−イソプロピル−9−メチル−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−メタノール、コハク酸メンチルおよびそのアルカリ土類金属塩、トリメチルシクロヘキサノール、N−エチル−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキシアミド、和種はっか油、ペパーミント油、3−(l−メントキシ)エタン−1−オール、3−(l−メントキシ)プロパン−1−オール、3−(l−メントキシ)ブタン−1−オール、1−メンチル酢酸N−エチルアミド、l−メンチル−4−ヒドロキシペンタノエート、3−ヒドロキシ酪酸l−メンチル、N,2,3−トリメチル−2−(1−メチルエチル)−ブタンアミド、n−エチル−t−2−c−6−ノナジエンアミド、N,N−ジメチルメンチルスクシンアミド、置換p−メンタン、置換p−メンタン−カルボキシアミド、2−イソプロパニル−5−メチルシクロヘキサノール(久光製薬株式会社製、以下「イソプレゴール」)、メントングリセロールケタール(FEMA3807、商品名FRESCOLAT(登録商標)タイプMGA)、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール(高砂製、FEMA3784)、および乳酸メンチル、(Haarman&Reimer製、FEMA3748、商品名FRESCOLAT(登録商標)タイプML)、WS−30、WS−14、ユーカリエキス(p−メンタ−3,8−ジオール)、メントール(その天然もしくは合成の誘導体)、メントールPGカーボネート、メントールEGカーボネート、メントールグリセリルエーテル、N−tertブチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド、p−メンタン−3−カルボン酸グリセロールエステル、メチル−2−イソプロピル−ビシクロ(2.2.1)、ヘプタン−2−カルボキシアミド、メントールメチルエーテル、メンチルピロリドンカルボキシレート、2,5−ジメチル−4−(1−ピロリジニル)−3(2H)−フラノン、環状α−ケトエナミン、3−メチル−2−(1−ピロリジニル)−2−シクロペンテン−1−オンおよび5−メチル−2−(1−ピロリジニル)−2−シクロペンテン−1−オンを含めたシクロペンテン類などのシクロテン誘導体、次式の化合物:
(式中、BはH、CH3、C2H5、OCH3、OC2H5およびOHから選択され、Aは式−CO−Dの部分であり、式中、Dは以下の部分:(i)−NR1R2(式中、R1およびR2は独立に、HおよびC1−C8の直鎖または分枝鎖の脂肪族、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、芳香環を含む脂肪族およびシクロアルキル基から選択されるか、またはR1およびR2は、それらが結合する窒素原子と一緒に任意に置換された5員もしくは6員の複素環式環の一部を形成する)、(ii)−NHCH2COOCH2CH3、−NHCH2CONH2、−NHCH2CH2OCH3、−NHCH2CH2OH、−MHCH2CH(OH)CH2OH、ならびに(iii)とりわけ、Bellらの国際公開第2006/125334号パンフレット(これを、参照によりその全体を本願明細書に援用したものとする)に開示される化合物、
からなる群から選択される部分、から選択される)が挙げられる。他の化合物としては、Hofmannらに対する米国特許第6,592,884号明細書(これを、参照によりその全体を本願明細書に援用したものとする)に開示されるα−ケトエナミンが挙げられる。これらのおよび他の適切な冷感剤は、以下の米国特許(それらのすべては、参照によりその全体を援用したものとする)にさらに記載されている:米国特許第4,230,688号明細書、同第4,032,661号明細書、同第4,459,425号明細書、同第4,178,459号明細書、同第4,296,255号明細書、同第4,136,163号明細書、同第5,009,893号明細書、同第5,266,592号明細書、同第5,698,181号明細書、同第6,277,385号明細書、同第6,627,233号明細書、同第7,030,273号明細書。さらに他の適切な冷感剤は、以下の米国特許出願公開公報(それらのすべては、参照によりその全体を本願明細書に援用したものとする)にさらに記載されている:米国特許出願公開第2005/0222256号明細書、同第2005/0265930号明細書。
【0217】
温感成分は、使用者に温感の感覚信号をもたらすことが知られている多種多様な化合物から選択することができる。これらの化合物は、特に口腔内で暖かみを認知する感覚を与え、香料、甘味料、およびその他の感覚受容性成分の知覚を増強することが多い。有用な温感化合物としては、高砂香料工業株式会社、日本、東京により供給されるバニリルアルコールn−ブチルエーテル(TK−1000)や、バニリルアルコールn−プロピルエーテル、バニリルアルコールイソプロピルエーテル、バニリルアルコールイソブチルエーテル、バニリルアルコールn−アミノエーテル、バニリルアルコールイソアミルエーテル、バニリルアルコールn−ヘキシルエーテル、バニリルアルコールメチルエーテル、バニリルアルコールエチルエーテル、ジンゲロール、ショウガオール、パラドール、ジンゲロン、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン、エタノール、イソプロピルアルコール、イソ−アミルアルコール、ベンジルアルコール、グリセリン、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0218】
いくつかの実施形態では、刺激剤は、使用者に刺激を与える、刺痛を与えるまたは麻痺する知覚をもたらすのに用いてもよい。刺激剤としては、限定されないが:有効成分がスピラントールであるジャンブーオレオレジンまたはパラクレス(Spilanthes sp.)、サンショオール−I、サンショオール−IIおよびサンショーアミドとして知られる成分を含有するサンショウエキス(Zanthoxylum peperitum)、ペリラルチン、4−(l−メントキシメチル)−2−フェニル−1,3−ジオキソラン、カビシンおよびピペリンの有効成分を含有する黒コショウエキス(piper nigrum)、エキナセアエキス、キタサンショウ(Northern Prickly Ash)エキス、trans−ペリトリン、および赤コショウオレオレジンが挙げられる。いくつかの実施形態では、ジャンブーまたはサンショオールなどの物質から抽出したアルキルアミドが含まれていてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、感覚は発泡に起因して生み出すことができる。このような発泡性は、アルカリ性物質を酸性物質と合わせることによって生み出され、それらの物質のいずれか、またはその両方は封入されていてもよい。いくつかの実施形態では、アルカリ性物質として、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸水素塩およびそれらの混合物を挙げることができる。いくつかの実施形態では、酸性物質として、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グリコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸およびそれらの組み合わせを挙げることができる。「刺激」型感覚剤の例としては、米国特許第6,780,443号明細書、同第6,159,509号明細書、同第5,545,424号明細書、および同第5,407,665号明細書に開示されるものが挙げられ、それらの特許文献の内容全体は、本願に引用して援用する。
【0219】
本願明細書に記載される菓子組成物は、長く持続する香味プロファイルを伴う香味の初期噴出を提供する、従来の糖菓では使用されないかなりの量の香料を含むように配合することができる。キャンディーで見出される香料の典型量は、全キャンディー重量に基づいて0.5〜0.6%(重量/重量)の範囲である。当該菓子組成物のキャンディー部分は、このキャンディー組成物の約0.75〜約2.0%(重量/重量)、またはこれより多くの量の香料、香味調節物質、香味増強剤、感覚剤、およびこれらの組み合わせを含有することができる。香料がキャンディー塊から流れ出し混合設備に留まることを防止するのに十分素早く組み込むことができる量よりも多く当該ベース部分に香料が加えられると、加工の困難さが生じる。香料、特に油状の香料は、このキャンディー組成物大量で加えられるとき、当該キャンディー塊への組み込みに抵抗を示す傾向があるということが見出された。特有の加工技法が開発され、香料をフォンダンの中に組み込むか、または食用酸/香料プレミックスを作製してこれをその後にベース部分に組み込むことにより、大量の香料を組み込む困難さが克服された。
【0220】
一実施形態では、当該フォンダンは、当該無糖菓子組成物の中の香料の高濃度を提供するための香料、香味調節物質、香味増強剤、感覚剤、およびこれらの組み合わせを含む。このフォンダンの中に存在する香料の量は、このフォンダンの約0.01〜約5.0%(重量/重量)、特定すれば約1.0〜約4.0%(重量/重量)、より特定すれば約2.0〜約3.0%(重量/重量)とすることができる。
【0221】
特定の実施形態では、香料、香味調節物質、香味増強剤、感覚剤、およびこれらの組み合わせは、フォンダンをベース部分に導入するのに先立ち、乳化剤と合わせてフォンダンと混合される。例示となる乳化剤はこれまでに論じたもの、特定すればレシチンである。この乳化剤と組み合わせられる香料などの量は、このフォンダンの総重量に基づき約1.0〜約11.25%(重量/重量)、特定すれば約2.0〜約7.5%(重量/重量)、より特定すれば約4.5%(重量/重量)であることができる。この香料などと組み合わせられる乳化剤の量は、フォンダンの総重量に基づき約0.02〜約0.5%(重量/重量)、特定すれば約0.4〜約0.25%(重量/重量)、より特定すれば約0.1%(重量/重量)であることができる。
【0222】
別の実施形態では、最終の組成物において高濃度の香料を達成するために、食用酸/香料のプレミックスが調製され、その後ベース部分に加えられる。このプレミックスは、重量で過剰量の食用酸をある量の香料に混ぜて、特定すれば約20:1、より特定すれば約10:1、なおより特定すれば約5:1、さらにより特定すれば約1:1の重量比の食用酸:香料で混ぜて、ペーストを形成することにより調製することができる。この香料は、食用酸によって吸収され、これは香料の急速なあふれ出しの最小化および上で論じたような混合の間の香料のロスの最小化をもたらす。
【0223】
一実施形態では、当該無糖キャンディー部分は少量の噴霧乾燥した香料を含有し、特定すれば全香料の10%(重量/重量)未満が噴霧乾燥した香料であり、より特定すれば実質的に噴霧乾燥した香料を含まず、さらにより特定すれば噴霧乾燥した香料を含まない。噴霧乾燥した香料は、香料に加えてマルトデキストリン、デンプン、またはセルロースなどの他の物質を含有することが多く、これらは、キャンディー部分の中のポリオールの結晶化のためのバランスに影響を及ぼして所望の粒形成/食感粘稠度を達成することを困難にする可能性があり、あまりすっきりしない香味に寄与する可能性がある。
【0224】
着色剤(着色料(color)、着色料(colorant)、着色剤(coloring))は、当該菓子組成物に対して所望の色を生成するのに有効な量で使用することができる。適切な着色剤としては、この組成物の約6%(重量/重量)までの量で組み込むことができる色素が挙げられる。例えば、二酸化チタンは、この組成物の約2%(重量/重量)まで、特定すれば約1重量%(重量/重量)未満の量で組み込むことができる。適切な着色剤としては、食品、薬物、および化粧品用途に適した天然食品着色料および色素も挙げられる。適切な着色料としては、アナットーエキス、(E160b)、ビキシン、ノルビキシン、アスタキサンチン、脱水ビート(ビート粉末)、赤色ビート根/ベタニン(E162)、ウルトラマリンブルー、カンタキサンチン(E161g)、クリプトキサンチン(E161c)、ルビキサンチン(E161d)、ビオランキサンチン(E161e)、ロドキサンチン(E161f)、キャラメル(E150(a−d))、β−アポ−8’−カロテナール(E160e)、β−カロチン(E160a)、αカロチン、γカロチン、β−アポ−8−カロテナールのエチルエステル(E160f)、フラボキサンチン(E161a)、ルテイン(E161b)、コチニールエキス(E120)、カルミン(E132)、カルモイシン/アゾルビン(E122)、ナトリウム銅クロロフィリン(E141)、クロロフィル(E140)、焼成し部分的に脱脂し加熱調理した綿実小麦粉、グルコン酸第一鉄、乳酸第一鉄、ブドウ色エキス、ブドウ果皮エキス(エノシアニナ)、アントシアニン(E163)、ヘマトコッカスアルガエ(haematococcus algae)粗粉、合成鉄酸化物、鉄酸化物および水酸化物(E172)、フルーツジュース、野菜ジュース、乾燥藻類粗粉、マンジュギク(Aztec marigold)粗粉およびエキス、キャロット油、トウモロコシ胚乳油、パプリカ、パプリカオレオレジン、パフィア(phaffia)酵母、リボフラビン(E101)、サフラン、二酸化チタン、ウコン(E100)、ウコンオレオレジン、アマランサス(E123)、カプサンチン/カプソルビン(E160c)、リコピン(E160d)、FD&Cブルー#1、FD&Cブルー#2、FD&Cグリーン#3、FD&Cレッド#3、FD&Cレッド#40、FD&Cイエロー#5およびFD&Cイエロー#6、タートラジン(E102)、キノリンイエロー(E104)、サンセットイエロー(E110)、紅色(E124)、エリスロシン(E127)、パテントブルーV(E131)、二酸化チタン(E171)、アルミニウム(E173)、銀(E174)、金(E175)、顔料ルビン/リソールルビンBK(E180)、炭酸カルシウム(E170)、カーボンブラック(E153)、ブラックPN/ブリリアントブラックBN(E151)、グリーンS/酸ブリリアントグリーンBS(E142)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、認定着色料としてはFD&Cアルミニウムレーキおよびこれらの組み合わせを含むことができる。FD&C着色料、およびそれらの対応する化学構造のすべての完全な詳説は、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第4版、第1巻、492〜494頁に見出すことができ、この本文を本願明細書に引用して援用する。
【0225】
例示となる呼気清涼化剤としては、クエン酸亜鉛、酢酸亜鉛、フッ化亜鉛、硫酸亜鉛アンモニウム、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、フルオロケイ酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、酒石酸亜鉛、コハク酸亜鉛、ギ酸亜鉛、クロム酸亜鉛、フェノールスルホン酸亜鉛、ジチオン酸亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸銀、サリチル酸亜鉛、グリセロリン酸亜鉛、硝酸銅、クロロフィル(葉緑素)、銅クロロフィル、クロロフィリン、硬化綿実油、二酸化塩素、ベータシクロデキストリン、ゼオライト、シリカベースの物質、炭素ベースの物質、ラッカーゼなどの酵素、およびこれらの組み合わせが挙げられる。呼気清涼化剤は、精油ならびに種々のアルデヒドおよびアルコールを含むことができる。呼気清涼化剤として使用される精油としては、スペアミントの油、ペパーミント、ウィンターグリーン、サッサフラス、クロロフィル、シトラール、ゲラニオール、カルダモン、チョウジ、セージ、カルバクロール、ユーカリ、カルダモン、コウボクエキス、マジョラム、シナモン、レモン、ライム、グレープフルーツ、オレンジ、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。ケイ皮アルデヒドおよびサリチルアルデヒドなどのアルデヒドを使用することができる。加えて、メントール、カルボン、イソ−ガリゴール(iso−garrigol)、およびアネトールなどの化学物質は呼気清涼化剤としての機能を果たすことができる。
【0226】
例示となる口内湿潤化剤としては、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グリコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、および酒石酸を含めた酸および塩などの唾液刺激剤が挙げられる。口内湿潤化剤としては、口内湿潤化の感覚をもたらすために水和しかつ口腔表面に付着することができる親水コロイド物質を挙げることができる。親水コロイド物質としては、植物滲出物、種子ガム、および海藻エキスなどの天然に存在する物質を挙げることができるし、またはそれらは、セルロース、デンプン、または天然ガム誘導体などの化学的に修飾された物質であってもよい。さらには、親水コロイド物質としては、ペクチン、アラビアガム、アカシアガム、アルギネート、寒天、カラギーナン、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ゼラチン、ジェランガム、ガラクトマンナン、トラガントガム、カラヤガム、カードラン、コンニャク、キトサン、キシログルカン、ベータグルカン、フルセララン、ガッティガム、タマリン、および細菌ガムを挙げることができる。口内湿潤化剤は、プロピレングリコールアルギネート、カルボキシメチルローカストビーンガム、低メトキシルペクチン、およびこれらの組み合わせなどの変性天然ガムを挙げることができる。微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPCM)、ヒドロキシプロピルセルロース(MPC)、およびこれらの組み合わせなどの変性セルロースを含めることができる。
【0227】
同様に、口の水和の知覚をもたらすことができる湿潤剤を含めることができる。このような湿潤剤としては、グリセロール、ソルビトール、ポリエチレングリコール、エリスリトール、キシリトール、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。加えて、いくつかの実施形態では、脂肪は口内湿潤化の知覚をもたらすことができる。このような脂肪としては、中鎖トリグリセリド、植物油、魚油、鉱油、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0228】
適切な酸味料としては、例示として、酢酸、クエン酸、フマル酸、塩化水素酸、乳酸および硝酸、ならびにクエン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸ナトリウム、ナトリウムまたはカリウムのリン酸塩および酸化マグネシウム、カリウムのメタリン酸塩、酢酸ナトリウム、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0229】
例示となる緩衝剤としては、炭酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、スズ酸ナトリウム、トリエタノールアミン、クエン酸、塩化水素酸、クエン酸ナトリウム、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0230】
緩衝剤は、当該無糖キャンディー部分の総重量に基づき2.0%(重量/重量)まで、特定すれば約0.01〜約1.5%(重量/重量)、より特定すれば約0.1〜約1.3%(重量/重量)、さらにより特定すれば約0.5〜約1.0%(重量/重量)の量で無糖キャンディー部分の中に存在してもよい。
【0231】
適切な口腔ケア剤としては、呼気清涼化剤、歯の白色化剤、抗微生物剤、歯の鉱化剤、虫歯防止剤、局所の麻酔薬、粘膜保護剤、汚れ除去剤、口腔洗浄剤、漂白剤、減感剤、歯科再石灰化剤、抗菌剤、虫歯予防剤、プラーク酸緩衝剤、界面活性剤および歯石予防剤、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0232】
咽頭ケアまたは咽頭無痛化成分としては、鎮痛剤、抗ヒスタミン薬、麻酔薬、粘滑薬、粘液溶解薬、去痰剤、鎮咳薬、および防腐剤が挙げられる。いくつかの実施形態では、咽頭無痛化剤はハチミツ、プロポリス、アロエベラ、グリセリン、メントールおよびこれらの組み合わせなどである。
【0233】
医薬品を、当該菓子またはチューインガム組成物に含めることができる。限定しない例示的なカテゴリーおよび具体例としては、抗ヒスタミン薬、充血除去剤(交感神経模倣薬)、鎮咳薬(鎮咳剤)、抗炎症薬、ホメオパシー薬、去痰剤、麻酔薬、粘滑薬、鎮痛剤、抗コリン作動薬、咽頭無痛化薬、抗菌剤、抗ウイルス薬、抗真菌薬、制酸剤、制嘔吐剤(antinauseants)、カフェイン、化学療法薬、利尿薬、精神治療薬、心血管作動薬、種々のアルカロイド、緩下剤、食欲抑制薬、ACE阻害剤、抗喘息薬、高コレステロール血症治療薬(anti−cholesterolemic)、抗うつ剤、下痢止め、血圧降下薬、抗高脂血症薬(anti−lipid agent)、座瘡抑制薬、アミノ酸製剤、抗尿酸血薬、同化製剤(anabolic preparation)、食欲刺激薬、骨代謝調節物質、避妊薬、子宮内膜症管理薬(endometriosis management agent)、酵素、勃起不全治療薬(クエン酸シルデナフィルなど)、排卵誘発剤、胃腸薬、同種療法、ホルモン、乗り物酔い治療薬、筋肉弛緩剤、骨粗しょう症製剤、子宮収縮薬、副交感神経遮断薬、副交感神経興奮薬、プロスタグランジン、呼吸器官用薬、鎮静剤、禁煙補助薬(ブロモクリプチンまたはニコチンなど)、抗振戦製剤(tremor preparation)、尿路用薬、抗潰瘍薬、制吐剤(anti−emetic)、血糖上昇薬および血糖降下薬、甲状腺用製剤および抗甲状腺製剤、テリン弛緩剤(terine relaxant)、赤血球増殖剤、粘液溶解薬、DNA修飾因子および遺伝子修飾因子、および栄養補給剤(栄養補助食品、微量栄養素、ビタミンおよび補酵素を含む)が挙げられる。これらの医薬品の薬学的に許容できる塩およびプロドラッグも、特段の記載がない限り含まれる。これらの医薬品のうちのいくつかは、複数の目的を果たす可能性がある。前述の種類の任意の医薬品の組み合わせを使用することができる。同じまたは異なる症状に対して活性を有する2以上の医薬品を組み合わせて一緒に使用することができる。
【0234】
一実施形態では、当該菓子組成物はチューイー組成物である。別の実施形態では、当該菓子組成物はクランチ質組成物である。当該菓子組成物の噛み応えまたはクランチ質のレベルは、糖類ポリオールの結晶化の種類および程度と結びついた存在する水分の量によって調節される。典型的には、より少ない量の水分はより硬い食感を生じる一方で、より高い量の水分はより柔らかい食感を生じる。当該菓子組成物を調製するために使用される加熱調理温度はこの水分含量を決定し、従ってクランチ質/チューイーおよび立ち上がり(stand up)/粘りの食感を決定する。加熱調理温度のより多くの考察が本願明細書で提示される。
【0235】
結晶化の種類は、製品の食感全体にも寄与する。均一な結晶化面はよりクランチ質の製品を生じる一方で、局在化した結晶形成はそれほどクランチ質ではない製品を与えることになる。加えて、結晶化度は、当該菓子組成物の食感に影響を及ぼす。一般に、結晶化度が高いほど、すなわち製品がよりざらざらしているほど、噛んだ感触はより柔らかい。いくつかの実施形態では、結晶化の種類と結晶化度との間に相互作用がある可能性がある。例えば、高い程度の均一な結晶化面は、低い程度の均一な結晶化面よりもクランチ質である製品を生じるであろう。別の例として、高い程度の局在化した結晶形成は、ほとんどクランチ質でないかまたはまったくクランチ質でなくより柔らかい噛んだ感触の製品を与えるであろうが、他方で低い程度の局在化した結晶形成は、いくらかクランチ質を持つ可能性がありかつチューイーである製品を与えるであろう。従って、最終の菓子製品における水分含量および結晶化の種類および結晶化度を調節することにより、チューイーからクランチ質/サクサクした、までの範囲の食感を得ることができる。
【0236】
いくつかの実施形態では、観察される結晶化の種類は、糖類ポリオールの局在化した結晶形成である。特定の種類の糖類ポリオールを使用すると、多かれ少なかれ結晶化がもたらされることになる。例えば、水素化デンプン加水分解物シロップを使用すると、より高い結晶化度を有する菓子製品を与える傾向があるマンニトールと比べて、結晶化の傾向が少ない。
【0237】
いくつかの実施形態では、フォンダンは結晶化度を製品に与えることができるため、チューイーなまたはクランチ質の食感を得るために、フォンダンが使用されて当該菓子組成物の粒形成が調節される。このフォンダンの代わりに、結晶性糖類ポリオールなどの結晶性の粉末物質を、結晶化度を与えるための結晶化促進剤として当該菓子組成物に加えることができる。別の実施形態では、結晶性は、結晶性糖類ポリオールなどの残留微粒子物質を含有する調理用釜または加工設備の使用によって当該菓子組成物の中へと導入することができる。
【0238】
一実施形態では、多層組成物において安定な層を生じるための特性のバランスを有するチューイー菓子組成物が調製される。このチューイー組成物は、それが、低温流れによる形状の変形およびこの多層組成物からの「滲みだし」を呈さず、これにより菓子成分、および菓子の隣接する層、例えばチューインガムの視覚的に明確に異なる部分を経時的に維持するように、十分な粘りを呈する。当該チューイー菓子のさらなる実施形態は、経時的にクランチ質の食感に変換されることのないチューイーな食感をもたらす。
【0239】
当該チューイー菓子は、多層組成物での使用に適した粘り/硬さ、密度、または粘度を呈することができる。無糖糖菓の粘度は、対応する砂糖マトリクスよりも低い傾向があり、このため、無糖糖菓はより加工しにくくなり、多層様式の中での隣接する層の圧力に耐えるためにより多くの「粘り(コシ)」を必要とするということが知られている。
【0240】
当該菓子組成物は、一般に、この菓子の約12%(重量/重量)以下、特定すれば約6.0%(重量/重量)以下の水分含量を有する。一実施形態では、チューイー菓子組成物は、約6.0〜約8.0%(重量/重量)、特定すれば約6.3〜約7.5%(重量/重量)、より特定すれば約6.5〜約7.0%(重量/重量)の水分含量を有する。別の実施形態では、クランチ質菓子組成物は、その菓子の約4.0〜約5.0%(重量/重量)、特定すれば約4.3〜約4.7%(重量/重量)の水分含量を有する。
【0241】
一実施形態では、当該チューイー菓子組成物を調製するために使用される最終の加熱調理温度は、約6〜約7の最終の水分含量を与えるために、約126〜約145℃、特定すれば約128〜約136℃、より特定すれば約130〜約134℃、さらにより特定すれば約132℃である。この最終の加熱調理温度は、多層の様式へと加工する際に、および経時的に置いておく際に最小の形状の変形を有する良好な粘りを具えた、望ましい噛み応えを有するチューイー菓子組成物を与える。
【0242】
当該菓子組成物は、連続プロセス、バッチプロセス、およびこれらの組み合わせを使用して調製することができる。菓子組成物は、直火調理器、真空調理器、または掻き取り式表面調理器(scraped−surface cooker)(高速大気圧調理器(high speed atmospheric cooker)とも呼ばれる)などの従来の設備を使用して調製することができる。この菓子組成物は、糖類ポリオールおよび水の混合物に熱を加えて、水分の除去によりその混合物の固形分含量を上昇させることによりベース部分を調製する一般的なプロセスによって調製することができる。別の実施形態では、ベース部分は、固体の糖類ポリオールを水系糖類ポリオールシロップの中へと組み込むことなどによって、熱プロセスなしで固形分含量を上昇させることにより作製することができる。
【0243】
ひとたびこのベース部分が調製されると、脂肪/油、乳化剤、質感付与剤、着色料、酸、香料、および他の任意の成分などの成分をこのベースと混合してもよい。前述の方法では、この添加物(1種または複数種)は、特定すれば、これらの物質の均一な分散をもたらすのに有効な時間、例えば約4〜約10分間混合される。
【0244】
得られた混合物は、冷却用テーブルの上で粗熱をとることができ、フォンダン部分が使用される場合は、それが加えられる前に約40〜約55℃、特定すれば約45〜約55℃へと冷却することができる。フォンダンが使用される実施形態では、フォンダンは、ベース部分および他の成分の混合物へと組み込むことができ、そして得られた物質は、所望の粘稠度を達成するために、引き伸ばし、混練などによってさらに処理されてもよい。
【0245】
フォンダンは一般に、所望の糖類ポリオールまたはポリオールを水と混合することにより調製することができる。いくつかの実施形態では、水の量は、スラリーが調製され、従ってポリオールの結晶性のいくらかを保持するように使用される。別の実施形態では、糖類ポリオールおよび水は、任意に水の濃度を減少させるために加熱され、次いで放冷され、ポリオールの結晶形成がもたらされる。
【0246】
一実施形態では、ひとたび形成された菓子組成物は、約4〜約12分間、特定すれば約6〜約10分間、さらにより特定すれば約7〜約9分間引っ張られる。
【0247】
一実施形態では、ひとたび形成された菓子組成物は、チューイー菓子組成物を与えるために、約8〜約12分間、特定すれば約9〜約10分間引っ張られる。
【0248】
別の実施形態では、ひとたび形成された菓子組成物は、クランチ質の菓子組成物を与えるために、約2〜約5分間、特定すれば約3〜約4分間引っ張られる。
【0249】
ひとたび当該組成物が適正に粗熱を取られると、それは、当該技術分野で公知の成形技法を使用して作業できる部分へと切断されてもよいし、または別の方法で所望の形状およびサイズへと成形されてもよいし、または本願明細書に記載される多層菓子組成物へと成形されてもよい。一実施形態では、得られた粗熱がとられた物質は、所望に応じてポリオールの結晶形成を許容する時間のあいだ、放置してもよい。
【0250】
当該菓子組成物を調製するためのプロセスは、種晶を加えることによりまたは機械的な撹拌により当該菓子を粒形成させる工程をさらに含んでもよい。
【0251】
別の実施形態では、当該キャンディー層は、非晶性キャンディーのクランチ質層を生じるために、無糖のハードボイルドキャンディーから調製される。無糖のハードボイルドキャンディーは一般に、加熱調理された糖類ポリオールシロップからの水分の除去によって調製される、水分が少ない硬くおよび実質的に非晶性の菓子製品である。例示となる糖類ポリオールは本願明細書に開示されている。
【0252】
この無糖ハードキャンディは、このハードキャンディの総重量に基づき約0.1〜約3%(重量/重量)の水、特定すれば約0.2〜約2.5%(重量/重量)、より特定すれば約0.5〜約2.0%(重量/重量)を含有することができる。
【0253】
一般に、このハードキャンディの調製は、糖類ポリオールおよび任意に、他の糖類ポリオールおよび/または希釈剤(水など)を混合、加熱して融液を形成する工程と、この融液を加熱調理する工程と、この融液から過剰の水分を除去する工程と、この融液がプラスチックのような作業できる塊になるまで、混合しながら融液を冷却する工程と、この融液がプラスチックのような塊である間に、任意の成分を組み込む工程と、このプラスチックのような混合物を所望のサイズおよび形状へと成形する工程とを含む。
【0254】
硬い菓子を製造する当該技術分野で公知の方法としては、直火調理器、真空調理器、および掻き取り式表面調理器(別名、高速大気圧調理器)を利用する方法が挙げられる。
【0255】
直火調理器を利用する方法の適切な例では、所望の量の糖類ポリオールが、溶解するまで釜の中で加熱することにより、水に溶解される。さらなる任意の糖類ポリオールを加えることができ、そして加熱調理は、約145〜165℃の最終の温度が達成されるまで続けられる。次いでこの混合物は冷却され、プラスチックのような塊として作業され、香料、着色料、高甘味度甘味料などの任意の成分と混合される。
【0256】
真空調理器を利用する方法の適切な例では、糖類ポリオール成分は、約125〜132℃の温度で煮沸され、真空が用いられ、さらなる水が過剰な加熱なしに留去される。加熱調理が完了すると、この塊は、プラスチックのような粘稠度を有する半固体である。任意の従来の添加物は、この時点で従来の方法によりこの塊に混合される。
【0257】
掻き取り式表面調理器を使用する方法の適切な例では、糖類ポリオール成分の混合物の膜が熱交換表面の上に広げられ、数分以内に約165〜170℃に加熱される。次いでこの組成物は約100〜120℃に急速冷却され、プラスチックのような塊として作業され、いずれの任意の従来の添加物の中で混合される。
【0258】
前述の方法では、加熱調理温度は、混合物から水を取り除くのに十分高くなければならない。真空が用いられる場合は、典型的には、より低い温度を使用することができる。前述の方法では、添加物(1種または複数種)は、特定すればそれらの物質の均一な分散をもたらすのに効果的な時間、例えば約4〜約10分間、混合される。ひとたびこの組成物が適正に粗熱を取られると、それは、当該技術分野で公知の技法などの成形技法を使用して、作業できる部分へと切断されてもよいし、または他の方法で所望の形状およびサイズへと成形されてもよい。
【0259】
一実施形態では、菓子組成物は、約9.7〜約10.2%(重量/重量)のマンニトール、約67.0〜約77.0%(重量/重量)%の水素化デンプン加水分解物シロップ、約3.2〜約3.8%(重量/重量)の油/約35〜約40℃の融点を有する脂肪、約0.1〜約0.3%(重量/重量)のモノステアリン酸グリセロール、約0.03〜約0.05%(重量/重量)のレシチン、着色料、約1.0〜約1.4%(重量/重量)のクエン酸、約0.6〜約1.0%(重量/重量)のリンゴ酸、約0.5〜約0.8%(重量/重量)の香料、および約1.0〜約1.6%(重量/重量)のゼラチン250bloomを含むベース部分と、約4.6〜約5.4%(重量/重量)のマンニトール、約0.6〜約1.0%(重量/重量)の水、約1.6〜約3.5〜約4.2%(重量/重量)の約1:1のソルビトール:マルチトールの比を有する水素化デンプン加水分解物シロップを含むフォンダン部分とを含み(すべての量は、この菓子組成物の総重量に基づく)、このフォンダン部分およびベース部分は混合されて無糖菓子組成物を形成する。
【0260】
本発明の実施形態の多層菓子製品を形成するために使用することができるチューインガムおよびキャンディータイプの菓子類のいくつかの限定を意図しない成分情報は今のところ一般的に記載されており、図1の実施形態に係る多層菓子製品の生産システムおよび生産方法はさらに詳細に考察されるだろう。さらに、限定を意図せずかつ包括的でない実施形態も考察されるだろう。
【0261】
図1の実施形態のさらなる詳細)
図1を再度参照にして、システム100は種々の3層菓子製品を製造しうる。一実施形態において、各層は、同種の菓子で形成される。この実施形態において、上流混合システム102、104、106のうちの少なくとも1つは他の菓子類と異なる少なくとも1つの特徴を有する菓子を調製する。例えば、3つすべての上流システム102、104、106は、チューインガムを生産することができるが、上流システム102、106は青色ガムを生産してよく、上流システム104は赤色ガムを生産し多層、多色ガム製品を与えてよい。
【0262】
実施形態において、2以上の形成ステーションは同じ菓子を形成し、2以上の形成ステーションは上流混合システムまたは上流混合システム中の混合機を共有してよい。例えば、上述の多層、多色ガムの実施形態において、バッチ混合機で調製されるガムベースは、色および他のガム成分がさらにガムベースと混合される2つの異なる押出機に供給されてよい。この実施形態において、押出機の1つは、青色を加え、形成ステーション108、112に供給し、他の押出機は赤色を加え形成ステーション110を供給する。
【0263】
別の実施形態において、上流混合システム102、106はチューインガムを調製し、上流混合システム104はチューイーキャンディーを調製する。このように、上流混合システム102、106は少なくとも1つの混合機とガム生産に必要な他の設備を包含する。上流混合システム102、106は混合機および/または他の設備を共有してよい。上流混合システム104は少なくとも1つの混合機とチューイーキャンディーを生産するのに必要な他の設備を包含してよい。
【0264】
図1に示すように、形成ステーション108、110、112はコンベヤーベルト118上に一連に配置され、形成ステーション108は形成ステーション110の上流に配置され、形成ステーション110は形成ステーション112の蒸留に配置される。けれども、システム100は、3層菓子製品を形成する3つの形成ステーションとともに図示され、他の実施形態は2層菓子製品用の2つの形成ステーションまたは3層以上の菓子製品以上用の3つ以上の形成ステーションを包含してよい。
【0265】
図1に示される実施形態において、各形成ステーション108、110、112は、形成ドラムセット124、126、128を包含する。形成ドラムセット124、126、128のそれぞれは、上部の形成ドラム148、150、152と下部の形成ドラム154、156、158を包含する。各形成ドラムセット124、126、128は、図1中、2つの形成ドラムとともに図示されているが、形成ドラムセットは2つ以上の形成ドラムを包含してよいと考えられる。形成ドラムは、本願明細書において、「ドラム」、「形成ローラー」、「ローラー」、「形成ロール」または他の用語で称される。形成ドラムは滑らかな表面を有し得、またはエンボス模様を有し得る。
【0266】
この実施形態において、形成ステーション108の上部ドラム148および下部ドラム154は、垂直および水平にずれている関係で配置され、上部ドラム148のx軸147は下部ドラム154のx軸153に垂直であり、そして上部ドラム148のy軸149は下部ドラム154のy軸155から水平にずれている。さらに上部ドラム148および下部ドラム154はその間にギャップ125を伴って配置され、ドラム間に菓子を通すことを可能とする。上部ドラム148、下部ドラム154、およびギャップ125は、菓子を圧縮するように設計され、ギャップに対応する一般的に均一な厚さを有する菓子の連続的なシートを形成する。菓子層の所望の厚さに応じて、形成ドラム間のギャップは0.1mmの狭さ、および好ましくは約0.3mm〜10.0mmに設定されうる。
【0267】
菓子の「一般的に均一な厚さ」の用語は、本願明細書において広く用いられ、実際の形成ドラムセット状の菓子の断面的なウェブ形状を説明する。ギャップは菓子層の所望の厚さに応じて調整され得る。「ギャップ」は、上部ドラムの外部表面と下部ドラムの外部表面の間の最小の空間であり、本願明細書で「間隔」とも称される。
【0268】
下流形成ステーション110、112は、形成ステーション108と同様に設計される。形成ステーション110の上部ドラム150および下部ドラム156ならびに形成ステーション112の上部ドラム152および下部ドラム158は、下部ドラム156、158のx軸153’、153’’上に垂直である上部ドラム150、152のx軸147’、147’’と垂直にずれて配置され、上部ドラム150、152のy軸151、153は、下部ドラム156、158のy軸157、159から水平にずれて配置されている。上部ドラム148および下部ドラム154のように、上部ドラム150、152および下部ドラム156、158は、その間にギャップ127、129を伴って配置されており、そのギャップは菓子層144、146の所望の厚さに応じて調整され得る。図1に示される実施形態の形成ステーション108、110、112は同様に設計されるので、形成ステーションのさらなる詳細は形成ステーション108の構成要素を参照して説明されている。
【0269】
上部ドラム148は、これらに限定されないが、サーボ機構のような、上部ドラム148の位置を調節する所望の活性化装置とともに設計されてよく、これによりギャップ125を調整する。上部ドラム148および下部ドラム154は、それらに結合して使用されるモーターによって外部駆動されてもよい。このような実施形態において、各ドラムは分離モーターとともに提供され、上部ドラム148および下部ドラム154の回転速度は独立に調節される。
【0270】
図1を再度参照にして、上流混合システム102中で調製される菓子はホッパー130に供給される。ホッパー130は上流のサージ制御、キャパシティー、およびフィード制御に使用され得る。ホッパー130は、種々の形態(非均一な菓子の集合、菓子の塊、菓子のロープ、および種々の厚さおよび幅を有する菓子の若干均一なウェブなど)中に菓子を受けるように設計されうる。菓子は連続的にまたはバッチで供給される。実施形態において、菓子は若干均一なウェブの形態にあるホッパーに連続的に供給され、ホッパーの注入口の領域は供給幅に応じて調整されてよい。いくつかの実施形態において、ホッパー130は図8に示されるフィードローラー162、164のセットを包含し、形成ドラムへの菓子の供給を促進する。この実施形態において、フィードローラー162、164は螺旋ブレード166を有する螺旋状のローラーである。
【0271】
ホッパー130中の菓子136は、上部ドラム148により下部ドラム154に導かれる。上部ドラム148および下部ドラム154は逆回転してギャップ125を通して菓子136を引っ張るように設計されている。図1に示される実施形態において、上部ドラム148は時計回り方向に回転するように設計され、下部ドラム154は反時計周り方向に回転するように設計される。逆回転するドラム148および154はギャップ125を通して菓子136を引っ張り、菓子136を圧縮して所望の厚さおよび幅を有する菓子シート142を形成する。
【0272】
形成ドラム148、154は、種々の直径および幅を有するように設計されうる。図1の実施形態において、下部ドラム154は上部ドラム148より大きい直径を有する。しかしながら、他の実施形態において、上部ドラム148は下部ドラム154より大きな直径を有し得、または形成ドラム148、154は同じ直径を有し得る。一実施形態において、下部ドラム154は、約0.5m〜3mの直径と約0.6m〜1.3mの幅を有し、上部ドラム148は約0.25m〜1mの直径と約0.6m〜1.3mの幅を有する。より小さい幅の形成ドラムが可能であるので、そのような幅またはより広い幅を有する形成ドラムは製品産出を改善し得る。望ましい場合、より広い幅を有する形成ドラムで、菓子の形成プロセスはよりゆっくり進行する。同量の菓子の製造工程または増加した形成速度で製品産出を増加する。
【0273】
上部ドラム148および下部ドラム154は、同じ回転速度または異なる回転速度で進行しうる。形成ドラムの回転速度は、菓子の出力および菓子層142の所望の厚さ、幅、および温度の特徴に応じて選択される。一実施形態において、上部ドラム148より大きい直径を有する下部ドラム154は、より小さい上部ドラム148より回転速度が速い。さらに、形成ドラム148、154の相対的な回転速度は、所望の質の菓子層を製造するために調節されうる。
【0274】
形成ドラム148、154は、同じ線速度または異なる線速度(すなわちローラー表面の正接で測定される)で進行するようにも設計されうる。一実施形態において、1つの形成ドラムは、一定の線速度で設計され、他の形成ドラムの線速度は第1形成ドラムの一定の線速度の±30%変化する。1つの形成ドラムの線速度の範囲は、他の形成ドラムの一定の線速度の±40%、±30%、±20%、または±10%であり得る。例えば、下部ドラム154の線速度は3m/分であり、上部ドラム148の線速度は約2.1m/分〜3.9m/分の間で変化する。そのような実施形態において、上部ドラム148の線速度は皺などの表面の凹凸を最小し、滑らかな表面の菓子層142を得るための設定範囲内で調節される。あるいは、上部ドラム148は、一定の線速度であり得、下部ドラム154の線速度は設定範囲内で変化される。一実施形態において、異なる直径を有する形成ドラムは、同じ線速度で進行するように設計される(例えば、同じ正接でなされ、しかしより小さい直径のドラムはより早く回転する角速度である。)
【0275】
形成ドラム148、154の寸法の設計および物質ならびに形成ドラム148、154の支持構造は、形成ドラム148、154のたわみを最小化または除去するように設計される。図9は、シャフト172、174により構造骨組み170に固定された形成ドラム148、154のクロスウェブ図の概略図である。示すように、形成ドラム148、154は、形成ドラムの一端から他端の一般的に均一なクロスウェブギャップ125を提供するように配置されている。しかしながら、幾分高粘度および/または低弾性の菓子(ガムなど)は、形成ドラムが菓子を圧縮するときに形成ドラム148、154に高圧をかけうる。とても粘性な菓子(いくつかのガム構造またはパン生地のようなコーティング物質)のいくつかは、ギャップ125にガム構造を押してホッパー130に螺旋状を供給するように追加の力を必要とし得る。そのような粘性菓子は形成ドラム148、154に高い圧力を与え、結果的に図10に示すような形成ドラム中にたわみとなりうる(たわみは説明目的で誇張されている)。示すように、形成ドラム148、154におけるたわみは、形成ドラム148、154に渡って不均一なギャップ125となり、形成ドラムの中心の周りのギャップ125は、形成ドラムの端付近のギャップ125より大きくなる。そのような不均一なギャップ125は、均一なクロスウェブ厚さを有する菓子層を製造し、一貫性のない寸法を有する菓子製品を製造しあまり望ましくないだろう。さらに低圧縮率を有する粘性菓子組成物の固体成分は形成ドラムの表面にへこみを作り得る。
【0276】
このように、形成ドラム148、154は、例えば追加の構造支持体を提供しておよび/または末端付近のドラムを支持され、たわみを最小化または除去して強くされる。一実施形態において、形成ドラム148、154は、強化され、そして形成ドラム間の最大たわみが0.5mm未満、好ましくは0.1mm未満、およびより好ましくは0.05mm未満に維持される。さらに、たわみは、形成ドラムの直径を増加しまたは耐圧性の強化された強度を有する形成ドラム物質を選択して最小化または除去もされうる。このように、形成ドラムの幅に対する直径の割合は、たわみを最小にするように注意深く設計される。
【0277】
さらに、上部ドラム148および/または下部ドラム154は、形成工程およびサイズ決定工程ならびに下部ドラム154に搬送される間に菓子を熱しまたは冷却する伝熱ドラムとして設計されうる。そのような伝熱形成ドラムは、菓子を熱しまたは冷却して菓子の粘度を調整しうる。例えば、菓子の粘度が高すぎ、形成ドラムの間で望ましくないたわみの原因となるとき、菓子の温度を上げ、菓子の粘度をより低くするために形成ドラムは加熱され、これにより形成ドラムにかかる圧力を削減する。一実施形態において、形成ドラム148、154は、熱流体の循環のため内部チャンネルを有する。上部ドラム148および下部ドラム154は、同じ温度または異なる温度に冷却または加熱されうる。例えば、上部ドラム148は、形成を促進するために常温より高く加熱され、下部ドラム154は菓子層の仮形成およびサイズ決定の温度より低い常温未満に冷却されてよい。一実施形態において、形成ドラム148、154は、常温超、好ましくは40℃〜60℃に維持され、25%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満の変動係数を有する約0.3mm〜15mm、好ましくは約1mm〜10mmの厚さのガムシートを形成する。
【0278】
菓子層142は、厚さに対する温度差を有しうる。温度差は1つの形成ドラムが加熱され、他の形成ドラムが冷却されたとき大きくなりうる。しかしながら、形成ドラムが同じ温度で維持されたとしても、多くの菓子類は良好な熱伝導体ではないため厚さによって温度差はまた生じ得、従って菓子の厚さの内側の部分は、形成ドラムに直接接触している外部表面の温度と異なる温度のままであり続けうる。さらに、菓子の結晶化も、厚さによって変化しうる。例えば、冷却された形成ドラムに接触している表面上の菓子の結晶化は熱された形成ドラムに接触している表面の菓子より実質的に異なりうる。
【0279】
冷却された形成ドラム148、154は、比較的薄い菓子層が形成され下部形成ドラム154に運ばれるときに、菓子層の温度を効率的に減少させうる。所望の形成工程およびサイズ決定化工程後に直ぐに菓子を冷却するとき、より大きい直径の冷却されたローラーが下部ドラム154に選択され、下部ドラム上で菓子層142の滞留時間を増加させうる。そのような実施形態において、菓子層142は少なくとも1/4回転超で下部ドラムに運ばれる。一実施形態において、菓子層142は少なくとも90°、および好ましくは約180°、下部ドラム154に運ばれる。形成ドラムの内部チャンネルを循環する冷水は形成ドラムの表面温度を約5℃〜25℃、および好ましくは約15℃に維持することに優れている。
【0280】
菓子層からまたは菓子層への伝熱は、伝熱ローラー上への菓子層の滞留時間および伝熱 ローラーの表面温度を調整することにより調節されうる。滞留時間は、伝熱ローラーの直径および/または伝熱ローラーの回転速度を変更することにより増加または減少されうる。例えば、1mの直径を有する下部ドラム154を冷却したとき、菓子層143からの伝熱は下部ドラム154の表面温度を減少することにより増加され、または下部ドラム154の回転速度をゆっくりにすることで、下部ドラム154上への菓子層142の滞留時間を増加することができる。あるいは、下部ドラム154をより大きな直径のローラー変更して、回転速度をより高く維持したまま滞留時間を増加し得、これにより所望の生産性を維持しうる。いくつかの菓子は低温に敏感であり、低温にさらされたときに結果的に望ましくない結晶化が起こるかもしれない。そのような菓子類については、伝熱ローラーの温度を特定の温度超に維持して、望ましくない結晶化を避ける。
【0281】
一実施形態において、菓子136はガム構造物であり、ガム構造物は上部ドラム148および下部ドラム154を経て圧縮形成およびサイズ決定化される。形成ドラム148、154により形成およびサイズ決定化されたガム構造物シートは、約20%未満、好ましくは10%未満、およびより好ましくは5%未満、またはそれ以下の変動係数を有する一般的に均一な厚さを有する。例えば、ガム層の目的の厚さが3mmであるとき、上部ドラムおよび下部ドラムの間のギャップは、ガム層の厚さが約2.4mm〜3.6mm、好ましくは約2.7mm〜3.3mm、およびより好ましくは約2.85mm〜2.15mm,またはそれ以下の分散となるように調節される。この実施形態において、形成ドラムの温度148、154は常温(常温は約20℃〜25℃である)より高い温度に加熱される。
【0282】
形成ドラムセット124により圧縮形成およびサイズ決定化された後、菓子シート142は下部ドラム154に、少なくとも30°、好ましくは少なくとも45°、およびより好ましくは60°超で搬送され、コンベヤーベルト118に移送される。菓子シート142が下部ドラム154に運ばれたとき、菓子シート142の温度は下部ドラム154の温度に応じてさらに変化しうる。
【0283】
形成ドラムは、液体湿潤剤塗布器を伴って提供されうる。形成ドラムが伝統的に互着防止剤(dusting agent)を必要とする菓子を形成する実施形態において、液体注油器の使用はさらに製造の利点を与えうる。従来のライン(従来の圧延ライン(rolling line)やスコアリングライン(scoring line)など)で実質的に非常に長い清掃を必要とする残留物の大部分は、粉末や多数のローラーの使用に一因があったので、ダスティングパウダーの使用を解消することにより、製造ラインプロセスを劇的に簡単にきれいにすることができる。従って、従来の圧延ラインやスコアリングガムラインにおいて数時間でありうる変更時の清掃時間は数分間に短縮されうる。さらに粉末互着防止剤が最終生成物の色をくすませ得るので、粉末互着防止剤の使用を解消することで、より明るくて刺激的な色のより見て美しい製品を製造することができる。
【0284】
図1に示す実施形態において、各形成ドラムは給油ローラー180、182、184,186,188、190を備えている。給油ローラーは食品品質の植物油または鉱油で形成ドラムを潤滑にして、菓子が形成ドラムに付着することを回避するように作用する。この実施形態における各形成ドラムは給油ローラーを設置されているが、形成ドラムが十分に低い表面張力を有する他の実施形態において、すべての形成ドラムが給油ローラーを備えていなくてよい。さらに、スプレー棒または浸漬ボウルのような他のタイプの湿潤剤塗布器は、好適な液体注油器を利用するために使用されうる。
【0285】
1以上の形成ドラムは形成ドラム表面から菓子シートを放出するのに役立つスクレーバーも備えうる。図1のシステムにおいて、各形成ドラムはスクレーパー192、193、194、195、196、197を備える。スクレーパー192は菓子シート142が上部ドラム148の表面から剥がれることを保証し、スクレーパー193は下部ドラム154の表面から菓子シート142が剥がれ、コンベヤーベルト118に移動するのを容易にする。
【0286】
コンベヤーベルト118も加熱または冷却さえ得、伝導により菓子シート142の温度を調整しうる。冷却したコンベヤーベルトは、例えば液体注油器を用いる末の粘着防止剤の使用を除去する実施形態で、上述のように使用できる。従来の粉末互着防止剤を用いるガムラインにおいて、粉末互着防止剤はコンベヤーベルトの冷却表面に粘着し得るので、冷却したコンベヤーベルトは適していない。
【0287】
菓子シートはコンベヤーベルト118上を形成ステーション110に運ばれる。形成ステーション110は同様に第1形成ステーション108として設計される。第1菓子136と同じまたは異なっていてよい菓子138は上流混合システム104において調製される。菓子138は、その後ホッパー132に供給され、形成ドラムセット126から所望の厚さおよび幅を有する菓子シート144に形成される。菓子138はドラム150、156の間で形成されるので、実際のところ形成ステーション108を備える上部ドラム150もしくは下部ドラム156または両方のドラム150、156は、伝熱ドラムとして構成され、菓子138の温度を調整する。菓子シート144は、その後コンベヤー118上を運ばれる菓子シート142の上に移動される。菓子シート144が下部ドラム156から菓子シート142上に移動されるとき、2つの菓子層142、144は、下部ドラム156およびコンベヤーベルト118の間で共に積層される。下部ドラム156とコンベヤーベルト118との間のギャップは積層菓子層142、144にかけられた圧縮圧力を調節するように調整されうる。圧縮圧力は菓子層142、144の接着が最大となり、滲み出しおよび/または層間の滑りが最小となるように調節される。積層菓子層142、144、その後形成ステーション112にコンベヤーベルト118上運ばれる。
【0288】
形成ステーション112は、第1および第2の形成ステーション108、110と同様にして設計される。形成ステーション108、110を伴うので、菓子組成物140は、上流混合システム106において調製される。菓子組成物136、138、140の調製は同時になされてよい。あるいは、菓子組成物136、138、140は、異なる時間に調製され、次の形成プロセスの間貯蔵されうる。菓子140は、ホッパー134に供給され、形成ドラムセット128で所望の厚さおよび幅を有する菓子シート146に形成される。上部ドラム152もしくは下部ドラム158またはドラム152、158の両方は、菓子140の温度を調整するために伝熱ドラムに構成され、ドラム152、158の間に形成される。菓子シート146はコンベヤーベルト119上を運ばれる積層菓子層142、144の上を移送される。菓子シート146が下部ドラム158から積層菓子層142、144上に移送されるとき、菓子シート146は菓子層144の上に積層される。下部ドラム158とコンベヤーベルト118との間のギャップは積層菓子層142、144、146にかけられた圧縮圧力を調節して、菓子層142、144、146の間の接着が最大となり、滲み出しおよび/または層間の滑りが最小となるように調整される。
【0289】
積層菓子層142、144、146を包含している3層菓子160は、その後コンベヤーベルト118上を圧縮ドラム114に運ばれる。上面の任意の欠陥を除去することにより圧縮ドラム114は3層菓子組成物160を滑らかにする。圧縮ドラム114はさらに3層菓子組成物160の厚さを所望の最終厚さに減らしてよい。典型的には、圧縮ドラム114は、厚さを10%以下で調整する。さらに圧縮ローラー114によりかけられた圧縮圧力は菓子層142、144、146の間の接着を改善し、下流プロセスの間に層間剥離のリスクをさらに減少しうる。3層菓子160にかけられる圧縮圧力は圧縮ドラム114とコンベヤーベルト118との間のギャップを調整することにより調節されうる。
【0290】
所望の最終厚さを有する3層菓子製品160は、さらにコンベヤーベルト118上をスコア(scoring)ローラー116に移動し、3層菓子製品160がスコアされる。スコア3層菓子製品160はその後任意の冷却トンネル120をとおり、3層菓子製品160は包装される前に所望の温度に調整される。3層菓子製品160は、その後包装ステーション122において包装されうる。
【0291】
(ガム−キャンディー−ガムの実施形態)
本発明の実施形態において製造された多層菓子製品は、菓子成分の視覚的に異なる部分を与え、これにより消費者の経験を強化する。本発明の一実施形態にかかる厚板として形成される多層菓子製品の例が図2に示される。3層菓子製品262は、2つの外のチューインガム層242、246にサンドウィッチされたキャンディー層244を包含する。このような実施形態において,チューインガム部分は長期間かつ持続するフレーバープロファイルを消費者に提供し、キャンディータイプの菓子はフレーバーまたは甘味の初期噴出におけるフレーバーの放出をより早く与える。さらに、キャンディー成分およびガム成分の食感はマッチまたはミスマッチしたものに調節され得、これにより新しくかつ独特の消費者経験を与える。例えば、キャンディー成分は、チューイーまたはサクサクした食感のどちらかを示すように形成されうる。さらに、キャンディーの噛み応えはチューインガムの食感にマッチされうる。多層組成物中のマッチまたはミスマッチした食感を提供するため、キャンディー成分の食感は、咀嚼において硬いからから柔らかい、またはサクサクのスペクトルにおける任意の点から選択されてよい。さらに、硬度範囲で、キャンディー組成物は、多かれ少なかれ非晶または多かれ少なかれ結晶性であってよい。例えば、ハードボイルドキャンディーは、硬く、クランチ質の食感を与えうる非晶菓子である。対照的に、低ボイルド糖類ポリオールシロップから調製されるキャンディーは、少量の局在した結晶性ポリオールを含有するように形成されうるチューイー菓子を提供しうる。
【0292】
異なる物理的特性を有する菓子成分を包含している多層菓子製品の製造工程は、種々の課題を有し得る。例えば、ガムおよびキャンディー成分は異なるレオロジー特性および熱特性を有し得、さらに種々のキャンディー組成物は、はるかに異なる物理的特性を有し得る。同様に、種々のガム組成物は異なる粘度、弾性などを有してよい。そのような異なる物理的特性を有する菓子成分は、圧縮、伸長、温度などのような異なる加工条件とは異なって反応しうる。異なる菓子成分を形成かつ積層するとき、より低粘度の成分が滲み出すかもしれず、層は互いに十分に接着しないかもしれずそして互いにずれるかもしれない。
【0293】
図2は、これらの課題を解決しうる本発明の一実施形態に係る多層菓子製品を生産する製造装置200を示す。この実施形態において、製造装置200はチューインガム層242、チューイーキャンディー層244、およびチューインガム層246を包含している3層菓子製品262を製造するように設計される。示されるように、チューイーキャンディー層244はチューイーガム層242、246の間に挟まれている。製造装置100と同様に製造装置200は一般的に上流混合システム202、204、形成ステーション208、210、212、圧縮ローラー214、スコアローラー216、コンベヤーベルト218、冷却トンネル220および包装ステーション222を包含する。この実施形態において、形成ステーション208、212は、産出するため同じ上流システム202を共有している。上流システム202は、チューインガム層242、246を形成するのに使用されるチューインガム組成物を生産する。上流システム204はチューイーキャンディー組成物を生産し、形成ステーション210に供給する。
【0294】
種々の発明概念に従って、形成ステーション208、210、212は形成工程および/または伝熱工程を提供し、特にガム用のものは下流の進行性の圧延操作が排除されうる。ガム形成ステーション208、212も、サイズ化決定タイプの押出機(例えば、幅の狭いリボン状のガムを形成する押出機)を排除するために用いられ、これによりせん断力の加工工程を排除し、加工工程を通してチューインガムの損傷を受けないせん断に敏感な成分の量を増加しうる。形成ステーション208、212は、加工済みガム、加工済みガムベース、キャンディーの小片を包含しているガムベースなどのような種々のガム構造を形成するために用いられてよい。同様に、キャンディー形成ステーション210は、ハードキャンディー、チューイーキャンディー、タフィーなどのような種々のキャンディーを形成するために使用することができる。
【0295】
形成ステーション208、210、212は、ガム構造または他の菓子組成物の任意の種類を形成するために使用され得、上流システム202、204の成分(異なる種類の混合機など)は形成ステーション208、210、212に特徴を与える影響を及ぼすかもしれないが、上流システム202、204の実際の成分は本発明に関してあまり重要ではない。さらに、形成ステーション208、212に供給するガム構造物の調製において、異なるタイプの事前調整工程および低せん断押出機を原料の混合機の産出量を改善し、規定の流れおよび/または一連の流れを生むために用いられてよい。いずれの場合も、新しい形成ステーションは、菓子組成物を調製する工業において用いられる様々な上流システムに容易に用いられる。
【0296】
この実施形態において、上流混合システム202は、様々なガム成分を混合してガム構造物266を形成する混合押出機264およびガム構造266をガム構造物270の塊に形成する任意の低せん断押出機268を包含する。他の実施形態において、上流システム202は複数の混合機を包含しうる。混合機は、混合される成分に応じて異なるタイプ混合を提供しうる。同様に、上流システム204は、1以上の混合機および他の必要な装置を包含し得、所望のキャンディー形態を調製する。
【0297】
製造装置200の他の成分をさらに考察する前に、ガム構造物および/または他の菓子類を生産するための種々の上流システムに使用されうる混合機が一般的に考察されるだろう。
【0298】
(一般的な混合機)
上流システムの混合機は連続混合機またはバッチ混合機であってもよい。本願明細書で使用する場合、「連続混合機」は、本願明細書中で「連続加工装置」とも呼ばれることがあるが、これは、チューインガムのような菓子組成物を調製するために使用される種々の成分が、装置の中へと実質的に連続的に供給され、同時にそれらの成分が混合され、そして混合装置内から搬送され混合装置から取り出されているかまたは排出されている加工装置である。例えば、連続混合押出機では、成分は、種々の上流および下流の供給ポートを通して実質的に連続的に導入され、その間ずっと、スクリュー、回転翼、ピン、パドルまたは他の混合エレメントは、システムを通して混合物を運搬し続け、その間ずっと、その混合物を撹拌する。押出機の下流部で、当該塊の全体的にまたは部分的に組み合わされた下流部は、実質的に継続的にまたは継続的に運搬されている塊の力によって、押出機から排出される。押出機からの塊の排出は、外部ポンプまたは追加ポンプを含めることにより容易になる可能性がある。
【0299】
連続混合機は、分散混合、分配混合または分散混合および分配混合の両方の組み合わせをもたらしてもよい。分散混合は典型的には、個々の成分や組成物中の成分の凝集体をより小さい部分に分散させる高いせん断混合である。分配混合は、典型的には分散混合より低いせん断混合であり、個々の成分を組成物の至るところに分散してより均一な組成物を提供するために使用される。分散混合および分配混合は、米国特許第5,562,936号明細書の全体により記載されかつ考察されており、参照によりそこに示唆および開示されているものは組み合わせにより本願明細書に組み込まれる。
【0300】
押出機の形態の連続混合機は、すべての分散混合元素、すべての分配混合元素、または分散混合元素および分配混合元素の組み合わせを有し得る。分散混合元素は、典型的には上流の分配混合元素であるが、しかしながら本発明に係る分散混合元素はその配置に限定されない
【0301】
本願明細書で使用する場合、「バッチ式混合機」は、本願明細書中で「バッチ式加工装置」とも呼ばれることもあるが、これは、菓子組成物を調製するために使用される加工装置であって、組成物が調製されるとその組成物は装置から一斉に排出されるか、またはその組成物の少なくとも個別の不連続的な部分が間欠的な間隔で排出されることになるが、組成物は、混合中に連続的に排出されない加工装置である。典型的には、組成物を調製するために使用される個々の成分またはその個々の成分の一部分が、実質的に一斉にまたは所定の時間的順序で別個の量でデバイスに供給される。バッチ式混合機に加えられる個々の成分は、いくつかの成分が混合サイクルの全体の長さに実質的に等しい滞留時間を有する一方で、他の成分は、混合サイクルの全体の長さの一部分のみの滞留時間を有するように、混合サイクル全体にわたって異なる時期に加えられてもよい。さらに、混合サイクル全体にわたって異なる目的で使用される個々の成分は、混合プロセス全体にわたって異なる時期に加えられる成分の異なる別個の部分を有してもよい。例えば、1つの成分は、エラストマーをコンパウンディングすることを容易にするために使用されてもよいし、増量剤として使用されてもよい。このような成分は、混合時間全体に等しい滞留時間を有するように混合サイクルの開始時に加えられる第1の部分を有してもよい一方で、同じ成分の第2の部分が、混合時間全体よりも短い滞留時間を有するように、混合サイクルであとで加えられてもよい。
【0302】
バッチ式混合機は、典型的には、分散混合または分配混合のいずれかをもたらすであろうが、通常は、分散混合および分配混合の両方をもたらすことはない。しかしながら、本発明を実施する際に使用されるバッチ混合機は、分散混合および分配混合の両方をもたらすように構成することもできよう。例えば、内部回転翼を具えるケトル混合機は、回転翼のピッチまたは配向を改変することにより分散混合と分配混合との間をシフトするように構成することができるということが企図される。あるいは、ケトル混合機は、1つの組は分散混合用に構成される一方で、別の組は分配混合用に構成されているように、複数の組の回転翼を具えることもできよう。この混合機は、一度に1つのタイプの混合をもたらすために、一度に一組の回転翼しか使用しない可能性が非常に高いであろうということが企図される。
【0303】
いくつかの実施形態では、ガム混合システム102は、1つの連続混合機または1つのバッチ式混合機を具えてもよい。他の実施形態では、ガム混合システム102は、直列におよび/または並列に配置された1以上の連続混合機および/または1以上のバッチ式混合機を具えてもよい。種々の並列および直列の混合システムの構成は、本譲受人に譲渡された米国特許出願第12/338,428号明細書および同第12/338,682号明細書に記載されている。この特許出願の開示は、参照によりその全体を本願明細書に援用する。
【0304】
(製造システム200さらなる詳細)
ここで、図2に示される実施形態に戻って参照して、押出機264からのガム構造物産出物266は、ほぼ不規則または別な態様で不均一な厚さを有している。
ガム構造物産出物266は、エラストマーまたは加工済みガムまたはそれらの間の任意のガム構造物であってよい。この実施形態において、ガム構造物産出物266は好ましくは、加工済みガムである。ガム構造物の配合物におうじて、不均一なガム構造物産出物266は、形成ステーション208、212へと直接供給して、所望の均一の厚さを有するガム構造物242、246の連続シートを形成することができる。図2に示すようないくつかの実施形態において、不均一なガム構造物産出物266は、形成ステーション208、212に入る前に、ほぼ均一な構造物、例えば、均一な形状および幅を有するガム構造物270の塊へとさらに加工される。当該塊は、ローフィング(loafing)押出機268から直接形成ステーション208、212に供給される、またはガムシートに形成される前の時間の間移送および/または貯蔵されうる。別の実施形態において、不均一なガム構造物産出物266は分離した低せん断押出機により約20mm以下の厚さを有する、または混合押出機264の出口で適切な押し抜き機に接触するほぼ均一なウェブのガム構造物に変換される。
【0305】
上流のガム製造システム202は、とりわけ、サイズ化決定タイプの押出機を包含する必要はない。このように、1つの特徴およびそのような実施形態の利点は、任意の低せん断押出機268より比較的高いせん断を必要とするサイズ化決定タイプの押出機の使用を排除することによるものであり、ガム242、246にかけられる全せん断応力は実質的にせん断により敏感な成分を保護するために減少される。特定の封入された甘味料、フレーバーおよび種々の医薬品有効成分を包含している上記のようなせん断に敏感な成分は、より低いせん断加工工程から特に有利なものと考えられている。さらに、そのようなサイズ化決定タイプの押出機を包含している従来のガムラインは、プロセスの高せん断性に起因して約220mm〜460mmの最大幅を有するガム構造物を製造することに制限されている。幅の制限がもはやない形成ステーション208、210を用いるガム構造物の連続的なシートの形成において押出機のサイズ化決定タイプにより加工されるガムの厚さよりはるかに大きい厚さを有する不均一なガムまたはほぼ均一なガムとして形成ステーション208、210により加工されうる。さらに、形成ステーション208、210は実質的により低い電力(例えば、1−5HPモーターを用いて)で操作され得、これによりサイズ化決定タイプの押出機および圧延スコアリングラインを包含している従来のガム形成システムに比べてかなりエネルギーを抑えている。
【0306】
形成ステーション208、210、212は、図1の実施形態の形成ステーション108、110、112と同様に設計される。各形成ステーション208、210、212は一般的に形成ドラムセット224、226、228およびホッパー230、232、234を包含する。各形成ドラムセット224、226、228は、上部ドラム248、250、252、および下部ドラム254、256、258を包含し、形成ステーション108、110、112の上部ドラムおよび下部ドラムのように、上部ドラムおよび下部ドラムは互いに垂直におよび水平にずれて配置される。
【0307】
この実施形態において、形成ステーション208および212は、上流混合システム202で調製されるガム構造物、好ましくは加工済みガムを受け、所望の幅および厚さを有するガムシートを形成する。上流混合システム202から受ける流入ガムは、約45℃〜55℃の温度と、約1,000,000cP±10%の粘度を有する。ホッパー230、234は、ガム構造物(不均一なガム構造物、ガム構造物の塊、および/またはガム構造物の若干均一なウェブなど)の種々の形態を受けるように設計されうる。ホッパー230、234の注入口領域の幅は種々の幅のガム構造物を受けるように調整されうる。一実施形態において、形成ドラム224、228とホッパー230、234との組み合わせは、約25mm〜1m、またはおそらく広い幅のガム構造物を収容できるように設計される。よりゆっくりの速度で十分な出力で作る実質的なガムを多量に提供することができるように約0.6mより大きい幅の幅のあるガムシートを形成するのが望ましい。
【0308】
形成ステーション208および212は、約0.3mm〜15mm、好ましくは1mm〜10mmの厚さを有するガムシートを形成するように設計される。一実施形態において、形成ステーション208は、約1.5mm〜5.5mmの平均厚さを有する加工済みガムシートを形成するように設計される。上部形成ドラム248は下部形成ドラム254より小さい直径を有し、上部ドラムおよび下部ドラム248、254は同じ幅を有する。上部ドラムおよび下部ドラム248、254のそれぞれは冷却流体または加熱流体を循環するための内部チャネルを備える伝熱ドラムとして設計される。さらに上部ドラムおよび下部ドラム248、254のそれぞれは、高度に磨かれたステンレス鋼から構成される。上部形成ドラムおよび下部形成ドラム248、254は逆回転しかつ独立したモーターで独立に駆動するように設計される。このように、上部ドラムおよび下部ドラム248、254は、同じまたは異なる速度で回転しうる。上部ドラムおよび下部ドラム248、254 のそれぞれは約1〜40m/分、好ましくは約3〜35m/分、およびより好ましくは約5〜16m/分の線速度で回転するように設計されうる。
【0309】
この実施形態において、上部ドラムおよび下部ドラム248、254は、約5℃〜90℃、好ましくは約15℃〜70℃、およびより好ましくは約45℃〜60℃のほぼ同じ温度を有するように設計される。上部ドラムおよび下部ドラム248、254の間のギャップは、ガムシートの目的の厚さに応じて設定される。一実施形態において、上部ドラムおよび下部ドラム248、254の間のギャップは1.5mmに設定され、上部形成ドラムおよび下部形成ドラム248、254の表面温度は約60℃に設定され、上部形成ドラムおよび下部形成ドラム248、254は約16m/分の同じ線速度で逆回転し、約1.5mmの平均厚さを有するガムシート242を形成する。ドラム248、254のそれぞれは食品等級の液体注油器で潤滑にされ、形成ドラムにガムが付着することを予防するために粉末互着防止剤の必要性を回避する。形成ステーション208で形成されるガムシート242はコンベヤーベルト218上を形成ステーション210に輸送される。コンベヤーベルト218はガムシート242の温度より低く冷却されうる。
【0310】
上流混合システム204はチューイーキャンディー236を調製し、形成ステーション210を供給し、チューイーキャンディーは所望の厚さを有するチューイーキャンディー244のシートに形成される。一実施形態において、チューイーキャンディー組成物の加工工程はフォンダンのバッチを形成することで始まる。調理されたキャンディーの塊は、キャンディー調理器、好ましくは半連続キャンディー調理器を用いても調製される。その後、調理されたキャンディーの塊は、Hgの約2.5〜6.5インチの真空度がかけられるキャンディーボウルに添加される。ゼラチンを調理されたキャンディーに添加し、混合して、ゼラチン化された調理されたキャンディーの塊を形成する。ゼラチン化した調理されたキャンディーを冷却した冷たいテーブルの上に落とし、酸およびフレーバーを約45℃〜80℃に混合物の温度降下まで折りたたんで添加される。折りたたんだゼラチン化したキャンディーの塊は、さらに約35℃〜65℃に温度が降下するまで混練機で加工される。そしてフォンダンをこのキャンディーの塊に添加してチューイーキャンディー組成物を形成する。典型的には、チューイーキャンディー組成物は約5wt%〜20wt%のフォンダンを包含する。当該チューイーキャンディーは、非均一の塊として形成ステーション210に供給され、または事前押出機を経てある程度均一な塊に成形され得る。図2において、上流混合システム204はかなり簡易化されている。
【0311】
ホッパー232は、種々の形態のチューイーキャンディー(非均一の塊またはほぼ均一なチューイーキャンディーのウェブなど)を受けるように設計される。形成ステーション226は形成ステーション224と同様に設計され、逆回転してチューイーキャンディーをドラム間のギャップを通して引っ張り、チューイーキャンディーを所望の厚さおよび幅を有するチューイーキャンディーシート244に圧縮形成する上部ドラム250および下部ドラム256を包含する。上部ドラムおよび下部ドラム250、256は、内部チャンネルを備え、冷却流体または加熱流体を循環させる。チューイーキャンディーの特徴(例えば、粘度、弾性など)に応じて、ドラム250、256の1つまたは両方が加熱または冷却されうる。例えば、ホッパー232内のチューイーキャンディーがガムシート142の粘度よりかなり低い粘度を有するとき、形成ドラム250、256の1つまたは両方は、チューイーキャンディーの温度を低くするため冷却され、チューイーキャンディーの粘度を大きして、チューイーキャンディーはガムシート242、246で積層されている時に滲み出ないかもしれない。さらに、ガムシート242、246とチューイーキャンディー244の十分な粘度は、ガムシート242、244、246間で十分な接着を保障し、ガムシート242、244、246は互いにずれず、下流プロセスの間、積層3層シート260をそのままにする。この実施形態において、ガムおよびチューイーキャンディーの粘度は温度の関数であり、ガムシート242、246およびチューイーガムシート244の温度は、形成ドラム248、250、252、254、256、258(例えば、形成ドラムの速度および形成ドラムの温度)およびコンベヤーベルト218(例えば、コンベヤーベルトの温度)のプロセスパラメータを操作して注意深く調節される。
【0312】
チューイーガムシート244が形成ドラム250、256の間に形成された場合、チューイーガムシート244は下部ドラム256上に運ばれ、ガムシート242を運ぶコンベヤーベルト218上に移送される。この実施形態において、ドラム250、256のそれぞれは、食品等級の潤滑剤を利用するための液体湿潤剤塗布器を備え、チューイーガムが形成ドラムの表面にくっつくことを防止する。一実施形態において、形成ステーション210は、平均厚さ約1.5mmおよびガムシート242の粘度にほぼ適合した粘度を有するチューイーキャンディーシート244を形成するための操作パラメータを有するように設計されかつ設定される。下部ドラム256とコンベヤーベルト218の間のギャップは、その下部ドラム256が積層シート242、244に圧縮力をかけてシート242、244間に十分な接着を与え、滲み出しを最小化するように設定される。その後、積層シート242、244は、コンベヤーベルト218上を形成ステーション212に移送される。
【0313】
形成ステーション212は、形成ステーション208と同様に設計され、ホッパー234、上部形成ドラム252、下部形成ドラム258を包含する。一実施形態において、形成ドラム252、258は、形成ドラム248、254と個別の操作パラメータで設定され、1.5mmの平均厚さを有するガムシート246を形成する。下部ドラム258とコンベヤーベルト218の間のギャップは積層シート260に十分な圧縮力をかけるように設定され、シート242、244、246間の接着はシート間でずれるのを十分に防止し、滲み出しは最小化または防止される。
【0314】
積層されたガム−チューイーキャンディーガムシート260はコンベヤーベルト218を圧縮ローラー214に移送される。コンベヤーベルト218は、コンベヤーベルト218上を運ばれる積層シート260の温度を調整するために冷却されうる。圧縮ローラー214は、下部ドラム258から好ましくは約0.5m〜3m、より好ましくは約1m〜1.5mの位置に配置される。圧縮ローラー214とコンベヤーベルト218との間のギャップは、好ましくは積層シート260の平均厚さとほぼ適合するように設定され、このようにして圧縮ローラー214によって積層シート260にかけられる任意の圧縮力は最小となる。そのようにして、圧縮ローラーは表面の欠陥、ねじれを取り除き、シート242、244、246間の接着を強化するが積層シート260の厚さをあまり調整しないだろう。いくつかの実施形態において、圧縮ローラー214はさらに積層シート260の厚さを減少し、しかしながら通常、厚さの任意のさらなる減少は10%以下に制限される。一実施形態において、積層シート260は1.5mmのガムシート242、1.5mmのチューイーガムシート244、および1.5mmのガムシート246を包含する約4.5m/分の全厚さを有し、圧縮ローラー214は、任意の表面の欠陥を滑らかにし積層シート260の不均一なクロスウェブの任意の厚さを平らにする。圧縮ローラー214は伝熱ローラーでもあり得る。いくつかの実施形態において、圧縮ローラー214は、積層シート260の温度をさらに減少するために冷却される。他の実施形態において、圧縮ローラー214は、加熱され、積層シート260を滑らかにしおよび/または追加の最小厚さの削減を容易にする。
【0315】
積層シート260は、圧縮ローラー214を抜けて、コンベヤーベルト218上をスコアローラー216に移送される。図2に示されていないが、側面を分離するローラーも、スコアローラー216とともに提供されてよい。その後、スコア(scored)積層シート261は、スコア積層シート261を強制空気で上部側および底部側の両方から冷却する冷却トンネル220を経て、運ばれる。スコア積層シート261は、冷却トンネル220内で調整されるので、ガム−チューイーキャンディーガムシートの各層は、形状を維持し、物質のクリープを最小化するために最終形状工程および包装工程のため十分に固められる。一実施形態において、冷却トンネル220は、スコア積層シート261を約0℃〜15℃の低温に調整するように設計される。調整されたシート261は、それからさらにさいころ上に切断され、および/または下流装置222中包まれ、ガム層242、244の間に挟まれたチューイーキャンディー層244を包含している最終的な3層菓子製品262を製造する。他の実施形態において、スコアされかつ調整されたシート261はスタック内に積み重ねられ、続く包装プロセスに移送される。
【0316】
図2の実施形態は冷却トンネル220とともに示されているが、冷却トンネル220は任意で用いられる。他の実施形態において、形成ドラム248、250、252、254、256、258、圧縮ローラー214および/またはコンベヤーベルト128の1以上は積層シート260の温度より十分に低く冷却され、冷却トンネル中でさらなる調整は必須でなくてよい。さらに、1以上の冷却したドラム、冷却した圧縮ローラー、冷却したコンベヤーベルトおよび/または冷却したトンネルは、十分に冷却されかつ調整された3層シートを提供し得、そして、包装の前に調整室中で後続する調整を提供する多層形態を形成するのに必須ではない。調整室内での時間のかかる調整を削減することは、実質的にフレーバーなどの揮発性の菓子成分の引火を削減し、これにより消費者の楽しみであるより多くのフレーバーを保存する。
【0317】
各菓子層は分離した形成ステーションを用いて形成されるので、それらの層は所望の幅および加工済み製品の形状にかかる異なる厚さまたは幅を有するように形成されうる。さらに本発明の実施形態にかかる方法およびシステムを用いて製造された多層菓子製品は、従来の設備を用いて製造された製品とは構造的に明らかに区別されうる。例えば、本発明実施形態のシステムは、高せん断サイズ決定化型押出機を排除し、冷却ドラムによって迅速な接触冷却工程を与えることにより、菓子成分の異なる結晶化をもたらしうる。さらに、本発明の実施形態は、従来のシステムで製造されたものと比較したとき、粉末除去物質の使用を排除し、厚さおよび幅の変動が比較的小さい所望の厚さおよび幅を有する菓子層を製造することでより見て美しい製品を製造することができる。
【0318】
(大理石模様のガム層を伴う3層の実施形態)
図3は本発明の異なる実施形態で3層菓子製品を作成するための製造装置300を示す。製造装置300は、製造装置200と同様に設計される。しかしながら,製造装置300の上流混合システム302は、少なくとも2つの異なる色またはフレーバーガムを作成する少なくとも2つの混合機を包含し、形成ステーション308、312を用いて大理石模様を有するガムシートを形成する。このようにして、製造装置300は大理石模様のガム層342、キャンディー層344、および大理石模様のガム層346を包含する3層菓子製品362を製造しうる。
【0319】
製造装置200と同様に、製造装置300は一般的に上流混合システム302、304、形成ステーション308、310、312、圧縮ローラー314、スコアローラー316、コンベヤーベルト318、冷却トンネル320および包装ステーション322を包含する。上流混合システム302は、第1ガム365を作製する押出機363を包含し、第1ガムと異なる色および/またはフレーバーを有する第2ガム366を作製する押出機364を包含する。上流混合システム304はチューイーキャンディー組成物のようなキャンディーを作製する。各形成ステーション308、310、312は上部形成ドラム348、350、352および下部形成ドラム354、356、358を包含し、上述の実施形態の形成ドラムと同様に設計され操作される。
【0320】
一実施形態において、押出機363は赤色チューインガムのリボンを製造する。赤色チューインガムはサクランボフレーバーのような種々のフレーバーを伴った香味付きであり得る。同様に、押出機364は、青色チューインガムのリボンを製造する。青色チューインガムは例えば、ライムフレーバーなどの赤色チューインガムと同じフレーバーまたは異なるフレーバーを伴った香味付きであり得る。赤色チューインガムおよび青色チューインガムはリボン形態にある形成ステーション308、310に供給され縞模様の大理石模様のガムを製造しうる。赤色ガムリボンの幅および厚さは青色ガムリボンの幅および厚さと同じまたは異なっていてよい。例えば、押出機363は、約1インチ幅のリボンを製造し得、押出機354は約0.5インチ幅のリボンを製造しうる。このような実施形態において、形成ステーション308、310は、青色チューインガムより多くの赤色チューインガムを有する大理石模様のガムシートを製造しうる。さらに、2つの押出機363、364が同サイズを有するリボンを製造する実施形態においてさえ、大理石模様のガムシート中の各ガムの量が各ガムリボンの供給速度を変化することにより調整される。いくつかの実施形態において、押出機363、364は種々の他のガム産出物の形状を製造する押し抜き機を備え、大理石模様のガムシートのパターンを変更しうる。
【0321】
図3に示す実施形態において、押出機363、364それぞれは、カッター371、372を備える。この実施形態において、押出機363、364はガムリボンを製造し、カッター371、372はリボンを一貫した所定のサイズまたは不ぞろいのサイズであり得る小片に切断しうる。赤色ガムピース365および青色ガムピース366は、その後、形成ステーション308、312のホッパー330、334に供給される。形成ステーション308、312に供給されるガムピース365、366の量は変更しうる。ピース中にガムを供給することによりおよび/または各ガムの量を変更することにより、大理石模様のガムシートはより不ぞろいなパターンを有し得る。他の実施形態において、ガムピース365、366は、種々の異なる方法および装置を用いるあらかじめ作製されたものである。
【0322】
一実施形態において、押出機363、364およびカッター371、373は、およそ等しい大きさのガムピースを製造するように設計される。同量の赤色ガムピース365 および青色ガムピース366がホッパー330に供給される。ガムピース365、366の混合物はその後逆回転する形成ドラム348、354の間のギャップを通して引っ張られ大理石模様のガムシート342に圧縮形成される。図4はホッパー330を省略した形成ステーション308の概略図であり、形成ドラム348、354によって、ガムピース365、366の混合物が大理石模様のガムシート342に形成されるのを示す。大理石模様のガムシート342の外観は形成ドラム348、354の線速度を変えることで変更されうる。例えば、形成ドラム348、354間の線速度の差を増加することにより、着色料をより塗りつけた外観を得られる。着色料のより良好なコントラストは、形成ドラムを同じ線速度で回転したときに得られる。大理石模様のガムシート342はコンベヤーベルト318を経て形成ステーション310に移送される。
【0323】
上流混合システム304は、種々の異なる菓子類(例えば、ガムまたはキャンディー)を製造することできる。一実施形態において、上流混合システム304は、図2の実施形態で説明したチューイーキャンディーのようなチューイーキャンディーを調製する。チューイーキャンディーは、形成ステーション310を経てチューイーキャンディーシート344に形成され、大理石模様のガムシート342に積層される。大理石模様のガム342とチューイーキャンディー344の積層シートは、コンベヤーベルト318上を形成ステーション312に移送される。形成ステーション312は上流システム302からのガムピース365、366を受け、形成ステーション308と同様に大理石模様のガムシート346を形成する。大理石模様のガムシート346は、その後チューイーキャンディーシート344上に積層される。大理石模様のガム−チューイーキャンディー−大理石模様のガムの積層シートはさらに図2の実施形態のように形成される。
【0324】
(被覆ガム)
一実施形態において、図1の製造装置100は、片面または両面に被覆されたチューインガムを生産するために設計される。慣習的に、ガムはパンニングプロセスを用いて被覆され、多くの砂糖シロップコーティング物質の薄層がガムに塗布される。そのようなコーティングプロセスは、典型的には数時間かかる。この実施形態において、パン生地のようなコーティング物質は、望ましいコーティングを形成するために、たった1回の数秒から数分の加工時間の利用で圧縮形成されおよびガムシート上に積層される。さらに、ガム形成およびコーティングプロセスが1つのラインで行われうるとき、時間および経費の削減は大きい。ガムシートはこの実施形態において形成および被覆されるけれども種々の異なる菓子シート(チューイーキャンディーなど)は形成され、被覆されうる。さらに種々の異なるコーティング物質は所望の硬度(例えば、柔らかい、硬い、サクサク状)を有するコーティングを製造するために被覆されうる。いくつかの実施形態において、j異なるコーティング物質および/または厚さが核の菓子シートの各面に被覆されうる。このように、製造システム100は生成物の体裁に大きな柔軟性を与える。
【0325】
一実施形態において、ガムシートは、単層中の従来のペレットガムのシェルと同様に硬いクランチ状のシェルで被覆される。そのようなコーティングは、固体の糖アルコールまたは砂糖、および粘り気のある砂糖液体結合剤を用いて形成されうる。コーティング形態は上流混合システム102内で調製され、ホッパー136に供給される。この実施形態において、コーティングは、マルチトール、イソマルトおよびソルビトール、およびキサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、CMCおよびティカフィルム(Tica film)(アルギネート、カラギーナンおよびCMCの混合物)から選択される結合剤から選択されるポリオールを用いて形成される。例えば、コーティングの形態はマルチトールおよび約3.7wt%のキサンタンガムを包含する。コーティング形態は、フレーバーなどの他の成分も包含しうる。コーティング形態は、20%未満、好ましくは,、10%未満の総水分含量を包含し、コーティングの迅速な乾燥を可能とする。
【0326】
コーティング形態は逆回転する形成ドラム148、154の間で圧縮して形成される。コーティング形態を形成ドラム148、154の間で圧縮するとき、結合剤が固体粒子に付着し、ガム表面に積層されうるコーティングフィルム142を形成する。形成ドラム148、154間のギャップはコーティングフィルム142の所望の厚さに応じて設定される。一実施形態において、形成ドラム148、154は、0.1mm〜5mm、好ましくは0.3mm〜2mm、およびより好ましくは0.5mm〜1mmの厚さを有するコーティングフィルム142を形成するように設計されおよび操作される。コーティングフィルム142は、コンベヤーベルト118上を形成ステーション110へ運ばれる。形成ステーション110は、上流混合システム104から所望のガム形態を受け入れ、形成ドラム150、156を用いてガムシート144を形成する。ガムシート144は、その後、下部形成ドラム156とコンベヤーベルト118との間でコーティングフィルム142上に積層される。コーティングは、コーティングフィルム142が十分な粘弾−弾性の特徴を有し、ガムシート144に接着しうる連続的なフィルムに圧縮形成されるように形成される。さらに、形成ドラムの温度148、150、154、156は、コーティングフィルムがガムシートに十分接着し、滲み出しを最小化するように、コーティングおよびガムの最適な粘弾−弾性の特徴を維持するように調節される。
【0327】
片面を被覆されたガムシートはその後、コンベヤーベルト118上を形成ステーション112に移送される。上流混合システム106は、上流混合システム102で調製されたコーティング形態と同じまたは異なっていてよいコーティング形態を調製する。コーティング形態は、その後ホッパー140に供給され、形成ドラム152、158を経て、コーティングフィルム146に形成される。コーティングフィルム146は、コーティングフィルム142の厚さと同じまたは異なる厚さを有してよい。一実施形態において、コーティングフィルム142は、クランチコーティングを形成してよく、コーティングフィルム146は柔らかいコーティングを形成してよい。コーティングフィルム146は、その後、下部形成ドラム158を経てガムシート144上に積層され、これによりコーティング−ガム−コーティング160の積層シートを形成する。コーティング−ガム−コーティングシート160は、その後圧縮ローラー114で滑らかにされ、さらに所望の製品体裁に加工される。
【0328】
(他の実施形態)
図5は、2層菓子製品を生産する本発明の異なる実施形態に係る製造システム500を示す。システム500は、図1のシステム100と同様に設計され、2つの上流混合システム504、504と2つの形成ステーション510、512だけを包含する。システム100と同様、形成ステーション512は形成ステーション510の下流に配置され、2層積層シート560を形成する。各形成ステーションは、逆回転する上部形成ドラム550、552と下部形成ドラム156、158を包含し、システム100と同様、菓子シート144、146を形成する。システム500はシステム100と同じ下部の蒸留装置を包含しているが、システム500はシステム100と同じ下部の蒸留装置を包含しているが、他の下部の蒸留装置は形成ステーション510、512とともに用いられ、所望の菓子製品を生産しうる。
【0329】
図6は、4層菓子製品を生産する本発明の別の実施形態に係る製造装置600を示す。システム600は、図1のシステム100と同様に設計されるが、4つの上流混合システム602、604、606、608と4つの形成ステーション610、612、614、616を包含する。形成ステーション610、612、614、616は、一連に配置され、各形成ステーションは菓子シート620、622、624、626を形成し、それらは共に積層されて4層積層シート660を共に形成する。菓子類の特徴や層間の接着に応じて、圧縮ローラー614は下流に形成ステーション616があり、任意の表面の凹凸を滑らかにし、および/または4層シート660のクロスウェブ厚さを均等にする。4層シート660はその後さらに加工または貯蔵されうる。
【0330】
図7は、3層菓子製品を生産する本発明のさらに別の実施形態に係る製造装置700を示す。システム700は、システム100と同様に設計され、3つ上流混合システム702、704、706し3つの形成ステーション708、710、712を包含する。図7において、システム700も図1のシステム100と同じ下部上流装置とともに示されている。しかしながら、異なる装置は形成ステーション708の下流に配置されうる。
【0331】
形成ステーション708、710、712は、システム100と同様、一連に配置されている。第2形成ステーション710は、形成ステーション108、110、112と同様に設計および操作され、2つの逆回転する形成ドラム750、756を包含する。しかしながら、形成ステーション708および712は、第3形成ドラム760、762を包含する。示すように、形成ステーション708、712は、形成ステーション108、110、112の上部形成ドラムおよび下部形成ドラムと同様、下部形成ドラム754、758上に垂直および水平にずれて配置されている上部形成ドラム748、752を包含する。形成ステーション708、712は、さらに第3形成ドラム760、762を包含し、第3形成ドラム760、762はその下に垂直に下部形成ドラム754、758を配置している。けれども、第3形成ドラム760、762は、下部形成ドラム754、758と共通の縦軸を共有し、第3形成ドラム760、762も、下部形成ドラム754、758から水平にずれて配置されうる。
【0332】
形成ドラムは、隣接する形成ドラムに対して逆回転するように設計される。この実施形態において、上部形成ドラム748、752は反時計回りの方向に回転し、下部形成ドラム754、758は時計回りの方向に回転し、上部形成ドラム748、752および下部ドラム754、758は逆回転する。さらに、第3形成ドラム760、762は反時計回りの方向に回転し、よって、下部ドラム754、758および第3形成ドラム760、762も逆回転する。この実施形態において、下部形成ドラム754、758および第3形成ドラム760、762は、同じ直径を有し、上部形成ドラム748、752は下部形成ドラムおよび第3形成ドラムより小さい直径を有するように設計されている。しかしながら、他の実施形態において、3つのすべての形成ドラムは同じ直径またはすべて異なる直径を有するように設計されうる。形成ドラムの1以上は、内部チャネルを備え、冷却流体または加熱流体を循環させ、そのため形成ドラムは伝熱ローラーとしても機能しうる。
【0333】
一実施形態において、上流混合システム702はホッパー730内にガム配合物を作製し、かつ供給する。逆回転する上部形成ドラムおよび下部形成ドラム748、754は、その間のギャップを通してガムを引っ張り、ガムシート742を圧縮形成する。一実施形態において、ギャップは2mmで設計され、上部形成ドラムおよび下部形成ドラム748、754は約40℃〜60℃の温度に加熱され、上部形成ドラムおよび下部形成ドラム748、754を排出する点で、約2mmの平均厚さを有するガムシート742を形成する。それからガムシート742は下部ドラム754上を運ばれ、下部形成ドラム754と第3形成ドラム760の間に、さらに形成されうる。さらなる厚さの減少を望まない場合、下部形成ドラム754と第3形成ドラム760の間のギャップは上部形成ドラム748と下部形成ドラム754と同じになるように設定されうる。このようにして、下部形成ドラム754および第3形成ドラム760はガムシート142に圧縮力を全くかけないまたは最小限の圧縮力をかけ、任意の表面の凹凸を滑らかにするおよび/またはガムシート742のクロスウェブの厚さを均一にするためだけに作用する。このような実施形態において、第3形成ドラムは下部形成ドラム754と同じ線速度で回転するように設計され、実質的な厚さの減少は、逆回転する下部形成ドラムおよび第3形成ドラムの間を引っ張るせいで生じない。第3形成ドラム760は、ガムシート742の温度より低く冷却され得、第3形成ドラム760上に運ばれうる。
【0334】
ガムシート742のさらなる厚さの減少が上部形成ドラムおよび下部形成ドラム748、754の間で形成された後に望まれる実施形態において、下部形成ドラム754および第3形成ドラム760の間のギャップは、上部形成ドラムおよび下部形成ドラム748、754の間のギャップよりより小さくなるように設定されうる。例えば、上部形成ドラムおよび下部形成ドラム748、754の間のギャップが2mmで設定されるとき、下部形成ドラムおよび第3形成ドラム754、760の間のギャップは1.5mmで設定され得、約1.5mmの平均厚さを有するガムシートを生成する。ガムシート142の厚さの減少は下部形成ドラム754の線速度より高い線速度で第3ローラー760を回転することによっても成し遂げられ、ガムシート744を引き伸ばし、厚さを削減しうる。このような実施形態において、第3形成ドラム760は、常温より高く加熱され、ガムシート742の形成をより容易にし得る。その後、ガムシート742は、コンベヤーベルト718上を第2形成ステーションに向けて運ばれる。
【0335】
上流混合システム710は、以前の実施形態について上述したように種々の異なる菓子類を調製しうる。例えば、上流混合システム710はキャンディー形態を生産しうる。キャンディーは、その後キャンディーシート744に形成され、下部形成ドラム756を経てガムシート142の上に積層される。積層されたキャンディー シート744およびガムシート742は、その後形成ステーション712に移送される。上流混合システム706は種々の異なる菓子配合物を調製しうる。この実施形態において、上流混合システム706は、ガムを調製し形成ステーション712に供給する。形成ステーション712は、形成ステーション708と同様に形成ドラム752、758、762を用いて所望の厚さを有するガムシート746を形成する。ガムシート746はその後第3形成ドラム762によりキャンディーシート744上に積層され、ガム−キャンディー−ガムシート764を形成する。ガム−キャンディー−ガムシート764は、その後コンベヤーベルト718上を圧縮ローラー714に運ばれ、圧縮ローラー714は任意の表面の凹凸を滑らかにしおよび/またはガム−キャンディー−ガムシート764のクロスウェブ厚さを均一にする。
【0336】
本願明細書中で引用された公開公報、特許出願、および特許を含めたすべての参考文献は、各参考文献が個々におよび明確に参照により本願明細書に援用すると示され、かつその全体を本願明細書に示された場合と同じ程度に、参照により本願明細書に援用したものとする。
【0337】
本発明を記載することに関する(とりわけ添付の特許請求の範囲に関する)、用語「1つの(a)」および「1つの(an)」および「その、当該、前記(the)」および類似の指示語の使用は、本願明細書に特段の記載がない限り、または文脈と明らかに相反しない限り、単数および複数の両方を包含するというように解釈されたい。用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む、包含する(including)」、および「含有する、含む(containing)」は、特に注記しない限り、オープンエンド型の用語(すなわち、これらに限定されないが、「…を含む」を意味する)として解釈されたい。本願明細書中の値の範囲の記載は、本願明細書中に特段の記載がない限り、その範囲に入る各々の別々の値へ個々に言及することの簡潔な表記法としての役割を果たすことが意図されているだけであり、各々の別々の値が個々に本願明細書中に記載されたかのように、各々の別々の値が本願明細書に組み込まれる。本願明細書に記載されるすべての方法は、本願明細書中に特段の記載がない限り、または文脈と明らかに相反しない限り、いずれの適切な順序でも実施することができる。いずれかのおよびすべての例、または本願明細書に提示される例示のための言葉(例えば、「…など」)の使用は、本発明の理解をより容易にすることだけが意図されており、特段の主張がない限り、本発明の範囲に対して限定を加えるものではない。本願明細書中のどの言葉も、請求項に記載されていない要素のいずれかが本発明の実施にとって必須であるとして示していると解釈されるべきではない。
【0338】
本発明を実施するための、本発明者らが知る最良の態様を含む、好ましい本発明の実施形態が本願明細書に記載されている。それらの好ましい実施形態のバリエーションは、上記の説明を読めば、当業者に明らかとなるであろう。本発明者らは、当業者がそのようなバリエーションを適宜採用することを予想し、そして本発明者らは、本発明が本願明細書に具体的に記載されるものとは異なる態様で実施されることを意図している。従って、本発明は、適用法令によって許容される、添付の特許請求の範囲に記載される主題のすべての改変物および均等物を包含する。さらに、本発明のすべての可能なバリエーションにおける上記の要素のいずれの組み合わせも、本願明細書に特段の記載がない限り、または文脈と明らかに相反しない限り、本発明によって包含される。
図1
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