(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6247291
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】シリンジ用の包装
(51)【国際特許分類】
A61M 5/00 20060101AFI20171204BHJP
A61J 1/06 20060101ALI20171204BHJP
B65D 75/36 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
A61M5/00 512
A61J1/06 D
B65D75/36
【請求項の数】14
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-523131(P2015-523131)
(86)(22)【出願日】2013年7月11日
(65)【公表番号】特表2015-530128(P2015-530128A)
(43)【公表日】2015年10月15日
(86)【国際出願番号】US2013050009
(87)【国際公開番号】WO2014014728
(87)【国際公開日】20140123
【審査請求日】2016年4月20日
(31)【優先権主張番号】13/549,646
(32)【優先日】2012年7月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カリム マアサラニ
【審査官】
和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−168769(JP,A)
【文献】
特開平03−111267(JP,A)
【文献】
特開2001−104475(JP,A)
【文献】
特開2000−159266(JP,A)
【文献】
特開平11−334757(JP,A)
【文献】
特開平11−079241(JP,A)
【文献】
実開平06−025161(JP,U)
【文献】
実開昭58−029966(JP,U)
【文献】
米国特許第04524868(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/00
A61J 1/06
B65D 75/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンジと、ブリスター包装とを含む包装において、前記シリンジは、ある幅を有し且つフランジとフランジ領域を含む近位領域、ある幅を有する遠位領域、及び当該近位領域から当該遠位領域に延びるバレルを備えるシリンジであって、当該フランジ領域は、当該遠位領域及び当該フランジと当該フランジ領域とを除いた当該近位領域における幅よりも大きい幅を有し、当該シリンジは前記ブリスター包装によって囲まれており、当該ブリスター包装は、
支持体にシールされ、当該シリンジを包囲し且つ当該支持体の周辺にシールされた領域を提供する区画を画定する柔軟なウェブを備え、
当該シールされた領域は、ある幅を有する近位領域シール、ある幅を有する遠位領域シール及びある幅を有するフランジ領域シールであって、当該フランジ領域シール幅は、剥離タブなしに、当該シリンジが片手のみで当該包装から押し出されるのを可能にするために、当該シリンジを当該ブリスター包装から取出す際に、当該フランジ領域及び当該近位領域が当該遠位領域より前に当該包装を抜け出るように、当該遠位領域シール幅と比較して、当該フランジ領域に隣接して実質的に減少されていることを特徴とする包装。
【請求項2】
当該フランジ領域シールは、絞りの際に、当該フランジ領域が当該包装を抜け出るのを可能にする脱出ポイントを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の包装。
【請求項3】
当該フランジ領域シールは、脱出領域を提供し、及び当該シリンジが片手で当該包装から押し出されることを可能にする湾曲した半径を画定していることを特徴とする請求項1に記載の包装。
【請求項4】
当該脱出ポイントは、当該遠位領域シール幅と比較して低減されたシール幅を有する角度付けられたシール領域を画定していることを特徴とする請求項2に記載の包装。
【請求項5】
当該角度付けられたシール領域は、三角形の一点を含んでいることを特徴とする請求項4に記載の包装。
【請求項6】
当該角度付けられたシール領域は、四角形を形成している少なくとも二つの点を含んでいることを特徴とする請求項4に記載の包装。
【請求項7】
当該フランジ領域シール幅は、当該遠位領域シール幅と比較して、当該シリンジのフランジ領域に隣接してその遠位領域シール幅の少なくとも1/16だけ低減されていることを特徴とする請求項1に記載の包装。
【請求項8】
当該シリンジは無菌であることを特徴とする請求項1に記載の包装。
【請求項9】
シリンジと、ブリスター包装とを含む包装において、前記シリンジは、ある幅を有し且つフランジとフランジ領域を含む近位領域、ある幅を有する遠位領域、及び当該近位領域から当該遠位領域に延びるバレルを備えるシリンジであって、当該フランジ領域は、当該遠位領域及び当該フランジと当該フランジ領域とを除いた当該近位領域における幅よりも大きい幅を有し、当該シリンジは前記ブリスター包装によって囲まれており、当該ブリスター包装は、
支持体にシールされ、当該シリンジを包囲する区画を画定し且つ当該支持体の周辺にシールされた領域を提供する柔軟なウェブを備え、当該シールされた領域は、剥離タブなしに、片手のみで、当該シリンジが当該包装から押し出されるのを可能にするために、当該フランジに隣接する当該シールされた領域の幅が当該遠位領域における当該シールされた領域の幅と比較して低減されるように、当該フランジの形状に適合する形状を有することを特徴とする包装。
【請求項10】
当該フランジに隣接する当該シールされた領域の幅は、当該遠位領域における当該シールされた領域の幅と比較して、その遠位領域における当該幅の少なくとも1/16だけ低減されていることを特徴とする請求項9に記載の包装。
【請求項11】
当該シリンジは滅菌されていることを特徴とする請求項9に記載の包装。
【請求項12】
包装からシリンジを取出す方法であって、当該シリンジのフランジ領域と近位領域とが遠位領域よりも前に当該包装を抜け出るように、請求項1に記載の包装を当該フランジ領域において絞ることを含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
片手のみが当該フランジ領域において当該包装を絞るために使用されることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
当該シリンジは無菌であることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装、特に、シリンジを収納する包装で、当該シリンジを片手のみを用いて包装から取出すことができる包装に関する。
【背景技術】
【0002】
医療用途に特に有用な清潔すなわち無菌な物品は、その無菌性を維持するために包装されている。これらの物品のための包装には、微生物が包装の内側に侵入しその内容物を汚染するのを抑制するためのバリアを提供することが意図されている。多くの場合、物品が非滅菌状態にさらされている時間を最小限にするように、包装は、シリンジを収納しているブリスター包装によるように物品を使用する直前に開かれる。
【0003】
伝統的に、汚染を防止するために、当該シリンジは、従来のブリスター包装内に緩く配置されている。ブリスター包装は、汚染物質の侵入に対してシールし、シリンジの汚染を防止する囲いを提供している。しかしながら、従来のブリスター包装は、包装を開くのに、両手とナックルロール式剥離(knuckle-roll-peel)技術を必要としている。
【0004】
シリンジ包装を扱うには少ししか時間がない病院や他の医療機関などのペースの速い環境では、この両手での開き処理は煩雑で時間がかかるものである。医療技術者は、多くの場合に、一度に複数のタスクを実行しており、そして、従来のブリスター包装の設計のせいで、当該技術者は、シリンジを無菌で提示するためには、ブリスター包装を開くのに、彼らの両方の手を解放しなければならない。
【0005】
さらに、従来のブリスター包装を開くために必要な従来の両手でのナックルロール式剥離技術は、多くの場合、無菌性を損なう。包装は、間違った方向に、又は急いで開かれた場合、破れたり裂けたりする。この繊維引裂き(fiber tear)は、ブリスター包装材料の上部又は下部ウェブのいずれかの層間剥離である。このような引裂きは、シリンジ製品内に異物を導入し、当該シリンジを非無菌状態に露出させる。
【0006】
さらに、従来のブリスター包装は、当該包装が包装を開くのにユーザのための剥離タブを必要とすることから、かなりの量の材料を消費する。この余分な包装材料は、各シリンジ製品のコストの増大につながる。また、この追加的な包装は、その後、開封時に破棄される必要があり、病院又はその他の医療機関で生じる廃棄物の量の増加につながる。
【0007】
図1-4は、従来のシリンジ包装と従来のシリンジ包装の開封を示している。
図1及び
図2は、従来のシリンジ包装を示す図である。
図1を参照すると、包装2は、シリンジ4とブリスター包装6を含んでいる。ブリスター包装6は、支持体(backing)にシールされて、シリンジ4を収容するための区画を画定し、支持体の周辺にシールされた領域8を提供する柔軟なウェブを備えている。当該ブリスター包装はまた、シリンジを解放するためにブリスター包装を開くとき、技術者が用いるための少なくとも一つの剥離タブ9を含んでいる。
図2を参照すると、シールされた領域8の幅は、支持体の全周辺において等しい。言い換えれば、どのようなシール機構であっても、シールされた領域は、当該シリンジと全体の包装体6の周りの包装の縁部との間に同一の寸法を有している。
【0008】
図3及び
図4は、従来のシリンジ包装の開封を示している。
図3及び
図4を参照すると、ナックルロール運動によって、外側の包装材料が、両手を使って離れて剥離され、そして製品が解放される。言い換えると、包装2を開くために用いられる両手によるナックルロール式剥離技術は、包装2の剥離タブ9の両側に両手のナックルを置き、そしてシールをロールさせ剥離するために親指を使用し、ブリスター包装6とは別のシリンジ4を出現させるために、支持体から柔軟なウェブを剥離することを必要とする。この両手による開封は、包装を開封するのに技術者が両手を完全に自由にすることを要求するので、技術者にとっては非常に面倒で時間がかかるものである。さらに、従来のブリスター包装を開封するために必要とされた従来の両手によるナックルロール式剥離技術は、多くの場合、無菌性を損なう。包装は、間違った方向に、又は急いで開かれた場合、破れたり裂けたりする。この繊維引裂き(fiber tear)は、ブリスター包装材料の上部又は下部ウェブのいずれかの層間剥離である。このような引裂きは、シリンジ製品内に異物を導入し、当該シリンジを非無菌状態に露出させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
開封するのに両手によるナックルロール式剥離技術を必要とせず、開封するための剥離タブを含まない、シリンジを収容する包装を提供することは有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の態様は、シリンジを収納する包装に向けられている。本発明の第一の態様による包装は、シリンジと当該シリンジを取り囲むブリスター包装とを含む。当該シリンジは、典型的には、包装の内部で滅菌されるであろう。当該ブリスター包装は、支持体にシールされてシリンジを取り囲む区画を画成し、当該シリンジが当該包装から絞り出される(squeezed out)のを可能にする柔軟なウェブを含んでいる。当該シリンジの取出しのために提供する特徴は、シリンジが無菌性を損なうことなく片手のみで包装から取出されることを可能にしている。
【0011】
一つ以上の実施形態において、
シリンジと、ブリスター包装とを含む包装において、前記シリンジは、ある幅を有し、且つフランジとフランジ領域とを含む近位領域、ある幅を有する遠位領域、及び当該近位領域から当該遠位領域に延びるバレルを備え、当該フランジ領域は、当該遠位領域及び
当該フランジと当該フランジ領域とを除いた当該近位領域における幅よりも大きい幅を有している。当該シリンジは
前記ブリスター包装によって囲まれている。当該ブリスター包装は、支持体にシールされ、当該シリンジを包囲し且つ当該支持体の周辺にシールされた領域を提供する区画を画定する柔軟なウェブを備え、当該シールされた領域は、近位領域
シール幅、遠位領域
シール幅、及びフランジ領域
シール幅を画定しており、当該フランジ領域
シール幅は、
剥離タブなしに、当該シリンジが片手
のみで
当該包装から押し出されるのを可能にするために、当該シリンジを当該ブリスター包装から取出す際に、当該フランジ領域及び当該近位領域が当該遠位領域より前に
当該包装を抜け出るように、
当該遠位領域
シール幅と比較して、
当該フランジ領域に隣接して実質的に減少されている。
【0012】
一つ以上の実施形態では、当該フランジ領域
シール幅は、脱出ポイントを含んでいる。当該脱出ポイントは、絞りの際に、当該フランジ領域が包装を抜け出すのを可能にしている。脱出ポイントは、遠位領域
シール幅と比較して低減されたシール幅を有する角度付けられたシール領域を画定することができる。当該角度付けられたシール領域は、三角形の一点を含むことができ、又は当該角度付けられたシール領域は四角形を形成する少なくとも二つの点を含むことができる。
【0013】
一つ以上の実施形態では、当該フランジ領域
シール幅は、シリンジが片手で包装の外に押し出されるのを可能にする湾曲した半径を画定することができる。
【0014】
一つ以上の実施形態では、
当該フランジ領域
シール幅は、
当該遠位領域
シール幅に比べて
、当該シリンジのフランジ領域に隣接して低減されている。当該フランジ領域
シール幅は、
当該遠位領域
シールの幅と比較して、当該
シリンジのフランジ領域に隣接して
その遠位領域シール幅の少なくとも1/16、少なくとも1/8、少なくとも1/4、又は少なくとも1/2だけ低減されてもよい。
【0015】
本発明の第二の態様は、
シリンジと、ブリスター包装とを含む包装において、前記シリンジは、ある幅を有し、且つフランジとフランジ領域とを含む近位領域、ある幅を有する遠位領域、及び当該近位領域から当該遠位領域に延びるバレルを備えるシリンジであって、当該フランジ領域は、当該遠位領域及び
当該フランジと当該フランジ領域とを除いた当該近位領域における幅よりも大きい幅を有し、当該シリンジは
前記ブリスター包装によって囲まれてい
る。当該ブリスター包装は、支持体にシールされて、当該シリンジを包囲する区画を画定し、
当該支持体の周辺にシールされた領域を提供する柔軟なウェブを備え、当該シールされた領域は、
剥離タブなしに、片手のみで、当該シリンジが当該包装から押し出されるのを可能にするために、当該フランジに隣接する当該シールの幅が
当該遠位領域における
当該シールの幅と比較して低減されるように当該フランジの形状に適合する形状を有している。
【0016】
一つ以上の実施形態において、当該フランジに隣接する
当該シールの幅は、
当該遠位領域における
当該シールの幅と比較して低減されている。当該フランジに隣接する
当該シールの幅は、
当該遠位領域における
当該シールの幅と比較して、
その遠位領域における当該シールの幅の少なくとも1/16、少なくとも1/8、少なくとも1/4又は少なくとも1/2だけ低減されてもよい。
【0017】
本発明のさらなる態様は、包装からシリンジを取出す方法に向けられている。この方法は、ブリスター包装からシリンジを取出す際に、シリンジのフランジ領域及び近位領域が遠位領域よりも前に包装を抜け出るように、本発明の包装を片手で圧迫することを含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】従来のシリンジ包装と、包装に隣接するシリンジの斜視図である。
【
図3】従来のシリンジ包装を開封しているユーザ/医師を示す斜視図である。
【
図4】従来のシリンジ包装を開封しているユーザ/医師を示す側方斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るシリンジ包装の斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るシリンジ包装の平面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るシリンジ包装及びシリンジの平面図である。
【
図8】本発明の別の実施形態に係るシリンジ包装の平面図である。
【
図9】本発明の別の実施形態に係るシリンジ包装の平面図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係るシリンジ包装からシリンジを取出している、ユーザ/医師を示す斜視図である。
【
図11】
図10に示された包装を圧迫した後に、シリンジ包装からシリンジを取出している、ユーザ/医師を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、本発明は以下の説明に記載された構成又はプロセスステップの詳細に限定されないことが理解されるべきである。本発明は、他の実施形態及び様々な方法で実施又は実行されることが可能である。
【0020】
本開示で使用される用語については、以下の定義が提供される。
【0021】
本明細書で使用する場合、「一つ」及び「当該」の使用は、単数形と複数形とを含んでいる。
【0022】
「シリンジ」への言及は、針、ノズル、チューブと共に使用するため、又はフラッシュシステムでの使用のために示されているシリンジを含んでいる。本明細書で用いられる用語、「シリンジ」は、バレルないしは管体内に緊密に嵌合するプランジャロッドからなる、単純なポンプのような装置を指す。当該プランジャロッドは、バレルの内側に沿って引っ張り又は押され、当該シリンジは、バレルの開放端部における開口を介して液体又は気体を取り入れ、且つ排出することできる。シリンジの開放端部には、バレルへの又はそれからの流体の流れを助けるために、針、ノズル、又はチューブを装着することができる。シリンジは、技術者のニーズに応じて、無菌又は非無菌であってもよい。
【0023】
本明細書で使用する用語「包装」又は「包装する」は、シリンジなどの、商品又は製品を保護するために使用される任意の材料を含む。包装は、剛性又は可撓性であってもよい。包装は、これらに限定はされないが、医療包装、医薬品包装、及び子供には扱えない(child-resistant)包装を含んでいる。医療及び医薬品包装は、ブリスター包装を含むことができる。
【0024】
本明細書で使用する用語「ブリスター包装」又は「ブリスターパック」とは、消費材、食品、医薬品、医療機器等に使用される、予め形成された包装のいくつかの種類を含む。ブリスター包装の主要な構成要素は、通常、熱成形プラスチックである成形可能なウェブから作られたキャビティ又はポケットである。当該成形可能なウェブは、剛性又は可撓性であってもよい。当該キャビティ又はポケットは、ブリスター包装に収容される商品を包含するのに十分な大きさである。用途に応じて、ブリスター包装は、熱成形可能な材料の支持体と、アルミ箔、紙、Tyvek(登録商標)、プラスチック、又は他の医療グレードの材料の蓋シールとを有することができる。ブリスター包装はまた、板紙などの硬質支持体を含むことができる、ヒンジ連結されたクラムシェル容器であってもよい。 ブリスター包装は、微生物及び他の汚染物質からのバリア保護を提供し、且つある程度の不正開成防止性を提供することができる。ブリスター包装が提供する多くのオプションの中で、ブリスター包装は、自動処理を可能にする特性をまだ保有しながら、内部に含まれている製品を保護する必要がある。
【0025】
ブリスター包装は一般に、医薬錠剤、カプセル、又はトローチ剤の単位用量包装として使用される。医薬品及びそのブリスター包装は、一体型ユニットとして役目を果すべく一緒に働く。ブリスター包装は、医薬品の製造業者が製袋充填装置を使用して包装化することを可能にしながら、そうしないと製品を無駄にするであろう外部の影響から医薬品を保護する。製袋充填プロセスは、平坦なシート又はフィルムのロールからブリスター包装を作成し、薬物の錠剤のような医薬品を充填し、そして閉じる(シールする)ことを含んでいる。このタイプのブリスター包装は、時々、プッシュスルー包装(push-through-pack)と呼ばれている。消費者は商品(例えば、薬物錠剤)を、支持体を通して押すことができるからである。医薬のブリスター包装では、製造業者は、ブリスター包装の水蒸気透過率に関心を払わなければならない。多くの医薬品が加水分解によって性能低下し、その有効性を失うからである。加えて、ブリスター包装は、酸化による医薬品の劣化を防止するために、酸素に対するバリアを提供しなければならない。一つ以上の実施形態において、ブリスター包装は、プッシュスルー包装である。
【0026】
シリンジなどの医療機器を包含するブリスター包装は、医薬品のブリスター包装とは異なる。医療用ブリスター包装は、プッシュスルー包装でないからである。代わりに、熱成形されたベースウェブがより厚いプラスチックで作られ、折り畳まれることができずに、中実の支持体を形成している。蓋のフィルムは、例えば、ナックルロール式剥離技術のような両手を用いて剥離して開かれることができるピールオープン機能を提供している。医療用ブリスター包装の当該蓋フィルムは、滅菌を可能にするために、一般的に多孔性である。多くの場合、医療用ブリスター包装は、Tyvek(登録商標)又は気体に対して通気性及び透過性であるが、微生物に対しては透過性でない同様の医療グレードの材料で作られている。蓋フィルムはまた、医療グレードの紙又は完全に非透過性又は非通気性のフィルムから作ることができる。非通気性フィルムが使用される場合には、滅菌は、放射線(例えば、電子ビーム(Eビーム))によるものである。一つ以上の実施形態において、当該ブリスター包装は、医療用ブリスター包装である。
【0027】
ブリスター包装は、熱成形又は冷間成形によって作成することができる。熱成形の場合には、プラスチックフィルム又はシートがリールから巻き出され、ブリスターライン上の予備加熱ステーションを通って案内される。予備加熱プレートの温度は、プラスチックが軟化し、成形しやすくなるような温度である。暖かいプラスチックはその後、大きな圧力が負の金型内にブリスターキャビティを形成する成形ステーションに到達する。当該金型は、プラスチックが再び固まり、金型から取出されるときにその形状を維持するように冷却される。
【0028】
冷間成形の場合には、アルミニウムベースのラミネートフィルムが、単にスタンプによって金型に押し込まれる。当該アルミニウムは、伸長し、形成された形状を維持する。アルミニウムを使用することは、水や酸素に対しての完全なバリアを提供する。しかしながら、冷間成形のブリスター包装は、熱成形に比べて製造するために長い時間がかかる。冷間成形のブリスター包装はまた透明ではなく、医薬品の治療法に適合していない消費者につながる。
【0029】
医療用ブリスター包装の熱成形可能な支持体は、一般に、柔軟な熱成形可能なプラスチックフィルムで構成されている。当該フィルムは、多くの場合、多層である。主要な構成要素は、普通は約15〜30%のナイロンの層である一方、残りの層は、限定されないが、ポリエチレンを含む物質を含むことができる。シーラント層は、とりわけ、エチルビニルアセテート(EVA)を含むことができる。
【0030】
医療用ブリスター包装の蓋フィルムは、プラスチック、アルミニウム、又は滅菌のために気体に対して透過性であるが、微生物に対しては不透過性である医療グレードの紙で作ることができる。最も一般的には、医療用ブリスター包装の蓋材料として、Tyvek(登録商標)が使用される。
【0031】
ブリスター包装はまた、板紙又は他の支持体材料と製品が透明なプラスチックの薄いシートで覆われているスキンパックを含むことができる。当該支持体は、一般に熱シールコーティング(heat-seal coating)を有している。当該プラスチックフィルムは、熱で軟化され、支持体上の製品を覆ってかけられる。ぴったりとした嵌めを補助するために、真空が時々使用される。ブリスターを形成した直後に、ブリスターは、真空引きされ、ブリスターが閉鎖シールされる真空シールステーションに搬送され、ぴったりとした嵌めをもたらす。当該プラスチックフィルムは、板紙又は他の支持体上の熱シールコーティングに結合している。一つ以上の実施形態において、ブリスター包装は、真空シールされた熱成形ブリスター包装である。
【0032】
ブリスター包装は、限定されないが、熱シール及び冷間シールを含む、さまざまな方法でシールされてもよい。蓋の材料は、それらに適用される熱シールコーティングを有することができる。蓋は、その後コーティングを活性化させる熱を使用して、支持体にシールされる。ブリスター包装はまた、感圧性の折り重ねブリスターカードと透明なブリスターの組み合わせを使用する冷間シールプロセスを用いてシールされてもよく、当該ブリスターは、如何なる熱も使用せずに加圧下で接合されている二枚の板の間に閉じ込められる。また、ブリスター包装は、シールするために、フィルムの複数の層を適切に配向させることによりシールされてもよい。
【0033】
本明細書中で使用されるとき、「微生物」という用語は、単細胞であるか、細胞生物のコロニーに生きている微生物又は生物を指す。微生物は非常に多様であり、それらは、これらに限定されるわけではないが、細菌、真菌(fungi)、古細菌(archaea)、及び原生動物(protozoan)を含んでいる。
【0034】
Tyvek(登録商標)は、フラッシュ紡糸(flashspun)高密度ポリエチレン繊維(すなわち、スパンバウンド(spunbound)オレフィン繊維)からなる合成材料である。当該材料は、軽量で強く、引き裂きに対して耐性であるが、はさみ又はナイフで切断することができる。当該材料は通気性に優れているので、水蒸気及び他の気体は、Tyvek(登録商標)を通過することができるが、同時に、当該材料は液体の水と微生物に対しては不透過性である。
【0035】
本明細書において、用語「滅菌」とは、無菌すなわち無菌の微生物環境を達成するために、このような表面上に存在する、流体中、又は生物学的培地のような化合物内に含まれている微生物を排除又は死滅させる手段を指す。滅菌は、熱、化学物質、照射/放射、高圧、ろ過、又はそれらの組合せを適用することによって達成することができる。化学滅菌は、エチレンオキサイド、過酸化水素気体、及びオゾンなどの気体、及び塩素系漂白剤、ヨウ素、グルタルアルデヒド及びホルムアルデヒドの液体、オルトフタルアルデヒド(OPA)、過酸化水素、過酢酸、水酸化ナトリウム、銀、及びコバルトでの滅菌処理を含む。放射線滅菌は、電子ビーム(Eビーム)、X線、ガンマ線、又は亜原子粒子放射線の使用を伴う。
【0036】
本明細書で使用する用語「ナックルロール式剥離技術」は、医師又は看護師等の技術者が、それによって中に含まれる製品を放出するために包装を開く、プロセスを指す。ナックルロールの動きによって、外側の包装材料は、両手を使って離れて剥離され、内側の製品が放出される。
【0037】
シリンジの無菌性を維持しながら、片手のみでブリスター包装を開くための要素を取り入れたブリスター包装により囲まれたシリンジを含む包装が提供される。本発明の一つ以上の実施形態に係る包装は、従来の両手使いの包装よりも少ない材料を使用している。従来の包装は、ユーザ/技術者が包装を開くのを可能にするために、当該技術者によるナックルロール式剥離技術で使用される剥離タブを必要としている。当該剥離タブは、かなりの量の追加の包装材料を提供し、その結果、病院や他の医療機関での増加廃棄物の発生をもたらしている。例えば、各10mLのルアーロックシリンジにおいては、上下両方のウェブ材料に1平方インチの追加物が存する。したがって、剥離タブを排除することによって、本発明の包装は、世界的な廃棄物の40億平方インチ分の低減をもたらすことができる。廃棄物の削減は、コスト削減につなげることができる。さらに、本発明の片手式の包装は、従来の包装よりも少ない煩雑さで、かつ無菌性を損なわない。
【0038】
図5及び
図6は、本発明の一つ以上の実施形態に係るシリンジ包装を示している。
図5を参照すると、包装10は、ある幅を有し、フランジ16とフランジ領域18を含む近位領域14、ある幅を有する遠位領域20、近位領域14から遠位領域20に延在するバレル22を備えるシリンジ12を含んでおり、フランジ領域18が遠位領域20と近位領域14における幅よりも大きい幅を有している。シリンジ12は、ブリスター包装30によって囲まれる。一つ以上の実施形態においては、シリンジ12は無菌である。
【0039】
続いて、
図5及び
図6を参照するに、ブリスター包装30は、支持体34に対してシールされてシリンジ12を包囲するための区画36を画定し、そして支持体34の周辺にシールされた領域38をもたらす柔軟なウェブ32を含んでいる。当該シールされた領域38は、幅W1を有する近位領域シール40、幅W2を有する遠位領域シール42、及び幅W3を有するフランジ領域シール44を画定している。フランジ領域のシール幅W3は、シリンジが片手で包装から押し出されるのを可能にするために、遠位領域のシール幅W2に比べてフランジ領域18への隣接箇所で実質的に減少されている。ブリスター包装30からシリンジ12を取外す際には、シリンジのフランジ領域18及び近位領域14が遠位領域20より前に包装10から抜け出る。
【0040】
柔軟なウェブ32は、これらに限定されないが、ポリエチレン、エチルビニルアセテート(EVA)を備えるナイロン系フィルムを含む、柔軟な熱成形可能なプラスチックのようなプラスチックフィルムであってもよい。支持体34は、Tyvek(登録商標)又は紙又は可撓性フィルムなどの他の医療グレード材料であってもよい。柔軟なウェブ及び支持体の材料は、放射線及び気体透過性であるが、微生物に対しては透過性ではない。したがって、一つ以上の実施形態による包装は、滅菌することができる。
【0041】
図6を参照するに、一つ以上の実施形態において、包装10は、フランジ領域シール44に沿って脱出ポイント50を含むことができる。脱出ポイント50は、圧迫時に、フランジ領域18が包装10を抜け出すのを可能にしている。脱出ポイント50での保持力は、ブリスター包装30内に包含されるシリンジ12の種類に応じて変化するであろう。例えば、1/2 mLシリンジがブリスター包装30に含まれている場合には、10 mLシリンジがブリスター包装30内に含まれている場合よりも、より小さい保持力が脱出ポイント50で必要とされるであろう。言い換えれば、保持力は、一つ又は複数の実施形態において、より大きなシリンジ製品についてはより大きくなる。脱出ポイント50は、シリンジ製品の設計の鋭さを活用することが意図されており、従って、一般的に、フランジ領域18に一致している。脱出ポイント50の設計は、異なる医療製品(すなわち、シリンジ)に応じて、特に、シリンジ12の大きさ及び形状に関して、最適化される。脱出ポイント50は、シールされたブリスター包装30の残りの部位の保持力よりも小さい保持力を有している。ブリスター包装のシールを破壊するのに必要な全エネルギーはほぼ同じであるが、脱出ポイント50を介してシリンジ製品12を取出すために必要なエネルギーは、シリンジが、シールに沿う他の点でブリスター包装30を抜け出すであろう場合よりも極めて少ない。
【0042】
一つ以上の実施形態では、フランジ領域のシール幅W3は、フランジ領域18に隣接して、遠位領域のシール幅W2と比較して少なくとも1/16だけ低減されている。一つ以上の実施形態では、フランジ領域のシール幅W3は、フランジ領域に隣接して、遠位領域のシール幅W2と比較して少なくとも1/8だけ低減されている。一つ以上の実施形態では、フランジ領域のシール幅W3は、フランジ領域に隣接して、遠位領域のシール幅W2と比較して少なくとも1/4だけ低減されている。一つ以上の実施形態では、フランジ領域のシール幅W3は、フランジ領域に隣接して、遠位領域のシール幅W2と比較して少なくとも1/2だけ低減されている。
【0043】
図7を参照するに、一つ以上の実施形態では、シールされた領域138は、幅W1を有する近位領域シール140、幅W2を有する遠位領域シール142、及び幅W3を有するフランジ領域シール144を画定している。フランジ領域のシール幅W3は、シリンジが片手で包装から押し出されるのを可能にするために、遠位領域のシール幅W2に比べてフランジ領域への隣接箇所で実質的に減少されている。一つ以上の実施形態において、ブリスター包装130のフランジ領域のシール144は、脱出領域150を提供し、遠位領域のシール幅W2に比べて低減されたシール幅W3を有する、湾曲した半径146を画定している。当該脱出領域150は、シリンジが片手で包装から押し出されるのを可能にする。脱出領域150における保持力は、ブリスター包装130内に含まれるシリンジのタイプに依存して変化する。より大きく又はより重いシリンジは、より小さく又はより軽いシリンジよりも、より高い/より大きな保持力を必要とする蓋然性が高い。一つ以上の実施形態では、フランジ領域のシール幅W3は、フランジ領域18に隣接して、遠位領域のシール幅W2と比較して少なくとも1/16だけ低減されている。一つ以上の実施形態では、フランジ領域のシール幅W3は、フランジ領域に隣接して、遠位領域のシール幅W2と比較して少なくとも1/8だけ低減されている。一つ以上の実施形態では、フランジ領域のシール幅W3は、フランジ領域に隣接して、遠位領域のシール幅W2と比較して少なくとも1/4だけ低減されている。一つ以上の実施形態では、フランジ領域のシール幅W3は、フランジ領域に隣接して、遠位領域のシール幅W2と比較して少なくとも1/2だけ低減されている。
【0044】
図8を参照するに、一つ以上の実施形態では、シールされた領域238は、幅W1を有する近位領域シール240、幅W2を有する遠位領域シール242、及び幅W3を有するフランジ領域シール244を画定している。フランジ領域のシール幅W3は、シリンジが片手で包装から押し出されるのを可能にするために、遠位領域のシール幅W2に比べてフランジ領域への隣接箇所で実質的に減少されている。一つ以上の実施形態では、フランジ領域のシール244に沿う脱出ポイント250が、遠位領域のシール幅W2に比べて低減されたシール幅W3を有する角度付けられたシール領域246を画定している。当該角度付けられたシール領域246は、三角形の一点を含むことができる。当該脱出ポイント250は、シリンジが片手で包装から押し出されるのを可能にする。脱出ポイント250における保持力は、ブリスター包装230内に含まれているシリンジのタイプ、及び包装化されたブリスターを作るために使用される材料に応じて変化する。一つ以上の実施形態では、フランジ領域のシール幅W3は、フランジ領域18に隣接して、遠位領域のシール幅W2と比較して少なくとも1/16だけ低減されている。一つ以上の実施形態では、フランジ領域のシール幅W3は、フランジ領域に隣接して、遠位領域のシール幅W2と比較して少なくとも1/8だけ低減されている。一つ以上の実施形態では、フランジ領域のシール幅W3は、フランジ領域に隣接して、遠位領域のシール幅W2と比較して少なくとも1/4だけ低減されている。一つ以上の実施形態では、フランジ領域のシール幅W3は、フランジ領域に隣接して、遠位領域のシール幅W2と比較して少なくとも50%だけ低減されている。一つ以上の実施形態において、シリンジは無菌である。
【0045】
図9を参照するに、一つ以上の実施形態では、シールされた領域338は、幅W1を有する近位領域シール340、幅W2を有する遠位領域シール342、及び幅W3を有するフランジ領域シール344を画定している。フランジ領域のシール幅W3は、シリンジが片手で包装から押し出されるのを可能にするために、遠位領域のシール幅W2に比べてフランジ領域への隣接箇所で実質的に減少されている。一つ以上の実施形態では、フランジ領域のシール344に沿う脱出ポイント350が、遠位領域のシール幅W2に比べて低減されたシール幅W3を有する角度付けられたシール領域346を画定している。当該角度付けられたシール領域346は、四角を形成している少なくとも二点を含むことができる。当該脱出ポイント350は、シリンジが片手で包装から押し出されるのを可能にする。脱出ポイント350における保持力は、ブリスター包装330内に含まれているシリンジのタイプに応じて変化する。より大きく又はより重いシリンジは、より小さく又はより軽いシリンジよりも、より高い/より大きな保持力を必要とする蓋然性が高い。一つ以上の実施形態では、フランジ領域のシール幅W3は、フランジ領域18に隣接して、遠位領域のシール幅W2と比較して少なくとも1/16だけ低減されている。一つ以上の実施形態では、フランジ領域のシール幅W3は、フランジ領域に隣接して、遠位領域のシール幅W2と比較して少なくとも1/8だけ低減されている。一つ以上の実施形態では、フランジ領域のシール幅W3は、フランジ領域に隣接して、遠位領域のシール幅W2と比較して少なくとも1/4だけ低減されている。一つ以上の実施形態では、フランジ領域のシール幅W3は、フランジ領域に隣接して、遠位領域のシール幅W2と比較して少なくとも1/2だけ低減されている。
【0046】
図5及び
図6を参照するに、本発明の第二の態様は、典型的には無菌である、シリンジ12を備える包装10に向けられており、シリンジ12は、ある幅を有して、フランジ16とフランジ領域18とを含んでいる近位領域14、ある幅を有している遠位領域20、及び近位領域14から遠位領域20まで延在するバレル22を含み、フランジ領域18は、遠位領域20及び近位領域14における幅よりも大きい幅を有している。当該シリンジ12は、ブリスター包装30によって囲まれている。
【0047】
ブリスター包装30は、支持体34に対してシールされてシリンジ12を包囲するための区画36を画定し、そして支持体34の周辺にシールされた領域38を提供する柔軟なウェブ32を含んでいる。シールされた領域38は、当該フランジに隣接するシールされた領域の幅W3が、遠位領域におけるシールされた領域の幅W2に比べて低減されるように、フランジ16の形状に適合する形状を有している。一つ以上の実施形態において、シリンジ12は無菌である。当該シリンジ12は、一方の手で包装30の外に絞り出すことができる。ブリスター包装30からのシリンジ12の取出しの際、フランジ領域18及び近位領域14は遠位領域20よりも前に包装10を抜け出る。一つ以上の実施形態では、フランジ領域のシール幅W3は、フランジ領域18に隣接して、遠位領域のシール幅W2と比較して少なくとも1/16だけ低減されている。一つ以上の実施形態では、フランジ領域のシール幅W3は、フランジ領域に隣接して、遠位領域のシール幅W2と比較して少なくとも1/8だけ低減されている。一つ以上の実施形態では、フランジ領域のシール幅W3は、フランジ領域に隣接して、遠位領域のシール幅W2と比較して少なくとも1/4だけ低減されている。一つ以上の実施形態では、フランジ領域のシール幅W3は、フランジ領域に隣接して、遠位領域のシール幅W2と比較して少なくとも1/2だけ低減されている。
【0048】
本発明のさらなる態様は、包装からシリンジを取出す方法に向けられている。
図10及び
図11を参照するに、本方法は、フランジ領域418において包装410を圧迫することを含む。包装410が圧迫されると、シリンジ412のフランジ領域418と近位領域414とが、シリンジ412の遠位領域420よりも前に包装410を抜け出る。一つ以上の実施形態においては、シリンジ412は無菌である。一つ以上の実施形態において、包装410は、フランジ領域418において片手460のみでもって圧迫される。包装を片手のみで開くことは、技術者にとってあまり面倒ではなく、技術者が追加のタスクのために、彼/彼女の他の利用可能な手を使用することを可能にする。
【0049】
本発明が本明細書の特定の実施形態を参照して説明されたが、これらの実施形態は、本発明の原理及び用途の単なる例示であることが理解されるべきである。したがって、多くの修正が例示的な実施形態に対してなされ得、開示されているような本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、他の構成が考案され得ることが理解されるべきである。