特許第6247346号(P6247346)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6247346
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】PLCシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/54 20060101AFI20171204BHJP
   G05B 19/05 20060101ALI20171204BHJP
   G06F 15/173 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
   G06F9/46 480A
   G05B19/05 S
   G06F15/173 665D
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-122579(P2016-122579)
(22)【出願日】2016年6月21日
(65)【公開番号】特開2017-10556(P2017-10556A)
(43)【公開日】2017年1月12日
【審査請求日】2016年6月21日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0088339
(32)【優先日】2015年6月22日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス産電株式会社
【氏名又は名称原語表記】LSIS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ギョン・ヨオン
(72)【発明者】
【氏名】キ‐ミュン・キム
【審査官】 田中 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−157506(JP,A)
【文献】 特開2002−63060(JP,A)
【文献】 特開2002−353960(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/068382(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 9/54
G05B 19/05
G06F 15/173
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1MAC通信階層を含み、CPUの動作に必要なデータを生成し、前記生成されたデータのうちの第1データに基づいて下位系統のシステムに対する制御動作を行い、前記生成されたデータのうちの第2データを前記第1MAC通信階層を介して第2CPUに伝送する第1CPUと、
前記第1MAC通信階層を介して前記第2データを受信する第2MAC通信階層を含み、CPUの動作に必要なデータを生成し、前記生成されたデータのうちの前記第2データ及び前記第1CPUから受信した前記第2データの少なくとも一方に基づいて前記制御動作以外のサービス動作を行い、前記生成されたデータのうちの前記第1データを前記第2MAC通信階層を介して前記第1CPUに伝送する第2CPUと、を備え、
前記第1CPUは、前記第2CPUに伝送する前記第2データを予め設定された領域に記憶する制御メモリが接続され、前記第2CPUは、ダイレクトメモリアクセス方式により前記制御メモリの予め設定された領域に記憶された前記第2データを取得し、
前記第2CPUは、前記第1CPUに伝送する前記第1データを予め設定された領域に記憶するサービスメモリが接続され、前記第1CPUは、ダイレクトメモリアクセス方式により前記サービスメモリの予め設定された領域に記憶された前記第1データを取得するPLCシステム。
【請求項2】
前記第1データが、前記第1CPUの制御動作に必要であり、前記第2データが、前記第2CPUのサービス動作に必要である請求項1に記載のPLCシステム。
【請求項3】
前記第2CPUは、イーサネット(登録商標)方式に基づいて前記第1MAC通信階層及び前記第2MAC通信階層を介して前記第1CPUから前記第2データを受信する請求項2に記載のPLCシステム。
【請求項4】
前記第2CPUは、前記第2データを取得するイーサネット制御モジュールをさらに備える請求項3に記載のPLCシステム。
【請求項5】
前記制御動作は、ロジック制御、モーション制御、時間同期化制御、通信制御、及び入出力部制御動作の少なくともいずれか一つの制御動作を含む請求項1から4のいずれか一項に記載のPLCシステム。
【請求項6】
前記サービス動作は、ITサービスを提供する動作、及び付加サービスを提供する動作の少なくともいずれか一方の動作を含む請求項1から5のいずれか一項に記載のPLCシステム。
【請求項7】
前記第1MAC通信階層と前記第2MAC通信階層の少なくとも一方を介してデータを受信する第3MAC通信階層を備える第3CPUをさらに含む請求項1〜6のいずれか1項に記載のPLCシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PLCシステムに関し、より具体的には、PLCシステムのCPUに関する。
【背景技術】
【0002】
産業の発達に伴い、電力の需要が増大し、昼間と夜間の負荷格差および季節間、休日間の電力使用量の格差が徐々に拡大して、負荷率の低下が益々著しくなっている。
【0003】
近年、このような理由により余剰電力を活用してピーク負荷を削減するために様々な負荷管理技術が迅速に開発されているが、このような技術における代表的なものとして、電池電力貯蔵システム(Battery Energy Storage System)がある。
【0004】
電池電力貯蔵システムは、夜間の余剰電力や風力、太陽光などから発電した余剰電力を貯蔵しておき、ピーク負荷または系統事故の際に貯蔵された電力を放電して負荷に電力を供給する。
【0005】
これにより、最大負荷の削減と負荷平準化を図ることができる。
【0006】
特に、近年、様々な新再生可能エネルギー源の出現により目立っているスマートグリッド(次世代電力網)にもこのような電池電力貯蔵システムを用いることができる。
【0007】
一方、このような電池電力貯蔵システムのPLC(Programmable Logic Controller)を用いた制御システムは、日々精巧且つ迅速なものになっており、また、IT技術と結びついた付加機能が多く求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
精巧な制御のためには、予測可能なPLCの動作が伴われるべきであるが、数多くのIT技術と結びつくことで、PLCのCPUの負荷となり、これは、PLCの予測可能な動作を困難にする。
【0009】
これに伴い、PLCのCPUを、制御機能を担当するためのメイン(main)CPUとその他の機能を担当するためのサブ(sub)CPUとに分け、メインCPUのみがPLCの制御機能を担当するようにし、PLCの制御動作をよりスムーズに進めるようにしている。
【0010】
しかしながら、このようなデュアルCPU(メインCPU及びサブCPU)を運用するにあたり、各CPU(メインCPUとサブCPU)の間にデータ共有のための高価のDPRAM(Dual Port Ram)が必要となる。また、二つのCPUの間のデータ共有のための遅延時間(delay time)が発生する原因となる。
【0011】
本発明は、上記問題を解決することを目的とする。また、本発明の他の目的は、PLCシステム内の二つのCPUを制御することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態に係るPLCシステムは、第1MAC(Media Access Control)通信階層を含み、CPUの動作に必要なデータを生成し、前記生成されたデータに基づいて制御動作を行い、前記生成されたデータを前記第1MAC通信階層を介して第2CPUに伝送する第1CPUと、前記第1MAC通信階層を介して前記生成されたデータを受信する第2MAC通信階層を含み、前記受信したデータに基づいてサービス動作を行う第2CPUと、を備え、前記第1CPUは、前記第2CPUに伝送するデータを予め設定された領域に記憶するメモリが接続され、前記第2CPUは、ダイレクトメモリアクセス(DMA)方式により前記メモリの予め設定された領域に記憶された前記データを受信する。
【0013】
本発明の実施形態によれば、一つのCPUの代わりに二つのCPUを使用することで、より安定した制御サービスを提供することができる。
【0014】
また、本発明の実施形態によれば、二つのCPUの間においてMAC通信を用いてデータを共有することで、追加費用または遅延時間を節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係るPLC制御部の構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態に係る制御CPUの構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係るサービスCPUの構成を示すブロック図である。
図4】本発明の実施形態に係る制御CPUとサービスCPUとの間のデータ交換動作を示すブロック図である。
図5】本発明の実施形態に係る制御CPUとサービスCPUとの間におけるETHERNET(登録商標) MACを介するデータ交換動作を示すブロック図である。
図6】本発明の実施形態に係る制御CPUと、サービスCPUと、複数のメモリとの間のデータ交換動作を示すブロック図である。
図7】本発明の実施形態に係る制御CPU、サービスCPU、セキュリティCPU、および各CPUの間のデータ交換動作を示すブロック図である。
図8】本発明の一つの実施形態に係るエネルギー貯蔵システムの構成を示すブロック図である。
図9】本発明の一つの実施形態に係るPLCモジュールおよびエネルギー貯蔵システム内の構成要素を図示しているブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、本発明の具体的な実施形態について図面を参照して詳細に説明する。しかしながら、本発明の思想は提示される実施形態に限定されず、他の構成要素の追加、変更、削除などにより退歩的な他の発明や、本発明の技術思想の範囲内に含まれる他の実施形態を容易に提案することができる。
【0017】
本発明を説明するにあたり、関連する公知技術に関する具体的な説明は、適宜省略する。また、本明細書における説明の過程で用いられる数字(例えば、第1、第2など)は、一つの構成要素を他の構成要素と区分するための識別記号に過ぎない。
【0018】
本発明において使用される用語は、可能な限り現在広く使用される一般的な用語を選択して用いているが、特定の場合には、出願人が任意に選定した用語もあり、この場合、当該発明の説明の部分においてその意味を詳細に記載しており、単純な用語の名称ではなく用語が有する意味として本発明は把握されるべきある。
【0019】
また、本明細書において、一構成要素が他の構成要素と「連結される」または「接続される」などと言及されている場合には、一構成要素が他の構成要素と直接連結されるか、または直接接続されることもあるが、特別に反対の記載が存在しない以上、中間にさらに他の構成要素を介して連結されるか、または接続されることもあると理解すべきである。
【0020】
すなわち、以下の説明において、「含む」や「備える」や「有する」という単語は、述べられたものと異なる構成要素または段階の存在を排除しない。
【0021】
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して詳細に説明する。本発明を説明するにあたり、全体的な理解を容易にするために、図面番号に関係なく同じ手段については同じ参照番号を使用する。
【0022】
以下、図1図3を参照して、本発明の実施形態に係るPLC制御部201の構成および動作について説明する。
【0023】
図1は本発明の実施形態に係るPLC制御部201の構成を示すブロック図である。
【0024】
図1を参照すると、PLC制御部201は、制御CPU210と、サービスCPU220とを備えることができる。
【0025】
制御CPU210は、PLC制御部201の動作のうち、下位系統に対する制御動作(例えば、時間同期化制御動作)を行うことができる。一方、サービスCPU220は、PLC制御部201の動作のうち、制御動作以外のすべての動作(例えば、ITサービスに対する制御動作)を行うことができる。
【0026】
より詳細には、制御CPU210は、PLC制御部201の動作のうち、制御動作を行うように構成され、サービスCPU220は、PLC制御部201の動作のうち、制御動作以外のすべての動作を行うように構成される。
【0027】
すなわち、制御CPU210とサービスCPU220は、PLC制御部201内でそれぞれ別々に構成されることができ、それぞれ設定された動作をそれぞれ独立して行うことができる。
【0028】
PLC制御部201の動作のうち、下位系統に対する制御動作を制御CPU210が行い、サービスCPU220が、制御動作以外の残りのすべての動作を行う。これにより、PLC制御部201の制御動作が、外部の影響(例えば、割り込み(インタラプト))を受けることなく、安定して行うことができるという利点がある。
【0029】
図2は本発明の実施形態に係る制御CPU210の構成を示すブロック図である。
【0030】
図2に図示されているように、制御CPU210は、CPU内の各制御部の役割に応じて、ロジック制御部(logic制御部)213と、時間同期化制御部214と、IO制御部(Input Output制御部)215と、モーション制御部216と、通信制御部217とを備えることができる。
【0031】
ロジック制御部213は、制御CPU210内で予め記憶されたロジック(logic)を行い、時間同期化制御部214は、下位系統であるPCSモジュールまたはバッテリーモジュールの制御の基礎となる時間を同期化する。次に、IO制御部215は、PLC制御部201への入力動作(例えば、入出力部(HMI)を介する命令入力)およびPLC制御部201からの出力動作(例えば、イベント通知警報音出力)を制御する。
【0032】
モーション制御部216は、PLC制御部201の制御命令に基づいて動作される各設備(例えば、バッテリーモジュール)のモーション(motion)または特定の動作を制御する。一方、通信制御部217は、PLC制御部201と下位系統(例えば、BMS)または上位系統(例えば、EMS)とのデータ交換動作を制御する。
【0033】
図3は本発明の実施形態に係るサービスCPU220の構成を示すブロック図である。
【0034】
図3に図示されているように、サービスCPU(サービス制御部)220は、サービスの種類に応じて、ITサービス制御部223と、付加サービス制御部228とを備えることができる。
【0035】
ITサービス制御部223は、PLC制御部201内の動作のうち、IT(Internet technology)に関する動作(例えば、ウェブサーバに対する制御)を行うように構成される。付加サービス制御部228は、PLC制御部201に接続された外部装置(例えば、USB(Universal Serial Bus)装置)を認識するように構成される。
【0036】
ITサービス制御部223は、ITセキュリティ制御部(ITセキュリティCPU)224と、ウェブサーバ制御部(ウェブサーバCPU)226と、FTP制御部(FTP CPU)225と、HTTP制御部(HTTP CPU)227とを備えることができ、ITサービスに関する動作を制御するように構成される。
【0037】
ITセキュリティ制御部224は、ITサービスの提供時のセキュリティサービスに対する制御動作を行い、ウェブサーバ制御部226は、当該PLC制御部201と接続されたウェブサーバ(web server)(図示せず)を制御する。FTP制御部225およびHTTP制御部227は、それぞれ、FTP(file transfer protocol)またはHTTP(hyper terminal transfer protocol)を介するインターネット接続動作を制御する。
【0038】
付加サービス制御部228は、USBポートを介して接続されたUSB装置に対する制御動作を行うUSB制御部(USB CPU)229Aと、SDカード装置に対する制御動作を行うSD card制御部(SD card CPU)229Bとを備えることができる。
【0039】
以下、図4図6を参照して、PLC制御部201内の制御CPU210とサービスCPU220との間のデータ共有方法について説明する。
【0040】
図4は本発明の実施形態に係る制御CPU210とサービスCPU220との間のデータ交換動作を示すブロック図である。
【0041】
図4に図示されているように、PLC制御部201内の制御CPU210およびサービスCPU220は、それぞれ別々に分離されている。
【0042】
より詳細には、PLC制御部201の制御動作を行うように構成された制御CPU210は、制御動作以外のすべての動作を行うように構成されたサービスCPU220とは別々に分離されてPLC制御部201内に備えられる。
【0043】
また、制御CPU210が制御動作以外のすべての動作を行うように構成されたサービスCPU220と分離される構成は、PLC制御部201の構成に限定される必要はない。
【0044】
特定の時間に外部からの割り込みがPLC制御部201内に発生しても、PLC制御部201内の制御CPU210は、影響を受けることなく、そのまま制御動作を行うことができる。
【0045】
図4を参照すると、制御CPU210は、サービスCPU220とはMAC to MAC通信方法によりデータを交換するように構成される。
【0046】
MAC to MAC通信は、MAC(Media Access Control)またはMAC階層の間におけるデータ交換方法を意味する。MACは、制御CPU210およびサービスCPU220にすべて設けられることができ、これに関する詳細な説明は、図5を参照して後述する。
【0047】
図5は本発明の実施形態に係る制御CPU210とサービスCPU220との間におけるETHERNET MACを介するデータ交換動作を示すブロック図であり、図6は本発明の実施形態に係る制御CPU210と、サービスCPU220と、複数のメモリとの間のデータ交換動作を示すブロック図である。
【0048】
図5図6を参照すると、制御CPU210とサービスCPU220は、それぞれ、ETHERNET MAC(イーサネット(登録商標)MAC)211、221を有することができる。また、制御CPU210には制御メモリ212が接続され、サービスCPU220にはサービスメモリ222が接続される。
【0049】
制御CPU210は、サービスCPU220とはイーサネットMAC211、221を介してデータを送受信することができる。制御CPU210とサービスCPU220は、イーサネットMAC211、221を介して全二重(Full duplex)通信方式により互いに同時に双方向通信を行うことができる。
【0050】
従来のDPRM通信を行う場合、同時通信が不可能であるため、制御CPU210またはサービスCPU220は、それぞれ書き込みまたは読み取り動作のいずれか一つの動作のみをそれぞれ行わなければならない。そのため、それぞれの動作により行われたデータの読み取りまたは書き込み動作によってデータの有効性を補正することができず、それによるデータ処理時間が増加する。
【0051】
一方、本発明の実施形態によりイーサネットMAC211、221を介して双方向通信を行うことでデータ処理の停滞が発生しないようにできる。
【0052】
また、制御CPU210とサービスCPU220に接続されるそれぞれの制御メモリ212とサービスメモリ222は、双方向通信を介するデータ処理の際に制御CPU210とサービスCPU220で処理されるデータを所望の位置にロードすることができる。詳細には、制御CPU210とサービスCPU220は、双方向通信を介して送受信するデータに対して予め設定されたアドレスに当該データを記憶することができる。すなわち、制御CPU210とサービスCPU220との間に別のメモリ(例えば、DPRM : Dual PORT Ram)を不要にすることができる。したがって、イーサネットMAC211を含む制御CPUsms専用DMA(Direct Memory Access)(ダイレクトメモリアクセス)方式によりサービスCPU220と必要なデータを交換することができる。
【0053】
DMAアクセス方式とは、制御CPU210を含むすべての装置がメモリに直接アクセスしてデータを読み取るか(read)または書き込む(write)ことができるようにするデータアクセス方式である。
【0054】
本発明の実施形態に係る制御CPU210は、必要なデータをサービスメモリ222からDMA方式により取得することができる。また、サービスCPU220もまた必要なデータを制御メモリ212からDMA方式により取得することができる。
【0055】
例えば、制御CPU210に接続される制御メモリ212は、制御CPU210が受信するデータ、処理データを当該アドレスに記憶することができる。また、制御CPU210で処理され、サービスCPU220に伝送するためのデータを一時記憶することができる。
【0056】
サービスCPU220に接続されるサービスメモリ222は、サービスCPU220が受信するデータ、処理データを当該アドレスに記憶することができる。また、サービスCPU220で処理され、制御CPU210に伝送するためのデータを一時記憶することができる。
【0057】
イーサネットMAC211、221のデータ交換速度は、100Mbps〜10Gbpsの速度を有することができる。しかしながら、上述のデータ交換速度は、限定されるものではなく、MAC性能に応じて変更され得る。
【0058】
また、制御CPU210は、イーサネットMAC211を介してデータを受信するイーサネット制御モジュール(ETHERNET controller module)を含むことができる。
【0059】
以下、図7を参照して、PLC制御部201内の制御CPU210と、サービスCPU220と、セキュリティCPU230との間のデータ共有方法について説明する。
【0060】
図7は本発明の実施形態に係る制御CPU210、サービスCPU220、セキュリティCPU230、および各CPUの間のデータ交換動作を示すブロック図である。
【0061】
図7を参照すると、PLC制御部201は、制御CPU210、サービスCPU220に加え、PLC制御部201内のセキュリティに関する動作を行うセキュリティCPU230をさらに備えることができる。
【0062】
図7に図示されているように、制御CPU210、サービスCPU220およびセキュリティCPU230は、それぞれ、二つのETHERNET MAC211A、211B、221A、221B、231A、231Bを有することができ、ETHERNET MACの構成についてはこれに限定する必要はない。
【0063】
また、図7に図示されているように、PLC制御部201は、各CPUが提供するサービス(または機能)別に当該サービスを行うCPUをそれぞれ別々に備え、各CPUへの割り込みによって当該CPU以外の他のCPUに影響を与えないように構成することができる。
【0064】
図7を参照すると、制御CPU210は、各ETHERNET MAC211A、211B、221A、221B、231A、231Bを介してサービスCPU220またはセキュリティCPU230から必要なデータを受信することができる。
【0065】
以下、図8を参照して、本発明の他の実施形態に係るエネルギー貯蔵システムの構成について説明する。
【0066】
図8は本発明の他の実施形態に係るエネルギー貯蔵システムの構成を示すブロック図である。
【0067】
図8に図示しているように、エネルギー貯蔵システムは、エネルギー管理システム(EMS)100と、PLCモジュール200と、複数の電力制御モジュール(PCSモジュール)301および302と、複数のバッテリーモジュール400A、400B、400Cおよび400Dとを備えることができる。
【0068】
エネルギー管理システム100は、エネルギー貯蔵システムと連結された上位系統(図示せず)から特定の制御命令を受信することができる。
【0069】
特定の制御命令をエネルギー管理システム100が受信すると、エネルギー管理システム100は、エネルギー管理システム100の管理対象として予め設定された下位系統(PLCモジュール200、電力制御モジュール(PCSモジュール)300およびバッテリーモジュール400)に伝送する制御命令を生成することができる。
【0070】
下位系統(PLCモジュール200、電力制御モジュール300およびバッテリーモジュール400)に伝達する制御命令が生成されると、エネルギー管理システム100は、PLCモジュール200に特定の制御命令を伝送することができ、これについては、以下で詳細に説明する。
【0071】
PLCモジュール200は、エネルギー管理システム100から特定の制御命令を受信することができる。
【0072】
PLCモジュール200は、特定の制御命令を受信し、特定の制御命令に基づいて、PLCモジュール200が管理するものとして予め設定された複数の電力制御モジュール301および302にそれぞれ伝送する制御命令を生成することができる。
【0073】
予め設定された複数の電力制御モジュール301、302にそれぞれ伝送する制御命令が生成されると、PLCモジュール200は、生成された制御命令を複数の電力制御モジュール301、302に伝送することができる。
【0074】
一つのPLCモジュール200は、少なくとも二つ以上の電力制御モジュールを制御することができ、一つのPLCモジュール200は、少なくとも二つ以上の電力制御モジュールから下位系統の状態情報(例えば、バッテリーの充電率情報)を受信することができる。
【0075】
PCSモジュール301、302を制御する構成要素としてPLCモジュール200を使用することにより、大容量エネルギー貯蔵システムの場合、各状況による複雑なシーケンスが存在し得る。一方、エネルギー貯蔵システム内で発生し得る複雑なシーケンスをユーザ(または運営者)が容易に使用するようにシステムプログラムに変換する動作をPLCモジュール200が処理することができる。
【0076】
二つ以上の電力制御モジュールを一つのPLCモジュール200が制御することによりコストダウンを図る効果がある。
【0077】
また、PLCモジュール200は、誤りが既に発生した構成要素のみ別に分離および交替することができ、これによってより安定的且つ効率的に運転することができる。また、PLCモジュール200は、一つの例として、Master‐kプログラムがインストールされてもよく、ユーザは、Master‐kプログラムがインストールされた状態でPLCモジュール200を動作させることができる。
【0078】
PCSモジュール301、302は、下位系統の複数の各バッテリーモジュール400A、400B、400Cおよび400Dから各バッテリーモジュール400A、400B、400Cおよび400Dの状態情報を受信することができる。
【0079】
各バッテリーモジュールの状態情報の例として、各バッテリーモジュール内に備えられたバッテリーの充電状態情報が含まれてもよく、これについては限定する必要はない。これについては、以下で詳細に説明する。
【0080】
下位系統の複数の各バッテリーモジュール400A、400B、400Cおよび400Dから各バッテリーモジュール400A、400B、400Cおよび400Dの状態情報を受信すると、PCSモジュール301、302は、受信した各バッテリーモジュールの状態情報をPLCモジュール200に伝送することができる。
【0081】
また、各PCSモジュール301、302は、上位系統のPLCモジュール200から各制御命令を受信することができる。
【0082】
上位系統のPLCモジュール200から各制御命令を受信すると、各PCSモジュール301、302は、下位系統の複数のバッテリーモジュール400A、400B、400Cおよび400Dに伝送する複数の各制御命令を生成することができる。各PCSモジュール301、302は、上位系統のPLCモジュール200から受信した各制御命令に基づいて複数の各バッテリーモジュール400A、400B、400Cおよび400Dに伝送する複数の各制御命令を複数のバッテリーモジュール400A、400B、400Cおよび400Dに伝送することができる。
【0083】
複数の各バッテリーモジュール(第1、第2、第3および第4バッテリーモジュール)400A、400B、400Cおよび400Dは、バッテリー(図示せず)を備えることができる。
【0084】
複数の各バッテリーモジュール(第1、第2、第3および第4バッテリーモジュール)400A、400B、400Cおよび400Dは、複数の各バッテリーモジュール(第1、第2、第3および第4バッテリーモジュール)400A、400B、400Cおよび400D内に備えられたバッテリーのバッテリー状態情報を生成することができる。
【0085】
バッテリーのバッテリー状態情報が生成されると、複数の各バッテリーモジュール(第1、第2、第3および第4バッテリーモジュール)400A、400B、400Cおよび400Dは、生成された各バッテリーのバッテリー状態情報を上位系統である複数の各PCSモジュール301、302に伝送することができる。
【0086】
バッテリー状態情報には、各バッテリーのバッテリー充電率情報と、各バッテリーのセル(cell)情報とが含まれてもよく、これについては限定する必要はない。
【0087】
以下、図9を参照して、本発明の実施形態に係るエネルギー貯蔵システムにおいて、PLCモジュール200の構成および動作方法について説明する。
【0088】
図9は本発明の他の一つの実施形態に係るPLCモジュール200およびエネルギー貯蔵システム内の構成要素を図示しているブロック図である。
【0089】
図9を参照すると、電力線は実線で図示しており、通信線は点線で図示している。電力線で接続された構成要素の間では電力の移動が行われることができ、通信線で接続された構成要素の間ではデータの交換動作を行うことができる。
【0090】
図9に図示しているように、エネルギー管理システム100は、電力制御モジュール(またはPCSモジュール)300とは電力線で接続され、エネルギー管理システム100は、PLCモジュール200とは通信線で接続される。これにより、データを送信および受信することができる。
【0091】
PLCモジュール200は、エネルギー管理システム100、PCSモジュール300およびバッテリーモジュール400内のBMS(Battery Management System)402とは通信線で接続することができる。また、PLCモジュール200は、PCSモジュール300とは電力線で接続することができる。
【0092】
PCSモジュール300は、エネルギー管理システム100およびバッテリーモジュール400とは電力線で接続することができ、PCSモジュール300は、PLCモジュール200内の電圧維持部(UPS)202および入出力部(HMI)203とは電力線で接続することができる。また、PCSモジュール300は、PLCモジュール200内のPLC制御部201およびバッテリーモジュール400内のBMS402とは通信線で接続することができる。
【0093】
バッテリーモジュール400は、PCSモジュール300とは電力線で接続することができ、バッテリーモジュール400は、PLCモジュール200内のPLC制御部201とは通信線で接続することができる。
【0094】
以下、PLCモジュール200、PCSモジュール300およびバッテリーモジュール400の構成要素および構成要素の詳細な動作について説明する。
【0095】
PLCモジュール200は、PLC制御部201と、電圧維持部(UPS)202と、入出力部(HMI)203とを備えることができる。
【0096】
入出力部203は、ユーザから入力命令を受信することができ、受信したユーザ入力命令をPLC制御部201に伝送することができる。また、入出力部203は、PLC制御部201の制御命令に基づいて特定の映像(例えば、エネルギー貯蔵管理システムの状態情報)を出力することができる。入出力部203は、タッチパッド(図示せず)を備えてもよく、これについては限定する必要はない。
【0097】
電圧維持部(UPS : Uninterruptible Power Supply)202は、PCSモジュール300およびバッテリーモジュール400に電力を供給することができ、PCSモジュール300およびバッテリーモジュール400にピーク電力が供給されることを防止したり、電力の供給が中断されることを防止する動作を行うことができる。
【0098】
PLC制御部201は、エネルギー管理システム100から、上位系統から伝送された特定の制御命令を受信することができる。
【0099】
PLC制御部201は、エネルギー管理システム100から受信した特定の制御命令に従って、PLCモジュール200モジュール内の入出力部203、電圧維持部202、下位系統のPCSモジュール300およびバッテリーモジュール400を制御することができる。
【0100】
また、PLC制御部201は、PLCモジュール200内の入出力部203を介してユーザの入力命令を受信することができる。ユーザの入力命令を受信すると、PLC制御部201は、受信したユーザの入力命令に基づいて電圧維持部202、PCSモジュール300およびバッテリーモジュール400の動作を制御することができる。
【0101】
また、PLC制御部201は、バッテリーモジュール400内のBMS402またはPCSモジュール300から、バッテリー401に関するバッテリー状態情報を受信することができる。
【0102】
より具体的には、PLC制御部201は、ユーザの入力命令、上位系統から伝送された特定の制御命令およびバッテリー状態情報を受信し、受信した各命令および情報に応じてPCSモジュール300を介してバッテリー401に貯蔵される電力量を制御することができる。
【0103】
PLCモジュール200内のPLC制御部201は、複数のPCSモジュールおよび各PCSモジュールにより制御される複数のバッテリーモジュールと並列に接続されることができ、各バッテリーモジュールおよびPCSモジュールを制御することができる。
【0104】
PCSモジュール300は、AC分電盤311およびDC分電盤312の積層構造で構成されてもよく、これについては限定する必要はない。
【0105】
AC分電盤311は、エネルギー管理システム100からAC電力を受信することができる。より具体的には、AC分電盤311は、PLC制御部201の制御命令に基づいてエネルギー管理システム100からAC電力を受信することができる。
【0106】
DC分電盤312は、AC分電盤311が受信したAC電力をDC電力に変換し、変換されたDC電力をバッテリーモジュール400に供給することができる。より具体的には、DC分電盤312は、PLC制御部201の制御命令に基づいてDC電力をバッテリーモジュール400に供給することができる。
【0107】
バッテリーモジュール400は、複数のバッテリー401と、BMS402とを備えることができる。
【0108】
バッテリー401は、PCSモジュール300から供給されたDC電力を貯蔵することができる。
【0109】
BMS402は、各バッテリー401の充電状態および放電状態を予め設定された周期の間に確認することができ、確認された各バッテリー401の充電および放電状態を予め設定された周期ごとにPLCモジュール200内のPLC制御部201またはPCSモジュール300に伝送することができる。
【0110】
BMS402は、SBMS(Slave BMS)と、MBMS(Master BMS)とを有することができる。
【0111】
SBMSは、バッテリー401が有する各セル(cell)の電圧、電流(または充電率)および温度を測定することができる。SBMSは、各セルの電圧、電流(または充電率)および温度などのバッテリーの状態を測定し、MBMSに伝達することができる。
【0112】
MBMSは、各SBMSから伝達される各セルの電圧、電流(または充電率)および温度情報に基づいて各セルまたは各バッテリー401のバッテリー状態情報を生成し、これに基づいて複数のバッテリー全体の充電および放電を制御する。
【0113】
本発明の実施形態によれば、一つのCPUの代わりに二つのCPUを使用することで、より安定した制御サービスを提供することができる。
【0114】
また、本発明の実施形態によれば、二つのCPUの間においてMAC通信を用いてデータを共有することで、追加費用または追加時間を節減することができる。
【0115】
以上、本発明の技術思想を例示的に説明しただけであって、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で様々な修正および変形が可能である。
【0116】
したがって、本発明に開示されている実施形態は、本発明の技術思想を限定するためではなく説明するためのものであって、このような実施形態により本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。
【0117】
本発明の保護範囲は、以下の請求の範囲により解釈すべきであり、それと同等の範囲内にあるすべての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈すべきである。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明は、PLCシステムに関し、より具体的には、PLCシステムのCPUに用いることが可能である。
【符号の説明】
【0119】
210:制御CPU(第1CPU)
220:サービスCPU(第2CPU)
図1
図2
図3
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図5
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図7
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図9