特許第6247350号(P6247350)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6247350
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】面状照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20171204BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20171204BHJP
   F21Y 113/10 20160101ALN20171204BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20171204BHJP
【FI】
   F21S2/00 439
   F21V23/00 160
   F21Y113:10
   F21Y115:10 500
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-135844(P2016-135844)
(22)【出願日】2016年7月8日
(62)【分割の表示】特願2012-9647(P2012-9647)の分割
【原出願日】2012年1月20日
(65)【公開番号】特開2016-189348(P2016-189348A)
(43)【公開日】2016年11月4日
【審査請求日】2016年7月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀川 智崇
(72)【発明者】
【氏名】古田 誠
(72)【発明者】
【氏名】河西 秀和
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 菜実子
【審査官】 丸山 裕樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−101187(JP,A)
【文献】 特開2003−101173(JP,A)
【文献】 特開2008−059987(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 19/00
F21V 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導光板と、該導光板の側端面の長手方向に沿って列状に配置される複数の光源と、該光源の各々が実装される搭載基板とを備える面状照明装置であって、
前記搭載基板は、ベース材と、該ベース材に形成される導通パターンとを有し、該導通パターン上にカバー部材が配置され、
前記導通パターンは、前記光源の各々の一対の電極端子に対応して長手方向に設けられ前記一対の電極端子がそれぞれ接続される複数の一対のランドと、該一対のランドにそれぞれ接続される引き出し部とを含み、
前記引き出し部は、
前記各ランドにおける前記搭載基板の長手方向における、前記各ランドと対をなすランド側とは反対側において隣接する光源側の境界と前記導光板が配置される側の境界とで形成される隅部から前記導光板側に向かって前記カバー部材の下方まで延びる第1の引き出し部と、前記第1の引き出し部が設けられた側で前記導光板が配置される側とは反対側の当該ランドの隅部から前記導光板側とは反対側に向かって前記カバー部材の下方まで延びる第2の引き出し部とを含み、
前記ランドにおける対を成すランド側の境界と前記導光板側とは反対側の境界とで形成される隅部は、前記導光板側とは反対側の境界から前記導光板とは反対側に延びる引き出し部が接続されておらず、
前記第1および前記第2引き出し部が、前記搭載基板の長手方向に対して略垂直に延びている
ことを特徴とする面状照明装置。
【請求項2】
前記カバー部材は、前記光源の前記導光板側に配置される第1のカバー部材と、前記光源の前記導光板側とは反対側に配置される第2のカバー部材を含み、前記第1のカバー部材は前記導光板側において前記第1の引き出し部上に配置され、前記第2のカバー部材は前記導光板側とは反対側において前記第2の引き出し部上に配置されることを特徴とした請求項1に記載の面状照明装置。
【請求項3】
前記第1のカバー部材と前記第2のカバー部材とは、前記一対のランド間で連結されることを特徴とする請求項2に記載の面状照明装置。
【請求項4】
一つの前記光源は、隣接する他の前記光源とは互いに独立に駆動制御される
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちの何れか一項に記載の面状照明装置。
【請求項5】
前記搭載基板は、フレキシブルプリント基板である
ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちの何れか一項に記載の面状照明装置。
【請求項6】
前記ランドから隣接する前記光源に向けて導通パターンが形成されていない
ことを特徴とする請求項1から請求項5のうちの何れか一項に記載の面状照明装置。
【請求項7】
前記第1の引き出し部は、前記複数の光源が配置される方向に形成される導通パターンに接続されている
ことを特徴とする請求項1から請求項5のうちの何れか一項に記載の面状照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導光板の側方に光源が配置されるサイドライト型の面状照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、液晶表示装置などに使用するバックライトでは、表示画面の更なる視認性の向上のために、高輝度化に対する要求がより一層増加している。
しかし、光源としてのLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)を実装する回路基板に形成された現状の接続配線のパターン形状では、搭載できるLED間の距離に制限があり、LED灯数に限界がある。
【0003】
なお、本願に係わる文献公知発明として、下記の特許文献1、2がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−233809号公報
【特許文献2】特開2006−237320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図5(a)は従来のサイドライト型のバックライトの光源部を示す平面図であり、図5(b)は従来のサイドライト型のバックライトの光源部における基板(LEDを実装する回路基板)の一例を拡大して示す平面図である。
図5(a)に示すように、従来のサイドライト型のバックライトは、基板102上に搭載される複数のLED101が、導光板103の側端面103sに当接して配設されている。複数のLED101は、導光板103の側端面103sからその内部に光を照射する。
【0006】
複数のLED101が搭載される基板102は、FPC(Flexible Printed Circuits:フレキシブルプリント基板)であり、図5(b)に示すように、その表面が絶縁層のカバーレイ104で覆われている。そして、各LED101の一対の電極(図示せず)がそれぞれ接続されるランド102rが、ランド102rに接続する接続配線(導通パターン)の一部を含めてカバーレイ104の開口104kから露出されている。言い換えると、隣接するLED101の対向するランド102r同士を連結する接続配線の一部が、カバーレイ104の一部で覆われている。そして、基板102上には、各LED101の一対の電極に対応する複数の一対のランド102rが、ピッチpt1(図5(b)参照)間隔で配置されている。
【0007】
ところで、携帯端末(PDA:Personal Digital Assistant)などに使用される液晶パネルのバックライト、すなわち面状照明装置は、前述のように、更なる高輝度化が要求されている。その対策の一つとして、より多くのLED101を導光板103の側面である入光面(側端面103s)に配置する構成が検討されている。この場合、下記2点の問題が生じる。
【0008】
第1点として、特許文献1に記載されるように、全てのLEDを直列駆動させる場合には、駆動電圧が大きくなり過ぎる。
第2点として、特許文献2に記載されるように、カバーレイの加工限界や接続配線に対する貼り付け位置精度の限界から、隣接するLED間にカバーレイを設けることが困難になる。隣接するLED間に配設される接続配線の上にカバーレイが存在しないと、接着強度不足による断線が懸念される。
【0009】
上記2点の問題(課題)のうち、第1点については、特許文献1の構成、すなわち、全てのLED101を複数のグループに分けて駆動させることで駆動電圧を低下させ、解決可能である。
しかしながら、第2点については、特許文献1の構成、すなわち、全てのLEDを複数のグループに分けた上で、異なるグループに属するLED同士が隣接するように配置させる構成を採用する場合には、特許文献2が開示する接続配線をそのまま採用することはできない。
【0010】
それは、特許文献2では、隣接するLED同士を直列接続することを前提としているため、特許文献1の構成において、隣接する異なるグループのLED同士を接続することになるからである。つまり、特許文献1の構成では、同じグループのLED同士を直列接続させる構成のため、隣接する異なるグループのLED同士を直列接続させることはできない。
【0011】
上記2点の問題(課題)に加えて、面状照明装置の照明特性(高輝度および照明の均一化)を高いレベルで安定して達成するために、全てのLEDを所定の位置に精度よく固定する必要がある。そのためには、LEDをFPC(のランド)に実装させる際のセルフアライメントが高精度に行なわれるようにする必要がある。
【0012】
本発明は上記実状に鑑み、信頼性が高く、高輝度および照明の均一化を安定して実現できる面状照明装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成すべく、第1の本発明に関わる面状照明装置は、導光板と、該導光板の側端面の長手方向に沿って列状に配置される複数の光源と、該光源の各々が実装される搭載基板とを備える面状照明装置であって、前記搭載基板は、ベース材と、該ベース材に形成される導通パターンとを有し、該導通パターン上にカバー部材が配置され、前記導通パターンは、前記光源の各々の一対の電極端子に対応して長手方向に設けられ前記一対の電極端子がそれぞれ接続される複数の一対のランドと、該一対のランドにそれぞれ接続される引き出し部とを含み、前記引き出し部は、前記各ランドにおける前記搭載基板の長手方向における、前記各ランドと対をなすランド側とは反対側において隣接する光源側の境界と前記導光板が配置される側の境界とで形成される隅部から前記導光板側に向かって前記カバー部材の下方まで延びる第1の引き出し部と、前記第1の引き出し部が設けられた側で前記導光板が配置される側とは反対側の当該ランドの隅部から前記導光板側とは反対側に向かって前記カバー部材の下方まで延びる第2の引き出し部とを含み、前記ランドにおける対を成すランド側の境界と前記導光板側とは反対側の境界とで形成される隅部は、前記導光板側とは反対側の境界から前記導光板とは反対側に延びる引き出し部が接続されておらず、前記第1および前記第2引き出し部が、前記搭載基板の長手方向に対して略垂直に延びている
【0014】
第1の本発明によれば、ランドにおける対を成すランド側の境界と前記導光板側とは反対側の境界とで形成される隅部は、導光板側とは反対側の境界から前記導光板とは反対側に延びる引き出し部が接続されていないため、光源を搭載基板に実装する際の高精度なセルフアライメントが可能である。また、ランドに接続する引き出し部により、導通パターンおよび光源の搭載基板からの剥離を抑制できる。そのため、面状照明装置の高輝度化、照明の均一化を実現できる。
【0015】
第2の本発明に関わる面状照明装置は、第1の本発明において、前記カバー部材は、前記光源の前記導光板側に配置される第1のカバー部材と、前記光源の前記導光板側とは反対側に配置される第2のカバー部材を含み、前記第1のカバー部材は前記導光板側において前記第1の引き出し部上に配置され、前記第2のカバー部材は前記導光板側とは反対側において前記第2の引き出し部上に配置される。
【0016】
第3の本発明に関わる面状照明装置は、第2の本発明において、前記第1のカバー部材と前記第2のカバー部材とは、前記一対のランド間で連結される。
【0017】
第4の本発明に関わる面状照明装置は、第1から第3のいずれかの本発明において、一つの光源は、隣接する他の前記光源とは互いに独立に駆動制御される。
第4の本発明によれば、隣接する光源間で独立した駆動制御が可能である。
【0018】
第5の本発明に関わる面状照明装置は、第1から第4のうちの何れかの本発明において、前記搭載基板は、フレキシブルプリント基板である。
第5の本発明によれば、面状照明装置の狭スペース化が可能である。
第6の本発明に関わる面状照明装置は、第1から第5のうちの何れかの本発明において、前記ランドから隣接する前記光源に向けて導通パターンが形成されていない。
第7の本発明に関わる面状照明装置は、第1から第5のうちの何れかの本発明において、前記第1の引き出し部は、前記複数の光源が配置される方向に形成される導通パターンに接続されている。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、信頼性が高く、高輝度および照明の均一化を安定して実現できる面状照明装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】(a)は本発明に係る実施形態の面状照明装置を示す平面図であり、(b)は(a)のA部拡大図である。
図2】実施形態の導光板とFPC上のLEDの組み付けを示す拡大図である。
図3】(a)は実施形態のFPCの表面を示す平面図であり、(b)は実施形態のFPCの裏面を示す平面図である。
図4】1個のLEDを実装する部分の導通パターンの一例を拡大して示した図である。
図5】(a)は従来のサイドライト型のバックライトの光源部を示す平面図であり、(b)は従来のサイドライト型のバックライトの光源部における基板(LEDを実装する回路基板)の一例を拡大して示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1(a)は本発明に係る実施形態の面状照明装置を示す平面図であり、図1(b)は図1(a)のA部拡大図である。
図2は、導光板とFPC上のLEDの組み付けを示す拡大図である。
実施形態の面状照明装置Sは、液晶パネルなどのバックライトに使用される後方から照明を行う面状の照明装置である。
【0022】
面状照明装置Sは、光源のLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)1を導光板2の側方に配置するサイドライト型バックライトと称される照明装置である。
具体的には、面状照明装置Sは、FPC3に搭載される複数のLED1(1r、1g、1b)が、導光板2の側方側の側端面2sに当接して配設され、導光板2に向かって光を照射する。なお、LED1は、全て白色LEDであり、LED1r、LED1g、LED1bは、白色LEDを3つのグループにグループ分けしたものである。すなわち、LED1rは白色LEDの第1のグループに属するLEDであり、LED1gは白色LEDの第2のグループに属するLEDであり、LED1bは白色LEDの第3のグループに属するLEDである。
【0023】
導光板2の後方(図1(a)の紙面奥側)には導光板2の全反射条件から外れ後方に漏洩する光を前方側(図1(a)の紙面手前側)に反射させる反射シート(図示せず)が配置されている。一方、導光板2の前方(図1(a)の紙面手前側)には、光を拡散する拡散シート(図示せず)、輝度を高めるプリズムシート(図示せず)等が配設されている。
【0024】
図3(a)は、実施形態のFPCの表面を示す平面図であり、図3(b)は、実施形態のFPCの裏面を示す平面図である。なお、図3(a)において、LED1の電極端子dra、drb、dga、dgb、dba、dbb部分は、カバーレイ4の開口4kから露出する導通パターン(r1、r2、h1a、h1b、h2a、h2b、h3a、h3b)との位置関係を明確にするために、いずれのグループにおいても黒色を用いて示している。
【0025】
図4は、1個のLEDを実装する部分の導通パターンの一例(図3(a)のB部の一対のランド回り)を拡大して示した図である。なお、図3(a)のB部には、第2のグループのLED1gが配設される。
FPC3の表裏面には、銅等の導体箔の導通パターンである配線パターンp1、p2、p3、p4、ランドr1、r2および引き出し部h1a、h1b、h2a、h2b、h3a、h3b(図4参照)がエッチング等で形成されている。つまり、配線パターンp1、p2、p3に加え、ランドr1、r2、引き出し部h1a、h1b、h2a、h2b、h3a、h3bは導電性の導通パターンである。
【0026】
図3(a)、図4に示すように、FPC3の導通パターンである配線パターンp1、p2、p3、p4、引き出し部h1a、h1b、h2a、h2b、h3a、h3bの上には、隣接するLED1の2組の一対のランドr1、r2のうち対向するランドr2、r1同士を一体に開口4kから露出する態様で、カバーレイ4が配置されている。なお、図3(a)、図4では、カバーレイ4(開口4k)を二点鎖線で示している。
すなわち、FPC3の表面(図3(a)参照)は、開口4kを有するカバーレイ4で覆われている。カバーレイ4は、耐熱性、接着性を有する絶縁材である。
【0027】
隣接するLED1(1r、1g、1b)の各一対の電極端子dra、drb、電極端子dga、dgb、電極端子dba、dbbは、それぞれ対応するランドr1、r2に開口4k間のカバーレイ4の領域を跨いで半田付けで固定され、電気的に接続される。これにより、各LED1がFPC3に搭載される。
例えば、図1(a)のFPC3の最も右の第1のグループのLED1rは、図1(b)、図3(a)に示すように、電極端子draが、カバーレイ4の開口4kを通して、ランドr1(図4参照)に半田付けされるとともに、電極端子drbが、カバーレイ4の開口4kを通して、ランドr2(図4参照)に半田付けされている。
【0028】
同様に、図1(a)のFPC3の右から2つ目の第2のグループのLED1gは、図3(a)、図4に示すように、電極端子dgaが、カバーレイ4の開口4kを通して、ランドr1に半田付けされるとともに、電極端子dgbが、カバーレイ4の開口4kを通して、ランドr2に半田付けされている。
【0029】
同様に、図1(a)のFPC3の右から3つ目の第3のグループのLED1bは、図3(a)に示すように、電極端子dbaが、カバーレイ4の開口4kを通して、ランドr1に半田付けされるとともに、電極端子dbbが、カバーレイ4の開口4kを通して、ランドr2に半田付けされている。その他のLED1も同様にして、FPC3に搭載(実装)される。
【0030】
このように、LED1のランドr1、r2の間にはカバーレイ4を配置(開口4k間のカバーレイ4の箇所)しているが、狭いLED1のピッチを実現するため、以下に説明するように、導通パターン(r1、r2、h1a、h1b、h2a、h2b、h3a、h3b、p1〜p4)の形状を形成している。
【0031】
ここで、バックライトは、構造(設計)上、LED1を、図2の白抜き矢印α1に示すように、導光板2の側端面2sに突き当てる(当接させる)組立てを行うため、LED1のFPC3からの剥がれ強度、すなわちLED1のFPC3への固着強度が非常に重要となる。
この突き当てる工程では、導光板2側(前方)のFPC3の配線(導通パターン)がFPC3(のベース材3b)から浮き上がるように外力を受ける一方、導光板2の反対側(後方)の配線(導通パターン)がFPC3に押圧されるように外力を受けるので、導光板2側(前方)の配線が、導光板2の反対側(後方)の配線よりもベース材3bから剥がれ易くなる。
【0032】
<FPC3>
図3に示す両面FPCであるFPC3は、図1(a)に示すように、12個の白色LEDであるLED1を実装するように構成されたものである。12個のLED1は、前記したように、3つのグループ、第1のグループに属するLED1r、第2のグループに属するLED1g、第3のグループに属するLED1bに分けられ、各グループは、それぞれ4個のLED1(1r、1g、1b)から構成されている。つまり、12個のLED1は、4個の第1のグループのLED1r、4個の第2のグループのLED1g、4個の第3のグループのLED1bで構成されている。
【0033】
そして、12個のLED1(1r、1g、1b)は、FPC3の一端(右端)から他端(左端)に向かって、第1のグループのLED1r、第2のグループのLED1g、第3のグループのLED1bを一単位として、4つの単位が繰り返されるように、配置されている。
各グループに属するLED1(1r、1g、1b)は、図3に示すように、それぞれ直列接続されている。すなわち、12個のLED1のうち第1のグループのLED1r同士が直列に接続され、また、第2のグループのLED1g同士が直列に接続され、また、第3のグループのLED1b同士が直列に接続されている。
【0034】
詳細には、図3に示すFPC3は、ベース材3bとベース材3bに形成される導通パターン(p1〜p4、h1a、h1b、h2a、h2b、h3a、h3b、r1、r2)とを有する。そして、FPC3は、LED1が搭載されるLED搭載部3Aと、LED1への接続のための配線パターンp1〜p4、これに電気的に接続される接続端子st(図3(b)参照)が設けられる配線部3Bとを有している。
【0035】
FPC3の表面および裏面には、LED1(1r、1b、1g)に電流(電圧)を供給するための配線パターンp1、p2、p3、p4が、各LED1が接続されるランドr1、r2、引き出し部h1a、h1b、h2a、h2b、h3a、h3bとともに、エッチングなどで形成されている。
FPC3には、図3(a)に示す表面の配線パターンp1〜p4と、図3(b)に示す裏面の配線パターンp1〜p4とを電気的に接続するためのスルーホールthが形成されている。
【0036】
第1のグループのLED1rの一対の電極端子dra、drbは、配線パターンp1に接続されており、第2のグループのLED1gの一対の電極端子dga、dgbは、配線パターンp2に接続されており、第3のグループのLED1bの一対の電極端子dba、dbbは、配線パターンp3に接続されている。なお、配線パターンp4はグランドのラインである。
【0037】
つまり、4つの第1のグループの各LED1rは、FPC3の表裏面に形成される配線パターンp1、スルーホールthを介して、直列に接続されている。また、4つの第2のグループの各LED1gは、FPC3の表裏面に形成される配線パターンp2、スルーホールthを介して、直列に接続されている。同様に、4つの第3のグループの各LED1bは、FPC3の表裏面に形成される配線パターンp3、スルーホールthを介して、直列に接続されている。
【0038】
図1に示すように、一つの点状光源のLED1は、隣接する他の点状光源のLED1と異なるグループのLEDが配置されている。すなわち、第1のグループのLED1rに隣接して、第2のグループのLED1gが配置されており、第2のグループのLED1gに隣接して、第3のグループのLED1bが配置されており、第3のグループのLED1bに隣接して、第1のグループのLED1rが配置されている。
【0039】
このように、点状光源のLED1が隣接する他のグループの点状光源のLED1とが、配線パターンp(p1、p2、p3)を介して、互いに独立に駆動制御が可能とされている。すなわち、第1のグループのLED1r、第2のグループのLED1g、第3のグループのLED1bが、それぞれ配線パターンp1〜p4を介して互いに独立に駆動制御が可能に接続されている。
なお、本実施形態では、隣接する3組(3グループ)のLED1(1r、1g、1b)を互いに独立に駆動制御が可能な場合を例示したが、2組(2グループ)または4組(4グループ)以上を互いに独立に駆動制御が可能に配線パターンを形成してもよい。
【0040】
<導通パターン>
次に、本実施形態に係るFPC3の導通パターン(p1〜p4、r1、r2、h1a、h1b、h2a、h2b、h3a、h3b)の特徴的な部分を、図4を用いて説明する。
図4において、第2のグループのLED1gの電極端子dga、dgbと導通パターン(p4、r1、r2、h1a、h1b、h2a、h2b、h3a、h3b)との位置関係を明確にするために、第2のグループのLED1gのL字形状をなす電極端子dga、dgbをランドr1、r2上に黒塗りで重ねて示している。
【0041】
前記したように、各LED1(図1参照)は、その一対の電極端子dra、drb、dga、dgb、dba、dbbが、それぞれ図4に示す矩形状のランドr1、r2に半田付けで固定される。
【0042】
FPC3に形成される導通パターンは、以下の特徴を有している。
第1に、矩形状をなす一方のランドr1(図4に実線と二点鎖線で示す)の外側(図4のランドr1の左側)、すなわち図4のX方向(FPC3の長手方向)における他方のランドr2とは反対側の図4の左に隣接する第3のグループのLED1b(図1(a)参照)側で、導光板2が配置される側(Y方向(FPC3の短手方向)における)の一隅(端部)から、導光板2側に延びる配線である第1の引き出し部h1aが形成されている。
【0043】
第1の引き出し部h1aは、矩形状に形成され、配線パターンp4に接続されている。
第1の引き出し部h1aは、そのランドr1寄りの部分が、カバーレイ4の開口4k(図4中、二点鎖線で示す)から露出し、他の部分はカバーレイ4で覆われている。そして、第1の引き出し部h1aの先端が、配線パターンp4に電気的に接続されている。
【0044】
また、矩形状をなす他方のランドr2(図4に実線と二点鎖線で示す)の外側(図4のランドr2の右側)、すなわち図4のX方向(FPC3の長手方向)における一方のランドr1とは反対側、すなわち図4の右に隣接する第1のグループのLED1r(図1(a)参照)側の導光板2が配置される側(Y方向(FPC3の短手方向)における)の一隅(端部)から、導光板2側に延びる配線である第1の引き出し部h1bが形成されている。
【0045】
第1の引き出し部h1bは、矩形状の形状を有している。第1の引き出し部h1bは、後記の第2の引き出し部h2bに電気的に接続され、スルーホールth1を介して、裏面側に形成された配線パターンp2(図3(b)参照)に電気的に接続されている。
【0046】
第2に、一方のランドr1の内側(図4のX方向における他方のランドr2側)で、導光板2が配置される側の一隅から、導光板2側に延びる配線である第2の引き出し部h2aが形成されている。
【0047】
第2の引き出し部h2aは、導光板2の側および他方のランドr2に向かって張り出すように幅広の形状に形成されている。対をなす後記の第2の引き出し部h2bとの間に、ストライプ状の間隙s1が形成されるレベルまで幅広の形状に形成されている。そして、第2の引き出し部h2aは、ランドr1寄りの部分(領域)を除く多くの部分(領域)がカバーレイ4で覆われる一方、ランドr1寄りの部分(領域)は、カバーレイ4の開口4k(図4中、二点鎖線で示す)から露出している。
【0048】
すなわち、第2のグループのLED1gの電極端子dga、dgbの構造によって一対のランドr1,r2間に必然的に形成されるスペースを有効活用して、導通パターンの第2の引き出し部h2aを形成している。なお、第2の引き出し部h2aは、配線パターンp4に直接、電気的に接続されている。
【0049】
また、他方のランドr2の内側(図4のX方向における一方のランドr1側)で、導光板2が配置される側の一隅から、導光板2側に延びる配線である第2の引き出し部h2bが形成されている。
第2の引き出し部h2bは、導光板2の側および他方のランドr1に向かって張り出すように幅広の形状に形成されている。第2の引き出し部h2bは、対をなす第2の引き出し部h2aとの間に、ストライプ状の間隙s1が形成されるレベルまで幅広の形状に形成されている。
【0050】
第2の引き出し部h2bは、ランドr2寄りの部分(領域)を除く多くの部分(領域)がカバーレイ4で覆われる一方、ランドr2寄りの部分(領域)は、カバーレイ4の開口4kから露出している。すなわち、第2のグループのLED1gの電極端子dga、dgbの構造によって一対のランドr1,r2間に必然的に形成されるスペースを有効活用して、導通パターンの第2の引き出し部h2bを形成している。
前記したように、第2の引き出し部h2bは、スルーホールth1を介して、裏面側に形成された配線パターンp2(図3(b)参照)に電気的に接続されている。
【0051】
上述の構成により、第2のグループのLED1gは、一方の電極dgaが、第1・第2の引き出し部h1a、h2aから配線パターンp4に接続されるとともに、他方の電極dgbが、第1・第2の引き出し部h1b、h2bからスルーホールth1を介して裏面の配線パターンp2(図3(b)参照)に接続されている。同様にして、第2のグループの他のLED1gが配線パターンp2に直列に接続される。
【0052】
同様に、第1のグループのLED1r、第3のグループのLED1bが、対応する一対のランドr1、r2に半田付けされ、第1のグループのLED1rが配線パターンp1に直列に接続されるとともに、第3のグループのLED1bが配線パターンp3に直列に接続されている。
これにより、4単位の同じグループのLED1が、他のグループのLED1とは、独立に直列に接続される。
【0053】
前記したように、4単位の第1のグループのLED1rが、図3に示すように、配線パターンp1を介して、他の第2のグループのLED1g、第3のグループのLED1bとは、独立に直列に接続されている。
また、4単位の第2のグループのLED1gが、図3に示すように、配線パターンp2を介して、他の第1のグループのLED1r、第3のグループのLED1bとは、独立に直列に接続されている。
【0054】
同様に、4単位の第3のグループのLED1bが、図3に示すように、配線パターンp3を介して、他のグループの第1のグループのLED1r、第2のグループのLED1gとは、独立に直列に接続されている。
【0055】
第3に、図4に示すように、一方のランドr1のY方向における導光板2が配置される側とは反対側の一隅から外側に向けて、導光板2の反対側に延びる配線である第3の引き出し部h3aが形成されている。第3の引き出し部h3aは、その先端がカバーレイ4に覆われるように延びているとともに、その根元部(ランドr1に接続される側)がカバーレイ4の開口4kから露出している。
第3の引き出し部h3aの幅は、ランドr1に接続して形成される第1の引き出し部h1aの幅よりも広く形成されている。
【0056】
同様に、他方のランドr2のY方向における導光板2が配置される側とは反対側の一隅から外側に向けて、導光板2の反対側に延びる配線である第3の引き出し部h3bが形成されている。第3の引き出し部h3bは、その先端がカバーレイ4に覆われるように延びているとともに、その根元部(ランドr2に接続される側)がカバーレイ4の開口4kから露出している。
【0057】
第3の引き出し部h3bの幅は、ランドr2に接続して形成される第1の引き出し部h1bの幅よりも広く形成されている。
なお、図4では、第3の引き出し部h3a、h3bの先端が電気的に開放されている場合を例示したが、図3(a)に示す幾つかの第3の引き出し部h3a、h3bがそうであるように、先端を迂回させて他の導通パターンに電気的に接続させてもよい。
【0058】
また、本実施形態では、第3の引き出し部h3a、h3bが、それぞれ第1の引き出し部h1a、h1bより幅広く形成する場合を例示したが、第3の引き出し部h3a、h3bの面積をそれぞれ第1の引き出し部h1a、h1bより大きく構成してもよい。
前記したように、FCP3のランドr1、r2に、第2のグループのLED1gの電極端子dga、dgbがそれぞれ半田付けにより固定されることで、第2のグループのLED1gがFCP3に取着される。
同様にして、第1のグループのLED1rの電極端子dra、drb、第3のグループのLED1bの電極端子dba、dbbも、対応する一対のランドr1、r2に半田付けして固定される。
【0059】
この際、一対のランドr1、r2の外形線のうち、第1の引き出し部h1a、h1b、第2の引き出し部h2a、h2b、および第3の引き出し部h3a、h3bが接続されていない部分のランドr1のラインi1、i2、i3(図4中、実線で示す)およびランドr2のラインi4、i5、i6(図4中、実線で示す)を、LED1(1r、1g、1b)を実装する際の2軸方向(X、Y方向)に対するセルフアラアイメントの基準とすることができる。具体的には、X方向に対しては、X方向に直交するラインi1とラインi4が基準となり、Y方向に対しては、Y方向に直交するラインi2、i3、i5、i6が基準となる。
【0060】
上記構成の導通パターンを形成することにより、以下の効果が得られる。
第1点として、第1の引き出し部h1a、h1bおよび第3の引き出し部h3a、h3bの先端、ならびに幅広または大きな面積に形成された第2の引き出し部h2a、h2bの多くの部分がカバーレイ4で覆われることから、導通パターンの第1・第2・第3の引き出し部h1a、h1b、h2a、h2b、h3a、h3b、配線パターンp1〜p4、ランドr1、r2のFCP3からの剥がれ強度、ひいてはLED1のFCP3からの剥がれ強度が向上する。この結果、隣接するLED1の間にカバーレイ4を配置できなくなるレベルまでLED1の実装密度を高めることが可能となる。実際、図3(a)に示すように、隣接するLED1間はカバーレイ4の開口4kを配置している。
【0061】
第2点として、ランドr1、r2の導光板2側(図4の紙面上側)の2隅から前方に向かってカバーレイ4の下部までそれぞれ延びる2つの引き出し部、すなわち、第1の引き出し部h1a、h1bおよび第2の引き出し部h2a、h2bを配置したことにより、面状照明装置Sを組み立てる工程のLED1を導光板2に突き当てる工程(図2参照)における配線(導通パターン)のFPC3(のベース材3bの前方部分)からの剥離を効果的に抑制することができる。つまり、ランドr1、r2を含む導通パターンを、図4に示す様に形成することで、LED1の剥がれ強度(LED1のFPC3への固定強度)が確保され、強度が確保される。
【0062】
第3点として、第1の引き出し部h1a、h1bの幅よりも第3の引き出し部h3a、h3bの幅を広くまたは大きな面積に形成したことにより、後方側の配線(導通パターン)の剥がれ強度を大きくすることができる。
これにより、反導光板2側(図4の紙面下側)に第2の引き出し部h2a、h2bに相当する部分が存在しないことによる導光板2側と反導光板2側(図4の紙面上下方向)における固着強度のアンバランスを減少させ、反導光板2側(図4の紙面下側)の後方の剥がれ強度不足を補うことが可能となる。これは、反導光板2側の導通パターンの剥がれ強度が問題になる場合に有効な手段となる。
【0063】
第4点として、図4に示す一対のランドr1、r2の外形線のうち、第1の引き出し部h1a、h1b、第2の引き出し部h2a、h2b、および第3の引き出し部h3a、h3bが接続されていない部分(ラインi1〜i6)(図4中、実線で示す)を、LED1をFPC3に実装する際の2軸方向(図4のX、Y方向)に対するセルフアラアイメントの基準とすることができる。前記したように、X方向に対しては、i1とi4が基準となり、Y方向に対しては、i2、i3、i5、i6が基準となる。これにより、LED1を実装する際の位置精度を確保することが可能である。
【0064】
上記第1点〜第4点より、LED1を実装するランドr1、r2間、すなわち隣接するLED1間にカバーレイ4を配置せず(カバーレイ4の開口4kを配置し)、また、ランドr1、r2の形状を工夫することで、LED1のFPC3からの剥がれ強度を確保しながら、LED1の狭ピッチ配列を実現することができる。そのため、狭LEDピッチ化用LED実装ランドパターンを形成できる。
【0065】
これにより、限られたスペース内により多くのLED1を配置することができるため、高輝度な面状照明装置Sを実現することができる。
また、導通パターンの断線が予防されるため、信頼性の高い面状照明装置Sを実現することができる。
また、LED実装時のセルフアライメントを高精度に行なうことができるため、高輝度および照明の均一化を安定して提供できる面状照明装置Sを実現することができる。
【0066】
<<その他の実施形態>>
なお、前記実施形態では、点状光源のLED1を例示したが、本発明が適用できる光源であれば、線状光源、面状光源など、点状光源以外の形状の光源でもよい。
また、前記実施形態では、第2の引き出し部h2a、h2bの間にストライプ状の間隙s1を有する場合を例示したが、間隙は必ずしもストライプ状でなくともよい。しかしながら、第2の引き出し部h2a、h2bの間隙を狭く形成すると、第2の引き出し部h2a、h2bを大きな面積で形成できるので、より好ましい。
【0067】
なお、前記実施形態では、光源の搭載基板の一例として、FPC3を例示したが、本発明が適用できればFPC3以外の基板を適用してもよい。しかし、FPC3は、狭スペースの面状照明装置Sには好適である。
また、前記実施形態では、LED1が白色LEDの場合を例示して説明したが、LED1として別の異なる色のLEDを適用してもよい。
【0068】
以上、本発明の実施形態を述べたが、その説明は典型的であることを意図している。従って、本発明の範囲内で様々な修正と変更が可能である。すなわち、本発明は発明の趣旨を変更しない範囲において適宜、任意に変更可能である。
【符号の説明】
【0069】
1 LED(光源)
2 導光板
3 FPC(搭載基板)
3b ベース材
4 カバーレイ(カバー部材、第1のカバー部材、第2のカバー部材)
p1、p2、p3、p4 配線パターン(導通パターン)
ra、rb ランド(導通パターン)
h1a、h1b 第1の引き出し部(引き出し部、導通パターン)
h3a、h3b 第2の引き出し部(引き出し部、導通パターン)
dr、dg、db 電極端子
S 面状照明装置
図1
図2
図3
図4
図5