(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも1種のヨードプロパルギル化合物を含むマイクロカプセルであって、前記少なくとも1種のヨードプロパルギル化合物が、少なくとも1種のメラミン−ホルムアルデヒドポリマーを含むマイクロカプセル化材料を用いてマイクロカプセル化されている、マイクロカプセルであって、
前記マイクロカプセル化材料の、前記少なくとも1種のヨードプロパルギル化合物に対する重量比が、1:2であることを特徴とする、マイクロカプセル。
レーザー回折法で測定して、90μm以下、好ましくは60μm以下、特に好ましくは10〜60μmのD90値を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
合成、半合成、または天然ポリマーの群から選択される、少なくとも1種のさらなるマイクロカプセル化材料を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のマイクロカプセル。
前記a)における適用は、前記少なくとも1種のヨードプロパルギル化合物の水性エマルションまたは懸濁液が少なくとも1種のメラミン−ホルムアルデヒドポリマーと接触させられ、および前記少なくとも1種のメラミン−ホルムアルデヒドポリマーの溶解性を低下させることによって、前記少なくとも1種のメラミン−ホルムアルデヒドポリマーの前記少なくとも1種のヨードプロパルギル化合物に対する適用が起こるようにして実施されることを特徴とする、請求項6に記載のプロセス。
技術材料が、建築材料、木材、木材ベースの材料、木材/プラスチック複合材料、シーリング組成物、プラスチック、フィルム、石板、織物、織物複合材料、またはコーティング組成物であることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0021】
さらなる実施形態においては、本発明によるマイクロカプセルは、実験セクションに記載したようにレーザー回折法により体積平均分布として測定して、たとえば90μm以下、好ましくは60μm以下、特に好ましくは10〜60μmのD90値を有している。
【0022】
本発明によるマイクロカプセルには、マイクロカプセル化材料として、少なくとも1種のメラミン−ホルムアルデヒドポリマーが含まれる。メラミン−ホルムアルデヒドポリマーという用語は、少なくともメラミンとホルムアルデヒドとの重縮合物であるポリマーを意味していると理解されたい。そのような重縮合物は、典型的には、メラミンをモル過剰量のホルムアルデヒドと重縮合させることによって得られる。
【0023】
マイクロカプセル、さらには特に、メラミン−ホルムアルデヒド重縮合物のマイクロカプセルを製造するための一般的プロセスは公知である(たとえば、C.A.Finch,R.Bodmeier,Microencapsulation,Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,6
th edition,2001,Electronic Releaseを参照)。
【0024】
本発明によるマイクロカプセルには、たとえば、合成、半合成、または天然ポリマー、たとえば特にアミノプラスチック樹脂からなる群から選択される少なくとも1種のさらなるマイクロカプセル化材料を含むことも可能である。
【0025】
アミノプラスチック樹脂は、一般的には、カルボニル化合物と、NH基を含む化合物との重縮合反応生成物を意味していると理解されたい。この関連で特に興味深いのは、尿素またはフェニルを用いて変性されたメラミン−ホルムアルデヒド樹脂(メラミン−尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−フェノール−ホルムアルデヒド樹脂)である。可能性のあるさらなるアミノプラスチック樹脂としては、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂に対して、たとえば、NH基を含む化合物とアセトアルデヒドまたはグリオキサールとのアミノプラスチック樹脂を添加することも可能である。
【0026】
さらに、そのマイクロカプセル化材料には、ウレタン樹脂、シアナミド樹脂またはジシアナミド樹脂、アニリン樹脂、スルホンアミド樹脂、またはそれらの樹脂の混合物を含むこともできる。そのような樹脂およびそれらの製造方法は、当業者には公知である。
【0027】
好ましい合成ポリマーとしては、たとえば、以下のものが挙げられる:アクリル系ポリマーおよびコポリマー、ポリアクリルアミド、ポリアルキルシアノアクリレート、およびポリ(エチレンビニルアセテート)、アルミニウムモノステアレート、カルボキシビニルポリマー、ポリアミド、ポリ(メチルビニルエーテル−無水マレイン酸)、ポリ(アジピル−L−リシン)、ポリカーボネート、ポリテレフタルアミド、ポリ(ビニルアセテートフタレート)、ポリ(テレフタロイル−L−リシン)、ポリアリールスルホン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ−(ε−カプロラクトン)、ポリビニルピロリドン、ポリジメチルシロキサン、ポリオキシエチレン、ポリエステル、ポリグリコール酸、ポリ乳酸およびそれらのコポリマー、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリスチレン、ポリ(スチレン−アクリロニトリル)、ポリイミド、およびポリビニルアルコール。
【0028】
好ましい半合成ポリマーとしては、たとえば以下のものが挙げられる:セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、水素化獣脂、ミリスチルアルコール、グリセロールモノまたはジパルミテート、水素化ヒマシ油、グリセリルモノまたはトリステアレート、および12−ヒドロキシステアリルアルコール。
【0029】
好ましい天然ポリマーとしては、たとえば、以下のものが挙げられる:アラビアゴム、寒天、アガロース、マルトデキストリン、ナトリウムアルギネート、カルシウムアルギネート、デキストラン、油脂、脂肪酸、セチルアルコール、乳固形分、糖蜜、ゼラチン、グルテン、アルブミン、セラック、デンプン、カゼインネート、ステアルン、スクロース、およびワックス、たとえば、蜜蝋、カルナウバ蝋、およびクジラ蝋。
【0030】
一般的には、少なくとも1種のメラミン−ホルムアルデヒドポリマーに加えて、マイクロカプセル化材料には、その全重量を基準にして50重量%までの、その他の合成または半合成または天然のポリマー、たとえば特にはアミノプラスチック樹脂が含まれていてもよい。
【0031】
マイクロカプセル化材料には、好ましくは少なくとも95重量%の少なくとも1種のメラミン−ホルムアルデヒドポリマー、特に好ましくは少なくとも99重量%の少なくとも1種のメラミン−ホルムアルデヒドポリマーが含まれている。
【0032】
本発明によるマイクロカプセル中における、マイクロカプセル化材料の、少なくとも1種のヨードプロパルギル化合物に対する重量比(w/w)は、一般的には1:10〜100:1、好ましくは1:10〜10:1、極めて特に好ましくは1:4〜2:1である。
【0033】
本発明にはさらに、本発明によるマイクロカプセルを製造するためのプロセスにおいて、少なくとも:
a)少なくとも1種のメラミン−ホルムアルデヒドポリマーを含むマイクロカプセル化材料を、少なくとも1種のヨードプロパルギル化合物に適用する工程、
b)T×T×tの積が、>18000、好ましくは>20000、特に好ましくは>25000(℃)
2hであるように、50〜95℃、好ましくは64〜95℃、好ましくは68〜95℃、特に好ましくは70〜95℃、極めて特に好ましくは70〜90℃の温度Tで時間tにわたって処理する工程
を含むことを特徴とする、プロセスも包含される。
【0034】
a)においては、少なくとも1種のメラミン−ホルムアルデヒドポリマーを少なくとも1種のヨードプロパルギル化合物に適用する。
【0035】
このために好適なメラミン−ホルムアルデヒドポリマーは十分に公知であり、たとえばSaduren(登録商標)(BASF AG)、Maprenal(登録商標)(Ineos Melamines)、Quecodur(登録商標)(Thor GmbH)などの商品名で購入することも可能であり、またはたとえば国際公開第2008/000797A2号パンフレットに記載されているそれ自体公知の方法によって、メラミンとホルムアルデヒドとから製造することも可能である。
【0036】
a)における適用は、少なくとも1種のヨードプロパルギル化合物の水性エマルションまたは懸濁液が、好ましくは水性媒体中に溶解させた少なくとも1種のメラミン−ホルムアルデヒドポリマーと接触させられ、およびその少なくとも1種のメラミン−ホルムアルデヒドポリマーの溶解性を低下させることによって、少なくとも1種のメラミン−ホルムアルデヒドポリマーの少なくとも1種のヨードプロパルギル化合物に対する適用が起こるようにして実施されるのが好ましい。
【0037】
この場合、溶解性の低下は、たとえば塩または塩の水溶液を添加することにより電解質の濃度を上げるか、またはpHを調節するかのいずれかによって起こり得る。
【0038】
ポリマーをヨードプロパルギル化合物に適用させるのに好適な条件は、いくつかの予備的な実験により、多大な苦労なく実験的に決めることができる。たとえば、その適用は、標準的な条件で測定するか、またはそれに基づいて、0〜6.5、好ましくは1.0〜4.0、特に好ましくは2.50〜3.50、極めて特に好ましくは2.80〜3.20の範囲のpHで起こり得る。
【0039】
本発明によるマイクロカプセルを製造するための本発明によるプロセスにおいて、メラミン−ホルムアルデヒドポリマーの適用は、広い温度範囲で起こり得、たとえば10〜95℃の温度、好ましくは50〜95℃、特に好ましくは64〜95℃の範囲、極めて特に好ましくは68〜95℃の温度、さらに好ましくは70〜95℃の温度、極めて特に好ましくは70〜95℃で適用を起こる。IPBCを使用する場合は特に、68〜95℃、好ましくは70〜95℃、特に好ましくは70〜90℃の温度が有利であり、その理由は、それらがIPBCの融点範囲(64〜68℃)の上端以上であるためである。
【0040】
接触および適用をもたらすことは、たとえば、少なくとも1種のヨードプロパルギル化合物の水性エマルションまたは懸濁液を最初に導入し、少なくとも1種のメラミン−ホルムアルデヒドポリマーの水溶液を添加し、その後、好ましくはpHを調節することによって、その少なくとも1種のメラミン−ホルムアルデヒドポリマーの溶解度の低下させることにより、実施することができる。
【0041】
この場合、電解質の添加またはpHの調節は、たとえば、直接的に、または少なくとも1分間かけて、好ましくは少なくとも30分〜24時間の時間をかけて、特に好ましくは少なくとも1時間かけて、極めて特に好ましくは少なくとも2〜6時間かけて実施する。
【0042】
これに代わる方法として、接触および適用をもたらすことを、たとえば、少なくとも1種のヨードプロパルギル化合物の水性エマルションまたは懸濁液が、好ましくはpHを調節することによって少なくとも1種のメラミン−ホルムアルデヒドポリマーの適用がもたらされることが確立されている条件下で提供され、次いで、少なくとも1種のメラミン−ホルムアルデヒドポリマーの水溶液が添加されるように実施することもできる。
【0043】
pHを決定するには、無機酸または有機酸のいずれか、たとえば、塩酸、硫酸、リン酸、またはクエン酸、シュウ酸、酢酸、ギ酸、酸性の塩、または前述の化合物の任意の所望の混合物を使用することができる。
【0044】
ヨードプロパルギル化合物は、典型的には、水中には極めて貧溶性である。
【0045】
したがって、a)においては、ヨードプロパルギル化合物の水性エマルションもしくは懸濁液、またはヨードプロパルギル化合物の有機溶媒中溶液を使用するのが好ましい。これに関しては、ヨードプロパルギル化合物の有機溶媒中のエマルションを製造するために、水とは非混和性であるか、または少なくとも完全には混和しない有機溶媒を使用する必要があることは当業者には自明である。
【0046】
特に好ましい実施形態においては、工程a)において、少なくとも1種のヨードプロパルギル化合物の水性懸濁液を使用する。
【0047】
代替実施形態においては、水性の、少なくとも1種のヨードプロパルギル化合物のエマルション化溶融物を使用する。
【0048】
a)において、その水性エマルションまたは懸濁液に、当業者に公知のさらなる助剤、たとえば保護コロイドを加えることも可能である。
【0049】
好適な保護コロイドとしては、たとえば、以下のものが挙げられる:ポリアクリレート、好ましくはCoadis(登録商標)BR3(Coatex)、部分鹸化ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロースエーテル(Tylose)、たとえば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、もしくはヒドロキシプロピルメチルセルロース、デンプン、タンパク質、アラビアゴム、アルギネート、ペクチン、ゼラチン、またはそれらの化合物の混合物。特に好ましいのは、保護コロイドとしてのアラビアゴムとポリアクリレートとの混合物を使用することである。
【0050】
保護コロイドは、典型的には、上述のようなマイクロカプセル化材料の少なくとも部分的な構成成分である。
【0051】
本発明によるマイクロカプセルを製造するための、本発明によるプロセスにおいて、b)では、T×T×tの積が、>18000、好ましくは>20000、たとえば>20000〜300000、特に好ましくは>25000、たとえば>25000〜300000(℃)
2hであるように、50〜95℃、好ましくは64〜95℃、好ましくは68〜95℃、特に好ましくは70〜95℃、極めて特に好ましくは70〜90℃の処理温度Tで時間tにわたって行われる。特定の温度での処理とは、a)に従ってマイクロカプセルが形成されたら直ちに、すなわち、マイクロカプセル化材料の適用が始まったときからのマイクロカプセルの処理を意味していると理解されたい。したがって、b)における条件は、適用温度が上述の温度間隔の間にあれば既に満たされている。
【0052】
b)における処理は、適用が完了したときに、マイクロカプセルを、先に挙げた間隔内に入る温度に曝露することによって、代替的または追加的に実施することができる。この曝露は、たとえばおよび好ましくは、反応混合物を後撹拌するか、静置するか、もしくは保存することによって実施するか、またはたとえば貯蔵することによってマイクロカプセルを単離させた後で実施することもできる。
【0053】
科学的に拘束されることを決して望むものではないが、上述の温度で処理した結果として、未架橋または未重合の任意の基が架橋されるか、重合されると考えられる。
【0054】
上述の温度での処理は、1時間以上の時間をかけて、好ましくは1〜30時間の時間をかけて、特に好ましくは5〜30時間の時間をかけて実施するのが好ましい。
【0055】
それ以上の時間をかけても、注目されるほどの改良は得られない。
【0056】
好ましい実施形態においては、処理および上記の積は、適用が完了した後の時間と温度とに関係する。
【0057】
代替実施形態においては、本発明によるマイクロカプセルを製造するために、ヨードプロパルギル化合物の懸濁液またはエマルションに尿素を添加することも可能である。その尿素の添加は、たとえば、b)による処理の前に実施することができる。代替実施形態においては、尿素の添加を、b)による処理の直後に実施することもできる。さらに別の実施形態においては、尿素の添加を、加熱処理の後にさらなる助剤、たとえば、パック防腐剤および乳化剤を配合する過程で実施することもできる。加熱処理の後、さらなる助剤を配合する過程で尿素の添加を実施するのが好ましい。
【0058】
尿素の添加を、単離されたマイクロカプセルからの配合物を製造する際に実施することもできる。
【0059】
尿素の添加量は、使用したカプセル化材料の全量を基準にして、たとえば0.1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%、特に好ましくは2〜5重量%である。
【0060】
本発明によるマイクロカプセルを製造するための本発明によるプロセスは、任意の所望の圧力で実施することができる。本発明によるマイクロカプセルを製造するための本発明によるプロセスを周囲圧力で実施するのが好ましい。
【0061】
次いで、本発明によるマイクロカプセルを、たとえば濾過法、沈降法または遠心分離法によって単離し、任意選択的に室温、または穏やかな加熱によって乾燥させることができる。しかしながら、噴霧乾燥または凍結乾燥によってマイクロカプセル化材料を乾燥かつ単離させる選択肢も存在する。本発明によるマイクロカプセルを濾過法によって分離し、さらに乾燥させることなく、配合物を製造するのに使用するのが好ましい。
【0062】
本発明において製造することが可能なマイクロカプセルは、驚くべきことに、他のマイクロカプセル化プロセスに比較して、低い溶出速度を有しており、そのため特に有利である。
【0063】
したがって、本発明にはさらに、本発明によるプロセスによって得ることが可能なマイクロカプセル、および/または少なくとも1種のヨードプロパルギル化合物を含むマイクロカプセルも包含され、ここで、その少なくとも1種のヨードプロパルギル化合物は、少なくとも1種のメラミン−ホルムアルデヒドポリマーを用いてマイクロカプセル化され、そのマイクロカプセルは、実施例で説明する24時間溶出試験によって測定して、1〜80ppm(特に断らない限り、ppmは常に重量ppmを表す)、好ましくは2〜50ppm、特に好ましくは5〜40ppm、極めて特に好ましくは5〜30ppmの24時間溶出速度を有している。
【0064】
本発明によるマイクロカプセルは、殺生物剤中においてまたは殺生物剤として、特に殺真菌性薬剤として、特に有用である。したがって、本発明にはさらに、本発明によるマイクロカプセルを含む殺生物性薬剤、さらには殺生物性薬剤としてまたは殺生物性薬剤中における本発明によるマイクロカプセルの使用もまた包含される。
【0065】
本発明によるマイクロカプセルは、高い有効性と、真菌に対するそれらの幅広い活性スペクトルとを特徴としている。
【0066】
たとえば、以下の属の微生物をあげることができる:
アルテルナリア属、たとえばアルテルナリア・テヌイス(Alternaria tenuis)、
アスペルギルス(Aspergillus)属、たとえばアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、
カエトミウム(Chaetomium)属、たとえばカエトミウム・グロボスム(Chaetomium globosum)、
コニオフォラ(Coniophora)属、たとえば、コニオフォラ・プエタナ(Coniophora puetana)、
レンチヌス(Lentinus)属、たとえば、レンチヌス・チグリヌス(Lentinus tigrinus)、
ペニシリウム(Penicillium)属、たとえばペニシリウム・グラウクム(Penicillium glaucum)、
ポリポルス(Polyporus)属、たとえば、ポリポルス・ベルシコロル(Polyporus versicolor)、
オーレオバシジウム(Aureobasidium)属、たとえばオーレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)、
スクレロフォーマ(Sclerophoma)属、たとえばスクレロフォーマ・ピティフィラ(Sclerophoma pityophila)、
トリコデルマ(Trichoderma)属、たとえばトリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)。
【0067】
本発明による殺生物性薬剤は、たとえば懸濁液濃縮物、水和性粉体、水和性粒状体、または単純な粉体混合物など、任意の所望の剤形で存在することが可能であり、懸濁液濃縮物、粉体混合物、および水和性粒状体が好ましい。
【0068】
原理的には、好ましいタイプの剤形は本質的に、目的とする用途と、それに必要とされる物理的性質とに依存する。しかしながら、これらのことは公知であるため、当業者は通常、少数の実験で好ましいタイプの剤形を確認する。
【0069】
その配合物にはさらに、たとえば安定剤、パック防腐剤、ならびにさらなる殺生物剤、たとえば、殺真菌剤、殺藻剤、殺虫剤、ダニ駆除剤、線虫駆除剤、ラジサイド(radicide)、および除草剤、またはそれらの混合物、好ましくは殺真菌剤もしくは殺藻剤またはそれらの混合物、極めて好ましくは殺藻剤などの物質を、それぞれの場合において互いに独立して、マイクロカプセル化された形態またはマイクロカプセル化されていない形態のいずれかで含むことができる。
【0070】
殺生物性薬剤には、本発明によるマイクロカプセルに加えて、任意選択的に任意の助剤をさらに含むこともできる。以下に列記する助剤においては、それぞれの場合において他から独立して、それらが存在しないという選択肢もある。可能な添加物としては、たとえば、以下のものが挙げられる:
・界面活性物質、たとえば、界面活性剤。界面活性剤は、たとえば、ノニオン性、カチオン性および両性の界面活性剤であってよく、アニオン性界面活性剤が好ましい。アニオン性界面活性剤は、たとえば以下のものである:アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルアリールスルホネート、アルキルスクシネート、アルキルスルホスクシネート、N−アルコイルサルコシネート、アシルタウレート、アシルイセチオネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、アルキルエーテルカルボキシレート、アルファ−オレフィンスルホネート、特には、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、たとえば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、さらにはアンモニウムおよびトリエタノールアミン塩。アルキルエーテルスルフェート、アルキルエーテルホスフェートおよびアルキルエーテルカルボキシレートは、それぞれの場合において、1〜10個のエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド単位、好ましくは1〜3個のエチレンオキシド単位を有することができる。たとえば、ナトリウムラウリルスルフェート、アンモニウムラウリルスルフェート、ナトリウムラウリルエーテルスルフェート、アンモニウムラウリルエーテルスルフェート、ナトリウムラウリルサルコシネート、ナトリウムオレイルスクシネート、アンモニウムラウリルスルホスクシネート、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、トリエタノールアミンドデシルベンゼンスルホネートなどが好適である。本発明による殺生物性薬剤には、この場合、たとえば0.01〜10重量%、好ましくは0.2〜8重量%、特に好ましくは0.3〜5重量%、極めて特に好ましくは0.5〜3重量%の界面活性物質を含むことができる。
・消泡剤。使用される消泡剤は、一般的に、表面活性溶液中にわずかに可溶性の界面活性物質である。好ましい消泡剤は、天然油脂、石油誘導体、またはシリコーンオイル由来のものである。
・濡れ剤、たとえば、芳香族スルホン酸、たとえばリグニン−、フェノール−、ナフタレン−、およびジブチルナフタレンスルホン酸、ならびにさらには脂肪酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキル−およびアルキルアリールスルホネート、アルキル、ラウリルエーテルおよび脂肪族アルコールのスルフェート、ならびにスルフェート化されたヘキサ−、ヘプタ−およびオクタデカノール、または脂肪族アルコールグリコールエーテルの塩、スルホネート化フタレンおよびその誘導体とホルムアルデヒドとの縮合反応生成物、ナフタレンまたはナフタレンスルホン酸と、フェノールおよびホルムアルデヒドとの縮合反応生成物、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、エトキシル化イソオクチル−、オクチル−もしくはノニルフェノール、アルキルフェノールもしくはトリブチルフェニルポリグリコールエーテル、トリスステリルフェニルエーテルエトキシレート、アルキルアリールポリエーテルアルコール、イソトリデシルアルコール、脂肪族アルコールエチレンオキシド縮合物、エトキシル化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、およびポリオキシプロピレン、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセテート、ソルビタンエステル、リグノスルファイト廃液、またはメチルセルロース。本発明による殺生物性薬剤には、この場合、たとえば0.01〜8重量%、好ましくは0.2〜6重量%、特に好ましくは0.3〜5重量%、極めて特に好ましくは0.5〜3重量%の濡れ剤を含むことができる。
・乳化剤、たとえば、鎖長C
10〜C
20の直鎖脂肪族カルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩、およびアンモニウム塩。ナトリウムヒドロキシオクタデカンスルホネート、鎖長C
10〜C
20のヒドロキシ脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩ならびにそれらのスルホン化またはアセチル化反応生成物、アルキルスルフェート、さらにはトリエタノールアミン塩、アルキル−(C
10〜C
20)−スルホネート、アルキル−(C
10〜C
20)−アリールスルホネート、ジメチルジアルキル−(C
8〜C
18)−塩化アンモニウム、アシル、アルキル、オレイルおよびアルキルアリールオキシエチラートおよびそれらのスルフェート化反応生成物、鎖長C
4〜C
16の脂肪族飽和一価アルコールとのスルホコハク酸エステルのアルカリ金属塩、鎖長C
10〜C
12の一価脂肪族アルコールのポリエチレングリコールエーテルとのスルホコハク酸4−エステル(二ナトリウム塩)、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテルとのスルホコハク酸4−エステル(二ナトリウム塩)、スルホコハク酸ビス−シクロヘキシルエステル(ナトリウム塩)、リグノスルホン酸、およびそれのカルシウム塩、マグネシウム塩、ナトリウム塩およびアンモニウム塩、20個のエチレンオキシド基を有するポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、樹脂酸、水素化および脱水素化樹脂酸およびそれらのアルカリ金属塩、ドデシル化ジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ならびにエチレンオキシドの最小含量が10重量%のエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー。好ましくは、使用される乳化剤が以下のものである:ナトリウムラウリルスルフェート、ナトリウムラウリルエーテルスルフェート、エトキシル化(3エチレンオキシド基);オレイルアルコールのポリエチレングリコール(4〜20)エーテル、およびノニルフェノールのポリエテンオキシド(4〜14)エーテル。本発明による殺生物性薬剤には、この場合、たとえば0.01〜15重量%、好ましくは0.02〜8重量%、特に好ましくは0.05〜6重量%、極めて特に好ましくは0.1〜5重量%の乳化剤を含むことができる。
・分散剤、たとえば、アルキルフェノールポリグリコールエーテル。本発明による殺生物性薬剤には、この場合、たとえば0.01〜15重量%、好ましくは0.02〜8重量%、特に好ましくは0.05〜6重量%、極めて特に好ましくは0.1〜5重量%の分散剤を含むことができる。
・安定剤、たとえば、セルロースおよびセルロース誘導体。本発明による殺生物性薬剤には、この場合、たとえば0.01〜6重量%、好ましくは0.01〜3重量%、特に好ましくは0.01〜2重量%、極めて特に好ましくは0.01〜1重量%の安定剤を含むことができる。
・安定剤、たとえば、抗酸化剤、フリーラジカル捕捉剤、またはUV吸収剤。
・接着剤または保護コロイド、たとえば、カルボキシメチルセルロース、天然および合成の粉状体、粒状もしくはラテックス様のポリマー、たとえば、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、および天然リン脂質、たとえばケファリンおよびレシチン、ならびに合成リン脂質、およびパラフィンオイル。本発明による殺生物性薬剤には、この場合、たとえば0.01〜8重量%、好ましくは0.05〜4重量%、特に好ましくは0.2〜3重量%、極めて特に好ましくは0.2〜2重量%の接着剤を含むことができる。
・展着剤(spreading agent)、たとえば、イソプロピルミリステート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、およびポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル。本発明による殺生物性薬剤には、この場合、たとえば0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%、極めて特に好ましくは0.1〜2重量%の展着剤を含むことができる。
・芳香剤および染料、たとえば、無機顔料、たとえば酸化鉄、酸化チタン、プルシアンブルー、ならびに有機染料、たとえば、アリザリン、アゾおよびメタロフタロシアニン染料、ならびにトレース量の養分(nutrient)、たとえば、鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデン、および亜鉛の塩。本発明による殺生物性薬剤には、この場合、それぞれの場合において、たとえば0.001〜4重量%、好ましくは0.01〜1重量%、特に好ましくは0.01〜0.8重量%の芳香剤および染料を含むことができる。
・緩衝剤物質、緩衝系またはpH調節剤。本発明による殺生物性薬剤には、この場合、それぞれの場合において、たとえば0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の緩衝剤物質、緩衝系またはpH調節剤を含むことができる。
・増粘剤(thickenings)、たとえば、多糖類、キサンタンゴム、ケイ酸ナトリウムまたはケイ酸マグネシウム、ヘテロ多糖類、アルギネート、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、またはポリアクリル酸、好ましくはキサンタンゴム。
・制塵剤(dedusting agent)、たとえば、ポリグリコール、およびポリグリコールエーテル。本発明による殺生物性薬剤には、この場合、それぞれの場合において、たとえば0.01〜2重量%、好ましくは0.05〜1重量%、特に好ましくは0.1〜0.5重量%を含むことができる。
・使用することが可能な流動剤(flow agent)または剥離剤(release agent)は、たとえば高分散のシリカまたは脂肪酸のMg塩である。本発明による殺生物性薬剤には、この場合、それぞれの場合において、固形分の流動性を改良する目的で、0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜3重量%、特に好ましくは0.1〜2重量%の流動剤を含むことができる。
・パック防腐剤(pack preservative)は、たとえば、殺生物剤、殺菌剤、および殺真菌剤である。本発明による殺生物性薬剤には、この場合、それぞれの場合において、たとえば0.01〜2重量%、好ましくは0.05〜1重量%のパック防腐剤を含むことができる。
【0071】
本発明による殺生物性薬剤中における上述の助剤を合計した含量は、たとえば0.001〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%、特に好ましくは0.1〜10重量%である。
【0072】
固体状配合物、たとえば、粉体混合物または水和性粒状体(WG)としては、粒子状のマイクロカプセル化されたヨードプロパルギル化合物に加えてさらに、固体状の助剤、たとえば、天然の石粉、たとえばカオリン、クレー土類、タルク、大理石、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイト、もしくは珪藻土、または合成無機物質、たとえば、高分散シリカ、酸化アルミニウム、およびシリケート、またはそれらの混合物を挙げることができる。
【0073】
その固体状配合物は、それ自体公知の方法、たとえば本発明によるマイクロカプセルを固体状の助剤と密接に混合するか、または固体状の助剤をマイクロカプセル化されたヨードプロパルギル化合物と組み合わせて摩砕するかによって得ることができる。さらには、液体状の配合物を乾燥、たとえば噴霧乾燥させることによって固体状配合物を得ることも可能である。
【0074】
好ましい固体状配合物には、たとえば10〜99.999重量%、好ましくは15〜99.9重量%の本発明によるマイクロカプセルが含まれる。
【0075】
液体状配合物は、たとえば、懸濁液濃縮物、分散体、ゲル、またはペーストであってよい。
【0076】
好ましい液体状配合物が水性分散体であるのが好ましい。
【0077】
液体状配合物、たとえば、特に分散体は、それ自体公知の方法、たとえばその液体状の配合物中に存在することになるさらなる物質を合わせて摩砕し、次いで、マイクロカプセル化されたヨードプロパルギル化合物を添加するか、またはマイクロカプセル化されたヨードプロパルギル化合物と液体状の配合物中に存在することになる他の物質とを、ディソルバーまたはスターラーにより、相互に密接に混合することにより調製することができる。
【0078】
液体状配合物には、一般的には2〜95重量%、好ましくは5〜75重量%、極めて特に好ましくは5〜50重量%の本発明によるマイクロカプセルが含まれる。
【0079】
本発明はさらに、技術材料を保護するための、本発明によるマイクロカプセルまたは本発明による殺生物性薬剤の使用、さらには本発明による殺生物性薬剤または本発明によるマイクロカプセルを含む技術材料にも関する。
【0080】
技術材料とは、たとえば以下のものである:建築材料、木材、木材ベースの材料、木材−プラスチック複合材料、シーリング組成物、ジョイントシール、プラスチック、フィルム、石板、織物、たとえば、ターポリンおよびテント、織物複合材料、コーティング組成物、たとえば、ペイント、壁用ペイント、木材保護ペイント、ファサードペイント、屋外用ペイント、屋内用ペイント、エマルションペイント、シリケートペイント、ワニス、コンクリート、セメント、モルタルもしくは石膏、好ましくはシリケート結合、鉱物質、樹脂結合、もしくはシリコーン−樹脂結合石膏、合成樹脂石膏、木材コーティング、木材グレーズ、コンクリートコーティング、亙コーティング、シーリング組成物、または織物コーティング。
【0081】
本発明によるコーティング組成物のさらなる応用は、建築産業、さらには医薬産業、織物産業、ゴム産業、シーラント産業、農業、および実験室技術に見出される。
【0082】
本発明の利点は、本発明によるマイクロカプセルが、優れた、すなわち抑制された溶出挙動を示す点にあると考えられる。したがって、本発明においては、コーティング組成物の保護のためのより少量の使用と、かなり長い作用時間の達成との両方が可能となる。
【実施例】
【0084】
実施例1〜4で、IPBCマイクロカプセルの製造について述べる。ここでは、以下の材料を使用した。
【0085】
呼称
・アラビアゴム溶液(4重量%)
・Coadis(商標)BR3(H
2O中、50重量%)(分散剤;水性ポリアクリレート塩溶液、Coatex製)
・SILFOAM(登録商標)SRE(シリコーン消泡エマルション消泡剤、Wacker製)
・Preventol MP 100(IPBC)
・Maprenal(登録商標)/水溶液(1:1)(Maprenal(登録商標)MF 921w/85WA、メラミン−ホルムアルデヒドポリマー、INEOS Melamines製)
・Soprophor(登録商標)S25(乳化剤、トリス−ステリルフェニルエーテルエトキシレートベース)
・Preventol(登録商標)BM 25(パック防腐剤、2.4重量%のベンズイソチアゾリノンおよび4.9重量%のメチルイソチアゾリノンを含む)
・Rhodopol−G(登録商標)(増粘剤、キサンタンゴムベース、Solvay Rhodia製)
・尿素
【0086】
マイクロカプセルのサイズは、レーザー回折により求めた。固体のカプセル、またはそれから製造された懸濁液/配合物のいずれかを添加した。以下の装置と設定値を使用した。
装置:LS 13 320 Particle Size Analyzer(Beckmann Coulter製)、PIDS技術利用(Polarization Intensity Differential Scattering Technology)
サンプルモジュール:Universal Liquid Module(ULM)
光源:回折:ソリッドステート(780nm);PIDS:タングステンランプ、帯域フィルター(450、600、および900nm)付き
測定時間:90秒、測定前15秒間超音波
計算:フラウンホーファーモデル
結果:体積分布径のD50%およびD90%
【0087】
実施例1
IPBC含有マイクロカプセルの製造(後撹拌時間4h、70℃)
1Lのステンレス鋼ポット内で3.76gのCoadis BR、37.5gのアラビアゴム溶液(4重量%強度)、および3.03gのWacker SRE消泡剤を、637.22gの水中で室温で撹拌しながら加工すると、わずかに曇った溶液が得られた。
【0088】
次いで、8.85gのクエン酸の50重量%強度水溶液を添加することによって、そのpHをpH=7.70からpH=2.96にまで下げた。
【0089】
そのようにして得られた溶液を、インペラー攪拌機とUltraturraxとを備えた1000mLのフラットフランジポットに移した。インペラー攪拌機を使用し、約400〜420rpmで撹拌しながら、150.09gのIPBCを添加した。
【0090】
次いで、その混合物を加熱して70℃とし、その途中、60℃より上でIPBCの溶融が始まったところで、Ultra−Turraxの電源を入れ(15600rpm)、70℃に達してから、少なくとも30分かけてその混合物を乳化させた。
【0091】
次いで、150gのMarprenal MF 921w/85WAの50重量%強度水溶液を、3時間かけて計量添加した。Ultra−Turraxは最初から運転し続けた。メラミン−ホルムアルデヒドポリマーの10%を仕込み終えたら、Ultra−Turraxの電源を切り、その反応混合物は、インペラー攪拌機のみを使用して撹拌速度一定で撹拌した。
【0092】
メラミン−ホルムアルデヒドポリマーの計量添加が完了したら、その反応混合物を70℃でさらに4時間にわたり後撹拌し、次いで、静置し、膜ポンプの真空下に減圧で濾過した。次いで、その湿分を含むフィルターケーキを、67g、27g、および7gの熱水(80℃)を用いて洗浄した。
【0093】
これにより、312.50gの白色で湿分を含む生成物が得られた。
適用開始時からの積(T×T×t):70℃×70℃×7h=34300(℃)
2h
適用終了後の積(T×T×t):70℃×70℃×4h=19600(℃)
2h
粒径:
D50[μm]:29.9
D90[μm]:45.1
【0094】
水分含量および活性成分含量を求めるために、少量のサンプルをRotavapor上で2時間かけて乾燥させ、その乾燥させたカプセル物質のIPBC含量を、IPBCにより求めた。
乾燥物質中のIPBC含量:69.5重量%
粒径:
D50[μm]:24.0
D90[μm]:37.6
【0095】
湿分を含む反応生成物(エントリー1a)および乾燥させたカプセル(エントリー1b)について、溶出試験における、水中への活性成分の放出について調べた。その結果を後の表1に示す。
【0096】
実施例2
IPBC含有マイクロカプセルの製造(後撹拌時間4h、85℃)
実施例1と同様にしてマイクロカプセルを製造したが、ただし、メラミン−ホルムアルデヒドポリマーの計量添加が完了した後、その反応混合物を85℃でさらに4時間にわたり後撹拌した。
【0097】
これにより、312.50gの白色で湿分を含む生成物が得られた。
適用開始時からの積(T×T×t):70℃×70℃×3h+85℃×85℃×4h=43600(℃)
2h
適用完了後の積(T×T×t):85℃×85℃×4h=28900(℃)
2h
粒径:
D50[μm]:22.3
D90[μm]:37.7
【0098】
Rotavapor上で、119.76gの湿分を含む反応生成物を乾燥させた。それにより、80.06gの乾燥させたカプセルが白色の粉体として得られ、そのIPBC含量は67.1重量%であった。
粒径:
D50[μm]:19.7
D90[μm]:34.6
【0099】
湿分を含む反応生成物(エントリー2a)および乾燥させたカプセル(エントリー2b)について、溶出試験における、水中へ放出された活性成分について調べた。その結果を後の表1に示す。
【0100】
湿分を含む反応生成物からの配合物の調製
151.35gの水を、0.76gの完全に溶融させたSoprophor S/25と、プロペラ攪拌機を用いて約300rpmで撹拌してから、84.22gの湿分を含む反応生成物を添加し、および0.25gの50重量%強度のNaOH溶液を使用して、そのpHを4.0から8.1へと調節した。次いで、12.43gの尿素を添加し、その混合物を10分間撹拌してすべて溶解させ、次いで、さらに撹拌を続けながら、0.38gのRhodopol−Gを徐々に添加し、その混合物を1時間撹拌して、その配合物を均質にした。次いでその配合物を、0.95gのPreventol BM 25を添加することにより、保存した。
【0101】
それにより、250gの白色の配合物が得られ、そのIPBC含量は16.0重量%であった。
粒径:
D50[μm]:21.8
D90[μm]:57.9
【0102】
その配合物について、溶出試験における、水中への活性成分放出について調べた(エントリー2c)。その結果を後の表1に示す。
【0103】
乾燥させたカプセルからの配合物の調製
178.0gの水を、0.76gの完全に溶融させたSoprophor S/25と、プロペラ攪拌機を用いて約300rpmで撹拌してから、55.88gの乾燥させたカプセルを添加し、および0.23gの50重量%強度のNaOH溶液を使用して、そのpHを8.3に調節した。次いで、12.49gの尿素を添加し、その混合物を10分間撹拌してすべて溶解させ、次いで、さらに撹拌を続けながら、0.40gのRhodopol−Gを徐々に添加し、撹拌を1時間実施して、その配合物を均質にした。次いでその配合物を、0.95gのPreventol BM 25を添加することにより、保存した。
【0104】
それにより、250gの白色の配合物が得られ、そのIPBC含量は13.6重量%であった。
粒径:
D50[μm]:20.4
D90[μm]:37.5
【0105】
その配合物について、溶出試験における、水中への活性成分放出について調べた(エントリー2d)。その結果を後の表1に示す。
【0106】
実施例3
IPBC含有マイクロカプセルの製造(後撹拌時間18h、80℃)
実施例1と同様にしてマイクロカプセルを製造したが、ただし、メラミン−ホルムアルデヒドポリマーの計量添加が完了した後、その反応混合物を80℃でさらに18時間にわたり後撹拌した。
【0107】
これにより、253.98gの白色で湿分を含む生成物が得られた。IPBCの含量は50.2重量%であった。
適用開始時からの積(T×T×t):70℃×70℃×3h+85℃×85℃×18h=144750(℃)
2h
適用完了後の積(T×T×t):85℃×85℃×18h=130050(℃)
2h
粒径:
D50[μm]:19.2
D90[μm]:39.4
【0108】
Rotavapor上で、123.95gの湿分を含む反応生成物を乾燥させた。それにより、91.92gの乾燥させたカプセルが白色の粉体として得られ、そのIPBC含量は67.7重量%であった。
粒径:
D50[μm]:19.3
D90[μm]:33.7
【0109】
湿分を含む反応生成物(エントリー3a)および乾燥させたカプセル(エントリー3b)について、溶出試験における、水中への活性成分の放出について調べた。その結果を後の表1に示す。
【0110】
湿分を含む反応生成物からの配合物の調製
160gの水を、0.76gの完全に溶融させたSoprophor S/25と、プロペラ攪拌を用いて約300rpmで撹拌してから、75.11gの湿分を含む反応生成物を添加し、および0.24gの50重量%強度のNaOH溶液を使用して、そのpHを4.0から8.8へと調節した。次いで、12.52gの尿素を添加し、その混合物を10分間撹拌してすべて溶解させ、次いで、さらに撹拌を続けながら、0.38gのRhodopol−Gを徐々に添加し、その混合物を1時間撹拌して、その配合物を均質にした。次いでその配合物を、0.95gのPreventol BM 25を添加することにより、保存した。
【0111】
それにより、250.3gの白色の配合物が得られ、そのIPBC含量は14.7重量%であった。
粒径:
D50[μm]:21.4
D90[μm]:81.2
【0112】
その配合物について、溶出試験における、水中への活性成分放出について調べた(エントリー3c)。その結果を後の表1に示す。
【0113】
乾燥させたカプセルからの配合物の調製
178.5gの水を、0.80gの完全に溶融させたSoprophor S/25と、プロペラ攪拌機を用いて約300rpmで撹拌してから、55.53gの乾燥させたカプセルを添加し、および0.95gの1MのNaOH溶液を使用して、そのpHを8.3に調節した。次いで、12.49gの尿素を添加し、およびその混合物を10分間撹拌してすべて溶解させ、次いで、さらに撹拌を続けながら、0.38gのRhodopol−Gを徐々に添加し、その混合物を1時間撹拌して、その配合物を均質にした。次いでその配合物を、0.95gのPreventol BM 25を添加することにより、保存した。
【0114】
それにより、250.2gの白色の配合物が得られ、そのIPBC含量は15.8重量%であった。
粒径:
D50[μm]:20.4
D90[μm]:36.1
【0115】
その配合物について、溶出試験における、水中への活性成分放出について調べた(エントリー3d)。その結果を後の表1に示す。
【0116】
実施例4
IPBC含有マイクロカプセルの製造(後撹拌時間22.5h、80℃、硫酸ナトリウム使用)
実施例1と同様にしてマイクロカプセルを製造したが、ただし、メラミン−ホルムアルデヒドポリマーの計量添加が完了した後、その反応混合物をさらに80℃で20時間にわたり後撹拌し、次いで99.1gの硫酸ナトリウムを添加し、80℃でさらに2.5時間にわたり撹拌した。
適用開始時からの積(T×T×t):70℃×70℃×3h+85℃×85℃×22.5h=177262.5(℃)
2h
適用完了後の積(T×T×t):85℃×85℃×22.5h=162562.5(℃)
2h
【0117】
湿分を含む反応生成物および配合物を製造するために、依然として熱い混合物を分割した。
【0118】
湿分を含む反応生成物の調製
519.07gのその混合物を取り出し、膜ポンプの真空下に減圧で濾過した。次いで、その湿分を含むフィルターケーキを、52g、52g、および26gの熱水(80℃)を用いて洗浄した。次いで、その混合物をさらに15分かけて減圧乾燥させた。
【0119】
これにより、152.12gの湿分を含む反応生成物が得られた。
粒径:
D50[μm]:22.2
D90[μm]:78.9
【0120】
水および活性成分の含量を測定するために、少量のサンプルをRotavapor上において80℃、80mbarで2時間かけて乾燥させ、その乾燥させたカプセル物質のIPBC含量をIPBCにより測定した。
乾燥物質中のIPBC含量:68.4重量%
粒径:
D50[μm]:21.1
D90[μm]:61.9
【0121】
湿分を含む反応生成物(エントリー4a)および乾燥させたカプセル(エントリー4b)について、溶出試験における、水中へ放出された活性成分について調べた。その結果を後の表1に示す。
【0122】
反応懸濁液からの配合物の調製
残存している懸濁液の435.80gを、5.51gの、Soprophor S/25の33重量%強度水溶液と、撹拌しながら混合した。次いで、1.38gの、40重量%強度のNaOH溶液を使用して、pHを4.03から8.40へと調節した。さらに撹拌を続けながら、次いで、21.79gの尿素および2.46gのRhodopol Gを添加し、その混合物をさらに2時間撹拌して均質にした。これにより、466.95gの白色の懸濁液が得られ、そのIPBC含量は12.1重量%であった(HPLC)。
粒径:
D50[μm]:20.3
D90[μm]:34.3
【0123】
その配合物について、溶出試験における、水中への活性成分放出について調べた(エントリー4c)。その結果を後の表1に示す。
【0124】
湿分を含むフィルターケーキからの配合物の調製
300.0gの水を、1.43gの完全に溶融させたSoprophor S/25と、プロペラ攪拌機を用いて約300rpmで撹拌してから、143.36gの、実施例1aからの湿分を含むフィルターケーキを添加し、および0.7gの50%強度のNaOH溶液を使用して、そのpHを4.2から7.2へと調節する。次いで、23.75gの尿素を添加し、その混合物を10分間撹拌してすべて溶解させ、次いで、さらに撹拌を続けながら、0.71gのRhodopol−Gを徐々に添加し、その混合物を2時間撹拌して、その配合物を均質にする。次いでその配合物に0.95gのPreventol BM 25(2.4%のベンズイソチアゾリノンおよび4.9%のメチルイソチアゾリノンを含む防腐剤)を添加して、保存する。
【0125】
これにより、478.72gの白色の配合物が得られ、そのIPBC含量は14.6%である。
粒径:
D50[μm]:19.4
D90[μm]:31.6
【0126】
その配合物について、溶出試験における、水中への活性成分放出について調べた(エントリー4d)。その結果を後の表1に示す。
【0127】
実施例5(国際公開第2004000953号パンフレットの調製実施例3にならった比較実験)
1Lのステンレス鋼ポット内で0.99gのアラビアゴム、4.99gのWacker SRE消泡剤、および272.50gのPreventol MP 400(IPBCの40%強度水中懸濁液)を394.9gの水中へ混ぜ込んだ。次いで、99gの12重量%強度クエン酸を添加することによって、そのpHを3.91から2.09に調節した。その分散体を加熱して60℃とし、撹拌しながら、217gのMarprenal MF 921w/85WAの50重量%強度水溶液を1時間かけて計量添加した。次いで、その混合物を60℃で2時間にわたり後撹拌した。
【0128】
144gのカプセル分散体を濾過分離し、25gおよび20gの冷水を用いて洗浄した。これにより、40.15gの湿分を含むフィルターケーキが得られ、そのIPBC含量は34.7重量%であった。
【0129】
4.67gのその湿分を含むフィルターケーキをRotavapor上で乾燥させた。これにより、2.90gの白色の粉体が得られ、そのIPBC含量は55.9重量%であった。
適用開始時からの積(T×T×t):60℃×60℃×3h=10800(℃)
2h
適用終了後の積(T×T×t):60℃×60℃×2h=7200(℃)
2h
【0130】
両方のサンプルについて、それらの溶出挙動を検討した(表1参照)。
【0131】
IPBC含有マイクロカプセルのための溶出試験の実施
100mLのねじ蓋式のガラスジャー内に280ppmのIPBC(100g基準)を含む配合物を秤込み、水を加えて100gとした。ねじ蓋式のジャーの蓋を閉め、20℃、250回転/分のサークラーシェーカー上でサンプルを振盪させた。24時間後(24時間溶出試験)および72時間後(72時間溶出試験)にピペットを用いて1mLのサンプルを抜き出し、反応容器に移した。そのサンプルを14000回転/分で6分間の遠心分離にかけ、その上澄みを高速液体クロマトグラフィーにより分析した。
【0132】
純水中へのIPBCの溶解度は135ppmであるが、マイクロカプセルまたは配合物の構成成分のため、この試験媒体中ではより大きい値となる可能性がある。
【0133】
【表1】