(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6247407
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】超広帯域小型化交差円偏波アンテナ
(51)【国際特許分類】
H01Q 13/08 20060101AFI20171204BHJP
H01Q 19/10 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
H01Q13/08
H01Q19/10
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-575342(P2016-575342)
(86)(22)【出願日】2015年10月14日
(65)【公表番号】特表2017-519455(P2017-519455A)
(43)【公表日】2017年7月13日
(86)【国際出願番号】CN2015091941
(87)【国際公開番号】WO2016066016
(87)【国際公開日】20160506
【審査請求日】2016年12月21日
(31)【優先権主張番号】201410598931.6
(32)【優先日】2014年10月30日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516384092
【氏名又は名称】庄 昆杰
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】庄 昆杰
【審査官】
橘 均憲
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第4903033(US,A)
【文献】
米国特許第6054953(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0025574(US,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第0901185(EP,A1)
【文献】
特開2009−188895(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q1/00−25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
順に設けられている複数の放射シートと、基板と、反射板と、90度位相シフトの等電力分配器と、を含み、
前記基板の正面が前記放射シートと対向し、前記基板の正面には、励起スロットが設けられており、前記基板の裏面が前記反射板と対向し、前記基板の裏面には、第1の電力分配器及び2つの第1の伝送線と、第2の電力分配器及び2つの第2の伝送線とが設けられており、前記第1の伝送線と前記第2の伝送線がそれぞれ、2つの偏波直交された交差直線偏波アンテナの伝送線であり、2つの前記第1の伝送線がそれぞれ前記第1の電力分配器の2つの出力端に接続され、2つの前記第2の伝送線がそれぞれ前記第2の電力分配器の2つの出力端に接続され、
前記第1の電力分配器と前記第2の電力分配器の入力端はそれぞれ、前記90度位相シフトの等電力分配器の2つの入力端に接続され、
2つの前記第1の伝送線と2つの前記第2の伝送線はそれぞれ前記励起スロットと直交交差し、前記基板正面の金属面に接続され、かつ、伝送線が前記励起スロットと直交交差する4つの直交点は、対称的に分布しており、
複数の放射シートは互いに平行に設けられている円形放射シートであり、前記基板からの放射シートの距離が遠いほど、放射シートの直径が小さいことを特徴とする、超広帯域小型化交差円偏波アンテナ。
【請求項2】
前記励起スロットは、正十字形徐変形状、菱形十字形徐変形状、H字形徐変形状を含む対称的な徐変形状であり、
前記励起スロットが短絡給電点において最も狭く、前記励起スロットの幅が前記励起スロットの中央位置に近づくほど広くなり、前記短絡給電点は、伝送線が前記励起スロットと直交交差する直交点であることを特徴とする、請求項1に記載の交差円偏波アンテナ。
【請求項3】
十字形スロットの中央位置には、励起スロットと容量結合を形成する円形金属面がさらに設けられており、前記円形金属面が十字形スロットに囲まれていることを特徴とする、請求項1に記載の交差円偏波アンテナ。
【請求項4】
前記基板裏面は、前記基板正面の励起スロットのマッピング位置に、前記励起スロットと同じ形状の十字形スロットが設けられており、前記十字形スロットが各伝送線の分岐に連通し、
前記十字形スロットの中央位置には、前記励起スロットと容量結合を形成する円形金属面が設けられており、前記円形金属面の周囲が前記十字形スロットに囲まれていることを特徴とする、請求項1に記載の交差円偏波アンテナ。
【請求項5】
前記基板上には、複数のビアホールが設けられており、前記ビアホールが伝送線のエッジ及び/又は前記励起スロットのエッジに沿って分布し、
前記基板正面の金属面と前記基板裏面の金属面とが前記ビアホールを介して接続されていることを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の交差円偏波アンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信分野におけるアンテナ技術分野に関し、具体的には、超広帯域小型化交差円偏波アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
国際無線通信規則の規定によると、既存の無線通信は、航空通信、海上通信、地上波通信、衛星通信、ブロードキャスト、テレビジョン、無線航法、位置決め及び遠隔測定、遠隔制御、宇宙探査などの50以上の異なるサービスに分けられ、それぞれのサービスに対して所定の周波数帯を規定している。
【0003】
移動通信サービスでは、すべての携帯電話の通信周波数帯はそれぞれ異なっており、例えば、GSM900が890−960MHzを用い、GSM1800が1710−1850MHzを用い、CDMAが825−880MHzを用い、3Gの主要な動作周波数帯が1880−2025MHzであり、中華人民共和国工業情報化部に許可された4Gの周波数帯が2575−2635MHzなどの高周波数帯である。
【0004】
現在の2G、3G、4G通信ネットワークが共存している。基地局または屋内分配システムに関係なく、各通信システムは、各自のアンテナを備える。既存のアンテナは、帯域幅が狭い。2G、3G、4Gアンテナの帯域幅を満たすには、多種の異なる帯域幅のアンテナを用いる必要があり、その結果、ステーション確立コストが高くなる。マルチパスは一般的に、別の直線偏波アンテナからある直線偏波アンテナまでの受信においてフェージングするため、無線信号は、ある時刻に厳しくフェージングする恐れがある。この課題を解決するために、既存の基地局と端末アンテナは全て、偏波ダイバーシチ受信を用いる、すなわち、デュアルチャネルデュアル偏波アンテナを用いる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術においてデュアル偏波アンテナの帯域幅が狭い欠点を克服するためのものであり、本発明の一態様によれば、超広帯域小型化交差円偏波アンテナを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施例による超広帯域小型化交差円偏波アンテナは、順に設けられている複数の放射シートと、基板と、反射板と、90度位相シフトの等電力分配器と、を含む。
【0007】
基板の正面が放射シートと対向し、基板の正面には、励起スロットが設けられており、基板の裏面が反射板と対向し、基板の裏面には、第1の電力分配器及び2つの第1の伝送線と、第2の電力分配器及び2つの第2の伝送線とが設けられており、第1の伝送線と第2の伝送線がそれぞれ、2つの偏波直交された交差直線偏波アンテナの伝送線であり、2つの第1の伝送線がそれぞれ第1の電力分配器の2つの出力端に接続され、2つの第2の伝送線がそれぞれ第2の電力分配器の2つの出力端に接続される。
【0008】
第1の電力分配器と第2の電力分配器の入力端はそれぞれ、90度位相シフトの等電力分配器の2つの入力端に接続される。
【0009】
2つの第1の伝送線と2つの第2の伝送線はそれぞれ励起スロットと直交交差し、基板正面の金属面に接続され、かつ、伝送線が励起スロットと直交交差する4つの直交点は、対称的に分布している。
【0010】
複数の放射シートは互いに平行に設けられている円形放射シートであり、基板からの放射シートの距離が遠いほど、放射シートの直径が小さい。
【0011】
前記技術案では、励起スロットは、正十字形徐変形状、菱形十字形徐変形状、H字形徐変形状を含む対称的な徐変形状である。
【0012】
励起スロットが短絡給電点において最も狭く、励起スロットの幅が励起スロットの中央位置に近づくほど広くなり、短絡給電点は、伝送線が励起スロットと直交交差する直交点である。
【0013】
前記技術案では、十字形スロットの中央位置には、励起スロットと容量結合を形成する円形金属面がさらに設けられており、円形金属面が十字形スロットに囲まれている。
【0014】
前記技術案では、基板裏面は、基板正面の励起スロットのマッピング位置に、励起スロットと同じ形状の十字形スロットが設けられており、十字形スロットが各伝送線の分岐に連通している。
【0015】
十字形スロットの中央位置には、励起スロットと容量結合を形成する円形金属面が設けられており、円形金属面の周囲が十字形スロットに囲まれている。
【0016】
前記技術案では、基板上には、複数のビアホールが設けられており、ビアホールが伝送線のエッジ及び/又は励振スロットのエッジに沿って分布し、基板正面の金属面と基板裏面の金属面とがビアホールを介して接続されている。
【発明の効果】
【0017】
本発明の実施例による超広帯域小型化交差円偏波アンテナでは、大きさが異なり、異なる周波数帯に対応する多層の放射シートを設けることにより、周波数帯を拡大する効果を奏する。第1の伝送線と第2の伝送路によって、それぞれ、90度の位相差を有する2つの偏波伝送信号を伝送し、ツーロード(two−road)等電力分配器によって、信号ごとに2つの分岐信号に分け、これら4つの伝送線の分岐が同時に十字形状星状励起スロットを励起し、4回の給電を形成し、生成された電磁波が多層の放射シートを励起し、多層の薄層空間内に、周波数が異なる定常波型電磁場を複数形成する。そして、反射板によりこれらの放射シートを二次励起することで、電磁波は、大きさの異なる多層の放射シートに対応する異なる周波数帯内において、複数回の共振を形成する。このように、周波数帯を拡大する効果を奏する。90度位相シフトの等電力分配器を追加することにより、出力された交差直線偏波が空間内に交差円偏波を形成し、空間距離及び偏波によって損失することで、アンテナは対応するアンテナポートの隔離度が得られる。交差直線偏波アンテナに代わる交差円偏波アンテナは、直線偏波アンテナよりも受信能力が良いだけでなく、抗干渉、抗フェージングで、より安定する。そして、アンテナを2つの端子から1つの端子に変更することで、チャネルの利用率を向上し、体積を小さくし、コストを削減する。
【0018】
本発明の他の特徴及び利点は以下の明細書に記載され、一部が明細書から明らかになるか、または、本発明を実施することによって了解される。本発明の目的及び他の利点は、明細書、特許請求の範囲及び図面に特に記載される構成によって実現及び取得され得る。
【0019】
以下、図面及び実施例を参照しながら、本発明の技術案をさらに詳細に説明する。
【0020】
図面は、本発明の更なる理解のために適用され、明細書を構成する一部であり、本発明の実施例と共に本発明を解釈するためのものであるが、本発明を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施例における超広帯域小型化交差円偏波アンテナの構成図である。
【
図2】本発明の実施例における基板裏面の構成図である。
【
図3】本発明の実施例における基板正面の構成図である。
【
図4】本発明の実施例における超広帯域小型化交差円偏波アンテナの立体構成図である。
【
図5】本発明の実施例における基板短絡給電点での詳細な構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明するが、本発明の保護範囲は、実施形態に制限されないと理解されるべきである。
【0023】
本発明の実施例によれば、超広帯域小型化交差円偏波アンテナを提供する。
図1は、本発明の実施例による超広帯域小型化交差円偏波アンテナの構成図であり、
図2及び
図3はそれぞれ、基板の裏面構成図及び正面構成図であり、
図4は、当該交差円偏波アンテナの立体構成図である。具体的には、当該超広帯域小型化交差円偏波アンテナは、複数の放射シート20と基板10と反射板30とが順に設けられている。放射シート20は、放射シートブラケットによって基板10上に固定されても良い。放射シート20は、他の方式によって固定されても良く、放射シートブラケットを用いることは、単に実施形態の1つに過ぎないということは、理解されるべきである。
【0024】
基板10の正面が放射シート20と対向し、基板10の正面には、励起スロット101が設けられており、基板10の裏面が反射板30と対向し、基板10の裏面には、第1の電力分配器110及び2つの第1の伝送線111と、第2の電力分配器120及び2つの第2の伝送線121とが設けられており、第1の伝送線111と第2の伝送線121がそれぞれ、2つの偏波直交された交差直線偏波アンテナの伝送線であり、2つの第1の伝送線111がそれぞれ第1の電力分配器110の2つの出力端に接続され、2つの第2の伝送線121がそれぞれ第2の電力分配器120の2つの出力端に接続される。具体的には、第1の電力分配器110と第2の電力分配器120は何れもツーロード等電力分配器である。
【0025】
2つの第1の伝送線111と2つの第2の伝送線121はそれぞれ励起スロット101と直交交差し、基板10正面の金属面に接続され、かつ、伝送線が励起スロット101と直交交差する4つの直交点は、対称的に分布している。複数の放射シート20は、互いに平行に設けられている円形放射シートであり、基板からの放射シートの距離が遠いほど、放射シートの直径が小さい。具体的には
図1に示されている。
【0026】
当該超広帯域小型化交差円偏波アンテナは、90度位相シフトの等電力分配器150をさらに含む。
図1に示すように、90度位相シフトの等電力分配器150は、基板の裏面に設けられても良い。第1の電力分配器110と第2の電力分配器120の入力端はそれぞれ、90度位相シフトの等電力分配器150の2つの入力端に接続される。90度位相シフトの等電力分配器の出力端は、当該交差円偏波アンテナの送信端または受信端であり、交差円偏波アンテナ信号を外部に出力することができる。
【0027】
好ましくは、励起スロット101は、対称的な徐変形状であり、正十字形徐変形状、菱形十字形徐変形状、H字形徐変形状を含むが、これらに限定されない。具体的には、
図2及び
図3に示すように、励起スロットが短絡給電点において最も狭く、励起スロットの幅が励起スロットの中央位置に近づくほど広くなり、短絡給電点は、伝送線が励起スロットと直交交差する直交点である。短絡給電点での詳細な構成は、
図5に示されている。
【0028】
図2において、基板裏面は、基板正面の励起スロット101のマッピング位置に、励起スロット101と同じ形状の十字形スロット102が設けられており、十字形スロット102が各伝送線の分岐に連通している。本発明の実施例による交差円偏波アンテナにおいて、十字形スロットの中央位置には、励起スロットと容量結合を形成する円形金属面130がさらに設けられており、円形金属面130の周囲が十字形スロットに囲まれている。当該円形金属面130と前記基板10の裏面金属面とは、連通していない。円形金属面130は、励起スロット102の長さを低減することができ、アンテナの小型化に有利である。
【0029】
好ましくは、基板10上には、複数のビアホール140が設けられており、ビアホール140が伝送線のエッジ及び/又は励振スロットのエッジに沿って分布している。ビアホールの分布形状は、
図2及び
図3に示されている。基板正面の金属面と基板裏面の金属面とがビアホールを介して接続されている。
【0030】
具体的には、ビアホールの数は1つだけではない。基板正面では、
図3に示すように、励起スロット101を除き、基板正面の他の領域が銅で広く被覆され、当該基板正面の銅被覆領域は、基板正面の金属面であり、当該正面の金属面も金属接地面である。同様に、基板裏面では、十字形スロット102、電力分配器(第1の電力分配器110及び第2の電力分配器120を含む)、伝送線(第1の伝送線111及び第2の伝送線121を含む)を除き、基板裏面の他の領域が銅で広く被覆され、当該基板裏面の銅被覆領域は、基板裏面の金属面である。
【0031】
基板正面の金属面と基板裏面の金属面とが、ビアホールを介して接続されて共通の接地面となり、これによって、伝送線によって生成される平面波の電磁場における干渉を低減し、アンテナの性能をより安定化させる。2つの第一の伝送線111と2つの第二の伝送線121は、ビアホール140を介して基板10正面の金属面に接続される。すなわち、伝送線の端子(出力端)を接地し、つまり、短絡することにより、伝送線と励振スロット102とが給電する4つの給電点間の結合を低減させる。
【0032】
本発明の実施例による超広帯域小型化交差円偏波アンテナでは、90度位相シフトの等電力分配器を追加することにより、出力された交差直線偏波が空間内に交差円偏波を形成する。当該交差円偏波アンテナによって送信される近傍領域交差円偏波は、空間距離及び偏波によって損失することで、アンテナは対応するアンテナポートの隔離度が得られる。
【0033】
直線偏波アンテナと比べて、円偏波アンテナは、以下の点で利点を有する。
【0034】
(1)円偏波アンテナは、任意の直線偏波からの電波を受信することが可能であり、かつ、円偏波アンテナの放射波は、任意の直線偏波アンテナで受信されることができる。
(2)円偏波アンテナの偏波直交性のため、若し、アンテナは、左旋円偏波を放射する場合、左旋円偏波のみを受信するが、右旋円偏波を受信しない。
(3)円偏波が対称なオブジェクト(例えば、平面、球面など)に入射すると、回転方向は、逆になる。したがって、円偏波アンテナは、移動通信に適用する場合、雨や霧の干渉を抑制し、マルチパス反射に抵抗することが可能である。
【0035】
そのため、円偏波アンテナは、直線偏波アンテナよりも抗フェージング、抗干渉及び抗マルチパスの効果が優れている。
【0036】
交差円偏波アンテナが直線偏波アンテナの信号を受信するとき、交差円偏波は、2つの直交直線偏波に分割することができ、すなわち、方向が垂直であり、90度の位相差を有するので、デュアル偏波デュアルチャネルアンテナと同じ効果を有する。そして、デュアル偏波アンテナの送信電力は、2つの経路でアンテナに送信されるので、ダウンリンクで3dBが損失する。シングルチャネル交差円偏波アンテナは、直線偏波アンテナから受信することにも3dBの電力が損失するが、1つのチャンネルを節約する。よって、交差円偏波アンテナは、完全にデュアル偏波アンテナに代わることが可能である。既存の被覆アンテナとしては、一般的にデュアル偏波アンテナを用いる。別のデュアル偏波アンテナからあるデュアル偏波アンテナで受信する場合、同様に偏波ダイバーシティを用いてマルチパスフェージングを軽減するが、円偏波アンテナは、依然として抗干渉、抗フェージングでより優れている。
【0037】
同時、交差円偏波アンテナは、交差直線偏波アンテナの代わりに採用されている。基地局と端末が交差直線偏波アンテナを採用しているため、2つの直交する直線偏波アンテナは1つの交差円偏波を受信するとき、偏波マッチング率は1であり、すなわち、最も理想的な偏波マッチング状態に達する。また、受信信号電力は、送受信アンテナの位置には無関係であり、アンテナの方向に依存しない。つまり、円偏波アンテナは障害物に干渉された後、常に直線偏波アンテナに対する良好な送受信能力を保持し、受信側の2つの交差直線偏波アンテナで受信された円偏波のエネルギーは、常に同一である。同様に、交差円偏波アンテナが交差直線偏波を受信する場合も、それと同じである。交差直線偏波アンテナに代わる交差円偏波アンテナは、直線偏波アンテナよりも受信能力が良いだけでなく、抗干渉、抗フェージングで、より安定する。そして、アンテナを2つの端子から1つの端子に変更することで、チャネルの利用率を向上し、体積を小さくし、コストを削減する。
【0038】
本発明の実施例による超広帯域小型化交差円偏波アンテナでは、第1の伝送線と第2の伝送路によって、それぞれ、90度の位相差を有する2つの偏波伝送信号を伝送し、ツーロード等電力分配器によって、信号ごとに2つの分岐信号に分け、これら4つの伝送線の分岐が同時に十字形状星状励起スロットを励起し、4回の給電を形成し、生成された電磁波が多層の放射シートを励起し、多層の薄層空間内に、周波数が異なる定常波型電磁場を複数形成する。そして、反射板によりこれらの放射シートを二次励起することで、電磁波は、大きさの異なる多層の放射シートに対応する異なる周波数帯内において、複数回の共振を形成する。このように、周波数帯を拡大する効果を奏する。90度位相シフトの等電力分配器を追加することにより、出力された交差直線偏波が空間内に交差円偏波を形成し、空間距離及び偏波によって損失することで、アンテナは対応するアンテナポートの隔離度が得られる。交差直線偏波アンテナに代わる交差円偏波アンテナは、直線偏波アンテナよりも受信能力が良いだけでなく、抗干渉、抗フェージングで、より安定する。そして、アンテナを2つの端子から1つの端子に変更することで、チャネルの利用率を向上し、体積を小さくし、コストを削減する。
【0039】
本発明は、様々な異なる形の実施形態を有することができる。以上、
図1〜5を例として本発明の技術案を例示的に説明する。それは、本発明に適用される具体的な実施例が特定のフローまたは実施例の構造に限定されていることを意味するものではない。前記実施案は、単に複数の好ましい用途の一部の例に過ぎず、本発明の特許請求の範囲を体現する任意の実施形態は何れも、本発明の技術案が保護請求する範囲内にあるということは、理解されるべきである。
【0040】
最後に、前記説明は単に本発明の好ましい実施形態に過ぎず、本発明を限定するものではないことに留意すべきである。前記実施例を参照して本発明を詳細に説明するが、当業者にとって、依然として、前記各実施例に記載の技術案を補正し、または、その中の一部の技術特徴を同等置換などすることができる。本発明の精神と原則内で、任意の修正、同等置換、改良などは全て、本発明の保護範囲に該当しなければならない。
【符号の説明】
【0041】
10 基板
20 放射シート
30 反射板
101 励起スロット
102 十字形スロット
110 第1の電力分配器
111 第1の伝送線
120 第2の電力分配器
121 第2の伝送線
130 円形金属面
140 ビアホール
150 等電力分配器