(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6247448
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】電源装置
(51)【国際特許分類】
H01M 2/10 20060101AFI20171204BHJP
H01M 2/20 20060101ALI20171204BHJP
H01M 2/34 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
H01M2/10 E
H01M2/20 A
H01M2/34 B
H01M2/10 S
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-50070(P2013-50070)
(22)【出願日】2013年3月13日
(65)【公開番号】特開2014-175291(P2014-175291A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2016年2月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄
(74)【代理人】
【識別番号】100070002
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100110733
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥野 正司
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【弁理士】
【氏名又は名称】朴 志恩
(72)【発明者】
【氏名】池田 智洋
(72)【発明者】
【氏名】永田 大樹
【審査官】
井原 純
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−210710(JP,A)
【文献】
特開2013−037777(JP,A)
【文献】
特開2010−113888(JP,A)
【文献】
特開2010−176997(JP,A)
【文献】
特開2010−287550(JP,A)
【文献】
特開2010−114025(JP,A)
【文献】
特開2011−049158(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
H01M 2/20
H01M 2/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極及び負極が交互に逆向きに設けられた複数の電池と、
前記複数の電池を直列に接続するように直線上に並ぶように配列された複数のバスバと、
前記複数のバスバの少なくとも一方の面側に配置されるシート状の絶縁フィルムと、を備えた電源装置であって、
前記複数の電池を固定する樹脂枠をさらに備え、
絶縁フィルムには、隣り合う電池同士を絶縁するための絶縁部が設けられ、
前記各電池には、円柱状の電極が設けられ、
前記絶縁部は、前記絶縁フィルムの一部であり、連続された連続部同士が重ねられることで、前記隣接するバスバ間に板状に立設して設けられ、かつ、その立設方向の先端が、前記電極の頂部よりも高い位置に位置しているとともに、その前記バスバの配列方向に直交する幅寸法が、前記バスバの幅寸法よりも大きいことを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記絶縁フィルムは、伸縮性を有する合成樹脂から構成されていることを特徴とする請求項1記載の電源装置。
【請求項3】
前記複数のバスバと前記絶縁フィルムとは、粘着層を介して固定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置に係り、特に、複数の電池を直列に接続する電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、電動モータを用いて走行する電気自動車や、エンジンと電動モータとを併用して走行するハイブリット自動車などには、前記電動モータの駆動源として上記電源装置が搭載されている。この電源装置には、複数の電池を直列に接続するためのバスバモジュールが設けられている(特許文献1参照)。
【0003】
上述した従来のバスバモジュールは、
図6に示すように、一端に正の電極、他端に負の電極を有する電池を交互に逆向きに重ね合わせて形成した電池集合体(図示しない)に取り付けられて、互いに重ね合わせた電池同士を直列に接続するものであり、複数の電池を直列に接続するように直線状に並ぶように2列に配列された複数のバスバ103と、各バスバ103に接続されて、各電池の電圧を検出する配線パターン部104と、これらの2列に配列された複数のバスバ103と配線パターン部104とを挟んで保持する絶縁性の上下フィルム105A、105B(
図7に示す)と、を備えて構成されている。
図6は、従来のバスバモジュール101を示す平面図であり、
図7は、
図6に示された従来のバスバモジュールの分解斜視図である。
【0004】
各バスバ103は、
図7にも示すように、長方形の板状に形成されているとともに、隣り合う電池の電極を挿通させる2つの挿通孔103aが形成された構成である。配線パターン部104は、上下フィルム105A、105Bのうち一方のフィルム105Aに、銅箔を所定のパターンに形成された構成である。上下フィルム105A、105Bには、各バスバ103の2つの挿通孔103aと重なる位置に、2つの重なり孔105aが形成されている。
【0005】
このようなバスバモジュール101は、透明の樹脂フィルムである上下フィルム105A、105Bの間に、バスバ103と配線パターン部104とを挟み込んで状態で、真空プレス装置を動作させて一体化して組み立てられている。
【0006】
このように組み立てられたバスバモジュール101は、電池集合体の上面に近付け、電池の電極にバスバ103の挿通孔103a、及び、上下フィルム105A、105Bの重なり孔105aを挿通して電池集合体の上面に重ね、この状態で、ナット(図示しない)を各電池の電極に螺合することにより、各バスバ103が、隣り合う電池の電極同士を電気接続して、電池集合体に組み付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2012−190678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような従来のバスバモジュール101を備えた電源装置において、例えば、隣接するバスバ103側に隣り合う電池の電極間を跨いで異物が侵入した場合には、隣り合う電池同士がショートしてしまう問題があった。また、上下フィルム105A、105Bの間に、バスバ103と配線パターン部104とを挟み込んで状態で、真空プレス装置を動作させて一体化して組み立てていたから、真空プレス装置を購入して、この真空プレス装置を動作させるための費用と場所が必要となり、製造コストがかかるという問題があった。
【0009】
本発明は、隣り合う電池同士がショートするのを抑制できる電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項
1に記載の本発明は、正極及び負極が交互に逆向きに設けられた複数の電池と、前記複数の電池を直列に接続するように直線上に並ぶように配列された複数のバスバと、前記複数のバスバの少なくとも一方の面側に配置されるシート状の絶縁フィルムと、を備えた電源装置であって、前記複数の電池を固定する樹脂枠をさらに備え、絶縁フィルムには、隣り合う電池同士を絶縁するための絶縁部が設けられ、前記各電池には、円柱状の電極が設けられ、前記絶縁部は、前記絶縁フィルムの一部であり、連続された連続部同士が重ねられることで、前記隣接するバスバ間に板状に立設して設けられ、かつ、その立設方向の先端が、前記電極の頂部よりも高い位置に位置しているとともに、その前記バスバの配列方向に直交する幅寸法が、前記バスバの幅寸法よりも大きいことを特徴とする電源装置である。
【0013】
請求項
2に記載の本発明は、請求項
1記載の本発明において、前記絶縁フィルムは、伸縮性を有する合成樹脂から構成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項
3に記載の本発明は、請求項1
または請求項2記載の本発明において、前記複数のバスバと前記絶縁フィルムとは、粘着層を介して固定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項
1記載の本発明によれば、絶縁フィルムに設けられた絶縁部は、絶縁フィルムの一部において、連続された連続部同士が重ねられることで、隣接するバスバ間に板状に立設して設けられているから、絶縁フィルムに設けられた絶縁部を、連続部同士を重ねることで新たな部材を設けることなく成形することができる。また、絶縁フィルムに設けられた絶縁部は、その立設方向の先端が、電極の頂部よりも高い位置に位置しているとともに、そのバスバの配列方向に直交する幅寸法が、バスバの幅寸法よりも大きいから、隣接する電極間、及び、バスバ間を跨ぐ異物の侵入を確実に防止して、隣り合う電池同士がショートするのを防止できる。
【0019】
請求項
2記載の本発明によれば、絶縁フィルムは、伸縮性を有する合成樹脂から構成されている。電池集合体を構成する複数の電池は、各電池の両側に設けられた樹脂枠で固定されているから、この樹脂枠の公差寸法範囲内の誤差により、隣り合う電池の電極の間隔にばらつきが生じる場合があるけれど、絶縁フィルムが、電極の間隔に追従して伸縮して、電極の間隔、即ち隣接したバスバ間の間隔が調整されて、絶縁フィルムに配置されたバスバを電極にスムーズに接続することができる。
【0020】
請求項
3記載の本発明によれば、複数のバスバと絶縁フィルムとは、粘着層を介して固定されているから、従来技術のように、真空プレス装置を用いずとも、複数のバスバと絶縁フィルムとを固定でき、これにより真空プレス装置を不要とすることができ、電源装置の製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の
参考例にかかる電源装置を示す平面図である。
【
図2】
図1に示された電源装置を構成するバスバモジュールの分解斜視図である。
【
図3】
図1に示された電源装置を組み立てる様子を示す斜視図である。
【
図4】
図1に示された電源装置の一部を拡大して示す斜視図である。
【
図5】
本発明の一実施の形態にかかる電源装
置を示す斜視図である。
【
図6】従来のバスバモジュールを示す平面図である。
【
図7】
図6に示されたバスバモジュールの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の
参考例にかかる電源装置を
図1乃至
図4を参照して説明する。
【0023】
本発明の電源装置は、
図1に示すように、電池集合体2と、この電池集合体2の上面に取り付けられる一対のバスバモジュール10と、で構成されている。この電源装置1は、電動モータを用いて走行する電気自動車や、エンジンと電動モータとを併用して走行するハイブリッド自動車などに搭載され、前記電動モータに電力を供給するものである。
【0024】
電池集合体2は、
図2に示すように、正極20及び負極21が直線上に交互に逆向きになるように並べられた複数の電池22と、互いに隣接した電池22間に設けられて、これらの複数の電池22を並べて固定する固定枠23(樹脂枠)と、を有している。ここで、
図1中の矢印Yは、複数の電池22の並び方向、バスバ3(後述する)の配列方向、及び、バスバモジュール10の長手方向を示し、矢印Xは、バスバモジュール10の幅方向を示し、矢印Zは、各電池22の高さ方向、即ち電源装置1の高さ方向を示している。
【0025】
各電池22は、
図2に示すように、直方体箱型の筐体内に電解液が充填された電池本体24と、この電池本体24の上面における長手方向Xの両端部からそれぞれ突出した正極20(請求項中の「電極」に相当)及び負極21(請求項中の「電極」に相当)と、を有している。電池本体24は、矢印Z方向の上面24a及び下面と、上面24a及び下面の幅方向(矢印Y方向)の両縁にそれぞれ連続する両側面と、上面24a及び下面の長手方向(矢印X方向)の両縁にそれぞれ連続する両側面24bと、から構成されている。この電池本体24の上面24aは、この上面24aの長手方向(矢印X方向)の中央部に設けられた平坦部24Aと、この上面24aの長手方向の両端部に設けられ、この平坦部24Aよりも僅かに高い台部24Bと、から構成されている。この台部24Bの平坦部24A側に端部には、正極20又は負極21が設けられている。正極20及び負極21は、導電性の金属から構成され、それぞれ円柱状に形成されており、その外周面には、ナット2Aと螺合するネジ溝が形成されている。
【0026】
固定枠23は、
図2に示すように、隣接した電池22間に各電池22と交互に設けられ、互いに連結されて複数の電池22を並べて固定する複数の枠部23Aから構成されている。各枠部23Aは、電池本体24の矢印Y方向側の側面に重ねられる板状の側板部25と、この側板部25の上下(矢印Z方向)の両端部から電池22の並び方向(矢印Y方向)側に角柱状に張り出して形成されて、電池本体24の側面24b上で連結される連結部26と、を備えている。各枠部23Aの上面は、
図3、
図4に示すように、側板部25の上面における矢印X方向の中央部に設けられた基部27と、側板部25の上面における長手方向の両端部、及び、連結部26に設けられて基部27よりも僅かに高い段部28と、から構成されている。
【0027】
基部27は、
図4に示すように、電池本体24の平坦部24Aよりも僅かに高くなるように形成されている。この基部27には、その矢印X方向の両端部に、電極20、21に接続された隣接するバスバ3同士を絶縁するための絶縁部29が設けられている。
【0028】
絶縁部29は、
図4に示すように、基部27から長方形板状に立設して形成されている。この絶縁部29は、その長手方向が矢印X方向に沿い、その幅方向が矢印Z方向に沿い、その板厚方向が矢印Y方向に沿って形成され、
図4では、互いに異なる電極20、21間における、電池22の負極21の矢印Y方向の一方側(
図4における矢印Y方向の手前側)でかつ電池22の正極20の他方側に設けられている。絶縁部29は、その上端(立設方向の先端)が電極20、21の頂部よりも高くなるように形成されているとともに、その長手寸法(矢印X方向)が、電極20、21に螺合されたナット2Aの外径よりも大きくなるように形成されて、絶縁部29の長手方向の両端部が、電極20、21に螺合されたナット2Aの矢印X方向の両端部の外側に位置している。より好ましくは、絶縁部29は、その上端が電極20、21の頂部よりも高くなるように形成されているとともに、その長手寸法が、電極20、21に接続されたバスバ3の幅寸法(矢印X方向)よりも大きくなるように形成されて、絶縁部29の長手方向の両端部が、電極20、21に接続されたバスバ3の矢印X方向の両端部の外側に位置しているのがよい。
【0029】
各バスバモジュール10は、電池集合体2の上面に取り付けられて前述した複数の電池22を直列接続するものであり、
図1に示すように、互いに隣り合う電池22の正極20と負極21とを接続することで複数の電池22を直列に接続する複数のバスバ3と、複数のバスバ3の各々に電気的に接続される接続体(図示しない)と、複数のバスバ3の一方の面を配置させるシート状の絶縁フィルム5と、を備えている。接続体は、複数の電線から成り、各電線は、一端がバスバ3に接続され、他端が電圧検出部(図示しない)に接続されて、各電池22の電圧を検出するために設けられている。
【0030】
複数のバスバ3は、それぞれ、金属板にプレス加工等が施されて得られるものであり、
図2、
図3にも示すように、板状の金属板に、互いに隣り合う電池22の正極20及び負極21を挿通する一対の電極挿通孔3aが形成された構成である。各バスバ3は、一対の電極挿通孔3aに挿通された正極20及び負極21にナット2A(
図2などに示す)が螺合されることで、このバスバ3は、これら正極20及び負極21に固定され、これら正極20及び負極21に電気的に接続される。
【0031】
絶縁フィルム5は、絶縁性及び伸縮性を有する合成樹脂から構成され、長方形のシート状に形成されている。この絶縁フィルム5は、その長手寸法(矢印Y方向)が電池集合体2の上面における長手寸法と略等しくなるように形成され、その幅寸法(矢印X方向)が、電池22の台部24Bの矢印X方向の寸法よりも大きくなるように形成され、全ての電池22の台部24B全域を覆うことが可能な大きさに形成されている。この絶縁フィルム5には、複数のバスバ3の各一対の電極挿通孔3aの各々に重ねられて、各電池22の各電極20、21が挿通される各一対の電極挿通孔5aと、固定枠23に設けられた絶縁部29が挿通される絶縁挿通孔5bと、が形成されている。
【0032】
さらに、この絶縁フィルム5は、粘着性(図示しない粘着層)を有して構成され、この粘着層により、各バスバ3が絶縁フィルム5の所定の位置に固定される。
【0033】
次に、バスバモジュール10の組み立て手順を説明する。バスバ3、及び、絶縁フィルム5をそれぞれ製造しておき、絶縁フィルム5の一方の面において、絶縁フィルム5の各一対の電極挿通孔5aに、バスバ3の各一対の電極挿通孔3a近づけ、これらの孔3a、5aを重ね合わせ、バスバ3を絶縁フィルム5の表面上に載置する。絶縁フィルム5は、粘着性(粘着層)を有して構成されているから、この粘着層により、各バスバ3が絶縁フィルム5の所定の位置に固定される。この後、複数のバスバ3の各々に接続体を電気的に接続する。こうしてバスバモジュール10を組み立てる。
【0034】
続いて、電源装置1の組み立て手順を、
図3、
図4を参照して説明する。
図3に示すように、前述した手順で組み立てられたバスバモジュール10はバスバ3が絶縁フィルム5よりも上方に位置する格好で、バスバモジュール10の長手方向(矢印Y方向)の一端部を、電池集合体2の上面の長手方向の一端部に近づけ、
図4に示すように、バスバモジュール10の一端部の挿通孔3a、5aを、電池集合体2の一端部の電極20に挿通し、バスバモジュール10の他端側の絶縁挿通孔5bを、電池集合体2の一端部の電極20の他端側の絶縁部29に挿通して、バスバモジュール10を電池集合体2の上面に重ねる。この際、固定枠23が合成樹脂から構成されているので、隣り合う電池22の電極20、21の間隔にばらつきが生じても、絶縁フィルム5が、電極20、21の間隔に追従して伸縮するから、バスバモジュール10を電池集合体2の上面に重ねることができる。この状態で、電極20、21にナット2Aを螺合して、バスバモジュール10を電池集合体2に固定して、電源装置1を組み立てる。
【0035】
このような電源装置1は、固定枠23に設けられた絶縁部29が、隣接するバスバ3間に板状に立設して設けられ、かつ、その立設方向(矢印Z方向)の先端が、電極20、21の頂部よりも高い位置に位置しているとともに、そのバスバ3の配列方向に直交する幅寸法が、電極20、21の外径寸法よりも大きく形成されているから、絶縁部29が、隣接するバスバ3側に隣り合う電池22の電極20、21間を跨ぐ異物の侵入を防止できる。
【0036】
また、上述した電源装置1のように、絶縁フィルム5がバスバ3よりも電池22側に設けられバスバ3の表面が露出している場合には、固定枠23(樹脂枠)に設けられた絶縁部29は、そのバスバ3の配列方向に直交する幅寸法が、バスバ3の幅寸法より大きく形成されるのが好ましく、このように形成することで絶縁部29は、隣接するバスバ3間を跨ぐ異物の侵入を確実に防止して、隣り合う電池22同士がショートするのを防止できる。
【0037】
なお、上述した
参考例では、固定枠23に絶縁部29が形成されていたが、本発明はこれに限ったものではなく、固定枠23に形成された絶縁部29の代わりに、絶縁フィルム5に絶縁部29Aを形成してもよい。この場合には、絶縁部29Aは、
図5に示すように、絶縁フィルム5の一部において連続された連続部同士を重ねて貼り合わせることで隣接するバスバ3間に板状に立設して設けられてもよい。絶縁部29Aは、その頂部が、電極20、21の頂部よりも高い位置に位置しているとともに、その矢印X方向の幅寸法が、バスバ3の幅寸法(矢印X方向)よりも大きく形成され、絶縁部29Aの幅方向の両端部が、電極20、21に接続されたバスバ3の矢印X方向の両端部の外側に位置しているのがよい。
【0038】
また、上述した実施形態では、バスバ3が絶縁フィルム5よりも上方に位置する格好で電池集合体2に取り付けられていたが、本発明はこれに限ったものではなく、絶縁フィルム5がバスバ3よりも上方に位置する格好で電池集合体2に取り付けられていてもよい。また、上述した実施形態では、絶縁フィルム5は1枚設けられ、この1枚の絶縁フィルム5に複数のバスバ3が固定されていたが、本発明はこれに限ったものではなく、絶縁フィルム5が2枚設けられ、2枚の絶縁フィルム5間に複数のバスバ3を挟んで固定してもよい。このように、バスバ3の表面が絶縁フィルム5によって覆われていることにより、隣接するバスバ3間を跨ぐ異物が侵入しても、絶縁フィルム5がバスバ3の表面を覆っていることでバスバ3の表面に直接異物が接触しないから、隣接するバスバ3がショートすることがない。従って、バスバ3の表面が絶縁フィルム5によって覆われている場合には、絶縁部29、29Aの矢印X方向の寸法を、バスバ3の幅寸法よりも小さく形成してもよい。
【0039】
また、上述した実施形態では、絶縁フィルム5には絶縁挿通孔5bが形成され、この絶縁挿通孔5bに絶縁部29を挿通して、バスバモジュール10を電池集合体2の上面に重ねていたが、絶縁挿通孔5bは形成せずともよい。その場合には、絶縁部29の外面に電池集合体2の長手方向(矢印Y方向)に沿って絶縁フィルム5を重ねることで、バスバモジュール10を電池集合体2の上面に設置してもよい。
【0040】
また、上述した実施形態では、絶縁フィルム5は、粘着性(粘着層)を有する合成樹脂から構成されていたが、本発明はこれに限ったものではなく、絶縁フィルムは、粘着性を有する合成樹脂から構成されていなくてもよい。その場合には、絶縁フィルムの一方の面、又は、両面に粘着層を形成すればよい。
【0041】
また、上述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 電源装置
3 バスバ
5 絶縁フィルム
20 正極(電極)
21 負極(電極)
22 電池
23 固定枠(樹脂枠)