特許第6247455号(P6247455)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6247455発光素子の駆動回路およびそれを用いた発光装置および電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6247455
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】発光素子の駆動回路およびそれを用いた発光装置および電子機器
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20171204BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20171204BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
   H02M3/155 C
   H02M3/155 P
   H01L33/00 J
   G09G3/20 612D
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-105447(P2013-105447)
(22)【出願日】2013年5月17日
(65)【公開番号】特開2014-230297(P2014-230297A)
(43)【公開日】2014年12月8日
【審査請求日】2016年3月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100133215
【弁理士】
【氏名又は名称】真家 大樹
(72)【発明者】
【氏名】菊池 弘基
(72)【発明者】
【氏名】萩野 淳一
【審査官】 白井 孝治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−125074(JP,A)
【文献】 特開2011−009474(JP,A)
【文献】 特開2012−060743(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00〜 3/44
H01L33/00
G09G 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子の駆動回路であって、
第1ラインと第2ラインの間に駆動電圧を発生させるDC/DCコンバータと、
前記第1ラインと前記第2ラインの間に前記発光素子と直列に設けられ、前記発光素子に駆動電流を供給する電流ドライバと、
前記第1ラインと前記電流ドライバの間に、前記発光素子と直列に挿入された保護抵抗と、
前記電流ドライバの両端間の電圧に応じた第1検出電圧が所定の基準電圧に近く付くように前記DC/DCコンバータを制御し、かつ、前記第1ラインと前記第2ラインの間の駆動電圧が所定の第1しきい値電圧を超えると、所定の保護処理を行うよう構成されたコントローラと、
を備え、
前記電流ドライバと前記コントローラは、単一のIC(Integrated Circuit)に一体集積化され、当該ICは、前記電流ドライバの一端と接続されるLED端子を有し、前記保護抵抗は、前記ICに一体集積化されず、
前記LED端子の地絡時において、前記保護抵抗がない場合に比べて前記駆動電圧が速く上昇することにより、前記駆動電圧が前記第1しきい値を超えるために要する時間が短縮されていることを特徴とする駆動回路。
【請求項2】
前記保護抵抗の一端は、前記電流ドライバに接続され、前記保護抵抗の他端は、前記発光素子の一端に接続されることを特徴とする請求項1に記載の駆動回路。
【請求項3】
前記駆動電圧を分圧し、第2検出電圧を生成する分圧回路をさらに備え、
前記コントローラは、
前記第1検出電圧と前記基準電圧の誤差を増幅し、誤差信号を生成する誤差増幅器と、
前記誤差信号に応じたデューティ比を有するパルス信号を生成するパルス変調器と、
前記パルス信号に応じて前記DC/DCコンバータのスイッチング素子をスイッチングするドライバと、
前記第2検出電圧を前記第1しきい値電圧に応じて定められた第2しきい値電圧と比較し、前記第2検出電圧の方が高いとき保護信号をアサートするコンパレータと、
前記保護信号がアサートされると、前記所定の保護処理を実行するロジック部と、
を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の駆動回路。
【請求項4】
前記発光素子および前記電流ドライバは、複数のチャンネルそれぞれに設けられ、
前記コントローラは、複数のチャンネルそれぞれの第1検出電圧のうち最も低い電圧が前記基準電圧に近づくように前記DC/DCコンバータを制御することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の駆動回路。
【請求項5】
発光素子の駆動回路であって、
第1ラインと第2ラインの間に駆動電圧を発生させるDC/DCコンバータと、
前記第1ラインと前記第2ラインの間に前記発光素子と直列に設けられた検出抵抗と、
前記第1ラインと前記検出抵抗の間に、前記発光素子と直列に挿入された保護抵抗と、
前記検出抵抗の両端間の電圧に応じた第1検出電圧が、前記発光素子の輝度を指示する調光電圧に近く付くように前記DC/DCコンバータを制御し、かつ、前記第1ラインと前記第2ラインの間の駆動電圧が所定の第1しきい値電圧を超えると、所定の保護処理を行うよう構成されたコントローラと、
を備え、
前記コントローラは単一のIC(Integrated Circuit)に一体集積化され、前記保護抵抗は、前記ICに一体集積化されず、
前記検出抵抗の一端の地絡時において、前記保護抵抗がない場合に比べて前記駆動電圧が速く上昇することにより、前記駆動電圧が前記第1しきい値を超えるために要する時間が短縮されていることを特徴とする駆動回路。
【請求項6】
前記駆動電圧を分圧し、第2検出電圧を生成する分圧回路をさらに備え、
前記コントローラは、
前記第1検出電圧と前記調光電圧の誤差を増幅し、誤差信号を生成する誤差増幅器と、
前記誤差信号に応じたデューティ比を有するパルス信号を生成するパルス変調器と、
前記パルス信号に応じて前記DC/DCコンバータのスイッチング素子をスイッチングするドライバと、
前記第2検出電圧を前記第1しきい値電圧に応じて定められた第2しきい値電圧と比較し、前記第2検出電圧の方が高いとき保護信号をアサートするコンパレータと、
前記保護信号がアサートされると、前記所定の保護処理を実行するロジック部と、
を含むことを特徴とする請求項に記載の駆動回路。
【請求項7】
前記発光素子は、直列に接続された複数の発光ダイオードを含む発光ダイオードストリングであることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の駆動回路。
【請求項8】
前記発光素子と、
前記発光素子を駆動する請求項1からのいずれかに記載の駆動回路と、
を備えることを特徴とする発光装置。
【請求項9】
液晶パネルと、
前記液晶パネルのバックライトとして設けられた請求項に記載の発光装置と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光素子の駆動技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶パネルのバックライトや照明機器として、蛍光管に代えて、省エネ、寿命、制御性の観点で優れた特性を有するLED(発光ダイオード)などの発光素子が利用される。
【0003】
図1は、本発明者が検討した発光装置の構成例を示す回路図である。発光装置1rは、複数N個のチャンネル(CH1〜CHN)のLEDストリング(LEDバーともいう)4_1〜4_Nと、駆動回路2rと、を備える。
【0004】
LEDストリング4は、直列に接続された複数のLEDを含む。駆動回路2rは、DC/DCコンバータ10と、複数の電流ドライバ20_1〜20_Nと、コントローラ30と、を備える。たとえば電流ドライバ20とコントローラ30は、ひとつのIC(Integrated Circuit)チップあるいはモジュールに集積化されている。
【0005】
DC/DCコンバータ10は、入力電圧VINを昇圧して複数のLEDストリング4_1〜4_Nのアノードに駆動電圧VOUTを供給する。DC/DCコンバータ10は、スイッチングトランジスタM1、インダクタL1、整流ダイオードD1、出力キャパシタC1を含む昇圧型のスイッチング電源である。
【0006】
複数の電流ドライバ20_1〜20_Nは、それぞれチャンネルごとに設けられ、各電流ドライバ20_i(1≦i≦N)は、対応するLEDストリング4_iのカソードに接続される。電流ドライバ20_iは、対応するLEDストリング4_iに駆動電流ILEDiを供給する。
【0007】
コントローラ30は、DC/DCコンバータ10を制御する。具体的には、複数チャンネルCH1〜CHNそれぞれのLEDストリング4_1〜4_Nのカソード電圧VLED1〜VLEDNのうち最も低い電圧が、所定の基準電圧VREFと一致するように、DC/DCコンバータ10のスイッチングトランジスタM1をスイッチングする。基準電圧VREFは、電流ドライバ20の内部のトランジスタが飽和せずに駆動電流ILEDを生成しうる電圧レベルに設定されている。
【0008】
たとえばコントローラ30は、誤差増幅器32、パルス変調器34、ドライバ36、OVP(過電圧保護)コンパレータ38、ロジック部40を含む。
【0009】
誤差増幅器32は、複数チャンネルCH1〜CHNのカソード電圧VLED1〜VLEDNのうち最も低い電圧と基準電圧VREFの誤差を増幅し、誤差電圧VFBを生成する。パルス変調器34は、誤差電圧VFBに応じたデューティ比を有するパルス信号SPWMを生成する。たとえばパルス変調器34は、パルス幅変調あるいはパルス周波数変調によって、パルス信号SPWMのデューティ比を調節する。
【0010】
ドライバ36は、パルス信号SPWMにもとづいてDC/DCコンバータ10のスイッチングトランジスタM1をスイッチングする。
複数のチャンネルCH1〜CHNのうち、第iチャンネルのLEDストリング4_iの電圧降下VFiが最も大きいとする。このとき、第iチャンネルのLEDストリング4_iのカソード電圧VLEDiが最も低くなり、そのカソード電圧VLEDiが基準電圧VREFと一致するようフィードバックがかかる。したがって駆動電圧VOUTは、式(1)の目標レベルに安定化される。
OUT=VFi+VREF …(1)
【0011】
抵抗R11、R12は、駆動電圧VOUTを分圧する。OVPコンパレータ38は、分圧された駆動電圧VOUT’を所定のしきい値電圧VOVP2と比較し、VOUT>VOVP2のときOVP(過電圧保護)信号をアサート(たとえばハイレベル)する。ロジック部40は、OVP信号がアサートされると、所定の過電圧保護処理を実行する。たとえばロジック部40は、OVP信号がアサートされると、DC/DCコンバータ10のスイッチングならびに電流ドライバ20_1〜20_Nを停止する。
【0012】
以上が駆動回路2rの構成である。この駆動回路2rによれば、駆動電圧VOUTを、各チャンネルのLEDストリング4を所望の輝度で発光させうる範囲で最も低いレベルに安定化することができる。つまり高効率でLEDストリング4を駆動できる。
【0013】
また、OVPコンパレータ38による過電圧検出によって、駆動電圧VOUTがしきい値電圧VOVP1(=VOVP2×(R11+R12)/R12)を超えるのを防止でき、DC/DCコンバータ10、LEDストリング4や電流ドライバ20の各素子を過電圧から保護することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2006−114324号公報
【特許文献2】特開2008−300208号公報
【特許文献3】特開2006−339298号公報
【特許文献4】特開2008−064477号公報
【特許文献5】特開2008−258428号公報
【特許文献6】特開2007−158083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明者らは、図1の発光装置1rについて検討した結果、以下の課題を認識するに至った。
【0016】
発光装置1rは、完全に密封されているわけではないため、その内部に、微少な、ほこりや金属片などのゴミが混入しうる。これらのゴミによって、任意のノードが接地電位に対して短絡(地絡ともいう)したり、電源電位に対して短絡(天絡)したりする場合がある。地絡あるいは天絡が生ずると、フィードバック制御が効かなくなり、ある経路に大電流が流れ、回路素子が発熱するという問題がある。
【0017】
たとえば、N番目のチャンネルのLED端子LED_Nが、一点鎖線の経路6で地絡した場合を考える。図2は、図1の発光装置1rの地絡時の動作波形図である。
【0018】
時刻t0より前、発光装置1rは正常状態であり、第NチャンネルのLEDストリング4_Nのカソード電圧(第1検出電圧)VLEDNが基準電圧VREFに安定化され、LEDストリング4_Nには、駆動電流ILED_NORMが流れている。駆動電圧VOUTは、式(2)の電圧レベルに安定化される。
OUT_NORM=VF_NORM+VREF …(2)
F_NORMは、駆動電流ILED_NORMが流れるときのLEDストリング4_Nの順方向電圧(電圧降下)である。
【0019】
時刻t0に経路6で地絡すると、カソード電圧VLEDNは0V付近まで低下する。コントローラ30は、0V付近のカソード電圧VLEDNが基準電圧VREFと一致するように駆動電圧VOUTを上昇させる。ところが駆動電圧VOUTを上昇させても、カソード電圧VLEDNは上昇しないため、さらに駆動電圧VOUTが上昇するようにフィードバックがかかる。
【0020】
このとき、N番目のチャンネルのLEDストリング4_Nのアノードカソード間には、駆動電圧VOUTが直接印加されることになるため、駆動電流ILEDNが制御不能となり、駆動電流ILEDNが増大する。この状態は、駆動電圧VOUTが過電圧保護のしきい値電圧VOVP1に達する時刻t1まで持続する。時刻t1以降は過電圧保護が働き、駆動電圧VOUTが低下しはじめ、駆動電流ILEDNも減少する。
【0021】
このように、図1の発光装置1rでは、時刻t0〜t1の間、LEDストリング4_Nに大電流が流れ続ける。
【0022】
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、過電流保護機能を備える駆動回路の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明のある態様は、発光素子の駆動回路に関する。駆動回路は、第1ラインと第2ラインの間に駆動電圧を発生させるDC/DCコンバータと、第1ラインと第2ラインの間に発光素子と直列に設けられ、発光素子に駆動電流を供給する電流ドライバと、第1ラインと電流ドライバの間に、発光素子と直列に挿入された保護抵抗と、電流ドライバの両端間の電圧に応じた第1検出電圧が所定の基準電圧に近く付くようにDC/DCコンバータを制御し、かつ、第1ラインと第2ラインの間の駆動電圧が所定の第1しきい値電圧を超えると、所定の保護処理を行うよう構成されたコントローラと、を備える。
【0024】
この態様では、過電圧状態においては、駆動電圧VOUTが第1しきい値電圧VOCP1を超えることにより、回路保護が働く。それに加えて、過電流状態においても、保護抵抗の電圧降下ILED_OCP×R1が増大するため、第1ラインと第2ライン間の駆動電圧が大きくなる。その結果、駆動電圧VOUTが第1しきい値電圧VOCP1を超えることになり、回路保護を動作させることができる。
【0025】
正常な状態において、発光素子に流れる駆動電流をILED_NORM、発光素子の電圧降下をVF_NORM、基準電圧をVREFとするとき、駆動電圧VOUT_NORMは、式(3)で与えられる。
OUT_NORM=ILED_NORM×R1+VF_NORM+VREF …(3)
一方、過電流状態において発光素子に流れる電流をILED_OCP、発光素子の電圧降下をVF_OCPとし、保護抵抗の抵抗値をR1とするとき、駆動電圧VOUT_OCPは、式(4)で与えられる。
OUT_OCP=ILED_OCP×R1+VF_OCP …(4)
この場合に、第1しきい値電圧VOCP1を、不等式(5)を満たすように定めてもよい。
OUT_NORM<VOCP1<VOUT_OCP …(5)
【0026】
駆動回路は、駆動電圧を分圧し、第2検出電圧を生成する分圧回路をさらに備えてもよい。コントローラは、第1検出電圧と基準電圧の誤差を増幅し、誤差信号を生成する誤差増幅器と、誤差信号に応じたデューティ比を有するパルス信号を生成するパルス変調器と、パルス信号に応じてDC/DCコンバータのスイッチング素子をスイッチングするドライバと、第2検出電圧を第1しきい値電圧に応じて定められた第2しきい値電圧と比較し、第2検出電圧の方が高いとき保護信号をアサートするコンパレータと、保護信号がアサートされると、所定の保護処理を実行するロジック部と、を含んでもよい。
【0027】
発光素子および電流ドライバは、複数のチャンネルそれぞれに設けられてもよい。コントローラは、複数のチャンネルそれぞれの第1検出電圧のうち最も低い電圧が基準電圧に近づくようにDC/DCコンバータを制御してもよい。
【0028】
本発明の別の態様もまた、発光素子の駆動回路に関する。この駆動回路は、第1ラインと第2ラインの間に駆動電圧を発生させるDC/DCコンバータと、第1ラインと第2ラインの間に発光素子と直列に設けられた検出抵抗と、第1ラインと検出抵抗の間に、発光素子と直列に挿入された保護抵抗と、検出抵抗の両端間の電圧に応じた第3検出電圧が、発光素子の輝度を指示する調光電圧に近く付くようにDC/DCコンバータを制御し、かつ、第1ラインと第2ラインの間の駆動電圧が所定の第1しきい値電圧を超えると、所定の保護処理を行うよう構成されたコントローラと、を備える。
【0029】
この態様では、過電圧状態においては、駆動電圧VOUTが第1しきい値電圧VOCP1を超えることにより回路保護が働く。それに加えて、過電流状態においても、保護抵抗の電圧降下ILED_OCP×R3が増大するため、この電圧降下分、第1ラインと第2ライン間の駆動電圧が大きくなる。その結果、駆動電圧VOUTが第1しきい値電圧VOCP1を超えることになり、回路保護を動作させることができる。
【0030】
正常な状態において、調光電圧をVADIM、保護抵抗の抵抗値をR2するとき、駆動電流ILED_NORMは、式(6)で与えられる。
LED_NORM=VADIM/R2 …(6)
このときの発光素子の電圧降下をVF_NORMとすると、駆動電圧VOUT_NORMは、式(7)となる。
OUT_NORM=VF_NORM+R3×ILED_NORM+VADIM …(7)
一方、過電流状態において発光素子に流れる電流をILED_OCP、発光素子の電圧降下をVF_OCPとするとき、駆動電圧VOUT_OCPは、式(8)で与えられる。
OUT_OCP=VF_OCP+(R2+R3)×ILED_NORM …(8)
この場合に、第1しきい値電圧VOCP1を、不等式(9)が成り立つように定めてもよい。
OUT_NORM<VOCP1<VOUT_OCP …(9)
【0031】
駆動回路は、駆動電圧を分圧し、第4検出電圧を生成する分圧回路をさらに備えてもよい。コントローラは、第3検出電圧と調光電圧の誤差を増幅し、誤差信号を生成する誤差増幅器と、誤差信号に応じたデューティ比を有するパルス信号を生成するパルス変調器と、パルス信号に応じてDC/DCコンバータのスイッチング素子をスイッチングするドライバと、第4検出電圧を第1しきい値電圧に応じて定められた第2しきい値電圧と比較し、第4検出電圧の方が高いとき保護信号をアサートするコンパレータと、保護信号がアサートされると、所定の保護処理を実行するロジック部と、を含んでもよい。
【0032】
発光素子は、直列に接続された複数の発光ダイオードを含む発光ダイオードストリングであってもよい。
【0033】
電流ドライバとコントローラは、ひとつの半導体基板に一体集積化されてもよい。
「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。
【0034】
本発明の別の態様は発光装置に関する。発光装置は、発光素子と、発光素子を駆動する上述のいずれかの駆動回路と、を備える。
【0035】
本発明の別の態様は、電子機器に関する。電子機器は、液晶パネルと、液晶パネルのバックライトとして設けられた上述の発光装置と、を備える。
【0036】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0037】
本発明のある態様によれば、過電流状態において回路を保護できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明者が検討した発光装置の構成例を示す回路図である。
図2図1の発光装置の地絡時の動作波形図である。
図3】第1の実施の形態に係る発光装置を示す回路図である。
図4図3の発光装置の地絡時の動作波形図である。
図5】第2の実施の形態に係る発光装置を示す回路図である。
図6図5の発光装置の動作波形図である。
図7】発光装置を備える電子機器の構成を示す回路図である。
図8図7の電子機器を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0040】
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0041】
(第1の実施の形態)
図3は、第1の実施の形態に係る発光装置1を示す回路図である。発光装置1は、図1の発光装置1rと同様に、N個のチャンネル(CH1〜CHN)のLEDストリング4_1〜4_Nと、駆動回路2と、を備える。
【0042】
駆動回路2は、DC/DCコンバータ10、複数の電流ドライバ20_1〜20_N、コントローラ30、分圧回路50に加えて、チャンネルCH1〜CHNごとに設けられた保護抵抗R1_1〜R1_Nを備える。たとえば電流ドライバ20_1〜20_Nとコントローラ30は、ひとつのIC(Integrated Circuit)チップあるいはモジュール(以下、制御IC8という)に集積化されている。
【0043】
DC/DCコンバータ10は、入力電圧VINを昇圧して複数のLEDストリング4_1〜4_Nのアノードに駆動電圧VOUTを供給する。DC/DCコンバータ10は、スイッチングトランジスタM1、インダクタL1、整流ダイオードD1、出力キャパシタC1を含む昇圧型のスイッチング電源である。DC/DCコンバータ10のトポロジーは一般的であるため、説明を省略する。またそのトポロジーにさまざまな変形があることが当業者には理解され、本発明において限定されるものではない。たとえば整流ダイオードD1に代えて、同期整流スイッチを用いてもよい。
【0044】
DC/DCコンバータ10は、第1ライン(出力ライン)12と第2ライン(接地ライン)14の間に、駆動電圧VOUTを発生させる。
【0045】
複数の電流ドライバ20_1〜20_Nは、第1ライン12と第2ライン14の間に、複数の発光素子4_1〜4_Nと直列に設けられる。複数の電流ドライバ20_1〜20_Nは、対応する複数の発光素子4_1〜4_Nに、駆動電流ILED1〜ILEDNを供給する。電流ドライバ20は、目標輝度に応じて駆動電流ILEDの振幅を変化させるアナログ調光を行ってもよい。それに加えて、あるいはそれに代えて電流ドライバ20は、駆動電流ILEDをスイッチングし、目標輝度に応じて実効的な点灯時間を変化させるPWM調光を行ってもよい。
【0046】
第iチャンネル(1≦i≦N)の保護抵抗R1_iは、第1ライン12と対応する電流ドライバ20_iの間に、対応する発光素子4_iと直列に挿入される。より具体的には、保護抵抗R1_iは、LED端子LEDiとLEDストリング4_iのカソードの間に設けられる。
【0047】
制御IC8は、スイッチング(SWOUT)端子、OVP端子、LED端子LED1〜LEDN、接地(GND)端子を有する。SWOUT端子は、DC/DCコンバータ10のスイッチングトランジスタM1の制御電極(ゲート)と接続される。第iチャンネルのLED端子LEDiは、対応する保護抵抗R1_iを介して、対応するLEDストリング4_iのカソードと接続される。GND端子は第2ライン14と接続される。分圧回路50は、駆動電圧VOUTを分圧して第2検出電圧VOUT’を生成し、OVP端子に入力する。
【0048】
電流ドライバ20_iは、LED端子LEDiとGND端子の間に設けられる。コントローラ30は、電流ドライバ20の両端間の電圧に応じた第1検出電圧VLEDが所定の基準電圧VREFに近く付くようにDC/DCコンバータ10を制御し、かつ、第1ライン12と第2ライン14の間の駆動電圧VOUTが所定の第1しきい値電圧VOVP1を超えると、所定の保護処理を行うよう構成される。
【0049】
コントローラ30は、誤差増幅器32、パルス変調器34、ドライバ36、OVPコンパレータ38、ロジック部40を備える。
【0050】
誤差増幅器32は、第1検出電圧VLEDと基準電圧VREFの誤差を増幅し、誤差信号VFBを生成する。より具体的には、誤差増幅器32は、複数の第1検出電圧VLED1〜VLEDNのうち最も低い電圧と基準電圧VREFの誤差に応じて、誤差信号VFBを生成する。
【0051】
パルス変調器34は、誤差信号VFBに応じたデューティ比を有するパルス信号を生成する。パルス変調器34の変調方式、構成は特に限定されず、公知の、あるいは将来利用可能な回路を用いればよい。
【0052】
ドライバ36は、パルス信号SPWMに応じてDC/DCコンバータ10のスイッチング素子M1をスイッチングする。
【0053】
OVPコンパレータ38は、第2検出電圧VOUT’を第2しきい値電圧VOVP2と比較し、第2検出電圧VOUT’の方が高いとき保護信号OVPをアサートする。
第2しきい値電圧VOVP2は、第1しきい値電圧VOVP1に応じて、式(10)にもとづいて定められる。
OVP2=VOVP1×R12/(R11+R12) …(10)
【0054】
ロジック部40は、保護信号OVPがアサートされると、所定の保護処理を実行する。たとえばロジック部40は、OVP信号がアサートされると、DC/DCコンバータ10のスイッチングならびに電流ドライバ20_1〜20_Nを停止する。
【0055】
以上が発光装置1の構成である。続いてその動作を説明する。
【0056】
図4は、図3の発光装置1の地絡時の動作波形図である。時刻t0以前は通常状態である。図4には、図1の発光装置1rの動作波形が一点鎖線で示されている。
【0057】
時刻t0より前、発光装置1は正常状態であり、第NチャンネルのLEDストリング4_Nのカソード電圧VLEDNが基準電圧VREFに安定化され、LEDストリング4_Nには、駆動電流ILED_NORMが流れている。駆動電圧VOUTは、式(11)の電圧レベルに安定化されている。
OUT_NORM=VF_NORM+VREF+VR1_N …(11)
F_NORMは、LEDストリング4_Nの順方向電圧であり、VR1_Nは、保護抵抗R1_Nの電圧降下ILED_NORM×R1_Nである。
【0058】
時刻t0に経路6で地絡すると、カソード電圧VLEDNは0V付近まで低下する。コントローラ30は、0V付近のカソード電圧VLEDNが基準電圧VREFと一致するように駆動電圧VOUTを上昇させる。ところが駆動電圧VOUTを上昇させても、カソード電圧VLEDNは上昇しないため、さらに駆動電圧VOUTが上昇するようにフィードバックがかかる。
【0059】
このとき、N番目のチャンネルのLEDストリング4_Nのアノードカソード間には、駆動電圧VOUTが直接印加されることになるため、駆動電流ILEDNが制御不能となり、駆動電流ILEDNが増大する。これにより、保護抵抗R1_Nの電圧降下VR1_Nが増大するため、駆動電圧VOUTは、一点鎖線で示す図2の駆動電圧VOUTよりも速く上昇する。
【0060】
そして時刻t2に、駆動電圧VOUTが過電圧保護のしきい値電圧VOVP1に達すると、OVP信号がアサートされて回路保護が働く。その後、駆動電圧VOUTが低下しはじめ、駆動電流ILEDNも減少する。
【0061】
以上が発光装置1の動作である。
図3の発光装置1によれば、図1の発光装置1rにおいて過電圧保護がかかる時刻t1よりも前の時刻t2に、回路保護がかかるため、過電流が流れ続ける期間を短縮することができる。
【0062】
また、図3の発光装置1によれば、図1の発光装置1rに比べて、同じ駆動電圧VOUTに対して、保護抵抗R1_Nの電圧降下VR1_Nの分だけ、LEDストリング4_Nに印加される電圧が小さくなるため、地絡時に流れる電流量も、図1の発光装置1rに比べて小さくすることができる。
【0063】
(第2の実施の形態)
図5は、第2の実施の形態に係る発光装置1aを示す回路図である。発光装置1aは、単一のLEDストリング4と、駆動回路2aを備える。
【0064】
駆動回路2aは、DC/DCコンバータ10、分圧回路50、コントローラ30a、検出抵抗R2、保護抵抗R3を備える。
【0065】
DC/DCコンバータ10は、第1ライン12と第2ライン14の間に駆動電圧VOUTを発生させる。検出抵抗R2は、第1ライン12と第2ライン14の間にLEDストリング4と直列に設けられる。保護抵抗R3は、第1ライン12と検出抵抗R2の間に、LEDストリング4と直列に挿入される。より具体的には、保護抵抗R3は、LED端子とLEDストリング4のカソードの間に設けられる。
【0066】
コントローラ30aは、制御IC8aに集積化される。コントローラ30aは、検出抵抗R2の両端間の電圧に応じた第3検出電圧VR2が、LEDストリング4の輝度を指示する調光電圧VADIMに近く付くようにDC/DCコンバータ10を制御する。またコントローラ30aは、第1ライン12と第2ライン14の間の駆動電圧VOUTが所定の第1しきい値電圧VOVP1を超えると、所定の保護処理を行うよう構成される。
【0067】
コントローラ30aは、図3のコントローラ30と同様に、誤差増幅器32、パルス変調器34、ドライバ36、OVPコンパレータ38、ロジック部40を備える。誤差増幅器32は、調光電圧VADIMと第3検出電圧VR2の誤差を増幅し、誤差信号VFBを生成する。その他は、図3のコントローラ30と同様である。
【0068】
以上が発光装置1aの構成である。続いてその動作を説明する。
【0069】
図6は、図5の発光装置1aの動作波形図である。図6には、図5の発光装置1aの波形が実線で、保護抵抗R3が設けられない回路の波形が一点鎖線で示される。
【0070】
はじめに一点鎖線を参照し、保護抵抗R3が設けられない回路の動作を説明する。
時刻t0より前は正常状態であり、LEDストリング4に流れる駆動電流ILEDは、検出抵抗R2に流れ込む。したがって、検出抵抗R2の電圧降下である第3検出電圧VR2は式(12)で与えられる。
R2=ILED×R2 …(12)
コントローラ30aによるフィードバック制御により、VR2=VADIMが成り立つとき、駆動電流ILEDは、式(13)の電流量ILED_NORMに安定化される。
LED_NORM=VADIM/R2 …(13)
【0071】
時刻t0に、LED端子が経路6により地絡する。このとき、第3検出電圧VR2は0V付近まで低下する。コントローラ30aは、0V付近の第3検出電圧VR2が調光電圧VADIMと一致するように駆動電圧VOUTを上昇させる。ところが駆動電圧VOUTを上昇させても、第3検出電圧VR2は上昇しないため、さらに駆動電圧VOUTが上昇するようにフィードバックがかかる。
【0072】
このとき、LEDストリング4のアノードカソード間には、駆動電圧VOUTが直接印加されることになるため、駆動電流ILEDが制御不能となり、駆動電流ILEDが増大する。この状態は、駆動電圧VOUTが過電圧保護のしきい値電圧VOVP1に達する時刻t1まで持続する。時刻t1以降は過電圧保護が働き、駆動電圧VOUTが低下しはじめ、駆動電流ILEDNも減少する。
【0073】
続いて、実線を参照し、図5の発光装置1aの動作を説明する。時刻t0より前において、駆動電圧VOUTは、式(14)の電圧レベルに安定化される。
OUT_NORM=VADIM+V+VR3=VADIM+V+ILED_NORM×R3 …(14)
【0074】
時刻t0に経路6によってLED端子が地絡する。このとき、第3検出電圧VR2は0V付近まで低下する。コントローラ30aは、0V付近の第3検出電圧VR2が調光電圧VADIMと一致するように駆動電圧VOUTを上昇させる。ところが駆動電圧VOUTを上昇させても、第3検出電圧VR2は上昇しないため、さらに駆動電圧VOUTが上昇するようにフィードバックがかかる。
【0075】
このとき、LEDストリング4のアノードカソード間には、駆動電圧VOUTが直接印加されることになるため、駆動電流ILEDが制御不能となり、駆動電流ILEDが増大する。これにより、保護抵抗R3の電圧降下VR3が増大するため、駆動電圧VOUTは、一点鎖線で示す駆動電圧VOUTよりも速く上昇する。
【0076】
そして時刻t2に、駆動電圧VOUTが過電圧保護のしきい値電圧VOVP1に達すると、OVP信号がアサートされて回路保護が働く。その後、駆動電圧VOUTが低下しはじめ、駆動電流ILEDNも減少する。
【0077】
以上が発光装置1aの動作である。
【0078】
図5の発光装置1aによれば、保護抵抗R3を設けない場合に過電圧保護がかかる時刻t1よりも前の時刻t2に、回路保護がかかるため、過電流が流れ続ける期間を短縮することができる。
【0079】
また、図5の発光装置1aによれば、保護抵抗R3を設けない場合に比べて、保護抵抗R3の電圧降下VR3の分だけ、LEDストリング4に印加される電圧が小さくなるため、地絡時の電流量も小さくすることができる。
【0080】
最後に、発光装置1(1a)の用途を説明する。
図7は、発光装置1を備える電子機器500の構成を示す回路図である。電子機器500は、ノートPCやディスプレイ装置、テレビ受像器など、商用交流電源からの電力を受けて動作するデバイスである。
【0081】
電子機器500は、発光装置1に加えて、整流回路502、平滑コンデンサ504、DC/DCコンバータ506、LCDパネル508を備える。発光装置1は、LCDパネル508のバックライトとして使用される。
【0082】
整流回路502は、商用交流電圧VACを整流する。平滑コンデンサ504は、整流された電圧を平滑化し、直流電圧VDCを生成する。DC/DCコンバータ506は直流電圧VDCを降圧する。発光装置1は、DC/DCコンバータ506からの直流電圧VINを受けて動作する。
【0083】
図8は、図7の電子機器500を示す斜視図である。図8の電子機器500は、エッジライト型のディスプレイ装置である。LCDパネル508の背面には、複数の導光板510_1〜510_Nが配置される。4チャンネルのLEDストリング4_1〜4_4は、対応する導光板510_1〜510_Nを照射するように配置される。そのほか、電子機器500の筐体512の内部には、図7の整流回路502、平滑コンデンサ504、DC/DCコンバータ506、制御IC8等が内蔵されるが、図8では図示しない。
【0084】
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセス、それらの組み合わせには、さまざまな変形例が存在しうる。以下、こうした変形例について説明する。
【0085】
第1の実施の形態においてLEDストリング4と電流ドライバ20および保護抵抗R1の順序は、図3のそれには限定されない。たとえば保護抵抗R1_iは、第1ライン12とLEDストリング4_iの間に挿入されてもよい。また、実施の形態では、電流ドライバ20をLEDストリング4のカソード側に設けて、電流ドライバ20が駆動電流を吸い込む(シンク)形式を説明したが、電流ドライバ20をLEDストリング4のアノード側に設けて、電流ドライバ20が駆動電流を吐き出す(ソース)形式としてもよい。
【0086】
また第2の実施の形態においてLEDストリング4と検出抵抗R2および保護抵抗R3の順序は図5のそれには限定されない。たとえば保護抵抗R3は、第1ライン12とLEDストリング4の間に挿入されてもよい。
【0087】
発光装置1を用いたバックライトは、(i)実施の形態で説明したエッジライト型であってもよいし、(ii)LEDストリング4がLCDパネル508の背面に配置される直下型であってもよい。
【0088】
実施の形態ではインダクタを用いた非絶縁型のDC/DCコンバータを説明したが、本発明はトランスを用いた絶縁型のDC/DCコンバータにも適用可能である。
【0089】
実施の形態では、発光装置3のアプリケーションとして電子機器を説明したが、用途は特に限定されず、照明、電光掲示板、電子看板などにも利用できる。
【0090】
また、本実施の形態において、各信号のハイレベル、ローレベルの論理信号の設定は一例であって、インバータなどによって適宜反転させることにより自由に変更することが可能である。
【0091】
実施の形態にもとづき、具体的な用語を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
【符号の説明】
【0092】
500…電子機器、502…整流回路、504…平滑コンデンサ、506…DC/DCコンバータ、508…LCDパネル、1…発光装置、2…駆動回路、4…LEDストリング、8…制御IC、10…DC/DCコンバータ、12…第1ライン、14…第2ライン、20…電流ドライバ、30…コントローラ、32…誤差増幅器、34…パルス変調器、36…ドライバ、38…OVPコンパレータ、40…ロジック部、50…分圧回路、L1…インダクタ、C1…出力キャパシタ、D1…整流ダイオード、M1…スイッチングトランジスタ、R1…保護抵抗、R2…検出抵抗、R3…保護抵抗。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8