【課題を解決するための手段】
【0021】
第1の発明によって提供される高周波電源装置は、
負荷に向けて進行波電力を出力する高周波電源装置において、
直流電源、増幅素子及び発振部を内部に有し、前記発振部から出力する高周波信号を、前記直流電源から出力される直流電力を用いて前記増幅素子によって増幅し、進行波電力として出力する進行波電力出力手段と、
前記進行波電力出力手段と負荷との間に挿入されて、その挿入された位置における電気情報を検出する電気情報検出手段と、
前記電気情報検出手段で検出された検出信号に基づいて、進行波電力検出値及び反射波電力検出値を演算する電力値演算手段と、
前記電気情報検出手段の出力に基づいて求まる反射係数又は負荷側インピーダンスを負荷状態情報として定義し、反射波電力検出値が大きくなったときに進行波電力を抑制する反射保護制御を実行開始するか否かの反射波電力検出値の閾値を反射保護閾値として定義したときに、前記負荷状態情報と前記反射保護閾値との対応関係を示す情報を予め記憶しておくとともに、前記対応関係を示す情報の中から、現時点の負荷状態情報に対応する反射保護閾値を適正反射保護閾値として出力する適正反射保護閾値設定手段と、
前記適正反射保護閾値と前記反射波電力検出値とを入力し、前記適正反射保護閾値から反射波電力検出値を減算した値が負の場合にのみ、反射保護制御を行うために、反射保護閾値と反射波電力検出値との差分の大きさに応じた出力抑制信号(正の値)を出力する反射保護制御手段と、
前記進行波電力出力手段から出力させる進行波電力の出力設定値を設定する出力設定手段と、
前記反射保護制御手段から出力された出力抑制信号が正の値の場合は、前記出力設定手段で設定された出力設定値から出力抑制信号を減算した値を反射保護制御時の出力設定値として扱い、前記進行波電力検出値が前記反射保護制御時の出力設定値と等しくなるように前記進行波電力出力手段を制御し、前記反射保護制御手段から出力された出力抑制信号が正の値でない場合は、前記進行波電力検出値が前記出力設定手段で設定された出力設定値と等しくなるように前記進行波電力出力手段を制御する出力電力制御手段と、
を備えている。
【0022】
第2の発明によって提供される高周波電源装置は、
負荷に向けて進行波電力を出力する高周波電源装置において、
直流電源、増幅素子及び発振部を内部に有し、前記発振部から出力する高周波信号を、前記直流電源から出力される直流電力を用いて前記増幅素子によって増幅し、進行波電力として出力する進行波電力出力手段と、
前記進行波電力出力手段と負荷との間に挿入されて、前記進行波電力出力手段から出力される進行波電力の情報を含む進行波検出信号及び前記負荷で反射された反射波電力の情報を含む反射波検出信号を検出する電力情報検出手段と、
前記進行波検出信号に基づいて進行波電力検出値を演算する進行波電力値演算手段と、
前記反射波検出信号に基づいて反射波電力検出値を演算する反射波電力値演算手段と、
前記進行波電力検出値および前記反射波電力検出値に基づいて、現時点の反射係数の絶対値を演算する反射係数演算手段と、
反射波電力検出値が大きくなったときに進行波電力を抑制する反射保護制御を実行開始するか否かの反射波電力検出値の閾値を反射保護閾値として定義したときに、反射係数の絶対値と前記反射保護閾値との対応関係を示す情報を予め記憶した記憶手段と、
前記現時点の反射係数の絶対値に対応する反射保護閾値を前記記憶手段から読み出して、適正反射保護閾値として出力する適正閾値設定手段と、
前記適正反射保護閾値と前記反射波電力検出値とを入力し、前記適正反射保護閾値から反射波電力検出値を減算した値が負の場合にのみ、反射保護制御を行うために、反射保護閾値と反射波電力検出値との差分の大きさに応じた出力抑制信号(正の値)を出力する反射保護制御手段と、
前記進行波電力出力手段から出力させる進行波電力の出力設定値を設定する出力設定手段と、
前記反射保護制御手段から出力された出力抑制信号が正の値の場合は、前記出力設定手段で設定された出力設定値から出力抑制信号を減算した値を反射保護制御時の出力設定値として扱い、前記進行波電力検出値が前記反射保護制御時の出力設定値と等しくなるように前記進行波電力出力手段を制御し、前記反射保護制御手段から出力された出力抑制信号が正の値でない場合は、前記進行波電力検出値が前記出力設定手段で設定された出力設定値と等しくなるように前記進行波電力出力手段を制御する出力電力制御手段と、
を備えている。
【0023】
第3の発明によって提供される高周波電源装置は、
負荷に向けて進行波電力を出力する高周波電源装置において、
直流電源、増幅素子及び発振部を内部に有し、前記発振部から出力する高周波信号を、前記直流電源から出力される直流電力を用いて前記増幅素子によって増幅し、進行波電力として出力する進行波電力出力手段と、
前記進行波電力出力手段と負荷との間に挿入されて、前記進行波電力出力手段から出力される進行波電力の情報を含む進行波検出信号及び前記負荷で反射された反射波電力の情報を含む反射波検出信号を検出する電力情報検出手段と、
前記進行波検出信号に基づいて進行波電力検出値を演算する進行波電力値演算手段と、
前記反射波検出信号に基づいて反射波電力検出値を演算する反射波電力値演算手段と、
前記進行波検出信号および前記反射波検出信号に基づいて、現時点の反射係数の絶対値を演算する反射係数演算手段と、
反射波電力検出値が大きくなったときに進行波電力を抑制する反射保護制御を実行開始するか否かの反射波電力検出値の閾値を反射保護閾値として定義したときに、反射係数の絶対値と前記反射保護閾値との対応関係を示す情報を予め記憶した記憶手段と、
前記現時点の反射係数の絶対値に対応する反射保護閾値を前記記憶手段から読み出して、適正反射保護閾値として出力する適正閾値設定手段と、
前記適正反射保護閾値と前記反射波電力検出値とを入力し、前記適正反射保護閾値から反射波電力検出値を減算した値が負の場合にのみ、反射保護制御を行うために、反射保護閾値と反射波電力検出値との差分の大きさに応じた出力抑制信号(正の値)を出力する反射保護制御手段と、
前記進行波電力出力手段から出力させる進行波電力の出力設定値を設定する出力設定手段と、
前記反射保護制御手段から出力された出力抑制信号が正の値の場合は、前記出力設定手段で設定された出力設定値から出力抑制信号を減算した値を反射保護制御時の出力設定値として扱い、前記進行波電力検出値が前記反射保護制御時の出力設定値と等しくなるように前記進行波電力出力手段を制御し、前記反射保護制御手段から出力された出力抑制信号が正の値でない場合は、前記進行波電力検出値が前記出力設定手段で設定された出力設定値と等しくなるように前記進行波電力出力手段を制御する出力電力制御手段と、
を備えている。
【0024】
第4の発明によって提供される高周波電源装置は、
負荷に向けて進行波電力を出力する高周波電源装置において、
直流電源、増幅素子及び発振部を内部に有し、前記発振部から出力する高周波信号を、前記直流電源から出力される直流電力を用いて前記増幅素子によって増幅し、進行波電力として出力する進行波電力出力手段と、
前記進行波電力出力手段と負荷との間に挿入されて、前記進行波電力出力手段から出力される進行波電力の情報を含む進行波検出信号及び前記負荷で反射された反射波電力の情報を含む反射波検出信号を検出する電力情報検出手段と、
前記進行波検出信号に基づいて進行波電力検出値を演算する進行波電力値演算手段と、
前記反射波検出信号に基づいて反射波電力検出値を演算する反射波電力値演算手段と、
反射係数の絶対値及び位相角、又は負荷側インピーダンスを負荷状態情報として定義したときに、前記進行波検出信号および前記反射波検出信号に基づいて、現時点の負荷状態情報を演算する負荷状態情報演算手段と、
反射波電力検出値が大きくなったときに進行波電力を抑制する反射保護制御を実行開始するか否かの反射波電力検出値の閾値を反射保護閾値として定義したときに、前記負荷状態情報と前記反射保護閾値との対応関係を示す情報を予め記憶した記憶手段と、
前記現時点の負荷状態情報に対応する反射保護閾値を前記記憶手段から読み出して、適正反射保護閾値として出力する適正閾値設定手段と、
前記適正反射保護閾値と前記反射波電力検出値とを入力し、前記適正反射保護閾値から反射波電力検出値を減算した値が負の場合にのみ、反射保護制御を行うために、反射保護閾値と反射波電力検出値との差分の大きさに応じた出力抑制信号(正の値)を出力する反射保護制御手段と、
前記進行波電力出力手段から出力させる進行波電力の出力設定値を設定する出力設定手段と、
前記反射保護制御手段から出力された出力抑制信号が正の値の場合は、前記出力設定手段で設定された出力設定値から出力抑制信号を減算した値を反射保護制御時の出力設定値として扱い、前記進行波電力検出値が前記反射保護制御時の出力設定値と等しくなるように前記進行波電力出力手段を制御し、前記反射保護制御手段から出力された出力抑制信号が正の値でない場合は、前記進行波電力検出値が前記出力設定手段で設定された出力設定値と等しくなるように前記進行波電力出力手段を制御する出力電力制御手段と、
を備えている。
【0025】
第5の発明によって提供される高周波電源装置は、前記適正反射保護閾値に関するものであり、
前記適正反射保護閾値は、前記進行波電力出力手段から進行波電力を出力させたときに、前記増幅素子で生じる損失が規定値を超えないように、且つ前記進行波電力出力手段に含まれる増幅素子にかかる電圧が耐電圧値を超えないように、且つ増幅素子に流れる電流が耐電流値を超えないように、反射係数毎又は負荷側インピーダンス毎に定めた反射保護閾値である。
【0026】
第6の発明によって提供される高周波電源装置は、前記適正反射保護閾値に関するものであり、
前記適正反射保護閾値は、前記進行波電力出力手段から進行波電力を出力させたときに、前記増幅素子で生じる損失が規定値を超えないように、且つ前記進行波電力出力手段に含まれる増幅素子にかかる電圧が耐電圧値を超えないように、且つ増幅素子に流れる電流が耐電流値を超えないように、且つ、限界値に対して裕度を持たせて反射係数毎又は負荷側インピーダンス毎に定めた反射保護閾値である。
【0027】
第7の発明によって提供される高周波電源装置は、前記出力設定値に関するものであり、
前記出力設定値は、負荷に向けて出力する進行波電力を一定にする制御を行うために設定される設定値である。
【0028】
第8の発明によって提供される高周波電源装置は、前記出力設定値に関するものであり、
負荷に向けて出力する進行波電力から反射波電力を減算した電力を負荷側電力と定義したときに、前記出力設定値は、前記負荷側電力を一定にする制御を行うために設定される設定値である。
【0029】
第9の発明によって提供される高周波電源装置は、前記出力設定値に関するものであり、
前記出力設定値は、前記負荷側電力の設定値と現時点の反射係数の情報とを用いて演算される。
【0030】
第10の発明によって提供される高周波電源装置は、
前記進行波電力出力手段と前記電力情報検出手段との間に、前記進行波電力出力手段の出力から高調波成分を除去するローパスフィルタを更に備えている。