(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の情報を前記第2のライブ画像の上に表示するか、または、下に表示するかの設定をユーザに選択可能に提示する提示手段をさらに有することを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の撮像装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、本発明を実現するための一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。また、後述する各実施形態の一部を適宜組み合わせて構成しても良い。
【0012】
以下、本発明を、例えば、静止画や動画を撮影するデジタルカメラなどの撮像装置に適用した実施形態について説明する。
【0013】
<装置構成>
図1および
図2を参照して、本発明に係る実施形態のデジタルカメラの構成及び機能の概略について説明する。
【0014】
図1は、本実施形態のデジタルカメラ100の外観を示している。
【0015】
図1において、表示部101は画像や各種情報を表示する液晶表示パネル(LCD)等からなる。シャッターボタン102は撮影指示を行うための操作部である。モード切替ボタン103は各種モードを切り替えるための操作部である。コネクタ107は接続ケーブル108とデジタルカメラ100とを接続するインターフェースである。操作部104はユーザからの各種操作を受け付ける各種スイッチ、ボタン、タッチパネル等の操作部材からなる操作部である。コントローラホイール106は操作部104に含まれる回転操作可能な操作部材である。105は電源スイッチであり、電源オン、電源オフを切り替える。記録媒体109はメモリカードやハードディスク等の記録媒体である。記録媒体スロット110は記録媒体109を格納するためのスロットである。記録媒体スロット110に格納された記録媒体109は、デジタルカメラ100との通信が可能となる。蓋111は記録媒体スロット110の蓋である。サブカメラ112は、撮影者自身や撮影者側の被写体を撮影するカメラモジュールである。ファインダー113は撮影者がファイダーを覗いて被写体側を撮影するために設けられている。
【0016】
図2は、本実施形態のデジタルカメラ100の内部構成を示している。
【0017】
図2において、本実施形態のデジタルカメラ100には、撮影者から見える被写体を撮影するメインカメラモジュール(以下、メインカメラ)と、撮影者自身や撮影者側の被写体を撮影するサブカメラモジュール(以下、サブカメラ)が搭載されている。メインカメラは、撮影レンズ203、シャッター204、撮像部205からなる第1の撮像光学系、サブカメラは撮影レンズ233、シャッター234、撮像部235からなる第2の撮像光学系をそれぞれ備える。
【0018】
撮影レンズ203、233はズームレンズ、フォーカスレンズを含むレンズ群である。シャッター204、234は絞り機能を備える。撮像部205、235は被写体の光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS等で構成される撮像素子である。
【0019】
A/D変換器206は、撮像部205、235から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。バリア202は、デジタルカメラ100の、メインカメラ側の撮影レンズ203を含む撮像光学系を覆うことにより、撮影レンズ203、シャッター204、撮像部205を含む撮像光学系の汚れや破損を防止する。
【0020】
画像処理部207は、A/D変換器206からのデータ、又は、メモリ制御部209からのデータに対し所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行う。また、画像処理部207では、撮像した画像データを用いて所定の演算処理が行われ、得られた演算結果に基づいてシステム制御部201が露光制御、測距制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。画像処理部207では更に、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。
【0021】
なお、A/D変換器206や画像処理部207を撮像部205、235ごとに設けることも可能である。
【0022】
A/D変換器206からの出力データは、画像処理部207及びメモリ制御部209を介して、或いは、メモリ制御部209を介してメモリ210に直接書き込まれる。メモリ210は、撮像部205によって得られ、A/D変換器206によりデジタルデータに変換された画像データや、表示部101に表示するための画像データを格納する。メモリ210は、所定枚数の静止画や所定時間の動画および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。
【0023】
圧縮伸張部217は、適応離散コサイン変換(ADCT)等により画像データを圧縮し、または圧縮した画像データを伸張する。圧縮伸張部217は、シャッター204、234をトリガにしてメモリ210に格納された画像データを読み込んで圧縮処理を行い、処理を終えた画像データをメモリ210に書き込む。また、後述するデュアルショットモードで撮影を行った場合は、メモリ制御部209がメモリ210に保持されているメインカメラで撮影された第1の画像(以下、メインカメラ画像)とサブカメラで撮影された第2の画像(以下、サブカメラ画像)を後述する表示時の上下関係を決定するレイヤー優先度に応じて合成し、圧縮伸張部217により圧縮処理を終えた合成画像データをメモリ210に書き込む。また、圧縮伸張部217は、記録媒体109に記録されているファイル化された画像データに伸張処理を行い、処理を終えた画像データをメモリ210に書き込む。システム制御部201は、圧縮伸張部217によりメモリ210に書き込まれた画像データをファイル化して記録媒体I/F216を介して記録媒体109に書き込む。
【0024】
また、メモリ210は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。D/A変換器208は、メモリ210に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して表示部101に供給する。こうして、メモリ210に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器208を介して表示部101により表示される。表示部101は、LCD等の表示器上に、D/A変換器208からのアナログ信号に応じた表示を行う。A/D変換器206によって一旦A/D変換され、メモリ210に蓄積されたデジタル信号をD/A変換器208においてアナログ変換し、表示部101に逐次転送して表示することで、電子ビューファインダー(EVF)として機能し、ライブビュー画像(以下、ライブ画像)のスルー表示を行うことができる。
【0025】
不揮発性メモリ213は、電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。不揮発性メモリ213には、システム制御部201の動作用の定数、プログラム等が記憶される。ここでいう、プログラムとは、本実施形態にて後述する各種フローチャートを実行するためのプログラムのことである。
【0026】
システム制御部201は、デジタルカメラ100全体を制御する。前述した不揮発性メモリ213に記録されたプログラムを実行することで、後述する本実施形態の各処理を実現する。212はシステムメモリであり、RAMが用いられる。システムメモリ212には、システム制御部201の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ213から読み出したプログラム等を展開する。また、システム制御部201はメモリ210、D/A変換器208、表示部101等を制御することにより表示制御も行う。
【0027】
システムタイマー211は各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。
【0028】
モード切替ボタン103、第1シャッタースイッチ102a、第2シャッタースイッチ102b、操作部104はシステム制御部201に各種の動作指示を入力するための操作手段である。
【0029】
モード切替ボタン103は、システム制御部201の動作モードを静止画記録モード、動画記録モード、再生モード等のいずれかに切り替える。静止画記録モードに含まれるモードとして、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、撮影シーン別の撮影設定となる各種シーンモード、プログラムAEモード、カスタムモード、メインカメラ画像とサブカメラ画像を同時に撮影するデュアルショットモードなどがある。モード切替ボタン103で、静止画記録モードに含まれるこれらのモードのいずれかに直接切り替えられる。あるいは、モード切替ボタン103で静止画記録モードに一旦切り替えた後に、静止画記録モードに含まれるこれらのモードのいずれかに、他の操作部材を用いて切り替えるようにしても良い。同様に、動画記録モードにも複数のモードが含まれていてもよい。
【0030】
第1シャッタースイッチ102aは、デジタルカメラ100に設けられたシャッターボタン102の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でONとなり第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。システム制御部201は、第1シャッタースイッチ信号SW1により、メインカメラやサブカメラのAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の動作を開始する。
【0031】
第2シャッタースイッチ102bは、シャッターボタン102の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でONとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。システム制御部201は、第2シャッタースイッチ信号SW2により、撮像部205や撮像部235からの信号読み出しから記録媒体109に画像データを書き込むまでの一連の撮影処理の動作を開始する。
【0032】
操作部104の各操作部材は、表示部101に表示される種々の機能アイコンを選択操作することなどにより、場面ごとに適宜機能が割り当てられ、各種機能ボタンとして作用する。機能ボタンとしては、例えば終了ボタン、戻るボタン、画像送りボタン、ジャンプボタン、絞込みボタン、属性変更ボタン等がある。例えば、メニューボタンが押されると各種の設定可能なメニュー画面が表示部101に表示される。ユーザは、表示部101に表示されたメニュー画面と、上下左右の4方向ボタンやSETボタンとを用いて直感的に各種設定を行うことができる。
【0033】
コントローラホイール106は、操作部104に含まれる回転操作可能な操作部材であり、方向ボタンと共に選択項目を指示する際などに使用される。コントローラホイール106を回転操作すると、操作量に応じて電気的なパルス信号が発生し、このパルス信号に基づいてシステム制御部201はデジタルカメラ100の各部を制御する。このパルス信号によって、コントローラホイール106が回転操作された角度や、何回転したかなどを判定することができる。なお、コントローラホイール106は回転操作が検出できる操作部材であればどのようなものでもよい。例えば、ユーザの回転操作に応じてコントローラホイール106自体が回転してパルス信号を発生するダイヤル操作部材であってもよい。また、タッチセンサからなる操作部材で、コントローラホイール106自体は回転せず、コントローラホイール106上でのユーザの指の回転動作などを検出するものであっても良い(いわゆる、タッチホイール)。
【0034】
電源制御部214は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部214は、その検出結果及びシステム制御部201の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体109を含む各部へ供給する。
【0035】
電源部215は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、リチウムイオン電池等の二次電池、ACアダプタ等からなる。
【0036】
記録媒体I/F216は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体109とのインターフェースである。記録媒体109は、撮影された画像を記録するためのメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。
【0037】
<基本動作>
図3を参照して、本実施形態のデジタルカメラ100の起動から終了までの基本動作について説明する。なお、
図3の処理は、不揮発性メモリ213に記録されたプログラムを、システムメモリ212に読み出してシステム制御部201が実行することにより実現される。
【0038】
また、サブカメラは、以下に述べるにようメインカメラと基本的に同様の動作を行うが、特にサブカメラに特有の処理については補足しつつ説明する。
【0039】
デジタルカメラ100の電源スイッチ105がオンされると、
図3の処理が開始される。
【0040】
S301では、システム制御部201は、フラグや制御変数等を初期化し、S302では、記録媒体109に記録されているファイルに関する管理処理を開始する。
【0041】
S303、S305、S307では、システム制御部201は、モード切替ボタン103の設定位置を判定する。S303で静止画記録モードに設定されていた場合はS304へ進み、
図4で後述する静止画記録モード処理を実行する。また、S305で動画記録モードに設定されていた場合はS306に進み、動画記録モード処理を実行する。また、S307で再生モードに設定されていた場合はS308に進み、再生モード処理を実行する。
【0042】
また、S303、S305、S307で静止画記録モード、動画記録モード、再生モードのいずれにも設定されていない場合はS309へ進み、システム制御部201はその他のモード処理を実行する。その他のモード処理は、例えば、記録媒体109に記録されているファイルの送信を行う送信モード処理、外部機器からファイルを受信して記録媒体109に記録する受信モード処理などである。
【0043】
S304、S306、S308、S309で各モード処理を実行した後、S310へ進み、システム制御部201は電源スイッチ105の設定を判定し、ONに設定されている場合はS303に戻り、OFFに設定されている場合はS311へ進む。
【0044】
S311では、システム制御部201は、終了処理を行う。終了処理には、例えば、表示部101の表示を終了状態に変更し、バリア202を閉じて撮像部205を保護する処理、フラグや制御変数等を含むパラメータや設定値、設定モードを不揮発性メモリ213に記録し、電源供給が不要な部分への電源を遮断する処理が含まれる。
【0045】
S311の終了処理が完了すると、電源オフ状態へ移行する。
【0046】
<静止画記録モード>
図4および
図5を参照して、
図3のS304における静止画記録モード処理について説明する。なお、
図4の処理は、モード切替ボタン103により他の動作モードへの切り替えが指示された場合や電源スイッチ105がオフされた場合に割り込み処理等により終了するものである。
【0047】
S401では、システム制御部201は、撮影モードを確定する。撮影モードの確定は、不揮発性メモリ213より前回の静止画記録モード処理の終了時点における撮影モードを取得してシステムメモリ212に格納することでなされる。この撮影モードは、静止画を撮影するための撮影モードである。本実施形態のデジタルカメラ100は以下の撮影モードを有する。
【0048】
・オート撮影モード:カメラの各種パラメータが、測光された露出値に基づいてデジタルカメラ100に組み込まれたプログラムにより自動的に決定されるモード。
【0049】
・マニュアルモード:カメラの各種パラメータをユーザが自由に変更可能なモード。
【0050】
・シーンモード:撮影シーンに適したシャッター速度や絞り値、ストロボ発光状態、感度設定等の組み合わせが自動で設定される。
【0051】
・デュアルショットモード:メインカメラの撮影と同時にサブカメラの撮影も行い、サブカメラ画像をメインカメラ画像に重ね合せて1つの合成画像を生成するモード。
【0052】
S402では、システム制御部201は、表示部101に対して撮像部205で撮像された画像データのスルー表示を行う。なお、
図6で後述するデュアルショットモードの場合、撮像部205、235で撮像されているメインカメラ画像とサブカメラ画像をメモリ制御部209により合成し、記録媒体109に記録することなくほぼリアルタイムのライブ画像がスルー表示される。撮影者は、この合成画像を見て画角の確認や撮影のタイミングを調整することができ、また、自分の表情なども合わせて確認することができる。
【0053】
S403では、システム制御部201は,電源制御部214により電源部215の残容量や、記録媒体109の有無や残容量がデジタルカメラ100の動作に問題があるか否かを判定する。問題がある場合はS404に進み、表示部101に画像や音声により所定の警告表示を行い、S401に戻り、問題がない場合はS405に進む。
【0054】
S405では、システム制御部201は、ユーザ設定に応じて不揮発性メモリ213に格納された撮影設定をシステムメモリ212に展開して撮影パラメータを設定しているか否かを判定する。設定していない場合はS407に進み、設定している場合はS406に進み、設定された撮影パラメータに応じた処理を行う。
【0055】
S407では、システム制御部201は、スルー表示されるライブ画像中から人物の顔を検出する(顔検出処理)。システム制御部201は、顔検出処理において人物の顔が検出された場合、検出した顔の位置座標、サイズ(幅、高さ)、検出個数、信頼性係数等を顔情報としてシステムメモリ212に記憶する。顔検出処理において顔が検出されなかった場合はシステムメモリ212の位置座標、サイズ(幅、高さ)、検出個数、信頼性係数等の領域に0を設定する。
【0056】
ここで、
図5(a)を参照して、S407における顔検出処理について説明する。
【0057】
図5(a)において、システム制御部201は、メモリ210に保持されているライブ画像データ(S531)を読み出し、水平方向および垂直方向のバンドパスフィルタをかけ(S532、S533)、エッジ成分を検出する。次に、システム制御部201は、検出されたエッジ成分のパターンマッチングを行い(S534)、目及び鼻、口、耳の候補群を抽出する。次に、システム制御部201は、パターンマッチングにより抽出された目の候補群の中から、予め設定された条件(例えば2つの目の距離、傾き等)を満たすものを、目の対と判断し、目の対があるもののみを目の候補群として絞り込む(S535)。
【0058】
そして、システム制御部201は、絞り込まれた目の候補群とそれに対応する顔を形成する他のパーツ(鼻、口、耳)を対応付け、また、予め設定された非顔条件フィルタを通すことで顔を検出し(S536)、検出結果に応じて顔情報を生成する(S537)。
【0059】
このようにスルー表示されるライブ画像データから人物の顔などの被写体の特徴量を抽出し被写体情報を生成することが可能である。なお、生成された被写体情報をユーザに通知するために、例えば顔の位置座標やサイズに応じて、表示部101に顔枠などをライブ画像と重ね合わせて表示しても良い。本実施形態では、被写体情報として顔情報を例示しているが、これに限らず、例えば自動車や電車などの動いている物体を追尾する被写体として検出することも可能である。
【0060】
S409では、システム制御部201は、第1シャッタースイッチ信号SW1がONしているか否かを判定する(撮影準備指示受付)。第1シャッタースイッチ信号SW1がOFFの場合はS405に戻る一方、ONの場合はS410に進む。
【0061】
S410では撮影準備動作が行われる。システム制御部201は、測距処理を行って撮影レンズ203の焦点を被写体に合わせるとともに(AF処理)、測光処理を行って絞り値及びシャッタースピードを決定する(AE処理)。なお、測光処理において、必要であればフラッシュの設定も行われる。また、S407で顔が検出されている場合、検出した顔の範囲で測距を行う顔AFを行い、合焦位置を示す特定の顔にAF枠を表示することも可能である。また、デュアルショットモードの場合は、サブカメラ側でも同様に撮影準備動作を行う。
【0062】
S411、S412では、システム制御部201は、第1シャッタースイッチ信号SW1と第2シャッタースイッチ信号SW2のON/OFF状態を判定する。第1シャッタースイッチ信号SW1がON状態で第2シャッタースイッチ信号SW2がONになった場合はS413へ進む。その後、第1シャッタースイッチ信号SW1がOFFになると(第2シャッタースイッチ信号SW2がONせず、第1シャッタースイッチ信号SW1もOFFされた場合)、S406へ戻る。また、第1シャッタースイッチ信号SW1がON、第2シャッタースイッチ信号SW2がOFFの間は、S411、S412の処理が繰り返される。
【0063】
S413では、システム制御部201は、表示部101をスルー表示状態から固定色表示状態(例えば黒一色の表示)に設定する。
【0064】
S414では、システム制御部201は、露光処理や現像処理を含む撮影処理を実行する。露光処理では、撮像部205、A/D変換器206から得られた画像データが、画像処理部207及びメモリ制御部209を介して、或いはA/D変換器206から直接メモリ制御部209を介して、メモリ210に書き込まれる。また、現像処理では、システム制御部201が、メモリ制御部209、必要に応じて画像処理部207により、メモリ210に書き込まれた画像データを読み出して各種処理を行う。
【0065】
ここで、
図5(b)を参照して、S414における撮影処理について説明する。
【0066】
図5(b)において、システム制御部201は、システムタイマー211から撮影日時を取得し、システムメモリ212に記憶する(S541)。次に、システム制御部201は、S410で決定され、システムメモリ212に記憶された絞り値に応じて、シャッター204の絞り機能を調節し、撮像部205の露光を開始する(S542、S543)。
【0067】
システム制御部201は、撮像部205の露光が終了すると(S544)、シャッター204を閉じて(S545)、撮像部205から電荷信号を読み出し、A/D変換器206、画像処理部207、メモリ制御部209を介して、或いはA/D変換器206から直接メモリ制御部209を介して、メモリ210に画像データを書き込む(S546)。
【0068】
システム制御部201は、メモリ制御部209により、必要に応じて画像処理部207を介して、メモリ210に書き込まれた画像データを読み出し、圧縮伸張部217により圧縮処理などの画像処理を行い(S547)、処理を終了した画像データをメモリ210に順次書き込む。デュアルショットモードの場合は、圧縮処理されたメインカメラ画像およびサブカメラ画像を合成し、メモリ210に書き込む。
【0069】
S548では、システム制御部201は、メモリ制御部209によりメモリ210から画像データを読み出し、D/A変換器208によりアナログ信号に変換された表示用の画像データを表示部101に転送する。こうして、メモリ210に書き込まれた画像データはD/A変換器208を介して表示部101に表示される。
【0070】
S415では、システム制御部201は、S414の撮影処理で得られた画像データのクイックレビュー表示を行う。クイックレビュー表示とは、撮影画像の確認のために、被写体の撮影後記録媒体への記録前に、予め決められた時間(レビュー時間)だけ画像データを表示部101に表示する処理である。
【0071】
S416では、システム制御部201は、S414の撮影処理で得られた画像データをファイルとして記録媒体109に書き込む。デュアルショットモードの場合は、サブカメラで撮影されたサブカメラ画像データをメインカメラデータと関連付けて記録媒体109に記録する。
【0072】
ここで、
図5(c)を参照して、S416における記録処理について説明する。
【0073】
図5(c)において、システム制御部201は、所定のファイル名生成ルールに従ってファイル名を生成し(S551)、S414の撮影処理にてシステムメモリ212に記憶した撮影日時情報を取得する(S552)。次に、システム制御部201は、画像データのファイルサイズを取得し(S553)、ファイルを格納するディレクトリが記録媒体109に存在するか否かを判定する(S554)。判定の結果、ディレクトリが存在しない場合はS555に進み、存在する場合はS556に進む。
【0074】
S555では、システム制御部201は、例えば100GANONなどのディレクトリを記録媒体109に作成する。
【0075】
S556では、システム制御部201は、S414の撮影処理で得られた画像データの撮影日時やファイルサイズ、撮影条件などから構成されるファイルヘッダを作成する。
【0076】
S557では、システム制御部201は、S551からS553で生成、取得したファイル名、撮影日時情報、データサイズからディレクトリエントリを生成し、画像データをファイルとして記録媒体109に書き込む。
【0077】
S417では、システム制御部201は、第2シャッタースイッチ信号SW2のON/OFF状態を判定し、第2シャッタースイッチ信号SW2がOFFになるのを待つ。第2シャッタースイッチ信号SW2がOFFになるまでの間、上記クイックレビュー表示を継続させる。即ち、S416の記録処理が終了した際に、第2シャッタースイッチ信号SW2がOFFされるまで表示部101へのクイックレビュー表示を継続させる。このように構成することにより、ユーザは、シャッターボタン102の全押し状態を継続することで、クイックレビュー表示を用いた撮影画像データの確認を入念に行うことが可能となる。S417で第2シャッタースイッチ信号SW2がOFFとなると、つまり、ユーザがシャッターボタン102から指を放すなどして全押し状態が解除されると、S418へ進む。
【0078】
S418では、システム制御部201は、予め定められたクイックレビュー表示のレビュー時間が経過したか否かを判定する。レビュー時間が経過していない場合はレビュー時間が経過するのを待ち、レビュー時間が経過するとS419に進む。
【0079】
S419では、システム制御部201は、表示部101をクイックレビュー表示からスルー表示状態に戻す。この処理により、クイックレビュー表示によって画像データを確認した後、表示部101の表示状態は次の撮影のために撮像部205で撮像された画像データを逐次表示するスルー表示状態に自動的に切り替わることになる。
【0080】
S420では、システム制御部201は、第1シャッタースイッチ信号SW1のON/OFF状態を判定し、ONの場合はS411へ戻り、OFFの場合はS405へ戻る。即ち、システム制御部201は、シャッターボタン102の半押し状態が継続している(第1シャッタースイッチ信号SW1がON)場合は、次の撮影に備える(S411)。一方、シャッターボタン102が放された(第1シャッタースイッチ信号SW1がOFF)場合は、一連の撮影動作を終えて撮影待機状態に戻る(S406)。
【0081】
<ライブ画像の表示処理>次に、
図6から
図10を参照して、
図4のS402におけるデュアルショットモード時のライブ画像のスルー表示処理について説明する。
【0082】
デュアルショットモードでデジタルカメラ100の電源をオンするか、他のモードからデュアルショットモードに切り替えられると、
図6の処理が開始される。デュアルショットモードでは、
図7(a)に示すように、ライブビュー画面710に、メインカメラで撮影された第1のライブ画像(以下、メインライブ画像)711とサブカメラで撮影された第2のライブ画像(以下、サブライブ画像)712が表示される。
【0083】
図6に示すように、S601、S602では、システム制御部201は、画像処理部207により、メモリ210に保持されているメインカメラ画像データおよびサブカメラ画像データから、メインライブ画像711とサブライブ画像712を生成する。
【0084】
S603では、システム制御部201は、メインカメラ画像データに対する
図4のS407における顔検出の結果、顔が検出された場合はS604に進み、顔が検出されない場合はS605に進む。
【0085】
S604では、システム制御部201は、検出された顔の位置座標およびサイズ(幅、高さ)に応じて、ライブビュー画面710のメインライブ画像711に顔枠713を重ね合わせて表示するための枠情報(第1の情報)を生成する。
【0086】
S605では、システム制御部201は、ライブビュー画面710に撮影パラメータなどのOSD(オンスクリーンディスプレイ)714を表示するためのアイコンや文字列などからなるOSDデータ(第2の情報)を生成する。OSDデータとしては、例えば撮影モードやバッテリー残量、シャッター速度、露出値、ISO感度、ホワイトバランス、フラッシュON/OFFなどがある。
【0087】
上述したように、S601からS605で、メインライブ画像711、サブライブ画像712、顔枠713およびOSD714の各情報が生成されると、システム制御部201は、これらを表示部101に表示する際のレイヤーの優先度を決定する。なお、レイヤーの優先度は、メインライブ画像711、サブライブ画像712、顔枠713およびOSD714を重ね合せて表示する際の上下関係を表し、優先度が高いほど上位に配置される。
【0088】
S606、S607では、システム制御部201は、OSD714のレイヤーの優先度を最上位に設定し、メインライブ画像711のレイヤーの優先度を最下位に設定する。これは、メインライブ画像711がライブビュー画面710のほぼ全体に表示されるため、最下層のレイヤーに表示しないとサブライブ画像712やOSD714が隠れて見えなくなってしまうからである。
【0089】
S608では、システム制御部201は、第1シャッタースイッチ信号SW1のON/OFF状態を判定し、ONの場合(撮影準備動作時)はS609に進み、OFFの場合(撮影待機時)はS610へ進む。
【0090】
S609では、システム制御部201は、
図7(b)に示すように、顔枠723のレイヤー優先度がサブライブ画像722のレイヤー優先度より高くなるように撮影準備動作時のレイヤー優先度に設定する。撮影準備動作時には、顔枠723は必ず確認され、撮影者は顔枠723を見て最終的に撮影指示を行うので、サブライブ画像722の上に表示されるようにレイヤー優先度が設定される。
図10(b)は、
図7(b)のライブビュー画面720を表示するためのレイヤー構成を例示している。撮影準備状態では、顔枠のレイヤー1022の優先度が2番目に設定され、サブライブ画像のレイヤー1023の優先度が3番目に設定される。
【0091】
一方、S610では、システム制御部201は、
図7(c)に示すように、サブライブ画像732のレイヤー優先度が顔枠733のレイヤー優先度より高くなるように撮影待機時のレイヤー優先度に設定する。撮影待機時は、顔枠733の位置は移動、変更され、最終的に顔枠の位置が確定されるまではそれほど重要ではないため、サブライブ画像732の下に表示されるようにレイヤー優先度が設定される。
図10(a)は、
図7(c)のライブビュー画面730を表示するためのレイヤー構成を例示している。撮影待機時には、サブライブ画像のレイヤー1012の優先度が2番目に設定され、顔枠のレイヤー1013の優先度が3番目に設定される。
【0092】
S611では、システム制御部201は、S609またはS610で設定されたレイヤー優先度に応じて、全てのレイヤーの画像やOSDを重ね合せて表示部101に表示する。なお、S606、S607により、
図10(a)の撮影待機時と
図10(b)の撮影準備動作時のいずれの場合であっても、OSDのレイヤー1011、1021の優先度は最上位、メインライブ画像のレイヤー1014、1024は最下位に設定される。
【0093】
なお、S610での撮影待機時のレイヤ優先度の設定方法は、(1)固定の場合、(2)メインライブ画像の顔の座標位置やサイズなどに応じて決定する場合、(3)ユーザに選択可能に提示する場合など様々な方法が考えられる。
【0094】
上記(1)では、
図7(c)のライブビュー画面730のように、待機準備動作時にはメインライブ画像731の顔枠733の下に隠れて全体が見えなかったサブライブ画像732が見えるようになるので、撮影者は自分の表情などを確認することができる。
【0095】
上記(2)では、
図8(a)および
図8(b)のライブビュー画面810、820に示すように、サブライブ画像812とメインライブ画像の顔領域811が重なった範囲に応じて決定する。例えば、
図8(b)に示すように、顔枠823を表示する対象の顔821とサブライブ画像822とが重なる領域の面積が所定の大きさ未満である場合は、顔枠823のレイヤー優先度をサブライブ画像822のレイヤー優先度よりも高くする。一方、
図8(a)に示すように、顔811とサブライブ画像812とが重なる領域の面積が所定の大きさ以上である場合は、顔枠のレイヤー優先度をサブライブ画像812のレイヤー優先度よりも低くする。なお、メインライブ画像の顔の座標位置およびサイズの少なくともいずれかに応じてレイヤー優先度を決定しても良い。この場合、例えば、メインライブ画像の顔のサイズが当該画像全体を覆うように大きい場合は、顔位置に関係なく顔枠をサブライブ画像よりも下層に設定するようにしても良い。また、例えば、メインライブ画像の顔枠表示対象の顔位置がサブライブ画像から大きく離れている場合は、顔のサイズに関係なく顔枠をサブライブ画像よりも上位に設定するようにしても良い。
【0096】
上記(3)では、
図9(a)に示すレイヤー優先度設定画面910から、ユーザがメニュー項目911、912を選択して、顔枠とサブライブ画像のいずれのレイヤー優先度を高くするかを予め設定する。例えば
図9(a)のレイヤー優先度設定画面910でユーザが顔枠レイヤー911を選択した場合は、撮影待機時は常に顔枠のレイヤー優先度がサブライブ画像のレイヤー優先度よりも高くなる。一方、サブライブ画像レイヤー912を選択した場合は、サブライブ画像のレイヤー優先度が高くなる。このように、ユーザの趣向に応じて選択の幅を増やすことができる。レイヤー優先度の決定方法はその他にも考えられるが、これらの方法のいずれかを採用しても良い。また、例えば
図9(b)に示すレイヤー優先度設定画面920から、ユーザがメニュー項目921、922、923を選択して、顔枠とサブライブ画像のいずれかのレイヤー優先度を高くするか、条件に応じて優先度を高くするレイヤーを決定しても良い。
図9(b)のレイヤー優先度設定画面920でユーザが条件付き優先922を選択した場合は、撮影動作中の条件に応じて顔枠のレイヤー優先度とサブライブ画像のレイヤー優先度のどちらを高くするかをカメラが自動で判定する。一方、顔枠レイヤー優先921やサブライブ画像レイヤー923を選択した場合は、レイヤー優先度を高くしたいものをユーザが任意に決定することができる。
【0097】
以上説明したように、本実施形態によれば、メインライブ画像、顔枠、サブライブ画像、およびOSDを重ねて表示する際の上下の位置関係を撮影状態に応じて切り替えることができる。このようにすることで、撮影者が被写体と自分の表情などと共に、合焦している被写体なども確認できるようになり、最適なタイミングで撮影を行うことが可能となる。
【0098】
[他の実施形態]本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち本実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPUなど)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【0099】
また、上述の実施形態では、本発明を適用した撮像装置を例に説明したが、カメラ付き携帯電話や携帯ゲーム機等の電子機器により本発明を実施しても良い。また、1つの装置で上述の実施形態の機能を実現せずに、複数の装置、例えば、複数の撮像部を有する撮像装置、表示部を有する表示装置、制御部を有し撮像装置と表示装置とを制御する制御装置を接続したシステムにより本発明を実現しても良い。