特許第6247535号(P6247535)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ インドゥストリエ・デ・ノラ・ソチエタ・ペル・アツィオーニの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6247535
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】電解槽のための電極
(51)【国際特許分類】
   C25B 11/10 20060101AFI20171204BHJP
   C25B 1/26 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
   C25B11/10 C
   C25B11/10 B
   C25B1/26 A
【請求項の数】9
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-545366(P2013-545366)
(86)(22)【出願日】2011年12月21日
(65)【公表番号】特表2014-505166(P2014-505166A)
(43)【公表日】2014年2月27日
(86)【国際出願番号】EP2011073605
(87)【国際公開番号】WO2012085095
(87)【国際公開日】20120628
【審査請求日】2014年12月19日
(31)【優先権主張番号】MI2010A002354
(32)【優先日】2010年12月22日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】507128654
【氏名又は名称】インドゥストリエ・デ・ノラ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100161595
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 梓
(72)【発明者】
【氏名】ウルゲゲ,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】アントッジ,アントニオ・ロレンツォ
【審査官】 一宮 里枝
(56)【参考文献】
【文献】 特表2003−507580(JP,A)
【文献】 特開2008−156684(JP,A)
【文献】 特開昭58−120790(JP,A)
【文献】 特開平04−301062(JP,A)
【文献】 特開昭57−177982(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25B 11/10
C25B 1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気化学セルにおいて気体状の生成物を発生させるための電極であって、この電極は少なくとも一つの第一の触媒組成物と外側の触媒組成物で被覆されたバルブ金属の支持体からなり、前記少なくとも一つの第一の触媒組成物は、バルブ金属またはスズまたはこれらの酸化物と白金族金属から選択される貴金属またはその単独か混合での酸化物との混合物を含み、前記外側の触媒組成物の被覆は蒸着被覆であり、前記少なくとも一つの第一の触媒組成物における貴金属の量は5g/mよりも多く、そして前記外側の触媒組成物における貴金属の量は0.1〜3.0g/mの範囲である、前記電極。
【請求項2】
前記少なくとも一つの第一の触媒組成物はチタン、イリジウムおよびルテニウムを含む、請求項1に記載の電極。
【請求項3】
前記外側の触媒組成物はルテニウムおよび/またはイリジウムを含む、請求項1に記載の電極。
【請求項4】
前記少なくとも一つの第一の触媒組成物における貴金属の比使用量は6〜8g/mであり、そして前記外側の触媒組成物における貴金属の比使用量は1.5〜2.5g/mである、請求項1から3のいずれかに記載の電極。
【請求項5】
前記第一の触媒組成物によって被覆された金属支持体上に前記外側の触媒組成物を堆積することを含む、請求項1から4のいずれかに記載の電極を製造するための方法であって、
前記堆積が、白金族金属の群から選択される貴金属またはその単独か混合での酸化物の化学的または物理的蒸着からなり、第一の触媒組成物が、バルブ金属またはスズまたはこれらの酸化物と白金族金属から選択される貴金属またはその単独か混合での酸化物との先駆物質の熱分解によって得られる、前記の方法。
【請求項6】
前記外側の触媒組成物を、白金族金属の群から選択される貴金属の反応性スパッタリングによって酸化物の混合物として堆積することを含む、請求項5に記載の電極を製造するための方法。
【請求項7】
消耗した電極の再活性化のための方法であって、前記電極が請求項1〜4のいずれかに記載の電極であり、
前記消耗した電極上に、前記外側の触媒組成物として、白金族金属の群から選択される貴金属またはその単独か混合での酸化物を化学的または物理的蒸着することを含む、方法。
【請求項8】
前記消耗した電極上に、イリジウムとルテニウムの反応性スパッタリングによって前記外側の触媒組成物を酸化物の混合物として堆積することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
隔膜またはダイヤフラムによって分離されたカソードを含むカソード区画とアノードを含むアノード区画を有する電解槽であって、前記アノード区画にアルカリ塩化物のブラインが供給され、前記アノード区画の前記アノードは請求項1から4のいずれかに記載の電極である、前記電解槽。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電解槽におけるアノードとして、例えば塩素-アルカリ電解槽における塩素発生用のアノードとして操作するのに適した電極に関する。
【背景技術】
【0002】
電気分解の用途において触媒被覆を備えた金属製電極を使用することは、当分野で公知である。貴金属またはそれらの酸化物を主成分とする被覆を備えた金属の支持体からなる電極は、例えば、水またはアルカリ塩化物の電気分解プロセスにおいて水素を発生させるためのカソードとして用いられ、また種々の電気冶金プロセスにおいて酸素を発生させるためやアルカリ塩化物の電気分解において塩素を発生させるためのアノードとして用いられる。この種の電極は熱過程によって製造することができ、すなわち、堆積すべき金属の先駆物質を含む溶液の適当な熱分解や、適当な電解浴からのガルバニ電着、あるいは溶射法やプラズマスプレー法または化学(または物理)蒸着による直接の金属被覆によって製造することができる。
【0003】
例えば、塩素と苛性ソーダを製造することを目的とする塩化ナトリウムのブラインの電気分解は、アノードで塩素を発生させる反応の過電圧を低下させるために二酸化ルテニウム(RuO)の表面層で活性化されたチタンまたはその他のバルブ金属の支持体からなるアノードを用いて、しばしば行うことができる。このタイプの電気分解については、ルテニウム、イリジウムおよびチタンの酸化物の混合物を主成分とする触媒配合物も知られていて、それらは全て、アノードで塩素を発生させる反応の過電圧を低下させることができる。
【0004】
この種の電極は一般に、熱過程によって製造される。
【0005】
蒸着法によって支持体の上に触媒配合物を堆積させることができ、この方法は、被覆の堆積パラメーターを極めて正確に制御することができるという利点を有する。しかし、これらは基本的にバッチ(回分)タイプの加工であることによって特徴づけられ、単一のピースを処理することを可能にするためには、支持体を適当な堆積チャンバの中に装填する必要があり、このチャンバを数時間継続する緩やかな圧力降下過程に置かなければならない。プロセスの顕著な継続時間(必要な貴金属の量に応じて、通常は数時間を要する)に加えて、大量の触媒被覆を付与することによって、寿命が非常に短い被覆がもたらされる。
【発明の概要】
【0006】
本発明の様々な態様が、添付する特許請求の範囲に示されている。
【0007】
第一の態様において、本発明は電解槽において気体状の生成物を発生させるための電極に関し、この電極は少なくとも一つの第一の触媒組成物と外側の触媒組成物で被覆されたバルブ金属の支持体からなり、前記少なくとも一つの第一の触媒組成物は、バルブ金属の酸化物またはスズの酸化物と白金族金属(PM)の群から選択される貴金属またはその単独か混合での酸化物との混合物を含み、前記少なくとも一つの第一の触媒組成物は先駆物質の熱分解によって得られ、前記外側の触媒組成物は白金属の群から選択される貴金属またはその単独か混合での酸化物を含み、前記外側の触媒組成物は化学的または物理的蒸着法によって堆積され、前記第一の触媒組成物における貴金属の量は表面について5g/mよりも多く、そして前記外側の触媒組成物における貴金属の量は表面について0.1〜3.0g/mの範囲である。
【0008】
驚くべきことに、発明者らは、特定の性質を有する一つの最後の触媒層を化学的または物理的気相を介して堆積させることによって、寿命と電位の低下の両者について予期せざる特徴を有する電極が得られることを見いだした。
【発明を実施するための形態】
【0009】
一つの態様において、本発明に係る電極の第一の触媒組成物は、チタン、イリジウム、ルテニウムを金属または酸化物の形で含んでいる。
【0010】
一つの態様において、外側の触媒組成物はルテニウムおよび/またはイリジウムを金属または酸化物の形で含んでいる。
【0011】
一つの態様において、第一の触媒組成物における貴金属の使用量は6〜8g/mの範囲であり、そして外側の触媒組成物における金属の使用量は1.5〜2.5g/mの範囲である。
【0012】
別の態様において、本発明は電極を製造する方法に関し、この方法は、外側の触媒組成物を化学的または物理的蒸着によって堆積することを含み、好ましくは、これを白金族金属の群から選択される貴金属の反応性スパッタリングによって行う。
【0013】
さらなる態様において、本発明は使用された電極を再活性化することに関し、これは、白金族金属の群から選択される貴金属またはその単独か混合での酸化物を含む外側の触媒組成物を、化学的または物理的蒸着によって堆積することを含む。
【0014】
さらなる態様において、本発明はアルカリ塩化物溶液の電解槽、例えば塩素と苛性ソーダを製造することを目的とする塩化ナトリウムのブラインの電解槽に関し、これは上述した電極の上で塩素のアノード生成(陽極生成)を行うものである。
【実施例】
【0015】
以下の実施例は本発明の特定の態様を証明するために提示されるものであり、本発明の実行可能性は特許請求の範囲に記載された数値の範囲内で十分に実証されている。当業者であれば、実施例において開示された組成と技術は本発明を実施するために十分に機能するものであることが発明者によって見いだされた組成と技術を示していることを理解するべきであるが、しかるに、当業者であれば、本明細書の開示に照らして、開示された特定の態様において多くの変更を行うことができて、それでもなお、本発明の範囲から逸脱することなく、同様の結果または類似する結果が得られることを理解するべきである。
【0016】
比較例1
10cm×10cmの大きさのチタンメッシュのサンプルにコランダムを吹き付け、残った部分に圧縮空気を噴射して洗浄した。次いで、このサンプルについて、超音波浴中でアセトンを用いて約10分にわたって脱脂を行った。乾燥した後、サンプルを250g/lのNaOHと50g/lのKNOを含む水溶液の中に約100℃で1時間にわたって浸漬した。このアルカリ処理を行った後、サンプルを脱イオン水の中で60℃で3回すすぎ洗いし、このとき一回毎に水を替えた。最後のすすぎ洗いは、少量のHCl(溶液1リットル当り約1ml)を加えて行った。空気による乾燥を行い、TiOの薄膜が成長したことによる褐色の色合いの形成が観察された。次いで、HClで酸性化した水と2-プロパノールの混合物中にRuCl・3HO、HIrCl・6HO、TiClを含み、金属について36%Ru、20%Ir、44%Tiのモル組成を有する水性アルコール溶液を100ml調製した。
【0017】
溶液を5回の被覆としてはけ塗りすることによって、チタンメッシュのサンプルに塗布し、それぞれの被覆を施した後、100〜110℃で約10分間の乾燥を行い、その後、450℃で15分間の熱処理を行った。後続の被覆を塗布する前に、そのたびにサンプルを空気中で冷却した。
【0018】
全ての手順の最後に、金属についてのRuおよびIrの合計として表して、9g/mの貴金属の総含有量が得られた。
【0019】
このようにして得られた電極を、サンプル番号1と定めた。
【0020】
比較例2
10cm×10cmの大きさのチタンメッシュのサンプルにコランダムを吹き付け、残った部分に圧縮空気を噴射して洗浄した。次いで、このサンプルについて、超音波浴中でアセトンを用いて約10分にわたって脱脂を行った。乾燥した後、サンプルを250g/lのNaOHと50g/lのKNOを含む水溶液の中に約100℃で1時間にわたって浸漬した。このアルカリ処理を行った後、サンプルを脱イオン水の中で60℃で3回すすぎ洗いし、このとき一回毎に水を替えた。最後のすすぎ洗いは、少量のHCl(溶液1リットル当り約1ml)を加えて行った。空気による乾燥を行い、TiOの薄膜が成長したことによる褐色の色合いの形成が観察された。
【0021】
次いで、このメッシュのサンプルを反応性スパッタリング装置の真空チャンバの中に入れた。
【0022】
20%アルゴンとの酸素の混合物を供給して動的真空度が約50−4ミリバールに達したとき、スパッタリングターゲットを次の出力で分極させた:ルテニウム35W、イリジウム24W、チタン250W。ターゲットと電極基板の間隙は約10センチメートルであった。
【0023】
220分の総継続時間にわたって、チタンのメッシュの両面について交互に同じ条件で堆積の工程を実施した。このようにして得られた電極において、約1ミクロンの触媒被覆が形成され、貴金属の総含有量は、金属についてのRuおよびIrの合計として表して、約9g/mであった。
【0024】
このようにして得られた電極を、サンプル番号2と定めた。
【0025】
実施例1
10cm×10cmの大きさのチタンメッシュのサンプルにコランダムを吹き付け、残った部分に圧縮空気を噴射して洗浄した。次いで、このサンプルについて、超音波浴中でアセトンを用いて約10分にわたって脱脂を行った。乾燥した後、サンプルを250g/lのNaOHと50g/lのKNOを含む水溶液の中に約100℃で1時間にわたって浸漬した。このアルカリ処理を行った後、サンプルを脱イオン水の中で60℃で3回すすぎ洗いし、このとき一回毎に水を替えた。最後のすすぎ洗いは、少量のHCl(溶液1リットル当り約1ml)を加えて行った。空気による乾燥を行い、TiOの薄膜が成長したことによる褐色の色合いの形成が観察された。
【0026】
次いで、HClで酸性化した水と2-プロパノールの混合物中にRuCl・3HO、HIrCl・6HO、TiClを含む水性アルコール溶液を100ml調製した。この溶液は、金属について36%Ru、20%Ir、44%Tiのモル組成を有する。
【0027】
溶液を5回の被覆としてはけ塗りすることによって、チタンメッシュのサンプルに塗布し、それぞれの被覆を施した後、100〜110℃で約10分間の乾燥を行い、その後、450℃で15分間の熱処理を行った。後続の被覆を塗布する前に、そのたびにサンプルを空気中で冷却した。
【0028】
全ての手順の最後に、金属についてのRuおよびIrの合計として表して、7g/mの貴金属の総含有量が得られた。
【0029】
次いで、この半完成品としての電極を反応性スパッタリング装置の真空チャンバの中に入れた。
【0030】
20%アルゴンとの酸素の混合物を供給して動的真空度が約100−4ミリバールに達したとき、スパッタリングターゲットを次の出力で分極させた:ルテニウム30W、イリジウム35W。ターゲットと電極基板の間隙は約10センチメートルであった。得られる被覆に最適な特性を付与するために、基板に対してさらに約150Vの残りの分極化を行った。
【0031】
40分の総継続時間にわたって、電極の両面について交互に同じ条件で堆積の工程を実施した。このようにして得られた電極は約0.1μmの厚さの外側の触媒被覆を有し、貴金属の総含有量は、金属についてのRuおよびIrの合計として表して、約9g/mであった。
【0032】
このようにして得られた電極を、サンプル番号3と定めた。
【0033】
以上の実施例のサンプルを、200g/lの濃度の塩化ナトリウムのブラインを入れた実験室用電解槽の中でpHを3に厳密に制御しながら塩素を発生させるためのアノードとして、特徴づけした。4kA/mの電流密度で測定した塩素の過電圧と生成した塩素中の酸素の体積パーセントを、表1に報告する。
【0034】
【表1】
【0035】
同様に、以上の実施例のサンプルについて耐久試験を行った。この耐久試験は、電解液の濃度と温度についての工業上の電解条件の下での独立した電解槽におけるシミュレーションを行うものであるが、ただし、実験上の反応性を促進するために、電流密度を標準の値よりも2〜3倍高い値まで適宜増大させた。
【0036】
単位電流当りに減少した貴金属の量を、表2に報告する。
【0037】
【表2】
【0038】
以上の説明は本発明を限定することを意図しておらず、本発明はその範囲から逸脱することなく様々な態様に従って用いることができ、本発明の範囲は添付する特許請求の範囲によって一義的に確定される。
【0039】
本出願の明細書と特許請求の範囲の全体を通して、「含む」という用語は、他の要素または付加物の存在を排除することを意図していない。
【0040】
文献中の検討事項、法令、資料、デバイス、記事、その他同種類のものは、単に本発明のための背景を提供するという目的のために本明細書に含まれる。これらの事項の何らかのもの、あるいはそれらの全てが先行技術の基礎の部分を形成していたか、あるいは、それらが、本出願の各々の請求項の優先日の前に、本発明に関連する分野において一般的な共通認識になっていた、ということは示唆されないし、表明されてもいない。
[発明の態様]
[1]
電気化学セルにおいて気体状の生成物を発生させるための電極であって、この電極は少なくとも一つの第一の触媒組成物と外側の触媒組成物で被覆されたバルブ金属の支持体からなり、前記少なくとも一つの第一の触媒組成物は、バルブ金属またはスズまたはこれらの酸化物と白金族金属から選択される貴金属またはその単独か混合での酸化物との混合物を含み、前記少なくとも一つの第一の触媒組成物は先駆物質の熱分解によって得られ、前記外側の触媒組成物は化学的または物理的蒸着法によって堆積され、前記少なくとも一つの第一の触媒組成物における貴金属の量は5g/mよりも多く、そして前記外側の触媒組成物における貴金属の量は0.1〜3.0g/mの範囲である、前記電極。
[2]
前記少なくとも一つの第一の触媒組成物はチタン、イリジウムおよびルテニウムを含む、[1]に記載の電極。
[3]
前記外側の触媒組成物はルテニウムおよび/またはイリジウムを含む、[1]に記載の電極。
[4]
前記少なくとも一つの第一の触媒組成物における貴金属の比使用量は6〜8g/m2であり、そして前記外側の触媒組成物における貴金属の比使用量は1.5〜2.5g/mである、[1]から[3]のいずれかに記載の電極。
[5]
前記外側の触媒組成物を化学的または物理的蒸着法によって堆積することを含む、[1]から[4]のいずれかに記載の電極を製造するための方法。
[6]
前記外側の触媒組成物を、白金属の群から選択される貴金属の反応性スパッタリングによって酸化物の混合物として堆積することを含む、[1]から[4]のいずれかに記載の電極を製造するための方法。
[7]
金属の支持体と消耗した触媒被覆からなる消耗した電極を再活性化するための方法であって、前記消耗した触媒被覆の上にイリジウムとルテニウムの反応性スパッタリングによって外側の触媒組成物を酸化物の混合物として堆積することを含む、前記方法。
[8]
白金属の群から選択される貴金属またはその単独か混合での酸化物を含む外側の触媒組成物を化学的または物理的蒸着法によって堆積することを含む、[7]に記載の消耗した電極を再活性化するための方法。
[9]
隔膜またはダイヤフラムによって分離されたカソードを含むカソード区画とアノードを含むアノード区画を有する電解槽であって、前記アノード区画にアルカリ塩化物のブラインが供給され、前記アノード区画の前記アノードは[1]から[4]のいずれかに記載の電極である、前記電解槽。