(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記側方延出部は、前記起立部本体の前記支柱側に設けられ、前記下方延出部から前記支柱に向けて延びていることを特徴とする請求項3又は4に記載の建物の支線支持構造。
前記支持部材においては、板材が折り曲げ加工されることで、前記固定部、前記下方延出部及び前記側方延出部が形成され、且つ全体として弾性変形が可能になっていることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の建物の支線支持構造。
前記固定部は、前記起立部本体の上端面に重ねられた状態で該起立部本体に固定されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の建物の支線支持構造。
前記起立部は、前記起立部本体の上端面に重ねられた状態で該起立部本体に固定され、前記笠木を支持する笠木ホルダを有しており、防水性を有する防水面から起立し、該防水面に沿って延びた横長形状とされており、
前記支持部材及び前記笠木ホルダは、前記起立部の長手方向に沿って横並びに配置されていることを特徴とする請求項8に記載の建物の支線支持構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、支線の支持位置を軒下にしただけでは、強風などにより雨水が軒下に吹き込んだ場合などに支線の固定部分に水がかかる可能性が高く、支線固定用のビス等が打ち込まれた貫通孔を通じて水が建物内に浸入することが懸念される。
【0005】
また、アンテナが屋上やバルコニーに設置された構成では、支線がパラペットや腰壁などに固定されていることが想定されるが、この構成では、支線の固定位置を軒下に配置できるとは限らず、支線の固定部分が雨水等で濡れる可能性が更に高くなってしまう。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、支線により支柱を好適に支えることを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、発明の実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0008】
第1の発明の建物の支線支持構造は、建物の屋外部において上方に向けて起立した起立部(パラペット15)と、建物設備としての支柱(支柱23)を支える支線(支線25)と、前記起立部に固定され、前記支線を支持する支持部材(支持部材31)と、を備え、前記起立部は、当該起立部の外周面を形成する起立部本体(パラペット本体35)と、前記起立部本体の少なくとも上端面を覆う笠木(笠木36)とを有しており、前記支持部材は、前記起立部本体と前記笠木との間に入り込んだ状態で設けられ、前記起立部本体に固定された固定部(固定部61)を有していることを特徴とする。
【0009】
第1の発明によれば、支線が起立部に対して固定されているため、支柱に対する支線の角度を、支線による支柱の支持強度を確保する上で適正な角度に設定することができる。しかも、起立部に対する支線の固定部分が笠木により上方から覆われているため、その固定部分を通じて起立部の内部に水が浸入することを抑制できる。さらに、支線が支持部材を介して起立部本体に固定されているため、例えば支線が笠木に固定された構成に比べて、支線の支持強度を高めることができる。また、この場合、支線が笠木に接触しない状態を支持部材により保持することが可能であるため、支線や笠木が破損したり変形したりすることを抑制できる。以上により、支線により支柱を好適に支えることができる。
【0010】
なお、起立部は、防水性を有する防水面から上方に向けて起立していることが好ましい。ここで、防水面としては、屋根面や屋上面、バルコニーの床面等が挙げられ、起立部としては、パラペットや腰壁等が挙げられる。
【0011】
第2の発明では、第1の発明において、前記支持部材は、前記支線が接続された接続部(接続孔67)と、前記接続部が設けられ、前記固定部に対する前記接続部の位置を保持する保持部(下方延出部62、側方延出部63、上方延出部64)と、を有し、前記保持部は、前記支線及び当該保持部が前記笠木に接触しない状態で、前記接続部の位置を保持するものである。
【0012】
第2の発明によれば、支持部材においては、笠木に対する支線や保持部の接触がその保持部により規制されているため、支持部材が起立部本体と笠木との間に入り込んだ構成において、強風時などの支線や支柱の揺れに伴って、支線や支持部材が笠木に繰り返し接触するということを抑制できる。このため、支線や笠木が破損したり変形したりすることを抑制できる。
【0013】
第3の発明では、第2の発明において、前記笠木は、前記起立部本体の上端面に沿って延びている上面部(上面部36a)と、前記上面部から下方に向けて延び、前記起立部本体の側面に対向している側面部(内側側面部36c)と、を有し、前記保持部は、前記固定部から、前記起立部本体と前記笠木の前記側面部との間を通じて、該側面部より低い位置まで延びている下方延出部(下方延出部62)と、前記下方延出部から、前記側面部を挟んで前記起立部本体とは反対側に向けて延びている側方延出部(側方延出部63)と、を有し、前記側方延出部は、前記起立部本体からの離間距離が前記接続部の方が前記側面部より大きくなる位置にて、該接続部を保持するものである。
【0014】
第3の発明によれば、下方延出部及び側方延出部により、笠木に対する支線や保持部の接触を規制できる構成を実現できる。しかも、下方延出部や側方延出部が弾性変形することが可能であれば、支線から支持部材に加えられる荷重が支線や支柱の揺れ等により増減したとしても、起立部本体と固定部との固定部分に加えられる荷重が過剰に大きくなることを抑制できる。これにより、起立部に対する支持部材の固定状態や、支持部材による支線の支持状態を適正に保つことができる。
【0015】
第4の発明では、第3の発明において、前記保持部は、前記側面部よりも前記起立部本体から遠い位置において、前記側方延出部から上方に向けて延びている上方延出部(上方延出部64)を有しており、前記上方延出部は、前記接続部を前記側面部の下端よりも高い位置にて保持するものである。
【0016】
第4の発明によれば、支持部材に対する支線の接続位置を、笠木の側方位置や笠木よりも高い位置に配置することが可能になるため、支線が笠木に接触することを確実に回避できる。しかも、支持部材においては、弾性変形することが可能な部位として、下方延出部や側方延出部に上方延出部が加えられるため、起立部本体と固定部との固定部分に加えられる荷重が過剰に大きくなることをより確実に抑制できる。
【0017】
第5の発明では、第3又は第4の発明において、前記側方延出部は、前記起立部本体の前記支柱側に設けられ、前記下方延出部から前記支柱に向けて延びている。
【0018】
第5の発明によれば、起立部本体の支柱側に側方延出部が設けられているため、側方延出部を笠木の側面部から下方にある程度の距離だけ離間した位置に配置しておくことで、支線からの荷重により側方延出部が変形して笠木の側面部に接触するということを抑制できる。
【0019】
第6の発明では、第3乃至第5のいずれかの発明において、前記支持部材においては、板材が折り曲げ加工されることで、前記固定部、前記下方延出部及び前記側方延出部が形成され、且つ全体として弾性変形が可能になっている。
【0020】
第6の発明によれば、支持部材が弾性変形可能になっているため、起立部本体と固定部との固定部分に加えられる荷重が過大になりにくい構成を実現できる。
【0021】
第7の発明では、第2乃至第6のいずれかの発明において、前記支持部材は、前記固定部と前記接続部との間に設けられ、前記支線の引っ張りにより生じる引っ張り応力を吸収する応力吸収部(易変形部71,72)を有している。
【0022】
第7の発明によれば、接続部が支線により支柱側に引っ張られたとしても、応力吸収部により引っ張り応力が吸収されるため、その引っ張り応力により固定部が変形するということを抑制できる。ここで、起立部本体の外周面に防水シート等が貼り付けられるなどの防水処理が施され、固定部が防水シートの上に重ねられた状態で起立部本体に固定されている構成では、固定部が変形することで防水シートが切れたり破れたりすることが懸念される。これに対して、本発明によれば、固定部の変形が抑制されるため、起立部本体に設けられた防水シートの防水性を適正に保つことができる。
【0023】
第8の発明では、第1乃至第7のいずれかの発明において、前記固定部は、前記起立部本体の上端面に重ねられた状態で該起立部本体に固定されている。
【0024】
第8の発明によれば、固定部と起立部本体とが面同士で接しているため、支持部材を起立部本体に対して安定した状態で取り付けることができる。
【0025】
第9の発明では、第8の発明において、前記起立部は、前記起立部本体の上端面に重ねられた状態で該起立部本体に固定され、前記笠木を支持する笠木ホルダ(笠木ホルダ51)を有しており、前記起立部は、防水性を有する防水面から起立し、該防水面に沿って延びた横長形状とされており、前記支持部材及び前記笠木ホルダは、前記起立部の長手方向に沿って横並びに配置されている。
【0026】
第9の発明によれば、笠木ホルダを介して笠木が起立部本体に固定されているため、笠木を起立部本体から離間した位置において保持することができる。これにより、支持部材を笠木に接触しない状態で起立部本体に固定することが可能になる。しかも、笠木ホルダと支持部材とが横並びに配置されているため、笠木ホルダ及び支持部材を起立部本体に取り付ける際の作業手順に制限が生じない。この場合、起立部本体に笠木ホルダ及び支持部材のいずれを先に取り付けてもよいため、取り付け順が制限されている構成に比べて、支持部材及び笠木ホルダを起立部本体に取り付ける際の作業負担を低減できる。
【0027】
第10の発明では、第1乃至第9のいずれかの発明において、前記固定部は、前記起立部本体の側面に重ねられた状態で該側面に対して固定されている。
【0028】
第10の発明によれば、支持部材が起立部本体の側面に対して固定されているため、例えば支持部材が起立部本体の上面に固定された構成に比べて、支持部材の高さ位置を起立部本体に対して変更することが容易になる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に、本発明を具体化した一実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、本発明の支線支持構造を建物の屋根において具体化している。
図1は、屋根12周辺の構成を示す図である。なお、
図1においては、(a)に屋根12の平面図を示し、(b)に(a)のA−A線断面図を示し、(c)にアンテナ21の斜視図を示す。
【0031】
図1(a),(b)に示すように、建物10は、建物本体の上に設けられた屋根12を有している。屋根12は、陸屋根(フラットルーフ)とされており、その屋根面12aは所定の水勾配を有している。屋根12には、雨水等を排出する排水口が設けられており、屋根面の水勾配は排水口に向けて下方に傾斜している。
【0032】
なお、屋根12は、建物躯体により支持された屋根下地と、その屋根下地の上に設けられた屋根面材とを有している。屋根下地は、屋根小梁等の上に設置された野地板と、その野地板の上に設置された断熱材とを有しており、屋根面材は、断熱材の上に重ねられている。屋根面材は、耐水皮膜が施されたシート材や鋼材等の防水部材であり、その上面が屋根面12aを形成している。この場合、屋根面12aは、防水性を有する防水面に相当する。また、屋根12は、人の出入りが可能な屋上を構成していてもよい。
【0033】
屋根12は、その屋根12の周縁部に沿って延びているパラペット15を有している。パラペット15は、屋根面12aから上方に向けて起立した低い手摺壁であり、起立部に相当する。屋根12は、平面視で長方形状に形成され、パラペット15は、屋根12の各辺に沿って延びており、建物本体の外壁と上下に連続している。この場合、外壁が屋根12よりも上方に向けて突出した状態になっており、その突出部分がパラペット15になっているということもできる。屋根面12aは、パラペット15により囲まれた領域に配置された状態になっている。
【0034】
屋根12の上には、建物設備としてのアンテナ21が設置されている。
図1(c)に示すように、アンテナ21は、テレビ等の電波の送受信を行うアンテナ部22と、アンテナ部22を支持する支柱23とを有している。アンテナ部22は、建物10内に設置されたテレビ等に電気配線を通じて接続されている。支柱23は、屋根面12aの上に載せられた屋根馬23aと、屋根馬23aから上方に向けて延びている支柱本体23bとを有しており、支柱本体23bにおける上端寄りの部分にアンテナ21が固定されている。屋根馬23aは、脚部を複数(例えば4つ)有しており、支柱本体23bを下方から支持する架台に相当する。屋根馬23aは、屋根面12aに敷かれた養生板24の上に載せられており、ビス等による屋根12への固定はなされていない。
【0035】
図1(a),(b)の説明に戻り、パラペット15には、アンテナ21を支える支線25が接続されている。支線25は、ワイヤ等の線状部材により形成されており、一端がアンテナ21の支柱23に接続され、他端がパラペット15に対して固定されている。支線25は、支柱23の支柱本体23bに接続されており、その接続部分は、アンテナ部22の下方に配置されている。支線25は、支柱23から斜め下方に向けて延びていり、支線25と支柱23との間の角度Θは所定角度(例えば60度)とされている。角度Θは、支線25の下端と支柱23の下端との間の角度になっている。ここで、屋根馬23aが屋根12に対して固定されていないため、支線25の張力が斜め下方に向いていることで、支柱23が屋根面12aから離間しない状態で位置保持されている。
【0036】
支線25は、支柱23に複数接続されている。本実施形態では、4本の支線25が支柱23から四方に延びており、それぞれパラペット15に固定されている。支線25は、パラペット15において屋根12の一対の長辺に沿って延びる部分に2本ずつ固定されており、隣り合う支線25同士の角度はほぼ90度とされている。この場合、平面視で、支線25はパラペット15に直交しておらず、パラペット15から斜めに延びている。
【0037】
支線25は、支持部材31を介してパラペット15に固定されている。ここでは、支持部材31に関する構成について、
図2〜
図6を参照しつつ説明する。
図2は
図1(a)のB−B線断面図、
図3は笠木ホルダ51の斜視図、
図4は
図1(a)のC−C線断面図、
図5は支持部材31の斜視図、
図6はパラペット15の内部構造を示す図である。なお、
図6においては、パラペット15の平面図において笠木36を仮想線で図示している。
【0038】
図2、
図4に示すように、パラペット15は、そのパラペット15の側面を形成するパラペット本体35と、パラペット本体35の上に設けられた笠木36とを有している。パラペット本体35及び笠木36は、いずれもパラペット15の幅方向に沿って延びている。なお、パラペット15においては、その側面が外周面に相当する。
【0039】
パラペット本体35は、建物躯体に対して固定された本体下地42と、本体下地42を挟んで設けられた一対の外装材43,44とを有している。本体下地42は、複数のフレーム材を有する下地フレーム45と、その下地フレーム45の屋根内周側に設けられた下地板46とを有している。なお、パラペット本体35が起立部本体に相当する。
【0040】
下地フレーム45は、その下地フレーム45の上端を形成する横フレーム材45aを有している。横フレーム材45aは、断面コ字状の軽量溝形鋼により形成されており、その溝部を下方に向けてパラペット15の幅方向に沿って延びている。この場合、横フレーム材45aの上面(ウェブの外側面)が下地フレーム45の上端面を形成している。
【0041】
下地板46は、合板等により形成されており、下地フレーム45の側面にビス等により固定されている。下地板46の上端面は、下地フレーム45の上端面とほぼ同じ高さに配置されている。
【0042】
外装材43,44のうち、屋根12の外周側に配置された外側外装材43は、サイディングボード等の外壁面材であり、下地フレーム45の外周側面にビス等により固定されている。外装材43,44のうち、屋根12の内周側に配置された内側外装材44は、鋼材に耐水皮膜が付与された防水板であり、下地板46に重ねられた状態でその下地板46に接着剤等により接合されている。外装材43,44の上端面は、下地フレーム45の上端面とほぼ同じ高さに配置されている。
【0043】
パラペット本体35は、下地フレーム45、下地板46、外装材43,44の各上端面を上方から覆う防水シート47を有している。防水シート47は、耐水性を有する材料により形成され、柔軟性を有している。パラペット15の厚み方向において、防水シート47の一端側は外側外装材43の仕上面に重ねられ、他端側は内側外装材44の仕上面に重ねられている。この場合、防水シート47の上面がパラペット本体35の上端面を形成していることになる。
【0044】
笠木36は、合成樹脂材料や金属材料などにより縦断面略コ字状に形成されており、下方に向けて開放された溝部を有している。笠木36は、その笠木36の上面を形成する上面部36aと、側面を形成する側面部36b,36cとを有している。上面部36aは、パラペット本体35から上方に離間した位置に配置されており、パラペット本体35の上端面に対向している。側面部36b,36cは、上面部36aから下方に向けて延びており、側面部36b,36cの各下端部は、パラペット本体35の上端面より低い位置に配置されている。この場合、側面部36b,36cは、パラペット本体35の側面に向かい合っている。側面部36b,36cの離間距離は、パラペット本体35の厚み寸法より大きくされており、側面部36b,36cは、パラペット15の厚み方向においてパラペット本体35から離間した位置に配置されている。
【0045】
笠木36の上面(上面部36a)は、屋根外周側の端部が上端となり、屋根内周側の端部が下端となる向きで傾斜している。この場合、側面部36b,36cのうち、屋根外周側に配置された外側側面部36bの上端部は、屋根内周側に配置された内側側面部36cの上端部より高い位置に配置されている。このため、笠木36の上面に雨水等の水が付着した場合には、その水が笠木36の上面に沿って屋根内周側に流れ落ちることになる。
【0046】
笠木36は、笠木ホルダ51によりパラペット本体35に対して固定されている。
図2、
図3に示すように、笠木ホルダ51は、パラペット本体35の上端面に重ねられた重ね部52と、笠木36の上面部36aを下方から支える支え部53と、笠木36に引っ掛かっている引っ掛け部54とを有している。笠木ホルダ51は、合成樹脂材料や金属材料などにより板状に形成されており、重ね部52、支え部53及び引っ掛け部54はそれぞれ板部とされている。
【0047】
重ね部52は、防水シート47を挟んで横フレーム材45aの上面に重ねられており、ビス等の固定具55が重ね部52及び防水シート47を貫通して横フレーム材45aのウェブに打ち込まれていることで、その横フレーム材45aに固定されている。重ね部52には、固定具55が挿通された固定孔52aが形成されている。固定孔52aは、パラペット15の厚み方向に沿って延びた長孔とされており、パラペット15の幅方向に沿って複数並べられている。
【0048】
支え部53は、重ね部52から上方に向けて延びており、笠木36の上面部36aの下面に当接した状態で笠木36を支持している。支え部53は、パラペット15の厚み方向に沿って一対設けられており、一方の支え部53は重ね部52の一端から延びており、他方の支え部53は重ね部52の他方から延びている。この場合、一対の支え部53により、笠木36の屋根外周側及び屋根内周側のそれぞれが支持されていることになる。
【0049】
引っ掛け部54は、支え部53と同様に、パラペット15の厚み方向に沿って一対設けられており、各引っ掛け部54は、それぞれ別の支え部53から延びている。一対の引っ掛け部54のうち、屋根外周側に向けて延びた引っ掛け部54は、笠木36の外側側面部36bに引っ掛かっており、屋根内周側に向けて延びた引っ掛け部54は、外側側面部36bに引っ掛かっている。笠木36は、側面部36b,36cから溝部内側に向けてそれぞれ延びた受け部56を有しており、パラペット本体35から離間した位置に配置されているにもかかわらず、各引っ掛け部54がそれぞれ受け部56に引っ掛かっていることで、そのパラペット本体35に対して位置保持されている。
【0050】
受け部56は、引っ掛け部54の下端面に引っ掛かっている。この場合、笠木36が笠木ホルダ51に対して上方から装着された構成において、笠木36の受け部56が笠木ホルダ51の引っ掛け部54に下方から引っ掛かっているため、笠木36が笠木ホルダ51から上方に離間することが規制されている。つまり、笠木36がパラペット本体35から上方に離間することが規制されている。
【0051】
笠木ホルダ51においては、引っ掛け部54が弾性変形可能になっている。このため、笠木ホルダ51をパラペット本体35に固定した後、笠木36を笠木ホルダ51に装着する場合に、引っ掛け部54がパラペット本体35に近付く側に弾性変形することで、笠木36の受け部56が笠木ホルダ51の引っ掛け部54の下側に移動しやすくなる。
【0052】
笠木36が笠木ホルダ51を介してパラペット本体35に固定されている構成では、パラペット本体35の厚み寸法が許容範囲内の大きさ(笠木ホルダ51の一対の引っ掛け部54の間にパラペット本体35が入り込むことが可能な大きさ)であれば、パラペット本体35の厚み寸法に関係なく笠木36をパラペット本体35に装着することが可能になっている。
【0053】
笠木36は、その側面部36b,36cとパラペット本体35との間の隙間への視線を遮る目隠し部57を有している。目隠し部57は、側面部36b,36cのそれぞれに設けられ、各目隠し部57は、パラペット本体35の側面に向けて延びている。目隠し部57は、受け部56の下方に配置されており、引っ掛け部54が受け部56に引っ掛かっている部分が、笠木36の下方からでは目視しにくくなっている。
【0054】
図4に示すように、支持部材31は、パラペット本体35と笠木36との間に入り込んだ状態でパラペット本体35に取り付けられている。支持部材31は、パラペット本体35に固定された固定部61と、固定部61から下方に向けて延びている下方延出部62と、下方延出部62から側方に向けて延びている側方延出部63と、側方延出部63から上方に向けて延びている上方延出部64とを有している。
【0055】
図4、
図5に示すように、支持部材31は、金属板等の板材が板厚み方向に折り曲げられることで形成されており、固定部61、延出部62〜64のそれぞれが弾性変形可能な板部になっている。固定部61は、その板面がパラペット本体35の上端面(防水シート47の上面)に重ねられた状態で設けられ、ビス等の固定具65が固定部61及び防水シート47を貫通して横フレーム材45aのウェブに打ち込まれていることで、その横フレーム材45aに固定されている。固定部61には、固定具65が挿通された固定孔61aが複数形成されている。固定部61は、外側外装材43の上端面には重ねられておらず、固定部61の自由端は横フレーム材45aの上方位置に配置されている。
【0056】
下方延出部62は、固定部61の屋根内周側の端部からパラペット本体35の側面に沿って延びており、その側面に重ねられている。この場合、下方延出部62は、防水シート47や内側外装材44に重ねられているが、これら防水シート47や内側外装材44に接合はされていない。下方延出部62は、笠木36の内側側面部36cの下端よりも低い位置まで延びている。
【0057】
側方延出部63は、下方延出部62の下端からパラペット本体35とは反対側に向けて水平方向に延びている。この場合、下方延出部62と側方延出部63とは直角に交差している。下方延出部62からの側方延出部63の延出寸法は、笠木36の内側側面部36cとパラペット本体35との離間距離よりも大きくされており、側方延出部63は、内側側面部36cから下方に離間した位置に配置されている。この場合、側方延出部63の先端部の方が、笠木36の内側側面部36cよりもパラペット本体35から遠い位置に配置されており、側方延出部63が内側側面部36cをパラペット15の厚み方向に跨いだ状態になっている。
【0058】
上方延出部64は、側方延出部63の屋根内周側の端部から笠木36の内側側面部36cの外側面に沿って上方に向けて鉛直方向に延びている。この場合、側方延出部63と上方延出部64とは直角に交差している。上方延出部64は、内側側面部36cを挟んでパラペット本体35とは反対側に配置されており、内側側面部36cからは屋根内周側に離間している。上方延出部64は、内側側面部36cの上端と下端との間の高さ位置まで延びており、上方延出部64の上端部は内側側面部36cに横並びの位置に配置されている。
【0059】
支持部材31は、支線25が接続された接続部としての接続孔67を有している。接続孔67は、上方延出部64に設けられており、笠木36の内側側面部36cに横並びになる高さ位置に配置されている。接続孔67は、上方延出部64を板厚み方向に貫通しており、支線25は、接続孔67に通されていることで上方延出部64に固定されている。接続孔67は、上方延出部64の幅方向に沿って延びた長孔とされている。
【0060】
支持部材31は、パラペット15の上端面や側面に重ねて設けられている一方で、笠木36には重ねられておらず接触もしていない。このため、例えば
図4に仮想線で示すように、支持部材31が弾性変形することで、下方延出部62の下端がパラペット本体35の側面から離間し、側方延出部63の屋根内周側の端部が上方に持ち上げられ、上方延出部64の上端部が笠木36の内側側面部36cから遠ざかったとしても、支持部材31が笠木36に接触しないようになっている。ここで、支持部材31が弾性変形可能になっているため、支線25から支持部材31に加えられる張力が、支線25や支柱23の揺れなどにより増減したとしても、接続孔67が支柱23に近付く側に移動する態様で支持部材31が変形することにより、支線25から固定部61や固定具55に加えられる荷重が過剰に大きくなることが抑制される。
【0061】
図6に示すように、笠木ホルダ51と支持部材31とはパラペット15の幅方向に沿って横並びに配置されている。ここで、笠木ホルダ51は、パラペット15の幅方向に沿って所定間隔で複数設けられており、支持部材31は、隣り合う笠木ホルダ51の間に配置されていることになる。このため、笠木ホルダ51と支持部材31とがパラペット15の高さ方向や厚み方向に重ねて配置された構成とは異なり、笠木ホルダ51及び支持部材31のいずれを先にパラペット本体35に取り付けた場合でも、もう片方をパラペット本体35に取り付けることが可能になっている。
【0062】
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0063】
支線25がパラペット15の上端部に対して固定されているため、支柱23に対する支線25の角度Θを、支線25による支柱23の支持強度を確保する上で適正な角度に設定することができる。しかも、パラペット本体35に対する支持部材31の固定部分が笠木36により上方から覆われているため、固定具65がパラペット本体35を貫通した部分からパラペット本体35の内部に水が浸入することを抑制できる。さらに、支線25が笠木36に接触しない状態を支持部材31により保持することが可能であるため、支線25や笠木36が破損したり変形したりすることを抑制できる。以上により、支線25により支柱23を好適に支えることができる。
【0064】
支持部材31においては接続孔67が笠木36の外側位置において保持されているため、強風時などの支線25や支柱23の揺れに伴って、支線25や支持部材31が笠木36に繰り返し接触するということを抑制できる。
【0065】
支持部材31においては、下方延出部62や側方延出部63が弾性変形することが可能であるため、支線25から支持部材31に加えられる荷重が支線25や支柱23の揺れ等により増減したとしても、固定部61を固定した固定具65に加えられる荷重が過剰に大きくなることを抑制できる。これにより、パラペット15に対する支持部材31の固定状態や、支持部材31による支線25の支持状態を適正に保つことができる。
【0066】
支持部材31においては、上方延出部64に形成された接続孔67が笠木36の側方に配置されているため、支線25が笠木36に接触することを確実に回避できる。しかも、弾性変形可能な部分には、下方延出部62及び側方延出部63に加えて上方延出部64も含まれているため、支線25から固定具65に加えられる荷重が過剰に大きくなることをより確実に抑制できる。
【0067】
固定部61がパラペット本体35の上端面に重ねられていることで、固定部61とパラペット本体35とが面同士で接した状態になっているため、支持部材31をパラペット本体35に対して安定した状態で固定することができる。
【0068】
[他の実施形態]
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
【0069】
(1)上記実施形態では、支持部材31において、側方延出部63が水平方向に延びていたが、側方延出部63は、水平方向でなくてもパラペット本体35から離間する向きで延びていればよい。例えば、
図7(a)に示すように、支持部材31において、側方延出部63が下方延出部62の下端部から斜め上方に向けて延びた構成とする。この構成では、下方延出部62と側方延出部63との間の角度が鋭角(例えば75度)とされ、側方延出部63と上方延出部64との間の角度が鈍角(例えば105度)とされている。
【0070】
(2)上記実施形態では、支持部材31において、上方延出部64が鉛直方向に延びていたが、上方延出部64は、鉛直方向でなくても側方延出部63から上方に向けて延びていればよい。例えば、上方延出部64が笠木36の内側側面部36cから遠ざかる向きで斜め上方に向けて延びていてもよく、内側側面部36cに近付く向きで斜め上方に向けて延びていてもよい。
【0071】
また、上方延出部64の上端部は、笠木36の内側側面部36cに横並びの高さ位置に配置されずに、内側側面部36cよりも高い位置や低い位置に配置されていてもよい。つまり、上方延出部64が、内側側面部36cの下端部の高さ位置に達しない程度の延出寸法や、内側側面部36cの上端部の高さ位置を越えるほどの延出寸法を有していてもよい。
【0072】
(3)上記実施形態では、支持部材31において、接続孔67が上方延出部64に設けられていたが、接続孔67は、側方延出部63や下方延出部62に設けられていてもよい。
【0073】
例えば、
図7(b)に示すように、接続孔67が側方延出部63に設けられた構成とする。この構成では、支持部材31が上方延出部64を有しておらず、側方延出部63において、パラペット本体35からの離間距離が笠木36の内側側面部36cよりも大きい部分に接続孔67が配置されている。この構成でも、支柱23に対する支線25の接続部分と接続孔67とを結んだ仮想直線よりも高い位置に内側側面部36cが配置されるように、接続孔67の位置を設定することで、接続孔67に接続された支線25が笠木36の内側側面部36cに接触しない構成を実現することができる。なお、支持部材31が上方延出部64を有していない構成では、下方延出部62及び側方延出部63が接続孔67の位置を保持する保持部を構成することになる。
【0074】
また、上方延出部64に加えて側方延出部63が設けられていない構成では、接続孔67が下方延出部62に設けられていることが好ましい。例えば、下方延出部62において、笠木36の内側側面部36cよりも低い高さ位置にある部分に接続孔67が配置されている構成とする。この構成でも、支柱23に対する支線25の接続部分と接続孔67とを結んだ仮想直線よりも高い位置に内側側面部36cが配置されるように、接続孔67の位置を設定することで、接続孔67に接続された支線25が内側側面部36cに接触しない構成を実現することができる。なお、支持部材31が上方延出部64及び側方延出部63を有していない構成では、下方延出部62が保持部に相当することになる。
【0075】
さらに、支持部材31が上方延出部64から支柱23側などに向けて延びる補助延出部を有していれば、その補助延出部に接続孔67が設けられていてもよい。この場合、上記実施形態と同様に、延出部62〜64が保持部を構成することになる。
【0076】
(4)支持部材31は、支線25の引っ張りにより生じる引っ張り応力を吸収する応力吸収部を有していてもよい。応力吸収部は、支線25により接続孔67が支柱23側(パラペット本体35から離れる側)に引っ張られた場合に、固定部61に比べて変形しやすい易変形部であればよい。易変形部は、支持部材31において固定部61ではない部分に設けられていればよい。つまり、下方延出部62、側方延出部63及び上方延出部64の少なくともいずれかに設けられていればよい。
【0077】
例えば、
図8(a)に示すように、易変形部71が固定部61と下方延出部62との間に設けられた構成とする。この構成では、易変形部71が折れ曲がっていることで、この易変形部71とパラペット本体35との間が離間しており、支線25により支持部材31が引っ張られた場合に、易変形部71が折れ曲がり角度が大きくなる向きで変形する。この場合、易変形部71が引っ張り応力を吸収したことになり、その引っ張り応力により固定部61が変形することを抑制できる。なお、
図8(a)の構成は、易変形部71が下方延出部62の上端部分に配置されたものであると言うこともできる。
【0078】
また、
図8(b)に示すように、易変形部72が下方延出部62の中間位置に設けられた構成とする。この構成では、下方延出部62において、易変形部72の上方部分はパラペット本体35の側面に重ねられている一方で、易変形部72の下方部分はパラペット本体35の側面から離間している。また、易変形部72は、複数の折れ曲がり部を有しており、全体として蛇行した形状になっている。この構成でも、易変形部72が全体として延びる向きで各折れ曲がり部が変形することで引っ張り応力を吸収し、その引っ張り応力により固定部61が変形することを抑制できる。
【0079】
さらに、板材が折り曲げられることで支持部材31が形成されている構成においては、その板材において、易変形部を形成する部分の厚み寸法が、固定部61を形成する部分の厚み寸法より小さくされていてもよい。この場合でも、易変形部が固定部61に比べて変形しやすい構成を実現できる。
【0080】
いずれの構成においても、支持部材31が応力吸収部を有していることで、固定部61の変形が抑制されるため、固定具65が防水シート47を貫通している部分が固定部61の変形によって露出することや、固定部61の変形によって固定具65が変位して防水シート47が切れたり敗れたりすることが生じにくくなっている。したがって、パラペット本体35において防水シート47の防水性を適正に保つことができる。
【0081】
(5)上記実施形態では、下方延出部62がパラペット本体35の側面に重ねられていたが、下方延出部62は、パラペット本体35から屋根内周側に離間していてもよい。
【0082】
(6)上記実施形態では、固定部61がパラペット本体35の上端面に対して固定されていたが、固定部61は、パラペット本体35の側面に対して固定されていてもよい。例えば、固定部61がパラペット本体35の上端面と側面とに掛け渡された状態で設けられ、固定部61においてパラペット本体35の側面に重ねられた部分が、固定具65によりパラペット本体35の下地フレーム45に対して固定された構成とする。この構成では、固定部61の一部をパラペット本体35の上端面に引っ掛けることが可能であるため、支持部材31の高さ位置を設定することが容易である。
【0083】
また、
図9(a),(b)に示すように、支持部材31が断面L字状とされ、互いに交差する一対の板部のうち一方が下方延出部62とされ、他方が側方延出部63とされた構成とする。この構成では、下方延出部62に固定孔61aが形成されており、固定具65が固定孔61aを貫通してパラペット本体35の側面(下地板46)に打ち込まれている。この場合、下方延出部62において、パラペット本体35と笠木36との間に入り込んだ部分(笠木36の内側側面部36cの下端より高い位置にある部分)が固定部に相当する。また、側方延出部63に接続孔67が形成されている。
【0084】
この構成によれば、支線25の張力により接続孔67が支柱23側に引っ張られた場合、
図9(a)に仮想線に示すように、支持部材31が弾性変形することで、下方延出部62においては、その下端がパラペット本体35から離れる向きで固定孔61a(固定具65の頭部)の下方位置から曲がることになる。接続孔67は、壁厚み方向において、パラペット本体35からの離間距離が笠木36の内側側面部36cより大きい位置に配置されており、支持部材31や支線25が笠木36に接触しないようになっている。
【0085】
(7)上記実施形態では、支持部材31の固定部61と笠木36とが離間していたが、笠木36は固定部61に接触していてもよい。例えば、笠木36の上面部36aが固定部61の上面に重ねられた構成とする。この場合でも、笠木36が下方延出部62に接触していなければ、仮に支線25の張力により下方延出部62が弾性変形したとしても、その下方延出部62や支線25が笠木36に接触することを回避できる。
【0086】
(8)上記実施形態では、支持部材31の接続孔67に支線25が接続されていたが、支持部材31は、支線25を接続可能な接続部を有していればよい。例えば、支持部材31が、上方延出部64の板面から支柱23側に向けて突出した凸部を有しており、その凸部に支線25が接続された構成とする。
【0087】
(9)支持部材31においては、固定部61が弾性変形しない構成とされていてもよい。また、延出部62〜64も弾性変形しない構成とされていてもよい。この場合でも、延出部62〜64が弾性変形しないだけで、支線25が笠木36に接触しない構成を実現することはできる。
【0088】
(10)上記実施形態では、パラペット15の厚み方向において、笠木36の側面部36b,36cがパラペット本体35の側面に重なる位置に配置されていたが、笠木36は、パラペット本体35の側面に重ならない位置に配置されてもよい。つまり、笠木36がパラペット本体35の上端面よりも高い位置に配置されていてもよい。この場合でも、支持部材31の固定部61は、笠木36とパラペット本体35の上端面との間に入り込んだ状態で、パラペット本体35に固定されていればよい。
【0089】
(11)上記実施形態では、支持部材31の下方延出部62が支柱23側(パラペット本体35の屋根内周側)に配置されていたが、下方延出部62は、パラペット本体35を挟んで支柱23とは反対側に配置されていてもよい。この場合でも、上方延出部64が笠木36の外側側面部36bの上端部よりも高い位置に突出しており、その突出部分に接続孔67が設けられていることなどにより、支柱23に対する支線25の接続部分と接続孔67とを結んだ仮想直線が笠木36よりも高い位置に配置される構成を実現することが可能である。つまり、支線25が笠木36に接触しない構成を実現することが可能である。
【0090】
(12)上記実施形態では、支持部材31と笠木ホルダ51とがパラペット15の幅方向に沿って横並びに配置されていたが、これら支持部材31と笠木ホルダ51とは、パラペット15の厚み方向に並べて配置されていてもよい。例えば、パラペット15の厚み方向において、パラペット15の中心よりも支柱23側に支持部材31が配置され、中心よりも支柱23とは反対側に笠木ホルダ51が配置された構成とする。
【0091】
(13)支線25を固定する支持部材31は、パラペット15でなくても、笠木36を有する起立部であれば、手摺壁や間仕切壁、柱状の部材などに取り付けられていてもよい。また、起立部は、屋根12ではなく、バルコニーやベランダなどに設けられていてもよく、この場合でも、起立部が、床面など防水性を有する防水面から上方に向けて起立していればよい。さらに、支線25により支えられる支柱23は、アンテナ支柱ではなく、太陽光発電装置において太陽パネルを支持する支柱や、貯水タンクを支持する支柱とされていてもよい。例えば、貯水タンクを支持する支柱がバルコニーに設けられ、バルコニーの手摺壁が笠木を有しており、支柱に接続された支線が手摺壁に取り付けられた構成とする。