特許第6247592号(P6247592)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6247592雄コネクタ、雌コネクタ及び雄コネクタと雌コネクタとの接続構造
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6247592
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】雄コネクタ、雌コネクタ及び雄コネクタと雌コネクタとの接続構造
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/66 20060101AFI20171204BHJP
   H01F 38/14 20060101ALI20171204BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20171204BHJP
   H02J 50/90 20160101ALI20171204BHJP
【FI】
   H01R13/66
   H01F38/14
   H02J50/10
   H02J50/90
【請求項の数】17
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-98981(P2014-98981)
(22)【出願日】2014年5月12日
(65)【公開番号】特開2015-216057(P2015-216057A)
(43)【公開日】2015年12月3日
【審査請求日】2016年12月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000194918
【氏名又は名称】ホシデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104569
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正夫
(72)【発明者】
【氏名】近藤 快人
【審査官】 板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−114080(JP,A)
【文献】 実開平05−053219(JP,U)
【文献】 特表2000−513880(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/66
H01F 38/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
雄ボディと、
雄導体とを備えており、
前記雄ボディは、曲面を有する外面と、
前記雄ボディ内の密閉空間であって、当該雄ボディの前記曲面より内側部分に設けられた収容空間とを有しており、
前記雄導体は前記収容空間内に配置されており、当該雄導体は機能部を有しており、
前記機能部が、雄通信アンテナ、雄送電アンテナ及び雄受電アンテナの何れか一つであり、前記雄導体の前記機能部の全体が、前記外面の前記曲面の一部に沿って湾曲している雄コネクタ。
【請求項2】
請求項1記載の雄コネクタにおいて、
前記雄ボディは、当該雄ボディの前記曲面に沿って湾曲した曲面状の前記収容空間の壁面を更に有しており、前記収容空間の前記壁面は絶縁性を有しており、
前記雄導体の前記機能部は前記収容空間の前記壁面上に設けられている雄コネクタ。
【請求項3】
請求項1記載の雄コネクタにおいて、
前記収容空間内に配置されており且つ前記雄ボディの前記曲面に沿って湾曲した雄絶縁体を更に備えており、
前記雄導体の前記機能部は前記雄絶縁体上に設けられている雄コネクタ。
【請求項4】
請求項3記載の雄コネクタにおいて、
前記雄ボディは、当該雄ボディの前記曲面に沿って湾曲した前記収容空間の壁面を更に有しており、
前記雄絶縁体は前記収容空間の前記壁面上に固着されている雄コネクタ。
【請求項5】
請求項2〜4の何れかに記載の雄コネクタにおいて、
前記雄ボディの前記外面の前記曲面は円筒状であり、
前記雄ボディの前記収容空間の前記壁面は、前記雄ボディの前記曲面に対して同心円状に配置された円筒状である雄コネクタ。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載の雄コネクタにおいて、
雄回路を更に備えており、
前記雄導体は、前記雄回路に電気的に接続される接続部を更に有している雄コネクタ。
【請求項7】
請求項6記載の雄コネクタにおいて、
前記接続部は、前記雄ボディの前記曲面に沿って湾曲している雄コネクタ。
【請求項8】
請求項6〜7の何れかに記載の雄コネクタにおいて、
前記雄ボディの前記収容空間内に配置されており且つ前記雄回路又は前記雄導体に電気的に接続された雄基板と、
前記雄基板上に設けられた雄制御部とを更に備えている雄コネクタ。
【請求項9】
雌ボディと、
雌導体とを備えており、
前記雌ボディは、接続孔と、
曲面を有する前記接続孔の内壁面と、
前記雌ボディ内の密閉空間であって、当該雌ボディ内の前記接続孔の前記曲面より外側部分に設けられた収容空間とを有しており、
前記雌導体は前記収容空間内に配置されており、当該雌導体は機能部を有しており、
前記機能部が、雌通信アンテナ、雌受電アンテナ及び雌送電アンテナの何れか一つであり、前記雌導体の前記機能部の全体が、前記接続孔の前記曲面の一部に沿って湾曲している雌コネクタ。
【請求項10】
請求項9記載の雌コネクタにおいて、
前記雌ボディは、前記接続孔の前記曲面に沿って湾曲した曲面状の前記収容空間の壁面を更に有しており、前記収容空間の前記壁面は絶縁性を有しており、
前記雌導体の前記機能部は前記収容空間の前記壁面上に設けられている雌コネクタ。
【請求項11】
請求項9記載の雌コネクタにおいて、
前記収容空間内に配置されており且つ前記接続孔の前記曲面に沿って湾曲した雌絶縁体を更に備えており、
前記雌導体の前記機能部は前記雌絶縁体上に設けられている雌コネクタ。
【請求項12】
請求項11記載の雌コネクタにおいて、
前記雌ボディは、前記接続孔の前記曲面に沿って湾曲した前記収容空間の壁面を更に有しており、
前記雌絶縁体は前記収容空間の前記壁面上に固着されている雌コネクタ。
【請求項13】
請求項10〜12の何れかに記載の雌コネクタにおいて、
前記接続孔の前記内壁面の前記曲面は円筒状であり、
前記収容空間の前記壁面は、前記接続孔の前記曲面に対して同心円状に配置された円筒状である雌コネクタ。
【請求項14】
請求項9〜13の何れかに記載の雌コネクタにおいて、
雌回路を更に備えており、
前記雌導体は、前記雌回路に電気的に接続される接続部を更に有している雌コネクタ。
【請求項15】
請求項14記載の雌コネクタにおいて、
前記接続部は、前記接続孔の前記曲面に沿って湾曲している雌コネクタ。
【請求項16】
請求項14〜15の何れかに記載の雌コネクタにおいて、
前記雌ボディの前記収容空間内に配置されており且つ前記雌回路又は前記雌導体に電気的に接続された雌基板と、
前記雌基板上に設けられた雌制御部とを更に備えている雌コネクタ。
【請求項17】
雄コネクタと雌コネクタとの接続構造であって、前記雄コネクタおよび前記雌コネクタを備えており、
前記雄コネクタは、雄ボディと、
雄導体とを備えており、
前記雄ボディは、曲面を有する外面と、
前記雄ボディ内の密閉空間であって、当該雄ボディの前記曲面より内側部分に設けられた収容空間とを有しており、
前記雄導体は前記収容空間内に配置されており、当該雄導体は機能部を有しており、
前記雄導体の前記機能部が、雄通信アンテナ、雄送電アンテナ及び雄受電アンテナの何れか一つであり、前記雄導体の前記機能部の全体が前記外面の前記曲面の一部に沿って湾曲しており、
前記雌コネクタは、雌ボディと、
雌導体とを備えており、
前記雌ボディは、接続孔と、
曲面を有する前記接続孔の内壁面と、
前記雌ボディ内の密閉空間であって、当該雌ボディ内の前記接続孔の前記曲面より外側部分に設けられた収容空間とを有しており、
前記雌導体は前記収容空間内に配置されており、当該雌導体は機能部を有しており、
前記雌導体の前記機能部が、雌通信アンテナ、雌受電アンテナ及び雌送電アンテナの何れか一つであり、前記雌導体の前記機能部の全体が、前記接続孔の前記曲面の一部に沿って湾曲しており、
前記雄コネクタが前記雌コネクタの前記接続孔に嵌合し、前記雄コネクタの前記外面の前記曲面と前記雌コネクタの前記接続孔の前記内壁面の前記曲面とが互いに当接した状態で、前記雄導体の前記機能部と前記雌導体の前記機能部との間の距離が均一となる雄コネクタと雌コネクタとの接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は雄コネクタ雌コネクタ及び雄コネクタと雌コネクタとの接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、非接触で信号を伝送可能な雄コネクタ及び雌コネクタが記載されている。雄コネクタは、雄ボディと、雄コイル要素とを備えている。雄コイル要素は、射出成形される雄ボディ内に埋め込まれている。雌コネクタは、接続孔を有する雌ボディと、雌コイル要素とを備えている。雌コネクタの雌ボディの接続孔に雄コネクタの先端部が嵌合可能となっている。雌コイル要素は、射出成形される雌ボディ内に埋め込まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−246122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記雄コネクタの雄ボディの外面の一部又は全部を曲面状とし、且つ上記雌コネクタの接続孔の内壁面の一部及び全部を曲面状とすることが要望されている。しかし、上記要望に応えることが困難である。その理由は以下の通りである。上記雄コネクタの雄ボディの外面のうちの雄コイル要素が近傍に位置する外面は、雄コイル要素が実装されるリジット基板の形状に依存してフラットにされている。上記雌コネクタの接続孔の内壁面のうちの雌コイル要素の近傍に位置する内壁面も雌コイル要素が実装されるリジット基板の形状に依存してフラットにされている。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、ボディの外面に曲面を設けることができる雄コネクタ及び接続孔の内壁面に曲面を設けることができる雌コネクタ及び雄コネクタと雌コネクタとの接続構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の雄コネクタは、雄ボディと、雄導体とを備えている。前記雄ボディは、曲面を有する外面と、雄ボディ内の密閉空間であって、当該雄ボディの前記曲面より内側部分に設けられた収容空間とを有している。前記雄導体は前記収容空間内に配置されている。当該雄導体は機能部を有している。前記機能部が、雄通信アンテナ、雄送電アンテナ及び雄受電アンテナの何れか一つである。前記雄導体の前記機能部の全体が、前記外面の前記曲面の一部に沿って湾曲している。
【0007】
このような態様の雄コネクタによる場合、雄導体が雄ボディの収容空間内に配置されているため、雄ボディの外面に曲面を設けることができる。
【0008】
前記雄ボディは、当該雄ボディの前記曲面に沿って湾曲した曲面状の前記収容空間の壁面を更に有した構成とすることが可能である。前記収容空間の前記壁面は絶縁性を有する構成とすることが可能である。前記雄導体の前記機能部は前記収容空間の前記壁面上に設けられた構成とすることが可能である。
【0009】
このような態様の雄コネクタによる場合、雄導体の機能部を雄ボディの曲面に沿って容易に湾曲させることができる。収容空間の壁面が雄ボディの曲面に沿って湾曲した曲面状
であるので、雄導体の機能部を収容空間の壁面に設けるだけで、機能部を雄ボディの曲面に沿って湾曲させることができるからである。
【0010】
又は、上記雄コネクタは、雄絶縁体を更に備えた構成とすることが可能である。雄絶縁体は、前記収容空間内に配置されており且つ前記雄ボディの前記曲面に沿って湾曲した構成とすることが可能である。前記雄導体の前記機能部は前記雄絶縁体上に設けられた構成とすることが可能である。
【0011】
このような態様の雄コネクタによる場合、雄導体の機能部を雄ボディの曲面に沿って容易に湾曲させることができる。雄絶縁体が雄ボディの曲面に沿って湾曲しているので、雄導体の機能部を雄絶縁体上に設けるだけで、機能部を雄ボディの曲面に沿って湾曲させることができるからである。
【0012】
前記雄ボディは、当該雄ボディの前記曲面に沿って湾曲した前記収容空間の壁面を更に有した構成とすることが可能である。前記雄絶縁体は前記収容空間の前記壁面上に固着された構成とすることが可能である。
【0013】
前記雄ボディの前記外面の前記曲面は円筒状である構成とすることが可能である。前記収容空間の前記壁面は、前記雄ボディの前記曲面に対して同心円状に配置された円筒状とすることが可能である。
【0014】
上記何れかの態様の雄コネクタは、雄回路を更に備えた構成とすることが可能である。前記雄導体は、前記雄回路に電気的に接続される接続部を更に有する構成とすることが可能である。前記接続部は、前記雄ボディの前記曲面に沿って湾曲した構成とすることが可能である。
【0015】
上記雄コネクタは、前記雄ボディの前記収容空間内に配置されており且つ前記雄回路又は前記雄導体に電気的に接続された雄基板と、前記雄基板上に設けられた雄制御部とを更に備えた構成とすることが可能である。
【0016】
本発明の雌コネクタは、雌ボディと、雌導体とを備えている。前記雌ボディは、接続孔と、曲面を有する前記接続孔の内壁面と、雌ボディ内の密閉空間であって、当該雌ボディ内の前記接続孔の前記曲面より外側部分に設けられた収容空間とを有している。前記雌導体は前記収容空間内に配置されている。当該雌導体は機能部を有している。前記機能部が、雌通信アンテナ、雌受電アンテナ及び雌送電アンテナの何れか一つである。前記雌導体の前記機能部の全体が、前記接続孔の前記曲面の一部に沿って湾曲している。
【0017】
このような態様の雌コネクタによる場合、雌導体が雌ボディの収容空間内に配置されているため、雌ボディの接続孔の内壁面に曲面を設けることができる。
【0018】
前記雌ボディは、前記接続孔の前記曲面に沿って湾曲した曲面状の前記収容空間の壁面を更に有した構成とすることが可能である。前記収容空間の前記壁面は絶縁性を有した構成とすることが可能である。前記雌導体の前記機能部は前記収容空間の前記壁面上に設けられた構成とすることが可能である。
【0019】
このような態様の雌コネクタによる場合、雌導体の機能部を接続孔の曲面に沿って容易に湾曲させることができる。収容空間の壁面が接続孔の曲面に沿って湾曲した曲面状であるので、雌導体の前記機能部を収容空間の壁面に設けるだけで、機能部を接続孔の曲面に沿って湾曲させることができるからである。
【0020】
又は、上記雌コネクタは、前記収容空間内に配置されており且つ前記接続孔の前記曲面に沿って湾曲した雌絶縁体を更に備えた構成とすることが可能である。前記雌導体の前記機能部は前記雌絶縁体上に設けられた構成とすることが可能である。
【0021】
このような態様の雌コネクタによる場合、雌導体の機能部を接続孔の曲面に沿って容易に湾曲させることができる。雌絶縁体が接続孔の曲面に沿って湾曲しているので、雌導体の前記機能部を雌絶縁体上に設けるだけで、機能部を接続孔の曲面に沿って湾曲させることができるからである。
【0022】
前記雌ボディは、前記接続孔の前記曲面に沿って湾曲した前記収容空間の壁面を更に有した構成とすることが可能である。前記雌絶縁体は前記収容空間の前記壁面上に固着された構成とすることが可能である。
【0023】
前記接続孔の前記内壁面の前記曲面は円筒状である構成とすることが可能である。前記収容空間の前記壁面は、前記接続孔の前記曲面に対して同心円状に配置された円筒状とすることが可能である。
【0024】
上記した何れかの態様の雌コネクタは雌回路を更に備えた構成とすることが可能である。前記雌導体は、前記雌回路に電気的に接続される接続部を更に有した構成とすることが可能である。前記接続部は、前記接続孔の前記曲面に沿って湾曲した構成とすることが可能である。
【0025】
前記雌ボディの前記収容空間内に配置されており且つ前記雌回路又は前記雌導体に電気的に接続された雌基板と、前記雌基板上に設けられた雌制御部とを更に備えた構成とすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1A】本発明の実施例1に係る雄コネクタの正面、平面及び右側面から表した概略的斜視図である。
図1B】前記雄コネクタの図1A中の1B−1B断面図である。
図2A】前記雄コネクタの図1B中の2A−2A部分断面図であって、当該雄コネクタの雄導体の一例(雄通信アンテナ)を示す図である。
図2B】前記雄コネクタの図1B中の2A−2A部分断面図であって、当該雄コネクタの雄導体の別の一例(雄送電アンテナ又は雄受電アンテナ)を示す図である。
図3A】本発明の実施例1に係る雌コネクタの正面、平面及び右側面から表した概略的斜視図である。
図3B】前記雌コネクタの図3A中の3B−3B断面図である。
図4A】前記雌コネクタの図3B中の4A−4A部分断面図であって、当該コネクタの雌導体の一例(雌通信アンテナ)を示す図である。
図4B】前記雌コネクタの図3B中の4A−4A部分断面図であって、当該コネクタの雌導体の別の一例(雌受電アンテナ又は雌送電アンテナ)を示す図である。
図5A】前記雄コネクタ及び前記雌コネクタの斜視図であって、前記雄コネクタと前記雌コネクタが接続された状態を示す図である。
図5B】前記雄コネクタ及び前記雌コネクタの図5A中の5B−5B断面図である。
図6】本発明の実施例2に係る雄コネクタ及び雌コネクタの図5Bに対応する断面図であって、前記雄コネクタと前記雌コネクタが接続された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施例1及び2について説明する。
【実施例1】
【0028】
以下、本発明の実施例1に係る雄コネクタ100aについて図1A図2Bを参照しつつ説明する。雄コネクタ100aは、雄ボディ110aと、複数の雄導体120aと、複数の雄回路130aと、雄基板140aと、複数の雄制御部150aと、ケーブル160aとを備えている。以下、雄コネクタ100aの各構成要素について詳しく説明する。
【0029】
雄ボディ110aは、図1Aに最も良く示されるように、略円柱状の絶縁樹脂である。雄ボディ110aは、外面111aと、収容空間112aと、壁面113aとを有している。雄ボディ110aの外面111aは、雄ボディ110aの円筒状の外周面である曲面111a1を有している。曲面111a1には、図示しないキー溝又は凸状のキー部が設けられていても良い。収容空間112aは、図1Bに最も良く示されるように、雄ボディ110aの内部(曲面111a1より内側部分)に設けられた円柱状の密閉空間であって、曲面111a1に対して同心円状に配置されている。収容空間112aの壁面113aは、円筒状の曲面であって、曲面111a1に対して同心円状に配置されている。壁面113aは、曲面111a1に沿って湾曲している。
【0030】
各雄導体120aは、図1Bに示されるように、収容空間112aの壁面113a上に形成された導電ラインであって、収容空間112a内に配置されている。雄導体120aは、例えば、レーザーダイレクトストラクチャリング(LDS(登録商標))技術によって壁面113a上にパターン形成されている。具体的には、LDS添加剤を含む壁面113aにレーザーを照射し、レーザーを照射した部分のみを活性化させ、該活性化させた部分に金属を適用することによってめっき層(雄導体120a)が形成される。導電ラインは、周知の印刷技術を用いて壁面113a上に形成することが可能である。なお、図1Bでは、説明の便宜上、雄導体120aの厚みを誇張して表している。
【0031】
各雄導体120aは、機能部121aと、接続部122aとを有している。機能部121aは、無線で信号通信可能な雄通信アンテナ(図2A参照)、無線で電力を送電可能な雄送電アンテナ(図2B参照)及び無線で電力を受電可能な雄受電アンテナ(図2B参照)の何れか一つである。機能部121aは、壁面113aに沿って湾曲している。上記の通り、壁面113aは雄ボディ110aの曲面111a1に沿って湾曲しているため、機能部121aも曲面111a1に沿って湾曲している。これにより、機能部121aから曲面111a1までの距離が均一になる。接続部122aは、壁面113aに沿って湾曲していても良いし(図2B参照)、湾曲せずに延びていても良い(図2A参照)。
【0032】
各雄回路130aは、図2Aに示すように収容空間112aの壁面113a上に設けられていても良いし、図示しないが雄基板140a上に設けられても良い。各雄回路130aも、収容空間112a内に配置されている。各雄回路130aは、雄導体120aの接続部122aに電気的に接続されている。雄導体120aの機能部121aが雄通信アンテナである場合、雄回路130aは機能部121aに信号を送信又は受信させるためのIC(通信回路)である。雄導体120aの機能部121aが雄送電アンテナである場合、雄回路130aは図外の外部電源から供給される電力を、電磁誘導方式、電磁界共鳴方式、電界結合方式又は電波方式で送電するのに適した電力(例えば、高周波電力)に変換して機能部121aに供給する送電IC(送電回路)である。雄導体120aの機能部121aが雄受電アンテナである場合、雄回路130aは機能部121aで受けたエネルギー(電磁波等)を電力に変換する受電IC(受電回路)である。
【0033】
雄基板140aは、リジットなプリント基板、フレキシブルプリント基板又はPET基板等であって、収容空間112a内に配置されている。雄基板140aは、図示しない接続部(例えば、リード線、ピン又はFPC等)によって雄導体120aの接続部122a又は雄回路130aに電気的に接続されている。
【0034】
雄制御部150aは、雄基板140a上に各々実装されている。雄制御部150aは接続部及び雄基板140aを介して対応する雄回路130aに接続されている。雄基板140aは対応する雄回路130aを制御するためのマイコンである。なお、一つの雄制御部150aで複数の雄回路130aを制御することも可能である。
【0035】
ケーブル160aは、雄ボディ110aから導出している。ケーブル160aは雄基板140aに接続されている。
【0036】
以下、本発明の実施例1に係る雌コネクタ100bについて図3A図4Bを参照しつつ説明する。雌コネクタ100bは、雌ボディ110bと、複数の雌導体120bと、複数の雌回路130bと、複数の雌基板140bと、複数の雌制御部150bとを備えている。以下、雌コネクタ100bの各構成要素について詳しく説明する。
【0037】
雌ボディ110bは絶縁樹脂で構成されている。雌ボディ110bは、図3A及び図3Bに示されるように、接続孔111bと、接続孔111bの内壁面112bと、収容空間113bと、壁面114bとを有している。接続孔111bは、雌ボディ110bに設けられた円柱状の孔である。接続孔111bの径は、雄コネクタ100aの外径に対応している。すなわち、接続孔111bに雄コネクタ100aが挿脱可能となっている。接続孔111bの内壁面112bは、円筒状の曲面112b1を有している。曲面112b1には、図示しない凸状のキー部又はキー溝が設けられていても良い。キー部は、雄コネクタ100aの上記キー溝に対応した形状である。キー溝は、雄コネクタ100aの上記キー部に対応した形状である。収容空間113bは、雌ボディ110b内の接続孔111bの曲面112b1よりも外側部分に設けられた円筒状の密閉空間であって、曲面112b1に対して同心円状に配置されている。収容空間113bの壁面114bは円筒状の曲面であって、曲面112b1に対して同心円状に配置されている。すなわち、壁面114bは、接続孔111bの曲面112b1に沿って湾曲している。
【0038】
各雌導体120bは、図3Bに示されるように、収容空間113bの壁面114b上に形成された導電ラインであって、収容空間113b内に配置されている。雌導体120bは、例えば、レーザーダイレクトストラクチャリング(LDS)技術によって壁面114b上に形成されている。具体的には、LDS添加剤を含む壁面114bにレーザーを照射し、レーザーを照射した部分のみを活性化させ、該活性化させた部分に金属を適用することによってめっき層(雌導体120b)が形成される。導電ラインは、周知の印刷技術を用いて壁面114b上に形成することが可能である。なお、図3Bでは、説明の便宜上、雌導体120bの厚みを誇張して表している。
【0039】
各雌導体120bは、機能部121bと、接続部122bとを有している。機能部121bは、無線で信号通信可能な雌通信アンテナ(図4A参照)、無線で電力を受電可能な雌受電アンテナ(図4B参照)及び無線で電力を送電可能な雌送電アンテナ(図4B参照)の何れか一つである。機能部121bは、収容空間113bの壁面114bに沿って湾曲している。上記の通り、壁面114bは接続孔111bの曲面112b1に沿って湾曲しているため、機能部121bも曲面112b1に沿って湾曲している。これにより、機能部121bから曲面112b1までの距離が均一になる。接続部122bは、壁面114bに沿って湾曲していても良いし(図4B参照)、湾曲せずに延びていても良い(図4A参照)。
【0040】
各雌回路130bは、図4Aに示すように収容空間113bの壁面114b上に設けられていても良いし、図示しないが雌基板140b上に設けられていても良い。雌回路130bも、収容空間113b内に配置されている。各雌回路130bは、雌導体120bの接続部122bに電気的に接続されている。雌導体120bの機能部121bが雌通信アンテナである場合、雌回路130bは機能部121bに信号を受信又は送信させるためのIC(通信回路)である。雌導体120bの機能部121bが雌受電アンテナである場合、雌回路130bは機能部121bで受けたエネルギー(電磁波等)を電力に変換する受電IC(受電回路)である。雌導体120bの機能部121bが雌送電アンテナである場合、雌回路130bは図外の外部電源から供給される電力を、電磁誘導方式、電磁界共鳴方式、電界結合方式又は電波方式で送電するのに適した電力(例えば、高周波電力)に変換して機能部121bに供給する送電IC(送電回路)である。
【0041】
各雌基板140bは、リジットなプリント基板、フレキシブルプリント基板又はPET基板等であって、収容空間113b内に配置されている。雌基板140bは、図示しない接続部(例えば、リード線、ピン又はFPC等)によって雌導体120bの接続部122b又は雌回路130bに電気的に接続されている。
【0042】
各雌制御部150bは、雌基板140b上に実装されている。雌制御部150bは接続部及び雌基板140bを介して対応する雌回路130bに接続されている。雌基板140bは対応する雌回路130bを制御するためのマイコンである。なお、一つの雌制御部150bで複数の雌回路130bを制御することも可能である。
【0043】
以下、雄コネクタ100aを雌コネクタ100bに接続する手順について図5A及び図5Bを参照しつつ説明する。雄コネクタ100a及び雌コネクタ100bの何れか一方のキー部が、他方のキー溝に挿入される。キー部がキー溝にガイドされ、雄コネクタ100aが雌コネクタ100bの接続孔111bに嵌合する。
【0044】
雄コネクタ100aが雌コネクタ100bの接続孔111bに嵌合した状態(接続状態)で、雄コネクタ100aの雄導体120aの機能部121aと雌コネクタ100bの雌導体120bの機能部121bが、接続孔111bの半径方向に各々並ぶ。これにより、機能部121aと機能部121bとの間で、無線で信号通信又は無線で電力供給が可能となる。
【0045】
以上のような雄コネクタ100a及び雌コネクタ100bは以下の技術的特徴を有する。第1に、雄コネクタ100aの雄ボディ110aの曲面111a1を円筒状の曲面とすることができる。なぜなら、雄導体120aが雄ボディ110aの収容空間112aの壁面113a上に設けられ、収容空間112a内に配置されているからである。雌コネクタ100bの雌ボディ110bの接続孔111bの曲面112b1を円柱状の曲面とすることができる。なぜなら、雌導体120bが雌ボディ110bの収容空間113bの壁面114b上に設けられ、収容空間113b内に配置されているからである。
【0046】
第2に、雄導体120aの機能部121aを雄ボディ110aの曲面111a1に沿って容易に湾曲させることができる。雄ボディ110aの収容空間112aの壁面113aが雄ボディ110aの曲面111a1に沿って湾曲した曲面状であるので、雄導体120aを壁面113aに設けるだけで、機能部121aを雄ボディ110aの曲面111a1に沿って湾曲させることができるからである。雌導体120bの機能部121bを接続孔111bの曲面112b1に沿って容易に湾曲させることができる。雌ボディ110bの収容空間113bの壁面114bが接続孔111bの曲面112b1に沿って湾曲した曲面状であるので、雌導体120bを収容空間113bの壁面114bに設けるだけで、機能部121bを接続孔111bの曲面112b1に沿って湾曲させることができるからである。
【0047】
第3に、機能部121a、121bの信号伝送効率又は給電効率が向上する。その理由は以下の通りである。雄導体及び雌導体の何れか一方の機能部が平面状であり、他方が曲面状である場合、両機能部の間の距離が外側に行くにしたがって大きくなるため、両機能部の信号伝送効率又は給電効率が低下する。しかし、雄ボディ110aの曲面111a1が接続孔111bの曲面112b1に沿って湾曲しているので、雄ボディ110aの曲面111a1に沿って湾曲した雄導体120aの機能部121aから、接続孔111bの曲面112b1に沿って湾曲した雌導体120bの機能部121bまでの距離が均一となるため、機能部121a、121bの信号伝送効率又は給電効率が向上する。
【実施例2】
【0048】
以下、本発明の実施例2に係る雄コネクタ100a’について図6を参照しつつ説明する。雄コネクタ100a’は、可撓性を有する雄絶縁体170aを更に備えている点及び雄導体120aが雄ボディ110aの壁面113a上ではなく、雄絶縁体170a上に設けられている点で相違する以外、実施例1の雄コネクタ100aと略同じ構成である。以下、その相違点について詳しく説明し、重複する記載は省略する。なお、実施例2に係る雄コネクタの符号については、100aに’を付して、実施例1の雄コネクタ100aと区別する。
【0049】
雄絶縁体170aはフレキシブルプリント基板である。雄絶縁体170aは、雄ボディ110aの収容空間112aの壁面113a上に固着され且つ壁面113aに沿って湾曲している。壁面113aは、雄ボディ110aの曲面111a1に沿って湾曲した曲面であるため、雄絶縁体170aは雄ボディ110aの曲面111a1に沿って湾曲している。雄導体120aは、雄絶縁体170a上に設けられた導電ラインである。雄絶縁体170aが前述の通り湾曲しているため、雄導体120aの機能部121aも、雄ボディ110aの曲面111a1に沿って湾曲している。
【0050】
以下、本発明の実施例2に係る雌コネクタ100b’について図6を参照しつつ説明する。雌コネクタ100b’は、可撓性を有する雌絶縁体160bを更に備えている点及び雌導体120bが雌ボディ110bの壁面114b上ではなく、雌絶縁体160b上に設けられている点で相違する以外、実施例1の雌コネクタ100bと略同じ構成である。以下、その相違点について詳しく説明し、重複する記載は省略する。なお、実施例2に係る雌コネクタの符号については、100bに’を付して、実施例1の雌コネクタ100bと区別する。
【0051】
雌絶縁体160bはフレキシブルプリント基板である。雌絶縁体160bは、雌ボディ110bの収容空間113bの壁面114b上に固着され且つ壁面114bに沿って湾曲している。壁面114bは、雌ボディ110bの接続孔111bの曲面112b1に沿って湾曲した曲面であるため、雌絶縁体160bは、接続孔111bの曲面112b1に沿って湾曲している。雌導体120bは、雌絶縁体160b上に設けられた導電ラインである。雌絶縁体160bが前述の通り湾曲しているため、雌導体120bの機能部121bも、接続孔111bの曲面112b1に沿って湾曲している。
【0052】
以下、雄コネクタ100a’を雌コネクタ100b’に接続する手順について図6を参照しつつ説明する。雄コネクタ100a’及び雌コネクタ100b’の何れか一方のキー部が、他方のキー溝に挿入される。キー部がキー溝にガイドされ、雄コネクタ100a’が雌コネクタ100b’の接続孔111bに嵌合する。
【0053】
雄コネクタ100a’が雌コネクタ100b’の接続孔111bに嵌合した状態で、雄コネクタ100a’の雄導体120aの機能部121aと雌コネクタ100b’の雌導体120bの機能部121bが、接続孔111bの半径方向に各々並ぶ。これにより、機能部121aと機能部121bとの間で、無線で信号通信又は無線で電力供給が可能となる。
【0054】
なお、雄コネクタ100a’を雌コネクタ100bの接続孔111bに嵌合させ、両者を接続させることが可能である。雄コネクタ100aを雌コネクタ100b’の接続孔111bに嵌合させ、両者を接続させることが可能である。
【0055】
以上のような雄コネクタ100a’及び雌コネクタ100b’は以下の技術的特徴を有する。第1に、雄コネクタ100a’の雄ボディ110aの曲面111a1を円筒状の曲面とすることができる。なぜなら、雄絶縁体170aが雄ボディ110aの収容空間112aの壁面113aに固定され、雄絶縁体170a及び雄絶縁体170a上の雄導体120aが収容空間112a内に配置されているからである。雌コネクタ100bの雌ボディ110bの接続孔111bの曲面112b1を円筒状の曲面とすることができる。なぜなら、雌絶縁体160bが雌ボディ110bの収容空間113bの壁面114bに固定され、雌絶縁体160b及び雌絶縁体160b上の雌導体120bが収容空間113b内に配置されているからである。
【0056】
第2に、雄導体120aの機能部121aを雄ボディ110aの曲面111a1に沿って容易に湾曲させることができる。雄ボディ110aの収容空間112aの壁面113aが雄ボディ110aの曲面111a1に沿って湾曲した曲面状であるので、雄絶縁体170aを壁面113aに固定するだけで、雄絶縁体170a及び雄導体120aの機能部121aを雄ボディ110aの曲面111a1に沿って湾曲させることができるからである。雌導体120bの機能部121bを接続孔111bの曲面112b1に沿って容易に湾曲させることができる。雌ボディ110bの収容空間113bの壁面114bが接続孔111bの曲面112b1に沿って湾曲した曲面状であるので、雌絶縁体160bを収容空間113bの壁面114bに固定するだけで、雌絶縁体160b及び雌導体120bの機能部121bを接続孔111bの曲面112b1に沿って湾曲させることができるからである。
【0057】
第3に、機能部121a、121bの信号伝送効率又は給電効率が向上する。その理由は以下の通りである。雄導体及び雌導体の何れか一方の機能部が平面状であり、他方が曲面状である場合、両機能部の間の距離が外側に行くにしたがって大きくなるため、両機能部の信号伝送効率又は給電効率が低下する。しかし、雄ボディ110aの曲面111a1が接続孔111bの曲面112b1に沿って湾曲しているので、雄ボディ110aの曲面111a1に沿って湾曲した雄導体120aの機能部121aから、接続孔111bの曲面112b1に沿って湾曲した雌導体120bの機能部121bまでの距離が均一となるため、機能部121a、121bの信号伝送効率又は給電効率が向上する。
【0058】
なお、上記した雄コネクタ及び雌コネクタは、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載範囲において任意に設計変更することが可能である。以下、詳しく述べる。
【0059】
本発明の雄ボディは、曲面を有する外面と、当該雄ボディの前記曲面より内側部分に設けられた収容空間とを有している限り任意に設計変更することが可能である。例えば、雄ボディの外形が円錐台筒状である場合、雄ボディは、円錐台筒状の曲面である外面と、当該雄ボディの前記曲面より内側部分に設けられた収容空間とを有する構成とすることが可能である。又は、雄ボディの外形が砲弾状である場合、雄ボディは、砲弾状の曲面を有する外面と、当該雄ボディの前記曲面より内側部分に設けられた収容空間とを有する構成とすることが可能である。又は、雄ボディの外形が半円筒状又は半円錐台筒状である場合、雄ボディは、半円筒状又は半円錐台筒状の曲面を有する外面と、当該雄ボディの前記曲面より内側部分に設けられた収容空間とを有する構成とすることが可能である。又は、雄ボディは、相対する円弧状の一対の曲面を有する外面と、当該雄ボディの前記曲面より内側部分に設けられた少なくとも一つの収容空間とを有する構成とすることが可能である。又は、雄ボディは、第1ボディと、この第1ボディに連接されており且つ当該第1ボディよりも外形が小さい第2ボディを有する構成である構成とすることが可能である。この場合、第1ボディ及び第2ボディの外面は、上記した何れかの態様の曲面を少なくとも一つ有する構成とすることが可能である。雄ボディの収容空間は、第1ボディ及び/又は第2ボディの曲面より内側部分に設けられた構成とすることが可能である。
【0060】
本発明の雄ボディの収容空間は、上記した何れかの態様の雄ボディの曲面より内側部分に複数設けられていても良い。外面が複数の曲面を有する場合には、収容空間が各曲面の内側部分に設けられていれば良い。本発明の雄ボディの収容空間は、雄ボディ内の密閉空間に限定されない。
【0061】
本発明の雄ボディの収容空間の壁面は、省略可能である。本発明の雄ボディの収容空間の壁面は、当該雄ボディの前記曲面に沿って湾曲していなくても良い。また、本発明の雄ボディの収容空間の壁面は、絶縁性を有し且つ当該雄ボディの曲面に沿って湾曲した曲面状とすることが可能である。上記の通り外面が半円筒状又は半円錐台筒状の曲面を有する場合、壁面も半円筒状又は半円錐台筒状の曲面とすることができる。上記の通り外面が複数の曲面を有する場合、一つの収容空間内に設けられた複数の壁面を外面の曲面に各々対応して湾曲した曲面状としても良いし、複数の収容空間の壁面を外面の曲面に各々対応して湾曲した曲面状としてもと良い。上記した何れかの態様の雄ボディの収容空間の壁面のみが絶縁処理され、雄ボディが導電性を有する素材で構成することが可能である。
【0062】
本発明の雄導体は、少なくとも一つあれば良い。本発明の雄導体は、上記した何れかの態様の雄ボディの収容空間内に配置されており且つ機能部を有し、この機能部が雄通信アンテナ、雄送電アンテナ及び雄受電アンテナの何れか一つである限り任意に設計変更することが可能である。例えば、機能部は、上述した何れかの態様の収容空間の曲面状の壁面又は曲面状に湾曲した雄絶縁体上に設けられた導電ラインであって、当該壁面又は雄絶縁体に沿って湾曲した構成とすることが可能である。又は、機能部は、上述した何れかの態様の収容空間の曲面状の壁面又は曲面状に湾曲した雄絶縁体上の底部に直線状に延びた導電ラインとすることが可能である。すなわち、本発明の雄導体の機能部は湾曲していなくても良い。また、本発明の雄導体は、収容空間に収容されるコイルや端子であっても良い。
【0063】
本発明の雄絶縁体は省略可能である。本発明の雄絶縁体は、雄導体の数に応じて複数とすることが可能である。本発明の雄絶縁体は、雄導体が複数である場合に一つでも良い。本発明の雄絶縁体は、上記した何れかの態様の雄ボディの収容空間内に配置されており且つ雄ボディの曲面に沿って湾曲している限り任意に設計変更することが可能である。例えば、雄絶縁体は、雄ボディの収容空間内に配置されており且つ雄ボディの曲面に沿って湾曲した絶縁性を有するスペーサ等とすることが可能である。上記した何れかの態様の雄絶縁体は、上記した何れかの態様の雄ボディの収容空間内の壁面上に固着されていても良いし、固着されていなくても良い。
【0064】
本発明の雄回路は省略可能である。本発明の雄回路は雄導体の数に応じて一又は複数とすることが可能である。本発明の雄基板及び/又は雄制御部は省略可能である。本発明の雄基板及び/又は雄制御部は、一又は複数とすることが可能である。省略される場合、雄回路、雄基板及び/又は雄制御部は、雄コネクタ外に設けられると良い。
【0065】
本発明の雌ボディは、接続孔と、曲面を有する接続孔の内壁面と、当該雌ボディ内の接続孔の曲面より外側部分に設けられた収容空間とを有している限り任意に設計変更することが可能である。例えば、雌ボディは、円錐台筒状の接続孔と、接続孔の円錐台筒状の曲面である内壁面と、当該雌ボディ内の接続孔の曲面より外側部分に設けられた収容空間とを有する構成とすることが可能である。又は、雌ボディは、砲弾状の接続孔と、接続孔の砲弾状の曲面を有する内壁面と、当該雌ボディ内の接続孔の曲面より外側部分に設けられた収容空間とを有する構成とすることが可能である。又は、雌ボディは、半円筒状又は半円錐台筒状の接続孔と、接続孔の半円筒状又は半円錐台筒状の曲面を有する内壁面と、当該雌ボディ内の接続孔の曲面より外側部分に設けられた収容空間とを有する構成とすることが可能である。又は、雌ボディは、接続孔と、相対する円弧状の一対の曲面を有する接続孔の内壁面と、当該雌ボディ内の接続孔の曲面より外側部分に設けられた少なくとも一つ収容空間とを有する構成とすることが可能である。又は、雌ボディは、第1ボディ及び第1ボディに連通しており且つ当該第1ボディよりも外形が小さい第2ボディを有する構成とすることが可能である。この場合、第1ボディ及び/又は第2ボディの接続孔の内壁面が、上記した何れかの態様の曲面を少なくとも一つ有する構成とすることが可能である。雌ボディの収容空間は、接続孔の曲面より外側部分に設けられた構成とすることが可能である。
【0066】
本発明の雌ボディの収容空間は、上記した何れかの態様の雌ボディの接続孔の曲面より外側部分に複数設けられていても良い。接続孔の内壁面が複数の曲面を有する場合には、収容空間が各曲面の外側部分に設けられていても良い。本発明の雌ボディの収容空間は、雌ボディ内の密閉空間に限定されない。
【0067】
本発明の雌ボディの収容空間の壁面は省略可能である。本発明の雌ボディの収容空間の壁面は、接続孔の曲面に沿って湾曲していなくても良い。また、本発明の雌ボディの収容空間の壁面は、絶縁性を有し且つ上記した何れかの態様の接続孔の曲面に沿って湾曲した曲面状とすることが可能である。上記の通り接続孔の内壁面が半円筒状又は半円錐台筒状の曲面を有する場合、壁面も半円筒状又は半円錐台筒状の曲面とすることができる。上記の通り接続孔の内壁面が複数の曲面を有する場合、一つの収容空間内に設けられた複数の壁面を接続孔の曲面に各々対応して湾曲した曲面状としても良いし、複数の収容空間の壁面を接続孔の曲面に各々対応して湾曲した曲面状としてもと良い。上記した何れかの態様の雌ボディの収容空間の壁面は、雄ボディの収容空間の壁面に沿って湾曲していても良い。上記した何れかの態様の雌ボディの収容空間の壁面のみが絶縁処理され、雌ボディが導電性を有する素材で構成することが可能である。
【0068】
本発明の雌導体は、少なくとも一つあれば良い。本発明の雌導体は、上記した何れかの態様の雌ボディの収容空間内に配置されており且つ機能部を有し、この機能部が雌通信アンテナ、雌送電アンテナ及び雌受電アンテナの何れか一つである限り任意に設計変更することが可能である。例えば、機能部は、上述した何れかの態様の収容空間の曲面状の壁面又は曲面状に湾曲した雌絶縁体上に設けられた導電ラインであって、当該壁面又は雌絶縁体に沿って湾曲した構成とすることが可能である。又は、機能部は、上述した何れかの態様の収容空間の曲面状の壁面又は曲面状に湾曲した雌絶縁体上の底部に直線状に延びた導電ラインとすることが可能である。すなわち、本発明の雌導体の機能部は湾曲していなくても良い。また、本発明の雌導体は、収容空間に収容されるコイルや端子であっても良い。
【0069】
本発明の雌絶縁体は省略可能である。本発明の雌絶縁体は、雌導体の数に応じて複数とすることが可能である。本発明の雌絶縁体は、雌導体が複数である場合に一つでも良い。本発明の雌絶縁体は、上記した何れかの態様のボディの収容空間内に配置されており且つ上記した何れかの態様の接続孔の曲面に沿って湾曲している限り任意に設計変更することが可能である。例えば、雌絶縁体は、雌ボディの収容空間内に配置されており且つ上記した何れかの態様の接続孔の曲面に沿って湾曲した絶縁性を有するスペーサ等とすることが可能である。上記した何れかの態様の雌絶縁体は、上記した何れかの態様の雌ボディの収容空間内の壁面上に固着されていても良いし、固着されていなくても良い。
【0070】
本発明の雌回路は省略可能である。本発明の雌回路は雌導体の数に応じて一又は複数とすることが可能である。本発明の雌基板及び/又は雌制御部は省略可能である。本発明の雌基板及び/又は雌制御部は、一又は複数とすることが可能である。省略される場合、雌回路、雌基板及び/又は雌制御部は、雌コネクタ外に設けられると良い。
【0071】
本発明の雄コネクタは、雄シールドケースを更に備えた構成とすることが可能である。この場合、上記した何れかの態様の雄ボディが雄シールドケース内の収容される構成とすると良い。本発明の雌コネクタの接続孔は、雄シールドケースの外形に応じた形状としても良い。本発明の雌コネクタは、雌シールドケースを更に備えた構成とすることが可能である。この場合、上記した何れかの態様の雌ボディが雌シールドケース内の収容される構成とすると良い。
【0072】
なお、上記実施例における雄コネクタ及び雌コネクタの各構成要素を構成する素材、形状、寸法、数及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能である。上記した実施例及び設計変更例は、互いに矛盾しない限り、相互に組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0073】
100a・・・・雄コネクタ
110a・・・雄ボディ
111a・・外面
111a1・曲面
112a・・収容空間
113a・・壁面
120a・・・雄導体
121a・・機能部
122a・・接続部
130a・・・雄回路
140a・・・雄基板
150a・・・雄制御部
160a・・・ケーブル
100b・・・・雌コネクタ
110b・・・雌ボディ
111b・・接続孔
112b・・内壁面
112b1・曲面
113b・・収容空間
114b・・壁面
120b・・・雌導体
121b・・機能部
122b・・接続部
130b・・・雌回路
140b・・・雌基板
150b・・・雌制御部
100a’・・・雄コネクタ
170a・・・雄絶縁体
100b’・・・雌コネクタ
160b・・・雄絶縁体
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6