特許第6247612号(P6247612)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6247612
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】データ復元装置及びデータ復元方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 12/00 20060101AFI20171204BHJP
【FI】
   G06F12/00 531R
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-164191(P2014-164191)
(22)【出願日】2014年8月12日
(65)【公開番号】特開2016-40656(P2016-40656A)
(43)【公開日】2016年3月24日
【審査請求日】2017年2月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【弁理士】
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【弁理士】
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】王 智勇
(72)【発明者】
【氏名】一岡 渉
(72)【発明者】
【氏名】山田 直治
【審査官】 桜井 茂行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−15663(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0181012(US,A1)
【文献】 特表2014−519121(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/166442(WO,A1)
【文献】 特表2009−528622(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/100688(WO,A2)
【文献】 国際公開第2014/099044(WO,A1)
【文献】 特表2016−505964(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0080765(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 12/00
G06F 17/30
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックアップされたデータを自装置で復元するデータ復元装置であって、
前記バックアップされたデータと、互いに異なる装置間で当該バックアップされたデータを同期する際に必要な同期アカウント情報とを取得するデータアカウント取得手段と、
自装置が他装置との間でデータを同期する際に利用可能な同期アカウント情報を取得する端末アカウント取得手段と、
前記データアカウント取得手段により取得された同期アカウント情報と、前記端末アカウント取得手段により取得された同期アカウント情報とに基づき、前記バックアップされたデータを自装置で復元するかどうかを決定する復元可否決定手段と、
前記復元可否決定手段により決定された結果に従って、前記バックアップされたデータを自装置で復元する復元手段と、
を備えるデータ復元装置。
【請求項2】
前記同期アカウント情報は、データを同期する際に利用する同期サービスを示す情報および同期アカウントを示す情報を含む請求項1に記載のデータ復元装置。
【請求項3】
前記復元可否決定手段は、予め自装置に記憶されたデータと前記バックアップされたデータとの差分データを検出し、前記データアカウント取得手段により取得された同期アカウント情報と、前記端末アカウント取得手段により取得された同期アカウント情報とに基づき、前記差分データを自装置で復元するかどうかを決定する請求項1又は2に記載のデータ復元装置。
【請求項4】
バックアップされたデータを自装置で復元するデータ復元装置の動作方法であるデータ復元方法であって、
前記バックアップされたデータと、互いに異なる装置間で当該バックアップされたデータを同期する際に必要な同期アカウント情報とを取得するデータアカウント取得ステップと、
自装置が他装置との間でデータを同期する際に利用可能な同期アカウント情報を取得する端末アカウント取得ステップと、
前記データアカウント取得ステップにおいて取得された同期アカウント情報と、前記端末アカウント取得ステップにおいて取得された同期アカウント情報とに基づき、前記バックアップされたデータを自装置で復元するかどうかを決定する復元可否決定ステップと、
前記復元可否決定ステップにおいて決定された結果に従って、前記バックアップされたデータを自装置で復元する復元ステップと、
を含むデータ復元方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックアップされたデータを復元するデータ復元装置及びデータ復元方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話端末の機種変更の際、機種変更後の携帯通信端末において、機種変更前の携帯通信端末におけるデータの所在場所を示すパスと同一のパスで示される場所に、データを復元する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−232025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、携帯通信端末とクラウドとを連携し、クラウド上に保管されたデータ(例えば、コミュニケーションをとる相手の連絡先情報を保存、整理するためのサービスに保管されたデータ)を互いに異なる携帯通信端末間で同期して利用することが行われている。このようなクラウド上に保管されたデータと同一のデータを上記従来技術によって機種変更後の携帯通信端末で復元した場合、当該データがクラウドを経由して復元とは別に携帯通信端末間で同期されることにより、機種変更後の携帯通信端末において同一のデータの二重化が発生する可能性がある。
【0005】
さらに、上記従来技術によって機種変更後の携帯通信端末で復元されたデータは、自端末と連携するクラウド上にアップロードされ、当該データと同一のデータがクラウド上に保管されている場合には、クラウド上で同一のデータの二重化が発生する可能性もある。このようにクラウド上で同一のデータの二重化が発生すると、同一のクラウドと連携する他の携帯通信端末上のデータを混乱させてしまう可能性がある。
【0006】
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものであり、復元後におけるデータの二重化を防止することができるデータ復元装置及びデータ復元方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るデータ復元装置は、バックアップされたデータを自装置で復元するデータ復元装置であって、バックアップされたデータと、互いに異なる装置間で当該バックアップされたデータを同期する際に必要な同期アカウント情報とを取得するデータアカウント取得手段と、自装置が他装置との間でデータを同期する際に利用可能な同期アカウント情報を取得する端末アカウント取得手段と、データアカウント取得手段により取得された同期アカウント情報と、端末アカウント取得手段により取得された同期アカウント情報とに基づき、バックアップされたデータを自装置で復元するかどうかを決定する復元可否決定手段と、復元可否決定手段により決定された結果に従って、バックアップされたデータを自装置で復元する復元手段と、を備える。
【0008】
本発明に係るデータ復元装置では、互いに異なる装置間でバックアップされたデータを同期する際に必要な同期アカウント情報と、自装置が他装置との間でデータを同期する際に利用可能な同期アカウント情報とに基づき、バックアップされたデータを自装置で復元するかどうかが決定される。よって、各同期アカウント情報に基づき、例えば自装置が他装置との間でバックアップされたデータを同期中であるかどうかを判断し、その判断結果に応じて、非同期の場合には同期によるデータの二重化が発生する可能性がないのでバックアップされたデータを自装置で復元するとともに、同期中の場合には同期によるデータの二重化が発生する可能性があるのでバックアップされたデータを自装置で復元しないようにすることができる。これにより、復元後におけるデータの二重化を防止することができる。
【0009】
データ復元装置において、同期アカウント情報は、データを同期する際に利用する同期サービスを示す情報および同期アカウントを示す情報を含んでもよい。この構成によれば、同期サービスおよび同期アカウントに基づき、例えば自装置が他装置との間でバックアップされたデータを同期中であるかどうかを適切に判断できるので、その判断結果に応じて、バックアップされたデータを自装置で復元するかどうかを適切に決定することが可能となる。
【0010】
データ復元装置において、復元可否決定手段は、予め自装置に記憶されたデータとバックアップされたデータとの差分データを検出し、データアカウント取得手段により取得された同期アカウント情報と、端末アカウント取得手段により取得された同期アカウント情報とに基づき、差分データを自装置で復元するかどうかを決定してもよい。この構成によれば、各同期アカウント情報に基づき、例えばバックアップされたデータが自装置と他装置との間で非同期であり同期によるデータの二重化が発生する可能性がないと判断される場合に、予め自装置に記憶されたデータとバックアップされたデータとの差分データのみを自装置で復元することができる。これにより、データの復元をより適切に行うことができる。
【0011】
ところで、本発明は、上記のようにデータ復元装置の発明として記述できる他に、以下のようにデータ復元方法の発明としても記述することができる。これはカテゴリが異なるだけで、実質的に同一の発明であり、同様の作用及び効果を奏する。
【0012】
即ち、本発明に係るデータ復元方法は、バックアップされたデータを自装置で復元するデータ復元装置の動作方法であるデータ復元方法であって、バックアップされたデータと、互いに異なる装置間で当該バックアップされたデータを同期する際に必要な同期アカウント情報とを取得するデータアカウント取得ステップと、自装置が他装置との間でデータを同期する際に利用可能な同期アカウント情報を取得する端末アカウント取得ステップと、データアカウント取得ステップにおいて取得された同期アカウント情報と、端末アカウント取得ステップにおいて取得された同期アカウント情報とに基づき、バックアップされたデータを自装置で復元するかどうかを決定する復元可否決定ステップと、復元可否決定ステップにおいて決定された結果に従って、バックアップされたデータを自装置で復元する復元ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、復元後におけるデータの二重化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係るデータ復元装置である通信端末の構成を示す図である。
図2】バックアップ関連情報が格納されたデータベースを示す図である。
図3図1に示す復元可否決定部が用いるルール判定テーブルである。
図4】本発明の実施形態に係るデータ復元装置である通信端末のハードウェア構成を示す図である。
図5図1に示すデータ復元装置である通信端末の動作を示すフローチャートである。
図6】ユーザに復元要否を確認するユーザインタフェースのイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明に係るデータ復元装置及びデータ復元方法の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0016】
図1に本実施形態に係るデータ復元装置である通信端末1を示す。通信端末1は、例えば機種変更を行う際、通信端末2のバックアップされたデータを通信端末2から移行して、自端末(自装置)で当該バックアップされたデータの復元を行う装置である。以下、データの移行元である通信端末2を移行元通信端末2、データの移行先である通信端末1を移行先通信端末1ともいう。
【0017】
移行元通信端末2及び移行先通信端末1は、例えばユーザに所有されると共に通信(例えば、移動体通信)を行うことができる装置であり、具体的には、スマートフォンを含む携帯電話機等に相当する。移行元通信端末2と移行先通信端末1とは互いにデータの送受信を行うことができる。例えば、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等による有線接続による通信、及び無線LAN(Local Area Network)(例えば、Wi−Fi)等による無線接続による通信の少なくとも何れかによってデータの送受信が行われる。
【0018】
ここで、復元対象となるデータを記憶する移行元通信端末2について説明する。移行元通信端末2は、ストレージシステムを備えており、当該ストレージシステムによってデータを記憶(保持、保存、格納)する。当該ストレージシステムは、具体的には、移行元通信端末2に内蔵されたストレージ及び移行元通信端末2に装着される外付けのメモリーカード(例えば、SDカード(SD Memory Card))である。ストレージシステムに記憶されるデータは、例えば、移行元通信端末2のユーザによって生成された連絡先情報、カレンダー情報等である。
【0019】
移行先通信端末1による復元対象となるバックアップされるデータ(以下、バックアップデータともいう)は、予め設定されている。この設定は、データ毎に行われてもよく、あるいは、データの種別毎に行われてもよい。データの種別は、上記の連絡先情報、カレンダー情報等の種別である。また、移行元通信端末2は、移行先通信端末1による復元対象とならないデータを記憶していてもよい。
【0020】
移行元通信端末2は、移行先通信端末1による復元対象となるバックアップデータを、ストレージシステムから取得する。この取得は、例えば、移行元通信端末2において動作するOS(Operating system)のAPI(API(Application ProgrammingInterface)(例えば、Android(登録商標) OSに提供されているメディアストーアAPI)を用いて行われる。移行元通信端末2は、取得したバックアップデータを移行先通信端末1に送信する。
【0021】
移行元通信端末2は、データをバックアップする際、バックアップデータに関連する情報であるバックアップ関連情報が格納された図2に示すデータベースを作成する。データベースは、例えば、移行元通信端末2に装着される外付けのメモリーカード(例えば、SDカード)及び外部クラウドサービスに置かれる。
【0022】
図2はバックアップ関連情報が格納されたデータベースを示す図である。図2に示すデータベースには、バックアップデータ毎の情報が格納され、具体的には、バックアップ日付、種別、同期タイプ、同期アカウント、その他のバックアップ情報が格納されている。バックアップ日付は、データがバックアップされた日付の情報である。種別は、データの種別であり、上記の連絡先情報、カレンダー情報等の種別である。図2に示す同期タイプは、データを同期するかどうか、及び、データを同期する際に利用する外部クラウドサービス(同期サービス)を示す情報である。例えば、同期タイプが「本体」である場合には、データを同期しないことを示す。また、同期タイプが「AAAコンタクト」である場合には、データの同期に「AAAコンタクト」という外部クラウドサービスを利用することを示す。
【0023】
同期アカウントは、外部クライドサービスを利用してデータを同期する際に必要なアカウントである。例えば、同期アカウントが「aaa@mail.com」である場合には、外部クラウドサービスを利用してデータを同期する際に「aaa@mail.com」というアカウントを用いることを示す。その他のバックアップ情報は、バックアップデータ本体の内容を示す情報であり、例えば名前、振り仮名、電話番号等の連作先情報や、開始日時、イベント名、イベント場所等のカレンダー情報といった、外部クラウドサービスの利用の可否とは関係ない個人情報である。移行元通信端末2は、バックアップデータを移行先通信端末1に送信する際、バックアップデータに対応付けられたバックアップ関連情報も共に送信する。以上が、復元対象となるバックアップデータを記憶する移行元通信端末2である。
【0024】
続いて、移行先通信端末1の機能を説明する。図1に示すように、移行先通信端末1は、データアカウント取得部3と、端末アカウント取得部5と、復元可否決定部7と、データ復元部9とを備えて構成される。なお、移行先通信端末1は、通常、上記以外にも従来の通信端末が備える機能も備えている。
【0025】
データアカウント取得部3は、バックアップデータと、移行元通信端末2が、異なる通信端末(装置)との間でバックアップデータを同期する際に必要な同期アカウント情報とを取得するデータアカウント取得手段である。データアカウント取得部3は、例えば以下のように、バックアップデータと、バックアップデータを同期する際に必要な同期アカウント情報とを取得する。
【0026】
データアカウント取得部3は、移行先通信端末1と移行元通信端末2との間で通信接続が確立されると、移行元通信端末2から送信されたバックアップデータ及びバックアップ関連情報を受信することにより、復元対象となるバックアップデータ及びバックアップ関連情報を取得する。なお、バックアップデータ及びバックアップ関連情報の受信は、移行先通信端末1からの要求によって行われるようにしてもよい。
【0027】
データアカウント取得部3は、バックアップデータ及びバックアップ関連情報を復元可否決定部7に出力する。バックアップ関連情報には、移行元通信端末2から送信されたバックアップデータに対応付けられた同期アカウント情報が含まれている。同期アカウント情報には、同期タイプ及び同期アカウントが含まれる。
【0028】
端末アカウント取得部5は、移行先通信端末1が他端末(他装置)との間でデータを同期する際に利用可能な同期アカウント情報を取得する端末アカウント取得手段である。ここで、移行先通信端末1が他端末との間でデータを同期する際に利用可能な同期アカウント情報とは、移行先通信端末1に登録された同期アカウント情報であって、他端末との間でデータを同期中と設定された同期アカウント情報である。同期アカウント情報には、上記同様、同期タイプ及び同期アカウントが含まれる。
【0029】
具体的に、端末アカウント取得部5は、移行先通信端末1に登録された同期アカウント情報を取得する。また、端末アカウント取得部5は、取得した同期アカウント情報に設定された同期状態情報を取得する。同期状態情報とは、他端末との間でデータを同期中か、非同期かを示す情報である。端末アカウント取得部5は、移行先通信端末1に登録された同期アカウント情報と、同期アカウント情報に設定された同期状態情報とを復元可否決定部7に出力する。
【0030】
復元可否決定部7は、データアカウント取得部3により取得された、移行元通信端末2が異なる通信端末との間でバックアップデータを同期する際に必要な同期アカウント情報と、端末アカウント取得部5により取得された、移行先通信端末1が他端末との間でデータを同期する際に利用可能な同期アカウント情報とに基づき、バックアップデータを移行先通信端末1で復元するかどうかを決定する復元可否決定手段である。復元可否決定部7は、決定結果を、データ復元部11に出力する。
【0031】
復元可否決定部7は、予め記憶された図3に示す判定テーブルを参照して、移行先通信端末1でバックアップデータを復元するかどうかを決定する。図3に示す判定ルール格納テーブルには、判定ルールの番号、種別、同期タイプ、復元内容が格納されている。種別は、移行元通信端末2で記憶されていたバックアップデータの種別であり、図2に示すデータベースにおける種別に対応する。同期タイプは、移行元通信端末2がバックアップデータの同期に利用する外部クラウドサービスを示す情報であり、図2に示すデータベースにおける同期タイプに対応する。復元内容とは、バックアップデータの復元の可否、及び、バックアップデータの復元場所を決定するため、復元可否決定部7が確認する内容である。復元内容としては、「同期アカウントが未登録時の復元内容」の列、「同期アカウントが登録され、同期中と設定された時の復元内容」の列、「同期アカウントが登録され、非同期と設定された時の復元内容」の列がある。
【0032】
復元可否決定部7は、以下のようにして、バックアップデータの復元可否を決定する。まず、復元可否決定部7は、データアカウント取得部3から出力されたバックアップ関連情報を参照して、バックアップデータに対応付けられた同期アカウント情報を抽出する。そして、抽出された同期アカウント情報に基づき、バックアップデータに対応付けられた同期アカウントが存在するかどうかに応じて、バックアップデータの復元可否を決定する。
【0033】
例えば、図2に示すデータベースの一行目に対応するように、抽出された同期アカウント情報の同期タイプが「本体」である場合、バックアップデータに対応付けられた同期アカウントが存在しないことを示す。このように、バックアップデータに対応付けられた同期アカウントが存在しない場合、復元可否決定部7は、バックアップデータの復元可否を、図3の判定格納テーブルにおけるルール番号「001」に対応する復元内容として決定する。すなわち、復元可否決定部7は、移行先通信端末1における同期アカウント情報によらず、バックアップデータを移行先通信端末1の本体に復元することを決定する。
【0034】
一方、例えば図2に示すデータベースの二行目に対応するように、バックアップデータに対応付けられた同期アカウントが存在する場合、復元可否決定部7は、端末アカウント取得部5から出力された同期アカウント情報に基づいて、バックアップデータの復元可否を決定する。
【0035】
具体的に、まず、復元可否決定部7は、データアカウント取得部3から出力されたバックアップ関連情報に含まれるバックアップデータに対応付けられた同期アカウントと、端末アカウント取得部5から出力された移行先通信端末1に登録された同期アカウントとを比較し、バックアップデータに対応付けられた同期アカウントと、予め移行先通信端末1に登録された同期アカウントとが同じかどうかを判定する。すなわち、バックアップデータの同期に必要な同期アカウントが移行先通信端末1に登録されているかを判定する。
【0036】
バックアップデータの同期に必要な同期アカウントが移行先通信端末1に登録されていないと判定した場合、復元可否決定部7は、図3の判定格納テーブルにおける「同期アカウントが未登録時の復元内容」の列に定義した復元内容に従って、バックアップデータの復元可否を決定する。このとき、ルール番号「002」〜「004」のいずれに対応する復元内容に従うかは、データアカウント取得部3から出力されたバックアップ関連情報に含まれるバックアップデータの種別に対応する。
【0037】
例えば、バックアップ関連情報に含まれるバックアップデータの種別が「連絡先」である場合には、図3の判定格納テーブルにおける「同期アカウントが未登録時の復元内容」の列に定義した復元内容のうちルール番号「002」に対応する復元内容に従う。また、バックアップ関連情報に含まれるバックアップデータの種別が「カレンダー」である場合には、図3の判定格納テーブルにおける「同期アカウントが未登録時の復元内容」の列に定義した復元内容のうちルール番号「003」に対応する復元内容に従う。また、バックアップ関連情報に含まれるバックアップデータの種別が「グループ」である場合には、図3の判定格納テーブルにおける「同期アカウントが未登録時の復元内容」の列に定義した復元内容のうちルール番号「004」に対応する復元内容に従う。
【0038】
このように、図3の判定格納テーブルに基づき、復元可否決定部7は、バックアップデータの同期に必要な同期アカウントが移行先通信端末1に登録されていないと判定した場合には、バックアップデータを本体に復元することを決定する。
【0039】
なお、復元可否決定部7は、データアカウント取得部3から出力されたバックアップデータの種別が「カレンダー」である場合、機種の仕様によってはカレンダーを本体に復元できない場合がある。例えば、機種の仕様によって、端末本体にカレンダーのデータベースが用意されておらず、本体に復元することができない場合(NGの場合)がある。このように本体に復元することができない場合、復元可否決定部7は、バックアップデータを本体に復元せず、例えば移行先通信端末1に予め設定されたデフォルトのアカウント(バックアップデータに対応付けられた同期アカウントとは別のアカウント)で利用できる外部クラウドサービスと連携するカレンダーに復元することを決定してもよい。
【0040】
一方、バックアップデータの同期に必要な同期アカウントが移行先通信端末1に登録されていると判定した場合、復元可否決定部7は、この同期アカウント情報に設定された同期状態情報に基づいて、バックアップデータの復元可否を決定する。すなわち、復元可否決定部7は、移行先通信端末1がバックアップデータの同期に必要な同期アカウントによって他端末との間でデータを同期中か非同期かの情報に基づいて、バックアップデータの復元可否を決定する。
【0041】
移行先通信端末1がバックアップデータの同期に必要な同期アカウントによって他端末との間でデータを同期中の場合、復元可否決定部7は、以下のように、バックアップデータを復元しないことを決定する。復元可否決定部7は、図3の判定格納テーブルにおける「同期アカウントが登録され、同期中と設定された時の復元内容」の列に定義した復元内容に従って、バックアップデータの復元可否を決定する。このとき、ルール番号「002」〜「004」のいずれに対応する復元内容に従うかは、上記同様、データアカウント取得部3から出力されたバックアップ関連情報に含まれるバックアップデータの種別に対応する。
【0042】
例えば、バックアップ関連情報に含まれるバックアップデータの種別が「連絡先」である場合、図3の判定格納テーブルにおける「同期アカウントが登録され、同期中と設定された時の復元内容」の列に定義した復元内容のうちルール番号「002」に対応する復元内容に従う。また、バックアップ関連情報に含まれるバックアップデータの種別が「カレンダー」である場合、図3の判定格納テーブルにおける「同期アカウントが登録され、同期中と設定された時の復元内容」の列に定義した復元内容のうちルール番号「003」に対応する復元内容に従う。また、バックアップ関連情報に含まれるバックアップデータの種別が「グループ」である場合、図3の判定格納テーブルにおける「同期アカウントが登録され、同期中と設定された時の復元内容」の列に定義した復元内容のうちルール番号「004」に対応する復元内容に従う。
【0043】
このように、図3の判定格納テーブルに基づき、復元可否決定部7は、移行先通信端末1がバックアップデータの同期に必要な同期アカウントによって他端末との間でデータを同期中であると判定した場合には、バックアップデータを本体に復元しないことを決定する。
【0044】
移行先通信端末1がバックアップデータの同期に必要な同期アカウントによって他端末との間でデータを非同期の場合、復元可否決定部7は、以下のように、ユーザの確認又は登録状況の確認を行った後、必要に応じてバックアップデータを復元することを決定する。ユーザの確認とは、ユーザに移行先通信端末1が備えるユーザインタフェースを通してデータを復元するかどうかを確認することである(図6参照)。登録状況の確認とは、移行先通信端末1におけるデータの登録状況を確認することである。
【0045】
復元可否決定部7は、図3の判定格納テーブルにおける「同期アカウントが登録され、非同期と設定された時の復元内容」列に定義した内容に従って、バックアップデータの復元可否を決定する。このとき、ルール番号「002」〜「004」のいずれに対応する復元内容に従うかは、上記同様、バックアップ関連情報に含まれるバックアップデータの種別に対応する。
【0046】
例えば、復元可否決定部7は、バックアップ関連情報に含まれるバックアップデータの種別が「連絡先」である場合、図3の判定格納テーブルにおける「同期アカウントが登録され、非同期と設定された時の復元内容」の列に定義した復元内容のうちルール番号「002」に対応する復元内容に従う。すなわち、復元可否決定部7は、ユーザインタフェース等を通してユーザに復元可否の確認を行い、ユーザが復元に同意したかどうかに応じて復元可否を決定する。具体的に、復元可否決定部7は、確認に対し復元に同意することを示すユーザの操作を検出した場合には復元を行い、確認に対し復元に同意しないことを示すユーザの操作を検出した場合には復元を行わないことを決定する。
【0047】
復元を行う場所は、移行先通信端末1の本体の電話帳であってもよく、バックアップデータに対応付けられた同期アカウントで利用する外部クラウドサービスと連携する自端末に備えられた電話帳であってもよい。なお、外部クラウドサービスと連携する電話帳にバックアップデータが復元された場合であっても、バックアップデータに対応付けられた同期アカウント情報の同期状態情報は非同期なので、当該バックアップデータが外部クラウドサービスにアップロードされることはない。
【0048】
図6に、ユーザに復元要否を確認するユーザインタフェースのイメージ図を示す。図6に示すように、ユーザインタフェースは例えばタッチパネルである。例えば、復元可否決定部7は、タッチパネル上の「復元をしない(同期をする場合はこちら)」がユーザによりタッチされたことを検出すると、ユーザが復元に同意していないものとして、復元することなく同期を行うことを決定する。このとき、復元可否決定部7は、同期アカウント情報の同期状態情報を非同期から同期中に設定し直す。なお、ユーザが同期を行わないことを望む場合等には、復元可否決定部7は、同期アカウント情報の同期状態情報を非同期のままにしておいてもよい。
【0049】
また、復元可否決定部7は、タッチパネル上の「復元をする(同期をしない場合はこちら)」がユーザによりタッチされたことを検出すると、ユーザが復元に同意したものとして、同期することなく復元を行うことを決定する。このとき、復元可否決定部7は、同期アカウント情報の同期状態情報を非同期のままにしておく。
【0050】
また、復元可否決定部7は、バックアップ関連情報に含まれるバックアップデータの種別が「連絡先」である場合、図3の判定格納テーブルにおける「同期アカウントが登録され、非同期と設定された時の復元内容」の列に定義した復元内容のうちルール番号「002’」に対応する復元内容に従ってもよい。すなわち、復元可否決定部7は、登録状況の確認を行い、その結果に応じて復元可否を決定してもよい。具体的に、復元可否決定部7は、バックアップデータのうち、移行先通信端末1に登録済みのデータは復元せず、移行先通信端末1に未登録のデータを復元することを決定してもよい。移行先通信端末1に未登録のデータ(差分データ)は、バックアップデータと予め移行先通信端末1に記憶されているデータとを比較し、その差分の検出により取得できる。なお、登録状況の確認及び復元を行う場所は、上記同様、移行先通信端末1の本体の電話帳であってもよく、バックアップデータに対応付けられた同期アカウントで利用する外部クラウドサービスと連携する電話帳であってもよい。
【0051】
また、復元可否決定部7は、バックアップ関連情報に含まれるバックアップデータの種別が「カレンダー」である場合、図3の判定格納テーブルにおける「同期アカウントが登録され、非同期と設定された時の復元内容」の列に定義した復元内容のうちルール番号「003」に対応する復元内容に従う。すなわち、判定ルール番号「002」と同様、ユーザインタフェース等を通してユーザに復元可否の確認を行い、ユーザが復元に同意したかどうかに応じて復元可否を決定する。
【0052】
また、復元可否決定部7は、バックアップ関連情報に含まれるバックアップデータの種別が「グループ」である場合、図3の判定格納テーブルにおける「同期アカウントが登録され、非同期と設定された時の復元内容」の列に定義した復元内容のうちルール番号「004」に対応する復元内容に従う。すなわち、判定ルール番号「002」と同様、ユーザインタフェース等を通してユーザに復元可否の確認を行い、ユーザが復元に同意したかどうかに応じて復元可否を決定する。
【0053】
なお、この場合、例えばA及びBという二人の連絡先が含まれた「同僚」というグループを復元する際には、後述するデータ復元部9は、まず「同僚」グループの復元を行う。データ復元部9は、移行先通信端末1においてA及びBの連絡先が登録済みであるかどうかを判定し、連絡先が登録済みの場合にはA及びBの連絡先を「同僚」グループに入れることで復元を行う。連絡先が登録されていない場合には、「同僚」グループの復元だけを行う。
【0054】
また、復元可否決定部7は、バックアップ関連情報に含まれるバックアップデータの種別が「カレンダー」や「グループ」である場合にも、判定ルール番号「002’」と同様、ユーザに確認せずに、登録状況の確認を行い、その結果に応じて復元可否を決定してもよい。このとき、データアカウント取得部3から出力されたバックアップデータの種別が「グループ」の場合には、例えば、グループ、メンバーの連絡先、及びメンバーがグループの中に入っていることを示す情報(リンク情報)の登録状況を確認し、登録されていない情報を検出したらその情報を復元することを決定してもよい。
【0055】
データ復元部9は、復元可否決定部7による決定結果に従って、バックアップデータを移行先通信端末1で復元するデータ復元手段である。データ復元部9は、バックアップデータを移行先通信端末1に復元することが決定された場合には、バックアップデータを移行先通信端末1に復元する。また、データ復元部9は、バックアップデータを復元しないことが決定された場合には、復元を行わない。また、データ復元部11は、ユーザの確認又は登録状況の確認を行った後、必要に応じてバックアップデータを復元することが決定された場合には、ユーザの確認又は登録状況の確認を行った後、必要に応じてバックアップデータを復元する。
【0056】
図4に本実施形態に係る移行先通信端末1のハードウェア構成を示す。図4に示すように、移行先通信端末1は、物理的には、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(RandomAccessMemory)102、ROM(Read Only Memory)103、操作モジュール104、無線通信モジュール105、アンテナ106、ディスプレイ107、及び抜き差し可能なSDカード108等を含んでいる。上述した移行先通信端末1の各機能は、CPU101、RAM102等のハードウェア上に所定のソフトウェアを読み込ませることにより、CPU101の制御にもとで、操作モジュール104、無線通信モジュール105、アンテナ106、ディスプレイ107、及びSDカード108等を動作させるとともに、RAM102におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。以上が、本実施形態に係る移行先通信端末1の構成である。
【0057】
引き続いて、図5のフローチャートを用いて、本実施形態に係る移行先通信端末1の動作方法(移行先通信端末1で実行される処理)であるデータ復元方法を、処理毎に説明する。
【0058】
この場合、本処理の前提として、バックアップデータの送信のため、移行元通信端末2と移行先通信端末1との間で接続が確立されると、移行先通信端末1のデータアカウント取得部3によって、移行元通信端末2から復元対象となるバックアップデータと、バックアップデータに対応付けられた同期アカウント情報を含むバックアップ関連情報とが取得される(S01、データアカウント取得ステップ)。続いて、端末アカウント取得部5によって、移行元通信端末2に予め登録された他端末との同期に用いられる同期アカウント情報が取得される(S02、端末アカウント取得ステップ)。
【0059】
続いて、復元可否決定部7により、バックアップデータに対応付けられた同期アカウントが存在しているかどうかが検出される(S03、復元可否決定ステップ)。バックアップデータに対応付けられた同期アカウントが存在していない場合(S03のNO)、復元可否決定部7により、バックアップデータを本体に復元することが決定される(S06、復元可否決定ステップ)。そして、この決定結果に従い、データ復元部9により、バックアップデータが本体に復元されて(S09、データ復元ステップ)処理が終了する。バックアップデータに対応付けられた同期アカウントが存在している場合(S03のYES)、復元可否決定部7により、バックアップデータに対応付けられた同期アカウントが移行先通信端末1に登録されているかどうかが判定される(S04、復元可否決定ステップ)。
【0060】
バックアップデータに対応付けられた同期アカウントが移行先通信端末1に登録されていない場合(S04のNO)、復元可否決定部7により、バックアップデータを本体に復元することが決定される(S06、復元可否決定ステップ)。そして、この決定結果に従い、データ復元部9により、バックアップデータが本体に復元されて(S09、データ復元ステップ)処理が終了する。バックアップデータに対応付けられた同期アカウントが移行先通信端末1に登録されている場合(S04のYES)、復元可否決定部7により、当該登録された同期アカウントの同期状態が同期中か非同期かが検出される(S05、復元可否決定ステップ)。同期アカウントが同期中の場合、復元可否決定部7により、バックアップデータを復元しないことが決定される(S07、復元可否決定ステップ)。そして、データ復元部9により、バックアップデータが復元対象から削除され、バックアップデータが復元されずに処理が終了する。
【0061】
同期アカウントが非同期の場合、復元可否決定部7により、例えば図6に示すユーザインタフェースによってバックアップデータを復元するかどうかがユーザに確認され、その確認結果に応じて復元可否が決定される(S08、復元可否決定ステップ)。そして、データ復元部9により、その決定結果に従いバックアップデータが復元される(S09、データ復元ステップ)。具体的には、復元に同意することを示すユーザの操作が検出されると、データが復元されて処理が終了する。また、復元に同意しないことを示すユーザの操作が検出されると、データが復元されずに処理が終了する。以上が、バックアップデータを移行先通信端末1で復元する際の処理である。
【0062】
上述したように、本実施形態では、移行元通信端末2におけるバックアップデータを同期する際に必要な同期アカウント情報と、移行先通信端末1における他端末との間でデータを同期する際に利用可能な同期アカウント情報とに基づき、移行先通信端末1が他端末との間でバックアップデータを非同期の場合には同期によるデータの二重化が発生する可能性がないのでバックアップデータを移行先通信端末1で復元するとともに、同期中の場合には同期によるデータの二重化が発生する可能性があるのでバックアップデータを移行先通信端末1で復元しないようにすることができる。これにより、復元後におけるデータの二重化を防止することができる。
【0063】
また、同期アカウント情報は、データを同期する際に利用する外部クラウドサービスを示す情報および同期アカウントを示す情報を含んでいるので、これらの情報に基づき、例えば移行先通信端末1が他端末との間でバックアップデータを同期中であるかどうかを適切に判断できるので、その判断結果に応じて、バックアップデータを移行先通信端末1で復元するかどうかを適切に決定することが可能となる。
【0064】
また、本実施形態によれば、予め移行先通信端末1に記憶されたデータとバックアップデータとの差分データのみを移行先通信端末で復元することができる。これにより、データの復元をより適切に行うことができる。
【0065】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0066】
1…移行先通信端末(データ復元装置)、3…データアカウント取得部、5…端末アカウント取得部、7…復元可否決定部、9…データ復元部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6