(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
病院、或いは診療所等の医療施設の大部分は、外来患者に対応している。診察を希望して医療施設を訪れた人(外来患者)は、受け付けを行い、自分が診察を受ける番になるまで待って、診察を受けるようになっている。
【0003】
医療施設には、1つの診療科に1つ以上の診察室が設けられている。医療施設には、通常、診察室での診察を待つ外来患者用に待合室が設けられている。複数の診療科を有する医療施設では、待合室が複数、設けられていることも多い。多くの外来患者が受診を希望する医療施設では、診察を受ける番が近い外来患者用、診察を受ける番が近くない外来患者用の2種類の待合室を設けることも多い。以降、診察を受ける番が近い外来患者用の待合室は「中待合室」、診察を受ける番が近くない外来患者用の待合室は「外待合室」と表記する。
【0004】
待合室には、診察をよりスムーズに行えるように、外来患者への必要な情報伝達のための表示盤が設置されているのが普通である。医療施設は、その表示盤に、診察を受ける番が近い外来患者を表す情報を表示するようになっている。それにより、各外来患者は、自身が診察を受けるまでに居る外来患者数(待ち人数)を確認することができる。外来患者を表す情報としては、受け付け時に割り当てられる番号(受付番号)を用いるのが普通である。
【0005】
診察をスムーズに行うためには、外来患者は自分が診察を受ける番になるまでに待合室に移動している必要がある。しかし、外来患者は、自分が診察を受ける番が近づいたことに気付かなかった(ここでは、診察を受ける番を確認しなかった、及び診察を受ける番が近づいたことを忘れていた、等を含む)、また何らかの事情により、待合室から移動した、等の理由から、居るべき待合室に居ないことがある。
【0006】
診察を受ける番になった外来患者が診察室に入室しない場合、医療施設側は、その外来患者が待合室に居るか否かを確認しなければならない。その確認には、或る程度の時間が必要であり、時間を浪費することになる。このことから、医療施設のなかには、外来患者が待合室内に居るか否かを自動的に確認し、待合室内に居ない、或いは待合室から出ていった外来患者の順番を、その待合室に居る全ての外来患者の後に変更するシステムを構築している医療施設がある。この医療施設では、待合室に居ることを条件に、外来患者の診察を行うことから、診察をより確実にスムーズに行うことができる。
【0007】
待合室は、診察室毎に、複数の外来患者の入室を想定して設けられている。そのため待合室への入室を求められる外来患者数は、待ち人数が複数含まれているのが普通である。
【0008】
各外来患者の診察に要する診察時間は、その外来患者、或いは医師によって異なる。しかし、二人以上の外来患者の診察が共に直ちに終わる可能性は低い。このこともあり、待ち人数が二人以上の外来患者は、何らかの事情により、待合室から一時的に出ることがある。知人との会話等の直ぐに済む事情により、待合室を出ても直ぐに戻るつもりの外来患者は、待ち人数に関係なく、待合室を一時的に出る可能性は高い。
【0009】
このようなことから、待合室に居ない外来患者のなかには、自分の診察の番に診察を実際には受けることができる人も居ると考えられる。そのような外来患者は、スムーズな診察を阻害する可能性は低いと云える。それにより、待合室に居ない外来患者の順番を待合室に居る全ての外来患者の後にする場合、実際にはスムーズに診察を受けられる外来患者の待ち時間を単に長くさせてしまう危険性がある。待ち時間が単に長くなった外来患者の多くは、待ち時間が長くなったことを不快に感じると思われる。このことから、より多くの外来患者がより快適に診察を受けられる環境を実現するには、スムーズな診察を行えるようにする以外に、順番
の変更に伴う外来患者の待ち時間の増大を抑えることも重要と考えられる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態による外来患者管理装置を用いて構築された外来患者管理システムの構成例を説明する図である。この外来患者管理システムは、外来患者の診察のために病院、或いは診療所、等の医療施設が構築したシステムである。
図1に表すように、この外来患者管理システムは、ネットワーク1に、ホストコンピュータ(以降「ホスト」と略記)2、複数台の受付端末装置3、各診察室に設置された医師(Dr.)用の端末装置4、表示サーバ5、複数台の案内表示盤6、及び複数のRFID(Radio Frequency IDentification)アンテナ7を接続させた構成である。
【0016】
ホスト2は、外来患者管理システムで扱う各種データを管理するDB(Data Base)サーバとして機能する。本実施形態による外来患者管理装置は、このホスト2上に実現されている。
【0017】
受付端末装置3は、診察を希望する人が自動的に受け付けを行うための端末装置である。受付端末装置3は、受け付けを行った人(外来患者)に対し、RFIDタグが搭載され、割り当てた受付番号を印字した媒体(以降「受付票」と表記)を発行する。
【0018】
受付端末装置3を用いて受け付けを行えるのは、再診の外来患者のみである。再診の外来患者は、交付された診察カードを受付端末装置3内に挿入し、再診の受け付けを行う。初診の人は、窓口で受け付けを行う。
【0019】
医療施設には、窓口で外来患者を受け付けるための端末装置が設置されている。しかし、
図1では、その窓口で用いられる端末装置は省いている。ここでは、説明上、便宜的に、受け付けは受付端末装置3のみを用いて行われると想定する。
【0020】
端末装置4は、電子カルテの表示、診察結果の入力、等に用いられる。表示対象となる電子カルテは、ホスト2から取得され、診察結果の入力により、電子カルテの内容が更新され、ホスト2が管理・保存する電子カルテに反映される。
【0021】
案内表示盤6は、医療施設内に、外来患者への必要な情報伝達用に設置された端末装置である。表示サーバ5は、各案内表示盤6を制御し、各案内表示盤6に表示させるべき情報を表示させる。各案内表示盤6に表示される内容は、ホスト2から取得される情報によって決定される。
【0022】
各RFIDアンテナ7は、自身が非接触で電力を供給した受付票(RFIDタグ)との通信を行う通信装置であり、ネットワーク1を介して通信を行う機能を備えている。各RFIDアンテナ7は、自身が電力を供給した受付票から、その受付票に搭載されたRFIDタグに識別情報として割り当てられたタグIDを受信することができる。受信されたタグID(IDentifier)は、ホスト2に送信される。
【0023】
図3は、各RFIDアンテナの配置例を説明する図である。ここで
図3を参照し、各RFIDアンテナ7の配置例について具体的に説明する。この
図3は、RFIDアンテナ7として、矩形状のエリア上に存在するRFIDタグとの通信が可能なタイプを採用した場合の配置例である。
【0024】
各RFIDアンテナ7は、受診票を所持する外来患者の現在地を特定するために用意されている。ロビー、通路1〜6、電話コーナー、男女別のトイレ、食堂、売店、第1外待合室、第2外待合室、第1中待合室、第2中待合室、及び喫煙スペースの各エリアが設けられた医療施設では、
図3に表すように、各RFIDアンテナ7が配置される。それにより、本実施形態では、隣接するエリア間の外来患者の移動を認識可能にして、外来患者の現在地を判定できるようにさせている。
【0025】
第1中待合室は、A〜F内科を受診する外来患者のなかで順番が近づいた外来患者、つまり次に診察を受ける外来患者、及びその外来患者に続いて診察を受ける複数人の外来患者の待機用である。医療施設では、その第1中待合室に入室すべき順番ではない外来患者用に、第1外待合室が用意されている。同様に、第2中待合室は、G〜I整形外科、及びJ〜L外科の診察を受ける順番が近づいた外来患者の待機用であり、その第2中待合室に入室すべき順番ではない外来患者用に、第2外待合室が用意されている。
【0026】
図3に表す医療施設では、診察室は診療科毎に設けられている。このことから、以降、特に断らない限り、診察室と診療科は同じ意味で用いる。
【0027】
外来患者が診療科での診察をスムーズに受けられるようにするには、言い換えれば外来患者全体で待ち時間をより短くするには、現在、診察中の外来患者の診察が終わった後に、次の診察を直ちに受けられる外来患者の診察を行えるようにするのが望ましい。第1中待合室、及び第2中待合室(以降、区別する必要のない場合、「中待合室」と表記する。第1外待合室、及び第2外待合室を区別する必要のない場合には、「外待合室」と表記する)では、設置された案内表示盤6により、診察を受ける外来患者の順番を受付番号で通知するようになっている。そのため、次の診察を直ちに受けられる外来患者は、中待合室に居る外来患者である。中待合室に居ない外来患者が中待合室に入室するには、その外来患者の現在地に応じた時間が必要である。このことから、本実施形態では、外来患者が診療科での診察をスムーズに受けられるように、配置したRFIDアンテナ7を用いて、各外来患者の現在地を特定するようにしている。
【0028】
本実施形態による外来患者管理装置は、外来患者の診察の順番をその外来患者の状態に応じて動的に変更し、各診療科での診察をスムーズに受けられるように支援するために設けている。以降、ホスト2上に実現されたその外来患者管理装置について詳細に説明する。
【0029】
図2は、上記ホストの機能構成例を説明する図である。始めに、
図2、及び
図4〜
図6に表す各種説明図を参照し、ホスト2について詳細に説明する。
図2に表す機能構成例は、外来患者管理装置の機能構成、つまり外来患者が診察室での診察をスムーズ、且つ適切に受けられるように、診察室単位で外来患者の診察の順番を管理するための機能構成のみを抜粋する形で表したものである。
【0030】
図2に表すように、ホスト2は、登録部21、開始時刻予想部22、場所判定部23、到着時刻予想部24、順番入替部25、更新部26、及び記憶部27を備える。記憶部27には、外来患者テーブル201、診療科別外来患者テーブル群202、移動時間テーブル203、診察時間テーブル204、及び条件テーブル205が保存されている。
【0031】
外来患者テーブル201は、受け付けを済ませた外来患者全員を管理するためのテーブルである。例えば
図4に表すように、外来患者テーブル201には、外来患者毎にエントリ(レコード)が確保され、各エントリには、受付番号、タグID、患者名、診療科、受付時刻、及び生年月日、等の各種情報が格納される。
【0032】
登録部21は、受け付けを済ませた外来患者の情報を外来患者テーブル201に登録する機能である。登録部21は、受付端末装置3からの要求により、診察カードを挿入した外来患者の受付番号を決定し、決定した受付番号をその受付端末装置3に通知する。その通知により、受付端末装置3は、印字すべき受付番号を印字した受診票を発行する。
【0033】
登録部21は、受診票を発行した受付端末装置3から、その受診票のタグIDを取得し、例えばそのタグIDを取得した時刻を受付時刻とする。登録部21は、患者名、診療科、及び生年月日を、例えば受付端末装置3から診察カードの識別情報を用いて特定する電子カルテを参照することで取得する。
【0034】
診療科別外来患者テーブル群202は、診療科毎に用意される診療科別外来患者テーブルを含むテーブル群である。診療科別外来患者テーブルは、例えば
図5に表すような構成となっている。この
図5に表す診療科
別外来患者テーブルは、A内科の診療科
別外来患者テーブル202aである。ここでは、「202」に続く「a」は、A内科を表している。それにより、202bは、B内科の診療
科別外来患者テーブルを表している。診療科を特に限定する必要のない場合、「202」に続く小文字のアルファベットとして「n」を用いることとする。
【0035】
各診療科別外来患者テーブル202nには、外来患者毎にエントリ(レコード)が登録される。各エントリには、
図5に表すように、受付番号、タグID、待ち人数、患者名、受付時刻、生年月日、予想開始時刻、現在地、移動時刻、及び最終退室時刻の各情報が格納される。
【0036】
受付番号、タグID、患者名、受付時刻、及び生年月日は、外来患者テーブル201と同じ情報である。各診療科別外来患者テーブル202nへのエントリの追加は、例えば登録部21によって行われる。
【0037】
受付番号、タグID、患者名、受付時刻、及び生年月日は、変更されない情報である。これに対し、待ち人数、予想開始時刻、現在地、移動時刻、及び最終退室時刻の各情報は、随時、更新される情報である。
【0038】
予想開始時刻は、外来患者が診察を受ける番になると予想される時刻である。開始時刻予想部22は、診療科毎に、各外来患者の予想開始時刻を算出し、算出した予想開始時刻を対応する診療科別外来患者テーブル202nに反映する。
【0039】
診察時間テーブル204には、例えば医師毎に、その医師が診察を行う診療科、診察に要する平均時間を表す平均時間データが登録されている。開始時刻予想部22は、診察時間テーブル204、及び診療科別外来患者テーブル群202を参照して、医師毎(診療科別外来患者テーブル毎)に、各外来患者がその医師の診察を受けると予想される時刻を予想開始時刻として算出する。
【0040】
予想開始時刻の算出は、例えばエントリの登録時に行われる。また、外来患者の診察の終了時、或いは診察の開始時にも、予想開始時刻の算出が行われる。それにより、本実施形態では、今後、診察を受ける外来患者には、より精度の高い予想開始時刻を提示するようにしている。
【0041】
現在地は、外来患者が現在、居ると推定される場所である。各外来患者の現在地は、場所判定部23によって判定され、その判定結果に応じて更新される。移動時刻は、現在地の更新と共に更新され、最終退室時刻は、現在地の更新により、必要に応じて更新される。それにより、移動時刻、及び最終退室時刻も場所判定部23によって更新される。
【0042】
各RFIDアンテナ7は、受診票と通信した場合に、その受診票から受診したタグIDをホスト2に通知する。場所判定部23は、タグIDを通知したRFIDアンテナ7、及びそのタグIDを格納したエントリ中の現在地から、外来患者が移動させた後の現在地を判定し、そのエントリ中の現在地を更新する。このとき、例えば現在時刻は、移動時刻として扱われる。
【0043】
例えば売店内に居る外来患者がその売店から通路6に出た場合、その外来患者が所持する受診票は売店の出入口に設けられたRFIDアンテナ7と通信を行う。その通信が行われた時、外来患者の現在地は売店を表している。このことから、タグIDを受信したRFIDアンテナ7、及び現在地(ここでは移動元)から、外来患者の移動先を適切に判定することができる。
【0044】
最終退室時刻は、外来患者が中待合室から出たと推定される時刻である。外来患者が中待合室から出ることでその中待合室の出入口に配置のRFIDアンテナ7がタグIDを通知した場合、現在時刻は、移動時刻、及び最終退室時刻として扱われる。
【0045】
一人での来院が困難な外来患者(以降「来院困難者」と表記)は、付き添いに連れられて来院することが多い。例えば子供は、保護者に付き添われて来院するのが殆どと考えられる。
【0046】
付添人に連れられた来院困難者では、受診票を来院困難者ではなく、付添人が所持することも多いと考えられる。そのような付添人は、来院困難者を中待合室に置いた後、何らかの事情により、その中待合室から一時的に出る可能性がある。例えば来院困難者から離れてトイレ等に行く可能性がある。
【0047】
このようなことから、来院困難者では、受診票を所持する人が中待合室に居なくとも、来院困難者自身が中待合室に居る可能性は小さくないと考えられる。付添人は、来院困難者を中待合室に確実に移動させるために、来院困難者を中待合室まで連れて行く可能性が高いと思われる。それにより、受診票を所持する人は、一度は中待合室に入室する可能性が高いと考えられる。このことから、本実施形態では、中待合室への入室を、来院困難者が中待合室に居る可能性を表していると見なすようにしている。
【0048】
来院困難者としては、子供の他に、身体に何らかの障害を持つ人、老齢の人、等も含まれる。しかし、ここでは便宜的に、来院困難者として子供のみを想定する。
【0049】
中待合室に入室した場合、その入室時刻が移動時刻として保存され、その中待合室から退室しても、その退室時刻が最終退室時刻として保存される。このことから、最終退室時刻も、来院困難者が中待合室に居るか否かの判定に用いることができる。
【0050】
待ち人数は、外来患者の前に診察を受ける外来患者数、つまり診察を受ける順番を表す情報である。
図5中の「−」は、自身より前に診察を受ける外来患者が居ない、つまり自身が診察中か、或いは診察が終わったことを表している。「−」は、例えば負の整数である。
【0051】
待ち人数は、順番入替部25、及び更新部26によって更新される。
更新部26は、診察の終了により待ち人数を更新する。更新部26は、診療科別外来患者テーブル202nのエントリのなかで待ち人数が1以上となっているエントリを全て対象に、待ち人数を更新する。待ち人数が1のエントリでは、その待ち人数は「−」に更新され、待ち人数が2以上のエントリでは、待ち人数は、それまでの値をデクリメントした値に更新される。診察の終了は、医師が使用する端末装置4から通知される。
【0052】
順番入替部25は、二人以上の外来患者間の順番を入れ替えるための待ち人数の更新を行う。その更新は、診察がスムーズに行われるようにするために行われる。そのために、到着時刻予想部24による到着結果の予想結果が用いられる。
【0053】
順番の入れ替えは、中待合室に居るべき外来患者を対象に行われる。中待合室に直ちに移動可能な外来患者は、診察も直ちに受けられると考えられる。それにより、順番の入れ替えは、診察を直ちに受けられると考えられる外来患者が、診察を直ちに受けられないと考えられる外来患者よりも前に診察を受けられるように行われる。
【0054】
到着時刻予想部24は、現在地から移動した外来患者が中待合室(目的地)に到着すると予想される到着時刻を予想する。その到着時刻の予想は、
図6に表すような移動時間テーブル203を参照して行われる。
【0055】
その移動時間テーブル203は、
図6に表すように、各場所から目的地の候補である第1中待合室、及び第2中待合室への移動に要すると予想される平均時間が定義されたテーブルである。
【0056】
喫煙スペース、電話コーナー、男子用トイレ、女子用トイレ、食堂、及び売店の平均時間には、他の場所とは異なり、その場所に留まっていると予想される時間が含まれる。それにより、例えば食堂で定義された30分には、その食堂での飲食に要する予想平均時間と、その食堂から目的地への移動に要する予想平均時間とが含まれる。喫煙スペースで定義された5分には、たばこを吸うのに要する予想平均時間と、その喫煙スペースから目的地への移動に要する予想平均時間とが含まれる。到着時刻予想部24は、予想到着時刻を、移動時刻に、目的地に対応した現在地の平均時間を加算することで算出する。
【0057】
通路1と電話コーナーの間には、RFIDアンテナ7が設けられていない。しかし、通路1には外来患者を長く留まらせる設備、等は設けられていないことから、通路1内に外来患者が長く居る可能性は低い。このことから、本実施形態では、通路1内に所定時間以上、居る外来患者は、電話コーナーに居ると推定するようにしている。電話コーナーに居るか否かの判定に用いる所定時間は、条件テーブル205に定義されている。その条件テーブル205には、他に、診療科毎に中待合室に案内すべき案内外来患者数α、来院困難者と見なす最高年齢β、等が定義されている。来院困難者は、0〜βの間の年齢の外来患者である。
【0058】
上記のように、予想到着時刻が予想開始時刻よりも後になった外来患者は、その時点で診察を直ちに受けられる外来患者が後に居れば、その外来患者の後に回される。しかし、外来患者のなかには、予想よりも早く、診察を直ちに受けられる状態となる外来患者も居ると考えられる。診察を直ちに受けられる状態でありながら、本来、自分よりも後に診察を受けるべき外来患者の後に診察を受ける外来患者は、不快感を持つ可能性が高いと考えられる。このことから、順番入替部25は、外来患者が診察を直ちに受けられる状態となった場合、本来の順番で診察を受けられるように、順番の再入れ替えを行う。それにより、本実施形態では、順番の入れ替えに伴う待ち時間の増大を抑えて、順番の入れ替えによる不満がより生じないようにさせている。
【0059】
表示サーバ5は、中待合室に設置された各案内表示盤に、診察を受ける番が近い外来患者の順番を受付番号によって表示させる。それにより、外来患者は、スムーズ、且つ快適に診察を受けることができる。
【0060】
診察は、予想開始時刻よりも早く開始される可能性がある。このことから、更新部26も、必要に応じて、順番の入れ替えを行う。その順番の入れ替えの仕方は、基本的に順番入替部25と同じである。それにより、ここでは詳細な説明は省略する。
【0061】
このように、各診療科別外来患者テーブル202nには、登録部21によってエントリが追加され、登録部21によって格納されない各種データは、開始時刻予想部22、場所判定部23、到着時刻予想部24、順番入替部25、及び更新部26により、必要に応じて更新される。
【0062】
各診療科別外来患者テーブル202nの内容は、表示サーバ5が各案内表示盤6に表示させる情報として用いられる。それにより、各診療科別外来患者テーブル202nの更新により、表示サーバ5が各案内表示盤6に表示させる内容も更新される。
【0063】
図9は、本実施形態による外来患者管理装置を搭載させるホストとして使用可能な情報処理装置の構成例を表す図である。ここで
図9を参照し、上記のような機能構成を備えたホスト2として使用可能な情報処理装置の構成例について詳細に説明する。
【0064】
この情報処理装置は、
図9に表すように、CPU81、FWH82、メモリ(メモリモジュール)83、NIC(Network Interface Card)84、ハードディスク装置(HD)85、インターフェース(I/F)部86、及びコントローラ87を備えている。この構成は1例であり、ホスト2として使用可能な情報処理装置の構成は、
図9に表すようなものに限定されない。
【0065】
FWH82は、ファームウェアを格納したメモリである。このファームウェアは、CPU81によってメモリ83に読み出され実行される。ハードディスク装置85には、OS(Operating System)、
図1に表す各種テーブル201、203〜205、及び診療科別外来患者テーブル群202、並びに
図2に表す機能構成を実現させるアプリケーション・プログラム(以降「患者管理アプリケーション」と表記)が格納されている。CPU81は、ファームウェアの起動が完了した後、コントローラ87を介してハードディスク装置85からOS、及び患者管理アプリケーションを読み出して実行することができる。NIC84を介した通信は、OSの起動によって可能となる。
【0066】
患者管理アプリケーションは、ハードディスク装置85以外のストレージ、或いは記録媒体に格納しても良い。ストレージ、或いは記録媒体は、NIC84がネットワーク1(或いは別のネットワーク)を介して通信可能な外部装置がアクセス可能なものであっても良い。このことから、患者管理アプリケーションは、外部装置から受信しても良い。
【0067】
I/F部86は、コンソールを含む各種入出力装置が接続可能な装置である。CPU81は、I/F部86を介して、そのI/F部86に接続された入出力装置との通信を行う。
【0068】
上記のような構成の情報処理装置では、ネットワーク1を介した通信はNIC84を介して行われる。記憶部27は、例えばハードディスク装置85、及びメモリ83が相当する。
【0069】
登録部21、場所判定部23、及び更新部26は、ネットワーク1を介した通信により取得したデータを処理する。このことから、登録部21、場所判定部23、及び更新部26は、例えばCPU81、FWH82、メモリ(メモリモジュール)83、NIC84、ハードディスク装置(HD)85、及びコントローラ87によって実現される。開始時刻予想部22、到着時刻予想部24、順番入替部25は、例えばCPU81、FWH82、メモリ(メモリモジュール)83、ハードディスク装置(HD)85、及びコントローラ87によって実現される。
【0070】
図7は、診療科別外来患者テーブル更新処理のフローチャートである。この診療科別外来患者テーブル更新処理は、RFIDアンテナ7からのタグIDの通知(受信)、或いは前回の実行から定められた時間の経過を契機に実行される処理であり、上記患者管理アプリケーションのサブプログラムをCPU81が実行することで実現される。場所判定部23、到着時刻予想部24、及び順番入替部25は、この診療科別外来患者テーブル更新処理の実行によって実現される。次に、
図7を参照し、この診療科別外来患者テーブル更新処理について詳細に説明する。
【0071】
図7では、便宜的に、1つの診療科別外来患者テーブル202nの更新に着目して、処理の流れを表している。なお、診察の終了に伴う待ち人数の更新は、例えば端末装置4からの診察の終了通知を契機に別に行われる。このとき、予想開始時刻も併せて更新される。
【0072】
先ず、CPU81は、何れかのRFIDアンテナ7から受信したタグIDのなかで未処理のものが有るか否か判定する(S1)。タグIDを受信していない、或いは受信したタグIDのなかで未処理のものが無い場合、S1の判定はNOとなってS5に移行する。受信したタグIDのなかで未処理のものが残っている場合、S1の判定はYESとなってS2に移行する。
【0073】
S2では、CPU81は、未処理のタグIDのなかから1つを選択し、診療科別外来患者テーブル202nのエントリのなかで選択したタグIDを有するエントリ中の現在地、及び移動時刻を更新する。上記のように、更新後の現在地は、エントリ中の現在地、及びタグIDを送信したRFIDアンテナ7から特定される。現在時刻は移動時刻として扱われる。
【0074】
次に、CPU81は、移動元、つまり更新前の現在地は目的地(中待合室)か否か判定する(S3)。更新前の現在地が目的地であった場合、つまり受診票の所持者が目的地から退室した場合、S3の判定はYESとなってS4に移行する。更新前の現在地が目的地ではなかった場合、S3の判定はNOとなって上記S1に戻る。それにより、未処理のタグIDへの処理が残っていた場合、未処理のタグIDを対象にした処理が同様に行われる。
【0075】
図5中、「−」と表記の待ち人数となっているタグIDは、診察中か、或いは診察が終了した外来患者に発行された受診票のタグIDである。そのようなタグIDは、RFIDアンテナ7から受信しても、処理対象としては扱われない。
【0076】
上記S1の判定がNOとなって移行するS5では、CPU81は、診療科別外来患者テーブル202a中のエントリのなかから待ち人数が1以上のエントリを抽出する。その抽出を行った後、CPU81は、抽出されたエントリが有るか否か判定する(S6)。待ち人数が1以上のエントリが存在する場合、S6の判定はYESとなってS7に移行する。待ち人数が1以上のエントリが存在しない場合、S6の判定はNOとなり、ここで診療科別外来患者テーブル更新処理が終了する。待ち人数が1以上のエントリが存在しないことは、これから診察を受ける外来患者が存在しないことを意味する。
【0077】
S7では、CPU81は、抽出したエントリのなかから1つを選択し、選択したエントリ(以降「選択エントリ」と表記)中の現在地は通路1か否か判定する。その現在地が通路1であった場合、S7の判定はYESとなってS8に移行する。その現在地が通路1ではなかった場合、S7の判定はNOとなってS10に移行する。
【0078】
S8では、CPU81は、選択エントリ中の移動時刻を読み出し、読み出した移動時刻から所定時間、経過しているか否か判定する。外来患者が通路1に移動してから所定時間以上、経過していた場合、S8の判定はYESとなってS9に移行する。外来患者が通路1に移動してから所定時間が経過していない場合、S8の判定はNOとなってS10に移行する。
【0079】
S9では、CPU81は、選択エントリ中の現在地を電話コーナーに更新する。その後、S10に移行する。本実施形態では、通路1への移動を電話コーナーへの移動と見なすことから、移動時刻の更新は行わない。
【0080】
S10では、CPU81は、中待合室に居るべき外来患者を対象に、その外来患者間の診察の順番を必要に応じて入れ替えるための順番入替処理を実行する。その後は上記S5に戻る。それにより、S6の判定がNOとなる状況時には、外来患者間の診察の順番が最適化される。
【0081】
図8は、順番入替処理のフローチャートである。最後に、上記S10として実行される順番入替処理について詳細に説明する。
【0082】
この順番入替処理では、上記S7で選択した選択エントリに着目し、そのエントリ中のタグIDを有する受診票が発行された外来患者の診察の順番を入れ替える必要性の有無の確認、その確認結果に従った順番の入れ替えのための処理が行われる。
【0083】
先ず、CPU81は、選択エントリ中の待ち人数が、中待合室に案内すべき外来患者数αより大きいか否か判定する(S31)。外来患者が中待合室に居るのが望ましい外来患者でない場合、S31の判定はYESとなる。S31の判定がYESとなる外来患者は、順番の入れ替えを行う対象ではない。このことから、ここで順番入替処理が終了する。外来患者が中待合室に居るのが望ましい外来患者であった場合、S31の判定はNOとなってS32に移行する。
【0084】
S31では、CPU81は、目的地に到着すると予想される予想到着時刻を計算する。次に、CPU81は、選択エントリから予想開始時刻を読み出し、読み出した予想開始時刻より予想到着時刻が後か否か判定する(S33)。選択エントリに対応する外来患者が目的地に到着する前に、その外来患者が診察を受ける番となると予想される場合、S33の判定はYESとなってS34に移行する。選択したエントリに対応する外来患者が診察を受ける番となる前に目的地に到着すると予想される場合、S33の判定はNOとなってS36に移行する。
【0085】
S34では、CPU81は、選択したエントリ中の生年月日を読み出して外来患者の年齢を計算し、計算した年齢が来院困難者と見なす最高年齢β以下であり、且つ目的地への移動が有ったか否か判定する。計算した年齢が最高年齢βよりも高い場合、或いは計算した年齢が最高年齢β以下であるが、目的地に移動(入室)したことがない場合、S34の判定はNOとなってS35に移行する。計算した年齢が来院困難者と見なす最高年齢β以下であり、且つ目的地への移動(入室)が確認できた場合、S34の判定はYESとなり、ここで順番入替処理が終了する。それにより、外来患者が来院困難者であり、その来院困難者が中待合室に居る可能性が考えられる場合、その来院困難者は順番の入れ替え対象から除外する。
【0086】
S35では、CPU81は、待ち人数が外来患者数α以下のエントリを抽出し、抽出したエントリの受付時刻、待ち人数を参照して、順番の入れ替えを行う。その順番の入れ替え自体は、待ち時間の更新により実現される。その順番の入れ替えを行った後、順番入替処理が終了する。
【0087】
順番の入れ替えで受付時刻、及び待ち人数を参照するのは、順番の入れ替え対象とする外来患者のなかで順番を受付時刻の順に沿って並べ替えることが可能か否か確認し、可能であれば、受付時刻の順に沿って順番を入れ替えるためである。
【0088】
順番の入れ替えでは、予想到着時刻と予想開始時刻の時間差も考慮するようにしている。これは、スムーズな診察の実現と共に、順番の入れ替えによる外来患者の待ち時間の増大分を抑えるためである。
【0089】
外来患者が中
待合室から移動したとしても、その患者が中待合室に戻ると予想される予想到着時刻は移動場所によって異なる。例えば次に診察を受ける番でありながら移動時間の短い場所に移動した外来患者は、次の診療開始に間に合わなくても、その次の診療開始時点では、診療を直ちに受けられる状態となっている可能性がある。その次の診療開始時点でも診療を直ちに受けられる状態となっていない外来患者の順番は、更に後にすることで対応できる。このようなことから、診察を受ける番になった際に診察を直ちに受けられないと予想される外来患者は、診察を直ちに受けられる状態になると予想されるタイミングを考慮し、待ち時間の増大分をより抑えるように、順番の入れ替えを行っている。
【0090】
上記S33の判定がNOとなって移行するS36では、CPU81は、待ち人数が外来患者数α以下となっているエントリのなかで、選択したエントリより受付時刻が遅く、且つ待ち人数が少ないエントリが有るか否か判定する。選択したエントリの外来患者よりも遅く受け付けを行いながら、順番の入れ替えによってその外来患者よりも前に診察を受けることになっている外来患者が居る場合、S36の判定はYESとなってS37に移行する。そのような外来患者が居ない場合、S36の判定はNOとなり、ここで順番入替処理が終了する。
【0091】
S37では、CPU81は、受付時刻がより遅い外来患者の前に、選択したエントリの外来患者の順番を入れ替えられるか否か確認し、その確認結果に応じて、選択したエントリの外来患者の順番を入れ替える。そのような順番の入れ替えを必要に応じて行った後、順番入替処理が終了する。
【0092】
このように、順番の入れ替え(ここでは、順番の再入れ替えを含む)は、外来患者の受付時刻、及び診察を直ちに受けられない外来患者の居る現在地を考慮して行われる。それにより、順番の入れ替えでは、他の後から受け付けした外来患者の後に診察を受けさせない(受付順を可能な限り維持させる)、及び不要に待ち時間を増大させない、ことを重視している。そのような順番の入れ替えにより、スムーズな診察を行えるようにしつつ、順番の入れ替えに伴う待ち時間の増大を抑制することができる。この結果、外来患者がより快適に診察を受ける環境が実現される。
【0093】
診察の終了に伴う待ち人数の更新は、例えば端末装置4からの診察の終了通知を契機に別に行われる。このとき、予想開始時刻も併せて更新される。
【0094】
診察の終了に伴う待ち人数の更新時にも、順番を入れ替える必要がある場合がある。その更新時には、例えばS33以降の以下のような変更が加えられた処理を実行すれば良い。
【0095】
S33では、予想到着時刻と比較されるのは、現在時刻である。S33の判定がNOの場合、待ち人数が1以上となっているエントリの全てを対象に、待ち人数の更新が行われる。その後、一連の処理が終了する。S33の判定がYESの場合、同様にS34に移行する。S34の判定内容、及びS35の処理内容は、上記順番入替処理と同じで良い。
【0096】
S34の判定がYESの場合、及びS35の処理の実行後は、S33の判定がNOの場合に移行する処理、つまり待ち人数が1以上となっているエントリの全てを対象に、待ち人数の更新が行われる。その後、一連の処理が終了する。
【0097】
なお、本実施形態では、各外来患者の診察が開始されると予想される予想開始時刻を計算し、計算した予想開始時刻を、外来患者の順番の入れ替えを行うべきタイミングか否かの判定に用いている。順番の入れ替えを行うべきか否かの判定は、別のタイミングで行うようにしても良い。例えば外来患者の診察の終了時に、その後に続く外来患者の順番の入れ替えを行うべきか否かの判定を行うようにしても良い。
【0098】
また、本実施形態では、外来患者に、RFIDタグを搭載した媒体である受診票を発行して、外来患者の現在地を特定可能にしている。外来患者の現在地を特定するために識別情報を送信させる通信装置としてRFIDタグを採用したのは、通信範囲が狭い(現在地の高い特定精度が期待できる)、非接触による電力の伝送が行われなければタグIDの送信は行われない(通信のトラフィック量を抑えられる)、等の利点があるためである。しかし、外来患者の現在地を特定可能であれば、RFIDタグとは異なる通信装置を採用しても良い。
【0099】
本実施形態では、媒体として、受け付けを済ませた外来患者に対して発行される受診票を用いているが、受診票以外の媒体であっても良い。外来患者が所持(携帯)すると考えられる物を媒体として採用しても良い。具体的には、外来患者には診察カードが発行されることから、その診察カードを媒体として採用しても良い。
【0100】
また、本実施形態では、ホスト2は、各RFIDアンテナ7からタグIDを受信して、各外来患者の現在地を判定しているが、その現在地の判定結果をホスト2に取得させるようにしても良い。
図2に表す構成要素を複数台の情報処理装置に配置して、複数台の情報処理装置により、外来患者管理装置を実現させても良い。