(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記参照素子の位置において磁場を減少させるために、前記参照アームが導磁性の高い強磁性材料からなる磁気遮蔽によって覆われている、請求項1に記載の参照フルブリッジ磁場センサチップ。
前記参照アームは、自由層の上または下に設けられる反強磁性層または永久磁石層を含み、前記反強磁性層からの交換結合または前記永久磁石層からの漂遊磁界結合を用いて前記参照アームに磁気的にバイアスをかける、請求項1、2、3または4に記載の参照フルブリッジ磁場センサチップ。
前記参照アームおよび前記感知アームは、自由層の上または下に設けられる反強磁性層または永久磁石層を含み、前記反強磁性層からの交換結合または前記永久磁石層からの漂遊磁界結合を用いて前記参照アームおよび感知アームに磁気的にバイアスをかける、請求項1、2、3または4に記載の参照フルブリッジ磁場センサチップ。
【発明を実施するための形態】
【0013】
線形磁場の測定に適したGMRまたはMTJ磁気センサ素子の磁気抵抗増幅特性曲線の一般的な形状が、
図1に模式的に示されている。図に表された増幅特性曲線は、それぞれR
LおよびR
Hで示される低抵抗値1および高抵抗値2で飽和する。飽和間の領域においては、増幅特性曲線は印加した磁場Hに線形依存する。増幅特性曲線は、グラフ上のH=0の点において対称である必要はない。飽和磁界5、6は、典型的に、RL飽和領域がH=0の点に近づくように、量H
0分のオフセットを有する。H
0の値は、しばしば「オレンジピール(Orange Peel)」または「ネールカップリング(Neel Coupling)」と呼ばれ、典型的には1〜25Oeの範囲である。H
0はGMRおよびMTJ構造内の強磁性膜の粗さに関連し、材料および製造プロセスに依存する。
【0014】
5と6との間では、装置の操作を説明する目的で、
図1の増幅特性曲線は以下のように近似され得る:
【0016】
参照ホイートストンブリッジを形成するために、センサ素子を
図2に示されるように互いに連結してもよい。ここで、2つのセンサ素子は印加された磁場に強く依存する増幅特性曲線を有し、この素子20、21は、感知アームと呼ばれる。2つの追加センサ素子22および23は、印加された磁場に対して弱い依存性を示す増幅特性曲線を有する。この素子22、23は参照アームと呼ばれる。さらに、基板上に配置された場合、センサは、電圧バイアス(V
bias、24)、アース(GND、25)および2つのハーフブリッジセンタータップ(V
1、26、V
2、27)のためのコンタクトパッドを必要とする。センタータップにおける電圧は、以下で与えられる:
【0019】
ブリッジセンサの出力は以下のように定義される:
【0021】
例示的なセンサアームおよび参照アームの増幅特性曲線R
sns(30)およびR
ref(31)を
図3に示す。なお、R
refは
【0025】
で飽和する。また、センサアームおよび参照アームの増幅特性曲線は、磁場ゼロが中心ではなく、R
snsでの
【0029】
の範囲のオフセットを有する。オフセット値が異なっているにもかかわらず、ブリッジの増幅特性曲線40は、
図4に示されるように線形であり、きちんと中央にある。
【0033】
である理想的な場合において、ブリッジの応答は、以下の通りである。
【0037】
“<<”が大きさのオーダー(order)を表すと仮定すると、以下の通りである:
【0039】
実際には、線形領域は、良いリニアセンサを製造するのに十分広い。磁気抵抗を有するセンサでは、
【0043】
である。したがって、センサの線形領域の程度は以下のオーダーである。
【0045】
所望する線形動作領域の約2.5倍大きい程度である場合は、これら典型的な値を用いて、装置はリニアセンサとして補正なしで動作することになる。
【0046】
参照ブリッジセンサは、センサ素子の磁気抵抗が大きくなるにつれてより明らかになる独特な特徴をいくつか有する。
図4はまた、磁界軸に沿ってオフセットを有し、電圧応答が非対称である参照ブリッジの増幅特性曲線を41に示す。この理想的でない挙動は、大きな磁気抵抗比を有する磁気抵抗素子を用いる場合に起因であるにちがいない参照フルブリッジセンサの特徴である。
【0047】
理想的でない応答に寄与する要因をより良く説明するため、および参照ブリッジの応答を最適化する方法を開示するために、電圧の非対称性を定量化するのに有用なブリッジのオフセットの計量を定義する必要がある。ブリッジのオフセット(OFFSET)は、増幅特性曲線の44から簡単に読み取られる。
図4に示される最大および最小電圧値に相当するV−(43)およびV+(42)を用いて、非対称性(ASYM)を定義することができる:
【0051】
である理想的な場合をプロットした、DR/Rおよび参照レッグおよびセンサレッグの抵抗値の関数としてのブリッジセンサのOFFSETを示す。センサアームおよび参照アームの増幅特性曲線は、本来は中央にあるにもかかわらず、ブリッジの出力は、磁気抵抗および抵抗の整合によるオフセットの変化を示す。
【0052】
図6は、同じ条件下におけるブリッジセンサの電圧非対称性のプロットを示す。やはり、センサアームおよび参照アームの増幅特性曲線は、本来は中央にあるにもかかわらず、ブリッジの出力は、参照アームおよびセンサアームが同様に整合する場合に非対称性が高くなり得る。したがって、異なるブリッジアームにおけるオフセットを最小化すること、ならびに参照アームおよびセンサアームの抵抗値を整合することで、中央にある、対称形のブリッジ応答が必ずしも得られるわけではない。
【0053】
理想的な参照ブリッジは、異なる磁界において飽和する参照素子およびセンサ素子を有し、その抵抗は1でなくてもよい所定の比率に設定され、参照アームに対してセンサアームの応答をシフトするのに、オフセット磁界が用いられてもよい。
【0054】
ブリッジセンサを組み立てる際にまず考慮すべきことは、ブリッジのセンサアームおよび参照アームの相対的な感度を設定するのに用いる方法である。磁気抵抗素子の感度は、印加された磁場の関数としての抵抗の変化として定義される。これは以下のように表し得る:
【0056】
センサアームに対して参照アームのDR/Rを変化させることは現実的でないので、感度は、H
sを修正することで最も容易に調整される。これは、いくつかの異なる技法のうちの1つまたはその組み合わせによって達成され得る。
【0057】
遮蔽−ここで、印加された磁場を減衰させるために、ブリッジの参照アーム上に導磁性の高い強磁性板を設ける。
【0058】
形状異方性の安定化−参照MTJ素子およびセンサMTJ素子は大きさが異なり、したがって形状異方性が異なる。最も一般的な手法は、参照MTJ素子をセンサMTJ素子よりも細長くすることであり、その結果、センサMTJ素子よりも参照MTJ素子において、感知軸に平行な方向の減磁率が大きくなる。
【0059】
交換バイアス−本技法では、MTJ素子の自由層を隣接した反強磁性層または永久磁石層に交換結合することによって、感知軸に垂直な方向に有効磁界が作られる。交換バイアスの強度を減じるために、自由層と交換バイアスがかかった層との間に、CuまたはTaのような材料からなる薄いスペーサ層を置くことが望ましいかもしれない。代表的な層化順序は以下の通りである:
シード層/AF1/FM/Ru/FM/バリア層/FM/スペーサ/AF2/キャップ層
シード層/AF1/FM/Ru/FM/バリア層/FM/スペーサ/PM/キャップ層
シード層/AF1/FM/Ru/FM/バリア層/FM/AF2/キャップ層
シード層/AF1/FM/Ru/FM/バリア層/FM/PM/キャップ層
ここで、AF1およびAF2は、PtMn、IrMn、FeMnなどの反強磁性材料からなる。FMは、強磁性層、またはNiFe、CoFeB、CoFe、およびNiFeCoを含むがこれらに限定されるものではない多くの異なる可能な強磁性合金からなる多層を表すのに用いられる。バリア層は、スピン偏極トンネル効果と親和性のある、Al
2O
3またはMgOなどの任意の絶縁材料であってよい。スペーサは、通常、非磁性層であり、一般にはTa、RuまたはCuの薄層である。異なる反強磁性層、AF1およびAF2は、通常、AF2のブロッキング温度がAF1のブロッキング温度よりも低くなるように選択され、その結果、FM/Ru/FMピンニング層は、自由層上のFM2によって作られる交換バイアス磁界に直交する方向に設定することができる。
【0060】
磁場バイアス−本技法では、Fe、Co、Cr、およびPtの合金などの永久磁石材料を、センサ基板またはMTJスタックに設け、これを用いてMTJ素子の増幅特性曲線にバイアスをかける漂遊磁界を生じさせる。永久磁石バイアスの利点は、ブリッジ製造後、大きな磁場を用いて永久磁石を初期状態にすることができるという点である。さらなる、そして非常に重要な利点は、応答を安定化および線形化するために、バイアス磁界を用いてMTJまたはGMRセンサ素子からドメインを除去することができる点である。これらの利点は、後述する製造ばらつきの原因となる設計調整に、高い柔軟性を提供する。スタック内の設計には、以下の模式的な層化順序が可能である。
シード層/AF1/FM/Ru/FM/バリア層/FM/厚いスペーサ/PM/キャップ層。
【0061】
MTJまたはGMR素子の感度を設定するのに交差バイアス磁界を用いる場合は、交差バイアス磁界H
crossとH
sとの間に以下の関係がある:
【0063】
式中、K
sは自由層の形状異方性であり、M
sは自由層の飽和磁化である。したがって、感度は、以下のようにH
crossに逆依存する:
【0065】
H
crossを与える好ましい方法が
図7に示されている。ここで、磁気抵抗性センサ70は2つの磁石71の間に位置している。磁石は「間隙」72によって隔てられており、幅「W」73、厚さ「t」74、および長さ「Ly」75を有する。磁石は、ブリッジセンサの感知軸76に垂直な方向に交差バイアス磁界を与えるように設計されている。永久磁石は、大きな磁場を用いて初期状態にされ、その結果、その磁化77は、名目上はブリッジセンサの感知方向76に対して垂直である。結果として得られる磁石71のまわりの磁力線のパターンは、
図8の80に示されている。
【0066】
永久磁石からの磁界は、
図9の90および91に示されるような、磁化の境界条件の結果として永久磁石板の端に形成される仮想的な磁荷によると考えることができる。磁荷は、以下のように、永久磁石板の端の向き“qref”または“qsns”93に対する残留磁化“Mr”の大きさおよび向き“qmag”92に伴って変化する:
【0068】
この仮想的な磁荷は、以下の式にしたがって磁場を生じさせる。
【0070】
qmag=qrefまたはqref=π/2である場合、残留磁化Mrの関数であるMTJの中心における磁場は以下の通り与えられる。
【0072】
W73および間隙72の関数として、式16を
図10にてプロットし、永久磁石構造71の寸法を変更することによって参照アームおよびセンサアームの飽和磁界がお互いに対してどのように変化し得るかを示す。ここで例えば、センサアームおよび参照アームに同じMTJスタック、MTJ素子の寸法、および永久磁石膜を用いると、H
cross100および101で6.5倍の違いが得られ、その結果、参照レッグはセンサレッグよりも6.5倍高い磁界で飽和する。これは参照ブリッジにとって十分であり、適切に設計すれば10倍を越える違いを得るのは比較的容易である。
【0073】
図9はまた、対称性、オフセット、および感度に対するブリッジの応答を最適化するためにMTJ素子の増幅特性曲線をオフセットさせることに加えてMTJ素子の飽和値を設定することのいずれも行うために、感知方向に対する磁石の向きを用いてH
cross95およびオフセット磁界H
off96のいずれも生じさせることが可能であるということを示す。さらに、装置の製造後、Mrを感知方向に対する角度92に設定できることで、オフセットまたはASYMを最小化するために製造後の装置を微調整することができる。この機能を用いて、製造歩留まりを向上させることができる。
【0074】
MTJまたはGMR素子は、そのサイズが小さいので、感度を増加させ、1/Fノイズを減少させ、静電気放電に対する抵抗性を向上させるために、
図11に示されるように、共に一列に接続することができる。MTJ素子110は、下部電極111と上部電極112との間に挟まれており、電流113が、MTJ110と上部導電層および下部導電層からパターニングされた導体を交互に垂直に流れるように、互いに連結される。装置が、製造中のエッチバイアスの影響を受けにくくなるので、ブリッジの参照アームおよびセンサアームに同じサイズのMTJまたはGMR接合を維持することは有利である。それゆえ、このMTJまたはGMR素子列のさらなる利点は、ブリッジの参照アームとセンサアームとの間の最適な抵抗比を設定するために、各列の素子の数を変化させることが可能であることである。
【0075】
図12は、参照アームおよびセンサアームに異なる幅と間隔の傾斜永久磁石を用いて最適な参照フルブリッジセンサを製造する、例示的なダイの配置を示す。この設計において、MTJ素子列は、ブリッジの参照アーム領域122、123およびセンサアーム領域124、125において異なる角度で傾斜している永久磁石板の間に位置しており、最適化は、参照アームおよびセンサアームのいずれのオフセットもゼロにすること、および参照MTJ列およびセンサMTJ列のMTJ素子の相対数を調整する、あるいは参照列のみまたはセンサ列のみをオフセットさせることで達成され得る。
【0076】
参照アームおよびセンサアームは、電気的に直列に接続されている多数の磁気抵抗素子からなっているので、各アームの素子数によってアームの抵抗が決定され、その結果、参照アームまたはセンサアームの磁気抵抗素子の素子数が変更される場合は、オフセットが変化し得る。参照アームの磁気抵抗素子の数を用いて参照アームの抵抗を調整することができ、またセンサアームの磁気抵抗素子の数によってセンサアームの抵抗を制御するので、参照アームおよびセンサアームの素子数の比によって、抵抗比が決定される。式(4)から、参照アームに対するセンサアームのオフセットを以下のように設定することによって、ブリッジの応答を中央におき、比較的に対称にすることができるということを示すことができる。
【0078】
これは、q
refをπ/2に、q
snsをπ/4からπ/2の範囲に設定することで達成される。
【0079】
図13は、種々の永久磁石バイアス134、135と組み合わせて遮蔽131、132を用い、参照アームおよびセンサアームの異なる飽和磁界を設定する参照フルブリッジセンサ設計の別の実施態様を示す。参照アームにおいて狭い間隔で配置された磁石と組み合わされた遮蔽は、遮蔽または永久磁石バイアスのみを用いて達成することができるものよりも約10倍参照アームの感度を下げる。交換結合などの他の形態のバイアスを加えること、または形状異方性を用いることによって、参照アームおよびセンサアームの感度の差をさらに増大させることができる。本項に記載されている技術を用いると、設計調整に高い柔軟性が得られる。
【0082】
を生じるバイアス磁界との間の競合を利用することで、高感度センサを構築するのに用いることができる設計に別の可能な変形を施すためのダイの配置を示す。ここで、センサMTJまたはGMR素子141、142は、参照素子143、144に対して90度回転している。センサアーム領域の磁石は、感知軸に垂直な方向でセンサMTJまたはGMR素子を飽和させるように設計されている。したがって、感知方向145に沿って印加される磁界は、センサ素子の磁化を感知方向145に向けて比例的に傾ける。
【0083】
図15は、短径に沿って交差バイアスを印加された長径6nm、短径2nmの楕円型MTJまたはGMR素子の長軸に沿って測定された飽和磁界を示す。自由層の厚さ8nmおよび16nmに対して、2つの曲線151および152がプロットされている。設計が適切であれば、狭い磁界範囲で非常に高感度のリニアセンサを製造することが可能である。この種の設計は、e−コンパスなどの応用に有用である。
【0084】
本発明において、第1の実施形態は、空間的に交互配置され、電気的に互いに接続されてホイートストンブリッジを形成する2つの参照アームと2つの感知アームであって、各参照アームがMTJまたはGMR磁気抵抗参照素子を1つ以上含み、各感知アームがMTJまたはGMR磁気抵抗感知素子を1つ以上含み、前記感知素子が、増幅特性曲線の印加された磁場に線形依存する部分を利用する、2つの参照アームと2つの感知アームを含む単一チップ参照フルブリッジ磁場センサを提供し、磁場センサはさらに、前記感知素子および参照素子の近傍に位置する永久磁石群であって、前記永久磁石構造の向きおよび前記永久磁石の磁化を用いてセンサチップの応答を調整する永久磁石群、および該参照フルブリッジセンサチップをASICまたは半導体パッケージのリードフレームに電気的に接続するのに用いられるボンドパッド群を含む。
【0085】
好ましくは、前記参照フルブリッジ磁場センサチップの温度安定性および均一性を向上させるために、前記参照アームおよび感知アームが同じ製造工程を利用して同時に製造される。前記感知アームと参照アームとの間の抵抗比を設定してセンサの性能を調整することができるように、MTJまたはGMR磁気抵抗参照素子の数を変更することで各参照アームの抵抗が調整可能であり、前記MTJまたはGMR磁気抵抗感知素子の数を変更することで各感知アームの抵抗が調整可能である。磁場センサはさらに、前記参照アームを覆う導磁性の高い強磁性材料からなる磁気遮蔽を含み、その目的は参照アームの磁場を減少させることであって、それによりセンサブリッジの感度を増加させる。前記参照フルブリッジ磁場センサチップはさらに、前記感知素子の位置において磁場を増加させるために、前記MTJまたはGMR磁気抵抗感知素子の近傍に導磁性の高い強磁性材料を含み、それによりセンサの磁場感度を増加させる。
【0086】
本発明の第2の実施形態において、単一チップ参照フルブリッジ磁場センサは、空間的に交互配置され、電気的に互いに接続されてホイートストンブリッジを形成する2つの参照アームと2つの感知アームであって、各参照アームがMTJまたはGMR磁気抵抗参照素子を1つ以上含み、各感知アームがMTJまたはGMR磁気抵抗感知素子を1つ以上含み、前記感知素子が、増幅特性曲線の印加された磁場に線形依存する部分を利用し、前記MTJまたはGMR磁気抵抗参照素子が前記MTJまたはGMR磁気抵抗感知素子よりも薄くて長い、2つの参照アームと2つの感知アーム、および該参照フルブリッジセンサチップをASICまたは半導体パッケージのリードフレームに電気的に接続するのに用いられるボンドパッド群を含む。
【0087】
好ましくは、前記参照フルブリッジ磁場センサチップの温度安定性および均一性を向上させるために、前記参照アームおよび感知アームが同じ製造工程を利用して同時に製造される。感知アームと参照アームとの間の抵抗比を設定してセンサの性能を調整することができるようにMTJまたはGMR磁気抵抗参照素子の数を変更することで各参照アームの抵抗が調整可能であり、前記MTJまたはGMR磁気抵抗感知素子の数を変更することで各感知アームの抵抗が調整可能である。前記参照アームが導磁性の高い強磁性材料からなる磁気遮蔽によって覆われており、その目的は参照素子近くの磁場を減少させ、それによりブリッジセンサの感度を増加させることである。磁場センサはさらに前記感知素子の位置において磁場を増加させるために、前記MTJまたはGMR磁気抵抗感知素子の近傍に導磁性の高い強磁性材料をさらに含み、磁場センサの感度をさらに増加させる。
【0088】
本発明の第3の実施態様は、空間的に交互配置され、電気的に互いに接続されてホイートストンブリッジを形成する2つの参照アームと2つの感知アームであって、各参照アームがMTJまたはGMR磁気抵抗参照素子を1つ以上含み、各感知アームがMTJまたはGMR磁気抵抗感知素子を1つ以上含み、前記感知素子が、増幅特性曲線の印加された磁場に線形依存する部分を利用し、前記参照アームが導磁性の高い強磁性材料からなる磁気遮蔽によって覆われている、2つの参照アームと2つの感知アーム、および該参照フルブリッジセンサチップをASICまたは半導体パッケージのリードフレームに電気的に接続するのに用いられるボンドパッド群を含む、単一チップ参照フルブリッジ磁場センサである。
【0089】
好ましくは、感知アームと参照アームとの間の抵抗比を設定してセンサの性能を調整することができるように、MTJまたはGMR磁気抵抗参照素子の数を変更することで各参照アームの抵抗が調整可能であり、前記MTJまたはGMR磁気抵抗感知素子の数を変更することで各感知アームの抵抗が調整可能である。磁場センサはさらに、前記感知素子の位置において磁場を増加させるために、前記MTJまたはGMR磁気抵抗感知素子の近傍に導磁性の高い強磁性材料を含み、それによりセンサの磁場感度を増加させる。
【0090】
本発明の第4の可能な実施態様は、空間的に交互配置され、電気的に互いに接続されてホイートストンブリッジを形成する2つの参照アームと2つの感知アームであって、各参照アームがMTJまたはGMR磁気抵抗参照素子を1つ以上含み、各感知アームがMTJまたはGMR磁気抵抗感知素子を1つ以上含み、前記感知素子が、増幅特性曲線の印加された磁場に線形依存する部分を利用する、2つの参照アームと2つの感知アーム、前記参照アームの自由層の上または下に設けられる反強磁性層または永久磁石層であって、前記反強磁性層からの交換結合または前記永久磁石層からの漂遊磁界結合を用いて前記参照アームに磁気的にバイアスをかける反強磁性層または永久磁石層、および該参照フルブリッジセンサチップをASICまたは半導体パッケージのリードフレームに電気的に接続するのに用いられるボンドパッド群を含む、単一チップ参照フルブリッジ磁場センサである。
【0091】
好ましくは、前記MTJまたはGMR磁気抵抗参照素子が、前記MTJまたはGMR磁気抵抗感知素子よりも薄くて長い。前記参照アームが導磁性の高い強磁性材料からなる磁気遮蔽によって覆われており、その目的は参照素子近くの磁場を減少させ、それによりブリッジセンサの感度を増加させることである。磁場センサはさらに、前記感知素子の位置において磁場を増加させるために、前記MTJまたはGMR磁気抵抗感知素子の近傍に導磁性の高い強磁性材料を含み、磁場センサの感度をさらに増加させる。
【0092】
本発明の第5の可能な実施態様は、空間的に交互配置され、電気的に互いに接続されてホイートストンブリッジを形成する2つの参照アームと2つの感知アームであって、各参照アームがMTJまたはGMR磁気抵抗参照素子を1つ以上含み、各感知アームがMTJまたはGMR磁気抵抗感知素子を1つ以上含み、前記感知素子が、増幅特性曲線の印加された磁場に線形依存する部分を利用する、2つの参照アームと2つの感知アーム、前記参照アームの自由層の上または下に設けられる反強磁性層または永久磁石層であって、前記反強磁性層からの交換結合または前記永久磁石層からの漂遊磁界結合を用いて前記参照アームに磁気的にバイアスをかけ、前記MTJまたはGMR磁気抵抗参照素子が、前記MTJまたはGMR磁気抵抗感知素子よりも薄くて長い反強磁性層または永久磁石層、および該参照フルブリッジセンサチップをASICまたは半導体パッケージのリードフレームに電気的に接続するのに用いられるボンドパッド群を含む、単一チップ参照フルブリッジ磁場センサである。
【0093】
好ましくは、磁場センサはさらに、導磁性の高い強磁性材料からなる磁気遮蔽によって覆われている前記参照アームを含み、その目的は参照素子近くの磁場を減少させ、それによりブリッジセンサの感度を増加させることである。磁場センサはさらに、前記感知素子の位置において磁場を増加させるために、前記MTJまたはGMR磁気抵抗感知素子の近傍に導磁性の高い強磁性材料を含み、磁場センサの感度をさらに増加させる。
【0094】
本発明の第6の可能な実施態様は、空間的に交互配置され、電気的に互いに接続されてホイートストンブリッジを形成する2つの参照アームと2つの感知アームであって、各参照アームがMTJまたはGMR磁気抵抗参照素子を1つ以上含み、各感知アームがMTJまたはGMR磁気抵抗感知素子を1つ以上含み、前記感知素子が、増幅特性曲線の印加された磁場に線形依存する部分を利用する、2つの参照アームおよび2つの感知アーム、前記参照アームの自由層の上または下に設けられる反強磁性層または永久磁石層であって、前記反強磁性層からの交換結合または前記永久磁石層からの漂遊磁界結合を用いて前記参照アームに磁気的にバイアスをかけ、前記参照アームが導磁性の高い強磁性材料からなる磁気遮蔽によって覆われる、反強磁性層または永久磁石層、および該参照フルブリッジセンサチップをASICまたは半導体パッケージのリードフレームに電気的に接続するのに用いられるボンドパッド群を含む、単一チップ参照フルブリッジ磁場センサである。
【0095】
好ましくは、磁場センサはさらに、前記感知素子の位置において磁場を増加させるために、前記MTJまたはGMR磁気抵抗感知素子の近傍に導磁性の高い強磁性材料を含み、さらに磁場センサの感度を増加させる。
【0096】
本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、提案される本発明に対して様々な改変がなされることは当業者にとって明らかであろう。さらに、改変および変形が添付の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内にある場合、本発明は、本発明の改変および変形を含むことが意図される。