【課題を解決するための手段】
【0021】
これらの目的の少なくとも1つは、少なくとも部分的に、特許請求の範囲に係る装置および方法により達成される。
【0022】
本発明の一般的な局面
本発明の一般的な局面における方法は、少なくとも1つの光電子モジュールを含む装置を製造する方法であって、基板ウエハと称される第1のウエハと、光学ウエハと称される第2のウエハとを含むウエハスタックを作るステップ(c)を含み、前述の基板ウエハには、数多くの能動光学部品が搭載され、前述の光学ウエハは、数多くの受動光学部品を含み、前述の光電子モジュールの各々は、前述の能動光学部品のうち少なくとも1つの能動光学部品と前述の受動光学部品のうち少なくとも1つの受動光学部品とを含む。
【0023】
このようなウエハレベルの製造は、非常に少ない数の製造ステップのみを必要とする。さらに、達成可能な配列(特に横方向の配列)の精度は非常に高い。また、達成可能な工程の安定性も高い。このような方法は、大量生産に非常に適している。
【0024】
また、パッケージ化された光電子モジュールを提供することができ、組立体に使用される前にさらなるパッケージングをする必要がなくなる。すべての必要なハウジング部は、既にウエハレベルで存在しているため、すべてのハウジング部を含むパッケージ化された光電子パッケージは、分割するステップ(下記のステップ(d)参照)を実施することにより、容易に得られる。
【0025】
装置は、たとえば光電子モジュールであってもよく、ウエハスタックであってもよい。装置は、光電子モジュールを含む装置、たとえばスマートフォン、または写真カメラまたはビデオカメラなどの写真装置のような光電子モジュールを含む電子装置であってもよい。
【0026】
少なくとも装置は光電子モジュールである場合または1つまたは2つの光電子モジュールを含んでいる場合、方法は、典型的に、ウエハスタックを数多くの光電子モジュールに分割するステップ(d)を含む。分割(ダイシング)は、たとえば、鋸(ダイシング鋸またはウエハ鋸)またはパンチカッターなどの機械工具、またはレーザによって達成することができる。
【0027】
通常、既にウエハレベルでおよび各光電子モジュールにおける能動光学部品の各々は、すでに受動光学部品のうち少なくとも1つの受動光学部品に割当てられている。
【0028】
能動光学部品は、パッケージ化された部品であってもよく、ベアチップの形すなわちパッケージ化されていない形で使用されてもよい。後者の場合、通常、より小さな光電子モジュールを製造することができるようになる。
【0029】
光学ウエハの製造および/または基板ウエハの製造において、複製を使用することができ、光電子モジュールの効率的製造に貢献する。
【0030】
本発明の一般的な局面の一実施形態において、本方法は、基板ウエハを提供するステップ(a)および/または光学ウエハを提供するステップ(b)を含む。
【0031】
一般的な局面の前述した実施形態の1つ以上と併用できる本発明の一般的な局面の一実施形態において、方法は、ピックアンドプレースによって能動光学部品を第1ウエハに配置するステップ(e)を含む。
【0032】
このステップは、たとえば、ピックアンドプレース機を用いて達成することができる。ピックアンドプレースは、ウエハレベルで適切に実施することのできる速い処理であり、高配置精度を提供する。
【0033】
本発明の一般的な局面において、光電子モジュールは、基板部材と、光学部材と、前述の基板部材に搭載されている少なくとも1つの能動光学部品と、光学部材に含まれている少なくとも1つの受動光学部品とを含み、光学部材は、基板部材に直接または間接的に固定されている。
【0034】
特定の実施形態において、光電子モジュールの縦方向のシルエットの外側境界(すなわち、光電子モジュールにより画定した外側の境界が横平面に投影した形状)は、実質的に長方形の形状を有する。これにより、製造性を増強することができる(上述した分割ステップ(d)も参照)。
【0035】
本発明は、本発明に係る方法に付随する特徴を有する光電子モジュールを含み、またその逆、本発明は、本発明に係る光電子モジュールに付随する特徴を有する方法を含む。
【0036】
光電子モジュールの利点は、基本的に方法に付随する利点に対応し、またその逆、これらの方法の利点は、基本的に、光電子モジュールに付随する利点に対応する。
【0037】
本発明の一般的な局面において、電化製品は、本発明に係る光電子モジュールを数多く備える。電化製品は、基板ウエハと称される第1のウエハと、光学ウエハと称される第2のウエハとを含む。基板ウエハは、数多くの基板部材を含み、光学ウエハは、数多くの光学部材を含む。
【0038】
本発明の一般的な局面において、電子装置は、印刷回路板(PCB)と、印刷回路板に搭載された本発明の光電子モジュールとを含む。このような電子装置は、たとえば、スマートフォンなどの携帯通信装置であってもよく、写真カメラのような写真装置であってもよい。
【0039】
本発明の一般的な局面は、以下に説明する本発明のいくつかのより具体的な局面と組合わせることができる。
【0040】
発明の第1の局面
本発明の第1の局面において、能動光学部品は、発光素子である。より具体的には、これらの電気光学部品は、少なくとも一般的に可視光および/または赤外光を出射する発光部材、たとえば発光ダイオード(LED)、レーザ、有機LED(OLED)である。特に、光電子モジュールの各々は、ちょうど1つの発光部材を含む。
【0041】
本発明の第1の局面において、第1のウエハは、通常、他の種類の能動光学部品を有しなく発光部材を有するように提供される。したがって、通常、光電子モジュールには、他の種類の能動光学部品が含まれず、含まれたのは、発光部材である。
【0042】
たとえば、光電子モジュールは、フラッシュモジュールであり、すなわち、コンパクト写真カメラ、またはスマートフォンや携帯通信装置などの携帯通信装置に設けられた写真撮影時に使用される閃光を出射する部材である。したがって、製造された装置は、前述したもののような電子装置であってもよい。光電子モジュールがフラッシュモジュールである場合には、発光部材は、通常、現代の写真カメラやスマートフォンに使用されるLEDなどのような、高強度短パルス発光体である。特に、「高輝度LED」と呼ばれるLEDを使用することができる。
【0043】
本発明の第1の局面において、受動光学素子はレンズ部材含むまたは通常のレンズ部材である。多くの用途において、ちょうど1つのレンズ部材は、光電子モジュールの各々に設けられている。1つのレンズは、たとえば、回折レンズであろうか、または屈折レンズであろうか、または回折および屈折レンズであろうかにかかわらず、各光電子モジュールに含まれ、通常高強度短パルス発光体のような1つの発光部材とともに割当てられる。レンズ部材は少なくとも1つのレンズ素子を含む。レンズ部材は、2つ以上の透明部から構成されることが可能である。
【0044】
発明の第2の局面
本発明の第2の局面において、光学ウエハと光学部材とはそれぞれ、少なくとも特定の波長範囲に対して少なくとも実質的に不透明であって、不透明部または遮光部と称される少なくとも1つの部分と、少なくとも前述の特定の波長範囲に対して少なくとも実質的に透明であって、透明部と称される少なくとも1つの他の部分とを含む。なお、波長範囲という用語は、波長範囲が連続しているとは意味していない。通常、この特定の波長範囲は、数多くの能動光学部品の少なくとも一部にとって特徴的であり、特に数多くの能動光学部品のすべてにとって特徴的である。たとえば、光学検出器が能動光学部品となる場合、前述した特定の波長範囲は、検出器またはその一部によって検出可能な光の波長範囲であり、発光素子が能動光学部品となる場合、特定の波長範囲は、発光部材またはその一部によって発光可能の波長範囲である。本願において、「透明」または「不透明」に言及する場合、このような波長範囲を参照する。
【0045】
遮光部は、1つ以上の透明部を保持(固定)するとともに、たとえば絞りとして機能することおよび/または光が好ましくない経路に沿って光電子モジュールから射出することまたは光電子モジュールに進入することを回避することによって、好ましくない光の伝播を阻害する。遮光部が光電子モジュールのハウジングの一部を形成するとき、特に後者として機能する。
【0046】
光学部材が1つの遮光部と1つの透明部とを含むまたはそれらからなるであれば、十分である。しかしながら、光学ウエハは通常、数多くの透明部を含む。典型的には、1つの透明部は、各受動光学部品と関連付けられるが、遮光部は1つであれば十分である。よって、光学ウエハは1つの遮光部と数多くの透明部とを含めばまたはそれらからなるであればよい。
【0047】
指定された透明性と不透明性とがそれぞれ、透光部と遮光部とをそれぞれ形成する材料に起因するであればよい。
【0048】
具体的には、遮光部は、実質的に1つの材料、たとえば硬化された硬化性エポキシ樹脂のようなポリマー材料から作製することができる。特に、遮光部の製造に適した材料は、たとえば加熱または紫外線などの光照射によって熱硬化することのできる硬化性材料である。遮光部の性質が不透明であるため、多くの場合において、加熱は照射よりも適している。
【0049】
遮光部は、たとえば複製によって、特にエンボス加工を用いて作製することができる。したがって、大量生産に適した安定な製造工程を提供するという点で非常に効率的である。エンボス加工を使用する例示的な複製工程において、構造化表面を液状粘性のまたは塑性変形可能な材料(複製材料)に入れてエンボス加工し、次いで、その材料をたとえば紫外線照射または加熱による熱硬化により硬化させ、その後、構造化表面を取外す。したがって、構造化表面のレプリカ(この場合、負のレプリカである)が得られる。複製に適した材料は、たとえば、エポキシ樹脂のような硬化性(より具体的には熱硬化性)のあるポリマー材料、または他の複製材料であり、すなわち硬化ステップ(より具体的には熱硬化ステップ)において液状の粘性または塑性変形可能な状態から固体状態に形質転換可能な材料である。複製は既知の技術であり、さらなる詳細は、WO2005/083789A2を参照する。
【0050】
(光学ウエハのおよび光学部材の)遮光部は一体部品、特に複製によって形成された単位的部品として具現化されるであればよい。この場合、製造工程を簡略化するという点で非常に効率的である。
【0051】
光学ウエハも光電子モジュールも、各透明部が横方向に遮光部によって囲まれるように設計されることができる。
【0052】
光学ウエハの透明部および光学部材の透明部のそれぞれは通常、1つまたはいくつかの受動光学部品を含み、通常は1つである。
【0053】
また、複製ステップは、透明部の製造に特に受動光学部品の製造に含まれてもよい。それに応じて、透明部は、少なくとも部分的に、硬化された硬化性材料から、特に硬化された熱硬化性材料、たとえばエポキシ樹脂などの高分子材料から作ることができる。
【0054】
装置の製造、特にウエハスタックの製造または光電子モジュールの製造は、光学ウエハを製造するステップ(d)を含んでもよい。ステップ(d)は、実質的に不透明材料からなり、適所に透明部が位置すると想定されている開口を有するウエハ前駆体を提供するステップ(d1)と、各々の開口において受動光学部品のうち少なくとも1つの受動光学部品、通常はちょうど1つの受動光学部品を作製するステップ(d5)とを含んでもよい。
【0055】
前述のように、「透明」および「不透明」という用語は、上記特定の波長範囲を参照する。
【0056】
ステップ(d1)およびステップ(d5)は、光学ウエハを製造する特に効率的な方法に貢献することができる。
【0057】
ウエハ前駆体は、少なくとも1つの遮光部を含むことができる。ウエハ前駆体の製造にはさまざまな方法がある。上述したように、ウエハ前駆体の製造方法の1つは、たとえば複製を使用する。この方法は非常に効率的である。複製の間に硬化ステップたとえば熱硬化ステップを行うとき、遮光部の不透明材料の不透明性が多くの場合に放射線硬化を達成するために使用される放射線に対して非透過性になるため、このステップはむしろ加熱により行われる。
【0058】
複製の代わりに、ドリルまたはエッチングにより開口を作成する方法がある。ウエハ前駆体の製造に成形法を使用する場合、成形またはデュロプラスチック射出成形は、さまざまな用途に特に適した方法である。
【0059】
透明部特に受動光学部品を製造するのには、少なくとも2つの方法がある。すなわちステップ(d5)を実施することである。
【0060】
たとえばレンズなどの受動光学部品がウエハ前駆体の開口に配置されるように、たとえば複製により、透明部または少なくとも受動光学部品を単位的部品として製造することができる。複製によってウエハの開口においてレンズを作製する方法は、たとえば米国特許2011/043923A1に開示されている。
【0061】
または、透明部または少なくとも受動光学部品を少なくとも2つの部分からなる部品として製造することができる。特に興味深いのは、まず、ウエハ前駆体の開口の各々に1つずつ設けられた透明素子を含む半完成品を製造する。透明素子の各々は、少なくともほぼ平坦な2つの対向面を有する。この2つの対向面は、実質的に縦方向に垂直である。
【0062】
したがって、その場合において、ステップ(d)は、透明材料で開口を少なくとも部分的に充填するステップ(d2)を含む。
【0063】
典型的に、ステップ(d2)を行なう間に、透明材料は液状または粘性である。ステップ(d2)に続いて、透明材料を硬化させるステップ(d3)が行なわれる。特に、硬化は、熱硬化を含む。
【0064】
ステップ(d2)は、ディスペンサを用いて行うことができる。ディスペンサを用いることによって、1つまたはいくつかの開口が一度に充填されることができる。ディスペンサの代わりに、たとえばスクリーン印刷工程に使用されるようなスキージ工程を使用してもよい。
【0065】
一般的に、このようにして得られた半完成品は、ウエハを貫通する穴を持たない(または少なくとも透明部がある領域にウエハを貫通する穴がない)ウエハである。ウエハ前駆体の形状、より具体的には(縦断面で可視の)縦方向における波形状または突起の形状に応じて、受動光学部品の形成を実行する前に、前述のようにして得られたウエハに研磨ステップを適用することは、可能でありかつ有用である。
【0066】
ステップ(d2)およびステップ(d3)が行われる場合には、ステップ(d5)は、数多くの透明素子の各々の上面に少なくとも1つの光学構造を作ることによって数多くの受動光学部品を製造するステップ(d55)を含んでもよい。
【0067】
通常、少なくとも1つの光学構造は、光を影響するため、具体的には光を導くため、より具体的には光の方向を変えるために設けられる。たとえば、このような光学構造はレンズ素子であるかまたはレンズ素子を含み得るが、内部全反射(TIR)を利用するプリズム、ミラーおよび光学構造も設けられてもよい。
【0068】
ステップ(d55)は、たとえば複製を使用して、たとえばエンボス加工を使用して、たとえば上記でより詳細に記載された遮光部を作るための方法で、実施されてもよい。
【0069】
理解されるように、本発明の第2の局面は、本発明の第1の局面と組合わせることができる。これにより、たとえば、出射された光が所望の経路のみに沿って光電子モジュールから離れるように支援される。
【0070】
本発明の第3の局面
基板ウエハは、(少なくとも能動光学部品が搭載されている領域において)不透明であってもよい。本発明の第3の局面において、能動光学部品はそれぞれ、光学活性表面を有し、基板ウエハは、少なくとも部分的に透明であり、能動光学部品は、それぞれの光学活性表面が基板ウエハが透明である場所で基板ウエハに面するように、基板ウエハ上に搭載されている。「部分的に透明」という用語は、上述特定の波長範囲を参照する。光学活性表面は、能動光学部品の表面の一部を指し、そこから光が能動光学部品に進入して能動光学部品により検出され、またはそこから光が能動光学部品によって出射される。後者の場合に、光電子モジュールは、LEDなどの発光体である。前者の場合に、光電子モジュールは、フォトダイオードなどの検出器である。
【0071】
このようなウエハは、たとえば、ガラス板または透明高分子材料の板などの透明板であってもよい。一部の用途では、基板全体が透明ではなくその一部が透明である場合、有用であり得る。このことは、光をより正確に導くためおよび好ましくない光の伝播を抑制するために、たとえば、特定の光錐を生成するためまたは予め定められた入射方向のみからの光を検出するために、有用であり得る。たとえば、基板ウエハは、上記で本発明の第2の局面において説明した光学ウエハと同様に実現することができる。第2の局面において光学ウエハまたはその製造に関して説明したものはすべて、第3の局面の基板ウエハに適用することができる。しかしながら、基板ウエハが受動光学部品を含むことは、(必須ではなく)任意である。上述したものと同様に、基板ウエハは、たとえばウエハ前駆体であってもよい。能動光学部品の光学活性表面が割当てられた基板ウエハにおける穴または開口が透明部とし、これらの穴または開口を囲む不透明部が能動光学部品から出射されたまたは能動光学部品により検出可能な光を遮断する。また、上述したものと同様に、基板は、たとえば半完成品であってもよい。能動光学部品の光学活性表面が割当てられた基板ウエハにおける透明素子が透明部とし、穴または開口を囲む不透明部が能動光学部品から出射されたまたは能動光学部品により検出可能な光を遮断する。
【0072】
基板ウエハは、印刷回路板(PCB)または印刷回路板組立体(PCBA)として具現化されてもよい。これは、本発明の第3の局面と第4の局面(下記参照)の組合わせであろう。PCBまたはPCBAには、たとえば、ドリルでたとえば穴をあけてもよい。これらの穴は、能動光学部品の光学活性表面が割当てられた透明部とする。能動光学部品の電気接点とPCBの電気接点との間には、電気接続を設けてもよい。このような電気接続は同時に、PCBに能動光学部品を固定する機械的接続として機能することができる。この場合、能動光学部品を基板ウエハに固定することに寄与する更なる設備は必要であるだろう。PCBを実質的に作る(金属を無視する)印刷回路板(PCB)材料は、たとえば、剛性または可撓性のPCB材料、繊維強化または非繊維強化材料であってもよく、FR4またはポリイミドなどのエポキシ系材料であってもよい。
【0073】
能動光学素子は、ピックアンドプレースによって、たとえばエレクトロニクス産業において知られているピックアンドプレース機を用いて、基板ウエハ上に配置することができる。
【0074】
たとえば接着によって、特に熱硬化性および/またはUV硬化性接着剤を用いて、能動光学部品を基板ウエハに接合することにより、能動光学部品を基板ウエハに固定することができる。能動光学部品を基板ウエハに接続する電気接続は必要ではなく任意である。たとえば、能動光学部品は基板ウエハに電気的に接続されていない場合に、能動光学部品の電気接点は製造された光電子モジュールの電気接点として使用されてもよく、または、たとえば、別の(追加のまたは第2の)基板ウエハは、能動光学部品を電気的に接触させるために設けられてもよい。
【0075】
後者の場合、追加の(第2の)基板ウエハは、製造される光電子モジュールの電気接点とすることができる。なお、場合によっては、たとえば、追加(第2の)基板ウエハへの電気接続が半田付けによって達成される場合、適切な固定によって達成可能な第1の基板ウエハへの能動光学部品の(横方向の)位置決め精度は、固定によって達成可能な第2の基板ウエハへの精度により、はるかに優れることができる。この場合、通常、第1の基板ウエハへの固定を作成した後(または少なくとも前ではなく)、第2基板ウエハへの電気接続を作成する。
【0076】
追加の(第2の)基板ウエハは、たとえばPCBまたはPCBAであってもよい。たとえば、受動光学部品の設置面積が製造される光電子モジュールに要求された面積よりも小さい場合、追加の基板ウエハは、設置面積を広げるために使用され、光電子モジュールに要求された設置面積を提供することができる。
【0077】
本発明の第3の局面において光電子モジュールの電気接点に関する詳細およびその応用を見出すことが可能な能動光学部品を電気的に接触させる実現性の詳細は、本発明の第4の局面とともに、以下で説明される。
【0078】
理解されるように、本発明の第3の局面は、本発明の第1および/または第2の局面と組合わせることができる。
【0079】
上記でウエハを一般的に説明してきたが、同様または類似の考えが、光電子モジュールの対応する部材におよび説明したウエハを用いて作製された光電子モジュールに適用することは、容易に理解される。また、このことは、以下の内容にも適用される。
【0080】
発明の第4の局面
本発明の第4の局面において、能動光学部品と基板ウエハとの間には、電気接続が存在する。よって、基板ウエハを用いて能動光学部品の電気接続を配線し直すことは、できるようになる。基板ウエハは、たとえばPCBまたはPCBAであってもよい。通常、基板ウエハは、主に不透明材料から作れる。本発明の第3の局面とともに、たとえば基板ウエハに設けられた穴または開口の形で、基板ウエハに透明部を設けることができる。
【0081】
特に能動光学部品がパッケージ化された部品として提供される場合に、能動光学部品と基板ウエハとの間の電気接続は、たとえばスルーホール実装または表面実装技術(SMT)によって達成することができる。しかしながら、特に能動光学部品がベアチップとして提供される場合に、能動光学部品と基板ウエハとの間の電気接続は、たとえばワイヤボンディングまたはフリップチップ技術または導電性接着剤、もしくはこれらのうち2種以上の組合わせを用いて達成することができる。たとえば、導電性接着剤を用いてベアチップの非発光側を基板ウエハに電気的および機械的に接続し、ワイヤボンディングによってベアチップの反対側(発光側)と基板ウエハとの間に電気接続を作成する。
【0082】
本発明の他の局面にも同様に、光電子モジュールの電気接点は、たとえば付属の半田ボールを有するまたは有しない接触パッド、またはリードフレーム接触の形で提供されてもよい。本発明の他の局面に存在する場合も同様に、基板ウエハの電気接点は、たとえば接触パッドまたは貫通孔の形で提供されてもよい。
【0083】
一般に、本発明の第4の局面は、上記の本発明の第1および/または第2および/または第3の局面と組合わせることができる。(第3の局面の可能な実施形態である)完全に透明な基板ウエハと第4の局面との組合わせに関して、留意すべきことは、電気接点を達成するために、たとえばITO(酸化インジウムスズ)、ZnO(酸化亜鉛)またはSnO
2(酸化スズ)などの透明導電性酸化物を透明材料として提供することが可能であることである。
【0084】
本発明の第4と第3の局面との組合わせにおいて、既に本発明の第3の局面とともに上記で説明したように、2つの基板ウエハを設けてもよい。具体的には、まず能動光学部品を第3の局面に係る基板(透明であるかまたは透明部を有する)の上面に配置して(機械的に)固定し、その結果、第4の局面に係る基板への電気接続を達成することができる。しかしながら、その順序を逆にすることも可能である。すなわち、まず能動光学部品を第4の局面に係る基板の上面に配置して、能動光学部品と基板との間に電気接続を構築し、その後、能動光学部品を(少なくとも部分的に透明な)第2の基板に(機械的に)固定する。さらに、能動光学部品を基板のいずれか1つの上面に配置し、たとえば加熱により、たとえば(第3の局面に係る基板への機械的接続を形成するために)接合材料を熱硬化させるとともに半田ペーストを溶融させまたは(第4の局面に係る基板への電気接続を形成するために)導電性接着剤を硬化させることによって、両方の接続(一方の基板ウエハへの電気接続および他方の基板ウエハへの機械的接続)を実質的に同時に構築することも可能である。
【0085】
能動光学部品が2つの基板ウエハに接続されている実施形態おいて、たとえば前述したように、能動光学部品は通常、2つの基板ウエハの間に配置される。すなわち、能動光学部品が単に機械的に固定される一方の基板ウエハは、能動光学部品の活性表面が通常面する能動光学部品の一方側に配置され、(能動光学部品が電気的に接続されている)他方の基板は、(前述の一方側と反対し、能動光学部品の活性表面が面している)能動光学部品の他方側に配置される。
【0086】
より一般的には、(本発明の第3の局面に係る)一方の基板ウエハへの(機械)固定は、省略することができ、よって、対応するウエハスタックにおいて、能動光学部品は、前述した一方の基板ウエハと第4の局面に係る基板ウエハとの間に配置され、後者に電気的に接続される。この電気接続は、通常各基板ウエハへの機械的接続も提供する。また、この電気接続は、たとえば能動光学部品を本発明の第4の局面に係る基板に接合する付加的な機械的固定によって、補われてもよい。
【0087】
発明の第5の局面
本発明の第5の局面において、基板ウエハと光学ウエハとの間に特定の(通常予め定義されたともいう)距離を確保手段が提供される。一般的には、能動および受動光学部品の正確な縦方向の配置は、高品質の光電子モジュールを製造するために重要である。(なお、横方向の整列も重要であるが、本特許出願において提案されているように、これは通常、ウエハスケールで製造するときに熟達することができる)。より具体的には、これらの手段は、不透明材料から実質的に作られることによって少なくとも部分的に不透明にすることができる。このような不透明材料は、特に高分子材料および/または硬化した硬化性材料、たとえばエポキシ硬化性樹脂などの硬化性材料にすることができる。これにより、本発明の第2の局面に関連して説明した少なくとも1つの遮光部を有する光学ウエハと同様に、好ましくない方向における光の伝播を抑制することができる。
【0088】
さらに、前述した手段は、製造される光電子モジュールのハウジングの一部を構成してもよい。よって、光電子モジュールの製造を大幅に向上させおよび/または簡略化させることができる。この場合、前述した手段に(少なくとも部分的な)不透明性を与えると、特に有用であり得る。
【0089】
このような手段を提供する方法は、少なくとも3つがある。第1の方法として、これらの手段は、スペーサウエハと呼ばれるウエハの形で提供される。スペーサウエハは、基板ウエハまたは光学ウエハとは同一ではない。このようなスペーサウエハは、たとえばエポキシ樹脂などの熱硬化された熱硬化性材料のような硬化された硬化性材料から実質的に作ることができる。このようなスペーサウエハは、複製を用いて製造することができる。第2の方法として、これらの手段は、光学ウエハの一部を構成する。これにより、製造ステップ数を最小限にすることができる。その理由は、光学ウエハとスペーサウエハとが同一部品であるのように、たとえば光学ウエハの少なくとも一部とスペーサウエハの少なくとも一部(通常、スペーサウエハの全体)とが単位的部品を形成するためである。第3の方法として、これらの手段は、基板ウエハの一部を構成する。これにより、製造ステップ数を最小限にすることもできる。その理由は、基板ウエハとスペーサウエハとが同一部品であるのように、たとえば基板ウエハの少なくとも一部とスペーサウエハの少なくとも一部(通常、スペーサウエハの全体)とが単位的部品を形成するためである。光学ウエハまたは基板ウエハと同一ではないスペーサウエハが提供された場合、言うまでもなくそのスペーサウエハは、製造された光電子モジュールの(外側)ハウジングに寄与する上記の実現性および好ましくない光の伝播を遮断することなどのさらなる機能を果たすことができる。
【0090】
光学ウエハまたは基板ウエハの製造中に、有用であり得るかつ製造ステップを節約することのできる複製が使用される。複製によって、たとえば単位的部品を製造することができる。この単位的部品は、たとえば熱硬化した不透明な複製材料で作られており、光学ウエハまたは基板ウエハの少なくとも1つの遮光部(不透明部)を構成し、さらに能動光学部品と受動光学部品との間の距離(通常は縦距離)を規定するための手段を構成する。
【0091】
発明の第6の局面
本発明の第6の局面は、少なくとも1つの光電子モジュールを含む装置を製造する際、より詳細には光電子モジュールを製造する際の製造ステップ順に係る。推奨は、まず、光学ウエハと、受動光学部品と能動光学部品との間に特定の縦距離を確保するための手段とを提供する。これらの手段またはこれらの手段の少なくとも一部は、光学ウエハに含まれてもよくまたは別個の部品特に単位的部品としてもよく、および/または、これらの手段は、2つ以上の部分から構成される。このウエハが設けられたときのみ、または光学ウエハおよび前述の手段が少なくとも少なくとも2つの別個の部品を含む場合、対応する2つ以上のウエハが互いに対して設けられ、固定される場合、能動光学部品は、前述の手段に取付けられまたは前述の手段に搭載される。通常、たとえばピックアンドプレース工程を用いて個別に、またはウエハ毎に、すなわち、多くの能動光学部品が実装されたウエハを取付けることにより、能動光学部品を前述の手段に取付けまたは前述の手段に搭載する。
【0092】
したがって、受動光学部品に対して能動光学部品の整列精度を特に高くすることができる。
【0093】
この第6の局面は、本発明の第1〜第5の局面のうちの1つ以上の局面と組合わせることができる。
【0094】
たとえば、フラッシュモジュールのような発光光電子モジュール(本発明の第1の局面参照)は、光学ウエハを含むように製造される。この光学ウエハは部分的に不透明(本発明の第2の局面参照)であってもよい。実質的に不透明であり得るスペーサウエハ(本発明の第5の局面参照)が用意され、この光学ウエハに取付けられる。または、この光学ウエハ自身はスペーサウエハのように機能する突起を備えている。
【0095】
その後、能動光学部品が(通常電気的ではなく機械的に)取付けられる。取付けは、ピックアンドプレースによって能動光学部品を光学ウエハに配置することにより、スペーサウエハが層在する場合スペーサウエハに配置することにより、達成することができる。または、別のウエハ、すなわち能動光学部品が配置されている基板ウエハを光学ウエハにまたはスペーサウエハに取付けることにより、能動光学部品を取付ける。この場合、能動光学部品は、その追加のウエハ(基板ウエハ)に予め搭載または取付けられている。
【0096】
また、能動光学部品を取付けるための別の実現は、別のウエハ、すなわち基板ウエハを光学ウエハに、スペーサウエハが層在する場合スペーサウエハに、能動光学部品を取付け、次に、能動光学部品を基板ウエハ上に搭載することにより達成される。他のウエハに基板ウエハを取付けるステップと基板ウエハに能動光学部品を取付けるステップとは、たとえば(たとえばリフロー炉で)加熱により、実質的に1つの処理ステップとして同時に行うことも可能である。加熱は、たとえば接着剤および/または半田などの接合材を硬化または熱硬化させる。
【0097】
基板ウエハを取付ける時系列および能動光学部品を基板ウエハに取付ける時系列にかかわらず、基板ウエハを完全にまたは部分的に透明にすることができ(本発明の第3の局面参照)、たとえばPCBまたはPCBAである基板(本発明の第4の局面参照)との電気接続を能動光学部品に与えることができ、または、能動光学部品と基板ウエハの間に電気接続を設けずにすることもできる。特に後者の場合、能動光学部品の電気接点は、同時に光電子モジュールの電気接点として機能してもよい。
【0098】
したがって、本発明の第6の局面は、以下の方法を提供することができる:
本発明の一般的な局面に係る方法であって、ウエハスタックは、能動光学部品と受動光学
部品との間特定の距離を確保するための手段を含み、
前述の手段が光学ウエハに含まれる場合、この方法は、
光学ウエハを提供するステップ(f)を含み、光学ウエハは、能動光学部品と受動光学部品との間に特定の距離を確保するための縦突起を前述の手段として備え、
能動光学部品をウエハスタックに取付けるステップ(h)を含み、ステップ(h)は、前記ステップ(f)が実行される前に実行されず、
前述の手段が光学ウエハに含まれない場合、この方法は、
光学ウエハを提供するステップ(g1)と、
能動光学部品と受動光学部品との間に特定の距離を確保するための少なくとも1つのスペーサウエハを前述の手段として提供するステップ(g2)と、
能動光学部品をウエハスタックに取付けるステップ(h′)とを含み、
ステップ(
h′)は、ステップ(g1)とステップ(g2)とが実行される前に実行されない。
【0099】
さらなる実施形態および利点は、従属請求項および図面から明らかになる。