特許第6247633号(P6247633)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6247633
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】光電子モジュールおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/48 20100101AFI20171204BHJP
   H01L 31/0232 20140101ALI20171204BHJP
   H01L 25/04 20140101ALI20171204BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
   H01L33/48
   H01L31/02 D
   H01L25/04 Z
【請求項の数】28
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2014-524232(P2014-524232)
(86)(22)【出願日】2012年8月2日
(65)【公表番号】特表2014-524663(P2014-524663A)
(43)【公表日】2014年9月22日
(86)【国際出願番号】CH2012000178
(87)【国際公開番号】WO2013020238
(87)【国際公開日】20130214
【審査請求日】2015年7月16日
(31)【優先権主張番号】61/521,818
(32)【優先日】2011年8月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512195902
【氏名又は名称】ヘプタゴン・マイクロ・オプティクス・プライベート・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HEPTAGON MICRO OPTICS PTE. LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラドマン,ハルトムート
(72)【発明者】
【氏名】バルジェ,ミシェル
【審査官】 村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】 実開平03−016168(JP,U)
【文献】 特開2011−059691(JP,A)
【文献】 特表2011−507219(JP,A)
【文献】 特表2007−524243(JP,A)
【文献】 特開2009−212171(JP,A)
【文献】 特開2007−134645(JP,A)
【文献】 特表2011−508253(JP,A)
【文献】 特開2000−025270(JP,A)
【文献】 特開平08−234071(JP,A)
【文献】 特開平06−328778(JP,A)
【文献】 特開平06−326828(JP,A)
【文献】 特開平03−033770(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0032409(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの光電子モジュールを含む装置を製造する方法であって、
基板ウエハと称される第1のウエハと、光学ウエハと称される第2のウエハとを含むウエハスタックを作るステップ(c)を含み、
前記光学ウエハは、少なくとも特定の波長範囲に対して少なくとも実質的に不透明であって、遮光部と称される少なくとも1つの部分と、少なくとも前記特定の波長範囲に対して少なくとも実質的に透明であって、透明部と称される少なくとも1つの他の部分とを含み、
各透明部は、少なくとも1つの前記遮光部によって横方向に囲まれ、
前記基板ウエハには、数多くの能動光学部品が搭載され、前記光学ウエハは、数多くの受動光学部品を含み、
前記光電子モジュールの各々は、前記能動光学部品のうち少なくとも1つの能動光学部品と前記受動光学部品のうち少なくとも1つの受動光学部品とを含み、
前記方法は、前記光学ウエハを製造するステップをさらに含み、
前記光学ウエハを製造するステップは、
実質的に不透明材料からなり、前記透明部が位置すると想定されている位置に開口を有するウエハ前駆体を提供するステップと、
前記開口に透明素子を作るステップとを含み、前記透明素子を作るステップは、透明材料で開口を少なくとも部分的に充填することと、透明材料を硬化させるステップこととを含み、前記光学ウエハを製造する方法はさらに、
前記透明素子の各々の上面に少なくとも1つの光学構造を作ることによって前記数多くの受動光学部品を製造するステップを含む、方法。
【請求項2】
前記方法は、ピックアンドプレースによって前記能動光学部品を前記基板ウエハに配置するステップ(e)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ウエハスタックは、前記能動光学部品と前記受動光学部品との間に特定の距離を確保するための手段を含み、
前記手段が前記光学ウエハに含まれる場合、前記方法は、
前記能動光学部品を前記ウエハスタックに取付けるステップ(h)を含み、前記ステップ(h)は、前記光学ウエハが提供される前に実行されず、前記光学ウエハは、前記能動光学部品と前記受動光学部品との間に前記特定の距離を確保するための縦突起を前記手段として含み、
前記手段が前記光学ウエハに含まれていない場合、前記方法は、
前記光学ウエハを提供するステップ(g1)と、
前記能動光学部品と前記受動光学部品との間に前記特定の距離を確保するための少なくとも1つのスペーサウエハを前記手段として提供するステップ(g2)と、
前記能動光学部品を前記ウエハスタックに取付けるステップ(h′)とを含み、
前記ステップ(h′)は、前記ステップ(g1)と前記ステップ(g2)とが実行される前に実行されない、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記能動光学部品は、発光素子であり、
前記光電子モジュールの各々は、前記発光素子のうちちょうど1つを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記基板ウエハは、少なくとも特定の波長範囲に対して実質的に全体が透明であるか、または少なくとも特定の波長範囲に対して透明である1つ以上の部分を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、前記能動光学部品の各々と前記基板ウエハとの間に電気接続を構築するステップ(j)を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記基板ウエハは、印刷回路板または印刷回路板組立体である、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記ウエハスタックは、前記能動光学部品と前記受動光学部品との間に特定の距離を確保するための手段を含み、
前記手段は、前記光学ウエハまたは前記基板ウエハに含まれ、または前記光学ウエハおよび前記基板ウエハから独立してあり、
前記手段は、少なくとも部分的に、少なくとも特定の波長範囲に対して少なくとも実質的に不透明である材料から実質的に形成されている、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記能動光学部品は、ベアチップとして提供される、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、前記ウエハスタックを数多くの前記光電子モジュールに分割するステップ(d)を含み、前記各光電子モジュールは、前記受動光学部品のうち少なくとも1つの受動光学部品と、前記受動光学部品と縦方向で光学的に整列されている前記能動光学部品のうち少なくとも1つの能動光学部品とを含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
複製を用いて前記光学ウエハの少なくとも一部を製造するステップ(k)を含む、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
複製を用いて前記受動光学部品を製造するステップ(l)を含む、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記受動光学部品の各々は、前記能動光学部品のうち少なくとも1つの能動光学部品と
関連付けられる、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
光電子モジュールであって、
基板部材と、
光学部材と、
前記基板部材に搭載されている少なくとも1つの能動光学部品と、
前記光学部材に含まれている少なくとも1つの受動光学部品とを含み、
前記光学部材は、前記基板部材に直接または間接的に固定され、
前記光学部材は、少なくとも特定の波長範囲に対して少なくとも実質的に不透明であって、遮光部と称される少なくとも1つの部分と、少なくとも前記特定の波長範囲に対して少なくとも実質的に透明であって、透明部と称される少なくとも1つの他の部分とを含み、
前記透明部は、少なくとも1つの前記遮光部によって横方向に囲まれており、
前記遮光部は少なくとも1つの開口を含み、各々の前記透明部は、少なくとも部分的に各々の開口に充填され、2つの平行表面を含む、硬化された透明材料の透明素子を含み、
各々の受動光学素子は、前記平行表面のうちの1つの上に配置された少なくとも1つの光学構造を含む透明素子を備える、光電子モジュール。
【請求項15】
前記光電子モジュールの縦方向のシルエットの外側境界と、前記光学ウエハの縦方向のシルエットの外側境界と、前記基板ウエハの縦方向のシルエットの外側境界とは、それぞれ実質的に長方形の形状を有する、請求項14に記載のモジュール。
【請求項16】
前記少なくとも1つの能動光学部品は、ちょうど1つの発光素子である、請求項14または15に記載のモジュール。
【請求項17】
前記基板部材は、少なくとも特定の波長範囲に対して実質的に全体が透明であり、または少なくとも特定の波長範囲に対して透明である1つ以上の部分を含む、請求項14から16のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項18】
前記モジュールは、前記少なくても1つの能動光学部品と前記基板部材との間に少なくとも1つの電気接続を含む、請求項14から17のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項19】
前記基板部材は、印刷回路板または印刷回路板組立体である、請求項14から18のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項20】
前記モジュールは、前記少なくとも1つの能動光学部品と前記少なくとも1つの受動光学部品との間に特定の距離を確保するための手段を含み、
前記手段は、前記光学部材または前記基板部材に含まれ、または前記光学部材および前記基板部材から独立してあり、
前記手段は、少なくとも部分的に、少なくとも特定の波長範囲に対して少なくとも実質的に不透明である材料から実質的に形成されている、請求項14から19のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項21】
前記少なくとも1つの能動光学部品は、少なくとも1つのベアチップである、請求項14から20のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項22】
前記基板部材は、前記能動光学部品から前記基板部材を横断する少なくとも1つの電気接続を提供する、請求項14から21のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項23】
前記基板部材の横方向の寸法と、前記光学部材の横方向の寸法とは、実質的に同一である、請求項14から22のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項24】
前記光学部材は、前記基板部材とほぼ平行に整列されている、請求項14から23のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項25】
前記基板部材と前記光学部材とは、少なくとも1つの穴を含み得る、概ねブロックまたは板状の形状を有する、請求項14から24のいずれか1項に記載のモジュール。
【請求項26】
請求項14から25のいずれか1項に記載の光電子モジュールを数多く含む電化製品であって、
前記電化製品は、基板ウエハと称される第1のウエハと、光学ウエハと称される第2のウエハとを含み、
前記基板ウエハは、数多くの基板部材を含み、
前記光学ウエハは、数多くの光学部材を含む、電化製品。
【請求項27】
印刷回路板と、前記印刷回路板に搭載され、請求項14から26のいずれか1項に記載の光電子モジュールとを含む電子装置。
【請求項28】
前記電子装置は、携帯通信装置、または写真装置である、請求項27に記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電子分野、より詳しくは光電子部品のパッケージングおよび製造に関する。より具体的には、本発明は、光電子モジュールおよびその製造方法と、このような光電子モジュール、特に発光体を備える光電子モジュールを含む電化製品および電子装置に関する。本発明は、特許請求の範囲のオープンクローズ表現に基づく方法および装置に関する。
【0002】
用語の定義
「能動光学部品」:たとえば、フォトダイオード、イメージセンサ、LED、OLED、レーザチップなどのような光検知素子または発光素子である。
【0003】
「受動光学部品」:レンズ、プリズムおよびミラーなどのような、屈折および/または回折および/または反射によって光の方向を変える光学素子、またはこのような光学素子の集合であり、さらに開口絞り、画像スクリーン、ホルダーなどのような機械要素を含み得る光学系である。
【0004】
「光電子モジュール」:少なくとも1つの能動光学部品と少なくとも1つの受動光学部品とを含む部品である。
【0005】
「複製」:たとえば、エッチング、エンボス加工、インプリンティング、鋳造、成形などのような、指定された構造またはそのネガ構造を模写する技術である。
【0006】
「ウエハ」:実質的に円盤状または板状に形成され、一方向(z方向、または縦方向)における延長が、他の2つの方向(x方向およびy方向、または横方向)の延長より小さい要素である。通常、(空白でない)ウエハには、複数の類似する構造または要素が概ね長方形のグリッド状に配置されまたはその内部に設けられる。ウエハは開口または穴を有してもよく、ウエハはさらにその横方向領域の主要部分に材料を含まなくてもよい。多くの文脈では、ウエハは一般的に半導体材料から形成されていると理解されるが、本特許出願においてこれに明示的に限定されない。したがって、ウエハは一般的に半導体材料、高分子材料、金属およびポリマーまたはポリマーおよびガラス材料を含む複合材料などから作ることができる。特に、熱またはUV硬化性ポリマーなどの硬化性材料が本発明に関連する興味深いウエハ材料である。
【0007】
「横方向」:「ウエハ」を参照する。
「縦方向」:「ウエハ」を参照する。
【0008】
「光線」:最も一般的には電磁放射、より具体的には電磁スペクトルを有する赤外線、可視光または紫外線の電磁放射である。
【背景技術】
【0009】
光電子モジュールを製造する既知の方法によれば、単一のパッケージ化された能動光学部品が単一の受動能動光学部品に対して配置および整列され、互いに対して固定される。
【0010】
米国特許5912872は、光源と、光源に隣接して搭載された検出器とを有する光学的に透明な基板を含む集積光学装置を開示している。基板は、光源から遠く離れているターゲットまでの伝送通路内に設けられた光学素子を含む。この光学素子は、光線を1つ以上の光ビームに分割する。検出器は、ターゲットから反射された光ビームを受光する。1つ以上の光ビームを生成し、ターゲットに1つ以上の光ビームを導き、および検出器にターゲットからの1つ以上の光ビームを検出器に導くために必要なすべての光学素子は、基板上および/またはこの基板に接合された任意の構造上に設けられる。ウエハレベルで集積光学装置を製造する方法が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明1つの目的は、光電子モジュールを製造する別の方法を提供することである。より具体的には、光電子モジュールを製造する特に高速な方法および/または光電子モジュールを製造する特に簡単な方法を提供する。さらに、個別の光電子モジュール、このような光電子モジュールを含む電子装置、およびこのような光電子モジュールを数多く含む電化製品を提供する。
【0012】
本発明の別の目的は、特に良好な製造性を有する光電子モジュールおよび対応の製造方法を提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、特に少ない製造ステップ数で製造可能な光電子モジュールおよび対応の製造方法を提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、特に安定した製造工程である光電子モジュールの製造方法を提供することである。
【0015】
本発明の別の目的は、大量生産に特に適する光電子モジュールの製造方法を提供することである。
【0016】
本発明の別の目的は、改善された作業、特に簡単化した作業を含む光電子モジュールの製造方法を提供することである。
【0017】
本発明の別の目的は、特に正確な整列を有する光電子モジュールおよび対応の製造方法を提供することである。
【0018】
本発明の別の目的は、特に小さな寸法の光電子モジュールを提供することである。
本発明の別の目的は、モジュールから好ましくない光の出射および/またはモジュールへ好ましくない光の進入に対して十分保護されている光電子モジュールを提供することである。
【0019】
本発明の別の目的は、少なくとも1つの光電子モジュールを含み、特に小型の電子機器を提供することである。
【0020】
さらなる目的は、以下の説明および実施形態から明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0021】
これらの目的の少なくとも1つは、少なくとも部分的に、特許請求の範囲に係る装置および方法により達成される。
【0022】
本発明の一般的な局面
本発明の一般的な局面における方法は、少なくとも1つの光電子モジュールを含む装置を製造する方法であって、基板ウエハと称される第1のウエハと、光学ウエハと称される第2のウエハとを含むウエハスタックを作るステップ(c)を含み、前述の基板ウエハには、数多くの能動光学部品が搭載され、前述の光学ウエハは、数多くの受動光学部品を含み、前述の光電子モジュールの各々は、前述の能動光学部品のうち少なくとも1つの能動光学部品と前述の受動光学部品のうち少なくとも1つの受動光学部品とを含む。
【0023】
このようなウエハレベルの製造は、非常に少ない数の製造ステップのみを必要とする。さらに、達成可能な配列(特に横方向の配列)の精度は非常に高い。また、達成可能な工程の安定性も高い。このような方法は、大量生産に非常に適している。
【0024】
また、パッケージ化された光電子モジュールを提供することができ、組立体に使用される前にさらなるパッケージングをする必要がなくなる。すべての必要なハウジング部は、既にウエハレベルで存在しているため、すべてのハウジング部を含むパッケージ化された光電子パッケージは、分割するステップ(下記のステップ(d)参照)を実施することにより、容易に得られる。
【0025】
装置は、たとえば光電子モジュールであってもよく、ウエハスタックであってもよい。装置は、光電子モジュールを含む装置、たとえばスマートフォン、または写真カメラまたはビデオカメラなどの写真装置のような光電子モジュールを含む電子装置であってもよい。
【0026】
少なくとも装置は光電子モジュールである場合または1つまたは2つの光電子モジュールを含んでいる場合、方法は、典型的に、ウエハスタックを数多くの光電子モジュールに分割するステップ(d)を含む。分割(ダイシング)は、たとえば、鋸(ダイシング鋸またはウエハ鋸)またはパンチカッターなどの機械工具、またはレーザによって達成することができる。
【0027】
通常、既にウエハレベルでおよび各光電子モジュールにおける能動光学部品の各々は、すでに受動光学部品のうち少なくとも1つの受動光学部品に割当てられている。
【0028】
能動光学部品は、パッケージ化された部品であってもよく、ベアチップの形すなわちパッケージ化されていない形で使用されてもよい。後者の場合、通常、より小さな光電子モジュールを製造することができるようになる。
【0029】
光学ウエハの製造および/または基板ウエハの製造において、複製を使用することができ、光電子モジュールの効率的製造に貢献する。
【0030】
本発明の一般的な局面の一実施形態において、本方法は、基板ウエハを提供するステップ(a)および/または光学ウエハを提供するステップ(b)を含む。
【0031】
一般的な局面の前述した実施形態の1つ以上と併用できる本発明の一般的な局面の一実施形態において、方法は、ピックアンドプレースによって能動光学部品を第1ウエハに配置するステップ(e)を含む。
【0032】
このステップは、たとえば、ピックアンドプレース機を用いて達成することができる。ピックアンドプレースは、ウエハレベルで適切に実施することのできる速い処理であり、高配置精度を提供する。
【0033】
本発明の一般的な局面において、光電子モジュールは、基板部材と、光学部材と、前述の基板部材に搭載されている少なくとも1つの能動光学部品と、光学部材に含まれている少なくとも1つの受動光学部品とを含み、光学部材は、基板部材に直接または間接的に固定されている。
【0034】
特定の実施形態において、光電子モジュールの縦方向のシルエットの外側境界(すなわち、光電子モジュールにより画定した外側の境界が横平面に投影した形状)は、実質的に長方形の形状を有する。これにより、製造性を増強することができる(上述した分割ステップ(d)も参照)。
【0035】
本発明は、本発明に係る方法に付随する特徴を有する光電子モジュールを含み、またその逆、本発明は、本発明に係る光電子モジュールに付随する特徴を有する方法を含む。
【0036】
光電子モジュールの利点は、基本的に方法に付随する利点に対応し、またその逆、これらの方法の利点は、基本的に、光電子モジュールに付随する利点に対応する。
【0037】
本発明の一般的な局面において、電化製品は、本発明に係る光電子モジュールを数多く備える。電化製品は、基板ウエハと称される第1のウエハと、光学ウエハと称される第2のウエハとを含む。基板ウエハは、数多くの基板部材を含み、光学ウエハは、数多くの光学部材を含む。
【0038】
本発明の一般的な局面において、電子装置は、印刷回路板(PCB)と、印刷回路板に搭載された本発明の光電子モジュールとを含む。このような電子装置は、たとえば、スマートフォンなどの携帯通信装置であってもよく、写真カメラのような写真装置であってもよい。
【0039】
本発明の一般的な局面は、以下に説明する本発明のいくつかのより具体的な局面と組合わせることができる。
【0040】
発明の第1の局面
本発明の第1の局面において、能動光学部品は、発光素子である。より具体的には、これらの電気光学部品は、少なくとも一般的に可視光および/または赤外光を出射する発光部材、たとえば発光ダイオード(LED)、レーザ、有機LED(OLED)である。特に、光電子モジュールの各々は、ちょうど1つの発光部材を含む。
【0041】
本発明の第1の局面において、第1のウエハは、通常、他の種類の能動光学部品を有しなく発光部材を有するように提供される。したがって、通常、光電子モジュールには、他の種類の能動光学部品が含まれず、含まれたのは、発光部材である。
【0042】
たとえば、光電子モジュールは、フラッシュモジュールであり、すなわち、コンパクト写真カメラ、またはスマートフォンや携帯通信装置などの携帯通信装置に設けられた写真撮影時に使用される閃光を出射する部材である。したがって、製造された装置は、前述したもののような電子装置であってもよい。光電子モジュールがフラッシュモジュールである場合には、発光部材は、通常、現代の写真カメラやスマートフォンに使用されるLEDなどのような、高強度短パルス発光体である。特に、「高輝度LED」と呼ばれるLEDを使用することができる。
【0043】
本発明の第1の局面において、受動光学素子はレンズ部材含むまたは通常のレンズ部材である。多くの用途において、ちょうど1つのレンズ部材は、光電子モジュールの各々に設けられている。1つのレンズは、たとえば、回折レンズであろうか、または屈折レンズであろうか、または回折および屈折レンズであろうかにかかわらず、各光電子モジュールに含まれ、通常高強度短パルス発光体のような1つの発光部材とともに割当てられる。レンズ部材は少なくとも1つのレンズ素子を含む。レンズ部材は、2つ以上の透明部から構成されることが可能である。
【0044】
発明の第2の局面
本発明の第2の局面において、光学ウエハと光学部材とはそれぞれ、少なくとも特定の波長範囲に対して少なくとも実質的に不透明であって、不透明部または遮光部と称される少なくとも1つの部分と、少なくとも前述の特定の波長範囲に対して少なくとも実質的に透明であって、透明部と称される少なくとも1つの他の部分とを含む。なお、波長範囲という用語は、波長範囲が連続しているとは意味していない。通常、この特定の波長範囲は、数多くの能動光学部品の少なくとも一部にとって特徴的であり、特に数多くの能動光学部品のすべてにとって特徴的である。たとえば、光学検出器が能動光学部品となる場合、前述した特定の波長範囲は、検出器またはその一部によって検出可能な光の波長範囲であり、発光素子が能動光学部品となる場合、特定の波長範囲は、発光部材またはその一部によって発光可能の波長範囲である。本願において、「透明」または「不透明」に言及する場合、このような波長範囲を参照する。
【0045】
遮光部は、1つ以上の透明部を保持(固定)するとともに、たとえば絞りとして機能することおよび/または光が好ましくない経路に沿って光電子モジュールから射出することまたは光電子モジュールに進入することを回避することによって、好ましくない光の伝播を阻害する。遮光部が光電子モジュールのハウジングの一部を形成するとき、特に後者として機能する。
【0046】
光学部材が1つの遮光部と1つの透明部とを含むまたはそれらからなるであれば、十分である。しかしながら、光学ウエハは通常、数多くの透明部を含む。典型的には、1つの透明部は、各受動光学部品と関連付けられるが、遮光部は1つであれば十分である。よって、光学ウエハは1つの遮光部と数多くの透明部とを含めばまたはそれらからなるであればよい。
【0047】
指定された透明性と不透明性とがそれぞれ、透光部と遮光部とをそれぞれ形成する材料に起因するであればよい。
【0048】
具体的には、遮光部は、実質的に1つの材料、たとえば硬化された硬化性エポキシ樹脂のようなポリマー材料から作製することができる。特に、遮光部の製造に適した材料は、たとえば加熱または紫外線などの光照射によって熱硬化することのできる硬化性材料である。遮光部の性質が不透明であるため、多くの場合において、加熱は照射よりも適している。
【0049】
遮光部は、たとえば複製によって、特にエンボス加工を用いて作製することができる。したがって、大量生産に適した安定な製造工程を提供するという点で非常に効率的である。エンボス加工を使用する例示的な複製工程において、構造化表面を液状粘性のまたは塑性変形可能な材料(複製材料)に入れてエンボス加工し、次いで、その材料をたとえば紫外線照射または加熱による熱硬化により硬化させ、その後、構造化表面を取外す。したがって、構造化表面のレプリカ(この場合、負のレプリカである)が得られる。複製に適した材料は、たとえば、エポキシ樹脂のような硬化性(より具体的には熱硬化性)のあるポリマー材料、または他の複製材料であり、すなわち硬化ステップ(より具体的には熱硬化ステップ)において液状の粘性または塑性変形可能な状態から固体状態に形質転換可能な材料である。複製は既知の技術であり、さらなる詳細は、WO2005/083789A2を参照する。
【0050】
(光学ウエハのおよび光学部材の)遮光部は一体部品、特に複製によって形成された単位的部品として具現化されるであればよい。この場合、製造工程を簡略化するという点で非常に効率的である。
【0051】
光学ウエハも光電子モジュールも、各透明部が横方向に遮光部によって囲まれるように設計されることができる。
【0052】
光学ウエハの透明部および光学部材の透明部のそれぞれは通常、1つまたはいくつかの受動光学部品を含み、通常は1つである。
【0053】
また、複製ステップは、透明部の製造に特に受動光学部品の製造に含まれてもよい。それに応じて、透明部は、少なくとも部分的に、硬化された硬化性材料から、特に硬化された熱硬化性材料、たとえばエポキシ樹脂などの高分子材料から作ることができる。
【0054】
装置の製造、特にウエハスタックの製造または光電子モジュールの製造は、光学ウエハを製造するステップ(d)を含んでもよい。ステップ(d)は、実質的に不透明材料からなり、適所に透明部が位置すると想定されている開口を有するウエハ前駆体を提供するステップ(d1)と、各々の開口において受動光学部品のうち少なくとも1つの受動光学部品、通常はちょうど1つの受動光学部品を作製するステップ(d5)とを含んでもよい。
【0055】
前述のように、「透明」および「不透明」という用語は、上記特定の波長範囲を参照する。
【0056】
ステップ(d1)およびステップ(d5)は、光学ウエハを製造する特に効率的な方法に貢献することができる。
【0057】
ウエハ前駆体は、少なくとも1つの遮光部を含むことができる。ウエハ前駆体の製造にはさまざまな方法がある。上述したように、ウエハ前駆体の製造方法の1つは、たとえば複製を使用する。この方法は非常に効率的である。複製の間に硬化ステップたとえば熱硬化ステップを行うとき、遮光部の不透明材料の不透明性が多くの場合に放射線硬化を達成するために使用される放射線に対して非透過性になるため、このステップはむしろ加熱により行われる。
【0058】
複製の代わりに、ドリルまたはエッチングにより開口を作成する方法がある。ウエハ前駆体の製造に成形法を使用する場合、成形またはデュロプラスチック射出成形は、さまざまな用途に特に適した方法である。
【0059】
透明部特に受動光学部品を製造するのには、少なくとも2つの方法がある。すなわちステップ(d5)を実施することである。
【0060】
たとえばレンズなどの受動光学部品がウエハ前駆体の開口に配置されるように、たとえば複製により、透明部または少なくとも受動光学部品を単位的部品として製造することができる。複製によってウエハの開口においてレンズを作製する方法は、たとえば米国特許2011/043923A1に開示されている。
【0061】
または、透明部または少なくとも受動光学部品を少なくとも2つの部分からなる部品として製造することができる。特に興味深いのは、まず、ウエハ前駆体の開口の各々に1つずつ設けられた透明素子を含む半完成品を製造する。透明素子の各々は、少なくともほぼ平坦な2つの対向面を有する。この2つの対向面は、実質的に縦方向に垂直である。
【0062】
したがって、その場合において、ステップ(d)は、透明材料で開口を少なくとも部分的に充填するステップ(d2)を含む。
【0063】
典型的に、ステップ(d2)を行なう間に、透明材料は液状または粘性である。ステップ(d2)に続いて、透明材料を硬化させるステップ(d3)が行なわれる。特に、硬化は、熱硬化を含む。
【0064】
ステップ(d2)は、ディスペンサを用いて行うことができる。ディスペンサを用いることによって、1つまたはいくつかの開口が一度に充填されることができる。ディスペンサの代わりに、たとえばスクリーン印刷工程に使用されるようなスキージ工程を使用してもよい。
【0065】
一般的に、このようにして得られた半完成品は、ウエハを貫通する穴を持たない(または少なくとも透明部がある領域にウエハを貫通する穴がない)ウエハである。ウエハ前駆体の形状、より具体的には(縦断面で可視の)縦方向における波形状または突起の形状に応じて、受動光学部品の形成を実行する前に、前述のようにして得られたウエハに研磨ステップを適用することは、可能でありかつ有用である。
【0066】
ステップ(d2)およびステップ(d3)が行われる場合には、ステップ(d5)は、数多くの透明素子の各々の上面に少なくとも1つの光学構造を作ることによって数多くの受動光学部品を製造するステップ(d55)を含んでもよい。
【0067】
通常、少なくとも1つの光学構造は、光を影響するため、具体的には光を導くため、より具体的には光の方向を変えるために設けられる。たとえば、このような光学構造はレンズ素子であるかまたはレンズ素子を含み得るが、内部全反射(TIR)を利用するプリズム、ミラーおよび光学構造も設けられてもよい。
【0068】
ステップ(d55)は、たとえば複製を使用して、たとえばエンボス加工を使用して、たとえば上記でより詳細に記載された遮光部を作るための方法で、実施されてもよい。
【0069】
理解されるように、本発明の第2の局面は、本発明の第1の局面と組合わせることができる。これにより、たとえば、出射された光が所望の経路のみに沿って光電子モジュールから離れるように支援される。
【0070】
本発明の第3の局面
基板ウエハは、(少なくとも能動光学部品が搭載されている領域において)不透明であってもよい。本発明の第3の局面において、能動光学部品はそれぞれ、光学活性表面を有し、基板ウエハは、少なくとも部分的に透明であり、能動光学部品は、それぞれの光学活性表面が基板ウエハが透明である場所で基板ウエハに面するように、基板ウエハ上に搭載されている。「部分的に透明」という用語は、上述特定の波長範囲を参照する。光学活性表面は、能動光学部品の表面の一部を指し、そこから光が能動光学部品に進入して能動光学部品により検出され、またはそこから光が能動光学部品によって出射される。後者の場合に、光電子モジュールは、LEDなどの発光体である。前者の場合に、光電子モジュールは、フォトダイオードなどの検出器である。
【0071】
このようなウエハは、たとえば、ガラス板または透明高分子材料の板などの透明板であってもよい。一部の用途では、基板全体が透明ではなくその一部が透明である場合、有用であり得る。このことは、光をより正確に導くためおよび好ましくない光の伝播を抑制するために、たとえば、特定の光錐を生成するためまたは予め定められた入射方向のみからの光を検出するために、有用であり得る。たとえば、基板ウエハは、上記で本発明の第2の局面において説明した光学ウエハと同様に実現することができる。第2の局面において光学ウエハまたはその製造に関して説明したものはすべて、第3の局面の基板ウエハに適用することができる。しかしながら、基板ウエハが受動光学部品を含むことは、(必須ではなく)任意である。上述したものと同様に、基板ウエハは、たとえばウエハ前駆体であってもよい。能動光学部品の光学活性表面が割当てられた基板ウエハにおける穴または開口が透明部とし、これらの穴または開口を囲む不透明部が能動光学部品から出射されたまたは能動光学部品により検出可能な光を遮断する。また、上述したものと同様に、基板は、たとえば半完成品であってもよい。能動光学部品の光学活性表面が割当てられた基板ウエハにおける透明素子が透明部とし、穴または開口を囲む不透明部が能動光学部品から出射されたまたは能動光学部品により検出可能な光を遮断する。
【0072】
基板ウエハは、印刷回路板(PCB)または印刷回路板組立体(PCBA)として具現化されてもよい。これは、本発明の第3の局面と第4の局面(下記参照)の組合わせであろう。PCBまたはPCBAには、たとえば、ドリルでたとえば穴をあけてもよい。これらの穴は、能動光学部品の光学活性表面が割当てられた透明部とする。能動光学部品の電気接点とPCBの電気接点との間には、電気接続を設けてもよい。このような電気接続は同時に、PCBに能動光学部品を固定する機械的接続として機能することができる。この場合、能動光学部品を基板ウエハに固定することに寄与する更なる設備は必要であるだろう。PCBを実質的に作る(金属を無視する)印刷回路板(PCB)材料は、たとえば、剛性または可撓性のPCB材料、繊維強化または非繊維強化材料であってもよく、FR4またはポリイミドなどのエポキシ系材料であってもよい。
【0073】
能動光学素子は、ピックアンドプレースによって、たとえばエレクトロニクス産業において知られているピックアンドプレース機を用いて、基板ウエハ上に配置することができる。
【0074】
たとえば接着によって、特に熱硬化性および/またはUV硬化性接着剤を用いて、能動光学部品を基板ウエハに接合することにより、能動光学部品を基板ウエハに固定することができる。能動光学部品を基板ウエハに接続する電気接続は必要ではなく任意である。たとえば、能動光学部品は基板ウエハに電気的に接続されていない場合に、能動光学部品の電気接点は製造された光電子モジュールの電気接点として使用されてもよく、または、たとえば、別の(追加のまたは第2の)基板ウエハは、能動光学部品を電気的に接触させるために設けられてもよい。
【0075】
後者の場合、追加の(第2の)基板ウエハは、製造される光電子モジュールの電気接点とすることができる。なお、場合によっては、たとえば、追加(第2の)基板ウエハへの電気接続が半田付けによって達成される場合、適切な固定によって達成可能な第1の基板ウエハへの能動光学部品の(横方向の)位置決め精度は、固定によって達成可能な第2の基板ウエハへの精度により、はるかに優れることができる。この場合、通常、第1の基板ウエハへの固定を作成した後(または少なくとも前ではなく)、第2基板ウエハへの電気接続を作成する。
【0076】
追加の(第2の)基板ウエハは、たとえばPCBまたはPCBAであってもよい。たとえば、受動光学部品の設置面積が製造される光電子モジュールに要求された面積よりも小さい場合、追加の基板ウエハは、設置面積を広げるために使用され、光電子モジュールに要求された設置面積を提供することができる。
【0077】
本発明の第3の局面において光電子モジュールの電気接点に関する詳細およびその応用を見出すことが可能な能動光学部品を電気的に接触させる実現性の詳細は、本発明の第4の局面とともに、以下で説明される。
【0078】
理解されるように、本発明の第3の局面は、本発明の第1および/または第2の局面と組合わせることができる。
【0079】
上記でウエハを一般的に説明してきたが、同様または類似の考えが、光電子モジュールの対応する部材におよび説明したウエハを用いて作製された光電子モジュールに適用することは、容易に理解される。また、このことは、以下の内容にも適用される。
【0080】
発明の第4の局面
本発明の第4の局面において、能動光学部品と基板ウエハとの間には、電気接続が存在する。よって、基板ウエハを用いて能動光学部品の電気接続を配線し直すことは、できるようになる。基板ウエハは、たとえばPCBまたはPCBAであってもよい。通常、基板ウエハは、主に不透明材料から作れる。本発明の第3の局面とともに、たとえば基板ウエハに設けられた穴または開口の形で、基板ウエハに透明部を設けることができる。
【0081】
特に能動光学部品がパッケージ化された部品として提供される場合に、能動光学部品と基板ウエハとの間の電気接続は、たとえばスルーホール実装または表面実装技術(SMT)によって達成することができる。しかしながら、特に能動光学部品がベアチップとして提供される場合に、能動光学部品と基板ウエハとの間の電気接続は、たとえばワイヤボンディングまたはフリップチップ技術または導電性接着剤、もしくはこれらのうち2種以上の組合わせを用いて達成することができる。たとえば、導電性接着剤を用いてベアチップの非発光側を基板ウエハに電気的および機械的に接続し、ワイヤボンディングによってベアチップの反対側(発光側)と基板ウエハとの間に電気接続を作成する。
【0082】
本発明の他の局面にも同様に、光電子モジュールの電気接点は、たとえば付属の半田ボールを有するまたは有しない接触パッド、またはリードフレーム接触の形で提供されてもよい。本発明の他の局面に存在する場合も同様に、基板ウエハの電気接点は、たとえば接触パッドまたは貫通孔の形で提供されてもよい。
【0083】
一般に、本発明の第4の局面は、上記の本発明の第1および/または第2および/または第3の局面と組合わせることができる。(第3の局面の可能な実施形態である)完全に透明な基板ウエハと第4の局面との組合わせに関して、留意すべきことは、電気接点を達成するために、たとえばITO(酸化インジウムスズ)、ZnO(酸化亜鉛)またはSnO(酸化スズ)などの透明導電性酸化物を透明材料として提供することが可能であることである。
【0084】
本発明の第4と第3の局面との組合わせにおいて、既に本発明の第3の局面とともに上記で説明したように、2つの基板ウエハを設けてもよい。具体的には、まず能動光学部品を第3の局面に係る基板(透明であるかまたは透明部を有する)の上面に配置して(機械的に)固定し、その結果、第4の局面に係る基板への電気接続を達成することができる。しかしながら、その順序を逆にすることも可能である。すなわち、まず能動光学部品を第4の局面に係る基板の上面に配置して、能動光学部品と基板との間に電気接続を構築し、その後、能動光学部品を(少なくとも部分的に透明な)第2の基板に(機械的に)固定する。さらに、能動光学部品を基板のいずれか1つの上面に配置し、たとえば加熱により、たとえば(第3の局面に係る基板への機械的接続を形成するために)接合材料を熱硬化させるとともに半田ペーストを溶融させまたは(第4の局面に係る基板への電気接続を形成するために)導電性接着剤を硬化させることによって、両方の接続(一方の基板ウエハへの電気接続および他方の基板ウエハへの機械的接続)を実質的に同時に構築することも可能である。
【0085】
能動光学部品が2つの基板ウエハに接続されている実施形態おいて、たとえば前述したように、能動光学部品は通常、2つの基板ウエハの間に配置される。すなわち、能動光学部品が単に機械的に固定される一方の基板ウエハは、能動光学部品の活性表面が通常面する能動光学部品の一方側に配置され、(能動光学部品が電気的に接続されている)他方の基板は、(前述の一方側と反対し、能動光学部品の活性表面が面している)能動光学部品の他方側に配置される。
【0086】
より一般的には、(本発明の第3の局面に係る)一方の基板ウエハへの(機械)固定は、省略することができ、よって、対応するウエハスタックにおいて、能動光学部品は、前述した一方の基板ウエハと第4の局面に係る基板ウエハとの間に配置され、後者に電気的に接続される。この電気接続は、通常各基板ウエハへの機械的接続も提供する。また、この電気接続は、たとえば能動光学部品を本発明の第4の局面に係る基板に接合する付加的な機械的固定によって、補われてもよい。
【0087】
発明の第5の局面
本発明の第5の局面において、基板ウエハと光学ウエハとの間に特定の(通常予め定義されたともいう)距離を確保手段が提供される。一般的には、能動および受動光学部品の正確な縦方向の配置は、高品質の光電子モジュールを製造するために重要である。(なお、横方向の整列も重要であるが、本特許出願において提案されているように、これは通常、ウエハスケールで製造するときに熟達することができる)。より具体的には、これらの手段は、不透明材料から実質的に作られることによって少なくとも部分的に不透明にすることができる。このような不透明材料は、特に高分子材料および/または硬化した硬化性材料、たとえばエポキシ硬化性樹脂などの硬化性材料にすることができる。これにより、本発明の第2の局面に関連して説明した少なくとも1つの遮光部を有する光学ウエハと同様に、好ましくない方向における光の伝播を抑制することができる。
【0088】
さらに、前述した手段は、製造される光電子モジュールのハウジングの一部を構成してもよい。よって、光電子モジュールの製造を大幅に向上させおよび/または簡略化させることができる。この場合、前述した手段に(少なくとも部分的な)不透明性を与えると、特に有用であり得る。
【0089】
このような手段を提供する方法は、少なくとも3つがある。第1の方法として、これらの手段は、スペーサウエハと呼ばれるウエハの形で提供される。スペーサウエハは、基板ウエハまたは光学ウエハとは同一ではない。このようなスペーサウエハは、たとえばエポキシ樹脂などの熱硬化された熱硬化性材料のような硬化された硬化性材料から実質的に作ることができる。このようなスペーサウエハは、複製を用いて製造することができる。第2の方法として、これらの手段は、光学ウエハの一部を構成する。これにより、製造ステップ数を最小限にすることができる。その理由は、光学ウエハとスペーサウエハとが同一部品であるのように、たとえば光学ウエハの少なくとも一部とスペーサウエハの少なくとも一部(通常、スペーサウエハの全体)とが単位的部品を形成するためである。第3の方法として、これらの手段は、基板ウエハの一部を構成する。これにより、製造ステップ数を最小限にすることもできる。その理由は、基板ウエハとスペーサウエハとが同一部品であるのように、たとえば基板ウエハの少なくとも一部とスペーサウエハの少なくとも一部(通常、スペーサウエハの全体)とが単位的部品を形成するためである。光学ウエハまたは基板ウエハと同一ではないスペーサウエハが提供された場合、言うまでもなくそのスペーサウエハは、製造された光電子モジュールの(外側)ハウジングに寄与する上記の実現性および好ましくない光の伝播を遮断することなどのさらなる機能を果たすことができる。
【0090】
光学ウエハまたは基板ウエハの製造中に、有用であり得るかつ製造ステップを節約することのできる複製が使用される。複製によって、たとえば単位的部品を製造することができる。この単位的部品は、たとえば熱硬化した不透明な複製材料で作られており、光学ウエハまたは基板ウエハの少なくとも1つの遮光部(不透明部)を構成し、さらに能動光学部品と受動光学部品との間の距離(通常は縦距離)を規定するための手段を構成する。
【0091】
発明の第6の局面
本発明の第6の局面は、少なくとも1つの光電子モジュールを含む装置を製造する際、より詳細には光電子モジュールを製造する際の製造ステップ順に係る。推奨は、まず、光学ウエハと、受動光学部品と能動光学部品との間に特定の縦距離を確保するための手段とを提供する。これらの手段またはこれらの手段の少なくとも一部は、光学ウエハに含まれてもよくまたは別個の部品特に単位的部品としてもよく、および/または、これらの手段は、2つ以上の部分から構成される。このウエハが設けられたときのみ、または光学ウエハおよび前述の手段が少なくとも少なくとも2つの別個の部品を含む場合、対応する2つ以上のウエハが互いに対して設けられ、固定される場合、能動光学部品は、前述の手段に取付けられまたは前述の手段に搭載される。通常、たとえばピックアンドプレース工程を用いて個別に、またはウエハ毎に、すなわち、多くの能動光学部品が実装されたウエハを取付けることにより、能動光学部品を前述の手段に取付けまたは前述の手段に搭載する。
【0092】
したがって、受動光学部品に対して能動光学部品の整列精度を特に高くすることができる。
【0093】
この第6の局面は、本発明の第1〜第5の局面のうちの1つ以上の局面と組合わせることができる。
【0094】
たとえば、フラッシュモジュールのような発光光電子モジュール(本発明の第1の局面参照)は、光学ウエハを含むように製造される。この光学ウエハは部分的に不透明(本発明の第2の局面参照)であってもよい。実質的に不透明であり得るスペーサウエハ(本発明の第5の局面参照)が用意され、この光学ウエハに取付けられる。または、この光学ウエハ自身はスペーサウエハのように機能する突起を備えている。
【0095】
その後、能動光学部品が(通常電気的ではなく機械的に)取付けられる。取付けは、ピックアンドプレースによって能動光学部品を光学ウエハに配置することにより、スペーサウエハが層在する場合スペーサウエハに配置することにより、達成することができる。または、別のウエハ、すなわち能動光学部品が配置されている基板ウエハを光学ウエハにまたはスペーサウエハに取付けることにより、能動光学部品を取付ける。この場合、能動光学部品は、その追加のウエハ(基板ウエハ)に予め搭載または取付けられている。
【0096】
また、能動光学部品を取付けるための別の実現は、別のウエハ、すなわち基板ウエハを光学ウエハに、スペーサウエハが層在する場合スペーサウエハに、能動光学部品を取付け、次に、能動光学部品を基板ウエハ上に搭載することにより達成される。他のウエハに基板ウエハを取付けるステップと基板ウエハに能動光学部品を取付けるステップとは、たとえば(たとえばリフロー炉で)加熱により、実質的に1つの処理ステップとして同時に行うことも可能である。加熱は、たとえば接着剤および/または半田などの接合材を硬化または熱硬化させる。
【0097】
基板ウエハを取付ける時系列および能動光学部品を基板ウエハに取付ける時系列にかかわらず、基板ウエハを完全にまたは部分的に透明にすることができ(本発明の第3の局面参照)、たとえばPCBまたはPCBAである基板(本発明の第4の局面参照)との電気接続を能動光学部品に与えることができ、または、能動光学部品と基板ウエハの間に電気接続を設けずにすることもできる。特に後者の場合、能動光学部品の電気接点は、同時に光電子モジュールの電気接点として機能してもよい。
【0098】
したがって、本発明の第6の局面は、以下の方法を提供することができる:
本発明の一般的な局面に係る方法であって、ウエハスタックは、能動光学部品と受動光学
部品との間特定の距離を確保するための手段を含み、
前述の手段が光学ウエハに含まれる場合、この方法は、
光学ウエハを提供するステップ(f)を含み、光学ウエハは、能動光学部品と受動光学部品との間に特定の距離を確保するための縦突起を前述の手段として備え、
能動光学部品をウエハスタックに取付けるステップ(h)を含み、ステップ(h)は、前記ステップ(f)が実行される前に実行されず、
前述の手段が光学ウエハに含まれない場合、この方法は、
光学ウエハを提供するステップ(g1)と、
能動光学部品と受動光学部品との間に特定の距離を確保するための少なくとも1つのスペーサウエハを前述の手段として提供するステップ(g2)と、
能動光学部品をウエハスタックに取付けるステップ(h′)とを含み、
ステップ(h′)は、ステップ(g1)とステップ(g2)とが実行される前に実行されない。
【0099】
さらなる実施形態および利点は、従属請求項および図面から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
図1】光電子モジュールの断面図である。
図2図1のモジュールの構成要素のさまざまな断面図である。
図3図1のモジュールを数多く製造するためのウエハスタックを形成するためのウエハの断面図である。
図4図1のモジュールを数多く製造するためのウエハスタックの断面図である。
図5】製造ステップを図示する断面図である。
図6】製造ステップを図示する断面図である。
図7】製造ステップを図示する断面図であって、半完成品を示す図である。
図8】製造ステップを図示する断面図である。
図9】光学ウエハを図示する断面図である。
図10】構造化表面を有する半完成品の断面図である。
図11】光電子モジュールの製造を示すウエハスタックの断面図である。
図12】光電子モジュールを示す断面図である。
図13】光電子モジュールを示す断面図である。
図14】光電子モジュールを示す断面図である。
図15】光電子モジュールを示す断面図である。
図16】光電子モジュールの製造を示すウエハスタックの断面図である。
図17】光電子モジュールを示す断面図である。
図18】光電子モジュールを示す断面図である。
図19】光電子モジュールを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0101】
発明の詳細な説明
以下、本発明を実施例および添付図面を用いてより詳細に説明する。
【0102】
図面に使用される参照符号およびそれらの意味は、参照符号のリストの中にまとめられている。説明される実施形態は、例として意図されており、本発明を限定してはならない。
【0103】
図1は、たとえば写真カメラまたはスマートフォンに使用することのできるフラッシュ光モジュールのような発光モジュールである光電子モジュール1の概略断面図を示している。図示の断面は、縦方向の断面図である。図2は、図1のモジュールの構成要素のさまざまな概略側断面図を示している。図1において、これらの側面断面の近似位置は、s1〜s5および破線によって示されている。s4とs5に対し、矢印で観察方向を示している。
【0104】
モジュール1は、用語定義において「縦方向」と定義された方向に互いに堆積されたいくつかの構成要素(P、S、O、B)を含む。この縦方向は、z方向(図1参照)に対応する。縦方向(z方向)に垂直なx−y平面(図2参照)における方向は、「横方向」と称される。
【0105】
モジュール1は、互いに堆積された基板部材Pと、スペーサ部材Sと、光学部材Oと、バッフル部材Bとを含む。基板部材Pは、たとえば能動光学部品Eが搭載される印刷回路板(PCB)であるまたはそれを含む。より具体的には、印刷回路板は、インターポーザと称されてもよい。具体的に、能動光学部品Eは、光を出射する特に閃光(高強度の短パルス光)を出射する発光ダイオード(LED)のような発光部材Eであってもよい。発光部材Eの電気接点(図1には図示せず)は、モジュール1の、半田ボール7が取付けられている外側に電気的に接続される。半田ボール7の代わりに、基板部材Pに接触パッドを設けることも可能であろう。これらの接触パッドには、半田ボールや導電性接着剤を設けなくてもよく、または後で半田ボールや導電性接着剤を設けてもよい。
【0106】
このように、モジュール1は、たとえば表面実装技術(SMT)を用いて、他の電子部品(図示せず)に隣接して印刷回路板9の上に搭載することができる。印刷回路板9は、携帯通信装置または写真カメラのような電子装置10の構成要素であってもよい。特に、装置10は、スマートフォンであってもよい。モジュール1は、非常に小さいサイズで製造することができるため、このような用途に特に適している。
【0107】
スペーサ部材Sは、発光部材Eが配置される開口4を有している。発光部材Eは、横方向でスペーサ部材Sにより囲まれる。
【0108】
スペーサ部材Sは、いくつかの機能を果たすことができる。スペーサ部材Sは、(縦方向の延在によって)基板部材Pと光学部材Oとの間の特定の距離を確保することができ、発光部材Eから光学部材Oを介してモジュール1の外部までの特定の光路を達成することに寄与する。また、スペーサ部材Sは、モジュール1の外壁の一部を形成する。特に、スペーサ部材Sは、特定の波長範囲を有する光に対して少なくとも実質的に不透明である場合、より具体的に発光部材Eによる発光可能な波長の光に対して少なくとも実質的に不透明である場合、モジュール1の一部から好ましくない光の出射を抑制することに寄与する。
【0109】
典型的には、スペーサ部材Sは、ポリマー材料、特に硬化された硬化性ポリマー材料、より具体的にエポキシ樹脂などの熱硬化された熱硬化性ポリマー材料から形成される。
【0110】
光学部材Oは、遮光部bと透明部tとを含む。後者は、発光部材Eからの発光がジュール1から出射することを可能にする。
【0111】
遮光部bは、たとえば適当な(ポリマー)材料から作られることによって、特定の波長範囲の光に対して、具体的には前述した特定の波長範囲の光に対して、実質的に不透明である。透明部tは、受動光学部品Lを含み、より具体的および例示的には、光を案内するため、より具体的には発光部材Eからの発光を(所望の方向に)案内するためのレンズ部材を含む。図1に示すように、レンズ部材Lは、たとえば透明素子6に密着する2つのレンズ素子5を含んでもよい。透明素子6は、遮光部bを形成する光学部材Oの部分と同様な縦寸法を有することができ、したがって遮光部bを形成する光学部材Oの部分が透明素子6とともに(完璧に近い)平坦な固体平板形状を形成する。レンズ素子5は、屈折(図1参照)および/または回折によって光の方向を変える。たとえば、レンズ素子は、(図1に示すように)全体的に凸形状を有してもよく、またはたとえば全体的または部分的に凹形状の異なる形状に形成されてもよい。
【0112】
光電子モジュール1の任意部材であるバッフル部材Bは、光電子モジュール1によって出射された光の円錐を規制することを可能にし、絞りとして機能することができる。バッフル部材Bは、受動光学部品Lを機械的に保護することもできる。通常、バッフル部材Bは、開口としてまたは透明材料を用いて具現化することのできる透明領域3を有する。透明領域3の外側のバッフル部材Bは、特定の波長範囲または前述した特定の波長範囲のいずれの波長を有する光を実質的に減衰または遮断する材料から作ることができ、またはそのような性質を有する被膜を設けることができる。後者の場合、通常は被膜の作製がより複雑である。言うまでもなく、バッフル部材Bの形状、より正確には透明領域3の形状は、図1および2に示されているものとは異なることができ、たとえば円錐状の形状または角錐台の形状を形成してもよい。
【0113】
透明領域3の横方向の形状のみならず、透明部tおよび開口4の横方向の形状も、円形にする必要がなく、たとえば多角形または丸めたコーナーを有する長方形などの他の外観を有してもよい。
【0114】
モジュール1は、光電子部品であり、より正確にはパッケージ化された光電子部品である。モジュール1の縦側壁は、部材P、S、OおよびBによって構成される。底壁は、基板部材Pで構成される。上壁は、バッフル部材Bによって、またはバッフル部材Bと光学部材Oとともによって構成される。
【0115】
図2からよく見られるように、上記の理由でハウジング部品と称される4つの部材P、S、O、Bはすべて、横方向で実質的に同一の形状と寸法とを有する。このことは、以下で図3、4を参照しながらより詳細に説明されるように、モジュール1を製造することが可能かつ非常に効率的な方法に関与している。これらのハウジング部品P、S、OおよびBは、略塊状または略板状、より一般的には略直方体形状であり、穴または開口(たとえばバッフル部材Bおよびスペーサ部材S)または突起(たとえば光学部材O)を有してもよい。
【0116】
上記に説明したものと同じ原理にしたがって設計され、発光部材Eの代わりにまたは発光部材Eに加えて、1つ以上の電気部品または電子部品、具体的には1つ以上の追加的光源または1つ以上の集積回路または光検出器のような能動光学部品を含むモジュールを形成することは、可能である。
【0117】
モジュール中に含まれる能動光学部品(図1の例では発光部材E)は、パッケージ化された電子部品でもよく、パッケージ化されていない電子部品でもよい。基板部材Pを電気的に接触させるため、ワイヤボンディングまたはフリップチップ技術または導電性ペーストあるいは接着剤を用いる接触技術、または任意の他の公知の表面実装技術、もしくは従来のスルーホール技術でさえ使用してもよい。より多くの詳細および実施例は、他の図面と併せて以下に説明する。
【0118】
本特許出願に記載された光電子モジュール1の一般的な想定寸法は、横方向において15mm未満、より一般的には0.5mm〜8mm、より具体的には1mm〜5mmであり、縦方向において30mm未満、より一般的には1mm〜15mm、より具体的には1.5mm〜10mmである。なお、通常他の寸法を適用することも可能である。
【0119】
図3は、図1のモジュールを数多く製造するためのウエハスタックを形成するためのウエハの概略断面図を示している。言うまでもなく、後続の分割ステップを用いて(実質的に)完全にウエハスケールでこのようなモジュールを製造することができる。図3および4は、3つのモジュール1用の供給品のみを示しているが、通常、1つのウエハスタック2において、横方向で10個以上、より多くで30個以上、さらに多くで50個以上のモジュール用のものを提供することができる。一般的に、各ウエハは、横方向の寸法が少なくとも5cmまたは10cmから30cmまたは40cmまたは50cmまでであり、縦方向の(部品が基板ウエハPWに配置されていないときに測定される)寸法が少なくとも0.2mmまたは0.4mmまたは1mmから6mmまたは10mmまたは20mmまでである。なお、通常他の寸法を適用することも可能である。
【0120】
4つのウエハは、図1に示されたように、基板ウエハPW、スペーサウエハSW、光学ウエハOWおよびバッフルウエハBWを含む数多くのモジュールを製造するために十分である。各ウエハは、対応するモジュール1(図1および2参照)に含まれる、数多くの対応する部材を備える。通常、これらの部材は、矩形格子上に配置され、典型的にはウエハ分割ステップのため、互いに少し離れている。
【0121】
基板ウエハPWは、標準的なPCB材料から作られ、一方の面に数多くの能動光学部品Eが搭載され、他方の面に半田ボール7が設けられているPCBとして具体化されることができる。発光部材Eは、エレクトロニクス産業においてよく知られているピックアンドプレース機を用いてピックアンドプレースによって、基板ウエハ上に配置することができる。
【0122】
モジュール1の好ましくない部分からの光の出射を最大限に抑制するために、言うまでもなく、透明部tおよび透明領域3などの透明領域を除いて、ウエハPW、SW、OWおよびBWのそれぞれは、発光部材Eによって出射された光に対し実質的に不透明である材料から実質的に作ることができる。
【0123】
ウエハSW、BWおよびウエハOWの一部または全体は、複製によって製造することができる。例示的な複製工程おいて、構造化表面を液状の粘性または塑性変形可能な材料(複製材料)に入れてエンボス加工し、次いで、その材料をたとえば紫外線照射または加熱による熱硬化により硬化させ、その後、構造化表面を取外す。したがって、構造化表面のレプリカ(この場合、負のレプリカである)が得られる。複製に適した材料は、たとえば、エポキシ樹脂のような硬化性(より具体的には熱硬化性)のあるポリマー材料または他の複製材料であり、すなわち硬化ステップ(より具体的には熱硬化ステップ)において液状の粘性または塑性変形可能な状態から固体状態に形質転換可能な材料である。複製は既知の技術であり、さらなる詳細は、WO2005/083789A2を参照する。
【0124】
光学ウエハOWを製造する場合、エンボス加工または成形による複製法を用いて不透明部(遮光部b)を得ることができる。また、ドリルまたはエッチングによって透明部tである穴を提供することも可能であろう。
【0125】
続いて、このようにして得られたウエハ前駆体にレンズ部材Lを設けることにより、光学ウエハOWを製造する。この工程は、たとえば米国出願2011/0043923A1に記載されるように、たとえばレンズ部材Lを単位的部品として形成する複製によって達成することができる。レンズ部材Lは、図5〜9を参照して説明する異なる方法で製造することもできる。図5〜8は、対応する製造工程を概略的に図示する断面図である。そのうち、図7は、参照番号owにより表示された半完成品を示している。図9は、得られた光学ウエハOWの断面を示す概略図である。
【0126】
この特定の製造方法は、図7に示さらた半完成品owに基づいている。その半完成品は、透明部tが定義される穴を有する透明素子6を含むウエハである。この方法は、レンズ部材Lの各々が少なくとも1つの先端を形成し、それらの先端が光学ウエハOWの縦方向の断面の外側に位置している場合に、特に有用である。このような半完成品owは、(通常の場合、および図1〜9に示される例の場合に)透明部tにおいてウエハを貫通する穴を有しなく、実質的に波形を有しなくまたは浅い表面波形しか有しない平坦な円盤状ウエハである。通常、これらの表面波形は、凹んであり、すなわち遮光部bにより画定されたウエハ表面を越えて延在しない。
【0127】
そのような半完成品ow(図7参照)は、透明部tが配置される穴または開口11(図5参照)を有する平坦なウエハ前駆体8(一般的には1つの材料で作られる)から出発し、その後、たとえば分注工程(図6参照)を用いて、穴11を透明材料Tで充填することにより得られる。充填に関しては、たとえばフリップチップ技術などにおいてアンダーフィル工程に使用されたように、ディスペンサを用いてウエハ前駆体81の穴11を一つずつ充填する手法、または、たとえば(スクリーン印刷に知られているような)スキージ工程またはいくつかの材料Tを出力する中空針を有するディスペンサを用いていくつかの穴11を一度に充填する手法がある。
【0128】
たとえば、分注工程の間(図6参照)に、ウエハは、たとえばシリコーンからなる支持層12のような平坦な支持体上に配置することができる。安定性の理由のため、支持層12はさらに、たとえばガラス板のような支持基板13の上に支持される。分注された材料Tの中に気泡または空洞が形成すると、製造されるレンズ部材Lの光学特性を劣化させるので、気泡または空洞の形成防止に注意を払わなければならない。分注工程は、たとえば以下のように行なうことができる。たとえば、ウエハと下にある支持層12により形成された境界(またはその境界に近い位置)に近づくように材料Tを出力する中空針を適切に案内することによって、その境界からウエハ材料の湿潤を開始する。続いて、分注された材料は、たとえば加熱またはUV放射線によって熱硬化され、硬化した透明材料を与える。よって、図7に示された半完成品が得られる。
【0129】
このようにして形成可能の凸状メニスカスは、研磨によって平坦化され、ウエハの厚さに合わせた平行表面を有する透明素子6を得ることができる。研磨は、ウエハの厚さを所定値に減少するように行うことが可能である。そして、レンズ素子5は、複製によって、半完成品owの片側または両側(上下側)に適用される。図8は、レンズ素子5を片面のみに設けられた状態を示している。透明素子が凹状メニスカスである場合、複製は、これらの上面で行うことができる。しかし、この場合、適用される複製材料の量は、それに応じて調整する必要がある。別の方法として、研磨中に透明素子6の表面だけでなく遮光部bも平坦化されるよう、研磨をしてもよい。
【0130】
図9は、上述のようにして得られた、両側にレンズ素子5が設けられた光学ウエハOWを示している。
【0131】
多くの場合には、ウエハスタック内に隣接する2つ以上のウエハの機能を一枚のウエハに複合させる(「複合ウエハ」)ことができる。たとえば、適切に設計された光学ウエハが、図3、4に示されている以下のウエハ、すなわち、ウエハOWおよびSW、またはウエハOWおよびBW、またはウエハBW、OWおよびSWを置換えることができる。
【0132】
したがって、特定の種類の光学ウエハを形成してスペーサウエハSWを機能的に置換えるという意味で、スペーサウエハSWがすでに時代遅れであろう。スペーサウエハSWの特徴および機能を包含する光学ウエハ(「複合光学ウエハ」)を形成することができる。このような「複合光学ウエハ」の製造は、特定のウエハ前駆体と、特定のウエハ前駆体に基づいて製造された特定の半完成品とを用いて達成することができる。このようなウエハ前駆体および半完成品はそれぞれ、少なくとも1つの構造化表面を有する。この構造化表面は、通常、ウエハ前駆体および半完成品の各々に設けられる透明素子6の両表面の少なくとも一方から縦方向に延在する突起を有する。
【0133】
図10は、このような、1つの構造化表面を有する半完成品ow’(「複合半完成品」)の例を概略的に示している。半完成品が図1に示されるモジュールの製造に使用される場合、その様子は図10から容易に推定することができるだろう。図4のウエハOWおよびSW(またはウエハOWおよびBW、またはウエハOWおよびSWおよびBW)を単一部品と見なすと、図1に示されるモジュールの製造に対応する光学ウエハ(「複合光学ウエハ」)および半完成品の様子を容易に可視化することができる。
【0134】
前述のように、同様に、たとえば光学ウエハの両面が構造化され、バッフルエハBWおよびスペーサウエハSWを置換える他の「複合ウエハ」の提供も可能である。
【0135】
再び図4を参照して、ウエハスタック2を形成するために、複数のウエハは整列され、たとえば熱硬化型エポキシ樹脂を用いる接着によって接合される。このとき、(たとえば基板ウエハPW上の発光部材Eなどの)各能動光学部品を対応する(たとえば光学ウエハOWのレンズ部材Lなどの)受動光学部品に対して十分正確に配置されていることは、通常最も重要である。
【0136】
図4は、このようにして得られた、図1に示されたモジュール1を数多く製造するためのウエハスタック2の断面図を示す。細い破線の長方形は、たとえばダイシング鋸を用いることによって、分割を行なう場所を示している。
【0137】
ほとんどの整列ステップがウエハレベルで行われているということは、かなり簡単かつ非常に高速な方法で(特に部材Lに対して部材Eの)良好な整列を達成することができる。全体的な製造工程は、非常に高速かつ正確である。ウエハスケールで製造するため、数多くのモジュール1の製造にはごく少数の製造ステップが必要とされる。たとえば、ウエハスタックに複合されるウエハが製造され、発光部材Eがピックアンドプレースを用いて搭載され、その後、1つのみの整列ステップにおいて、すべての能動光学部品(E)および受動光学部品(L)が互いに対して(横方向で)整列され、縦方向の整列がスペーサウエハSWもしくは適切に設計された光学ウエハOWまたは基板ウエハPWによって規制されることにより、高精度が容易に達成される。
【0138】
図1〜10を参照して説明される実施形態において、本発明のいくつかの局面(「発明の背景」を参照)が実現される。発光モジュールが実現されたため、本発明の第1の局面は実現される。光学ウエハOW(透明部tおよび遮断部b)がそれぞれ部分的に透明でありおよび部分的に不透明であるため、第2の側面が実現される。基板ウエハがPCBまたはPCBAであるため、第4の側面が実現される。
【0139】
図11は、他の光電子モジュール1の製造を概略的に示し、かつ、ウエハスタック2を示している。図において、細い破線の長方形は、分割を行なう場所を示している。透明光学ウエハOWが形成され、受動光学部品Lが非常に概略的に示されている。たとえば、光学部品Lは、たとえばエンボス加工を用いて、たとえば複製によって、ガラスまたは透明ポリマー基板上に製造することができる。このような光学ウエハは、遮光部を有しない透明部として見なされることができる。
【0140】
たとえばエンボス加工などの複製を用いて製造された不透明スペーサウエハ、およびたとえばガラス板またはポリマー系基板などの透明基板ウエハは、用意される。ウエハOW、SWおよびPWからウエハスタック2を形成する前にまたはその後で、たとえば接着によってLEDなどの能動光学部品Eを(機械的に)取付ける。能動光学部品Eの取付けは、ウエハスタック2を個別の光電子モジュール1に分割する前に実施され、すなわち、ウエハレベルで実施される。これによって、操作が簡略化され、高精度の(横方向)の整列は比較的容易に実現することができる。
【0141】
能動光学部品Eの光学活性表面14が基板ウエハPWに面しており、それらから出射される光(点線で示される)が基板ウエハPWを透過する。光電子モジュール1の電気接点が能動光学部品Eの電気接点によって形成される。図11に示すように、電気接点は、半田ボール7であってもよいが、接触パッドであってもよく、または能動光学部品Eのリードフレームによって形成されてもよくまたはリードフレームと異なって形成されてもよい。
【0142】
したがって、図11の実施形態は、本発明の第1、第3、第5および第6の局面の組合わせである。また、図3、4に示すよう(図5〜9も参照)に、光学ウエハOWをたとえば部分的に不透明のように設けることも可能であり、よって本発明の第2の局面を含むことになるだろう。
【0143】
能動光学部品Eの電気接点を光電子モジュール1の接点として使用すると、通常は図示の実施形態に本発明の第4の局面を含めることはできない。しかしながら、部分的に不透明基板ウエハPWは、上記の説明に基づき、たとえば図5〜7に示されるように製造された半完成品ow(図7参照)として形成することができる。代わりに、部分的に不透明基板ウエハPWは、前述と同様にウエハ前駆体8(図5参照)として形成することができる。
【0144】
特に、基板ウエハPWおよび光学ウエハOWの少なくとも一方が部分的に透明および部分的に不透明である場合、対応する2つのウエハ(OWおよびSW、またはPWおよびSW)の機能を1つのウエハに複合することによって、基板ウエハおよび光学ウエハのいずれかでスペーサウエハSWを置換えることができる。
【0145】
基板ウエハPWおよび光学ウエハOWの両方が部分的に透明および部分的に不透明であり、もしスペーサウエハSWが不透明として存在すると、光が所望の特定の光路のみで、り具体的には受動光学部品Lなどの所望の透明部のみを通って出射されるように、光電子モジュール1を製造することができる。
【0146】
図12〜19は、本発明の第1、第4および第6の局面が実現されている光電子モジュール1を示している。その中では、第3の局面が実現されておらず、通常はその中で実現される必要がない。これらの実施形態において、PCBまたはインターポーザが基板部材Pとして使用することはでき、能動光学部品Eの電気接点が実現されても、基板部材Pによって再変更することはでき、光電子モジュール1の電気接点が、基板部材Pによって、半田ボールを有しない接触パッドまたは図示のようにたとえば半田ボール7を有する接触パッドとして実現することはできる。一例として、モジュール1は写真カメラまたはスマートフォンに使用可能なフラッシュモジュールなどの発光モジュールとし、よって能動光学部品EはLEDのような発光体であるように理解してもよい。受動光学部品Lは主に非常に模式的に図に描かれ、場合によってより明白に描かれていることにも関わらず、任意の受動光学部品であってもよく、任意の受動光学部品の任意の組合わせであってもよい。多くの典型的な応用においてレンズが使用される。これらのレンズは、回折および/または屈折レンズであってもよく、単位的部品であってもよく、または(たとえば図1、2および4に示すように)2つ以上の部品から構成されてもよい。
【0147】
上記のウエハレベルに基づく製造工程の説明により、以下に説明する実施形態の製造方法がより明白になるであろう。
【0148】
図12は、リードフレームパッケージ(リードフレーム15)として実現され、基板部材Pに搭載された能動光学部品Eを含む光電子モジュール1を示している。基板部材Pおよび光学部材Oは、能動光学部品Eと受動光学部品Lとの間の縦距離を調整するスペーサ部材Sによって互いに対して固定される。光学部材Oは、たとえば、図11に関連して上述したように実現することができる。スペーサ部材Sが不透明であるため、本発明の第5の局面は、この例において実現される。
【0149】
図13は、図12と同様の光電子モジュール1を示している。図において、能動光学部品Eは、背面から、すなわち能動光学部品Eの光学活性表面14と反対側の面から半田を用いて電気的に接触させられる。能動光学部品Eは、パッケージ化された部品であってもよくベアチップであってもよい。さらに、図13は、受動光学部品Lが、光、特に能動光学部品Eにより出射される光を適切に導くための任意の適切な形状を有するように、さまざまな方法で具現化することができることを示している。
【0150】
図14は、図12および13と同様の光電子モジュール1を示している。図において、本発明の第2の局面は、たとえば図1および2に示されたような、遮光部bと透明部tとを有する部分的に不透明な光学部材Oによって実現される。同様に、第2の局面は、図12および13の実施形態において実現することもできる。
【0151】
また、図14において、ベアチップの能動光学部品Eを電気的に接触させる別の方法、すなわちワイヤボンディング(ボンドワイヤ16)と導電性接着剤17とを使用する方法を示している。たとえば図14の図示で分かるように、(光が出射される)光学能動な成分Eの前面をボンドワイヤ16によって電気的に接触させるとともに、裏面を導電性接着剤17によって電気的に接触させる。両方の接点を、基板部材Pを構成するPCBまたはインターポーザの接触パッドに設けることができる。
【0152】
パック化されていない(ベアチップ)能動光学部品Eをモジュール1内に含むことは、特に小型のモジュール1の実現を可能にする。
【0153】
図15は、図12〜14と同様の光電子モジュール1を示している。図において、光学部材Oはまた、スペーサウエハの機能を有している。このことは、図12〜14の実施形態において実現することも可能である。これにより、製造ステップおよび整列ステップを省くことができ、対応のモジュールが特に小さくすることができる。さらに、図15において、(パッケージ化されたまたはパッケージ化されていない)能動光学部品Eが(もっぱら)導電性の半田17を用いて電気的に接触させることができることは、示されている。さらに、受動光学部品Lは、レンズとして、特に凸レンズとしてより明白に描かれている。このような受動光学部品Lは、説明した他の実施形態において実現されても良い。光学部材Oが透明部tと遮光部bとを備えているため、本発明の第2の局面は、図15の実施形態においても実現される。
【0154】
図16は、被膜されたスペーサ部材Sを含む光電子モジュール1を示している。スペーサ部材Sは、スペーサ部材を適切な金属含有蒸気に曝すことによりまたはスペーサ部材にアルミニウムなどの金属をスパッタリングすることにより、たとえばスペーサ部材の表面に1つ以上の金属層を適用して得られた反射性被膜18を備える。代わりに、誘電被膜は、特に反射性の誘電体被膜を適用してもよい。被膜を塗布する方法としては、気相堆積のほか、たとえば浸漬被覆を使用してもよい。この被膜は、モジュール1の光学特性を向上させることができ、および/または(光学部材Oを介して)モジュールから求められる特定の効果を達成するために適用することができる。具体的には、スペーサ部材Sのモジュール1の内部に面する表面は、部分的にまたは完全に被覆される。さらに、図16に示すように、これらの表面は鉛直方向に対して傾斜し、より具体的に円錐を形成してもよい。
【0155】
スペーサ部材Sは、たとえば複製およびそれに続く被覆によって製造された実質的に不透明材料から作ることができるが、実質的に透明材料から作ることもできる。その理由は、被膜をスペーサ部材に完全に適用した場合、その被膜がスペーサ部材Sから光の出射を阻止することができることにある。
【0156】
透明部tと遮光部bとが設けられているため、モジュール1は、本発明の第2の局面を具体化する。これを実現する方法は本明細書において既に記載されている。しかしながら、完全に透明な光学部材Oを設けることもできる。ベアチップの能動光学部品Eは、半田を介してPCB基板部材Pと電気的に接触している。代わりに、本明細書に記載された、(パッケージ化されたまたはパッケージ化されていない)能動光学部品Eを取付けるおよび電気的に接触させる他の方法のいずれを用いてもよい。能動光学部品Eと基板部材Pとの間の機械的接触を強化するため、たとえば適切なエポキシなどのアンダーフィル(図示せず)をその2つの間に適用してもよい。
【0157】
図17図19は、光電子モジュールのさらなる実施形態を概略的に示している。図17〜19の実施形態において、モジュール1は、2つの基板部材P、P’を含む。能動光学部品Eは、たとえばガラスまたはポリマー基板などの、少なくとも部分的に透明である基板部材Pに(機械的に)固定され、たとえばPCBなどの基板部材P’に電気的に接続される。通常、能動光学部品は、機械的に基板部材Pに固定されてから電気的に接続され、またはこの電気接続は、機械的固定とともに、1つの工程でたとえばリフロー工程で達成される。しかしながら、まず基板部材P’への電気接続を構築し、続いて基板部材Pへの機械的固定を構築してもよい。いずれにせよ、通常、ウエハスタック2を形成する前に、能動光学部品は、対応するウエハのどちらかの一方のウエハ(PまたはP)の上面にピックアンドプレースによって配置される。
【0158】
基板ウエハS’を考慮すると、本発明の第4の局面は、図17〜19により具体化される。通常、この基板ウエハS’は、本発明の第3の局面を具現化しないであろう。一方、基板ウエハSを考慮した場合、本発明の第3の局面は、17〜19により具体化される。通常、この基板ウエハSは、本発明の第4の局面を具現化しないであろう。
【0159】
能動光学部品は、パッケージ化されてもよくパッケージ化されなくてもよい。これらの能動光学部品は、記載された方法のいずれかにより電気的に接続されてもよい。そのうち、(基板部材Pに面する)上面へのワイヤボンディングが能動光学部品Eから光学部材Oまでの特定のかつ再現可能な距離の実現を難しくすることは、予想される。
【0160】
図17において、2つのスペーサ部材S、S’を設けることができることは示され、スペーサ部材Sは、基板部材P(それゆえに能動光学部品E)と光学部材Oとの間の所望の縦距離を確保する。スペーサ部材Sは、図16に関連して説明したように被覆することができ、および/または図16に関連して説明した形状にすることができる。他方のスペーサ部材S’は、2つの基板ウエハP、P’の間に配置されている。これにより、能動光学部品Eと基板部材との間の電気接続に作用する機械的応力(熱機械的応力を含む)を吸収することによって、モジュール1の機械的安定性を増大し、特にモジュールの寿命を増加することにつながる。(少なくとも)2つの基板(P,P’)を有する実施形態において、一方の基板ウエハ(図17においてP)に能動光学部品Eを(配置して)固定された後に他方の基板ウエハ(図17においてP’)に対する能動光学部品Eの電気接続を作成する場合、(横方向)の整列精度の増加につながる。
【0161】
2つの基板部材P、P’を有するモジュール1において、少なくとも一方のスペーサ部材を、それに対応して設計された他の部材すなわち基板部材PまたはP’で、または図18に示すようにそれに対応して設計された光学部材Oで置換えてもよく、および/または図19に示すように代替品を設けずに1つのスペーサ部材(S’)を省くことができる。図19の実施形態において、チューブ状のスリーブまたは外側ジャケット19は、分割の後に各モジュールに個別に適用される。また、同様の円形外側カバーは、説明した他の実施形態のいずれに適用することもできる。このようなカバーは、不透明材料から作ることができる。その場合、たとえば図19における基板部材Pおよび光学部材Oを参照するように、少なくとも部分的に透明でなければならない部材(たとえばPおよびO)における不透明部を作成するための努力は、省くことができる。
【0162】
図19に示されたモジュール1は、図11に示されたモジュール1と同様に得ることができる。(通常、分割の前に)たとえばPCBなどの(第2の)基板ウエハは、ウエハスタック2内に設けられる。分割の後に、たとえば縦方向にスリーブ19をスライドまたはシフトすることによって、スリーブ19を各モジュール1に取付ける。
【0163】
図19において、受動光学部品Lの別の例示的な実施形態、すなわち凹レンズが図示されている。この凹レンズは、本明細書に記載された他の実施形態において使用することができ、またその逆に、本明細書に記載された他の実施形態は図19のモジュールに使用することもできる。また、他の受動光学部品をたとえば上述した実施形態のいずれかに適用することができる。
【0164】
図18は、モジュール1のすべてのメンバーを、モジュールのすべての側壁が不透明材料から作られるように設計することのできることを示している。このことは、モジュール1から光の逃げ可能な箇所を制限することに寄与し、特定の(通常は暗色)のモジュール外観を達成することができる。
【0165】
また、図18は、プリズム20を含む光電子モジュール1を示している。このプリズム20と、光電子モジュールの上面を構成する異なる形状の完全に透明なまたは部分的に透明な部品または素子とは、ウエハレベルで製造することができる。対応するウエハは、たとえば、透明ポリマーまたはガラス(特にポリマーの場合、射出成形)を用いて成形により製造ことができ、このようなウエハは複製法を用いて製造することもできる。特にガラスの場合、1つ以上の研磨工程を用いて対応するウエハを製造することも可能である。
【0166】
なお、上記に説明された不透明であるウエハ(および対応する部材)、または少なくとも1つの不透明部を含むウエハ(および対応する部材)を形成するため、ポリマー材料のみならず、たとえば成形された金属、場合によっては研磨された金属などの金属材料から不透明部を製造することができる。金属は、特に優れた寸法安定性および機械的安定性を与えることができる。たとえば、図5に示されるウエハ前駆体8のようなウエハ前駆体が金属ウエハとして具現化されることは可能である。しかしながら、多くの場合、ポリマーウエハは、軽量かつ安価であろう。
【0167】
本特許出願に記載された光電子モジュールは、非常に小さい寸法および高精度の整列、したがって高品質を有するとともに、優れた生産性を有することができる。
【符号の説明】
【0168】
1 装置,光電子モジュール,発光モジュール,LEDモジュール,フラッシュモジュール、2 装置,電化製品,ウエハスタック、3 透明領域、4 開口、5 光学構造,レンズ素子、6 透明素子、7 半田ボール、8 ウエハ前駆体、9 印刷回路板、10 装置,電子装置,スマートフォン、11 穴,開口、12 支持層、13 支持基板、14 光学活性表面、15 リードフレーム、16 ボンドワイヤ、17 導電性接着剤、18 被膜,反射性被膜、19 スリーブ,チューブ,ジャケット,カバー、20 受動光学部品,プリズム、b 遮光部,不透明部、B バッフル部材、BW バッフルウエハ、D 検出部材,検出器,フォトダイオード、E 能動光学部品,発光部材,発光体,発光ダイオード、L 受動光学部品,レンズ部材、O 光学部材、ow 半完成品、ow’ 半完成品,複合半完成品、OW 光学ウエハ、P 基板、P’ 基板、PW 基板ウエハ、s1,s2... 断面図を指す、S スペーサ部材、S’ スペーサ部材、SW スペーサウエハ、t 透明部、T 透明材料。
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